JP2003171361A - アロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法 - Google Patents
アロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法Info
- Publication number
- JP2003171361A JP2003171361A JP2001366203A JP2001366203A JP2003171361A JP 2003171361 A JP2003171361 A JP 2003171361A JP 2001366203 A JP2001366203 A JP 2001366203A JP 2001366203 A JP2001366203 A JP 2001366203A JP 2003171361 A JP2003171361 A JP 2003171361A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- diisocyanate
- reaction
- allophanate
- producing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
く、熱安定性が良好であり、臭気が少なく、低粘度であ
るアロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法
を提供する。 【解決手段】 以下の工程からなる、アロファネート基
含有ポリイソシアネートの製造方法により解決する。な
お、(b)はヘキサメチレンジイソシアネート、(c)
はカルボン酸ジルコニウム塩が好ましい。 第一工程:炭素数1〜10のモノオール(a)と有機ジ
イソシアネート(b)を、アロファネート化触媒(c)
の存在下、70〜150℃でイソシアネート基を水酸基
の1.9〜2.1倍モル反応させる工程。 第二工程:触媒毒(d)を添加して、アロファネート化
反応を停止する工程。 第三工程:遊離の有機ジイソシアネートを含有量が1%
以下になるまで除去する工程。 【化1】
Description
含有ポリイソシアネートの製造方法に関するものであ
る。更に詳細には、熱安定性を有し、実質的にウレトジ
オン基やイソシアヌレート基を含有せず、低粘度の低粘
度のアロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方
法に関するものである。
トの製造方法は従来より種々知られ、例えば特開平1−
66155号公報、特開平8−188566号公報等に
開示されている。
いる方法は、実質的にイソシアネートの二量体を含ま
ず、かつ実質的に無色で比較的低い粘度を有するアロフ
ァネート基含有ポリイソシアネートが得られ、ポリイソ
シアネートを水酸基化合物で部分ウレタン化し、少なく
とも150℃の温度にて90分以下の時間反応させてア
ロファネート結合を生成させ、前記反応により生じた生
成物を10分以内に100℃未満の温度に冷却すること
を特徴としている。
であり、バッチ式での大量製造には不向きであるととも
に、反応のコントロールを短時間で行うため、ウレタン
結合のアロファネート結合への変換率が低い。そのた
め、未反応ウレタンをかなり含有することになり、二量
体は含有しないものの、アロファネート基特有の性能を
与える上で満足できるものではない。
ている方法は、カルボン酸金属塩からなる触媒及び亜リ
ン酸エステルからなる助触媒を用いて、ウレタン基を有
する化合物とイソシアネートを反応させるということを
特徴とする。
アネートを得る方法は開示されておらず、また亜リン酸
エステルは容易に加水分解されるため、分解生成物がポ
リイソシアネートに悪影響を及ぼす場合がある。
みされたものであり、実質的に二量体や三量体を含有す
ることなく、熱安定性が良好であり、臭気が少なく、低
粘度であるアロファネート基含有ポリイソシアネートの
製造方法を提供することを目的とする。
ノオール及び特定の金属塩をアロファネート化触媒に用
いることにより、前記課題を解決することを見いだし、
本発明を完成させるに至った。
の(1)〜(3)に示されるものである。 (1) 以下の工程からなる、アロファネート基含有ポ
リイソシアネートの製造方法。 第一工程:炭素数1〜10のモノオール(a)と有機ジ
イソシアネート(b)を、アロファネート化触媒(c)
の存在下、70〜150℃でイソシアネート基を水酸基
の1.9〜2.1倍モルまで反応させる工程。 第二工程:触媒毒(d)を添加して、アロファネート化
反応を停止する工程。 第三工程:遊離の有機ジイソシアネートを含有量が1%
以下になるまで除去する工程。
ヘキサメチレンジイソシアネートであることを特徴とす
る、前記(1)のアロファネート基含有ポリイソシアネ
ートの製造方法。
カルボン酸ジルコニウム塩であることを特徴とする、前
記(1)又は(2)のアロファネート基含有ポリイソシ
アネートの製造方法。
下記式で示すモノアロファネート化合物を60質量%以
上含有し、25℃の粘度が130mPa・s以下である
ことを特徴とする、前記(1)〜(3)のアロファネー
ト基含有ポリイソシアネートの製造方法。
説明する。本発明に用いられる、炭素数1〜10のモノ
オール(a)は、分子中にアルコール性水酸基を1個有
する化合物であり、具体的には、メタノール、エタノー
ル、プロパノール(各種異性体を含む)、ブタノール
(各種異性体を含む)、プロパノール(各種異性体を含
む)、ヘキサノール(各種異性体を含む)、ヘプタノー
ル(各種異性体を含む)、オクタノール(各種異性体を
含む)、ノナノール(各種異性体を含む)、デカノール
