JP3825391B2 - 光触媒前駆体ゾルの製造方法、並びに光触媒体及びその製造方法 - Google Patents

光触媒前駆体ゾルの製造方法、並びに光触媒体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可視光で稼動する光触媒体の前駆体ゾル及びその製造方法、並びに可視光で作動する光触媒体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光触媒として酸化チタンが注目され、多数のメーカから酸化チタン光触媒が市販されている。しかし、光触媒として一般的に用いられるアナターゼ型酸化チタンのバンドギャップエネルギーが3.2eVであることに起因して、酸化チタンに光触媒活性を発現させるためには前記バンドギャップエネルギーよりも大きなエネルギーを持つ光(以後、活性光と呼ぶ)、具体的には波長380nm以下の紫外光を照射する必要がある。
【0003】
一方、太陽光には、波長400nm以下の光は約5%程度しか含まれておらず、酸化チタン光触媒に太陽光の下で充分な性能を発揮させることは困難であった。しかし、紫外部だけに限られていた酸化チタンの感光域を可視光域まで広げることができれば、光触媒のいろいろな作用の効率を向上でき、利用分野も飛躍的に広がると考えられる。
【0004】
このような状況に鑑み、可視光領域の光でも活性光として利用できる光触媒開発が進められており、いくつかの例が発表されている。例えば、CrやV等のイオンをドーピングする方法(特許文献1参照)、酸素欠陥導入法(特許文献2参照)、窒素導入法(特許文献3,4参照)などが発表され、製品化が進められている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−262482号公報
【特許文献2】
特許第3252136号公報
【特許文献3】
特開2001−205103号公報
【特許文献4】
特開2001−207082号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の各特許文献をはじめ、これまでに開示されている酸化チタン光触媒への可視光活性付与方法は、アナターゼ型酸化チタン微粒子に可視光活性を付与する方法か、あるいはスパッタ法でアモルファスの光触媒層を形成した後に焼成して結晶性薄膜を形成する方法である。前者の方法では、生成した可視光応答型光触媒微粒子を用いてコーティング膜を形成するためにはバインダー成分が必須であり、光触媒だけから形成された均一で高強度のコーティング膜を形成することが困難であるという課題がある。また、後者の方法では、光触媒だけから形成された均一で高強度のコーティング膜を形成することは可能であるが、成膜装置の中でしか成膜できないため成膜できるコーティング膜(コーティング物)の大きさが制限されたり、屋外でコーティングできなかったり、スパッタ膜を成膜後に焼成するため基材が限定されたり、さらに成膜コストが高いなどの課題がある。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、特別な成膜装置を必要とせずに実質的に光触媒だけからなり可視光領域における光触媒活性を有する光触媒体を製造することが可能な、光触媒の前駆体の製造方法を提供することを目的とする。
そして、上記前駆体を用いて、可視光領域で高い光触媒活性を示す高強度の薄膜状の光触媒体や、多孔質薄膜状の光触媒体や、微粒子状の光触媒体、及びそれらの製造方法を提供することをさらなる目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するために以下の手段をとった。
すなわち、本発明は、光触媒の前駆体として、乾燥あるいは焼成することにより可視光領域における光触媒活性を有するゾル(光触媒前駆体ゾル)を提供する。この光触媒前駆体ゾルは、アモルファス型過酸化チタンゾルに窒素化合物を添加、混合することにより製造することができる(請求項)。
【0009】
