JP4648677B2 - 表面処理金属板とその製造方法、およびコーティング液 - Google Patents

表面処理金属板とその製造方法、およびコーティング液 Download PDF

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Description

本発明は,表面処理金属板とその製造方法、及びコーティング液に関する。
鉄に代表される金属材料は,材料を熱的,化学的等の外乱要因から保護して耐久性を向上させ,また,美しい外観を得ることを目的として塗装して使用されるのが一般的である。これらの塗装金属材料には,耐食性,耐汚染性,耐熱性等,種々の性能が必要とされている。この内,特に耐熱性が必要とされる用途としては,例えば,自動車及び自動二輪車の排気系部品,加熱調理器具,空調機器,暖房機器等が挙げられ,これらは概ね300〜400℃の耐熱性,また,自動車等の排気系部品に対しては500℃以上の耐熱性が要求されている。
これらの用途に対し,ポストコート法は,目的の特性を得ることができる場合が多いが,生産性あるいはコストに課題があるため,プレコート化する検討が行われてきた。耐熱プレコート鋼板用被膜として知られているのはシリコーン樹脂であるが,シリコーン樹脂塗膜の耐熱性は,シリコーン樹脂に導入される有機基の種類や含有量によって大きく変化する。一般的には,有機基の含有量が多くなるほど被膜は柔軟になり,加工性及び加工時の密着性に優れた被膜となる。一方で,被膜の耐熱性を高めるためには,有機物の含有量を低減しなければならず,前述の加工性及び加工時の被膜密着性が損なわれる結果となる。
シリコーン樹脂を使用し,耐熱性と加工性を両立させることを目的とした塗装鋼板として,アルキル基,アルケニル基,フェニル基等を付加したシリコーン樹脂を主成分とする塗料によるプレコート鋼板が知られている(例えば,特許文献1,特許文献2および特許文献3を参照)。これらのシリコーン樹脂塗膜は,有機基比率が比較的高いため,プレコート鋼板として必要な加工性は有しているが,耐熱性が400℃以下と低い。一方で,有機基比率が比較的低いモノメチルシリコーン系の樹脂塗膜(例えば,特許文献4を参照)では,十分な加工性が得られていない。また,耐熱性が異なる2つの樹脂を組み合わせる方法(例えば,特許文献5を参照)や,メチルシリコーン樹脂と直鎖状メチルフェニルシリコーン樹脂とを複合した樹脂塗膜(例えば,特許文献6を参照)が,提案されている。さらに,(特許文献4)の塗膜の加工性を改善する試みとして,モノメチルシリコーン樹脂を主成分とし,イソシアネートとエポキシ樹脂を配合した塗料を用いる方法(例えば,特許文献7を参照)が開示されている。
特開昭63−172640号公報 特開平2−265742号公報 特開平8−10701号公報 特開平8−245922号公報 特開2002−234109号公報 特開2002−307606号公報 特開2002−80974号公報
しかしながら,上述した通り,十分な耐熱性の確保と有機成分の導入による加工性の付与とは相反する課題であり,高いレベルで両者の特性を満足するものは未だ得られていない。
また,上記の検討は,いずれも均一な成分系,あるいは均一な被膜構造のもので検討を行っているものである。
そこで,本発明は,これらの課題を解決すべくなされたものであり,耐熱性と加工性,さらには加工時の密着性をそれぞれ高いレベルで満足するプレコート鋼板を始めとした表面処理金属板とその製造方法、及びコーティング液を提供することを目的としている。また,プレコート法に限らず,ポストコート法その他の方法によっても上記の特性を満足する表面処理金属を得ることを目的とする。
従来は,均質な被膜あるいはその出発原料である均質なコーティング液を用いて検討を行っているのが殆どであるが,本発明を完成させるに当たっては,他の部分とは異なる不均一部分を導入することに着目した。即ち,不均一部分を導入し,それを活用することで,耐熱性,密着性等を効果的に改善したものである。本発明は,表面に被膜を有する表面処理金属であって,当該被膜中に不均一部分を有することを特徴としている。
具体的には,以下の通りである。
(1)主骨格の主要結合がシロキサン結合である無機高分子化合物,または前記無機高分子化合物と有機物との複合体を主成分とする被膜を表面の少なくとも一部に有してなる表面処理金属であって:前記被膜中に,一の領域とは構成元素が同じであって構成元素の比率が異なる他の領域,あるいは一の領域とは構成元素が同じであって結晶粒界等の境界によって前記一の領域とは区別できる他の領域を含み、前記一の領域とは区別できる他の領域がコーティング液が固化する過程で、粒子またはゲル状物質として析出したものであることを特徴とする,表面処理金属
(2)前記他の領域の大きさが,5×10−14以上1×10−9以下であることを特徴とする,(1)に記載の表面処理金属
主骨格の主要結合がシロキサン結合である無機高分子化合物,または前記無機高分子化合物と有機物との複合体を主成分とするコーティング液であって,前記高分子化合物が,ポリスチレン換算の分子量分布において,極大値を2つ以上有し、コーティング液が固化する過程で、粒子またはゲル状物質が析出することを特徴とする,コーティング液。
) 前記高分子化合物のポリスチレン換算の分子量分布の一つの極大値が5×10以上1×10以下の分子量範囲にある高分子化合物を含有することを特徴とする、()に記載のコーティング液。
) (4)に記載のコーティング液を基材金属表面に塗布し,所定の温度,例えば150℃以上の温度で焼き付けることを特徴とする,表面処理金属の製造方法。
本発明によれば,加工性と耐熱性,さらには加工時の密着性をそれぞれ高いレベルで満足するプレコート鋼板を始めとした表面処理金属を容易に得ることができる。また,この表面処理金属を好適に製造するための粒子状又はゲル状物質を含むコーティング液及びその製造方法,さらにはこれらのコーティング液を用いた表面処理金属の製造方法を簡便,かつ安価に得ることができる。
