JP2000334308A - 光触媒用担体及びそれを用いた光触媒 - Google Patents

光触媒用担体及びそれを用いた光触媒

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JP2000334308A JP11144539A JP14453999A JP2000334308A JP 2000334308 A JP2000334308 A JP 2000334308A JP 11144539 A JP11144539 A JP 11144539A JP 14453999 A JP14453999 A JP 14453999A JP 2000334308 A JP2000334308 A JP 2000334308A
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Hidenori Saimiya
英紀 斎宮
Shinichi Harigai
伸一 針谷
Hirofumi Hinode
洋文 日野出
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二酸チタン粒子を含む光触媒活性層を密着性
よく形成しうる低コストで実用的な光触媒用担体、及び
これを用いてなる紫外光あるいは可視光により、優れた
光触媒機能を発揮しうる光触媒を提供すること。 【解決手段】 ケイ酸質基材の表面に、水ガラスやアル
カリ分散型糊状炭水化物と二酸化チタン粒子からなる下
地層を設けた光触媒用担体、及びこの担体表面に、二酸
化チタン粒子又は二酸化チタン粒子と塩化亜鉛を含む塗
布層を設け、500〜900℃で焼成してなる光触媒で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒用担体及び
それを用いた光触媒に関するものである。さらに詳しく
は、本発明は、少なくとも二酸化チタン粒子を含む光触
媒活性層を密着性よく形成しうるケイ酸質基材からな
る、低コストで実用的な光触媒用担体、及びこの担体
に、少なくとも二酸化チタン粒子を含む光触媒活性層を
密着性よく形成させたものであって、紫外光あるいは可
視光の照射により優れた光触媒機能を発揮し、例えば各
種の水の浄化処理などに好適に用いられる光触媒に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】二酸化チタンなどの半導体を光電極とす
ることにより、水が水素と酸素とに光分解される、いわ
ゆる本多一藤嶋効果〔「工業化学雑誌」第72巻、第1
08〜113ページ(1968年)〕が見出されて以
来、光触媒の開発や実用化研究が盛んに行われるように
なってきた。この光触媒は、例えば二酸化チタンなどの
光触媒活性物質を、そのバンドギャップ以上のエネルギ
ーの光で励起すると、伝導帯に電子が生じ、かつ価電子
帯に正孔が生じ、このエネルギーに富んだ電子−正孔対
を利用するものである。光触媒活性物質が光励起される
と、上記のように電子−正孔対が生成し、生成した電子
は表面酸素を還元してスーパーオキシドアニオン(・O
2 - )を生成させると共に、正孔は表面水酸基を酸化し
て、水酸ラジカル(・OH)を生成させ、これらの反応
性の活性酸素種によって、有機物質が高い効率で光分解
される。光触媒は、このような光触媒作用に由来する強
力な酸化作用によって、抗菌,防臭,防汚,空気浄化,
水浄化,超親水性などの機能を発揮する。
【0003】光触媒活性物質としては、これまで種々の
化合物、例えば二酸化チタン,酸化亜鉛,酸化タングス
テン,チタン酸バリウム(BaTi4 9 ),チタン酸
ストロンチウム(SrTiO3 ),チタン酸ナトリウム
(Na2 Ti6 13),二酸化ジルコニウム,α−Fe
2 3 ,硫化カドミウム,硫化亜鉛などが知られてい
る。これらの中で、二酸化チタン、特にアナターゼ型二
酸化チタンは実用的な光触媒として有用である。この二
酸化チタンは、太陽光などの日常光に含まれる紫外線領
