JP6280670B2 - インクジェット用水性顔料インク組成物、画像形成方法、画像形成物、インクセットおよびインクジェットプリンター - Google Patents

インクジェット用水性顔料インク組成物、画像形成方法、画像形成物、インクセットおよびインクジェットプリンター Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット用水性顔料インク組成物に関し、更に詳しくは、保存安定性、吐出安定性等に優れ、低温乾燥下でも非インク吸収性基材や低インク吸収性基材に高品質の画像を形成できるインクジェット用水性顔料インク組成物に関するものである。
従来、産業用途においても、インクジェット技術の特徴であるデジタル印刷出力システムとして、インクジェット技術の利用分野が広がってきている。特に近年は、環境面、安全面等から、水性顔料インクの開発が、溶剤系顔料インクの代替としての一面も有しつつ進められている。
また、紙等の高インク吸収性基材上に画像形成するインクジェット用水性顔料インク組成物の他に、金属、ガラス、ポリエチレンテレフタレート等の非インク吸収性基材、又は、塩化ビニル等の低インク吸収性基材上に画像形成できるインクジェット用水性顔料インク組成物の開発も進められている。
この中で、エマルジョン樹脂をバインダー樹脂としたインクジェット用インク組成物については、印刷基材上のインク皮膜が、耐水性、耐薬品性等の物性に優れることから、多くの提案がなされている。
金属等の低インク吸収性基材にも直接印刷可能なインクジェット用水性インクについて、例えば、特許文献1には、特定のエマルジョン樹脂と特定の化学構造の有機溶剤との組合せによって、耐水性や耐摩擦性に優れた水性顔料インク組成物が記載されている。
また、特許文献2には、エマルジョン粒子の水和安定を阻害せず保湿性を有する水溶性溶剤によって、耐摩擦性、保存安定性、吐出安定性に優れた水性顔料インク組成物が提供できることが記載されている。
また、特許文献3には、特定のエマルジョンと化学構造を有する有機溶剤との組合せによって、吐出安定性を維持しつつ、高い印刷生産性能を実現する、水性顔料インク組成物が記載されている。
また、特許文献4には、プリントヘッドのノズルの目詰まり防止とインク皮膜の乾燥性とのバランスから、使用水性溶剤の沸点範囲を限定することによって、吐出安定性に優れ、低温乾燥による塗膜特性に優れた水性顔料インク組成物が記載されている。
しかしながら、インクジェット用水性顔料インク組成物への要求は、近年ますます高くなってきており、かかる公知技術では、保存安定性、吐出安定性、低温乾燥性等の性能については改善の余地があった。特に非インク吸収性基材や低インク吸収性基材に画像を形成するために用いられるインクジェット用水性顔料インク組成物においては、尚更不十分であり更なる改善が求められていた。
特開2010−111741号公報 特開2012−251049号公報 特開2012−057043号公報 特開2014−177516号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、上記問題点を解決するもので、保存安定性、吐出安定性、クリーニング特性、低温乾燥性等に優れ、高品位の画像を形成できるインクジェット用水性顔料インク組成物を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、少なくとも、顔料、分散剤、エマルジョン樹脂、水及び水性有機溶剤を含むインクジェット用水性顔料インク組成物において、該エマルジョン樹脂の平均粒子径に関し規定し、更に、該エマルジョン樹脂の含有量を規定し、また、該水性有機溶剤として、少なくとも3−メトキシ−3−メチルブタノールとピロリドン系溶剤とを特定量含有させることで、前記問題点を解決し上記課題が解決されることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、顔料、分散剤、エマルジョン樹脂、水及び水性有機溶剤を含むインクジェット用水性顔料インク組成物であって、
該エマルジョン樹脂の平均粒子径が、該顔料の平均粒子径より小さく、かつ70nm以下であり、
該エマルジョン樹脂の含有量が、該顔料の含有量以上であり、かつインクジェット用水性顔料インク組成物全体に対して、2質量%以上10質量%以下であり、
