JP3027739B2 - 光触媒体およびその製造方法 - Google Patents

光触媒体およびその製造方法

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JP3027739B2
JP3027739B2 JP10092380A JP9238098A JP3027739B2 JP 3027739 B2 JP3027739 B2 JP 3027739B2 JP 10092380 A JP10092380 A JP 10092380A JP 9238098 A JP9238098 A JP 9238098A JP 3027739 B2 JP3027739 B2 JP 3027739B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基体上に光触媒粒子を
接着させてなる光触媒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光触媒粒子にそのバンドギャップ以上の
エネルギーを持つ波長の光を照射すると光励起により伝
導帯に電子を、価電子帯に正孔を生じる。この光励起に
より生じた電子の持つ強い還元力や正孔の持つ強い酸化
力は、有機物質の分解・浄化、水の分解などに利用され
ている。このような処理に用いられる光触媒粒子は、通
常、光触媒粒子の飛散や流出を防止し、処理系からの分
離を容易にするために、光触媒粒子より大きな基体の上
に光触媒粒子を接着させている。基体上に光触媒粒子を
接着させるには、基体上で光触媒粒子を400℃以上の
温度で焼結して接着させたり、加熱分解して光触媒粒子
となる物質を400℃程度の温度に加熱した基体上に吹
き付けて接着させたりする方法が採られている。また、
ある種のフッ素系ポリマーを用いて光触媒粒子を固定化
する方法が提案されている。例えば、特開平4─284
851号公報には、光触媒粒子とフッ素系ポリマーとの
混合物を積層、圧着する方法が記載されている。また、
特開平4─334552号公報には、光触媒粒子をフッ
素系ポリマーに熱融着する方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、光触媒粒子を用
いて日常の生活環境で生じる有害物質、悪臭物質や油分
などを分解・浄化したり、殺菌したりする試みがあり、
光触媒粒子の適用範囲が拡大している。これに伴い、光
触媒粒子をあらゆる基体上に、その光触媒機能を損なう
ことなく、強固に、かつ、長期間にわたって接着させる
方法が求められている。しかしながら、前記の従来技術
の方法では、外圧によって剥がれやすいなど接着強度が
充分でなく、また、高温で加熱する必要があるため、プ
ラスチックなどの熱に脆弱な基体、加熱し難いオフィス
の壁などの建材や種々の製品の表面を基体とする場合な
どには適用し難く、さらに、高温加熱処理に伴い光触媒
粒子の比表面積が低下し、そのため光触媒粒子の光触媒
機能の低下が起こるなどの問題がある。また、圧着手段
や熱融着の手段などの特殊な手段が必要となったりす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、光触媒粒
子をあらゆる基体上に、その光触媒機能を損なうことな
く、強固に、かつ、長期間にわたって接着させる方法を
探索した結果、(1)結着剤を用いて光触媒粒子を基体
上に接着させた場合、該光触媒粒子の光触媒機能により
結着剤が分解・劣化し、該光触媒粒子が基体から脱離す
るが、難分解性結着剤を用いると、光触媒粒子をあらゆ
る基体上に脱離することなく接着できること、さらに、
意外にも、本発明の光触媒体は充分な光触媒機能が得ら
れること、(2)光触媒粒子を、該光触媒粒子と難分解
性結着剤との合量に対する容積基準で5〜98%とする
ことにより、得られる光触媒体の光触媒機能を低下せし
めることなく接着できること、(3)難分解性結着剤と
してフッ素系ポリマー、シリコン系ポリマーの有機系結
着剤或いは無機系結着剤を用いると、光触媒粒子が持つ
光触媒機能による結着剤の分解・劣化が極めて少なく、
光触媒粒子を強固に、かつ、長期間にわたって接着する
ことができること、特に、ビニルエーテルおよび/また
はビニルエステルとフルオロオレフィンとのコポリマー
を主成分としたフッ素系ポリマーが好ましいこと、
(4)光触媒粒子としては、高い光触媒機能を有し、化
学的に安定であり、かつ、無害である酸化チタンが好ま
しいこと、(5)光触媒粒子を接着させる方法として
は、光触媒粒子と難分解性結着剤を基体上に配置させ、
次いで、固化する方法が簡便、かつ、容易であり好まし
いこと、特に、光触媒粒子と難分解性結着剤と溶媒とを
含有させてなる塗料組成物を各種製品などの基体表面に
塗布し或いは吹き付けて配置させ、次いで、固化するこ
とにより、各種製品の表面を比較的容易に光触媒体とす
ることができ、その光触媒機能を手軽に各家庭内でも活
用することができることなどを見出し、本発明を完成し
た。
【0005】すなわち、本発明は光触媒粒子をあらゆる
基体上に、その光触媒機能を損なうことなく、強固に、
かつ、長期間にわたって接着させた光触媒体を提供する
ことにある。
【0006】本発明は、難分解性結着剤を介して光触媒
粒子を基体上に接着させた光触媒体である。本発明にお
