JP2010126562A - ラミネート用印刷インキ組成物および印刷物並びにラミネート物 - Google Patents

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拓郎 佐藤
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Abstract

【課題】
プラスチックフィルム(以下「フイルム」と記す。)上に文字、絵、等の画像を印刷し、フィルムもしくは金属箔とラミネート加工を施した際に生じる外観不良を著しく低減、あるいは解消するラミネート用印刷インキ組成物および印刷物、並びに該印刷物を用いてなるラミネート物に関する。特に、酢酸エチル等を希釈溶媒とした接着剤、またはアンカーコート剤を使用するラミネート加工において、ラミネート加工時にスジ、モットリング、ブリード、ピンホール等による外観不良を解決するラミネート用印刷インキを提供すること。
【解決手段】
ポリウレタン樹脂、着色剤及び溶剤を主成分とし、親水性フュームドシリカを含有してなるラミネート用印刷インキ組成物および該インキを用いてなる印刷物ならびに該印刷物を用いてなるラミネート物。
【選択図】なし

Description

本発明は、プラスチックフィルム(以下「フイルム」と記す。)上に文字、絵、等の画像を印刷し、フィルムもしくは金属箔とラミネート加工を施した際に生じる外観不良を著しく低減、あるいは解消するラミネート用印刷インキ組成物および印刷物、並びに該印刷物を用いてなるラミネート物に関する。特に、酢酸エチル等を希釈溶媒とした接着剤、またはアンカーコート剤を使用するラミネート加工において、ラミネート加工時にスジ、モットリング、ブリード、ピンホール等による外観不良を解決するラミネート用印刷インキに関する。
食品用包装資材分野や、産業用資材分野では、性質の異なる複数の資材、例えばフィルム、紙、金属箔を貼り合せて、所謂ラミネート加工が多用されている。一般的なラミネート加工では、意匠性や文字情報を付与するためフィルムに印刷インキが施され、その後、接着剤あるいはアンカーコート剤と称される接着機能材を印刷インキ面に塗布し、ラミネート機を使ってフィルムや金属箔と貼り合わされ、輸送性、耐久性、保護性、意匠性等の機能が付与されている。
ラミネート加工の方式は、ドライラミネート方式、エクストルージョンラミネート方式、更に接着剤に溶剤を使用しないノンソルラミネート方式に大別される。
ドライラミネート用接着剤では、希釈剤として溶剤を使用する溶剤型接着剤と、希釈剤として水を使用する水性型接着剤が知られている。印刷されたフィルムをドライラミネートする場合、素材に応じて溶剤や水混合溶剤で溶解、希釈した接着剤を印刷フィルム面に塗工し、溶剤を乾燥、離脱させた後に、他のフィルムや金属箔を熱ロールで加圧して貼り合わされる。また、塗工方式では、グラビアコート方式、リバースキスロールコーティング方式、リバースロールコーティング方式が知られているが、グラビアコート方式が一般的である。
また、エクストルージョンラミネート用アンカーコート剤では、イソシアネート系、チタネート系、イミン系、ブタジエン系等が知られており、印刷フィルム面に希釈したアンカーコート剤が塗工される。塗工方式は一般的にグラビアコータ方式が採用される。その後、溶剤を乾燥、離脱させた後、押出機を用いて溶融したオレフィン系樹脂を塗布し、冷却ロールで加圧し貼り合わされる。
近年、経済性からフィルムをより高速で貼り合わせる、所謂ラミネート加工の高速化がなされている。ラミネート加工の高速化では、印刷面に接着剤やアンカーコート剤が高速で塗工されるため、印刷面がスジ、モットリング、ブリード、あるいはピンホール等と称されるラミネート物の外観不良を生じることがあり商品価値の消失となる。特に、イソシアネート基を含む接着剤やアンカーコート剤では、希釈溶剤にイソシアネート基との反応性、残留溶剤、乾燥性、コスト等を考慮して酢酸エチルが多用されている。従って、接着剤の塗工工程では、酢酸エチル等の希釈溶剤によりインキ面の一部溶解を生じ、スジやブリードを発生し、外観不良の原因となる。尚、ラミネート時の外観不良については、「新ラミネート加工便覧」(非特許文献1)に詳細に記載されている。
