JP4319275B2 - 光触媒担持フィルムをラミネート加工してなる金属板 - Google Patents

光触媒担持フィルムをラミネート加工してなる金属板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消臭、防汚、抗菌、防カビ等の効果を有する光触媒担持フィルムを加熱加圧処理によってラミネート加工することにより得られる金属板、樹脂被覆金属板、塗装金属板又は琺瑯加工金属板及びそれらの製造方法、並びにそれらの応用製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
紫外線のエネルギーによって、殺菌、有機物の分解等の各種の化学反応を進行させる光触媒として、n型半導体の酸化チタンが知られている。光触媒をガラス、金属、プラスチック、タイル等に担持する方法は種々提案されている(特開昭62−66861、特開平5−309267、EP633064、USP4888101)。しかし、光触媒を担持したフィルムをラミネートした金属板、特に広く使用されているポリカーボネート樹脂や織布強化ポリ塩化ビニル樹脂に、触媒活性を低下させることなく光触媒を担持した光触媒担持フィルムをラミネートした金属板は知られておらず、また、かかる光触媒担持フィルムをラミネートした金属板の光触媒作用を有効に利用して消臭、防汚、抗菌、防カビ性を長期にわたって維持する方法についても報告されていない。
【0003】
従来、屋外設置したポリカーボネート製遮音壁などの樹脂板、ポリ塩化ビニルを含浸させた繊維強化樹脂は外気中の埃やばい煙を付着しやすく通常2〜3ケ月で黒く変色し汚染が進むため、美観を損ねるという大きな欠点を有していた。また、ポリ塩化ビニル樹脂に大量に含まれる可塑剤成分などのためにカビが発生しやすく、その対策として表面にフッ素樹脂をコートしたりする方法が取られている。しかしながら、フッ素樹脂のコートは従来から言われているように、表面の撥水性を増加させ親油性を増加させるため、ばい煙等の油分の汚れが付着しやすいものとなる欠点があった。また、酸化チタンは大気中で紫外線を照射されると親水性を発現するという性質を本来有しているが、この効果を利用して屋外設置構造体の表面を親水性にし、付着したオイルミストなどの油分を水(特に雨水)で洗い流し易くする方法も公開されている(特開昭63−100042号公報、WO96/29375)。これらは構造体表面の物性を親水性にすることにより、水が表面に濡れ易くなり、結果として油分が表面から浮き上がって流れ落ちるという現象を利用したものである。しかしながら、公開された技術による方法では表面に付着した油分の光触媒分解作用が乏しいため、ディーゼル車の排気ガス等の汚れが強固に大量に付着するという道路遮音壁では実用化に際して使用範囲の制約を受けるという大きな問題があった。
【0004】
また、WO97−134にはディップ法やスプレー法で樹脂基体上に、ポリシロキサンを添加したアクリルシリコン樹脂からなる接着層を介して、金属酸化物ゲルを含む光触媒粒子複合体からなる光触媒層を設けることにより、高い光触媒活性と優れた耐久性を維持した例が開示されている。しかしながら、公開された技術による方法は、光触媒担持フィルムの裏面に粘着剤を塗布したラミネートフィルムとすることは可能であるが、加熱加圧処理によりラミネート加工すると光触媒活性が低下してしまったり、フィルムの高速成膜時に、接着層の硬化が不充分なため光触媒塗布に問題が生じるという欠点があった。
【0005】
また、ポリエステルフィルム上にポリシロキサンを添加したアクリルシリコン樹脂からなる接着層を介して、金属酸化物ゲルを含む光触媒粒子複合体からなる光触媒層を設けることにより、高い光触媒活性と優れた耐久性を維持した光触媒担持フィルムも上記WO97−134に公開されているが、ポリエステルフィルムは一般的には加熱加圧によるラミネート加工が非常に困難で、本発明の目的に使用することは不適当であった。
【0006】
さらに、この公開された塗布液の組成ではフィルムの高速成膜時に乾燥硬化が不十分となり易く塗布面が裏面に張りつき易いという問題があった。特に加熱加圧によりラミネート可能なフィルムは、耐熱温度や熱変形温度が100℃以下と低いものであるため、WO97−134に公開されている塗布液と塗布方法では、こうした熱ラミネート加工に適したフィルムへの高速成膜は困難である上に、光触媒活性が熱ラミネート条件によっては失われてしまうという問題点があった。また、ディップ法やスプレー法などの塗布による方法では平板状の大型金属板の場合、生産設備や成膜速度、乾燥速度の制約から実際には適用困難な場合が多いという問題点があった。特に、1m幅以上の金属板では大型乾燥機が必要な上に乾燥時間も熱容量の関係から30分以上必要なため生産速度も遅くコスト高になるという問題があった。
【0007】
金属板、塗装金属板、樹脂被覆金属板、琺瑯加工金属板に、防汚、抗菌、消臭を目的として光触媒を担持させる場合、接着層を介して光触媒層を設けた構造を有する光触媒構造体を直接金属板等の表面に設けることも一つの方法として考えられる。しかしながらこの方法では、塗布後の乾燥処理時間がフィルム成膜の場合と比較して非常に長く必要で、フィルム成膜の場合秒単位の乾燥処理時間であるのに対して金属板への直接成膜では熱容量の問題もあり最低でも分単位の処理時間であり、平坦な面であればフィルムをラミネート加工する時間を考慮してもフィルムラミネートの方が生産性が高いこと、接着層や光触媒層の塗布液のpHによっては塗布乾燥時に金属板が浸食され錆びてしまうこと、金属板への塗布加工は1m幅以上の大型になると、ディップ塗布にしろスプレー塗布にしろ均一に成膜することは困難で膜の厚みムラが生じやすいことなどの問題があり、適用可能な金属板の種類や大きさに制限を受けるという欠点があった。
【0008】
【発明が解決すべき課題】
本発明の課題は、優れた消臭、防汚、抗菌、防カビ等の効果を有する光触媒担持フィルムがラミネート加工された金属板、樹脂被覆金属板、塗装金属板又は琺瑯加工金属板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、光触媒を担持した透明なフィルムを効率良く高速で熱ラミネート加工できること、光触媒活性が光触媒を担持したフィルムを熱ラミネート加工することにより低下しないこと、高速ラミネート加工が可能な材質のフィルムに光触媒を生産性良く担持できること、などの検討項目について鋭意研究を重ね、大気中温度25℃、相対湿度70%の状態でUV−A領域の紫外線を3mW/cm2 照射した時にトリオレインを5μg/cm2 ・日以上分解し得る光触媒活性を有する高分子樹脂フィルムを加熱加圧処理によって金属板表面にラミネート加工することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、接着層を介して光触媒層が担持された高分子樹脂フィルムからなる光触媒担持フィルムを、加熱加圧処理によって金属板の表面にラミネート加工することにより得られ、かつ大気中温度25℃、相対湿度70%の状態でUV−A領域の紫外線を3mW/cm2 照射した時にトリオレインを5μg/cm2 ・日 以上分解し得る光触媒活性を有することを特徴とする光触媒担持フィルムをラミネート加工した金属板に関する。
