JP2003266598A - プリント基板製造用離型アルミニウム箔 - Google Patents

プリント基板製造用離型アルミニウム箔

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JP2003266598A
JP2003266598A JP2002075662A JP2002075662A JP2003266598A JP 2003266598 A JP2003266598 A JP 2003266598A JP 2002075662 A JP2002075662 A JP 2002075662A JP 2002075662 A JP2002075662 A JP 2002075662A JP 2003266598 A JP2003266598 A JP 2003266598A
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秀造 森脇
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Abstract

(57)【要約】 【課題】離型性、耐熱性、耐磨耗性等の特性に優れ、且
つ安全性が高く、取扱いが容易なプリント基板製造用離
型シートを提供する。 【解決手段】アルミニウム箔の少なくとも一部に、ポリ
オルガノシロキサン類を含むコーティング剤、特に、一
分子中に炭素炭素不飽和二重結合とポリオルガノシロキ
サン鎖とを有する単量体(a)1〜80重量%;一分子
中に炭素炭素不飽和二重結合と架橋性官能基とを有する
単量体(b)10〜80重量%及び;前記単量体(a)
と(b)以外の、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合を
有する単量体(c)0〜89重量%からなる重合体
(A)並びに、前記単量体(b)10〜100重量%及
び;前記単量体(c)0〜90重量%からなる重合体
(B)を含むコーティング剤、を用いて形成されたコー
ティング層を有するプリント基板製造用離型アルミニウ
ム箔に係る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板製造
用離型アルミニウム箔に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂ベースプリント基板は、通常、ガラ
スクロス、紙等の基材にエポキシ系樹脂、フェノール系
樹脂、ポリイミド系樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた
後、乾燥させて半硬化状態のプリプレグを作製し、次い
で半硬化状態のプリプレグを加熱硬化させることにより
製造される。
【0003】プリプレグの加熱硬化に際しては、作業性
を大幅に向上させるために、適当な大きさに切断した半
硬化状態のプリプレグを離型シートと交互に多数積層
し、上下方向から熱と圧力とを加える多段プレスの手法
により行われる場合が多い。このような多段プレスを行
う場合には、離型シートを用いることにより、加熱硬化
中のプリプレグどうしの接着が防止できるとともに、加
熱硬化後は離型シートからプリプレグが容易に剥離でき
る。従って、複数枚の樹脂ベースプリント基板を効率よ
く製造することができる。
【0004】従来、このような離型シートとしては、特
公平4−9号公報等に開示されているような、エポキシ
系樹脂及びシリコーンを含むコーティング剤をアルミニ
ウム箔の片面又は両面に塗布した後、乾燥して得られる
材料が広く用いられている。この種の離型シートは、離
型性、耐熱性等の特性に優れており、プリント基板製造
分野をはじめ、各種分野において幅広い用途がある。
【0005】しかしながら、この種の離型シートに関し
ては、シートに含まれるエポキシ系樹脂が生態系に悪影
響を及ぼすおそれがあることが近年報告されている。ま
た、シリコーンは、塗料や印刷インキ等に対して悪影響
を与えるおそれがあるため、コーティング装置やプレス
機等での使用が避けられる傾向がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、離型性、耐
熱性、耐磨耗性等の特性に優れ、且つ安全性が高く、取
扱いが容易なプリント基板製造用離型シートを提供する
ことを主な目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来技術の
問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、アルミニウム箔
の少なくとも一部に、エポキシ系樹脂を含まず、且つシ
リコーン含有量の少ない特定のコーティング剤を用いて
形成されたコーティング層を有する材料が上記目的を達
成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、下記のプリント基板製造
用離型アルミニウム箔に係るものである。
【0009】1.アルミニウム箔の少なくとも一部に、
ポリオルガノシロキサン類を含むコーティング剤を用い
て形成されたコーティング層を有するプリント基板製造
用離型アルミニウム箔。
【0010】2.ポリオルガノシロキサン類を含むコー
ティング剤が、下記のコーティング剤である上記項1に
記載のプリント基板製造用離型アルミニウム箔:一分子
中に炭素炭素不飽和二重結合とポリオルガノシロキサン
鎖とを有する単量体(a)1〜80重量%;一分子中に
炭素炭素不飽和二重結合と架橋性官能基とを有する単量
体(b)10〜80重量%及び;前記単量体(a)と
(b)以外の、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有
する単量体(c)0〜89重量%からなる重合体(A)
並びに、前記単量体(b)10〜100重量%及び;前
記単量体(c)0〜90重量%からなる重合体(B)を
含むコーティング剤。
【0011】3.コーティング層が、60〜200℃の
熱処理により硬化させて得られたものである上記項1又
は2に記載のプリント基板製造用離型アルミニウム箔。
【0012】4.コーティング層が、60〜200℃の