更に、環境対応を背景として、印刷インキに使用される溶剤が従来のトルエン混合溶媒から、トルエンを含有しない、例えばエステル・アルコール混合系溶媒、更には水/アルコール混合溶媒に替えることが望まれている。従って、印刷インキのバインダーは溶剤への溶解性を得るために、より極性の強いものとなる結果、エステル系溶媒に対して可溶性が高まる傾向にあり、酢酸エチルを含む接着剤やアンカーコート剤では特に外観不良を生じ易くなっている。
ラミネート接着剤やラミネート加工条件からラミネート加工時の外観不良を改善する試みがなされている。このようなラミネート加工での外観品質の改善への取組みとしては、ラミネート用接着剤組成物にシランカップリング剤を用いる組成物が提案されている。(特許文献1)また、印刷インキにイソシアネート系硬化剤やシランカップリング剤等を配合し、印刷皮膜を架橋させ耐溶剤性を高めることで、ラミネート加工時の外観不良を改善できることは、広く知られている。しかしながら、硬化剤を印刷インキに使用した場合、コスト、作業性、貯蔵安定性等の課題が発生し実用的ではない。本発明者らは、印刷インキに特定且つ一定量のヒュームドシリカを配合することにより、ヒュームドシリカ表面の水素結合形成力がインキ皮膜に一時的な耐溶剤性を与え、ラミネート加工による外観不良を顕著に解消し、かつ他の印刷インキ性能と両立し得ることを見出し、本発明に至った。
本発明は、ラミネート加工後に生じる外観不良、特に有機溶媒を希釈剤として用いるドライラミネート方式や、エクストルージョン方式で生じるスジ、ピンホール等の外観不良を大幅に改善し、ラミネート加工の歩留まり向上、加工コスト低減を可能とするラミネート用印刷インキおよび印刷物並びに該印刷物を用いてなるラミネート物に関する。
新ラミネート加工便覧(昭和58年発刊、P675〜686、加工技術研究 特開2004−285183号
本発明は、ドライラミネート方式やエクストルージョンラミネート方式の加工工程で生じるスジ、ブリードやピンホール等の発生を抑制し、得られるラミネート物の外観不良を著しく改善することを目的とする。
本発明のラミネート用印刷インキ組成物は、ポリウレタン樹脂、着色剤及び溶剤を主成分とし、親水性フュームドシリカを含有してなるラミネート用印刷インキ組成物である。
さらに、親水性フュームドシリカ微粉末の比表面積が、BET法で90〜420m2/gである請求項1記載のラミネート用印刷インキ組成物である。
また、親水性フュームドシリカの含有量が、ラミネート用印刷インキ中に0.03〜6重量%である請求項1または2記載のラミネート用印刷インキ組成物である。
また、インキ中の親水性フュームドシリカのBET法比表面積総和が、インキ100重量部当り、9m2〜800m2である請求項1ないし3のいずれか記載のラミネート用印刷インキ組成物である。
また、ラミネート用印刷インキに使用される顔料が酸化チタンであり、酸化チタンの含有量に対する親水性フュームドシリカの重量比率が0.08〜17重量%である請求項1ないし4のいずれか記載のラミネート用印刷インキ組成物である。
また、ドライラミネート方式、無溶剤ラミネート方式、エクストルージョンラミネート方式に用いられる請求項1〜5のいずれか記載のラミネート用印刷インキ組成物である。
また、請求項1〜6いずれか記載のラミネート用印刷インキ組成物を用いて得られる印刷物である。
また、請求項7記載の印刷物および溶剤に酢酸エチルを用いてなる接着剤にてドライラミネート方式、またはエクストルージョンラミネート方式により得られるラミネート物である。
本発明のラミネート用印刷インキ組成物は、接着剤またはアンカーコート剤を塗工し、フィルムを貼り合せる工程において生じる、スジ、ブリード、ピンホール等と称される外観不良の発生を顕著に抑制し、ラミネート加工での工程ロスが著しく低減出来、経済的で良好なラミネート物を可能とする。
先ず、本発明のラミネート用印刷インキについて説明する。
本発明はポリウレタン樹脂、着色剤及び溶剤を主成分とし、親水性フュームドシリカを含有してなるラミネート用印刷インキ組成物である。
シリカは天然産、合成品あるいは結晶性、非結晶性、あるいは疎水性、親水性など種類は多い。シリカの合成法では、乾式、湿式法があり、乾式法では燃焼法、アーク法、湿式法では沈降法、ゲル法が知られている。また、疎水性シリカはシリカ表面のシラノール基をアルキルシラン等で表面処理されている。更に印刷インキ分野では、シリカは炭酸カルシウム、硫酸バリウム等と同様に、無機顔料として使用されることが知られており、マット剤やブロッキング防止剤としてシリカの効果が知られている。
