JP2003171361A - アロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法 - Google Patents

アロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法

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JP2003171361A JP2001366203A JP2001366203A JP2003171361A JP 2003171361 A JP2003171361 A JP 2003171361A JP 2001366203 A JP2001366203 A JP 2001366203A JP 2001366203 A JP2001366203 A JP 2001366203A JP 2003171361 A JP2003171361 A JP 2003171361A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実質的に二量体や三量体を含有することな
く、熱安定性が良好であり、臭気が少なく、低粘度であ
るアロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法
を提供する。 【解決手段】 以下の工程からなる、アロファネート基
含有ポリイソシアネートの製造方法により解決する。な
お、(b)はヘキサメチレンジイソシアネート、(c)
はカルボン酸ジルコニウム塩が好ましい。 第一工程:炭素数1〜10のモノオール(a)と有機ジ
イソシアネート(b)を、アロファネート化触媒(c)
の存在下、70〜150℃でイソシアネート基を水酸基
の1.9〜2.1倍モル反応させる工程。 第二工程:触媒毒(d)を添加して、アロファネート化
反応を停止する工程。 第三工程:遊離の有機ジイソシアネートを含有量が1%
以下になるまで除去する工程。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アロファネート基
含有ポリイソシアネートの製造方法に関するものであ
る。更に詳細には、熱安定性を有し、実質的にウレトジ
オン基やイソシアヌレート基を含有せず、低粘度の低粘
度のアロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アロファネート基含有ポリイソシアネー
トの製造方法は従来より種々知られ、例えば特開平1−
66155号公報、特開平8−188566号公報等に
開示されている。
【0003】特開平1−66155号公報に開示されて
いる方法は、実質的にイソシアネートの二量体を含ま
ず、かつ実質的に無色で比較的低い粘度を有するアロフ
ァネート基含有ポリイソシアネートが得られ、ポリイソ
シアネートを水酸基化合物で部分ウレタン化し、少なく
とも150℃の温度にて90分以下の時間反応させてア
ロファネート結合を生成させ、前記反応により生じた生
成物を10分以内に100℃未満の温度に冷却すること
を特徴としている。
【0004】しかしこの方法では、反応温度の昇降が急
であり、バッチ式での大量製造には不向きであるととも
に、反応のコントロールを短時間で行うため、ウレタン
結合のアロファネート結合への変換率が低い。そのた
め、未反応ウレタンをかなり含有することになり、二量
体は含有しないものの、アロファネート基特有の性能を
与える上で満足できるものではない。
【0005】特開平8−188566号公報に開示され
ている方法は、カルボン酸金属塩からなる触媒及び亜リ
ン酸エステルからなる助触媒を用いて、ウレタン基を有
する化合物とイソシアネートを反応させるということを
特徴とする。
【0006】しかしこの方法では、低粘度のポリイソシ
アネートを得る方法は開示されておらず、また亜リン酸
エステルは容易に加水分解されるため、分解生成物がポ
リイソシアネートに悪影響を及ぼす場合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を鑑
みされたものであり、実質的に二量体や三量体を含有す
ることなく、熱安定性が良好であり、臭気が少なく、低
粘度であるアロファネート基含有ポリイソシアネートの
製造方法を提供することを目的とする。
【0008】本発明者等は鋭意検討した結果、特定のモ
ノオール及び特定の金属塩をアロファネート化触媒に用
いることにより、前記課題を解決することを見いだし、
本発明を完成させるに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、以下
の(1)〜(3)に示されるものである。 (1) 以下の工程からなる、アロファネート基含有ポ
リイソシアネートの製造方法。 第一工程:炭素数1〜10のモノオール(a)と有機ジ
イソシアネート(b)を、アロファネート化触媒(c)
の存在下、70〜150℃でイソシアネート基を水酸基
の1.9〜2.1倍モルまで反応させる工程。 第二工程:触媒毒(d)を添加して、アロファネート化
反応を停止する工程。 第三工程:遊離の有機ジイソシアネートを含有量が1%