熱処理により硬化させた後、30〜60℃の温度により
12時間以上エージング処理して得られたものである上
記項1又は2に記載のプリント基板製造用離型アルミニ
ウム箔。
【0013】
【発明の実施の形態】アルミニウム箔 本発明におけるアルミニウム箔としては特に限定され
ず、公知のもの又は市販品が使用できる。アルミニウム
の純度も特に限定されず、純アルミニウム及びアルミニ
ウム合金のいずれであってもよい。
【0014】アルミニウム合金からなるアルミニウム箔
を用いる場合には、合金として、例えば、JIS300
3、3004、5052、8021、8079等の合金
が使用できる。本発明においては、これらの合金の中で
も、特に鉄成分を1重量%以上含む合金を好適に使用で
きる。鉄を1重量%以上含むアルミニウム合金からなる
アルミニウム箔は、コシ(剛性)が強く、機械的強度に
優れているため、本発明におけるアルミニウム箔として
好適である。
【0015】アルミニウム箔の調質としては特に限定さ
れず、焼きなまし材(O材)、圧延上がり材(H材)及
びそれらの中間材(半硬材)のいずれであってもよい。
これら調質は、離型アルミニウム箔に要求される特性に
応じて適宜選択できる。本発明においては、特に剛性、
平滑性等の特性に優れた圧延上がり材(H材)を好適に
使用できる。
【0016】アルミニウム箔の厚さは特に限定されない
が、通常10〜150μm程度、好ましくは15〜50
μm程度である。厚さ10μm未満の場合には、プリン
ト基板の製造における多段プレス時に変形や亀裂が生じ
るおそれがある。厚さ150μmを越える場合には、熱
伝導性の点で不利になるとともに、離型材料としてのコ
スト、柔軟性(平滑性)、重量増加の点で好ましくな
い。
【0017】アルミニウム箔の引張強度としては特に限
定されないが、通常40N/mm2以上であり、50N
/mm2以上であることがより好ましい。
【0018】アルミニウム箔の耐力としては特に限定さ
れないが、通常20N/mm2以上であり、30N/m
2以上であることがより好ましい。
【0019】上記範囲の厚さ、引張強度、耐力等を有す
るアルミニウム箔であれば、軽量であるとともに機械的
強度にも優れ、更に熱伝導性も良好であるため、プリン
ト基板製造用離型シートの基板として非常に適してい
る。
【0020】より詳細には、軽量ゆえに多段プレス時の
取扱いが容易である上、多段プレス時の重量負荷を低減
できる。また、機械的強度に優れているため、プリプレ
グの流動及びプリプレグ基材の凹凸による表面転写を効
果的に防止又は抑制できる。更に、熱伝導性に優れてい
るため、アルミニウム箔に形成されるコーティング層が
過度の高温に晒されず、コーティング層の寿命を延長で
きる。同時に、多段プレスによる処理時間を短縮するこ
ともできる。
【0021】本発明におけるアルミニウム箔の表面が汚
れている場合には、必要に応じて、水、洗剤、酸、アル
カリ、有機溶剤等を用いて洗浄しておくことが好まし
い。
【0022】コーティング剤 本発明におけるコーティング剤としては、ポリオルガノ
シロキサン類を含むコーティング剤を用いる。本発明に
おいては、このようなコーティング剤として、下記のコ
ーティング剤を好適に用いることができる:一分子中に
炭素炭素不飽和二重結合とポリオルガノシロキサン鎖と
を有する単量体(a)1〜80重量%;一分子中に炭素
炭素不飽和二重結合と架橋性官能基とを有する単量体
(b)10〜80重量%及び;前記単量体(a)と
(b)以外の、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有
する単量体(c)0〜89重量%からなる重合体(A)
並びに、前記単量体(b)10〜100重量%及び;前
記単量体(c)0〜90重量%からなる重合体(B)を
含むコーティング剤。
【0023】以下、当該コーティング剤について詳細に
説明する。
【0024】重合体(A)の原料の一つである、一分子
中に炭素炭素不飽和二重結合とポリオルガノシロキサン
鎖とを有する単量体(a)は、コーティング層に、汚れ
付着防止性、付着汚れ除去性、耐熱性、離型性、耐磨耗
性、平滑性、経時安定性、耐薬品性等の表面特性を付与
するのに寄与する。
【0025】上記単量体(a)としては、例えば、下記
式1で表されるものを好適に使用できる。
【0026】
【化1】 〔式1において、nは正の整数を示す。R1は、CH2
CH−COO−(CH2m−、CH2=C(CH3)−C
OO−(CH2m−CH2=CH−(CH2m−又はC
2=C(CH3)−(CH2m−を示す。但し、mは0
〜10の整数を示す。R2は、水素、メチル基又はR1
同じ官能基を示す。R3、R4、R5、R6、R7及びR
8は、同一又は相異なって、アルキル基、フェニル基、
水酸基又はカルボキシル基を示す。〕 このような単量体(a)は、公知のもの又は市販品を使
用できる。例えば、東芝シリコーン(株)製のTSL9
705等の片末端ビニル基含有ポリオルガノシロキサン
化合物、チッソ(株)製のサイラプレーンFM−071
1、FM−0721、FM−0725等の片末端(メ
タ)アクリロキシ基含有ポリオルガノシロキサン化合物
等が挙げられる。
【0027】これら単量体(a)となり得る化合物は、
離型アルミニウム箔に要求される特性に応じて単独又は
2種以上を混合して使用できる。
【0028】単量体(a)は、1〜80重量%程度の共
重合比率で用いられるが、充分なコーティング層の表面
特性を得るためには、5重量%以上共重合することが好
ましく、更にアルミニウム箔との密着性、強靭性等の性
能を考慮すると、60重量%以下の共重合比率にするこ
とが好ましい。
【0029】重合体(A)及び(B)の原料の一つであ
る、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合と架橋性官能基
とを有する単量体(b)は、コーティング剤をコーティ
ング後に架橋させて、アルミニウム箔と密着した硬質な
コーティング層を形成するために用いられる。
【0030】上記の炭素炭素不飽和二重結合としては、
前記単量体(a)と同様のものを採用できる。
【0031】架橋性官能基としては、例えば、加水分解
