JP2007203651A - 積層シート - Google Patents
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Abstract
【課題】塗料中に含まれるシリコーンを有する重合体を安定的に塗膜表面に偏在化させ、剥離、撥水、撥油、防汚、水の滑落、着雪防止等のシリコーン化合物の特徴的な表面機能を効率良く発現する塗膜を有する積層シートを提供すること。
【解決手段】基材の片面または両面に、下地層、シリコーンを有するコート層の順で積層されてなる積層シートであって、シリコーンを有するコート層が、炭素炭素不飽和二重結合とポリシロキサン鎖を有する単量体(a)、炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)を必須成分としてなる重合体(A)と、単量体(b)を必須成分としてなる重合体(B)及び架橋剤とを含む架橋性塗料用樹脂組成物(I)から形成され、下地層が、単量体(b)を必須成分としてなる重合体(C)及び架橋剤とを含む架橋性塗料用樹脂組成物(II)から形成されることを特徴とする積層シート。
【選択図】なし
【解決手段】基材の片面または両面に、下地層、シリコーンを有するコート層の順で積層されてなる積層シートであって、シリコーンを有するコート層が、炭素炭素不飽和二重結合とポリシロキサン鎖を有する単量体(a)、炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)を必須成分としてなる重合体(A)と、単量体(b)を必須成分としてなる重合体(B)及び架橋剤とを含む架橋性塗料用樹脂組成物(I)から形成され、下地層が、単量体(b)を必須成分としてなる重合体(C)及び架橋剤とを含む架橋性塗料用樹脂組成物(II)から形成されることを特徴とする積層シート。
【選択図】なし
Description
本発明は、高い剥離性、撥水性、撥油性、水の滑落性、防汚性、着雪防止性等の機能を有する積層シートに関する。
近年、様々な基材表面への、剥離、撥水、撥油、防汚、水の滑落、着雪防止等の各種の機能性の付与が求められており、この様な機能が、着雪防止、貼り紙防止、落書き防止、油の付着防止、水滴の付着防止、汚れ防止等の各種用途に利用されている。これらの機能を基材表面に付与する方法として、特開平10−195373号公報(特許文献1)、特開平10−265737号公報(特許文献2)、特開平9−221619号公報(特許文献3)等に示されるような、パーフルオロアルキル基からのフッ素や、ポリオルガノシロキサンからのシリコーンにより、撥水、撥油、防汚、水の滑落、着雪防止等の性能を発現させる方法が提案されている。
この方法は溶媒の乾燥工程において、フッ素やシリコーンを有する官能基が表面配向し、且つ表面に偏在化する事により、本来の濃度以上に表面に存在させる事ができる方法である。
しかしながら、この方法は表面への配向により、その効果を発現させる方法である事から、基材表面官能基の影響を受けやすく、ポリオレフィンのような非極性の表面だと詳細理由は不明であるが、シリコーン分子を有する官能基の配向が効率よく行われず、その機能を効率よく発現させる為には、ポリオルガノシロキサンからのシリコーンを多量に含有させなければならないという欠点があった。
特開平10−195373号公報
特開平10−265737号公報
特開平9−221619号公報
この方法は溶媒の乾燥工程において、フッ素やシリコーンを有する官能基が表面配向し、且つ表面に偏在化する事により、本来の濃度以上に表面に存在させる事ができる方法である。
しかしながら、この方法は表面への配向により、その効果を発現させる方法である事から、基材表面官能基の影響を受けやすく、ポリオレフィンのような非極性の表面だと詳細理由は不明であるが、シリコーン分子を有する官能基の配向が効率よく行われず、その機能を効率よく発現させる為には、ポリオルガノシロキサンからのシリコーンを多量に含有させなければならないという欠点があった。
本発明の目的は、塗料中に含まれるシリコーンを有する重合体を安定的に塗膜表面に偏在化させ、剥離、撥水、撥油、防汚、水の滑落、着雪防止等のシリコーン化合物の特徴的な表面機能を効率良く発現する塗膜を有する積層シートを提供することにある。
本発明者らは、特定の組成を有する樹脂組成物から形成される下地層の上に、シリコーン含有重合体を含む樹脂組成物から形成されるシリコーンを含むコート層を設けることにより、前記下地層を設けない場合に比して、シリコーン含有重合体が塗膜の表面に偏在しやすくなるということを発見し、この現象を利用することにより、基材との密着性が高く、安定的にシリコーン化合物の特徴的な表面機能を発現する積層シートを形成することに成功した。
すなわち本発明は、基材の片面または両面に、下地層、シリコーンを有するコート層の順で積層されてなる積層シートであって、
シリコーンを有するコート層が、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合とポリシロキサン鎖を有する単量体(a)1〜70重量%と、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)10〜79重量%と、(a)、(b)以外の一分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有する単量体(c)0〜89重量%とからなる重合体(A)、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)20〜100重量%と、(a)、(b)以外の一分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有する単量体(c)0〜80重量%との重合体(B)及び架橋剤とを含み、前記重合体(A)と重合体(B)を構成する単量体の合計100重量%中、含シリコーン単量体(a)の割合が0.1〜10重量%である架橋性塗料用樹脂組成物(I)からなり、且つ、
下地層が、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)10〜100重量%と、(a)、(b)以外の一分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有する単量体(c)0〜90重量%との重合体(C)と架橋剤とを含む架橋性塗料用樹脂組成物(II)からなることを特徴とする積層シートに関する。
シリコーンを有するコート層が、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合とポリシロキサン鎖を有する単量体(a)1〜70重量%と、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)10〜79重量%と、(a)、(b)以外の一分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有する単量体(c)0〜89重量%とからなる重合体(A)、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)20〜100重量%と、(a)、(b)以外の一分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有する単量体(c)0〜80重量%との重合体(B)及び架橋剤とを含み、前記重合体(A)と重合体(B)を構成する単量体の合計100重量%中、含シリコーン単量体(a)の割合が0.1〜10重量%である架橋性塗料用樹脂組成物(I)からなり、且つ、
下地層が、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)10〜100重量%と、(a)、(b)以外の一分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有する単量体(c)0〜90重量%との重合体(C)と架橋剤とを含む架橋性塗料用樹脂組成物(II)からなることを特徴とする積層シートに関する。
また、本発明は、架橋性塗料用樹脂組成物(I)及び/または(II)が、さらに架橋触媒を含むことを特徴とする上記発明記載の積層シートに関する。
