JP2010116459A - 水性インキ組成物 - Google Patents

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Kohei Yamada
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Abstract

【課題】
主に非吸収性基材への印刷に好適な水性インキ組成物を提供すること。
【解決手段】
少なくとも顔料、水、有機溶剤、およびポリプロピレン系樹脂エマルションをバインダー樹脂として用いることを特徴とする水性インキ組成物。
更に、ポリプロピレン系樹脂エマルションが、塩素化ポリプロピレンまたはポリプロピレン−アクリル共重合体のエマルションであることを特徴とする上記水性インキ組成物。
更に、ポリプロピレン系樹脂エマルション中の粒子の平均粒子径が、30〜500nmであることを特徴とする上記水性インキ組成物。
【選択図】なし

Description

本願発明は、主に非吸収性基材への印刷に好適な水性インキ組成物に関する。
従来、非吸収性基材を対象とした印刷方式として、軟包材用グラビア印刷、サニタリー用フレキソ印刷、金属版用シルクスクリーン印刷、屋内外広告用インクジェット印刷などが一般的に知られている。
なかでも、インクジェットヘッドのノズルから吐出された微小なインク滴によって、画像や文字を印刷するインクジェット印刷では、近年A−0サイズにも対応できるインクジェトプリンターが開発され、屋外用ポスターなどの屋外用途での使用環境が増えた背景より、耐水性、耐候性、耐摩擦性に優れたインクジェット印刷用インクの開発が盛んに行われている。
前記屋外用途でのインクジェットインキとしては、水系と溶剤系が多く使用されており各々の特徴に応じて用途が使い分けられている。
また、紫外線硬化型インクジェットインクは様々な基材への対応が可能であり、どの基材でも安定して優れた画質の印刷物を高生産にて得られることから、オフセット、シルクスクリーン、トップコート剤などに供給され、近年使用量が増加している。
前記のように、インクジェットインク開発が進んだことで様々な基材に対しての直接印刷が可能になったため、インクジェット印刷が近年多くの場面にて使用されて始めている。
しかしながら、現在までに開発された水性・溶剤・紫外線硬化型インクジェットインキでは、軟包装基材などに使用されているプラスチック基材への直接印刷ができていない(特許文献1〜7)。なかでもポリオレフィン系樹脂基材は、安価で成形性、耐薬品性、耐熱性、耐水性、良好な電気特性など、多くの優れた性能を有する基材である為、工業材料として広範囲に使用されており、将来その需要の伸びが最も期待されている基材であるものの、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などの極性を有する合成樹脂とは異なり、非極性で且つ結晶性のため、各用途のインクでも塗装や密着が困難な基材として有名であり、インクジェットインキにおいても例外ではない。そのため、軟包材用グラビア印刷の代替手段としてインクジェット印刷を使用する事ができていない。
特開平11−183920号公報 特許公報第4148424号 特許公報第3701957号 公開番号WO2002/7626号公報 特開2007−169492号公報 特開2005−170978号公報 特開2006−131883号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、現在までに開発された水性・溶剤・紫外線硬化型インクジェットインキでは印刷する事ができなかった軟包装基材、特にポリオレフィン系樹脂基材に直接印刷する事ができ、水性・溶剤・紫外線硬化型インクジェットインキにて印刷された印刷物よりも優れた印刷物耐性や密着性を実現する事のできる、顔料を用いた水性インクジェットインキ組成物を提供する事にある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
本発明は、少なくとも顔料、水、有機溶剤およびポリプロピレン系樹脂エマルションをバインダー樹脂として用いることを特徴とする水性インキ組成物。
更に、ポリプロピレン系樹脂エマルションが、塩素化ポリプロピレンまたはポリプロピレン−アクリル共重合体のエマルションであることを特徴とする水性インキ組成物。
更に、ポリプロピレン系樹脂エマルション中の平均粒子径が、30〜500nmであることを特徴とする水性インキ組成物。
更に、有機溶剤としては、水以上の沸点を有する水溶性有機溶剤であることを特徴とする水性インキ組成物。
