JP7361565B2 - リキッド印刷インキ、印刷物、及び包装材料 - Google Patents
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Description
また、特殊用途としては、シップ薬の薬剤に接触するセパレートフィルムシート用途として、耐サリチル酸メチル性も求められる。
また、フィルム基材や紙への印刷に於いて表刷り、裏刷りのいずれの場合も、インキの印刷面にラミネート加工を施す場合がある。フィルム基材としてはOPPフィルム、PETフィルム、ナイロンフィルム、ポリエチレンなどが使用され、紙基材としては耐酸紙、コート紙やポリエチレンコート紙などが基材として使用され、これら基材との密着性、基材表面に接着剤を塗布した後、乾燥装置内で溶剤を蒸発させ第2基材と熱圧着するドライラミネート強度や、熱可塑性樹脂を溶融してフィルム状に押し出したものを基材にラミネートする押し出しラミネート強度を兼備することが求められる。
更に、これらリキッド印刷インキはイソシアネート系硬化剤を併用する場合があるが、イソシアネート系硬化剤をインキ製造時に予め添加する場合と、印刷時にイソシアネート系硬化剤を添加、混合して使用してする、所謂2液型の両方の場合を想定する必要がある。
が得られる。
本発明においてリキッド印刷インキとは、グラビアインキまたはフレキソインキ等の、印刷版を使用する印刷方法に適用されるリキッド状のインキを指し、好ましくはグラビアインキまたはフレキソインキである。また本発明のリキッド印刷インキは活性エネルギー硬化性の成分を含んでおらず、即ち活性エネルギー線非反応性のリキッドインキである。
なお以下の説明で用いる「インキ」とは全て「印刷インキ」を示す。また「部」とは全て「質量部」を示し、「インキ全量」とは、有機溶剤等の揮発性成分をすべて含んだインキの全量を示し、「インキ固形分全量」とは、揮発性成分を含まない、不揮発性成分のみの全量を示す。
中でも、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂が好ましく、これらを単独でも、複数併用してもよい。
ポリウレタン樹脂としては、ポリオールとポリイソシアネートを反応させて得たポリウレタン樹脂であれば特に限定されない。ポリオールとしては例えば、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知のポリオールを用いることができ、1種または2種以上を併用してもよい。例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2ブチル-1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3-メチル-1,5ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4-ブチンジオール、1,4―ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,4-ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトールなどの飽和または不飽和の低分子ポリオール類(1)、これらの低分子ポリオール類(1)と、セバシン酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸あるいはこれらの無水物とを脱水縮合または重合させて得られるポリエステルポリオール類(2);環状エステル化合物、例えばポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β-メチル-γ-バレロラクトン)等のラクトン類、を開環重合して得られるポリエステルポリオール類(3);前記低分子ポリオール類(1)などと、例えばジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等との反応によって得られるポリカーボネートポリオール類(4);ポリブタジエングリコール類(5);ビスフェノールAに酸化エチレンまたは酸化プロピレンを付加して得られるグリコール類(6);1分子中に1個以上のヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロプル、アクリルヒドロキシブチル等、或いはこれらの対応するメタクリル酸誘導体等と、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルとを共重合することによって得られるアクリルポリオール(7)などが挙げられる。
また、反応停止を目的とした末端封鎖剤として、一価の活性水素化合物を用いることもできる。かかる化合物としてはたとえば、ジ-n-ブチルアミン等のジアルキルアミン類やエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類があげられる。更に、特にポリウレタン樹脂中にカルボキシル基を導入したいときには、グリシン、L-アラニン等のアミノ酸を反応停止剤として用いることができる。これらの末端封鎖剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