また、本発明は、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)の架橋性の官能基が、ヒドロキシル基であることを特徴とする上記発明記載の積層シートに関する。
さらに、本発明は、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)の架橋性の官能基が、カルボキシル基、イソシアノ基、エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基であることを特徴とする上記発明記載の積層シートに関する。
さらにまた、本発明は、架橋剤の反応性官能基がイソシアノ基であることを特徴とする上記発明記載の積層シートに関する。
本発明により、基材との密着性及び層間密着性が高く、安定的にシリコーン化合物の特徴的な表面機能、特に低い剥離力を発現する塗膜をその表面に有する積層シートを提供することができるようになった。
本発明において用いられる基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマーやシクロオレフィンコポリマー等のポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、あるいはポリメチルペンテンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、フッ素フィルム、ポリウレタンフィルム、ナイロンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、塩化ビニリデンフィルム、ポリイミドフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム等の各種プラスチックフィルム、及びアルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔等の金属箔、さらにはアルミ蒸着フィルム、シリカ蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルム、銀蒸着フィルム等の蒸着フィルムなどを用いることができる。
これらの基材については、下地層との密着性を上げる目的で、コロナ処理やプラズマ処理、火炎処理等のドライ処理を行ってもよく、あるいはその表面にプライマー層等を設けてもよい。
基材の厚みについては特に制限されるものではないが、4〜250μmの範囲のものが好ましく用いられる。
これらの基材については、下地層との密着性を上げる目的で、コロナ処理やプラズマ処理、火炎処理等のドライ処理を行ってもよく、あるいはその表面にプライマー層等を設けてもよい。
基材の厚みについては特に制限されるものではないが、4〜250μmの範囲のものが好ましく用いられる。
本発明の積層シートは、基材の片面または両面に、下地層、シリコーンを有するコート層の順で積層されてなるものである。
シリコーンを有するコート層は、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合とポリシロキサン鎖を有する単量体(a)と、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)と、(a)、(b)以外の一分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有する単量体(c)からなる重合体(A)、
一分子中に炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)と、(a)、(b)以外の一分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有する単量体(c)からなる重合体(B)、
及び、重合体(A)及び重合体(B)中の架橋性の官能基と反応可能な反応性官能基を有する化合物を架橋剤として含んでなる架橋性塗料用樹脂組成物(I)から形成される。
下地層は、前述の単量体(b)と単量体(c)とからなる重合体(C)と、重合体(C)中の架橋性の官能基と反応可能な反応性官能基を有する化合物を架橋剤として含んでなる架橋性塗料用樹脂組成物(II)から形成される。
シリコーンを有するコート層は、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合とポリシロキサン鎖を有する単量体(a)と、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)と、(a)、(b)以外の一分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有する単量体(c)からなる重合体(A)、
一分子中に炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)と、(a)、(b)以外の一分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有する単量体(c)からなる重合体(B)、
及び、重合体(A)及び重合体(B)中の架橋性の官能基と反応可能な反応性官能基を有する化合物を架橋剤として含んでなる架橋性塗料用樹脂組成物(I)から形成される。
下地層は、前述の単量体(b)と単量体(c)とからなる重合体(C)と、重合体(C)中の架橋性の官能基と反応可能な反応性官能基を有する化合物を架橋剤として含んでなる架橋性塗料用樹脂組成物(II)から形成される。
重合体(A)を得るために用いられる、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合とポリシロキサン鎖を有する単量体(a)の例としては、東芝シリコーン(株)製のTSL9705、チッソ(株)製のサイラプレーンFM−0711、FM−0721、FM−0725などの片末端(メタ)アクリロキシ基含有ポリシロキサン化合物が挙げられる。単量体(a)は剥離性、撥水性、防汚性、滑り性、着雪防止性等の表面特性を塗膜に付与する為に不可欠のものであり、要求性能に応じてこれらの内から1種類、あるいは2種類以上を混合して使用でき、重合体(A)を構成する単量体の合計100重量%中1〜70重量%の割合で用いられるが、塗膜の十分な表面特性を得るためには5重量%以上共重合する事が望ましく、さらにハロゲン原子を含まない溶剤への溶解性、塗膜硬度、各表面特性のバランスを考慮すると60重量%以下の割合であることが望ましい。各用途、各要求特性に応じ共重合比は決定される。
重合体(A)、重合体(B)及び重合体(C)を得るために用いられる炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)は、樹脂組成物を塗工後に熱架橋させて、基材との密着性、層間密着性、硬度、及び耐久性等の性能を塗膜に付与するために用いられる。架橋性の官能基としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、イソシアノ基、エポキシ基の内のいずれかであることが好ましい。ヒドロキシル基を有する単量体の例としては、2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4ーヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシスチレン等が挙げられる。
また、カルボキシル基を有する単量体の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸などが挙げられる。
また、イソシアノ基を有する単量体の例としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネートなどの他、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートと、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、コロネートLなどのポリイシアネートとを反応させて得られるものが挙げられる。
また、エポキシ基を有する単量体の例としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルシンナメート、グリシジルアリルエーテル、グリシジルビニルエーテル、ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド、1、3−ブタジエンモノエポキサイドなどが挙げられる。