いて、難分解性結着剤とは、光触媒粒子が持つ光触媒機
能による分解の速度が極めて遅い結着剤であり、実施例
記載の方法で測定した光触媒体中の結着剤の重量減少が
10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは3%
以下、最も好ましくは1%以下のものである。前記重量
減少が10%より大きい場合は、結着剤の分解・劣化が
激しく、光触媒粒子の脱離が極めて多いため望ましくな
い。本発明の難分解性結着剤としては、例えば、水ガラ
ス、コロイダルシリカ、ポリオルガノシロキサンなどの
ケイ素化合物、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウムなどの
リン酸塩、重リン酸塩、セメント、石灰、セッコウ、ほ
うろう用フリット、グラスライニング用うわぐすり、プ
ラスターなどの無機系結着剤、フッ素系ポリマー、シリ
コン系ポリマーなどの有機系結着剤などが挙げられ、こ
れらの結着剤を単一または2種以上を組み合わせて用い
ることができる。特に、接着強度の観点から無機系結着
剤、フッ素系ポリマー、シリコン系ポリマーが好まし
い。セメントとしては、例えば早強セメント、普通セメ
ント、中庸熱セメント、耐硫酸塩セメント、ホワイト
(白色)セメント、油井セメント、地熱井セメントなど
のポルトランドセメント、フライアッシュセメント、高
硫酸塩セメント、シリカセメント、高炉セメントなどの
混合セメント、アルミナセメントなどを用いることがで
きる。プラスターとしては、例えばセッコウプラスタ
ー、石灰プラスター、ドロマイトプラスターなどを用い
ることができる。フッ素系ポリマーとしては、例えばポ
リフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化三フ
ッ化エチレン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ四フッ化エ
チレン−六フッ化プロピレンコポリマー、エチレン−ポ
リ四フッ化エチレンコポリマー、エチレン−塩化三フッ
化エチレンコポリマー、四フッ化エチレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテルコポリマーなどの結晶性フッ
素樹脂、パーフルオロシクロポリマー、ビニルエーテル
−フルオロオレフィンコポリマー、ビニルエステル−フ
ルオロオレフィンコポリマーなどの非晶質フッ素樹脂、
各種のフッ素系ゴムなどを用いることができる。特に、
ビニルエーテル−フルオロオレフィンコポリマー、ビニ
ルエステル−フルオロオレフィンコポリマーを主成分と
したフッ素系ポリマーが分解・劣化が少なく、また、取
扱が容易であるため好ましい。シリコン系ポリマーとし
ては、直鎖シリコン樹脂、アクリル変性シリコン樹脂、
各種のシリコン系ゴムなどを用いることができる。
【0007】本発明において、光触媒粒子とは、そのバ
ンドギャップ以上のエネルギーを持つ波長の光を照射す
ると光触媒機能を発現する粒子のことであり、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化鉄、チタン酸ス
トロンチウムなどの公知の金属化合物半導体を、単一ま
たは2種以上を組み合わせて用いることができる。特
に、高い光触媒機能を有し、化学的に安定であり、か
つ、無害である酸化チタンが好ましい。さらに、光触媒
粒子の内部および/またはその表面に、第二成分とし
て、V、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Rh、
Pd、Ag、PtおよびAuからなる群より選ばれる少
なくとも一種の金属および/または金属化合物を含有さ
せると、一層高い光触媒機能を有するため好ましい。前
記の金属化合物としては、例えば、金属の酸化物、水酸
化物、オキシ水酸化物、硫酸塩、ハロゲン化物、硝酸
塩、さらには金属イオンなどを含む。第二成分の含有量
はその物質により適宜設定できる。前記の金属および/
または金属化合物を含有させる光触媒粒子としては、酸
化チタンが好ましい。光触媒粒子の含有量は、該光触媒
粒子と難分解性結着剤との合量に対する容積基準で5〜
98%が好ましい。光触媒粒子の量が前記範囲より小さ
いと光触媒体としたときの光触媒機能が低下し易いため
好ましくなく、また、前記範囲より大きいと接着強度が
低下し易いため好ましくない。難分解性結着剤としてセ
メントまたはセッコウを用いる場合には、光触媒粒子の
含有量は5〜40%、特に5〜25%が好ましい。ま
た、難分解性結着剤としてセメント、セッコウ以外の無
機系結着剤或いは有機系結着剤を用いる場合には、光触
媒粒子の含有量は好ましくは20〜98%、より好まし
くは50〜98%、もっとも好ましくは70〜98%で
ある。
【0008】本発明において光触媒粒子は、公知の方法
で得られる。例えば酸化チタンを得る方法としては、
硫酸チタニル、塩化チタン、チタンアルコキシドなどの
チタン化合物を、必要に応じて核形成用種子の存在下
に、加熱加水分解する方法、必要に応じて核形成用種
子の存在下に、硫酸チタニル、塩化チタン、チタンアル
コキシドなどのチタン化合物にアルカリを添加し、中和
する方法、塩化チタンやチタンアルコキシドなどを気
