JP2001040291A - 光触媒性着色被覆物品および該被覆用着色プライマー塗料組成物 - Google Patents

光触媒性着色被覆物品および該被覆用着色プライマー塗料組成物

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JP2001040291A
JP2001040291A JP11216662A JP21666299A JP2001040291A JP 2001040291 A JP2001040291 A JP 2001040291A JP 11216662 A JP11216662 A JP 11216662A JP 21666299 A JP21666299 A JP 21666299A JP 2001040291 A JP2001040291 A JP 2001040291A
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colored
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colorant
coating
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Makoto Sengoku
真 千國
Kazuo Takahashi
一雄 高橋
Mitsuhide Shimobukikoshi
光秀 下吹越
Akira Shimai
曜 島井
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防汚性、耐久性、意匠性に優れた光触媒性着
色被覆物品および該被覆を形成するための着色プライマ
ー塗料組成物を提供すること 【解決手段】 (A)光触媒性半導体材料と(B)難分
解性結着材を必須成分としてなる光触媒性塗膜が、
(B)難分解性結着材と(C)難分解性着色料を必須成
分としてなる着色塗膜を介して形成されることを特徴と
する光触媒性着色被覆物品

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は部材表面に着色され
た光触媒性塗膜を形成した光触媒性着色被覆物品および
該被覆用着色プライマー塗料組成物に関する。特に建造
物や構造物などの表面を親水化することにより、表面が
汚れることを防止し、または表面に付着した汚れを水を
用いて容易に清浄化することが可能な耐久性に優れた着
色塗膜を形成した光触媒性着色被覆物品および該被覆用
着色プライマー塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建築及び塗料の分野においては、
環境汚染に伴い、建築外装材料や屋外建造物、あるいは
構造物や車両等の塗膜の汚れが問題となっている。大気
中に浮遊する煤塵や粒子は晴天時には建物の屋根や外
壁、構造物の表面に堆積する。堆積物は降雨に伴い雨水
により流され、建物の外壁や構造物の表面を流下する。
更に、雨天時には浮遊煤塵は雨によって持ち運ばれ、建
物の外壁や構造物の表面を流下する。その結果、表面に
は、雨水の道筋に沿って汚染物質が付着する。表面が乾
燥すると、表面には縞状の汚れが現れる。建築外装や屋
外構造物の塗膜の汚れは、カーボンブラックのような燃
焼生成物、都市煤塵、粘土粒子のような無機質物質の汚
染物質からなる。このような汚染物質の多様性が防汚対
策を複雑にしているものと考えられる(橘高義典著、”
外壁仕上材料の汚染の促進試験方法”、日本建築学会構
造系論文報告集、第404号、1989年10月、p.
15−24)。従来の通念では、上記建築外装などの汚
れを防止するためにはポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)のような撥水性の塗料が好ましいと考えられて
いたが、最近では、疎水性成分を多く含む都市煤塵に対
しては、塗膜の表面を出来るだけ親水性にするのが望ま
しいと考えられている(高分子、44巻、1995年5
月号、p.307)。
【0003】一方、基材表面を親水性にする方法とし
て、半導体光触媒の光励起作用により物品の表面を高度
に親水化する方法がある(特許公報第275647)。
この方法に従えば、光触媒性半導体組成物で被覆された
物品の表面は紫外線が照射されることにより高度に親水
化され、かつ維持される。
【0004】しかし、光触媒性半導体にそのバンドギャ
ップ以上のエネルギーを持つ波長の光が照射されると、
光励起により伝導帯に電子を、価電子帯に正孔を生じ
る。この光励起により生じた電子や正孔は強い酸化力や
還元力を持つことが知られている。したがって、着色料
を含んだ着色塗膜の上に光触媒性半導体を含んだ光触媒
性塗膜が接して形成された場合、紫外線を含む光の照射
により、該着色料が分解または化学変化を起し、意図し
た色彩が変化、あるいは退色、着色料の分解が原因とな
る着色塗膜と光触媒性塗膜との間の界面劣化を生じ、塗
膜の長期にわたる耐久性が問題となる。特に着色塗膜と
光触媒性塗膜を常温乾燥やウェット オンウェットによ
って続けて塗布して製膜する場合には、着色塗膜と光触
媒性塗膜の界面に共存層が形成されるため、着色料の分
解や化学変化の影響は顕著になる。現状では、既存の着
色塗膜上にさらに透明な難分解性の塗膜を介して光触媒
性塗膜を成膜する方法、光触媒性塗膜中の光触媒性半導
体の含有量を減らす等により光触媒分解能力を下げて着
色塗膜への影響を下げる方法がある。しかし、いずれの
手段も煩雑な塗膜構造や成膜工程になる、十分な光触媒
能力が得られない、塗膜の長期にわたる耐久性が低いと
いう問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける前記問題点を背景になされたもので、その課題
は、防汚性、耐久性、意匠性に優れた光触媒性着色被覆
物品および該被覆を形成するための着色プライマー塗料
組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、前
記課題を解決すべく、(A)光触媒性半導体材料と
(B)難分解性結着材を必須成分としてなる光触媒性塗
膜を、(B)難分解性結着材と(C)難分解性着色料を
必須成分としてなる着色塗膜を介して基材上に成膜し、
防汚性、耐久性、意匠性に優れた着色された光触媒性被
覆を形成する。
