JP2006061792A - 光触媒構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 紫外線の量が少なく光の条件に恵まれない微弱光の環境下でも機能する高い触媒反応効率を持ち、加えて光触媒が機能しない暗所下においても抗菌機能を有しながら、さらに透明性、屈曲性等に優れた光触媒機能性フィルムに係る光触媒構造を提供する。
【解決手段】 疎水性フイルム基材の表面を基礎層により親水性化し、この親水性の基礎層上に水溶性の光触媒不活性の酸化チタンからなる親水性を保持した中間層を共有結合により形成し、この中間層上に水溶性の光触媒活性酸化チタンと銅イオンからなる光触媒層を共有結合により形成する構造としているので、光触媒層を疎水性フイルム基材に均一且つ確実な塗膜として簡易に形成できることになり、高い光触媒活性と常時抗菌性を併せ持つ光触媒フイルムが得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、疎水性フイルム基材上に、銅イオンが配合された水溶性の光触媒活性を有する酸化チタンの塗膜を確実に形成出来ると共に、高い光触媒反応効率を有し且つ光触媒が機能しない暗所下においても抗菌機能を発揮する光触媒構造に関するものである。
一般に、光触媒酸化チタンのコート膜は太陽光や蛍光灯の光に含まれる紫外線を吸収すると、空気中の酸素や水分と反応して、その表面でスーパーオキサイドアニオンやヒドロキシラジカルの活性酸素種を発生させる。
現在、光触媒酸化チタンは、その強い酸化分解作用で有機物を分解し、抗菌・防カビ、消臭、空気浄化、水質浄化、さらには親水性作用による防汚等の環境浄化材として期待されている。
この光触媒酸化チタンには、ルチル型、ブルッカイト型、アナターゼ型の3種類の結晶形がある。
これら結晶形の酸化チタンの中でも、アナターゼ型酸化チタンは、最も優れた光触媒活性を起こすことから、ほとんどすべての光触媒酸化チタンコート剤に用いられている。
現在、屋内環境下への光触媒化は、抗菌・消臭・VOC対策が主目的である。
中でも、食材に関連する分野や健康に関連する分野においては、抗菌対策が主目的となっている。
抗菌処理は現在様々な商品になされているが、その抗菌処理剤としては、有機系と銀・銅などの無機系、新しいものとして光触媒酸化チタン等の触媒系とに分けることができる。
中でも光触媒酸化チタンによる抗菌は、その優れた殺菌効果に加え菌の内毒素まで分解することができる。
即ち、光触媒は殺菌効果だけでなく解毒作用も併せ持っているという他の抗菌剤にない特徴を持っている。
また、酸化チタンは触媒であることから抗菌機能が低下したり消滅することがなく、環境や人体に無害でありながら細菌を制することができる等のメリットも兼ね備えている。
さらに光触媒酸化チタンが、他の抗菌処理剤に較べ最も注目を集めている点は、抗菌機能を発揮しながら同時に消臭機能を発揮する等多機能であることである。
しかし、この光触媒は、注目度・期待度が高い割には、まだまだ市場への浸透度は低いと云わざる得ない。その理由としては、実用化技術・塗布技術の未熟等から、現実には期待する効果が得られていないことに起因していると考えられる。
例えば、その光触媒化の手段の一つに現場施工があるが、抗菌処理を必要とする塗布対象部材には撥水性の高い樹脂等の平滑面が多く、その場合、常温下の施工では塗膜の基材への密着が悪く塗膜硬度も低いままのため、摩擦に弱く実用に耐えれない現実がある。
また、塗膜の定着にも長時間を要し、ケースによってはコーティング後すぐには使用できないという問題点も抱えている。
また、食材関連分野の施設内、食材や医療品の搬送車内によく使用されるアルミやステンレス等のアルカリ金属やアルカリ金属メッキ面へのコーティングとなると、アルカリ金属イオンの溶出で光触媒活性が著しく損なわれ、塗膜も定着しにくい現象を起こしてしまう。
さらに、現場での光触媒コーティング作業では、通常はスプレーガンを使用するが、コート剤の付着効率が低く、人の作業ではどうしても均一な塗膜も得られにくいことから、施工効率も低くまた施工品質が確保しにくい現状もあった。
この光触媒化において、光触媒機能性フイルムを披着体に貼り付ける方式とすれば、現場コーティングで定着しにくい疎水性部材であっても、簡単に貼り付けが可能で、また均一な光触媒性能も得られる。
さらに作業効率にも優れることから、短時間で抗菌機能や消臭機能等の光触媒機能を付与でき、施工コストの低コストも図ることができる。
また、アルカリ金属系の非鉄金属や金属メッキ面上においても、フィルム基材がアルカリ金属イオンを遮断することから、何の問題もなく光触媒効果が得られることになる。
加えて、貼り付け後すぐに稼働させることが出来るメリットやフィルムの張り替えも簡単で、メンテナンスもスムーズに行えるメリットがある。
但し、この光触媒機能性フイルムでも、光の条件が低下する施設内や搬送車内等では光触媒活性は低下して、抗菌・消臭等の光触媒効果が十分発揮されにくい問題点は同じと云える。
光触媒機能を付与したフィルムとしては、特開2003−41034号公報に開示されている。
この光触媒機能性フィルムは、基材のプラスチックフィルム上に有機高分子化合物と金属系化合物の化学結合物を含有する有機無機複合材料による有機無機複合傾斜膜を介して、その上に無機系バインダーを介した光触媒活性材料層を形成させたものである。
特開2003−41034号公報
従来の光触媒機能性フィルムは以上のように構成されていたことからも解るように、有機物基材のフイルム上に光触媒層を形成する場合には、光触媒が活性時に基材となるフイルムの有機物を侵し、また基材フイルムから剥離してしまう為、有機物基材と光触媒層の間に無機層を形成しなければならないという課題を有する。
また、光の条件が低下する屋内環境下でも、抗菌・消臭等の光触媒効果が発揮できる、触媒反応効率に優れた光触媒塗膜を形成できないという課題も有する。これは以下の理由による。すなわち、この光触媒酸化チタンは、あくまでも光によって励起され触媒活性を起こすことから、光のない暗所下では光触媒が機能しないからである。また、光の条件が低下する屋内環境下では、絶対紫外線量不足から光触媒活性も低下して、抗菌・消臭等の光触媒効果が十分発揮されにくい問題点も抱えている。また現在、可視光域でも光励起する可視光応答型光触媒酸化チタンも開発されているが、屋内では可視光量が少なく、また紫外線に較べ可視光はエネルギー量が低いことから、いずれにしろ抗菌・消臭等の光触媒効果が十分発揮されにくい問題点は変わらない。
この問題点に対応すべく、ブラックライト等紫外線を多く出すライトの追設で、光触媒効果を発揮するに必要な紫外線量を確保する方法もあるが、虫が集まりやすい点や設備費の問題等で受け入れられない個所も多い。特に、食材関連分野の施設内や食材・医療品の搬送車内部、その他抗菌を必要とする様々な施設内は、窓のないケースが多く、蛍光灯のみの光源では紫外線量可視光量とも少なく、また消灯後は光触媒が機能しないことから、期待する効果を発揮する光触媒活性にまで至らないケースが多い。
こういった問題が解消されていないため、食材関連分野の施設内や食材・医療品の搬送車内部、その他抗菌を必要とする様々な分野等への抗菌機能を主目的とした光触媒化は、注目度・期待度が高い割にはユーザーの評価を得れず、まだまだ浸透度は低い。
この有機物基材と光触媒層の間に無機層を形成するコート剤としては、常温下では光触媒活性を起こさず、かつ光触媒酸化チタンとの相性がよい水溶性で不活性酸化チタンのアモルファス型過酸化チタン液を用いることも考えることができる。
しかし、この水溶性で不活性酸化チタンのアモルファス型過酸化チタン液では、水溶性であるが故に、疎水性基材上では液が弾かれ撥水現象を生じせることから、共有結合に至らず、結果として定着しないという技術的な課題を有していた。
このように、有機物の疎水性基材と光触媒層との間に形成される無機層の不活性酸化チタン層が確実に定着しないことから、この不活性酸化チタン層上に形成される光触媒層も確実な定着が不可能であった。
また、わずかな紫外線量しかない微弱光の環境下でも機能する光触媒性能を得るためには、塗膜の触媒反応効率を高める必要がある。
そのためには、無機層上に光触媒層を緻密に成膜化する必要があることと、成膜面における触媒反応面積を確保して吸着効率を高め、さらに塗膜の光の吸収効率をも高める必要がある。
この光触媒としてのアナターゼ型酸化チタンを含有するコート剤としては、従来より様々なものが提供されている。
その形態としては、粉体の酸化チタンを水溶性化させたものに有機のエマルジョン樹脂等を定着剤として配合し塗膜の定着性を高めたもの、また粉体の酸化チタンを無機系バインダーに混合したもの、さらに有機分を含まず酸化チタンの共有結合のみで定着する、中性で透明性の高い水溶性の酸化チタンゾルタイプのもの等がある。
