JP4365007B2 - 包装材のラミネートフィルム用オーバーコート組成物 - Google Patents

包装材のラミネートフィルム用オーバーコート組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、缶などの包装材を被覆するラミネートフィルム用オーバーコート組成物及びこの組成物を用いたラミネートフィルム被覆包装材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
近年、缶などの包装材をラミネートする方法として、塗料を塗装する方法以外に、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のプラスチックフィルムを缶表面に接着、ラミネートする方法が多用されてきている。
【0003】
ここで、プラスチックフィルムをラミネートした2ピース缶の製造工程について説明する。通常、プラスチックフィルム上の片面(第1面)にフィルムの傷つきを防止するためロールコーター等でオーバーコートが塗装され、短時間で加熱乾燥させた後コイル状に巻き取られる。次に該フィルムのもう一方の面(第2面)に必要に応じて印刷インキを塗布・乾燥後、その上に接着剤を塗装し再度乾燥させ、コイル状に巻き取られる。このようにして得られたプラスチックフィルムを缶等の包装材に第2面側が接するようにして加熱・圧着させラミネート缶を得る。
【0004】
ここで使用されるオーバーコートには、フィルムの傷つき防止、およびフィルム巻きとり時のブロッキング防止の目的があり、オーバーコート被膜表面への滑り性付与のため通常シリコン系の潤滑性付与剤等が添加される。
【0005】
しかしながら、オーバーコート塗装後にフィルムが巻き取られると、オーバーコートが塗装された第1面と無塗装の第2面が接した状態に置かれることになり、第1面に塗装されたオーバーコート被膜中の潤滑性付与剤の一部が第2面に移行する。しかる後に第2面に印刷及び/又は接着剤が塗布された場合、第2面に移行した潤滑性付与剤のためにインキ又は接着剤にハジキが発生するという問題が生じる。
【0006】
本発明の目的は、耐傷つき性、耐ブロッキング性に優れ、かつ潤滑性付与剤の移行が少ないラミネートフィルム用オーバーコート組成物、およびオーバーコート組成物を塗装した接着用積層フィルムを用いたラミネートフィルム被覆包装材の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、オーバーコート用組成物の潤滑性付与剤として、特定の分子量を有するポリジメチルシロキサンを含有する重合性不飽和単量体とその他の重合性不飽和単量体とを共重合してなるシリコン変性共重合体を用いることにより、耐傷つき性、耐ブロッキング性が優れた被膜が得られ、かつ潤滑性付与剤の移行がほとんどなくなることが見出され、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、(A)水酸基含有有機樹脂70〜99重量部及び(B)アミノ樹脂及びブロック化していてもよいポリイソシアネート化合物から選ばれる硬化剤1〜30重量部の合計100重量部に対して、(C)数平均分子量が1,000〜50,000の範囲であるポリジメチルシロキサン含有重合性不飽和単量体とその他の重合性不飽和単量体とを共重合してなるシリコン変性共重合体1〜50重量部を含有することを特徴とする包装材のラミネートフィルム用オーバーコート組成物を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、プラスチックフィルムの片面(第1面)に、上記オーバーコート組成物からのオーバーコートが形成され、かつ該フィルムのもう一方の面(第2面)に、必要に応じて印刷インキ層を介して、接着剤層が形成されてなる接着用積層フィルムを、該接着層が包装材表面に面するように包装材表面に熱圧着することを特徴とするラミネートフィルム被覆包装材の製造方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
まず、本発明のオーバーコート組成物について以下に詳細に説明する。
【0011】
本発明のオーバーコート組成物は、下記水酸基含有有機樹脂(A)、硬化剤(B)及びシリコン変性共重合体(C)を必須成分として含有する。
【0012】
水酸基含有有機樹脂(A)
水酸基含有有機樹脂(A)は、水酸基を含有する有機樹脂である限り特に限定されるものではないが、塗膜性能などの点から、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種の水酸基含有樹脂であることが好ましい。
【0013】
水酸基含有有機樹脂(A)は、水酸基価が1〜200mgKOH/g、好ましくは5〜150mgKOH/gの範囲内であることが硬化性などの点から適しており、また、数平均分子量が1,000〜40,000、好ましくは10,000〜30,000の範囲内であり、ガラス転移温度が40〜130℃、好ましくは60〜130℃の範囲内であることが塗膜の硬度、耐傷付性、耐ブロッキング性などの点から適している。
【0014】
水酸基含有有機樹脂(A)として使用できるエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂;これらのエポキシ樹脂中のエポキシ基又は水酸基に各種変性剤が反応せしめられた変性エポキシ樹脂などを挙げることができる。
【0015】
