JP4693965B2 - 光触媒担持構造体及び光触媒層形成用組成物 - Google Patents

光触媒担持構造体及び光触媒層形成用組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、浄水、脱臭、防汚、殺菌、排水処理、藻の成育抑制、及び各種化学反応等に用いられる光触媒を含有してなる光触媒層形成用組成物、及び担体上に接着層を介して該組成物から形成されてなる光触媒層を有する光触媒担持構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、プラスチックフィルム等の有機物を主体とする担体を用いる光触媒担持構造体が知られている。しかしながらその多くは、光触媒を担体上に直接担持するものであるため、光触媒作用により担体(有機物)自体が光分解されたり、劣化したりすることが報告されており、その耐久性に問題があった(例えば、大谷文章、高分子加工 42巻、5号、p18(1993)、清野学著、”酸化チタン”技法堂、p165等参照)。
【0003】
そこでかかる問題を解決するために、担体上に接着層を設け、該接着層上に光触媒層を形成してなる光触媒構造体が提案されている(例えば、WO97/00134号公報、WO98/25711号公報等参照。)。
【0004】
これらの技術は、主に担体と光触媒層との間に特定の接着層を設けることにより、下地の担体を光触媒による劣化から保護する作用と、光触媒層を担体に強固に接着させる作用、及び接着層自身が光触媒作用により劣化を受けにくい光触媒担持構造体としたものである。
【0005】
本発明に関連するものとしては、例えば、WO96/14932号公報には、光触媒、電子捕捉性金属及び光耐蝕性マトリックスを含む表面層(光触媒機能層)を有する光触媒機能材が開示されている。そしてそこでは、該光耐蝕性マトリックス中には、シリカ、ケイ酸化合物等の無機材料、テトラフルオロエチレン樹脂やアクリルシリコン樹脂等の難分解性樹脂等を含める旨が記載されている。
【0006】
また、特開平10−225640号公報には、難分解性結着剤を介して光触媒粒子を基体上に接着させることを特徴とする光触媒体が開示されている。そしてそこでは、難分解性結着剤として、水ガラス、コロイダルシリカ等の無機系結着剤、フッ素系ポリマー及びシリコン系ポリマーが好ましく例示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、透明ガラスや透明プラスチックス成形体上に形成してなる光触媒担持構造体等のように、特に高い透明性が要求される場合においては次のような問題があった。
【0008】
すなわち、(1)十分な光触媒活性を確保するためには、光触媒層を厚く形成する必要があるが、表面にヒビが入ったり、白化して透明性が悪くなる場合があること、(2)接着層を構成する樹脂自体が光触媒の作用により光分解(光劣化)する場合があること、(3)その防止のために接着層の厚みを厚くしたり、シリカ等の難分解性物質を接着層中に添加すると、透明性が悪化してしまう場合があること、(4)光触媒構造体の表面が特有の色彩(金色等)を帯びて見える場合(いわゆる干渉色の問題)があること、及び(5)接着層と光触媒層との間で優れた層間密着性を得られない場合があること等である。
【0009】
従って、これらの問題のすべてを解決した光触媒担持構造体の開発が求められている。本発明は、かかる問題を解決すべく、担体と光触媒層との間に接着層を設けた光触媒担持構造体において、▲1▼層間密着性、特に接着層と光触媒層との層間密着性に優れ、▲2▼担体及び接着層が光触媒により分解され難く、▲3▼透明性に優れ、かついわゆる干渉色がなく、かつ、▲4▼表面にひび割れ等の生じない光触媒担持構造体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決すべく、第1に、透明担体と、該透明担体上に形成された接着層と、該接着層上に形成された光触媒層とを有する光触媒担持構造体であって、前記光触媒層は、厚みが50nm〜200nmであり、かつ、シリコン変性樹脂を0.5重量%〜10重量%シリコン化合物を0.5〜10重量%、金属酸化物のゲル及び/又は金属水酸化物のゲルを酸化物換算で5重量%〜75重量%、並びに光触媒粉末及び/又は光触媒ゲルを10〜30重量%含有してなるものであり、
前記接着層は、シリコンを二酸化ケイ素換算で2重量%〜60重量%含有するシリコン変性樹脂、コロイダルシリカを二酸化ケイ素換算で5重量%〜40重量%含有する樹脂、又はポリシロキサンを二酸化ケイ素換算で3重量%〜60重量%含有する樹脂からなる光触媒担持構造体を提供する。