しかし、粉体酸化チタンに有機定着剤を配合したコート剤は、光触媒活性時に酸化チタンが塗膜内の有機分を分解し、また屋内のわずかな光の条件下でも紫外線の影響で有機分の劣化は徐々に進行することから、塗膜が経時的に劣化してしまい屋内の使用でも問題が残った。
また、粉体アナターゼ型酸化チタンとバインダーの混合タイプでは、バインダー内に酸化チタン粒子が埋没することは避けられず、従って成膜面における触媒反応面積が減少することから、この点でも光触媒活性が低下するという問題を有する。
さらに、粉体の酸化チタンを使用するコート剤は、酸化チタンが白色顔料として使用されていることからも解るように白濁傾向を示すため、当然塗膜も白濁しやすく基材の意匠性を損ないがちであった。
そのため、透明性を確保する必要のあるコート剤は、粉体酸化チタンによる白濁化を押えるため、コート剤中のアナターゼ型酸化チタンの含有量を極端に低くしており、それでは光触媒活性がさらに低下することになり、抗菌・消臭等に必要な有機物分解力はほとんど見込めないという問題を有していた。
中でも、親水性を活用した屋外の防汚向けで、透明性を確保するため粉体酸化チタンの含有量を低く押えたバインダー方式のコート剤では、確かにフィルムの透明塗膜化は可能ではあるが、抗菌機能・消臭機能を発揮する為の重要な要素の一つである有機物分解力が低いことから、十分な抗菌効果・消臭効果も得られにくく、屋内環境下での使用には無理がある。
また、フィルムの光触媒化には、従来の製造技術ではコストがかかり過ぎ、この高コスト化も市場への普及を疎外していた。
また、特開2003−41034号公報に開示された光触媒フィルムは、基材上に有機無機複合材料による有機無機複合傾斜膜を介して、その上に無機系バインダーを介した光触媒層の二層で形成させたものであるが、有機無機複合傾斜膜の定着に80℃で15時間、さらにその上の光触媒層形成においても80℃で1時間程要することから製造工程に長時間を要し、結果として製造コストの高コスト化を招いている。
したがって、m2当りの製品単価も市場には受け入れにくい高単価となっている。
また、光触媒層は粉体アナターゼ型酸化チタンが無機系バインダーに混合されたものであることから、光触媒活性による有機物分解力の点で問題が残る。
しかもこのフィルムは、親水性を活用した屋外での防汚用として開発されたものであることから、抗菌・消臭の為の有機物分解力を必要とする屋内用としては実用的でないと云える。
本発明は、従来の光触媒フィルムが有する高コスト化の問題を解決し、紫外線の量が少なく光の条件に恵まれない微弱光の環境下でも機能する高い触媒反応効率を持ち、加えて光触媒が機能しない暗所下においても抗菌機能を有しながら、さらに透明性、屈曲性等に優れた光触媒機能性フィルムに係る光触媒構造を提供することを目的とするものである。また、かかる光触媒構造を低コストで製造可能とする方法をも提供するものである。
本発明者は、バインダーを介さず有機樹脂分を含まない水溶性で透明性の高い光触媒酸化チタンに銅イオンを配合し、さらにコーター装置に対応するレべリング性と速硬性持たせた、フイルム用光触媒酸化チタンコート剤を開発した。
この光触媒酸化チタンコート剤は、バインダーを介さないこととアナターゼ型酸化チタンの結晶形が扁平状の透明体であることから、成膜面における触媒反応を起こす表面積を高くでき、光の吸収効率にも優れた透明塗膜を形成できる。
それにより、吸着・分解する酸化チタンの特性が最大限に活かされ、加えて510nmの可視光域まで反応する可視光応答型でもあることから、高い触媒反応効率を得ている。
従って、成膜された光触媒層は、高効率で光触媒活性を発揮することに加え、銅イオンの働きで抗菌機能が強化され、しかも光触媒が機能しない暗所下においても抗菌機能を有することになるため、わずかな紫外線量しかない光の条件に恵まれない微弱光の環境下においても、これまで十分な抗菌・消臭効果が得られなかった問題点を解決できる性能を有している。
例えば、消臭機能等に加え、蛍光灯が点灯する昼間は光触媒と銅イオンの相乗効果で光触媒のみより優れた抗菌機能を発揮し、また光触媒活性が見込めない光のない夜間や全くの暗所下においても、抗菌機能が常に発揮されることになる。
本発明に係る光触媒構造は、疎水性フイルム基材の表面に形成される親水性の基礎層と、当該基礎層の上に水溶性の光触媒不活性の酸化チタンが共有結合して形成される中間層と、当該中間層上に銅イオンが配合された水溶性の光触媒活性を有する酸化チタンが共有結合して形成される光触媒層とから構成されるものである。
このように本発明においては、疎水性フイルム基材の表面を基礎層により親水性化し、この親水性の基礎層上に水溶性の光触媒不活性の酸化チタンからなる親水性を保持した中間層を共有結合により形成し、この中間層上に水溶性の光触媒活性酸化チタンと銅イオンからなる光触媒層を共有結合により形成する構造としているので、光触媒層を疎水性フイルム基材に均一且つ確実な塗膜として簡易に形成できることになり、高い光触媒活性と常時抗菌性を併せ持つ光触媒フイルムが得られる。
また、本発明に係る光触媒構造は必要に応じて、疎水性フイルム基材、基礎層、中間層及び光触媒層が透明体で形成されるものである。
このように本発明においては、疎水性フイルム基材上に、基礎層、中間層及び光触媒層がいずれも透明体で形成する構成としているので、貼り付ける部材の透明性・意匠性を確保できる。
さらに、光触媒層はバインダーを介さず且つ有機成分を含有することなく共有結合により形成されることから、成膜面における触媒反応面積も高くまた膜密度も高いためより触媒反応効率が高くなり、且つ光の吸収効率にも優れることから、高効率の光触媒活性と常時抗菌性との双方を両立することができる。
また、本発明に係る光触媒構造を形成する透明プラスチック系フイルム基材は、コート装置に装着可能であれば特に制限されない。
また、フィルム基材は必ずしも透明でなくとも構わない。
上記プラスチック系フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、セルロース系樹脂フィルム、フッ素系樹脂フィルム等が挙げられる。
また、本発明に係る光触媒構造は、必要に応じて、疎水性フイルム基材を抗菌機能を必要とする施設内の壁面や食材・医療品搬送車内面等に貼着するものである。
このように本発明においては、疎水性フイルム基材を施設内の壁面や食材・医療品搬送車内面等に貼着するようにしているので、表面を光触媒層とすることにより、簡易に光触媒機能に加え常時抗菌機能を付与でき、均一な光触媒品質の施工も可能となる。
また、本発明に係る光触媒構造は必要に応じて、基礎層が、疎水性フイルム基材の表面を加工して親水性化されて形成されるものである。
このように本発明においては、疎水性フイルム基材の表面を加工処理して親水性化して基礎層を形成するようにしているので、疎水性フイルム基材の表面上に各々水溶性の中間層及び光触媒層を簡単且つ確実に塗膜化できる。
また、本発明に係る光触媒構造は必要に応じて、中間層がアモルファス型過酸化チタンのペルオキソチタン酸水溶液を主成分とするものである。
このように本発明においては、中間層を透明のアモルファス型過酸化チタンのペルオキソチタン酸水溶液を主成分としているので、共有結合により塗膜を形成した場合に、強い結合力により強固な塗膜とすることができる。
また、本発明に係る光触媒構造は必要に応じて、光触媒層がアモルファス型過酸化チタンのペルオキソチタン酸水溶液と銅イオンが配合されたアナターゼ型酸化チタン分散液のペルオキソ改質アナターゼゾルとの混合液を主成分とするものである。
このように本発明においては、光触媒層をアモルファス型過酸化チタンのペルオキソチタン酸水溶液と銅イオンが配合されたアナターゼ型酸化チタン分散液のペルオキソ改質アナターゼゾルとの混合液を主成分としていることから、共有結合の結合力が弱いアナターゼ型酸化チタンを共有結合力が強いアモルファス型過酸化チタンで補強して強固な塗膜を形成すると共に、アナターゼ型酸化チタンで光触媒活性を確保し、さらに銅イオンの働きで抗菌機能を向上させている。
また、本発明に係る光触媒構造は必要に応じて、中間層及び/又は光触媒層の少なくとも一層が、共有結合を促進させる手段として水酸化リチウムを添加して構成されるものである。
このように本発明においては、中間層及び/又は光触媒層の少なくとも一層が、水酸化リチウムを添加して構成されることから、各層の共有結合に要する時間を短縮できることとなり、各塗膜の定着を促進して低温下でも短時間で塗膜を硬化させることができる。
また、本発明に係る光触媒構造は必要に応じて、基礎層、中間層、光触媒層のうち少なくとも一層が、グラビアコート方式のマイクログラビアコート装置で形成されるものである。
このように本発明においては、基礎層、中間層、光触媒層のうち少なくとも一層が、グラビアコート方式のマイクログラビアコート装置で形成されることから、均一で緻密な塗膜を短時間で大量に且つ低コストで製造できる。