域の特定波長の光を吸収することによって優れた光触媒
活性を示す。このような二酸化チタンなどの光触媒活性
物質がもつ光触媒機能を利用し、例えばシリカゲル粒子
に二酸化チタン微粉末を被覆してなる排水処理用剤、大
気中の窒素酸化物を太陽の光エネルギーで分解する建
材、抗菌,脱臭効果をもつ照明、脱臭,抗菌シート,環
境浄化用光触媒フィルター,抗菌ガラスや抗菌セラミッ
クス,防汚性ウインドフィルムなどが実用化されてい
る。ところで、実用的な光触媒活性物質である二酸化チ
タンにおいては、特に触媒活性の高いアナターゼ型は、
紫外光により光励起され、光触媒機能を発揮することか
ら、太陽光の利用効率が低く、また、可視光では機能し
ないので、用途が制限されるのを免れないという欠点を
有している。したがって、可視光で光触媒機能を発揮す
る可視光応答型二酸化チタンの研究が積極的になされて
おり、例えば、プラズマによって表面処理された二酸化
チタン,表面に白金超微粒子を付着させた二酸化チタ
ン,ルチル型二酸化チタン微粒子の表面に白金などの金
属超微粒子を高密度に担持させたもの、クロムやバナジ
ウムなどの金属イオンが注入された二酸化チタンなどが
開発されている。
【0004】しかしながら、これらは、可視光での光触
媒機能が充分に発揮されなかったり、高価な原料や煩雑
なプロセスのために、製造コストが高くついたりして、
必ずしも充分に満足しうるものではなかった。一方、ガ
ラスやセラミックス、その他ケイ酸質基材表面に、二酸
化チタンを主とする光触媒活性層を設ける際に、ゾルー
ゲル法により二酸化チタンを主とする薄膜を形成させる
場合は、基材と該薄膜との密着性は比較的良好である
が、二酸化チタン粒子を主とする光触媒活性層を設ける
場合には、基材との密着性が悪く、そのままでは該基材
表面に、実用的な密着強度で二酸化チタン粒子を主とす
る光触媒活性層を形成させることができないという大き
な問題があった。粉末状の二酸化チタンは、一般に製造
が簡単で安価である上、取扱いが簡単でしかも効率が高
いという長所を有しているので、ゾルーゲル法による薄
膜に比べて有利である。実用的な光触媒としては、可視
光で優れた光触媒機能を発揮するとともに、光触媒活性
層が基材から剥離しにくく、耐久性が良い上、安価であ
るものが要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、少なくとも二酸化チタン粒子を含む光触媒活
性層を密着性よく形成しうるケイ酸質基材からなる、低
コストで実用的な光触媒用担体、及びこの担体に、少な
くとも二酸化チタン粒子を含む光触媒活性層を密着性よ
く形成させたものであって、紫外光あるいは可視光の照
射により優れた光触媒機能を発揮し、例えば各種の水の
浄化処理などに好適に用いられる安価で耐久性の良好な
光触媒を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、表面に特定の
物質と二酸化チタン粒子からなる下地層を設けてなるケ
イ酸質基材が、光触媒用担体としてその目的に適合しう
ること、そして、この担体表面に、二酸化チタン粒子、
又は二酸化チタン粒子と塩化亜鉛を含む塗布層を設け、
特定の温度で焼成してなるものが、光触媒としてその目
的に適合しうることを見出した。本発明は、かかる知見
に基づいて完成したものである。すなわち、本発明は、
(1)ケイ酸質基材の表面に、水ガラス及び/又はアル
カリ分散型糊状炭水化物と二酸化チタン粒子からなる下
地層を設けたことを特徴とする光触媒用担体、(2)上
記担体表面に、二酸化チタン粒子を含む塗布層を設け、
500〜900℃の温度で焼成してなる光触媒(以下、
光触媒Iと称す。)、及び(3)上記担体表面に、二酸
化チタン粒子と塩化亜鉛を含む塗布層を設け、500〜
900℃の温度で焼成してなる光触媒(以下、光触媒II
と称す。)、を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の光触媒用担体において
は、基材としてケイ酸質基材が用いられる。このケイ酸