以下に,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明の表面処理金属は,金属の表面に形成された主骨格の主要結合がシロキサン結合である無機高分子化合物,または前記無機高分子化合物と有機物との複合体を主成分とする被膜に特徴があり,当該被膜中に,一の領域とは構成元素が同じであってその比率が異なる領域,あるいは一の領域とは構成元素が同じであって結晶粒界等の境界によって一の領域とは区別できる他の領域(以下,異相領域と呼ぶ)を含んでいることを特徴としている。これは,基本的には,均一なマトリックス(異相領域以外の部分,すなわち,上記一の領域)の中に,不均一な領域が存在することを意味しており,この異相領域を含むことが,本発明を特徴づけるものである。即ち,異相領域を含んでいることで,本発明の効果である優れた耐熱性,加工性あるいは加工時の密着性を発現させることができる。この理由については明らかではないが,後述するように,異相領域は,粒子状物質,ゲル状物質あるいは分子量が比較的大きい高分子物質に由来しているため,緻密な構造を有している場合が多く,さらに元素の構成比に僅かな差異が存在する場合には,それらが境界部における構造の変化をもたらし,特性が向上していると考えている。なお,ここで言う主成分とは,コーティング液に含まれる不揮発成分(被膜を形成したときに被膜を構成する物質)の内,質量割合でおよそ50%以上含まれている物質を指す。
上記の異相領域は,他のマトリックス部分とは構成元素は同じであるものの,その比率が異なるか,結晶粒界等の境界によって明確に区別されていることが必要である。異相領域は,原料であるコーティング液中に,粒子又はゲル状物質として存在していたものが,固化して生成したもの,あるいは,比較的大きな分子量の高分子物質を含んでいる場合に,コーティング液が固化する過程で,この高分子物質が不均質性を伴いながら粒子又はゲル状物質として析出し,そのまま固化したものと考えられる。これらの粒子状又はゲル状物質は,コーティング液中の成分から分離析出して生成したものであり,構成元素はコーティング液の成分と同じである。分離析出は,例えばコーティング溶液中で何らかの理由により急激に高分子化が進行したり,あるいは構造に変化が生じて溶液中に安定的に存在することができなくなったりしたため起こった,あるいは固化の過程で起こったと考えられる。したがって,粒子状あるいはゲル状物質が固化して生成した異相領域は,その履歴をそのまま残していると考えられ,マトリックス部とは構成元素は同じであってその比率が異なるか,結晶粒界等の境界によってマトリックス部とは区別できるものである。これに対して,異相領域がマトリックス部分と構成元素及びその比率のいずれも同じ場合,あるいは結晶粒界等で明確に区別されていない場合には,結局のところ異相領域とはならず,マトリックス部の一部となるため,上記特性の向上は全く認められないか,仮に認められた場合であっても極めて小さいものとなる。
従来から,顔料あるいは潤滑剤粒子等が分散,添加された塗膜においては,これらの粒子は被膜中で,被膜のマトリックス部とは粒界によって明確に区切られて存在している。ところが,これらの粒子は,通常,被膜のマトリックス部とは構成元素が明らかに異なっているため,本発明の対象とはならない。繰り返しになるが,本発明の異相領域はマトリックスと構成元素が同じものを対象としている。即ち,異相領域として,マトリックスと同じ構成元素であってその比率が異なるか,結晶粒界等の境界によって区別される領域を含むことによって,異相領域が存在しない場合に被膜が本来有している特性を全く損なうことなく,耐熱性,加工性あるいは加工時の密着性を向上させることを目的としている。本発明の異相領域は微小な領域であるため,その構造や構成元素,成分は,通常,透過型電子顕微鏡(TEM)や付属の分析装置等を用いて解析することになるが,通常の手法によって分析した場合の分析限界以下の微量の構成元素の含有,あるいは他の公知の方法を用いて分析したときの誤差範囲と考えられるような僅かな構成元素の有無またはその含有量を問題とするものではない。
一方で,本発明で用いる被膜中に,さらに顔料その他の添加物を添加することは一向に差し支えない。顔料としては,例えば自動二輪車,四輪自動車の排気系部品等への適用を目的として配合するCu,Fe,Mn,Cr,Coから選ばれる1種又は2種以上の元素を構成成分とする酸化物,カーボンブラック,黒鉛粉末,あるいは黒鉛化処理を施したカーボンブラック等が挙げられる。また,ニッケル粒子及び/又は酸化ニッケル粒子等を添加することも可能である。さらには,潤滑性の付与を目的とした潤滑粒子,耐磨耗性を付与するための粒子,あるいは光触媒効果を有する微粒子(例えばTiO等)を適宜選択して添加することができる。
上記で述べた異相領域の大きさは,特に制限されるものではないが,あまり微細であっても目的とする効果が得られないため,5×10−14以上であることが好ましく,より好ましくは1×10−13以上,さらに好ましくは5×10−13以上である。大きさがこれらの範囲を超えて小さ過ぎる場合,所謂マトリックス部分との差異がはっきりしなくなるため期待した効果が得られ難い。一方,異相領域の大きさが大き過ぎる場合,表面に形成された被膜全体の不均質性が高くなるため好ましくない。好ましい大きさは,1×10−9以下であり,より好ましくは5×10−10以下である。ここで言う異相領域の大きさは,基材となる金属と平行な方向となるように,即ち,金属表面に形成された被膜の平面方向に断面を作製し,そこで測定した断面積を指している。多くの場合,異相領域の起源となる粒子又はゲル状物質は,通常は等方的な形状を示すことが多いが,時として扁平形状のような異方性を有している場合もあり,この場合には面積の測定方法によって大きさに違いが起こり得るからである。通常このような異相領域は被膜中に数多く存在しているが,その全てを測定する必要はなく,代表的な場所から任意の20ヶ所程度の領域を選択し,その平均値をもって上記の異相領域の大きさに代えることができる。
上に述べた耐熱性あるいは加工性が向上する効果は,構成元素や被膜成分にかかわらず発現する場合が多いが,主骨格の主要結合がシロキサン結合であることにより,特に顕著に発現する。この理由については明らかではないが,以下のように考えている。シロキサン結合を形成する被膜の原料となるSi系のポリマー溶液では,例えば,酸性条件下での重合であるのか,塩基性条件での重合であるか等,僅かな重合条件の変化で,異相領域の素となる粒子やゲル状物質が生成し易い。このため,これらの塗布液を用いて被膜を形成した場合に,粒子あるいはゲル状物質が容易に異相領域を形成するためであると考えている。この内,被膜の構造としては,主骨格の主要結合がシロキサン結合であり,主骨格又は側鎖の一方又は双方の結合中にエーテル結合又はアミノ結合の一方又は双方を含み,かつ有機基としてフェニル基を含む有機−無機複合被膜である。なお,ここで言う主要結合とは,主骨格を形成する結合のうちで最も数が多い結合のことを意味している。
