JP2000246114A - 有機−無機ハイブリッド材料及びその製造方法 - Google Patents

有機−無機ハイブリッド材料及びその製造方法

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泰幸 上利
Masayuki Shimada
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面層として光触媒作用を示す材料を備えな
がら、それを担持する基材が劣化しない有機−無機ハイ
ブリッド材料、及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 基材と基材の表面上に順次形成された中
間層と光触媒作用層とを有する有機−無機ハイブリッド
材料において、該中間層が、有機重合体成分と金属酸化
物成分とが共有結合して形成された有機−無機ハイブリ
ッド高分子材料であって、表面方向に金属酸化物成分の
濃度が増加する成分傾斜構造を有するもので成り、該光
触媒作用層が、光触媒作用を示す金属酸化物を含む材料
で成る、有機−無機ハイブリッド材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面層として光触媒
作用を示す材料を備える有機−無機ハイブリッド材料及
びその製造方法に関する。かかる有機−無機ハイブリッ
ド材料は、様々な臭いや汚れの除去や除菌等が要求され
る用途に有用な機能性材料である。
【0002】
【従来の技術】最近、光触媒作用を有する材料である酸
化チタンが消臭、防汚や抗菌、除菌材として使用されて
きている。これは、酸化チタンに光が当たるとその表面
にOHラジカル等の活性酸素種が生成し、それらによっ
て表面に付着したほとんどの有機物が、最終的には二酸
化炭素と水にまで分解されることを利用している。この
ような酸化チタンの光触媒作用は非常に強いため、酸化
チタンはこれまではタイル等のセラミックスのような無
機材料表面に担持させることが多かった。
【0003】しかし今後は他の材料、例えば成形性等に
優れるプラスチックや繊維等の有機材料に担持させる必
要が多くなると考えられる。ところが酸化チタンは、上
記したように非常に強い光触媒作用を有するため様々な
不都合が生じる。すなわち、酸化チタンに接している基
材部分が、その強い酸化作用のために著しい劣化を受け
る。無機材料と違って、有機材料の場合にはこの劣化は
耐用寿命の短縮につながる。
【0004】これを防ぐために、酸化チタンを基材に担
持するときにはこれまで、接着剤としてフッ素系樹脂や
シリコン系樹脂等の難分解性樹脂を使用する方法(特開
平7−171408、特開平7−265714)や酸化
チタン微粒子を多孔質体に担持させる方法(特開平3−
157125、特開平7−213913)が提案され
た。しかし、これらの方法を採っても酸化チタンと接着
剤となる樹脂や基材とが接触することより、これらの材
料の劣化を充分に防止できない。
【0005】また、酸化チタン粒子を部分的にアルキル
シリケートでコーティングする方法(特開平10−33
988)も提案されているが、アルキルシリケートの添
加量が少ないと酸化チタンと基材との接触面積が大きく
なり、やはり基材の劣化を防止できない。逆にアルキル
シリケートの添加量を多くすると材料中の酸化チタンの
相対量が減少することによって、光触媒作用が充分に発
揮されない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の問題を解決し、表面層として光触媒作用を示す材
料を備えながら、それを担持する基材が劣化しない有機
−無機ハイブリッド材料、及びその製造方法を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材と基材の
表面上に順次形成された中間層と光触媒作用層とを有す
る有機−無機ハイブリッド材料において、該中間層が、
有機重合体成分と金属酸化物成分とが共有結合して形成
された有機−無機ハイブリッド高分子材料であって、表
面方向に金属酸化物成分の濃度が増加する成分傾斜構造
を有するもので成り、該光触媒作用層が、光触媒作用を
示す金属酸化物を含む材料で成る、有機−無機ハイブリ
ッド材料を提供するものであり、そのことにより上記目
的が達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】基材 基材としては、従来と同様、タイル等のセラミックスの
ような無機材料を用いることもできるが、有機材料を用
いることもできる。例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹
脂などの汎用プラスチックス材料及びエンジニアリング
プラスチックス材料等の高分子材料を用いることができ
る。基材の形状としては、板状の他、糸、フィルム、球
状、ブロック等の各種形状の成形体であるものも含まれ
る。軽量で、成形が容易である有機材料を用いることが
好ましい。
【0009】中間層 中間層とは基材と光触媒作用層との中間に位置すること
により光触媒作用層が基材に接触するのを防止する層を
いう。中間層は光触媒作用を示さず、有機材料でなる基
材と接したとしても基材の接した部分が劣化されず、ま
た、基材及び光触媒作用層との接着性が良好な材料で形
成することが好ましい。中間層を形成するのに好ましい
材料は有機重合体成分と金属酸化物成分とが共有結合し
て形成された有機−無機ハイブリッド高分子材料であ
る。
【0010】有機−無機ハイブリッド高分子材料中の有
機重合体成分の含有率は特に制限はないが、塗膜として
有機材料の基材にコーティングする場合には、基材との
密着性をより高めるために基材との接触面部分では50
重量%以上であることが好ましい。また、基材の劣化を
防ぐために、光触媒作用を有する材料との界面部分では
有機重合体成分の含有率は0%に近いほど望ましい。言
い換えれば、この界面部分では金属酸化物成分の含有率
が100%に近いほど良い。
【0011】このような有機重合体成分と金属酸化物成
分との好ましい組成分布を実現するために、本発明で
は、中間層を形成する有機−無機ハイブリッド高分子材
料の組成を、表面方向に金属酸化物成分の濃度が増加す
るよう調節する。本明細書では、このような厚み方向に
ある成分の濃度が増加又は減少する構造を成分傾斜構造
という。
【0012】成分傾斜構造としては、最終的に得られる
有機−無機ハイブリッド高分子材料がミクロ的に均質で
ありながらかつ材料の厚み方向に有機重合体成分あるい
は金属酸化物成分の含有率が連続的に変化する領域を有
するものであれば良く、特に製造方法によって限定され
ない。
【0013】つまり、本発明においては、有機重合体お
よび金属酸化物の組成比が有機−無機ハイブリッド高分
子材料中において厚み方向以外では均質性を保ちなが
ら、厚み方向には連続的に変化し、表面に向かって金属
酸化物の濃度が増加していることを基本とする。従っ
て、本発明の有機−無機ハイブリッド材料は、単に不規
則な凝集や相分離によって不連続的に成分濃度が異なる
領域を有するものや塗装によって形成される一定成分濃
度を有する均一塗膜を基材の表面に有するもの等とは異
なる。
【0014】有機−無機ハイブリッド高分子材料は、例
えば、官能基として金属アルコキシド基を有する有機重
合体、又は金属アルコキシド化合物と反応可能な官能基
を有する有機重合体と金属アルコキシド化合物との混合
物を、加水分解及び重縮合することにより得られる。
【0015】本発明において、金属アルコキシド化合物
(B)と反応可能な官能基を有する有機重合体(A)は
いかなる方法で合成されたものであっても良い。
【0016】有機重合体(A)は主骨格として有機鎖部
分を有する。かかる主骨格の例としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、
ポリメタクリル酸メチル;ポリアミド、ポリアセター
ル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレン
エーテル;ポリメチルペンテン、ポリサルホン、ポリエ
ーテルサルホン、ポリフタルアミド;ポリフェニレンサ
ルファイド、ポリアリーレート、ポリイミド、ポリエー
テルイミド;ポリエーテルケトン等の熱可塑性樹脂や熱
可塑性エラストマーの骨格;フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、
尿素樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂の骨格等が
挙げられる。
【0017】有機重合体(A)は上述したような重合体
や前駆体の1成分を主骨格としたものでも良く、これら
多成分の共重合体骨格でも良い。また、複数種を混合し
たものでも良く、分岐状、線状いずれの形状でも良い。
更にハロゲン化炭化水素系、エーテル系、アルコール
系、非プロトン性極性溶媒のような溶剤に溶解するかま
たは膨潤することが望ましく、数平均分子量は500〜
50000、好ましくは1000〜15000である。
【0018】この中でも熱可塑性樹脂が有機重合体
(A)として好ましく、高性能という点ではポリアミ
ド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリサルホ
ン、ポリアリーレート等のエンジニアリングプラスチッ
クがより好ましい。
【0019】有機重合体(A)が有する官能基は金属ア
ルコキシド化合物(B)と反応可能なものであれば良
く、特に限定されないが、具体的には金属アルコキシド
基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等が挙げられ、
特に金属アルコキシド基が好ましい。有機重合体(A)
の官能基当量は1〜100、好ましくは1〜50、更に
好ましくは2〜10である。有機重合体(A)の官能基
当量が1を下回ると材料の性能が低下する可能性があ
り、100を上回ると材料がもろくなる可能性がある。