【0012】
また前記シリコン変性樹脂は、アクリルシリコン樹脂又はエポキシシリコン樹脂であり、前記シラン化合物は、テトラメトキシシラン及び/又はテトラエトキシシランの重縮合物であるのがそれぞれ好ましい。
【0013】
前記金属酸化物のゲル及び/又は金属水酸化物のゲルは、150℃で乾燥した後の比表面積が100m2/g以上である多孔質の金属酸化物のゲル及び/又は金属水酸化物のゲルであるのが好ましい。
【0014】
前記金属酸化物のゲル及び/又は金属水酸化物のゲルは、珪素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、マグネシウム、タングステン及びスズからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物のゲル又は金属水酸化物のゲルであるのがより好ましい。
【0016】
また本発明は、第2に、シリコン変性樹脂を固形分として0.05重量%〜1重量%シリコン化合物、金属酸化物のゾル及び/又は金属水酸化物のゾルを酸化物換算で0.5重量%〜7.5重量%、並びに光触媒粉末及び/又は光触媒ゾルを含有してなる、光触媒層形成用組成物を提供する。
【0018】
また前記シリコン変性樹脂は、アクリルシリコン樹脂又はエポキシシリコン樹脂であり、前記シラン化合物は、テトラメトキシシラン及び/又はテトラエトキシシランの重縮合物であるのがそれぞれ好ましい。
【0019】
さらに、前記金属酸化物のゾル及び/又は金属水酸化物のゾルは、珪素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、マグネシウム、タングステン及びスズからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物のゾル又は金属水酸化物のゾルであるのが好ましい。
【0020】
本発明は、特に透明担体を用い、いわゆる光干渉色のない優れた透明性が要求される場合に好ましく適用され、かつ、きわめて優れた層間密着性を有する光触媒担持構造体を提供するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の光触担持構造体は、基本的には、担体上に光触媒層が形成されてなり、担体表面に接着層を介して光触媒層が形成されてなるのが好ましい。
【0022】
本発明の光触媒担持構造体の光触媒層は、シリコン変性樹脂、金属酸化物のゲル及び/又は金属水酸化物のゲル、シラン化合物並びに光触媒粉末及び/又は光触媒ゲルを含有してなる。
【0023】
前記シリコンを導入(シリコン変性)できる樹脂としては、シリコンを導入できるものであれば特に制限はない。例えばアクリルシリコン樹脂、エポキシシリコン樹脂、ポリエステルシリコン樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の種々の合成樹脂が挙げられる。
【0024】
これらの内、アクリルシリコン樹脂、エポキシシリコン樹脂等のシリコン変性樹脂は、成膜性、膜強度及び担体との密着性の点で最も優れている。
【0025】
シリコン変性樹脂の製造方法としては、エステル交換反応による方法、シリコンマクロマーや反応性シリコンモノマーを用いたグラフト反応による方法、ヒドロシリル化反応による方法、ブロック共重合を用いた方法等がある。本発明ではどのような方法で作られた物でも用いることができる。かかるシリコン変性樹脂は、光触媒層との接着性を高める点からシリコンを酸化物に換算して2〜60重量%含有してなるのが好ましい。
【0026】
シリコン変性樹脂の光触媒層中の含有量は、0.5重量%〜10重量%が好ましい。0.5重量%未満では、接着層との層間密着性を高める効果に乏しく、10重量%を越える場合には、光触媒活性が低下するおそれがある。
【0027】
(金属酸化物及び/又は金属水酸化物)のゲルは、光触媒粉末を担体(又はその他の層)上に強固に接着させる効果を有する。
【0028】
前記金属酸化物及び/又は金属水酸化物のゲルは、150℃で乾燥した後の比表面積が100m2/g以上であるのが好ましい。このような多孔質のゲルは吸着性を有しており、光触媒活性を高める効果を有している。
【0029】
前記金属酸化物及び金属水酸化物の金属成分としては、珪素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、マグネシウム、ニオブ、タンタル、タングステン、スズ等を好ましく例示することができる。また、金属成分として、珪素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、ニオブの中から選ばれた2種以上の金属を含有する酸化物もしくは水酸化物ゲルを使用することもできる。