更に、水以上の沸点を持つ水溶性有機溶剤としては、アルコール系溶剤ないし一般式(1)で表される溶剤ないし含窒素系または含硫黄系またはラクトン系溶剤のいずれか1つ以上を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項4記載の水性インキ組成物。
(OROR・・・(1)
(式中、Rはエチレン基又はプロピレン基、R、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、Zは1〜6の整数を表す。)
更に、インクジェットインキである水性インキ組成物に関する。
更に、軟包装基材印刷用のインクジェットインキである水性インキ組成物に関する。
本発明によれば、軟包装用の非吸収基材に対して密着性が良好なポリプロピレン系樹脂エマルションをバインダー樹脂として用いることにより、紙などの吸収性基材だけでなく軟包装基材に対しても直接印刷する事ができ、現在までに開発された水性・溶剤・紫外線硬化型インキ組成物にて印刷された印刷物よりも優れた印刷物耐性や密着性を実現する事のできる顔料を用いた水性インキ組成物、特にインクジェットインキ組成物が提供される。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明のインキ組成物は、耐候性に優れた顔料と、前記顔料を非吸収性印刷媒体表面に強固に密着させる非水溶性樹脂エマルションと、水以上の沸点を有する水溶性有機溶剤と、水を含むような水性顔料インク組成物である。前記非吸収性印刷媒体、中でも軟包装基材表面に対する密着性に優れた非水溶性樹脂エマルションとしては、ポリプロピレン系樹脂エマルションが好ましい。具体例としては、日本製紙ケミカル社製スーパークロンE−480T,スーパークロンE−503,スーパークロンE−604,スーパークロンS−4249,アウローレンAE−301,アウローレンS−6097が挙げられる。樹脂はインキ中に0.1〜40重量%含まれることが好ましい。添加量がインキ中0.1重量%以下であると、印刷媒体表面への密着が悪く、塗膜の耐性が低下してしまい、40重量%以上になるとインキ粘度が高すぎるため、印刷適性が低下してしまうために好ましくない。
またポリプロピレン系樹脂は、軟包装基材表面に対する低温乾燥での造膜性能やインキ塗膜耐性向上のため、塩素化ポリプロピレンまたはポリプロピレン−アクリル共重合体のエマルションであることが好ましい。なかでも、塩素化ポリプロピレン樹脂エマルションは、軟包装基材表面に対する密着性が良好であり、ポリプロピレン樹脂エマルションの塩素化率が10〜45重量%である塩素化ポリプロピレン樹脂エマルションが好ましく、塩素化率が20〜30重量%である塩素化ポリプロピレン樹脂エマルションが最も好ましい。
またポリプロピレン系樹脂エマルション中の粒子の平均粒子径は、30〜500nmが好ましく、最も好ましいのは30〜300nmである。平均粒子径が500nm以上になると、エマルション自体の粘度が高くなるとともに、インクジェットヘッドからの吐出性能が悪化する為好ましくない。
有機溶剤としては、ブチルアルコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン等のアルコール系溶剤ないし、3−メチルオキサゾリジノン、3−エチルオキサゾリジノン、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクトン、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクトン、δ−バレロラクタム、ジメチルスルホキシド等の含窒素系または含硫黄系またはラクトン系溶剤ないし、一般式(1)で表される溶剤のいずれか1つ以上を含むことが好ましい。
(OROR・・・(1)
(式中、Rはエチレン基又はプロピレン基、R、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、Zは1〜6の整数を表す。)
一般式(1)に該当する有機溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類がある。
なかでも、3−メチルオキサゾリジノン、1−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルをいずれか1つ以上含むことが特に好ましい。
添加量としては、5〜50%が最も好ましい。含有量が5%未満ではインクジェットヘッドノズル上にて乾燥してしまいインキが吐出できず、50%以上含有するとポリプロピレン樹脂エマルションの凝集や、インクジェットプリンター部材やインクジェットヘッド部材への侵食性の観点から不具合が生じる有機溶剤もあるため好ましくない。