1分子の有機重合体(A)が有する官能基は全て同一で
も良く、複数種であっても良い。
【0020】金属アルコキシド化合物(B)としては、
金属酸化物とされた場合に光触媒作用を示さず、有機材
料でなる基材と接したとしても接した部分が劣化されな
いものであれば、あらゆるタイプの化合物を用いること
ができる。その中でも好ましいものは、式(1) ApM 式(1) [式中、Aは炭素数1〜8、好ましくは1〜4のアルコ
キシ基であり、MはSi、Zr、Fe、Sn、B、A
l、Ge、Ce、Ta、Ba、Ga、Pb及びW等から
なる群、好ましくはSi及びZrからなる群から選択さ
れる金属元素であり、pは2〜6の整数である。]で表
される化合物である。
【0021】具体的には、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テト
ラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類、テト
ラn−プロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシ
ジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム等のテトラ
アルコキシジルコニウム類、及びジエトキシバリウム、
トリメトキシホウ素、トリエトキシガリウム、トリブト
キシアルミニウム、テトラエトキシゲルマニウム、テト
ラブトキシ鉛、ペンタn−プロポキシタンタル、ヘキサ
エトキシタングステン等の金属アルコキシド類が挙げら
れる。
【0022】金属アルコキシド化合物(B)の他の例
は、式(2) RklM(R’mX)n 式(2) [式中、Rは水素、炭素数1〜12、好ましくは1〜5
のアルキル基またはフェニル基であり、Aは炭素数1〜
8、好ましくは1〜4のアルコキシ基であり、MはS
i、Zr、Fe、Sn、B、Al、Ge、Ce、Ta及
びW等からなる群、好ましくはSi及びZrからなる群
から選択される金属元素であり、R’は炭素数1〜4、
好ましくは2〜4のアルキレン基またはアルキリデン基
であり、Xはイソシアネート基、エポキシ基、カルボキ
シル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、アミノ基、チ
オール基、ビニル基、メタクリル基、ハロゲン基等の一
般的な官能基であり、kは0〜5の整数であり、lは1
〜5の整数であり、mは0または1の整数であり、nは
0〜5の整数である。]で表される化合物である。
【0023】Siを例に取り、具体的に例示すれば、ト
リメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリn−プロ
ポキシシラン、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、
ジイソプロポキシシラン、モノメトキシシラン、モノエ
トキシシラン、モノブトキシシラン、メチルジメトキシ
シラン、エチルジエトキシシラン、ジメチルメトキシシ
ラン、ジイソプロピルイソプロポキシシラン、メチルト
リメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プ
ロピルトリn−プロポキシシラン、ブチルトリブトキシ
シラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、ジ
ブチルジブトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、
トリエチルエトキシラン、トリn−プロピルn−プロポ
キシシラン、トリブチルブトキシシラン、フェニルトリ
メトキシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリフェ
ニルメトキシシラン等の(アルキル)アルコキシシラ
ン;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、
2−イソシアネートエチルトリn−プロポキシシラン、
3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、
2−イソシアネートエチルエチルジブトキシシラン、3
−イソシアネートプロピルジメチルイソプロポキシシラ
ン、2−イソシアネートエチルジエチルブトキシシラ
ン、ジ(3−イソシアネートプロピル)ジエトキシシラ
ン、ジ(3−イソシアネートプロピル)メチルエトキシ
シラン、エトキシシラントリイソシアネート等のイソシ
アネート基を有する(アルキル)アルコキシシラン;3
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシ
ドキシプロピルジメチルエトキシシラン、2−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、3,4−エポキシブチルトリメトキシシラン等のエ
ポキシ基を有する(アルキル)アルコキシシラン;カル
ボキシメチルトリエトキシシラン、カルボキシメチルエ
チルジエトキシシラン、カルボキシエチルジメチルメト
キシシラン等のカルボキシル基を有する(アルキル)ア
ルコキシシラン;3−(トリエトキシシリル)−2−メ
チルプロピルコハク酸無水物等の酸無水物基を有するア
ルコキシシラン;2−(4−クロロスルフォニルフェニ
ル)エチルトリエトキシシラン等の酸ハロゲン化物基を
有するアルコキシシラン;3−アミノプロピルトリメト
キシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−
アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有す
る(アルキル)アルコキシシラン;3−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエ
トキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキ
シシラン等のチオール基を有する(アルキル)アルコキ
シシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン等のビニル
基を有する(アルキル)アルコキシシラン;3−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロ
キシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシ
ピロピルメチルジメチルシラン等のメタクリル基を有す
る(アルキル)アルコキシシラン;トリエトキシフルオ
ロシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3
−ブロモプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチ
ルメチルジメトキシシラン等のハロゲン基を有する(ア
ルキル)アルコキシシラン;を挙げることができる。
【0024】もちろんSiだけではなく、Zr、Fe、
Sn、B、Al、Ge、Ce、TaやW等の金属におい
ても、金属酸化物とされた場合に光触媒作用を示さない
同様の化合物を例示することができる。
【0025】これらの金属アルコキシド化合物(B)は
1種類だけでも良く、2種以上を併用しても良い。ま
た、Mg[Al(iso-OC3742、Ba[Zr
2(OC2 592、(C37O)2Zr[Al(OC3
742等の1分子内に2種以上の金属元素が含まれ
ているような金属アルコキシド化合物やテトラメトキシ
シランオリゴマーやテトラエトキシシランオリゴマー等
の1分子内に2個以上の繰り返し単位を有するオリゴマ
ータイプの金属アルコキシド化合物を用いても良い。ま
た、アルコキシ基がアセトキシ基やアセチルアセトキシ
基であっても良い。
【0026】有機重合体(A)の中で官能基として水酸
基、アミノ基、カルボキシル基等を有するものは、常法
により金属アルコキシド(B)と反応させることができ
る。その結果、官能基としてより反応性が高い金属アル
コキシド基を有する有機重合体が得られる。有機重合体
(A)と金属アルコキシド(B)との反応方法は、例え
ば、特願平9−327842号の明細書第0039段落
〜第0054段落に詳細に記載されている。
【0027】中間層を基材の表面上に順次形成された第
1中間層と第2中間層とからなる2重構造とし、第1中
間層は、有機重合体成分と金属酸化物成分とが共有結合
して形成された有機−無機ハイブリッド高分子材料であ
って、表面方向に金属酸化物成分の濃度が増加する成分
傾斜構造を有するもので構成し、該第2中間層は、金属
酸化物が架橋して形成された無機材料で構成してもよ
い。
【0028】この場合は、光触媒作用層は金属酸化物で
成る第2中間層と接触し、有機−無機ハイブリッド高分
子材料と接触しない。従って、基材の劣化が防止される
だけでなく、有機−無機ハイブリッド高分子材料に含ま
れる有機鎖部分が光触媒作用層によって劣化されること
も防止される。その結果、有機−無機ハイブリッド材料
の耐用寿命がより延長される。
【0029】ゾル−ゲル法による加水分解、重縮合と
は、金属アルコキシド化合物あるいは金属アルコキシ基
を有する重合体を水と反応させることでアルコキシ基を
水酸基に変換し、次いでこの水酸基を同時進行的に重縮
合させることによりヒドロキシ金属基(例えば−SiO
H)を有する化合物あるいは重合体が脱水反応あるいは
隣接した分子と脱アルコール反応を生じ、無機的な共有
結合を介して3次元的に架橋する反応を言う。この際、
重縮合反応はふたつのヒドロキシ金属基の脱水反応が最
も起こりやすいが、それだけではなく、他の水酸基やア
ミノ基、カルボキシル基等の活性水素を有する官能基と
も起こりうる。
【0030】加水分解反応に用いられる水は、全てのア
ルコキシ基を水酸基に変換するために必要な量を添加し
ても良いし、反応系中の水分を利用したり、大気中の水
分を吸湿させて行っても良い。
【0031】反応条件としては、室温〜100℃で0.