シロキサン結合を主な結合とする被膜中には,必須成分としてSiが含まれているが,これ以外の元素を含んでいても一向に差し支えない。例えば,B,Al,Ge,Ti,Y,Zr,Nb,Ta等から選ばれる一種以上の元素が考えられ,この内,Al,Ti,Nb,Taについては,被膜を低温・短時間で固化させるための触媒的な働きを期待できる。また,Zrを添加した系では,被膜の耐アルカリ性が顕著に改善されるため,特に耐アルカリ性が必要とされる用途に好適に用いられる。
本発明の表面処理金属は,被覆部分が腐食性ガス,熱,摩擦,酸素,水,水蒸気,各種薬品等から保護され,外部環境の影響を受け難い。基材となる金属の種類は特に限定されるものではなく,いかなるものも好適に使用することができる。例えば,金属の種類としては,めっき鋼,ステンレス鋼,チタン,アルミニウム,アルミニウム合金が用いられる。中でも,めっき鋼板,ステンレス鋼板,チタン板,アルミニウム板,アルミニウム合金板等の金属板が特に好適に用いられる。めっき鋼板としては,例えば,亜鉛めっき鋼板,亜鉛−鉄合金めっき鋼板,亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板,亜鉛−クロム合金めっき鋼板,亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板,アルミめっき鋼板,亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金めっき鋼板,亜鉛−アルミニウム−マグネシウム−シリコン合金めっき鋼板,アルミニウム−シリコン合金めっき鋼板,亜鉛めっきステンレス鋼板,アルミニウムめっきステンレス鋼板等が挙げられる。
ステンレス鋼板としては,例えば,オーステナイト系ステンレス鋼板,フェライト系ステンレス鋼板,マルテンサイト系ステンレス鋼板等が挙げられる。ステンレス鋼板の厚さとしては,数十mm程度の厚いものから,圧延により10μm程度まで薄くした,所謂ステンレス箔までが挙げられる。ステンレス鋼板及びステンレス箔の表面は,ブライトアニール,バフ研磨等の表面処理を施してあっても良い。
アルミニウム合金板としては,例えば,JIS1000番系(純Al系),JIS2000番系(Al−Cu系),JIS3000番系(Al−Mn系),JIS4000番系(Al−Si系),JIS5000番系(Al−Mg系),JIS6000番系(Al−Mg−Si系),JIS7000番系(Al−Zn系)等が挙げられる。
また,本発明の表面処理金属は耐熱性や加工性が向上するため,特にプレコート金属に対して優れた効果を発揮するものであるが,プレコート金属には限定されず,すでに最終形状となっている製品や途中段階の所謂半製品であっても,好適に用いることができる。
本発明の表面処理金属は,基材である金属表面の少なくとも一部に,直接前記の異相領域を含む被膜が形成されている場合,即ち,異相領域を含む被膜のみ有しているはもちろんであるが,他の被膜が存在する金属板に形成され,複層化されている状態であっても全く差し支えない。例えば,クロメート処理を施し,クロメート被膜が形成された金属やクロメート以外の公知の表面処理(例えばリン酸塩処理等)がなされている金属表面に,本発明で用いる無機−有機複合被膜が形成されている場合等が挙げられる。
本発明の表面処理金属は,材料として用いることも可能であるが,部品に加工した状態でも好適に用いることができる。部品としては,特に限定されるものではなく,家電製品,自動車用部品,建材用等に用いることができる。中でも,表面の被膜が特に耐熱性と加工性に優れていることを利用して,耐熱性が必要とされる家電製品等に特に好適に用いることができる。代表的な例としては,オーブンレンジ,ガスレンジ等の加熱調理器具,テーブルコンロ,ビルトインコンロ,レンジフード等の厨房機器類,ファンヒーター,エアコン等の暖房機器,空調機器等が挙げられる。また,自動車用部品としても好適に用いることができ,特にマフラー等の排気系部品として好適に用いることができる。
本発明で用いる被膜は,前述の通り,加工性に優れるため,加工が必要な部品に対しては,被膜を形成した後に加工を行うことも可能である。しかしながら,用途によっては,加工後に被膜を形成する方が,コストを始めとしてプロセス上のメリットが大きい場合もあり得る。そのような場合には,予め基材となる金属を加工した後に被膜を形成する工程を採用することができる。
本発明で用いる表面被膜の厚さは,必要とされる特性あるいは用途によっても異なるが,0.1μm以上25μm以下であることが好ましく,より好ましくは0.1μm以上20μm以下であり,さらに好ましくは0.2μm以上10μm以下である。被膜厚さがこれらの範囲を超えて薄い場合,すなわち,被膜厚さが0.1μm未満の場合には,均一な厚さの被膜を形成して所定の特性を発現することが困難であり,一方で,被膜が上記範囲を超えて厚過ぎる場合,すなわち,被膜厚さが25μmを超える場合には,成型加工性が十分でなかったり,あるいは加工時の密着性が不十分な被膜となる場合が多い。
続いて,以下に,本発明の表面処理金属を好適に得るためのコーティング液について述べる。このコーティング液は,主骨格の主要結合がシロキサン結合である無機高分子化合物,または前記無機高分子化合物と有機物の複合体を主成分とするコーティング液であって,当該高分子化合物が,ポリスチレン換算の分子量分布で極大値を2つ以上有し、コーティング液が固化する過程で、粒子またはゲル状物質が析出することを特徴としている。高分子の分子量が顕著に大きい場合には,コーティング液中には粒子状物質あるいはゲル状物質を含んでいることもある。粒子状物質あるいはゲル状物質は,一般的には粒子状物質やゲル状物質の素となった物質と構成元素が同じである。しかしながら,粒子状物質あるいはゲル状物質は,その生成過程において,あるいはその後の変化によって元素の構成比が変化している可能性が高く,その場合であっても異相領域を構成する起源として好適に用いることができる。さらには,主成分と構成元素及びその比率が全く同じである粒子状物質又はゲル状物質であっても,何ら支障なく好適に用いることができる。主成分と構成元素及びその比率の両者が全く同じである粒子状物質又はゲル状物質を含むコーティング液を用いて被膜を形成した場合には,生成した異相領域は被膜中において結晶粒界等の境界によって他の領域とは区別することができるため,本発明で用いる被膜の特徴である優れた耐熱性や加工性が得られる。上記の粒子状物質あるいはゲル状物質は,一般的には合成の過程で,あるいはその後の熱処理等の過程で母相であるコーティング液から分相あるいは析出したものである。したがって,コーティング液に意図的に添加している顔料その他の添加物は,構成元素や組成,あるいは構造のいかんにかかわらず本発明のコーティング液を構成するものではない。
