WO2017104639A1 - ガスバリア性接着剤、フィルム、及びガスバリア性フィルム - Google Patents

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Abstract

オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を含有する酸成分(E1)とポリオール成分(D)との反応物であるポリエステルポリオール(A)と2官能以上の液状アルコールである希釈剤(C)を含有する主剤と、ポリイソシアネート化合物(B)を含有する硬化剤とを有し、前記主剤の粘度が60℃で10000mPa.s以下であるガスバリア性接着剤、前記ガスバリア性接着剤が塗工されたフィルム、及び前記フィルムを用いてなるガスバリア性フィルム。

Description

ガスバリア性接着剤、フィルム、及びガスバリア性フィルム
 本発明は、ガスバリア性接着剤、フィルム、及びガスバリア性フィルムに関する。
 食品や飲料等の包装に用いられる包装材料は、内容物保護、賞味期限の延長等のニーズから、酸素或いは水蒸気バリア性を要求されることが多い。これらのニーズを満足するためには、軟包材の構成にシリカ、アルミナ等の無機を蒸着した透明蒸着フィルム、或いはアルミニウム箔を組み合わせた積層フィルムが使用される。
 しかしながら、前記蒸着フィルムには僅かな蒸着欠陥があるのが普通であることから、バリア性が完全ではないこと、割れが生じるなど、取り扱い性が悪いなどの問題点がある。またアルミニウム箔は、不活性ガスバリアは完全ではあるが、リサイクルの観点から使用しにくく、且つ高価である等の問題点もある。
 一方、前記食品包装用積層フィルムを貼り合わせるために使用する接着剤として、酸素バリア性に優れるポリエステル系材料の反応型接着剤も知られており、70~100質量%のオルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物の少なくとも1種を含む多価カルボン酸成分と多価アルコール成分を重縮合して得られる非晶性ポリエステルポリオールと、これと反応しうる硬化剤とを含有する接着剤や(例えば特許文献1参照)、2個以上の水酸基を有するポリエステルポリオール(A)と2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(B)とを含有してなるガスバリア性接着剤層、及びアルミ蒸着層若しくはアルミ箔を含む層を有するガスバリア性多層フィルム(例えば特許文献2参照)が記載されている。 しかしながらこれらで開示されたポリエステルポリオールは粘度が非常に高く、特許文献2で開示されているように、酢酸エチル等の有機溶剤で希釈しないと特に蒸着フィルムやアルミニウム箔等の金属表面での塗工が難しいものであった。近年は特に環境負荷の低減および作業環境の改善の観点から、揮発性の有機溶剤を含有しない、いわゆる無溶剤型の接着剤の需要が高く、この点から、前記特許文献1や2で開示されたポリエステルポリオールは、無溶剤型の接着剤として適用されるために改善の余地があった。
 一方、無溶剤型の接着剤はインキを溶解させやすい低分子量エステル成分の割合が多いため耐インキ再溶解性が悪く、フィルム外観を損なう問題があった。
WO11/162160 特開2013-147014号公報
 本発明が解決しようとする課題は、蒸着フィルムやアルミニウム箔等のラミネート接着にも適用可能なガスバリア性接着剤を提供することにある。
 本発明者らは、特許文献1や2に開示されたポリエステルポリオールであるオルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を含有する酸成分(E1)とポリオール成分(D)との反応物であるポリエステルポリオールの、フィルム外観とバリア性を維持し且つ粘度を低下させる手段として、希釈剤(C)として2官能以上の液状アルコールと併用することで前記課題を解決した。即ち本発明者らは、前記希釈剤(C)として使用するの2官能以上の液状アルコールが、耐インキ再溶解性に優れ且つ前記ポリエステルポリオールの溶解性に優れ効率よく低粘度化できることを見いだした。さらに前記液状アルコールは揮発温度が高いため、ラミネート時にはポリイソシアネート化合物(B)と反応するためにラミネート後のフィルムからの溶出のおそれもなく、食品包装用に最適なガスバリア性フィルムを提供できることを見いだした。
 即ち本発明は、オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を含有する酸成分(E1)とポリオール成分(D)との反応物であるポリエステルポリオール(A)と2官能以上の液状アルコールである希釈剤(C)を含有する主剤と、ポリイソシアネート化合物(B)を含有する硬化剤とを有し、前記主剤の粘度が60℃で10000mPa.s以下であるガスバリア性接着剤を提供する。
 また本発明は、前記記載のガスバリア性接着剤が塗工されたフィルムを提供する。
 また本発明は、前記記載のフィルムを用いてなるガスバリア性フィルムを提供する。
 本発明のガスバリア性接着剤は、蒸着フィルムやアルミニウム箔等のラミネート接着にも適用可能であり、優れた接着強度と外観を与えるガスバリア性フィルムが得られる。
(ポリエステルポリオール(A))
 本発明で使用するポリエステルポリオール(A)は、オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を含有する酸成分(E1)とポリオール成分(D)との反応物である。具体的には、原料であるオルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を含有する酸成分(E1)の、全酸成分に対する量は10~90モル%の範囲であることが好ましい。この範囲において、前記粘度範囲を有するポリエステルポリオール(A)を得ることができる。
 オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物は具体的にはオルトフタル酸及びその酸無水物である。オルトフタル酸及びその無水物は、骨格が非対称構造である。従って、得られるポリエステルの分子鎖の回転抑制が生じると推定され、これによりガスバリア性に優れると推定している。また、この非対称構造に起因して非結晶性を示し、十分な基材密着性が付与され、接着力とガスバリア性に優れると推定される。さらにドライラミネート接着剤として用いる場合には必須である溶媒溶解性も高いことで取扱い性にも優れる特徴を持つ。