上記の様に、アモルファス型過酸化チタンゾルに窒素化合物を添加、混合して得た光触媒前駆体ゾルを乾燥あるいは焼成してアナターゼ型の酸化チタンに結晶化させることにより、おそらく結晶中あるいは結晶粒界に窒素原子が取り込まれると考えられる。アナターゼ型酸化チタン光触媒ではバンドギャップエネルギーが3.2eVもあるため、波長380nm以下の紫外線にしか応答しないが、おそらく前記の結晶中あるいは結晶粒界に取り込まれた窒素原子が原因となって、アナターゼ型酸化チタン光触媒のバンドギャップ間に新たな準位を形成することで、波長550nm以下の可視光領域の光に対しても触媒活性を発現するようになるものと推定する。
なお、アモルファス型過酸化チタンゾルに添加、混合する窒素化合物としては、アンモニアまたはアンモニア水が好ましい。また、水溶性の含窒素有機化合物も好ましい。
【0010】
さらに、本発明は、実質的に光触媒だけからなり可視光領域における光触媒活性を有する、薄膜状光触媒体(請求項2〜)、多孔質な薄膜状光触媒体(請求項5〜10)、及び微粒子状光触媒体(請求項11〜13)を提供するとともに、それらの製造方法も提供する。
【0011】
まず、本発明の可視光領域における光触媒活性を有する薄膜状光触媒体の製造方法(請求項14)は、アモルファス型過酸化チタンゾルに窒素化合物を添加、混合することによって調製した光触媒前駆体ゾルを、基材にコーティングした後、乾燥あるいは焼成することを特徴とする。
アモルファス型過酸化チタンゾルには、該ゾルをコーティングした状態で乾燥あるいは焼成させることで結晶化し、実質的に光触媒だけからなる膜を形成する特性がある。従って、アモルファス型過酸化チタンゾルに窒素原子を含有する物質を添加、混合して得た光触媒前駆体ゾルをコーティング液として基材に塗布した後、乾燥あるいは焼成することで可視光領域において触媒活性を有する光触媒コーティング膜を形成することができる。乾燥温度あるいは焼成温度は高い方が膜強度は高くなるが、乾燥温度あるいは焼成温度が高すぎると、光触媒活性が高いアナターゼ型から光触媒活性が低いルチル型への転移が起こるので、乾燥温度あるいは焼成温度は高くても約600℃を上限とするほうが好ましく、さらに本発明の光触媒体の活性を最大に高めるためには焼成温度は350〜400℃が好ましい。ただし、触媒活性が多少低下しても膜強度を優先させたい場合には、前記乾燥温度あるいは焼成温度の上限を越える温度で焼成しても差し支えない。
【0012】
該光触媒前駆体ゾルは、コーティングした後、室温で乾燥しても成膜するが、光触媒活性の点や膜強度の点からは乾燥温度あるいは焼成温度の下限を約300℃とするのが好ましい。ただし、耐熱性が低い基材にコーティングしたい場合、あるいは屋外の構造物表面にコーティングする場合などで、光触媒活性や膜強度が多少低くなっても差し支えない場合には、前記乾燥温度あるいは焼成温度の下限以下の温度で乾燥しても差し支えない。
【0013】
また、本発明の可視光領域における光触媒活性を有する多孔質な薄膜状光触媒体の製造方法(請求項15)は、アモルファス型過酸化チタンゾルに窒素化合物を添加、混合することによって調製した光触媒前駆体ゾルとポリマー微粒子を基材にコーティングした後、該光触媒前駆体ゾルを乾燥させ、次に該ポリマー微粒子の分解温度以上の温度で焼成することを特徴とする。
【0014】
前記の様に焼成温度の上限は600℃とすることが好ましいことから、本発明で使用するポリマー微粒子の分解温度は600℃を上限とすることが好ましく、さらに言えば触媒活性を最大限発揮するためにはポリマーの分解温度の上限を400℃とすることがより好ましい。ポリマーの分解温度の下限については特に制約は無いが、触媒活性の点から、焼成下限温度は300℃が好ましいことは上記の通りである。また、多孔質の薄膜の気孔率や細孔径は添加するポリマー微粒子の粒子径、添加量により調整することが可能であり、使用目的に応じて任意に調整すればよい。
なお、該ポリマー微粒子が、該アモルファス型過酸化チタンゾルに混入されている
ことが好ましい。また、該ポリマー微粒子が、該アモルファス型過酸化チタンゾルの該基材への塗布前に該基材表面に配列固定されていることが好ましい。さらに、該ポリマー微粒子が、水溶性ポリマーであって、該アモルファス型過酸化チタンゾルに溶解していることが好ましい。
