JP2002292786A - 光触媒被覆化粧金属板及びその製造方法 - Google Patents

光触媒被覆化粧金属板及びその製造方法

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JP2002292786A
JP2002292786A JP2001098049A JP2001098049A JP2002292786A JP 2002292786 A JP2002292786 A JP 2002292786A JP 2001098049 A JP2001098049 A JP 2001098049A JP 2001098049 A JP2001098049 A JP 2001098049A JP 2002292786 A JP2002292786 A JP 2002292786A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い触媒活性と実用的な膜強度とを有する光
触媒膜が形成された光媒被覆化粧金属板及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】 基材をなす金属板1の表面に合成樹脂層
2,4及び下地層5を介して光触媒膜6を形成する。光
触媒膜は、平均粒子径0.4-1.5 μm、比表面積50m2
g以上の酸化チタン粒子(A)0.2-15重量%と、平均粒
子径200 nm以下、比表面積200 m2 /g以上の酸化チ
タン粒子(B)0.05-10 重量%と、シリカ化合物(Si
2 として)(C)0.1-5 重量%を含有し、かつ(B)
/((A)+(B))×100 =3-25重量%、(C)/
((A)+(B)+(C))=5-30重量%である酸化チ
タン含有塗布液を塗布して乾燥することにより形成され
る。合成樹脂層は、基材をなす金属板1に積層される内
側樹脂層2と、下地層が5施される外側樹脂層4とを有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光触媒被覆化粧金属
板、詳しくは建築物の内装材・外装材、電気製品等に好
適に用いられる、光触媒で被覆した化粧金属板及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化チタン光触媒は、紫外線を吸収して
生じる化学反応によりNOx などの有害物質除去、脱
臭、防汚、抗菌などの効果を示すことで知られている。
光触媒効果を発現させるためには基材上に光触媒膜を形
成することが必要である。ガラス、金属、セラミクスな
どの基材表面に酸化チタンを付与する方法として、酸化
チタン前駆体であるチタンアルコキシド、有機酸チタ
ン、塩化チタンなどのチタン塩などを塗布し、焼き付け
る方法、チタニア粉体やゾルとバインダーの混合物を塗
布する方法などがある。主に防汚目的の酸化チタン薄膜
の場合は、表面に吸着する汚れ成分によって汚染度が左
右されるため、膜の表面は平滑で表面積が小さな方が好
ましい。
【0003】ところが、脱臭などのより多くの物質を分
解する効果を期待する場合は、膜の比表面積を大きくす
る必要があり、そのためには膜構造を多孔質化すると同
時に膜を厚くする必要がある。それゆえ、主に脱臭など
の有機物分解を目的とする酸化チタン薄膜は、比較的大
きな酸化チタン粒子を使用した膜を形成させることが多
い。粒子径の大きな酸化チタンからなる薄膜は膜厚も必
然的に厚くなり、大きな粒子の充填構造には多くの隙間
ができ、結果として多孔質構造となる。
【0004】ところで、それ自身に自己結着性のない大
きな粒子径の酸化チタン粒子を、基材上に多孔質に担持
固定化するためには、バインダー成分を添加して低温あ
るいは常温で硬化させて担持させることが必要となる。
このとき、粒子の大きな酸化チタンからなる膜は表面が
粗く、多孔質構造であるために、膜強度が低くなり、容
易に脱落したり傷ついてしまうことが問題となってい
た。膜強度を向上させる最も簡単な方法はバインダー量
を増加させることであるが、この方法ではバインダー成
分が酸化チタン粒子表面を覆ってしまい、膜強度が向上
しても期待する触媒活性が減少してしまうことになる。
【0005】一方、酸化チタン粒子を小さくすれば表面
が平滑になって膜の強度は向上するが、膜の収縮による
ひび割れの発生等から、膜厚を薄くせざるを得ず、有効
に利用される表面積が低下するので、やはりこの方法で
も触媒活性は減少する。上述のように、大きな触媒効果
を企図して粒子径の大きな酸化チタンを基材上に担持固
定化するためには、膜強度と触媒効果を両立させること
が大きな課題となる。塩化ビニル樹脂等の合成樹脂を被
覆した化粧金属板においても、酸化チタンによる光触媒
の膜を形成することが検討されているが、高い触媒活性
と実用的な膜強度を両立させることは容易ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情を
考慮してなされたもので、高い触媒活性と実用的な膜強
度とを有する光触媒膜が形成された光媒被覆化粧金属板
及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明は、基材をな
す金属板の表面に合成樹脂層を介して光触媒膜を形成し
てなり、前記光触媒膜は、平均粒子径0.4〜1.5μ
m、比表面積50m2 /g以上の酸化チタン粒子(A)
0.2〜15重量%と、平均粒子径200nm以下、比
表面積200m2 /g以上の酸化チタン粒子(B)0.