性シリル基、カルボキシル基、イソシアノ基、エポキシ
基、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基及びヒ
ドロキシ基から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
特に、加水分解性シリル基を有する単量体を用いる場合
には、硬質なコーティング層が得られる。
【0032】加水分解性シリル基を有する単量体(b)
としては、例えば、γ−(メタ)アクリルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリルオキシプ
ロピルメチルジメトキシシランなどの(メタ)アクリル
オキシアルキルアルコキシシラン、(メタ)アクリルオ
キシアルキルアルコキシアルキルシラン、トリメトキシ
ビニルシラン、ジメトキシエチルシラン、トリエトキシ
ビニルシラン、トリエトキシアリルシラン、ビニルメチ
ルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、
ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランなどが挙
げられる。
【0033】カルボキシル基を有する単量体(b)とし
ては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、イタコン酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸など
が挙げられる。
【0034】イソシアノ基を有する単量体(b)として
は、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシ
アネート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシ
アネートなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレートなどのヒドロキシ(メタ)アクリレー
トを、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、コロネートLなどのポリイシアネートと反応
させて得られるものが挙げられる。
【0035】エポキシ基を有する単量体(b)として
は、例えば、グリシジルメタクリレート、グリシジルシ
ンナメート、グリシジルアリルエーテル、グリシジルビ
ニルエーテル、ビニルシクロヘキサンモノエポキサイ
ド、1、3−ブタジエンモノエポキサイドなどが挙げら
れる。
【0036】N−メチロール基又はN−アルコキシメチ
ル基を有する単量体(b)としては、例えば、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド
などのN−モノアルコキシメチル基を有する(メタ)ア
クリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリル
アミド、N,N−ジ(メトキシメチル)(メタ)アクリ
ルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)(メタ)アク
リルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)(メ
タ)アクリルアミドなどのN,N−ジアルコキシメチル
基を有する(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
【0037】ヒドロキシル基を有する単量体(b)とし
ては、例えば、2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、1ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4ーヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシス
チレン等が挙げられる。
【0038】これら単量体(b)となり得る化合物は、
離型アルミニウム箔に要求される特性に応じて、単独又
は2種以上を混合して用いることができる。なお、本発
明におけるコーティング剤においては、単量体(b)
は、重合体(A)の原料として用いるものと重合体
(B)の原料として用いるものとは、同一であってもよ
いし、互いに異なっていてもよい。
【0039】単量体(b)は、重合体(A)中では、1
0〜80重量%の共重合比率で用いられる。重合比率1
0重量%未満の場合には、コーティング層の充分な硬度
が得られない場合がある。80重量%を超える場合に
は、コーティング層の表面性能が不十分となる場合があ
る。単量体(b)は、重合体(B)中では、10〜10
0重量%、好ましくは20〜80%の共重合比率で用い
られる。重合比率10重量%未満の場合には、コーティ
ング層の充分な硬度が得られない場合がある。
【0040】重合体(A)及び(B)の原料の一つであ
る、(a)、(b)以外の一分子中に炭素炭素不飽和二
重結合を有する単量体(c)は、コーティング層に硬
度、強靭性、耐擦傷性、光沢向上等の種々の特性を付与
するために用いられる。
【0041】単量体(c)としては、例えば、(メタ)
アクリル酸誘導体、芳香族ビニル単量体、オレフィン系
炭化水素単量体、ビニルエステル単量体、ビニルハライ
ド単量体、ビニルエーテル単量体等が挙げられる。
【0042】(メタ)アクリル酸誘導体としては、例え
ば、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸
塩、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステ
アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリ
レート等が挙げられる。
【0043】芳香族ビニル単量体としては、例えば、ス
チレン、メチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチ
レン等が挙げられる。
【0044】オレフィン系炭化水素単量体としては、例
えば、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブチレ
ン、イソプレン、1、4−ペンタジエン等が挙げられ
る。
【0045】ビニルエステル単量体としては、例えば、
酢酸ビニル等が挙げられる。
【0046】ビニルハライド単量体としては、例えば、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、モノフルオロエチレン、
ジフルオロエチレン、トリフルオロエチレン等が挙げら
れる。
【0047】ビニルエーテル単量体としては、例えば、
ビニルメチルエーテル等が挙げられる。これら単量体
(c)となり得る化合物は、単独又は2種以上を混合し
て用いることができる。なお、本発明におけるコーティ
ング剤においては、単量体(c)は、重合体(A)の原
料として用いるものと重合体(B)の原料として用いる
ものとは、同一であってもよいし、互いに異なっていて
もよい。
【0048】このような単量体(c)は、重合体(A)
中では、重合比率0〜89重量%で用いられ、重合体
(B)中では、重合比率0〜90重量%で用いられる。
重合体(B)中において、単量体(c)の重合比率が9
0重量%を超える場合には、アルミニウム箔との充分な
密着性が得られず、また重合体(A)との相溶性が低下
し、均一且つ良好なコーティング層が得られない。
【0049】本発明における重合体(A)及び重合体
(B)は、各単量体を公知の方法に従って重合させるこ
とによって得ることができる。例えば、溶液重合等の公
知の方法により調製できる。溶液重合により調製する場
合の溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチル
エーテル、ジエチレングリコールメチルエーテルなどの
アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン(ME
K)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘ
キサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族類、酢酸
エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等が使用できる。
これら溶媒は単独又は2種以上を混合して使用できる。
溶液重合する場合は、合成時の単量体の総仕込濃度は、
0〜80重量%程度が好ましい。
【0050】溶液重合に用いる重合開始剤としては、通
常の過酸化物又はアゾ化合物、例えば、過酸化ベンゾイ
ル、アゾイソブチルバレノニトリル、アゾビスイソブチ
ロニトリル、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチル
ペルベンゾエート、t−ブチルペルオクトエート、クメ
ンヒドロキシペルオキシド等が使用できる。
【0051】重合温度は、通常50〜140℃、好まし
くは70〜140℃程度である。得られる重合体の好適
な平均重量分子量は、重合体(A)、重合体(B)共
に、2000〜100000である。
【0052】本発明におけるコーティング剤には、単量
体中に含まれる架橋性官能基を架橋させるために、種々
の架橋剤を適宜配合することができる。
【0053】架橋剤としては、例えば、ヘキサメチロー
ル化メラミン、ヘキサメトキシメチル化メラミン、ヘキ
サブトキシメチル化メラミンなどのアルキロール基また
はアルコキシ基を有するメラミン系化合物、シアヌール
酸、アンメリド、メラミン、ベンゾグアナミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、ジアミノピリジ
ン、ベンゾグアナミン樹脂、メタノール変性メラミン樹
脂、尿素樹脂などのアミノ樹脂、ヒドラジン、ADHな
どのヒドラジン系化合物、エチレンジアミン、プロパン
ジアミン、ブタンジアミン、ペンタンジアミン、ヘキサ
ンジアミン、ジアミノオクタン、ジアミノデカン、ジア
ミノドデカン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチ
レンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチ
レンペンタミンなどの直鎖状ジアミン、メンセンジアミ
ン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチ
ルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシ
ルメタン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)
ピペラジン、m−キシレンジアミン、ポリシクロヘキシ
ルポリアミン、ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,
2,1]ヘプタン、メチレンビス(フランメタンアミ
ン)などの環状ジアミン1,6−ヘキサメチレンジアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、ジエチレントリアミンなどのポリアミン、トルイレ
ンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシア
ネート、o−トルイレンジイソシアネート、ジフェニル
メタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネー
ト、p−キシレンジイソシアネート、リジンジイソシア
ネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、水添トリレンジイソシアネートなどのジイソシア
ネート、あるいは、これらとグリコール類またはジアミ
ン類との両末端イソシアネートアダクト体、トリフェニ
ルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニ
ルイソシアネート、コロネートLなどの多価イソシアネ
