JP2001031907A - 水性塗料組成物およびその塗装膜 - Google Patents

水性塗料組成物およびその塗装膜

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JP2001031907A
JP2001031907A JP11209349A JP20934999A JP2001031907A JP 2001031907 A JP2001031907 A JP 2001031907A JP 11209349 A JP11209349 A JP 11209349A JP 20934999 A JP20934999 A JP 20934999A JP 2001031907 A JP2001031907 A JP 2001031907A
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aqueous coating
photocatalyst
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water
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Akira Shimai
曜 島井
Koji Takeda
宏二 武田
Kazuo Takahashi
一雄 高橋
Makoto Sengoku
真 千國
Mitsuhide Shimobukikoshi
光秀 下吹越
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗料組成物が有機系基材に対するぬれ性が悪い
こと、有機系基材に対する塗装膜の密着性が弱いこと、
光触媒から発生した活性酸素が塗装膜を通過して、下地
のプラスチックや有機系塗装面を分解する問題があるこ
とが挙げられた。 【解決手段】光触媒層と中間層から構成される塗装膜に
関し、アルカリ金属珪酸塩、界面活性剤、アクリルシリ
コーンもしくはアルキルアルコキシシランを主成分とし
て含有することを特徴とする水性塗料組成物を中間層
に、光触媒、アルカリ金属珪酸塩、界面活性剤、アクリ
ルシリコーンもしくはアルキルアルコキシシランを主成
分として含有することを特徴とする水性塗料組成物を光
触媒層に使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機系基材上にコ
ーティングする光触媒含有の水性塗料組成物およびその
塗装膜に関する。
【0002】
【従来の技術】光触媒を含有する塗料組成物およびその
塗装膜は、紫外線照射時の光触媒反応(超親水現象、酸
化還元反応)を利用して、自浄効果のある壁材やNO
x、SOxを分解する壁材などに使用されている。光触
媒単独では塗装膜を形成しないために、通常、光触媒に
バインダーを混合して塗料組成物とするが、有機系バイ
ンダーでは光触媒反応で分解してしまうため、各種の無
機系バインダーを使用している。珪酸ナトリウム、珪酸
カリウム、珪酸リチウムなどのアルカリ金属珪酸塩は、
耐水性、耐候性に優れた無機成膜体が作製可能であるこ
と、材料が安価であることなどの理由から、光触媒を含
有する塗料組成物の無機系バインダーとして広く利用さ
れている。
【0003】アルカリ金属珪酸塩を無機系バインダーと
して使用した光触媒を含有する塗料組成物およびその塗
装膜に関する従来技術の主なものを挙げると、以下の通
りである。
【0004】特開平10−195333号では、水溶性
珪酸塩、硬化剤、二酸化チタン及び酸化亜鉛粉末から選
ばれる少なくとも1種の光触媒活性を有する粉末、を主
成分として含有することを特徴とする水性塗料組成物に
ついて記述している。その水性塗料組成物を自動車道路
のガードレールやトンネル内壁などに塗布し、120−
200℃で15−60分間熱処理することで、塗装膜に
付着した窒素酸化物を光触媒反応によって窒素と水に分
解できる効果があることを説明している。
【0005】特開平10−237354号では、珪酸リ
チウム、二酸化チタンを含有するコーティング剤につい
て記述している。そのコーティング剤をロックウール板
にスプレーでコーティングし、100℃で5分以上熱処
理することで、自浄効果に優れた建材が作製可能である