また、イソシアノ基を有する単量体の例としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネートなどの他、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートと、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、コロネートLなどのポリイシアネートとを反応させて得られるものが挙げられる。
また、エポキシ基を有する単量体の例としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルシンナメート、グリシジルアリルエーテル、グリシジルビニルエーテル、ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド、1、3−ブタジエンモノエポキサイドなどが挙げられる。
単量体(b)は要求性能に応じてこれらの内から1種、または2種以上を混合して用いることができる。また、重合体(A)、重合体(B)及び重合体(C)を得るためにそれぞれ用いられる単量体(b)は、同じものであっても良く、それぞれ異なるものであっても良い。
単量体(b)は、重合体(A)中では、重合体(A)を構成する単量体の合計100重量%中10〜79重量%の割合で用いられる。10重量%より少ない場合は、充分な硬度が得られず、79重量%より多い場合は、シリコーンを有するコート層表面の剥離、撥水性、撥油性、防汚性、水の滑落性等の塗膜性能が低下する。
また、重合体(B)中では、重合体(B)を構成する単量体の合計100重量%中20〜100重量%の割合で用いられる。20重量%より少ない場合は、充分な硬度、及び下地層との密着性が得られない。
さらに、重合体(C)中では、重合体(C)を構成する単量体の合計100重量%中10〜100重量%の割合で用いられる。10重量%より少ない場合は、充分な硬度、基材及びシリコーンを有するコート層との十分な密着性が得られない。
単量体(b)は、重合体(A)中では、重合体(A)を構成する単量体の合計100重量%中10〜79重量%の割合で用いられる。10重量%より少ない場合は、充分な硬度が得られず、79重量%より多い場合は、シリコーンを有するコート層表面の剥離、撥水性、撥油性、防汚性、水の滑落性等の塗膜性能が低下する。
また、重合体(B)中では、重合体(B)を構成する単量体の合計100重量%中20〜100重量%の割合で用いられる。20重量%より少ない場合は、充分な硬度、及び下地層との密着性が得られない。
さらに、重合体(C)中では、重合体(C)を構成する単量体の合計100重量%中10〜100重量%の割合で用いられる。10重量%より少ない場合は、充分な硬度、基材及びシリコーンを有するコート層との十分な密着性が得られない。
本発明で用いられる(a)、(b)以外の炭素炭素不飽和二重結合を有する単量体(c)は、塗膜の硬度、強靭性、柔軟性、加工性、耐擦傷性、光沢向上等の物性付与のために好ましく用いられ得るものである。
この単量体(c)としては、(i)(メタ)アクリル酸誘導体、(ii)芳香族ビニル単量体、(iii)オレフィン系炭化水素単量体、(iv)ビニルエステル単量体、(v)ビニルハライド単量体、(vi)ビニルエーテル単量体等を用いることができる。
(i)(メタ)アクリル酸誘導体の例としては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、
ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香族(メタ)アクリレート、さらには(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸塩等が挙げられる。
(ii)芳香族ビニル単量体の例としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチレン等が挙げられる。
(iii)オレフィン系炭化水素単量体の例としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブチレン、イソプレン、1、4−ペンタジエン等が挙げられる。
(iv)ビニルエステル単量体の例としては、酢酸ビニル等が挙げられる。
(v)ビニルハライド単量体の例としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
(vi)ビニルエーテル単量体の例としては、ビニルメチルエーテル等が挙げられる。
これらは、2種以上用いても良い。単量体(c)を使用する場合には、重合体(A)中では、重合体(A)を構成する単量体の合計100重量%中89重量%以下の割合で用いられ得る。89重量%より多い場合は、下地層との十分な密着性が得られない。また、好ましくは15重量%以上の割合で用いられる。
また、重合体(B)中では、重合体(B)を構成する単量体の合計100重量%中80重量%以下の割合で用いられ得る。80重量%より多い場合は、下地層との十分な密着性が得られない。これに加えて、重合体(A)との相溶性が低下し、均一かつ良好な塗膜が得られない。また、好ましくは30重量%以上の割合で用いられる。
さらに、単量体(c)は、重合体(C)中では、重合体(C)を構成する単量体の合計100重量%中90重量%以下の割合で用いられ得る。90重量%より多い場合は、基材及びシリコーンを有するコート層との十分な密着性が得られない。また、好ましくは30重量%以上の割合で用いられる。
この単量体(c)としては、(i)(メタ)アクリル酸誘導体、(ii)芳香族ビニル単量体、(iii)オレフィン系炭化水素単量体、(iv)ビニルエステル単量体、(v)ビニルハライド単量体、(vi)ビニルエーテル単量体等を用いることができる。
(i)(メタ)アクリル酸誘導体の例としては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、
ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香族(メタ)アクリレート、さらには(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸塩等が挙げられる。
(ii)芳香族ビニル単量体の例としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチレン等が挙げられる。
(iii)オレフィン系炭化水素単量体の例としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブチレン、イソプレン、1、4−ペンタジエン等が挙げられる。
(iv)ビニルエステル単量体の例としては、酢酸ビニル等が挙げられる。
(v)ビニルハライド単量体の例としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
(vi)ビニルエーテル単量体の例としては、ビニルメチルエーテル等が挙げられる。
これらは、2種以上用いても良い。単量体(c)を使用する場合には、重合体(A)中では、重合体(A)を構成する単量体の合計100重量%中89重量%以下の割合で用いられ得る。89重量%より多い場合は、下地層との十分な密着性が得られない。また、好ましくは15重量%以上の割合で用いられる。
また、重合体(B)中では、重合体(B)を構成する単量体の合計100重量%中80重量%以下の割合で用いられ得る。80重量%より多い場合は、下地層との十分な密着性が得られない。これに加えて、重合体(A)との相溶性が低下し、均一かつ良好な塗膜が得られない。また、好ましくは30重量%以上の割合で用いられる。
さらに、単量体(c)は、重合体(C)中では、重合体(C)を構成する単量体の合計100重量%中90重量%以下の割合で用いられ得る。90重量%より多い場合は、基材及びシリコーンを有するコート層との十分な密着性が得られない。また、好ましくは30重量%以上の割合で用いられる。