【0011】
また本発明は、上記高分子樹脂フィルムが2種以上の樹脂フィルムをラミネート加工したフィルムであること、上記高分子樹脂フィルムがポリカーボネート樹脂、2種以上のポリメチルメタクリレート樹脂又はポリアクリレート樹脂の共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、又はセロファン樹脂の中から選ばれた樹脂であること、上記高分子樹脂フィルムの膜厚が5〜200μmであること、上記接着層が硬化剤としてシランカップリング剤を含有する接着層塗布液の塗布により形成されること、上記接着層塗布液としてポリシロキサンを10〜50重量%含有するシリコン変性樹脂又はコロイダルシリカを5〜30重量%含有するシリコン変性樹脂を2〜20重量%含む塗布液に、硬化剤としてシランカップリング剤を塗布液に対して0.1〜5重量%添加した接着層塗布液を用いること、また上記接着層塗布液としてモノアルキルトリメトキシシラン又はその加水分解生成物であるポリシロキサンを1〜10重量%とシリカゾルを0.1〜5重量%含む塗布液に、硬化剤としてシランカップリング剤を塗布液に対して0.1〜5重量%添加した接着層塗布液を用いること、上記接着層の厚みが0.5〜5μmであること、上記光触媒層が金属酸化物ゾルを固形分として1〜10重量%、酸化チタンゾルを固形分として1〜10重量%含有すること、上記光触媒層がシリカゾルを1〜10重量%、モノアルキルトリメトキシシラン又はその加水分解生成物を1〜10重量%、及び酸化チタンゾルを1〜10重量%含有することを特徴とした、上記光触媒層の厚みが0.1〜5μmであること、上記金属板が鉄板、鋼板、アルミ板、アルミ合金板の中から選ばれた1種の金属板であること、上記金属板がポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂の中から選ばれた1種又は2種以上の樹脂によって単一層又は複層被覆された樹脂被覆金属板、塗装金属板、又は琺瑯加工金属板であること、あるいは、上記金属板の形状が板状、管状、又は波板状のものであること、をそれぞれ特徴とする前記の光触媒担持フィルムをラミネート加工した金属板に関する。
【0012】
また本発明は、高分子樹脂フィルムに、硬化剤としてシランカップリング剤が添加された接着層塗布液を塗布・乾燥した後、この接着層に光触媒層塗布液を塗布乾燥して、高分子樹脂フィルム上に接着層を介して光触媒層を担持した光触媒担持フィルムを調製し、この光触媒担持フィルムを加熱加圧処理によって金属板の表面にラミネート加工することを特徴とする光触媒担持フィルムがラミネート加工された金属板の製造方法に関する。そしてまた、本発明は、上記記載の光触媒担持フィルムをラミネート加工した金属板を、少なくとも一部に使用してなる照明器具用反射板、屋外看板もしくは屋外標示板、家庭用電気製品、ガードレール又は道路標識に関する。
【0013】
さらに本発明は、高分子樹脂フィルム上に接着層を介して光触媒層が担持された光触媒担持高分子樹脂フィルムの調製に用いる光触媒接着層用コーティング剤であって、ポリシロキサンを10〜50重量%含有するシリコン変性樹脂、もしくは、コロイダルシリカを5〜30重量%含有するシリコン変性樹脂を2〜20重量%含む接着層塗布液、又は、モノアルキルトリメトキシシランもしくはその加水分解生成物であるポリシロキサンを1〜10重量%とシリカゾルを0.1〜5重量%含む接着層塗布液に、硬化剤としてシランカップリング剤を塗布液に対して0.1〜5重量%添加したことを特徴とする光触媒接着層用コーティング剤に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の光触媒担持フィルムがラミネート加工された金属板は、例えば高分子樹脂フィルムに、硬化剤としてシランカップリング剤が添加された接着層塗布液を塗布・乾燥した後、この接着層に光触媒層塗布液を塗布乾燥して、高分子樹脂フィルム上に接着層を介して光触媒層を担持した光触媒担持フィルムを調製し、この光触媒担持フィルムを加熱加圧処理によって金属板の表面にラミネート加工することにより製造することができる。本発明の光触媒担持フィルムがラミネート加工された金属板の断面の模式図を図1に示す。
【0015】
本発明における高分子樹脂フィルムとしては、その材質としてポリカーボネート樹脂、2種以上のポリメチルメタクリレート樹脂又はポリアクリレート樹脂の共重合樹脂、ナイロン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セロファン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル−エチレン共重合体樹脂、又はエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、の中から選ばれた樹脂からなるフィルムを挙げることができ、また、接着層や光触媒層を塗布成膜する際に、フィルムが伸びたりシワがよったりして均一で均質な光触媒担持フィルムが得られない場合は好ましくないことから、塗布加工時の成膜機械のテンションに耐える引張伸度と弾性率を維持できる材質や厚みを有するものが好ましい。
【0016】
これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、2種以上のポリメチルメタクリレート樹脂又はポリアクリレート樹脂の共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、又はセロファン樹脂からなるフィルムが特に好ましく使用でき、これらの樹脂を使用した光触媒担持フィルムは光触媒活性、耐久性、成膜性、ラミネート加工性、価格等の面で優れているといえる。また、これらのフィルムの2種以上をラミネート加工して得られるフィルムを使用することにより、光触媒を担持するフィルムの有すべき特性、特に耐候性、耐熱性、透湿性などを大きく向上させることも可能で、使用する環境に応じて光触媒を担持するフィルムの特性を設計し変更できることは実用化に際して極めて有利である。
【0017】
使用する高分子樹脂フィルムの膜厚としては、5〜200μmであることが好ましく、5μm以下の膜厚では本発明の接着層と光触媒層の成膜が困難となり、200μm以上ではラミネート加工が困難になったりコスト増になる場合もあるため好ましくない。
【0018】