また、本発明に係る光触媒構造は必要に応じて、基礎層で100[℃]〜150[℃]の温度で1分間の加熱処理、中間層で45[℃]〜90[℃]の温度で1分間の加熱処理、光触媒層で110[℃]〜150[℃]の温度で1分間の加熱処理を、塗膜形成処理と同時進行で行うものである。
このように本発明においては、基礎層で100[℃]〜150[℃]の温度で1分間の加熱処理、中間層で45[℃]〜120[℃]の温度で1分間の加熱処理、光触媒層で110[℃]〜150[℃]の温度で1分間の加熱処理を、塗膜形成処理と同時進行で行うことから、より短時間で共有結合できることとなり、製造工程を迅速化できる。
また、本発明に係る光触媒構造は必要に応じて、基礎層の平均膜厚が60〜120[nm]、前記中間層の膜厚が60〜90[nm]、前記光触媒層の平均膜厚が40〜60[nm]で形成されるものである。
このように本発明においては、基礎層、中間層及び光触媒層の各平均膜厚を各々特定の厚みとすることにより、確定な光触媒活性と抗菌性を確保しつつ白濁化(ヘイズ)を抑制できると共に、干渉色の発生を防止できる。
本発明の一実施形態に係る光触媒構造を図1に基づいて説明する。この図は本実施形態に係る光触媒構造の断面構造説明図である。
同図において本実施形態に係る光触媒構造は、疎水性フイルム基材1の表面に表面処理剤を塗布して形成される親水性の基礎層2と、この基礎層2の上に水溶性の光触媒不活性の酸化チタンが共有結合して形成される中間層3と、この中間層3上に水溶性の光触媒活性と銅イオンが配合された酸化チタンが共有結合して形成される光触媒層4とから構成される。
前記疎水性フイルム基材1は、プラスチック系フイルムが用いられ、耐熱性が確保され且つグラビアコート装置に装着可能なフイルムの厚さを必要とし、加熱温度及びグラビアコート装置の条件により厚さ50[μm]とすることもできる。
この疎水性フイルム基材1に対する前記基礎層2、中間層3、光触媒層4の積層コート方法としては、薄膜化でも塗膜形成が可能なグラビアコート方式がふさわしく、さらに加熱装置を備えるものが望ましい。
このグラビアコート装置は、他のコート方法の装置に較べても、より均一に塗布することができ、精度の高い薄膜形成を可能とするマイクログラビアコーターが最も望ましい。
まず、疎水性フイルム基材上1への一層目コートとして前記マイクログラビアコーター(図示を省略する)で、表面処理剤を毎分10[m]の速度でフィルム上にコートして基礎層2を形成する。
この基礎層2の形成過程は、100[℃]の加熱状態を1分間継続する加熱処理を行いながら、未定着(半乾燥)の状態でフィルムを巻き取る。
この場合の最適塗布量は、m2当り5ccで、その時の平均膜厚は60[nm]となる。
表面処理剤は、エチレングリコール、水、メタノール等を調製した混合液である。
前記基礎層2上への二層目コートとして、前記マイクログラビアコーターで、無機層形成のための不活性酸化チタンコート剤を毎分10[m]の速度でフィルム上にコートして中間層3を形成する。
この中間層3の形成過程は、60[℃]の過熱状態を1分間継続する加熱処理を行いながら、完全定着の状態(共有結合が完了した状態)で前記基礎層2が積層された疎水性フィルム基材1を巻き取る。
この場合の中間層3を形成するための最適塗布量は、m2当り10[cc]で、その時の平均膜厚は60[nm]となる。
この中間層3を形成する水溶性で不活性酸化チタンコート剤は、アモルファス型過酸化チタンのペルオキソチタン酸水溶液を主成分としたものである。
具体的には、四塩化チタンにアンモニア水を滴下し水酸化チタンを沈殿させた後、過酸化水素水を添加して得られ、さらに加熱による塗膜の速硬化とレべリング性向上と親水性保持を目的として水酸化リチウムや分散媒等を配合し、チタン含有量が0.85[重量%]となるよう調製したものである。
前記中間層3上への三層目コートとして前記マイクログラビアコーターで、水溶性の光触媒酸化チタンコート剤を毎分10[m]の速度でフィルム上にコートして光触媒層4を形成する。
この光触媒層4の形成過程は、130[℃]の過熱状態を1分間継続する加熱処理を行いながら、完全定着の状態(共有結合が完了した状態)で前記基礎層2、中間層3が積層された疎水性フイルム基材1を巻きとる。
この場合の光触媒層4を形成するための最適塗布量は、m2当り10[cc]で、その時の平均膜厚は40[nm]となる。
この光触媒層4を形成する水溶性の光触媒酸化チタンコート剤は、アモルファス型過酸化チタンのぺルオキソチタン酸水溶液と銅イオンが配合されたアナターゼ型酸化チタン分散液のペルオキソ改質アナターゼゾルとの混合液を主成分としたものである。
具体的には、四塩化チタンにアンモニア水を滴下し水酸化チタンを沈殿させた後、過酸化水素水を添加して得られるアモルファス型過酸化チタンのペルオキソチタン酸水溶液と、同ペルオキソチタン酸水溶液を過熱することによって得られるアナターゼ型酸化チタン分散液のペルオキソ改質アナターゼゾルに銅イオンを配合し混合させたものに、さらに加熱による塗膜の速硬化とレべリング性向上を目的として水酸化リチウムや分散媒等を配合し、チタン含有量が0.85[重量%]となるよう調製したものである。
このペルオキソチタン酸水溶液と銅イオンが配合されたペルオキソ改質アナターゼゾルとの混合液で形成された光触媒層4は、アナターゼ型酸化チタンの結晶形が扁平状であることとバインダーを介さないことから、成膜面における触媒反応面積を高くできるため、触媒反応効率が高く薄膜下でも優れた光触媒活性と常時抗菌性を発揮できる。
疎水性フイルム基材1上に表面処理剤で形成される基礎層2の平均膜厚は、60〜120[nm]がふさわしく、60[nm]がより望ましい。
この基礎層2の平均膜厚が60[nm]を下回ると、疎水性フイルム基材1の親水性化が十分でなくなる恐れがあり、また120[nm]を上回るとヘイズがより顕著に見られるようになる。
また、前記基礎層2上に不活性酸化チタンコート剤で形成される中間層3の平均膜厚は、60〜90[nm]の範囲がふさわしく、60[nm]がより望ましい。
この中間層3の平均膜厚が60[nm]を下回ると、光触媒層4下の中間層としての機能が十分発揮されない恐れがあり、また90[nm]を上回ると、塗膜上に酸化チタンの光彩現象による干渉色がより顕著に認められるようになる。
また、中間層3上に光触媒酸化チタンコート剤で形成される光触媒層4の平均膜厚は、40〜60[nm]がふさわしく、40[nm]がより望ましい。
この光触媒層4の平均膜厚が40[nm]を下回ると、光触媒機能や銅イオンの抗菌機能が低下する恐れがあり、また60[nm]を上回ると、塗膜上に酸化チタンの光彩現象による干渉色がより顕著に認められるようになる。
そして、上記コート方法により得られる本実施形態に係る光触媒機能に常時抗菌機能を併せ持つ光触媒機能性フィルムは、光触媒層4が有機分を含まない完全無機塗膜となることから塗膜の耐久性にも優れ、かつ高活性で高透明の塗膜を形成することができ、施設内で使用される種々の建材や既存の構造物に簡易に光触媒機能・抗菌機能を付与することができる汎用性を有している。
また使用する水溶性の不活性酸化チタンコート剤の中間層3と光触媒酸化チタンコート剤の光触媒層4は、共に加熱により共有結合が進み塗膜が速硬化することから、短時間で大量のフィルムコートを可能にし、従来に較べ大幅な製造コストの低下を実現している。
さらに、マイクログラビアコーターの機種選定とコート技術の熟練により、毎分50[m]程度までのフィルムコートが可能と判断され、さらなる低コスト化も考えられる。
また、本実施形態に係る光触媒構造の光触媒機能性フィルムを披着体、例えば施設内のボードに貼ることで簡単に光触媒機能と常時抗菌機能を付与できることから、施工場所を選ばず容易に施工できて作業の高効率化を図ることができる。
さらにまた、光触媒施工費用の低コスト化及び高品質化も図ることができる。
[実施例]
以下、本発明の具体的なことを実施例1〜実施例9に基づいて詳細に説明する。
[実施例1]
基礎層2の表面処理剤、中間層3の不活性酸化チタンコート剤、光触媒層4の銅イオンを配合した光触媒酸化チタンコート剤について、それぞれのコート剤の疎水性フィルム上への成膜性を見た。
尚、フイルム基材は透明PETフイルムを使用し、コート方式はバーコート方式とし、使用するバーコーター装置は簡易タイプを使用し、コートフィルムのサイズは210[mm]×297[mm]のA4サイズとした。
疎水性フイルム基材1上への一層目のコート剤である表面処理剤は、エチレングリコール、水、メタノール等を調製することによって得られる。
二層目のコート剤である中間層2を形成するための不活性酸化チタンコート剤は、アモルファス型過酸化チタンのペルオキソチタン酸水溶液を主成分とし、加熱による塗膜の速硬化とレべリング性向上と親水性保持を目的として水酸化リチウムや分散媒等を配合し、チタン含有量が0.85[重量%]となるよう調製することによって得られる。