【0015】
本発明の多孔質な薄膜状光触媒体(請求項7)によれば、多孔質とすることで光触媒薄膜表面の実質的な表面積を増大させられるため、たとえば代表的な光触媒作用である有機物分解性能を向上させることが可能になる。多孔質とすることで膜強度は多孔質でない(ソリッドな)薄膜状光触媒体に比べて低下するが、膜強度よりも光触媒活性を優先させたい場合に有効であることを確認した。
【0016】
また、本発明の可視光領域における光触媒活性を有する微粒子状光触媒体の製造方法(請求項16)は、アモルファス型過酸化チタンゾルに窒素化合物を添加することによって調製した光触媒前駆体ゾルを乾燥あるいは焼成し、生成した乾燥物または焼成物を粉砕することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
まず、本発明の光触媒活前駆体ゾルに用いる過酸化チタンゾルはペルオキシチタン酸ゾルとも呼ばれ、例えば次のようにして調製することができるが、調製方法はこれに限るものではない。硫酸チタニルにアンモニア水を加えて加水分解し、水酸化チタンTi(OH)4の沈殿物を生成させる。この水酸化チタンを洗浄し、洗浄液と分離した後、過酸化水素水に溶解することにより、黄色透明のアモルファスの過酸化チタンゾルが得られる。
前記過酸化チタンゾルの市販品としては、テイカ(株)のTKC−301、(株)アリテックスのPTA−85、PTA−170等があるがこれに限るものではない。
【0018】
過酸化チタンゾルに窒素原子供給源として添加する窒素化合物としてはアンモニアまたはアンモニア水、または水溶性の含窒素有機化合物であることが好ましい。過酸化チタンゾルは水を媒体とするゾルであるため、過酸化チタンゾルと均一に混合するためには水溶性の物質である必要がある。含窒素有機化合物の水溶性定義としては、含窒素有機化合物の20℃における水への溶解度が10wt%以上を目安とするのが好ましい。含窒素有機化合物の20℃における水への溶解度がこれより低い場合は、必要量の窒素を添加するために大量の含窒素有機化合物水溶液を添加しなければならず、過酸化チタンゾルの濃度が低くなりすぎて、コーティング膜が薄くなり過ぎるなどの問題が発生する場合がある。ただし、多層コーティングによって膜厚を確保できる場合はこの限りではない。水溶性の含窒素有機化合物としては、尿素、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、アリルアミン、シクロヘキシルアミン、ピペリジン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、2−ピロリドン、ε−カプロラクタムなどがあるが、これらに限るものではない。
【0019】
窒素化合物の添加量としては、過酸化チタンゾルの固形分をTiO3として換算すると、過酸化チタンゾル中のチタン(Ti)原子に対して、窒素化合物中の窒素原子(N)の重量比率がTi:N=1:0.5〜1:10の範囲になるように添加するのが好ましく、さらに言えばTi:N=1:1〜1:5の範囲になるように添加するのがより好ましい。Ti:N=1:0.5よりNの添加量が少ないと、可視光領域の光触媒活性が不十分になることがある。一方、Ti:N=1:10よりNの添加量が多くても、可視光領域の光触媒活性は頭打ちとなり、また、過酸化チタンゾルに窒素化合物を添加、混合して調製した光触媒前駆体ゾルがゲル化し易く不安定になるなどの不具合が生じる場合がある。
【0020】
添加した窒素化合物中の窒素原子の多くは乾燥および/または焼成の過程で脱離すると考えられ、最終的な光触媒体には添加量の何分の1の窒素原子が留まっているかは不明であるが、上記添加量は実験的に確認されたものである。