本発明において、金属板にラミネート加工される光触媒担持高分子樹脂フィルムは、図1に示すように、光触媒層とフィルムとの間に接着層を設けた構造を有している。そして、この光触媒層とフィルムとの間に設けられる接着層は、接着層塗布液をフィルム上に塗布・乾燥することにより形成され、光触媒層をフィルムに強固に接着させる作用と、フィルムもしくはフィルムをラミネートした高分子樹脂から拡散する可塑剤成分による光触媒活性の低下を防ぐとともに、光触媒作用によるフィルムの劣化を防ぐ作用を有しており、また接着層自身が光触媒作用による劣化を受けにくいという特徴を有している。
【0019】
本発明における接着層塗布液としては、硬化剤としてのシランカップリング剤を含むものが特に好ましく、シランカップリング剤を接着層塗布液に含有せしめることにより、フィルム成膜時の接着層の硬化を促進させフィルムが裏面に張り付くことなく巻取ることを可能とし、高速成膜が可能になるばかりか、光触媒担持フィルムを加熱加圧処理によって金属板の表面にラミネート加工する場合における光触媒活性の低下を防止し、ラミネート加工前の光触媒担持フィルムが有する光触媒活性を維持することができる。
【0020】
本発明における接着層塗布液として、例えば、ポリシロキサンを10〜50重量%含有するシリコン変性樹脂、又は、コロイダルシリカを5〜30重量%含有するシリコン変性樹脂を2〜20重量%含む塗布液に、硬化剤としてシランカップリング剤を塗布液に対して0.1〜5重量%添加してなる塗布液を例示することができる。
【0021】
ポリシロキサン含有量が10重量%未満のアクリルシリコン樹脂やエポキシシリコン樹脂などのシリコン変性樹脂、もしくは、コロイダルシリカ含有量が5重量%未満のシリコン変性樹脂では、光照射時の光触媒層の接着が悪くなり、また、屋外などの紫外線強度が強い場所では接着層が光触媒により劣化し、光触媒層が剥離し易くなる。他方、ポリシロキサン含有量が50重量%を超えたり、あるいは、コロイダルシリカ含有量が30重量%を超えるシリコン変性樹脂では、接着層と担体との接着が悪くなったり、接着層が多孔質となったり、基材フィルムと接着層との間の接着性が悪くなったりして、光触媒はフィルムより剥離し易くなる。
【0022】
また、本発明における接着層塗布液として、モノアルキルトリメトキシシラン又はその加水分解生成物であるポリシロキサンとシリカゾルとの塗布液に、硬化剤としてシランカップリング剤を塗布液に対して0.1〜5重量%添加してなる塗布液を例示することができる。使用できるモノアルキルトリメトキシシランとしては、モノメチルトリメトキシシラン、モノエチルトリメトキシシランが好ましい。また、シリカゾルとしては一次粒子径の細かいものが好ましく、特に透明なフィルムを得る場合には20nm以下のものが好ましい。塗布液には、モノアルキルトリメトキシシラン又はその加水分解生成物であるポリシロキサンを1〜10重量%とシリカゾルを0.1〜5重量%を含有させることが、接着性、触媒活性の面から好ましい。モノアルキルトリメトキシシラン又はその加水分解生成物とシリカゾルとの割合は、重量比で20/80〜60/40が好ましく、また硬化促進のため鉱酸などの酸触媒を添加することもできる。
【0023】
そして、接着層塗布液が、ポリシロキサン−シリコン変性樹脂やコロイダルシリカ−シリコン変性樹脂の場合でも、またモノアルキルトリメトキシシラン−シリカゾルの場合でも、硬化剤として添加するシランカップリング剤はこれら塗布液に対して0.1〜5重量%添加することが望ましい。シランカップリング剤の添加量が塗布液に対して0.1重量%未満では、フィルム成膜時に乾燥後巻取りする際に塗布面がフィルム裏面に張りつくブロッキング現象が生じて光触媒層の塗布が困難となるため好ましくない。他方、シランカップリング剤の添加量が塗布液に対して5重量%以上では、硬化が速くなりすぎたり、成膜途中に液がゲル化するなどの現象が生ずるため好ましくない。また、シランカップリング剤を塗布液に対して0.1〜5重量%添加することことにより、光触媒担持フィルムを加熱加圧処理によって金属板の表面にラミネート加工する場合における光触媒活性が低下することなく、ラミネート加工前の光触媒担持フィルムが有する光触媒活性を維持することができる。
【0024】
また、本発明においては、上記接着層塗布液のうち、特にポリシロキサンを10〜50重量%含有するシリコン変性樹脂、もしくは、コロイダルシリカを5〜30重量%含有するシリコン変性樹脂を2〜20重量%含む接着層塗布液、又は、モノアルキルトリメトキシシランもしくはその加水分解生成物であるポリシロキサンを1〜10重量%とシリカゾルを0.1〜5重量%含む接着層塗布液に、硬化剤としてシランカップリング剤を該塗布液に対して0.1〜5重量%添加した接着層塗布液を光触媒接着層用コーティング剤といい、この光触媒接着層用コーティング剤は、上記のように、高分子樹脂フィルム上に接着層を介して光触媒層が担持された光触媒担持高分子樹脂フィルムの調製に用いられる。
【0025】
シランカップリング剤としては、一般式:RSi(X)3 や(R)2Si(X)2 など(但し、Rは有機性官能基を、Xは塩素原子又はアルコキシ基を示す。)で示されるものが使用可能であり、式中Rは、メチル基、エチル基、ビニル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル基、γ−クロロプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、γ−アミノプロピル基、γ−アクリロキシプロピル基などを表し、式中Xは、塩素原子の他、メトキシ基、エトキシ基、β−メトキシエトキシ基などのC1 〜C5 のアルコキシ基などを表す。
【0026】
また、接着層塗布液、特に光触媒接着層用コーティング剤に、光触媒作用による劣化を抑える目的で、光安定化剤及び/又は紫外線吸収剤等を混合することにより、その耐久性を向上させることができる。光安定化剤としてはヒンダードアミン系が好ましいが、その他の光安定化剤も使用することができる。紫外線吸収剤としてはトリアゾール系などの紫外線吸収剤が使用できる。添加量は、接着層塗布液、特に光触媒接着層用コーティング剤に対して0.005重量%以上10重量%以下、好ましくは0.01重量%以上5重量%以下である。接着層、特に光触媒接着層用コーティング剤中に光安定化剤及び/又は紫外線吸収剤を添加することにより、光触媒を担持する高分子樹脂フィルムの耐候性を向上させることも可能となり、特に屋外で使用する場合は有利である。接着層塗布液、特に光触媒接着層用コーティング剤中に界面活性剤を0.00001重量%〜0.1重量%添加することによっても良好な光触媒担持フィルムをラミネートした金属板とすることができる。
【0027】