 その他の酸成分としては、例えばマレイン酸又はその酸無水物、フマル酸又はその酸無水物、及びコハク酸又はその酸無水物、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸から成る群から選ばれる少なくとも1つのカルボン酸又は酸無水物(以後これらのカルボン酸または酸無水物を「酸成分(E2)」と称す)であることが好ましい。前記酸成分(E1)と前記酸成分(E2)とのモル比率は1:9~9:1の範囲であり、より好ましくは3:7~7:3の範囲である。
酸成分(E2)としては、中でもアジピン酸が好ましい。
 一方ポリオール成分(D)としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1、6-ヘキサンジオール、グリセリン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートからなる群から選ばれる多価アルコールの単一成分或いは混合成分等を挙げることができる。
 前記酸成分(E2)は、本発明のガスバリア性接着剤の低粘度に寄与する。またオルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を含有する酸成分(E1)の全酸成分に対する量を前述の通り10~90モル%の範囲とすることで、高いバリア性を維持することができる。これはオルトフタル酸及びその無水物は骨格が非対称構造であり、得られるポリエステルの分子鎖の回転抑制が生じると推定され、これによりバリア性に優れると推定される。また、この非対称構造に起因して非結晶性を示し、十分な基材密着性が付与され、接着力とバリア性に優れると推定される。
 本発明で使用するポリエステルポリオール(A)は、数平均分子量が600~2000の範囲が好ましい。より好ましくは数平均分子量が600~1000の範囲である。数平均分子量が2000よりも高い場合、粘度が高すぎてガスバリア性接着剤に使用できないおそれがある。又、数平均分子量が600よりも低い場合、インキを溶解させやすい低分子量エステル成分の割合が増加し、耐インキ再溶解性が悪くなるおそれがある。
(酸成分 その他の成分)
 本発明のポリエステルポリオール(A)は、本発明の効果を損なわない範囲において、前記酸成分(E1)と前記酸成分(E2)以外の他の酸成分(E3)を共重合させてもよい。例えば、脂肪族多価カルボン酸としては、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸等を、脂環族多価カルボン酸としては1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等を、芳香族多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p-ヒドロキシ安息香酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の多塩基酸を単独であるいは二種以上の混合物で使用することができる。中でも、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、イソフタル酸が好ましい。また、三価以上の多価カルボン酸として、トリメリット酸およびその酸無水物、ピロメリット酸及びその酸無水物等があげられる。前記酸成分(E3)は、全酸成分量に対し20質量%以下であることが好ましく10質量%以下であることが最も好ましい。
 前記ポリエステルポリオール(A)の粘度は、60℃で50000mPa.s以下の範囲が好ましく、500~10000mPa.sの範囲がなお好ましい。なお粘度は、ポリエステルポリオール(A)と希釈剤(C)を配合し、AntonPaar社製MCRレオメーターを用いて、コーンプレートCP-50、回転数5rpm、温度60℃の条件下で測定した値である。
(ポリオール成分(D))
 本発明で使用するポリオール成分(D)は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びグリセリンからなる群から選ばれる少なくとも1種の多価アルコールを使用することが好ましく、中でもエチレングリコールを使用することが最も好ましい。
(ポリオール成分(D) その他の成分)
 本発明では前述の多価アルコールを使用することが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲において、他のポリオールを共重合させてもよい。具体的には、脂肪族ジオールとしては1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、芳香族多価フェノールとして、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフタレンジオール、ビフェノール、ビスフェノールA、ヒスフェノールF、テトラメチルビフェノールや、これらのエチレンオキサイド伸長物、水添化脂環族を例示することができる。三価以上の多価アルコールとして、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,2,4-ブタントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスルトール等があげられる。
 本発明において、前記酸成分(E1)を含む全酸成分と前記ポリオール成分(D)の反応は以下の様にして行う。
前記酸成分(E1)を含む全酸成分と前記ポリオール成分(D)とを一括して仕込んだ後、攪拌混合しながら昇温し、脱水縮合反応させる。JIS-K0070に記載の酸価測定法にて5.0mgKOH/g以下、同じくJIS-K0070に記載の水酸基価測定方法にて得られる水酸基価ZmgKOH/gが下記式(b)の右辺の数値(mgKOH/g)の±5%以内に入るまで反応を継続することで目的とするポリエステル樹脂を得ることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
(式(a)中、Mnは所定の2官能ポリエステル樹脂の設定数平均分子量を表す)
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
(式(b)中、Mnは所定のN(Nは1以上の自然数)官能ポリエステル樹脂の設定数平均分子量を表す)
 或いは、各々の原料を多段階に分けて反応させてもよい。また、反応温度にて揮発してしまったポリオール成分(D)を追加しながら、水酸基価を±5%以内に入るように調製してもよい。
 反応に用いられる触媒としては、モノブチル酸化錫、ジブチル酸化錫等錫系触媒、テトラ-イソプロピル-チタネート、テトラ-ブチル-チタネート等のチタン系触媒、テトラ-ブチル-ジルコネート等のジルコニア系触媒等の酸触媒が挙げられる。前記触媒のうち数種類を組み合わせて用いることもできる。前記触媒量は、使用する反応原料全質量に対して1~1000ppm用いられ、より好ましくは10~100ppmである。1ppmを下回ると触媒としての効果が得られにくく、1000ppmを上回ると後のウレタンとの反応を阻害する傾向がある。