本発明の多孔質な薄膜状光触媒体を調整する目的で添加するポリマー微粒子のポリマー種としては、前記の様に分解温度が300〜600℃の間のポリマーであれば良く、具体的には(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルなどのアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン・アクリル酸、スチレン・アクリル酸エステルなどのスチレン・アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、エチレン、エチレン・アクリル酸、エチレン・アクリル酸エステル、エチレン酢酸ビニル、変性エチレン酢酸ビニルなどのエチレン系樹脂、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテルなどのビニル系樹脂や、ブタジエン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂が好適である。
【0021】
ポリマー微粒子は本発明の光触媒前駆体ゾルに混入しても良く、また前記光触媒前駆体ゾルを基材に塗布する前に、ポリマー微粒子を基材表面に配列固定させておいても良い。
さらにまた、上記ポリマーのうち、水溶性ポリマーの場合は、必ずしも微粒子状で用いなくても良く、例えば前記光触媒前駆体ゾルにポリマーを溶解させたゾルを用いても、多孔質の薄膜状光触媒体を得ることが可能である。
【0022】
また、ポリマー粒子の大きさは細孔の大きさを調整するために任意に選べばよいが、粒径の上限としては薄膜の厚さの1/2以下が好ましい。これ以上ポリマー粒子径が大きいと、薄膜状光触媒体の膜強度が低下する場合がある。
また、薄膜状の光触媒体の膜厚は、0.005〜1μmの範囲内にあることが好ましい。これは、膜厚があまりに小さければ、光触媒活性、すなわち有機物分解や光触媒体表面の超親水化などの活性、が十分に発現できなくなったり、また、膜厚があまりに大きければ、光触媒体がヒビ割れしやすくなったりするためである。なお、このヒビ割れは膜厚が10μmを越えるようなときに顕著に観察されるため、前記範囲を緩和するとしても当該10μmをその上限として認識する必要がある。また、実際上は0.03〜0.5μm程度の膜厚とするのが、より好ましい。
【0023】
本発明の光触媒体は、可視光領域を含む波長550nm以下の光照射下において有機系化合物の酸化分解性能と光触媒自身の親水化性能が伴に高いという特徴を有することから、例えば、建物・構造物の外壁、タイル、窓ガラスなどに用いれば、汚れが付着しにくくなり、また室内の壁面・壁紙などに用いれば、汚れ難いだけでなく、室内空間の有害有機成分が分解除去されシックハウス対策ができるなどの効果がある。また、光触媒活性が高く、膜強度が高いことから印刷用版材への適用にも好適である。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の光触媒前駆体ゾルを用いた光触媒体の製造方法にかかわる、本発明者らが確認したより具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
〔光触媒前駆体ゾルの調製〕
過酸化チタンゾル(テイカ(株)製。商品名TKC−301。固形分濃度1.5重量%)10重量部を攪拌しながら、濃度27重量%のアンモニア水1重量部を添加して充分に混合した後、室温で1時間放置して安定化させ光触媒前駆体ゾルとする。前記前駆体ゾル調製時に添加するアンモニア水中の窒素原子Nのチタン原子Tiに対する比率は、過酸化チタンゾルの固形分をTiO3として換算するとTi:N=1:2.96である。
【0025】
〔薄膜状の光触媒体の調製〕
5cm×5cm(厚さ2mm)のガラス板を以下の手順で脱脂処理した。まず、5重量%の水酸化ナトリウム水溶液(液温60℃)に30秒浸漬した後、水洗する。次に、30重量%の硝酸(液温60℃)に30秒浸漬した後、水洗した後、100℃で乾燥し脱脂処理とした。
【0026】
前記脱脂処理済のガラス板を前記光触媒前駆体ゾルに浸漬した後、10mm/分の引き上げ速度でガラス板をゾルから引き上げ風乾した。次に、400℃に調整した電気炉中で60分焼成し、ガラス板上に成膜した薄膜状の光触媒体を得た。前記薄膜状の光触媒体についてJIS K5400に基づいて測定した鉛筆硬度は5Hであった。
【0027】