しかしながら,上記に述べたとおりであっても,必要に応じて添加する顔料,添加物等を排除するものではない。本発明者らは,上述のコーティング液が,異相領域を有する表面被膜を形成するのに適していることを見出し,本発明を完成させている。したがって,他の機能を確保するため,あるいは必要な特性をさらに向上させるために,コーティング液に顔料,添加物等を添加することは一向に差し支えない。
本発明のコーティング液には少なくとも1種の高分子物質が含有されているが,この高分子物質の分子量は,ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC:Gel Permeation Chromatography)により測定されたポリスチレン換算の分子量分布において,極大値を2つ以上有していなければならない。コーティング液には粒子状物質あるいはゲル状物質を含んでいる場合が多いが,通常,これらの粒子状物質,ゲル状物質は分子量の大きな高分子を形成しており,大きい方の分子量分布に対応している。コーティング液中にこれらの粒子状物質あるいはゲル状物質を含んでいない場合であっても,分子量分布に2つ以上の極大値が存在しているときは,一般的には大きい方の極大値を示す高分子物質が塗布,焼付け等の工程で分相,析出を生じるため,コーティング液に粒子状物質あるいはゲル状物質が存在する場合と同等の効果が得られる。分子量分布が極大値を2つ以上持たず,連続的な一つの極大値を示す分子量分布であった場合には,コーティング液には粒子状物質,ゲル状物質が存在せず,また上述した分相,析出の効果が得られ難いためである。この結果,当該コーティング液を原料として被膜を形成したときに,被膜中に形成される異相領域がマトリックス部と連続相を形成する可能性が高く,期待した耐熱性,加工性等を得ることが困難になる。
上記の分子量分布の極大値の内,大きい方の極大値が5×10以上の分子量である場合に,特に顕著な被膜特性の改善が認められる。この効果は,粒子状あるいはゲル状物質の物理的な大きさとは直接関係がなく,これらを形成する高分子の性質によって決まるものである。粒子状あるいはゲル状物質の分子が発達し,分子量が大きくなっている場合には,これを含むコーティング液を用いて被膜を形成したときに耐熱性等が顕著に向上する傾向が認められる。より好ましい分子量分布における極大値は,ポリスチレン換算の分子量で8×10以上である。一方で,分子量分布の大きい方の極大値が大き過ぎる場合,表面の被膜中に形成される異相領域が不均質となり過ぎ,耐熱性等について期待した効果が得られない可能性が高い。そのような観点から,大きい方の極大値は,ポリスチレン換算の分子量で1×10以下が好ましく,より好ましくはポリスチレン換算の分子量で1×10以下である。
コーティング液に粒子状あるいはゲル状物質が存在する場合では,その大きさは特に限定されるものではない。しかし,これらのサイズが大き過ぎる場合には,最終的に金属表面に形成したときの不均質性が大きくなり過ぎるため,好ましくない。好ましい大きさとしては2000μm以下,より好ましくは1000μm以下,さらに好ましくは500μm以下である。粒子状あるいはゲル状物質がこれらの範囲を超えて大き過ぎる場合,全体として均一な被膜を形成するのが困難になるためである。大きさの下限は,その後の塗布,焼付けの過程で成長する可能性があるため,特に限定されない。しかしながら,一般的にはある程度の大きさを有している場合に,被膜としての特性が良くなる傾向が認められる。このための好ましい大きさとしては0.1μm以上であり,より好ましくは0.2μm以上,さらに好ましくは0.5μm以上である。
これまでの説明において,粒子状物質あるいはゲル状物質と言う言葉を用いているが,これは,基本的には粒子あるいはゲルという意味で用いている。ところが「粒子」と言う言葉には,個々の形状,大きさによって特徴づけられるものという意味があり,輪郭が明瞭な一定の形状を有するものであるという印象を受ける。しかしながら,本発明における粒子は,必ずしも一定の形態を有している必要はなく,時間と共に,形状,大きさを変化させるものであっても全く差し支えない。ある時点において,粒子と定義される物体がコーティング液に存在することを企図したものである。一方,ゲル状物質については,ゾルが流動性を失って固化したものであるが,ゾルが局所的に流動性を失って固化,ゲル化しているものを指しており,この場合も必ずしも一定の形状を有している必要はなく,時間と共に,変化していても一向に差し支えない。
本発明のコーティング液は,主骨格の主要結合がシロキサン結合である無機高分子化合物,または前記無機高分子化合物と有機物との複合体を主成分とする以外に構成成分や組成が特に限定されるものではない。以下にその製造法の好適な一例について述べる。
本発明のコーティング液は,エポキシ基を有するアルコキシシラン,炭素数1〜12のアルキル基を有するアルコキシシラン,アリール基を有するアルコキシシラン,テトラアルコキシシランよりなる群から選ばれた少なくとも1種のアルコキシシランを酸性条件で加水分解を行った後,塩基性の物質を添加し,引き続き所定時間加水分解を行うことによって得られる。
この内,エポキシ基を有するアルコキシシランとしては,例えば,γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン,γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン,3,4−エポキシシクロヘキシルメチルトリメトキシシラン,3,4−エポキシシクロヘキシルメチルトリエトキシシラン,β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン,β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が好適に用いられ,取扱いの容易さ,反応性等の点で,γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが特に好適に用いられる。このエポキシ基を有するアルコキシシランは,処理液中において,アルコキシ基の全て,あるいは一部が加水分解されていても差し支えない。
炭素数1〜12のアルキル基を有するアルコキシシランとしては,例えば,メチルトリメトキシシラン,ジメチルジメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,ジメチルジエトキシシラン,ヘキシルトリメトキシシラン,ヘキシルトリエトキシシラン,デシルトリメトキシシラン,デシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