三層目のコート剤である光触媒層4を形成するための光触媒酸化チタンコート剤は、アモルファス型過酸化チタンのペルオキソチタン酸水溶液と銅イオンが配合されたアナターゼ型酸化チタン分散液のペルオキソ改質アナターゼゾルとの混合液を主成分とし、加熱による塗膜の速硬化とレべリング性向上を目的として水酸化リチウムや分散媒等を配合し、チタン含有量が0.85[重量%]となるよう調製することによって得られる。
尚、コート剤の塗布量は、それぞれのコート剤の固形分から機能上必要な膜厚を推定し、当初の設定として、表面処理剤はm2当り5[cc]、その上に塗布する不活性酸化チタンコート剤をm2当り20[cc]、光触媒酸化チタンコート剤をそれぞれm2当り20[cc]とした。
また、バーコーターのコート速度は、コート剤の粘度等から計算して、毎分10[m]の速度となるようフィルム上にコートすることとした。
一層目コートとして基礎層2の表面処理剤がm2当り5[cc](平均膜厚60[nm])、二層目コートとして中間層3の不活性酸化チタンコート剤がm2当り20[cc](平均膜厚120[nm])、三層目コートとして光触媒層4の光触媒酸化チタンコート剤がm2当り20[cc](平均膜厚80[nm])となるようバーコートし、それぞれの工程でコート剤が収縮現象を見せずレべリングし塗膜形成するかの成膜性を、自然乾燥下で目視により確認した。
基礎層2の表面処理剤の成膜性については、フィルム上で収縮現象を見せずレべリングし塗膜形成することが認められた。
塗膜乾燥後、基礎層2上での不活性酸化チタンコート剤も、収縮現象を見せずレべリングし塗膜形成することが認められた。
さらに塗膜乾燥後、不活性酸化チタンからなる中間層3上での光触媒酸化チタンコート剤も、収縮現象を見せずレべリングし塗膜形成することが認められた。
これは、一層目コートの表面処理剤が疎水性フイルム基材1の疎水性に負けないレべリング性を持つここと、また疎水性フイルム基材1上を親水性化させることから、その上にコートする水溶性である中間層3の不活性酸化チタンコート剤が収縮現象を見せず塗膜を形成でき、且つ親水性も保持した塗膜となるため、その上の光触媒層4の光触媒酸化チタンコート剤も収縮現象を見せず塗膜形成できたと考える。
以上のことから、これまでは、疎水性フイルム基材上に光触媒層と基材との間の無機層形成の為に、水溶性コート剤を直接基材に塗布した場合に液の収縮現象で塗膜形成できなかったものが、無機層形成の前段階として、一層目に基礎層2を形成して親水性化させることが有効であると認められた。
但し、上記方法により自然乾燥下で形成した塗膜では、定着性に問題を残し、24時間経過後においても、指で擦ると簡単に塗膜に傷が付くことで、実用上問題であることが認められた。
また、コート液の乾燥にも時間を要することから塗膜の乾燥・定着には、やはり一定の加熱処理を行う必要が認められた。
さらに、コート面には干渉色が多く認められ、透明フィルムの質感を損なうものであった。
また、この塗膜の干渉色は二層目コート以後に発生するもので、酸化チタンの光彩現象によってもたらされる現象であり、塗布量の問題と簡易タイプのバーコート方式では均一に塗れなかったためと判断できた。
[実施例2]
次に、疎水性フイルム基材1であるPETフィルム上への表面処理コートにおいて、表面処理剤の塗布量を変えて最適塗布量を探った。
表面処理剤の塗布量を、m2当り5[cc](平均膜厚60[nm])と10[cc](平均膜厚120[nm])の2種類とし、その上に塗布する不活性酸化チタンコート剤をm2当り20[cc]と設定した。
尚、m2当りの塗布量が5[cc]以下では、表面処理としての必要な性能が得れないと判断して除外した。
尚、コート方法は、簡易タイプよりもより成膜性に優れたバーコート方式のコントロールコーターを選択し、コートフィルムのサイズは、実施例1と同じとした。
前記方法により製造したコートフィルムに対し、表面処理剤の成膜性、塗膜のヘイズ、その上に中間層3を形成する不活性酸化チタンコート剤の成膜性を、自然乾燥下で目視により確認した。
すなわち、以下2種類(比較例1及び比較例2)について比較した。
(比較例1)
一層目コートとして基礎層2を形成する表面処理剤がm2当り5[cc]、二層目コートとして中間層3を形成する不活性酸化チタンコート剤がm2当り20[cc]となるようバーコートし、それぞれの工程で自然乾燥させコートフィルムの試料を得た。
(比較例2)
一層目コートとして基礎層2を形成する表面処理剤がm2当り10[cc]、二層目コートとして中間層3を形成する不活性酸化チタンコート剤がm2当り20[cc]となるようバーコートし、それぞれの工程で自然乾燥させコートフィルムの試料を得た。
上記2種類のコートフイルムについて比較したところ、基礎層2を形成する表面処理剤の成膜性については、比較例1と比較例2のいずれもフィルム上で収縮現象も見せずレべリングし塗膜形成することが認められた。
また、塗膜のヘイズについては、比較例1に問題は見られなかったが、比較例2ではややヘイズが見られ、若干ではあるが透明性を損なうものと認められた。
また、基礎層2上への不活性酸化チタンコート剤の成膜性については、比較例1と比較例2のいずれも収縮現象を見せずレべリングし塗膜形成することが認められた。
以上のことから、上記2種類のコート方法を比較すると、基礎層2を形成する表面処理剤の最適塗布量は、フイルムの透明性が確保され、また不活性酸化チタンコート剤の成膜性も両立する、比較例1のm2当り5[cc]がより好ましいと認められた。
尚、その場合の基礎層2の平均膜厚は60[nm]となる。
[実施例3]
次に、疎水性フイルム基材1の表面に積層された基礎層2上への中間層3の形成において、中間層3を形成する不活性酸化チタンコート剤の塗布量を変えて最適塗布量を探った。
尚、基礎層を2を形成する表面処理剤の塗布量をm2当り5[cc]と設定し、その上にコートする中間層3を形成する不活性酸化チタンコート剤の塗布量をm2当り5[cc](平均膜厚30[nm])、10[cc](平均膜厚60[nm])、15[cc](平均膜厚90[nm])、20[cc] (平均膜厚120[nm])の4種類とし、さらにその上にコートする光触媒層4を形成する光触媒酸化チタンコート剤はm2当り20[cc]と設定した。
尚、m2当りの塗布量が5[cc]以下では、無機層形成としての必要な性能が得れないと判断して除外した。
尚、コート方法は実施例2と同じとした。
前記方法により製造した光触媒機能性フィルムに対し、中間層3を形成するための不活性酸化チタンコート剤の成膜性、塗膜の親水性とヘイズと干渉色、その上にコートする光触媒層4を形成するための光触媒酸化チタンコート剤の成膜性を、自然乾燥下で目視により確認した。
尚、親水性については、塗膜乾燥後にコート面上に水を流して、水が親水し且つ保水性も有しているかで評価した。
すなわち、以下の4種類(比較例3、比較例4、比較例5、比較例6)について比較した。
(比較例3)
一層目コートとして基礎層2の表面処理剤がm2当り5[cc]、二層目コートとして中間層3の不活性酸化チタンコート剤がm2当り5[cc]、三層目コートとして光触媒層4の光触媒酸化チタンコート剤がm2当り20[cc]となるようバーコートし、それぞれの工程で自然乾燥させコートフィルムの試料を得た。
(比較例4)
一層目コートとして基礎層2の表面処理剤がm2当り5[cc]、二層目コートとして中間層3の不活性酸化チタンコート剤がm2当り10[cc]、三層目コートとして光触媒層4の光触媒酸化チタンコート剤がm2当り20[cc]となるようバーコートし、それぞれの工程で自然乾燥させコートフィルムの試料を得た。
(比較例5)
一層目コートとして基礎層2の表面処理剤がm2当り5[cc]、二層目コートとして中間層3の不活性酸化チタンコート剤がm2当り15[cc]、三層目コートとして光触媒層4の光触媒酸化チタンコート剤がm2当り20[cc]となるようバーコートし、それぞれの工程で自然乾燥させコートフィルムの試料を得た。
(比較例6)
一層目コートとして基礎層2の表面処理剤がm2当り5[cc]、二層目コートとして中間層3の不活性酸化チタンコート剤がm2当り20[cc]、三層目コートとして光触媒層4の光触媒酸化チタンコート剤がm2当り20[cc]となるようバーコートし、それぞれの工程で自然乾燥させコートフィルムの試料を得た。
上記4種類のコートフィルムについて比較したところ、中間層3を形成する不活性酸化チタンコート剤の成膜性については、比較例3〜比較例6のいずれも収縮現象を見せずレべリングし塗膜形成することが認められた。
また、塗膜の親水性については、比較例3では塗膜が水で流れ落ちる現象が見られた。
これは、中間層3の膜厚不足により、水が基礎層2まで滲みこみ、自然乾燥下ではまだ定着不十分な表面処理剤ごと流し落したためと判断された。