相酸化する方法、前記、の方法で得られた酸化チ
タンを焼成或いは水熱処理する方法などがあり、特に、
前記の方法で得られた酸化チタン或いは100℃以上
の温度で水熱処理して得られた酸化チタンは、光触媒機
能が高いため好ましい。本発明において酸化チタンと
は、酸化チタンのほか、含水酸化チタン、水和酸化チタ
ン、メタチタン酸、オルトチタン酸、水酸化チタンなど
と一般に呼ばれているものを含み、その結晶型は問わな
い。光触媒粒子の内部および/またはその表面に、第二
成分として、V、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、R
u、Rh、Pd、Ag、PtおよびAuからなる群より
選ばれる少なくとも一種の金属および/または金属化合
物を含有させるには、光触媒粒子を製造する際に該金属
および/または該金属化合物を添加し、吸着させる方
法、光触媒粒子を製造した後に該金属および/または該
金属化合物を添加し、吸着させ、必要に応じて加熱した
り、或いは必要に応じて還元したりする方法を用いるこ
とができる。
【0009】本発明において、基体としては、セラミッ
クス、ガラスなどの無機材質の物品、プラスチック、ゴ
ム、木、紙などの有機材質の物品、アルミニウムなどの
金属、鋼などの合金などの金属材質の物品を用いること
ができる。基体の大きさや形には特に制限されない。ま
た、塗装した物品でも用いることができる。
【0010】本発明においては、難分解性結着剤を介し
て、光触媒粒子と吸着剤とを基体上に接着させると、被
処理物質を吸着する作用を兼ね備えることができるため
好ましい。前記の吸着剤としては、一般的な吸着剤を用
いることができ、例えば、活性炭、ゼオライト、シリカ
ゲルなどを用いることができる。
【0011】さらに、本発明においては、基体上に、結
着剤からなる、光触媒粒子を含有しない第一層を設け、
さらに、該第一層の上に、難分解性結着剤と光触媒粒子
とからなる第二層を設けることができる。光触媒粒子を
含有しない第一層を設けることによって、基体と、光触
媒粒子を含有した第二層との結びつきが強固になって、
該光触媒粒子を基体上に、一層強固に、かつ、一層長期
間にわたって接着させることができる。このような結着
剤としては、有機系結着剤が好ましく、前記の難分解性
結着剤がより好ましい。さらに、前記の第一層には、充
填剤として、光触媒機能を有さない無機粒子を含有させ
るのが好ましい。このような無機粒子としては、光触媒
機能を有さないように、酸化ケイ素、酸化アルミニウム
や酸化ジルコニウムなどで表面処理を施した、酸化チタ
ン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム
などを用いることができる。
【0012】本発明の光触媒体を製造するには、光触媒
粒子と難分解性結着剤とを基体の少なくとも一部に配置
させ、次いで、固化して、該基体上に難分解性結着剤を
介して光触媒粒子を接着させる。本発明においては、特
に、光触媒粒子と難分解性結着剤とを溶媒に分散させて
塗料組成物とし、次いで、該塗料組成物を基体に塗布し
或いは吹き付けて、該光触媒粒子と該難分解性結着剤と
を基体の少なくとも一部に配置させるのが好ましい。前
記の溶媒としては、水やトルエン、アルコールなどの有
機溶媒を用いることができる。前記塗料組成物中に含有
させる難分解性結着剤は前述のものを用いることができ
るが、含有する溶媒に可溶なものが好ましい。本発明に
おいては、塗料組成物中に含有する難分解性結着剤とし
て前記のフッ素系ポリマーおよび/またはシリコン系ポ
リマーが好ましい。塗料組成物中の光触媒粒子の量は、
該光触媒粒子と難分解性結着剤との合量に対する容積基
準で5〜98%、好ましくは20〜98%、より好まし
くは50〜98%、もっとも好ましくは70〜98%で
ある。前記塗料組成物には、架橋剤、分散剤、充填剤な
どを配合させることができる。架橋剤としては、イソシ
アネート系、メラミン系などの通常の架橋剤を、分散剤
としては、カップリング剤などを使用することができ
る。特に、塗料組成物中の光触媒粒子の含有量を、該光
触媒粒子と難分解性結着剤との合量に対する容積基準で
40〜98%とする場合には、該塗料組成物中にカップ
リング剤を配合するのが好ましい。このカップリング剤
の添加量は、好ましくは5〜50%、より好ましくは7
〜30%である。
【0013】基体に塗料組成物を塗布したり或いは吹き
付けたりするには、例えば、含浸法、ディップコーティ
ング法、スピナーコーティング法、ブレードコーティン
グ法、ローラーコーティング法、ワイヤーバーコーティ
ング法、リバースロールコーティング法などの通常の方
法で塗布したり、或いは、スプレーコーティング法など
の通常の方法で吹き付けたりして、基体の少なくとも一
部に光触媒粒子と難分解性結着剤とを配置させることが
できる。なお、基体に該塗料組成物を塗布したり或いは
吹き付けたりする前に、必要に応じて、アクリル樹脂、
エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレ
タン樹脂、アルキド樹脂などの有機系結着剤や難分解性
結着剤を基体に塗布し或いは吹き付けたりして、光触媒
粒子を含有しない第一層とし、さらに、該第一層の上