ことを説明している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の塗料組
成物では、プラスチックや有機系塗装面などの有機系基
材に対するぬれ性が悪いため、その塗料組成物の使用
が、ガラス、コンクリートなどの無機組成物、鉄、アル
ミなどの金属板、ロックウールなどの木材に限定されて
いた。また、上記の塗料組成物を改良し、有機系基材に
塗布可能になったとしても、有機系基材に対する塗装膜
の密着性が弱いことや、光触媒から発生した活性酸素が
塗装膜を通過して、下地の有機系基材を分解する問題が
考えられた。
【0007】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、本発明の目的は、プラスチックや有機系塗
装面などの有機系基材にも塗布可能な光触媒含有の水性
塗料組成物、および、有機系基材に対する密着性が強固
であり、かつその有機系基材を光触媒反応で分解しない
ような光触媒含有の塗装膜を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】第一の発明は、アルカリ
金属珪酸塩、界面活性剤、アクリルシリコーンもしくは
アルキルアルコキシシランを含有してなる水性塗料組成
物を提供することにより、有機系基材に塗布可能であ
り、かつその水性塗料組成物を硬化させた塗装膜は有機
系基材に対する密着性が強固であり、かつその有機系基
材を分解することを防ぐことを可能にすることができ
る。また、この発明に係る水性塗料組成物は、光触媒層
と中間層からなる塗膜を形成する際の中間層を形成する
ための塗料組成物として好適である。
【0009】第二の発明は、光触媒、アルカリ金属珪酸
塩、界面活性剤、アクリルシリコーンもしくはアルキル
アルコキシシランを含有してなる水性塗料組成物を提供
することにより、有機系基材に塗布可能であり、かつそ
の水性塗料組成物を硬化させた塗装膜は有機系基材に対
する密着性が強固であり、かつその有機系基材を分解す
ることを防ぐことを可能にすることができる。また、こ
の発明に係る水性塗料組成物は、光触媒層を形成するた
めの塗料組成物として好適である。
【0010】第三の発明は、界面活性剤がフッ素系界面
活性剤である第一の発明又は第二の発明に記載の水性塗
料組成物を提供することにより、前記発明の効果に加え
て更に濡れ性の向上を図ることができる。
【0011】第四の発明は、前記アクリルシリコーンの
シリコーン成分含有量が30〜80重量%である第一の
発明乃至第三の発明いずれか記載の水性塗料組成物を提
供することにより、前記発明の効果に加えて更に塗膜の
密着性を向上することができる。また、より好ましいシ
リコーン成分含有量は50〜80重量%である。
【0012】第五の発明は、前記光触媒の種類が酸化チ
タンである第二の発明乃至第四の発明いずれか記載の水
性塗料組成物を提供することにより、前記発明の効果に
加えて更に光触媒の化学的安定性が増し、安全性の向上
も図ることができる。
【0013】第六の発明は、前記水性塗料組成物のpH
が7〜14である第一の発明乃至第五の発明いずれか記
載の水性塗料組成物を提供することにより、前記発明の
効果に加えて当該塗料組成物の凝集を防止することがで
きる。
【0014】第七の発明は、有機系基材上に第一の発明
記載の水性塗料組成物から作成される中間層を形成し、
該中間層上に光触媒層を形成してなる親水性部材を提供
する。
【0015】第八の発明は、有機系基材上に第二の発明
記載の水性塗料組成物から作成される光触媒層を形成し
てなる親水性部材を提供する。本発明に係る光触媒層は
有機系基材上に直接塗布しても良く、いわゆる中間層を
介しても良い。
【0016】第九の発明は、前記水性塗料組成物中のア
クリルシリコーンのシリコーン成分含有量が30〜80
重量%である第七の発明又は第八の発明に記載の親水性
部材を提供する。
【0017】第十の発明は、前記水性塗料組成物中の光
触媒の種類が酸化チタンである第八の発明又は第九の発
明に記載の親水性部材を提供する。
【0018】第十一の発明は、前記光触媒層(及び中間
層)の膜厚が0.1μm以上1mm以下である第七の発
明乃至第十の発明いずれか記載の親水性部材を提供する
ことにより、前記発明の効果に加えて、光触媒による基
材への影響を軽減することができる。