また、ポリウレタン樹脂の添加量としては、インキ全量に対し0.15~40質量%であることが好ましく、さらに好ましくは1.0~35質量%である。
アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする重合性モノマーが共重合したものであれば特段限定されない。重合性モノマーとしては例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、iso-オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、iso-ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。重合法も特に限定なく公知の塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合法等で得たものを使用することができる。
アクリル樹脂の重量平均分子量は5,000~100,000であることが好ましく、より好ましくは10,000~50,000の範囲である。
また、アクリル樹脂の添加量としては、インキ全量に対し0.15~40質量%であることが好ましく、さらに好ましくは1.0~35質量%である。
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂としては、塩化ビニルと酢酸ビニルが共重合したものであれば、特段限定されない。分子量としては重量平均分子量で5,000~100,000のものが好ましく、10,000~70,000が更に好ましい。塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂の固形分100質量%中、酢酸ビニルモノマー由来の構造は1~30質量%が好ましく、塩化ビニルモノマー由来の構造は70~95質量%であることが好ましい。この場合有機溶剤への溶解性が向上、更に基材への密着性、被膜物性、耐擦傷性等が良好となる。
また有機溶剤への溶解性の観点からビニルアルコール構造由来の水酸基を含むものも好ましい。水酸基価としては20~200mgKOH/gであることが好ましい。また、ガラス転移温度は50℃~90℃であることが好ましい。
また塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂の添加量としては、インキ全量に対し0.15~40質量%であることが好ましく、さらに好ましくは1.0~35質量%である。
本発明のリキッド印刷インキで使用する有機溶剤としては、特に制限はないが、たとえばトルエン、キシレン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#150等の芳香族炭化水素系有機溶剤、ヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系の各種有機溶剤が挙げられる。また水混和性有機溶剤としてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、シクロハキサノン等のケトン系、エチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、エチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル等のグリコールエーテル系の各種有機溶剤が挙げられる。これらを単独または2種以上を混合しても用いることができる。
中でもポリウレタン樹脂、硝化綿への溶解性の観点から、イソプロピルアルコール/酢酸エチル/メトキシプロパノールの混合液がより好ましい。また、乾燥調整のためにインキ全量の10質量%未満であればグリコールエーテル類を添加する事も出来る。
本発明は、硬化剤として一般式(1)で表されるイソシアネート化合物を含有することが特徴である。
一般式(1)で表されるイソシアネート化合物の添加量としては、硬化効率の観点からリキッド印刷インキ固形分に対し0.3質量%~10.0質量%の範囲が好ましく、1.0質量%~7.0質量%であればより好ましい。
0.3質量%以上であれば、グラビア印刷において表刷り収縮フィルムにおけるフィルム密着性や耐収縮割れ性が保持する傾向にあり、表刷り・裏刷りで共通の耐油性、耐サリチル酸メチル性や、押し出しラミネート強度、ドライラミネート強度を保持できる傾向となる。
また、10.0質量%以下であれば、表刷り・裏刷りで共通のインキの粘度安定性、ハイライト転移性、版カブリ性を保持できる傾向となる。
前記版カブリ性とは、グラビア印刷時の不具合である、画線部以外の箇所にドクターでインキが掻ききれない部分が「カブリ」となって印刷物に転移し汚れとなる「版かぶりの現象」を言う。
尚、一般式(1)で表されるイソシアネート化合物による硬化剤の中でも、p=0のものが好ましく、市販品としてはVencoreX Chemicals社のTolonate X FLO 100が挙げられる。一般式(1)で表されるイソシアネート化合物は、インキ製造時に予め添加しても良いし、印刷時に添加、混合して使用してする所謂2液型として使用してもよい。Tolonate X FLO 100はバイオマス由来成分を含有しており、その使用は近年課題となっている二酸化炭素ガスの排出削減にも有効である。