比較例4〜比較例6は塗膜が水で流れ落ちることもなく、中間層2形成の段階で親水性が認められた。
また、塗膜のヘイズについては、比較例3〜比較例6に問題は見られず、優れた透明性であることが認められた。
また、塗膜の干渉色については、比較例3と比較例4については目視では認められなかったが、実施例5では塗膜に干渉色がやや認められ、実施例6については干渉色がより増す傾向が見られた。
これは、コート剤の塗布量が増えるにつれ、バーコート方式ではコート剤が均一に塗れずコートムラによるものと判断された。
但し、比較例5の干渉色程度までは、さらに均一に塗れるコート装置を選択することで問題ないレベルまで解消できると判断されるものであった。
また、不活性酸化チタン層からなる中間層3上への光触媒酸化チタンコート剤の成膜性については、比較例3を除く、比較例4〜比較例6のいずれも収縮現象を見せずレべリングし塗膜形成することが認められた。
以上のことから、上記4種類のコート方法を比較すると、中間層3を形成する不活性酸化チタンコート剤の最適塗布量は、m2当り10〜15[cc]の範囲が好ましく、さらに比較例4のm2当り10[cc]が、光触媒層下の必要機能を十分確保し、また塗膜の干渉色も認められず、親水性、透明性も両立していることからより最適であると認められた。
尚、その場合の中間層3の平均膜厚は60[nm]となる。
[実施例4]
次に、中間層3上への光触媒層4の形成において、光触媒酸化チタンコート剤の塗布量を変えて最適塗布量を探った。
基礎層2を形成する表面処理剤の塗布量をm2当り5[cc]、中間層3を形成する不活性酸化チタンコート剤の塗布量をm2当り10[cc]と設定し、その上にコートする光触媒層4を形成する光触媒酸化チタンコート剤の塗布量を、m2当り5[cc](平均膜厚20[nm])、10[cc](平均膜厚40[nm])、15[cc](平均膜厚60[nm])、20[cc](平均膜厚80[nm])の4種類とした。
尚、m2当りの塗布量が、5[cc]以下では光触媒としての必要な性能が得れないと判断して除外した。
尚、コート方法は実施例2と同じとした。
前記方法により製造した光触媒フィルムに対し、光触媒層4を形成する光触媒酸化チタンコート剤の成膜性、塗膜の触媒活性度、親水性、ヘイズ、干渉色を自然乾燥下で目視により確認した。
尚、触媒活性度は、紫外線照射装置を用いて予めコーティング面に紫外線を照射(1[mW/cm2])しておき、その上に蒸留水で10[mg/l(無水重量基準)]に希釈した試験液メチレンブルーを塗布し、乾燥後に紫外線を再び照射(1[mW/cm2])し、その際の褪色反応で評価しており、光触媒製品技術協議会の基準に従い、1時間後に目視でメチレンブルーの着色が認められないことで評価した。
尚、親水性については、塗膜乾燥後にコート面上に水を流して、水が親水しかつ保水性も有しているかで評価した。
すなわち、以下4種類(比較例7、比較例8、比較例9、比較例10)について比較した。
(比較例7)
一層目コートとして基礎層2の表面処理剤がm2当り5[cc]、二層目コートとして中間層3の不活性酸化チタンコート剤がm2当り10[cc]、三層目コートとして光触媒層4の光触媒酸化チタンコート剤がm2当り5[cc]となるようバーコートし、それぞれの工程で自然乾燥させコートフィルムの試料を得た。
(比較例8)
一層目コートとして基礎層2の表面処理剤がm2当り5[cc]、二層目コートとして中間層3の不活性酸化チタンコート剤がm2当り10[cc]、三層目コートとして光触媒層4の光触媒酸化チタンコート剤がm2当り10[cc]となるようバーコートし、それぞれの工程で自然乾燥させコートフィルムの試料を得た。
(比較例9)
一層目コートとして基礎層2の表面処理剤がm2当り5[cc]、二層目コートとして中間層3の不活性酸化チタンコート剤がm2当り10[cc]、三層目コートとして光触媒層4の光触媒酸化チタンコート剤がm2当り15[cc]となるようバーコートし、それぞれの工程で自然乾燥させコートフィルムの試料を得た。
(比較例10)
一層目コートとして基礎層2の表面処理剤がm2当り5[cc]、二層目コートとして中間層3の不活性酸化チタンコート剤がm2当り10[cc]、三層目コートとして光触媒層4の光触媒酸化チタンコート剤がm2当り20[cc]となるようバーコートし、それぞれの工程で自然乾燥させコートフィルムの試料を得た。
上記4種類の光触媒機能性フィルムについて比較したところ、光触媒層4を形成する光触媒酸化チタンコート剤の成膜性については、比較例7〜比較例10のいずれも収縮現象を見せずレべリングし塗膜形成することが認められた。
また、触媒活性度については、比較例7では1時間経過してもメチレンブルーの着色が見られたが、比較例8〜比較例10においては1時間以内でメチレンブルーの着色が見られず、光触媒の活性化が良好に行われていることが認めらた。
また、親水性については、比較例7〜比較例10のいずれも親水性は認められた。
また、塗膜のヘイズについては、比較例7〜比較例10に問題は見られず、高い透明性を持つものと認められた。
また、塗膜の干渉色については、比較例7では干渉色は認められなかった。
比較例8は塗膜にわずかに干渉色が認められ、比較例9より比較例10と、光触媒酸化チタンコート剤の塗布量が多くなる程、より干渉色が増す傾向が見られた。
これは、中間層3の酸化チタンと重合するため、より干渉色が出やすくなったことと、バーコート方式ではコート剤が均一に塗れなかったためと判断された。
但し、比較例9の干渉色程度までは、さらに均一に塗れる装置を選択することで問題ないレベルまで解消できると判断されるものであった。
以上のことから、上記4種類のコート方法を比較すると、光触媒層4を形成する光触媒酸化チタンコート剤の最適塗布量は、m2当り10〜15[cc]の範囲が好ましく、さらに比較例8のm2当り10[cc]が光触媒活性と親水性を両立し、さらに高透明性で塗膜の干渉色も目視でわずかに認めらる範囲であることから、より最適であることが認められた。
尚、その場合の光触媒層4形成の平均膜厚は、40[nm]となる。
[実施例5]
PETフィルム上へのコートに際し、乾燥・定着化のための加熱最適温度を、基材の疎水性フィルム基材1が耐えれる範囲内で探った。
尚、コート方法は、コート剤の塗布ムラによる干渉色を解消する必要から、バーコーターよりもより成膜性に優れ、また加熱装置を備えたグラビアコート方式のマイクログラビアコーターによるコートを選択した。
また、疎水性フイルム基材1は、実機コートにおける実際の流れを確認する必要から、1050[mm]幅のロールフィルムを用いた。
尚、コート剤塗布量は、前記実施例より最適塗布量と判断された塗布量とした。
すなわち、基礎層2を形成する表面処理剤をm2当り5[cc]、中間層3を形成する不活性酸化チタンコート剤をm2当り10[cc]、光触媒層4を形成する光触媒酸化チタンコート剤をm2当り10[cc]とした。
コート速度も、実施例1と同じ毎分10[m]の速度で疎水性フィルム基材1上にコートすることとした。
加熱温度は各工程同一とし、使用するフィルムの耐熱温度が150[℃]であることから、設定温度を自然乾燥、90[℃]、110[℃]、130[℃]、150[℃]の5種類とし、加熱時間はコート速度に連動して1分とした。
尚、自然乾燥を対象例1とし、加熱処理を比較例とした。
前記方法により製造した光触媒機能性フィルムに対し、加熱温度による各コート剤の成膜性、塗膜の定着性、触媒活性度、親水性、屈曲性、ヘイズ値を確認した。
すなわち、以下5種類(対象例1、比較例11、比較例12、比較例13、比較例14)について比較した。
(対象例1)
マイクログラビアコーターにより、一層目コートとして基礎層2の表面処理剤がm2当り5[cc]、二層目コートとして中間層3の不活性酸化チタンコート剤がm2当り10[cc]、三層目コートとして光触媒層4の光触媒酸化チタンコート剤がm2当り10[cc]となるようコートし、それぞれの工程で自然乾燥させコートフィルムの試料を得た。
(比較例11)
マイクログラビアコーターにより、一層目コートとして基礎層2の表面処理剤をm2当り5[cc]、二層目コートとして中間層3の不活性酸化チタンコート剤をm2当り10[cc]、三層目コートとして光触媒層4の光触媒酸化チタンコート剤をm2当り10[cc]の割合でコートし、それぞれの工程で90℃の加熱温度で1分間の加熱処理を行いコートフィルムの試料を得た。
(比較例12)
マイクログラビアコーターにより、比較例11と同じ塗布量とコート方法にてコートし、それぞれの工程で110[℃]の加熱温度で1分間の加熱処理を行いコートフィルムの試料を得た。
(比較例13)
マイクログラビアコーターにより、比較例11と同じ塗布量とコート方法にてコートし、それぞれの工程で130[℃]の加熱温度で1分間の加熱処理を行いコートフィルムの試料を得た。