(各種異性体を含む)等の脂肪族モノオール類、シクロ
ヘキサノール、メチル−シクロヘキサノール(各種異性
体を含む)、アルキル置換シクロヘキサノール等の脂環
族モノオール類、ベンジルアルコール、アルキル置換ベ
ンジルアルコール等の芳香族モノオール類、エチレング
リコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル等のエーテル系モノオール類、ヒドロ
キシ酢酸、ヒドロキシプロピオン酸等のカルボン酸系モ
ノオール類、ヒドロキシ酢酸エステル、ヒドロキシプロ
ピオン酸エステル等のエステル系モノオール類、等が挙
げられる。本発明で好ましい(a)は炭素数1〜6の脂
肪族モノオールである。
(b)としては、2,4−トリレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソ
シアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソ
シアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′
−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメ
タン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェ
ニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソ
シアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチ
レン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5
−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル
−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネ
ート;ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレ
ンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1,5−
ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1,5−ジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシ
エチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネー
ト;キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレ
ン−1,3−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレ
ンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート;
イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソ
シアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素
添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テト
ラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシ
アネート等が挙げられる。これらの有機ジイソシアネー
トは、単独あるいは2種以上の混合物のいずれの形態で
用いてもよい。本発明では得られるアロファネート変性
ポリイソシアネートの耐候性等の点を考慮すると、無黄
変ジイソシアネートが好ましく、特にヘキサメチレンジ
イソシアネートが最適である。
(c)としては、有機カルボン酸の金属塩が挙げられ
る。この有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、カプロン酸、オクチル酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、2−
エチルヘキサン酸等の飽和脂肪族カルボン酸、シクロヘ
キサンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸等の飽和
脂環族カルボン酸、ビシクロ(4.4.0)デカン−2
−カルボン酸等の飽和複環カルボン酸、ナフテン酸等の
上記したカルボン酸の混合物、オレイン酸、リノール
酸、リノレン酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸等の不
飽和脂肪族カルボン酸、ジフェニル酢酸等の芳香脂肪族
カルボン酸、安息香酸、トルイル酸等の芳香族カルボン
酸等が挙げられる。また上記カルボン酸の金属塩を構成
する金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等
のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、バリウム
等のアルカリ土類金属、マンガン、鉄、コバルト、ニッ
ケル、銅、亜鉛、ジルコニウム等の遷移金属、アルミニ
ウム等のホウ素族、スズ、鉛等の炭素族の金属が挙げら
れる。これらのなかでは、アルキルカルボン酸のジルコ
ニウム、亜鉛、鉛等の金属塩が好ましく、特にアルキル
カルボン酸のジルコニウム塩が好ましい。
は、リン酸、塩酸等の無機酸、スルホン酸基、スルファ
ミン酸基等を有する有機酸及びこれらのエステル類、ア
