JP4099838B2 - 剥離ライナー - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコーン系粘着剤に対して優れた剥離性を有する、安価な剥離ライナーに関するものである。
【0001】
【従来の技術】
近年、粘着剤、粘着テープに対する需要が多様化し、様々な用途に、様々な粘着剤、粘着テープが使用されている。その中で、一般的な粘着剤では粘着し難いシリコーンなどにもよく接着し、耐熱、耐寒をはじめ、電気絶縁性、耐薬品性、耐候性に優れた特徴のあるシリコーン系粘着剤は非常に需要が多い。
現在、粘着テープの剥離ライナーに使用されている剥離剤は、シリコーンが殆どである。しかし、シリコーン系粘着剤は、シリコーンと接着してしまうため、シリコーンを使用した剥離ライナーは使用することが出来ない。そこで、現在、シリコーン系粘着剤用の剥離ライナーには、シリコーン系粘着剤に対する剥離性に優れたフッ素樹脂フィルムが使用されている。しかし、フッ素樹脂は、一般的には、溶媒に対する溶解性が低く、他の物質との相溶性が悪く基材との密着性が悪いため、フィルム化したり、基材に塗布するのに、特殊な装置を用いなければならなかったり、均一かつ平滑な塗膜を形成するのが困難であるという問題点があった。また、フッ素樹脂は一般的に、非常に高価であるという問題点もあった。
これらの問題点から、シリコーン系粘着剤に対して優れた剥離性を有し、製造が容易で、かつ安価な剥離ライナーを得ることは困難であった。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、シリコーン系粘着剤に対して優れた剥離性を有し、容易に製造することが出来、かつ安価な剥離ライナーを提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、架橋性の官能基を有する重合体に、架橋性の官能基とフルオロアルキル基を有する共重合体を混合することにより、含フッ素化合物の表面移行性を利用して、少ないフッ素含有量で、高い剥離性を有し、溶解性、塗工性、基材との密着性に優れ、かつ安価な樹脂組成物を、基材上に層形成させることにより、シリコーン系粘着剤に対して優れた剥離性を有し、容易に製造することが出来、かつ安価な剥離ライナーを製造することに成功した。
【0004】
すなわち本発明は、重合体(A):1分子中に炭素炭素不飽和二重結合とフルオロアルキル基を有する含フッ素単量体(a)10〜80重量%、1分子中に炭素炭素不飽和二重結合と、ヒドロキシル基、カルボキシル基、イソシアノ基、エポキシ基、及びN−メチロール基またはN−アルコキシメチル基から選ばれる少なくとも一種の架橋性の官能基を有する単量体(b)10〜80重量%、及び(a)、(b)以外の1分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有する単量体(c)0〜80重量%からなる重合体と、
重合体(B):重合体(A)で用いた単量体(b)10〜100重量%、及び(a)、(b)以外の1分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有する単量体(c)0〜90重量%からなる重合体を、重合体(A)と重合体(B)の合計に対して、単量体(a)が0.01〜10重量%となるように混合し
さらに硬化剤として、重合体(A)及び重合体(B)の架橋性の官能基と反応可能な反応性官能基を有する化合物を1種類以上含む樹脂組成物を、基材上に層形成してなる剥離ライナーに関する。
【0005】
また本発明は脂組成物が、更に、重合体(A)及び重合体(B)の架橋反応を促進させる架橋触媒を含む樹脂組成物である上記剥離ライナーに関する。
【0006】
【発明実施の形態】
本発明の樹脂組成物を構成する重合体(A)の成分である、1分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有するフルオロアルキル基を有する含フッ素単量体(a)は、剥離ライナーに撥水性、撥油性、耐水性、耐油性、防汚性、非粘着性などの機能を付与するために用いられる。単量体()の例としては、パーフルオロメチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルメチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロノニルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロデシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルアミル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルウンデシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を有するパーフルオロアルキルアルキル(メタ)アクリレート類;パーフルオロブチルエチレン、パーフルオロヘキシルエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、パーフルオロデシルエチレン等のパーフルオロアルキル、アルキレン類等が挙げられ、必要に応じてこれらの内から1種類、あるいは2種類以上を混合して使用できる。重合体(A)中で、単量体(a)は10〜80重量%の共重合比とする事が望ましい。さらには、ハロゲン原子を含まない溶剤への溶解性、塗膜の密着性、と剥離性のバランスを考慮すると30〜70重量%の共重合比率にすることが望ましい。
【0007】
共重合体(A)、共重合体(B)の成分である、1分子中に炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(b)は、樹脂組成物を、基材上で架橋させ、塗膜を基材に密着させるために、また、表面に移行した共重合体(A)を塗膜上に固定するために用いられる。
