JPH10225658A - 機能性塗装品とその製造方法および用途 - Google Patents

機能性塗装品とその製造方法および用途

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JPH10225658A
JPH10225658A JP4608797A JP4608797A JPH10225658A JP H10225658 A JPH10225658 A JP H10225658A JP 4608797 A JP4608797 A JP 4608797A JP 4608797 A JP4608797 A JP 4608797A JP H10225658 A JPH10225658 A JP H10225658A
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健之 山木
Koichi Takahama
孝一 高濱
Toshiji Sako
利治 佐古
Koji Kishimoto
広次 岸本
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    • Y10T428/31667Next to addition polymer from unsaturated monomers, or aldehyde or ketone condensation product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材に対する塗膜の密着性に優れ、光触媒の
作用による基材および塗膜の劣化が起こりにくく、塗膜
表面の平滑性も高いため汚れ難く且つ高い光触媒作用を
持つ機能性塗装品と、その製造方法および用途を提供す
ること。 【解決手段】 塗装品は、基材表面に、アクリル変性シ
リコン樹脂コーティング材硬化被膜からなる第1塗装層
と、この第1塗装層の表面に形成された光触媒含有機能
性コーティング材硬化被膜からなる第2塗装層とを備え
る。塗装品の製造方法では、基材表面に第1塗装層とし
てアクリル変性シリコン樹脂コーティング材を塗布し半
硬化させた後、この半硬化状態の第1塗装層の表面に第
2塗装層として光触媒含有機能性コーティング材を塗布
し、両塗装層を硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒作用を持つ
機能性塗装品と、その製造方法および用途に関する。
【0002】
【従来の技術】コーティング材に光触媒を添加しておく
と、得られる塗膜は、紫外線を受けて、有機物の分解、
消臭、抗菌等の効果を発現する。このような光触媒作用
を持つコーティング材としては、たとえば、有機の樹脂
に光触媒粒子を分散した光触媒有機塗料が知られてい
る。しかし、光触媒有機塗料は、その塗膜を形成してか
ら長時間が経過すると、紫外線および光触媒作用により
該塗膜が劣化を起こすという欠点を持つ。
【0003】ケイ酸塩系、リン酸塩系またはジルコニウ
ム系の無機組成物に光触媒粒子を分散した無機塗料も光
触媒作用を持つコーティング材として知られている。し
かし、これらの光触媒無機塗料は、光触媒有機塗料に比
べて耐久性がはるかに勝るものの、いずれも200℃以
上での高温焼き付けが必要であるため、使用範囲が限ら
れ、耐熱性の劣る建材やプラスチックに直接塗布するの
には不適切であった。また、ケイ酸塩系の無機塗料は、
長期間使用するとアルカリが表面に溶出して白化現象を
起こしやすい欠点もあった。
【0004】特開昭62−57470号公報には、金属
アルコキシドを含有した無機塗料が開示されている。し
かし、この無機塗料は、200℃以下で硬化するもの
の、塗膜に柔軟性が無く、クラックが入りやすい問題が
あった。近年、多種多様な材料に塗料を用いる必要性か
ら、長期間使用しても光触媒性能を保持し、塗膜そのも
のに耐久性があり、かつ、低温硬化性の塗料が求められ
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平8−67835
号公報には、抗菌剤として、光触媒機能を有する成分で
ある光触媒を含有した抗菌性無機塗料が提案されてい
る。ところが、光触媒を基材に担持する場合、基材の制
約や密着性に難点があった。また、塗料中に光触媒が沈
降してしまい、光触媒の性能が若干発揮されにくいとい
う傾向があった。
【0006】そこで、特開平8−141503号公報で
は、光触媒を表面に担持し、高い光触媒性能を有する無
機塗料の塗膜の形成方法の改良が提案されている。しか
し、これも無機質基材への塗膜の密着性は高いが、プラ
スチック、有機塗装板等の表面のような有機表面への密
着性には欠ける。また、上記無機塗料の塗膜は、表面の
平滑性に欠けるので、汚れがつきやすいという欠点も持
つ。
【0007】また、光触媒を含有する塗料を有機基材や
有機塗装基材の表面に直接塗布すると、該基材が光触媒
の作用により劣化しやすいという問題があった。本発明
の課題は、各種下地基材に対する塗膜の密着性に優れ、
光触媒の作用による基材および塗膜の劣化が起こりにく
く、また、塗膜表面の平滑性も高いため汚れ難く、か
つ、高い光触媒作用を持つ機能性塗装品と、その製造方
法および用途を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る機能性塗装
品は、基材の表面に、アクリル変性シリコン樹脂コーテ
ィング材の硬化被膜からなる第1塗装層と、この第1塗
装層の表面に形成された機能性コーティング材(1)ま
たは(2)の硬化被膜からなる第2塗装層とを備える。
【0009】本発明に係る機能性塗装品の製造方法は、
基材の表面に、アクリル変性シリコン樹脂コーティング
材を塗布することにより、第1塗布層を形成させる工程
と、前記第1塗布層を半硬化させることにより、半硬化
層を形成させる工程と、前記半硬化層の表面に、機能性
コーティング材(1)または(2)を塗布することによ
り、第2塗布層を形成させる工程と、前記半硬化層と前
記第2塗布層を硬化させる工程と、を含む。
【0010】前記アクリル変性シリコン樹脂コーティン
グ材は、下記(A)、(B)、(C)および(D)成分
を含む。前記機能性コーティング材(1)は、下記
(E)および(F)成分を含む。前記機能性コーティン
グ材(2)は、下記(A)、(B)、(C)および
(F)成分を含む。(A)成分: 一般式R1 m SiX4-m …(I) で表される(ここでR1 は同一または異種の置換もしく
は非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、mは
0〜3の整数、Xは加水分解性基を示す。)加水分解性
オルガノシランを、有機溶媒、水またはそれらの混合溶
媒に分散されたコロイダルシリカ中で、前記加水分解性
基(X)1モル当量当たり水0.001〜0.5モルを
使用する条件下で部分加水分解してなる、オルガノシラ
ンのシリカ分散オリゴマー溶液。(B)成分: 平均組成式R2 a Si(OH)b (4-a-b)/2 …(II) で表され(ここでR2 は同一または異種の置換もしくは
非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよ
びbはそれぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦
3、a+b<4の関係を満たす数である。)、分子中に
シラノール基を含有するポリオルガノシロキサン。
(C)成分:硬化触媒。(D)成分: 一般式CH2 =CR3 (COOR4 ) …(III) で表される(ここでR3 は水素原子および/またはメチ
ル基を示す)モノマーであって、R4 が置換もしくは非
置換の炭素数1〜9の1価炭化水素基である第1の(メ
タ)アクリル酸エステルと、R4 がエポキシ基、グリシ
ジル基およびこれらのうちの少なくとも一方を含む炭化
水素基からなる群の中から選ばれる少なくとも1種の基
である第2の(メタ)アクリル酸エステルと、R4 がア
ルコキシシリル基および/またはハロゲン化シリル基を
含む炭化水素基である第3の(メタ)アクリル酸エステ
ルと、の共重合体であるアクリル樹脂。
【0011】なお、本明細書中、(メタ)アクリル酸エ
ステルは、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エス
テルのいずれか一方または両方を指す。(E)成分:
(E1 )一般式Si(OR5 4 で表されるケイ素化合
物および/またはコロイダルシリカ20〜200重量部
と、(E2 )一般式R6 Si(OR5 3 で表されるケ
イ素化合物100重量部と、(E3 )一般式R6 2 Si
(OR5 2 で表されるケイ素化合物0〜60重量部
と、の加水分解重縮合物からなり(ここでR5 、R6
1価の炭化水素基を示す)、その重量平均分子量がポリ
スチレン換算で800以上になるように調整されている
オルガノシロキサン。(F)成分:光触媒。
【0012】前記アクリル変性シリコン樹脂コーティン
グ材においては、前記(A)成分1〜94重量部に対
し、前記(B)成分1〜94重量部および前記(D)成
分5〜35重量部(ただし、前記(A)、(B)、
(D)成分の合計は100重量部である)が配合されて
いることが好ましい。前記アクリル変性シリコン樹脂コ
ーティング材は、顔料をも含むことができる。
【0013】前記基材は、金属基材、有機質基材および
これらのうちのいずれかの表面に有機物被膜を有する有
機塗装基材からなる群の中から選ばれていることが好ま
しい。本発明の機能性塗装品は、それを少なくとも一部
に装備させることにより、下記の用途に用いられること
が好ましい。
【0014】建物関連部材、建物用門およびそれに用い
るための部材(たとえば、門柱等)、建物用塀およびそ
れに用いるための部材、窓(たとえば、採光窓等)およ
びそれに用いるための部材(たとえば、窓枠等)、自動
車、機械装置、道路周辺部材(特に交通標識)、広告
塔、屋外または屋内用照明器具およびそれに用いるため
の部材(たとえば、樹脂部材、金属部材等)。
【0015】
【発明の実施の形態】機能性コーティング材(1)の
(E)成分であるオルガノシロキサン(E)の原料とし
て用いられるケイ素化合物(E1 )〜(E3 )は、 一般式R6 n Si(OR5 4-n …(IV) で総体的に表すことができる(ここでR5 、R6 は1価
の炭化水素基を示し、nは0〜2の整数)。
【0016】R6 としては、特に限定はされないが、た
とえば、炭素数1〜8の置換または非置換の1価の炭化
水素基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;2−フ
ェニルエチル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニ
ルプロピル基等のアラルキル基;フェニル基、トリル基
等のアリール基;ビニル基、アリル基等のアルケニル
基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,
3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換炭化水素
基;γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシ
プロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル
基、γ−メルカプトプロピル基等の置換炭化水素基等を
例示することができる。これらの中でも、合成の容易さ
或いは入手の容易さから炭素数1〜4のアルキル基およ
びフェニル基が好ましい。
【0017】また、R5 としては、特に限定はされない
が、たとえば、炭素数1〜4のアルキル基を主原料とす
るものが用いられる。特に、n=0のテトラアルコキシ
シランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシランなどが例示でき、n=1のオルガノトリアルコ
キシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメト
キシシランなどが例示できる。また、n=2のジオルガ
ノジアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシ
ラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキ
シシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニ
ルジメトキシシランなどが例示できる。
【0018】これらR5 、R6 は、ケイ素化合物
(E1 )〜(E3 )の間で同一のものであってもよい
し、違うものであってもよい。前記オルガノシロキサン
(E)は、たとえば、原料(E1 )〜(E3 )を適当な
溶剤で希釈し、そこに硬化剤としての水および触媒を必
要量添加して、加水分解および重縮合反応を行わせてプ
レポリマー化させることにより調製することができる
が、その際、得られるプレポリマーの重量平均分子量
(Mw)がポリスチレン換算で800以上、好ましくは
850以上、より好ましくは900以上になるように調
整する。プレポリマーの分子量分布(重量平均分子量
(Mw))が800より小さいときは、機能性コーティ
ング材の縮重合の際の硬化収縮が大きくて硬化後に塗膜
にクラックが発生しやすくなったりする。
【0019】オルガノシロキサン(E)を調製する際の
原料(E1 )〜(E3 )の使用量は、(E2 )100重
量部に対して、(E1 )20〜200重量部(好ましく
は40〜160重量部、より好ましくは60〜120重
量部)、(E3 )0〜60重量部(好ましくは0〜40
重量部、より好ましくは0〜30重量部)の割合であ
る。(E1 )の使用量が上記範囲より少ないと、硬化被
膜の所望の硬度が得られない(硬度が低くなる)という
問題があり、逆に上記範囲より多いと、硬化被膜の架橋
密度が高すぎて硬度が高くなりすぎ、そのためクラック
を発生しやすいという問題がある。また、(E3)の使用
量が上記範囲より多いと、硬化被膜の所望の硬度が得ら
れない(硬度が低くなる)という問題がある。
【0020】原料(E1 )として使用できるコロイダル
シリカとしては、特に限定はされないが、たとえば、水
分散性あるいはアルコールなどの非水系の有機溶媒分散
性コロイダルシリカが使用できる。一般に、このような
コロイダルシリカは、固形分としてのシリカを20〜5
0重量%含有しており、この値からシリカ配合量を決定
できる。また、水分散性コロイダルシリカを使用する場
合には、固形分以外の成分として存在する水は、後に示
すように、硬化剤として用いることができる。水分散性
コロイダルシリカは、通常、水ガラスから作られるが、
市販品として容易に入手することができる。また、有機
溶媒分散性コロイダルシリカは、前記水分散性コロイダ
ルシリカの水を有機溶媒と置換することで容易に調製す
ることができる。このような有機溶媒分散性コロイダル
シリカも水分散性コロイダルシリカと同様に市販品とし
て容易に入手することができる。有機溶媒分散性コロイ
ダルシリカにおいて、コロイダルシリカが分散している
有機溶媒の種類は、特に限定はされないが、たとえば、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類;
エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等
のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレ
ングリコール誘導体;およびジアセトンアルコール等を
挙げることができ、これらからなる群より選ばれた1種
もしくは2種以上を使用することができる。これらの親
水性有機溶媒と併用して、トルエン、キシレン、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、メチルエチルケトオキシムなども用いるこ
とができる。
【0021】なお、原料(E1 )としてコロイダルシリ
カを用いる場合、(E1 )の前記使用割合は分散媒も含
む重量部である。また、原料(E1 )〜(E3 )の加水
分解重縮合反応の際に用いられる硬化剤としては、水が
用いられるが、この量としては、ケイ素化合物(E1
〜(E3)のOR5 基1モル当量当たり、水0.01〜
3.0モルが好ましく、0.3〜1.5モルがさらに好
ましい。
【0022】原料(E1 )〜(E3 )の加水分解重縮合
反応の際に用いられる希釈溶剤としては、特に限定はさ
れないが、たとえば、コロイダルシリカの分散溶媒とし
て前述したものが使用できる。また、前記オルガノシロ
キサン(E)のpHは、特に限定されるわけではない
が、3.8〜6に調整することが好ましい。pHがこの
範囲内にあると、前記の分子量の範囲内で、安定してオ
ルガノシロキサン(E)を使用することができる。pH
が上記範囲外であると、オルガノシロキサン(E)の安
定性が悪くなるため、塗料調製時からの使用できる期間
が限られてしまう。ここで、pH調整方法は、特に限定
されるものではないが、たとえば、オルガノシロキサン
(E)の原料混合時、pHが3.8未満となった場合
は、たとえば、アンモニア等の塩基性試薬を用いて前記
範囲内のpHに調整すればよく、pHが6を超えた場合
も、たとえば、塩酸等の酸性試薬を用いて調整すればよ
い。また、pHによっては、分子量が小さいまま逆に反
応が進まず、前記分子量範囲に到達させるのに時間がか
かる場合は、オルガノシロキサン(E)を加熱して反応
を促進してもよいし、酸性試薬でpHを下げて反応を進