に、該塗料組成物を塗布或いは吹き付けて、光触媒粒子
と難分解性結着剤とからなる第二層を設けることができ
る。
【0014】前記のようにして塗布或いは吹き付けた
後、固化させて本発明の光触媒体を得る。固化は、乾燥
したり、紫外線を照射したり、加熱したり、冷却した
り、架橋剤を使用したりする方法で行なうことができ
が、固化の温度は、400℃より低い温度、好ましくは
室温〜200℃の温度で行なう。この場合、400℃よ
り高いと結着剤が熱劣化し、光触媒粒子が脱離し易くな
るため好ましくない。本発明においては、イソシアネー
ト系、メラミン系などの架橋剤を使用して固化させる方
法が好ましい。
【0015】本発明の光触媒体は、このものにその光触
媒粒子のバンドギャップ以上のエネルギーを持つ波長の
光を照射させることにより、その回りに存在する有害物
質、悪臭物質、油分などを分解して浄化したり、殺菌し
たりすることができる。照射する光としては、紫外線を
含有した光などが挙げられ、例えば、太陽光や蛍光灯、
ブラックライト、ハロゲンランプ、キセノンフラッシュ
ランプ、水銀灯などの光を用いることができる。特に、
300〜400nmの近紫外線を含有した光が好まし
い。光の照射量や照射時間などは処理する物質の量など
によって適宜設定できる。
【0016】
【実施例】
実施例1 硫酸チタニルを加熱加水分解して得た酸性チタニアゾル
(石原産業株式会社製、CS−N)に水酸化ナトリウム
を加えpH7に調節した後濾過、洗浄を行なった。次い
で、得られた酸化チタン湿ケーキに水を加え、TiO2
に換算して100g/lのスラリーを調製した。このス
ラリーに水酸化ナトリウムを加えpH10に調節した
後、オートクレーブで150℃の温度で3時間水熱処理
を行なった。次いで、水熱処理後のスラリーに硝酸を加
えpH7に中和し、濾過、水洗を行なった後、110℃
の温度で3時間乾燥させて酸化チタンを得た。次に、以
下に示す組成の混合物をペイントシェイカーで3時間振
とうして充分混合し、分散させて塗料組成物を得た。な
お、下記のルミフロンLF200Cは、ビニルエーテル
とフルオロオレフィンとのコポリマーを主成分としたフ
ッ素系ポリマーである。 酸化チタン 9.80g フッ素系ポリマー(旭ガラス社製、ルミフロンLF200C) 0.80g イソシアネート系硬化剤 0.16g チタンカップリング剤(味の素社製、プレーンアクト338X)1.00g トルエン 23.60ml 前記組成の塗料組成物を20cm2 のガラス板に塗布し
た後、120℃の温度で20分間乾燥させて、本発明の
光触媒体(試料A)を得た。この試料Aの酸化チタン含
有量は、該酸化チタンと難分解性結着剤との合量に対す
る容積基準で90%であった。
【0017】実施例2 実施例1で使用したものと同一の酸化チタンを以下に示
す組成の混合物としてペイントシェイカーで3時間振と
うして充分混合し、分散させて塗料組成物を得た。 酸化チタン 7.64g フッ素系ポリマー(旭ガラス社製、ルミフロンLF200C) 2.36g イソシアネート系硬化剤 0.47g チタンカップリング剤(味の素社製、プレーンアクト338X)0.76g トルエン 22.50ml 前記組成の塗料組成物を20cm2 のガラス板に塗布し
た後、120℃の温度で20分間乾燥させて、本発明の
光触媒体(試料B)を得た。この試料Bの酸化チタン含
有量は、該酸化チタンと難分解性結着剤との合量に対す
る容積基準で70%であった。
【0018】実施例3 実施例1で使用したものと同一の酸化チタンを以下に示
す組成の混合物としてペイントシェイカーで1時間振と
うして充分混合し、分散させて塗料組成物を得た。 酸化チタン 9.8g ポリオルガノシロキサン系無機結着剤 (日本合成ゴム社製、T2202AとT2202Bの3:1混合品)2.7g イソプロピルアルコール 21.5ml 前記組成の塗料組成物を20cm2 のガラス板に塗布し
た後、180℃で10分間乾燥させて、本発明の光触媒
体(試料C)を得た。この試料Cの酸化チタン含有量
は、該酸化チタンと難分解性結着剤との合量に対する容
積基準で90%であった。
【0019】実施例4 硫酸チタニルを加熱加水分解して得た酸性チタニアゾル
(石原産業株式会社製、CS−N)に水酸化ナトリウム
を加えpH7に調節した後濾過、洗浄を行なった。次い
で、得られた酸化チタン湿ケーキを110℃の温度で3
時間乾燥させて酸化チタンを得た。次に、以下に示す組
成の混合物としてペイントシェイカーで3時間振とうし
て充分混合し、分散させて塗料組成物を得た。 酸化チタン 7.0g ポリオルガノシロキサン系無機結着剤 (日本合成ゴム社製、T2202AとT2202Bの3:1混合品)4.3g イソプロピルアルコール 22.5ml 前記組成の塗料組成物を20cm2 のガラス板に塗布し
た後、180℃で10分間乾燥させて、本発明の光触媒
体(試料D)を得た。この試料Dの酸化チタン含有量
は、該酸化チタンと難分解性結着剤との合量に対する容
積基準で80%であった。
【0020】比較例1 実施例1で使用したものと同一の酸化チタンを以下に示
す組成の混合物としてペイントシェイカーで1時間振と
うして充分混合し、分散させて塗料組成物を得た。 酸化チタン 9.8g 酢酸ビニル−アクリルコポリマー (大日本インキ化学工業社製、ボンコート6290) 0.7g 水 24.8ml 前記組成の塗料組成物を20cm2 のガラス板に塗布し