単量体(b)の架橋性の官能基としては、加水分解性シリル基、カルボキシル基、イソシアノ基、エポキシ基、N−メチロール基または、N−アルコキシメチル基、ヒドロキシ基が挙げられる。
加水分解性シリル基を有する単量体(b)の例としては、γ−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどの(メタ)アクリルオキシアルキルアルコキシシラン、(メタ)アクリルオキシアルキルアルコキシアルキルシラン、トリメトキシビニルシラン、ジメトキシエチルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリエトキシアリルシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランなどが挙げられる。
【0008】
カルボキシル基を有する単量体(b)の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸などが挙げられる。
イソシアノ基を有する単量体(b)の例としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネートなどの他、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ(メタ)アクリレートを、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、コロネートLなどのポリイシアネートと反応させて得られるものが挙げられる。
エポキシ基を有する単量体(b)の例としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルシンナメート、グリシジルアリルエーテル、グリシジルビニルエーテル、ビニルシクロヘキサンモノエポキサイド、1、3−ブタジエンモノエポキサイドなどが挙げられる。
【0009】
N−メチロール基またはN−アルコキシメチル基を有する単量体(b)の例としては、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのN−モノアルコキシメチル基を有する(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)(メタ)アクリルアミドなどのN,N−ジアルコキシメチル基を有する(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
ヒドロキシル基を有する単量体(b)の例としては、2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4ーヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシスチレン等が挙げられる。
【0010】
要求性能、用途に応じてこれらの内から1種、または2種以上を混合して用いることができる。表面に移行した重合体(A)を固定するためには、重合体(A)中で用いる単量体(b)と、重合体(B)中で用いる単量体(b)とは、同一であることが望ましい。
単量体(b)は、重合体(A)中では、10〜80重量%の共重合比率で用いられる。10重量%より小さい場合は、充分な密着性が得られず、80重量%より大きい場合は、十分な剥離性を得ることができない。
また、重合体(B)中では、10〜100重量%の共重合比率で用いられる。10重量%より小さい場合は、充分な密着性が得られない。
【0011】
本発明で用いられる(a)、(b)以外の炭素炭素不飽和二重結合を有する単量体(c)は、硬度、柔軟性、強靭性、耐擦傷性、光沢向上等の物性付与のために用いられる。単量体(c)の例として(i) (メタ)アクリル酸誘導体、(ii)芳香族ビニル単量体、(iii) オレフィン系炭化水素単量体、(iv)ビニルエステル単量体、(v) ビニルハライド単量体、(vi)ビニルエーテル単量体等があげられる。 (i)(メタ)アクリル酸誘導体の例として、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸塩、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオルブチル(メタ)アクリレートなどの一部水素がフッ素置換されたアルキル(メタ)アクリレート等が上げられる。
【0012】
(ii)芳香族ビニル単量体の例として、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチレン、モノフルオロメチルスチレン、ジフルオロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレ等の一部の水素がフッ素置換されたスチレン類等が上げられる。
(iii) オレフィン系炭化水素単量体の例として、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブチレン、イソプレン、1、4−ペンタジエン等が上げられる。
(iv)ビニルエステル単量体の例として、酢酸ビニル等が上げられる。
(v) ビニルハライド単量体の例として、塩化ビニル、塩化ビニリデン、モノフルオロエチレン、ジフルオロエチレン、トリフルオロエチレン等が上げられる。
(vi)ビニルエーテル単量体の例として、ビニルメチルエーテル等が上げられる。これらは、2種以上用いても良い。
単量体(c)は、重合体(A)に対して、0〜80重量%で用いられる。また、重合体(B)に対して、0〜90重量%で用いる。どちらの重合体でも、上限値を超えた場合、基材との十分な密着性が得られない。また、重合体(A)と重合体(B)との相溶性が低下し、均一かつ良好な塗膜が得られない。