ート、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ヘ
キサン二酸、クエン酸、マレイン酸、メチルナディク
酸、ドデセニルコハク酸、セバシン酸、ピロメリット
酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸など
のジカルボン酸、及びこれらの酸無水物グリオキザル、
テレフタルアルデヒドなどのジアルデヒド、グリシン、
アラニンなどのアミノ酸および、そのラクタム、クエン
酸、12−ヒドロキシステアリン酸、6 −ヒドロキシペン
タン酸などのヒドロキシカルボン酸およびそのラクト
ン、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、などのジオール、1,1,1−トリメチロールプロ
パンエチレングリコール、ジエチレングリコール、グリ
セリン、エリスリトール、アラビトール、キシリトー
ル、ソルビトール、ズルシトール、マンニトール、カテ
コール、レゾルシン、ヒドロキノン、グアヤコール、ヘ
キシルレゾルシン、ピロガロール、トリヒドロキシベン
ゼン、フロログルシン、ジメチロールフェノールなどの
多価アルコール、または多価フェノール系化合物、また
はこれらのアルコキシ変性物、エチレングリコールジグ
リシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオ
ペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1、6ーヘ
キサンジオールジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリ
シジルエステルなどのビスエポキシ化合物、油化シェル
エポキシ社製、商品名エピコート801、802,80
7,815,827,828,834,815X,81
5XA1、828EL,828XA、1001、100
2、1003、1055、1004、1004AF、1
007、1009、1010、1003F、1004
F,1005F,1100L,834X90,1001
B80,1001X70,1001X75,1001T
75,5045B80,5046B80,5048B7
0,5049B70、5050T60、5050、50
51、152、154、180S65,180H65,
1031S,1032H60、604、157S70な
どのエポキシ樹脂、ピロりん酸、亜りん酸エチル、ビス
フェノールA変性ポリりん酸、亜りん酸トリ フェニル
などのりん化合物、りん酸ジクロリド化合物等が挙げら
れる。
【0054】上記した架橋剤の使用に特に制限はない
が、架橋剤の種類は、単量体(b)の種類に応じて適宜
選択して用いることが好ましい。
【0055】例えば、カルボキシル基を有する単量体
(b)を用いた場合は、フェノール樹脂、アミノ樹脂、
ジアミン、ポリアミン、ジイソシアネート、ビスエポキ
シ化合物、エポキシ樹脂等を用いることが好ましい。
【0056】イソシアノ基を有する単量体(b)を用い
た場合は、ヒドラジン系化合物、ジアミン類、ジカルボ
ン酸およびその無水物、ジオール、多価アルコールまた
は多価フェノール系化合物、ビスエポキシ化合物、エポ
キシ樹脂等を用いることが好ましい。
【0057】エポキシ基を有する単量体(b)を用いた
場合は、ジカルボン酸およびその無水物、多価アルコー
ルまたは多価フェノール系化合物、又はこれらのアルコ
キシ変性物、アミノ樹脂、ジイソシアネート、多価イソ
シアネート、アミノ酸および、そのラクタム、ヒドロキ
シカルボン酸およびそのラクトン、ジアミン、ポリアミ
ン等を用いることが好ましい。
【0058】N−メチロール基又は、N−アルコキシメ
チル基を有する単量体(b)を用いた場合は、ジカルボ
ン酸、アルキロール基またはアルコキシ基を有するメラ
ミン系化合物、アミノ樹脂系化合物等を用いることが好
ましい。
【0059】ヒドロキシル基を有する単量体(b)を用
いた場合は、アミノ樹脂、ジアミン、ポリアミン、ジイ
ソシアネート、ジアルデヒド、ビスエポキシ化合物、エ
ポキシ樹脂、りん化合物、りん酸ジクロリド化合物等を
用いることが好ましい。これら架橋剤は単独又は2種以
上を混合して使用でき、その総使用量は樹脂組成物10
0重量%に対して通常1〜500重量%程度、好ましく
は10〜200重量%の範囲である。
【0060】本発明におけるコーティング剤には、単量
体に含まれる架橋性官能基の架橋反応又は架橋性官能基
と架橋剤との架橋反応を促進させるために、個々の官能
基の種類に応じて、適宜架橋触媒を配合することができ
る。
【0061】架橋触媒としては、例えば、アルミニウム
トリアセチルアセトネート、鉄トリアセチルアセトネー
ト、マンガンテトラアセチルアセトネート、ニッケルテ
トラアセチルアセトネート、クロムヘキサアセチルアセ
トネート、チタンテトラアセチルアセトネート、コバル
トテトラアセチルアセトネートなどの金属錯化合物、ア
ルミニウムエトキシド、アルミニウムプロポキシド、ア
ルミニウムブトキシド、チタンエトキシド、チタンプロ
ポキシド、チタンブトキシドなどの金属アルコキシド、
酢酸ナトリウム、オクチル酸錫、オクチル酸鉛、オクチ
ル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウ
ム、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、ジブチル錫ジ
オクテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレ
ートジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)などの金
属塩化合物、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、p−トルエン
スルホン酸、トリクロロ酢酸、リン酸、モノアルキルリ
ン酸、ジアルキルリン酸、β−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートのリン酸エステル、モノアルキル亜リ
