JP2006282773A - シランカップリング剤を含有する印刷インキ組成物、さらにそれを用いてなるプラスチックシート被覆物とそのラミネート積層物 - Google Patents
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Abstract
【構成】特定式で表されるシラン化合物を含有し、かつ少なくとも1種類以上の無機顔料を含有することを特徴とする溶剤型印刷インキ組成物。
【効果】従来のインキと比較して優れた残肉インキ安定性および印刷適性を示し、かつ優れたラミネート強度を示すラミネート積層物得ることができる。
Description
<化1>
(R1-O)nSi-R2 4-n
nは1〜4の整数
R1は炭素数3以下のアルキル基、
R2はアルキル基、フェニル基、シクロヘキシル基、ビニル基、グリシドアルキル基、アクリロキシアルキル基、メタクリロキシアルキル基を示す。
また、本発明は、インキ組成物全量に対して、<化1>で示される化合物の含有量が0.1〜10.0重量%である上記溶剤型印刷インキ組成物に関する。
また、本発明は、<化1>がn−ヘキシルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの少なくとも1つである上記溶剤型印刷インキ組成物に関する。
さらに本発明は、上記溶剤型印刷インキ組成物からなるプラスチックシート被覆物に関する。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の部および%は、重量部および重量%を表わす。 なお、水酸基は、樹脂1g中に含有する水酸基を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数で、JIS K0070に従って行った値である。アミン価は、樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要とする塩酸の当量と同量の水酸化カリウムのmg数である。アミン価の測定方法については、後述の通り行なった。分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装置を用いて分子量分布を測定し、ポリスチレン換算分子量として求めた。アミン価の測定方法は、下記の通りである。
[アミン価の測定方法]
試料を0.5〜2g精秤する。(試料量:Sg)精秤した試料に中性エタノール(BDG中性)30mLを加え溶解させる。得られた溶液を0.2mol/Lエタノール性塩酸溶液(力価:f)で滴定を行なう。溶液の色が緑から黄に変化した点を終点とし、この時の滴定量(AmL)を用い次の(式1)によりアミン価を求めた。
(式1) アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S
粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定した。
アジピン酸とプロピレングリコールから得られる数平均分子量2000のポリエステルジオール(PPA2000)191.2部、イソホロンジイソシアネート42.5部および酢酸エチル250.0部を窒素気流下に85℃で4時間反応させ、末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液483.7部を得た。次いでイソホロンジアミン16.3部、ジ−n−ブチルアミン7.4部、酢酸エチル250.0部およびイソプロピルアルコール250.0部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液483.7部を室温で徐々に添加し、次に50℃で1時間反応させ、固形分25%、重量平均分子量55000、アミン価2.0 mgKOH/樹脂1g、水酸基価 0.2mgKOH/樹脂1g、25℃における粘度200mPa・sのポリウレタン樹脂溶液Aを得た。
チタニックスJR−805(テイカ社製)30部、合成例1で得たポリウレタン樹脂ワニスA10部、KBM−3063(信越シリコーン社製:n−ヘキシルトリメトキシシラン)1部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比1/1)10部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂ワニス40部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤9部を混合し印刷インキ(A)を得た。
チタニックスJR−805(テイカ社製)30部、合成例1で得たポリウレタン樹脂ワニスA10部、TSL8173(GE東芝シリコーン社製:フェニルトリメトキシシラン)0.96部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比1/1)10部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂ワニス40部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤9.04部を混合し印刷インキ(B)を得た。このときのTSL8173量は、実施例1におけるKBM−3063:1部と同じMol数とした。
チタニックスJR−805(テイカ社製)30部、合成例1で得たポリウレタン樹脂ワニスA10部、KBM−1003(信越シリコーン社製:ビニルトリメトキシシラン)0.72部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比1/1)10部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂ワニス40部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤9.28部を混合し印刷インキ(C)を得た。このときのKBM−1003量は、実施例1におけるKBM−3063:1部と同じMol数とした。