【0013】
重合体(A)および重合体(B)は、公知の方法、例えば、溶液重合で得られる。用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテルなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などの使用が可能である。溶媒は2種以上の混合物でもよい。合成時の単量体の仕込み濃度は、0〜80重量%が好ましい。
【0014】
重合開始剤としては、通常の過酸化物またはアゾ化合物、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾイソブチルバレノニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルオクトエート、クメンヒドロキシペルオキシドなどが用いられ、重合温度は、50〜140℃、好ましくは70〜140℃である。
得られる重合体の好ましい平均重量分子量は、重合体(A)、重合体(B)共に、2,000〜100,000である。
【0015】
また、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、重合体(A)、重合体(B)の架橋性の官能基を架橋させるために、種々の架橋剤が含まれていてもよい。
代表的な架橋剤としては、ヘキサメチロール化メラミン、ヘキサメトキシメチル化メラミン、ヘキサブトキシメチル化メラミンなどのアルキロール基またはアルコキシ基を有するメラミン系化合物、シアヌール酸、アンメリド、メラミン、ベンゾグアナミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアミノピリジン、ベンゾグアナミン樹脂、メタノール変性メラミン樹脂、尿素樹脂などのアミノ樹脂、
ヒドラジン、ADHなどのヒドラジン系化合物、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、ペンタンジアミン、ヘキサンジアミン、ジアミノオクタン、ジアミノデカン、ジアミノドデカン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどの直鎖状ジアミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、m−キシレンジアミン、ポリシクロヘキシルポリアミン、ビス(アミノメチル)ビシクロ[2・2・1]ヘプタン、メチレンビス(フランメタンアミン)などの環状ジアミン1,6−ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチレントリアミンなどのポリアミン、
【0016】
トルイレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネートなどのジイソシアネート、あるいは、これらとグリコール類またはジアミン類との両末端イソシアネートアダクト体、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、コロネートLなどの多価イソシアネート、
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ヘキサン二酸、クエン酸、マレイン酸、メチルナディク酸、ドデセニルコハク酸、セバシン酸、ピロメリット酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸などのジカルボン酸、及びこれらの酸無水物
グリオキザル、テレフタルアルデヒドなどのジアルデヒド、
グリシン、アラニンなどのアミノ酸および、そのラクタム、クエン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、6 −ヒドロキシペンタン酸などのヒドロキシカルボン酸およびそのラクトン、
【0017】
1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、などのジオール、1,1,1−トリメチロールプロパンエチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、エリスリトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、ズルシトール、マンニトール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、グアヤコール、ヘキシルレゾルシン、ピロガロール、トリヒドロキシベンゼン、フロログルシン、ジメチロールフェノールなどの多価アルコール、または多価フェノール系化合物、またはこれらのアルコキシ変性物、
エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1、6ーヘキサンジオールジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステルなどのビスエポキシ化合物、油化シェルエポキシ社製、商品名エピコート801、802,807,815,827,828,834,815X,815XA1、828EL,828XA、1001、1002、1003、1055、1004、1004AF、1007、1009、1010、1003F、1004F,1005F,1100L,834X90,1001B80,1001X70,1001X75,1001T75,5045B80,5046B80,5048B70,5049B70、5050T60、5050、5051、152、154、180S65,180H65,1031S,1032H60、604、157S70などのエポキシ樹脂、