た後、120℃で10分間乾燥させて、光触媒体(試料
E)を得た。この試料Eの酸化チタン含有量は、該酸化
チタンと結着剤との合量に対する容積基準で90%であ
った。
【0021】前記実施例および比較例で得た光触媒体
(試料A〜E)を用いて、各試料の表面で紫外光強度が
7mW/cm2 となるようにブラックライトの光を照射
し、5時間続けた。ブラックライト照射前後の光触媒体
中の結着剤の重量減少を測定した。この結果、本発明の
試料A〜Dは重量減少が認められず、結着剤は分解され
なかった。しかし、難分解性結着剤を使用していない比
較例の試料Eは85%の重量減少があり、酸化チタンの
光触媒機能によって結着剤の大部分は分解された。しか
も、試料Eは、黄変が認められ、酸化チタンが部分的に
剥離した。実施例の試料A、Cおよび比較例の試料Eの
ブラックライト照射による光触媒体中の結着剤の重量減
少の推移を図1に示す。なお、実施例1および2の試料
AおよびBでは、カップリング剤を配合しているが、こ
のカップリング剤が光触媒粒子の表面に吸着して、難分
解性結着剤と光触媒粒子との間を架橋するため、光触媒
粒子が直接結着剤に接触しないから、結着剤は分解され
難い。
【0022】次に、本発明の試料A〜Dを3リットルの
ガラス容器にそれぞれ別個に入れた後、悪臭成分である
アセトアルデヒドを90ppmの濃度となるように添加
してガラス容器を密封した。次に、各試料の表面で紫外
光強度が14mW/cm2 となるように水銀灯を照射
し、60分間続けた。照射後、ガラス容器中のアセトア
ルデヒドの濃度を測定した。この結果を表1に示す。試
料A〜Dは、酸化チタンの光触媒機能によりアセトアル
デヒドが効率良く分解された。
【0023】
【表1】
【0024】実施例5 硫酸チタニルを加熱加水分解して得た酸性チタニアゾル
(石原産業株式会社製、CS−C)に水酸化ナトリウム
を加えてpH7に調節した後、濾過、洗浄、乾燥し、次
いで粉砕して酸化チタンを得た。この酸化チタン0.2
g、白色セメント(小野田セメント株式会社製)0.8
g、水0.7gとを混合し、面積50cm2 のガラス板
に全量塗布し、室温で乾燥して光触媒体(試料F)を得
た。この試料Fの酸化チタン含有量は、該酸化チタンと
難分解性結着剤との合量に対する容積基準で17%であ
った。
【0025】実施例6 実施例5において、白色セメントに代えてデンカハイア
ルミナセメント(電気化学工業株式会社製、Hi)を
0.8g用いること以外は、実施例5と同様にして本発
明の光触媒体(試料G)を得た。この試料Gの酸化チタ
ン含有量は、該酸化チタンと難分解性結着剤との合量に
対する容積基準で17%であった。
【0026】比較例2 実施例5で使用した白色セメント1.0gと水0.7g
とを混合し、面積50cm2 のガラス板に全量塗布し、
室温で乾燥して試料Hを得た。
【0027】比較例3 実施例6で使用したデンカハイアルミナセメント(H
i)1.0gと水0.7gとを混合し、面積50cm2
のガラス板に全量塗布し、室温で乾燥して試料Iを得
た。
【0028】前記実施例および比較例で得た試料F〜I
をそれぞれ容量4リットルの容器に入れ、次いで一酸化
窒素標準ガスを注入した。次に、各試料の表面で紫外光
強度が1mW/cm2 となるようにブラックライトの光
を照射し、各容器のNOx ガスの濃度をNOx 検知管
(ガステック社製11L)で経時的に測定した。この結
果を表2に示す。実施例5および6の試料F、GはNO
x ガスの濃度が大幅に減少しているのに対して、比較例
2および3の試料H、IではNOx ガスの濃度は殆ど変
化していないことがわかる。このことから、本発明の光
触媒体は一酸化窒素を酸化し、除去するのに有効である
ことが明らかとなった。なお、前記方法で試料Fおよび
G中のセメントの重量減少を測定したところ重量減少は
認められず、セメントは分解されなかった。
【0029】
【表2】
【0030】実施例7 実施例1の方法に準じて得た塗料組成物を面積100c
2 の透明アクリル板に全量塗布し、120℃の温度で
20分間乾燥して本発明の光触媒体(試料J)を得た。
この試料Jの酸化チタン含有量は、該酸化チタンと難分
解性結着剤との合量に対する容積基準で90%であっ
た。
【0031】比較例4 実施例7で使用した透明アクリル板を試料Kとした。
【0032】前記実施例および比較例で得た試料J、K
をそれぞれ容量50リットルの水槽の内壁に張りつけ
た。この水槽に水45リットルと金魚(和金)20匹と
を入れ、水槽の外側から20Wの蛍光灯2本の光を照射
した。2週間飼育した時点で、比較例4の試料Kの表面
には藻類の付着が認められたのに対し、実施例7の試料
Jの表面には藻類の付着は認められなかった。これは実
施例7の試料Jの表面では藻類が付着しても直ちに光触
媒機能により藻類を分解するためである。なお、前記方
法で試料J中のフッ素系ポリマーの重量減少を測定した
ところ、重量減少は認められず、フッ素系ポリマーは分
解されなかった。
【0033】実施例8 実施例7において、以下に示す組成の混合物をペイント
シェイカーで1時間振とうして充分混合し、分散させて
得た塗料組成物をスピンコーター(1000r.p.