5〜24時間程度が望ましい。またその際、塩酸、硫
酸、酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸等の酸性触媒や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
アンモニア、トリエチルアミン、ピペリジン、1,8−
ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DB
U)等の塩基性触媒を用いても良い。
【0032】本発明における全ての加水分解過程では強
度、硬度、耐候性、耐薬品性、難燃性、帯電防止性等の
機能を向上または新たに付与する目的で無機物含有量や
重合体間の架橋密度を調整するためにSi、Ti、Z
r、Fe、Cu、Sn、B、Al、Ge、Ce、Ta、
W等の金属、金属酸化物、金属錯体や無機塩等を共存さ
せても良い。また、ゲル化、乾燥、熱処理の際に生じる
可能性があるクラックを抑制するためにホルムアミドや
ジメチルホルムアミド、ジオキサン、シュウ酸等を乾燥
抑制剤として加えても良いし、添加物としてアセチルア
セトン等を加えても良い。
【0033】中間層の乾燥厚さは一般に0.01〜10
00μm、好ましくは0.1〜100μmとする。この
層厚が1000μmを上回ると層の形成に時間を要すば
かりでなく、原料も多量に必要となるためコスト面で不
利となり、0.01μmを下回るとピンホールが生じや
すく、期待する機能が充分に発現されない恐れがある。
【0034】また、中間層を、第1中間層と第2中間層
とで成る2層構造とする場合は、第1中間層の乾燥厚さ
は一般に0.01〜1000μm、好ましくは0.1〜
100μmとする。この層厚が1000μmを上回ると
層の形成に時間を要すばかりでなく、原料も多量に必要
となるためコスト面で不利となり、0.01μmを下回
るとピンホールが生じやすく、期待する機能が充分に発
現されない恐れがある。第2中間層の乾燥厚さは一般に
0.01〜100μm、好ましくは0.1〜10μmと
する。この層厚が100μmを上回ると層の亀裂が生じ
たり、剥離する恐れがある。0.01μmを下回るとピ
ンホールが生じやすく、期待する機能が充分に発現され
ない恐れがある。
【0035】光触媒作用層 光触媒作用層とは光触媒作用を示す材料で成る層をい
う。光触媒性は強いほど良い。光触媒作用を有する材料
の形状については特に制限はないが、光触媒作用を高め
るためには表面積が大きいことが好ましい。例えば、光
触媒作用を有する材料を粒子状とする場合は、粒径が大
きすぎると基材の外観や触感を損なう可能性があるので
100μm以下とすることが望ましい。また光触媒作用
は微粒子ほど活性に富む傾向があることより粒径は小さ
くすることが望ましい。
【0036】光触媒作用を示す材料の一例は、光触媒作
用を有する金属酸化物(C)を含む材料である。金属酸
化物(C)は1種類だけでも良く、2種以上を併用して
も良いし、1分子内に2個以上の金属元素が含まれてい
るようなものでも良い。更に、光触媒性を強める、機械
的強度を高める、柔軟性を付与する等の目的で他の無機
物を含んでも良い。
【0037】光触媒作用層中の金属酸化物の(C)の含
有量は、一般に10〜100重量%程度、好ましくは2
0〜100重量%程度である。金属酸化物(C)として
は、酸化チタンや酸化銅(I)等を用いることが好まし
い。
【0038】酸化チタンは硫酸チタニル、四塩化チタン
やチタン酸エステルを中和または加水分解する方法や四
塩化チタンを気相酸化する方法等の公知の方法で得られ
るもので良い。アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化
チタン、無定形酸化チタン、水和酸化チタン等やこれら
の混合物が例示される。
【0039】酸化銅(I)は塩化銅(I)の加水分解や
酸化銅(II)や水酸化銅(II)を還元する方法等で得ら
れる。
【0040】金属酸化物(C)は、金属酸化物とされた
場合に光触媒作用を示す金属の金属アルコキシド化合
物、又はそれを含む金属アルコキシド混合物を加水分解
及び重縮合させて得られる無機高分子材料であってもよ
い。光触媒作用を有する金属アルコキシド化合物として
は、中心金属(M)としてTi、Cu等の金属元素を有
する式(1)で表される金属アルコキシド化合物を用い
ることが好ましい。
【0041】また他の例として、中心金属(M)として
Ti、Cu等の金属元素を有する式(2)で表される金
属アルコキシド化合物でもよい。
【0042】具体的には、テトラメトキシチタン、テト
ラエトキシチタン、テトラn−プロポキシチタン、テト
ライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等のテ
トラアルコキシチタン類;及びジメトキシ銅、ジエトキ
シ銅、ジn−プロポキシ銅、ジイソプロポキシ銅、ジブ
トキシ銅等のジアルコキシ銅類が挙げられる。
【0043】これらの金属アルコキシド化合物は1種類
だけでも良く、2種以上を併用しても良い。また、1分
子内に2種以上の金属元素が含まれているような金属ア
ルコキシド化合物や1分子内に2個以上の繰り返し単位
を有するオリゴマータイプの金属アルコキシド化合物を
用いても良い。また、アルコキシ基がアセトキシ基やア
セチルアセトキシ基であっても良い。
【0044】光触媒作用層を、厚み方向で表面に向かっ
て金属酸化物(C)の濃度が増加するような、光触媒作
用を示す材料の成分傾斜構造としてもよい。その場合
は、光触媒作用を示す金属酸化物の含有量は10〜10
0重量%、最も高い領域では50〜100重量%とする
ことが好ましい。
【0045】光触媒作用層の乾燥厚さは一般に0.01
〜100μm、好ましくは0.1〜10μmとする。こ
の層厚が100μmを上回ると層の亀裂が生じたり、剥
離する恐れがある。0.01μmを下回るとピンホール
が生じやすく、期待する機能が充分に発現されない恐れ
がある。
【0046】有機−無機ハイブリッド材料の製造 本発明の有機−無機ハイブリッド材料は、金属アルコキ
シド化合物と反応可能な官能基を有する有機重合体、金
属アルコキシド化合物、及び光触媒作用を示す材料を主
原料とし、ゾル−ゲル反応を利用して形成する。
【0047】まず、官能基として金属アルコキシド基を
有する有機重合体、又は金属アルコキシド化合物と反応
可能な官能基を有する有機重合体と金属アルコキシド化
合物との混合物を適当な溶媒に溶解し、場合によっては
酸あるいは塩基を触媒として加え、加水分解する。次い
で、表面を有する基材を提供し、基材の表面上に得られ
た溶液あるいは湿潤ゲルを塗布した後、溶媒の1部を蒸
発させることによって中間層を形成する。この中間層
は、上述のように、固形分基準で有機重合体成分が50
重量%以上含まれるように組成を調節することが好まし
い。
【0048】次いで、金属アルコキシド化合物の濃度が
増加するように組成比を変化させること以外は上記工程
と同様にして、別の溶液あるいは湿潤ゲルを調製する。
そして、上記工程で形成された塗布層の上に、この溶液
あるいは湿潤ゲルを塗布する。更に、この工程を繰り返
して塗布層を重ね、中間層を形成する。最終的には、湿