ン酸、ジアルキル亜リン酸などの酸性化合物、p−トル
エンスルホン酸、無水フタル酸、安息香酸、ベンゼンス
ルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ギ酸、酢酸、
イタコン酸、シュウ酸、マレイン酸などの酸及びそれら
のアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩、水酸化
ナトリウム、リチウムクロライド、ジエチル亜鉛、テト
ラ(n−ブトキシ)チタン、などの有機金属化合物、ジ
シクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジ
メチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラメ
チル−1,3−ブタンジアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、シクロヘキシルエチルアミンな
どのアミン類等が挙げられる。
【0062】上記した架橋触媒の使用に特に制限はない
が、架橋触媒の種類は、単量体(b)の種類に応じて適
宜選択して用いることが好ましい。
【0063】例えば、加水分解性シリル基を有する単量
体(b)を用いた場合は、金属錯化合物、金属アルコキ
シド、金属塩化合物、酸性化合物等を使用することが好
ましい。これらの架橋触媒の中でも、特にジブチル錫ジ
アセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラ
ウレート、ジブチル錫ジマレートなどの錫化合物および
p−トルエンスルホン酸等が好適である。
【0064】カルボキシル基を有する単量体(b)を用
いた場合は、酸及びそれらのアンモニウム塩、低級アミ
ン塩、多価金属塩等を用いることが好ましい。
【0065】イソシアノ基を有する単量体(b)を用い
た場合は、アミン類、金属塩化合物等を用いることが好
ましい。
【0066】エポキシ基を有する単量体(b)を用いた
場合は、有機金属化合物、アミン類等を用いることが好
ましい。
【0067】N−メチロール基または、N−アルコキシ
メチル基を有する単量体(b)を用いた場合は、酸、お
よびそれらのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属
塩等を用いることが好ましい。
【0068】ヒドロキシル基を有する単量体(b)を用
いた場合は、酸性化合物、酸及びそれらのアンモニウム
塩、低級アミン塩、多価金属塩等を用いることが好まし
い。これら架橋触媒は単独又は2種以上を混合して使用
でき、その総使用量は樹脂組成物100重量%に対し
て、通常0.01〜10重量%程度、好ましくは0.1
〜5重量%の範囲である。
【0069】本発明におけるコーティング剤には、更に
必要に応じて、シランカップリング剤を配合することが
できる。
【0070】シランカップリング剤としては、例えば、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどの4
官能シラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−モルホリノプロピルトリメト
キシシランなどの3官能シラン、さらに上記3官能シラ
ンの一部がアルキル基、フェニル基、ビニル基などで置
換された2官能シラン、例えば、ジメチルジメトキシシ
ラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチル
ジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシ
シラン等が挙げられる。また、これら化合物の加水分解
物、部分縮合物等も用いることができる。
【0071】シランカップリング剤を配合する場合に
は、重合体(A)及び重合体(B)の合計に対して、通
常1〜40重量%程度、好ましくは、3〜20重量%程
度配合すればよい。
【0072】本発明におけるコーティング剤には、更に
必要に応じて、オルガノシリカゾルを配合することがで
きる。オルガノシリカゾルは、有機溶媒にコロイダルシ
リカを安定に分散させたコロイド溶液である。
【0073】オルガノシリカゾルとしては、例えば、日
産化学工業(株)社製の商品名IPA−ST、MIBK
−ST、MA−ST−M,EG−ST,EG−ST−Z
L,NPC−ST,DMAC−ST,DMAC−ST−
ZL,XBA−ST,メタノールシリカゾル等が挙げら
れる。
【0074】オルガノシリカゾルを配合する場合には、
重合体(A)及び重合体(B)の合計に対して、通常1
0〜80重量%程度、好ましくは、20〜60重量%程
度配合すればよい。このような範囲でオルガノシリカゾ
ルを配合することにより、より確実にアルミニウム箔の
離型性を高めることができる。
【0075】本発明におけるコーティング剤には、更に
必要に応じて、コーティング剤の効果を妨げない範囲に
おいて、充填剤、チクソトロピー付与剤、着色顔料、体
質顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、
難燃剤、熱伝導性改良剤、可塑剤、ダレ防止剤、防汚
剤、消泡剤、レベリング剤、硬化剤等の各種の添加剤を
配合することもできる。
【0076】本発明におけるコーティング剤には、更に
必要に応じて、表面粗化剤を配合することもできる。表
面粗化剤としては、例えば、酸化ケイ素、酸化マグネシ
ウム、酸化アルミニウム等が挙げられる。これら表面粗
化剤は単独又は2種以上を混合して用いることができ
る。表面粗化剤を配合する場合には、重合体(A)及び
重合体(B)の合計量の30重量%以下となるように配
合すればよい。
【0077】本発明におけるコーティング剤は、上述し
た重合体(A)、重合体(B)、必要に応じて架橋剤、
架橋触媒、シランカップリング剤、添加剤等を、適当な
溶剤に溶解して調製することができる。
【0078】この際、重合体(A)及び重合体(B)の
混合比率は、単量体(a)が、重合体(A)及び重合体
(B)の合計量の0.01〜10重量%程度、特に0.