m.×10秒)で透明アクリル板に全量塗布して、該透
明アクリル板上に、難分解性結着剤からなる、光触媒粒
子を含有しない第一層を設けた基体を用いたこと以外
は、実施例7と同様に処理して、本発明の光触媒体(試
料L)を得た。この試料Lの第二層中の光触媒粒子であ
る酸化チタン含有量は、該酸化チタンと難分解性結着剤
との合量に対する容積基準で90%であった。 光触媒機能を有さない酸化チタン(CR−90、石原産業社製) 3.3g フッ素系ポリマー(旭ガラス社製、ルミフロンLF200C) 5.5g イソシアネート系硬化剤 1.1g トルエン 20.7ml
【0034】前記方法で試料Lに用いた結着剤の重量減
少を測定したところ、本発明の試料Lは重量変化が認め
られず、結着剤は分解されず、酸化チタン光触媒粒子は
基体から剥がれなかった。また、実施例8の試料Lの膜
強度を鉛筆硬度で調べた結果3Hであり、酸化チタンの
光触媒粒子が強固に接着していることがわかった。さら
に、この試料Lを水流中に入れ表面の紫外光強度が2m
W/cm2 となるようにブラックライトの光を照射し、
3週間続けたところ、酸化チタン光触媒粒子は基体から
剥がれなかった。
【0035】実施例9 実施例1において、酸化チタンに代えて、亜鉛化合物を
担持した酸化チタンを用いたこと以外は、実施例1と同
様に処理して、本発明の光触媒体(試料M)を得た。こ
の試料M中の亜鉛化合物を担持した酸化チタン光触媒粒
子の含有量は、該光触媒粒子と難分解性結着剤との合量
に対する容積基準で90%であった。なお、亜鉛化合物
を担持した酸化チタンは次のようにして調製した。硫酸
チタニルを加熱加水分解して得た酸化チタンのスラリー
に水と水酸化ナトリウムを加えて、pHが10であっ
て、TiO2 に換算して100g/lのスラリーとし
た。このスラリーをオートクレーブで150℃の温度で
5時間水熱処理を行った後、硝酸で中和し、濾過、水洗
を行った。得られた酸化チタン湿ケーキに水を加え、T
iO2 に換算して100g/lのスラリーに調製した
後、塩酸を添加して、スラリーのpHを4とした。この
スラリー1リットルに対し、攪拌下、1mol/lの塩
化亜鉛水溶液7.2mlを滴下し、次いで2Nの水酸化
ナトリウムで中和した後、濾過、水洗を行い、その後1
20℃の温度で16時間乾燥し、粉砕して、亜鉛化合物
を担持した酸化チタンを得た。この酸化チタンには、Z
nO:TiO2 =1:99の量の亜鉛化合物をその酸化
チタンの表面に含有していた。
【0036】実施例10 実施例1において、酸化チタンに代えて、鉄化合物を担
持した酸化チタンを用いたこと以外は、実施例1と同様
に処理して、本発明の光触媒体(試料N)を得た。この
試料N中の鉄化合物を担持した酸化チタン光触媒粒子の
含有量は、該光触媒粒子と難分解性結着剤との合量に対
する容積基準で90%であった。なお、鉄化合物を担持
した酸化チタンは次のようにして調製した。硫酸チタニ
ルを加熱加水分解して得た酸化チタン10gをTiO2
に換算して100g/lのスラリーを調整した。このス
ラリーに塩化鉄(FeCl3 ・6H2 O)の5g/l水
溶液を2.9ml添加し、1時間攪拌した後、希アンモ
ニア水を加えpH7に調節した。次いで、前記スラリー
を1時間攪拌した後、濾過、水洗し、110℃の温度で
3時間乾燥して、鉄化合物を担持した酸化チタンを得
た。この酸化チタンには、Fe/TiO2 =300pp
mの量の鉄化合物をその酸化チタンの表面に含有してい
た。
【0037】実施例11 実施例10において、塩化鉄水溶液の濃度を50g/l
にしたこと以外は、実施例10と同様に処理して、本発
明の光触媒体(試料O)を得た。この試料O中の鉄化合
物を担持した酸化チタン光触媒粒子の含有量は、該光触
媒粒子と難分解性結着剤との合量に対する容積基準で9
0%であった。この酸化チタンには、Fe/TiO2
3000ppmの量の鉄化合物をその酸化チタンの表面
に含有していた。
【0038】実施例12 実施例1において、酸化チタン8.9g、吸着剤として
活性炭0.5gを含有した塗料組成物としたこと以外は
実施例1と同様に処理して、本発明の光触媒体(試料
P)を得た。この試料Pの酸化チタンと活性炭の合計の
含有量は、酸化チタン、活性炭および難分解性結着剤と
の合量に対する容積基準で90%であった。
【0039】実施例13 実施例12において、活性炭に代えてゼオライト0.8
gを用いたこと以外は実施例12と同様に処理して、本
発明の光触媒体(試料Q)を得た。この試料Qの酸化チ
タンとゼオライトの合計の含有量は、酸化チタン、ゼオ
ライトおよび難分解性結着剤との合量に対する容積基準
で90%であった。
【0040】前記方法で試料L〜Qに用いた結着剤の重
量減少を測定したところ、本発明の試料L〜Qは重量変
化が認められず、結着剤は分解されず、酸化チタン光触
媒粒子は基体から剥がれなかった。
【0041】次に、本発明の試料A、NおよびOを0.