本発明のリキッド印刷インキとしては、着色剤を含まないインキの濃度調整用ニス及びオーバープリントニスとして使用することもできるし、着色剤を含む美粧性等を付与する目的でデザイン印刷等に用いる着色剤を含むインキとして使用することもできる。
着色剤としては顔料が好ましく、一般のインキ、塗料、及び記録剤などに使用されている無機顔料、有機顔料を挙げることができる。有機顔料としては、溶性アゾ系、不溶性アゾ系、アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラキノン系、アンサンスロン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリミジン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、フラバンスロン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、インダンスロン系、カーボンブラック系などの顔料が挙げられる。また、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。また未酸性処理顔料、酸性処理顔料のいずれも使用することができる。以下に有機顔料として好ましいものの具体的な例を挙げる。
藍色顔料としてC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、
緑色顔料としてC.I.ピグメントグリーン7、
赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド166、
紫色顔料としてC.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット37、
黄色顔料としてC.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー139、
橙色顔料としてC.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ64、
等が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも一種または二種以上を使用することが好ましい。
インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
インキの粘度は、使用される原材料の種類や量、バインダー樹脂、顔料、有機溶剤などを適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
即ち、インクジェットインキの場合、ノズルから吐出したインク滴が、直接基材に密着し印刷物を形成するのに対し、本発明のリキッド印刷インキは、印刷インキを一旦印刷版又は印刷パターンに密着・転写した後、インキのみを再度基材に密着させ、必要に応じて乾燥させ印刷物とするものである。
本発明のリキッド印刷インキを用いてグラビア印刷方式やフレキソ印刷方式から形成される印刷インキの膜厚は、例えば10μm以下、好ましくは5μm以下である。
基材フィルムの印刷面には、コロナ放電処理がされていることが好ましく、アルミ、シリカ、アルミナ等が蒸着されていてもよい。
なお、本発明におけるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)の測定は東ソー(株)社製HLC8420システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー(株)製TSKgel SuperHZ1000~4000の4本を使用。
カラム温度:40℃。移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン。
流速:0.35ml/分。試料濃度:0.3質量%。
試料注入量:10μL(試料濃度0.3質量%のテトラヒドロフラン溶液) 検出器:示差屈折計。
粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定した。
また、アミン価は、ポリウレタン樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要となる塩酸の当量と同量の水酸化カリウム(KOH)のmg数を示すものである。その測定方法としては、試料量Pグラム精秤した試料に中性エタノール30mLを添加・溶解させた後、得られた溶液を0.2mol/Lエタノール性塩酸溶液(力価f)で滴定を行う。溶液の色が緑から黄色に変化した時点を終点とみなし、この時の滴定量(HmL)を用いて次の(式1)によりアミン価を求めた。
尚、前記試料とは、各合成例で得られるポリウレタン樹脂溶液を指し、固形分質量換算30%にて算出する。
アミン価=(H×f×0.2×56.108)/P/0.3〔mgKOH/g〕式(1)
撹拌機、温度計、ジムロ-ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた1リットルの四ツ口フラスコに、アジピン酸と3-メチル-1,5-ペンタンジオールから得られる数平均分子量5100のポリエステルポリオール264.20部を仕込み、窒素ガスを流し、撹拌しながら50℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート28.01部を加え、イソシアネート基の残存率であるNCO%が1.99%に達する迄90℃で反応させた。冷却後、酢酸n-プロピル157.34部を加え、末端にイソシアネート基を有したウレタンプレポリマー溶液(B2)を得た。