以下になるまで除去する工程。
【0010】(2) 有機ジイソシアネート(b)が、
ヘキサメチレンジイソシアネートであることを特徴とす
る、前記(1)のアロファネート基含有ポリイソシアネ
ートの製造方法。
【0011】(3) アロファネート化触媒(c)が、
カルボン酸ジルコニウム塩であることを特徴とする、前
記(1)又は(2)のアロファネート基含有ポリイソシ
アネートの製造方法。
【0012】(4) 得られるポリイソシアネートが、
下記式で示すモノアロファネート化合物を60質量%以
上含有し、25℃の粘度が130mPa・s以下である
ことを特徴とする、前記(1)〜(3)のアロファネー
ト基含有ポリイソシアネートの製造方法。
【化2】
【0013】
【発明の実施の手段】本発明に用いられる原料について
説明する。本発明に用いられる、炭素数1〜10のモノ
オール(a)は、分子中にアルコール性水酸基を1個有
する化合物であり、具体的には、メタノール、エタノー
ル、プロパノール(各種異性体を含む)、ブタノール
(各種異性体を含む)、プロパノール(各種異性体を含
む)、ヘキサノール(各種異性体を含む)、ヘプタノー
ル(各種異性体を含む)、オクタノール(各種異性体を
含む)、ノナノール(各種異性体を含む)、デカノール
(各種異性体を含む)等の脂肪族モノオール類、シクロ
ヘキサノール、メチル−シクロヘキサノール(各種異性
体を含む)、アルキル置換シクロヘキサノール等の脂環
族モノオール類、ベンジルアルコール、アルキル置換ベ
ンジルアルコール等の芳香族モノオール類、エチレング
リコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル等のエーテル系モノオール類、ヒドロ
キシ酢酸、ヒドロキシプロピオン酸等のカルボン酸系モ
ノオール類、ヒドロキシ酢酸エステル、ヒドロキシプロ
ピオン酸エステル等のエステル系モノオール類、等が挙
げられる。本発明で好ましい(a)は炭素数1〜6の脂
肪族モノオールである。
【0014】本発明に用いられる有機ジイソシアネート
(b)としては、2,4−トリレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソ
シアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソ
シアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′
−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメ
タン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェ
ニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソ
シアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチ
レン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5
−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル
−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネ
ート;ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレ
ンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1,5−
ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1,5−ジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシ
エチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネー
ト;キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレ
ン−1,3−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレ
ンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート;
イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソ
シアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素
添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テト
ラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシ
アネート等が挙げられる。これらの有機ジイソシアネー
トは、単独あるいは2種以上の混合物のいずれの形態で
用いてもよい。本発明では得られるアロファネート変性