シルハライド等公知の物が挙げられる。
本発明は、以下の工程からなる。 第一工程:炭素数1〜10のモノオール(a)と有機ジ
イソシアネート(b)を、アロファネート化触媒(c)
の存在下、70〜150℃でイソシアネート基を 第二工程:触媒毒(d)を添加して、アロファネート化
反応を停止する工程。 第三工程:遊離の有機ジイソシアネートを除去する工
程。
ート化反応を同時に行う工程であり、具体的には、モノ
オール(a)及び有機ジイソシアネート(b)をイソシ
アネート基を水酸基に対して過剰となる量を仕込んで、
70〜150℃にてアロファネート化触媒(c)の存在
下でウレタン化反応及びアロファネート化反応を同時に
行う工程である。
て過剰となる量」とは、原料仕込みの際、イソシアネー
ト基が水酸基に対して過剰となるという意味であり、仕
込みの際のイソシアネート基と水酸基のモル比がイソシ
アネート基/水酸基=8以上が好ましく、10〜50が
特に好ましい。
化反応を別々に行うことも可能である。しかし本発明の
場合は、モノオールとジイソシアネートの反応であるの
で、高分子化又はゲル化するというおそれは基本的には
ない。また、多段反応とすると製造時間が長くなり、得
られるポリイソシアネートが着色する場合がある。この
ため、本発明では、一段反応、すなわちウレタン化反応
とアロファネート化反応を同時に行うこととした。
くは80〜130℃である。反応温度が低すぎる場合は
反応時間が長くなり、得られるポリイソシアネート中の
イソシアヌレート基が多くなり、高粘度となりやすい。
また、反応温度が高すぎる場合は、得られるポリイソシ
アネートの着色が大きくなりやすい。
量は、仕込み時の水酸基の量に対して1.9〜2.1倍
モル量であり、好ましくは1.95〜2.05倍モル量
である。イソシアネート基の消費量が少ない場合は、ア
ロファネート化反応が十分進行してないことを示し、得
られたポリイソシアネートの平均官能基数は低いものと
なる。一方多い場合は、副反応であるイソシアヌレート
化反応が多いことを示し、得られるポリイソシアネート
の粘度が高くなりやすい。イソシアネート基の消費量を
調節するには、触媒の選択、特に反応時間を短くする等
があり、触媒は有機カルボン酸のジルコニウム塩が好ま
しく、反応時間は通常10時間以内が好ましく、特に好
ましくは5時間以内である。なお、イソシアネート基消
費量は、イソシアネート含量の変化で追跡できる。
の種類により異なるが、上記(a)と(b)の総和量に
対して、0.0005〜1質量%が好ましく、0.00
1〜0.1質量%がより好ましい。触媒使用量が0.0
005質量%未満の場合は、(イ)反応温度が適切であ
っても、反応が遅くなって長時間を要し、得られるポリ
イソシアネートのイソシアヌレート基含有量が多くな
り、高粘度となりやすい。又は(ロ)適切な反応時間と
するには、反応温度を高くする必要があるが、アロファ
ネート化が進行せず、また、副反応であるイソシアネー
ト基のウレトジオン化反応やイソシアヌレート化反応が
進行し、高粘度となりやすい。触媒使用量が1質量%を
超える場合は、反応制御が難しくなり、副反応であるウ
レトジオン化反応や化反応が進行し、高粘度となりやす
い。
いることができる。この有機溶剤としては、n−ヘキサ
ン、オクタン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系有
機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル
等のエステル系有機溶剤、エチレングリコールエチルエ
ーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテ
ルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテ
ート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコ
ールエーテルエステル系有機溶剤、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系有機溶
剤、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化
炭素、臭化メチル、ヨウ化メチレン、ジクロロエタン等
のハロゲン化脂肪族炭化水素系有機溶剤、N−メチルピ
ロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルア
ミド等の極性非プロトン溶剤等が挙げられる。前記溶剤
は1種又は2種以上使用することができる。
媒毒(d)を添加してアロファネート化反応を停止させ
る工程である。触媒毒(d)の添加時期は、アロファネ
ート化反応後であれば特に制限はないが、第三工程にお
ける、遊離の有機ジイソシアネートを除去する方法に薄
膜蒸留を行う場合は、アロファネート反応後かつ蒸留前
に触媒毒(d)の添加を行うのが好ましい。これは、蒸
留時の熱により、副反応が起こるのを防止するためであ
る。
種類により異なるが、触媒の0.5〜2当量となる量が
好ましく、0.8〜1.5当量が特に好ましい。触媒毒
が少なすぎる場合は、得られるポリイソシアネートの貯
蔵安定性が低下しやすい。多すぎる場合は、得られるポ
リイソシアネートが着色する場合がある。
(b)を除去する工程である。本発明においては、基本
的にはアロファネート化反応後の生成物には、遊離の有
機ジイソシアネートが存在している。この遊離の有機ジ
イソシアネートは、臭気や経時変化した場合に濁りの原
因となるため、遊離の有機ジイソシアネート含有量が1
質量%以下となるまで未反応の有機ジイソシアネート