 本発明で使用するポリエステルポリオール(A)は、ガラス転移温度が-50℃~80℃の範囲が好ましい。より好ましくは-20℃~60℃である。ガラス転移温度が80℃よりも高い場合、室温付近でのポリエステルポリオールの柔軟性が低くなることにより、基材への密着性が劣ることで接着力が低下するおそれがある。又、多価カルボン酸にオルトフタル酸又はその無水物を含むので、ガラス転移温度が-50℃よりも低い場合、常温付近でのポリエステルポリオールの分子運動が激しいことにより十分なガスバリア性が出ないおそれがある。
(希釈剤(C))
 本発明で使用する希釈剤(C)は、2官能以上の液状アルコールである。液状とは常温にて液体であることを示す。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、またはポリプロピレングリコールであることが好ましい。
前述の通り、これらの液状アルコールは、前記ポリエステルポリオール(A)の溶解性に優れ効率よく低粘度化できる。且つ揮発温度も高く、ラミネート時にはポリイソシアネート化合物(B)と反応するためにラミネート後のフィルムからの溶出のおそれもなく、食品包装用に最適なガスバリア性フィルムを提供することができる。更に、ラミネートするフィルムに印刷が施されている場合においても、印刷インキを溶解させる等の問題も生じにくく、外観に優れたラミネートフィルムを得ることができる。
 前記希釈剤(C)の使用量は、前記ポリエステルポリオール(A)に対して3~50質量%であることが好ましい。使用量が3質量%よりも少ない場合、前記の60℃粘度まで粘度を下げることができないおそれがある。又、使用量が50質量%よりも多い場合バリア性を低下させるおそれがある。より好ましくは5~40質量%の範囲であり、なお好ましくは10~30質量%の範囲である。
 本発明においては、前記オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を含有する酸成分(E1)とポリオール成分(D)との反応物であるポリエステルポリオール(A)と2官能以上の液状アルコールである希釈剤(C)を含有する主剤の粘度が、60℃で10000mPa.s以下であることが特徴である。前記範囲に粘度を調整することで、本発明の接着剤用樹脂組成物を無溶剤型接着剤に使用できるようになる。
 100~5000mPa.sの範囲がなお好ましい。
 なお粘度は、ポリエステルポリオール(A)と希釈剤(C)を配合し、AntonPaar社製MCRレオメーターを用いて、コーンプレートCP-50、回転数5rpm、温度60℃の条件下で測定した値である。
(ポリイソシアネート化合物(B))
 本発明で使用するイソシアネート化合物(B)は、反応型接着剤の硬化剤とも称されており、汎用に使用されるものであれば特に限定なく使用できるが、中でも、ポリオール成分と二塩基酸との反応物であるポリエステル化合物の末端にイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(B)が好ましい。具体的にはポリエステル化合物との反応に用いられるイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。また、本発明の効果を損なわない範囲においてイソシアネートモノマーを使用しても良い。
 特に、芳香族環を有するポリイソシアネートであると、よりガスバリア性に優れ好ましい。特に、キシレン骨格を含むポリイソシアネートであると、ウレタン基の水素結合だけでなく芳香環同士のπ-πスタッキングによってガスバリア性を向上させることが出来るという理由から、ポリオール成分と二塩基酸との反応物であるポリエステル化合物の末端にメタキシレンジイソシアネート基、ジフェニルメタンジイソシアネート基、ヘキサメチレンジイソシアネート基を有する化合物が特に好ましい。
 イソシアネート化合物としてはブロック化イソシアネートであってもよい。イソシアネートブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなそのオキシム類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレンクロルヒドリン、1,3-ジクロロ-2-プロパノールなどのハロゲン置換アルコール類、t-ブタノール、t-ペンタノール、などの第3級アルコール類、ε-カプロラクタム、δ-バレロラクタム、γ-ブチロラクタム、β-プロピロラクタムなどのラクタム類が挙げられ、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、尿素類、ジアリール化合物類重亜硫酸ソーダなども挙げられる。ブロック化イソシアネートは前記イソシアネート化合物とイソシアネートブロック化剤とを公知慣用の適宜の方法より付加反応させて得られる。
 前記ポリイソシアネート化合物(B)の原料であるポリオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどを使用することが好ましく、中でもエチレングリコールを使用することが最も好ましい。
前記ポリイソシアネート化合物(B)の原料である二塩基酸としては、オルトフタル酸又はその無水物、ナフタレン2,3-ジカルボン酸又はその無水物、ナフタレン1,2-ジカルボン酸又はその無水物、アントラキノン2,3-ジカルボン酸又はその無水物、及び2,3-アントラセンカルボン酸又はその無水物、マレイン酸又はその無水物、コハク酸又はその無水物、フマル酸等が挙げられる。これらの化合物は、芳香環の任意の炭素原子に置換基を有していても良い。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i-プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、フェニル基又はナフチル基等が挙げられる。
 前記ポリエステルポリオール(A)と前記ポリイソシアネート化合物(B)とは、ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)との割合がポリエステルポリオール(A)の水酸基とポリイソシアネート化合物(B)の反応成分とが1/0.5~1/10(当量比)となるように配合することが好ましく、より好ましくは1/1~1/5である。該範囲を超えてポリイソシアネート成分が過剰な場合、余剰なポリイソシアネート成分が残留することで接着後に接着層からブリードアウトするおそれがあり、一方ポリイソシアネート成分が不足の場合には接着強度不足のおそれがある。