本発明で使用する親水性フュームドシリカは、乾式シリカの一種であり、テトラクロロシランなどのクロロシランなどのハロシランを気層中で火炎により高温加水分解を経て得られ、シリカ表面をシランカップリング剤等で疎水化されていない親水性フュームドシリカである。フュームドシリカは、デグサエボニック社、キャボット社、トクヤマ社等から入手できる。
本発明で使用する親水性フュームドシリカの表面積は、BET法で90〜420m/g、より好ましくは130m/g〜380m/gである。表面積が90m/gを下回ると、印刷インキ中に配合する親水性ヒュームドシリカの量が増え経済的に好ましくない。420m/gを超えると、得られる印刷インキのチキソトロピー性が強くなりすぎ、必要な印刷濃度が低下し好ましくない。
本発明のラミネート用印刷インキ組成物で使用する親水性フュームドシリカの使用量は、印刷インキ中0.03重量%〜6重量%、より好ましくは0.1重量%〜4重量%である。使用量が0.03重量%を下回ると、ラミネート加工時の外観不良低減への効果に乏しい。使用量が6重量%を上回ると、得られる印刷インキのチキソトロピー性が強くなりすぎ、必要な印刷濃度が低下し好ましくない。
本発明のラミネート用印刷インキ組成物で使用する親水性フュームドシリカはBET法比表面積の異なるものを組み合わせて使用出来る。ヒュームドシリカのBET法比表面積の総和が、インキ100重量部当り、9m2〜800m2、より好ましくは20m2〜の550m2の範囲である。比表面積の総和が9m2を下回ると、ラミネート加工時の外観不良低減への効果に乏しい。比表面積の総和が800m2を上回ると、得られる印刷インキのチキソトロピー性が強くなりすぎ、必要な印刷濃度が低下し好ましくない。
ラミネートは、印刷基材、印刷インキ、接着剤、シーラントなど組み合わせて、多種多様な形態で行われている。印刷では写真調の色再現性を得るためプロセスカラーと称されるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、更にはロゴマークなどには特色が刷り重ねられる。また、ラミネート用途では裏刷り印刷が適用されることが多く、色インキの印刷後に白インキが刷り重ねられることが通常行われている。かかる白インキには隠蔽性や白色度から酸化チタンが色材として使用される。
更に、印刷後のラミネート加工時に、ラミネート用接着剤、あるいはアンカーコート剤が白インキの上にオーバーコートされ、所定のフィルム貼り合せ加工が行われるのが一般的である。
従って、本発明のラミネート工程の外観不良を解消する上で、接着剤あるいはアンカーコート剤が塗工された際、スジ、ブリード等を生じない、印刷インキ、特に白インキが重要になる。
本発明のラミネート用印刷インキ組成物の色材が酸化チタンである場合は、使用する親水性フュームドシリカの使用量は酸化チタンの含有量に対して0.08重量%〜17重量%、より好ましくは0.2重量%〜12重量%である。使用量が0.08重量%を下回ると、ラミネート加工時の外観不良低減への効果に乏しい。使用量が17重量%を上回ると、得られる印刷インキのチキソトロピー性が強くなりすぎ、必要な印刷濃度が低下し、好ましくない。
本発明で使用するポリウレタン樹脂は、ポリウレタン樹脂は公知公用のものが使用出来る。高分子ポリオールとジイソシアネート化合物を反応させ、余剰のイソシアネート基に対してジアミン化合物を反応させ、ウレア基による鎖延長反応をして得られるポリウレタン樹脂であり、重量平均分子量15、000〜100,000の範囲が好ましく、1種もしくは2種以上のポリウレタン樹脂が組み合わせて使用出来る。
本発明の印刷インキ組成物に必要に応じて併用される樹脂の例としては、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂などを挙げることができる。特に、併用樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。本発明の印刷インキ組成物でウレタン樹脂と併用する樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂が好ましい。併用樹脂の配合量は、インキ の総重量に対して1〜25重量%が好ましく、更に好ましくは2〜15重量%である。