【0030】
これら金属酸化物のゲル及び金属水酸化物のゲルの実際の使用に当たっては、ゲルを形成するためのこれらのゾルを混合し、乾燥して得られるゲル、共沈法等の方法で作られる複合酸化物ゾルのいずれも使用することもできる。光触媒と複合化する場合には、ゲルとなる前のゾルの状態で均一混合するか、又はゾルを調製する前の原料の段階で混合するのが好ましい。
【0031】
金属酸化物ゾル又は金属水酸化物ゾルの含有量は、光触媒層形成用組成物全体に対して0.5重量%〜7.5重量%が好ましい。含有量が5重量%未満の場合には、接着層との層間密着性を高める効果に乏しく、一方、75重量%を越えると光触媒活性が低下するおそれがある。
【0032】
光触媒層には、更にシラン化合物を含有せしめる。シラン化合物は、膜強度、密着性を向上させるとともに光触媒層形成用組成物の経時変化による粘度増加や粒子沈降が生じるのを抑制する役割を果たす。
【0033】
かかるシラン化合物としては、例えば一般式:SiR n1(OR4−n1〔式中、Rは、(アミノ基、塩素原子又はカルボキシル基で置換されていてもよい)炭素数1〜8のアルキル基を表し、Rはアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、n1は0,1又は2を表す。〕で表されるアルコキシシラン類、又はそれらの部分加水分解生成物の1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
【0034】
前記R1としては、メチル基、エチル基、ビニル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル基、γ−クロロプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、γ−アミノプロピル基、1−アクリロキシプロピル基等が挙げられる。
【0035】
またOR2で表される基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、β−メトキシエトキシ基、2−エチルヘキシロキシ基等を挙げることができる。
【0036】
前記一般式:SiR n1(OR4−n1で表されるシラン化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、及びこれらの部分加水分解生成物を好ましく挙げることができる。
【0037】
これらのうち、本発明においては入手容易性、取扱性等の理由からテトラメトキシシラン及びテトラエトキシシラン及びこれらの部分加水分解生成物の使用が特に好ましい。
【0038】
テトラアルコキシシランの部分加水分解生成物は、例えば、これらテトラアルコキシシランの所定量を水、メタノール、エタノール、酢酸エチル等の水もしくは有機溶媒に溶解し、そのまま加熱あるいは所定量の酸もしくは塩基を添加して部分的に加水分解させることにより調製することができる。
【0039】
通常、重合度は3〜10が好ましく、また、未反応のテトラアルコキシシランモノマーの残存量は、シラン化合物全体の5重量%以下であるのが好ましい。本発明においては、前記部分加水分解生成物としては、その重合度が3〜10のテトラメトキシシラン及び/又はテトラエトキシシランの部分加水分解生成物を用いるのが特に好ましい。
【0040】
前記シラン化合物の含有量は、光触媒層全体に対して0.5〜10重量%程度が好ましい。0.5重量%未満では、光触媒層の膜強度、密着性、長期保存安定性が低下し、10重量%を越えると、光触媒の光触媒活性の低下が著しい。
【0041】
光触媒は、粉末状、ゾル状、溶液状等、光触媒層の乾燥温度で乾燥した時に担体上又はその他の層を介して固着して光触媒活性を示すものであれば、いずれも好ましく使用することができる。ゾル状の光触媒を使用する場合、粒子径が20nm以下、好ましくは10nm以下のものを使用すると、光触媒層透明性が向上し直線透過率が高くなるため、透明性が要求されるガラス基板やプラスチック成形体に塗布する場合に特に好ましい。また、下地の担体に色や模様が印刷されている場合には、下地の色や柄を損なうことなく透明な光触媒層を形成することができる。
【0042】