潤ゲル、すなわち、塗布層中の有機重合体成分の含有量
は固形分基準で30重量%以下、好ましくは10重量%
以下にまで低減される。
【0049】上記各塗布層及び本製造工程で溶液あるい
は湿潤ゲルの塗布により形成される各層は、次の層を塗
布する前に乾燥させても乾燥させなくてもよい。その上
に形成される層との密着性を高めるためには乾燥は必要
最低限に止めることが好ましい。乾燥させる場合は室温
下で放置して乾燥させてもよいし、加熱して乾燥させて
もよい。
【0050】光触媒作用層と有機−無機ハイブリッド高
分子材料との接触をも防止して、有機−無機ハイブリッ
ド材料の耐用寿命を更に延長したい場合は、中間層の上
に金属酸化物が架橋して形成された無機高分子材料で成
る第2中間層を更に形成してもよい。その場合は、この
中間層の表面上に、金属酸化物とされた場合に光触媒作
用を示さない金属アルコキシド化合物を含む溶液あるい
は湿潤ゲルを更に塗布する。
【0051】次いで、中間層(又は第2中間層)の表面
上に、光触媒作用を示す材料で成る光触媒作用層を形成
する。光触媒作用を示す材料としては光触媒作用を有す
る金属酸化物(C)を含む材料を用いることが好まし
い。光触媒作用層の形成は、例えば、金属酸化物(C)
を含む金属酸化物の粉末(粒子)を揮発性溶媒に分散さ
せ、得られる分散体を中間層の表面に塗布する方法で行
いうる。また、金属酸化物(C)を含む金属酸化物の粉
末(粒子)を湿潤ゲルの状態の中間層の表面に直接塗布
してもよい。金属酸化物とされた場合に光触媒作用を示
す金属の金属アルコキシド化合物、又はこれを含む金属
アルコキシドの混合物を溶液あるいは湿潤ゲルとし、こ
れを中間層の表面に塗布する方法で行ってもよい。
【0052】この工程を複数回繰り返して光触媒作用層
を複層構造としてもよく、その際に、例えば、金属酸化
物(C)の含有率を増加させる等、光触媒作用を示す材
料の組成を変化させてもよい。その場合は、厚み方向で
表面に向かって金属酸化物(C)の濃度が増加するよう
な、光触媒作用を示す材料の成分傾斜構造の光触媒作用
層とすることができる。
【0053】また、中間層あるいは光触媒作用層に成分
傾斜構造を形成する他の方法として、同一出願人による
同日出願である代理人整理番号164605号の明細書
に記載されている溶液拡散法を利用してもよい。この方
法を用いれば、より簡単な工程で成分傾斜構造を作製す
ることができる。その後、形成した層を乾燥させる。乾
燥は、室温で放置することにより行ってもよいが、更に
縮合反応を進め、架橋をより強固なものとしたい場合に
は、50〜500℃で5分〜48時間程度、熱処理を行
う。
【0054】
【発明の効果】本発明の有機−無機ハイブリッド材料
は、有機重合体成分と金属酸化物成分がミクロ的に均質
でありながらかつ材料の厚み方向に有機重合体成分ある
いは金属酸化物成分の含有率が連続的に変化し、更に2
成分が共有結合している。従って、加熱や熱衝撃および
経時変化によってクラックや表層面だけの剥離やそり、
ひずみ等の変形が生じない耐薬品性に優れた材料とな
る。また、表面層部分には光触媒作用を有する材料を備
え、より一層高機能な材料となる。
【0055】本発明の有機−無機ハイブリッド材料では
無機材料が有する耐熱性、耐候性、表面硬度、剛性、耐
水性、耐薬品性、耐汚染性、機械的強度、難燃性等の特
性が有機重合体に良好に付与されている。逆に言えば、
有機重合体が有する耐衝撃性、柔軟性、加工性及び軽量
性等の特性が無機材料に良好に付与されている。
【0056】しかも光触媒作用を有する材料を金属酸化
物を用いることによって、有機材料と極めて接触し難い
形で表面層部分に含有することより、基材を劣化させず
に光触媒特性を最大限活用することができる。
【0057】また、表面層に含まれる金属酸化物と共有
結合することが可能であり、相互作用によって基材との
接着性も極めて良好な有機重合体を表面層と基材との間
に用いることによって、クラックや表層面だけの剥離等
の変形が生じ難い材料とすることができる。
【0058】本発明の有機−無機ハイブリッド材料は、
表面層として光触媒作用を示す材料を備えながら、それ
を担持する基材の劣化が効果的に防止されている。従っ
て、担体として有機材料を用いた場合でも有機−無機ハ
イブリッド材料の耐用寿命が延長される。つまり、様々
な臭い、汚れの除去や除菌、防汚を目的とした高性能及
び高機能プラスチック材料、プラスチック成形品もしく
はフィルム、構造材料、光学材料、表面改質剤、ハード
コート剤、電気もしくは電子材料、医療材料等に用いる
のに適している。
【0059】
【実施例】以下の実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されない。
【0060】合成例1 数平均分子量3900、及び水酸基当量1.8のポリカ
ーボネートジオール70.0gをクロロホルム500m
Lに溶解させ、その後この溶液に3−イソシアネートプ
ロピルトリエトキシシラン13.3gを添加し、還流下
で10時間加熱した後、室温に冷却した。この反応液を
メタノール7L中に滴下し、生成物を析出させた。析出
物をろ別し、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥した
(収率97%)。
【0061】1H−NMR測定により、得られた生成物
は両末端にアルコキシシリル基が導入された両末端トリ
エトキシシリル化ポリカーボネート(PCS)であるこ
とを確認した。この生成物のアルコキシシリル基当量は
1.8であった。またGPC分析の結果、この生成物の
数平均分子量は4400であった。
【0062】合成例2 数平均分子量5200、及び水酸基当量1.7のポリサ
ルホンジオール26.0gをクロロホルム300mLに
溶解し、その後この溶液に3−イソシアネートプロピル
トリエトキシシラン3.5gを添加し、還流下で11時
間加熱した後、室温に冷却した。この反応液をメタノー
ル3L中に滴下し、生成物を析出させた。析出物をろ別
し、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥した(収率96
%)。
【0063】1H−NMR測定より、得られた生成物は
両末端にアルコキシシリル基が導入された両末端トリエ
トキシシリル化ポリサルホン(PSS)であることを確
認した。この生成物のアルコキシシリル基当量は1.7
であった。またGPC分析の結果、この生成物の数平均
分子量は6000であった。
【0064】合成例3 数平均分子量6100、及び水酸基当量1.6のポリア
リーレートジオール30.5gをクロロホルム300m
Lに溶解し、その後この溶液に3−イソシアネートプロ
ピルトリエトキシシラン3.2gを添加し、還流下で1
5時間加熱した後、室温に冷却した。この反応液をメタ
ノール3L中に滴下し、生成物を析出させた。析出物を
ろ別し、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥した(収率
96%)。
【0065】1H−NMR測定より得られた生成物は両
末端にアルコキシシリル基が導入された両末端トリエト
キシシリル化ポリアリーレート(PAS)であることを
確認した。この生成物のアルコキシシリル基当量は1.