(比較例14)
マイクログラビアコーターにより、比較例11と同じ塗布量とコート方法にてコートし、それぞれの工程で150[℃]の加熱温度で1分間の加熱処理を行いコートフィルムの試料を得た。
上記5種類のコート方法により製造した光触媒機能性フィルムの試験結果を表1に示す。
Figure 2006061792
ここで、成膜性は、各層形成の段階でコート剤が収縮現象を見せずレべリングし塗膜形成するか否かを目視によって評価しており、中間層3と光触媒層4形成段階でコート剤が収縮現象を見せずレべリングし塗膜形成したものを○、中間層3と光触媒層4形成段階のいずれかでコート剤の収縮現象が見られたものを△、中間層3と光触媒層4形成段階のいずれもコート剤の収縮現象が見られたものを×で表している。
また、定着性は、コート後塗膜を指触した際の傷の有無で評価しており、温度低下後すぐに塗膜を指触した際に傷が付かなかったものを○、24時間以内で傷が付かなくなったものを△、24時間経過後でも傷が付くものを×で表している。
また、触媒活性度は、紫外線照射装置を用いて予めコーティング面に紫外線を照射(1[mW/cm2])しておき、その上に蒸留水で10[mg/l(無水重量基準)]に希釈した試験液メチレンブルーを塗布し、乾燥後に紫外線を再び照射(1mW/cm2)し、その際の褪色反応で評価しており、光触媒製品技術協議会の基準に従い、1時間後に目視でメチレンブルーの着色が認められないものを○、1時間以上経過しても着色が認められるものを×で表している。
また、親水性は、暗所に放置し24時間経過した後に、コート面上に水を流して、水が親水し且つ保水性も有しているものを○、そうでないものを×で表している。
さらに、親水性の度合いを示す水の接触角測定も、接触角測定器を用い、予め1[mW]の紫外線を1時間照射の後、温度25[℃]湿度50[%]下で同時に測定した。
また、屈曲性は、2[mm]ステンレス棒に5[cm]幅のフィルムを、コート面を外側にして2R曲げ試験を行い、膜の屈曲部を顕微鏡2500倍で観察し、塗膜に変化が見られないものを○、クラックや膜剥離等が見られるものを×で表している。
また、ヘイズ値の測定は、濁度計にてJIS基準(JISK7361)に準拠して実施した。
上記5種類の光触媒機能性フィルムについて比較したところ、成膜性については、対象例1では各層形成において収縮現象を見せずレべリングし塗膜形成することが認められ、比較例11と比較例12においても、収縮現象を見せずレべリングし塗膜形成することが認められた。
比較例13では、光触媒層4の光触媒酸化チタンコート剤のコート段階で、やや収縮現象を見せた。
これは、中間層3を形成する不活性酸化チタンコート剤の乾燥性が高いことから、塗膜が加熱で乾燥し過ぎたことで撥水傾向を見せはじめ、光触媒層4を形成する光触媒酸化チタンコート剤が持つレべリング性ではカバーできなかったことによる
ものと判断された。
比較例14では、中間層3の不活性酸化チタンコート剤のコート段階から収縮現象を見せ、光触媒層4の光触媒酸化チタンコート剤のコート段階でも、比較例13と同様に収縮現象を見せた。
この中間層3の不活性酸化チタンコート剤のコート段階から収縮現象を見せたことは、基礎層2を形成する表面処理剤の塗膜が加熱で乾燥し過ぎたことで、親水基の減少となり撥水傾向を見せたため、不活性触媒酸化チタンコート剤が持つレべリング性ではカバーできなかったことによるものと判断された。
また、定着性については、対象例1では指で軽く触れても塗膜に傷が付き、24時間経過しても指触で傷が付くことが認められた。
比較例11においても、対象例1より勝るものの、24時間経過後も指触で塗膜に傷が付くことが認められた。
比較例12においては、やや塗膜に傷が付きまだ十分な定着に達していないことが認められたが、24時間後には傷が付かなくなっていた。
比較例13と比較例14の定着性は、塗膜に全く傷が付かず、さらに24時間後は乾いたウエスによる強い摩擦にも傷は見られず、メンテ等の実用化に耐え得る優れた塗膜強度を有していることが認められた。
また、触媒活性度については、対象例1では1時間以内でメチレンブルーの着色が見られず、光触媒の活性化が良好に行われていることが認められ、また、比較例11〜比較例14でも1時間以内でメチレンブルーの着色が見られず、対象例1と同じく良好な光触媒活性化が認められた。
また、親水性については、対象例1と比較例11〜比較例14のいずれも親水性が確保されていることが認められた。
ちなみに、対象例1と比較例11〜比較例14の水の接触角は3°以下であった。
また、屈曲性は、いずれの例もクラックや膜剥離の異常は見られなかった。
また、ヘイズ値は対象例1と比較例11〜比較例14のいずれも0.4[%]の値であった。
さらに、コートフィルムと基材フィルムの光の透過率の差を照度計により測定したが、コート膜における光の遮蔽はほとんど見られず99.5[%]以上の透過率を確保していると認められた。
また、塗膜の干渉色については、対象例1については、バーコーターよりも、より精度の高い薄膜化と均一な塗膜形成を可能とするマイクログラビアコーターによるコートのため、目視でほとんど識別出来ず実用上問題のないものであった。
比較例11と比較例12についても、目視でほとんど識別出来ず実用上問題のないものであった。
比較例13と比較例14については、目視でわずかに干渉色が認めらた。
また、比較例13より比較例14がより干渉色が増す傾向が認められた。
この干渉色は、比較例13については、中間層3を形成する不活性酸化チタンコート剤の塗膜が加熱で乾燥し過ぎたことで撥水傾向を見せ、光触媒層4を形成する光触媒酸化チタンコート剤のレべリング性がコート速度に追いつかなかったことによる光触媒層4のコートムラと判断された。
また、比較例14については、基礎層2を形成する表面処理剤塗膜が加熱で乾燥し過ぎたことで撥水傾向を見せたため、中間層3形成する不活性酸化チタンコート剤のレべリング性がコート速度に追いつかなかったことによるコートムラと、さらに中間層3を形成する不活性酸化チタンコート剤の塗膜も加熱で乾燥し過ぎたことで撥水傾向を見せたため、光触媒層4を形成する光触媒酸化チタンコート剤のレべリング性もコート速度に追いつかなかったことによるコートムラとが重複したものと判断された。
以上のことから、コート方法はマイクログラビアコーターによるコートがより最適と認められた。
また、上記5種類のコート方法を比較すると、定着促進のための加熱処理は比較例12でも実用上問題ないと思われるが、比較例13と14が塗膜の定着にはより優れていると認められた。
但し、中間層3と光触媒層4形成段階での各コート剤の成膜性や塗膜の干渉色を解消するためには、各層の成膜面における親水性の保持が重要で、そのため加熱処理は同一温度での加熱処理ではなく、それぞれのコート剤の乾燥性に合わせて、各工程で加熱温度を変える必要があると判断された。
[実施例6]
PETフィルム上へのコートに際し、中間層3形成時の加熱温度を下げることで、光触媒層4を形成する光触媒酸化チタンコート剤の成膜性が確保され、かつ塗膜が定着するかの可能性を探った。
コート方法は、実施例5と同じマイクログラビアコーターによるコートを選択し、基材フイルムも実施例5と同じとした。
尚、コート剤塗布量は、実施例4同じ表面処理剤をm2当り5[cc]、不活性酸化チタンコート剤をm2当り10[cc]、光触媒酸化チタンコート剤をm2当り10[cc]とした。
コート速度も、実施例5と同じ毎分10[m]の速度でフィルム上にコートすることとした。
加熱温度は、基礎層2と光触媒層4の加熱温度を130[℃]と設定し、中間層3の加熱温度を120[℃]、90[℃]、60[℃]、45[℃]、30[℃]の5種類とし、加熱時間はコート速度に連動して1分とした。
前記方法により製造した光触媒機能性フィルムに対し、光触媒層4形成における成膜性、塗膜の定着性を確認した。
ここで、成膜性は、光触媒酸化チタンコート剤が中間層3上で収縮現象を見せずレべリングし塗膜形成するか否かを目視によって評価しており、コート剤が収縮現象を見せずレべリング塗膜形成したものを○、わずかでも収縮現象が見られたものを×で表している。
尚、定着性の評価方法は実施例5と同じとした。
すなわち、以下5種類(比較例15、比較例16、比較例17、比較例18、比較例19)について比較した。
(比較例15)
マイクログラビアコーターにより、一層目コートとして基礎層2の表面処理剤をm2当り5cc、二層目コートとして中間層3の不活性酸化チタンコート剤をm2当り10[cc]、三層目コートとして光触媒層4の光触媒酸化チタンコート剤をm2当り10[cc]の割合でコートし、基礎層2形成工程で130[℃]の加熱温度で1分間の加熱処理、中間層3形成工程で120[℃]の加熱温度で1分間の加熱処理、光触媒層4形成工程で130[℃]の加熱温度で1分間の加熱処理を行い、コートフィルムの試料を得た。