チタニックスJR−805(テイカ社製)30部、合成例1で得たポリウレタン樹脂ワニスA10部、KBM−403(信越シリコーン社製:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)1.15部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比1/1)10部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂ワニス40部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤8.85部を混合し印刷インキ(D)を得た。このときのKBM−403量は、実施例1におけるKBM−3063:1部と同じMol数とした。
チタニックスJR−805(テイカ社製)30部、合成例1で得たポリウレタン樹脂ワニスA10部、KBM−5103(信越シリコーン社製:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン)1.14部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比1/1)10部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂ワニス40部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤8.86部を混合し印刷インキ(E)を得た。このときのKBM−5103量は、実施例1におけるKBM−3063:1部と同じMol数とした。
チタニックスJR−805(テイカ社製)30部、合成例1で得たポリウレタン樹脂ワニスA10部、KBM−503(信越シリコーン社製:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)1.20部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比1/1)10部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂ワニス40部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤8.80部を混合し印刷インキ(F)を得た。このときのKBM−503量は、実施例1におけるKBM−3063:1部と同じMol数とした。
チタニックスJR−805(テイカ社製)30部、合成例1で得たポリウレタン樹脂ワニスA10部、KBM−3063(信越シリコーン社製:n−ヘキシルトリメトキシシラン)0.01部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比1/1)10部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂ワニス40部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤9.99部を混合し印刷インキ(G)を得た。
チタニックスJR−805(テイカ社製)30部、合成例1で得たポリウレタン樹脂ワニスA10部、KBM−3063(信越シリコーン社製:n−ヘキシルトリメトキシシラン)5部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比1/1)10部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂ワニス40部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤5部を混合し印刷インキ(H)を得た。
チタニックスJR−805(テイカ社製)30部、合成例1で得たポリウレタン樹脂ワニスA10部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比1/1)10部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂ワニス40部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤10部を混合し印刷インキ(I)を得た。
チタニックスJR−805(テイカ社製)30部、合成例1で得たポリウレタン樹脂ワニスA10部、KBM−903(信越シリコーン社製:3−アミノプロピルトリメトキシシラン)0・87部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比1/1)10部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂ワニス40部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤9.13部を混合し印刷インキ(J)を得た。このときのKBM−903量は、実施例1におけるKBM−3063:1部と同じMol数とした。
チタニックスJR−805(テイカ社製)30部、合成例1で得たポリウレタン樹脂ワニスA10部、TSL8113(GE東芝シリコーン社製:メチルトリメトキシシラン)0.66部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比1/1)10部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂ワニス40部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤8.34部を混合し印刷インキ(K)を得た。このときのTSL8113量は、実施例1におけるKBM−3063:1部と同じMol数とした。