本発明の印刷インキ組成物に使用される着色剤は、酸化チタンの他、一般のインキ 、塗料、および記録剤などに使用されている有機、無機顔料や染料を挙げることができる。
酸化チタンとしては、結晶系ではルチル型もしくはアナターゼ型が挙げられ、アルミニウム、ケイ素、亜鉛等の金属化合物、有機化合物により表面処理をされたもの、あるいは未処理のものを挙げることができる。
酸化チタン以外の無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、アルミニウム粉、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、酸化亜鉛等が挙げられる。
有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系などの顔料が挙げられる。
染料としては、例えば、タートラジンレーキ、ローダン6Gレーキ、ビクトリアピュアブルーレーキ、アルカリブルーGトーナー、ブリリアントグリーンレーキ等が挙げられ、その他、コールタール等が挙げられる。
着色剤はインキ の濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわちインキの総重量に対して1〜50重量%の割合で含まれることが好ましい。また、着色剤は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
顔料を有機溶剤に安定に分散させるには、前記樹脂単独でも分散可能であるが、さらに顔料を安定に分散するため分散剤を併用することもできる。分散剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両性イオン性などの界面活性剤を使用することができる。例えばポリエチレンイミンにポリエステル付加させた櫛型構造高分子化合物、あるいはα−オレフィンマレイン酸重合物のアルキルアミン誘導体などが挙げられる。具体的にはソルスパーズシリーズ(ZENECA社製)、アジスパーシリーズ(味の素社製)、ホモゲノールシリーズ(花王社製)などを挙げることができる。またBYKシリーズ(ビックケミー社製)、EFKAシリーズ(EFKA社製)なども適宜使用できる。分散剤は、インキ の保存安定性の観点からインキ の総重量に対して0.05重量%以上、ラミネート適性の観点から5重量%以下でインキ 中に含まれることが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜2重量%の範囲である。
本発明のラミネート用印刷インキ組成物に使用される溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤が使用出来る。アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノールや、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類等が挙げられる。ケトン系溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンや、イソホロン等の環状ケトン類が挙げられる。エーテル系溶剤ではジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。炭化水素系溶剤では、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
本発明のラミネート用印刷インキ組成物は、樹脂、着色剤などを溶剤中に溶解および/または分散することにより製造することができる。得られる顔料分散体における顔料の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては、一般に使用される、例えば、サンドミル、アトライター、ローラーミル、ボールミル、ペブルミルなどを用いることができる。
印刷インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は公知のものを使用することができる。
前記方法で製造されたインキ粘度は、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。