かかる光触媒としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化マンガン、酸化ゲルマニウム、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ロジウム、酸化レニウムなどの酸化物等が挙げられる。これらの中でも、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化ニオブ、特にアナターゼ型二酸化チタンは、100℃以下の低温で加熱硬化を行った場合でも優れた光触媒活性を示す点から好ましい。
【0043】
また、これらに光触媒の光触媒還元作用を利用して、Pt,Rh,Ru,RuO2,Nb,Cu,Sn,Ni,Fe,Ag等の金属もしくはこれらの金属酸化物を添加したものを用いることができる。
【0044】
光触媒層中の光触媒の含有量は、多量なほど触媒活性が高くなるが、接着性の点から光触媒層に対して10〜30重量%以下であるのが好ましい。10重量%未満では光触媒活性が十分ではなく、30重量%を越える場合には、光触媒活性が飽和する一方で接着層との密着性が低下するおそれがある。
【0045】
光触媒層は、担体表面又は後述する接着剤層上に本発明の光触媒層形成用組成物を塗工・乾燥することにより形成することができる。
【0046】
本発明の光触媒層形成用組成物は、少なくとも前記シリコン変性樹脂、金属酸化物及び/又は金属水酸化物のゾル、シラン化合物並びに光触媒の粉末及び/又は光触媒ゾルを含み、これらを適当な溶媒に溶解及び/又は分散させて製造することができる。
【0047】
用いることのできる溶媒としては、低沸点のものが好ましいが、例えば水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;等及びこれらの2種以上の混合溶媒を用いることができる。
【0048】
光触媒層を担体表面上あるいは接着層上に形成する方法としては、特に制限はないが、例えば前記光触媒層形成用組成物の有機溶媒溶液、有機溶媒懸濁液、水分散エマルジョン等を、担体表面に印刷法、シート形成法、スプレー吹きつけ法、ディップコーティング法、スピンコーティング法等でコートし、乾燥させる方法を用いることができる。乾燥温度は溶媒や樹脂の種類によっても異なるが、150℃以下の温度が好ましい。
【0049】
なお、グラビア印刷法等の短時間で光触媒層を乾燥硬化させることが必要な場合には、シリコン系硬化剤などの硬化促進剤を、光触媒形成用組成物の固形分に対し、必要な硬化速度に応じて0.1〜10重量%添加することも好ましい。
【0050】
また、光触媒層は、金属酸化物ゾルあるいは金属水酸化物ゾルの前駆体溶液に、シラン化合物、シリコン変性樹脂及び光触媒を分散し、コート時に加水分解あるいは中和分解してゾル化もしくはゲル化させてもよい。
【0051】
ゾルを使用する場合には、安定化のために、酸やアルカリの解膠剤等が添加されていてもよい。光触媒層形成時の乾燥温度としては、担体材質及び接着層中の樹脂材質によっても異なるが、通常50℃〜200℃の範囲が好ましい。
【0052】
また光触媒層を形成する前に、担体表面あるいは接着層表面に易接着処理を施すことも好ましい。接着層表面に易接着処理を施すことにより、接着層と光触媒層との層間密着性が著しく高められ、接着層表面に光触媒層を形成した場合に、乱反射により白濁を生じたり、光触媒層表面が見る角度によって金色や玉虫色に見える、いわゆる干渉色が現れるのをより効果的に防止することができる。
【0053】
かかる易接着処理としては、例えば、接着層表面をコロナ放電処理やUV−オゾン処理を施す方法が挙げられる。
【0054】
光触媒層の厚みは厚い方が活性は高くなるが、通常50nm〜200nmが好ましい。2000nm以上になると光触媒活性向上の効果が飽和する一方、50nm未満の場合には光透過性に優れるものの光触媒が利用する紫外線をも透過してしまうために、高い活性が望めなくなる。
【0055】
接着層は、少なくともシリコンを二酸化ケイ素換算で2重量%〜60重量%含有するシリコン変性樹脂、コロイダルシリカを二酸化ケイ素換算で5重量%〜40重量%含有する樹脂、又はポリシロキサンを二酸化ケイ素換算で3重量%〜60重量%含有する樹脂を含有するのが好ましい。
【0056】
これらのシリコン変性樹脂のシリコン、コロイダルシリカ及びポリシロキサンの含有量が二酸化ケイ素換算で所定量未満の場合には、接着層と担体との密着性に乏しくなり、また、接着層が光触媒によって劣化しやすくなり、光触媒層が剥離しやすくなる。一方、所定量を越えると、接着層と担体との密着性が乏しくなる。
【0057】