8リットルのガラス容器にそれぞれ別個に入れた後、悪
臭成分であるアセトアルデヒドを約100ppmの濃度
となるように添加してガラス容器を密封した。次に、3
0分間紫外線を照射せずに放置した後、各試料の表面で
紫外光強度が1mW/cm2 となるようにブラックライ
トの光を照射し、60分間続けた。照射後、ガラス容器
中のアセトアルデヒドの濃度を測定した。この結果を表
3に示す。試料A、NおよびOは、酸化チタンの光触媒
機能によりアセトアルデヒドが効率良く分解された。
【0042】
【表3】
【0043】次に、本発明の試料M、PおよびQを0.
8リットルのガラス容器にそれぞれ別個に入れた後、悪
臭成分であるメチルメルカプタンを約500ppmの濃
度となるように添加してガラス容器を密封した。次に、
2時間紫外線を照射せずに放置した後、各試料の表面で
紫外光強度が1mW/cm2 となるようにブラックライ
トの光を照射し、60分間続けた。照射後、ガラス容器
中のメチルメルカプタンの濃度を測定した。この結果を
表4に示す。試料M、PおよびQは、酸化チタンの光触
媒機能によりメチルメルカプタンを効率よく除去でき
た。
【0044】
【表4】
【0045】なお、上記試験において、2時間紫外線を
照射せずに放置した後のメチルメルカプタンの濃度はそ
れぞれ250ppmであり、この後さらに1時間紫外線
を照射せずに放置した後のメチルメルカプタンの濃度
は、実施例9、13の試料M、Qを用いた場合は240
ppmであり、実施例12の試料Pを用いた場合は22
0ppmであった。
【0046】
【発明の効果】本発明の光触媒体は、難分解性結着剤を
介して光触媒粒子を基体上に接着させたものであって、
その光触媒機能による結着剤の分解・劣化が極めて少な
く、光触媒粒子をあらゆる基体上に、その光触媒機能を
損なうことなく、強固に、かつ、長期間にわたって接着
することができる。本発明の光触媒体の光触媒機能を利
用して有害物質、悪臭物質、油分、細菌、放線菌、菌
類、藻類などを迅速、かつ、効率よく除去することがで
きるので、工業用途ばかりでなく一般家庭用の脱臭体、
殺菌体などとして極めて有用なものである。また、本発
明の光触媒体は、長期間にわたって使用でき、安全性が
高く、適応できる有害物質の範囲が広く、さらに、廃棄
しても環境を汚さないため、産業的に極めて有用なもの
である。本発明の光触媒体を製造するに際し、難分解性
結着剤としてフッ素系ポリマーを用いた場合は、フッ素
系ポリマー自体の粘着力が弱いために、光触媒体の表面
にゴミや汚れが付着し難いという、好ましい光触媒体を
製造することができる。また、本発明の光触媒体の製造
方法は、プラスチックなどあらゆる材質のものを基体と
して用いることができ、しかも、簡便、かつ、容易に安
定した品質の光触媒体を製造できるなど有用な方法であ
る。さらに、本発明の塗料組成物は、あらゆる形状の基
体や基体の必要箇所に塗布しあるいは吹き付けることが
でき、その光触媒機能を手軽に利用することができるな
ど、特に一般家庭用としても有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の試料A、Cおよび比較例の試料Eのブ
ラックライト照射による光触媒体中の結着剤の重量減少
の推移を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01J 23/38 B01J 23/70 A 23/70 C09D 1/00 C09D 1/00 127/12 127/12 183/04 183/04 B01D 53/36 J (73)特許権者 000010087 東陶機器株式会社 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番 1号 (72)発明者 村澤 貞夫 滋賀県草津市西渋川二丁目3番1号 石 原産業株式会社 中央研究所内 (72)発明者 村上 肇 滋賀県草津市西渋川二丁目3番1号 石 原産業株式会社 中央研究所内 (72)発明者 福井 靖郎 滋賀県草津市西渋川二丁目3番1号 石 原産業株式会社 中央研究所内 (72)発明者 渡辺 満 滋賀県草津市西渋川二丁目3番1号 石 原産業株式会社 中央研究所内 (72)発明者 藤嶋 昭 神奈川県川崎市中原区中丸子710番地5 (72)発明者 橋本 和仁 神奈川県横浜市栄区小菅ケ谷町2000番地 の10南小菅ケ谷住宅2棟506号 (56)参考文献 特開 昭63−5301(JP,A) 特開 平4−284851(JP,A) 特開 平1−218635(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 B01D 53/86 B01D 53/94

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に、難分解性結着剤を塗布しあるい