ポリイソシアネートの耐候性等の点を考慮すると、無黄
変ジイソシアネートが好ましく、特にヘキサメチレンジ
イソシアネートが最適である。
【0015】本発明に用いられるアロファネート化触媒
(c)としては、有機カルボン酸の金属塩が挙げられ
る。この有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、カプロン酸、オクチル酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、2−
エチルヘキサン酸等の飽和脂肪族カルボン酸、シクロヘ
キサンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸等の飽和
脂環族カルボン酸、ビシクロ(4.4.0)デカン−2
−カルボン酸等の飽和複環カルボン酸、ナフテン酸等の
上記したカルボン酸の混合物、オレイン酸、リノール
酸、リノレン酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸等の不
飽和脂肪族カルボン酸、ジフェニル酢酸等の芳香脂肪族
カルボン酸、安息香酸、トルイル酸等の芳香族カルボン
酸等が挙げられる。また上記カルボン酸の金属塩を構成
する金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等
のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、バリウム
等のアルカリ土類金属、マンガン、鉄、コバルト、ニッ
ケル、銅、亜鉛、ジルコニウム等の遷移金属、アルミニ
ウム等のホウ素族、スズ、鉛等の炭素族の金属が挙げら
れる。これらのなかでは、アルキルカルボン酸のジルコ
ニウム、亜鉛、鉛等の金属塩が好ましく、特にアルキル
カルボン酸のジルコニウム塩が好ましい。
【0016】本発明に用いられる触媒毒(d)として
は、リン酸、塩酸等の無機酸、スルホン酸基、スルファ
ミン酸基等を有する有機酸及びこれらのエステル類、ア
シルハライド等公知の物が挙げられる。
【0017】次に具体的な製造手順について説明する。
本発明は、以下の工程からなる。 第一工程:炭素数1〜10のモノオール(a)と有機ジ
イソシアネート(b)を、アロファネート化触媒(c)
の存在下、70〜150℃でイソシアネート基を 第二工程:触媒毒(d)を添加して、アロファネート化
反応を停止する工程。 第三工程:遊離の有機ジイソシアネートを除去する工
程。
【0018】第一工程は、ウレタン化反応とアロファネ
ート化反応を同時に行う工程であり、具体的には、モノ
オール(a)及び有機ジイソシアネート(b)をイソシ
アネート基を水酸基に対して過剰となる量を仕込んで、
70〜150℃にてアロファネート化触媒(c)の存在
下でウレタン化反応及びアロファネート化反応を同時に
行う工程である。
【0019】ここで「イソシアネート基を水酸基に対し
て過剰となる量」とは、原料仕込みの際、イソシアネー
ト基が水酸基に対して過剰となるという意味であり、仕
込みの際のイソシアネート基と水酸基のモル比がイソシ
アネート基/水酸基=8以上が好ましく、10〜50が
特に好ましい。
【0020】ここで、ウレタン化反応とアロファネート
化反応を別々に行うことも可能である。しかし本発明の
場合は、モノオールとジイソシアネートの反応であるの
で、高分子化又はゲル化するというおそれは基本的には
ない。また、多段反応とすると製造時間が長くなり、得
られるポリイソシアネートが着色する場合がある。この
ため、本発明では、一段反応、すなわちウレタン化反応
とアロファネート化反応を同時に行うこととした。
【0021】反応温度は70〜150℃であり、好まし
くは80〜130℃である。反応温度が低すぎる場合は
反応時間が長くなり、得られるポリイソシアネート中の
イソシアヌレート基が多くなり、高粘度となりやすい。
また、反応温度が高すぎる場合は、得られるポリイソシ
アネートの着色が大きくなりやすい。
【0022】第一工程で消費されるイソシアネート基の
量は、仕込み時の水酸基の量に対して1.9〜2.1倍
モル量であり、好ましくは1.95〜2.05倍モル量
である。イソシアネート基の消費量が少ない場合は、ア
ロファネート化反応が十分進行してないことを示し、得
られたポリイソシアネートの平均官能基数は低いものと
なる。一方多い場合は、副反応であるイソシアヌレート
化反応が多いことを示し、得られるポリイソシアネート
の粘度が高くなりやすい。イソシアネート基の消費量を
調節するには、触媒の選択、特に反応時間を短くする等
があり、触媒は有機カルボン酸のジルコニウム塩が好ま
しく、反応時間は通常10時間以内が好ましく、特に好
ましくは5時間以内である。なお、イソシアネート基消
費量は、イソシアネート含量の変化で追跡できる。
【0023】アロファネート化触媒(c)の使用量はそ
の種類により異なるが、上記(a)と(b)の総和量に
対して、0.0005〜1質量%が好ましく、0.00
1〜0.1質量%がより好ましい。触媒使用量が0.0
005質量%未満の場合は、(イ)反応温度が適切であ
っても、反応が遅くなって長時間を要し、得られるポリ