質基材の形状としては特に制限されず、粒状,柱状,ハ
ニカム状,繊維状,ビーズ状,ウール状,フレーク状,
シート状,板状など、いずれであってもよく、用途に応
じて適宜選定することができる。また、材料についても
特に制限はなく、例えばガラス,ガラス繊維,ガラスビ
ーズ,ガラスウール,ガラスバルーン,シリカゲル,シ
リカ,シリカアルミナ,ヘドロ造粒物を焼成してなる粒
状固形体や粒状発泡体などの透光性や非透光性基材の中
から、用途に応じて適宜選択することができる。これら
のケイ酸質基材の中で、ヘドロ造粒物を焼成してなる粒
状固形体や粒状発泡体は、環境問題や資源問題などか
ら、好ましく、特に本発明の光触媒を水の浄化処理に用
いる場合に、その担体として有用である。上記粒状固形
体は、公知の方法、例えばヘドロを乾燥したのち、所望
形状に造粒し、これを焼成炉において、950〜125
0℃程度の温度で焼成することにより、製造することが
できる(特許第1452239号)。また、粒状発泡体
は、上記方法において、焼成条件を適当に選択し、ヘド
ロ中の有機物質を分解させガスを発生させることによ
り、あるいは、焼成温度で分解又は蒸発してガスを発生
する無機物質や有機物質を添加し、焼成することによ
り、製造することができる。そして、この粒状発泡体の
比重は、発泡の程度によって制御することができる。
【0008】本発明の光触媒を水の浄化処理に用いる場
合、粒状基材の大きさとしては、特に制限はなく、浄化
処理の目的に応じて適宜選定されるが、通常、平均直径
3〜50mmの範囲のものが使用される。またその比重
は、光触媒の使用形式、例えば被浄化水に浮遊させて使
用する場合や、沈降させて使用する場合などに応じて、
適宜選定される。本発明の光触媒用担体においては、前
記ケイ酸質基材の表面に下地層が設けられる。この下地
層は、光触媒において、その上に形成される二酸化チタ
ン粒子を少なくとも含む光触媒活性層との密着性がよ
く、かつケイ酸質基材との密着性がよいものであり、本
発明においては、水ガラス及び/又はアルカリ分散型糊
状炭水化物と二酸化チタン粒子からなるものが設けられ
る。
【0009】二酸化チタンは、結晶形態により、ルチル
型、アナターゼ型及びブルッカイト型の3種があるが、
工業化されているものはルチル型及びアナターゼ型であ
る。ルチル型はアナターゼ型よりも安定で、アナターゼ
型を高温で加熱することにより、ルチル型に結晶転移す
る。この二酸化チタンは、光触媒活性の点からは、アナ
ターゼ型の方がルチル型よりも好ましい。この下地層に
用いられる二酸化チタン粒子としては、その結晶形態は
特に制限はなく、いずれの結晶形態のものも用いること
ができるが、下地層の上に設けられる光触媒活性層に
は、アナターゼ型二酸化チタン粒子が好ましく用いられ
るので、この光触媒活性層との密着性を考慮すると、ア
ナターゼ型が好ましい。この二酸化チタン粒子の平均粒
子径は、通常0.005〜0.5μm、好ましくは0.01〜
0.25μmの範囲である。
【0010】一方、水ガラスは二酸化ケイ素とアルカリ
とを融解して得られたケイ酸アルカリ塩であって、ソー
ダ水ガラスやカリウム水ガラスがあるが、いずれも用い
ることができる。この場合ソーダ水ガラス,カリウム水
ガラスをそれぞれ単独で用いてもよく、それらを混合し
て用いてもよい。水ガラスは焼成後、ガラス質として残
ることが特徴である。また、アルカリ分散型糊状炭水化
物は、炭水化物,例えば小麦デンプン,バレイショデン
プン,米デンプン,甘しょデンプン,タピオカデンプ
ン,デキストリンなどの炭水化物を、アルカリ水溶液中
で加熱処理し、糊状に変質させたものであって、例えば
市販のデンプン糊を用いることができる。これらのうち
少なくとも炭水化物成分は空気中で焼成する場合には燃
焼し残らないことが特徴である。また窒素など不燃性ガ
ス中で焼成することにより炭素成分を残すことも可能で
ある。ケイ酸質基材の表面に下地層を形成させるには、
まず前記水ガラス又はアルカリ分散型糊状炭水化物ある