めた後、塩基性試薬で所定のpHに戻してもよい。
【0023】機能性コーティング材(1)は、加熱硬化
させる場合は硬化触媒を含む必要はないが、オルガノシ
ロキサン(E)の縮合反応を促進することによって機能
性コーティング材(1)の塗布被膜の加熱硬化を促進さ
せたり同塗布被膜を常温で硬化させたりする目的で必要
に応じて、硬化触媒をも含むことができる。硬化触媒と
しては、特に限定はされないが、たとえば、アルキルチ
タン酸塩類;オクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレート、
ジオクチル錫ジマレエート等のカルボン酸金属塩類;ジ
ブチルアミン−2−ヘキソエート、ジメチルアミンアセ
テート、エタノールアミンアセテート等のアミン塩類;
酢酸テトラメチルアンモニウム等のカルボン酸第4級ア
ンモニウム塩;テトラエチルペンタミン等のアミン類、
N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル
メチルジメトキシシラン等のアミン系シランカップリン
グ剤;p−トルエンスルホン酸、フタル酸、塩酸等の酸
類;アルミニウムアルコキシド、アルミニウムキレート
等のアルミニウム化合物;酢酸リチウム、酢酸カリウ
ム、蟻酸リチウム、蟻酸ナトリウム、リン酸カリウム、
水酸化カリウム等のアルカリ金属塩;テトライソプロピ
ルチタネート、テトラブチルチタネート、チタニウムテ
トラアセチルアセトネート等のチタニウム化合物;メチ
ルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメ
チルモノクロロシラン等のハロゲン化シラン類等が挙げ
られる。しかし、これらの他に、オルガノシロキサン
(E)の縮合反応の促進に有効なものであれば特に制限
はない。
【0024】機能性コーティング材(1)が硬化触媒
(C)をも含む場合、その量は、オルガノシロキサン
(E)に対し、好ましくは45重量%以下、より好まし
くは25%以下である。45重量%を超えると、塗料溶
液の貯蔵安定性を損なう可能性がある。機能性コーティ
ング材(1)および(2)の(F)成分として用いられ
る光触媒(光触媒(F))としては、特に限定はされな
いが、たとえば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化
ジルコニウム、酸化タングステン、酸化クロム、酸化モ
リブデン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化ルテニウム、酸
化コバルト、酸化銅、酸化マンガン、酸化ゲルマニウ
ム、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化バナジウム、酸化ニ
オブ、酸化タンタル、酸化ロジウム、酸化レニウム等の
酸化物等が挙げられる。これらの中でも、酸化チタン、
酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化タングステ
ン、酸化鉄、酸化ニオブが、100℃以下の低温で焼き
付け硬化を行った場合にでも活性を示す点から好まし
い。塗膜の透明性が必要とされる場合は、光触媒(F)
の平均一次粒子径が50μm以下であることが好まし
く、5μm以下であることがより好ましく、0.5μm
以下であることがさらに好ましい。光触媒(F)は、1
種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0025】光触媒(F)は、大気中で紫外線を照射さ
れると、活性酸素を発生する(光触媒性)ことは公知で
ある。活性酸素は、有機物を酸化、分解させることがで
きるため、その特性を利用して、塗装品に付着したカー
ボン系汚れ成分(たとえば、自動車の排気ガス中に含ま
れるカーボン留分や、タバコのヤニ等)を分解する自己
洗浄効果;アミン化合物、アルデヒド化合物に代表され
る悪臭成分を分解する消臭効果;大腸菌、黄色ブドウ球
菌に代表される菌成分の発生を防ぐ抗菌効果等を得るこ
とができる。また、塗膜表面に付着した、水をはじく有
機物等の汚れが光触媒(F)により分解除去されること
により、水に対する塗膜の濡れ性が向上するという効果
もある。この効果は、膜厚、光触媒含有量の大小に関わ
らず発現する。
【0026】光触媒(F)は、金属を担持したものであ
っても良い。担持してよい金属としては、特に限定はさ
れないが、たとえば、金、銀、銅、鉄、亜鉛、ニッケ
ル、コバルト、白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウ
ム、カドミウム等が挙げられ、これらの中から1種また
は2種以上を適宜選択して使用できる。金属の担持によ
り、光触媒(F)の電荷分離が促進されて光触媒作用が
より効果的に発揮される。金属を担持した光触媒(F)
は、光の存在下で酸化性能を有し、この酸化性能によっ
て脱臭、抗菌等の効果を奏する。更に、光触媒(F)を
層間に担持した粘土架橋体を用いても良い。光触媒
(F)を層間に導入することで、光触媒(F)が微粒子
に担持されて光触媒性能が向上する。
【0027】機能性コーティング材(1)または(2)
中における光触媒(F)の分散方法は特に限定されな
い。アクリル変性シリコン樹脂コーティング材および機
能性コーティング材(2)の(A)成分として用いられ
るシリカ分散オリゴマー溶液(A)は、硬化被膜形成に
際して、硬化反応に預かる官能性基としての加水分解性
基(X)を有するベースポリマーの主成分である。これ
は、たとえば、有機溶媒または水(有機溶媒と水との混
合溶媒も含む)に分散されたコロイダルシリカに、前記
一般式(I)で表される加水分解性オルガノシランの1
種あるいは2種以上を加え、水(コロイダルシリカ中に
予め含まれていた水および/または別途添加された水)
を前記加水分解性基(X)1モル当量当たり水0.00
1〜0.5モルを使用する条件下で、該加水分解性オル
ガノシランを部分加水分解することで得られる。
【0028】前記一般式(I)で表される加水分解性オ
ルガノシラン中の基R1 としては、同一または異種の置
換もしくは非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基であ
れば特に限定はされないが、たとえば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基;シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル
基;2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基、
3−フェニルプロピル基などのアラルキル基;フェニル
基、トリル基などのアリール基;ビニル基、アリル基な
どのアルケニル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピ
ル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などのハロ
ゲン置換炭化水素基;γ−メタクリロキシプロピル基、
γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル基などの置
換炭化水素基などを例示することができる。これらの中
でも、合成の容易さ、あるいは入手の容易さから炭素数
1〜4のアルキル基、フェニル基が好ましい。
【0029】前記一般式(I)中、加水分解性基Xとし
ては、特に限定はされないが、たとえば、アルコキシ
基、アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ
基、アミノキシ基、アミド基などが挙げられる。これら
の中でも、入手の容易さおよびオルガノシランのシリカ
分散オリゴマー溶液(A)を調製しやすいことから、ア
ルコキシ基が好ましい。
【0030】前記加水分解性オルガノシランの具体例と
しては、前記一般式(I)中のmが0〜3の整数である
モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−の各官能性のアルコキ
シシラン類、アセトキシシラン類、オキシムシラン類、
エノキシシラン類、アミノシラン類、アミノキシシラン
類、アミドシラン類などが挙げられる。これらの中で
も、入手の容易さおよびオルガノシランのシリカ分散オ
リゴマー溶液(A)を調製しやすいことから、アルコキ
シシラン類が好ましい。
【0031】アルコキシシラン類のうち、特に、m=0
のテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシランなどが例示でき、m=1の
オルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ
イソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
フェニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオ
ロプロピルトリメトキシシランなどが例示できる。ま
た、m=2のジオルガノジアルコキシシランとしては、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、メチルフェニルジメトキシシランなどが例示
でき、m=3のトリオルガノアルコキシシランとして
は、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシ
ラン、トリメチルイソプロポキシシラン、ジメチルイソ
ブチルメトキシシランなどが例示できる。さらに、一般
にシランカップリング剤と呼ばれるオルガノシラン化合
物もアルコキシシラン類に含まれる。
【0032】これらの前記一般式(I)で表される加水
分解性オルガノシランの内、50モル%以上、好ましく
は60モル%以上、より好ましくは70モル%以上は、
m=1で表される三官能性のものである。これが、50
モル%未満では十分な塗膜硬度が得られないとともに、
乾燥硬化性が劣りやすい。(A)成分中のコロイダルシ
リカは、コーティング材の硬化被膜の硬度を高くし、平
滑性と耐クラック性を改善する効果がある。コロイダル
シリカとしては、特に限定はされないが、たとえば、オ
ルガノシロキサン(E)の原料(E1 )として前述した
ものが使用できる。水分散性コロイダルシリカを用いる
場合、固形分以外の成分として存在する水は、前記加水
分解性オルガノシランの加水分解に用いることができる
とともに、コーティング材の硬化剤として用いることが
できる。
【0033】(A)成分中において、コロイダルシリカ
は、シリカ分として、好ましくは5〜95重量%、より
好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは20〜
85重量%の範囲内で含有される。含有量が5重量%未
満であると、所望の被膜硬度が得られなくなる傾向があ
る。一方、95重量%を越えると、シリカの均一分散が
困難となり、(A)成分がゲル化する、硬化被膜が硬く
なりすぎて同被膜のクラックの発生を招来しやすくなる
等の不都合を招来することがある。
【0034】なお、本明細書中、コーティング材におけ
る(A)成分の配合割合は、コロイダルシリカの分散媒
も含む値である。オルガノシランのシリカ分散オリゴマ
ー溶液(A)を調製する際に用いられる水の量は、前述
のように、前記加水分解性オルガノシランが持つ加水分
解性基(X)1モル当量当たり水0.001〜0.5モ
ルの範囲内、好ましくは0.01〜0.4モルの範囲内
である。水の使用量が0.001モル未満であると、十
分な部分加水分解物が得られず、0.5モルを越える
と、部分加水分解物の安定性が悪くなる。ここで、加水
分解性オルガノシランの部分加水分解反応における水の
上記使用量は、水を全く含まないコロイダルシリカ(た
とえば、分散媒として有機溶媒のみを用いたコロイダル
シリカ)を用いた場合は別途に添加された水の量であ
り、水を含むコロイダルシリカ(たとえば、コロイダル
シリカの分散媒として水のみまたは有機溶媒と水との混
合溶媒を用いたコロイダルシリカ)を用いた場合は、コ
ロイダルシリカ中に予め含まれていた水および別途添加
の水のうちの少なくともコロイダルシリカ中に予め含ま
れていた水の量である。水の量がコロイダルシリカ中に
予め含まれていた水だけで上記使用量に足りるならば別
途に水を添加しなくてもよいのであるが、水の量がコロ
イダルシリカ中に予め含まれていた水だけでは上記使用
量に足りない場合は、別途に水を上記使用量に達するま
で添加する必要がある。その場合、上記水の使用量は、
コロイダルシリカ中に予め含まれていた水と別途添加さ
れた水の合計量である。なお、コロイダルシリカ中に予
め含まれていた水だけで上記使用量に足りる場合でも、
別途に水を添加してもよく、その場合も、上記水の使用
量は、コロイダルシリカ中に予め含まれていた水と別途
添加された水の合計量である。ただし、この合計量が上
記上限(加水分解性基(X)1モル当量当たり0.5モ
ル)を超えないように別途に水を添加する。
【0035】加水分解性オルガノシランを部分加水分解
する方法は、特に限定されず、たとえば、加水分解性オ
ルガノシランとコロイダルシリカとを混合すればよい
(コロイダルシリカに水が全く含まれていないかあるい
は必要量含まれていない場合はここで水を添加配合す
る)。その際、部分加水分解反応は常温で進行するが、
部分加水分解反応を促進させるために、必要に応じ、加
温(たとえば、60〜100℃)するか、あるいは、触
媒を用いてもよい。この触媒としては、特に限定はされ
ないが、たとえば、塩酸、酢酸、ハロゲン化シラン、ク
ロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻
酸、プロピオン酸、グルタール酸、グリコール酸、マレ
イン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸など
の有機酸および無機酸等の1種または2種以上を用いる
ことができる。
【0036】(A)成分は、その性能を長期にわたり安
定して得るために、液のpHを、好ましくは2.0〜
7.0、より好ましくは2.5〜6.5、さらに好まし
くは3.0〜6.0にすると良い。pHがこの範囲外で
あると、特に水の使用量が加水分解性基(X)1モル当
量当たり0.3モル以上の条件下で(A)成分の性能持
続性の低下が著しい。(A)成分のpHが上記範囲外に
あるときは、この範囲より酸性側であれば、アンモニ
ア、エチレンジアミン等の塩基性試薬を添加してpHを
調整すれば良く、塩基性側であれば、塩酸、硝酸、酢酸
等の酸性試薬を用いてpHを調整すればよい。しかし、
その調整方法は特に限定されるものではない。
【0037】アクリル変性シリコン樹脂コーティング材
および機能性コーティング材(2)の(B)成分として
用いられるシラノール基含有ポリオルガノシロキサン
(B)は、硬化反応に預かる官能性基としての加水分解
性基を有するベースポリマーである(A)成分と縮合反
応して硬化被膜中に3次元架橋を形成するための架橋剤
であり、(A)成分の硬化収縮による歪みを吸収してク
ラック発生を防止する効果のある成分である。
【0038】(B)を表す前記平均組成式(II)中のR
2 としては、特に限定はされず、前記式(I)中のR1
と同じものが例示されるが、好ましくは、炭素数1〜4
のアルキル基、フェニル基、ビニル基、γ−グリシドキ
シプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−ア
ミノプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基
などの置換炭化水素基、より好ましくはメチル基および
フェニル基である。また、前記式(II)中、aおよびb
はそれぞれ前記の関係を満たす数であり、aが0.2未
満またはbが3を超えると硬化被膜にクラックを生じる
等の不都合がある。また、aが2を超え且つ4以下の場
合またはbが0.0001未満では硬化がうまく進行し
ない。
【0039】シラノール基含有ポリオルガノシロキサン
(B)は、特に限定されるわけではないが、たとえば、
メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フ
ェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、
もしくは、これらに対応するアルコキシシランの1種も
しくは2種以上の混合物を公知の方法により大量の水で
加水分解することにより得ることができる。シラノール
基含有ポリオルガノシロキサン(B)を得るために、ア
ルコキシシランを用いて公知の方法で加水分解した場
合、加水分解されないアルコキシ基が微量に残る場合が
ある。すなわち、シラノール基と極微量のアルコキシ基
とが共存するようなポリオルガノシロキサンが得られる
こともあるが、本発明においては、このようなポリオル
ガノシロキサンを用いても差し支えない。
【0040】アクリル変性シリコン樹脂コーティング材
および機能性コーティング材(2)の(C)成分として
用いられる硬化触媒(C)は、(A)成分と(B)成分
との縮合反応を促進し、被膜を硬化させる成分である。
硬化触媒(C)の例としては、機能性コーティング材
(1)が必要に応じて含んでいてもよい硬化触媒として
前に例示したものすべてが挙げられる。しかし、硬化触
媒(C)は、前に例示したもの以外に、(A)成分と
(B)成分との縮合反応の促進に有効なものであれば特
に制限はない。
【0041】アクリル変性シリコン樹脂コーティング材
に含まれる(D)成分として用いられるアクリル樹脂