続いて、撹拌機、温度計、ジムロート型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた、1リットルの四ツ口フラスコに、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン10.96部、モノエタノールアミン1.37部、酢酸n-プロピル411.00部、n-プロピルアルコール142.00部、ウレタンプレポリマー溶液(B2)449.55部を加え、45℃で4時間反応させて、固形分30%、重量平均分子量48,000、アミン価1.5(mgKOH/g)のポリウレタン樹脂溶液Puを得た。
固形アクリル樹脂(三菱ケミカル(株)製ダイヤナールBR-90)を酢酸エチルにて攪拌溶解して30%溶液とし、これをアクリル系樹脂溶液Acとした。
水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(樹脂モノマー組成が質量%で塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール=92/3/5、水酸基価(mgKOH)=64)を酢酸エチルで25%溶液とし、これを塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂溶液Evとした。
得られたポリウレタン樹脂溶液Puの固形分を8部、フタロシアニン系青色顔料10部(DIC(株)製FASTGEN Blue LA5380 B15:3)、一般式(1)においてp=0であるイソシアネート化合物としてVencoreX Chemicals社のTolonate X FLO 100を0.06部(インキ固形分に対し0.33質量%)、酢酸エチル66.9部、イソプロピルアルコール10部、メトキシプロパノール5部の混合物(計100部)を練肉し、青色リキッド印刷インキを作製した。
実施例2~28、比較例1~20の青色リキッド印刷インキ、白色リキッド印刷インキについて、表1~6の配合に従い、各々バインダー樹脂に対してVencoreX Chemicals社のTolonate X FLO 100を所定量添加し、実施例1と同様にリキッド印刷インキを作製した。
白インキについては、FASTGEN Blue LA538010部の代わりに、酸化チタンR-830(石原産業株式会社製)20部を使用し白色リキッド印刷インキを作製した。有機溶剤については酢酸エチルの添加量にて適宜調整した。
得られた青色リキッド印刷インキ、又は白色リキッド印刷インキを各々ガラス瓶に採取し、60℃で20日間保存を行ない、その後、離合社製ザーンカップ#4を用いて保存前と保存後の粘度変化を次の5段階にて評価した。
(評価基準)
5:粘度差が2秒未満で、粘度変化がほとんど無い。
4:粘度差が2秒以上5秒未満であり、粘度変化が僅かに見られる。
3:粘度差が5秒以上10秒未満であり、粘度変化がやや多い。
2:粘度差が10秒以上15秒未満であり、粘度変化が多い。
1:粘度差が15秒以上であり、粘度変化が非常に多い。
得られたリキッド藍インキ、又はリキッド白インキの粘度を酢酸エチル/イソプロピルアルコール=50/50(質量比)の混合溶剤でザーンカップ#3(離合社製)で16秒(25℃)に調整し、版深35μmグラビア版を備えたグラビア校正機により、片面にコロナ処理を施した二軸延伸ポリエステルフィルムU(以下、PETフィルム、東洋紡績株式会社製 E-5100 厚さ12μm)、二軸延伸ポリプロピレンフィルムV(以下、OPPフィルム、東洋紡績株式会社製 P2161 厚さ20μm)についてはコロナ処理面側に印刷し、45℃で乾燥し印刷物を得た。
また収縮フィルムについては収縮PETフィルム(東洋紡績株式会社製スペースクリーンS7042 厚さ40μm)を用いコロナ処理面にグラビア印刷し40℃で乾燥して印刷物を得た。
得られた印刷物について、耐油性、耐サリチル酸メチル性、耐ブロッキング性、ハイライト転移点、及び版カブリ性について下記の試験方法に従って評価を行った。
各フィルム印刷物の印刷面を学振型耐摩擦試験機を用いて、食用サラダ油:バターを1:1でしみ込ませたあて布で200gの荷重下100回摩擦し、印刷面の変化から耐油性を評価した。あて布の着色程度は、青インキの青色、又は白インキの白色で評価した。
(評価基準)
5:印刷面、あて布ともに変化なし。
4:印刷面に変化はないが、あて布が着色する。
3:印刷面に筋状の傷が認められる。
2:印刷面に太く筋状の傷が認められる。
1:印刷面に面状の傷が認められる。
各フィルム印刷物の印刷面を学振型耐摩擦試験機を用いて、サリチル酸メチルを0.2gをしみ込ませたあて布で200gの荷重下100回摩擦し、印刷面の変化から耐油性を評価した。あて布の着色程度は、青インキの青色、又は白インキの白色で評価した。
(評価基準)
5:印刷面、あて布ともに変化なし。
4:印刷面に変化はないが、あて布が着色する。
3:印刷面に筋状の傷が認められる。
2:印刷面に太く筋状の傷が認められる。
1:印刷面に面状の傷が認められる。