上記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、例えばエピクロルヒドリンとビスフェノールとを、必要に応じてアルカリ触媒などの触媒の存在下に高分子量まで縮合させてなる樹脂、エピクロルヒドリンとビスフェノールとを、必要に応じてアルカリ触媒などの触媒の存在下に、縮合させて低分子量のエポキシ樹脂とし、この低分子量エポキシ樹脂とビスフェノールとを重付加反応させることにより得られた樹脂のいずれであってもよい。
【0016】
上記ビスフェノールとしては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン[ビスフェノールB]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、p−(4−ヒドロキシフェニル)フェノール、オキシビス(4−ヒドロキシフェニル)、スルホニルビス(4−ヒドロキシフェニル)、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタンなどを挙げることができ、なかでもビスフェノールA、ビスフェノールFが好適に使用される。上記ビスフェノール類は、1種で又は2種以上の混合物として使用することができる。
【0017】
ビスフェノール型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、油化シェルエポキシ(株)製の、エピコート1001、同1004、同1007、同1009、同1010;旭化成エポキシ(株)製の、AER6097、同6099;及び三井化学(株)製の、エポミックR−309などを挙げることができる。
【0018】
また、エポキシ樹脂として使用できるノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、分子内に多数のエポキシ基を有するフェノールグリオキザール型エポキシ樹脂など、各種のノボラック型エポキシ樹脂を挙げることができる。
【0019】
前記変性エポキシ樹脂としては、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂又はノボラック型エポキシ樹脂に、例えば、乾性油脂肪酸を反応させたエポキシエステル樹脂;アクリル酸又はメタクリル酸などを含有する重合性不飽和モノマー成分を反応させたエポキシアクリレート樹脂;イソシアネート化合物を反応させたウレタン変性エポキシ樹脂;上記ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂又は上記各種変性エポキシ樹脂中のエポキシ基にアミン化合物を反応させて、アミノ基又は4級アンモニウム塩を導入してなるアミン変性エポキシ樹脂などを挙げることができる。
【0020】
水酸基含有有機樹脂(A)として使用できるポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価アルコール成分とのエステル化物からなるものである。多塩基酸成分としては、例えば無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、無水マレイン酸、イタコン酸、ダイマー酸などから選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じて安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが併用される。多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することができる。これらの多価アルコールは単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。両成分のエステル化又はエステル交換反応は、それ自体既知の方法によって行うことができ、例えば、前記多塩基酸成分と多価アルコール成分とを180〜250℃程度の温度で重縮合させることによって得ることができる。
【0021】
また、前記多塩基酸成分と多価アルコール成分とから水酸基を有するポリエステルを得た後、このポリエステルの水酸基に、マレイン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸などの多塩基酸を反応させることによって樹脂中にカルボキシル基を導入したポリエステル樹脂であってもよい。
【0022】
水酸基含有有機樹脂(A)として使用できるアクリル樹脂は、水酸基含有モノマー及びこのモノマーと共重合可能なその他のモノマーからなるモノマー混合物を、ラジカル重合開始剤の存在下に溶液重合法等の常法によって共重合させることによって得ることができる。
【0023】
上記水酸基含有モノマ−としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシエチルビニルエ−テル、2−ヒドロキシプロピルビニルエ−テル、2−ヒドロキシエチルアリルエ−テルなどを挙げることができる。
【0024】