【0007】本発明の好ましい態様においては、(C)
難分解性着色料が耐酸化性と耐還元性を有する無機顔料
であることを特徴とする(B)難分解性結着材と(C)
難分解性着色料を必須成分としてなる着色塗膜を介し
て、(A)光触媒性半導体材料と(B)難分解性結着材
を必須成分としてなる光触媒性塗膜を基材上に成膜し、
防汚性、耐久性、意匠性に優れた着色された光触媒性被
覆を形成する。
【0008】本発明の好ましい態様においては、(C)
難分解性着色料が難分解性材料で被覆された顔料である
ことを特徴とする(B)難分解性結着材と(C)難分解
性着色料を必須成分としてなる着色塗膜を介して、
(A)光触媒性半導体材料と(B)難分解性結着材を必
須成分としてなる光触媒性塗膜を基材上に成膜し、防汚
性、耐久性、意匠性に優れた着色された光触媒性被覆を
形成する。顔料の表面を難分解性材料で被覆することに
より、有機顔料などの公知の顔料を使用して種々の彩色
をすることができる。また耐酸化性と耐還元性を有する
無機顔料も難分解性材料で被覆することにより、よりい
っそう優れた耐久力を持つことができる。
【0009】本発明の好ましい態様においては、(C)
難分解性着色料が難分解性の体質顔料に着色料を吸収さ
せた顔料であることを特徴とする(B)難分解性結着材
と(C)難分解性着色料を必須成分としてなる着色塗膜
を介して、(A)光触媒性半導体材料と(B)難分解性
結着材を必須成分としてなる光触媒性塗膜を基材上に成
膜し、防汚性、耐久性、意匠性に優れた着色された光触
媒性被覆を形成する。着色料を難分解性の体質顔料に吸
収させることにより、水溶性の有機顔料や染料を使用す
ることができ、彩色の幅を広げることができる。また、
着色料を難分解性の体質顔料に吸収させた顔料は、さら
に難分解性材料で被覆することにより、よりいっそう優
れた耐久力を持つことができる。
【0010】本発明の好ましい態様においては、(C)
難分解性着色料が変色防止剤を混合した顔料であること
を特徴とする(B)難分解性結着材と(C)難分解性着
色料を必須成分としてなる着色塗膜を介して、(A)光
触媒性半導体材料と(B)難分解性結着材を必須成分と
してなる光触媒性塗膜を基材上に成膜し、防汚性、耐久
性、意匠性に優れた着色された光触媒性被覆を形成す
る。変色防止剤を混合することにより、着色料はよりい
っそう優れた耐久力を持つことができる。
【0011】本発明の光触媒性着色被覆物品は、(B)
難分解性結着材と(C)難分解性着色料を必須成分とし
て溶媒中に分散されてなることを特徴とする光触媒性着
色被覆用着色プライマー塗料組成物を基材に塗布、製膜
して着色層を形成した上に、透明、透光性の光触媒性塗
膜を形成することにより、防汚性、耐久性、意匠性に優
れた着色された光触媒性被覆を形成する。
【0012】本発明の好ましい態様においては、溶媒が
水であることを特徴とする光触媒性着色被覆用着色プラ
イマー塗料組成物を基材に塗布、製膜して着色層を形成
した上に、溶媒が水である光触媒性塗料組成物を塗布、
製膜することにより、防汚性、耐久性、意匠性に優れた
着色された光触媒性被覆を形成する。溶媒が水であるこ
とにより溶剤の揮発がなく、火災などの危険もなく、臭
気もなく、衛生的であり、省資源化、環境保全に適す。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の具体的な構成要素
について説明する。 (A)光触媒性半導体材料としては、光触媒活性を有す
るものであれば特に制限はないが、アナタース型酸化チ
タン、ブルッカイト型酸化チタン、ルチル型酸化チタ
ン、酸化錫、酸化亜鉛、三酸化二ビスマス、三酸化タン
グステン、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウムなどが
挙げられ、1種又は2種以上が使用できる。なかでも、
アナタース型二酸化チタンが好ましい。
【0014】(B)難分解性結着材としては、加水分解
性シラン、アルキルシリケ−ト、ポリオルガノシロキサ
ン、アクリルシリコーン樹脂、シリカ、コロイダルシリ
カ、水溶性シリカ、シラノ−ル、水ガラス、ケイ酸リチ
ウム、ケイ酸カリウムなどのシリコン系化合物、リン酸
亜鉛、リン酸アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、リ
ン酸カルシウム等のリン酸塩、重リン酸塩、セメント、
石灰、セッコウ、長石、釉薬、プラスタ−、ほうろう用
フリット、層状酸化物、粘土、ホウ酸塩、アルミノケイ
酸塩、ホウケイ酸塩、有機チタネ−ト、アルミナ、チタ
ニア、過酸化チタン、有機ジルコニウム化合物、塩化ジ
ルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウ
ム、ジルコニアなどの無機系化合物、フッ素系ポリマ
−、フッ素系モノマ−などの有機系化合物などが使用で
きる。
【0015】ここで加水分解性シランとしては、メチル
トリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メ
チルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラ
ン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルト
リエトキシシラン、n−プロピルトリプロポキシシラ
ン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルト
リエトキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリブトキシシ
ラン、n−プロピルブトキシシラン、イソプロピルブト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フ
ェニルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラ
ン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、トリフル
オロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポ
キシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラ
ン、フェニルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジフ
ェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン
等の加水分解性オルガノシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−プロポキ
シシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラ
ン、ジメトキシジエトキシシラン等のテトラアルコキシ
シランなどが使用できる。
【0016】ここでアルキルシリケ−トとしては、メチ
ルシリケ−ト、エチルシリケ−ト、プロピルシリケ−
ト、ブチルシリケ−トなどが使用できる。
【0017】ここでポリオルガノシロキサンとしては、
上記加水分解性シラン、アルキルシリケ−ト、それらの
(部分)加水分解物、加水分解・縮合物などが使用でき
る。
【0018】ここでアクリルシリコーンとしては、主鎖
がシリル基含有ビニル重合体または共重合体からなる分
子末端あるいは側鎖に加水分解性基と結合したケイ素基
を1分子中に少なくとも1個有する樹脂を使用できる。
【0019】ここでセメントとしては、早強セメント、
普通セメント、中庸熱セメント、耐硫酸塩セメント、ホ
ワイトセメント、油井セメント、地熱井セメントなどの
ポルトランドセメント、フライアッシュセメント、高硫
酸塩セメント、シリカセメント、高炉セメントなどの混
合セメント、アルミナセメントなどを使用できる。
【0020】ここでプラスタ−としては、セッコウプラ
スタ−、石灰プラスタ−、ドロマイトプラスタ−などを
使用できる。
【0021】ここでフッ素系ポリマ−としては、ポリフ
ッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化三フッ化
エチレン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ四フッ化エチレ
ン−六フッ化プロピレンコポリマ−、エチレン−ポリ四
フッ化エチレンコポリマ−、エチレン−塩化三フッ化エ
チレンコポリマ−、四フッ化エチレン−パ−フルオロア
ルキルビニルエ−テルコポリマ−などの結晶性フッ素樹
脂、パ−フルオロシクロポリマ−、ビニルエ−テル−フ
ルオロオレフィンコポリマ−、ビニルエステル−フルオ
ロオレフィンコポリマ−などの非結晶性フッ素樹脂、各
種のフッ素ゴムなどを使用できる。
【0022】本発明の光触媒性塗膜および着色塗膜の
(B)難分解性結着材は前記の(B)難分解性結着材の
中から1種または2種以上を組み合わせて使用すること
ができる。ここで光触媒性塗膜および着色塗膜に使用さ
れる(B)難分解性結着材は同一であっても異なる組み
合わせであってもよい。
【0023】特に光触媒性塗膜に使用される(B)難分
解性結着材はシリコン系化合物を含有することが好まし
い。シリコン系化合物を光触媒性半導体と併用して含有
することにより、光触媒性半導体により親水化された塗
膜は暗所においてもより長く親水性を維持することがで
きる。シリコン系化合物としては、前記のシリコン系化
合物が挙げられる。より好ましくは、シロキサン結合
(≡Si−O−Si≡)が主成分であることが望まし
く、加水分解性シラン、ポリオルガノシロキサン、アル
キルシリケ−ト、シリカ、コロイダルシリカ、水ガラ
ス、ケイ酸リチウム、ケイ酸カリウムなどが挙げられ
る。
【0024】(C)難分解性着色料としては、光触媒性
半導体と併用しても変色、変質、分解しない無機顔料中
の耐酸化性と耐還元性を有する無機顔料、あるいは難分
解性に加工した顔料の中から選ばれ、単独または2種以
上を併用して適宜用いる。
【0025】耐酸化性と耐還元性を有する無機顔料とし
ては、「白色系」としてチタン白(TiO2)、亜鉛華
(ZnO)、鉛白(2PbCO3・Pb(OH)2)、
リトポン(BaSO4・xZnS)、バライト(BaS
O4)、白亜(CaCO3)、クレー(カオリン、白
土、Al2O3・2SiO2・2H2O)、「黄色系」
として黄鉛(クロム黄、PbCrO4・PbO)、亜鉛
黄(ZnCrO4)、アンチモンイエロー(ネーブルス
イエロー、Pb(SbO3)2)、黄土(オーカー、F
e2O3・xAl2O3・ySiO2)、黄色酸化鉄
(マース黄、フェリット黄、Fe2O3・xH2O)、
チタンイエロー(TiO2・xNiO・ySb2O
5)、チタン・アンチモン・クロムイエロー(クロムチ
タンイエロー、TiO2・xCr2O3・ySb2O
5)、「赤・橙色系」としてベンガラ(Fe2O3)、
鉛丹(光明丹、Pb3O4)、モリブデートオレンジ
(クロムバーミリオン、モリブデンレッド、PbCrO
4・xPbMoO4・yPbSO4)「紫色系」として
マース紫(Fe2O3)、マンガン紫(ニュルンベンク
紫、コバルト紫(Co3(PO4)2、Co3(AsO
4)2)、「青色系」として群青(ウルトラマリン、ア
ルミノ・ケイ酸)、紺青(ベルリン青、ミロリー青、プ
ルシャン青、Fe(NH4)(Fe(CN)6)、Fe
K(Fe(CN)6)、コバルト青(テナール青、Co
O・xAl2O3)、コバルト・アルミ・クロムブルー
(CoO・xAl2O3・yCr2O3)、「緑色系」
としてクロム緑(黄鉛と紺青とバライトの混合物)、酸
化クロム(Cr2O3)、コバルト緑(CoO・10Z
nO)、コバルト・チタン・ニッケル・亜鉛グリーン
(CoO・xTiO2・yNiO・zZnO)、コバル
ト・アルミ・クロムグリーン(CoO・xAl2O3・
yCr2O3)、「黒色系」としてカーボンブラック
(C)、鉄黒(Fe3O4)、銅・クロム系ブラック
(CuCr2O4)、銅・鉄・マンガン系ブラック
((Cu・Mn)Fe2O4・(Cu・Fe)Mn2O
4)、コバルト・鉄・クロム系ブラックが挙げられる。
また「体質・骨材系」として炭酸カルシウム、カオリ
ン、クレー、陶土、ケイ藻土、含水微粉けい酸、タルク
(滑石)、バライト、硫酸バリウム、炭酸バリウム、ケ
イ砂、ケイ石粉、石英粉、シリカ、ウオラストナイト、
ガラスビーズが挙げられる。
【0026】難分解性に加工した顔料としては、顔料を
難分解性材料で被覆することにより光触媒性半導体材料
と併用して使用することができる。難分解性材料で被覆
できる顔料としては無機顔料および有機顔料が使用でき