イソシアネートのイソシアヌレート基含有量が多くな
り、高粘度となりやすい。又は(ロ)適切な反応時間と
するには、反応温度を高くする必要があるが、アロファ
ネート化が進行せず、また、副反応であるイソシアネー
ト基のウレトジオン化反応やイソシアヌレート化反応が
進行し、高粘度となりやすい。触媒使用量が1質量%を
超える場合は、反応制御が難しくなり、副反応であるウ
レトジオン化反応や化反応が進行し、高粘度となりやす
い。
【0024】なお、このとき必要に応じて有機溶剤を用
いることができる。この有機溶剤としては、n−ヘキサ
ン、オクタン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系有
機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル
等のエステル系有機溶剤、エチレングリコールエチルエ
ーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテ
ルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテ
ート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコ
ールエーテルエステル系有機溶剤、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系有機溶
剤、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化
炭素、臭化メチル、ヨウ化メチレン、ジクロロエタン等
のハロゲン化脂肪族炭化水素系有機溶剤、N−メチルピ
ロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルア
ミド等の極性非プロトン溶剤等が挙げられる。前記溶剤
は1種又は2種以上使用することができる。
【0025】第二工程は、アロファネート化反応後、触
媒毒(d)を添加してアロファネート化反応を停止させ
る工程である。触媒毒(d)の添加時期は、アロファネ
ート化反応後であれば特に制限はないが、第三工程にお
ける、遊離の有機ジイソシアネートを除去する方法に薄
膜蒸留を行う場合は、アロファネート反応後かつ蒸留前
に触媒毒(d)の添加を行うのが好ましい。これは、蒸
留時の熱により、副反応が起こるのを防止するためであ
る。
【0026】触媒毒(d)の添加量はその種類や触媒の
種類により異なるが、触媒の0.5〜2当量となる量が
好ましく、0.8〜1.5当量が特に好ましい。触媒毒
が少なすぎる場合は、得られるポリイソシアネートの貯
蔵安定性が低下しやすい。多すぎる場合は、得られるポ
リイソシアネートが着色する場合がある。
【0027】第三工程は、遊離の有機ジイソシアネート
(b)を除去する工程である。本発明においては、基本
的にはアロファネート化反応後の生成物には、遊離の有
機ジイソシアネートが存在している。この遊離の有機ジ
イソシアネートは、臭気や経時変化した場合に濁りの原
因となるため、遊離の有機ジイソシアネート含有量が1
質量%以下となるまで未反応の有機ジイソシアネート
(b)を除去するのが好ましい。なお、遊離の有機ジイ
ソシアネート含有量は、ガスクロマトグラフィーで測定
した値である。
【0028】遊離の有機ジイソシアネートを除去する方
法としては、蒸留、再沈、抽出等公知の方法が挙げら
れ、蒸留法、特に薄膜蒸留法を使用すると、溶剤等を用
いる必要がないので好ましい。また、好ましい薄膜蒸留
の条件としては、圧力:0.1kPa以下、温度:10
0〜200℃であり、特に好ましい条件は圧力:0.0
5kPa以下、温度:120〜180℃である。
【0029】このようして得られるポリイソシアネート
は、以下に示す構造式のモノアロファネート化合物を6
0質量%以上、好ましくは65質量%以上含有するもの
である。なお、含有量はゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)の当該分子量のピーク面積の割合
で求める。
【化3】
【0030】前記モノアロファネート化合物含有量が下
限未満の場合は、有機ジイソシアネートのウレタン化物
が多く存在しているため、得られるポリイソシアネート
の平均官能基数の低下を招きやすい。もしくは、ジアロ
ファネート化合物以上の付加体の含有量が多いため、得
られるポリイソシアネートの平均分子量が高くなり、粘
度が高くなりやすい。なお、ジアロファネート化合物以
上の付加体は、以下の構造式に示されるものである。
【化4】
【0031】本発明によって得られるアロファネート変
性ポリイソシアネートの粘度(25℃、固形分=100
%換算)は130mPa・s以下が好ましく、特に好ま
しくは20〜120mPa・sである。イソシアネート
含量(固形分=100%換算)は5〜25質量%が好ま
しく、特に好ましくは8〜23質量%である。また、色
数は50APHA以下が好ましい。平均官能基数は2〜
3が好ましく、特に好ましくは2〜2.5である。
【0032】本発明によって得られたアロファネート変