〔薄膜状光触媒体の可視光活性確認〕
1,2−エポキシドデカン(関東化学)をイソパラフィン(エクソンモービル製。商品名アイソパーL)に溶解して1重量%溶液とした。この1,2−エポキシドデカン溶液を前記ガラス板状に成膜した薄膜状の光触媒体表面にディップコート(引き上げ速度10mm/分)した後、100℃で5分間乾燥し、前記光触媒体表面を1,2−エポキシドデカンで疎水化した。この疎水化処理後の光触媒体表面について、協和界面科学製のCA―W型接触角計で水の接触角を測定したところ、接触角は87.1°であった。
【0028】
前記疎水化処理後の光触媒体表面に日亜化学製の青色LED(主波長470nm、光触媒体表面における照度1mW/cm2)を照射したところ、照射50分、主波長470nmの光照射エネルギー3.0J/cm2で光触媒体表面は水の接触角5°以下まで親水化した。すなわち、主波長470nmの光照射で光触媒体表面の1,2−エポキシドデカンが分解され、同時に光触媒体表面が親水化したことを示している。
【0029】
(比較例1)
〔薄膜状の光触媒体の調製〕
実施例1の過酸化チタンゾルに濃度27重量%のアンモニア水を添加して調製した光触媒前駆体ゾルの替わりに、アンモニア水を添加しない過酸化チタンゾル(テイカ(株)製。商品名TKC−301。固形分濃度1.5重量%)そのものを用いた以外は、実施例1と同様にして、5cm×5cm(厚さ2mm)の脱脂処理したガラス板状に薄膜状の光触媒体を成膜した。この薄膜状の光触媒体について実施例1と同様に鉛筆硬度を測定したところ、鉛筆硬度は5Hであった。
【0030】
〔可視光活性の確認〕
実施例1と同様にして、比較例1の光触媒体を1,2−エポキシドデカン溶液で疎水化した。この疎水化処理後の光触媒体表面について、前記接触角計で水の接触角を測定したところ、接触角は85.5°であった。
実施例1と同様にして前記青色LED(主波長470nm、光触媒体表面における照度1mW/cm2)を疎水化処理後の光触媒体表面に照射したところ、照射50分後、主波長470nmの光照射エネルギー3.0J/cm2の時点で光触媒体表面は水の接触角85.1°を示した。すなわち、主波長470nmの光照射では光触媒体表面の接触角は実質的に変化しておらず、比較例1の光触媒体が主波長470nmの光照射では有機物を分解しないことを確認した。
【0031】
(比較例2)
〔薄膜状の光触媒体の調製〕
市販の微粒子状の紫外線応答型光触媒体(石原産業製。商品名ST−01)を水に分散してスラリー(固形分濃度20重量%)とし、横型ビーズミル(シンマルエンタープライゼスが販売。商品名ダイノミル)を用いて、直径0.5mmのジルコニアビーズの充填率85%で分散処理を行った。この分散処理したスラリーに前記過酸化チタンゾルをバインダーとして混合してコーティング液を調製した。過酸化チタンゾルの混合比率は重量比で、微粒子状の紫外線応答型光触媒体(TiO2):過酸化チタンゾル中のTiO3(TiO2に換算)=6:4とした。
【0032】
このコーティング液を用いて、実施例1と同様に、前記脱脂処理済のガラス板上に薄膜状の光触媒体を成膜した。この薄膜状の光触媒体について実施例1と同様に鉛筆硬度を測定したところ、鉛筆硬度は2Hであり、実施例1の薄膜状光触媒体の鉛筆硬度5Hに及ばなかった。
【0033】
(実施例2)
〔微粒子状の光触媒体の調製〕
実施例1において、アンモニア水を添加して調製した光触媒前駆体ゾルを60℃で乾燥して粉末状にし、さらに温度350℃に調節した電気炉中で60分間焼成した後、微粒子状に粉砕した。この微粒子状の光触媒体について窒素吸着によりBET法で求めた比表面積は120m2/gであった。また、前記微粒子状の光触媒体の光吸収スペクトルを測定した結果を図1に示す。測定は日立製作所製のU−4000型分光光度計を用い拡散反射法で測定した。この光触媒体は波長約550nm以下から光を吸収し始めることが判る。
【0034】
なお、図1には、上記実施例2の微粒子状の光触媒体の調製方法において、アンモニア水を添加しない過酸化チタンゾル(TKC−301)を用いる以外は、実施例2と同様にして調製した微粒子状の光触媒体の光吸収スペクトルも併せて示す。波長約400nm以下から光吸収が始まり、可視光領域ではほとんど光を吸収しないことが判る。