前記シリコン、コロイダルシリカ及び/又はポリシロキサンを導入(又は含有)することができる樹脂としては、これらのものを導入(又は含有)できるものであれば特に制限はないが、例えばアクリルシリコン樹脂、エポキシシリコン樹脂、ポリエステルシリコン樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の種々の合成樹脂が挙げられる。
【0058】
これらの内、アクリルシリコン樹脂やエポキシシリコン樹脂等のシリコン変性樹脂は、成膜性、膜強度及び担体との密着性の点で最も優れている。
【0059】
シリコン変性樹脂としては、前記光触媒層中に含有せしめるものとして列記したものと同様なものを用いることができる。かかるシリコン変性樹脂は、光触媒層との接着性を高める点からシリコンを酸化物に換算して2重量%〜60重量%含有してなるのが好ましい。
【0060】
コロイダルシリカは、珪酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換することにより得られるシリカゾルであっても、シリコンアルコキシドを加水分解して得られるシリカゾルであっても、どのようなものでも使用することができる。
【0061】
コロイダルシリカを樹脂に含有させる方法としては、樹脂溶液とコロイダルシリカ溶液(懸濁液)を均一に混合する方法が一般的である。そのほか、コロイダルシリカを分散させた状態で高分子モノマーあるいはオリゴマーを重合(又は硬化)させたものを用いることもできる。
【0062】
またコロイダルシリカと樹脂との分散性を高める目的でシランカップリング剤で処理されたコロイダルシリカを用いることができる。コロイダルシリカの樹脂への添加量は、担体上に光触媒を強固に接着させるためには、酸化物に換算して5〜40重量%が好ましい。なお、シランカップリング剤により処理されたコロイダルシリカを用いる場合には、コロイダルシリカの添加量を減らすことができる。
【0063】
ポリシロキサンとしては、例えば、一般式:SiCln2(OH)n334(OR4)n5〔式中、R3は、(アミノ基、カルボキシル基又は塩素原子で置換されていてもよい)炭素数1〜8のアルキル基を表し、R4は、アルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、n2、n3及びn4は、0,1又は2を表し、n5は2、3又は4を表し、かつn2+n3+n4+n5=4である。〕で表されるシリコンアルコキシドの重縮合反応生成物を用いることができる。
【0064】
前記R3としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル基等の炭素数1〜8のアルキル基、又はアミノメチル、アミノエチル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、クロロメチル、クロロプロピル基等のアミノ基、カルボキシル基又は塩素原子で置換された炭素数1〜8のアルキル基を例示することができる。
【0065】
またR4としては、メチル、エチル、プロピル、メトキシメチル、エトキシメチル、エトキシエトキシ基等を例示することができる。
【0066】
かかるシリコンアルコキシドの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0067】
ポリシロキサンの樹脂への導入方法としては、(a)シリコンアルキシドをモノマーの状態で樹脂溶液と混合し、接着層形成時に空気中の水分で加水分解させる方法、(b)予めシリコンアルコキシドの部分加水分解物を樹脂と混合し、更に接着層形成時に空気中の水分で加水分解させる方法等種々あるが、樹脂と均一に混合することができるのであればどのような方法でも良い。
【0068】
また、シリコンアルコキシドの加水分解速度を調整するために、混合物中に酸や塩基触媒を少量添加してもよい。ポリシロキンサンの樹脂への添加量は、担体に光触媒層を強固に接着させるためには二酸化ケイ素に換算して3〜60重量%が好ましい。
【0069】
本発明においては、前記コロイダルシリカ及びポリシロキサンの両方を含む樹脂を接着層として用いることがより好ましい。この場合、接着層中のコロイダルシリカ及びポリシロキサンの含有量の合計が、酸化物に換算して5〜40重量%以内であれば、担体と光触媒層とを強固に接着させ、接着層と光触媒層との合計の波長550nmの全光線透過率が70%以上の透明性を有し、光干渉色が現れるのが防止され、それに加えて耐アルカリ性に優れた接着層を得ることができる。
【0070】
また前記接着層中には、接着層の光触媒作用による劣化を抑制する目的で、光安定剤及び/又は紫外線吸収剤等を混合することにより、耐久性を向上させることができる。使用できる光安定剤としては、ヒンダードアミン系が好ましいが、その他の物でも使用可能である。