印刷インキの粘度は、使用される原材料の種類や量、例えばポリウレタン樹脂、着色剤、有機溶剤などを適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
フィルム用途のラミネート加工は、一般的にドライラミネート方式、エクストルージョンラミネート方式、無溶剤ラミネート方式が使用できる。具体的にドライラミネート方式では、ポリエステル系もしくはポリエーテル系ウレタン接着剤を、主に酢酸エチルなどのエステル系有機溶剤で希釈、塗工する、もしくは水性接着剤であっては水単独もしくは水/アルコール混合溶剤で希釈、塗工し、アルミ箔、紙、セロハン及び各種フィルムとを貼り合わせ、多層複合化することができる。また、エクストルージョンラミネート方式では、アンカーコート剤としてイソシアネート系、イミン系、ブタジエン系等を用いてポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂とをTダイを用いて、ダイ直下温度280℃から330℃に加熱溶融し貼り合わせ複合化することができる。また、無溶剤ラミネート方式では、固形分100%のウレタン系接着剤を80から100℃に加熱溶融し、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂とを貼り合わせ、多層複合化することができる。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実際例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は、「重量部」をあらわす。
<実施例1>
以下の組成物をサンドミル分散機により混錬、分散し、印刷インキを得た。
酸化チタン系白色顔料(石原産業社製ルチル型R780) 36.00部
アエロジル200(エボニック・デクサ AG社製、親水性フュームドシリカ、BET法比表面積200m/g) 0.10部
ポリウレタン樹脂(分子量MW=54,000、固形分30%、アミン価1.2、酢酸エチル/イソプロパノール=80/20溶解品) 25.00部
ソルバインA 溶液(日信化学工業社製、塩ビ酢酸ビニル共重合体、酢酸エチル溶解品、固形分20%) 10.00部
酢酸ノルマルプロピル 18.90部、
イソプロパノール 10.00部
合計 100.00部

上記で得られた印刷インキをメチルエチルケトン、酢酸エチルおよびイソプロピルアルコールの混合溶剤(重量比40:40:20)で希釈し、ザーンカップNo.3で16秒になるように調整した。
次に、希釈した印刷インキを版深30μのグラビア版を備えた印刷機で2軸延伸ポリエステルフィルム「エステルフィルムE5100」(東洋紡社製)へ印刷し、印刷物を得た。次に、以下に記載したエクストルージョンラミネート加工、及びドライラミネート加工を行い、ラミネート強度とラミネート物の外観を評価した。また、評価結果を表1に記載した。
エクストルージョンラミネート加工条件:
エクストルージョンラミネート用2液型ウレタンアンカーコート剤として、「オリバインEL530−A」と「EL530−B」(東洋モートン社製)を1/1(重量比率)で配合し、酢酸エチルで固形分が6重量%に希釈した。次に、希釈したアンカーコート剤を速度250m/分で前記印刷物の印刷面上に塗布量0.2g/m2(乾燥重量)になるようグラビア塗工し、エクストルージョンラミネーターで、シーラントである低密度ポリエチレン「ノバテックLC606」(日本ポリケム社製)を溶融温度315℃にて押出し、ラミネート加工物を得た。
ドライラミネート加工条件:
ドライラミネート用2液型ウレタン接着剤として、「TM265」と「CAT10−L」(東洋モートン株式会社製)を17/3(重量比率)で配合し、酢酸エチルで固形分が30重量%になるように希釈した。希釈した接着剤を速度300m/分で前記印刷物の印刷面上に塗布量3.0g/m2(乾燥重量)になるようグラビア塗工し、ドライラミネーターで、シーラントであるポリプロピレンフィルム MLフィルム‐CPWA(東セロ株式会社)を貼り合せ、ラミネート加工物を得た。
<実施例2>
以下の組成物をサンドミル分散機により混錬、分散し、印刷インキを得た。
酸化チタン系白色顔料(堺化学社製ルチル型R45M) 36.00部
アエロジル200(エボニック・デクサ AG社製、親水性フュームドシリカ、BET法比表面積200m/g) 4.00部