ピロりん酸、亜りん酸エチル、ビスフェノールA変性ポリりん酸、亜りん酸トリフェニルなどのりん化合物、りん酸ジクロリド化合物などが挙げられる。
【0018】
これらの架橋剤の中で、カルボキシル基を有する単量体(b)を用いた場合は、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ジアミン、ポリアミン、ジイソシアネート、ビスエポキシ化合物、エポキシ樹脂などの使用が好ましい。
また、イソシアノ基を有する単量体(b)を用いた場合は、ヒドラジン系化合物、ジアミン類、ジカルボン酸およびその無水物、ジオール、多価アルコールまたは多価フェノール系化合物、ビスエポキシ化合物、エポキシ樹脂などの使用が好ましい。
また、エポキシ基を有する単量体(b)を用いた場合は、ジカルボン酸およびその無水物、多価アルコールまたは多価フェノール系化合物、またはこれらのアルコキシ変性物、アミノ樹脂、ジイソシアネート、多価イソシアネート、アミノ酸および、そのラクタム、ヒドロキシカルボン酸およびそのラクトン、ジアミン、ポリアミンなどの使用が好ましい。
また、N−メチロール基または、N−アルコキシメチル基を有する単量体(b)を用いた場合は、ジカルボン酸、アルキロール基またはアルコキシ基を有するメラミン系化合物、アミノ樹脂系化合物などの使用が好ましい。
また、ヒドロキシル基を有する単量体(b)を用いた場合は、アミノ樹脂、ジアミン、ポリアミン、ジイソシアネート、ジアルデヒド、ビスエポキシ化合物、エポキシ樹脂、りん化合物、りん酸ジクロリド化合物などの使用が好ましい。
これらの架橋剤は2種類以上使用してもよく、その総使用量は樹脂組成物100重量%に対して1〜500重量%、好ましくは10〜200重量%の範囲である。
【0019】
また、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、重合体(A)、重合体(B)の架橋性の官能基間の架橋反応、もしくは架橋性の官能基と架橋剤との架橋反応を促進させるために、各官能基および架橋反応に効果的な、種々の架橋触媒を含ませてることが出来る。
代表的な架橋触媒としては、アルミニウムトリアセチルアセトネート、鉄トリアセチルアセトネート、マンガンテトラアセチルアセトネート、ニッケルテトラアセチルアセトネート、クロムヘキサアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、コバルトテトラアセチルアセトネートなどの金属錯化合物、アルミニウムエトキシド、アルミニウムプロポキシド、アルミニウムブトキシド、チタンエトキシド、チタンプロポキシド、チタンブトキシドなどの金属アルコキシド、
酢酸ナトリウム、オクチル酸錫、オクチル酸鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレートジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)などの金属塩化合物、
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、トリクロロ酢酸、リン酸、モノアルキルリン酸、ジアルキルリン酸、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのリン酸エステル、モノアルキル亜リン酸、ジアルキル亜リン酸などの酸性化合物、
p−トルエンスルホン酸、無水フタル酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ギ酸、酢酸、イタコン酸、シュウ酸、マレイン酸などの酸及びそれらのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩、
水酸化ナトリウム、リチウムクロライド、ジエチル亜鉛、テトラ(n−ブトキシ)チタン、などの有機金属化合物、
ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルエチルアミンなどのアミン類などが挙げられる。
【0020】
これらの架橋触媒の中で、共重合体(A)及び共重合体(B)の構成成分として加水分解性シリル基を有する単量体(b)を用いた場合は、金属錯化合物、金属アルコキシド、金属塩化合物、酸性化合物などの使用が好ましい。特に、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレートなどの錫化合物およびp−トルエンスルホン酸などの使用が好ましい。
また、カルボキシル基を有する単量体(b)を用いた場合は、酸及びそれらのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩などの使用が好ましい。
また、イソシアノ基を有する単量体(b)を用いた場合は、アミン類、金属塩化合物などの使用が好ましい。
また、エポキシ基を有する単量体(b)を用いた場合は、有機金属化合物、アミン類などの使用が好ましい。
また、N−メチロール基または、N−アルコキシメチル基を有する単量体(b)を用いた場合は、酸、およびそれらのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩などの使用が好ましい。
また、ヒドロキシル基を有する単量体(b)を用いた場合は、酸性化合物、酸及びそれらのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩、などの使用が好ましい。
これらの架橋触媒は2種類以上使用してもよく、その総使用量は樹脂組成物100重量%に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。
【0021】