接着層塗布液、特に光触媒接着層用コーティング剤をフィルムに塗布する方法としては、接着層塗布液をグラビア印刷法、マイクログラビア印刷法、コンマコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、バーコート法、キスコート法、フローコート法でコートし、乾燥する方法を例示することができる。乾燥温度は、塗布方法や溶媒やフィルムの樹脂の種類やフィルムの厚みによっても異なるが、一般的には150℃以下が望ましい。また、接着層の厚さは、0.5μm以上が望ましい。0.5μmより薄い場合は、光触媒層を強固にフィルムに接着させる効果に乏しく、長期間の使用において光触媒層が剥離したりしやすくなるため好ましくない。また、接着層の厚みが厚い場合は特に問題はないものの、成膜時の乾燥が不十分になるため、成膜のムラが発生しやすくなったり、成膜コストが上昇するため実際的には5μm以下が好ましい。
【0028】
本発明における金属板にラミネート加工する光触媒担持高分子樹脂フィルムは、図1に示すように、接着層の上に光触媒層を設けた構造を有している。光触媒層は、例えば、金属酸化物ゾルを固形分として1〜10重量%、酸化チタンゾルを固形分として1〜10重量%含有する光触媒層塗布液を接着層上に塗布乾燥して形成することができる。光触媒層塗布液中の金属酸化物ゾルは、酸化チタンゾルを固着し接着層と強固に接着させるだけでなく、金属酸化物ゾルを乾燥して得られるゲルが多孔質であることから吸着性をもっており、光触媒活性を高める効果も有している。この金属酸化物ゾルと酸化チタンゾルの光触媒塗布液中での比率は、25/75〜95/5が好ましい。金属酸化物ゾルが25%以下では接着層との接着が不十分となり、他方95%以上では光触媒活性が不十分となる。また、金属酸化物ゾルを乾燥して得られるゲルの比表面積が100m2 /g以上あると、接着性はより強固になり、触媒活性も向上する。材質としては、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、マグネシウム、ニオビウム、タンタラム、タングステンの金属の酸化物ゾルがよく、また、これらを混合したゾルや、共沈法などの方法で作られる複合酸化物ゾルを使用してもよい。
【0029】
金属酸化物ゾルを酸化チタンゾルと混合する場合、ゾルの状態で混合するか、あるいはゾルを調製する前の原料の段階で混合するのが望ましい。ゾルを調製する方法には、金属塩を加水分解する方法、中和分解する方法、イオン交換する方法、金属アルコキシドを加水分解する方法等があるが、ゾルの中に酸化チタンゾルが均一に分散された状態で得られるものであればいずれの方法も使用可能である。しかし、ゾル中に多量の不純物が存在すると、光触媒の接着性や触媒活性に悪影響を与えるので、不純物の少ないゾルを用いる方が好ましい。特に、ゾルを乾燥したゲルの中に有機物が5%以上存在すると、光触媒活性が低下する。特に、ジルコニウムやアルミニウムの酸化物ゾルを含む光触媒層を使用する場合は、水道水中での15分間の耐沸騰水性試験後のテープ剥離試験に合格したり、5%炭酸ナトリウム水溶液中への168時間浸漬試験後のテープ剥離試験に合格するものが得られるため特に好ましい。
【0030】
また、光触媒層として、シリカゾルを1〜10重量%、モノアルキルトリメトキシシラン又はその加水分解生成物を1〜10重量%、及び、酸化チタンゾルを1〜10重量%含む混合液からなる光触媒層塗布液を接着層上に塗布乾燥して得られるものも特に好ましく使用できる。モノアルキルトリメトキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランが特に好ましく使用できる。シリカゾルと、モノアルキルトリメトキシシラン又はその加水分解生成物との混合比率は、重量比で100/0〜60/40が好ましく、酸化チタンゾルとこれらの珪素化合物成分の比率は、酸化チタン/珪素化合物の重量比で5/95〜75/25が好ましい。珪素化合物の比率が95%以上では光触媒活性が低下するし、25%以下では接着層への接着性が低下する。
【0031】
光触媒層中の光触媒としては、TiO2、ZnO、SrTiO3、CdS、GaP、InP、GaAs、BaTiO3、K2NbO3、Fe23、Ta25、WO3、SnO2、Bi23、NiO、Cu2O、SiC、SiO2、MoS2、InPb、RuO2、CeO2などを例示することができ、またこれらの光触媒にPt、Rh、RuO2、Nb、Cu、Sn、NiOなどの金属及び金属酸化物を添加した公知のものが全て使用できる。光触媒層中の光触媒の含有量は、多くなるほど触媒活性が高くなるが、接着性の点から75重量%以下が好ましい。抗菌性や防カビ性をさらに向上させるため、光触媒層中に酸化チタン光触媒に対して0.05〜5重量%の銀や銅の金属もしくは金属化合物を添加することもできる。添加量が0.05重量%以下では抗菌/防カビ性の向上効果に乏しく、5重量%以上では光触媒層が変色したりするという現象が生じるためフィルムをラミネートした樹脂の色や柄によっては使用が困難になる場合もある。
【0032】
光触媒層を接着層上に形成するには、金属酸化物ゾルもしくは金属水酸化物ゾル溶液中に光触媒を分散した懸濁液を用い、前記接着層を形成するのと同様のコート法でコートすることができる。金属酸化物ゾルもしくは金属水酸化物ゾルの前駆体溶液の状態で光触媒を分散し、コート時に加水分解や中和分解してゾル化もしくはゲル化させてもよい。ゾルを使用する場合には、安定化のために、酸やアルカリの解膠剤等が添加されていてもよい。また、ゾル懸濁液中に光触媒に対し、5重量%以下の界面活性剤やシランカップリング剤などを添加して、接着性や操作性をよくすることもできるが、光触媒層におけるシランカップリング剤の添加では、光触媒担持フィルムを加熱加圧処理によって金属板の表面にラミネート加工する場合における光触媒活性の低下を防止し、ラミネート加工前の光触媒担持フィルムが有する光触媒活性を維持することができない。光触媒層形成時の乾燥温度としては、塗布方法やフィルムの樹脂の材質及び接着層中の樹脂材質によっても異なるが、一般的に150℃以下が好ましい。
【0033】
光触媒層は、その厚みが厚いほど活性が高いが、5μm以上になるとほとんど変わらなくなる。5μm以下であっても高い触媒活性を示し、透光性を示して触媒層が目立たなくなるが、厚さが0.1μm以下になると透光性はよくなるものの、光触媒が利用する紫外線をも透過してしまうために、高い活性は望めなくなる。光触媒層の厚さを0.1μm以上5μm以下にし、しかも、結晶粒子径が40nm以下の光触媒粒子及び比表面積100m2 /g以上の金属酸化物ゲルもしくは金属水酸化物ゲルを用いると、高い光触媒活性を有し、ベースフィルムをラミネートした金属板、樹脂被覆金属板、塗装金属板、又は琺瑯加工金属板の風合いを損なうことがないので美観の上でも好ましい。
【0034】
本発明において光触媒担持フィルムが加熱加圧処理によりラミネート加工される金属板としては、通常使用されている金属板であればどのようなものでも使用することができ、鉄板、鋼板、鍍金鋼板、アルミ板、アルミ合金板等を例示することができる。かかる金属板としては、単味のものをそのまま使用することもできるが、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等の中から選ばれた1種又は2種以上の樹脂によって単一層又は複層被覆された金属板や、塗料で塗装した塗装金属板や、琺瑯加工された金属板等も好ましく使用できる。また、金属板の形状としては、板状、管状、波板状等光触媒担持フィルムをラミネート加工できるのものであればどのような形状のものでもよい。