る。
【0027】ここで無機顔料としては、酸化チタン、亜
鉛華、ベンガラ、酸化クロム、コバルトブルー、鉄黒な
どの金属酸化物系、アルミナホワイト、黄色酸化鉄など
の金属水酸化物系、紺青などのフェロシアン化合物系、
黄鉛、ジンクロメート、モリブデートオレンジなどのク
ロム酸鉛系、硫化亜鉛、朱、カドミウムイエロー、カド
ミウムレッドなどの硫化物、セレン化合物系、バライ
ト、沈降性硫酸バリウムなどの硫酸塩系、重質炭酸カル
シウム、沈降性炭酸カルシウムなどの炭酸塩系、含水珪
酸塩、クレー、群青などの珪酸塩系、カーボンブラック
などの炭素系、アルミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛末粉
などの金属粉系、雲母・酸化チタン系などのパール顔料
系などが挙げられる。
【0028】ここで有機顔料としては、ナフトールグリ
ーンBなどのニトロソ系顔料、ナフトールSなどのニト
ロ顔料系、リソールレッド、ウォッチングレッド、レー
キレッドC、ファストエロー、ナフトールレッドなどの
アゾ顔料系、フタロシアニンブルー、フタロシアニング
リーンなどのフタロシアニン系顔料、ペレンレッド、キ
ナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレッド、イソイ
ンドリノンエローなどの縮合多環顔料系、蛍光顔料、カ
ラーチップなどが挙げられる。
【0029】ここで顔料を被覆する難分解性材料として
は、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウムなどの不活性
な酸化物や水酸化物、シリコーン系化合物、リン酸金属
塩などであり、例えばアルミナ、シリカ、ジルコニア、
加水分解性シラン、アルキルシリケ−ト、ポリオルガノ
シロキサン、アクリルシリコーン樹脂、シラノ−ル、水
ガラス、ケイ酸リチウム、ケイ酸カリウム、リン酸アル
ミニウムなどが挙げられる。
【0030】難分解性材料は顔料を核ににしてその表面
上に緻密に、または多孔質状に被覆する。あるいは難分
解性材料と顔料を混合または分散させて硬化させた後に
粉砕し、実質的に顔料を被覆する。また、難分解性材料
は1種あるいは2種以上を併用して被覆することができ
る。2種以上の難分解性材料を併用して被覆する場合
は、それぞれ別々に層を重ねて形成して被覆、または2
種以上を共沈して一つの被覆層を形成して被覆する。
【0031】また、別の手段として、難分解性に加工し
た顔料としては、着色料を難分解性の体質顔料に吸収さ
せることにより光触媒性半導体材料と併用して使用する
ことができる。
【0032】ここで着色料としては溶性の有機顔料や染
料が使用でき、有機顔料としてはアルカリブルーレッ
ド、ローダミンキレートなどの染め付けレーキ顔料系、
染料としては分散染料、油溶染料、塩基性染料、直接染
料、酸性染料が挙げられる。
【0033】ここで難分解性の体質顔料としては、前記
した耐酸化性と耐還元性を有する無機顔料の中の「体質
・骨材系」が挙げられる。
【0034】ここで着色料を難分解性の体質顔料に吸収
させる方法としては、水溶性の有機顔料や染料を体質顔
料に吸収させ、つぎに金属塩類等を沈殿剤として加え、
水溶性の着色料を不溶性に変えて固定する方法などが挙
げられる。
【0035】着色剤を難分解性の体質顔料に吸収させた
顔料は、さらに難分解性材料で被覆することにより、よ
りいっそう優れた耐久力を持つことができる。
【0036】着色料に変色防止剤を混合することによ
り、着色料の耐久性をあげることができる。変色防止剤
としては、紫外線や光触媒反応で生じるラジカルなど活
性種から着色料を保護するもので、紫外線吸収剤、ヒン
ダーアミン光安定剤、酸化防止剤などが挙げられる。
【0037】ここで紫外線吸収剤としては、ベンゾフェ
ノン、例えばドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジ
ヒドロキシベンゾフェノン、スルホン酸を含んでいるヒ
ドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−3',5'−
ジ−t−ブチルベンゾフェノン、ジカルボン酸の2,2',
4'−トリヒドロキシベンゾフェノンエステル、2−ヒド
ロキシ−4−アクリルオキシエトキシベンゾフェノン、
2,2',4'−トリヒドロキシ−4'−アルコキシベンゾフェ
ノンの脂肪族モノエステル、および2−ヒドロキシ−4
−メトキシ−2'−カルボキシベンゾフェノン。トリアゾ
ール、例えば2−フェニル−4−(2'、4'−ジヒドロキ
シベンゾイル)−トリアゾール、置換ベンゾトリアゾー
ル、例えば2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニ
ル)−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシフェ
ニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−
5'−オクチルフェニル)−ナフトトリアゾールのような
ヒドロキシフェニルトリアゾール。トリアジン、例えば
トリアジンの3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシフェニ
ル誘導体、ジアリル−4−ヒドロキシフェニルトリアジ
ンの硫黄含有誘導体、ヒドロキシフェニル−1,3,5−ト
リアジンおよびスルホン酸基を含んでいるこのようなト
リアジン、アリール−1,3,5−トリアジン、オルトヒド
ロキシアリール−s−トリアジン。ベンゾエート、例え
ばジフェニロールプロパンのジベンゾエート、ジフェニ
ロールプロパンのt−ブチルベンゾエート、ノニルフェ
ニルベンゾエート、オクチルフェニルベンゾエート、レ
ゾルシノールベンゾエート。低級アルキルチオメチレン
含有フェノール、置換ベンゼン、例えば1,3−ビス−
(2'−ヒドロキシベンゾイル)−ベンゼン、3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸の金
属誘導体、不斉シュウ酸ジアリールアミド、アルキルヒ
ドロキシフェニルチオアルカン酸エステル、ジおよびト
リペンタエリトリオールのジアルキルヒドロキシフェニ
ルアルカン酸エステル、シュウ酸ジアミド、例えば4,4'