05〜5重量%程度、更に0.1〜5重量%程度となる
ように調整することが好ましい。単量体(a)の混合比
率が0.01重量%未満の場合には、コーティング層の
汚れ付着防止性、付着汚れ除去性、離型性等の表面特性
を充分に得られない場合がある。単量体(a)の混合比
率が10重量%を超える場合には、コーティング層の充
分な硬度が得られない場合がある。
【0079】各成分を溶解する溶剤としては、例えば、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、
エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールメチルエーテルなどのアルコール類、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族類、酢酸
エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等が挙げられる。
これら溶剤は溶解させる成分の種類に応じて適宜選択で
き、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
溶剤の使用量についても、溶解させる成分の種類に応じ
て適宜設定できる。
【0080】各成分の混合方法は特に限定されないが、
通常は、重合時に使用した重合体溶液をそのまま混合
し、攪拌羽根、振とう攪拌機、回転攪拌機などで攪拌し
て混合すればよい。
【0081】プリント基板製造用離型アルミニウム箔 本発明のプリント基板製造用離型アルミニウム箔(以
下、「本発明離型アルミニウム箔」と略記する)は、ア
ルミニウム箔の少なくとも一部に、ポリオルガノシロキ
サン類を含むコーティング剤を用いて形成されたコーテ
ィング層を有する。アルミニウム箔及びコーティング剤
については、前記した説明の通りである。
【0082】本発明離型アルミニウム箔は、アルミニウ
ム箔の少なくとも一部にコーティング層を有する。コー
ティング層は、アルミニウム箔の少なくとも一部に存在
する限りその形成箇所は特に限定されないが、通常、ア
ルミニウム箔の片面又は両面に形成される。
【0083】コーティング層の厚さは特に限定されない
が、通常0.1〜20μm程度、好ましくは0.5〜5
μm程度、より好ましくは1〜3μm程度である。な
お、当該厚さは、コーティング層を充分に乾燥させた後
の乾燥厚さである。
【0084】コーティング層の形成方法は特に限定され
ず、公知の手法により形成することができる。例えば、
アルミニウム箔の少なくとも一部に、ロール・コータ
ー、バーコーター、ドクターブレード法等による塗布、
スプレー塗装、刷毛塗り、浸漬等の方法によりコーティ
ング剤を付着させ、硬化させることにより形成できる。
【0085】コーティング剤を付着させる量は特に限定
されず、離型アルミニウム箔の特性に応じて適宜設定す
ることができる。通常、乾燥後重量(固形分重量)が
0.1〜20g/m3程度、好ましくは0.5〜5g/
3程度、より好ましくは1〜3g/m3程度となるよう
に量を調整すればよい。なお、コーティング剤の取扱い
を容易とするために、必要に応じて、メチルエチルケト
ン、酢酸メチル、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル
等の溶剤を用いてコーティング剤を希釈して使用しても
よい。
【0086】通常は、コーティング剤を付着させた後、
コーティング剤を硬化させてコーティング層を得る。コ
ーティング剤を硬化させる方法は特に限定されず、例え
ば、乾燥、熱処理等を施すことにより硬化させることが
できる。
【0087】本発明においては、コーティング剤を硬化
させる方法は特に限定されないが、通常60〜200程
度℃、好ましくは120〜200℃程度、より好ましく
は140〜180℃程度で熱処理して硬化させることが
好ましい。熱処理温度が60℃未満の場合には、コーテ
ィング層の硬度が不十分となり、充分な離型性が発揮で
きない場合がある。熱処理温度が200℃を超える場合
には、詳細な理由は定かではないが、プリント基板製造
における多段プレス時にプリント基板が汚染されるおそ
れがある。従って、熱処理温度は、必ずしも上記範囲に
限定されるものではないが、硬化可能な温度範囲である
限り、できるだけ低温に設定することが好ましい。
【0088】本発明においては、前記の熱処理に続き、
更にエージング処理をしてもよい。エージング処理の条
件は特に限定されないが、通常30〜60℃程度の温度
で12時間以上、好ましくは48時間以上、より好まし
くは96時間以上処理することが望ましい。このような
エージング処理をすることにより、確実に、本発明離型
アルミニウム箔の離型性、低汚染性、耐磨耗性等の特性
を向上させることができる。
【0089】本発明離型アルミニウム箔は、プリント基
板製造用である。例えば、プリント基板の製造における
プリプレグの多段プレス工程において、適当な大きさに
切断した半硬化状態のプリプレグと本発明離型アルミニ
ウム箔とを交互に積層し、上下方向から熱と圧力とを加
えて複数のプリプレグを一時に加熱硬化させる使用態様
を採用することができる。なお、本発明離型アルミニウ
ム箔の特性を有効活用できる使用態様であれば、必ずし
も上記の態様に限定されるものではない。
【0090】
【発明の効果】本発明離型アルミニウム箔は、機械的強
度に優れたアルミニウム箔を基材としており、且つポリ
オルガノシロキサン類を含むコーティング層は耐熱性、
耐磨耗性等の特性に優れているため、プリント基板製造
工程、特にプリプレグの多段プレス工程において劣化が
少なく、反復使用も可能である。
【0091】本発明離型アルミニウム箔は、アルミニウ
ム箔を基材とするため軽量であり、多段プレス時の取扱
いが容易であるとともに、重量負荷を効果的に低減でき
る。
【0092】本発明離型アルミニウム箔は、アルミニウ
ム箔及びコーティング層の熱伝導性が良好であり、過度
の高温によるコーティング層の劣化が少なく、同時に多
段プレス処理時間を短縮することができる。
【0093】本発明離型アルミニウム箔は、コーティン
グ層にエポキシ系樹脂を含まず、シリコーン含有量が少
ないため、安全性に優れるとともに取扱いが容易であ
る。
【0094】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明をよ
り具体的に説明する。但し、本発明は実施例の記載に限
定されるものではない。
【0095】実施例1〜4及び比較例1〜9 アルミニウム箔の片面に、バーコーターを用いて下記表
1に記載のコーティング剤をコーティングし(付着量
は、固形分量として2g/m3)、次いで下記表1に記
載の熱処理を施して13種類の離型アルミニウム箔を作
製した。なお、アルミニウム箔としては、鉄含有率1.