【0019】上記水性塗料組成物の構成(上記水性塗料
組成物全体に対する固形成分濃度で表示)は、アルカリ
金属珪酸塩:0.01−30重量%、光触媒:0.01
−30重量%、界面活性剤:0.001−1.0重量
%、アクリルシリコーンもしくはアルキルアルコキシシ
ラン:0.01−30重量%であり、好ましくは、アル
カリ金属珪酸塩:0.1−20重量%、光触媒:0.0
5−20重量%、界面活性剤:0.005−0.5重量
%、アクリルシリコーンもしくはアルキルアルコキシシ
ラン:0.05−20重量%である。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明において、中間層に使用す
る水溶性塗料組成物は、アルカリ金属珪酸塩、界面活性
剤、アクリルシリコーンもしくはアルキルアルコキシシ
ランを主成分とするものである。
【0021】アルカリ金属珪酸塩は、周期律表第IA族
に属するアルカリ金属と珪酸からなり、一般式(Al
k)2O・xSiO2・yH2O[ただし、(Alk)
は周期律表第IA族に属するアルカリ金属(Li、K、
Na、Csなど)を表し、xおよびyは正数である]で
表すことができるものであり、無機系バインダーとして
使用する。アルカリ金属珪酸塩としては、珪酸ナトリウ
ム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸セシウム等が挙
げられ、通常、水溶液の形態で使用される。
【0022】アルカリ金属珪酸塩の濃度は、水性塗料組
成物全体に対して0.01−30重量%であることが好
ましく、0.1−20重量%がより好ましい。0.01
重量%未満では、バインダー量が少なすぎて塗装膜の成
膜が不可能になり、30重量%を越えると、水性塗料組
成物の乾燥時の収縮により塗装膜のひび割れを起こす可
能性があるので、好ましくない。
【0023】界面活性剤は、上記水性塗料組成物のプラ
スチック、有機系塗装面などの有機系基材に対するぬれ
性を向上させるものであれば特に制限はないが、表面張
力を著しく下げる効果があるパーフルオロアルキル基を
含むフッ素系界面活性剤の使用が好ましい。フッ素系界
面活性剤は、 (a)パーフルオロアルキル基に、親水基を組み合わせ
たもの (b)パーフルオロアルキル基に、親水基、親油基を組
み合わせたもの (c)パーフルオロアルキル基に、親油基を組み合わせ
たもの の3種類があるが、本発明では、親水基を含む(a)、
(b)の使用が好ましい。さらに、分子量が小さい界面
活性剤を使用すると、分子量が大きい界面活性剤よりぬ
れ性に優れる傾向があることから、その使用が好まし
い。
【0024】フッ素系界面活性剤の濃度は、水性塗料組
成物全体に対して0.001−1.0重量%であること
が好ましく、0.005−0.5重量%がより好まし
い。フッ素系界面活性剤の濃度が0.001重量未満で
は、水性塗料組成物の有機系基材に対するレベリング性
が十分でなく、1.0重量を越えると、塗装膜の表面に
べたつきが生じるばかりでなく、光触媒反応による親水
性が発現するまでの時間が長くなるので、好ましくな
い。
【0025】アクリルシリコーンは、上記水性塗料組成
物を硬化させた塗装膜がプラスチック、有機系塗装面な
どの有機系基材と強固に密着させるものであれば特に制
限はないが、シリコーン成分含有量が30−80重量%
であるアクリルシリコーンの使用が好ましい。アクリル
シリコーンでは、アクリル成分が有機系基材と、シリコ
ーン成分が水ガラスと結合するため、塗装膜の密着性が
向上すると考えられるが、シリコーン成分含有量が30
−80重量%と比較的多いもの(通常のアクリルシリコ
ーンのシリコーン成分含有量は数重量%)を使用する
と、シリコーン成分と水ガラスとの結合がより密になる
ことから、その使用は好ましい。
【0026】アクリルシリコーンの濃度は、水性塗料組
成物全体に対して0.01−30重量%であることが好
ましく、0.05−20重量%がより好ましい。アクリ
ルシリコーンの濃度が0.01重量%未満では、塗装膜
の有機系基材に対する密着性が十分でなく、30重量%
を越えると水性塗料組成物で沈殿、凝集を起こす可能性
があるので、好ましくない。
【0027】アルキルアルコキシシラン(RSi(O
A)3、R、Aはアルキル基)は、上記水性塗料組成物