また、本発明の樹脂組成物には、さらに、シランカップリング剤を、必要に応じて用いることができる。シランカップリング剤の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどの4官能シラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−モルホリノプロピルトリメトキシシランなどの3官能シラン、さらに上記3官能シランの一部がアルキル基、フェニル基、ビニル基などで置換された2官能シラン、例えば、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。また、これらの化合物の加水分解物、部分縮合物などを用いることができる。シランカップリング剤は、重合体(A)と重合体(B)の合計に対して1〜40重量%、好ましくは、3〜20重量%の量で使用する。
【0022】
また、本発明の樹脂組成物には、さらに、オルガノシリカゾルを必要に応じて添加することができる。オルガノシリカゾルとは、有機溶媒にコロイダルシリカを安定に分散させたコロイド溶液である。代表的なものとして、たとえば日産化学工業(株)社製の商品名IPA−ST、MIBK−ST、MA−ST−M,EG−ST,EG−ST−ZL,NPC−ST,DMAC−ST,DMAC−ST−ZL,XBA−ST,メタノールシリカゾル等が上げられる。オルガノシリカゾルは本発明の(A)、(B)に対して10〜80重量%、好ましくは20〜60重量%の量で使用する。この範囲未満では撥水性向上の効果が小さく、この範囲を越えた場合には基材との密着性が損なわれる。
【0023】
本発明の樹脂組成物には、必要に応じ、本発明による効果を妨げない範囲で、充填剤、チクソトロピー付与剤、着色顔料、体質顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、熱伝導性改良剤、可塑剤、ダレ防止剤、防汚剤、防腐剤、殺菌剤、消泡剤、レベリング剤、硬化剤等の各種の添加剤を添加してもよい。
【0024】
本発明の樹脂組成物は、重合体(A)、重合体(B)に、必要に応じて架橋剤、架橋触媒、シランカップリング剤、および各種添加剤等を加えて構成される。
重合体(A)と重合体(B)の混合比率は、単量体(a)が、重合体(A)と重合体(B)の合計の0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%とする。0.01重量%より小さい場合は、充分な剥離性が得られず、5重量%、特に10重量%より大きい場合は、溶剤への溶解性が低下し、表面状態の良好な塗膜が得られなくなる場合があり、また、コストが高くなる。
【0025】
樹脂組成物の層形成の形態は、特に限定されることはない。例えば、基材に紙を選択し、紙上に直接、本発明の樹脂組成物を積層させても構わないし、紙上に樹脂、顔料、粘着剤等を、単層、もしくは多層で積層させた上に本発明の樹脂組成物を積層させても構わない。更に、基材にフィルムや金属箔を選択し、フィルムや金属箔上に、本発明の樹脂組成物を積層したものを、更に紙と積層させても構わない。積層の順序に関しても、本発明の樹脂組成物が、最終的に最外層に形成されていること以外には、なんら限定されることはない。
基材も、特に限定されることはなく、例として、紙、プラスチックフィルム、金属箔、塗膜等が挙げられる。紙は、特に限定されることはなく、例えば、ダンボール原紙、黄板紙、白板紙等の板紙、種々の原紙、用紙、アート紙、印刷用紙、グラシン紙、クラフト紙、合成紙、合成繊維紙、コーティング紙、剥離ライナーなど、多岐にわたって使用することが出来る。フィルムは、特に限定はなく、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのプラスチックフィルム等を使用することが出来る。金属箔も、特に限定されることはなく、アルミニウム箔、金箔等を使用することが出来る。塗膜についても、特に限定はない。例としては、各種コーティング剤の塗工、蒸着などにより形成された各種樹脂、顔料、充填剤等による塗膜を挙げることが出来る。
【0026】
樹脂組成物の層形成方法についても、特に限定されることはなく、例えば、樹脂組成物を溶剤に溶解して塗料化し、基材に塗布、含浸する、フィルム化して基材にラミネートする等の方法を用いることができる。
樹脂組成物を溶解する溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテルなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などの内から樹脂の組成、コーティング方法、及び用途等に応じて選択し使用する。溶剤は2種以上用いてもよい。
混合方法に特に限定はないが、通常は、重合時に使用した重合体溶液をそのまま混合し、攪拌羽根、振とう攪拌機、回転攪拌機などで攪拌すればよい。塗工性などの向上のために、さらに溶媒を追加したり、濃縮してもよい。
例えば、こうして得られた塗料を、基材上に、スプレー、ロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター等の塗工機や、サイズプレス、カレンダーサイズなどの各種含浸機によって、塗布、又は含浸し、風乾または30〜220℃で数秒〜数週間加熱することにより、強靱で、基材に密着した塗膜を得ることができる。塗布、含浸方法は、上述の方法に限定されることはない。
こうして、基材上に樹脂組成物を層形成させることにより、もしくは、樹脂組成物を層形成させた基材を更に他の積層物と層形成させることにより、シリコーン系粘着剤に対する剥離性の優れた剥離ライナーを得ることができる。
【0027】
【実施例】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を詳細に説明する。
(合成例A1)