ポリウレタン樹脂(分子量MW=54,000、固形分30%、アミン価1.2、酢酸エチル/イソプロパノール=80/20溶解品) 25.00部
ソルバインA 溶液(日信化学工業社製、塩ビ酢酸ビニル共重合体、酢酸エチル溶解品、固形分20%) 10.00部
酢酸ノルマルプロピル 15.00部、
イソプロパノール 10.00部
合計 100.00部
実施例1と同様に、印刷インキを作成し、印刷物を作成後、ドライラミネート加工、エクストルージョン加工を行った。ラミネート加工物の外観とラミネート強度を表1に記載した。
<実施例3>
酸化チタン系白色顔料(堺化学社製ルチル型R45M) 36.00部
アエロジル90G(エボニック・デクサ AG社製、親水性フュームドシリカ、BET法比表面積90m/g) 6.00部
ポリウレタン樹脂(分子量MW=54、000、固形分30%、アミン価1.2、酢酸エチル/イソプロパノール=80/20溶解品) 25.00部
ソルバインA 溶液(日信化学工業社製、塩ビ酢酸ビニル共重合体、酢酸エチル溶解品、固形分20%) 10.00部
酢酸ノルマルプロピル 13.00部、
イソプロパノール 10.00部
合計 100.00部
実施例1と同様に、印刷インキを作成し、印刷物を作成後、ドライラミネート加工、エクストルージョン加工を行った。ラミネート加工物の外観とラミネート強度を表1に記載した。
<実施例4>
以下の組成物をサンドミル分散機により混錬、分散し、印刷インキを得た。
酸化チタン系白色顔料(石原産業社製ルチル型R780) 36.00部
アエロジル300(エボニック・デクサ AG社製、親水性フュームドシリカ、BET法比表面積300m/g) 0.03部
ポリウレタン樹脂(分子量MW=54,000、固形分30%、アミン価1.2、酢酸エチル/イソプロパノール=80/20溶解品) 25.00部
ソルバインA 溶液(日信化学工業社製、塩ビ酢酸ビニル共重合体、酢酸エチル溶解品、固形分20%) 10.00部
酢酸ノルマルプロピル 18.97部、
イソプロパノール 10.00部
合計 100.00部
実施例1と同様に、印刷インキを作成し、印刷物を作成後、ドライラミネート加工、エクストルージョン加工を行った。ラミネート加工物の外観とラミネート強度を表1に記載した。
<実施例5>
以下の組成物をサンドミル分散機により混錬、分散し、印刷インキを得た。
銅フタロシアニンブルー顔料 10.00部
アエロジル380(エボニック・デクサ AG社製、親水性フュームドシリカ、BET法比表面積380m/g) 0.05部
ポリウレタン樹脂(分子量MW=54、000、固形分30%、アミン価1.2、酢酸エチル/イソプロパノール=80/20溶解品) 30.00部
ソルバインA 溶液(日信化学工業社製、塩ビ酢酸ビニル共重合体、酢酸エチル溶解品、固形分20%) 12.00部
酢酸ノルマルプロピル 32.95部、
イソプロパノール 15.00部
合計 100.00部
実施例1と同様に、印刷インキを作成し、印刷物を作成後、ドライラミネート加工、エクストルージョン加工を行った。ラミネート加工物の外観とラミネート強度を表1に記載した。
<実施例6>
以下の組成物をサンドミル分散機により混錬、分散し、印刷インキを得た。
銅フタロシアニンブルー顔料 10.00部
アエロジル90G(エボニック・デクサ AG社製、親水性フュームドシリカ、BET法比表面積90m/g) 6.00部
ポリウレタン樹脂(分子量MW=54,000、固形分30%、アミン価1.2、酢酸エチル/イソプロパノール=80/20溶解品) 30.00部
ソルバインA 溶液(日信化学工業社製、塩ビ酢酸ビニル共重合体、酢酸エチル溶解品、固形分20%) 12.00部
酢酸ノルマルプロピル 29.00部、
イソプロパノール 13.00部
合計 100.00部
実施例1と同様に、印刷インキを作成し、印刷物を作成後、ドライラミネート加工、エクストルージョン加工を行った。ラミネート加工物の外観とラミネート強度を表1に記載した。
<実施例7>
以下の組成物をサンドミル分散機により混錬、分散し、印刷インキを得た。
酸化チタン系白色顔料(石原産業社製ルチル型R780) 36.00部
アエロジル50(エボニック・デクサ AG社製、親水性フュームドシリカ、BET法比表面積50m/g) 8.00部
ポリウレタン樹脂(分子量MW=54,000、固形分30%、アミン価1.2、酢酸エチル/イソプロパノール=80/20溶解品) 28.00部