(D)は、アクリル変性シリコン樹脂コーティング材の
硬化被膜の靭性を改善する効果を持ち、これによりクラ
ックの発生を防止して厚膜化を可能にする。また、アク
リル樹脂(D)は、アクリル変性シリコン樹脂コーティ
ング材の硬化被膜の3次元骨格となる(A)成分と
(B)成分との縮合架橋物に取り込まれて該縮合架橋物
をアクリル変性にする。前記縮合架橋物がアクリル変性
されると、アクリル変性シリコン樹脂コーティング材の
硬化被膜と基材との密着性が向上する。アクリル変性シ
リコン樹脂コーティング材の硬化被膜と、機能性コーテ
ィング材(1)または(2)の硬化被膜とは、いずれも
ポリシロキサン構造を持つシリコン樹脂硬化物であるた
め、両被膜相互の密着性は高い。そのため、機能性コー
ティング材(1)または(2)の硬化被膜と基材との間
に、それらとの密着性が高いアクリル変性シリコン樹脂
コーティング材の硬化被膜が介在することになるので、
結局、機能性コーティング材(1)または(2)の硬化
被膜と基材との密着性が向上する。
【0042】アクリル樹脂(D)の構成モノマーの一つ
である第1の(メタ)アクリル酸エステルは、それを表
す前記式(III) 中のR4 が炭素数1〜9の置換または非
置換の1価の炭化水素基、たとえば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基
等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基
等のシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、2−フ
ェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基等のアラル
キル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;クロロ
メチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフ
ルオロプロピル基等のハロゲン化炭化水素基;2−ヒド
ロキシエチル基等のヒドロキシ炭化水素基;等であるも
のの内の少なくとも1種である。
【0043】アクリル樹脂(D)の別の構成モノマーで
ある第2の(メタ)アクリル酸エステルは、それを表す
前記式(III) 中のR4 がエポキシ基、グリシジル基およ
びこれらのうちの少なくとも一方を含む炭化水素基(た
とえば、γ−グリシドキシプロピル基等)からなる群の
中から選ばれる少なくとも1種の基であるものの内の少
なくとも1種である。
【0044】アクリル樹脂(D)のさらに別の構成モノ
マーである第3の(メタ)アクリル酸エステルは、それ
を表す前記式(III) 中のR4 がアルコキシシリル基およ
び/またはハロゲン化シリル基を含む炭化水素基、たと
えば、トリメトキシシリルプロピル基、ジメトキシメチ
ルシリルプロピル基、モノメトキシジメチルシリルプロ
ピル基、トリエトキシシリルプロピル基、ジエトキシメ
チルシリルプロピル基、エトキシジメチルシリルプロピ
ル基、トリクロロシリルプロピル基、ジクロロメチルシ
リルプロピル基、クロロジメチルシリルプロピル基、ク
ロロジメトキシシリルプロピル基、ジクロロメトキシシ
リルプロピル基等であるものの内の少なくとも1種であ
る。
【0045】アクリル樹脂(D)は、上記第1、第2、
第3の(メタ)アクリル酸エステル中、それぞれ少なく
とも1種、合計少なくとも3種を含む(メタ)アクリル
酸エステルの共重合体であり、上記第1、第2、第3の
(メタ)アクリル酸エステルの中から選ばれたさらに1
種あるいは2種以上、あるいは上記以外の(メタ)アク
リル酸エステルの中から選ばれたさらに1種あるいは2
種以上を含む共重合体であっても構わない。
【0046】上記第1の(メタ)アクリル酸エステル
は、アクリル変性シリコン樹脂コーティング材の硬化被
膜の靭性を改善するために必須の成分であり、さらに、
(A)成分と(B)成分の間の相溶性を改善する効果も
ある。これらの効果をより大きく得るためには、R4
置換あるいは非置換炭化水素基が、ある程度以上の体積
を持つことが望ましく、炭素数が2以上であることが好
ましい。
【0047】第2の(メタ)アクリル酸エステルは、ア
クリル変性シリコン樹脂コーティング材の硬化被膜と基
材との密着性を向上させるために必須の成分である。第
3の(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル変性シリ
コン樹脂コーティング材の塗膜硬化時に、アクリル樹脂
(D)と(A)成分および(B)成分との間に化学結合
を形成し、これによりアクリル樹脂(D)が硬化被膜中
に固定化される。また、第3の(メタ)アクリル酸エス
テルは、アクリル樹脂(D)と(A)成分および(B)
成分との相溶性を改善する効果もある。
【0048】アクリル樹脂(D)の分子量は、アクリル
樹脂(D)と(A)成分および(B)成分との相溶性に
大きく関わる。アクリル樹脂(D)のポリスチレン換算
重量平均分子量が50,000を超えると、相分離し、
塗膜が白化することがある。従って、アクリル樹脂
(D)のポリスチレン換算重量平均分子量を50,00
0以下にすることが望ましい。また、アクリル樹脂
(D)のポリスチレン換算重量平均分子量の下限は1,
000であることが望ましい。分子量が1,000未満
だと、塗膜の靭性が下がり、クラックが発生しやすくな
る傾向があり、好ましくない。
【0049】第2の(メタ)アクリル酸エステルは、ア
クリル樹脂(D)である共重合体中の単量体モル比率で
2%以上であることが望ましい。2%未満では、塗膜の
密着性が不十分となる傾向がある。第3の(メタ)アク
リル酸エステルは、共重合体中の単量体モル比率で2〜
50%の範囲であることが望ましい。2%未満において
は、アクリル樹脂(D)と(A)成分および(B)成分
との相溶性が悪く、塗膜が白化することがある。また、
50%を超えると、アクリル樹脂(D)と(A)成分お
よび(B)成分との結合密度が高くなり過ぎ、アクリル
樹脂本来の目的である靭性の改善が見られなくなる傾向
がある。
【0050】アクリル樹脂(D)の合成方法は、たとえ
ば、公知の有機溶媒中での溶液重合、乳化重合、懸濁重
合によるラジカル重合法、あるいはアニオン重合法、カ
チオン重合法等を用いることができるが、これに特定す
るものではない。溶液重合によるラジカル重合法におい
ては、たとえば、公知の方法で、前記第1、第2および
第3の(メタ)アクリル酸エステル単量体を反応容器中
で有機溶媒に溶解し、さらにラジカル重合開始剤を加
え、窒素気流下で加熱して反応させる。このときに用い
られる有機溶媒は、特に限定するものではないが、たと
えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエ
チルエーテルなどが使われる。また、ラジカル重合開始
剤は特に限定するものではないが、たとえば、クメンヒ
ドロペルオキシド、第3ブチルヒドロペルオキシド、ジ
クミルペルオキシド、ジ第3ブチルペルオキシド、過酸
化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、ア
ゾビスイソブチロニトリル、過酸化水素−Fe2+塩、過
硫酸塩−NaHSO3 、クメンヒドロペルオキシド−F
2+塩、過酸化ベンゾイル−ジメチルアニリン、過酸化
物−トリエチルアルミニウムなどが用いられる。分子量
をコントロールするためには、連鎖移動剤を添加するこ
とも可能である。連鎖移動剤としては、特に限定するわ
けではないが、たとえば、モノエチルハイドロキノン、
p−ベンゾキノンなどのキノン類;メルカプトアセチッ
クアシッド−エチルエステル、メルカプトアセチックア
シッド−n−ブチルエステル、メルカプトアセチックア
シッド−2−エチルヘキシルエステル、メルカプトシク
ロヘキサン、メルカプトシクロペンタン、2−メルカプ
トエタノールなどのチオール類;ジ−3−クロロベンゼ
ンチオール、p−トルエンチオール、ベンゼンチオール
などのチオフェノール類;γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシランなどのチオール誘導体;フェニルピクリ
ルヒドラジン;ジフェニルアミン;第3ブチルカテコー
ルなどが使える。
【0051】機能性コーティング材(1)中、光触媒
(F)の配合割合は、その大小に関わらず光触媒性能が
発現されるので、特に限定はされないが、たとえば、オ
ルガノシロキサン(E)の樹脂固形分10〜90重量部
に対し、好ましくは90〜10重量部、より好ましくは
50〜10重量部(但し、(E)の樹脂固形分と(F)
の合計は100重量部)である。光触媒(F)が10重
量部未満であると十分な光触媒性能が得られない傾向が
あり、90重量部を超えると、脆く、平滑性のない塗膜
となる傾向がある。
【0052】機能性コーティング材(2)中、光触媒
(F)の配合割合は、その大小に関わらず光触媒性能が
発現されるので、特に限定はされないが、たとえば、
(A)成分と(B)成分の合計の樹脂固形分10〜90
重量部に対し、好ましくは90〜10重量部、より好ま
しくは50〜10重量部(但し、(A)、(B)成分の
樹脂固形分と(F)成分の合計は100重量部)であ
る。光触媒(F)が10重量部未満であると十分な光触
媒性能が得られない傾向があり、90重量部を超える
と、脆く、平滑性のない塗膜となる傾向がある。
【0053】機能性コーティング材(2)中、(A)成
分と(B)成分の配合割合は、特に限定はされないが、
たとえば、好ましくは(A)成分1〜99重量部に対し
て(B)成分99〜1重量部であり、より好ましくは
(A)成分5〜95重量部に対して(B)成分95〜5
重量部であり、さらに好ましくは(A)成分10〜90
重量部に対して(B)成分90〜10重量部である(た
だし、(A)成分と(B)成分の合計は100重量
部)。(A)成分が1重量部未満であると、常温硬化性
に劣ったり十分な被膜硬度が得られなかったりする傾向
がある。一方、(A)成分が99重量部を超えると、硬
化性が不安定であったり塗膜にクラックを生じやすくな
ったりする傾向がある。
【0054】機能性コーティング材(2)中、(C)成
分の配合割合は、特に限定はされないが、たとえば、
(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、
好ましくは0.0001〜10重量部、より好ましくは
0.005〜8重量部、さらに好ましくは0.007〜
5重量部である。(C)成分が0.0001重量部未満
だと常温で硬化しにくい傾向がある。一方、10重量部
を越えると硬化被膜の耐熱性や耐候性が悪くなる傾向が
ある。
【0055】アクリル変性シリコン樹脂コーティング材
中、(C)成分の配合割合は、特に限定はされないが、
たとえば、(A)、(B)、(D)成分の合計100重
量部に対して、好ましくは0.001〜10重量部、よ
り好ましくは0.005〜8重量部、さらに好ましくは
0.007〜5重量部である。(C)成分が0.001
重量部未満だと常温で硬化しにくい傾向がある。一方、
10重量部を越えると硬化被膜の耐熱性や耐候性が悪く
なる傾向がある。
【0056】アクリル変性シリコン樹脂コーティング材
中、(A)成分、(B)成分および(D)成分の配合割
合は、特に限定はされないが、たとえば、(A)成分1
〜94重量部に対して(B)成分94〜1重量部および
(D)成分5〜35重量部であることが好ましく、
(A)成分5〜95重量部に対して(B)成分95〜5
重量部および(D)成分5〜35重量部であることがよ
り好ましく、(A)成分10〜94重量部に対して
(B)成分94〜10重量部および(D)成分5〜35
重量部であることがさらに好ましい(ただし、(A)、
(B)、(D)成分の合計は100重量部である)。
(A)成分が1重量部未満であると常温硬化性に劣った
り十分な被膜硬度が得られなかったりする傾向がある。
一方、(A)成分が94重量部を超えると硬化性が不安
定になったり塗膜にクラックが生じやすかったりする傾
向がある。また、(D)成分が5重量部未満では十分な
靭性や密着性が得られない傾向がある。(D)成分が3
5重量部を超えると上層にある光触媒により塗膜の劣化
が促進される可能性が高くなる。
【0057】機能性コーティング材(1)は、低温加熱
するか、あるいは、硬化触媒を加えて常温放置すること
により、(E)成分の有する加水分解性基同士が縮合反
応して硬化被膜を形成する。従って、機能性コーティン
グ材(1)は、常温で硬化するときにも湿度の影響をほ
とんど受けない。また、加熱処理を行えば、硬化触媒を
使用することなく縮合反応を促進して硬化被膜を形成す
ることができる。
【0058】機能性コーティング材(2)は、(A)成
分に含まれるオルガノシランのオリゴマーの有する加水
分解性基と(B)成分の有するシラノ−ル基とが硬化触
媒(C)の存在下で、常温放置もしくは低温加熱するこ
とにより縮合反応して硬化被膜を形成する。従って、機
能性コーティング材(2)は、常温で硬化するときにも
湿度の影響をほとんど受けない。また、加熱処理により
縮合反応を促進して硬化被膜を形成することもできる。
【0059】アクリル変性シリコン樹脂コーティング材
は、(A)成分に含まれるオルガノシランのオリゴマー
の有する加水分解性基およびアクリル樹脂(D)の有す
る加水分解性基と(B)成分の有するシラノ−ル基とが
硬化触媒(C)の存在下で、常温放置もしくは低温加熱
することにより縮合反応して硬化被膜を形成する。従っ
て、アクリル変性シリコン樹脂コーティング材は、常温
で硬化するときにも湿度の影響をほとんど受けない。ま
た、加熱処理により縮合反応を促進して硬化被膜を形成
することもできる。
【0060】アクリル変性シリコン樹脂コーティング材
は、必要に応じて顔料を含んでいてもよい。使用できる
顔料としては、特に限定はされないが、たとえば、カー
ボンブラック、キナクリドン、ナフトールレッド、シア
ニンブルー、シアニングリーン、ハンザイエロー等の有
機顔料;酸化チタン、硫酸バリウム、弁柄、複合金属酸
化物等の無機顔料がよく、これらの群から選ばれる1種
あるいは2種以上を組み合わせて使用しても差し支えな
い。顔料の分散は、特に限定はされず、通常の方法、た
とえば、ダイノーミール、ペイントシェーカー等により
顔料粉を直接分散させる方法等でよい。その際、分散
剤、分散助剤、増粘剤、カップリング剤等の使用が可能
である。顔料の添加量は、顔料の種類により隠蔽性が異
なるので特に限定はされないが、たとえば、(A)、
(B)、(D)成分の合計100重量部に対して、好ま
しくは5〜80重量部、より好ましくは10〜60重量
部である。顔料の添加量が5重量部未満の場合は隠蔽性
が悪くなる傾向があり、80重量部を超えると塗膜の平
滑性が悪くなることがある。
【0061】なお、レベリング剤、染料、金属粉、ガラ
ス粉、抗菌剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤
等も、本発明の効果に悪影響を与えない範囲内で無機質
コーティング材組成物に含まれていてもよい。機能性コ
ーティング材(1)、(2)およびアクリル変性シリコ
ン樹脂コーティング材は、それぞれ、取り扱いの容易さ
から、必要に応じて各種有機溶媒で希釈して使用できる
し、また、同有機溶媒で希釈したものであってもよい。
有機溶媒の種類は、(A)、(B)、(D)もしくは
(E)成分の有する1価炭化水素基の種類、または、
(A)、(B)、(D)もしくは(E)成分の分子量の
大きさ等に応じて適宜選定することができる。このよう
な有機溶媒としては、特に限定はされないが、たとえ
ば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−
ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール
類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテ
ル等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコー
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエ
チレングリコール誘導体;および、トルエン、キシレ
ン、ヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエ
チルケトオキシム、ジアセトンアルコール等を挙げるこ
とができ、これらからなる群より選ばれた1種もしくは
2種以上を使用することができる。有機溶媒での希釈割
合は、特に制限はなく、必要に応じて希釈割合を適宜決
定すればよい。
【0062】各コーティング材を基材に塗布する方法
は、特に限定されるものではなく、たとえば、刷毛塗
り、スプレー、浸漬、フロー、ロール、カーテン、ナイ
フコート、スピンコート等の通常の各種塗布方法を選択
することができる。基材に塗布された各コーティング材
を硬化させる方法は、公知の方法を用いればよく、特に
限定はされない。また、硬化の際の温度も特に限定はさ
れず、所望される硬化被膜性能や硬化触媒の使用の有無
や光触媒の耐熱性等に応じて常温〜加熱温度の広い範囲
をとることができる。
【0063】機能性コーティング材(1)または(2)
から形成される硬化被膜の厚みは、その大小に関わらず
光触媒性能が発現されるので、特に制限はなく、たとえ
ば、0.01〜10μm程度であればよいが、光触媒作
用をより効果的に発揮させるとともに、硬化被膜が長期
的に安定に密着、保持され、かつ、クラックや剥離が発
生しないためには、0.05〜5μmが好ましく、0.