【0035】
光触媒担持高分子樹脂フィルムを各種金属板にラミネートする方法としては、熱ロールなどで加熱加圧しながら金属板、塗装金属板、樹脂被覆金属板、又は琺瑯加工金属板にラミネートする方法や、塗装金属板、樹脂被覆金属板、又は、琺瑯加工金属板の製造時の加熱処理の熱を利用した加熱加圧処理による光触媒担持高分子樹脂フィルムをラミネートする方法などが工業的に効率よく製造できるため好ましい。すなわち、金属板に光触媒担持フィルムを加熱加圧処理によってラミネート加工するには、ベースフィルムの樹脂の材質にもよるが、通常60℃〜200℃の温度範囲で短時間加熱加圧処理するラミネート方法、金属板基体への樹脂被覆又は塗料塗装時の加熱乾燥処理の熱を利用して加熱加圧処理するラミネート方法、金属板基体の成形加工時の熱と圧力を利用して加熱加圧処理するラミネート方法などを採用するのが好ましい。
【0036】
また、基体が化成処理や塗装処理などの表面処理がなされていない金属板の場合には、加熱加圧処理する金属板の表面にアクリル系、ウレタン系、エポキシ系の接着剤をプライマー層として塗布乾燥して得られる基体を使用することにより、より一層熱ラミネート加工品のフィルム密着性、耐久性を高めることができる。光触媒担持フィルムを基体表面に加熱加圧処理するには、通常の熱ロールラミネート装置を通したり熱プレスで処理するなどの方法も採用することができる。基体となる金属板もしくは塗装金属板などの材質と光触媒を担持したフィルムの材質に応じた適正な温度・圧力・時間を選択することで、長期に使用した場合にも耐久性に優れかつ光触媒活性を維持できる金属板が得られる。また、本発明においては、ラミネート加工に加熱加圧処理を採用することから、光触媒層が接着層に非常に強固に固着し、加熱加圧処理前に比較して、耐久性、密着性、耐剥離性が向上するという利点がある。
【0037】
本発明における光触媒担持フィルムを加熱加圧処理によってラミネート加工した金属板は、大気中温度25℃、相対湿度70%の状態でUV−A領域(400〜315nm)の紫外線を3mW/cm2 照射した時にトリオレインを5μg/cm2 ・日 以上分解しうるものとなっている。本発明による光触媒担持フィルムをラミネートした金属板は、紫外線強度3mW/cm2 のブラックライトの光を温度40℃、相対湿度90%のもとで1000時間照射した後でも、JIS K5400の碁盤目テープ法で調べた光触媒層の付着性が、評価点数6点以上を維持するような高耐久性を示す物も得られる。
【0038】
本発明による接着層と光触媒層を設けた光触媒担持フィルムは、生産性も高く毎分数十m以上の速度で成膜できる上に、この光触媒担持フィルムを各種金属板にラミネート加工する際も加工条件を最適化することによって毎分数m以上の高速度で加工できる。したがって、単に金属板に通常のディップ法やスプレー法やロールコート法によって光触媒層を塗布乾燥する方式に比べて相当速い速度での成膜が可能になり、生産効率や膜厚の均一性などの成膜品質の向上の面で非常に大きな利点を有している。また、本発明によって得られる光触媒フィルムをラミネートした金属板は、光触媒フィルムをラミネート後に金属板をプレス加工して成形したり、カットして切断することにより、複雑形状の金属加工製品とすることができるため、その応用範囲は極めて広い。
【0039】
本発明の光触媒担持フィルムをラミネートした金属板は、広く一般建築用材料や屋外設置構造体の材料として使用されている、例えば道路遮音壁、道路脇電話ボックス、道路標識、ガードレールなどの道路周辺の設備構造体、浴室・トイレや洗面所・台所、厨房などの場所で使用される金属板、洗面化粧台、ユニットバス、システムキッチン、便器、各種シンクなどに用いることができる。
【0040】
また、本発明の光触媒担持フィルムをラミネートした金属板は、屋外看板、電車バス等の輸送体機器の壁面、食品工場や給食施設の壁面、冷蔵庫、洗濯機、パソコン、ラジオ・テレビなどの家庭用電気製品の筐体、照明器具の各種反射板、冷蔵倉庫や冷凍倉庫などの内部壁面等の、消臭、防汚、抗菌、防カビの作用を必要とする多くの箇所に使用することができ、その優れた防汚性、油分解活性、抗菌性、防カビ性により、長期にわたってその表面を美麗な状態に維持することができる。
【0041】
そして、本発明における光触媒を担持したフィルムをラミネートした金属板を、上記のように、屋外表示板や道路標識、ガードレールに使用した場合は、このフィルムが有する優れた光触媒分解活性により、排気ガス等に含まれるばい煙や油煙が分解されるため、ばい煙や油煙等の接着作用によって表面に付着している埃や塵、砂、粘土などが取れ易く、風雨などで落とされてしまい、結果として汚れにくいものとなる。また、照明器具用反射板に本発明による光触媒担持高分子樹脂フィルムをラミネート加工した鋼板を使用した場合は、蛍光灯から放射される紫外線によって反射板に付着した室内のオイルミストやタバコの煙が分解されて、表面の油汚れが少なくなるため汚れが目立たなくなる。さらに、冷蔵庫、洗濯機、パソコン、ラジオ・テレビなどの家庭用電気製品の筐体に本発明による光触媒担持高分子樹脂フィルムをラミネート加工した鋼板を使用した場合は、室内環境で照射される紫外線量は少ないものの室内に浮遊するオイルミストや手指の接触による皮脂成分が光触媒分解作用により徐々に分解され、結果的に表面に付着する手垢や黒ずみが減少するという優れた効果が奏される。
【0042】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 光触媒担持フィルムの製造
三菱レイヨン(株)製アクリル樹脂フィルム「アクリプレンHBS−006」厚み50μmのフィルムに、康井精機(株)製マイクログラビア印刷機を使用して接着層塗布液と光触媒層塗布液を塗布した。シリコン含有量3mol%のアクリルシリコン樹脂を固形分として8重量%含むエタノール−酢酸エチル(50/50重量比)溶液に、ポリシロキサンとしてコルコート(株)製メチルシリケートMS51の20%エタノール溶液をアクリルシリコン樹脂に対して固形分として35重量%と、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを塗布液中に1重量%とを添加し、接着層の塗布液とした。20m/分の速度で温度60℃で接着層を成膜後、室温下放冷した。界面活性剤の存在下、水−エタノール50/50の重量比の液に酸化チタン含有量10重量%になるよう硝酸酸性チタニアゾルを分散させたものに、同じく水−エタノール50/50の重量比の液に酸化珪素含有量10重量%になるよう硝酸酸性シリカゾルを分散させたものを等量加え、光触媒層塗布液を調製した。この液を使用して接着層と同様の条件で成膜し光触媒層を担持させ、光触媒担持フィルム(A)とした。同様な方法で、接着層と光触媒層を成膜温度と乾燥条件を変えて他のフィルム材質に成膜し、鐘淵化学(株)製アクリル系フィルム「サンデュレン 008NCT」50μm厚(B)、住友ベークライト製硬質塩ビフィルム50μm厚(C)、を使用して光触媒担持フィルムを作成した。