−ジオクチルオキシ−5,5'−ジ−t−ブチルオキサニリ
ド、2,2'−ジドデシルオキシ−5,5'−ジ−t−ブチルオ
キサニリド、2−エトキシ−2'−エチルオキサニリド、
N,N'−ビス−(3−ジメチルアミノプロピル)−オキ
サニリド、および2−エトキシ−5−t−ブチル−2'−
エチルオキサニリド、フェニルおよびナフタレンで置換
されたシュウ酸ジアミド、β−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸メチル、
α,α−ビス−(2−ヒドロキシフェノール)−ジイソ
プロピルベンゼン、3,5'−ジブロモ−2'−ヒドロキシア
セトフェノン、その芳香族ヒドロキシ基に対してオルト
位が少なくとも1つは未置換である4,4−ビス−(4'−
ヒドロキシフェニル)−ペンタン酸のエステル誘導体、
有機リン硫化物、例えばビス−(ジフェニルホスフィノ
チオイル)−一硫化物およびビス−(ジフェニルホスフ
ィノチオイル)−二硫化物、4−ベンゾイル−6−(ジ
アルキルヒドロキシベンジル)−レゾルシノール、ビス
−(3−ヒドロキシ−4−ベンゾイルフェノキシ)−ジ
フェニルシラン、ビス−(3−ヒドロキシ−4−ベンゾ
イルフェノキシ)−ジアルキルシラン、1,8−ナフタル
イミド、α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸誘
導体、ビス−(2−ベンゾオキサゾールイル)−アルカ
ン、ビス−(2−ナフトオキサゾールイル)−アルカ
ン、アリールおよび複素環の置換基を含んでいるメチレ
ンマロニトリル、アルキレンビスジチオカルバメート、
メタクリル酸4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキ
シエチル、アリールまたはアルキルで置換されたアクリ
ロニトリル、3−メチル−5−イソプロピルフェニル−
6−ヒドロキシクマロンなどが挙げられる。
【0038】ここでヒンダーアミン光安定剤としては、
ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イ
ル)−セバケート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル
ピペリジン−4−イル)−セバケート、ジ−(1,2,2,6,
6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−ブチルマロネー
ト、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル
−1,3,8−トリアザスピロ(4.5)−デカン−2,4−ジオ
ン、トリス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4
−イル)−ニトリロトリアセテート、1,2−ビス−(2,
2,6,6−テトラメチル−3−オキソピペラジン−4−イ
ル)−エタン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−
3,20−ジアザ−21−オキソジスピロ(5.1.11.2)ヘン
エイコサン、2,4−ジクロロ−6−t−オクチルアミノ
−s−トリアジンと4,4'−ヘキサメチレンビス−(アミ
ノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)との重縮合生
成物1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ヒドロキシピペリジンと琥珀酸との重縮合
生成物、4,4'−ヘキサメチレンビス−(アミノ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン−4−イル)と1,2−ジブロ
モエタンとの重縮合生成物、テトラキス−(2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン−4−イル)1,2,3,4−ブタン
テトラカルボキシレート、テトラキス−(1,2,2,6,6−
ペンタメチルピペリジン−4−イル)1,2,3,4−ブタン
テトラカルボキシレート、2,4−ジクロロ−6−モルホ
リノ−s−トリアジンと4,4'−ヘキサメチレンビス−
(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)との重
縮合生成物、N,N',N'',N'''−テトラキス((4,6−
ビス−(ブチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−
4−イル)−アミノ−s−トリアジン−2−イル)−1,
10−ジアミノ−4,7−ジアザデカン、混合(2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン−4−イル/β,β,β',β'−テ
トラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ
(5.5)−ウンデカン)ジエチル)1,2,3,4−ブタンテト
ラカルボキシレート、混合(1,2,2,6,6−ペンタメチル
ピペリジン−4−イル/β,β,β',β'−テトラメチル
−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)−ウン
デカン)ジエチル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシ
レート、オクタメチレンビス−(2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン−4−カルボキシレート)、4,4'−エチレ
ンビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オ
ン)、N−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イ
ル−n−ドデシルスクシンイミド、N−1−アセチル−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−n−ド
デシルスクシンイミド、1−アセチル−3−ドデシル−
7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ(4.