05〜10重量%と、シリカ化合物(SiO2 として)
(C)0.1〜5重量%を含有し、かつ(B)/
((A)+(B))×100=3〜25重量%、(C)
/((A)+(B)+(C))=5〜30重量%である
酸化チタン含有塗布液を塗布して乾燥することにより形
成された、光触媒被覆化粧金属板である。
【0008】(2) 前記シリカ化合物は、アルコキシシラ
ン又はその縮合物、加水分解物であるのが好ましい。 (3) 前記合成樹脂層と光触媒膜との間に下地層を有する
ものが好ましい。 (4) 前記下地層は、アクリル樹脂、アクリル変性シリコ
ン樹脂化合物又はシリコン変性アクリル樹脂化合物を主
要成分とするのが好ましい。 (5) 前記合成樹脂層は、少なくとも、基材をなす金属板
に積層される内側樹脂層と、外側樹脂層とを有するのが
好ましい。
【0009】(6) 本発明の製造方法は、(イ)合成樹脂
フィルム又はシートの表面に下地層を施す工程、(ロ)
前記下地層に光触媒膜を形成する工程、(ハ)基材をな
す金属板の表面に、上記(イ)(ロ)で得られた合成樹
脂フィルム又はシートを積層する工程、を備えた光触媒
被覆化粧金属板の製造方法である。
【0010】(7) また、前記(ハ)の工程に代えて、
(ハ′)基材をなす金属板の表面に内側樹脂層を形成
し、該内側樹脂層に、上記(イ)(ロ)で得られた合成
樹脂フィルム又はシートを積層する工程、を備えた光触
媒被覆化粧金属板の製造方法である。
【0011】(8) 上記製造方法において、前記光触媒膜
は、平均粒子径0.4〜1.5μm、比表面積50m2
/g以上の酸化チタン粒子(A)0.2〜15重量%
と、平均粒子径200nm以下、比表面積200m2
g以上の酸化チタン粒子(B)0.05〜10重量%
と、シリカ化合物(SiO2 として)(C)0.1〜5
重量%を含有し、かつ(B)/((A)+(B))×1
00=3〜25重量%、(C)/((A)+(B)+
(C))=5〜30重量%である酸化チタン含有塗布液
を塗布して乾燥することにより形成されるものが好まし
い。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の光触媒被覆化粧金属板
は、基材をなす金属板の表面に合成樹脂層を介して光触
媒膜を形成してなる。本発明において、基材をなす金属
板としては、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼
板、アルミ・亜鉛複合メッキ鋼板、アルミメッキ鋼板、
ステンレス鋼板、アルミニウム系合金板等が挙げられ
る。鋼板が代表的である。板厚や熱処理種別、メッキ厚
み等に関して特に制限はない。
【0013】本発明において用いられる合成樹脂層は、
例えばポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、その他の合成
樹脂の単層あるいは複数層からなり、フィルム又はシー
ト等により構成することができるが、これらに限定され
るものではない。
【0014】酸化チタンの光触媒膜は、基材をなす金属
板の表面に合成樹脂層を介して形成される。例えば、基
材をなす金属板の表面に常法に従い適宜の合成樹脂層を
形成し、その上に後述する酸化チタンの光触媒膜を形成
してもよいし、あるいは合成樹脂層(フィルム又はシー
ト)に酸化チタンの光触媒膜を形成し、これを基材をな
す金属板に積層するようにしてもよく、その製造方法は
特に限定されるものではない。
【0015】合成樹脂層と光触媒膜との間には、さらに
下地層を形成することができる。また、合成樹脂層を複
数層で構成する場合、合成樹脂層は、基材をなす金属板
に積層される内側樹脂層と、その外側に位置する外側樹
脂層とを有する。さらに、この外側樹脂層に下地層を設
けて光触媒膜を形成することができる。
【0016】本発明の光触媒被覆化粧金属板の断面構成
の一例を図1に示す。符号1は基材をなす金属板、2は
内側樹脂層、3a,3bは接着剤層、4は外側樹脂層、
5は下地層、6は光触媒膜である。図示のように内側樹
脂層と外側樹脂層との間には接着剤層が介在してもよい
し、あるいは熱接着により積層してもよい。接着剤層
は、単層又は複数層からなり、内側樹脂層と外側樹脂層
の種類等を考慮して選択される。内側樹脂層と外側樹脂
層との間にさらに単数又は複数の合成樹脂層を設けても
よい。なお、着色、模様等は必ずしも必要ではない。
【0017】金属板に積層される内側樹脂層と、外側樹
脂層は、単層の場合と同様、それぞれポリエチレンテレ
フタレート、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ
カーボネート、その他の合成樹脂のフィルム又はシート
等により構成することができる。例えば、内側樹脂層を
着色あるいは模様等を付与した塩化ビニル系樹脂フィル
ム、外側フィルムを難燃性、耐候性のよいポリエチレン
テレフタレート、アクリル系樹脂等のフィルムで形成す
ることができる。内側樹脂層、外側樹脂層の厚さは特に
限定されるものではないが、前者は通常、50〜200
μm、好ましくは100〜150μm、後者は通常、1
0〜50μm、好ましくは20〜30μmである。
【0018】前述のとおり、酸化チタンの光触媒膜は、
好ましくは、下地層を介して合成樹脂層に形成される。
すなわち、合成樹脂層に下地層を施した後、最外層とし
て光触媒膜が形成される。この下地層によって、合成樹
脂層と酸化チタン薄膜との密着性がより高められる。ま