【0043】
実施例2 光触媒担持フィルムをラミネートした鉄板の製造
実施例1で得られた光触媒担持フィルム(A)を、厚み1mmの鉄板を5×5cmに切り出したものの表面にアクリル系接着剤をプライマーとして塗布乾燥したものの上に張りつけ、温度120℃で圧力50kg/cm2 を10秒間加える操作を5回繰り返してエアー抜きを行った後、同じ温度で50kg/cm2 で2分、100kg/cm2 で2分、150kg/cm2 で1分の温度圧力で加熱加圧した後、加圧したまま50℃以下に冷却して、光触媒担持フィルムをラミネートした鉄板とした。(サンプル1)
【0044】
実施例3 光触媒担持フィルムをラミネートしたアルミ板の製造
実施例1で得られた光触媒担持フィルム(A)を、アルミ板1mm厚みのものの表面にアクリル系接着剤をプライマーとして塗布乾燥し5×5cmに切り出したものの上に張りつけ、実施例2と同様のラミネート方法により、光触媒担持フィルムをラミネートしたアルミ板とした。(サンプル2)
【0045】
実施例4 光触媒担持フィルムをラミネートしたステンレス板の製造
実施例1で得られた光触媒担持フィルム(A)を、SUS−304板の1mm厚みのものの表面にアクリル系接着剤をプライマーとして塗布乾燥し5×5cmに切り出したものの上にに張りつけ、実施例2と同様のラミネート方法により、光触媒担持フィルムをラミネートしたステンレス板とした。(サンプル3)
【0046】
実施例5 光触媒担持フィルムをラミネートした塗装鋼板の製造
実施例1で得られた光触媒担持フィルム(B)を、アクリル系塗料を焼き付け塗装した厚み0.3mm、幅60cm、長さ1mの塗装鋼板に加熱加圧ロールラミネート装置を使用してニッブ圧力5kg/cm、ラミネーションロールでのシート表面温度150℃、シート送り速度10m/分でラミネートし、光触媒担持フィルムをラミネートした塗装鋼板とした。このラミネート加工塗装鋼板を5×5cmに切り出し測定用サンプルとした。(サンプル4)
【0047】
実施例6 光触媒担持フィルムをラミネートした塗装アルミ板の製造
実施例1で得られた光触媒担持フィルム(B)を、アクリル系塗料を焼き付け塗装した厚み1mmの5×5cmに切り出した塗装アルミ板に張り合わせ、実施例2と同様の条件で処理して、光触媒担持フィルムをラミネートした塗装アルミ板とした。(サンプル5)
【0048】
実施例7 光触媒担持フィルムをラミネートした塩ビ被覆鋼板の製造
実施例1で得られた光触媒担持フィルム(C)を、塩化ビニル樹脂を被覆した厚み1mmの5×5cmに切り出した塩ビ被覆鋼板に張り合わせ、50kg/cm2 で10秒間4〜5回加圧処理してエアー抜きを行った後、同じ温度で50kg/cm2 で30秒、100kg/cm2 で1分、150kg/cm2 で30秒の温度圧力で加熱加圧した後、加圧したまま50℃以下に冷却して、光触媒担持フィルムをラミネートした塩ビ被覆鋼板とした。(サンプル6)
【0049】
実施例8 光触媒担持フィルムをラミネートしたポリエステル被覆鋼板の製造実施例1で得られた光触媒担持フィルム(C)を、ポリエステル樹脂を被覆した厚み1mmの5×5cmに切り出したポリエステル被覆鋼板に実施例7と同様の方法により張り合わせ、光触媒担持フィルムをラミネートしたポリエステル被覆鋼板とした。(サンプル7)
【0050】
実施例9 銅添加光触媒担持フィルムをラミネートした鉄板
界面活性剤の存在下、水−エタノール50/50の重量比の液に酸化チタン含有量10重量%になるよう硝酸酸性チタニアゾルを分散させたものに、同じく水−エタノール50/50の重量比の液に酸化珪素含有量10重量%になるよう硝酸酸性シリカゾルを分散させたものを等量加え、さらに硝酸銅水和物を酸化チタンに対して金属銅として0.1重量%になるように加えて溶解させ、光触媒層塗布液を調製した以外は実施例1の(A)に使用したフィルム、原料、製造方法により、接着層と光触媒層を塗布した光触媒担持フィルムを製造した。この光触媒担持フィルムを、厚み1mmの鉄板を5×5cmに切り出したものに実施例2と同様の方法により張りつけ銅添加光触媒担持フィルムをラミネートした鉄板とした。(サンプル8)
【0051】
実施例10 照明器具用反射板
実施例5で作製した光触媒担持フィルムをラミネートした塗装鋼板を使用して蛍光灯用の反射板を作成し、5×5cmに切り出して特性評価用サンプルとした。(サンプル9)
【0052】
実施例11 屋外看板
実施例5で作成した光触媒担持フィルムをラミネートした塗装鋼板を使用して屋外看板を作製した。耐汚染性の評価を後述の方法によって行った結果評価はAであったのに対して、光触媒を担持していないフィルムをラミネートして得られる塗装鋼板を使用して同様の屋外看板を作製して同様に耐汚染性を評価した場合は評価Dであった。
【0053】
実施例12 冷蔵庫
実施例9で作成した光触媒担持フィルムをラミネートした鉄板を使用して冷蔵庫の野菜室ケースに入れるボックスを作成し、そのボックス中で東芝ライテック製光触媒用蛍光ランプエコクリーン(FC2BLB/200T12)を3本点灯し、人参5本、キャベツ2個、トマト10個、キュウリ10本、ホウレンソウ1束、ピーマン10個を裸のまま入れ、3日毎に新しい同種同数の野菜と交換して貯蔵した。光触媒を担持していないフィルムをラミネートした鉄板を使用して同じ大きさのボックスを作製し、そのボックス中で東芝ライテック製光触媒用蛍光ランプエコクリーン(FC2BLB/200T12)を3本同様に点灯し、同種同数の野菜を裸のまま入れ、同じように3日毎に新しい同種同数の野菜と交換して貯蔵した。その結果、光触媒担持フィルムをラミネートした鉄板で作成した野菜ボックスでは、カビの発生やヨゴレが目視で殆ど観察されなかったのに対して、光触媒を担持していないフィルムをラミネートした鉄板で作成した野菜ボックスでは、明らかにカビの発生とヨゴレの付着が顕著に認められた。
【0054】
実施例13 ガードレール
実施例5で作成した光触媒担持フィルムをラミネートした塗装鋼板を使用して道路用ガードレールを試作し、後述の耐汚染性の評価を行った。光触媒を担持していないフィルムをラミネートした塗装鋼板を使用して同様に道路用ガードレールを試作して耐汚染性の評価を行った。その結果、光触媒担持フィルムをラミネートした塗装鋼板を使用したガードレールでは評価Aであったのに対して、光触媒を担持していないフィルムをラミネートした塗装鋼板を使用したガードレールでは評価Dであった。
【0055】
実施例14 道路標識