ソルバインA 溶液(日信化学工業社製、塩ビ酢酸ビニル共重合体、酢酸エチル溶解品、固形分20%) 10.00部
酢酸ノルマルプロピル 12.00部、
イソプロパノール 6.00部
合計 100.00部
実施例1と同様に、印刷インキを作成し、印刷物を作成後、ドライラミネート加工、エクストルージョン加工を行った。ラミネート加工物の外観とラミネート強度を表1に記載した。

<比較例1>
以下の組成物をサンドミル分散機により混錬、分散し、印刷インキを得た。
酸化チタン系白色顔料(石原産業社製ルチル型R780) 36.00部
ポリウレタン樹脂(分子量MW=54,000、固形分30%、アミン価1.2、酢酸エチル/イソプロパノール=80/20溶解品) 25.10部
ソルバインA 溶液(日信化学工業社製、塩ビ酢酸ビニル共重合体、酢酸エチル溶解品、固形分20%) 10.00部
酢酸ノルマルプロピル 18.90部、
イソプロパノール 10.00部
合計 100.00部
実施例1と同様に、印刷インキを作成し、印刷物を作成後、ドライラミネート加工、エクストルージョン加工を行った。ラミネート加工物の外観とラミネート強度を表1に記載した。
<比較例2>
以下の組成物をサンドミル分散機により混錬、分散し、印刷インキを得た。
酸化チタン系白色顔料(石原産業社製ルチル型R780) 36.00部
ポリウレタン樹脂(分子量MW=54,000、固形分30%、アミン価1.2、酢酸エチル/イソプロパノール=80/20溶解品) 22.00部
ソルバインA 溶液(日信化学工業社製、塩ビ酢酸ビニル共重合体、酢酸エチル溶解品、固形分20%) 8.00部
ミズカシルP526(水澤化学工業社製、湿式法シリカ、BET法比表面積120m/g) 8.00部
酢酸ノルマルプロピル 16.00部、
イソプロパノール 10.00部
合計 100.00部
実施例1と同様に、印刷インキを作成し、印刷物を作成後、ドライラミネート加工、エクストルージョン加工を行った。ラミネート加工物の外観とラミネート強度を表1に記載した。
Figure 2010126562

「ラミネート強度測定」
ラミネートをした試料を巾15mmに裁断し、インキとシーラント樹脂の層間で剥離させた後、引張り強度試験機によりT字型剥離強度を測定。単位はN(ニュートン)/15mm(巾)。
「ラミネート物の外観評価」
ラミネート後の試料の外観を目視判定。スジ、モットリング、ブリード、抜け、ピンホール等の観点で、欠点数を数える。試料(80cm×10m)当りの欠点数を記載した。

Claims (8)

  1. ポリウレタン樹脂、着色剤及び溶剤を主成分とし、親水性フュームドシリカを含有してなるラミネート用印刷インキ組成物。
  2. 親水性フュームドシリカ微粉末の比表面積が、BET法で90〜420m2/gである請求項1記載のラミネート用印刷インキ組成物。
  3. 親水性フュームドシリカの含有量が、ラミネート用印刷インキ中に0.03〜6重量%である請求項1または2記載のラミネート用印刷インキ組成物。
  4. インキ中の親水性フュームドシリカのBET法比表面積総和が、インキ100重量部当り、9m2〜800m2である請求項1ないし3のいずれか記載のラミネート用印刷インキ組成物。
  5. ラミネート用印刷インキに使用される顔料が酸化チタンであり、酸化チタンの含有量に対する親水性フュームドシリカの重量比率が0.08〜17重量%である請求項1ないし4のいずれか記載のラミネート用印刷インキ組成物。
  6. ドライラミネート方式、無溶剤ラミネート方式、エクストルージョンラミネート方式に用いられる請求項1〜5のいずれか記載のラミネート用印刷インキ組成物。
  7. 請求項1〜6いずれか記載のラミネート用印刷インキ組成物を用いて得られる印刷物。
  8. 請求項7記載の印刷物および溶剤に酢酸エチルを用いてなる接着剤にてドライラミネート方式、またはエクストルージョンラミネート方式により得られるラミネート物。

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JP2021008594A (ja) * 2019-07-01 2021-01-28 Dicグラフィックス株式会社 リキッド印刷インキ、印刷物、及び積層体

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