 前記ポリイソシアネート化合物(B)は、公知の硬化剤或いは促進剤を併用することもできる。例えば硬化剤としては、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDIと略す)・ヌレート体、HDI・ビュレット体、HDI・アロファネート体、HDI・ウレトジオン体等が挙げられる。例えば接着促進剤としては、加水分解性アルコキシシラン化合物等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系等のカップリング剤、エポキシ樹脂等が挙げられる。シランカップリング剤やチタネート系カップリング剤は、各種フィルム材料に対する接着強度を向上させる意味でも好ましい。
(接着剤 その他の成分)
 本発明のガスバリア性接着剤は、ガスバリア性を損なわない範囲で、各種の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどの無機充填剤、層状無機化合物、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等)、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、フィラー、結晶核剤等が例示できる。膨潤性無機層状化合物としては、例えば、含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物等)、カオリナイト族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等)、アンチゴライト族粘土鉱物(アンチゴライト、クリソタイル等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)、雲母又はマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母等の雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等)が挙げられる。これらの鉱物は天然粘土鉱物であっても合成粘土鉱物であってもよい。膨潤性無機層状化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用される。
 また、接着剤層の耐酸性を向上させる方法として公知の酸無水物を添加剤として併用することもできる。酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、コハク酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドラフタル酸無水物、テトラプロムフタル酸無水物、テトラクロルフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7-ナフタリンテトラカルボン酸2無水物、5-(2,5-オキソテトラヒドロフリル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、スチレン無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
 また、必要に応じて、更に酸素捕捉機能を有する化合物等を添加してもよい。酸素捕捉機能を有する化合物としては、例えば、ヒンダードフェノール類、ビタミンC、ビタミンE、有機燐化合物、没食子酸、ピロガロール等の酸素と反応する低分子有機化合物や、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属化合物等が挙げられる。
 また、塗布直後の各種フィルム材料に対する粘着性を向上させるために、必要に応じてキシレン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、ロジン樹脂などの粘着付与剤を添加しても良い。これらを添加する場合には、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤の総量100質量部に対して0.01~5質量部の範囲が好ましい。
 本発明のポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)との硬化塗膜のガラス転移温度は、-30℃~80℃の範囲が好ましい。より好ましくは-20℃~60℃である。ガラス転移温度が80℃よりも高い場合、室温付近でのポリエステルポリオールの柔軟性が低くなることにより、基材への密着性が劣ることで接着力が低下するおそれがある。一方-30℃よりも低い場合、常温付近でのポリエステルポリオールの分子運動が激しいことにより十分なガスバリア性が出ないおそれがあるほか、硬化塗膜の凝集力不足の為、十分な接着強度、シール強度等も得られない恐れがある。
(接着剤の形態)
 本発明のガスバリア性接着剤は、前述の通り、オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を含有する酸成分(E1)とポリオール成分(D)との反応物であるポリエステルポリオール(A)と2官能以上の液状アルコールである希釈剤(C)を含有する主剤と、ポリイソシアネート化合物(B)を含有する硬化剤とを有し、必要に応じて混合して用いる。
 本発明のガスバリア性接着剤は、ポリエステルポリオール(A)とポリイソシアネート化合物(B)との反応を利用した反応型2液タイプのラミネート接着剤である。一般に、従来の揮発性の有機溶剤を使用しない場合「無溶剤型接着剤」とも称され、本発明は「無溶剤型ガスバリア性接着剤」である。なお本発明でいう無溶剤型の接着剤の「溶剤」とは、本発明で使用するポリイソシアネートやポリオールを溶解することの可能な、溶解性が高く揮発性の有機溶剤を指し、「無溶剤」とは、これらの溶解性の高い有機溶剤を含まないことを指す。溶解性の高い有機溶剤とは、具体的には、トルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸nープロピル、酢酸n-ブチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、トルオール、キシロール、n-ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。中でもトルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、酢酸エチルは特に溶解性の高い有機溶剤として知られている。
 一方本発明で使用する希釈剤(C)として2官能以上の液状アルコールは、本発明のポリエステルポリオール(A)やポリイソシアネート化合物(B)は溶解するが揮発性が低くなおかつポリイソシアネート化合物(B)と反応する。従ってここでいう「無溶剤型接着剤」の「溶剤」とは異なる。