本発明の印刷媒体としては、紙などの吸収性印刷媒体だけではなく、ポリ塩化ビニル樹脂シート、ポリオレフィン系シート、ガラス、金属等の非吸収性印刷媒体が挙げられ、特に好ましくはポリオレフィン系シートである。なかでも、表面処理度が30dyn(ダイン)/cm以上のポリオレフィン系シートが最も好ましい。
本発明に使用される顔料は、印刷インキ、塗料等に使用される種々の顔料が使用できる。このような顔料をカラーインデックスで示すと、ピグメントブラック7、ピグメントブルー15,15:1,15:3,15:4,15:6,60、ピグメントグリーン7,36、ピグメントレッド9,48,49,52,53,57,97,122,149,168,177,178,179,206,207,209,242,254,255、ピグメントバイオレット19,23,29,30,37,40,50、ピグメントイエロー12,13,14,17,20,24,74,83,86,93,94,95,109,110,117,120,125,128,137,138,139,147,148,150,151,154,155,166,168,180,185、213、ピグメントオレンジ36,43,51,55,59,61,71,74等があげられる。また、カーボンブラックについては中性、酸性、塩基性等のあらゆるカーボンブラックを使用することができる。顔料はインキ中に0.1〜10重量%含まれることが望ましい。
本発明のインキ組成物は可塑剤、表面調整剤、紫外線防止剤、光安定化剤、酸化防止剤、加水分解防止剤等の種々の添加剤を使用することができる。
本発明のインキ組成物の印刷方式としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷等が挙げられ、特に好ましくはインクジェット印刷方式である。
本発明のインキ組成物は、まず始めにペイントシェーカー、サンドミル、ロールミル、メディアレス分散機等によって、水もしくは水−有機溶剤混合溶媒中で顔料を分散し、得られた水性顔料分散体を、本発明の水,有機溶剤およびポリプロピレン系樹脂エマルションで希釈して製造されるものである。
[実施例]
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は「重量部」および「重量%」を表す。また樹脂スペックは、ダウケミカル社,ジョンソンポリマー社,日本製紙ケミカル社にて測定されたカタログ数値を載せる。平均粒子径は、イオン交換水で200倍に希釈し、マイクロトラックUPA150(日機装社製湿式粒度分布計)にて測定した。
[製造例1]
(水性インキ用顔料分散体A−1の製造)
粗製銅フタロシアニン(東洋インキ製造社製銅フタロシアニン):250部、塩化ナトリウム:2500部、およびポリエチレングリコール300(東京化成社製):160部をスチレン製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、4時間混練した。次に、この混合物を2.5リットルの温水に投入し、約80度に過熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とした後、濾過、水洗を5回繰り返して塩化ナトリウムおよび溶剤を除き、固形分50%の水性顔料分散体(処理顔料分散体)を得た。
上記水性顔料分散体(処理顔料分散体,固形分50%品):30.0部、アクリル樹脂水溶液(ジョンソンポリマー社製『ジョンクリル62』固形分34.6%):3.0部、分散剤(花王社製『エマルゲン420』:2.0部、精製水:50.0部、グリセリン6.0部をサンドミルに入れ4時間分散し、その後1μmおよび0.45μmのメンブランフィルターにて濾過して水性インキ用顔料分散体A−1を得た。
[製造例2]
(水性インキ用顔料分散体A−2の製造)
製造例1の粗製銅フタロシアニンの代わりに、黄色顔料(ヘキスト社製『ポスターパームイエローH3G』):260部を用い、製造例1と同様の手順にて水性インキ用顔料分散体A−2を作成した。
[製造例3]
(水性インキ用顔料分散体A−3の製造)
赤顔料(ヘキスト社製『ポスターパームピンクE』):250部、塩化ナトリウム:2500部、およびポリエチレングリコール300(東京化成社製):160部をスチレン製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、3時間混練した。次に、この混合物を2.5リットルの温水に投入し、約80度に過熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とした後、濾過、水洗を5回繰り返して塩化ナトリウムおよび溶剤を除き、固形分50%の水性顔料分散体(処理顔料分散体)を得た。