た、金属板と下地層の間に単層又は複数層の合成樹脂層
が介在し、全体として強固で耐久性に優れた光触媒被覆
化粧金属板が得られる。下地層としては合成樹脂層と酸
化チタン薄膜組成の両方に対し親和性の高いものが好ま
しいが、アクリル樹脂を主成分とするものは、密着性の
高い強勒な接着層を形成できるので好適である。密着性
をさらに増加させたい場合はシリカゾルやシリコーン樹
脂、アルコキシシラン類、アルコキシシラン類の縮合物
(アルキルシリケート)などの有機シリコン化合物をア
クリル樹脂に混合して使用することもできる。また、ア
クリル樹脂に代えてアクリル変性シリコン樹脂化合物、
シリコン変性アクリル樹脂化合物も使用できる。
【0019】下地層は一般的に上記樹脂化合物を含む溶
液を塗布することにより形成する。溶液はトルエン、キ
シレン、ケトン、アルコールなどの溶媒に樹脂を分散さ
せたものでも、水系のエマルションタイプでもよい。下
地層の合成樹脂層への塗布形成方法は特に制限されず、
刷毛塗り、スプレー塗布、スピンコート、デイップコー
ト、ロールコート、グラビアコート、バーコートなど各
種の塗布方法を選択し得る。グラビアロールコーターを
用いるのが好ましい。下地層の厚さは限定されないが、
0.2μm程度以上であれば十分な密着性を付与でき
る。
【0020】本発明において、光触媒膜は、所定の酸化
チタン含有塗布液を塗布して乾燥することにより形成さ
れる。この塗布液に使用される酸化チタン粒子は二種類
である。一種類は平均粒子径0.4μm〜1.5μmの
酸化チタン粒子でアナターゼ型酸化チタンが好ましく利
用される。平均粒子径が0.4μmより小さい場合は膜
の多孔質度が減少して触媒効果が低くなり、1.5μm
より大きい場合は、膜の多孔質度が高くなり触媒効果は
高くなるが、膜表面が粗になるため膜強度が著しく低下
し、膜が脱落したり、チョーキングしたりすることから
実用的には問題がある。実際には、触媒効果と膜強度を
実用的に両立させるため0.6μm〜1.2μmの平均
粒子径を有する酸化チタン粒子を選ぶことが好ましい。
アナターゼ型結晶の結晶化度すなわち結晶子の大きさは
特にこだわらないが、粉末X線回折に供した時にアナタ
ーゼ型の回折ピークが認められるものであればよい。こ
のことから考えると結晶子径としては5nm程度以上と
なる。粉末X線回折チャート上で多少のルチル型酸化チ
タンが混入していても特に問題はない。
【0021】酸化チタン粉末の比表面積は100℃乾燥
後で50m2 /g以上である必要がある。これ以下では
触媒効果を得るために多孔質構造にしても、大きな触媒
効果は期待できない。これらの酸化チタンは市販のアナ
ターゼ型酸化チタン粉末を利用しても、硫酸チタンや塩
化チタンを熱分解あるいは中和分解して得られる含水酸
化チタンを利用してもよい。
【0022】粒子径の調製には中和分解法あるいは熱分
解法で得られた含水酸化チタンゲルをゾル化する際に水
熱処理などで粒子成長させてもよいが、粉末の酸化チタ
ン粒子を乾式又は湿式で粉砕する方法が最も簡便であ
る。この方法で得られた粒子はそれ自身が凝集体粒子で
あり、高い触媒効果を期待できる多孔質構造を形成しや
すい。粉末として塗布液に添加すると、短時間に沈殿し
てしまうので、沈降性の少ないスラリーやゾルの状態に
加工した状悪で使用することが好ましい。必要な物性が
満たされていれば市販の酸化チタンスラリーやゾルを利
用してもよい。塗布液中では粒子の凝集による粒子径の
変化および沈降を防ぐために、分散安定剤を共存させる
ことができる。これらの分散安定剤は、粒子の調製時か
ら共存させることもできるし、塗布液を調製する際に添
加してもよい。
【0023】分散安定剤としては特にこだわらず各種の
薬剤が使用できるが、酸化チタンは中性付近では凝集し
やすいので、酸性又はアルカリ性の分散安定剤が好まし
く使用される。酸性の分散安定剤としては硝酸、塩酸等
の鉱酸、カルボン酸、オキシカルボン酸、ポリカルボン
酸などの有機酸などが挙げられる。アルカリ性の分散安
定剤としてはカルボン酸、ポリカルボン酸類のアルカリ
金属塩やアンモニア、1〜4級のアミン類及びそれらに
ヒドロキシ基を付加したアルカノールアミン類から選ば
れた一種類以上の化合物が好例として挙げられる。特
に、有機酸を利用すると、後述する有機溶媒との混和性
が良好である上に、pHが極端に低くならずかつ製造時
に使用する設備を腐食しにくいので好ましい。有機酸と
しては酢酸、シュウ酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、
リンゴ酸、クエン酸などが好ましく利用でき、これらの
中から選ばれた一種類以上の酸で分散安定化させること
が、できる。
【0024】また、塗布液の粘度を上げるために水溶性
高分子などの増粘剤等を添加することもできる。増粘剤
としては多糖類やポリビニルアルコール、ポリエチレン
オキシドなどが例示できる。塗布液中の酸化チタン量
(TiO2 )は0.2〜15重量%である。塗布液中で
の酸化チタン量がこれより多い場合は、塗布液の粘度が
高くなりすぎてハンドリング性が悪くなり、逆に少ない
場合は、塗布液の粘度が低下するため、粒子径の大きな
酸化チタンは沈降しやすくなる。塗布液の安定性を考慮
すると酸化チタン量としては2〜10重量%がより好ま
しい。
【0025】一方、本発明で使用するもう一種類の酸化
チタン粒子は、平均粒子径200nm以下でかつ比表面
積200m2 /g以上の酸化チタン徹粒子(以下、0.