アリール基を有するアルコキシシランとしては,例えば,フェニルトリメトキシシラン,ジフェニルジメトキシシラン,フェニルトリエトキシシラン,ジフェニルジエトキシシラン等が挙げられる。
本発明で用いるコーティング液には,さらにテトラアルコキシシラン,及びその加水分解物を一つの成分として含有させることができる。テトラアルコキシシランをシリカ系コーティング液中に含有させることにより,得られるシリカ系コーティング膜の鉛筆硬度をより一層高めることができる。また,必要に応じてテトラアルコキシシラン以外のアルコキシドを添加物として用いることもできる。特に,Ti,Al,Ta,Nbから選ばれる少なくとも1種の金属アルコキシドを添加し,酢酸を酸触媒として用いたとき,エポキシ基の開環速度が速くなり,低温短時間硬化の効果が特に大きくなる。アルコキシシラン以外の金属アルコキシドは,アルコキシ基の全て又は一部が加水分解されていても良い。
先ず,これらのアルコキシシランを酸性条件下で加水分解を行う。酸性条件での加水分解は,適当な酸触媒を添加することによって実現することができる。酸触媒としては,ギ酸,マレイン酸,安息香酸等の有機酸,塩酸,硝酸等の無機酸が挙げられるが,特に酢酸が好適に用いられる。触媒として酸を用いることで,原料として用いているアルコキシシランがコーティングに適した重合状態を取ることに加えて,酢酸を触媒として用いたときには,エポキシ基の開環が促進され,低温短時間硬化の効果が大きくなるためである。これら触媒の添加量は,特に限定を受けるものではないが,一例を挙げれば,エポキシ基を含有するアルコキシシラン又はその加水分解物の一方又は双方の100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下を添加した場合に,触媒としての効果を最大限に発揮することができる。
酸性条件下で加水分解を行った後に,塩基性の物質を添加し,引き続き所定時間加水分解を行うことによって,本発明に好適に用いられるコーティング液を作製することができる。ここが最も重要な工程であり,均質な酸性状態の系に塩基性の物質を添加することで,不均質性が導入される。塩基性物質を添加した後は,加水分解を所定時間継続して,系内に存在している不均質性物質を成長させるのが好ましい。加水分解時間は,添加した塩基性物質の量等によって適宜決定することが好ましいが,およその目安としては30分以上,好ましくは1時間以上,さらには好ましくは2時間以上である。この塩基性物質添加後の加水分解工程は,導入された不均質性をある程度の大きさに拡大するために必要なものであり,分子量分布の極大値が2つ以上となる不均質性が系に導入され,不均質性が大きい場合には粒子状物質やゲル状物質が析出することとなる。上記の加水分解は,長時間行っても特に問題となることはないが,時間に対する効果は徐々に低下するため,コーティング液の生産性を考えると適当な時間で終了させるのが好ましい。加水分解を最も長時間行う場合でも,一昼夜,即ち24時間で終了させることが好ましく,20時間で終了させるのがさらに好ましい。金属に限らず,ケイ素を必須成分とする被膜を表面に被成するときには,出発原料として,金属アルコキシドやその官能基の一部を有機基で置換したモノマーがしばしば用いられる。これらの出発原料を用いるだけでは,上記の不均質性,即ち2つ以上の極大値や粒子状物質,ゲル状物質は発現しない。酸性条件で加水分解を行い,その後,少なくとも系の一部を塩基性条件に変えること,あるいはその逆に塩基性条件から酸性条件に変更することが重要であり,さらに,条件変更をした後にその状態を継続することによって,本発明の2つ以上の極大値を有する分子量分布が得られたり,さらに分子量が大きくなった場合には,粒子状あるいはゲル状物質を含んだコーティング液が得られる。上記の塩基性物質は特に限定を受けないが,一例を挙げるとアミノ基を有するアルコキシシランが特に好適に用いることができ,また,他の金属成分の混入を避けられると言う点でアンモニア水等が好適に用いられる。
アミノ基を有するアルコキシシランとしては,アミノプロピルトリメトキシシラン,アミノプロピルトリエトキシシラン,(β−アミノエチル)−β−アミノプロピルトリメトキシシラン,(β−アミノエチル)−β−アミノプロピルメチルジメトキシシラン,(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられ,中でも,アミノプロピルトリエトキシシランが扱い易さ等の点から特に好適に用いられる。これらのアミノ基を有するアルコキシシランは,エポキシ基を有するアルコキシシランと同様に,処理液中において,アルコキシ基の全てあるいは一部が加水分解されていても一向に差し支えない。
アミノ基を含有するアルコキシシランの添加量は,特に制限を受けるものではなく,系に少量の不均質を導入したい場合には少量の添加でよく,反対にかなりの量の不均質物質を生成させたい場合には,ある程度の量を添加することが好ましく,必要に応じて適宜決定すれば良い。コーティング液に不均質性を導入するに当たっては,既に述べた通り,酸性状態の系全体を塩基性条件にする方法もあり,また局所的に塩基性条件とする方法も取り得る。局所的に塩基性条件とした場合には,一見効果が薄いように感じられるが,これは,例えば,系全体が酸性条件であっても,塩基性物質を添加した場合には局所的には塩基性条件となり,アルコキシシランの加水分解のメカニズムが変わるため,本発明の目的に適したコーティング液が得られるためである。
これとは反対に,当初塩基性条件で加水分解を行い,加水分解の途中で酸性物質を添加して加水分解条件を変化させることによっても,同様に粒子状あるいはゲル状物質を含んだ不均質なコーティング液が得られる。本方法の場合にも,上記の塩基性物質あるいは酸性物質を用いることができる。塩基性条件下で加水分解を行うと3次元的な重合が起こるため,粒子状あるいはゲル状物質が生成し易い。塩基性条件での加水分解から酸性条件とし,不均質性を導入する場合においても,所定時間加水分解を行う必要があるのは,前述した通りである。加水分解時間の目安も前述のとおりと考えて差し支えない。
酸性条件において塩基性物質を添加するタイミング,あるいは塩基性条件において酸性物質を添加するタイミングは,必要とする特性に応じて適宜決定することができる。また,上述した時間を超えて加水分解を行った場合には,塩基性物質あるいは酸性物質を添加した後どの程度加水分解反応を継続するのか,即ち,いかなる状態で加水分解を終了するのかについても必要な特性に応じて決定することができる。