【0035】
〔微粒子状光触媒体の可視光活性確認〕
前記微粒子状の光触媒体0.2gを採取し、水を数滴加えてスラリーとし、試料フォルダーとしてガラス板(6cm×6cm)に一定面積(6cm×6cm=36cm2)になるように均一に塗布・乾燥し、密閉できるパイレックス(登録商標)ガラス製の円筒容器(容量550mL)の中心部に設置した。ついで、反応容器内を脱気して、高純度空気で置換した。そして、分解対象物としてアセトン(和光純薬製)を反応容器内濃度が540ppmになるように注入後、20℃で吸着平衡に達するまで暗所で12時間以上吸着させた。吸着平衡を確認後、日亜化学製の青色LED(主波長470nm)を照射し、アセトン及びCO2量を島津製ガスクロマトグラフGC−14B型(検出器:FID)および島津製ガスクロマトグラフGC−8A型(検出器:TCD)で追跡した。前記青色LED照射24時間後にアセトンが分解して発生したCO2の濃度は944ppmであった。
【0036】
(実施例3)
〔ポリマー微粒子含有光触媒体前駆体ゾルの調製〕
実施1の光触媒前駆体ゾルにn−ブチルアクリル酸エステル微粒子(日本ペイント製、マイクロジェルE−5003、粒径60nm)を添加して多孔質薄膜用ゾルとした。ポリマー微粒子の添加量は過酸化チタン(TiO3換算)に対して10重量%とした。このスチレン微粒子は大気中320℃で分解する。
【0037】
〔多孔質薄膜状の光触媒体の調製〕
実施例1の光触媒前駆体ゾルの替わりに、上記多孔質薄膜用ゾルを用いた以外は、実施例1と同様にして、400℃で60分焼成し、5cm×5cm(厚さ2mm)の脱脂処理したガラス板状に薄膜状の光触媒体を成膜した。光触媒体の膜厚は約200nmであった。
この多孔質薄膜状の光触媒体について実施例1と同様に鉛筆硬度を測定したところ、鉛筆硬度は3Hであった。
【0038】
〔薄膜状光触媒体の可視光活性確認〕
実施例1と同様にして1,2−エポキシドデカン溶液を用いて前記多孔質薄膜状の光触媒体表面を疎水化した。この疎水化処理後の光触媒体表面について、前記接触角計で水の接触角を測定したところ、接触角は92.6°であった。
【0039】
実施例1と同様にして前記青色LED(主波長470nm、光触媒体表面における照度1mW/cm2)を疎水化処理後の多孔質薄膜状の光触媒体表面に照射したところ、照射35分後、主波長470nmの光照射エネルギー2.1J/cm2の時点で光触媒体表面は水の接触角4.1°を示し、実施例1の薄膜状の光触媒体より活性が高くなっていることを確認した。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光触媒前駆体ゾルの製造方法によれば、実質的に光触媒だけからなり、膜強度が高く、可視光領域における高い光触媒活性を有する薄膜状の光触媒体を基板上に容易に成膜することが可能であるので、光触媒コーティング膜の利用分野拡大が期待できる。
また、本発明の光触媒前駆体ゾルの製造方法によれば、公知の調製法による微粒子状の光触媒体よりも可視光領域における高い光触媒活性を発現することが可能である。
【0041】
本発明にかかる光触媒体は上記の特性を有することから、高い膜強度の光触媒コーティング層を建造物外壁などへ容易に施工でき、また太陽光照射下で建造物外壁や窓ガラスなどの汚れ付着を効率よく防止でき、さらに室内壁・壁紙などに用いれば汚れ防止だけでなく、室内空間の有害有機物分解を可視光照射下で効率よく行えるためシックハウス対策なども可能である。特に、多孔質な薄膜状光触媒体によれば、多孔質とすることで光触媒薄膜表面の実質的な表面積を増大させられるため、有機物分解性能をより向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる微粒子状の光触媒体の光吸収スペクトルを示す図である。前記光触媒体が波長約550nm以下の光を吸収することを示す。

Claims (16)