を硬化させた塗装膜がプラスチック、有機系塗装面など
の有機系基材と強固に密着させるものであれば特に制限
はない。アルキルアルコキシシランでは、アルキル基R
が有機系基材と、アルコキシ基OAが加水分解反応して
水ガラスと結合するため、塗装膜の密着性が向上すると
考えられる。
【0028】アルキルアルコキシシランの濃度は、水性
塗料組成物全体に対して0.01−30重量%であるこ
とが好ましく、0.05−20重量%がより好ましい。
アルキルアルコキシシランの濃度が0.01重量%未満
では、塗装膜の有機系基材に対する密着性が十分でな
く、30重量%を越えると水性塗料組成物で沈殿、凝集
を起こす可能性があるので、好ましくない。
【0029】本発明において、光触媒層に使用する水溶
性塗料組成物は、上記中間層に使用する水性塗料組成物
に光触媒を主成分として加えたものである。光触媒は、
光触媒活性を有するものであれば特に制限はないが、酸
化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウ
ム、酸化タングステン、酸化クロム、酸化モリブデン、
酸化ルテニウム、酸化ゲルマニウム、酸化鉛、酸化カド
ニウム、酸化銅、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タ
ンタル、酸化マンガン、酸化ロジウム、酸化ニッケル及
び酸化レニウム等の金属酸化物の他、チタン酸ストロン
チウム等が挙げられる。これらの中でも、上記金属酸化
物が、実用的に容易に利用可能な点で好ましく、金属酸
化物の中でも酸化チタンが、その光触媒活性、安全性、
入手の容易さ及びコストの面で好ましい。なお、酸化チ
タンを光触媒として用いる場合は、結晶型がアナターゼ
型であるものを用いる方が、光触媒活性が最も強く、し
かも長期間発現する点で好ましい。
【0030】光触媒の濃度は、水性塗料組成物全体に対
して0.01−30重量%であることが好ましく、0.
05−20重量%がより好ましい。光触媒の濃度が0.
01重量%未満では、塗装膜に光触媒活性を起こすには
十分でなく、30重量%を越えると水性塗料組成物で沈
殿、凝集を起こす可能性があるので、好ましくない。
【0031】また、上記した水性塗料組成物のpHは、
7−14であることが好ましい。組成物のpHが7未満
であると、水性塗料組成物の沈殿、凝集を起こす可能性
があるので、好ましくない。
【0032】さらに、上記した水性塗料組成物から作製
された塗装膜の膜厚は0.1μm以上1mm以下である
ことが好ましい。膜厚が0.1μm未満では、光触媒か
ら発生した活性酸素が塗装膜を通過して有機系基材を分
解する可能性があるので、好ましくない。また、膜厚が
1mm以上では、ひび割れなどの外観不良を起す可能性
があり好ましくない。
【0033】本発明の水性塗料組成物は、光触媒と併用
しても変色、変質、分解しない着色料を、本発明の効果
に悪影響を与えない範囲内で添加してもよい。
【0034】着色料としては、特に限定はないが、着色
に使用できるもので無機顔料、有機顔料、染料などの中
から選ばれ、単独または2種以上を併用して適宜用い
る。
【0035】無機顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、
ベンガラ、酸化クロム、コバルトブルー、鉄黒などの金
属酸化物系、アルミナホワイト、黄色酸化鉄などの金属
水酸化物系、紺青などのフェロシアン化合物系、黄鉛、
ジンクロメート、モリブデンレッドなどのクロム酸鉛
系、硫化亜鉛、朱、カドミウムイエロー、カドミウムレ
ッドなどの硫化物、セレン化合物系、バライト、沈降性
硫酸バリウムなどの硫酸塩系、重質炭酸カルシウム、沈
降性炭酸カルシウムなどの炭酸塩系、含水珪酸塩、クレ
ー、群青などの珪酸塩系、カーボンブラックなどの炭素
系、アルミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛末粉などの金属
粉系、雲母・酸化チタン系などのパール顔料系などが挙
げられる。
【0036】有機顔料としては、ナフトールグリーンB
などのニトロソ系顔料、ナフトールSなどのニトロ顔料
系、リソールレッド、レーキレッドC、ファストエロ
ー、ナフトールレッドなどのアゾ顔料系、アルカリブル
ーレッド、ローダミンキレートなどの染め付けレーキ顔
料系、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン
などのフタロシアニン系顔料、ペレンレッド、キナクリ
ドンレッド、ジオキサジンバイオレッド、イソインドリ
ノンエロー等の縮合多環顔料系などが挙げられる。
【0037】染料としては、分散染料、油溶染料、塩基
性染料、直接染料、酸性染料が挙げられる。
【0038】また、レベリング剤、水溶性樹脂、紫外線
吸収剤、カップリング剤、増粘剤、金属粉、ガラス粉、
抗菌剤、酸化防止剤も、本発明の効果に悪影響を与えな
い範囲内で添加してもよい。
【0039】水性塗料組成物の塗布する方法は、特に限
定されるものではなく、例えば、刷毛塗り、スプレー、
浸漬(ディッピング)、ロール、フロー、カーテン、ナ
イフコート、スピンコート等の通常の各種塗布方法を選
択することができる。
【0040】本発明の水性塗料組成物を被覆使用できる
基材としては、降雨による自己浄化が期待できる屋外用
途においては、外壁や屋根のような建物外装;窓枠;自
動車、鉄道車両、航空機、船舶、自転車、オ−トバイの
ような乗物の外装及び塗装;看板、交通標識、防音壁、
ビニ−ルハウス、乗物用カバ−、テント材、反射板、雨
戸、網戸、太陽電池用カバ−、太陽熱温水器等の集熱器
用カバ−、街灯、屋外照明、橋、温室、外壁材、壁間や
硝子間のシーラー、ガ−ドレ−ル、ベランダ、自動販売
機、エアコン室外機、屋外ベンチ、各種表示装置、シャ
ッタ−、料金所、料金ボックス、屋根樋、車両用ランプ
保護カバ−、防塵カバ−及び塗装、機械装置や物品の塗
装、広告塔の外装及び塗装、構造部材、及びそれら物品
に貼着可能なフィルム、ワッペン等である。
【0041】本発明の水性塗料組成物を被覆使用できる
基材としては、水洗による清浄化が期待できる用途にお
いては、上記屋外用途部材が含まれることは勿論、その
他に、建物の内装材、住宅設備、便器、浴槽、洗面台、
照明器具、台所用品、食器、食器乾燥器、流し、調理レ
ンジ、キッチンフ−ド、換気扇、窓レ−ル、窓枠、トン
ネル内壁、トンネル内照明、及びそれら物品に貼着可能
なフィルム、ワッペン等である。
【0042】
【実施例】実施例1(中間層) (I)水性塗料組成物の調整 リチウムシリケート(日本化学株式会社製、商品名 珪
酸リチウム35)4.23重量%、アルキルアルコキシ
シラン(東亜合成株式会社製 商品名 アクアプルーフ
40J)2.50重量%、界面活性剤(大日本インキ株
式会社製、商品名 メガファックF142−D)0.1
重量%、純水93.17重量%を混合し、珪酸リチウ
ム、アルキルアルコキシシランの固形成分濃度がともに
1.0重量%である水性塗料組成物を調整した。
【0043】(II)試験片の作成 150mm×65mmに裁断した石綿セメントけい酸カルシ
ウム板(JIS A5418に準拠したもの)にエポキシ
樹脂系プライマー(エスケー化研、商品名 SKサーフ
エポ)をスプレー塗装し、室温で24時間乾燥させた。
続いて、アクリルウレタン塗料(イサム塗料、商品名
ハイアート1000)を、上記したプライマー塗装を行
った石綿セメントけい酸カルシウム板上にスプレー塗装
し、室温で24時間乾燥させた。さらに続いて、(I)
で作製した水性塗料組成物を上記したプライマー塗装、
アクリルウレタン塗装を行った石綿セメントけい酸カル
シウム板上に刷毛塗りし、コーティング物を得た。刷毛
塗りした上記水性塗料組成物の重量は100g/m2と
した。最後に、上記コーティング物を室温で24時間乾
燥させて、実施例1の試験片を得た。
【0044】比較例1 界面活性剤、アルキルアルコキシシランが無添加である
ほかは、実施例1と同様に水性塗料組成物を作製した。
試験片の作製は実施例1と同様である。
【0045】比較例2 アルキルアルコキシシランが無添加であるほかは、実施
例1と同様に水性塗料組成物を作製した。試験片の作製
は実施例1と同様である。
【0046】試験片の評価(中間層) 実施例1、比較例1、2で得られた試験片について、水
性塗料組成物のぬれ性、その水性塗料組成物から作製し
た塗装膜の親水性、密着性の評価を行った。
【0047】(1)ぬれ性の評価 上記水性塗料組成物を、プライマー塗装を行った石綿セ
メントけい酸カルシウム板に刷毛でコーティングしたと
きに、塗れたものを○、塗れないものを×で評価した。
【0048】(2)親水性の評価 作製した試験片の親水性を水との接触角により評価し
た。なお接触角測定には協和界面科学製 CX−150
を使用した。
【0049】(3)密着性の評価 作製した試験片の基材(石綿セメントけい酸カルシウム
板)との密着性を以下のように評価した。
【0050】作製した試験片の塗装膜の上からカッター
で2mm幅の碁盤目の切り込みを入れる。大きさは1c
m角にし、碁盤目の数を25個とする。その後その碁盤
目を完全に覆うようにセロハンテープを貼付ける。その
後すばやく引き剥がして、付着して残っている碁盤目の
数を数える。
【0051】(4)試験片の評価のまとめ 水性塗料組成物のぬれ性、その水性塗料組成物から作製
した塗装膜の親水性、密着性の評価を表1に示す。実施
例1で作製した水性塗料組成物はぬれ性が良好であり、
塗装膜の親水性、密着性も良好であった。それに対し
て、界面活性剤、アルキルアルコキシシラン無添加の水
性塗料組成物ではぬれ性に、アルキルアルコキシシラン
のみ無添加の水性塗料組成物では、その塗装膜の密着性
に問題があった。
【表1】
【0052】実施例2(光触媒層) (I)水性塗料組成物の調整 リチウムシリケート(日本化学株式会社製、商品名 珪
酸リチウム35)1.25重量%、チタニアゾル(ミレ
ニウム社製、商品名 S5−300B)1.29重量
%、アクリルシリコーン(信越化学工業株式会社製 商
品名 X−41−7001)0.24重量%、アクリル
シリコーン用硬化剤(信越化学工業株式会社製 商品名
CAT−AS)0.03重量%、界面活性剤(大日本
インキ株式会社製、商品名 メガファックF142−
D)0.1重量%、純水97.09重量%を混合し、珪
酸リチウムの固形成分濃度0.3重量%、酸化チタンの
固形成分濃度0.2重量%、アクリルシリコーンの固形
成分濃度0.1重量%である水性塗料組成物を調整し
た。
【0053】(II)試験片の作成 150mm×65mmに裁断した石綿セメントけい酸カルシ
ウム板(JIS A5418に準拠したもの)にエポキ
シ樹脂系プライマー(エスケー化研、商品名SKサーフ
エポ)をスプレー塗装し、室温で24時間乾燥させた。
続いて、アクリルウレタン塗料(イサム塗料、商品名
ハイアート1000)を、上記したプライマー塗装を行
った石綿セメントけい酸カルシウム板上にスプレー塗装
し、室温で24時間乾燥させた。さらに続いて、(I)
で作製した水性塗料組成物を上記したプライマー塗装、
アクリルウレタン塗装を行った石綿セメントけい酸カル
シウム板上に刷毛塗りし、コーティング物を得た。刷毛
塗りした上記水性塗料組成物の重量は30g/m2とし
た。最後に、上記コーティング物を室温で24時間乾燥
させて、実施例2の試験片を得た。
【0054】比較例3 界面活性剤、アクリルシリコーンが無添加であるほか
は、実施例2と同様に水性塗料組成物を作製した。試験
片の作製は実施例2と同様である。
【0055】比較例4 シリコーン成分含有量が30wt%未満であるアクリル
シリコーン(東亜合成、商品名 サイマックUS−45
0)を使用したほかは、実施例2と同様に水性塗料組成
物を作製した。試験片の作製は実施例2と同様である。
【0056】試験片の評価(光触媒層) 実施例2、比較例3、4で得られた試験片について、水
性塗料組成物のぬれ性、その水性塗料組成物から作製し
た塗装膜の親水性、密着性の評価を行った。
【0057】(1)ぬれ性の評価 上記水性塗料組成物を、プライマー塗装を行った石綿セ
メントけい酸カルシウム板に刷毛でコーティングしたと
きに、塗れたものを○、塗れないものを×で評価した。
【0058】(2)親水性の評価 作製した試験片の親水性を水との接触角により評価し
た。なお接触角測定には協和界面科学製 CX−150
を使用した。試験片は紫外線(BLBランプにより紫外
線照度0.5mW/cm2) を7日間照射した後の水と
の接触角とした。
【0059】(4)密着性の評価 作製した試験片の基材(石綿セメントけい酸カルシウム
板)との密着性を以下のように評価した。
【0060】作製した試験片の塗装膜の上からカッター
で2mm幅の碁盤目の切り込みを入れる。大きさは1c
m角にし、碁盤目の数を25個とする。その後その碁盤
目を完全に覆うようにセロハンテープを貼付ける。その
後すばやく引き剥がして、付着して残っている碁盤目の
数を数える。
【0061】(5)試験片の評価のまとめ 水性塗料組成物のぬれ性、その水性塗料組成物から作製
した塗装膜の親水性、密着性の評価を表2に示す。実施
例2で作製した水性塗料組成物はぬれ性が良好であり、
塗装膜の親水性、密着性も良好であった。それに対し
て、界面活性剤、アクリルシリコーン無添加の水性塗料
組成物ではぬれ性に、シリコーン成分含有量が30wt
%未満であるアクリルシリコーンを使用した水性塗料組
成物では、その塗装膜の密着性に問題があった。
【表2】
【0062】
【発明の効果】光触媒層と中間層から構成される塗装膜
に関し、アルカリ金属珪酸塩、界面活性剤、アクリルシ
リコーンもしくはアルキルアルコキシシランを主成分と
して含有することを特徴とする水性塗料組成物を中間層
に、光触媒、アルカリ金属珪酸塩、界面活性剤、アクリ
ルシリコーンもしくはアルキルアルコキシシランを主成
分として含有することを特徴とする水性塗料組成物を光
触媒層に使用すれば、その水性塗料組成物は有機系基材
にコーティング可能である。また、その塗膜は有機系基
材に対して強固に密着性し、光触媒反応による有機系基
材を分解することを防ぐことができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 7/12 C09D 7/12 Z 143/04 143/04 183/07 183/07 (72)発明者 千國 真 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 下吹越 光秀 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE03 BB92Z CA13 CA32 CA34 CA35 CA37 CA38 DB31 DC01 DC05 DC08 DC11 DC18 DC38 DC40 EA06 EB02 EB22 EB42 EB43 EB47 EC02 EC35 4J038 AA011 CG141 CJ181 GA15 HA216 HA451 HA456 JC32 KA04 KA09 NA05 NA12 PC08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属珪酸塩、界面活性剤、ア
    クリルシリコーンもしくはアルキルアルコキシシランを
    含有してなる水性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 光触媒、アルカリ金属珪酸塩、界面活
    性剤、アクリルシリコーンもしくはアルキルアルコキシ
    シランを含有してなる水性塗料組成物。
  3. 【請求項3】 界面活性剤がフッ素系界面活性剤であ
    る請求項1又は2に記載の水性塗料組成物。
  4. 【請求項4】 前記アクリルシリコーンのシリコーン
    成分含有量が30〜80重量%である請求項1乃至3い
    ずれか1項記載の水性塗料組成物。
  5. 【請求項5】 前記光触媒の種類が酸化チタンである
    請求項2乃至4いずれか1項記載の水性塗料組成物。
  6. 【請求項6】 前記水性塗料組成物のpHが7〜14
    である請求項1乃至5いずれか1項記載の水性塗料組成
    物。
  7. 【請求項7】 有機系基材上に請求項1記載の水性塗
    料組成物から作成される中間層を形成し、該中間層上に
    光触媒層を形成してなる親水性部材
  8. 【請求項8】 有機系基材上に請求項2記載の水性塗
    料組成物から作成される光触媒層を形成してなる親水性
    部材
  9. 【請求項9】 前記水性塗料組成物中のアクリルシリ
    コーンのシリコーン成分含有量が30〜80重量%であ
    る請求項7又は8に記載の親水性部材。
  10. 【請求項10】 前記水性塗料組成物中の光触媒の種
    類が酸化チタンである請求項8又は9に記載の親水性部
    材。
  11. 【請求項11】 前記光触媒層(及び中間層)の膜厚
    が0.1μm以上1mm以下である請求項7乃至10い
    ずれか1項記載の親水性部材。
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