各フィルム印刷物の印刷面と非印刷面が接触するようにフィルムを重ね合わせ、10kgf/cm2の加重をかけ、40℃の環境下に12時間経時させ、取り出し後、非印刷面へのインキの転移の状態を、次の5段階で目視評価した。3以上であれば使用可能とした。
(評価基準)
5:非印刷面へのインキの転移量0%で転移が見られない。
4:5%未満の僅かな転移が見られる。
3:5%以上~10%未満の転移が見られる。
2:10%以上~20%未満の転移が見られる。
1:20%以上が転移している。
カスレ試験にて、フィルム印刷物の製造方法に記載の版深35μmグラビア版を備えたグラビア校正機の版円周600mmφを使用し、200m/minの印刷速度した際のハイライト印刷部分(網点面積10%未満)におけるカスレの面積の割合でハイライト転移性と、非印刷部の汚れ具合で版カブリ性を目視評価した。
(評価基準)
5:カスレが全くなく、非印刷部の汚れもない。
4:カスレが少し見られる 、若しくは非印刷部に汚れが少しみられる。
3:カスレが少し見られ 、且つ非印刷部に汚れが少し見られる。
2:カスレが見られ 、且つ非印刷部に汚れが見られる。
1:カスレが多く見られ、且つ非印刷部にも汚れが多く見られる。
前記フィルム印刷物の製造方法で得られた印刷物を25℃にて1日放置後、印刷面にセロハンテープ(ニチバン製12mm幅)を貼り付け、これを急速に剥がしたときの印刷皮膜の外観の状態を次の5段階で目視判定した。
5:印刷皮膜が全く剥がれなかった。
4:印刷皮膜の70%以上~90%未満がフィルムに残った。
3:印刷皮膜の50%以上~70%未満がフィルムに残った。
2:印刷皮膜の30%以上~50%未満がフィルムに残った。
1:印刷皮膜が30%未満しか残らなかった。
前記フィルム印刷物にイソシアネート系のアンカーコート剤を使用し、押し出しラミネート機によって溶融ポリエチレンを積層させた。その後40℃で5日間エージングを施し押し出しラミネート物を得た。
得られたラミネート物を15mm幅に切り出し、引っ張り速度300mm/分で90度の剥離試験を行った。
(評価基準)
5:ラミネート強度が5N/15mm以上である。
4:ラミネート強度が4N/15mm以上~5N/15mm未満である。
3:ラミネート強度が3N/15mm以上~4N/15mm未満である。
2:ラミネート強度が2N/15mm以上~3N/15mm未満である 。
1:ラミネート強度が1N/15mm未満である。
前記フィルム印刷物の印刷面に、ウレタン系のドライラミネート接着剤ディックドライLX-703VL/KR-90(DIC製)をドライラミネート機(DICエンジニアリング製)を使用して塗工し、接着剤塗工面に無延伸ポリプロピレンフィルム(以下、R-CPP:東レ合成フィルム社製 ZK-75 50μm)を積層させた。その後40℃で5日間エージングを施しラミネート物を得た。
得られたラミネート物を押し出しラミネート強度の測定と同様に15mm幅に切り出し、引っ張り速度300mm/分で90度の剥離試験を行った。
(評価基準)
5:ラミネート強度が5N/15mm以上である。
4:ラミネート強度が4N/15mm以上~5N/15mm未満である。
3:ラミネート強度が3N/15mm以上~4N/15mm未満である。
2:ラミネート強度が2N/15mm以上~3N/15mm未満である 。
1:ラミネート強度が1N/15mm未満である。
前記収縮PETフィルム印刷物の製造方法で得られた印刷物を25℃にて1日放置後、印刷物を15cm×15cmにカットし、80℃のオーブンに30秒放置し印刷物を収縮させた。印刷物の収縮後の印刷皮膜のインキの外観の状態を次の5段階で目視判定した。
(評価基準)
5:印刷皮膜が収縮したフィルムに完全に追随しており変化がなかった。
4:印刷皮膜の20%未満にインキの割れが見られた。
3:印刷皮膜の20%以上~40%未満にインキの割れが見られた。
2:印刷皮膜の40%以上~60%未満にインキの割れが見られた。
1:印刷皮膜が60%以上にインキの割れが見られた。
Claims (7)
- 有機顔料及び/または無機顔料を含有する請求項1に記載のリキッド印刷インキ。
- 前記ウレタン系樹脂がポリウレタン樹脂であり、樹脂固形分中のアミン価が6.5mgKOH/g以下である請求項1に記載のリキッド印刷インキ。
- 前記塩化ビニル系樹脂が水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂であり、水酸基価が50~200mgKOH/gであり、かつ前記共重合体樹脂中の塩化ビニル成分の含有比率が80~95質量%である請求項1に記載のリキッド印刷インキ。
- プラスチックフィルムまたは紙に印刷するための請求項1~4のいずれか1つに記載のリキッド印刷インキ。
- 請求項1~5のいずれか1つに記載のリキッド印刷インキを使用してなる印刷物。
- 請求項1~5のいずれか1つに記載のリキッド印刷インキを使用してなる包装材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019193531A JP7361565B2 (ja) | 2019-10-24 | 2019-10-24 | リキッド印刷インキ、印刷物、及び包装材料 |
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