 本発明のガスバリア性接着剤は、基材フィルム等に塗工して使用することができる。塗工方法としては特に限定はなく公知の方法で行えばよい。無溶剤型接着剤の場合、室温での粘度が高くグラビアロール塗工が適さない場合が多く、その際は、加温しながらロールコーターで塗工する。ロールコーターを使用する場合は、本発明の接着剤の粘度が500~2500mPa・s程度となるように室温~120℃程度まで加熱した状態で、塗工することが好ましい。又、溶剤型接着剤として用いる場合、適当な溶剤に希釈し、適性な粘度に調整した後、グラビアロール塗工方式等で塗布することが多い。
 本発明のガスバリア性接着剤は、ポリマー、紙、金属などに対し、ガスバリア性を必要とする各種用途の接着剤として使用できる。例えば食品や飲料等の包装に用いられる包装材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:リニア低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:未延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルム、シクロオレフィンコポリマフィルム等が挙げられる。これらのフィルムには延伸処理があっても、無くても好ましく用いることができる。延伸処理をほどこしているフィルム類は寸法安定性、剛性よりコーティング操作が容易で使いやすい利点がある。また、未延伸フィルムでは逆に基材の寸法安定性、剛性、耐熱性が劣るため蒸着層が欠陥を多く持ちガスバリアが安定しないことが多いので、本発明のガスバリア性接着剤を用いることで、バリア機能の強化に大きな効果をだせる利点がある。
 また、アルミ、シリカ、アルミナ等を蒸着させた蒸着フィルムやアルミニウム箔等の軟質金属箔を使用する場合には、更にバリア性が向上するため好ましい。
 蒸着フィルムや軟質金属箔の具体例としては、現在包装用に広く用いられている金属蒸着、または金属酸化物蒸着が例示できる。金属蒸着としては特に安価で広く用いられているアルミニウムが好ましい。また、金属酸化物としては、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化ケイ素(SiOx)が、汎用性が高い材料として好ましく例示される。これ以外にも各種有機化合物、無機化合物を蒸着したフィルムや、複数種の材料を蒸着したものを用いても良い。蒸着方法としては特に制限はなく物理的蒸着法である真空蒸着法や、化学的蒸着法であるCVD法が例示できる。蒸着層の厚みは蒸着層単独でも一定のガスバリア機能が発現でき、これに本発明のガスバリア性接着剤が積層されることでより高バリア性が得られる。
 これらのフィルムには、用途に応じて所望の印刷が施してあり、ラミネートフィルムである場合、印刷面はラミネート後表層側となる面とは反対側の面に設けられていることが多い。この場合印刷面と直接接着剤とが接することとなるが、本発明のガスバリア性接着剤はインキを溶解させやすい低分子量エステル成分の割合が少ないため、インキの一部が溶解し印刷面が崩れることが少なく、いわゆる耐インキ再溶解性に優れる。これらのインキを印刷層に使用しているフィルムを接着させる際の接着剤として特に有用である。
 即ち、本発明のガスバリア性フィルムの構成の一例としては、例えば、
・蒸着延伸フィルム/ラミネート接着剤/シーラントフィルム
・インキ/蒸着延伸フィルム/ラミネート接着剤/シーラントフィルム
・蒸着延伸フィルム/インキ/ラミネート接着剤/シーラントフィルム
・インキ/蒸着延伸フィルム/ラミネート接着剤/インキ/シーラントフィルム
・インキ/蒸着延伸フィルム/ラミネート接着剤/シーラントフィルム/インキ
のような形態が挙げられる。本発明はもちろんこの構成に限定されることはなく、様々なラミネート用の接着剤として好適に使用することができる。
(透過を遮断できるガス成分種類)
 本発明のガスバリア性接着剤を利用したガスバリア性フィルムが遮断できるガスとしては、酸素、水蒸気の他、二酸化炭素、窒素、アルゴン等の不活性ガス、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール成分、フェノール、クレゾール等のフェノール類の他、低分子化合物からなる香気成分類、例えば、醤油、ソース、味噌、レモネン、メントール、サリチル酸メチル、コーヒー、ココアシャンプー、リンス、等の香り成分を例示することができる。
<ポリエステルポリオール(A)製造例>
 次に、本発明を、実施例及び比較例により具体的に説明する。例中断りのない限り、「部」「%」は質量基準である。
(製造例1)エチレングリコールと無水フタル酸とマレイン酸からなるポリエステルポリオール(A)「EGoPA3MA7 0.9K」製造方法
 攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを851.3部、無水フタル酸474.15部、無水マレイン酸732.3部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=125、水酸基価から計算される理論数平均分子量900、60℃粘度が25000mPa・sのポリエステルポリオール(A)「EGoPA3MA7 0.9K」を得た。
(製造例2)エチレングリコールと無水フタル酸とアジピン酸からなるポリエステルポリオール(A)「EGoPA1AA9 0.85K」製造方法
 攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを703.62部、無水フタル酸131.22部、アジピン酸1165.19部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=135、水酸基価から計算される理論数平均分子量850、60℃粘度が850mPa・sのポリエステルポリオール(A)「EGoPA1AA9 0.85K」を得た。
(製造例3)エチレングリコールと無水フタル酸とアジピン酸からなるポリエステルポリオール(A)「EGoPA9AA1 0.6K」製造方法
 攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを783.42部、無水フタル酸1096.41部、アジピン酸120.20部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=185、水酸基価から計算される理論数平均分子量600、60℃粘度が4070mPa・sのポリエステルポリオール(A)「EGoPA1AA9 0.85K」を得た。
(製造例4)エチレングリコールと無水フタル酸とアジピン酸からなるポリエステルポリオール(A)「EGoPA7AA3 0.85K」製造方法
 攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを798.1部、無水フタル酸1036.8部、アジピン酸438.4部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=135、水酸基価から計算される理論数平均分子量850、60℃粘度が3950mPa・sのポリエステルポリオール(A)「EGoPA1AA9 0.85K」を得た。
(製造例5)エチレングリコールと無水フタル酸とアジピン酸からなるポリエステルポリオール(A)「EGoPA5AA5 0.85K」製造方法
 攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを791.0部、無水フタル酸740.6部、アジピン酸730.7部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=135、水酸基価から計算される理論数平均分子量850、60℃粘度が1300mPa・sのポリエステルポリオール(A)「EGoPA5AA5 0.85K」を得た。
(製造例6)エチレングリコールと無水フタル酸とスベリン酸からなるポリエステルポリオール(A)「EGoPA5SA5 0.85K」製造方法
 攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを664.81部、無水フタル酸613.59部、スベリン酸721.63部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=135、水酸基価から計算される理論数平均分子量850、60℃粘度が830mPa・sのポリエステルポリオール(A)「EGoPA5SA5 0.85K」を得た。
(製造例7)エチレングリコールと無水フタル酸とセバシン酸からなるポリエステルポリオール(A)「EGoPA5SeA5 0.85K」製造方法
 攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを634.42部、無水フタル酸577.32部、セバシン酸788.30部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=135、水酸基価から計算される理論数平均分子量850、60℃粘度が610mPa・sのポリエステルポリオール(A)「EGoPA5SeA5 0.85K」を得た。
(製造例8)エチレングリコールと無水フタル酸からなるポリエステルポリオール(A)「EGoPA 0.9K」製造方法
 攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを879.37部、無水フタル酸1580.52部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=125、水酸基価から計算される理論数平均分子量900、60℃粘度が91000mPa・sのポリエステルポリオール(A)「EGoPA 0.9K」を得た。
(製造例9)エチレングリコールと無水フタル酸からなるポリエステルポリオール(A)「EGoPA 0.4K」製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコールを859.95部、無水フタル酸1140.08部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.10部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を200℃に保持した。酸価が5.0mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=295、水酸基価から計算される理論数平均分子量380、60℃粘度が580mPa・sのポリエステルポリオール(A)「EGoPA 0.4K」を得た。
(製造例10)無水フタル酸とエチレングリコールからなるポリエステルポリオール「EG2oPA」製造方法
 攪拌機、窒素ガス導入管、スナイダー管、コンデンサーを備えたポリエステル反応容器に、エチレングリコール134.86部、無水フタル酸148.12部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保持した。酸価が1mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数N=2、水酸基価=445、水酸基価から計算される理論数平均分子量252のポリエステルポリオール「EG2oPA」を得た。
<ポリイソシアネート化合物(B)製造例>
(製造例11)ポリイソシアネート化合物(B)「(EG2oPA)XDI2」の製造例
 温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、空気導入口及び環流冷却器を備えた四つ口フラスコにポリエステル樹脂「EG2oPA」252部とキシリレンジイソシアネート(XDIと略す)752.72部を仕込み、窒素気流下60℃で3時間反応させた。NCO%が26以下になったところでウレタン化反応を終了し、設計官能基数N=2、NCO%が23.2%、60℃粘度50mPa・sのポリイソシアネート化合物(B)「(EG2oPA)XDI2」を得た。
(製造例12)ポリイソシアネート化合物(B)「(EGoPA5AA5)XDI2」の製造例
 温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、空気導入口及び環流冷却器を備えた四つ口フラスコにポリエステル樹脂「EGoPA5AA5」540部とXDI522.14部を仕込み、窒素気流下60℃で3時間反応させた。NCO%が17%以下になったところでウレタン化反応を終了し、設計官能基数N=2、NCO%が15.8%、60℃粘度280mPa・sのポリイソシアネート化合物(B)「(EGoPA5AA5)XDI2」を得た。
(製造例13)ポリイソシアネート化合物(B)「XDI(EG2oPA)HDI-CDMDI」の製造例
 温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、空気導入口及び環流冷却器を備えた四つ口フラスコにポリエステル樹脂「EG2oPA」128.29部とXDI172.1部、ヘキサメチレンジイソシアネート・ビュレット体227.24を仕込み、窒素気流下60℃で3時間反応させた。NCO%が15.5%以下になったところでカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(CDMDIと略す)417.36部を仕込んでウレタン化反応を終了し、設計官能基数N=2.24、NCO%が21.5%、60℃粘度280mPa・sのポリイソシアネート化合物(B)「(XDI(EG2oPA)HDI-CDMDI」を得た。
(製造例14)ポリイソシアネート化合物(B)「XDI(EGoPA5AA5)HDI-CDMDI」の製造例