05〜2μmがより好ましい。
【0064】アクリル変性シリコン樹脂コーティング材
から形成される硬化被膜の厚みは、特に制限はなく、た
とえば、0.1〜100μm程度であればよいが、光触
媒による基材の劣化を抑え、硬化被膜が長期的に安定に
密着、保持され、かつ、クラックや剥離が発生しないた
めには、0.5〜50μmが好ましい。本発明に係る機
能性塗装品を製造する方法としては、特に限定はされな
いが、たとえば、本発明の製造方法が好ましい。
【0065】本発明の製造方法は、たとえば、以下のよ
うにして行われる。まず、基材の表面に、第1塗布層と
してアクリル変性シリコーンコーティング材を塗布した
後、この第1塗布層を半硬化させる。その後、この半硬
化層の表面に機能性コーティング材(1)または(2)
を塗布する。すなわち、第1塗布層がまだ半硬化の段階
で第2塗布層として機能性コーティング材(1)または
(2)を塗布する。このとき、もしも、機能性コーティ
ング材(1)または(2)を塗布する前に第1塗布層を
完全硬化させてしまうと、機能性コーティング材(1)
または(2)が第1塗布層の完全硬化層によりはじかれ
てしまい、塗膜とならない。また、第1塗布層がまだウ
ェットな状態で機能性コーティング材(1)または
(2)を塗布すると、第1塗装層がリフティングを起こ
す(第1塗装層と基材との密着性が得られない)。
【0066】ここで、本明細書中、「半硬化」とは、J
IS−K5400−1990で規定されている「半硬化
乾燥」を指し、塗面の中央を指先で静かに軽くこすった
時に塗面に擦り傷が付かない状態を意味する。また、
「完全硬化」とは、JIS−K5400−1990で規
定されている「硬化乾燥」を指し、塗面の中央を親指と
人指指とで強く挟んだ時に塗面に指紋によるへこみが付
かず、塗膜の動きが感じられず、また、塗面の中央を指
先で急速に繰り返してこすっても塗面に擦り傷が付かな
い状態を意味する。また、「塗布層がまだウェットな状
態」とは、塗面の中央に指先で軽く触れた時に指先が汚
れる状態を意味する。
【0067】上記のようにアクリル変性シリコン樹脂コ
ーティング材の半硬化層の表面に機能性コーティング材
(1)または(2)を塗布して第2塗布層を形成した後
は、これら半硬化層と第2塗布層を硬化させる。なお、
本発明の機能性塗装品を得るための方法は、本発明の製
造方法に限定されない。
【0068】本発明で用いられる基材としては、特に限
定はされないが、たとえば、金属基材、有機質基材、ま
たは、これらの基材のうちのいずれかの表面に有機物被
膜を有する有機塗装基材を基材として用いた場合は、ア
クリル変性シリコン樹脂コーティング材の硬化被膜から
なる第1塗装層の介在により、基材と塗膜との密着性向
上または基材劣化防止等の効果がより顕著に発現される
ので、基材としては、金属基材、有機質基材、および、
これらの基材のうちのいずれかの表面に有機物被膜を有
する有機塗装基材からなる群れの中から選ばれたものが
好ましい。しかし、これらの基材に限定するものではな
い。たとえば、金属基材以外の無機質基材、および、金
属基材以外の無機質基材の表面に有機物被膜を有する有
機塗装基材も使用可能である。
【0069】金属基材以外の無機質基材としては、特に
限定はされないが、たとえば、ガラス基材;ホーロー;
水ガラス化粧板、無機質硬化体等の無機質建材;セラミ
ックス等が挙げられる。金属基材としては、特に限定は
されないが、たとえば、非鉄金属〔たとえば、アルミニ
ウム(JIS−H4000等)、アルミニウム合金(ジ
ュラルミン等)、銅、亜鉛等〕、鉄、鋼〔たとえば、圧
延鋼(JIS−G3101等)、溶融亜鉛めっき鋼(J
IS−G3302等)、(圧延)ステンレス鋼(JIS
−G4304、G4305等)等〕、ブリキ(JIS−
G3303等)、その他の金属全般(合金含む)が挙げ
られる。
【0070】ガラス基材としては、特に限定はされない
が、たとえば、ナトリウムソーダガラス、パイレックス
ガラス、石英ガラス、無アルカリガラス等が挙げられ
る。前記ホーローとは、金属表面にガラス質のホーロー
ぐすりを焼き付け、被覆したものである。その素地金属
としては、たとえば、軟鋼板、鋼板、鋳鉄、アルミニウ
ム等が挙げられるが、特に限定はされない。ホーローぐ
すりも通常のものを用いればよく、特に限定はされな
い。
【0071】前記水ガラス化粧板とは、たとえば、ケイ
酸ソーダをスレートなどのセメント基材に塗布し、焼き
付けた化粧板などを指す。無機質硬化体としては、特に
限定はされないが、たとえば、繊維強化セメント板(J
IS−A5430等)、窯業系サイディング(JIS−
A5422等)、木毛セメント板(JIS−A5404
等)、パルプセメント板(JIS−A5414等)、ス
レート・木毛セメント積層板(JIS−A5426
等)、石膏ボード製品(JIS−A6901等)、粘土
瓦(JIS−A5208等)、厚形スレート(JIS−
A5402等)、陶磁器質タイル(JIS−A5209
等)、建築用コンクリートブロック(JIS−A540
6等)、テラゾ(JIS−A5411等)、プレストレ
ストコンクリートダブルTスラブ(JIS−A5412
等)、ALCパネル(JIS−A5416等)、空洞プ
レストレストコンクリートパネル(JIS−A6511
等)、普通煉瓦(JIS−R1250等)等の無機材料
を硬化、成形させた基材全般を指す。
【0072】セラミックス基材としては、特に限定はさ
れないが、たとえば、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ
素、窒化ケイ素等が挙げられる。有機質基材としては、
特に限定はされないが、たとえば、プラスチック、木、
木材、紙等が挙げられる。プラスチック基材としては、
特に限定はされないが、たとえば、ポリカーボネート樹
脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性もしくは熱可塑
性プラスチックおよびこれらのプラスチックをガラス繊
維、ナイロン繊維、カーボン繊維等の繊維で強化した繊
維強化プラスチック(FRP)等が挙げられる。
【0073】有機塗装基材を構成する有機物被膜として
は、特に限定はされないが、たとえば、アクリル系、ア
ルキド系、ポリエステル系、エポキシ系、ウレタン系、
アクリルシリコン系、塩化ゴム系、フェノール系、メラ
ミン系等の有機樹脂を含むコーティング材の硬化被膜等
が挙げられる。基材の形態については、特に限定はされ
ず、たとえば、フィルム状、シート状、板状、繊維状等
が挙げられる。また、基材は、これらの形状の材料の成
形体、または、これらの形状の材料もしくはその成形体
の少なくとも1つを一部に備えた構成体等であってもよ
い。
【0074】基材は、上述した各種材料単独からなるも
のでもよいし、上述した各種材料のうちの少なくとも2
つを組み合わせてなる複合材料または上述した各種材料
のうちの少なくとも2つを積層してなる積層材料でもよ
い。本発明の機能性塗装品は、その優れた光触媒作用に
由来する各種効果を利用して、該塗装品を各種材料また
は物品の少なくとも一部に装備させることにより、たと
えば、下記の用途に好適に用いることができる。
【0075】建物関連の部材または物品、たとえば、外
装材(たとえば、外壁材、平板瓦・日本瓦・金属瓦等の
瓦等)、塩ビ雨とい等の樹脂製雨とい・ステンレス雨と
い等の金属製雨とい等の雨とい、門およびそれに用いる
ための部材(たとえば、門扉・門柱・門塀等)、フェン
ス(塀)およびそれに用いるための部材、ガレージ扉、
ホームテラス、ドア、柱、カーポート、駐輪ポート、サ
インポスト、宅配ポスト、配電盤・スイッチ等の配線器
具、ガスメーター、インターホン、テレビドアホン本体
およびカメラレンズ部、電気錠、エントランスポール、
縁側、換気扇吹き出し口、建物用ガラス等;窓(たとえ
ば、採光窓、天窓、ルーバー等の開閉窓等)およびそれ
に用いるための部材(たとえば、窓枠、雨戸、ブライン
ド等)、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、機械装置、
道路周辺部材(たとえば、防音壁、トンネル内装板、各
種表示装置、ガードレール、車止め、高欄、交通標識の
標識板および標識柱、信号機、ポストコーン等)、広告
塔、屋外または屋内用照明器具およびそれに用いるため
の部材(たとえば、ガラス部材、樹脂部材、金属部材、
セラミックス部材等)、太陽電池用ガラス、農業用ビニ
ールおよびガラスハウス、エアコン用室外機、VHF・
UHF・BS・CS等のアンテナ等。
【0076】なお、本発明に従って第1塗装層と第2塗
装層を上記の各種材料または物品の少なくとも一部に直
接形成させてもよいが、これに限定されず、たとえば、
本発明の機能性塗装品において基材としてフィルム基材
を用いたもの、すなわちフィルム基材の表面に第1塗装
層と第2塗装層を備えてなる機能性フィルムを上記の各
種材料または物品の少なくとも一部に貼るようにしても
よい。このようなフィルムの基材は、たとえば、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテ
レフタレート(PBT)樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリ
ル樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂およ
びそれらの複合樹脂等の樹脂が挙げられるが、特に限定
はされない。
【0077】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を詳
細に説明する。実施例及び比較例中、特に断らない限
り、「部」はすべて「重量部」を、「%」はすべて「重
量%」を、「ppm」はすべて「重量ppm」を表す。
また、分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー)により、測定機種として東ソー(株)のH
LC8020を用いて、標準ポリスチレンで検量線を作
成し、測定したものである。なお、本発明は下記実施例
に限定されない。
【0078】まず、以下のようにして、機能性コーティ
ング材(1)、(2)、アクリル変性シリコン樹脂コー
ティング材およびそれらとの比較用のコーティング材を
調製した。 〔機能性コーティング材(1)およびその比較用コーテ
ィング材の調製〕:<調製例1−1>攪拌機、加温ジャ
ケット、コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付
けたフラスコに、メチルトリメトキシシラン100部、
テトラエトキシシラン20部、IPA−ST(イソプロ
パノール分散コロイダルシリカゾル:粒子径10〜20
nm、固形分30%、水分0.5%、日産化学工業社
製)105部、ジメチルジメトキシシラン30部、イソ
プロパノール100部を投入した後、この溶液の固形分
に対して100ppmの塩酸と、ケイ素アルコキシドに
対して3%の水を滴下し攪拌しながら25℃で30分間
加水分解を行った。その後、冷却することにより、シリ
コーンコーティング溶液を得た。これに、硬化触媒とし
てギ酸リチウム0.2部、および、光触媒として酸化チ
タン(石原産業(株)製STS−01、平均粒子径7n
m)をシリコーンコーティング溶液の樹脂固形分との重
量比(樹脂固形分/光触媒)で80/20になるように
添加した後、メタノールで固形分10%になるように希
釈することにより、機能性コーティング材(1−1)を
得た。
【0079】<調製例1−2〜1−5>調製例1におい
て、光触媒の添加量(樹脂固形分/光触媒)(重量比)
を、60/40、50/50、40/60、20/80
に変更したこと以外は調製例1と同様にして、機能性コ
ーティング材(1−2)〜(1−5)を得た。 <比較調製例1>調製例1において、光触媒を全く使用
しなかったこと以外は調製例1と同様にして、比較用コ
ーティング材(1)を得た。 〔機能性コーティング材(2)およびその比較用コーテ
ィング材の調製〕:コーティング材の調製に先立ち、そ
れに用いる(A)成分および(B)成分を以下の方法で
調製した。
【0080】<調製例A−1>攪拌機、加温ジャケッ
ト、コンデンサー及び温度計をつけたフラスコ中にIP
A−ST(イソプロパノール分散コロイダルシリカゾ
ル:粒子径10〜20nm、固形分30%、水分0.5
%、日産化学工業社製)100部、メチルトリメトキシ
シラン68部、水2.2部を投入し、攪拌しながら65
℃で5時間加水分解を行った後、冷却することにより、
(A−1)成分を得た。このものは、室温で48時間放
置したときの固形分が36%であった。
【0081】 A−1の調製条件 ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 0.1 ・(A−1)成分のシリカ分含有量 47.3% ・m=1の加水分解性オルガノシランのモル% 100mol% <調製例B−1>攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ー、滴下ロート及び温度計を取り付けたフラスコに、メ
チルトリイソプロポキシシラン220部(1mol)が
トルエン150部に溶解してなる溶液を仕込み、これ
に、1%塩酸水溶液108部を20分かけて滴下し、メ
チルトリイソプロポキシシランを攪拌下60℃で加水分
解した。滴下が終了してから40分後に攪拌を止めた。
反応液を分液ロートに移し入れて静置したところ、二層
に分離した。少量の塩酸を含んだ下層の水とイソプロピ
ルアルコールの混合溶液を分液除去し、後に残ったトル
エンの樹脂溶液中に残存している塩酸を水洗で除去し、
更にトルエンを減圧除去した後、イソプロピルアルコー
ルで希釈することにより、重量平均分子量約2000の
シラノール基含有ポリオルガノシロキサンのイソプロピ
ルアルコール40%溶液を得た。これを(B−1)成分
とした。
【0082】<調製例2−1>上記で得られた(A−
1)成分および(B−1)成分を下記の硬化触媒(C−