(比較例16)
マイクログラビアコーターにより、塗布量及び基礎層2と光触媒層4の形成工程の加熱処理を比較例15と同じとして、中間層3形成工程の加熱処理を90[℃]の加熱温度で1分間としてコートフィルムの試料を得た。
(比較例17)
マイクログラビアコーターにより、塗布量及び基礎層2と光触媒層4の形成工程の加熱処理を比較例15と同じとして、中間層3形成工程の加熱処理を60[℃]の加熱温度で1分間としてコートフィルムの試料を得た。
(比較例18)
マイクログラビアコーターにより、塗布量及び基礎層2と光触媒層4の形成工程の加熱処理を比較例15と同じとして、中間層3形成工程の加熱処理を45[℃]の加熱温度で1分間としてコートフィルムの試料を得た。
(比較例19)
マイクログラビアコーターにより、塗布量及び基礎層2と光触媒層4の形成工程の加熱処理を比較例15と同じとして、中間層3形成工程の加熱処理を30[℃]の加熱温度で1分間としてコートフィルムの試料を得た。
上記5種類のコート方法により製造したフィルムの試験結果を表2に示す。
Figure 2006061792
上記5種類のコートフィルムについて比較したところ、成膜性については、比較例15ではコート剤の収縮現象がやや見られレべリングも不十分なため、塗膜にコートムラによる干渉色も認められた。
比較例16では、コート剤の収縮現象がほとんど見られなくなり、スムーズにレべリングし塗膜形成することから、塗膜の干渉色も実用上問題ないレベルまで下がった。
さらに、比較例17〜比較例19と加熱温度が低い程、光触媒層4を形成する光触媒酸化チタンコート剤の成膜性が高くなり、塗膜の干渉色もさらに認められなくなる傾向を示した。
これは、加熱温度が低い程、中間層3の成膜面における親水性が保持されやすいことから、光触媒層4を形成する光触媒酸化チタンコート剤の成膜性を高めたものと考える。
定着性については、比較例15〜比較例17の定着性は、塗膜に全く傷が付かず、さらに24時間後は乾いたウエスによる強い摩擦にも傷は見られず、優れた塗膜強度を有していることが認められた。
これは、中間層3を形成する不活性酸化チタンコート剤が低温下でも十分定着することと、最終光触媒層4の形成工程で130[℃]の加熱温度で1分間の加熱処理したことによるものと判断された。
比較例18は、やや塗膜に傷が付きまだ十分な定着に達していないことが認められたが、24時間後には傷が付かなくなっていた。
実施例19は、24時間経過後も指触で塗膜に傷が付くことが認められた。
以上のことから、上記5種類のコート方法を比較すると、中間層3を形成する工程での加熱温度は比較例18でも問題はないと判断されるが、比較例16と17が光触媒層4形成過程でコート剤の成膜性を損なわずかつ塗膜の定着性も両立されていることから最適と認められた。
さらに、光触媒酸化チタンコート剤の成膜性と塗膜の定着性のバランス上、中間層3形成における加熱処理は、比較例17の60[℃]の加熱状態を1分間継続することがより最適と判断される。
また、コート速度を高めた場合は、加熱時間が短縮されることから加熱温度は120[℃]程度でも光触媒層4を形成する光触媒酸化チタンコート剤の成膜性に問題はないものと判断される。
[実施例7]
PETフィルム上へのコートに際し、基礎層2形成時の加熱温度を130[℃]以下に下げることで、光触媒層4形成後の塗膜が定着するかの可能性を探った。
尚、コート方法は、実施例5と同じマイクログラビアコーターによるコートを選択し、基材フイルムも実施例5と同じとした。
尚、コート剤塗布量は、実施例4同じ表面処理剤をm2当り5[cc]、不活性酸化チタンコート剤をm2当り10[cc]、光触媒酸化チタンコート剤をm2当り10[cc]とした。
コート速度も、実施例5と同じ毎分10[m]の速度でフィルム上にコートすることとした。
加熱温度は、中間層3を60[℃]、光触媒層4を130[℃]と設定し、基礎層2の加熱温度を120[℃]、110[℃]、100[℃]、90[℃]の4種類とし、加熱時間はコート速度に連動して1分とした。
尚、90[℃]の加熱温度以下は、実施例5の結果から判断して、光触媒層4の形成過程で130[℃]の加熱状態を1分間継続する加熱処理しても十分な塗膜の定着が得れないと判断して除外した。
前記方法により製造した光触媒機能性フィルムに対し、塗膜の成膜性と定着性を確認した。
尚、評価方法は、実施例5と同じとした。
すなわち、以下4種類(比較例20、比較例21、比較例22、比較例23)について比較した。
(比較例20)
マイクログラビアコーターにより、一層目コートとして表面処理剤をm2当り5[cc]、二層目コートとして不活性酸化チタンコート剤をm2当り10[cc]、三層目コートとして光触媒酸化チタンコート剤をm2当り10[cc]の割合でコートし、基礎層2形成工程で120[℃]の加熱温度で1分間の加熱処理、中間層3形成工程で60[℃]の加熱温度で1分間の加熱処理、光触媒層4形成工程で130[℃]の加熱温度で1分間の加熱処理を行い、コートフィルムの試料を得た。
(比較例21)
マイクログラビアコーターにより、塗布量及び中間層3と光触媒層4形成工程の加熱処理を比較例15と同じとして、基礎層2形成工程の加熱処理を110[℃]の加熱温度で1分間としてコートフィルムの試料を得た。
(比較例22)
マイクログラビアコーターにより、塗布量及び中間層3と光触媒層4形成工程の加熱処理を比較例15と同じとして、基礎層2形成工程の加熱処理を100[℃]の加熱温度で1分間としてコートフィルムの試料を得た。
(比較例23)
マイクログラビアコーターにより、塗布量及び基礎層2と光触媒層4形成工程の加熱処理を比較例15と同じとして、基礎層2形成工程の加熱処理を90[℃]の加熱温度で1分間といてコートフィルムの試料を得た。
上記4種類のコート方法により製造したフィルムの試験結果を表3に示す。
Figure 2006061792
上記4種類のコートフィルムについて比較したところ、成膜性については、比較例20〜比較例23では、中間層3を形成する不活性酸化チタンコート剤の収縮現象が見られずスムーズにレべリングし塗膜形成することから、光触媒層4を形成する光触媒酸化チタンコート剤もスムーズな塗膜形成に至った。
従って塗膜の干渉色も実用上問題ないレベルのものであった。
これは、基礎層2の成膜面が、比較例の加熱温度下では半乾燥状態となることから、塗膜の親水性化が十分保持されているためと判断できる。
さらに、加熱温度が低い程、中間層3を形成する不活性酸化チタンコート剤の成膜性が高くなり、その上にコートする光触媒層4を形成するコート剤の成膜性も高めるため、塗膜の干渉色もさらに認められなくなる傾向を示した。
また、定着性については、比較例20〜比較例22の定着性は、塗膜に全く傷が付かず、さらに24時間後は乾いたウエスによる強い摩擦にも傷は見られず、優れた塗膜強度を有していることが認められた。
比較例23は、やや塗膜に傷が付きまだ十分な定着に達していないことが認められたが、24時間後には傷が付かなくなっていた。
以上のことから、上記4種類のコート方法を比較すると、基礎層2形成のための加熱処理は、コート速度を毎分10[m]とした場合、100[℃]〜130[℃]の加熱状態で1分間の範囲であれば塗膜形成に何ら問題ないものと判断された。
また、コート速度を高めた場合、加熱時間が短縮されることから加熱温度が150[℃]程度でも、中間層3を形成する不活性酸化チタンコート剤の成膜性に問題はないものと判断される。
それにより、コート速度と温度の相関関係から、より短時間で大量の光触媒機能性フイルム製造が可能と判断出来る。
したがって、光触媒機能性フイルム形成において、コート速度を毎分10[m]とした場合、基礎層2形成においてコート剤塗布量がm2当り5[cc]で100[℃]の加熱温度で1分間の加熱処理、中間層3形成においてコート剤塗布量がm2当り10[cc]で60[℃]の加熱温度で1分間の加熱処理、光触媒層4形成においてコート剤塗布量がm2当り10[cc]で130[℃]の加熱温度で1分間の加熱処理が最も最適であると認められた。
[実施例8]
次に、疎水性フィルム基材1とコート処理後の光触媒機能性フィルムとの光の透過率の差を正確に確認した。
尚、試験フィルムはマイクログラビアコーターにより、一層目コートとして基礎層の表面処理剤がm2当り5[cc]、二層目コートとして中間層の3の不活性酸化チタンコート剤がm2当り10[cc]、三層目コートとして光触媒層4の光触媒酸化チタンコート剤がm2当り10[cc]となるようコートし、コート速度を毎分10[m]とし、基礎層2形成工程で100[℃]1分、中間層3形成工程で60[℃]1分、光触媒層4形成工程で130[℃]1分の加熱処理を行ったものを使用した。
前記方法により製造した光触媒機能性フィルムに対し、正確さを期すため、基材フイルムとの光の透過率の差を、分光光度計を用いて測定した。