(b)を除去するのが好ましい。なお、遊離の有機ジイ
ソシアネート含有量は、ガスクロマトグラフィーで測定
した値である。
法としては、蒸留、再沈、抽出等公知の方法が挙げら
れ、蒸留法、特に薄膜蒸留法を使用すると、溶剤等を用
いる必要がないので好ましい。また、好ましい薄膜蒸留
の条件としては、圧力:0.1kPa以下、温度:10
0〜200℃であり、特に好ましい条件は圧力:0.0
5kPa以下、温度:120〜180℃である。
は、以下に示す構造式のモノアロファネート化合物を6
0質量%以上、好ましくは65質量%以上含有するもの
である。なお、含有量はゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)の当該分子量のピーク面積の割合
で求める。
限未満の場合は、有機ジイソシアネートのウレタン化物
が多く存在しているため、得られるポリイソシアネート
の平均官能基数の低下を招きやすい。もしくは、ジアロ
ファネート化合物以上の付加体の含有量が多いため、得
られるポリイソシアネートの平均分子量が高くなり、粘
度が高くなりやすい。なお、ジアロファネート化合物以
上の付加体は、以下の構造式に示されるものである。
性ポリイソシアネートの粘度(25℃、固形分=100
%換算)は130mPa・s以下が好ましく、特に好ま
しくは20〜120mPa・sである。イソシアネート
含量(固形分=100%換算)は5〜25質量%が好ま
しく、特に好ましくは8〜23質量%である。また、色
数は50APHA以下が好ましい。平均官能基数は2〜
3が好ましく、特に好ましくは2〜2.5である。
性ポリイソシアネートには、必要に応じて、例えば2,
6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等の
酸化防止剤や、紫外線吸収剤、顔料、染料、溶剤、難燃
剤、加水分解防止剤、潤滑剤、可塑剤、充填剤、貯蔵安
定剤等の添加剤を適宜配合することができる。
質的に二量体や三量体を含有することなく、熱安定性が
良好であり、臭気が少なく、低粘度であるアロファネー
ト基含有ポリイソシアネートの製造方法を提供すること
が可能となった。本発明によって得られたポリイソシア
ネートは、塗料、接着剤、コーティング剤、インキ、プ
ライマー、シーリング剤、フォーム、目止め剤、エラス
トマー、封止剤等の主剤としてのポリウレタン樹脂や、
硬化剤(架橋剤)、反応性希釈剤等に利用できる。特
に、本発明によって得られたポリイソシアネートは、平
均官能基数が低いので、エラストマー用原料ポリイソシ
アネートや各種主剤に用いられるポリウレタン樹脂に最
適である。
詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定され
るものではない。なお、実施例、比較例において「%」
は「質量%」を意味する。
の製造・評価〕 実施例1 攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容
量:1Lの反応器に、ヘキサメチレンジイソシアネート
を975g、2−プロパノールを25g、2−エチルヘ
キサン酸鉛を0.2g仕込み、90℃で2時間反応を行
った。次いで、リン酸を0.1g仕込み50℃で1時間
停止反応を行った。停止反応後の反応生成物のイソシア
ネート含量は42.1%であった。この反応生成物を1
30℃×0.04kPaにて薄膜蒸留を行い、アロファ
ネート変性ポリイソシアネートイソシアネートNCO−
1を得た。NCO−1のイソシアネート含量は21.1
%、25℃の粘度は120mPa・s、色数は20AP
HA、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含有量は
0.1%であった。また、NCO−1をFT−IR及び
13C−NMRにて分析したところ、ウレタン基は確認さ
れず、アロファネート基の存在が確認された。また、ウ
レトジオン基及びイソシアヌレート基は痕跡程度であっ
た。このNCO−1を150℃にて2時間加熱し、遊離
のヘキサメチレンジイソシアネート含有量を測定したと
ころ、0.3%であった。結果を表1に示す。
ロファネート変性ポリイソシアネートの製造及び評価を
行った。結果を表1、2に示す。なお、実施例6の反応
条件は120℃で2時間とした。
ネートを995g、ネオペンチルグリコールを5g、ト
リブチルホスフィンを1.0g仕込み、50℃で14時
間反応を行った。次いで、リン酸を0.6g仕込み50
℃で2時間停止反応を行った。停止反応後の反応生成物
のイソシアネート含量は42.1%であった。この反応
生成物を130℃×0.04kPaにて薄膜蒸留を行
い、ウレトジオン変性ポリイソシアネートイソシアネー
トNCO−12を得た。NCO−12のイソシアネート
含量は22.3%、25℃の粘度は80mPa・s、色
数は40APHA、遊離のヘキサメチレンジイソシアネ
ート含有量は0.2%であった。また、NCO−12を
FT−IR及び13C−NMRにて分析したところ、ウレ
タン基、ウレトジオン基、アロファネート基の存在が確
認されたがアロファネート基は確認されなかった。ま
た、このNCO−12を150℃にて2時間加熱し、遊
離のヘキサメチレンジイソシアネート含有量を測定した
ところ、15.6%であった。結果を表2に示す。
おいて MeOH :メタノール IPA :2−プロパノール n−HeOH :n−ヘキサノール EtHeOH :2−エチル−1−ヘキサノール TDOH :トリデカノール NPG :ネオペンチルグリコール HDI :ヘキサメチレンジイソシアネート Pb−EtHe:2−エチルヘキサン酸鉛 Zr−EtHe:2−エチルヘキサン酸ジルコニウム TBP :トリブチルホスフィン NCO :イソシアネート基 OH :水酸基