4μm〜1.5μmの酸化チタン粒子と区別するため酸
化チタン微粒子という)である。これらの酸化チタン微
粒子は多孔質な膜中において、粒子同士の接触点を増加
させることにより、前述のより大きな粒子径を有する酸
化チタン粒子による多孔質構造の形成を妨げることな
く、酸化チタン薄膜全体の強度を向上させ、結果として
バインダー量が少なくても実用に耐える高強度な膜形成
の役割を果たす。また、これら酸化チタン微粒子自身も
触媒効果を示すため、前記酸化チタン粒子の触媒効果を
低下させることはほとんどない。
【0026】これらの酸化チタン微粒子は上述の様にい
わゆるバインダー効果を併せ持つ必要があることから、
粒子径が小さく、かつ比表面積が大きいことが必須であ
る。粒子径が200nm以上ではバインディング効果が
少なくなり、膜強度が低下するのでより好ましくは10
0nm以下である方がよい。また、比表面積も大きな方
が好ましく、通常200m2 /g以上必要であり、特に
膜強度を向上させたい場合は250m2 /g以上のもの
が利用される。これら酸化チタン徹粒子の結晶化度には
特にこだわらないが、粉末X線回折で全く回折ピークを
示さないようなアモルファス構造では触媒効果への寄与
が乏しいため良くない。したがって少なくとも乾燥粉の
粉末X線回折においてアナターゼ型酸化チタンの回折ピ
ーク位置にピークが確認できる程度の結晶性があること
が好ましい。
【0027】これら酸化チタン微粒子の製造方法に関し
ては特に制約されるものではないが、乾式では製造が困
難であるので、粉体の酸化チタンを分散剤又は解こう剤
の存在下で湿式で微粉砕するか、チタン塩を分解、解こ
うして得られるゾル状の酸化チタンを利用するのが適当
である。これらの酸化チタン微粒子は前記の粒子径の大
きな酸化チタン粒子と共に塗布液中に分散させる。基本
的に200nm以下の粒子径を有するコロイドレベルの
微粒子は沈殿しにくいが、塗布液中での粒子の沈降や擬
集を起こさないために独自の分散安定化剤を使用するこ
とができるし、もう一方の酸化チタン粒子に用いている
分散安定剤を共有することもできる。
【0028】分散安定剤の種類は前述の酸化チタン粒子
の分散に例示したものから選ぶことができる。混合時に
ゲル化したり、粒子が凝集したりすることを防ぐため
に、両者の安定化剤は酸性同士又はアルカリ性同士であ
る方が好ましい。肝要なことはそれぞれの粒子が塗布液
中で凝集沈殿などの変化を起こすことなく安定に存在す
ることである。塗布液中における酸化チタン微粒子量
(TiO2 )は0.05〜10重量%である。膜固形分
全量に対する酸化チタン微粒子の割合は3〜20重量
%、全酸化チタン量に対する酸化チタン微粒子の割合は
3〜25重量%であることが好ましい。酸化チタン微粒
子の割合が下限以下ではバインダー量を増加させなけれ
ば十分な密着性、膜強度が縛られず、上限以上では膜構
造の変化に伴い触媒効果が極端に減少したり、膜がひび
割れたりしやすくなる。
【0029】これらの酸化チタン粒子を強固に密着させ
るためには酸化チタン微粒子のみでは不十分で、どうし
てもバインダー成分が必要となる。本発明におけるバイ
ンダー成分として利用できるものはシリカ化合物であ
る。
【0030】シリカ化合物としては、4、3、2官能の
アルコキシシラン、およびこれらアルコキシシラン類の
縮合物、加水分解物、シリコーンワニス等が使用でき
る。3、2官能のアルコキシシランは、一般的にはシラ
ンカップリング剤と呼ばれることも多いが、本発明では
シリコン1分子に1つ以上のアルコキシ基が結合してい
る化合物をアルコキシシランと称する。具体的に例示す
ると4官能アルコキシシランとしてはテトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラ
ン、3官能のアルコキシシランとしてはメチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドプロ
ポキシトリメトキシシラン、グリシロプロピルメチルジ
エトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、
アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、2官能のアルコキ
シシランとしてはジメチルジメトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフ
ェニルジエトキシシランなどが挙げられる。縮合物とし
てはエチルシリケート40、エチルシリケート48、メ
チルシリケート51等の4官能アルコキシシランの縮合
物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0031】また加水分解物としてはアルコキシシラン