【0071】
紫外線吸収剤としてはトリアゾール系紫外線吸収剤等が使用できる。これらの添加量は、通常、組成物全体に対して0.005重量%〜10重量%程度である。
【0072】
接着層は、担体表面上に接着層形成用組成物を塗工・乾燥することにより形成することができる。接着層形成用組成物は、少なくとも前記シリコンを酸化物換算で2〜60重量%含有するシリコン変性樹脂、コロイダルシリカを酸化物換算で5〜40重量%含有する樹脂又はポリシロキサンを酸化物換算で3〜60重量%含有する樹脂を含み、適当な溶媒に溶解ないしは懸濁させて調製することができる。
【0073】
かかる溶媒としては低沸点のものが好ましいが、例えば水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素等及びこれらの2種以上の混合溶媒を用いることができる。
【0074】
接着層を形成する方法としては、特に制限はないが、たとえば、前記接着層形成用組成物の有機溶媒溶液、有機溶媒懸濁液、水分散エマルジョン等を、担体表面に印刷法、シート形成法、スプレー吹きつけ法、ディップコーティング法、スピンコーティング法等でコートし、乾燥させる方法を用いることができる。乾燥温度は溶媒や樹脂の種類によっても異なるが、150℃以下の温度が好ましい。
【0075】
なお、グラビア印刷法等の短時間で接着層を乾燥硬化させることが必要な場合には、シリコン系硬化剤などの硬化促進剤を、接着層形成用組成物の固形分に対し、必要な硬化速度に応じて0.1重量%〜10重量%添加することも好ましい。
【0076】
また前記接着層は2層以上の複層から形成されていてもよく、接着層の厚さ(接着層が2層以上からなる場合には合計の厚さ)は、200nm以上であるのが好ましい。厚さが200nm以上あれば、光触媒層を強固に接着し、耐久性の高い光触媒構造体を得ることができる。
【0077】
本発明の光触媒担持構造体に用いられる担体としては、直接に又は中間層を介して光触媒を担持可能なものであれば特に限定されない。例えば、セラミックス、無機質材料、担体材質が熱をかけられない有機高分子体や熱や水等により酸化腐食し易い金属であってもよい。
【0078】
また、担体形状としては、フィルム状、シート状、板状、管状、繊維状、網状等どのような複雑な形状のものも使用可能である。
【0079】
担体の厚みとしては10μm以上のものであれば、表面に接着層及び帯電防止層を強固に担持することができるので好ましい。
【0080】
担体の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のポリオレフィン樹脂、
ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル樹脂、
【0081】
ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、
フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の熱硬化性樹脂、
その他、ポリフッ化エチレン、珪素樹脂等の合成樹脂のフィルムや板状体、
各種ガラス、陶磁器、土器、ほうろう等のセラミックス板、
石膏板、石膏スラグ板、珪酸カルシウム板、軽量発泡コンクリ−ト板、中空押出セメント板、パルプセメント板、石綿セメント板、木片セメント板、硝子繊維強化セメント板、
【0082】
木材単板、木材合板、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板)等の木質板、
クラフト紙、コート紙、チタン紙、リンター紙、板紙、石膏ボード紙、上質紙、薄葉紙、パラフィン紙、グラシン紙、アート紙、硫酸紙等の紙類、
毛、絹、麻等の天然繊維、レーヨン、アセテート等の再生繊維、ナイロン、アクリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の合成繊維、アラミド等の耐熱性繊維の単独あるいは混紡繊維からなる織布、不織布、編布等の繊維、
【0083】
硝子繊維、石綿、チタン酸カリウム繊維、シリカ繊維、炭素繊維、アルミナ繊維等の複合強化繊維、
フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の樹脂を、硝子繊維、不織布、布帛、紙、その他各種繊維基材に含浸硬化させて複合化したいわゆるFRP板等が挙げられる。
【0084】
これらの内、ガラス板や透明樹脂フィルム等の透明担体を用いる場合に、特に本発明は好ましく適用される。
【0085】