重合体(A)、重合体(B)及び重合体(C)は、公知の方法、例えば、有機溶剤を溶媒とした溶液重合でそれぞれ得ることができる。用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテルなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などの使用が可能である。溶媒は2種以上の混合物でもよい。重合時の単量体の仕込み濃度は、80重量%以下であることが好ましい。
重合に用いる重合開始剤としては、通常の過酸化物またはアゾ化合物、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾイソブチルバレノニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルオクトエート、クメンヒドロキシペルオキシドなどが用いられ、重合温度は、50〜140℃、好ましくは70〜140℃である。得られる重合体の好ましい重量平均分子量は、重合体(A)、重合体(B)及び重合体(C)共に、2,000〜100,000であり、より好ましくは3,000〜20,000である。
なお、本発明においては、重合体(C)として、重合体(B)を用いてもよい。
なお、本発明においては、重合体(C)として、重合体(B)を用いてもよい。
また、本発明においては、重合体(A)、重合体(B)及び重合体(C)中の、単量体(b)に由来する架橋性の官能基を架橋させるために架橋剤を用いる。
架橋剤の種類としては、単量体(b)の架橋性官能基と反応し得るものであれば特に限定されるものではない。
代表的な架橋剤としては、ヘキサメチロール化メラミン、ヘキサメトキシメチル化メラミン、ヘキサブトキシメチル化メラミンなどのアルキロール基またはアルコキシ基を有するメラミン系化合物、
シアヌール酸、アンメリド、メラミン、ベンゾグアナミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアミノピリジンなどのアミノ化合物やベンゾグアナミン樹脂、メタノール変性メラミン樹脂、尿素樹脂などのアミノ樹脂、
ヒドラジン、ADHなどのヒドラジン系化合物、
エチレンジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、ペンタンジアミン、ヘキサンジアミン、ジアミノオクタン、ジアミノデカン、ジアミノドデカン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどの直鎖状ジアミン、
メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、m−キシレンジアミン、ポリシクロヘキシルポリアミン、ビス(アミノメチル)ビシクロ[2・2・1]ヘプタン、メチレンビス(フランメタンアミン)などの環状ジアミン、
1,6−ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチレントリアミンなどのポリアミン、
トルイレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネートなどのジイソシアネート、あるいはこれらとグリコール類またはジアミン類との反応生成物である両末端イソシアネートアダクト体、
トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、コロネートLなどの多価イソシアネート、
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ヘキサン二酸、クエン酸、マレイン酸、メチルナディク酸、ドデセニルコハク酸、セバシン酸、ピロメリット酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸などのジカルボン酸及びこれらの酸無水物、
グリオキサール、テレフタルアルデヒドなどのジアルデヒド、
グリシン、アラニンなどのアミノ酸及びそれらのラクタム、
クエン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、6−ヒドロキシペンタン酸などのヒドロキシカルボン酸及びそれらのラクトン、
1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、などのジオール、
1,1,1−トリメチロールプロパンエチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、エリスリトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、ズルシトール、マンニトール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、グアヤコール、ヘキシルレゾルシン、ピロガロール、トリヒドロキシベンゼン、フロログルシン、ジメチロールフェノールなどの多価アルコールまたは多価フェノール系化合物、あるいはこれらのアルコキシ変性物、
エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1、6ーヘキサンジオールジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステルなどのジエポキシ化合物、
油化シェルエポキシ社製の商品名エピコート801、802,807,815,827,828,834,815X,815XA1、828EL,828XA、1001、1002、1003、1055、1004、1004AF、1007、1009、1010、1003F、1004F,1005F,1100L,834X90,1001B80,1001X70,1001X75,1001T75,5045B80,5046B80,5048B70,5049B70、5050T60、5050、5051、152、154、180S65,180H65,1031S,1032H60、604、157S70などのエポキシ樹脂、
ピロりん酸、亜りん酸エチル、ビスフェノールA変性ポリりん酸、亜りん酸トリフェニルなどのりん化合物、りん酸ジクロリド化合物などが挙げられる。
架橋剤の種類としては、単量体(b)の架橋性官能基と反応し得るものであれば特に限定されるものではない。
代表的な架橋剤としては、ヘキサメチロール化メラミン、ヘキサメトキシメチル化メラミン、ヘキサブトキシメチル化メラミンなどのアルキロール基またはアルコキシ基を有するメラミン系化合物、
シアヌール酸、アンメリド、メラミン、ベンゾグアナミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアミノピリジンなどのアミノ化合物やベンゾグアナミン樹脂、メタノール変性メラミン樹脂、尿素樹脂などのアミノ樹脂、
ヒドラジン、ADHなどのヒドラジン系化合物、
エチレンジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、ペンタンジアミン、ヘキサンジアミン、ジアミノオクタン、ジアミノデカン、ジアミノドデカン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどの直鎖状ジアミン、
メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、m−キシレンジアミン、ポリシクロヘキシルポリアミン、ビス(アミノメチル)ビシクロ[2・2・1]ヘプタン、メチレンビス(フランメタンアミン)などの環状ジアミン、
1,6−ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチレントリアミンなどのポリアミン、
トルイレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネートなどのジイソシアネート、あるいはこれらとグリコール類またはジアミン類との反応生成物である両末端イソシアネートアダクト体、
トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、コロネートLなどの多価イソシアネート、
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ヘキサン二酸、クエン酸、マレイン酸、メチルナディク酸、ドデセニルコハク酸、セバシン酸、ピロメリット酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸などのジカルボン酸及びこれらの酸無水物、