上記水酸基含有モノマ−と共重合可能なその他のモノマ−としては、例えば(メタ)アクリル酸;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレン等のビニル芳香族化合物;メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、n−プロピル(メタ)アクリレ−ト、i−プロピル(メタ)アクリレ−ト、(n−、i−、t−)ブチル(メタ)アクリレ−ト、ヘキシル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、n−オクチル(メタ)アクリレ−ト、デシル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレ−ト、イソボルニル(メタ)アクリレ−ト等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエステル又はシクロアルキルエステル;酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルエ−テル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、さらにこれらのモノマ−の1種及び/又はそれ以上のモノマ−の重合体で、片末端に重合性不飽和基を有する、いわゆるマクロモノマ−も共重合可能なモノマ−として挙げることができる。本発明において、「(メタ)アクリレ−ト」は、「アクリレ−ト又はメタアクリレ−ト」を意味する。
【0025】
硬化剤(B)
硬化剤(B)は、アミノ樹脂及びブロック化していてもよいポリイソシアネート化合物から選ばれるものであり、上記水酸基含有有機樹脂(A)の硬化剤として働く。
【0026】
上記アミノ樹脂としては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂があげられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等がある。また、このメチロール化アミノ樹脂を適当なアルコールによってエーテル化したものも使用でき、エーテル化に用いられるアルコールの例としてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノールなどが挙げられる。アミノ樹脂としては、なかでもメチロール基の少なくとも一部をアルキルエーテル化したメチロール化メラミン樹脂が好適である。
【0027】
硬化剤(B)として用いられるブロック化していてもよいポリイソシアネート化合物は、非ブロック化ポリイソシアネート化合物及びブロック化ポリイソシアネート化合物の両者を包含する。
【0028】
上記非ブロック化ポリイソシアネート化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートの如き環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート類;トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネートなどの3個以上のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネート化合物の如き有機ポリイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した各有機ポリイソシアネート同志の環化重合体、更にはイソシアネート・ビウレット体等を挙げることができる。なかでもヘキサメチレンジイソシアネートが環化重合したイソシアヌレートが好適に使用される。
【0029】
前記ブロック化ポリイソシアネート化合物は、上記非ブロック化ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック化剤でブロック化したものであり、該ブロック化剤としては、フェノール、クレゾール、キシレノールなどのフェノール系;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタムなどのラクタム系;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコールなどのアルコール系;ホルムアミドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系などのブロック化剤を挙げることができる。なかでもオキシム系ブロック化剤が好適に使用される。
【0030】
シリコン変性共重合体(C)
本発明のシリコン変性共重合体(C)は、ポリジメチルシロキサン含有重合性不飽和単量体とその他の重合性不飽和単量体とを共重合して合成される。
【0031】
ここで用いられるポリジメチルシロキサン含有重合性不飽和単量体としては数平均分子量が1,000〜50,000、好ましくは5,000〜30,000の範囲内のものが適しており、市販のものも使用することができる。市販品としては、例えば、東亜合成社製のマクロモノマーAK−5、同AK−30、同AK−32、チッソ社製のサイラプレーンFM−0711、FM−0721、同FM−0725等が挙げられる。
【0032】
上記ポリジメチルシロキサン含有重合性不飽和単量体と組み合わせるその他の重合性不飽和単量体としては、従来公知のものであれば特に制限されるものではない。例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸エステル類;ビニルエーテル及びアリールエーテル;オレフィン系化合物及びジエン化合物;芳香族ビニル単量体;脂環族重合性不飽和単量体;含窒素不飽和単量体;エポキシ基含有不飽和単量体;水酸基含有不飽和単量体等を挙げることができる。
【0033】