実施例5で作成した光触媒担持フィルムをラミネートした塗装鋼板を使用して道路標識と同じ大きさの標識を試作し、後述する耐汚染性の評価を行った。光触媒を担持していないフィルムをラミネートした塗装鋼板を使用して同じように道路標識と同じ大きさの標識を試作し、同様に耐汚染性の評価を行った。その結果、光触媒担持フィルムをラミネートした塗装鋼板を使用して試作した道路標識では評価Bであったのに対して、光触媒を担持していないフィルムをラミネートした塗装鋼板を使用して試作した道路標識では評価Dであった。
【0056】
実施例15 ラミネート加工鋼板の耐久性の評価
実施例13で試作したガードレールを一年間屋外に設置した後、後述の付着性の評価を10ケ所の異なる箇所で行った結果、4ケ所で8点、6ケ所で10点であった。
【0057】
比較例1
実施例1に示した三菱レイヨン(株)製アクリル樹脂フィルム「アクリプレンHBS−006」の50μm厚みのものを実施例2と同一の方法により、厚み1mmの鉄板を5×5cmに切り出したものに張りつけPETフィルムをラミネートした鉄板とした。
【0058】
比較例2
実施例1に示した三菱レイヨン製アクリル系フィルム「アクリプレンHBS−006」の50μm厚みのものを、アクリル系塗料を焼き付け塗装した厚み1mmの5×5cmに切り出した塗装鋼板に張り合わせ、実施例2と同一の条件と方法により、アクリルフィルムをラミネートした塗装鋼板とした。
【0059】
比較例3
実施例1に示した住友ベークライト製硬質塩ビフィルムの50μm厚みのものを、塩化ビニル樹脂を被覆した厚み1mmの5×5cmに切り出した塩ビ被覆鋼板に張り合わせ、実施例5と同一の条件と方法により、塩ビフィルムをラミネートした塩ビ被覆鋼板とした。
【0060】
(光触媒活性の評価)
サンプル1〜9の試料と比較例の試料を使用して、以下に示すような光触媒活性の評価を行い、表1に示す結果を得た。
【0061】
1)耐汚染性(防汚特性)
5cm×5cm角に切りだした試料を、一般道路(トラック通行量500〜1000台/日程度)に面したフェンスに光触媒を担持していない同種同サイズのブランク試料とともに張りつけ、3ケ月後試料表面の汚染の度合いを冷暗所に保管した比較対照試料を基準として分光色差計により評価し、評価基準は以下のとおりとした。
Figure 0004319275
【0062】
2)トリオレイン分解特性(油分解活性)
5cm角に切り出した試料にキムワイプを使用して、トリオレイン(和光純薬製試薬特級)を0.1mg/cm2 になるよう塗布した後、温度25℃、相対湿度70%の恒温恒湿槽中に入れ、市販の15Wブラックライト蛍光灯を照射して、試料面でUV−A領域の紫外線が3mW/cm2 の強度になるよう光源と試料面との距離を調節した。光照射時間に対するトリオレインの減少量を精密天秤により定量しトリオレイン分解活性を求め、評価基準は以下のとおりとした。
Figure 0004319275
【0063】
3)抗菌性評価
5cm角に切りだした試料を80%エタノールで消毒し、150℃で乾燥して滅菌後、予め前培養と希釈を行って菌濃度を10 個/mlに調節しておいた大腸菌の菌液を0.2ml試料面に滴下しインキュベーター内にセットした。白色蛍光灯(15W×2本、光源との距離10cm)の光を照射したもの、及び光照射を全く行わなかったもの、の2種の光照射条件で各々4個の試料をセットした。所定時間後(1、2、3、4時間後)に試料を取り出し、滅菌生理食塩水に浸した滅菌ガーゼで試料上の菌液を拭き取り、拭き取った滅菌ガーゼを10mlの滅菌生理食塩水に入れ十分撹拌し、この上澄み菌液をオートクレーブ滅菌した95mmφのシャーレ寒天培地に植え付け、36℃24Hr培養後大腸菌のコロニー数を計数した。インキュベーターに入れるまでの操作を全く同一にした基準菌数測定用試料を同一の方法により調製し、滅菌生理食塩水の上澄み液をシャーレ寒天培地に植え付けて24Hr培養後の大腸菌のコロニー数を計数した。その数値を基準にして各試料の所定時間後における大腸菌の生存率を算出した。4時間経過後の蛍光灯の光を照射した試料の大腸菌の残存率により評価し、評価基準は以下のとおりとした。
4時間後の大腸菌残存率 評価
20%以下 A
20〜40% B
40〜60% C
60〜80% D
80%以上 E
【0064】
4)防カビ性
耐汚染性の評価に使用した試料表面の緑色のカビの発生の程度を以下の基準で冷暗所に保管した試料と比較対照することにより評価し、評価基準は以下のとおりとした。
試料表面のカビの発生の度合い 評価
殆ど発生が認められない A
一部僅かに発生が認められる B
明らかに発生が認められる C
【0065】
(付着性)
JIS K 5400に規定する碁盤目テープ法試験により、付着性の評価を行った。切り傷の間隔を2mmとし、ます目の数を25コとした。評価点数は、JIS K 5400に記載の基準で行った。
【0066】
(耐久性の評価)
担持した試料にブラックライトで紫外線強度3mW/cm2 の光を温度40℃湿度90%の恒温恒湿槽内で1000時間照射後、JIS K 5400に規定の碁盤目テープ法による付着性を測定し、耐久性の評価とした。評価点数は、付着性評価と同じである。
【0067】
【表1】
Figure 0004319275
【0068】
比較例4
WO97−134に記載された実施例48に準じて、接着層用の塗布液としてシリコン含有量20%のアクリルシリコン樹脂エマルジョン水溶液に乾燥接着層中のSiO2 含有量が10%となるよう触媒化成(株)製カタロイドSI−350を添加して全体としての乾燥固形分を20%に調整した。また光触媒層塗布液として、日本エアロジル社の光触媒用酸化チタンP−25を固形分として30%、触媒化成(株)製シリカゾルカタロイドSI−30を固形分として20%、日産化学(株)製アルミナゾル−200を乾燥固形分として10%、シリコン含有量20重量%のアクリルシリコン樹脂エマルジョン水溶液を不揮発残分として35%、シランカップリング剤として日本ユニカー(株)製トリ(β−メトキシエトキシ)ビニルシランを不揮発残分として5%を、全体として10%の乾燥残分になるよう調製した。これらの塗布液を用いて、康井精機(株)製マイクログラビア印刷機を使用して三菱レイヨン(株)製アクリルフィルム「アクリプレンHBS−006」50μm厚のフィルムに塗布したが、接着層の乾燥硬化が不十分で成膜することはできなかった。そこで、卓上型バーコーターで同じ接着層の塗布液と光触媒層の塗布液を使用して三菱レイヨン(株)製の上述のアクリルフィルム上に塗工し、乾燥温度80℃で乾燥したが、乾燥時間は1時間必要であった。この光触媒担持アクリルフィルムを、厚み1mmのポリエステル樹脂塗装鋼板を5×5cmに切り出したものの表面に張りつけ、実施例2と同様の方法と条件により熱ラミネート加工した。この光触媒担持フィルムを熱ラミネート加工したポリエステル塗装鋼板の耐汚染性、油分解活性、抗菌性、防カビ性、付着性、耐久性は上記表1に示したとおり、油分解活性、耐久性等において劣ていた。このように、接着層塗布液にシランカップリング剤を含有することなく調製されたこの光触媒担持フィルムの塗装鋼板への適用は不適切なものであった。