    は吹き付けて、難分解性結着剤からなる、光触媒粒子を
    含有しない第一層を設け、さらに、第一層の上に難分解
    性結着剤(セメント及び/又はセッコウを除く)と光触
    媒粒子との混合物からなる第二層を設け、光触媒粒子の
    量が光触媒粒子と第二層の難分解性結着剤との合量に対
    する容積基準で20〜98%であることを特徴とする光
    触媒体。
  2. 【請求項2】光触媒粒子の量が、光触媒粒子と難分解性
    結着剤との合量に対する容積基準で50〜98%である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光触媒体。
  3. 【請求項3】光触媒粒子の量が、光触媒粒子と難分解性
    結着剤との合量に対する容積基準で70〜98%である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光触媒体。
  4. 【請求項4】第二層の難分解性結着剤が、フッ素系ポリ
    マー、シリコン系ポリマー、ケイ素化合物から選ばれる
    少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載
    の光触媒体。
  5. 【請求項5】第二層が、難分解性結着剤(セメント及び
    /又はセッコウを除く)と光触媒粒子と吸着剤とからな
    ることを特徴とする請求項1に記載の光触媒体。
  6. 【請求項6】第一層の難分解性結着剤が、フッ素系ポリ
    マー、シリコン系ポリマー、ケイ素化合物から選ばれる
    少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載
    の光触媒体。
  7. 【請求項7】第一層が、難分解性結着剤と光触媒機能を
    有さない無機粒子とからなることを特徴とする請求項1
    に記載の光触媒体。
  8. 【請求項8】光触媒粒子が、酸化チタンであることを特
    徴とする請求項1に記載の光触媒体。
  9. 【請求項9】光触媒粒子が、光触媒粒子の内部および/
    又はその表面に、第二成分として、V、Fe、Co、N
    i、Cu、Zn、Ru、Rh、Pd、Ag、Ptおよび
    Auからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属およ
    び/又は金属化合物を含有してなる粒子であることを特
    徴とする請求項1に記載の光触媒体。
  10. 【請求項10】基体上に、難分解性結着剤を塗布しある
    いは吹き付けて、難分解性結着剤からなる、光触媒粒子
    を含有しない第一層を設け、さらに、第一層の上に無機
    系結着剤からなる難分解性結着剤(セメント及び/又は
    セッコウを除く)と光触媒粒子との混合物からなる第二
    層を設けることを特徴とする光触媒体。
  11. 【請求項11】無機系結着剤がケイ素化合物であること
    を特徴とする請求項10に記載の光触媒体。
  12. 【請求項12】有害物質、悪臭物質、油分、細菌、放線
    菌、菌類、藻類などを除去し、あるいは、藻類、ゴミ、
    汚れの付着を防止するために用いることを特徴とする請
    求項1〜11のいずれか一項に記載の光触媒体。
  13. 【請求項13】請求項1〜11のいずれか一項に記載の
    光触媒体に含有した光触媒粒子のバンドギャップ以上の
    エネルギーを持つ波長の光を光触媒体に照射させること
    により、有害物質、悪臭物質、油分、細菌、放線菌、菌
    類、藻類などを除去し、あるいは、藻類、ゴミ、汚れの
    付着を防止する方法。
  14. 【請求項14】基体上に、光触媒粒子を含有しない難分
    解性結着剤を塗布しあるいは吹き付けして被覆し、次い
    で固化して、基体上に光触媒粒子を含有しない難分解性
    結着剤からなる第一層を設け、さらに第一層の上に難分
    解性結着剤(セメント及び/又はセッコウを除く)と光
    触媒粒子との混合物を配置させ、次いで固化して、難分
    解性結着剤と光触媒粒子との混合物からなる第二層を設
    けることを特徴とする光触媒体の製造方法。
  15. 【請求項15】第一層上に、光触媒粒子と難分解性結着
    剤(セメント及び/又はセッコウを除く)とを溶媒に分
    散させた塗料組成物を塗布しあるいは吹き付けて、光触
    媒粒子と難分解性結着剤との混合物からなる第ニ層を配
    置させることを特徴とする請求項14に記載の光触媒体
    の製造方法。
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