本発明の光触媒担持構造体を少なくとも一部に有した物品としては、例えば、壁紙、壁面材、窓ガラス、サッシ、窓枠類等の建築物の内外装材、
ブラインド、カーテン、カーペット、ショーケース等の各種インテリア製品、
眼鏡、ガラスレンズ、フロントガラス、ドアミラー、鏡等の各種ガラス製品、
照明器具、照明灯、ブラックライト、テレビ、冷蔵庫、オーディオ機器、コンピュータ、パソコン、プリンタ、ファクシミリ等の電気機器、
テント、傘、テーブルクロス等の日用品、
箪笥、本棚、机、テーブル等の家具類、
自動車、電車、飛行機、船舶等の車両の内外装材、
農業用フィルム、防草シート、育苗シート等の農園芸用シート類や食品包装材料等が挙げられる。
【0086】
また本発明の光触媒構造体を設けた合成樹脂フィルムは、その防汚、抗菌、脱臭機能を活かして、光触媒を担持していない担体の裏面に、アクリル系あるいはシリコン系粘着剤を塗布したフィルムとすることで、自動車や各種輸送機器の窓ガラス、冷凍・冷蔵ショーケースや温室等の内面に貼り付けることができる。
【0087】
そして、内部空間の微量有機物質の分解と、ガラス表面の汚染防止と破損時の飛散防止に有効な透視性の高いフィルムとすることが可能となる。
【0088】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、担体の種類、光触媒層、接着剤層の組成、厚み等を自由に変更することができる。
【0089】
1)光触媒担持フィルムの作製
(1)実施例
酸化物換算でシリコン含有量2重量%のアクリルシリコン樹脂、テトラメトキシシランの部分加水分解生成物であり、重合度が3〜6であるオリゴマー、及びコロイダルシリカ(日産化学(株)製、商品名:IPA−ST)を固形分重量比60:35:5に混合し、エタノール−酢酸エチルの混合溶媒で15重量%になるように分散・希釈し、さらに水をテトラメトキシシランオリゴマーの二酸化ケイ素換算モル比の2当量混合して接着層形成用組成物(A液)を調製した。
【0090】
一方、光触媒ゾル(石原産業(株)製、商品名:ST−K03、固形分濃度10重量%であり、固形分はアナターゼ型二酸化チタン5重量部とアルキルシリケート5重量部からなる。)、及びコロイダルシリカ(日産化学(株)製、商品名:IPA−ST)を固形分重量比15:65に混合し、これをB液とした。
次に、上記で得たA液及びB液を固形分重量比2:98になるように混合し、光触媒層形成用組成物を得た。
さらに、アクリル樹脂フィルム(日本カーバイド(株)製、大きさ70mm×70mm)を用意し、このアクリル樹脂フィルム表面に上記で得たA液をバーコーターにより塗布し、40℃で2時間乾燥して、接着層(乾燥膜厚3μm)を形成した。
その後、中間層表面に上記で得た光触媒層形成用組成物を接着層を形成したのと同様な方法で塗布し、60℃で24時間乾燥することにより、光触媒層(乾燥膜厚0.2μm)を形成して、実施例の光触媒担持フィルムを作製した。
【0091】
(2)比較例
酸化物換算でシリコン含有量2重量%のアクリルシリコン樹脂、テトラメトキシシランの部分加水分解生成物であり、重合度が3〜6であるオリゴマー、及びコロイダルシリカ(日産化学(株)製、商品名:IPA−ST)を固形分重量比60:35:5に混合し、エタノール−酢酸エチルの混合溶媒で15重量%になるように分散・希釈し、そこへ更にテトラメトキシシランオリゴマーの酸化物換算モル比の2当量の水を混合して接着層形成用組成物(A液)を調製した。
【0092】
一方、光触媒ゾル(石原産業(株)製、商品名:ST−K03、固形分濃度10重量%であり、固形分はアナターゼ型二酸化チタン5重量部とアルキルシリケート5重量部からなる。)、及びコロイダルシリカ(日産化学(株)製、商品名:IPA−ST)を固形分重量比15:65に混合し、これをB液とした。
【0093】
さらに、アクリル樹脂フィルム(日本カーバイド(株)製、大きさ70mm×70mm)を用意し、このアクリル樹脂フィルム表面に上記で得たA液をメイヤバー工法により塗布し、40℃で2時間乾燥して接着層(乾燥膜厚3μm)を形成した。
【0094】
その後、中間層表面に上記で得た光触媒層形成用組成物を接着層を形成したのと同様な方法で塗布し、60℃で24時間乾燥することにより、光触媒層(乾燥膜厚保0.2μm)を形成して、比較例の光触媒担持フィルムを作製した。
【0095】
2)光触媒担持フィルムの評価試験
実施例1で得られた光触媒担持フィルムを用いて、以下のような評価試験を行った。
(1)光学的特性試験