【0069】
【発明の効果】
本発明の光触媒担持フィルムをラミネート加工した金属板は、高い光触媒活性を有し、耐久性に優れ、防汚、抗菌、防カビ等を目的とする、屋外建築材料、屋内建材、道路周辺設置施設、屋外看板、屋外標識、家庭電気機器、各種照明器具、厨房、キッチン、トイレ、浴室に設置される機器や設備などに使用可能で、かつ価格性能比に優れている。また、本発明による接着層と光触媒層を設けた光触媒担持フィルムは、生産性も高く毎分数十m以上の速度で成膜できる上に、この光触媒担持フィルムを各種金属板にラミネート加工する際も加工条件を最適化することによって毎分数m以上の高速度で加工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光触媒担持フィルムをラミネートした樹脂断面の模式図である。

Claims (17)

  1. 硬化剤としてシランカップリング剤を含有する接着層塗布液の塗布により形成される接着層を介して光触媒層が担持された高分子樹脂フィルムからなる光触媒担持フィルムを、加熱加圧処理によって金属板の表面にラミネート加工することにより得られ、かつ大気中温度25℃、相対湿度70%の状態でUV−A領域の紫外線を3mW/cm照射した時にトリオレインを5μg/cm・日 以上分解し得る光触媒活性を有することを特徴とする光触媒担持フィルムをラミネート加工した金属板。
  2. 高分子樹脂フィルムが、2種以上の樹脂フィルムをラミネート加工したフィルムであることを特徴とする請求項記載の光触媒担持フィルムをラミネート加工した金属板。
  3. 高分子樹脂フィルムが、ポリカーボネート樹脂、2種以上のポリメチルメタクリレート樹脂又はポリアクリレート樹脂の共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、又はセロファン樹脂の中から選ばれた樹脂であることを特徴とする請求項又は記載の光触媒担持フィルムをラミネート加工した金属板。
  4. 高分子樹脂フィルムの膜厚が、5〜200μmであることを特徴とする請求項からのいずれか記載の光触媒担持フィルムをラミネート加工した金属板。
  5. 接着層塗布液として、ポリシロキサンを10〜50重量%含有するシリコン変性樹脂、又は、コロイダルシリカを5〜30重量%含有するシリコン変性樹脂を2〜20重量%含む塗布液に、硬化剤としてシランカップリング剤を塗布液に対して0.1〜5重量%添加した接着層塗布液を用いることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の光触媒担持フィルムをラミネート加工した金属板。
  6. 接着層塗布液として、モノアルキルトリメトキシシラン又はその加水分解生成物であるポリシロキサンを1〜10重量%とシリカゾルを0.1〜5重量%含む塗布液に、硬化剤としてシランカップリング剤を塗布液に対して0.1〜5重量%添加した接着層塗布液を用いることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の光触媒担持フィルムをラミネート加工した金属板。
  7. 接着層の厚みが、0.5〜5μmであることを特徴とする請求項からのいずれか記載の光触媒担持フィルムをラミネート加工した金属板。
  8. 光触媒層が、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、マグネシウム、ニオビウム、タンタラム及びタングステンの金属の酸化物ゾルからなる群から選ばれる1以上である金属酸化物ゾルを固形分として1〜10重量%、酸化チタンゾルを固形分として1〜10重量%含有することを特徴とする請求項からのいずれか記載の光触媒担持フィルムをラミネート加工した金属板。
  9. 光触媒層が、シリカゾルを1〜10重量%、モノアルキルトリメトキシシラン又はその加水分解生成物を1〜10重量%、及び酸化チタンゾルを1〜10重量%含有することを特徴とする請求項からのいずれか記載の光触媒担持フィルムをラミネート加工した金属板。
  10. 光触媒層の厚みが、0.1〜5μmであることを特徴とする請求項又は記載の光触媒担持フィルムをラミネート加工した金属板。
  11. 金属板が、鉄板、鋼板、アルミ板、アルミ合金板の中から選ばれた1種の金属板であることを特徴とする請求項1から10のいずれか記載の光触媒担持フィルムをラミネート加工した金属板。
  12. 金属板が、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂の中から選ばれた1種又は2種以上の樹脂によって単一層又は複層被覆された樹脂被覆金属板、塗装金属板、又は琺瑯加工金属板であることを特徴とする請求項1から11のいずれか記載の光触媒担持フィルムをラミネート加工した金属板。
  13. 金属板の形状が、板状、管状、又は波板状のものであることを特徴とする請求項1から12のいずれか記載の光触媒担持フィルムをラミネート加工した金属板。
  14. 高分子樹脂フィルムに、硬化剤としてシランカップリング剤が添加された接着層塗布液を塗布・乾燥した後、この接着層に光触媒層塗布液を塗布・乾燥して、高分子樹脂フィルム上に接着層を介して光触媒層を担持した光触媒担持フィルムを調製し、この光触媒担持フィルムを加熱加圧処理によって金属板の表面にラミネート加工することを特徴とする光触媒担持フィルムがラミネート加工された金属板の製造方法。
  15. 請求項1から13のいずれか記載の光触媒担持フィルムをラミネート加工した金属板を、少なくとも一部に使用してなる照明器具用反射板、屋外看板もしくは屋外標示板、家庭用電気製品、ガードレール又は道路標識。
  16. 高分子樹脂フィルム上に接着層を介して光触媒層が担持された光触媒担持高分子樹脂フィルムの調製に用いる光触媒接着層用コーティング剤であって、ポリシロキサンを10〜50重量%含有するシリコン変性樹脂、又は、コロイダルシリカを5〜30重量%含有するシリコン変性樹脂を2〜20重量%含む接着層塗布液に、硬化剤としてシランカップリング剤を塗布液に対して0.1〜5重量%添加したことを特徴とする光触媒接着層用コーティング剤。
  17. 高分子樹脂フィルム上に接着層を介して光触媒層が担持された光触媒担持高分子樹脂フィルムの調製に用いる光触媒接着層用コーティング剤であって、モノアルキルトリメトキシシラン又はその加水分解生成物であるポリシロキサンを1〜10重量%とシリカゾルを0.1〜5重量%含む接着層塗布液に、硬化剤としてシランカップリング剤を塗布液に対して0.1〜5重量%添加したことを特徴とする光触媒接着層用コーティング剤。
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