1)および(C−2)と下記の割合で混合し、これに、
光触媒として酸化チタン(石原産業(株)製STS−0
2、平均粒子径7nm)を(A−1)成分および(B−
1)成分の合計樹脂固形分との重量比(樹脂固形分/光
触媒)で80/20になるように添加した後、メタノー
ルで固形分10%になるように希釈することにより、機
能性コーティング材(2−1)を得た。
【0083】 (A−1)成分: 50部 (B−1)成分: 50部 (C−1)成分:N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメト キシシラン 2部 (C−2)成分:ジブチル錫ジラウレート 0.4部 <調製例2−2〜2−5>調製例2−1において、光触
媒の添加量(樹脂固形分/光触媒)(重量比)を、60
/40、50/50、40/60、20/80に変更し
たこと以外は調製例2−1と同様にして、機能性コーテ
ィング材(2−2)〜(2−5)を得た。
【0084】<比較調製例2>調製例2−1において、
光触媒を全く使用しなかったこと以外は調製例2−1と
同様にして、比較用コーティング材(2)を得た。 〔アクリル変性シリコン樹脂コーティング材およびその
比較用コーティング材の調製〕:アクリル変性シリコン
樹脂コーティング材の調製に先立ち、それに用いる
(A)成分、(B)成分および(D)成分を以下の方法
で調製した。
【0085】<調製例A−2>攪拌機、加温ジャケッ
ト、コンデンサー及び温度計をつけたフラスコ中に、M
A−ST(メタノール分散コロイダルシリカゾル:粒子
径10〜20nm、固形分30%、水分0.5%、日産
化学工業社製)100部、メチルトリメトキシシラン6
8部、フェニルトリメトキシシラン49.5部、水1
6.0部、無水酢酸0.1部を投入し、攪拌しながら6
0℃で5時間加水分解を行った後、冷却することによ
り、(A−2)成分を得た。このものは、室温で48時
間放置したときの固形分が41%であった。
【0086】 A−2の調製条件 ・加水分解性基1モルに対する水のモル数 0.4 ・(A−2)成分のシリカ分含有量 31.3% ・m=1の加水分解性オルガノシランのモル% 100mol% <調製例B−2>攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ー、滴下ロート及び温度計を取り付けたフラスコに水1
000部、アセトン50部を仕込み、更にメチルトリク
ロロシシラン44.8部(0.3mol)およびフェニ
ルトリクロロシラン84.6部(0.4mol)がトル
エン200部に溶解してなる溶液を攪拌下に滴下しなが
ら60℃で加水分解した。滴下が終了してから40分後
に攪拌を止めた。反応液を分液ロートに移し入れて静置
したところ、二層に分離した。下層の塩酸水を分液除去
し、後に残ったオルガノポリシロキサンのトルエン溶液
中に残存している水と塩酸を減圧ストリッピングにより
過剰のトルエンとともに除去することにより、重量平均
分子量約3000のシラノール基含有ポリオルガノシロ
キサンのトルエン60%溶液を得た。これを(B−2)
成分とした。この(B−2)成分中および前記(B−
1)成分中のシラノール基含有ポリオルガノシロキサン
はいずれも前記平均組成式(II)を満たすものであるこ
とが確認されている。
【0087】<調製例D−1>攪拌機、加温ジャケッ
ト、コンデンサー、滴下ロート、窒素ガス導入・排出口
及び温度計を取り付けたフラスコ中で、n−ブチルメタ
クリレート(BMA)5.69部(40mmol)、ト
リメトキシシリルプロピルメタクリレート(SMA)
1.24部(5mmol)、グリシジルメタクリレート
(GMA)0.71部(5mmol)、更に連鎖移動剤
としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.
784部(4mmol)をトルエン8.49部に溶解さ
せてなる反応液に、アゾビスイソブチロニトリル0.0
25部(0.15mmol)がトルエン3部に溶解して
なる溶液を窒素気流下で滴下し、70℃で2時間反応さ
せた。これにより、重量平均分子量1000の重合物が
得られ、このアクリル樹脂溶液をそのまま(D−1)成
分とした。
【0088】D−1の調製条件 ・単量体モル比率 BMA/SMA/GMA=8.0/
1.0/1.0 ・重量平均分子量 1000 ・固形分含有量 40% <調製例D−2>攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ー、滴下ロート、窒素ガス導入・排出口及び温度計を取
り付けたフラスコ中で、n−ブチルメタクリレート(B
MA)0.71部(5mmol)、トリメトキシシリル
プロピルメタクリレート(SMA)0.62部(2.5
mmol)、グリシジルメタクリレート(GMA)6.
04部(42.5mmol)、更に連鎖移動剤としてγ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.196部
(1mmol)をトルエン8.06部に溶解させてなる
反応液に、アゾビスイソブチロニトリル0.025部
(0.15mmol)がトルエン3部に溶解してなる溶
液を窒素気流下で滴下し、70℃で2時間反応させた。
これにより、重量平均分子量3000の重合物が得ら
れ、このアクリル樹脂溶液をそのまま(D−2)成分と
した。
【0089】D−2の調整条件 ・単量体モル比率 BMA/SMA/GMA=1.0/
0.5/8.5 ・重量平均分子量 3000 ・固形分含有量 40% <調製例D−3>攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ー、滴下ロート、窒素ガス導入・排出口及び温度計を取
り付けたフラスコ中で、n−ブチルメタクリレート(B
MA)6.05部(42.5mmol)、トリメトキシ
シリルプロピルメタクリレート(SMA)0.62部
(2.5mmol)、グリシジルメタクリレート(GM
A)0.71部(5mmol)、更に連鎖移動剤として
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.098
部(0.5mmol)をトルエン8.06部に溶解させ
てなる反応液に、アゾビスイソブチロニトリル0.02
5部(0.15mmol)がトルエン3部に溶解してな
る溶液を窒素気流下で滴下し、70℃で2時間反応させ
た。これにより、重量平均分子量5000の重合物が得
られ、このアクリル樹脂溶液をそのまま(D−3)成分
とした。
【0090】D−3の調整条件 ・単量体モル比率 BMA/SMA/GMA=8.5/
0.5/1.0 ・重量平均分子量 5000 ・固形分含有量 40% <調製例D−4>攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ー、滴下ロート、窒素ガス導入・排出口及び温度計を取
り付けたフラスコ中で、n−ブチルメタクリレート(B
MA)3.20部(22.5mmol)、トリメトキシ
シリルプロピルメタクリレート(SMA)1.24部
(5mmol)、グリシジルメタクリレート(GMA)
3.20部(22.5mmol)、更に連鎖移動剤とし
てγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.78
4部(4mmol)をトルエン8.46部に溶解させて
なる反応液に、アゾビスイソブチロニトリル0.025
部(0.15mmol)がトルエン3部に溶解してなる
溶液を窒素気流下で滴下し、70℃で2時間反応させ
た。これにより、重量平均分子量1000の重合物が得
られ、このアクリル樹脂溶液をそのまま(D−4)成分
とした。
【0091】D−4の調整条件 ・単量体モル比率 BMA/SMA/GMA=4.5/
1.0/4.5 ・重量平均分子量 1000 ・固形分含有量 40% <調製例3>上記で得られた(A−2)成分、(B−
2)成分および(D−1)成分を下記の硬化触媒(C−
1)および(C−2)と下記の割合で混合した後、イソ
プロピルアルコールで固形分25%になるように希釈す
ることにより、アクリル変性シリコン樹脂コーティング
材(1)を得た。
【0092】 (A−2)成分: 50部 (B−2)成分: 50部 (C−1)成分:N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメト キシシラン 2部 (C−2)成分:ジブチル錫ジラウレート 0.4部 (D−1)成分: 20.25部 <調製例4>調製例3において、(A−2)、(B−
2)、(C−1)、(C−2)および(D−1)成分の
配合割合を下記のように変更したこと以外は調製例3と
同様にして、アクリル変性シリコン樹脂コーティング材
(2)を得た。
【0093】 (A−2)成分: 50部 (B−2)成分: 50部 (C−1)成分: 2部 (C−2)成分:0.4部 (D−1)成分: 6部 <調製例5>調製例3において、(A−2)、(B−
2)、(C−1)、(C−2)および(D−1)成分の
配合割合を下記のように変更したこと以外は調製例3と
同様にして、アクリル変性シリコン樹脂コーティング材
(3)を得た。
【0094】 (A−2)成分: 50部 (B−2)成分: 50部 (C−1)成分: 2部 (C−2)成分:0.4部 (D−1)成分: 53部 <比較調製例3>調製例3において、(D−1)成分を
全く使用しなかったこと以外は調製例3と同様にして、
比較用コーティング材(3)を得た。
【0095】<調製例6>調整例3において、(A−
2)成分、(B−2)成分をそれぞれ(A−1)成分、
(B−1)成分に変更するとともに、各成分の配合割合
を下記の通りとしたこと以外は調整例3と同様にして、
アクリル変性シリコン樹脂コーティング材(4)を得
た。
【0096】 (A−1)成分: 10部 (B−1)成分: 10部 (C−1)成分: 3部 (C−2)成分:0.4部 (Dー1)成分:180部 <調製例7>調整例3において、(A−2)成分、(B
−2)成分をそれぞれ(A−1)成分、(B−1)成分
に変更するとともに、各成分の配合割合を下記の通りと
したこと以外は調整例3と同様にして、アクリル変性シ
リコン樹脂コーティング材(5)を得た。
【0097】 (A−1)成分: 50部 (B−1)成分: 50部 (C−1)成分: 3部 (C−2)成分:0.4部 (Dー1)成分: 50部 <調整例8>調整例3において、(A−2)成分、(B
−2)成分、(D−1)成分をそれぞれ(A−1)成
分、(B−1)成分、(D−2)成分に変更するととも
に、各成分の配合割合を下記の通りとしたこと以外は調
整例3と同様にして、アクリル変性シリコン樹脂コーテ
ィング材(6)を得た。
【0098】 (A−1)成分: 10部 (B−1)成分: 10部 (C−1)成分: 2部 (C−2)成分:0.4部 (Dー2)成分: 80部 <調整例9>調整例3において、(A−2)成分、(B
−2)成分、(D−1)成分をそれぞれ(A−1)成
分、(B−1)成分、(D−2)成分に変更するととも
に、各成分の配合割合を下記の通りとしたこと以外は調
整例3と同様にして、アクリル変性シリコン樹脂コーテ
ィング材(7)を得た。
【0099】 (A−1)成分: 10部 (B−1)成分: 10部 (C−1)成分: 3部 (C−2)成分:0.4部 (Dー2)成分:180部 <調整例10>調整例3において、(A−2)成分、
(B−2)成分、(D−1)成分をそれぞれ(A−1)
成分、(B−1)成分、(D−3)成分に変更するとと
もに、各成分の配合割合を下記の通りとしたこと以外は
調整例3と同様にして、アクリル変性シリコン樹脂コー
ティング材(8)を得た。
【0100】 (A−1)成分: 10部 (B−1)成分: 10部 (C−1)成分: 3部 (C−2)成分:0.4部 (Dー3)成分:180部 <調整例11>調整例3において、(A−2)成分、
(B−2)成分、(D−1)成分をそれぞれ(A−1)
成分、(B−1)成分、(D−4)成分に変更するとと
もに、各成分の配合割合を下記の通りとしたこと以外は
調整例3と同様にして、アクリル変性シリコン樹脂コー
ティング材(9)を得た。
【0101】 (A−1)成分: 10部 (B−1)成分: 10部 (C−1)成分: 3部 (C−2)成分:0.4部 (Dー4)成分:180部 <実施例1〜10および比較例1〜2>基材としてPC
(ポリカーボネート)板(50mm×50mm×2.5
mm)を用い、その表面に、調製例3で得られたアクリ
ル変性シリコン樹脂コーティング材(1)をスプレー塗
装で硬化被膜厚1μmになるように塗布して第1塗布層
を形成させた後、60℃で15分間硬化させた。その
後、10分間セッティング時間をおいた。このセッティ
ング時間の終了後、塗面の中央を親指と人指指とで強く
挟んでみたところ、塗面に指紋によるへこみが付き、塗
膜の動きが感じられた。しかし、塗面の中央を指先で静
かに軽くこすっても塗面に擦り傷が付かなかった。この
ことから、第1塗布層が半硬化状態にあることが確認さ
れた。
【0102】この半硬化状態の第1塗布層の表面に機能
性コーティング材(1−1)〜(1−5)、(2−1)
〜(2−5)または比較用コーティング材(1)〜
(2)をスプレー塗装で硬化被膜厚0.5μmになるよ
うに塗布して第2塗布層を形成させた後、この第2塗布
層を室温で一週間放置することにより、機能性塗装品
(1)〜(10)および比較用塗装品(1)〜(2)を
得た。
【0103】機能性塗装品(1)〜(10)および比較
用塗装品(1)〜(2)について、塗膜特性試験と、基
材および塗膜の劣化防止性試験を下記の評価方法で行っ
た。 (塗膜特性評価): 密着性:基材への密着性を碁盤目粘着テープ(セロハン
テープ使用)剥離試験で評価した。
【0104】表面硬度:鉛筆硬度試験(JIS−K54
00に準ずる)による。 光触媒作用:サンプルを入れた300mlの容器中に5
0ppmのアセトアルデヒドを注入し、10Wのブラッ
クライトを60分間照射し、ガスクロマトグラフィー
(島津製作所GC14A)を用いてアセトアルデヒド除