グリオキサール、テレフタルアルデヒドなどのジアルデヒド、
グリシン、アラニンなどのアミノ酸及びそれらのラクタム、
クエン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、6−ヒドロキシペンタン酸などのヒドロキシカルボン酸及びそれらのラクトン、
1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、などのジオール、
1,1,1−トリメチロールプロパンエチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、エリスリトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、ズルシトール、マンニトール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、グアヤコール、ヘキシルレゾルシン、ピロガロール、トリヒドロキシベンゼン、フロログルシン、ジメチロールフェノールなどの多価アルコールまたは多価フェノール系化合物、あるいはこれらのアルコキシ変性物、
エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1、6ーヘキサンジオールジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステルなどのジエポキシ化合物、
油化シェルエポキシ社製の商品名エピコート801、802,807,815,827,828,834,815X,815XA1、828EL,828XA、1001、1002、1003、1055、1004、1004AF、1007、1009、1010、1003F、1004F,1005F,1100L,834X90,1001B80,1001X70,1001X75,1001T75,5045B80,5046B80,5048B70,5049B70、5050T60、5050、5051、152、154、180S65,180H65,1031S,1032H60、604、157S70などのエポキシ樹脂、
ピロりん酸、亜りん酸エチル、ビスフェノールA変性ポリりん酸、亜りん酸トリフェニルなどのりん化合物、りん酸ジクロリド化合物などが挙げられる。
これらの架橋剤の中で、単量体(b)としてヒドロキシル基を有する単量体を用いた場合は、アミノ樹脂、ジアミン、ポリアミン、ジイソシアネート、ジアルデヒド、ジエポキシ化合物、エポキシ樹脂、りん化合物、りん酸ジクロリド化合物などの使用が好ましい。
また、単量体(b)としてカルボキシル基を有する単量体を用いた場合は、アミノ樹脂、ジアミン、ポリアミン、ジイソシアネート、ジエポキシ化合物、エポキシ樹脂などの使用が好ましい。
また、単量体(b)としてイソシアノ基を有する単量体を用いた場合は、ヒドラジン系化合物、ジアミン類、ジカルボン酸およびその無水物、ジオール、多価アルコールまたは多価フェノール系化合物、ジエポキシ化合物、エポキシ樹脂などの使用が好ましい。
また、単量体(b)としてエポキシ基を有する単量体を用いた場合は、ジカルボン酸およびその無水物、多価アルコールまたは多価フェノール系化合物、あるいはこれらのアルコキシ変性物、アミノ樹脂、ジイソシアネート、多価イソシアネート、アミノ酸及びそのラクタム、ヒドロキシカルボン酸及びそのラクトン、ジアミン、ポリアミンなどの使用が好ましい。
これらの架橋剤は2種類以上使用してもよく、その総使用量は架橋性塗料用樹脂組成物(I)あるいは(II)中の重合体の合計100重量部に対してそれぞれ1〜500重量部の範囲であることが好ましく、10〜200重量部の範囲であることがより好ましい。
また、単量体(b)としてカルボキシル基を有する単量体を用いた場合は、アミノ樹脂、ジアミン、ポリアミン、ジイソシアネート、ジエポキシ化合物、エポキシ樹脂などの使用が好ましい。
また、単量体(b)としてイソシアノ基を有する単量体を用いた場合は、ヒドラジン系化合物、ジアミン類、ジカルボン酸およびその無水物、ジオール、多価アルコールまたは多価フェノール系化合物、ジエポキシ化合物、エポキシ樹脂などの使用が好ましい。
また、単量体(b)としてエポキシ基を有する単量体を用いた場合は、ジカルボン酸およびその無水物、多価アルコールまたは多価フェノール系化合物、あるいはこれらのアルコキシ変性物、アミノ樹脂、ジイソシアネート、多価イソシアネート、アミノ酸及びそのラクタム、ヒドロキシカルボン酸及びそのラクトン、ジアミン、ポリアミンなどの使用が好ましい。
これらの架橋剤は2種類以上使用してもよく、その総使用量は架橋性塗料用樹脂組成物(I)あるいは(II)中の重合体の合計100重量部に対してそれぞれ1〜500重量部の範囲であることが好ましく、10〜200重量部の範囲であることがより好ましい。
また、本発明においては、共重合体中の架橋性の官能基同士の架橋反応、もしくは共重合体中の架橋性の官能基と架橋剤との架橋反応を促進させるために、それぞれの官能基に応じて、種々の架橋触媒を用いることが好ましい。
代表的な架橋触媒としては、アルミニウムトリアセチルアセトネート、鉄トリアセチルアセトネート、マンガンテトラアセチルアセトネート、ニッケルテトラアセチルアセトネート、クロムヘキサアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、コバルトテトラアセチルアセトネートなどの金属錯化合物、
アルミニウムエトキシド、アルミニウムプロポキシド、アルミニウムブトキシド、チタンエトキシド、チタンプロポキシド、チタンブトキシドなどの金属アルコキシド、
酢酸ナトリウム、オクチル酸錫、オクチル酸鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレートジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)などの金属塩化合物、
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、トリクロロ酢酸、リン酸、モノアルキルリン酸、ジアルキルリン酸、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのリン酸エステル、モノアルキル亜リン酸、ジアルキル亜リン酸などの酸性化合物、
p−トルエンスルホン酸、無水フタル酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ギ酸、酢酸、イタコン酸、シュウ酸、マレイン酸などの酸及びそれらのアンモニウム塩や低級アミン塩あるいは多価金属塩、
水酸化ナトリウム、リチウムクロライド、ジエチル亜鉛、テトラ(n−ブトキシ)チタン、などの有機金属化合物、
ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルエチルアミンなどのアミン類などが挙げられる。
代表的な架橋触媒としては、アルミニウムトリアセチルアセトネート、鉄トリアセチルアセトネート、マンガンテトラアセチルアセトネート、ニッケルテトラアセチルアセトネート、クロムヘキサアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、コバルトテトラアセチルアセトネートなどの金属錯化合物、
アルミニウムエトキシド、アルミニウムプロポキシド、アルミニウムブトキシド、チタンエトキシド、チタンプロポキシド、チタンブトキシドなどの金属アルコキシド、
酢酸ナトリウム、オクチル酸錫、オクチル酸鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレートジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)などの金属塩化合物、
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、トリクロロ酢酸、リン酸、モノアルキルリン酸、ジアルキルリン酸、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのリン酸エステル、モノアルキル亜リン酸、ジアルキル亜リン酸などの酸性化合物、
p−トルエンスルホン酸、無水フタル酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ギ酸、酢酸、イタコン酸、シュウ酸、マレイン酸などの酸及びそれらのアンモニウム塩や低級アミン塩あるいは多価金属塩、