いはそれらの混合物を含む水系溶液中に、前記二酸化チ
タン粒子を加え分散させて、塗工液を調製する。この塗
工液の粘度としては、ケイ酸質基材表面に塗布可能な粘
度であればよく特に制限はない。また、二酸化チタン粒
子の使用量は、形成される下地層中に、好ましくは5〜
99重量%、より好ましくは40〜99重量%の範囲で
含まれるように選定される。
【0011】次に、ディップコーティング法などの公知
の方法により、ケイ酸質基材の表面に上記塗工液を塗布
し、500〜900℃程度の温度で乾燥処理することに
より、所望の下地層が形成される。なお、必要があれば
乾燥処理後、さらに500〜900℃程度の温度で焼成
してもよい。この下地層の厚さは、通常1〜500μ
m、好ましくは1〜100μmの範囲である。このよう
にして、その上に設けられる少なくとも二酸化チタン粒
子を含む光触媒活性層との密着性の良好な光触媒用担体
が得られる。この光触媒用担体は、下地層の表面に存在
する二酸化チタン粒子によって、それ自体光触媒活性を
有しているが、その活性は非常に小さいので、本発明に
おいては担体として用い、その上に少なくも二酸化チタ
ン粒子を含む光触媒活性層を形成させて、光触媒とす
る。次に、本発明の光触媒Iは、前記光触媒用担体の表
面に、二酸化チタン粒子を含む塗布層を設け、500〜
900℃の温度で焼成して光触媒活性層を形成させたも
のであり、光触媒IIは、該担体表面に、二酸化チタン粒
子と塩化亜鉛を含む塗布層を設け、500〜900℃の
温度で焼成して光触媒活性層を形成させたものである。
【0012】光触媒I及びIIで用いられる二酸化チタン
粒子は、光触媒活性の点から、主としてアナターゼ型の
ものが好ましく、また、その平均粒子径は、通常0.00
5〜0.5μm、好ましくは0.01〜0.25μmの範囲で
選ばれる。また、光触媒IIの塗布層における塩化亜鉛は
融点313℃,沸点732℃の物性を有し、焼成中に一
部蒸発すると考えられ、そのためか、塩化亜鉛を存在さ
せることにより、形成される光触媒活性層は多孔質のも
のとなり、光触媒活性が向上する。しかも、可視光によ
り光触媒機能が発揮されるようになるなどの効果を奏す
る。この塩化亜鉛の量は、二酸化チタン粒子100重量
部当たり、好ましくは5〜40重量部の範囲である。こ
の塩化亜鉛の量が5重量部未満では塩化亜鉛の添加効果
が充分に発揮されず、40重量部を超えるとその量の割
には効果の向上が認められれず、むしろ蒸発量が多くな
り、環境衛生上好ましくない。これらの理由から、より
好ましい塩化亜鉛の量は、10〜30重量部の範囲であ
る。
【0013】本発明の光触媒I及びIIにおいては、焼成
温度が500℃未満では焼成が不充分で、光触媒活性が
充分に発揮されず、900℃を超えると二酸化チタン粒
子はルチル型のものが多くなり、光触媒活性が低下す
る。光触媒活性の点から、好ましい焼成温度は500〜
600℃の範囲である。光触媒用担体の表面に塗布層を
形成するには、まず、二酸化チタン粒子の水系分散液
に、好ましくは少量のデンプン糊,ポリビニルアルコー
ル,カルボキシメチルセルロースなどの有機系バインダ
ーを添加してなる塗工液(光触媒I用)、あるいは、さ
らに塩化亜鉛を添加してなる塗工液(光触媒II用)を調
製する。これらの塗工液の粘度としては、担体表面に塗
布しうる粘度であればよく、特に制限はない。次に、デ
ィップコーティング法などの公知の方法により、光触媒
用担体の表面に上記塗工液を塗布して塗布層を形成した
のち、前記温度にて焼成を行ない、光触媒活性層を形成
させることにより、所望の光触媒I及びIIが得られる。
【0014】本発明においては、光触媒I及びIIにおけ
る焼成前の塗布層に、所望により、光触媒活性を向上さ
せる目的で、公知の助触媒、例えば各コロイドに由来す
る白金,パラジウム,ロジウム,ルテニウムなどの白金
族金属の超微粒子,金コロイドに由来する金超微粒子,
さらにはNiOx,RuOx,RhOxなどの粒子を、
二酸化チタン粒子との合計重量に基づき、好ましくは0.