ここで、(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、n−プロピル(メタ)アクリレ−ト、イソプロピル(メタ)アクリレ−ト、n−ブチル(メタ)アクリレ−ト、イソブチル(メタ)アクリレ−ト、tert−ブチル(メタ)アクリレ−ト、ヘキシル(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、n−オクチル(メタ)アクリレ−ト、デシル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレ−ト等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエステル;メトキシブチル(メタ)アクリレ−ト、メトキシエチル(メタ)アクリレ−ト、エトキシブチル(メタ)アクリレ−ト等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル等が挙げられる。
【0034】
ビニルエーテル及びアリルエーテル類の例としては、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル等の鎖状アルキルビニルエーテル類;シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル類;フェニルビニルエーテル、トリルビニルエーテル等のアリールビニルエーテル類、ベンジルビニルエーテル、フェネチルビニルエーテル等のアラルキルビニルエーテル類;アリルグリシジルエーテル、アリルエチルエーテル等のアリルエーテル類等が挙げられる。
【0035】
オレフィン系化合物及びジエン化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
【0036】
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
【0037】
脂環族重合性不飽和単量体としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0038】
含窒素不飽和単量体としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素アルキル(メタ)アクリレート;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の重合性アミド類;2−ビニルピリジン、1−ビニル−2−ピロリドン、4−ビニルピリジン等の芳香族含窒素モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の重合性ニトリル;アリルアミン等が挙げられる。
【0039】
エポキシ基含有不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0040】
水酸基含有不飽和単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0041】
共重合手法は、一般的なビニルモノマーの重合法を用いることができるが、汎用性やコスト等を考慮して、有機溶剤中における溶剤型ラジカル重合法が最も適している。即ち、有機溶剤中でアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の重合開始剤の存在下、通常60〜170℃程度の範囲内で共重合反応を行なうことによって、容易に目的の重合体を得ることができる。
【0042】
重合性不飽和単量体中のポリジメチルシロキサン含有重合性不飽和単量体の量としては、ポリジメチルシロキサン含有重合性不飽和単量体および重合して得られる共重合体各々の分子量によって異なるが、該共重合体1分子当たり平均1個以上、好ましくは平均1〜2個のポリジメチルシロキサン含有重合性不飽和単量体ユニットを含有する量的割合にて配合することが適している。また、該共重合体の数平均分子量としては2,000〜100,000、好ましくは5,000〜50,000の範囲内にあることが適している。
【0043】
本発明方法において使用されるオーバーコート組成物における、前記水酸基含有有機樹脂(A)と前記硬化剤(B)との配合割合は、両者の合計(固形分)100重量部に基づいて、樹脂(A)が70〜99重量部、好ましくは75〜95重量部、硬化剤(B)が1〜30重量部、好ましくは5〜25重量部の範囲内にあることが、塗膜の硬化性、耐ブロッキング性、耐傷付性などの点から適している。また、シリコン変性共重合体(C)の配合割合は、樹脂(A)と硬化剤(B)との合計(固形分)100重量部に基づいて、1〜50重量部、好ましくは2〜30重量部の範囲内にあることが耐ブロッキング性、耐傷付性などの点から適している。
【0044】
上記オーバーコート組成物は、水酸基含有有機樹脂(A)、硬化剤(B)及びシリコン変性共重合体(C)を必須成分とし、必要に応じて、従来公知の潤滑性付与剤、硬化触媒、有機溶剤、及び塗膜の透明性を損なわない範囲で着色顔料、光干渉性顔料などを含有することができる。
【0045】
上記潤滑性付与剤としては、例えば、シリコン、変性シリコン等が挙げられ、インキ又は接着剤のハジキの発生等に影響の出ない範囲内で使用することができる。ここで変性シリコンとは、ポリジメチルシロキサンを変性して、ポリジメチルシロキサン鎖の末端及び/又は側鎖に変性基を導入したものである。この変性基としては、例えば、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシアルキル基及び重合性不飽和基(ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基など)などの官能基を有する有機基;水素原子(SiとともにSiH基を形成)、水酸基(Siとともにシラノール基を形成)、アルコキシル基(Siとともにアルコキシシリル基を形成);ポリエーテル基、フッ素原子含有炭化水素基、メルカプト基、アルキルアラルキル基などを挙げることができる。