水酸化ナトリウム、リチウムクロライド、ジエチル亜鉛、テトラ(n−ブトキシ)チタン、などの有機金属化合物、
ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルエチルアミンなどのアミン類などが挙げられる。
これらの架橋触媒の中で、単量体(b)としてヒドロキシル基を有する単量体を用いた場合は、酸性化合物、酸及びそれらのアンモニウム塩や低級アミン塩あるいは多価金属塩などの使用が好ましい。
また、単量体(b)としてカルボキシル基を有する単量体を用いた場合は、酸及びそれらのアンモニウム塩や低級アミン塩あるいは多価金属塩などの使用が好ましい。
また、単量体(b)としてイソシアノ基を有する単量体を用いた場合は、アミン類、金属塩化合物などの使用が好ましい。
また、単量体(b)としてエポキシ基を有する単量体を用いた場合は、有機金属化合物、アミン類などの使用が好ましい。
これらの架橋触媒は2種類以上使用してもよく、その総使用量は架橋性塗料用樹脂組成物(I)あるいは(II)中の重合体の合計100重量部に対してそれぞれ0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の範囲である。
また、単量体(b)としてカルボキシル基を有する単量体を用いた場合は、酸及びそれらのアンモニウム塩や低級アミン塩あるいは多価金属塩などの使用が好ましい。
また、単量体(b)としてイソシアノ基を有する単量体を用いた場合は、アミン類、金属塩化合物などの使用が好ましい。
また、単量体(b)としてエポキシ基を有する単量体を用いた場合は、有機金属化合物、アミン類などの使用が好ましい。
これらの架橋触媒は2種類以上使用してもよく、その総使用量は架橋性塗料用樹脂組成物(I)あるいは(II)中の重合体の合計100重量部に対してそれぞれ0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の範囲である。
本発明においては、必要に応じ本発明による効果を妨げない範囲で、充填剤、チクソトロピー付与剤、着色顔料、体質顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、熱伝導性改良剤、可塑剤、ダレ防止剤、防汚剤、防腐剤、殺菌剤、消泡剤、レベリング剤、硬化剤等の各種の添加剤を添加してもよい。
本発明の、シリコーンを有するコート層を形成するための架橋性塗料用樹脂組成物(I)は、重合体(A)、重合体(B)及び架橋剤とを含んでなるものであり、必要に応じてさらに架橋触媒、添加剤とを溶剤に混合溶解して、熱架橋性塗料の態様として使用に供することができる。
また、本発明の、下地層を形成するための架橋性塗料用樹脂組成物(II)は、重合体(C)と架橋剤とを含んでなるものであり、必要に応じてさらに架橋触媒、添加剤とを溶剤に混合溶解して、同様に熱架橋性塗料の態様として使用に供することができる。
溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテルなどのアルコール類、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、
ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素類、
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族類、
酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などの内から樹脂の組成に応じて使用する。溶剤は2種以上を用いてもよい。
混合方法に特に限定はないが、通常は、溶液重合により得られた重合体溶液をそのまま混合し、攪拌羽根、振とう攪拌機、回転攪拌機などで攪拌すればよい。塗工性などの向上のために、さらに溶媒を追加したり、濃縮してもよい。
また、架橋性塗料用樹脂組成物(I)において、重合体(A)と重合体(B)の混合比率は、含シリコーン単量体(a)が、重合体(A)と重合体(B)を構成する単量体の合計100重量%中0.1〜10重量%となるようにすることが重要である。0.1重量%より小さい場合は、塗膜の充分な撥水効果が得られず、10重量%より大きい場合は、コスト高となる。
また、本発明の、下地層を形成するための架橋性塗料用樹脂組成物(II)は、重合体(C)と架橋剤とを含んでなるものであり、必要に応じてさらに架橋触媒、添加剤とを溶剤に混合溶解して、同様に熱架橋性塗料の態様として使用に供することができる。
溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテルなどのアルコール類、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、
ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素類、
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族類、
酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などの内から樹脂の組成に応じて使用する。溶剤は2種以上を用いてもよい。
混合方法に特に限定はないが、通常は、溶液重合により得られた重合体溶液をそのまま混合し、攪拌羽根、振とう攪拌機、回転攪拌機などで攪拌すればよい。塗工性などの向上のために、さらに溶媒を追加したり、濃縮してもよい。
また、架橋性塗料用樹脂組成物(I)において、重合体(A)と重合体(B)の混合比率は、含シリコーン単量体(a)が、重合体(A)と重合体(B)を構成する単量体の合計100重量%中0.1〜10重量%となるようにすることが重要である。0.1重量%より小さい場合は、塗膜の充分な撥水効果が得られず、10重量%より大きい場合は、コスト高となる。
得られた熱架橋性塗料は、各種製品で剥離、撥水、撥油、防汚、水の滑落、着雪防止等の各種の機能が必要とされる個所に塗布され、密着性、硬度、耐酸性等に優れたコーティングがなされる。
塗装方式には特に限定はないが、塗工機械による塗工方式、浸漬塗装、吹き付け塗装、刷毛塗り等の塗装方式などで塗工できる。塗工方式としては、グラビア塗工、マイクログラビア塗工、リバース塗工、キスリバース方式、コンマ塗工方式、リップ塗工方式、ダイ塗工方式、カーテン塗工方式等が挙げられる。
塗装された熱架橋性塗料は、30〜350℃で数秒〜数週間加熱し架橋させることにより、強靱な塗膜を得ることができる。
本発明の積層シートは、例えば、基材に先ず架橋性塗料用樹脂組成物(II)を含む熱架橋性塗料を塗工・乾燥して下地層を形成し、次いで架橋性塗料用樹脂組成物(I)を含む熱架橋性塗料を下地層上に塗工・乾燥してシリコーンを有するコート層を形成することにより得ることができる。
あるいは、本発明の積層シートは、基材に先ず架橋性塗料用樹脂組成物(II)を含む熱架橋性塗料を塗工して、その塗工面上にさらに架橋性塗料用樹脂組成物(I)を含む熱架橋性塗料を塗工し、乾燥することによっても得ることができる。
下地層とシリコーンを有するコート層を形成するにあたっては、それらの塗工方式が異なっても構わない。
また各層の乾燥厚みは、下地層については0.1μm〜10μmであり、シリコーンを有するコート層については、0.1μm〜100μmであることが好ましい。さらには、下地層は0.2μm〜4μmであり、シリコーンを有するコート層は0.5μm〜5μmであることがより好ましい。
塗装方式には特に限定はないが、塗工機械による塗工方式、浸漬塗装、吹き付け塗装、刷毛塗り等の塗装方式などで塗工できる。塗工方式としては、グラビア塗工、マイクログラビア塗工、リバース塗工、キスリバース方式、コンマ塗工方式、リップ塗工方式、ダイ塗工方式、カーテン塗工方式等が挙げられる。
塗装された熱架橋性塗料は、30〜350℃で数秒〜数週間加熱し架橋させることにより、強靱な塗膜を得ることができる。
本発明の積層シートは、例えば、基材に先ず架橋性塗料用樹脂組成物(II)を含む熱架橋性塗料を塗工・乾燥して下地層を形成し、次いで架橋性塗料用樹脂組成物(I)を含む熱架橋性塗料を下地層上に塗工・乾燥してシリコーンを有するコート層を形成することにより得ることができる。