 温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、空気導入口及び環流冷却器を備えた四つ口フラスコにポリエステル樹脂「EGoPA5AA5」389.23部とXDI172.1部、ヘキサメチレンジイソシアネート・アロファネート体268.64を仕込み、窒素気流下60℃で3時間反応させた。NCO%が9.0%以下になったところでCDMDI729.48部を仕込んでウレタン化反応を終了し、設計官能基数N=2、NCO%が18.2%、60℃粘度310mPa・sのポリイソシアネート化合物(B)「(XDI(EGoPA5AA5)HDI-CDMDI」を得た。
(主剤の60℃粘度測定方法)
 前記製造方法で得たポリエステルポリオール(A)と希釈剤(C)を表1、表2及び表3に示す様に配合し主剤を得た。主剤をAntonPaar社製MCRレオメーターを用いて、コーンプレートCP-50、回転数5rpm、温度60℃の条件下で粘度を測定した。
(主剤のインキ再溶解性評価方法)
 前記製造方法で得たポリエステル樹脂と希釈剤を表1、表2及び表3に示す様に配合した主剤を、酢酸エチルで樹脂固形分70%に希釈した。次にDIC(株)社製インキ「XS-878 R793 White No.3」が塗布されたフィルムにバーコーター(No.4)で希釈後の主剤を塗工した。その後50℃の乾燥機に投入し、5分毎に印刷物を取り出し、直後にインキ部を綿棒で一度擦る試験を3回繰り返し、以下6段階でインキ再溶解性を評価した。
インキが95~100%溶ける:0点
インキが60~95%溶ける :1点
インキが30~60%溶ける :2点
インキが10~30%溶ける :3点
インキが5~10%溶ける   :4点
インキが0~5%溶ける   :5点
(実施例1~11)
 表1、2の組成に従い、ポリエステルポリオール(A)と希釈剤(C)を含有する主剤と、ポリイソシアネート化合物(B)を含有する硬化剤とを混合し、ガスバリア性接着剤を得た。
(比較例1~5)
 表3の組成に従い、接着剤を得た。
(実施例1~11、及び比較例1~5の接着剤を使用したガスバリア性フィルムの製造方法)
 実施例1~11、及び比較例1~5で得た接着剤を約60℃に加熱し、無溶剤用テストコーターポリタイプ社製ロールコーターを用いて、厚さ30μmのOPPフィルム(フタムラ化学(株)製「FOR」)のコロナ処理面に塗布量2.0g/mになるよう塗布後、塗布面を厚さ24μmのアルミ蒸着CPP(VM-CPPフィルム)(東レフィルム加工(株)製「2203」)のVM処理面とラミネートし、OPPフィルム/接着剤層/VM-CPPフィルムの層構成を有する積層フィルムを作製した。次いで、得られた積層フィルムを40℃×3日間のエージングを行い接着剤の硬化を行って、ガスバリア性フィルムを得た。
(ラミネート強度評価方法)
 得られたガスバリア性フィルムを、塗工方向と平行に15mm幅に切断し、OPPフィルムとVM-CPPフィルムとの間を、(株)オリエンテック製テンシロン万能試験機を用いて、雰囲気温度25℃、剥離速度を300mm/分に設定し、180度剥離方法で剥離した際の引っ張り強度をラミネート強度とした。ラミネート強度の単位はN/15mmとした。測定中フィルム破断となる場合は結果にF及びピーク値を記載した。
(酸素透過率評価方法)
 得られたガスバリア性フィルムを、モコン社製酸素透過率測定装置OX-TRAN2/21MHを用いてJIS-K7126(等圧法)に準じ、23℃、0%RHの雰囲気下で酸素透過率を測定した。
(参考例)
 厚さ24μmのVM-CPPフィルム(東レフィルム加工(株)製「2203」)の酸素透過率を測定し、フィルム厚み5g/mの透過率として換算した。その結果、50cc/m・day・atmであった。
(接着剤のインキ再溶解性評価方法)
 実施例1~11、及び比較例1~5で得た接着剤を、酢酸エチルで樹脂固形分70%に希釈した。次に次にDIC社製インキ「XS-878 R793 White No.3」が塗布されたフィルムにバーコーター(No.4)で希釈後の主剤を塗工した。その後50℃の乾燥機に投入し、5分毎に印刷物を取り出し、直後にインキ部を綿棒で一度擦る試験を3回繰り返し、以下6段階でインキ再溶解性を評価した。
インキが95~100%溶ける:0点
インキが60~95%溶ける :1点
インキが30~60%溶ける :2点
インキが10~30%溶ける :3点
インキが5~10%溶ける   :4点
インキが0~5%溶ける   :5点
 実施例、比較例の結果を表1、表2及び表3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 表中、略語は以下の通りである。 
EGoPA3MA7 0.9K:エチレングリコールとオルトフタル酸とマレイン酸(オルトフタル酸とマレイン酸のモル比率3:7)からなる理論数平均分子量約900のポリエステルポリオール
EGoPA1AA9 0.85K:エチレングリコールとオルトフタル酸とアジピン酸(オルトフタル酸とアジピン酸のモル比率1:9)からなる理論数平均分子量約850のポリエステルポリオール
EGoPA9AA1 0.6K:エチレングリコールとオルトフタル酸とアジピン酸(オルトフタル酸とアジピン酸のモル比率9:1)からなる理論数平均分子量約600のポリエステルポリオール
EGoPA7AA3 0.85K:エチレングリコールとオルトフタル酸とアジピン酸(オルトフタル酸とアジピン酸のモル比率7:3)からなる理論数平均分子量約850のポリエステルポリオール
EGoPA5AA5 0.85K:エチレングリコールとオルトフタル酸とアジピン酸(オルトフタル酸とアジピン酸のモル比率5:5)からなる理論数平均分子量約850のポリエステルポリオール
EGoPA5SA5 0.85K:エチレングリコールとオルトフタル酸とスベリン酸(オルトフタル酸とスベリン酸のモル比率5:5)からなる理論数平均分子量約850のポリエステルポリオール
EGoPA5SeA5 0.85K:エチレングリコールとオルトフタル酸とセバシン酸(オルトフタル酸とセバシン酸のモル比率5:5)からなる理論数平均分子量約850のポリエステルポリオール
EGoPA 0.9K:エチレングリコールとオルトフタル酸からなる理論数平均分子量約900のポリエステルポリオール
EGoPA 0.4K:エチレングリコールとオルトフタル酸からなる理論数平均分子量約400のポリエステルポリオール
HA500B:DIC(株)社製ポリエステルポリオール樹脂
EG:エチレングリコール
1,3BD:1,3ブタンジオール
1,4BD:1,4ブタンジオール
GLY:グリセリン
PPG400:ポリプロピレングリコール、平均分子量約400
PEG400:ポリエチレングリコール、平均分子量約400
カーボネートジオール:ダイセル社製プラクセルCD205PL、平均分子量約500