5)−デカン−2,4−ジオン、ジ−(1−オクトキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−セバケ
ート、ジ−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン−4−イル)−スクシネート、1
−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒド
ロキシピペリジン、ポリ−(6−t−オクチルアミノ−
s−トリアジン−2,4−ジイル)(2−(1−シクロヘ
キシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4
−イル)−イミノ)−ヘキシルメチレン−(4−(1−
シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン−4−イル)−イミノ)、2,4,6−トリス−(N−
(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン−4−イル)−n−ブチルアミノ)−s−ト
リアジンなどが挙げられる。
【0039】ここで酸化防止剤としては、テトラキスア
ルキレン−(ジアルキルヒドロキシアリール)−アルキ
ルエステルアルカン、例えばテトラキスメチレン−(3,
3',5−ジブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオ
ネートメタン、メタクリル酸グリシジルとp−アミノジ
フェニルアミンまたはn−ヘキシル−N'−フェニル−
p−フェニレンジアミン、ペンタエリトリトールテトラ
キス−(チオグリコレート)、トリメチロールプロパン
トリス−(チオグリコレート)、トリメチロールエタン
トリス−(チオグリコレート)、N−(4−アニリノフ
ェニル)−アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニ
ル)−マレアミド酸、N−(4−アニリノフェニル)−
マレイミド、イミドジカルボニル基またはイミドジチオ
カルボニル基を含んでいる複素環式窒素化合物へのカル
ボアルコキシ結合を有するアルキルヒドロキシフェニル
基、3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシシンナモニト
リル、エチル−ジ−t−ヘキシル−4−ヒドロキシキシ
ナミド、β置換ヒドロキシフェニルプロピオン酸の置換
ベンジルエステル、ビス−(ヒドロキシフェニルアルキ
レン)−アルキルイソシアヌレート、単独のまたはジア
ルキルチオジアルカノエートと組み合わせたハロゲン化
テトラキスヒドロキシベンジルホスホニウム、単独のま
たはジアルキルチオジアルカノエートと組み合わせたチ
オジメチリジンテトラキスフェノール、ホスフィットま
たはホスホネート、ジヒドロキシカルビルヒドロキシフ
ェニルアリールまたはアルキルのホスホナイト、ホスホ
ネート、ホスフェート、ホスフィット、ホスフィネート
ホスフィニット、ホスホロチオネート、またはホスフィ
ノチオネート、ジフェニルビス−(3、5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェノキシ)−シラン、ヒドロカル
ビルヒドロキシフェニルジヒドロカルビルジチオカルバ
メート、例えば3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニルジメチルジチオカルバメートおよびアミノベン
ジルチオエーテルなどが挙げられる。
【0040】本発明の(C)難分解性着色料は、溶媒へ
の分散、分散後の安定性を向上させるためシランカップ
リング剤、アルミキレート化合物、有機物などで表面処
理を施すことができる。有機物による表面処理剤として
はトリメチロールメタン、トリメチロールエタン、ペン
タエリスリノール、ジメチルエタノールアミン、トリエ
タノールアミンなどが挙げられる。
【0041】本発明の塗料組成物に利用できる溶媒は、
着色プライマー塗料組成物の場合は(B)難分解性結着
剤および(C)難分解性着色料とが分散するものであれ
ば特に制限されない。また、光触媒性塗料組成物の場合
は(A)光触媒性半導体材料と(B)難分解性結着剤と
が分散するものであれば特に制限されない。例えば、ア
ルコール類、エーテル類、アセトン、2−ブタノン、メ
チルプロピルケトン、メチルブチルケトン、ジプロピル
ケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸
イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル等
のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロ
ホルム、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪
族、芳香族、脂環式の炭化水素、石油類等の一般的な有
機溶媒や水が挙げられ、これらを単独、もしくは混合し
て用いることができる。中でも水及び/又は水溶性溶媒
が好ましい。特に水が好ましい。
【0042】本発明の塗料組成物は、さらに必要に応じ
て分散安定剤、界面活性剤、消泡剤、可塑剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、香料、硬化剤などを添加
することが可能である。
【0043】本発明の塗料組成物は、サンドミル、ホモ
ジナイザー、ボールミル、ロールミル、ペイントシェー
カー、超音波分散機、羽根式攪拌機、マグネチックスタ
ーラー、高速分散機、乳化機などにて混合、分散処理を
行う。
【0044】本発明の塗料組成物を被覆可能な基材とし
ては、無機材料、金属材料、有機材料あるいはそれらの
複合体であり、特に限定されるものではない。例えば、
金属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木、石、
セメント、コンクリ−ト、繊維、布帛、紙、それらの組
合せ、それらの積層体、それらの塗装体等である。
【0045】本発明の塗料組成物は着色を必要とするも
ので防汚効果、親水効果を期待される物品に適用され
る。着色効果は完全隠ぺいのものから着色ガラスのよう
に透光性を有するものまで調整して適用できる。
【0046】該塗膜被覆物品としては、建築物や構造物
や車輌の外装や内装などが挙げられ、より具体的には、
屋根材、瓦、カラートタン、カラー鉄板、窯業系建材、
サイディング材、ケイカル板、セメント壁、アルミサイ
ディング、カーテンウォール、塗装鋼板、石材、AL
C、タイル、ガラスブロック、サッシ、ビルサッシ、網
戸、雨戸、門扉、出窓、天窓、窓枠、トップライト、カ
ーポート、サンルーム、ベランダ、ベランダ手すり、屋
根樋、板ガラス、着色ガラス、ガラス用フィルム、太陽
熱温水器等の集熱器用カバ−、エアコン室外機、店舗看