あるいは、本発明の積層シートは、基材に先ず架橋性塗料用樹脂組成物(II)を含む熱架橋性塗料を塗工して、その塗工面上にさらに架橋性塗料用樹脂組成物(I)を含む熱架橋性塗料を塗工し、乾燥することによっても得ることができる。
下地層とシリコーンを有するコート層を形成するにあたっては、それらの塗工方式が異なっても構わない。
また各層の乾燥厚みは、下地層については0.1μm〜10μmであり、シリコーンを有するコート層については、0.1μm〜100μmであることが好ましい。さらには、下地層は0.2μm〜4μmであり、シリコーンを有するコート層は0.5μm〜5μmであることがより好ましい。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、これに限定されるものではない。なお、例中、「部」とは「重量部」を、「%」とは「重量%」をそれぞれ意味するものとする。
(合成例A1)チッソ(株)製「サイラプレーンFM−0721」(片末端メタクリロキシ基含有ポリシロキサン化合物)50部、2−ヒドロキシブチルメタクリレート31部、メチルメタクリレート19部、メチルエチルケトン(MEK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6部を加えて2時間重合反応をおこない、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合をおこない重量平均分子量約15,000である重合体(A1)の溶液を得た。
(合成例A1)チッソ(株)製「サイラプレーンFM−0721」(片末端メタクリロキシ基含有ポリシロキサン化合物)50部、2−ヒドロキシブチルメタクリレート31部、メチルメタクリレート19部、メチルエチルケトン(MEK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6部を加えて2時間重合反応をおこない、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合をおこない重量平均分子量約15,000である重合体(A1)の溶液を得た。
(合成例A2)チッソ(株)製「サイラプレーンFM−0721」(片末端メタクリロキシ基含有ポリシロキサン化合物)50部、アクリル酸28部、メチルメタクリレート22部、メチルエチルケトン(MEK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6部を加えて2時間重合反応をおこない、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合をおこない重量平均分子量約12,000である重合体(A2)の溶液を得た。
(合成例A3)チッソ(株)製「サイラプレーンFM−0711」(片末端メタクリロキシ基含有ポリシロキサン化合物)50部、グリシジルメタクリレート30部、メチルメタクリレート20部、メチルエチルケトン(MEK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6部を加えて2時間重合反応をおこない、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合をおこない重量平均分子量約16,000である重合体(A3)の溶液を得た。
(合成例A4)チッソ(株)製「サイラプレーンFM−0721」(片末端メタクリロキシ基含有ポリシロキサン化合物)75部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15部、メチルメタクリレート10部、メチルエチルケトン(MEK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6部を加えて2時間重合反応をおこない、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合をおこない重量平均分子量約15,000である重合体(A4)の溶液を得た。
(合成例A5)チッソ(株)製「サイラプレーンFM−0711」(片末端メタクリロキシ基含有ポリシロキサン化合物)0.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート36部、メチルメタクリレート63.5部、メチルエチルケトン(MEK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6部を加えて2時間重合反応をおこない、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合をおこない重量平均分子量約19,000である重合体(A5)の溶液を得た。
(合成例A6)チッソ(株)製「サイラプレーンFM−0711」(片末端メタクリロキシ基含有ポリシロキサン化合物)50部、メチルメタクリレート50部、メチルエチルケトン(MEK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6部を加えて2時間重合反応をおこない、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合をおこない重量平均分子量約16,000である重合体(A6)の溶液を得た。
(合成例B1)2−ヒドロキシエチルメタクリレート25部、メチルメタクリレート50部、ブチルメタクリレート25部、メチルエチルケトン(MEK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6部を加えて2時間重合反応をおこない、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合をおこない重量平均分子量約17,000である重合体(B1)の溶液を得た。
(合成例B2)アクリル酸25部、メチルメタクリレート44部、ブチルメタクリレート31部、メチルエチルケトン(MEK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6部を加えて2時間重合反応をおこない、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合をおこない重量平均分子量約19,000である重合体(B2)の溶液を得た。
(合成例B3)グリシジルメタクリレート50部、メチルメタクリレート50部、メチルエチルケトン(MEK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6部を加えて2時間重合反応をおこない、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合をおこない重量平均分子量約13,000である重合体(B3)の溶液を得た。
(合成例B4)メチルメタクリレート50部、ブチルメタクリレート50部、メチルエチルケトン(MEK)200部を冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6部を加えて2時間重合反応をおこない、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合をおこない重量平均分子量約20,000である重合体(B4)の溶液を得た。
(実施例1〜3、比較例2〜4)
(1)下地層の形成
重合体(B)の溶液に、重合体(B)に含まれる反応性官能基の数と、これと反応し得る架橋剤中の官能基の数が等しくなるような分量にて架橋剤を加え、さらに架橋触媒、希釈剤(メチルイソブチルケトン)を加えて、固形分濃度30%の塗料を作製した。この塗料を厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに#8バーコーターを用いて塗工し、100℃の電気オーブン中で1分間乾燥させた後、50℃3日間エージングを行うことで膜厚約3μmの下地層を形成した。
(2)シリコーンを有するコート層の形成