上記水性顔料分散体(処理顔料分散体,固形分50%品):30.0部、アクリル樹脂水溶液(ジョンソンポリマー社製『ジョンクリル62』固形分34.6%):3.0部、分散剤(花王社製『エマルゲン420』:2.0部、精製水:50.0部、グリセリン6.0部をペイントシェーカーに入れ4時間分散し、その後1μmおよび0.45μmのメンブランフィルターにて濾過して水性インキ用顔料分散体A−3を得た。
[製造例4]
(溶剤インキ用顔料分散体Bの製造)
LIONOL BLUE FG−7400G(東洋インキ製造社製 フタロシアニン顔料):35.00部、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製 顔料分散剤):12.50部、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート:52.50部をハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散し、溶剤インキ用顔料分散体Bを作成した。
[製造例5]
(紫外線硬化型インキ用顔料分散体Cの製造)
LIONOL BLUE FG−7400G(東洋インキ製造社製 フタロシアニン顔料):33.3部、ソルスパーズ32000(ルーブリゾール社製 顔料分散剤):8.6部、2−フェノキシエチルアクリレート(『ビスコート#192』:大阪有機化学工業社製):58.1部をハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散し、紫外線硬化型インキ用顔料分散体Cを作成した。
[実施例1]
(水性インクジェットインキ1の製造)
水性インキ用顔料分散体A−1:32.3部、スーパークロンE−480T(日本製紙ケミカル社製):50.0部、1−メチル−2−ピロリドン:5.0部、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル:10.0部、ニューコール291GL(日本乳化剤社製界面活性剤):2.0部、プロキセルGXL(アビシア社製防腐剤):0.2部、イオン交換水:0.5部をハイスピードミキサーにて攪拌混合し、その後、1μmおよび0.45μmのメンブランフィルターにて濾過し、水性インクジェットインキ1を得た。
[実施例2〜6]
表1にて記載した原料を成分とし、実施例1と同様の手順にて水性インクジェットインキを作成した。
なお、スーパークロンは塩素化ポリプロピレンエマルジョン、アウロレンはポリプロピレン−アクリル共重合エマルジョンである。
Figure 2010116459
[比較例1]
(水性インクジェットインキ7の製造)
水性インキ用顔料分散体A−1:32.3部、ジョンクリル840(ジョンソンポリマー社製アクリル樹脂エマルション):50.0部、1−メチル−2−ピロリドン:5.0部、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル:10.0部、ニューコール291GL(日本乳化剤社製界面活性剤):2.0部、プロキセルGXL(アビシア社製防腐剤):0.2部、イオン交換水:0.5部をハイスピードミキサーにて攪拌混合し、その後、1μmおよび0.45μmのメンブランフィルターにて濾過し、水性インクジェットインキ1を得た。
[比較例2]
(溶剤インクジェットインキの製造)
製造例4にて作成した溶剤インキ用顔料分散体B:11.4部、ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩ビ/酢ビ共重合体樹脂):4.1部、γ−ブチロラクトン:7.5部、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート:77.0部をハイスピードミキサーにて攪拌混合し、その後、1μmのメンブランフィルターにて濾過し、溶剤インクジェットインキを得た。
[比較例3]
(紫外線硬化型インクジェットインキの製造)
製造例5にて作成した紫外線硬化型インキ用顔料分散体C:13.3部、2−フェノキシエチルアクリレート(『ビスコート#192』:大阪有機化学工業社製):48.1部、トリメチロールプロパントリアクリレート(『KS−TMPTA』:日本化薬社製):31.1部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(『イルガキュア369』:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製):3.0部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(『イルガキュア815』:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製):4.5部をハイスピードミキサーにて攪拌混合し、その後、1μmのメンブランフィルターにて加圧濾過し、紫外線硬化型インクジェットインキを得た。