【0046】
上記硬化触媒としては、硬化剤(B)がアミノ樹脂、特に低分子量のアルキルエーテル化アミノ樹脂である場合には、スルホン酸化合物又はスルホン酸化合物のアミン中和物が好適に用いられる。スルホン酸化合物の代表例としては、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などを挙げることができる。スルホン酸化合物のアミン中和物におけるアミンとしては、1級アミン、2級アミン、3級アミンのいずれであってもよい。また、硬化剤(B)がブロック化ポリイソシアネート化合物である場合には、ブロック化ポリイソシアネート化合物のブロック剤の解離を促進する硬化触媒を用いることが好適であり、例えば、オクチル酸錫、、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、2−エチルヘキサン酸鉛などの有機金属触媒などを好適に使用することができる。
【0047】
次に、本発明の接着用積層フィルムにおける接着剤層の形成に用いられる接着剤について説明する。
【0048】
接着剤
本発明において接着剤層を形成するのに用いられる接着剤としては、非ブロック化又はブロック化ポリイソシアネート化合物を樹脂成分100重量部中に1〜50重量部含有するものを好適に使用することができる。非ブロック化又はブロック化ポリイソシアネート化合物とともに接着剤を構成する上記樹脂成分としては、水酸基を含有する有機樹脂を好適に使用することができる。この有機樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることでき、これらは1種で又は2種以上を混合して使用することができる。上記有機樹脂のうち、なかでも水酸基含有ポリエステル樹脂を好適に使用することができる。
【0049】
上記水酸基含有ポリエステル樹脂は、数平均分子量が1,000〜40,000、好ましくは10,000〜30,000、ガラス転移温度が0〜100℃、好ましくは35〜90℃を有し、水酸基価が0.1〜30mgKOH/g、好ましくは1〜20mgKOH/gの範囲内にあり、酸価が50mgKOH/g以下、好ましくは1〜25mgKOH/gの範囲内にあることが適している。
【0050】
上記水酸基含有ポリエステル樹脂は、前記オーバーコート組成物における水酸基含有有機樹脂(A)がポリエステル樹脂である場合の製造方法に準じて、例えば、上記水酸基含有ポリエステル樹脂の性状値となるように調整して製造することができる。
【0051】
接着剤における非ブロック化又はブロック化ポリイソシアネート化合物は、上記水酸基を含有する有機樹脂の硬化剤として働くほか、プラスチックフィルム面、包装材、及び場合によってはインキ層と反応して接着性の向上に寄与する。上記非ブロック化又はブロック化ポリイソシアネート化合物としては、前記オーバーコート組成物における硬化剤(B)として使用できるブロック化していてもよいポリイソシアネート化合物として挙げたものを使用することができる。
【0052】
接着剤における非ブロック化又はブロック化ポリイソシアネート化合物の量は、樹脂成分100重量部中に1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部の範囲内にあることが加工性、耐ブロッキング性、耐水性、初期及びレトルト処理後の接着性などの観点から適している。
【0053】
接着剤は、上記樹脂成分以外に、必要に応じて、硬化触媒、顔料、有機溶剤などを含有することができる。
【0054】
上記硬化触媒としては、前記オーバーコート組成物において、硬化剤(B)がブロック化ポリイソシアネート化合物である場合に、必要に応じて使用できる硬化触媒である有機金属触媒を適宜使用することができる。
【0055】
上記顔料としては、例えば、チタン白、亜鉛華、チタンイエロー、ベンガラ、カーボンブラック及び各種焼成顔料などの無機着色顔料;シアニンブルー、シアニングリーン、有機赤色顔料、有機黄色顔料などの有機着色顔料;アルミニウム粉、光輝性マイカ粉などの金属光沢顔料;沈降性硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、マイカ、アルミナなどの体質顔料などが挙げられる。顔料の配合量は特に限定されるものではないが、通常、ポリエステル樹脂(A)及び硬化剤(B)の合計量100重量部に対して、220重量部以下の範囲内にあることが好適である。顔料として、チタン白などの白色顔料を用いることによりホワイトコートとしての役割も兼ねることが可能である。
【0056】
次いで、前記オーバーコート組成物及び接着剤を用いた接着用積層フィルムについて説明する。
【0057】
接着用積層フィルム
本発明の製造方法における接着用積層フィルムは、プラスチックフィルムの片面(第1面)に前記オーバーコート組成物が塗装されてオーバーコートが塗膜形成されており、該フィルムのもう一方の面(第2面)に、必要に応じて印刷インキ層を介して、上記接着剤による接着剤層が形成されてなるものである。
【0058】
上記プラスチックフィルムとしては、耐熱性、強度を有するプラスチック製のフィルムであれば使用可能であるが、ポリエステルフィルム、なかでもエステル反復単位の75〜100%がエチレンテレフタレート単位からなるものが好適である。エチレンテレフタレート単位以外のエステル単位としては、フタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸等のエステル単位を挙げることができる。プラスチックフィルムは、オーバーコート、接着剤、インキとの付着性を向上させるために、その表面はコロナ放電処理等の表面処理を施したものが好ましい。プラスチックフィルムの厚さは特に限定されるされるものではないが、通常厚さ5〜30μm程度のものを好適に使用することができる。
【0059】
上記プラスチックフィルムの片面(第1面)に前記オーバーコート組成物をロールコータなどの塗装機にて、通常、乾燥膜厚が0.5〜10μm程度となるように塗装し、通常、雰囲気温度80〜240℃の条件で1〜60秒間程度加熱乾燥することによってオーバーコート層を形成することができる。
【0060】
オーバーコートの塗装後、フィルムは一旦コイル状に巻き取られるが、この時点でオーバーコート組成物が塗装されたフィルムの第1面と、その裏側の何も塗布されていない第2面とが接した状態になる。ここでオーバーコート被膜中の潤滑性付与剤の一部が第2面に移行する。この状態で保管される期間は状況により異なるが、保管期間が長いほど移行する量は多いといえる。その後本コイルは解かれてフィルムの第2面(潤滑性付与剤が移行した面)に、必要に応じて印刷が施され、接着剤が塗布される。潤滑性付与剤は一般に表面張力が低いため、潤滑性付与剤の移行が多いと、その上に塗布されたインク又は接着剤がはじくという問題が発生する。
【0061】
上記プラスチックフィルムのもう一方の面(第2面)に必要に応じて介在させてもよいインキ層の形成に用いられるインキは、包装フィルムの印刷用に使用されるそれ自体既知の印刷インキを特に制限なく使用でき、印刷インキの塗布方法も包装フィルムの印刷と同様の方法によって行うことができる。印刷インキの種類としては架橋型の耐熱性インキであることが好ましく、例えばポリエステル樹脂系、アクリル樹脂系、アルキド樹脂系のものを挙げることができる。
【0062】
上記必要に応じて印刷インキ層が形成されたプラスチックフィルムの第2面(インキ層面)上に、前記接着剤が、ロールコータ方式、グラビア方式、グラビアオフセット方式、スプレー塗装方式など、それ自体既知の塗装手段にて、通常、乾燥膜厚が0.3〜15μm程度となるように塗装され、必要に応じてタックフリーの状態になるまで、例えば50〜180℃の温度で乾燥される。これによって接着用積層フィルムを得ることができる。
【0063】
得られた接着用積層フィルムは、製造直後に包装材と貼合せることもできるが、通常、接着用積層フィルムはコイル状に巻き取られ、包装材に貼合せを行う使用時まで保管される。この保管時に、オーバーコート層と接着剤層とが重なり合うため、これらの層間の耐ブロッキング性が要求される。耐ブロッキング性が悪いと、コイルを解くことができない、コイルを解けても接着剤の一部がオーバーコート層表面に付着するといった問題が生じる。
【0064】
積層フィルム被覆包装材の製造
上記接着用積層フィルムを包装材に貼合せることによって積層フィルム被覆包装材を製造することができる。上記包装材としては、金属板、金属箔などの金属製包装材、プラスチック製包装材及び紙製包装材、ならびにこれらの2種以上を組合せた複合包装材などを挙げることができる。
【0065】
上記包装材に使用される金属板としては、例えば、熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、鉄−亜鉛合金メッキ鋼板、亜鉛−アルミニウム合金メッキ鋼板、ニッケル−亜鉛合金メッキ鋼板、ニッケル−錫合金メッキ鋼板、ブリキ、クロムメッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ターンメッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板、ステンレススチール、ティンフリースチール、アルミニウム板、銅板、チタン板などの金属板素材;これらの金属板素材に化成処理、例えば、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化膜処理などを行った化成処理金属板;これらの金属板素材又は化成処理金属板の表面にホワイトコートなどのプライマー層を形成したプライマー塗装金属板などの塗装金属板を挙げることができる。また、本発明において、「金属板」としては、上記金属板素材、化成処理金属板又はプライマー塗装金属板などの平板状の金属板が、例えば缶胴などに成型加工された加工金属板も包含するものとする。
【0066】
プラスチック製包装材としては、セロハン、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリサルホン及びこれらのプラスチックの複合材などでできたシートなどの包装材を挙げることができる。
【0067】
上記包装材の表面に前記接着用積層フィルムの接着剤層面を貼合せる条件は、接着用積層フィルムが劣化せず、プラスチックフィルムと包装材とが十分に接着され、良好な外観のラミネートフィルム被覆包装材が得られる限り特に限定されるものではない。貼合せ条件の一例として、例えば、加熱ロールを用いる方法や金属板を予熱する方法などにより加熱圧着時の包装材表面の温度を約120〜200℃とし、短時間(通常、2秒以下程度)で、包装材と接着用積層フィルムとを加熱圧着してラミネートする方法を挙げることができる。