6であった。またGPC分析の結果、この生成物の数平
均分子量は6700であった。
【0066】実施例1 合成例1で作製した数平均分子量4400のPCSとテ
トラエトキシシラン(TEOS)を表1に示す割合で含
む混合組成物をテトラヒドロフラン(THF)中で1N
−塩酸水を用いて、室温下で加水分解を行ない、No.
1〜4の溶液を得た。
【0067】またTEOSと石原テクノ製の光触媒用酸
化チタンST−21(平均粒径0.02μm、Ti
2)を表1に示す割合で含む混合組成物をTHF中で
1N−塩酸水を用いて室温下で処理を行い、No.5〜
7の分散液を得た。
【0068】
【表1】
【0069】表1の溶液をスピンコータを用いてポリカ
ーボネート基板にNo.1〜7の順にコーティングし
た。この際、ひとつの溶液を塗布した後、室温下で1分
間待って次の溶液を塗布した。その後、室温下で1日放
置した後、100℃で10時間熱処理を行った(フィル
ム厚80μm)。
【0070】かかる操作によって、図1に示すような、
ポリカーボネート基材(101)の上に第1中間層とし
て成分傾斜架橋シリカ/PCS(102)を有し、第2
中間層として架橋シリカ(103)を有し、光触媒作用
層として成分傾斜架橋シリカ/酸化チタン(104)を
有する有機−無機ハイブリッド材料(100)を得た。
【0071】実施例2 表1の溶液をスピンコータを用いてポリカーボネート基
板にNo.1〜4の順にコーティングした。この際、ひ
とつの溶液を塗布した後、室温下で1分間待って次の溶
液を塗布した。
【0072】No.4の溶液を塗布後、石原テクノ製の
光触媒用酸化チタンST−21(平均粒径0.02μ
m、TiO2)4.0gをTHF20mlによく分散さ
せた分散液をすぐにスピンコータでコーティングした。
その後、室温下で1日放置した後、100℃で10時間
熱処理を行った。
【0073】かかる操作によって、図2に示すような、
ポリカーボネート基材(201)の上に第1中間層とし
て成分傾斜架橋シリカ/PCS(202)を有し、第2
中間層として架橋シリカ(203)を有し、光触媒作用
層として酸化チタン粒子(204)を有する有機−無機
ハイブリッド材料(200)を得た。
【0074】実施例3 合成例2で作製した数平均分子量6000のPSSと数
平均分子量1000の三菱化学(株)製テトラメトキシ
シランオリゴマーMKCシリケートMS−56(TMO
S)を表2に示す割合で含む混合組成物をTHF中で1
N−塩酸水を用いて、室温下で加水分解を行ない、N
o.1〜4の溶液を得た。
【0075】またTMOSと石原テクノ製の光触媒用酸
化チタンST−21(平均粒径0.02μm、Ti
2)を表2に示す割合で含む混合組成物をTHF中で
1N−塩酸水を用いて室温下で処理を行い、No.5〜
7の分散液を得た。
【0076】
【表2】
【0077】表2の溶液をスピンコータを用いてポリカ
ーボネート基板にNo.1〜7の順にコーティングし
た。この際、ひとつの溶液を塗布した後、50℃下で1
0分間待って次の溶液を塗布した。その後、室温下で1
日放置した後、100℃で10時間熱処理を行った(フ
ィルム厚90μm)。
【0078】かかる操作によって、ポリカーボネート基
材の上に第1中間層として成分傾斜架橋シリカ/PSS
を有し、第2中間層として架橋シリカを有し、光触媒作
用層として成分傾斜架橋シリカ/酸化チタンを有する有
機−無機ハイブリッド材料を得た。
【0079】実施例4 合成例3で作製した数平均分子量6700のPASとT
MOSを表3に示す割合で含む混合組成物をTHF中で
1N−塩酸水を用いて、室温下で加水分解を行ない、N
o.1〜4の溶液を得た。
【0080】またTMOSと石原テクノ製の光触媒用酸
化チタンST−21(平均粒径0.02μm、Ti
2)を表3に示す割合で含む混合組成物をTHF中で
1N−塩酸水を用いて室温下で処理を行い、No.5の
分散液を得た。
【0081】
【表3】
【0082】表3の溶液をスピンコータを用いてポリカ
ーボネート基板にNo.1〜5の順にコーティングし
た。この際、ひとつの溶液を塗布した後、室温下で30
分間待って次の溶液を塗布した。その後、室温下で1日
放置した後、100℃で10時間熱処理を行った。
【0083】かかる操作によって、ポリカーボネート基
材の上に第1中間層として成分傾斜架橋シリカ/PAS
を有し、第2中間層として架橋シリカを有し、光触媒作
用層として架橋シリカ/酸化チタンを有する有機−無機
ハイブリッド材料を得た。
【0084】実施例5 表3の溶液をスピンコータを用いてポリカーボネート基
板にNo.1〜4の順にコーティングした。この際、ひ
とつの溶液を塗布した後、室温下で30分間待って次の
溶液を塗布した。
【0085】No.4の溶液を塗布後、石原テクノ製の
光触媒用酸化チタンST−21(平均粒径0.02μ
m、TiO2)4.0gをTHF20mlによく分散さ
せた分散液をすぐにスピンコータでコーティングした。
その後、室温下で1日放置した後、100℃で10時間
熱処理を行った。
【0086】かかる操作によって、ポリカーボネート基
材の上に第1中間層として成分傾斜架橋シリカ/PAS
を有し、第2中間層として架橋シリカを有し、光触媒作
用層として酸化チタン粒子を有する有機−無機ハイブリ
ッド材料を得た。
【0087】実施例6 表1の溶液をスピンコータを用いてポリカーボネート基
板にNo.1〜4の順にコーティングした後、TEOS
2.0gと酸化銅(I)2.0gの混合組成物をTHF
20ml中で1N−塩酸水800mgを用いて、室温下
で処理した分散液を同様にスピンコータでコーティング
した。この際、ひとつの溶液を塗布した後、室温下で1
分間待って次の溶液を塗布した。その後、室温下で1日
放置した後、100℃で10時間熱処理を行った。
【0088】かかる操作によって、ポリカーボネート基
材の上に第1中間層として成分傾斜架橋シリカ/PCS
を有し、第2中間層として架橋シリカを有し、光触媒作
用層として架橋シリカ/酸化銅(I)を有する有機−無
機ハイブリッド材料を得た。
【0089】実施例7 表2の溶液をスピンコータを用いてポリカーボネート基
板にNo.1〜4の順にコーティングした後、TMOS
1.0gと酸化銅(I)3.0gの混合組成物をTHF
20ml中で1N−塩酸水400mgを用いて、室温下
で処理した分散液を同様にスピンコータでコーティング
した。この際、ひとつの溶液を塗布した後、50℃下で
10分間待って次の溶液を塗布した。その後、室温下で
1日放置した後、100℃で10時間熱処理を行った。
【0090】かかる操作によって、ポリカーボネート基
材の上に第1中間層として成分傾斜架橋シリカ/PSS
を有し、第2中間層として架橋シリカを有し、光触媒作
用層として架橋シリカ/酸化銅(I)を有する有機−無
機ハイブリッド材料を得た。
【0091】実施例8 表3の溶液をスピンコータを用いてポリカーボネート基
板にNo.1〜4の順にコーティングした。この際、ひ
とつの溶液を塗布した後、室温下で30分間待って次の
溶液を塗布した。No.4の溶液を塗布後、酸化銅
(I)4.0gをTHF20mlによく分散させた分散
液をすぐにスピンコータでコーティングした。その後、
室温下で1日放置した後、100℃で10時間熱処理を
行った。
【0092】かかる操作によって、ポリカーボネート基
材の上に第1中間層として成分傾斜架橋シリカ/PAS
を有し、第2中間層として架橋シリカを有し、光触媒作