Figure 2010116459
表2から明らかのように、インク中のバインダー樹脂を本発明にて特定したもののみ使用した実施例1〜6のインク組成物は、表面が無処理のポリ塩化ビニル樹脂シートだけで無く、無処理のポリオレフィン系シートに対しても直接印刷が可能であり、印刷物耐性である耐エタノール性、耐水性、耐擦性や、ポリオレフィン系シートに対する密着性等、全てに優れている。なかでも、実施例1〜4にて使用されている塩素化ポリプロピレン樹脂エマルションが特に優れており、塩素含有率が20〜30重量%である塩素化ポリプロピレン樹脂エマルションを用いた実施例1、3が最も優れている。これに対し比較例1〜3にて、水性,溶剤,紫外線硬化型インクジェットインキを作成し同様の実験を行ったところ、比較例1は全ての基材について直接印刷不可能であると共に、印刷物耐性についても劣る結果であった。また比較例2、3は、ポリ塩化ビニル樹脂シートへの直接印刷はできるものの、ポリオレフィン系シートに対し直接印刷できず、印刷物耐性や基材密着性も劣る結果となった。
評価方法について下記に示す。
<表面無処理のポリ塩化ビニル樹脂・ポリオレフィン系シートへの直接印刷の可否確認方法>
実施例1〜6、比較例1で得られた水性インキ組成物は、Hi−Fi JET PRO II Model FJ−540(Roland DG社製)にて、比較例2で得られた溶剤インキ組成物は、(株)セイコーアイ・インフォテック製 ソルベントインクインクジェットプリンターColor Painter 64S Plusにて、比較例3で得られた紫外線硬化型インキ組成物は、ピエゾヘッドを有するインクジェットプリンターにて印字を行い、その後UV照射装置(Fusion Hバルブ:LH−6)により、非印刷体搬送速度10m/分の条件で硬化させ印刷物を得た。印刷基材は、表面が無処理のポリ塩化ビニル樹脂シートとポリオレフィン系シート(サン・トックス社製『サントックス−CP K30』)、表面処理ポリオレフィン系シート(東洋紡社製『パイレンP2126』)の3種類を用い、印字率50〜100%にて10%毎にベタ印刷を行い、基材上ではじくことなく、全ての印字率にてムラの無い印刷物が得られるかを確認した。
<耐アルコール性>
実施例1〜6、比較例1で得られた水性インキ組成物は、Hi−Fi JET PRO II Model FJ−540(Roland DG社製)にて、比較例2で得られた溶剤インキ組成物は、(株)セイコーアイ・インフォテック製 ソルベントインクインクジェットプリンターColor Painter 64S Plusにて、比較例3で得られた紫外線硬化型インキ組成物は、ピエゾヘッドを有するインクジェットプリンターにて印字を行い、その後UV照射装置(Fusion Hバルブ:LH−6)により、非印刷体搬送速度10m/分の条件で硬化させることで印刷物を得た。印刷基材は、表面が無処理のポリ塩化ビニル樹脂シートとポリオレフィン系シート(サン・トックス社製『サントックス−CP K30』)、表面処理ポリオレフィン系シート(東洋紡社製『パイレンP2126』)の3種類にて、印字率100%のベタ印刷を行い、印刷面をラビングテスター(テスター産業製、型式AB301)にて耐アルコール性を評価。評価条件としては試験用布片(金巾3号)にてエタノール/水=70/30で希釈した液を1滴たらし加重200g、50往復で実施し、塗布面が全く剥ぎ取られなかったものを5、試験用布片に着色が見られたが、印刷面には目立った変化の見られないものを4、試験片が着色、印刷面にも若干の色落ちが見られるものを3、剥ぎ取られたが基材が見えたものを2、インキが剥ぎ取られ、基材が半分以上見えるものを1と評価した。
<耐水性>
実施例1〜6、比較例1で得られた水性インキ組成物は、Hi−Fi JET PRO II Model FJ−540(Roland DG社製)にて、比較例2で得られた溶剤インキ組成物は、(株)セイコーアイ・インフォテック製 ソルベントインクインクジェットプリンターColor Painter 64S Plusにて、比較例3で得られた紫外線硬化型インキ組成物は、ピエゾヘッドを有するインクジェットプリンターにて印字を行い、その後UV照射装置(Fusion Hバルブ:LH−6)により、非印刷体搬送速度10m/分の条件で硬化させることで印刷物を得た。印刷基材は、表面が無処理のポリ塩化ビニル樹脂シートとポリオレフィン系シート(サン・トックス社製『サントックス−CP K30』)、表面処理ポリオレフィン系シート(東洋紡社製『パイレンP2126』)の3種類にて、印字率100%のベタ印刷を行い、印刷面をラビングテスター(テスター産業製、型式AB301)にて耐水性を評価。評価条件としては試験用布片(金巾3号)にて水を1滴たらし加重200g、10往復で実施し、塗布面が全く剥ぎ取られなかったものを5、試験用布片に着色が見られたが、印刷面には目立った変化の見られないものを4、試験片が着色、印刷面にも若干の色落ちが見られるものを3、剥ぎ取られたが基材が見えたものを2、インキが剥ぎ取られ、基材が半分以上見えるものを1と評価した。