重合体(A)と重合体(B)のそれぞれの溶液を、重合体(A)溶液:重合体(B)溶液=5:95(重量比)の割合で混合し、さらに重合体(A)、(B)に含まれる反応性官能基の合計の数と、これと反応し得る架橋剤中の官能基の数が等しくなるような分量にて架橋剤を加え、さらに架橋触媒、希釈剤(メチルイソブチルケトン)を加えて、固形分濃度30%の塗料を作製した。得られた塗料を、前記(1)で得た下地層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムの下地層上に#8バーコーターを用いて塗工し、100℃の電気オーブン中で1分間乾燥させた後、50℃3日間エージングをおこなうことで膜厚約2μmの、シリコーンを有するコート層を形成し、積層シートを得た。
下地層及びシリコーンを有するコート層を形成する塗料の組成を表1に示す。
(1)下地層の形成
重合体(B)の溶液に、重合体(B)に含まれる反応性官能基の数と、これと反応し得る架橋剤中の官能基の数が等しくなるような分量にて架橋剤を加え、さらに架橋触媒、希釈剤(メチルイソブチルケトン)を加えて、固形分濃度30%の塗料を作製した。この塗料を厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに#8バーコーターを用いて塗工し、100℃の電気オーブン中で1分間乾燥させた後、50℃3日間エージングを行うことで膜厚約3μmの下地層を形成した。
(2)シリコーンを有するコート層の形成
重合体(A)と重合体(B)のそれぞれの溶液を、重合体(A)溶液:重合体(B)溶液=5:95(重量比)の割合で混合し、さらに重合体(A)、(B)に含まれる反応性官能基の合計の数と、これと反応し得る架橋剤中の官能基の数が等しくなるような分量にて架橋剤を加え、さらに架橋触媒、希釈剤(メチルイソブチルケトン)を加えて、固形分濃度30%の塗料を作製した。得られた塗料を、前記(1)で得た下地層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムの下地層上に#8バーコーターを用いて塗工し、100℃の電気オーブン中で1分間乾燥させた後、50℃3日間エージングをおこなうことで膜厚約2μmの、シリコーンを有するコート層を形成し、積層シートを得た。
下地層及びシリコーンを有するコート層を形成する塗料の組成を表1に示す。
(比較例1)
下地層を設けずに、シリコーンを有するコート層をポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成したこと以外は実施例1と同様にして積層シートを作製した。
下地層を設けずに、シリコーンを有するコート層をポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成したこと以外は実施例1と同様にして積層シートを作製した。
各実施例、比較例で得られた積層シートについて、塗膜外観評価、耐溶剤性試験、剥離試験をおこなった。各評価方法、試験方法は、以下の通りである。
塗膜外観評価:塗膜の平滑さ、濁りを目視にて評価した。評価基準を以下に示す。
○:平滑な表面
△:塗膜の何カ所かにハジキやピンホールが見られる。
×:塗膜全体にハジキ、ピンホールが見られる。
塗膜外観評価:塗膜の平滑さ、濁りを目視にて評価した。評価基準を以下に示す。
○:平滑な表面
△:塗膜の何カ所かにハジキやピンホールが見られる。
×:塗膜全体にハジキ、ピンホールが見られる。
耐溶剤性試験:MEKを含浸させた綿棒で塗膜の表面を10往復擦り、外観で判定。評価基準を以下に示す。
○:MEKが塗膜上で水滴状となって濡れない。
△:塗膜がMEKに濡れている。
×:MEKにより塗膜が侵され、膨潤あるいは溶解する。
○:MEKが塗膜上で水滴状となって濡れない。
△:塗膜がMEKに濡れている。
×:MEKにより塗膜が侵され、膨潤あるいは溶解する。
剥離試験:25mm幅に裁断した積層シートの塗膜面に、同じく25mm幅に裁断した布クラフトテープの粘着面を、5kgローラーで圧着しながら貼り付け、試験サンプルを作製した。その後、50℃の環境下24時間放置し、剥離力の測定をおこなった。剥離力の測定は、剥離スピード300mm/minにて、180°ピールでおこなった。また、剥離力の測定後、下地層とシリコーンを有するコート層の間での層間剥離の有無を観察した。
(層間剥離の評価基準)
○:層間剥離なし。
×:層間剥離あり。
結果を表2に示す。
(層間剥離の評価基準)
○:層間剥離なし。
×:層間剥離あり。
結果を表2に示す。
表2で示したように、本発明により得られる積層シートの塗膜表面は、低い剥離力を示し、かつ下地層とシリコーンを有するコート層との間の密着性が良好であるのに加え、塗膜の外観及び耐溶剤性も良好である。
Claims (5)
- 基材の片面または両面に、下地層、シリコーンを有するコート層の順で積層されてなる積層シートであって、
シリコーンを有するコート層が、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合とポリシロキサン鎖を有する単量体(a)1〜70重量%と、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)10〜79重量%と、(a)、(b)以外の一分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有する単量体(c)0〜89重量%とからなる重合体(A)、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)20〜100重量%と、(a)、(b)以外の一分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有する単量体(c)0〜80重量%との重合体(B)及び架橋剤とを含み、前記重合体(A)と重合体(B)を構成する単量体の合計100重量%中、含シリコーン単量体(a)の割合が0.1〜10重量%である架橋性塗料用樹脂組成物(I)からなり、且つ、
下地層が、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)10〜100重量%と、(a)、(b)以外の一分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有する単量体(c)0〜90重量%との重合体(C)と架橋剤とを含む架橋性塗料用樹脂組成物(II)からなることを特徴とする積層シート。 - 架橋性塗料用樹脂組成物(I)及び/または(II)が、さらに架橋触媒を含むことを特徴とする請求項1記載の積層シート。
- 一分子中に炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)の架橋性の官能基が、ヒドロキシル基であることを特徴とする請求項1または2記載の積層シート。
- 一分子中に炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)の架橋性の官能基が、カルボキシル基、イソシアノ基、エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基であることを特徴とする請求項1または2記載の積層シート。
- 架橋剤の反応性官能基がイソシアノ基であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の積層シート。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006026661A JP2007203651A (ja) | 2006-02-03 | 2006-02-03 | 積層シート |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011132398A (ja) * | 2009-12-25 | 2011-07-07 | Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd | フィルムもしくはシート |
WO2023275145A1 (en) * | 2021-06-30 | 2023-01-05 | Jotun A/S | Novel coatings with low adhesion to ice |
-
2006
- 2006-02-03 JP JP2006026661A patent/JP2007203651A/ja not_active Withdrawn
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