板、サイン、広告塔、ショーケース、ショーウィンド
ウ、冷蔵・冷凍ショーケース、シャッタ−、屋外ベン
チ、自動販売機、遮音壁、防音壁、道路化粧板、ガード
フェンス、桁美装板、トンネル内装板、道路反射鏡、標
識板、碍子、保護板、保護膜、料金所、料金ボックス、
街灯、道路、舗装路、舗道、プラント外壁、プラント内
壁、石油貯蔵タンク、煙突、機械装置、農業用ガラス、
ガラス温室、ビニールハウス、テント、自動車、鉄道車
両、航空機、船舶、自転車、オ−トバイ、自動車用ガラ
ス、キッチン設備部材、浴室設備部材、衛生陶器、陶磁
器、便器、浴槽、洗面台、照明器具、台所用品、食器、
食器乾燥器、流し、調理レンジ、キッチンフ−ド、換気
扇、フィルム、ワッペンなどが挙げられる。
【0047】本発明による塗料組成物を塗布する手段は
とくに限定されず、刷毛塗り、スポンジ塗り、スプレー
コーティング、ロールコーティング、フローコーティン
グ、スピンコーティング、ディップコーティングなどの
方法が挙げられる。
【0048】本発明による光触媒性着色被覆は、その表
面を着色し、防汚性または親水性としたい基材の表面
に、まず着色プライマー塗料組成物が塗布され、その後
乾燥または硬化されて着色被膜を形成する。ついで、該
着色被覆の上に光触媒性塗料組成物が塗布され、その後
乾燥または硬化されて、着色被膜の上に透明、透光性の
光触媒性被膜を形成する。ここで、乾燥または硬化は、
室温放置、強制乾燥、加熱、紫外線照射等によって実施
することができる。また、着色プライマー塗料組成物が
塗布された後、十分な乾燥を行わずにウェット オン
ウェットによって続けて光触媒性塗料組成物を塗布する
こともできる。
【0049】本発明の着色プライマー塗料組成物が適用
される基材表面は清浄であることが好ましい。特に乗物
筐体や建築物の外壁等、既設の基材に塗布する場合に
は、予め洗浄剤の使用など、公知の方法にて洗浄するこ
とが望ましい。
【0050】本発明による着色プライマー塗料組成物を
適用する前に、基材表面にアンダーコート層を設けるこ
とができる。アンダーコート層は基材と着色被膜とを強
固に密着させる効果、基材の吸水や吸湿を抑える効果、
基材の防錆の効果、立体的な凹凸模様を形成して特殊な
意匠を付加する効果などを有することができる。
【0051】本発明の光触媒性半導体材料の光励起は、
光半導体結晶の伝導電子帯と価電子帯との間のエネルギ
−ギャップよりも大きなエネルギ−(すなわち短い波
長)を有する光を光半導体に照射して行う。
【0052】より具体的には、光半導体がアナタース型
酸化チタンの場合には波長387nm以下、ルチル酸化
チタンの場合には波長413nm以下、酸化錫の場合に
は波長344nm以下、酸化亜鉛の場合には波長387
nm以下の光を含有する光線を照射する。
【0053】上記光半導体の場合は、紫外線光源により
光励起されるので、光源としては、蛍光灯、白熱電灯、
メタルハライドランプ、水銀ランプのような室内照明、
太陽光や、それらの光源を低損失のファイバ−で誘導し
た光源等を利用できる。
【0054】
【実施例】以下本発明を実施例に基づき詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 (調合例1)ベンガラ(和光純薬工業社製、酸化鉄Fe
2O3)30部、分散剤(BASFジャパン社製、ピグ
メントディスパーザーMD−20)1.2部、消泡剤
(サンノプコ社製、SNデフォーマー477)0.3
部、蒸留水14部、プロピレングリコール4.5部の混
合物をペイントシェーカーにて1時間分散させて着色材
分散液を得た。この着色材分散液30部、難分解性結着
材としてシリコーンアクリルエマルジョン溶液(信越化
学工業社製、X−41−7001、固形分濃度42%、
pH=7)100部、蒸留水58部、塩基性硬化触媒
(信越化学工業社製、CAT−AS)12部の混合物を
ペイントシェーカーにて1時間分散させて着色塗料組成
物Aを得た。着色塗料組成物Aの不揮発分濃度は30
%、不揮発分中の着色材/結着剤の重量比は3/7、揮
発分中の水分の重量比は89%である。
【0055】(調合例2)ベンガラ(酸化鉄)40部、
テトラエトキシシラン46.2部、蒸留水32部、イソ
プロピルアルコール128部を攪拌しながら室温から徐
々に温度を上げ80℃に保ち5時間攪拌後、120℃で
3時間乾燥して固形物とし、さらにこの固形物を粉砕し
てシリカで表面被覆処理を施した着色材を得た。被覆物
/顔料の重量比は1/3である。調合例1において30
部のベンガラに変えて、前記の表面被覆処理を施した着
色材30部とし、あとは調合例1と同様に調合して着色
塗料組成物Bを得た。着色塗料組成物Bの不揮発分濃
度、不揮発分中の着色材/結着剤の重量比、揮発分中の
水分の重量比は着色塗料組成物Aと同じである。
【0056】(調合例3)キナクリドンレッド(クラリ
アントジャパン社製、ホスタパームレッドE3B)13
部、テトラエトキシシラン40.6部、シランカップリ
ング剤(日本ユニカー社製、A−1120)1.9部、
蒸留水28.9部、イソプロピルアルコール115.6
部を攪拌しながら室温から徐々に温度を上げ80℃に保
ち5時間攪拌後、120℃で3時間乾燥して固形物と
し、さらにこの固形物を粉砕してシリコン系化合物で表
面被覆処理を施した着色材を得た。被覆物/顔料の重量
比は1/1である。
【0057】この表面被覆処理を施した着色材30部、
分散剤(BASFジャパン社製、ピグメントディスパー
ザーMD−20)3.6部、消泡剤(サンノプコ社製、
SNデフォーマー477)0.9部、蒸留水52部、プ
ロピレングリコール13.5部の混合物をペイントシェ
ーカーにて1時間分散させて着色材分散液を得た。この
着色材分散液60部、難分解性結着材としてシリコーン
アクリルエマルジョン溶液(信越化学工業社製、X−4
1−7001、固形分濃度42%、pH=7)100
部、蒸留水28部、塩基性硬化触媒(信越化学工業社
製、CAT−AS)12部の混合物をペイントシェーカ
ーにて1時間分散させて着色塗料組成物Cを得た。着色
塗料組成物Cの不揮発分濃度は30%、不揮発分中の着
色材/結着剤の重量比は3/7、揮発分中の水分の重量
比は84%である。
【0058】(調合例4)調合例3において30部の表
面被覆処理を施した着色材に変えて、未処理のキナクリ
ドンレッド(ホスタパームレッドE3B)30部とし、
あとは調合例3と同様に調合して着色塗料組成物Dを得
た。着色塗料組成物Dの不揮発分濃度、不揮発分中の着
色材/結着剤の重量比、揮発分中の水分の重量比は着色
塗料組成物Cと同じである。
【0059】(調合例5)光触媒性半導体材料としてア
ナタース型酸化チタンゾル(ミレニウム社製、S5−3
00B)1.62部、難分解性結着材としてリチウムシ
リケート(日本化学社製、珪酸リチウム35、固形分濃
度24%)0.78部、シリコーンアクリルエマルジョ
ン溶液(信越化学工業社製、X−41−7001)0.