1〜20重量%の範囲で含有させ、焼成することができ
る。あるいは、焼成して形成された光触媒活性層の上
に、助触媒形成用の水溶性無機金属化合物を含有する水
系溶液を塗布したのち、光を照射して該光触媒活性層上
に助触媒の金属を沈積させる光デポジション法により、
あるいは還元剤をさらに塗布して助触媒の金属を析出さ
せる方法などにより、光触媒活性層上に助触媒の金属を
担持させてもよい。本発明の光触媒I及びIIにおける前
記光触媒活性層の厚さは、好ましくは1〜500μm、
より好ましくは1〜100μmの範囲である。このよう
にして得られた光触媒I及びIIにおいては、ケイ酸質基
材の表面に、下地層を介して光触媒活性層が設けられて
いるので、この光触媒活性層と基材との密着性が極めて
よく、耐久性が良好である。特に、光触媒IIは、光触媒
活性層が二酸化チタン粒子と共に塩化亜塩を含んでお
り、優れた光触媒活性を有し、しかも可視光により、光
触媒機能が発揮される。
【0015】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。 実施例1 市販アナターゼ型二酸化チタン(和光純薬社製)粉末3
0重量部、水60重量部および市販でんぷん糊25重量
部を混合し、塗工液を調整した。顕微鏡用プレパラート
に用いるガラス板(45×15×1mm)に上記塗工液
を塗布し、110℃で60分間乾燥した。このガラス板
を580℃の電気炉で5時間焼成した。常温にゆっくり
冷ました後、水洗し、さらに超音波洗浄器で脱落する二
酸化チタンを除去し、110℃で乾燥させた。このガラ
ス基板の二酸化チタン付着面のX線回析を測定したとこ
ろ、格子定数3.51Åの主ピークが観測され、この実施
例で用いた条件ではルチル型への転移は起こらないこと
が確認された。 実施例2 市販界面活性剤分散二酸化チタン(石原産業社製、ST
S−21、アモルファス)60重量部および市販でんぷ
ん糊25重量部を混合し、塗工液を調整した。実施例1
と同様にこの塗工液をガラス板に塗布し、乾燥,焼成,
冷却,水洗,超音波照射および乾燥させた。このガラス
基板のX線回析にも格子定数3.51Åの主ピークが観測
され、この条件でアルモルファスからアナターゼ型への
転移が起こっておりルチル型へはまだ転移しないことが
確認できた。
【0016】実施例3 ヘドロから形成した平均粒径約1cm、平均比重0.9の
複数の粒状固形体を実施例1の塗工液に浸漬し、取り出
した。これを実施例1と同様に乾燥,焼成,冷却,水
洗,超音波照射および乾燥させ、光触媒Aを調製した。 実施例4 実施例2の塗工液を用いて実施例3と同じ粒状固形体を
実施例3と同様にして乾燥,焼成,冷却,水洗,超音波
照射および乾燥させ、光触媒Bを調製した。
【0017】実施例5 二酸化チタン微粒子分散液(石原産業製,商品名:ST
S−21)30重量部、水ガラス1号25重量部及び水
50重量部を混合して、下地層用塗工液を調製した。ヘ
ドロから形成した平均粒径約10mm,平均比重約2.0
の複数の粒状固形体の表面に、ディップコーティング法
により、上記塗工液を塗布したのち、110℃で60分
間乾燥処理して、厚さ約100μmの下地層を形成し、
光触媒用担体を作製した。上記二酸化チタン微粒子分散
液100重量部に対し、市販のデンプン糊(みつえ糊社
製)25重量部を添加して塗工液を調製し、ディップコ
ーティング法により、上記光触媒用担体の表面に塗布し
たのち、550℃で5時間焼成して、厚さ約200μm
の光触媒活性層を形成させることにより、光触媒Cを作
製した。
【0018】実施例6 実施例5と同様にして、光触媒用担体を作製した。実施
例5で用いた二酸化チタン微粒子分散液100重量部に
対し、塩化亜鉛10重量部及び実施例1で用いたデンプ