また,本発明のコーティング液には,耐アルカリ薬品性を改善することを目的としてジルコニウムの化合物,例えばジルコニウムアルコキシド,その加水分解物,あるいは酸化ジルコニウム(ジルコニア)ゾルの少なくとも1種を含有させることができる。ジルコニウムアルコキシドとしては,例えば,ジルコニウムメトキシド,ジルコニウムエトキシド,ジルコニウムノルマルプロポキシド,ジルコニウムイソプロポキシド,ジルコニウムノルマルブトキシド等が好適に用いられる。これらの化合物は,処理液中において,アルコキシ基の全てあるいは一部が加水分解されていても一向に差し支えない。一般的には,ジルコニウムのアルコキシドはアルコキシシランと比較して反応性が高いため,反応速度を制御する目的でアルコキシ基の一部をβ−ジケトン,β−ケトエステル,アルカノールアミン,アルキルアルカノールアミン,有機酸等で置換したアルコキシド誘導体も好適に用いることができる。
また,本発明で用いるコーティング液に,炭素数1〜12のアルキル基のフルオロ置換体を有するアルコキシシランを含有させることにより,得られる塗膜に耐指紋性,撥水性,耐汚染性等を付与することができる。炭素数が12超のアルキル基のフルオロ置換体では,膜の硬化反応を妨げる上,鉛筆硬度が実用強度に満たない膜しか得られないので好ましくない。炭素数1以上12以下のアルキル基のフルオロ置換体を有するアルコキシシランとして,トリフルオロプロピルトリメトキシシラン,3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン,(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン,ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン等を好適に用いることができる。これらのアルコキシシランは,原料であるコーティング液中でアルコキシ基の全て又は一部が加水分解されていても差し支えない。
本発明で用いるコーティング液には,塗膜の意匠性,耐食性,耐摩耗性,触媒機能等を向上させることを目的として,着色顔料,耐湿顔料,触媒,防錆顔料,金属粉末,高周波損失剤,骨材等を添加することも可能である。顔料としては,例えば,Cu,Fe,Mn,Cr,Coよりなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素を構成成分とする酸化物,カーボンブラック,黒鉛粉末,及び,黒鉛化処理を施したカーボンブラック等が挙げられる。これら以外にも,Ti,Al等の酸化物や複合酸化物,Zn粉末,Al粉末等の金属粉末等が挙げられる。防錆顔料としては,環境汚染物質を含まないモリブデン酸カルシウム,リンモリブデン酸カルシウム,リンモリブデン酸アルミニウム等の非クロム酸顔料を用いることが好ましい。触媒機能が向上できる例としては,酸化チタン等の光触媒を添加することで,汚染物質を分解するセルフクリーニング機能が向上する例が挙げられる。また,高周波損失剤としてはZn−Niフェライトが,骨材としてはチタン酸カリウム繊維等が挙げられる。
また,添加剤として,レベリング効果剤,抗酸化剤,紫外線吸収剤,安定剤,可塑剤,ワックス,添加型紫外線安定剤等を混合して用いることができる。また,必要に応じて,被膜の耐熱性等を損なわない範囲でフッ素樹脂,ポリエステル樹脂,ウレタン樹脂等の樹脂系塗料を含んでもよい。これら添加剤は1種のみを用いてもよく,2種類以上を適宜混合して用いることもできる。また,必要に応じてジルコニアゾル以外の無機粒子,金属粒子,着色顔料あるいは染料等を添加することができる。
本発明のコーティング液は,溶質を均一に分散,溶解できる有機溶媒中で調製することができる。有機溶媒としては,例えばメタノール,エタノール,プロパノール,ブタノール等の各種アルコール類,アセトン,ベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼン等の芳香族系有機溶剤等を単独で,あるいは混合して使用するのが好ましい。
作製したコーティング液は,必要な膜厚に適合するように有機溶媒又は水で希釈して用いることができる。希釈は,通常1回のコーティングで得られる膜厚が0.2〜2μmの範囲となるように行う。また,複数回の塗装によってそれ以上の厚さの塗膜を形成してもよい。一方,溶媒として用いた,あるいは加水分解で生成したアルコール等を常圧あるいは減圧下で留去した後に,塗布することもできる。
上記のコーティング液を基材である金属表面に塗布,150℃以上の温度で焼き付けることによって,当該金属表面に有機又は無機の高分子化合物,あるいはそれらの複合被膜であって,異相領域を有する被膜を表面の少なくとも一部に有する表面処理金属を製造することができる。コーティング液に粒子状物質あるいはゲル状物質が含まれている場合には比較的容易に異相領域を含む被膜を被成することができるが,当該物質がコーティング液中に存在しないときには焼付け条件,即ち昇温速度あるいは加熱の保持時間を工夫することによって,本発明の目的により合致した被膜とすることができる。基材である金属への塗装は,ディップコート法,スプレーコート法,バーコート法,ロールコート法,スピンコート法等によって行われる。本発明で用いられる表面被膜は,上述の各種基材に対して特に前処理を行わなくても良好な密着性を示すが,必要に応じて塗布前に前処理を行うこともできる。代表的な前処理としては,酸洗,アルカリ脱脂,クロメート処理等の化成処理,研削,研磨,ブラスト処理等があり,必要に応じてこれらを単独であるいは組み合わせて行うことができる。
本発明で用いられる被膜のマトリックス部分は,無機と有機の両方の網目構造を有し,かつ,それらが互いに結合しあっているため,無機成分に由来する耐熱性,耐腐食性,耐候性,高硬度等の性質と有機成分を含有することによる加工性を併せ持っている。また,プレコート化を可能とするため,低温短時間で硬化させることも可能である。本発明の被膜は,150℃以上400℃程度までの温度域で,1時間から数秒程度の熱処理を行うことが好ましい。一般的には熱処理温度が高い場合は,短い熱処理時間で膜の硬化が可能であり,熱処理温度が低い場合には長時間の処理が必要である。また,乾燥あるいは熱処理に十分な温度,時間をかけられないような場合には,一旦乾燥,固化あるいは焼き付け固化を行った後に,必要に応じて,常温で1〜5日エージングすることが好ましい。この操作により,塗膜形成直後より塗膜の硬度を高めることができる。