に示す。検量線は、HDIのイソシアヌレート変性体の
重合度の異なる混合物を用いた。保持時間28.07分
のピークはトリアロファネート化合物(面積比:4.3
%)、29.41分のピークはジアロファネート化合物
(面積比:19.0%)、31.51分のピークはモノ
アロファネート化合物(面積比:74.8%)、35.
43分のピークはHDI(面積比:0.1%)である。
また、図2にNCO−2のFT−IRチャートを示す。
FT−IRチャートからウレトジオン基、イソシアヌレ
ート基はあまり生成していないことが分かる。
リイソシアネートは、25℃の粘度が130mPa・s
以下と低粘度であり、色数も20APHA以下と低いも
のであった。また、熱安定性も良好であった。一方、比
較例では、製造温度が高すぎる又は製造時間が長すぎる
ものは大きく着色した。更にウレトジオン変性ポリイソ
シアネートでは、熱安定性は悪いものであった。
Claims (4)
- 【請求項1】 以下の工程からなる、アロファネート基
含有ポリイソシアネートの製造方法。 第一工程:炭素数1〜10のモノオール(a)と有機ジ
イソシアネート(b)を、アロファネート化触媒(c)
の存在下、70〜150℃でイソシアネート基を水酸基
の1.9〜2.1倍モルまで反応させる工程。 第二工程:触媒毒(d)を添加して、アロファネート化
反応を停止する工程。 第三工程:遊離の有機ジイソシアネートを含有量が1%
以下になるまで除去する工程。 - 【請求項2】 有機ジイソシアネート(b)が、ヘキサ
メチレンジイソシアネートであることを特徴とする、請
求項1記載のアロファネート基含有ポリイソシアネート
の製造方法。 - 【請求項3】 アロファネート化触媒(c)が、カルボ
ン酸ジルコニウム塩であることを特徴とする、請求項1
又は2に記載のアロファネート基含有ポリイソシアネー
トの製造方法。 - 【請求項4】 得られるポリイソシアネートが、下記式
で示すモノアロファネート化合物を60質量%以上含有
し、25℃の粘度が130mPa・s以下であることを
特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のア
ロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法。 【化1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001366203A JP4178363B2 (ja) | 2001-11-30 | 2001-11-30 | アロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001366203A JP4178363B2 (ja) | 2001-11-30 | 2001-11-30 | アロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003171361A true JP2003171361A (ja) | 2003-06-20 |
JP4178363B2 JP4178363B2 (ja) | 2008-11-12 |
Family
ID=19176133
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001366203A Expired - Fee Related JP4178363B2 (ja) | 2001-11-30 | 2001-11-30 | アロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4178363B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006075636A1 (ja) * | 2005-01-14 | 2006-07-20 | Nippon Polyurethane Industry Co., Ltd | アロファネート変性ポリイソシアネート組成物の製造方法 |
JP2011094113A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-05-12 | Nippon Polyurethane Ind Co Ltd | 軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法 |
JP2012077209A (ja) * | 2010-10-01 | 2012-04-19 | Nippon Polyurethane Ind Co Ltd | 軟質ポリウレタンフォームの製造方法 |
JP7361565B2 (ja) | 2019-10-24 | 2023-10-16 | Dicグラフィックス株式会社 | リキッド印刷インキ、印刷物、及び包装材料 |
-
2001
- 2001-11-30 JP JP2001366203A patent/JP4178363B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006075636A1 (ja) * | 2005-01-14 | 2006-07-20 | Nippon Polyurethane Industry Co., Ltd | アロファネート変性ポリイソシアネート組成物の製造方法 |
JP2011094113A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-05-12 | Nippon Polyurethane Ind Co Ltd | 軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法 |