パーフルオロオクチルエチルメタクリレート50g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート36g、メチルメタクリレート14g、メチルエチルケトン(MEK)200gを冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6gを加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行い重量平均分子量約19,000の重合体(A1)溶液を得た。
【0028】
(合成例A2)
パーフルオロオクチルエチルメタクリレート50g、1H・1H・7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレート20g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30g、メチルエチルケトン(MEK)200gを冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6gを加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行い重量平均分子量約19,000の重合体(A2)溶液を得た。
【0029】
(合成例A3)
パーフルオロオクチルエチルメタクリレート50g、γ- メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン50g、イソプロプルアルコール(IPA)200gを冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6gを加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行い重量平均分子量約15,000の重合体(A3)溶液を得た。
【0030】
(合成例A4)
パーフルオロオクチルエチルメタクリレート50g、アクリル酸28g、メチルメタクリレート22g、メチルエチルケトン(MEK)200gを冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6gを加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行い重量平均分子量約12,000の重合体(A4)溶液を得た。
【0031】
(合成例A5)
パーフルオロオクチルエチルメタクリレート50g、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート30g、メチルメタクリレート20g、メチルエチルケトン(MEK)200gを冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6gを加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行い重量平均分子量約17,000の重合体(A5)溶液を得た。
【0032】
(合成例A6)
パーフルオロオクチルエチルメタクリレート50g、グリシジルメタクリレート30g、メチルメタクリレート20g、メチルエチルケトン(MEK)200gを冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6gを加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行い重量平均分子量約14,000の重合体(A6)溶液を得た。
【0033】
(合成例A7)
パーフルオロオクチルエチルメタクリレート50g、N,N−ジ(メトキシメチル)メタクリルアミド30g、メチルメタクリレート20g、メチルエチルケトン(MEK)200gを冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6gを加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行い重量平均分子量約15,000の重合体(A7)溶液を得た。
【0034】
(合成例A8)
パーフルオロオクチルエチルメタクリレート90g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10g、メチルエチルケトン(MEK)200gを冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6gを加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行い重量平均分子量約15,000の重合体(A8)溶液を得た。
【0035】
(合成例A9)
パーフルオロオクチルエチルメタクリレート0.5g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート36g、ノルマルブチルメタクリレート63.5g、メチルエチルケトン(MEK)200gを冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6gを加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行い重量平均分子量約12,000の重合体(A9)溶液を得た。
【0036】
(合成例A10)
パーフルオロオクチルエチルメタクリレート50g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5g、ノルマルブチルメタクリレート45g、メチルエチルケトン(MEK)200gを冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6gを加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行い重量平均分子量約12,000の重合体(A10)溶液を得た。