本発明の表面処理金属は,その用途が特に限定されるものではないが,耐熱性と加工性とが必要とされる用途に広く好適に用いることができる。例えば,二輪車用あるいは四輪車用の排気系部品,中でも,テールパイプ,マフラーシェル,エンドプレートに好適に用いることができる。また,家電製品の内,例えば,加熱調理器具,空調機器,暖房機器用等の内外装部品として好適に用いることができる。具体的にはオーブンレンジの内箱・外箱,炊飯器外装部品,空調機器,暖房機器のルーバー等が挙げられる。
続いて,本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが,本発明は,以下の実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
第1表のNo.1〜3に示した割合で配合したγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTE),酢酸,チタニウムテトラエトキシド(TE),フェニルトリエトキシシラン(PhES),テトラエトキシシラン(TEOS)を十分に(モータ駆動の撹拌羽根を使用して一晩)撹拌した後,エタノールで希釈した蒸留水で加水分解を行った。この加水分解を行った溶液に,アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)を加え,さらに蒸留水/エタノール混合溶液を用いて加水分解を行った後,引き続き2時間以上加水分解とエージングを行い,表面処理用のコーティング液を調製した。加水分解は数回に分けて行っているが,第1表に示した蒸留水の量は,それらに用いた蒸留水の合計量である。
一方,上記と全く同じ原料及び配合割合を用いて,比較検討用のコーティング液を調製した。ただし,比較検討用のコーティング液は,最終工程の2時間以上の加水分解とエージングは行っていない。上記本発明の実施例に係るコーティング液としてNo.1〜3の3種類,比較検討用としてNo.4〜6の3種類のコーティング液を作製した。
Figure 0004648677
これらのコーティング液をクロメート処理を行った厚さ0.8mmの溶融亜鉛めっき鋼板(めっき付着量:片面当たり90g/m)にバーコータで塗布後,熱風循環型の電気炉を使用して熱処理を行い,それぞれの被膜を形成した表面処理鋼板を得た。この熱処理は,具体的には,1分後に板温が230℃となるような昇温条件を用いて,最高温度230℃で行い,最高温度に到達した後に直ちに冷却した。
得られた被膜は,FT−IR分析の結果,シロキサン結合を主要な結合としており,そこにフェニル基,エポキシ結合,アミノ結合を含む構造を有していることが判った。また,表面の被膜の厚さは2.5〜3μmであった。被膜を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ,No.1〜3のコーティング液から作製した被膜には,結晶粒界によって区別される明らかな異相領域の存在が確認された。TEMに付属しているエネルギー分散型X線分析装置(EDX)で元素分析を行ったところ,異相領域の構成元素はマトリックス部と全く同じであった。一方,No.4〜6のコーティング液から作製した被膜には,異相領域は認められなかった。異相領域の大きさは,顕微鏡で観察された少なくとも20個の異相領域の大きさを画像処理によって特定し,その大きさを平均して算出した。
被膜の特性は,以下に示す耐熱性によって評価した。試験前の試験片の色,光沢を予め測定しておき,300℃に加熱したオーブン中で240時間保持し,室温まで冷却した後,色,光沢を測定し,試験前後での色の変化,光沢の保持率で比較した。また,試験後の被膜の剥離状況を観察した。試験片の色の測定には,スガ試験機製多光源分光測色計(MSC−45−2B型)を,光沢の測定には,同じくスガ試験機製デジタル変角光沢計(UGV−6P型)を,それぞれ使用した。
Figure 0004648677
表面の各被膜の特性(耐熱性等)を上記第2表に示した。No.1〜3の被膜では,明らかに大きな異相領域が存在しており,その大きさは,本発明の特に好ましい異相領域の大きさである5.0×10−14以上であり,十分な大きさであると言える。この結果,300℃における耐熱性の結果において,異相領域が認められないNo.4〜6の被膜と比較して,試験前後の色の変化が少なく,光沢保持率が大きいことが判った。また,試験後の被膜の剥離状況に関しては,いずれの試験片とも剥離は認められなかった。
また,加工性および加工時の密着性については,以下のようにして評価した。すなわち,被膜を形成した表面処理鋼板を,絞り比1.6,塗油した状態で円筒絞り成形(カップ成形)を行い,成形性,成形時の被膜密着性について調査した。実施例(No.1〜3)として示した異相領域を有する被膜を形成した鋼板では,何ら問題なく成形が可能であったのに対し,比較例(No.4〜6)で示した鋼板では,成形品の一部にすじ状に被膜の剥離が認められた。この結果から,本発明で用いる被膜を形成した表面処理鋼板は,成形性および成形時の被膜の密着性に優れていることがわかった。
(実施例2)
第3表に示した割合で配合したγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTE),酢酸,チタニウムテトラエトキシド(TE),フェニルトリエトキシシラン(PhES),テトラエトキシシラン(TEOS)を十分に(モータ駆動の撹拌羽根を使用して一晩)撹拌した後,エタノールで希釈した蒸留水で加水分解を行った。ここに,アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)をゆっくり加え,さらに蒸留水/エタノール混合溶液を用いて加水分解を行った後,5時間加水分解とエージングを行って,表面処理用のコーティング液を調製した(No.1〜5)。加水分解は,数回に分けて行っているが,第3表に示した蒸留水の量は,それらに用いた蒸留水の合計量である。
一方,第3表に示した原料及び配合割合で,比較検討用のコーティング液を調製した(No.6)。ここで,No.6のコーティング液には,アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)を加えていない。なお,本実施例においては,実施例1とは異なり,比較検討用のコーティング液についても最終工程の5時間の加水分解とエージングを行っている。
Figure 0004648677
得られたコーティング液については,含有する粒子又はゲル状物質の有無,及び,その大きさについて,レーザー散乱法によって測定した。また,水あるいはテトラヒドロフラン(THF)で希釈した後,GPC法によりポリスチレン換算の分子量分布を測定した。