ン糊25重量部を添加して塗工液を調製し、実施例1と
同様な操作を行ない、厚さ約300μmの光触媒活性層
を形成させることにより、光触媒Dを作製した。 実施例7 実施例5で用いた二酸化チタン微粒子分散液100重量
部,実施例5で用いたデンプン糊25重量部及び水50
重量部を混合して、下地層用塗工液を調製した。以下、
実施例2と同様に実施して、光触媒用担体を作製し、さ
らに光触媒Eを作製した。前記のようにして得られた光
触媒A〜Eについて、晴天日に太陽光による光触媒活性
を以下に示す方法に従って評価した。 <光触媒活性の評価>光触媒は5粒に統一し、それぞれ
100mlのビーカーに入れ、0.001%メチレンブル
ー水溶液を各50mlを加え、その脱色試験を行った。
その結果、同一の太陽光の下で660nmにおける吸光
度が1/2になる時間は光触媒A〜Eそれぞれ、8時
間,7.5時間,7時間,7時間および6.5時間であっ
た。太陽光中の紫外線量はそれほど多くないにもかかわ
らず本光触媒は有効なものと考えられる。
【0019】
【発明の効果】本発明の光触媒用担体は、少なくとも二
酸化チタン粒子を含む光触媒活性層との密着性に優れ、
かつ製造コストが低く、実用的な担体である。また、本
発明の光触媒は上記担体に、少なくとも二酸化チタン粒
子を含む光触媒活性層を、密着性よく形成させてなる安
価で耐久性の良好なものであって、例えば各種の水の浄
化処理、具体的にはプール,水耕栽培,クーリングタワ
ー,循環風呂などの殺菌や防カビ用として、適用するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA03 BA04A BA04B BA14A BA14B BA31C BA48A BC35A BC35B DA05 EA02X EA02Y EB10 EB15X EB15Y EC22X EC22Y FA03 FA06 FB30 FB61 FC07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ酸質基材の表面に、水ガラス及び/
    又はアルカリ分散型糊状炭水化物と二酸化チタン粒子か
    らなる下地層を設けたことを特徴とする光触媒用担体。
  2. 【請求項2】 ケイ酸質基材が、ヘドロ造粒物を焼成し
    て得られた粒状固形体又は粒状発泡体である請求項1記
    載の光触媒用担体。
  3. 【請求項3】 下地層中の二酸化チタン粒子の含有量が
    5〜99重量%である請求項1又は2記載の光触媒用担
    体。
  4. 【請求項4】 下地層の厚さが1〜500μmである請
    求項1,2又は3記載の光触媒用担体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の担体表
    面に、二酸化チタン粒子を含む塗布層を設け、500〜
    900℃の温度で焼成してなる光触媒。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の担体表
    面に、二酸化チタン粒子と塩化亜鉛を含む塗布層を設
    け、500〜900℃の温度で焼成してなる光触媒。
  7. 【請求項7】 塗布層が、二酸化チタン粒子100重量
    部当たり、塩化亜鉛5〜40重量部を含有するものであ
    る請求項6記載の光触媒。
  8. 【請求項8】 焼成後の塗布層の厚さが1〜500μm
    である請求項5,6又は7記載の光触媒。
  9. 【請求項9】 焼成後の塗布層における二酸化チタン粒
    子が、主としてアナターゼ型である請求項5〜8のいず
    れかに記載の光触媒。
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