尚、分光光度計の測定波長域は、紫外線領域〜可視光域(700[nm])とした。
上記コート方法により製造した光触媒機能性フィルムの測定結果を、図2の疎水性フイルム基材1の透過率特性図と、図3の光触媒機能性フイルムの透過率特性図に示す。
光透過率の差については、疎水性フイルム基材1とコート後の光触媒機能性フイルムとの光の透過率の差はほとんど認められず、コート膜はほぼ100[%]に近い光透過率を確保していることが認められた。
但し、紫外線領域では、酸化チタンがUVカット効果を発揮することから、当然差は見られた。
以上のことから、本発明によるマイクログラビアコーターにより三層コートで製造された光触媒機能性フィルムは、コート膜における光の遮蔽は皆無に近く、優れた透明性を有するものであることが認められた。
[実施例9]
次に、本実施形態に係る光触媒構造に基づいて製造した光触媒機能性フィルムのの大腸菌と黄色ブドウ球菌における抗菌性を確認した。
この試験フィルムは、マイクログラビアコーターにより、一層目コートとして基礎層2の表面処理剤がm2当り5[cc]、二層目コートとして中間層3の不活性酸化チタンコート剤がm2当り10[cc]、三層目コートとして光触媒層4の光触媒酸化チタンコート剤がm2当り10[cc]となるようコートし、コート速度を毎分10[m]とし、基礎層2形成工程で100[℃]1分、中間層3形成工程で60[℃]1分、光触媒層4形成工程で130[℃]1分の加熱処理を行ったものを使用した。
試験方法は、45[mm]×45[mm]にカットした光触媒機能性フイルムを使用し、フ
イルムサンプルを滅菌シャーレにおき、4.5×105[CFU/ml]の菌液を100[μl]フイルム上に滴下した。
測定時間は、抗菌試験は通常24時間で行われているがより明確な差を見るため、0、1時間、3時間とし、光源は暗所下(照度0・紫外線強度0[μW/cm2])、蛍光灯下(照度200Lx・紫外線強度0.8[μW/cm2])、ブラックライト下(紫外線強度300[μW/cm2])でそれぞれ案脳させた。
各時間ごとに菌液を洗浄・回収し、回収した菌液を100[μl]をアイソレーションし、15時間・37[℃]で培養後、コロニーカウントを行った。
尚、抗菌性の確認は、未コートのフィルムを対照とし、本発明と全く同様の方法で光触媒層4に銅イオンを配合しない光触媒酸化チタンコート剤を使用した光触媒機能のみのフィルムAを作成し、本発明の銅イオン配合の光触媒機能性フイルムBとの三種類で比較した。
上記方法により、大腸菌の抗菌試験結果を表4に、黄色ブドウ球菌の抗菌試験結果を表5に示す。
Figure 2006061792
Figure 2006061792
上記表4と表5でわかるように、コートフイルムAの光触媒機能のみのフイルムとコートフイルムBの銅イオン配合の光触媒機能性フイルムとの抗菌性能について比較したところ、コートフイルムBについては、大腸菌・黄色ブドウ球菌のどちらも、各光源下でコロニー数の大幅な減少が確認された。
また、コートフイルムAでも微弱光の蛍光灯下においては、優れた触媒反応効率を持つため、3時間後では高い抗菌率を示している。
しかし、コートフイルムAより本発明のコートフイルムBの方が、より効果が顕著で抗菌力の向上が見られた。
これにより、本発明の光触媒機能性フイルムは、銅イオンを配合することによって光の条件の悪い微弱光の環境下においても優れた抗菌機能を発揮し、さらに光触媒が機能しない暗所下においても、高い抗菌機能を発揮すると解る。
以上のことから、本実施形態に係る光触媒構造に基づくグラビアコート方式のマイクログラビアコーターにより三層コートで製造された光触媒機能性フィルムは、高効率で光触媒活性を発揮することに加え、銅イオンの働きで抗菌機能が強化されており、光触媒が機能しない暗所下においても抗菌機能を有している。
そのため、わずかな紫外線量しかない光の条件に恵まれない微弱光の環境下において、これまで十分な抗菌・消臭効果が得られなかった問題点を解決できる性能を有していると云える。
プラスチック系フイルムの疎水性フイルム材料上に、基礎層を介し、この基礎層上に無機の中間層を介して高活性の光触媒層が設けられたものであって、高い有機物分解力を持ち、さらに光触媒機能のみより抗菌機能を向上させていることが解る。
また、本発明の光触媒構造が形成された塗膜は、マイクログラビアコーターにより、均一な薄膜化を実現していることから高い透明性も保持し、さらに耐摩耗性、屈曲性などにも優れ、フィルムに要求される品質を高いレベルで有していることが解る。
また、マイクログラビアコーターにより、三層コートの各工程で、コート後の加熱処理そして巻き取りと一連の連続製造工程を可能としたことで、光触媒機能性フィルムの製造コストの低コスト化と高品質化を両立させたことが解る。
それにより、光触媒化の施工品質が高まり、またフィルムを簡易に披着体に貼れることから施工場所を選ばず作業の高効率化が図れ、施工の低コスト化につながる。また、本発明の光触媒機能性フイルムは、光触媒機能に加え常時抗菌機能も付与できることから、環境浄化はもとよりハセップ対策の一環として、また食中毒やウイルス感染抑制等にも寄与することができるものである。
本発明の実施形態に係る光触媒構造の断面構造説明図である。 本発明の実施形態に係る光触媒構造における疎水性フィルム基材の光透過率特性図である。 本発明の実施形態に係る光触媒構造における光触媒機能性フィルムの光透過特性図である。
符号の説明
1 疎水性フィルム基材
2 基礎層
3 中間層
4 光触媒層

Claims (11)

  1. 疎水性フイルム基材の表面に形成される親水性の基礎層と、当該基礎層の上に水溶性の光触媒不活性の酸化チタンが共有結合して形成される中間層と、当該中間層上に光触媒活性を有し、銅イオンを配合した水溶性の酸化チタンが共有結合して形成される光触媒層から構成されることを
    特徴とする光触媒構造。
  2. 前記請求項1に記載の光触媒構造において、
    前記疎水性フイルム基材上に、基礎層、中間層及び光触媒層が透明体で形成されることを
    特徴とする光触媒構造。
  3. 前記請求項1又は2に記載の光触媒構造において、
    前記疎水性フィルム基材が、透明プラスチック系フィルムもしくは不透明プラスチック系フィルムであることを
    特徴とする光触媒構造。
  4. 前記請求項1ないし3のいずれかに記載の光触媒構造において、
    前記疎水性フィルム基材を抗菌機能を必要とする施設内の様々な材料面に貼着することを
    特徴とする光触媒構造。
  5. 前記請求項1ないし4のいずれかに記載の光触媒構造において、
    前記基礎層が、疎水性基材の表面を加工して親水性化されて形成されることを
    特徴とする光触媒構造。
  6. 前記請求項1ないし5のいずれかに記載の光触媒構造において、
    前記中間層がアモルファス型過酸化チタンのペルオキソチタン水溶液を主成分とすること
    を特徴とする光触媒構造。
  7. 前記請求項1ないし6のいずれかに記載の光触媒構造において、
    前記光触媒層がアモルファス型過酸化チタンのペルオキソチタン酸水溶液と銅イオンが配合されたアナターゼ型酸化チタン分散液のペルオキソ改質アナターゼゾルとの混合液を主成分としてなること
    を特徴とする光触媒構造。
  8. 前記請求項1ないし7のいずれかに記載の光触媒構造において、
    前記中間層及び/又は光触媒層の少なくとも一層が、水酸化リチウムを添加して構成されること
    を特徴とする光触媒構造。
  9. 前記請求項1ないし8のいずれかに記載の光触媒構造において、
    前記基礎層、中間層、光触媒層のうち少なくとも一層が、グラビアコート方式のマイクログラビアコート装置で形成されること
    を特徴とする光触媒構造。
  10. 前記請求項1ないし9のいずれかに記載の光触媒構造において、
    前記基礎層で100[℃]〜150[℃]の温度で1分間の加熱処理、前記中間層で45[℃]〜90[℃]の温度で1分間の加熱処理、前記光触媒層で110[℃]〜150[℃]の温度で1分間の加熱処理を、塗膜形成処理と同時進行で行うこと
    を特徴とする光触媒構造。
  11. 前記請求項1ないし10のいずれかに記載の光触媒構造において、前記基礎層の平均膜厚が60〜120[nm]、前記中間層の膜厚が60〜90[nm]、前記光触媒層の平均膜厚が40〜60[nm]であること
    を特徴とする光触媒構造。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100903582B1 (ko) 2007-11-12 2009-06-23 배동호 전기화학적 방법에 의하여 금속리튬이온이 인터컬레이션된 투명광촉매졸 및 그 제조방법
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