用層として酸化銅(I)粒子を有する有機−無機ハイブ
リッド材料を得た。
【0093】実施例9 合成例1で作製した数平均分子量4400のPCSとT
EOSを表4に示す割合で含む混合組成物をTHF中で
1N−塩酸水を用いて、室温下で加水分解を行ない、N
o.1〜4の溶液を得た。またTEOSとテトラブトキ
シチタン(TBOT)をTHF中で1N−塩酸水を用い
て室温下で処理を行い、これらを表4に示す割合で含む
No.5〜8の溶液を得た。
【0094】
【表4】
【0095】表4の溶液をスピンコータを用いてポリカ
ーボネート基板にNo.1〜8の順にコーティングし
た。この際、ひとつの溶液を塗布した後、室温下で1分
間待って次の溶液を塗布した。その後、室温下で1日放
置した後、100℃で10時間熱処理を行った。
【0096】かかる操作によって、ポリカーボネート基
材の上に第1中間層として成分傾斜架橋シリカ/PCS
を有し、第2中間層として架橋シリカを有し、光触媒作
用層として成分傾斜架橋シリカ/酸化チタンを有する有
機−無機ハイブリッド材料を得た。
【0097】実施例10 表4の溶液をスピンコータを用いてポリカーボネート基
板にNo.1〜4の順にコーティングした後、No.6
の溶液を同様にスピンコータでコーティングした。この
際、ひとつの溶液を塗布した後、室温下で1分間待って
次の溶液を塗布した。その後、室温下で1日放置した
後、100℃で10時間熱処理を行った。
【0098】かかる操作によって、ポリカーボネート基
材の上に第1中間層として成分傾斜架橋シリカ/PCS
を有し、第2中間層として架橋シリカを有し、光触媒作
用層として架橋シリカ/酸化チタンを有する有機−無機
ハイブリッド材料を得た。
【0099】実施例11 合成例2で作製した数平均分子量6000のPSSとT
MOSを表5に示す割合で含む混合組成物をTHF中で
1N−塩酸水を用いて、室温下で加水分解を行ない、N
o.1〜4の溶液を得た。
【0100】またTMOSと数平均分子量970のテト
ラブトキシチタン、テトラマー(TBOTT)をTHF
中で1N−塩酸水を用いて室温下で処理を行い、これら
を表5に示す割合で含むNo.5〜8の溶液を得た。
【0101】
【表5】
【0102】表5の溶液をスピンコータを用いてポリカ
ーボネート基板にNo.1〜8の順にコーティングし
た。この際、ひとつの溶液を塗布した後、50℃下で1
0分間待って次の溶液を塗布した。その後、室温下で1
日放置した後、100℃で10時間熱処理を行った。
【0103】かかる操作によって、ポリカーボネート基
材の上に第1中間層として成分傾斜架橋シリカ/PSS
を有し、第2中間層として架橋シリカを有し、光触媒作
用層として成分傾斜架橋シリカ/酸化チタンを有する有
機−無機ハイブリッド材料を得た。
【0104】実施例12 表5の溶液をスピンコータを用いてポリカーボネート基
板にNo.1〜4の順にコーティングした後、No.7
の溶液を同様にスピンコータでコーティングした。この
際、ひとつの溶液を塗布した後、50℃下で10分間待
って次の溶液を塗布した。その後、室温下で1日放置し
た後、100℃で10時間熱処理を行った。
【0105】かかる操作によって、ポリカーボネート基
材の上に第1中間層として成分傾斜架橋シリカ/PSS
を有し、第2中間層として架橋シリカを有し、光触媒作
用層として架橋シリカ/酸化チタンを有する有機−無機
ハイブリッド材料を得た。
【0106】実施例13 合成例3で作製した数平均分子量6700のPASとT
MOSを表6に示す割合で含む混合組成物をTHF中で
1N−塩酸水を用いて、室温下で加水分解を行ない、N
o.1〜4の溶液を得た。またTMOSとテトライソプ
ロポキシチタン(TIPOT)をTHF中で1N−塩酸
水を用いて室温下で処理を行い、これらを表6に示す割
合で含むNo.5〜8の溶液を得た。
【0107】
【表6】
【0108】表6の溶液をスピンコータを用いてポリカ
ーボネート基板にNo.1〜8の順にコーティングし
た。この際、ひとつの溶液を塗布した後、室温下で30
分間待って次の溶液を塗布した。その後、室温下で1日
放置した後、100℃で10時間熱処理を行った。
【0109】かかる操作によって、ポリカーボネート基
材の上に第1中間層として成分傾斜架橋シリカ/PAS
を有し、第2中間層として架橋シリカを有し、光触媒作
用層として成分傾斜架橋シリカ/酸化チタンを有する有
機−無機ハイブリッド材料を得た。
【0110】実施例14 表6の溶液をスピンコータを用いてポリカーボネート基
板にNo.1〜4の順にコーティングした後、No.8
の溶液を同様にスピンコータでコーティングした。この
際、ひとつの溶液を塗布した後、室温下で30分間待っ
て次の溶液を塗布した。その後、室温下で1日放置した
後、100℃で10時間熱処理を行った。
【0111】かかる操作によって、ポリカーボネート基
材の上に第1中間層として成分傾斜架橋シリカ/PAS
を有し、第2中間層として架橋シリカを有し、光触媒作
用層として架橋酸化チタンを有する有機−無機ハイブリ
ッド材料を得た。
【0112】実施例15 表4の溶液をスピンコータを用いてポリカーボネート基
板にNo.1〜4の順にコーティングした。この際、ひ
とつの溶液を塗布した後、室温下で1分間待って次の溶
液を塗布した。次に石原テクノ製の光触媒用酸化チタン
ST−21(平均粒径0.02μm)を真鍋工業(株)
製の3500メッシュのフィルター用金網(通過粒球子
参考値4μm)を用いて、上記の湿潤ゲル上に塗布し
た。その後、室温下で1日放置した後、100℃で10
時間熱処理を行った。かかる操作によって、ポリカーボ
ネート基材の上に第1中間層として成分傾斜架橋シリカ
/PCSを有し、第2中間層として架橋シリカ有し、光
触媒作用層として酸化チタンを有する有機−無機ハイブ
リッド材料を得た。
【0113】比較例1 TEOS2.0gと平均粒子系5μmのアナターゼ型酸
化チタン2.0gの混合組成物をTHF20ml中で1
N−塩酸水750mgを用いて、室温下で処理した分散
液をスピンコータによってポリカーボネート基板にコー
ティングした。
【0114】比較例2 TMOS2.0gと酸化銅(I)2.0gの混合組成物
をTHF20ml中で1N−塩酸水800mgを用い
て、室温下で処理した分散液をスピンコータによってポ
リカーボネート基板にコーティングした。
【0115】比較例3 テトラブトキシチタン4.0gをTHF20ml中で1
N−塩酸水850mgを用いて、室温下で加水分解した
溶液をスピンコータによってポリカーボネート基板にコ
ーティングした。
【0116】比較例4 数平均分子量4400のPCS2.0gと平均粒子系5
μmのアナターゼ型酸化チタン2.0gの混合組成物を
THF30ml中で1N−塩酸水50mgを用いて、室
温下で処理した分散液をスピンコータによってポリカー
ボネート基板にコーティングした。
【0117】比較例5 数平均分子量4400のPCS2.0gと酸化銅(I)
2.0gの混合組成物をTHF30ml中で1N−塩酸
水50mgを用いて、室温下で処理した分散液をスピン
コータによってポリカーボネート基板にコーティングし
た。
【0118】熱衝撃試験 実施例1〜14および比較例1〜3で得られた有機−無
機ハイブリッド材料を用いて熱衝撃試験を行った。試験
方法としては、試験片(30×30mm)を120℃の
熱風乾燥器内で30分間加熱した後、直ちに−20℃の
冷凍庫内に移して30分間冷却する操作を3度繰り返
し、その後のフィルムの状態を観察した。
【0119】その結果、比較例1〜3の試験片ではクラ
ックが生じて基板から剥離したものの、実施例1〜14
の試験片は試験前と変化なく、良好な状態であった。試
験結果を表4に示した。
【0120】これらの結果より本発明の成分傾斜材料
は、良好な耐熱衝撃性を有することが確認された。
【0121】
【表7】
【0122】碁盤目および剥離試験 実施例1〜14および比較例1〜3で得られた有機−無
機ハイブリッド材料を用いて、熱衝撃試験前後における
碁盤目および剥離試験を行った。試験方法としてはJI
S K 5400を参考として用いた。
【0123】まず試験片(30×30mm)にカッター
ナイフを用いて直交する縦横11本ずつの平行線を1m
m間隔で引き、碁盤目状に100個のます目を作製し
た。次に、これらのます目の上に粘着テープ(ニチバン
社製「セロハンテープ」)を貼り付け密着させた後、粘
着テープを瞬時に引き剥がし、試験片の金属酸化物層の
剥離状態を観察した。
【0124】次いで、前述の条件で熱衝撃試験を行っ
た。その後、再度試験片の表面に粘着テープを貼り付け
密着させた後、粘着テープを瞬時に引き剥がし、試験片
の金属酸化物層の剥離状態を観察した。
【0125】その結果、比較例1〜3の試験片では熱衝
撃試験前の段階でます目の大半が剥離した。これに対し
て、実施例1〜14の試験片では熱衝撃試験後の剥離試
験でも金属酸化物層の剥離は全く観察されなかった。
【0126】これらの結果より、本発明の有機−無機ハ
イブリッド材料は、室温での温和な条件下だけではな
く、140℃の熱衝撃後においても良好に基材に接着し
ていた。このことは、本発明の有機−無機ハイブリッド
材料がたいへん優れた界面強度を有していることを示す
ものである。
【0127】
【表8】
【0128】ウェザーメータを用いた促進耐候性試験 実施例1〜14及び比較例4と5で得られた有機−無機
ハイブリッド材料の促進耐候性試験をウェザーメータを
用いて行った。試験に際しては、試験片(150×70
mm)をウェザーメータで処理した後、基板の状態を目
視観察した。
【0129】試験条件はJIS D 0205に準じて
設定し、平均放電電力は390W/m2とした。また、
清水の噴射圧力1.0kgf/cm2、水量2000m
l/分、清水の噴射時間60分中12分とし、試験時間
は計400時間とした。装置はスガイ試験機(株)製W
EL−75XS−HC−BEC型キセノンサンシャイン
ロングライフウェザーメータを用いた。
【0130】その結果、比較例4と5の試験片では基板
に変色が観られたものの、実施例1〜14の試験片の基
板は試験前とほとんど変わりなかった。この違いは、光
触媒作用を示す材料と有機材料とが接触しているかいな
いかに起因していると考えられる。
【0131】比較例4と5の試験片では酸化チタンおよ
び酸化銅(I)とPCSおよびポリカーボネート基板が
接していたために基板の有機材料が酸化され、変色した
ものと考えられる。これに対して実施例1〜14の試験
片では、酸化チタンおよび酸化銅(I)とPCSおよび
ポリカーボネート基板がシリカ層によって隔てられてい
たために有機材料が酸化を受けなかったと考えられる。
【0132】これらの結果より、本発明の有機−無機ハ
イブリッド材料では、基材や接着剤、バインダー等の有
機材料が光触媒性を有する材料から酸化を受けて劣化す
るという従来からの問題点が克服されていると言える。
【0133】
【表9】
【0134】タバコ消臭性試験 実施例1〜15で得られた有機−無機ハイブリッド材料
及びポリカーボネート基板を用いてタバコ臭の消臭性試
験を行った。方法としては900ml容ガラス製マヨネ
ーズビンを入口を下にして、入口の真下に発煙している
紙巻きタバコを5秒間置いた後、素早く試験片(30×
30mm)を投入し、密栓した。その後、屋外の太陽光
の下で1時間放置した後開封し、内部の臭いを評価し
た。結果を表10に示した。
【0135】その結果、未処理のポリカーボネート基板
ではタバコの残臭が確認されたものの、実施例1〜15
の有機−無機ハイブリッド材料では残臭は感じられなか
った。
【0136】これらの結果より本発明の有機−無機ハイ
ブリッド材料は、タバコ臭の消臭に対して有効なことが
確認された。
【0137】
【表10】
【0138】アンモニア消臭性試験 実施例1〜15で得られた有機−無機ハイブリッド材料
及びポリカーボネート基板を用いてアンモニアの消臭性
試験を行った。方法としては、試験片(30×30m
m)とガス検知管をセットしたガラス製デシケータにア
ンモニアガスを導入し、屋内の蛍光灯下において経時で
ガス濃度を測定した。結果を表11に示した。
【0139】その結果、本発明の有機−無機ハイブリッ
ド材料は良好なアンモニア消臭性を示した。
【0140】
【表11】
【0141】メチルメルカプタン消臭性試験 実施例1〜15で得られた有機−無機ハイブリッド材料
及びポリカーボネート基板を用いてメチルメルカプタン
の消臭性試験を行った。方法としては、試験片(30×
30mm)とガス検知管をセットしたガラス製デシケー
タにメチルメルカプタンガスを導入し、屋内の蛍光灯下
において経時でガス濃度を測定した。結果を表12に示
した。
【0142】その結果、本発明の有機−無機ハイブリッ
ド材料は良好なメチルメルカプタン消臭性を示した。
【0143】
【表12】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の有機−無機ハイブリッド材料の構造
の一例を示す模式断面図である。
【図2】 本発明の有機−無機ハイブリッド材料の構造
の一例を示す模式断面図である。 100、200…有機−無機ハイブリッド材料、 101、201…基材、 102、202…第1中間層、 103、203…第2中間層、 104、204…光触媒作用層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須方 一明 大阪府寝屋川市讃良東町8番1号 オリヱ ント化学工業株式会社研究所内 (72)発明者 上利 泰幸 大阪府大阪市中央区東平1丁目1番53の 1001号 (72)発明者 島田 雅之 大阪府堺市高倉台3丁11番6号 Fターム(参考) 4G069 AA01 AA04 AA08 AA09 AA11 BA02A BA02B BA02C BA04A BA04B BA04C BA05A BA05B BA05C BA27A BA27B BA27C BB04A BB04B BB04C BC31A BC31B BC31C BD02A BD02B BD02C CA01 CA07 CA10 CA11 CA17 DA06 EA08 EE01 EE06 EE09 FA03 FB23 FB57

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と基材の表面上に順次形成された中
    間層と光触媒作用層とを有する有機−無機ハイブリッド
    材料において、 この中間層が、有機重合体成分と金属酸化物成分とが共
    有結合して形成された有機−無機ハイブリッド高分子材
    料であって、表面方向に金属酸化物成分の濃度が増加す
    る成分傾斜構造を有するもので成り、 この光触媒作用層が、光触媒作用を有する金属酸化物を
    含む材料で成る、有機−無機ハイブリッド材料
  2. 【請求項2】 基材と基材の表面上に順次形成された第