【0037】
(合成例B1)
2−ヒドロキシエチルメタクリレート36g、メチルメタクリレート50g、ブチルメタクリレート14g、メチルエチルケトン(MEK)200gを冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6gを加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行い重量平均分子量約17,000の重合体(B1)溶液を得た。
【0038】
(合成例B2)
γ- メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン100gイソプロピルアルコール(IPA)200gを冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6gを加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行い重量平均分子量約21,000の重合体(B2)溶液を得た。
【0039】
(合成例B3)
アクリル酸28g、メチルメタクリレート36g、ブチルメタクリレート36g、メチルエチルケトン(MEK)200gを冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6gを加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行い重量平均分子量約19,000の重合体(B3)溶液を得た。
【0040】
(合成例B4)
メタクリロイルオキシエチルイソシアネート30g、メチルメタクリレート50g、ブチルメタクリレート20g、メチルエチルケトン(MEK)200gを冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6gを加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行い重量平均分子量約15,000の重合体(B4)溶液を得た。
【0041】
(合成例B5)
グリシジルメタクリレート50g、メチルメタクリレート50g、メチルエチルケトン(MEK)200gを冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6gを加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行い重量平均分子量約13,000の重合体(B5)溶液を得た。
【0042】
(合成例B6)
N,N−ジ(メトキシメチル)メタクリルアミド30g、メチルメタクリレート20g、ブチルメタクリレート50g、メチルエチルケトン(MEK)200gを冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6gを加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行い重量平均分子量約14,000の重合体(B6)溶液を得た。
【0043】
(合成例B7)
2−ヒドロキシエチルメタクリレート5g、メチルメタクリレート50g、ブチルメタクリレート45g、メチルエチルケトン(MEK)200gを冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6gを加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行い重量平均分子量約17,000の重合体(B7)溶液を得た。
【0044】
(合成例B8)
メチルメタクリレート100g、メチルエチルケトン(MEK)200gを冷却管、攪拌装置、温度計を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃まで昇温してアゾビスイソブチロニトリル1.6gを加えて2時間重合反応を行い、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.4部を加えて2時間重合を行い重量平均分子量約15,000の重合体(B8)溶液を得た。
【0045】
(実施例1、2および4〜6参考例1および2、比較例1〜6)こうして得られた重合体(A)と重合体(B)それぞれの溶液を、固形分換算で表1 に示す重量となるよう混合した。各実施例、及び比較例で用いた重合体(A)、重合体(B)はそれぞれ表1に示す。架橋剤、架橋触媒として表2に示した化合物を、溶液の固形分に対して表2に示した重量加え、さらにMEKを加えて固形分濃度30%の塗液を得た。これらの塗液を、グラシン紙に、バーコーター(R.D.specialties,U.S.A.製、R.D.S.ラボラトリー・コーティング・ロッド No.5)を用いて塗工し、80℃の電気オーブン中で1分間乾燥させた後、80℃の恒温室で24時間養生させ、剥離紙を作製した。
【0046】
(実施例8、9および11〜13参考例3および4、比較例7〜12)実施例1、2および4〜6、比較例1〜6と同様の方法で固形分30%の塗液を得た。各実施例、参考例及び比較例で用いた重合体(A)、重合体(B)、及び用いた重量は、それぞれ表1に、用いた架橋剤、架橋触媒、及び加えた重量は、それぞれ表2に示した。これらの塗料を、膜厚10μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに、バーコーター(R.D.specialties,U.S.A.製、R.D.S.ラボラトリー・コーティング・ロッド No.5)を用いて塗工し、80℃の電気オーブン中で1分間乾燥させた後、80℃の恒温室で24時間養生させ、剥離ライナーを作製した。
【0047】
表1
────────────────────────────────────────