  1. アモルファス型過酸化チタンゾルに窒素化合物を添加、混合することを特徴とする、乾燥あるいは焼成することにより可視光領域における光触媒活性を有する光触媒前駆体ゾルの製造方法。
  2. 乾燥あるいは焼成することにより可視光領域における光触媒活性を有する、窒素化合物を添加,混合されたアモルファス型過酸化チタンゾルを基材にコーティングした後、乾燥あるいは焼成することによって生成され、実質的に光触媒だけからなり可視光領域における光触媒活性を有する
    ことを特徴とする、薄膜状の光触媒体。
  3. 該窒素化合物が、アンモニアまたはアンモニア水である
    ことを特徴とする、請求項記載の薄膜状の光触媒体。
  4. 該窒素化合物が、水溶性の含窒素有機化合物である
    ことを特徴とする、請求項記載の薄膜状の光触媒体。
  5. 乾燥あるいは焼成することにより可視光領域における光触媒活性を有する、窒素化合物を添加,混合されたアモルファス型過酸化チタンゾルとポリマー微粒子とを基材にコーティングした後、該ポリマー微粒子の分解温度以上の温度で焼成することによって生成され、実質的に光触媒だけからなり可視光領域における光触媒活性を有する
    こと特徴とする、多孔質な薄膜状の光触媒体。
  6. 該窒素化合物が、アンモニアまたはアンモニア水である
    こと特徴とする、請求項記載の多孔質な薄膜状の光触媒体。
  7. 該窒素化合物が、水溶性の含窒素有機化合物である
    こと特徴とする、請求項記載の多孔質な薄膜状の光触媒体。
  8. 該ポリマー微粒子が、該アモルファス型過酸化チタンゾルに混入されている
    こと特徴とする、請求項5〜7の何れか1項に記載の多孔質な薄膜状の光触媒体。
  9. 該ポリマー微粒子が、該アモルファス型過酸化チタンゾルの該基材への塗布前に該基材表面に配列固定されている
    こと特徴とする、請求項5〜7の何れか1項に記載の多孔質な薄膜状の光触媒体。
  10. 乾燥あるいは焼成することにより可視光領域における光触媒活性を有する、窒素酸化物を添加,混合されたアモルファス型過酸化チタンゾルとポリマーとを基材にコーティングした後、該ポリマーの分解温度以上の温度で焼成することによって生成され、実質的に光触媒だけからなり可視光領域における光触媒活性を有する多孔質な薄膜状の光触媒体であって、
    ポリマーが、水溶性ポリマーであって、該アモルファス型過酸化チタンゾルに溶解している
    こと特徴とする、多孔質な薄膜状の光触媒体。
  11. 乾燥あるいは焼成することにより可視光領域における光触媒活性を有する、窒素化合物を添加,混合されたアモルファス型過酸化チタンゾルの乾燥物あるいは焼成物を粉砕することによって生成され、可視光領域における光触媒活性を有する
    ことを特徴とする、微粒子状の光触媒体。
  12. 該窒素化合物が、アンモニアまたはアンモニア水である
    ことを特徴とする、請求項11記載の微粒子状の光触媒体。
  13. 該窒素化合物が、水溶性の含窒素有機化合物である
    ことを特徴とする、請求項11記載の微粒子状の光触媒体。
  14. アモルファス型過酸化チタンゾルに窒素化合物を添加、混合することによって調製した光触媒前駆体ゾルを基材にコーティングした後、乾燥あるいは焼成することを特徴とする、実質的に光触媒だけからなり可視光領域における光触媒活性を有する薄膜状光触媒体の製造方法。
  15. アモルファス型過酸化チタンゾルに窒素化合物を添加、混合することによって調製した光触媒前駆体ゾルとポリマー微粒子を基材にコーティングした後、該光触媒前駆体ゾルを乾燥させ、次に該ポリマー微粒子の分解温度以上の温度で焼成することを特徴とする、実質的に光触媒だけからなり可視光領域における光触媒活性を有する多孔質な薄膜状光触媒体の製造方法。
  16. アモルファス型過酸化チタンゾルに窒素化合物を添加、混合することによって調製した光触媒前駆体ゾルを乾燥あるいは焼成し、生成した乾燥物あるいは焼成物を粉砕することを特徴とする、可視光領域における光触媒活性を有する微粒子状光触媒体の製造方法。
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