去率(%)を測定した。
【0105】水に対する濡れ性:水と塗膜との接触角を
測定することにより評価した。接触角は、塗膜作成後の
初期のものと、紫外線照射装置(オーク製作所ハンディ
UV300)を用いて紫外線を24時間照射後のものと
をそれぞれ測定した。 (基材および塗膜の劣化の有無の評価):サンシャイン
ウェザオメーター(JIS−K5400に準ずる)で2
500時間照射後、基材と塗膜を観察して変化のないも
のを良好とした。
【0106】評価結果を表1、2に示した。これらの表
にみるように、第2塗装層中、光触媒として用いた酸化
チタンの含有量が多いほど光触媒性能は良好であるが、
逆に、硬度は酸化チタンの割合が8割にもなると若干劣
る。また、基材と第1塗装層との密着性、および第1塗
装層と第2塗装層との密着性はいずれも良好であった。
また、機能性塗装品(1)〜(10)については、光触
媒を含む第2塗装層が室温で硬化させた塗膜であるにも
関わらず、十分な光触媒性能を示した。塗膜の濡れ性に
ついては、いづれの機能性塗装品も、紫外線照射後は光
触媒の含有量の大小に関係なく接触角が数度となり、高
い濡れ性を示した。さらに、光触媒を含む塗装層を有す
る機能性塗装品(1)〜(10)については、基材とし
て光触媒による劣化を受けやすい有機基材であるPC板
を用いたにも関わらず、光触媒含有塗装層と基材の間に
アクリル変性シリコン樹脂コーティング材の塗装層が介
在することにより、基材の劣化が十分に防止された。ま
た、塗膜の劣化も見られなかった。 <比較例3>実施例1において、第2塗装層として、機
能性コーティング材の硬化被膜を形成させる代わりに酸
化チタンのみの層をもうけたこと以外は実施例1と同様
の操作を行うことにより、比較用塗装品(3)を得た。
【0107】比較用塗装品(3)について、前述の方法
で塗膜特性と基材および塗膜の劣化の評価を行った。そ
の結果を表3に示した。この表にみるように、光触媒性
能は非常に良好であるが、第2塗装層はゾルのみからな
るため塗膜は脆く、第1塗装層と第2塗装層とは密着せ
ず、また、硬度も測定しがたいものとなった。基材の劣
化については、PC板に黄変が見られた。 <比較例4>実施例3において、第1塗装層として、ア
クリル変性シリコン樹脂コーティング材(1)の硬化被
膜を形成させる代わりに、(D)成分を含まない比較用
コーティング材(3)の硬化被膜を形成させたこと以外
は実施例3と同様の操作を行うことにより、比較用塗装
品(4)を得た。
【0108】比較用塗装品(4)について、前述の方法
で塗膜特性と基材および塗膜の劣化の評価を行った。そ
の結果を表3に示した。この表にみるように、基材と第
1塗装層との密着性が得られなかった。基材および塗膜
の劣化については問題なかった。 <比較例5>実施例3において、基材の表面に、アクリ
ル変性シリコン樹脂コーティング材を全く塗布せずに機
能性コーティング材(1−3)を直接塗布し、硬化させ
たこと以外は実施例3と同様の操作を行うことにより、
比較用塗装品(5)を得た。
【0109】比較用塗装品(5)について、前述の方法
で塗膜特性と基材および塗膜の劣化の評価を行った。そ
の結果を表3に示した。この表にみるように、基材と機
能性コーティング材の硬化被膜との密着性は得られなか
った。また、機能性コーティング材の硬化被膜に含まれ
る光触媒の作用により基材が劣化した。 <比較例6>比較例1において、基材の表面に、アクリ
ル変性シリコン樹脂コーティング材を全く塗布せずに比
較用コーティング材(1)を直接塗布し、硬化させたこ
と以外は比較例1と同様の操作を行うことにより、比較
用塗装品(6)を得た。
【0110】比較用塗装品(6)について、前述の方法
で塗膜特性と基材および塗膜の劣化の評価を行った。そ
の結果を表3に示した。この表にみるように、基材およ
び塗膜の劣化はみられなかったが、基材とコーティング
材硬化被膜との密着性は得られなかった。 <実施例11〜13>(着色塗装の例) 実施例3において、第1塗装層の形成に用いたアクリル
変性シリコン樹脂コーティング材(1)の代わりに、こ
のアクリル変性シリコン樹脂コーティング材(1)に下
記の顔料1〜3を添加してなるエナメルを用いて第1塗
装層の形成を行ったこと以外は実施例3と同様の操作を
行うことにより、機能性塗装品(11)〜(13)を得
た。
【0111】 顔料1:白色顔料(石原産業製) 顔料2:黄色顔料(大日精化製) 顔料3:黒色顔料(大日精化製) <実施例14〜16>(着色塗装の例) 実施例8において、第1塗装層の形成に用いたアクリル
変性シリコン樹脂コーティング材(1)の代わりに、こ
のアクリル変性シリコン樹脂コーティング材(1)に上
記顔料1〜3を添加してなるエナメルを用いて第1塗装
層の形成を行ったこと以外は実施例8と同様の操作を行
うことにより、機能性塗装品(14)〜(16)を得
た。
【0112】機能性塗装品(11)〜(16)につい
て、前述の方法で塗膜特性と基材および塗膜の劣化の評
価を行った。その結果を表4に示した。この表にみるよ
うに、第1塗装層をエナメルコートとしても、塗膜特性
と基材および塗膜の劣化に問題はない。 <実施例17>実施例3において、第2塗装層の硬化被
膜の厚みを0.1μmに変更したこと以外は実施例3と
同様の操作を行うことにより、機能性塗装品(17)を
得た。 <実施例18>実施例8において、第2塗装層の硬化被
膜の厚みを0.1μmに変更したこと以外は実施例8と
同様の操作を行うことにより、機能性塗装品(18)を
得た。 <比較例7>比較例1において、第2塗装層の硬化被膜
の厚みを0.1μmに変更したこと以外は比較例1と同
様の操作を行うことにより、比較用塗装品(7)を得
た。
【0113】機能性塗装品(17)、(18)および比
較用塗装品(7)について、前述の方法で塗膜特性と基
材および塗膜の劣化の評価を行った。その結果を表5に
示した。この表にみるように、機能性塗装品(17)、
(18)の、光触媒を含む機能性コーティング材の硬化
被膜は、膜厚が小さいにも関わらず、いづれも紫外線の
照射を受けた後は、接触角が数度となり、高い濡れ性を
示した。一方、光触媒を含まないシリコーンコーティン
グ材を用いた比較用塗装品(7)の塗膜では、この性能
は見られなかった。 <実施例19>実施例3において、アクリル変性シリコ
ン樹脂コーティング材(1)の代わりに調製例4で得ら
れたアクリル変性シリコン樹脂コーティング材(2)を
用いたこと以外は実施例3と同様の操作を行うことによ
り、機能性塗装品(19)を得た。 <実施例20>実施例3において、アクリル変性シリコ
ン樹脂コーティング材(1)の代わりに調製例5で得ら
れたアクリル変性シリコン樹脂コーティング材(3)を
用いたこと以外は実施例3と同様の操作を行うことによ
り、機能性塗装品(20)を得た。
【0114】機能性塗装品(19)〜(20)につい
て、前述の方法で塗膜特性と基材および塗膜の劣化の評
価を行った。その結果を表6に示した。この表にみるよ
うに、基材と第1塗装層との密着性および第1塗装層と
第2塗装層との密着性に問題はなく、その他の性能に関
しても問題はない。 <実施例21>実施例3において、基材としてPC板の
代わりにそれと同サイズの塩化ビニル板を用いたこと以
外は実施例3と同様の操作を行うことにより、機能性塗
装品(21)を得た。 <実施例22>実施例8において、基材としてPC板の
代わりにそれと同サイズの塩化ビニル板を用いたこと以
外は実施例8と同様の操作を行うことにより、機能性塗
装品(22)を得た。 <比較例8>実施例3において、基材としてPC板の代
わりにそれと同サイズの塩化ビニル板を用いるととも
に、この塩化ビニル板の表面に、アクリル変性シリコン
樹脂コーティング材を全く塗布せずに機能性コーティン
グ材(1−3)を直接塗布し、硬化させたこと以外は実
施例3と同様の操作を行うことにより、比較用塗装品
(8)を得た。 <実施例23>実施例3において、基材としてPC板の
代わりにそれと同サイズの有機塗装板(ステンレス板か
らなる無機基材の表面に、アクリル系塗料(ロックペイ
ント社製パーマロック)の厚さ10μmの被膜を有する
もの)を用いたこと以外は実施例3と同様の操作を行う
ことにより、機能性塗装品(23)を得た。 <実施例24>実施例8において、基材としてPC板の
代わりにそれと同サイズの有機塗装板(ステンレス板か
らなる無機基材の表面に、アクリル系塗料(ロックペイ
ント社製パーマロック)の厚さ10μmの被膜を有する
もの)を用いたこと以外は実施例8と同様の操作を行う
ことにより、機能性塗装品(24)を得た。 <比較例9>実施例3において、基材としてPC板の代
わりにそれと同サイズの有機塗装板(ステンレス板から
なる無機基材の表面に、アクリル系塗料(ロックペイン
ト社製パーマロック)の厚さ10μmの被膜を有するも
の)を用いるとともに、この有機塗装板の表面に、アク
リル変性シリコン樹脂コーティング材を全く塗布せずに
機能性コーティング材(1−3)を直接塗布し、硬化さ
せたこと以外は実施例3と同様の操作を行うことによ
り、比較用塗装品(9)を得た。
【0115】機能性塗装品(21)〜(24)および比
較用塗装品(8)〜(9)について、前述の方法で塗膜
特性と基材および塗膜の劣化の評価を行った。その結果
を表7に示した。この表にみるように、アクリル変性シ
リコン樹脂コーティング材の硬化被膜を第1塗装層とし
て形成させた実施例の機能性塗装品(21)〜(24)
はいずれも密着性に問題はなく、基材および塗膜の劣化
も見られず、その他の性能も良好であった。これに対
し、比較例の比較用塗装品(8)〜(9)は、基材に対
する塗膜の密着性も悪く、また、光触媒による基材の劣
化が見られた。 <実施例25>実施例3において、基材としてPC板の
代わりにそれと同サイズのステンレス板を用いたこと以
外は実施例3と同様の操作を行うことにより、機能性塗
装品(25)を得た。 <実施例26>実施例8において、基材としてPC板の
代わりにそれと同サイズのステンレス板を用いたこと以
外は実施例8と同様の操作を行うことにより、機能性塗
装品(26)を得た。 <比較例10>実施例3において、基材としてPC板の
代わりにそれと同サイズのステンレス板を用いるととも
に、このステンレス板の表面に、アクリル変性シリコン
樹脂コーティング材を全く塗布せずに機能性コーティン
グ材(1−3)を直接塗布し、硬化させたこと以外は実
施例3と同様の操作を行うことにより、比較用塗装品
(10)を得た。
【0116】機能性塗装品(25)〜(26)および比
較用塗装品(10)について、前述の方法で塗膜特性と
基材および塗膜の劣化の評価を行った。その結果を表8
に示した。この表にみるように、いずれの塗装品も、無
機基材を使用しているため基材の劣化に問題はないが、
アクリル変性シリコン樹脂コーティング材硬化被膜から
なる第1塗装層が欠如した比較用塗装品(10)につい
ては密着性に欠ける。 <実施例27>実施例3において、基材としてPC板の
代わりにそれと同サイズのガラス板を用いたこと以外は
実施例3と同様の操作を行うことにより、機能性塗装品
(27)を得た。 <実施例28>実施例8において、基材としてPC板の
代わりにそれと同サイズのガラス板を用いたこと以外は
実施例8と同様の操作を行うことにより、機能性塗装品
(28)を得た。 <実施例29>実施例3において、基材としてPC板の
代わりにそれと同サイズのタイルを用いたこと以外は実
施例3と同様の操作を行うことにより、機能性塗装品
(29)を得た。 <実施例30>実施例8において、基材としてPC板の
代わりにそれと同サイズのタイルを用いたこと以外は実
施例8と同様の操作を行うことにより、機能性塗装品
(30)を得た。 <実施例31>実施例3において、基材としてPC板の
代わりにそれと同サイズのホーロー板を用いたこと以外
は実施例3と同様の操作を行うことにより、機能性塗装
品(31)を得た。 <実施例32>実施例8において、基材としてPC板の
代わりにそれと同サイズのホーロー板を用いたこと以外
は実施例8と同様の操作を行うことにより、機能性塗装
品(32)を得た。
【0117】機能性塗装品(27)〜(32)につい
て、前述の方法で塗膜特性と基材および塗膜の劣化の評
価を行った。その結果を表8、9に示した。これらの表
にみるように、いずれの塗装品も、無機基材を使用して
いるため基材の劣化に問題はなかった。また、その他の
性能にも問題はなかった。 <比較例11>実施例3において、PC板の表面に塗布
したアクリル変性シリコン樹脂コーティング材(1)を
150℃で30分間焼き付けて完全硬化(実施例3と同
様にして求めた、硬化したアクリル変性シリコーンコー
ティング材の割合が100重量%)させてから、その表
面に機能性コーティング材(1−3)を塗布したこと以
外は実施例3と同様の作業を行うことにより、比較用塗
装品(11)を得た。
【0118】しかし、機能性コーティング材(1−3)
がアクリル変性シリコン樹脂コーティング材(1)の完
全硬化層によりはじかれてしまったため、機能性コーテ
ィング材(1−3)の塗膜を形成することができなかっ
た。 <比較例12>実施例3において、PC板の表面に塗布
したアクリル変性シリコン樹脂コーティング材(1)を
室温で10分間放置し、その塗布層がまだウェットな状
態でその表面に機能性コーティング材(1−3)を塗布
したこと以外は実施例3と同様の作業を行うことによ
り、比較用塗装品(12)を得た。
【0119】比較用塗装品(12)について、前述の方
法で塗膜特性と基材および塗膜の劣化の評価を行った。
その結果を表10に示した。この表にみるように、基材
と第1塗装層の間に十分な密着性が得られなかった。 <実施例33〜37>実施例3において、基材としてP
C板の代わりにそれと同サイズのタイルを用いるととも
に、第1塗装層の形成にアクリル変性シリコン樹脂コー
ティング材(1)の代わりにアクリル変性シリコン樹脂
コーティング材(4)〜(8)を用いたこと以外は実施
例3と同様の操作を行うことにより、機能性塗装品(3
3)〜(37)を得た。 <実施例38>実施例8において、基材としてPC板の