(EG2oPA)XDI2:ポリエステル樹脂「EG2oPA」の末端にキシリレンジイソシアネートを付加したイソシアネート化合物(B)
(EGoPA5AA5)XDI2:ポリエステル樹脂「EGoPA5AA5」の末端にキシリレンジイソシアネートを付加したイソシアネート化合物(B)
XDI(EG2oPA)HDI-CDMDI:ポリエステル樹脂「EG2oPA」の末端にキシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体を付加した後、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートを添加したイソシアネート化合物(B)
XDI(EGoPA5AA5)HDI-CDMDI:ポリエステル樹脂「EGoPA5AA5」の末端にキシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体を付加した後、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートを添加したイソシアネート化合物(B)
NS5000A:DIC(株)社製イソシアネート化合物(B)
※1 主剤の60℃粘度は、ポリエステルポリオール(A)と希釈剤(C)との配合物(主剤)の粘度である。
※2 接着剤の40℃粘度は、ポリエステルポリオール(A)と希釈剤(C)とポリイソシアネート化合物(B)との配合物(接着剤)の粘度である。
 この結果、実施例1~11のポリオール成分の60℃粘度はいずれも10000mPa.s以下となり、実施例1~11の樹脂組成物は良好なラミネート粘度適性を発揮した。
 実施例1~11のガスバリア性接着剤を接着剤として使用した積層フィルムは、いずれもラミネート強度が1.0N/15mm以上と、良好な接着性能を発揮した。
 実施例1~11のガスバリア性接着剤を接着剤として使用した積層フィルムは、いずれも酸素透過率が2.0cc/m・day以下と、良好なバリア性能を発揮した。
 実施例1~11のポリオール成分のインキ再溶解性評価はいずれも良好であり、実施例1~11のラミネート接着剤も、インキ再溶解性評価良好となった。
 以上のように、実施例1~4のガスバリア性接着剤は、良好なラミネート粘度適正、バリア性能、ラミネート接着強度、耐インキ溶解性を兼備している。
 これに対し、比較例1~2は、希釈剤を使用しない接着剤の例である。比較例1の接着剤はインキ再溶解性評価は良好であり、比較例1の接着剤を使用した積層フィルムは、酸素透過率(23℃0%RH)が1cc/m・day・atm以下、ラミネート強度が1.0N/15mm以上と良好であるが、ポリオール成分の粘度は10000mPa.s以上であり、ラミネート粘度適性が悪い結果となっている。
 また、比較例2の接着剤は、ポリオール成分の粘度が10000mPa.s以下で、ラミネート粘度適性は良好であり、ラミネート強度が1.0N/15mm以上、酸素透過率(23℃0%RH)が1cc/m・day・atm以下と良好であるが、ポリオール成分のインキ再溶解性評価が悪く、接着剤そのもののインキ再溶解性評価も悪い結果であった。
 また、比較例3~4の接着剤は、希釈剤として本発明記載の2官能以上の液状アルコールを使用しない例である。これはいずれも、ポリオール成分の粘度が50000mPa.s以下で、ラミネート粘度適性は良好であり、ラミネート強度が1.0N/15mm以上、酸素透過率(23℃0%RH)が1cc/m・day・atm以下と良好であるが、ポリオール成分のインキ再溶解性評価が悪く、接着剤そのもののインキ再溶解性評価も悪い結果であった。
 また、比較例5の接着剤は、ポリエステルポリオールとして、オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を含有する酸成分(E1)とポリオール成分(D)との反応物であるポリエステルポリオール(A)を使用せず、且つ希釈剤として2官能以上の液状アルコールを使用しない例である。ポリオール成分の粘度が50000mPa.s以下で、ラミネート粘度適性は良好であり、ラミネート強度が1.0N/15mm以上と良好であるが、酸素透過率(23℃0%RH)が1cc/m・day・atm以上と悪い結果であった。

Claims (7)

  1. オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を含有する酸成分(E1)とポリオール成分(D)との反応物であるポリエステルポリオール(A)と2官能以上の液状アルコールである希釈剤(C)を含有する主剤と、ポリイソシアネート化合物(B)を含有する硬化剤とを有し、前記主剤の粘度が60℃で10000mPa.s以下であることを特徴とするガスバリア性接着剤。
  2. 前記ポリエステルポリオール(A)が、オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を含有する酸成分(E1)と、マレイン酸又はその酸無水物、フマル酸又はその酸無水物、及びコハク酸又はその酸無水物、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸から成る群から選ばれる少なくとも1つのカルボン酸又は酸無水物である酸成分(E2)と、ポリオール成分(D)との反応物であり、前記酸成分(E1)と前記酸成分(E2)とのモル比率が1:9~9:1の範囲である請求項1に記載のガスバリア性接着剤。
  3. 前記ポリイソシアネート化合物(B)が、ポリオール成分と二塩基酸成分との反応物であるポリエステル化合物の末端にメタキシレンジイソシアネート基、ジフェニルメタンジイソシアネート基、ヘキサメチレンジイソシアネート基の何れかを有する請求項1または2に記載のガスバリア性接着剤。
  4. 前記希釈剤(C)が、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、またはポリプロピレングリコールである請求項1~3の何れかに記載のガスバリア性接着剤。
  5. 前記ポリイソシアネート化合物(B)の二塩基酸成分が、オルト配向性芳香族ジカルボン酸又はその酸無水物を含有する酸成分(E1)と、マレイン酸又はその酸無水物、フマル酸又はその酸無水物、及びコハク酸又はその酸無水物、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸から成る群から選ばれる少なくとも1つのカルボン酸又は酸無水物である酸成分(E2)との混合物である請求項1~4の何れかに記載のガスバリア性接着剤。
  6. 請求項1~5の何れかに記載のガスバリア性接着剤が塗工されたフィルム。
  7. 請求項6に記載のフィルムを用いてなるガスバリア性フィルム。
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