15部、塩基性硬化触媒(信越化学工業社製、CAT−
AS)0.02部、界面活性剤(大日本インキ社製、メ
ダファックF142−D)0.1部の混合物をペイント
シェーカーにて1時間分散させて光触媒性塗料組成物E
を得た。光触媒性塗料組成物Eの不揮発分濃度は0.5
%、不揮発分中の光触媒/結着材の重量比は1/1、不
揮発分中のシリカ換算シリコン化合物の含有重量比は4
4%、揮発分中の水分の重量比は99.9%である。
【0060】(実施例1)150mm×65mmに裁断
した厚さ3mmの石綿セメントけい酸カルシウム板(J
IS−A5418に準拠したもの)に樹脂系シーラー
(日本ペイント社製、ニッペウルトラシーラー2)を刷
毛塗りで塗布し、室温にて24時間乾燥した。ついで調
合例1で作製した着色塗料組成物Aを前記したシーラー
塗装を行った石綿セメントけい酸カルシウム板上に刷毛
塗りで塗布し、室温にて24時間乾燥した。さらに調合
例5で作製した光触媒性塗料組成物Eを前記した着色塗
装を行った石綿セメントけい酸カルシウム板上に刷毛塗
りで塗布し、室温にて1週間乾燥し、被覆物試験板aを
得た。
【0061】(実施例2)実施例1において着色塗料組
成物Aに変えて、着色塗料組成物Bとし、あとは実施例
1と同様に塗工して被覆物試験板bを得た。
【0062】(実施例3)実施例1において着色塗料組
成物Aに変えて、着色塗料組成物Cとし、あとは実施例
1と同様に塗工して被覆物試験板cを得た。
【0063】(比較例1)実施例1において着色塗料組
成物Aに変えて、着色塗料組成物Dとし、あとは実施例
1と同様に塗工して被覆物試験板dを得た。
【0064】(評価)実施例および比較例に記載した被
覆物試験板aから被覆物試験板dを、南向きの外壁で降
雨が伝って流れ落ちる垂直面に固定し、屋外暴露試験を
行った。暴露後10ケ月経過した後の評価結果を表1に
示す。
【0065】
【表1】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は光触媒性半導体の
機能をもつ耐久性に優れた着色塗膜を形成することがで
き、防汚性、耐久性、意匠性に優れた該塗膜被覆物品を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る被覆物試験板
aの断面図である。
【符号の説明】
1…基材表層(シーラー) 2…難分解性着色料(顔料) 3…難分解性結着材1(アクリルシリコン系組成物) 4…難分解性結着材2(シリケート系組成物) 5…光触媒性半導体材料(アナターゼ型酸化チタン)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/00 D L 7/12 7/12 Z 143/04 143/04 (72)発明者 島井 曜 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AA01C AA03 AA23H AK25 AK52 AT00A BA03 BA07 BA10A BA10B CA13C CC00B EH46B EH46C GB07 HB00C JB03C JG01B JL06 JL08B JL10C JL11B JL11C JM01 4G069 AA15 BA04B BA48A BA48C CD10 EA08 EC22Y FA03 FB23 FB71 4J038 AA011 DL001 DL021 DL031 HA216 HA411 HA441 HA451 JC32 KA08 KA15 NA18

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材に、(A)光触媒性半導体材料と
    (B)難分解性結着材を必須成分としてなる光触媒性塗
    膜が、(B)難分解性結着材と(C)難分解性着色料を
    必須成分としてなる着色塗膜を介して形成されることを
    特徴とする光触媒性着色被覆物品。
  2. 【請求項2】 (C)難分解性着色料は耐酸化性と耐
    還元性を有する無機顔料であることを特徴とする請求項
    1に記載の光触媒性着色被覆物品。
  3. 【請求項3】 (C)難分解性着色料は難分解性材料
    で被覆された顔料であることを特徴とする請求項1に記
    載の光触媒性着色被覆物品。
  4. 【請求項4】 (C)難分解性着色料は難分解性の体
    質顔料に着色料を吸収させた顔料であることを特徴とす
    る請求項1に記載の光触媒性着色被覆物品。
  5. 【請求項5】 (C)難分解性着色料は難分解性の体
    質顔料に着色料を吸収させた顔料をさらに難分解性材料
    で被覆した顔料であることを特徴とする請求項1に記載
    の光触媒性着色被覆物品。
  6. 【請求項6】 (C)難分解性着色料は変色防止剤を
    混合した顔料であることを特徴とする請求項1から請求
    項5の何れかに記載の光触媒性着色被覆物品。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6の何れかに記載
    の(B)難分解性結着材と(C)難分解性着色料を含む
    光触媒性着色被覆用着色プライマー塗料組成物。
  8. 【請求項8】 溶媒が水であることを特徴とする請求
    項7に記載の光触媒性着色被覆用着色プライマー塗料組
    成物。
JP11216662A 1999-07-30 1999-07-30 光触媒性着色被覆物品および該被覆用着色プライマー塗料組成物 Pending JP2001040291A (ja)

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