JP2012077209A (ja) * | 2010-10-01 | 2012-04-19 | Nippon Polyurethane Ind Co Ltd | 軟質ポリウレタンフォームの製造方法 |
JP7361565B2 (ja) | 2019-10-24 | 2023-10-16 | Dicグラフィックス株式会社 | リキッド印刷インキ、印刷物、及び包装材料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4178363B2 (ja) | 2008-11-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5672736A (en) | Polyisocyanates containing allophanate groups | |
JP4347945B2 (ja) | Ch酸性エステルでブロックした熱黄変安定化ポリイソシアネート | |
JPH0827247A (ja) | 改質した(環状)脂肪族ポリイソシアナート混合物、ならびにその製造方法および使用方法 | |
CA2195162A1 (en) | Blocked polyisocyanate crosslinkers for providing improved flow properties to coating compositions | |
JPH0768226B2 (ja) | イソシアヌレート基含有ポリイソシアネートの製造方法およびそれらの使用 | |
US5621063A (en) | Blocked polyisocyanates and a process for their preparation | |
JP3137201B2 (ja) | 低粘度ポリイソシアネート | |
JP3850895B2 (ja) | アロファネート化方法及び二液型樹脂組成物 | |
JP2006193642A (ja) | アロファネート変性ポリイソシアネート組成物の製造方法 | |
CA2187124C (en) | High viscosity, high equivalent weight polyisocyanate mixtures containing allophanate and isocyanurate groups and their use in coating compositions | |
JP3511622B2 (ja) | アロファネート変性ポリイソシアネート組成物の製造方法 | |
JPH0881458A (ja) | 1,3−ジオキサン−2−オン基含有オリゴウレタン | |
JP4379906B2 (ja) | 水性一液コーティング剤及びそれを用いたコーティング方法 | |
US5606001A (en) | Polyisocyanates containing allophanate groups and optionally isocyanurate groups | |
JP3899509B2 (ja) | 自己乳化型ポリイソシアネート組成物及びそれを用いた水性塗料 | |
JP2003171361A (ja) | アロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法 | |
JPH1087782A (ja) | モノマートリイソシアネートから作成される低粘度ポリイソシアネート | |
JP3861281B2 (ja) | 自己乳化型アロファネート変性ポリイソシアネートの製造方法 | |
JP3952673B2 (ja) | 変性イソシアネート化合物の製造方法 | |
JP3978767B2 (ja) | 高官能性自己乳化型ポリイソシアネート及びその製造方法 | |
US6111053A (en) | Olefinically unsaturated polyisocyanates | |
JP2003171435A (ja) | アロファネート変性ポリイソシアネートの製造方法 | |
JP2003055433A (ja) | 低粘度ポリイソシアネート組成物 | |
CA2542583A1 (en) | Compounds containing allophanate, isocyanate and ortho ester groups and their use as binders | |
JP5183025B2 (ja) | ポリイソシアネート組成物の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040930 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080324 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080522 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080609 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080630 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080702 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080730 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080812 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |