JP4178363B2 - アロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法に関するものである。更に詳細には、熱安定性を有し、実質的にウレトジオン基やイソシアヌレート基を含有せず、低粘度の低粘度のアロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法は従来より種々知られ、例えば特開平1−66155号公報、特開平8−188566号公報等に開示されている。
【0003】
特開平1−66155号公報に開示されている方法は、実質的にイソシアネートの二量体を含まず、かつ実質的に無色で比較的低い粘度を有するアロファネート基含有ポリイソシアネートが得られ、ポリイソシアネートを水酸基化合物で部分ウレタン化し、少なくとも150℃の温度にて90分以下の時間反応させてアロファネート結合を生成させ、前記反応により生じた生成物を10分以内に100℃未満の温度に冷却することを特徴としている。
【0004】
しかしこの方法では、反応温度の昇降が急であり、バッチ式での大量製造には不向きであるとともに、反応のコントロールを短時間で行うため、ウレタン結合のアロファネート結合への変換率が低い。そのため、未反応ウレタンをかなり含有することになり、二量体は含有しないものの、アロファネート基特有の性能を与える上で満足できるものではない。
【0005】
特開平8−188566号公報に開示されている方法は、カルボン酸金属塩からなる触媒及び亜リン酸エステルからなる助触媒を用いて、ウレタン基を有する化合物とイソシアネートを反応させるということを特徴とする。
【0006】
しかしこの方法では、低粘度のポリイソシアネートを得る方法は開示されておらず、また亜リン酸エステルは容易に加水分解されるため、分解生成物がポリイソシアネートに悪影響を及ぼす場合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題を鑑みされたものであり、実質的に二量体や三量体を含有することなく、熱安定性が良好であり、臭気が少なく、低粘度であるアロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
本発明者等は鋭意検討した結果、特定のモノオール及び特定の金属塩をアロファネート化触媒に用いることにより、前記課題を解決することを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、以下に示されるものである。
(1) 以下の工程からなる、下記式で示すモノアロファネート化合物を60質量%以上含有し、25℃の粘度が130mPa・s以下のアロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法。
第一工程:炭素数1〜6の脂肪族モノオール(a)とヘキサメチレンジイソシアネート(b)を、アロファネート化触媒(カルボン酸ジルコニウム塩を除く)(c)の存在下、70〜150℃でイソシアネート基を水酸基の1.9〜2.1倍モルまで反応させる工程。
第二工程:触媒毒(d)を添加して、アロファネート化反応を停止する工程。
第三工程:遊離の有機ジイソシアネートを含有量が1%以下になるまで除去する工程。
【化1】
【0013】
【発明の実施の手段】
本発明に用いられる原料について説明する。
本発明に用いられる、炭素数1〜10のモノオール(a)は、分子中にアルコール性水酸基を1個有する化合物であり、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール(各種異性体を含む)、ブタノール(各種異性体を含む)、プロパノール(各種異性体を含む)、ヘキサノール(各種異性体を含む)、ヘプタノール(各種異性体を含む)、オクタノール(各種異性体を含む)、ノナノール(各種異性体を含む)、デカノール(各種異性体を含む)等の脂肪族モノオール類、シクロヘキサノール、メチル−シクロヘキサノール(各種異性体を含む)、アルキル置換シクロヘキサノール等の脂環族モノオール類、ベンジルアルコール、アルキル置換ベンジルアルコール等の芳香族モノオール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系モノオール類、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシプロピオン酸等のカルボン酸系モノオール類、ヒドロキシ酢酸エステル、ヒドロキシプロピオン酸エステル等のエステル系モノオール類、等が挙げられる。本発明で好ましい(a)は炭素数1〜6の脂肪族モノオールである。
【0014】
本発明に用いられる有機ジイソシアネート(b)としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシエチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。これらの有機ジイソシアネートは、単独あるいは2種以上の混合物のいずれの形態で用いてもよい。本発明では得られるアロファネート変性ポリイソシアネートの耐候性等の点を考慮すると、無黄変ジイソシアネートが好ましく、特にヘキサメチレンジイソシアネートが最適である。
【0015】
本発明に用いられるアロファネート化触媒(c)としては、有機カルボン酸の金属塩が挙げられる。この有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸等の飽和脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸等の飽和脂環族カルボン酸、ビシクロ(4.4.0)デカン−2−カルボン酸等の飽和複環カルボン酸、ナフテン酸等の上記したカルボン酸の混合物、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸等の不飽和脂肪族カルボン酸、ジフェニル酢酸等の芳香脂肪族カルボン酸、安息香酸、トルイル酸等の芳香族カルボン酸等が挙げられる。また上記カルボン酸の金属塩を構成する金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム等の遷移金属、アルミニウム等のホウ素族、スズ、鉛等の炭素族の金属が挙げられる。これらのなかでは、アルキルカルボン酸のジルコニウム、亜鉛、鉛等の金属塩が好ましく、特にアルキルカルボン酸のジルコニウム塩が好ましい。
【0016】
本発明に用いられる触媒毒(d)としては、リン酸、塩酸等の無機酸、スルホン酸基、スルファミン酸基等を有する有機酸及びこれらのエステル類、アシルハライド等公知の物が挙げられる。
【0017】
次に具体的な製造手順について説明する。
本発明は、以下の工程からなる。
第一工程:炭素数1〜10のモノオール(a)と有機ジイソシアネート(b)を、アロファネート化触媒(c)の存在下、70〜150℃でイソシアネート基を
第二工程:触媒毒(d)を添加して、アロファネート化反応を停止する工程。
第三工程:遊離の有機ジイソシアネートを除去する工程。
【0018】
第一工程は、ウレタン化反応とアロファネート化反応を同時に行う工程であり、具体的には、モノオール(a)及び有機ジイソシアネート(b)をイソシアネート基を水酸基に対して過剰となる量を仕込んで、70〜150℃にてアロファネート化触媒(c)の存在下でウレタン化反応及びアロファネート化反応を同時に行う工程である。
【0019】
ここで「イソシアネート基を水酸基に対して過剰となる量」とは、原料仕込みの際、イソシアネート基が水酸基に対して過剰となるという意味であり、仕込みの際のイソシアネート基と水酸基のモル比がイソシアネート基/水酸基=8以上が好ましく、10〜50が特に好ましい。
【0020】
ここで、ウレタン化反応とアロファネート化反応を別々に行うことも可能である。しかし本発明の場合は、モノオールとジイソシアネートの反応であるので、高分子化又はゲル化するというおそれは基本的にはない。また、多段反応とすると製造時間が長くなり、得られるポリイソシアネートが着色する場合がある。このため、本発明では、一段反応、すなわちウレタン化反応とアロファネート化反応を同時に行うこととした。
【0021】
反応温度は70〜150℃であり、好ましくは80〜130℃である。反応温度が低すぎる場合は反応時間が長くなり、得られるポリイソシアネート中のイソシアヌレート基が多くなり、高粘度となりやすい。また、反応温度が高すぎる場合は、得られるポリイソシアネートの着色が大きくなりやすい。
【0022】
第一工程で消費されるイソシアネート基の量は、仕込み時の水酸基の量に対して1.9〜2.1倍モル量であり、好ましくは1.95〜2.05倍モル量である。イソシアネート基の消費量が少ない場合は、アロファネート化反応が十分進行してないことを示し、得られたポリイソシアネートの平均官能基数は低いものとなる。一方多い場合は、副反応であるイソシアヌレート化反応が多いことを示し、得られるポリイソシアネートの粘度が高くなりやすい。イソシアネート基の消費量を調節するには、触媒の選択、特に反応時間を短くする等がある。反応時間は通常10時間以内が好ましく、特に好ましくは5時間以内である。なお、イソシアネート基消費量は、イソシアネート含量の変化で追跡できる。
【0023】
アロファネート化触媒(c)の使用量はその種類により異なるが、上記(a)と(b)の総和量に対して、0.0005〜1質量%が好ましく、0.001〜0.1質量%がより好ましい。触媒使用量が0.0005質量%未満の場合は、(イ)反応温度が適切であっても、反応が遅くなって長時間を要し、得られるポリイソシアネートのイソシアヌレート基含有量が多くなり、高粘度となりやすい。又は(ロ)適切な反応時間とするには、反応温度を高くする必要があるが、アロファネート化が進行せず、また、副反応であるイソシアネート基のウレトジオン化反応やイソシアヌレート化反応が進行し、高粘度となりやすい。触媒使用量が1質量%を超える場合は、反応制御が難しくなり、副反応であるウレトジオン化反応や化反応が進行し、高粘度となりやすい。
【0024】
なお、このとき必要に応じて有機溶剤を用いることができる。この有機溶剤としては、n−ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系有機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系有機溶剤、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル系有機溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系有機溶剤、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、臭化メチル、ヨウ化メチレン、ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系有機溶剤、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミド等の極性非プロトン溶剤等が挙げられる。前記溶剤は1種又は2種以上使用することができる。
【0025】
第二工程は、アロファネート化反応後、触媒毒(d)を添加してアロファネート化反応を停止させる工程である。触媒毒(d)の添加時期は、アロファネート化反応後であれば特に制限はないが、第三工程における、遊離の有機ジイソシアネートを除去する方法に薄膜蒸留を行う場合は、アロファネート反応後かつ蒸留前に触媒毒(d)の添加を行うのが好ましい。これは、蒸留時の熱により、副反応が起こるのを防止するためである。
【0026】
触媒毒(d)の添加量はその種類や触媒の種類により異なるが、触媒の0.5〜2当量となる量が好ましく、0.8〜1.5当量が特に好ましい。触媒毒が少なすぎる場合は、得られるポリイソシアネートの貯蔵安定性が低下しやすい。多すぎる場合は、得られるポリイソシアネートが着色する場合がある。
【0027】
第三工程は、遊離の有機ジイソシアネート(b)を除去する工程である。本発明においては、基本的にはアロファネート化反応後の生成物には、遊離の有機ジイソシアネートが存在している。この遊離の有機ジイソシアネートは、臭気や経時変化した場合に濁りの原因となるため、遊離の有機ジイソシアネート含有量が1質量%以下となるまで未反応の有機ジイソシアネート(b)を除去するのが好ましい。なお、遊離の有機ジイソシアネート含有量は、ガスクロマトグラフィーで測定した値である。
【0028】
遊離の有機ジイソシアネートを除去する方法としては、蒸留、再沈、抽出等公知の方法が挙げられ、蒸留法、特に薄膜蒸留法を使用すると、溶剤等を用いる必要がないので好ましい。また、好ましい薄膜蒸留の条件としては、圧力:0.1kPa以下、温度:100〜200℃であり、特に好ましい条件は圧力:0.05kPa以下、温度:120〜180℃である。
【0029】
このようして得られるポリイソシアネートは、以下に示す構造式のモノアロファネート化合物を60質量%以上、好ましくは65質量%以上含有するものである。なお、含有量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の当該分子量のピーク面積の割合で求める。
【化3】
【0030】
前記モノアロファネート化合物含有量が下限未満の場合は、有機ジイソシアネートのウレタン化物が多く存在しているため、得られるポリイソシアネートの平均官能基数の低下を招きやすい。もしくは、ジアロファネート化合物以上の付加体の含有量が多いため、得られるポリイソシアネートの平均分子量が高くなり、粘度が高くなりやすい。なお、ジアロファネート化合物以上の付加体は、以下の構造式に示されるものである。
【化4】
【0031】
本発明によって得られるアロファネート変性ポリイソシアネートの粘度(25℃、固形分=100%換算)は130mPa・s以下が好ましく、特に好ましくは20〜120mPa・sである。イソシアネート含量(固形分=100%換算)は5〜25質量%が好ましく、特に好ましくは8〜23質量%である。また、色数は50APHA以下が好ましい。平均官能基数は2〜3が好ましく、特に好ましくは2〜2.5である。
【0032】
本発明によって得られたアロファネート変性ポリイソシアネートには、必要に応じて、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等の酸化防止剤や、紫外線吸収剤、顔料、染料、溶剤、難燃剤、加水分解防止剤、潤滑剤、可塑剤、充填剤、貯蔵安定剤等の添加剤を適宜配合することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によって、実質的に二量体や三量体を含有することなく、熱安定性が良好であり、臭気が少なく、低粘度であるアロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法を提供することが可能となった。本発明によって得られたポリイソシアネートは、塗料、接着剤、コーティング剤、インキ、プライマー、シーリング剤、フォーム、目止め剤、エラストマー、封止剤等の主剤としてのポリウレタン樹脂や、硬化剤(架橋剤)、反応性希釈剤等に利用できる。特に、本発明によって得られたポリイソシアネートは、平均官能基数が低いので、エラストマー用原料ポリイソシアネートや各種主剤に用いられるポリウレタン樹脂に最適である。
【0034】
【実施例】
本発明について、実施例、比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、実施例、比較例において「%」は「質量%」を意味する。
【0035】
〔アロファネート変性ポリイソシアネートの製造・評価〕
実施例1
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容量:1Lの反応器に、ヘキサメチレンジイソシアネートを975g、2−プロパノールを25g、2−エチルヘキサン酸鉛を0.2g仕込み、90℃で2時間反応を行った。次いで、リン酸を0.1g仕込み50℃で1時間停止反応を行った。停止反応後の反応生成物のイソシアネート含量は42.1%であった。この反応生成物を130℃×0.04kPaにて薄膜蒸留を行い、アロファネート変性ポリイソシアネートイソシアネートNCO−1を得た。NCO−1のイソシアネート含量は21.1%、25℃の粘度は120mPa・s、色数は20APHA、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含有量は0.1%であった。また、NCO−1をFT−IR及び13C−NMRにて分析したところ、ウレタン基は確認されず、アロファネート基の存在が確認された。また、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基は痕跡程度であった。このNCO−1を150℃にて2時間加熱し、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含有量を測定したところ、0.3%であった。結果を表1に示す。
【0036】
比較例1〜5
実施例1と同様にして、表2に示す原料を用いてアロファネート変性ポリイソシアネートの製造及び評価を行った。結果を表2に示す。
【0037】
比較例6
実施例1と同様な反応器に、ヘキサメチレンジイソシアネートを995g、ネオペンチルグリコールを5g、トリブチルホスフィンを1.0g仕込み、50℃で14時間反応を行った。次いで、リン酸を0.6g仕込み50℃で2時間停止反応を行った。停止反応後の反応生成物のイソシアネート含量は42.1%であった。この反応生成物を130℃×0.04kPaにて薄膜蒸留を行い、ウレトジオン変性ポリイソシアネートイソシアネートNCO−12を得た。NCO−12のイソシアネート含量は22.3%、25℃の粘度は80mPa・s、色数は40APHA、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含有量は0.2%であった。また、NCO−12をFT−IR及び13C−NMRにて分析したところ、ウレタン基、ウレトジオン基、アロファネート基の存在が確認されたがアロファネート基は確認されなかった。また、このNCO−12を150℃にて2時間加熱し、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含有量を測定したところ、15.6%であった。結果を表2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
実施例1、比較例1〜6、表1、2において
MeOH :メタノール
IPA :2−プロパノール
n−HeOH :n−ヘキサノール
EtHeOH :2−エチル−1−ヘキサノール
TDOH :トリデカノール
NPG :ネオペンチルグリコール
HDI :ヘキサメチレンジイソシアネート
Pb−EtHe:2−エチルヘキサン酸鉛
Zr−EtHe:2−エチルヘキサン酸ジルコニウム
TBP :トリブチルホスフィン
NCO :イソシアネート基
OH :水酸基
【0042】
表1より、本発明のアロファネート変性ポリイソシアネートは、25℃の粘度が130mPa・s以下と低粘度であり、色数も20APHA以下と低いものであった。また、熱安定性も良好であった。一方、比較例では、製造温度が高すぎる又は製造時間が長すぎるものは大きく着色した。更にウレトジオン変性ポリイソシアネートでは、熱安定性は悪いものであった。
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