類を有機溶媒と水及び触媒を使用して加水分解させたも
のが使用できる。これらのシリカ化合物の内、特にテト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、エチルシリ
ケート40、エチルシリケート48、メチルシリケート
51及びそれらの加水分解生成物であるアルコール性シ
リカゾルは膜を強固に固定でき、かつ比較的安価である
ことから特に好適である。
【0032】アルコール性シリカゾルの製造方法は特に
限定されることはなく、塗布液内でアルコキシシランの
加水分解反応を行ってもよいし、アルコキシシランを加
水分解又は部分加水分解し、既にアルコール性シリカゾ
ルとなったものを塗布液に添加してもよい。
【0033】これらバインダー液は塗布液に混合して使
用されるが、バインダーの混合に際し、バインダー液と
水系の酸化チタン分散液を混和、安定化させるために溶
媒を使用することができる。溶媒の種類としては、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの
一価低級アルコール、エチレングリコール、プロピレン
グリコールなどの多価アルコール類及びそれらのエステ
ルであるセルソルブなどが好溶媒として利用できる。こ
れら溶媒の量は塗布液全体に対して5〜90重量%であ
る。
【0034】シリカ化合物、すなわちバインダーは、酸
化チタン含有塗布液に予め混合して貯蔵しておいてもよ
いが、バインダー成分が通常の保存方法で劣化する場合
は、使用直前に酸化チタン含有塗布液と混合し使用する
こともできる。バインダーの量は多過ぎると塗布液の安
定性を阻害するだけでなく、酸化チタンの表面を覆って
しまい触媒効果を大幅に低下させるので、比表面積50
2 /g以上の酸化チタン粒子を(A)、酸化チタン微
粒子を(B)、バインダーのシリカ混合物(SiO2
を(C)とした場合(C)/((A)+(B)+
(C))=5〜30重量%であることが好ましい。特に
触媒効果を期待する場合は5〜20重量%であるとさら
によい。塗布液中でのバインダー濃度は塗布液の粘度や
安定性に影響するのでSiO2 として0.1〜5重量%
がよい。塗布液にバインダーを添加してから長時間貯蔵
する場合にはさらに低く2.5重量%以下であることが
より好ましい。
【0035】酸化チタン含有塗布液を塗布して酸化チタ
ンの光触媒膜を形成させる方法は、前述の下地層と同
様、各種の塗布方法を選択し得る。塗布液の乾燥は通常
150℃以下で熱処理される。酸化チタン薄膜の膜厚は
厚い方が触媒効果を高められるが、3μmを超えると膜
厚の増加と触媒効果の増加が比例しなくなるのでこれ以
上の膜厚は一般的に不経済となる。また膜厚が厚いとひ
び割れの原因にもなるので実用的には0.2〜3μmが
触媒効果と経済性を両立できる膜厚である。しかし基材
の種類により異なるので、これに限定されるものではな
い。
【0036】次に、本発明に係る光触媒被覆化粧金属板
の好ましい製造方法について説明する。該製造方法は、
(イ)合成樹脂フィルム又はシート(「外側樹脂層」に
相当)の表面に下地層を施す工程、(ロ)前記下地層に
光触媒膜を形成する工程、(ハ)基材をなす金属板の表
面に、上記(イ)(ロ)で得られた合成樹脂フィルム又
はシートを積層する工程、を備える。
【0037】(イ)の工程:この工程では、好ましく
は、先ずポリエチレンテレフタレートその他の合成樹脂
フィルム又はシートの裏面に、上記内側樹脂層に接着積
層するための接着剤層を形成する。そして、前述したよ
うな方法で、合成樹脂フィルム又はシートの表面に下地
層を施す。 (ロ)の工程:(イ)で得られた下地層に、前述したよ
うな方法で、光触媒膜を形成する。 (ハ)の工程:基材をなす金属板の表面に、上記(イ)
(ロ)で得られた合成樹脂フィルム又はシートを積層す
る。この工程では、上記(イ)(ロ)で得られた合成樹
脂フィルム又はシートを金属板の表面に直接積層しても
よいし、あるいはこれに代えて、(ハ′)基材をなす金
属板の表面に内側樹脂層を形成し、該内側樹脂層に、上
記(イ)(ロ)で得られた合成樹脂フィルム又はシート
を積層するようにしてもよい。
【0038】(ハ′)の工程とする場合、前述した鋼
鈑その他の金属板の表面に、塩化ビニル樹脂その他の合
成樹脂を用いて内側樹脂層を形成する。通常、合成樹脂
フィルム又はシートをアクリル系その他適宜の接着剤を
用いてあるいは熱接着により積層するが、ゾルコートに
より施してもよい。上記内側樹脂層に、上記(イ)
(ロ)の工程で得られた合成樹脂フィルム又はシートの
接着剤層を形成した面をロール圧着等により積層し、光
触媒被覆化粧金属板を得る。なお、とは順次行って
もよいが、同時に行うこともできる。
【0039】図2にその一例を示せば、金属板1と、内
側樹脂層を形成するための合成樹脂フィルム又はシート
2と、上記(イ)(ロ)の工程で得られた合成樹脂フィ
ルム又はシート8とをそれぞれ圧着ロール11,11に
供給し、同時にこれらを積層一体化し、加熱乾燥する。
このように同時に行うことにより、効率的に製造するこ
とができる。とを同時に行う場合、圧着ロール温度
は160〜200℃程度が好ましい。加熱乾燥は温度8
0〜100℃で行うのが好ましい。さらには、乾燥熱風
風速10〜30m/秒、乾燥時間20〜180秒の条件
で行うのがよい。
【0040】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。なお、特に断らない限り%は全て重量%を示す。
【0041】<実施例1> (イ)合成樹脂フィルム又はシート(「外側樹脂層」に
相当)の表面に下地層を施す工程 三菱化学ポリエステルフィルム(株)製PETフィルム
E158C(25μm厚)の裏面に、先ずメチルエチル
ケトン(トルエン、酢酸エチル、メチルイソブチルケト
ン、イソブタノール等の有機溶剤でもよい)によって希
釈したポリエステル系とイソシアネート系樹脂が重量比
で1:1の混合下地層をコートし(約2μm厚)、さら
にその上にメチルエチルケトン(トルエン、酢酸エチ
ル、メチルイソブチルケトン、イソブタノール等の有機
溶剤でもよい)によって希釈した塩化ビニル樹脂系接着
剤をグラビアロールコーターでコートし(約2μm
厚)、接着剤層を形成した。そして、該PETフィルム
の表面には、多木化学(株)製シリコン含有アクリル樹
脂塗料「プライマーA」の下地層をグラビアロールコー
ターで形成した。ロールスピードは70m/分、塗布量
は5g/m2 、乾燥温度は100℃とした。
【0042】(ロ)前記下地層に光触媒膜を形成する工
程 次いで、下地層の上に、下記の要領で作製された酸化チ
タン含有塗布液をグラビアロールコーターでコートし、
乾燥した。ロールスピードは70m/分、塗布量は5g
/m2 、乾燥温度は100℃とした。これにより、光触
媒膜を形成した合成樹脂フィルム(外側樹脂層に相当)
を得た。
【0043】〔酸化チタン含有塗布液〕:日本アエロジ
ル(株)製酸化チタンP−25(比表面積50m2
g)に分散剤としてクエン酸を加え(酸化チタンに対し
0.1モル)、混式粉砕して得た平均粒子径0.8μm
(比表面積68m2 /g)のスラリー(A)と多木化学
(株)製酸化チタンゾルM−6(比表面積280m2
g、平均粒子径10nm)(B)、関東化学(株)製テ
トラエトキシシラン(C)をそれぞれ酸化物換算(Ti
2 、SiO2 )で(B)/((A)+(B))×10
0=10%、(C)/((A)+(B)+(C))=2
0%の比となるように混合し、水及びエタノールで希釈
し、酸化物換算(TiO2 、SiO2 )の総固形分濃度
8%、エタノール50%の酸化チタン含有塗布液を得
た。
【0044】(ハ′)基材をなす金属板の表面に内側樹
脂層を形成し、該内側樹脂層に、上記(イ)(ロ)で得
られた合成樹脂フィルム又はシートを積層する工程 亜鉛メッキ鋼鈑と、内側樹脂層を形成するための合成樹
脂フィルム又はシートとしての塩化ビニル樹脂シート
(120μm厚)と、上記(イ)(ロ)の工程で得られ
た合成樹脂フィルム又はシートとを、図2に示して説明
したように、それぞれ圧着ロール11,11に供給し、
同時にこれらを積層一体化し、加熱乾燥した。ロール温
度は200℃として加熱積層した。これにより、本発明
に係る光触媒被覆化粧金属板を得た。得られた光触媒被
覆化粧金属板を75mm×52mmの大きさに切り取
り、サンプル片とし、後述する触媒活性試験に供した。
また、上記の酸化チタン含有塗布液を75mm×52m
mのスライドガラスに塗布し、100℃で10分間乾燥
させたものをサンプル片とし、後述する膜強度試験に供
した。このときのサンプル片に塗布された塗布液の乾燥
固形分はサンプル片あたり0.003gとした。
【0045】<実施例2>光触媒膜が下記の酸化チタン
含有塗布液を塗布して乾燥することにより形成されたも
のである点を除き、実施例1と同様にして、光触媒被覆
化粧金属板を得た。また、実施例1と同様にして、触媒
活性試験及び膜強度試験に供するサンプル片を得た。
【0046】〔酸化チタン含有塗布液〕:多木化学
(株)製酸化チタンA−100(比表面積295m2
g)に分散剤としてしゅう酸を加え(酸化チタンに対し
0.2モル)、混式粉砕して得た平均粒子径0.6μm
(比表面積300m2 /g)のスラリー(A)と同法に
より得た平均粒子径150nm比表面積325m2 /g
のゾル(B)、信越化学工業(株)製テトラメトキシシ
ラン(C)をそれぞれ酸化物換算で(B)/((A)+
(B))×100=6%、(C)/((A)+(B)+
(C))=20%の比となるように混合し、水及びイソ
プロピルアルコールで希釈し、酸化物換算の総固形分濃
度10%、イソプロピルアルコール35%の塗布液を得
た。
【0047】<実施例3>光触媒膜が下記の酸化チタン
含有塗布液を塗布して乾燥することにより形成されたも
のである点を除き、実施例1と同様にして、光触媒被覆
化粧金属板を得た。また、実施例1と同様にして、触媒
活性試験及び膜強度試験に供するサンプル片を得た。
【0048】〔酸化チタン含有塗布液〕:多木化学
(株)製酸化チタンゾルA−6を105℃で乾燥させた
後、これに分散剤としてリンゴ酸を加え(酸化チタンに
対し0.1モル)、混式粉砕して得たスラリー(平均粒
子径0.65μm、比表面積140m2 /g)(A)と
実施例2で用いたゾル(B)、多摩化学(株)製シリケ
ート40(C)をそれぞれ酸化物換算で(B)/
((A)+(B))×100=18%、(C)/
((A)+(B)+(C))=15%の比となるように
混合し、水及びエタノールで希釈し、酸化物換算の総固
形分濃度5%、エタノール40%の塗布液を得た。
【0049】<比較例1>実施例1の多木化学(株)製
酸化チタンゾルM−6(B)の固形分(TiO2)全量
を、日本アエロジル(株)製酸化チタンP−25の混式
粉砕スラリー(A)の固形分(TiO2 )に置き換え、
酸化チタン成分を一種類にした点を除き、実施例1と同
様にして、光触媒被覆化粧金属板を得た。また、実施例
1と同様にして、触媒活性試験及び膜強度試験に供する
サンプル片を得た。
【0050】<比較例2>実施例1の多木化学(株)製
酸化チタンゾルM−6(B)の固形分(TiO2)全量
を、日本アエロジル(株)製酸化チタンP−25の湿式
粉砕スラリー(A)の固形分(TiO2 )に置き換え、
さらにテトラエトキシシラン(C)(SiO2 )量を
(C)/((A)+(C))=35%となるように混合
した点を除き、実施例1と同様にして、光触媒被覆化粧
金属板を得た。また、実施例1と同様にして、触媒活性
試験及び膜強度試験に供するサンプル片を得た。
【0051】<比較例3>実施例1のテトラエトキシシ
ラン(C)量(SiO2 )を(C)/((A)+(B)
+(C))=50%となるように混合した点を除き、実
施例1と同様にして、光触媒被覆化粧金属板を得た。ま
た、実施例1と同様にして、触媒活性試験及び膜強度試
験に供するサンプル片を得た。
【0052】<比較例4>実施例1の多木化学(株)製
酸化チタンゾルM−6(B)の固形分(TiO2)を増
加させ(B)/((A)+(B))×100=30%と
した点を除き、実施例1と同様にして、光触媒被覆化粧
金属板を得た。また、実施例1と同様にして、触媒活性
試験及び膜強度試験に供するサンプル片を得た。
【0053】(触媒活性試験)上記実施例、比較例で作
成した光触媒被覆化粧金属板のサンプル片1枚を、容積
1.9Lのパイレックス(登録商標)ガラス製セパラブ
ルフラスコに設置し、アセトアルデヒドガスをボンベか
ら導入して容器内を100ppmとし、密閉した。この
後フラスコ外部より、市販のFLブラックライトを、試
料表面の紫外線強度が1mW/cm2 となるようにして
120分間照射し、残存するアセトアルデヒド濃度を検
知管で測定した。触媒効果は初期アルデヒド濃度に対す
る分解消失したアセトアルデヒド濃度の百分率で表し
た。その結果を表1に示す。
【0054】(膜強度試験)上記実施例、比較例で作成
したガラスのサンプル片に1kg/cm2 の加重をかけ
た市販のプラスチック消しゴムによる反復スクラッチに
より評価し、200回のスクラッチで膜が消失していな
いものをAA、100〜200回のスクラッチで膜が消
失したものをA、50〜100回で膜が消失したものを
B、50回未満で膜が消失したものをCとした。その結
果を表1に示す。
【0055】
【0056】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は上記説明したものに限定されず、本発明の要旨
の範囲で適宜変更、付加等して実施し得るものである。
【0057】
【発明の効果】本発明に係る光触媒被覆化粧金属板は、
基材をなす金属板の表面に合成樹脂層を介して光触媒膜
が形成され、かつ光触媒膜が所定の二種類の酸化チタン
が所定の割合で混在して構成され、高い触媒活性と実用
的な膜強度を有する。また、本発明に係る光媒被覆化粧
金属板の製造方法によれば、そのような光媒被覆化粧金
属板を効率的に製造することができ、既存の化粧金属板
の生産設備をそのまま有効に活用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光媒被覆化粧金属板の一実施の形態を模式的に
示す断面図である。