3重量%のアルミニウム合金からなる厚さ25μmの硬
質アルミニウム箔を使用した。
【0096】
【表1】 13種類の離型アルミニウム箔について、下記の基準に
従って、汚染度評価、剥離強度評価及び耐磨耗性評価を
行った。各評価結果を下記表2に示す。
【0097】汚染度評価 軟質アルミニウム箔のケシ面と離型アルミニウム箔のコ
ーティング層とを接触させ、平板(熱板プレス)により
両者を熱圧着した後、軟質アルミニウム箔のケシ面のd
yne数を調べた。熱圧着は、200℃の平板を3kg
/cm2の圧力で1分間押圧することにより行った。d
yne数測定方法は、表面濡れ特性判定方法(JIS−
K6768)に準じて行った。軟質アルミニウム箔のケ
シ面のdyne数は、熱圧着前においてはいずれも同じ
であり、熱圧着後のケシ面のdyne数が多いほど(即
ち、熱圧着前のdyne数からの減少数が少ない程)、
離型アルミニウム箔の耐汚染性が優れている。
【0098】剥離強度評価 ガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させて得た半硬化プリ
プレグに離型アルミニウム箔のコーティング層を接触さ
せ、平板(熱板プレス)を用いて両者を熱圧着した後、
剥離強度(g/5mm)を測定した。試験片は、長さ2
00mm×幅5mmであった。熱圧着は、200℃の平
板を50kg/cm2の圧力で1時間押圧することによ
り行った。測定は、引張試験機を用いて歪速度200m
m/分、チャック間隔100mmとして180°剥離を
行って測定した。剥離強度の測定値が低い程、剥離性
(離型性)が優れている。
【0099】耐磨耗性評価 MEKを染み込ませた脱脂綿を用いて離型アルミニウム
箔のコーティング層を50回ラビング(こすりつけ)
し、コーティング層の剥がれを目視観察した。評価は、
剥がれがない場合を○、剥がれがある場合を×とした。
【0100】
【表2】 上記結果より、ポリオルガノシロキサンコートを施した
本発明離型アルミニウム箔(実施例1〜4)は、耐汚染
性、離型性及び耐磨耗性の全てに優れていることが分か
る。コーティング後の熱処理としてエージング処理を組
合わせた実施例4の離型アルミニウム箔は、特に耐汚染
性に優れている。
【0101】これに対し、ポリオルガノシロキサンコー
ト以外のコートを施した比較例1〜9では、耐汚染性及
び離型性のいずれをも同時に満足するものはないことが
分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大田 敏幸 群馬県前橋市上新田町678−7 (72)発明者 森脇 秀造 兵庫県尼崎市武庫之荘本町3−24−13− 401 (72)発明者 関口 朋伸 群馬県伊勢崎市茂呂4076−16 Fターム(参考) 4F100 AB10A AB31 AB33A AK52B AK52C AK79B AK79C BA02 BA03 BA06 BA07 BA10B BA10C EH46 EH462 EJ08 EJ082 EJ42 EJ422 EJ98 EJ982 GB43 JJ03 JK09 JL14 JM02B JM02C 4J038 CA021 CC021 CC071 CC081 CC101 CD001 CE051 CF021 CG031 CG061 CG141 CG161 CH031 CH041 CH121 CH171 DG261 DG291 DG311 DL101 NA11 NA14 NA27 PA19 PB09 PC02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム箔の少なくとも一部に、ポリ
    オルガノシロキサン類を含むコーティング剤を用いて形
    成されたコーティング層を有するプリント基板製造用離
    型アルミニウム箔。
  2. 【請求項2】ポリオルガノシロキサン類を含むコーティ
    ング剤が、下記のコーティング剤である請求項1に記載
    のプリント基板製造用離型アルミニウム箔:一分子中に
    炭素炭素不飽和二重結合とポリオルガノシロキサン鎖と
    を有する単量体(a)1〜80重量%;一分子中に炭素
    炭素不飽和二重結合と架橋性官能基とを有する単量体
    (b)10〜80重量%及び;前記単量体(a)と
    (b)以外の、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有
    する単量体(c)0〜89重量%からなる重合体(A)
    並びに、前記単量体(b)10〜100重量%及び;前
    記単量体(c)0〜90重量%からなる重合体(B)を
    含むコーティング剤。
  3. 【請求項3】コーティング層が、60〜200℃の熱処
    理により硬化させて得られたものである請求項1又は2
    に記載のプリント基板製造用離型アルミニウム箔。
  4. 【請求項4】コーティング層が、60〜200℃の熱処
    理により硬化させた後、30〜60℃の温度により12
    時間以上エージング処理して得られたものである請求項
    1又は2に記載のプリント基板製造用離型アルミニウム
    箔。
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