代わりにそれと同サイズのタイルを用いるとともに、第
1塗装層の形成にアクリル変性シリコン樹脂コーティン
グ材(1)の代わりにアクリル変性シリコン樹脂コーテ
ィング材(9)を用いたこと以外は実施例8と同様の操
作を行うことにより、機能性塗装品(38)を得た。 <比較例13>実施例8において、基材としてPC板の
代わりにそれと同サイズのタイルを用い、第1塗装層の
形成にアクリル変性シリコン樹脂コーティング材(1)
の代わりに市販エポキシ系プライマー(エポロZプライ
マー、イサム塗料株式会社製)を用い、さらに、第1塗
装層の硬化被膜厚を8μmに変更したこと以外は実施例
8と同様の操作を行うことにより、比較用塗装品(1
3)を得た。 <比較例14>実施例8において、基材としてPC板の
代わりにそれと同サイズのタイルを用い、第1塗装層の
形成にアクリル変性シリコン樹脂コーティング材(1)
の代わりにアクリル変性シリコン樹脂コーティング材
(7)を用い、第2塗装層の形成に機能性コーティング
材(2−3)の代わりに比較用コーティング材(1)を
用いたこと以外は実施例8と同様の操作を行うことによ
り、比較用塗装品(14)を得た。
【0120】機能性塗装品(29)、(30)、(3
3)〜(38)および比較用塗装品(13)、(14)
について、塗膜の耐久性と光触能の第1塗装層への影響
を確認するため、前述のサンシャインウェザオメーター
を用い、以下の促進耐候性評価を行った。なお、塗装品
の基材としてタイルを用いたのは、タイルは耐候性劣化
が少ないため、塗膜自身の耐久性を明確に調べることが
できるからである。
【0121】試験時間は4000時間で、塗膜の密着性
と変色度合いを調べた。なお、途中2500時間でも、
塗膜の密着性と変色度合いを調べた。密着性は、前述し
た方法で調べた。変色度合いの測定にはJIS−Z87
30に規定する色差(△E)を用いた。一般的に人間の
目視評価では、△Eが3以上では変色が確認できると言
われている。また、サンシャインウェザオメーター照射
4000時間は自然環境暴露下で約10年に相当すると
言われている。
【0122】評価結果を表11、12に示す。表11、
12にみるように、実施例の機能性塗装品(29)、
(30)、(33)〜(38)については、第1塗装層
中の(D)成分比率が多くなると、特に4000時間後
での変色が大きくなっている。しかし、高耐久が要求さ
れる用途以外では実用上問題はないと思われる。特に、
実施例36の機能性塗装品(36)では、4000時間
後に第1塗装層と第2塗装層の間で一部密着不良が発生
したが、2500時間では劣化は確認されなかった。
【0123】また、市販エポキシ系プライマーを用いた
比較例13の塗装品では、著しい塗膜性能の低下を示し
ている。比較例14の塗装品については、第2塗装層に
光触媒を含まないため、実施例36の機能性塗装品(3
6)と第1塗装層が同じであるにも関わらず、塗膜の変
色度合いは軽減されていた。 <実施例39>松下電工(株)本社(大阪府門真市)構
内の道路側面のコンクリート約5m2(無塗装)に、コ
ンクリートのアルカリ成分溶出を防ぐためにエポロEプ
ライマー(イサム塗料製)を所定の条件で下地処理し、
24時間乾燥後、実施例11で作製した顔料含有アクリ
ル変性シリコン樹脂コーティング材を硬化被膜厚約30
μmになるように着色塗装した。室温で5時間放置後、
半硬化状態を確認し、調製例2−3で作製した機能性コ
ーティング材(2−3)を硬化被膜厚約0.5μmにな
るように塗装した。塗装は全てハンドロールを用いた。
【0124】約3ヶ月暴露後、塗装した道路側壁は、汚
れもなく、塗装初期の状態を保っていた。 <実施例40>松下電工(株)本社(大阪府門真市)構
内の道路標識(横600mm×縦350mmの一方通行
標識)及びポールに、エタノールで汚れを拭き取った
後、調製例3で作製したアクリル変性シリコン樹脂コー
ティング材(1)を硬化被膜厚約5μmになるように塗
装した。室温で5時間放置後、半硬化状態を確認し、調
製例1−3で作製した機能性コーティング材(1−3)
を硬化被膜厚約0.5μmになるように塗装した。塗装
は全て刷毛を用いた。
【0125】約3ヶ月暴露後、塗装した道路標識は、汚
れもなく、塗装初期の状態を保っていた。 <実施例41>道路標識用反射テープ(住友スリーエム
製)及び道路用ポストコーン(日本メクトロン製)に、
実施例3と同様にして第1塗装層および第2塗装層を施
した。反射テープをポストコーンに貼り付け、松下電工
(株)本社(大阪府門真市)構内の道路脇に約3ヶ月暴
露したところ、ポストコーンは、汚れもなく、塗装初期
の状態を保っていた。 <実施例42>松下電工(株)本社(大阪府門真市)構
内の本館外壁約10m2 (タイル貼り壁面)に、調製例
3で作製したアクリル変性シリコン樹脂コーティング材
(1)を硬化被膜厚約8μmになるように塗装した。室
温で4時間放置後、半硬化状態を確認し、さらに、調製
例1−3で作製した機能性コーティング材(1−3)を
硬化被膜厚約0.5μmになるように塗装した。塗装は
全てハンドロールを用いた。約3ヶ月暴露後、塗装した
建物は、汚れもなく、塗装初期の状態を保っていた。 <実施例43>松下電工(株)本社(大阪府門真市)構
内の研究所(東面2階)ガラス約1m 2 (厚み6mm)
に、エタノールで汚れを拭き取った後、調製例3で作製
したアクリル変性シリコン樹脂コーティング材(1)を
硬化被膜厚約1μmになるように塗装した。室温で2時
間放置後、半硬化状態を確認し、さらに、調製例2−3
で作製した機能性コーティング材(2−3)を硬化被膜
厚約0.5μmになるように塗装した。塗装方法は全て
フローコート(流し塗り)を用いた。
【0126】約3ヶ月暴露後、塗装した建物は、汚れも
なく、塗装初期の状態を保っていた。 <実施例44>松下電工(株)本社(大阪府門真市)構
内の道路灯(松下電工(株)製YA32020歩道用)
前面ガラス及びポール、反射板外面等の器具全体に、エ
タノールで汚れを拭き取った後、調製例3で作製したア
クリル変性シリコン樹脂コーティング材(1)を硬化被
膜厚約1μmになるように塗装した。室温で2時間放置
後、半硬化状態を確認し、さらに調製例1−3で作製し
た機能性コーティング材(1−3)を硬化被膜厚約0.
5μmになるように塗装した。塗装は全てスポンジロー
ルを用いた。
【0127】約3ヶ月暴露後、塗装した前面ガラス及び
ポール、反射板等は、汚れもなく、塗装初期の状態を保
っていた。 <実施例45>自動車(トヨタスプリンター平成2年
式)の車体に、エタノールで汚れを拭き取った後、調製
例3で作製したアクリル変性シリコン樹脂コーティング
材(1)を硬化被膜厚約1μmになるように塗装した。
室温で2時間放置後、半硬化状態を確認し、さらに調製
例1−3で作製した機能性コーティング材(1−3)を
硬化被膜厚約0.5μmになるように塗装した。塗装は
全てスポンジロールを用いた。
【0128】約3ヶ月暴露後、塗装した自動車は、汚れ
もなく、塗装初期の状態を保っていた。 <実施例46>セメント系外装材(松下電工(株)製マ
ルチサイディングブリックタイル柄)に、アルカリ成分
溶出を防ぐためエポロEプライマー(イサム塗料製)を
所定の条件で下地処理し、24時間乾燥後、実施例11
で作製した顔料含有アクリル変性シリコン樹脂コーティ
ング材を硬化被膜厚約30μmになるように着色塗装し
た。室温で5時間放置後、半硬化状態を確認し、調製例
2−3で作製した機能性コーティング材(2−3)を硬
化被膜厚約0.5μmになるように塗装した。塗装は全
てエアレススプレーを用いた。
【0129】約3ヶ月暴露後、塗装した外装材は、汚れ
もなく、塗装初期の状態を保っていた。 <実施例47>富士型蛍光灯器具20W用(松下電工
(株)製FA22063)の反射板(鋼板に白色メラミ
ン塗装を施したもの)に、第2塗装層を90℃で15分
間乾燥させたこと以外は実施例3と同様にして半分の面
積だけ塗装した。塗装は全てエアレススプレーを用い
た。このようにして塗装を施した反射板を含む蛍光灯器
具を松下電工(株)本社(大阪府門真市)敷地内の社内
食堂の厨房に設置し観察したところ、約3ヶ月後、塗装
した部分は、その他の部分に比べて汚れが少なかった。 <実施例48>松下電工(株)本社(大阪府門真市)構
内のコンクリート製電柱約1m2 (無塗装)に、コンク
リートのアルカリ成分溶出を防ぐためエポロEプライマ
ー(イサム塗料製)を所定の条件で下地処理し、24時
間乾燥後、実施例11で作製した顔料含有アクリル変性
シリコン樹脂コーティング材を硬化被膜厚約30μmに
なるように着色塗装した。室温で5時間放置後、半硬化
状態を確認し、調製例1−3で作製した機能性コーティ
ング材(1−3)を硬化被膜厚約0.5μmになるよう
に塗装した。塗装は全てハンドロールを用いた。
【0130】約3ヶ月暴露後、塗装した電柱は、汚れも
なく、塗装初期の状態を保っていた。 <実施例49>松下電工(株)本社(大阪府門真市)構
内の防護柵(亜鉛メッキ鋼板)に、エタノールで汚れを
拭き取った後、調製例3で作製したアクリル変性シリコ
ン樹脂コーティング材(1)を硬化被膜厚約1μmにな
るように塗装した。室温で1時間放置後、半硬化状態を
確認し、調製例1−3で作製した機能性コーティング材
(1−3)を硬化被膜厚約0.5μmになるように塗装
した。塗装は全てハンドロールを用いた。
【0131】約3ヶ月暴露後、塗装した防護柵は、汚れ
もなく、塗装初期の状態を保っていた。
【0132】
【表1】
【0133】
【表2】
【0134】
【表3】
【0135】
【表4】
【0136】
【表5】
【0137】
【表6】
【0138】
【表7】
【0139】
【表8】
【0140】
【表9】
【0141】
【表10】
【0142】
【表11】
【0143】
【表12】
【0144】
【発明の効果】本発明の機能性塗装品は、各種下地基材
に対する塗膜の密着性に優れ、光触媒の作用による基材
および塗膜の劣化が起こりにくく、また、塗膜表面の平
滑性も高いため汚れ難く、かつ、高い光触媒作用を持
つ。本発明の機能性塗装品においては、基材と、光触媒
を含む機能性コーティング材の硬化被膜との間に第1塗
装層としてアクリル変性シリコン樹脂コーティング材の
硬化被膜が介在するため、基材が有機基材または有機塗
装基材であっても、基材が光触媒作用の影響を直接受け
にくいので、光触媒作用による基材の劣化が起こりにく
い。また、上記アクリル変性シリコン樹脂コーティング
材硬化被膜からなる第1塗装層の介在により、基材に対
する上記機能性コーティング材の密着性が向上してい
る。
【0145】本発明で用いられる機能性コーティング材
およびアクリル変性シリコン樹脂コーティング材は、い
ずれも無機系塗料であるため、その塗膜は、光触媒の作
用を受けても劣化しにくい。本発明の機能性塗装品は、
紫外線の照射を受けると、第2塗装層に含まれる光触媒
の作用により、有機物の分解、消臭、抗菌、防カビ等の
効果の他に、水をはじく有機物等の汚れが分解されて、
水に対する塗膜の濡れ性が向上するという特性も持つ。
この性能は、膜厚、光触媒含有量の大小に関わらず発現
する。水に対する塗膜の濡れ性が高いと、防曇、屋外用
途での雨水洗浄性による防汚等の効果が発揮される。従
って、本発明の機能性塗装品は、冬季の窓ガラス等の結
露防止や、建築物、道路構造物、自動車、車両等の汚れ
防止等の性能も併せ持つ。
【0146】本発明の機能性塗装品においては、第1塗
装層を形成するアクリル変性シリコン樹脂コーティング
材に顔料を分散配合しても変わらぬ性能を示すため、塗
膜が任意の色に着色されることも可能である。本発明で
用いられる機能性コーティング材は、樹脂量と光触媒量
の比率を変えることにより、塗装品の用途に応じて光触
媒性能、硬度、塗膜表面状態等の塗膜特性をコントロー
ルすることができる。
【0147】本発明の機能性塗装品の製造に用いられる
コーティング材は、加熱硬化だけでなく、常温硬化も可
能であるため、広い乾燥硬化条件範囲あるいは温度範囲
での使用が可能である。従って、熱を均等にかけにくい
形状を持つ基材、大きな寸法を持つ基材または耐熱性に
劣る基材等に対しても塗装ができるのみでなく、屋外等
で塗装作業を行ったりする場合等のように熱をかけにく
い場合でも塗装できることから、その産業的価値が高
い。
【0148】本発明の製造方法では、第1塗布層が半硬
化の状態で第2塗装層形成のための塗布を行うので、温
度条件の選択等により、塗装工程を短時間で行うことが
可能である。従って、本発明の製造方法によれば、上記
の優れた性能を持つ機能性塗装品を容易に効率よく得る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B62D 63/02 B62D 63/02 C09D 5/00 C09D 5/00 P 7/12 7/12 183/04 183/04 F21V 7/22 F21V 7/22 A (72)発明者 佐古 利治 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 岸本 広次 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の表面に、下記(A)、(B)、
    (C)および(D)成分を含むアクリル変性シリコン樹
    脂コーティング材の硬化被膜からなる第1塗装層と、こ
    の第1塗装層の表面に形成された下記(E)および
    (F)成分を含む機能性コーティング材の硬化被膜から
    なる第2塗装層とを備えた機能性塗装品。 (A)成分: 一般式R1 m SiX4-m …(I) で表される(ここでR1 は同一または異種の置換もしく
    は非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、mは
    0〜3の整数、Xは加水分解性基を示す。)加水分解性
    オルガノシランを、有機溶媒、水またはそれらの混合溶
    媒に分散されたコロイダルシリカ中で、前記加水分解性
    基(X)1モル当量当たり水0.001〜0.5モルを