<耐擦性>
実施例1〜6、比較例1で得られた水性インキ組成物は、Hi−Fi JET PRO II Model FJ−540(Roland DG社製)にて、比較例2で得られた溶剤インキ組成物は、(株)セイコーアイ・インフォテック製 ソルベントインクインクジェットプリンターColor Painter 64S Plusにて、比較例3で得られた紫外線硬化型インキ組成物は、ピエゾヘッドを有するインクジェットプリンターにて印字を行い、その後UV照射装置(Fusion Hバルブ:LH−6)により、非印刷体搬送速度10m/分の条件で硬化させることで印刷物を得た。印刷基材は、表面が無処理のポリ塩化ビニル樹脂シートとポリオレフィン系シート(サン・トックス社製『サントックス−CP K30』)、表面処理ポリオレフィン系シート(東洋紡社製『パイレンP2126』)の3種類にて、印字率100%のベタ印刷を行い、印刷面をラビングテスター(テスター産業製、型式AB301)にて耐擦性を評価。評価条件としては試験用布片(金巾3号)、加重200g、50往復で実施し、塗布面が全く剥ぎ取られなかったものを5、試験用布片に着色が見られたが、印刷面には目立った変化の見られないものを4、試験片が着色、印刷面にも若干の色落ちが見られるものを3、剥ぎ取られたが基材が見えたものを2、インキが剥ぎ取られ、基材が半分以上見えるものを1と評価した。
<密着性>
実施例1〜6、比較例1で得られた水性インキ組成物は、Hi−Fi JET PRO II Model FJ−540(Roland DG社製)にて、比較例2で得られた溶剤インキ組成物は、(株)セイコーアイ・インフォテック製 ソルベントインクインクジェットプリンターColor Painter 64S Plusにて、比較例3で得られた紫外線硬化型インキ組成物は、ピエゾヘッドを有するインクジェットプリンターにて印字を行い、その後UV照射装置(Fusion Hバルブ:LH−6)により、非印刷体搬送速度10m/分の条件で硬化させることで印刷物を得た。印刷基材は、表面が無処理のポリオレフィン系シート(サン・トックス社製『サントックス−CP K30』)と表面処理ポリオレフィン系シート(東洋紡社製『パイレンP2126』)の2種類にて、印字率100%のベタ印刷を行い、インキ塗膜にセロハンテープを貼り付け、上面から消しゴムでこすり、セロハンテープの塗工面への密着を充分に行った後、セロハンテープを90°で剥離させたときの塗膜の基材への密着の程度から判断した。インキ塗膜が100%剥がれるものを×,インキ塗膜が75%未満残るものを△、インキ塗膜が75%以上100%未満残るものを○、インキ塗膜が全く剥がれないものを◎とした。

Claims (7)

  1. 少なくとも顔料、水、有機溶剤、およびポリプロピレン系樹脂エマルションをバインダー樹脂として用いることを特徴とする水性インキ組成物。
  2. 更に、ポリプロピレン系樹脂エマルションが、塩素化ポリプロピレンまたはポリプロピレン−アクリル共重合体のエマルションであることを特徴とする請求項1記載の水性インキ組成物。
  3. 更に、ポリプロピレン系樹脂エマルション中の粒子の平均粒子径が、30〜500nmであることを特徴とする請求項1または2記載の水性インキ組成物。
  4. 更に、有機溶剤としては、水以上の沸点を有する水溶性有機溶剤であることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか記載の水性インキ組成物。
  5. 更に、水以上の沸点を持つ水溶性有機溶剤としては、アルコール系溶剤ないし一般式(1)で表される溶剤ないし含窒素系または含硫黄系またはラクトン系溶剤のいずれか1つ以上を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれか記載の水性インキ組成物
    (ORZOR・・・(1) (式中、Rはエチレン基又はプロピレン基、R、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基、Zは1〜6の整数を表す。)
  6. 請求項1ないし請求項5いずれか記載の水性インクジェットインキ。
  7. 請求項1ないし請求項6いずれか記載の軟包装基材印刷用水性インクジェットインキ。

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