    1中間層と第2中間層と光触媒作用層とを有する有機−
    無機ハイブリッド材料において、 この第1中間層が、有機重合体成分と金属酸化物成分と
    が共有結合して形成された有機−無機ハイブリッド高分
    子材料であって、表面方向に金属酸化物成分の濃度が増
    加する成分傾斜構造を有するもので成り、 この第2中間層が、金属酸化物が架橋して形成された無
    機材料で成り、 この光触媒作用層が、光触媒作用を有する金属酸化物を
    含む材料で成る、有機−無機ハイブリッド材料。
  3. 【請求項3】 前記有機重合体の主骨格が熱硬化性樹脂
    である請求項1又は2記載の有機−無機ハイブリッド材
    料。
  4. 【請求項4】 前記有機重合体の主骨格が熱可塑性樹脂
    である請求項1又は2記載の有機−無機ハイブリッド材
    料。
  5. 【請求項5】 前記有機重合体の主骨格がポリカーボネ
    ート、ポリアリレートまたはポリサルホンである請求項
    1または2記載の有機−無機ハイブリッド材料。
  6. 【請求項6】 前記有機重合体が金属アルコキシ基、水
    酸基、アミノ基またはカルボキシル基からなる群から選
    択される官能基を少なくともひとつ有する請求項1また
    は2記載の有機−無機ハイブリッド材料。
  7. 【請求項7】 前記有機重合体が官能基として金属アル
    コキシ基を少なくともひとつ有する請求項1または2記
    載の有機−無機ハイブリッド材料。
  8. 【請求項8】 前記中間層の金属酸化物が、光触媒作用
    を示さないものである請求項1または2記載の有機−無
    機ハイブリッド材料
  9. 【請求項9】 前記中間層の金属酸化物が、酸化物とな
    った場合に光触媒作用を示さない金属の金属アルコキシ
    ド化合物またはそれを含む金属アルコキシド混合物を加
    水分解および重縮合させて得られたものである請求項1
    または2記載の有機−無機ハイブリッド材料。
  10. 【請求項10】 前記中間層の金属酸化物の金属元素
    が、SiおよびZrからなる群から選択される少なくと
    も1種である請求項1または2記載の有機−無機ハイブ
    リッド材料。
  11. 【請求項11】 前記中間層の金属酸化物が、シリコン
    アルコキシドまたはジルコニウムアルコキシドまたは少
    なくともそれらのいずれかを含む混合物を加水分解およ
    び重縮合させて得られたものである請求項1または2記
    載の有機−無機ハイブリッド材料
  12. 【請求項12】 前記中間層の金属酸化物の金属元素
    が、Siである請求項1または2記載の有機−無機ハイ
    ブリッド材料。
  13. 【請求項13】 前記中間層の金属酸化物が、シリコン
    アルコキシドまたはそれを含むシリコンアルコキシド混
    合物を加水分解および重縮合させて得られたものである
    請求項1または2記載の有機−無機ハイブリッド材料。
  14. 【請求項14】 前記光触媒作用層中、光触媒作用を示
    す金属酸化物の含有量が10から100重量%である請
    求項1または2記載の有機−無機ハイブリッド材料。
  15. 【請求項15】 前記光触媒作用を示す金属酸化物が、
    酸化チタンおよび酸化銅(I)からなる群から選択され
    る少なくとも1種である請求項1または2記載の有機−
    無機ハイブリッド材料。
  16. 【請求項16】 前記光触媒作用層が、光触媒作用を示
    す金属酸化物の粒子を含む材料でなる請求項1または2
    記載の有機−無機ハイブリッド材料。
  17. 【請求項17】 前記光触媒作用層が、酸化物とされた
    場合に光触媒作用を示す金属の金属アルコキシド化合物
    またはそれを含む金属アルコキシド混合物を加水分解お
    よび重縮合させて得られる材料で成る請求項1または2
    記載の有機−無機ハイブリッド材料。
  18. 【請求項18】 前記基材が有機材料である請求項1ま
    たは2記載の有機−無機ハイブリッド材料。
  19. 【請求項19】 前記光触媒作用が消臭、脱色、防汚、
    抗菌および除菌作用である請求項1または2記載の有機
    −無機ハイブリッド材料。
  20. 【請求項20】 (i)表面を有する基材を提供する工
    程; (ii)基材の表面上に、官能基として金属アルコキシ
    ド基を有する有機重合体、又は金属アルコキシド化合物
    と反応可能な官能基を有する有機重合体と金属アルコキ
    シド化合物との混合物を含む溶液あるいは湿潤ゲルを塗
    布して塗布層を形成する工程; (iii)金属アルコキシド化合物の濃度が増加するよ
    うに組成比を変化させた溶液あるいは湿潤ゲルを調製
    し、上記塗布層の表面上にこれを塗布することを少なく
    とも1回繰り返して、中間層を形成する工程;及び (iv)中間層の表面上に、光触媒作用を示す金属酸化
    物を含む材料で成る光触媒作用層を形成する工程;を包
    含する、有機−無機ハイブリッド材料の製造方法。
  21. 【請求項21】 (i)表面を有する基材を提供する工
    程; (ii)基材の表面上に、官能基として金属アルコキシ
    ド基を有する有機重合体、又は金属アルコキシド化合物
    と反応可能な官能基を有する有機重合体と金属アルコキ
    シド化合物との混合物を含む溶液あるいは湿潤ゲルを塗
    布して塗布層を形成する工程; (iii)金属アルコキシド化合物の濃度が増加するよ
    うに組成比を変化させた溶液あるいは湿潤ゲルを調製
    し、上記塗布層の表面上にこれを塗布することを少なく
    とも1回繰り返して、第1中間層を形成する工程; (iv)第1中間層の表面上に、金属アルコキシド化合
    物を含む溶液あるいは湿潤ゲルを塗布して第2中間層を
    形成する工程; (v)第2中間層の表面上に、光触媒作用を示す金属酸
    化物を含む材料で成る光触媒作用層を形成する工程;を
    包含する、有機−無機ハイブリッド材料の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記光触媒作用層が、光触媒作用を示
    す金属酸化物の粒子を含む材料を直接、中間層の表面に
    塗布して形成される請求項20または21記載の有機−
    無機ハイブリッド材料の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記光触媒作用層が、光触媒作用を示
    す金属酸化物の粒子を含む材料を揮発性溶媒に分散さ
    せ、得られる分散体を中間層の表面に塗布して形成され
    る請求項20または21記載の有機−無機ハイブリッド
    材料の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記光触媒作用層が、中間層の表面上
    に光触媒作用を示す金属アルコキシド化合物またはその
    低縮合物を含む金属アルコキシド混合物の溶液あるいは
    湿潤ゲルを塗布して形成される請求項20または21記
    載の有機−無機ハイブリッド材料の製造方法。
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