【0068】
上記のようにして得られた積層フィルム被覆包装材の接着剤層は、別途加熱して熱硬化させることができるが、包装材が缶の場合には、ラミネート後の製缶工程における溶接部の補修塗料塗膜の焼き付けや、缶内面塗料塗膜の焼付け時の加熱などによって熱硬化させることもできる。2ピース缶の場合には、缶胴外面にラミネートした後における缶内面塗料塗膜の焼付け時の加熱による熱硬化を利用することができる。
【0069】
積層フィルム被覆包装材は、前記接着用積層フィルムから接着剤層を除いた積層フィルムを、接着剤層を形成した包装材に熱圧着することによっても製造することができる。
【0070】
本発明によって得られる積層フィルム被覆包装材は、金属製、プラスチック製又は紙製の飲料缶、食缶、美術缶、5ガロン缶などの缶用途やキャップなどの金属蓋用途、ラミネートチューブ、魔法ビン、冷蔵庫外面などの家庭用機器の外面などにも適用できる。
【0071】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、以下、特に断らない限り「部」及び「%」は、いずれも重量基準によるものとする。
【0072】
シリコン変性共重合体の製造
製造例1
攪拌機、温度計、冷却管を装備したガラス製四つ口フラスコにトルエン150部を仕込み100℃まで加熱した後、同温度を保ちながら「マクロモノマーAK−32」(東亜合成社製、ポリジメチルシロキサン含有重合性不飽和単量体、数平均分子量約20,000)15部、メチルメタクリレート85部、アゾビスイソブチロニトリル4部の混合物を3時間かけて滴下して反応させ、固形分40%のシリコン変性共重合体(a−1)溶液を得た。得られた共重合体の数平均分子量は30,000を有していた。
【0073】
製造例2
攪拌機、温度計、冷却管を装備したガラス製四つ口フラスコにトルエン150部を仕込み100℃まで加熱した後、同温度を保ちながら「サイラプレーンFM−0721」(チッソ社製、ポリジメチルシロキサン含有重合性不飽和単量体、数平均分子量約5,000)30部、メチルメタクリレート60部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部、アゾビスイソブチロニトリル4部の混合物を3時間かけて滴下して反応させ、固形分40%のシリコン変性共重合体(a−2)溶液を得た。得られた共重合体の数平均分子量は20,000を有していた。
【0074】
オーバーコート組成物の調整
実施例1
「エピコート1009」(油化シェルエポキシ社製、水酸基価約180mgKOH/g、数平均分子量約3,750)90部、「サイメル303」(三井サイテック社製、低分子量メチルエーテル化メラミン樹脂)10部、シリコン変性共重合体(a−1)溶液12.5部(固形分量で5部)及びドデシルベンゼンスルホン酸0.5部を混合溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=50/50(重量比))中に溶解させて不揮発分30%のオーバーコート組成物Aを調製した。
【0075】
実施例2〜6及び比較例1〜4
実施例1において、配合組成を後記表1に示すとおりに変更する以外は実施例1と同様に行い、不揮発分30%の各オーバーコート組成物を調整した。表1における配合量は固形分量による表示とする。
【0076】
表1における(註)は、それぞれ下記の意味を有する。
(*1)エリーテルUE3200:ユニチカ社製ポリエステル樹脂、数平均分子量約16,000、水酸基価6mgKOH/g
(*2)ダイヤナールLR1503:三菱レーヨン社製アクリル樹脂、数平均分子量約9,000、水酸基価32mgKOH/g
(*3)デュラネートTPA−B80E:旭化成社製ブロックイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリイソシアヌレート体のブロック化合物溶液、固形分80%
(*4)シルウェットFZ−2113:日本ユニカー社製ポリエーテル変性シリコン、HLB(親水親油バランス)=16
(*5)シルウェットFZ−2123:日本ユニカー社製ポリエーテル変性シリコン、HLB(親水親油バランス)=8
(*6)シルウェットFZ−2130:日本ユニカー社製ポリエーテル変性シリコン、HLB(親水親油バランス)=7
【0077】
【表1】
Figure 0004365007
【0078】
接着剤溶液の製造
製造例3
「エリーテルUE3200」85部、「デュラネートTPA−B80E」12.5部(固形分量で10部)、「デュラネートTPA100」(旭化成社製、ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート化合物)5部及びジブチル錫ジラウレート0.5部を、混合溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=50/50)中に混合分散させて不揮発分約30%の接着剤溶液bを調整した。
【0079】
接着用積層フィルム及びラミネート金属板の製造
実施例7
両面をコロナ放電処理した厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の片面に、実施例1で得たオーバーコート組成物Aを乾燥膜厚が2μmとなるように塗装し、乾燥機にて雰囲気温度135℃で6秒間乾燥させた。ついで、PETフィルムのもう一方の面に製造例3で得た接着剤溶液bを乾燥膜厚が5μmとなるように塗装し、乾燥機にて雰囲気温度120℃で1分間乾燥させて接着用積層フィルムを得た。