例 重合体(A) 重合体(B)
────────────────────────────────────────
実施例1、 8 A1 1g B1 99g
実施例2、 9 A2 1g B1 99g
参考例1、 A3 1g B2 99g
実施例4、11 A4 1g B3 99g
実施例5、12 A5 1g B4 99g
実施例6、13 A6 1g B5 99g
参考例2、 A7 1g B6 99g
比較例1、 7 A8 1g B1 99g
比較例2、 8 A9 20g B1 80g
比較例3、 9 A10 1g B1 99g
比較例4、10 A1 1g B7 99g
比較例5、11 A1 1g B8 99g
比較例6、12 A1 100g なし
────────────────────────────────────────
【0048】
【表2】
Figure 0004099838
*SUMIDUREL-75 :住友バイエルウレタン(株)製イソシアネート系硬化剤
エピコート828 :油化シェルエポキシ(株)製エポキシ樹脂
【0049】
このように作製された剥離ライナーについて、各種の試験を行った。試験方法は以下の通りである。
剥離性:剥離ライナー表面に市販のシリコーン系粘着テープを圧着し、24時間放置した後、粘着テープを剥がし、その剥がれ安さを、感覚的に評価した。試験結果を表3に示す。
塗工性:塗工時の塗膜表面が均一且つ平滑であるか、目視にて評価を行った。試験結果を表3に示す。
密着性、加工性:剥離ライナーを、二つに折り曲げ、更にもう二つに折り曲げたとき、塗膜が基材(紙、又はフィルム)から剥がれないか、塗膜に割れが発生しないかを黙視にて評価した。試験結果を表3に示す。
【0050】
(比較例13)剥離剤としてシリコーンを使用した剥離ライナー(カイト化学工業株式 会社製KCN80)に対して、実施例1、2、4〜6、8、9および11〜13、比較 例1〜12と同様の試験を行った。試験結果を表3に示す。
【0051】
表3
───────────────────────────────────────
例 剥離性 塗工性 密着性
───────────────────────────────────────
実施例1 容易に剥がれる ムラなし 剥がれない、割れない
実施例2 容易に剥がれる ムラなし 剥がれない、割れない
参考例1 容易に剥がれる ムラなし 剥がれない、割れない
実施例4 容易に剥がれる ムラなし 剥がれない、割れない
実施例5 容易に剥がれる ムラなし 剥がれない、割れない
実施例6 容易に剥がれる ムラなし 剥がれない、割れない
参考例2 容易に剥がれる ムラなし 剥がれない、割れない
実施例8 容易に剥がれる ムラなし 剥がれない、割れない
実施例9 容易に剥がれる ムラなし 剥がれない、割れない
参考例3 容易に剥がれる ムラなし 剥がれない、割れない
実施例11 容易に剥がれる ムラなし 剥がれない、割れない
実施例12 容易に剥がれる ムラなし 剥がれない、割れない
実施例13 容易に剥がれる ムラなし 剥がれない、割れない
参考例4 容易に剥がれる ムラなし 剥がれない、割れない
比較例1 容易に剥がれる ムラあり 剥がれない、割れない
比較例2 剥がれにくい ムラなし 剥がれない、割れない
比較例3 容易に剥がれる ムラなし 剥がれない、割れない
比較例4 剥がれる ムラなし 剥がれない、割れない
比較例5 剥がれる ムラあり 剥がれない、割れない
比較例6 容易に剥がれる ムラあり 剥がれない、割れない
比較例7 容易に剥がれる ムラあり 剥がれない、割れない
比較例8 剥がれにくい ムラなし 剥がれない、割れない
比較例9 容易に剥がれる ムラなし 割れる
比較例10 剥がれる ムラなし 剥がれる
比較例11 剥がれる ムラあり 剥がれる
比較例12 容易に剥がれる ムラあり 剥がれる
比較例13 剥がれにくい − 剥がれない、割れない
───────────────────────────────────────
【0052】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は、架橋性の官能基とフルオロアルキル基を有する重合体と、架橋性の官能基を有する重合体からなる樹脂組成物を、基材上に層形成させることにより、シリコーン系粘着剤に対する剥離性、加工性に優れ、容易に製造でき、かつ安価な剥離ライナーを得ることができた。

Claims (2)

  1. 重合体(A):1分子中に炭素炭素不飽和二重結合とフルオロアルキル基を有する含フッ素単量体(a)10〜80重量%、1分子中に炭素炭素不飽和二重結合と、ヒドロキシル基、カルボキシル基、イソシアノ基、エポキシ基、及びN−メチロール基またはN−アルコキシメチル基から選ばれる少なくとも一種の架橋性の官能基を有する単量体(b)10〜80重量%、及び(a)、(b)以外の1分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有する単量体(c)0〜80重量%からなる重合体と、
    重合体(B):重合体(A)で用いた単量体(b)10〜100重量%、及び(a)、(b)以外の1分子中に炭素炭素不飽和二重結合を有する単量体(c)0〜90重量%からなる重合体を、重合体(A)と重合体(B)の合計に対して、単量体(a)が0.01〜10重量%となるように混合し
    さらに硬化剤として、重合体(A)及び重合体(B)の架橋性の官能基と反応可能な反応性官能基を有する化合物を1種類以上含む樹脂組成物を、基材上に層形成してなる剥離ライナー。
  2. 樹脂組成物が、更に、重合体(A)及び重合体(B)の架橋反応を促進させる架橋触媒を含む樹脂組成物である請求項1載の剥離ライナー。
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