    使用する条件下で部分加水分解してなる、オルガノシラ
    ンのシリカ分散オリゴマー溶液。 (B)成分: 平均組成式R2 a Si(OH)b (4-a-b)/2 …(II) で表され(ここでR2 は同一または異種の置換もしくは
    非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよ
    びbはそれぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦
    3、a+b<4の関係を満たす数である。)、分子中に
    シラノール基を含有するポリオルガノシロキサン。
    (C)成分:硬化触媒。 (D)成分: 一般式CH2 =CR3 (COOR4 ) …(III) で表される(ここでR3 は水素原子および/またはメチ
    ル基を示す)モノマーであって、 R4 が置換もしくは非置換の炭素数1〜9の1価炭化水
    素基である第1の(メタ)アクリル酸エステルと、 R4 がエポキシ基、グリシジル基およびこれらのうちの
    少なくとも一方を含む炭化水素基からなる群の中から選
    ばれる少なくとも1種の基である第2の(メタ)アクリ
    ル酸エステルと、 R4 がアルコキシシリル基および/またはハロゲン化シ
    リル基を含む炭化水素基である第3の(メタ)アクリル
    酸エステルと、の共重合体であるアクリル樹脂。(E)
    成分:一般式Si(OR5 4 で表されるケイ素化合物
    および/またはコロイダルシリカ20〜200重量部
    と、 一般式R6 Si(OR5 3 で表されるケイ素化合物1
    00重量部と、 一般式R6 2 Si(OR5 2 で表されるケイ素化合物
    0〜60重量部と、の加水分解重縮合物からなり(ここ
    でR5 、R6 は1価の炭化水素基を示す)、その重量平
    均分子量がポリスチレン換算で800以上になるように
    調整されているオルガノシロキサン。(F)成分:光触
    媒。
  2. 【請求項2】基材の表面に、下記(A)、(B)、
    (C)および(D)成分を含むアクリル変性シリコン樹
    脂コーティング材の塗布硬化被膜からなる第1塗装層
    と、この第1塗装層の表面に形成された下記(A)、
    (B)、(C)および(F)成分を含む機能性コーティ
    ング材の塗布硬化被膜からなる第2塗装層とを備えた機
    能性塗装品。(A)成分: 一般式R1 m SiX4-m …(I) で表される(ここでR1 は同一または異種の置換もしく
    は非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、mは
    0〜3の整数、Xは加水分解性基を示す。)加水分解性
    オルガノシランを、有機溶媒、水またはそれらの混合溶
    媒に分散されたコロイダルシリカ中で、前記加水分解性
    基(X)1モル当量当たり水0.001〜0.5モルを
    使用する条件下で部分加水分解してなる、オルガノシラ
    ンのシリカ分散オリゴマー溶液。(B)成分: 平均組成式R2 a Si(OH)b (4-a-b)/2 …(II) で表され(ここでR2 は同一または異種の置換もしくは
    非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよ
    びbはそれぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦
    3、a+b<4の関係を満たす数である。)、分子中に
    シラノール基を含有するポリオルガノシロキサン。
    (C)成分:硬化触媒。(D)成分: 一般式CH2 =CR3 (COOR4 ) …(III) で表される(ここでR3 は水素原子および/またはメチ
    ル基を示す)モノマーであって、 R4 が置換もしくは非置換の炭素数1〜9の1価炭化水
    素基である第1の(メタ)アクリル酸エステルと、 R4 がエポキシ基、グリシジル基およびこれらのうちの
    少なくとも一方を含む炭化水素基からなる群の中から選
    ばれる少なくとも1種の基である第2の(メタ)アクリ
    ル酸エステルと、 R4 がアルコキシシリル基および/またはハロゲン化シ
    リル基を含む炭化水素基である第3の(メタ)アクリル
    酸エステルと、の共重合体であるアクリル樹脂。(F)
    成分:光触媒。
  3. 【請求項3】前記アクリル変性シリコン樹脂コーティン
    グ材において、前記(A)成分1〜94重量部に対し、
    前記(B)成分1〜94重量部および前記(D)成分5
    〜35重量部(ただし、前記(A)、(B)、(D)成
    分の合計は100重量部である)が配合されている、請
    求項1または2に記載の機能性塗装品。
  4. 【請求項4】前記アクリル変性シリコン樹脂コーティン
    グ材が顔料をも含む、請求項1から3までのいずれかに
    記載の機能性塗装品。
  5. 【請求項5】前記基材は、金属基材、有機質基材および
    これらのうちのいずれかの表面に有機物被膜を有する有
    機塗装基材からなる群の中から選ばれている、請求項1
    から4までのいずれかに記載の機能性塗装品。
  6. 【請求項6】基材の表面に、下記(A)、(B)、
    (C)および(D)成分を含むアクリル変性シリコン樹
    脂コーティング材を塗布することにより、第1塗布層を
    形成させる工程と、 前記第1塗布層を半硬化させることにより、半硬化層を
    形成させる工程と、 前記半硬化層の表面に、下記(E)および(F)成分を
    含む機能性コーティング材を塗布することにより、第2
    塗布層を形成させる工程と、 前記半硬化層と前記第2塗布層を硬化させる工程と、を
    含む機能性塗装品の製造方法。(A)成分: 一般式R1 m SiX4-m …(I) で表される(ここでR1 は同一または異種の置換もしく
    は非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、mは
    0〜3の整数、Xは加水分解性基を示す。)加水分解性
    オルガノシランを、有機溶媒、水またはそれらの混合溶
    媒に分散されたコロイダルシリカ中で、前記加水分解性
    基(X)1モル当量当たり水0.001〜0.5モルを
    使用する条件下で部分加水分解してなる、オルガノシラ
    ンのシリカ分散オリゴマー溶液。(B)成分: 平均組成式R2 a Si(OH)b (4-a-b)/2 …(II) で表され(ここでR2 は同一または異種の置換もしくは
    非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよ
    びbはそれぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦
    3、a+b<4の関係を満たす数である。)、分子中に
    シラノール基を含有するポリオルガノシロキサン。
    (C)成分:硬化触媒。(D)成分: 一般式CH2 =CR3 (COOR4 ) …(III) で表される(ここでR3 は水素原子および/またはメチ
    ル基を示す)モノマーであって、 R4 が置換もしくは非置換の炭素数1〜9の1価炭化水
    素基である第1の(メタ)アクリル酸エステルと、 R4 がエポキシ基、グリシジル基およびこれらのうちの
    少なくとも一方を含む炭化水素基からなる群の中から選
    ばれる少なくとも1種の基である第2の(メタ)アクリ
    ル酸エステルと、 R4 がアルコキシシリル基および/またはハロゲン化シ
    リル基を含む炭化水素基である第3の(メタ)アクリル
    酸エステルと、の共重合体であるアクリル樹脂。(E)
    成分:一般式Si(OR5 4 で表されるケイ素化合物
    および/またはコロイダルシリカ20〜200重量部
    と、 一般式R6 Si(OR5 3 で表されるケイ素化合物1
    00重量部と、 一般式R6 2 Si(OR5 2 で表されるケイ素化合物
    0〜60重量部と、の加水分解重縮合物からなり(ここ
    でR5 、R6 は1価の炭化水素基を示す)、その重量平
    均分子量がポリスチレン換算で800以上になるように
    調整されているオルガノシロキサン。(F)成分:光触
    媒。
  7. 【請求項7】基材の表面に、下記(A)、(B)、
    (C)および(D)成分を含むアクリル変性シリコン樹
    脂コーティング材を塗布することにより、第1塗布層を
    形成させる工程と、 前記第1塗布層を半硬化させることにより、半硬化層を
    形成させる工程と、 前記半硬化層の表面に、下記(A)、(B)、(C)お
    よび(F)成分を含む機能性コーティング材を塗布する
    ことにより、第2塗布層を形成させる工程と、 前記半硬化層と前記第2塗布層を硬化させる工程と、を
    含む機能性塗装品の製造方法。(A)成分: 一般式R1 m SiX4-m …(I) で表される(ここでR1 は同一または異種の置換もしく
    は非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、mは
    0〜3の整数、Xは加水分解性基を示す。)加水分解性
    オルガノシランを、有機溶媒、水またはそれらの混合溶
    媒に分散されたコロイダルシリカ中で、前記加水分解性
    基(X)1モル当量当たり水0.001〜0.5モルを
    使用する条件下で部分加水分解してなる、オルガノシラ
    ンのシリカ分散オリゴマー溶液。(B)成分: 平均組成式R2 a Si(OH)b (4-a-b)/2 …(II) で表され(ここでR2 は同一または異種の置換もしくは
    非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよ
    びbはそれぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦
    3、a+b<4の関係を満たす数である。)、分子中に
    シラノール基を含有するポリオルガノシロキサン。
    (C)成分:硬化触媒。(D)成分: 一般式CH2 =CR3 (COOR4 ) …(III) で表される(ここでR3 は水素原子および/またはメチ
    ル基を示す)モノマーであって、 R4 が置換もしくは非置換の炭素数1〜9の1価炭化水
    素基である第1の(メタ)アクリル酸エステルと、 R4 がエポキシ基、グリシジル基およびこれらのうちの
    少なくとも一方を含む炭化水素基からなる群の中から選
    ばれる少なくとも1種の基である第2の(メタ)アクリ
    ル酸エステルと、 R4 がアルコキシシリル基および/またはハロゲン化シ
    リル基を含む炭化水素基である第3の(メタ)アクリル
    酸エステルと、の共重合体であるアクリル樹脂。(F)
    成分:光触媒。
  8. 【請求項8】前記アクリル変性シリコン樹脂コーティン
    グ材において、前記(A)成分1〜94重量部に対し、
    前記(B)成分1〜94重量部および前記(D)成分5
    〜35重量部(ただし、前記(A)、(B)、(D)成
    分の合計は100重量部である)が配合されている、請
    求項6または7に記載の機能性塗装品の製造方法。
  9. 【請求項9】前記アクリル変性シリコン樹脂コーティン
    グ材が顔料をも含む、請求項6から8までのいずれかに
    記載の機能性塗装品の製造方法。
  10. 【請求項10】前記基材は、金属基材、有機質基材およ
    びこれらのうちのいずれかの表面に有機物被膜を有する
    有機塗装基材からなる群の中から選ばれている、請求項
    6から9までのいずれかに記載の機能性塗装品の製造方
    法。
  11. 【請求項11】請求項1から5までのいずれかに記載の
    機能性塗装品を少なくとも一部に備えた建物関連部材。
  12. 【請求項12】請求項1から5までのいずれかに記載の
    機能性塗装品を少なくとも一部に備えた建物用門。
  13. 【請求項13】請求項12に記載の門に使用するための
    門柱。
  14. 【請求項14】請求項1から5までのいずれかに記載の
    機能性塗装品を少なくとも一部に備えた建物用塀。
  15. 【請求項15】請求項14に記載の塀に使用するための
    部材。
  16. 【請求項16】請求項1から5までのいずれかに記載の
    機能性塗装品を少なくとも一部に備えた窓。
  17. 【請求項17】採光窓である請求項16に記載の窓。
  18. 【請求項18】請求項16または17に記載の窓に使用
    するための窓枠。
  19. 【請求項19】請求項1から5までのいずれかに記載の
    機能性塗装品を少なくとも一部に備えた自動車。
  20. 【請求項20】請求項1から5までのいずれかに記載の
    機能性塗装品を少なくとも一部に備えた機械装置。
  21. 【請求項21】請求項1から5までのいずれかに記載の
    機能性塗装品を少なくとも一部に備えた道路周辺部材。
  22. 【請求項22】交通標識として用いられる請求項21に
    記載の道路周辺部材。
  23. 【請求項23】請求項1から5までのいずれかに記載の
    機能性塗装品を少なくとも一部に備えた広告塔。
  24. 【請求項24】請求項1から5までのいずれかに記載の
    機能性塗装品を少なくとも一部に備えた照明器具。
  25. 【請求項25】請求項24に記載の照明器具に用いるた
    めの樹脂部材。
  26. 【請求項26】請求項24に記載の照明器具に用いるた
    めの金属部材。
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