性ポリイソシアネートには、必要に応じて、例えば2,
6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等の
酸化防止剤や、紫外線吸収剤、顔料、染料、溶剤、難燃
剤、加水分解防止剤、潤滑剤、可塑剤、充填剤、貯蔵安
定剤等の添加剤を適宜配合することができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によって、実
質的に二量体や三量体を含有することなく、熱安定性が
良好であり、臭気が少なく、低粘度であるアロファネー
ト基含有ポリイソシアネートの製造方法を提供すること
が可能となった。本発明によって得られたポリイソシア
ネートは、塗料、接着剤、コーティング剤、インキ、プ
ライマー、シーリング剤、フォーム、目止め剤、エラス
トマー、封止剤等の主剤としてのポリウレタン樹脂や、
硬化剤(架橋剤)、反応性希釈剤等に利用できる。特
に、本発明によって得られたポリイソシアネートは、平
均官能基数が低いので、エラストマー用原料ポリイソシ
アネートや各種主剤に用いられるポリウレタン樹脂に最
適である。
【0034】
【実施例】本発明について、実施例、比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定され
るものではない。なお、実施例、比較例において「%」
は「質量%」を意味する。
【0035】〔アロファネート変性ポリイソシアネート
の製造・評価〕 実施例1 攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容
量:1Lの反応器に、ヘキサメチレンジイソシアネート
を975g、2−プロパノールを25g、2−エチルヘ
キサン酸鉛を0.2g仕込み、90℃で2時間反応を行
った。次いで、リン酸を0.1g仕込み50℃で1時間
停止反応を行った。停止反応後の反応生成物のイソシア
ネート含量は42.1%であった。この反応生成物を1
30℃×0.04kPaにて薄膜蒸留を行い、アロファ
ネート変性ポリイソシアネートイソシアネートNCO−
1を得た。NCO−1のイソシアネート含量は21.1
%、25℃の粘度は120mPa・s、色数は20AP
HA、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含有量は
0.1%であった。また、NCO−1をFT−IR及び
13C−NMRにて分析したところ、ウレタン基は確認さ
れず、アロファネート基の存在が確認された。また、ウ
レトジオン基及びイソシアヌレート基は痕跡程度であっ
た。このNCO−1を150℃にて2時間加熱し、遊離
のヘキサメチレンジイソシアネート含有量を測定したと
ころ、0.3%であった。結果を表1に示す。
【0036】実施例2〜6、比較例1〜5 実施例1と同様にして、表1、2に示す原料を用いてア
ロファネート変性ポリイソシアネートの製造及び評価を
行った。結果を表1、2に示す。なお、実施例6の反応
条件は120℃で2時間とした。
【0037】比較例6 実施例1と同様な反応器に、ヘキサメチレンジイソシア
ネートを995g、ネオペンチルグリコールを5g、ト
リブチルホスフィンを1.0g仕込み、50℃で14時
間反応を行った。次いで、リン酸を0.6g仕込み50
℃で2時間停止反応を行った。停止反応後の反応生成物
のイソシアネート含量は42.1%であった。この反応
生成物を130℃×0.04kPaにて薄膜蒸留を行
い、ウレトジオン変性ポリイソシアネートイソシアネー
トNCO−12を得た。NCO−12のイソシアネート
含量は22.3%、25℃の粘度は80mPa・s、色
数は40APHA、遊離のヘキサメチレンジイソシアネ
ート含有量は0.2%であった。また、NCO−12を
FT−IR及び13C−NMRにて分析したところ、ウレ
タン基、ウレトジオン基、アロファネート基の存在が確
認されたがアロファネート基は確認されなかった。ま
た、このNCO−12を150℃にて2時間加熱し、遊
離のヘキサメチレンジイソシアネート含有量を測定した
ところ、15.6%であった。結果を表2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】実施例1〜6、比較例1〜6、表1、2に
おいて MeOH :メタノール IPA :2−プロパノール n−HeOH :n−ヘキサノール EtHeOH :2−エチル−1−ヘキサノール TDOH :トリデカノール NPG :ネオペンチルグリコール HDI :ヘキサメチレンジイソシアネート Pb−EtHe:2−エチルヘキサン酸鉛 Zr−EtHe:2−エチルヘキサン酸ジルコニウム TBP :トリブチルホスフィン NCO :イソシアネート基 OH :水酸基
【0041】なお、NCO−2のGPCチャートを図1
に示す。検量線は、HDIのイソシアヌレート変性体の
重合度の異なる混合物を用いた。保持時間28.07分
のピークはトリアロファネート化合物(面積比:4.3
%)、29.41分のピークはジアロファネート化合物
(面積比:19.0%)、31.51分のピークはモノ
アロファネート化合物(面積比:74.8%)、35.