【図2】光触媒被覆化粧金属板の製造方法を例示する説
明図である。
【符号の説明】
1 金属板 2 内側樹脂層 3a,3b 接着剤層 4 外側樹脂層 5 下地層 6 光触媒膜
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 9/00 B32B 9/00 A Fターム(参考) 4D075 BB24Z CA02 CA13 CA34 CA45 DA04 DA06 DB02 DB04 DB05 DB07 DB38 DB43 DB48 DB54 DC01 DC10 DC18 DC31 EA12 EB19 EB37 EB43 EC02 EC53 EC54 4F100 AA20C AA21C AB01A AB03A AB18A AK01B AK01E AK15G AK25D AK25G AK41B AK41G AK51G AK52C AK52D AL05G AL07D AL08D BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C CB00 CC00C DE01C EH46C EH71A GB07 GB08 GB48 JL08C 4G069 AA03 AA08 BA02A BA02B BA04A BA04B BA17 BA48A CD10 DA06 EA08 EB18X EB18Y EC02X EC02Y EC03X EC03Y EC04X EC05X ED04 FA04 FB23 FC08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材をなす金属板の表面に合成樹脂層を
    介して光触媒膜を形成してなり、 前記光触媒膜は、平均粒子径0.4〜1.5μm、比表
    面積50m2 /g以上の酸化チタン粒子(A)0.2〜
    15重量%と、 平均粒子径200nm以下、比表面積200m2 /g以
    上の酸化チタン粒子(B)0.05〜10重量%と、 シリカ化合物(SiO2 として)(C)0.1〜5重量
    %を含有し、 かつ(B)/((A)+(B))×100=3〜25重
    量%、(C)/((A)+(B)+(C))=5〜30
    重量%である酸化チタン含有塗布液を塗布して乾燥する
    ことにより形成された、光触媒被覆化粧金属板。
  2. 【請求項2】 前記シリカ化合物は、アルコキシシラン
    又はその縮合物、加水分解物である請求項1に記載の光
    触媒被覆化粧金属板。
  3. 【請求項3】 前記合成樹脂層と光触媒膜との間に下地
    層を有する請求項1又は2に記載の光触媒被覆化粧金属
    板。
  4. 【請求項4】 前記下地層は、アクリル樹脂、アクリル
    変性シリコン樹脂化合物又はシリコン変性アクリル樹脂
    化合物を主要成分とする請求項3に記載の光触媒被覆化
    粧金属板。
  5. 【請求項5】 前記合成樹脂層は、少なくとも、基材を
    なす金属板に積層される内側樹脂層と、外側樹脂層とを
    有する、請求項1〜4のいずれかに記載の光触媒被覆化
    粧金属板。
  6. 【請求項6】 (イ)合成樹脂フィルム又はシートの表
    面に下地層を施す工程、(ロ)前記下地層に光触媒膜を
    形成する工程、(ハ)基材をなす金属板の表面に、上記
    (イ)(ロ)で得られた合成樹脂フィルム又はシートを
    積層する工程、を備えた光触媒被覆化粧金属板の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記(ハ)の工程に代えて、(ハ′)基
    材をなす金属板の表面に内側樹脂層を形成し、該内側樹
    脂層に、上記(イ)(ロ)で得られた合成樹脂フィルム
    又はシートを積層する工程、を備えた請求項6に記載の
    光触媒被覆化粧金属板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記光触媒膜は、平均粒子径0.4〜
    1.5μm、比表面積50m2 /g以上の酸化チタン粒
    子(A)0.2〜15重量%と、 平均粒子径200nm以下、比表面積200m2 /g以
    上の酸化チタン粒子(B)0.05〜10重量%と、 シリカ化合物(SiO2 として)(C)0.1〜5重量
    %を含有し、 かつ(B)/((A)+(B))×100=3〜25重
    量%、(C)/((A)+(B)+(C))=5〜30
    重量%である酸化チタン含有塗布液を塗布して乾燥する
    ことにより形成される、請求項6又は7に記載の光触媒
    被覆化粧金属板の製造方法。
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