このコーティング液をクロメート処理を行った厚さ0.6mmのステンレス鋼板(YUS432)にバーコータで塗布後,熱風循環型の電気炉を使用して熱処理を行い,所定の被膜を形成した表面処理鋼板を得た。この熱処理は,具体的には,約1分後に板温が250℃となるように昇温し,最高温度250℃で行い,最高温度に到達した後に直ちに冷却した。
得られた被膜は,実施例1と同様,FT−IR分析を行った結果,シロキサン結合を主要な結合としており,そこに,フェニル基,エポキシ結合,アミノ結合を含む構造を有していることが判った。また,表面の被膜の厚さは約2μmであった。実施例であるAPTESを添加し,最終工程で加水分解,エージングを行った塗布液(No.1〜5)には,2種類の分子量分布を示し,2つ以上の分子量分布を有する高分子化合物が生成していた。一方,比較例のAPTESを添加していないコーティング液(No.6)には,単一で1つの極大値しか存在しない分子量分布の高分子物質が生成していた。金属表面に形成した被膜を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ,実施例のコーティング液を用いて被成した被膜には明らかな異相領域の存在が確認されたが,比較例のコーティング液を用いて被成した被膜には異相領域の存在は確認されなかった。異相領域の元素分析を行った結果,異相領域の構成元素はマトリックス部と全く同じであった。異相領域の大きさ及び被膜の耐熱性は,実施例1と同じ方法によって測定した。コーティング液に2つ以上の分子量分布の極大値が存在している場合に限って被膜にも異相領域が存在しており,この分子量分布の特異性が熱処理後の異相領域の生成をもたらしていることが判る。
Figure 0004648677
表面の各被膜の特性(耐熱性等)を上記第4表に示した。異相領域が存在している被膜では,異相領域は耐熱性を向上させるのに十分な大きさを有していることが判る。この結果,300℃における耐熱性の結果においては,異相領域が認められない被膜と比較して,試験前後の色の変化が少なく,光沢保持率も大きいことが判った。
また,実施例1の場合と同様に,被膜を形成した表面処理鋼板を,絞り比1.6,塗油した状態で円筒絞り成形(カップ成形)を行い,成形性,成形時の被膜密着性について調査した。実施例(No.1〜5)として示した異相領域を有する被膜を形成した鋼板では,何ら問題なく成形が可能であったのに対し,比較例(No.6)で示した鋼板では,成形品の一部にすじ状に被膜の剥離が認められた。この結果から,本発明で用いる被膜を形成した表面処理鋼板は,成形性および成形時の被膜の密着性に優れていることがわかった。
(実施例3)
γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTE)100質量部に,酢酸15.1質量部,チタニウムテトラエトキシド(TE)8.2質量部を添加し,混合液Aを作製した。これとは別に,テトラエトキシシラン(TEOS)87.0質量部,フェニルトリエトキシシラン(PhES)201.5質量部に,エチルアルコールを添加して,質量割合で5倍に希釈した混合液に,アンモニア水0.5質量部を徐々に添加し,加水分解液Bを作製した。アンモニア水の滴下が完了した後,すぐに加水分解液Bを混合液Aに滴下した。さらに,エタノールで希釈した蒸留水を滴下した後,そのまま5時間撹拌を続け,A,B混合液の加水分解を行った。加水分解に使用した蒸留水の量は,合計で450質量部である。
得られたコーティング液は,異なる2種類の分子量分布を有する高分子物質を含有しており,GPC法で測定したポリスチレン換算の分子量の大きい方の極大値は7500であった。
このコーティング液をクロメート処理を行った厚さ0.5mmのステンレス鋼板(SUS430)にバーコータで塗布後,約1分後に板温が270℃となるように昇温し,270℃で熱処理を行い,所定の被膜を形成した表面処理鋼板を得た。
得られた被膜について,実施例1,2と同様に,FT−IR分析を行った結果,シロキサン結合を主要な結合としており,そこにフェニル基,エポキシ結合,アミノ結合を含む構造を有していることが判った。また,表面の被膜の厚さは約3μmであった。被膜を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ,明らかな異相領域の存在が確認され,その大きさは8.2×10−12であった。実施例1,2と同じく,分析装置で元素分析を行ったところ,異相領域を構成している元素はマトリックス部と全く同じであった。被膜の耐熱性は,実施例1と同じ方法によって測定した。耐熱試験前後の色の変化(ΔE)は1.77,光沢保持率は80.4%であり,実施例1,2の比較例と比べても,高い耐熱性を有していることが判る。
また,実施例1,2と同様に,被膜を形成した表面処理鋼板を,絞り比1.6,塗油した状態で円筒絞り成形(カップ成形)を行い,成形性,成形時の被膜密着性について調査した結果,何ら問題なく成形が可能であった。
以上,本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (5)

  1. 主骨格の主要結合がシロキサン結合である無機高分子化合物,または前記無機高分子化合物と有機物との複合体を主成分とする被膜を表面の少なくとも一部に有してなる表面処理金属であって:
    前記被膜中に,一の領域とは構成元素が同じであって構成元素の比率が異なる他の領域,あるいは一の領域とは構成元素が同じであって結晶粒界等の境界によって前記一の領域とは区別できる他の領域を含み、前記一の領域とは区別できる他の領域がコーティング液が固化する過程で、粒子またはゲル状物質として析出したものであることを特徴とする,表面処理金属
  2. 前記他の領域の大きさが,5×10−14以上であることを特徴とする,請求項1に記載の表面処理金属
  3. 主骨格の主要結合がシロキサン結合である無機高分子化合物,または前記無機高分子化合物と有機物との複合体を主成分とするコーティング液であって,
    前記高分子化合物が,ポリスチレン換算の分子量分布において,極大値を2つ以上有し、コーティング液が固化する過程で、粒子またはゲル状物質が析出することを特徴とする,コーティング液。
  4. 前記高分子化合物のポリスチレン換算の分子量分布の一つの極大値が5×10以上の分子量範囲にある高分子化合物を含有することを特徴とする,請求項に記載のコーティング液。
  5. 請求項4に記載のコーティング液を基材金属表面に塗布し,所定の温度で焼き付けることを特徴とする,表面処理金属の製造方法。
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