43分のピークはHDI(面積比:0.1%)である。
また、図2にNCO−2のFT−IRチャートを示す。
FT−IRチャートからウレトジオン基、イソシアヌレ
ート基はあまり生成していないことが分かる。
【0042】表1より、本発明のアロファネート変性ポ
リイソシアネートは、25℃の粘度が130mPa・s
以下と低粘度であり、色数も20APHA以下と低いも
のであった。また、熱安定性も良好であった。一方、比
較例では、製造温度が高すぎる又は製造時間が長すぎる
ものは大きく着色した。更にウレトジオン変性ポリイソ
シアネートでは、熱安定性は悪いものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】NCO−2のGPCチャートである。
【図2】NCO−2のFT−IRチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC59 BA10 BA32 BC10 4H039 CA99 CF40 4J034 CA02 CA32 CB01 CB03 CB08 CC02 CC12 CC23 CC26 CC45 CC52 CC61 CC62 CD06 CD14 HA01 HA07 HB05 HB07 HB11 HB12 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC46 HC52 HC61 HC64 HC67 HC70 HC71 HC73 KA01 KB07 KC02 KC04 KC07 KC08 KC13 KC16 KC17 KC18 KC32 KC35 KD02 KE02 QA05 QB15 QC01 RA07 RA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程からなる、アロファネート基
    含有ポリイソシアネートの製造方法。 第一工程:炭素数1〜10のモノオール(a)と有機ジ
    イソシアネート(b)を、アロファネート化触媒(c)
    の存在下、70〜150℃でイソシアネート基を水酸基
    の1.9〜2.1倍モルまで反応させる工程。 第二工程:触媒毒(d)を添加して、アロファネート化
    反応を停止する工程。 第三工程:遊離の有機ジイソシアネートを含有量が1%
    以下になるまで除去する工程。
  2. 【請求項2】 有機ジイソシアネート(b)が、ヘキサ
    メチレンジイソシアネートであることを特徴とする、請
    求項1記載のアロファネート基含有ポリイソシアネート
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 アロファネート化触媒(c)が、カルボ
    ン酸ジルコニウム塩であることを特徴とする、請求項1
    又は2に記載のアロファネート基含有ポリイソシアネー
    トの製造方法。
  4. 【請求項4】 得られるポリイソシアネートが、下記式
    で示すモノアロファネート化合物を60質量%以上含有
    し、25℃の粘度が130mPa・s以下であることを
    特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のア
    ロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法。 【化1】
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WO2006075636A1 (ja) * 2005-01-14 2006-07-20 Nippon Polyurethane Industry Co., Ltd アロファネート変性ポリイソシアネート組成物の製造方法
JP2011094113A (ja) * 2009-09-30 2011-05-12 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd 軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法
JP2012077209A (ja) * 2010-10-01 2012-04-19 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd 軟質ポリウレタンフォームの製造方法
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