実施例及び比較例で作製した各光触媒担持フィルムの全光線透過率を自記分光光度計(日立製作所(株)製、商品番号:U−4000型)を用いて測定した。結果を下記第1表に示す。第1表から分かるように各光触媒担持フィルムは優れた透明性を有していた。
【0096】
(2)促進耐候性試験
実施例及び比較例で作製した各光触媒担持フィルム片を用いて、JIS K5400に準拠した促進耐候性試験を行った。即ち、各光触媒担持フィルムをサンシャインカーボンアークウェザーメーター(スガ試験機(株)製、製品番号:WEL−SUN−HCH型)を使用して、試験時間500時間、ブラックパネル温度63℃、120分サイクル、18分間降雨の条件下におき、膨れ、割れ、はがれ、白化の有無、干渉色の有無を、促進耐候性試験にかけない原状試験片と目視により比較観察を行った。
【0097】
結果を第1表に示す。第1表からわかるように、実施例の光触媒担持フィルムは、936時間経過した後でも、光触媒層にひび割れは見られず、沸騰水中でも層間剥離が生じることなく、光触媒層表面での干渉色も認められなかった。一方、比較例の光触媒担持フィルムでは、144時間経過した後に干渉色が認められ、936時間経過後に、接着層と光触媒層との間に層間剥離が生じた。従って、実施例1の光触媒担持フィルムは、非常に優れた層間密着性を有していることがわかった。
【0098】
【表1】
Figure 0004693965
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光触媒担持構造体は、特に透明担体を用い、いわゆる光干渉色のない優れた透明性が要求される場合に好ましく適用され、かつ、優れた層間密着性を有する。

Claims (9)

  1. 透明担体と、該透明担体上に形成された接着層と、該接着層上に形成された光触媒層とを有する光触媒担持構造体であって、
    前記光触媒層は、厚みが50nm〜200nmであり、かつ、シリコン変性樹脂を0.5重量%〜10重量%、シラン化合物を0.5〜10重量%、金属酸化物のゲル及び/又は金属水酸化物のゲルを酸化物換算で5重量%〜75重量%、並びに光触媒粉末及び/又は光触媒ゲルを10〜30重量%含有してなるものであり、
    前記接着層は、シリコンを二酸化ケイ素換算で2重量%〜60重量%含有するシリコン変性樹脂、コロイダルシリカを二酸化ケイ素換算で5重量%〜40重量%含有する樹脂、又はポリシロキサンを二酸化ケイ素換算で3重量%〜60重量%含有する樹脂からなる
    光触媒担持構造体。
  2. 前記シリコン変性樹脂は、アクリルシリコン樹脂又はエポキシシリコン樹脂である、請求項1に記載の光触媒担持構造体。
  3. 前記シラン化合物は、テトラメトキシシラン及び/又はテトラエトキシシランの重縮合物である請求項1または2に記載の光触媒担持構造体。
  4. 前記金属酸化物のゲル及び/又は金属水酸化物のゲルは、150℃で乾燥した後の比表面積が100m/g以上である多孔質の金属酸化物のゲル及び/又は金属水酸化物のゲルである請求項1〜3のいずれかに記載の光触媒担持構造体。
  5. 前記金属酸化物のゲル及び/又は金属水酸化物のゲルは、珪素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、マグネシウム、タングステン及びスズからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物のゲル又は金属水酸化物のゲルである、請求項1〜4のいずれかに記載の光触媒担持構造体。
  6. シリコン変性樹脂を固形分として0.05重量%〜1重量%、金属酸化物のゾル及び/又は金属水酸化物のゾルを酸化物換算で0.5重量%〜7.5重量%、シラン化合物、並びに光触媒粉末及び/又は光触媒ゾルを含有してなる、光触媒層形成用組成物。
  7. 前記シリコン変性樹脂は、アクリルシリコン樹脂又はエポキシシリコン樹脂である、請求項6記載の光触媒層形成用組成物。
  8. 前記シラン化合物は、テトラメトキシシラン及び/又はテトラエトキシシランの重縮合物である請求項6または7に記載の光触媒層形成用組成物。
  9. 前記金属酸化物のゾル及び/又は金属水酸化物のゾルは、珪素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、マグネシウム、タングステン及びスズからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物のゾル又は金属水酸化物のゾルである、請求項6〜8のいずれかに記載の光触媒層形成用組成物。
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