【0080】
ついで、得られた接着用積層フィルムを、170℃にセットされたラミネータに設置したブライトアルミニウム板上に接着剤層が面するようにして、ラミネート圧力5kg/cm、ラミネート速度2m/分の条件で圧着させて、積層フィルム被覆金属板を得た。
【0081】
実施例8〜12及び比較例5〜8
実施例7において、使用するオーバーコート組成物の種類を前記表1に示すとおりとする以外は実施例7と同様に行い、各接着用積層フィルム及び各積層フィルム被覆金属板を得た。
【0082】
実施例13
実施例7おいて、接着剤層を形成する前に、PETフィルムの接着剤溶液を塗布する面にポリエステル系インキを全面に印刷し100℃で1秒間乾燥させ、ついでインキ層上に接着剤溶液bを塗装する以外は、実施例7と同様に行い、接着用積層フィルム及びラミネートフィルム被覆金属板を得た。
【0083】
上記実施例7〜13及び比較例5〜8で得た各接着用積層フィルム又は各積層フィルム被覆金属板を用いて下記試験方法に基づいて各種試験を行った。試験結果を後記表2に示す。
【0084】
試験方法
耐ブロッキング性:接着用積層フィルムの表面(オーバーコート面)とフィルムの裏面(接着剤層面)とを重ね合せ、10kg/cm2の圧力をかけて、温度25℃、湿度60%RHの室内にて3日間保存した。保存後の重ね合せたラミネートフィルムを30mm幅に切って、引張速度500mm/分で180度剥離する際の剥離強度(g/30mm)を測定し下記基準にて評価した。
【0085】
◎:剥離強度が10g/30mm未満、
○:剥離強度が10g/30mm以上で20g/30mm未満、
△:剥離強度が20g/30mm以上で50g/30mm未満、
×:剥離強度が50g/30mm以上。
【0086】
潤滑剤移行性:接着用積層フィルムの表面(オーバーコート面)と接着剤未塗装フィルムとを重ね合せ、10kg/cm2の圧力をかけて、温度25℃、湿度60%RHの室内にて3日間保存した。保存後、オーバーコート面と重ね合せた未塗装フィルム面について表面張力を液滴法により測定した。
【0087】
◎:50dyne/cm以上、
○:45dyne/cm以上で50dyne/cm未満、
△:40dyne/cm以上で45dyne/cm未満、
×:40dyne/cm未満。
【0088】
動摩擦係数:20℃において、EGAN SLIP TESTER (Thwing Albert Instrument Co., USA 製)を用い、鋼球3点接触式の荷重1kgの重りを、積層フィルム被覆金属板のオーバーコート面上に設置し、移動速度10cm/分における動摩擦係数[摩擦抵抗(g)/1000(g)]を求め、下記基準により評価した。
【0089】
◎:動摩擦係数が0.06未満、
○:動摩擦係数が0.06以上で、0.10未満、
△:動摩擦係数が0.10以上で、0.14未満、
×:動摩擦係数が0.14以上。
【0090】
耐擦り傷性:バウデン摩擦試験機(神鋼造機社製、曽田式付着滑り試験機)を用い、荷重100gの重りを積層フィルム被覆金属板のオーバーコート面上に載せ、30往復こすったときの塗面の傷付きの程度を下記基準で評価した。
【0091】
◎:塗面に殆ど傷が認められない、
○:塗面に傷がわずかに認められる、
△:塗面に傷がかなり認められる、
×:塗面に全面に認められる。
【0092】
【表2】
Figure 0004365007
【0093】
【発明の効果】
本発明のオーバーコート組成物を塗布してオーバーコート層を形成したラミネートフィルムは、オーバーコート層の耐傷つき性、及びオーバーコート層と接着剤層との間の耐ブロッキング性に優れており、かつオーバーコート層からそれと接したフィルム面への潤滑性付与剤の移行がほとんどないため、該フィルム面上へ塗布されるインキもしくは接着剤のハジキの発生が防止できる。

Claims (5)

  1. (A)水酸基含有有機樹脂70〜99重量部及び
    (B)アミノ樹脂及びブロック化していてもよいポリイソシアネート化合物から選ばれる硬化剤1〜30重量部の合計100重量部に対して、
    (C)数平均分子量が1,000〜50,000の範囲であるポリジメチルシロキサン含有重合性不飽和単量体とその他の重合性不飽和単量体とを共重合してなるシリコン変性共重合体1〜50重量部を含有することを特徴とする包装材のラミネートフィルム用オーバーコート組成物。
  2. 水酸基含有有機樹脂(A)が、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種の水酸基含有樹脂である請求項1記載の組成物。
  3. 水酸基含有有機樹脂(A)が、水酸基価1〜200mgKOH/gを有する請求項1又は2記載の組成物。
  4. さらに硬化触媒を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. プラスチックフィルムの片面(第1面)に、請求項1〜4のいずれか一項に記載のオーバーコート組成物からのオーバーコートが形成され、かつ該フィルムのもう一方の面(第2面)に、必要に応じて印刷インキ層を介して、接着剤層が形成されてなる接着用積層フィルムを、該接着層が包装材表面に面するように包装材表面に熱圧着することを特徴とするラミネートフィルム被覆包装材の製造方法。
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