チタニックスJR−805(テイカ社製)30部、合成例1で得たポリウレタン樹脂ワニスA10部、Disperbyk−111(ビックケミー・ジャパン社製:溶剤型湿潤分散剤)1部(←顔料に対する標準添加量1−3%)、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤(重量比1/1)10部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、ポリウレタン樹脂ワニス40部、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール混合溶剤9部を混合し印刷インキ(L)を得た。
実施例1−8および比較例1−4で得られた印刷インキ(A)〜(L)は、印刷時の粘度に調整するため、メチルエチルケトン40%、イソプロピルアルコール30%、酢酸n−プロピル20%、酢酸エチル10%からなる混合溶剤を用いて、25℃においてザーンカップNo.3で測定した粘度が15秒となるようにそれぞれ希釈し、さらに硬化剤LPスーパー硬化剤(東洋インキ製造社製)を印刷インキに対して3%添加し、希釈印刷インキ(A’)〜(L’)を得た。
残肉印刷インキ(A”)〜(L”)をそれぞれガラス壜に量り取り、40℃の恒温室で1週間静置した後に、状態を観察した。
○:分離、沈殿なく良好。
○△:○と△の中間。
△:やや分離、沈殿あり。
△×:△と×の中間。
×:分離大、状態不良
残肉印刷インキ(A”)〜(L”)を、先述のメチルエチルケトン40%、イソプロピルアルコール30%、酢酸n−プロピル20%、酢酸エチル10%からなる混合溶剤で、25℃においてザーンカップNo.3で測定した粘度が15秒となるように再びそれぞれ希釈し、版深35〜10μmのグラビアグラデーション版を備えたグラビア印刷機により、印刷速度150m/分、乾燥機温度50℃にて、厚さ12μmのコロナ放電処理ポリエチレンテレクタレートフィルム「E5100」(東洋紡績社製)のコロナ放電処理面に印刷し、30分後の版面状態を観察し評価した。
○:非画像部にインキの転移が全く認められなかった。
○△:非画像部にインキの転移が僅かに認められた。
△:非画像部の小面積にインキの転移が認められた。
△×:非画像部の大面積にインキの転移が認められた。
×:非画像部全面にインキの転移が認められた。
希釈印刷インキ(A’)〜(L’)を版深35μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機により、印刷速度150m/分、乾燥機温度50℃にて、厚さ12μmのコロナ放電処理ポリエチレンテレクタレートフィルム「E5100」(東洋紡績社製)のコロナ放電処理面に印刷し、印刷面にアンカーコート剤として濃度1%に希釈したエコアドEL451(東洋モートン社製:ブタジエン系接着剤)を塗工後、溶融したノバテックLDLC500(日本ポリエチレン社製:押出しラミネート用途低密度ポリエチレン)をエクストルージョンラミネート加工し、ラミネート積層物を得た。得られたラミネート積層物の剥離強度を、2日放置後、15mm幅に切断しT型剥離強度(g/15mm巾)を測定した。
希釈印刷インキ(A’)〜(L’)を版深35μmのグラビア版を備えたグラビア印刷機により、印刷速度150m/分、乾燥機温度50℃にて、厚さ12μmのコロナ放電処理ポリエチレンテレクタレートフィルム「E5100」(東洋紡績社製)のコロナ放電処理面に印刷し、印刷物の印刷面と同じ大きさに切った「E5100」の非処理面とを重ね合わせて、10kg/cm2の荷重をかけ、40℃80%RHの雰囲気下で24時間放置後、印刷面と「E5100」の非処理面を引き剥がし、インキの剥離の程度から耐ブロッキング性を評価した。
5:インキが全く剥離しなかったもの。
4:インキがフィルムから剥離した面積が20〜30%のもの。
3:インキがフィルムから剥離した面積が50%を超えるもの。
2:インキがフィルムから剥離した面積が70〜80%のもの。
1:インキがフィルムから全て剥離したもの。
印刷物0.2m2を500mlの三角フラスコに入れ栓をし、80℃で30分加熱して印刷物中の残留溶剤を三角フラスコ中に揮発させ、ガスクロマトグラフィーにて計測し、残留溶剤量とした。
Claims (6)
- <化1>で示される化合物を含有し、かつ少なくとも1種類以上の白色系無機顔料を含有することを特徴とする溶剤型印刷インキ組成物。
<化1>
(R1-O)nSi-R2 4-n
nは1〜4の整数
R1は炭素数3以下のアルキル基、
R2はアルキル基、フェニル基、シクロヘキシル基、ビニル基、グリシドアルキル基、アクリロキシアルキル基、メタクリロキシアルキル基を示す。 - インキ組成物全量に対して、<化1>で示される化合物の含有量が0.1〜10.0重量%である請求項1記載の溶剤型印刷インキ組成物。
- <化1>がn−ヘキシルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの少なくとも1つである請求項1または2記載の溶剤型印刷インキ組成物。
- 無機顔料のうち酸化チタンが80%以上を占めることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の溶剤型印刷インキ組成物。
- 請求項1〜4いずれか記載の溶剤型印刷インキ組成物からなるプラスチックシート被覆物。
- 請求項1〜4いずれか記載の溶剤型印刷インキ組成物からなるラミネート積層物。
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