該水性有機溶剤は、3−メトキシ−3−メチルブタノール(3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール)及びピロリドン系溶剤を、インクジェット用水性顔料インク組成物全体に対して、それぞれ2質量%以上18質量%以下の範囲で含有することを特徴とするインクジェット用水性顔料インク組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記インクジェット用水性顔料インク組成物をインクジェットヘッドから吐出し、吐出された液滴を基材に着弾させる吐出工程と、該基材に着弾したインクジェッ卜用水性顔料インク組成物を40℃以上80℃以下で加熱する加熱工程とを含むことを特徴とする画像形成方法を提供するものである。
また、本発明は、上記のインクジェット用水性顔料インク組成物を用いて基材上に形成されたものであることを特徴とする画像形成物を提供するものである。
本発明によれば、前記問題点や上記課題を解決し、経時での粘度や、各成分の分離・沈降・凝集等がなく、分散安定性に優れ、保存安定性に優れている。
また、インクの再溶解性、連続吐出性、ヘッド目詰まり性等の吐出時の安定性にも優れている。
特に低温乾燥下でも、非インク吸収性基材(非インク吸収性被記録媒体)又は低インク吸収性基材(低インク吸収性被記録媒体)に対しても、乾燥が速い等のために耐擦性に優れた高品質の印刷画像を実現できるインクジェット用水性顔料組成物を提供することができる。
すなわち、低温乾燥下でも、非インク吸収性基材又は低インク吸収性基材に対しても、良好な塗膜特性(耐擦性、耐水性、柔軟性、延伸性等)を有する画像を実現できるインクジェット用水性顔料組成物を提供することができる。
本発明は、水性有機溶剤として、少なくとも3−メトキシ−3−メチルブタノールとピロリドン系溶剤の、それぞれを及び合計で、特定量含有することによって、更にはエマルジョン樹脂の平均粒子径及び含有量に関する特定の要件と組み合わせることによって、「水性有機溶剤に関する規定」と「平均粒径に関する規定」とが相乗的に作用して上記性能に優れるインクジェット用水性顔料組成物を提供することができる。
本発明のインクジェット用水性顔料組成物は、溶剤(分散媒)として水及び水性有機溶剤を含有するが、特に該水性有機溶剤として、少なくとも3−メトキシ−3−メチルブタノール及びピロリドン系溶剤を特定量含有している。
3−メトキシ−3−メチルブタノールを含有することによって、エマルジョン樹脂の再溶解性が向上し、その結果、インクを吸引するクリーニング時にノズルに付着したエマルジョン樹脂を再溶解し易くなり(クリーニング特性が向上し)、またインクの吐出時には吐出安定性が向上する。
また、3−メトキシ−3−メチルブタノールを特定量含有することによって、画像形成後のインクの乾燥速度が著しく向上し、低温乾燥性が向上し、その結果、未乾燥による画像すれ等の低画質化がなく(耐擦性に優れ)、金属、ガラス、ポリエチレンテレフタレート等の非インク吸収性基材や、塩化ビニル等の低インク吸収性基材上に吐出して画像形成しても乾燥が速く低温乾燥性が良好であり、高品質の画像を実現できる。
3−メトキシ−3−メチルブタノールは、特異的に水と共に蒸発し易く(共沸し易く)、そのため3−メトキシ−3−メチルブタノールと水とがほぼ同時に基材上からなくなり易いために、上記基材上であっても乾燥性や耐擦性が向上する。
低温乾燥性を低吸収性基材上や非インク吸収性基材上で実現するには、吐出安定性とは逆に、基材上に着弾したインク液滴が迅速に揮発成分を蒸発させ、時間差で着弾する液滴とのドット融着を防ぎ、高品質の画像を形成することが重要となる。
このため、3−メトキシ−3−メチルブタノールは、比較的低温で水と一定比率で蒸発する特性を有しているため、本発明のインクジェット用水性顔料インク組成物は、外部エネルギー供給が少ない中でも、低吸収性基材上や非インク吸収性基材上での良好なインク皮膜形成が可能となる。
更に、特定含有量の「2−ピロリドン等のピロリドン系溶剤」を含有しているため、クリーニング特性や吐出安定性の向上と、前記した低温乾燥性・高乾燥速度との両立が可能となり、非インク吸収性基材や低インク吸収性基材上に吐出しても、高品質の画像を得ることができる。
吐出安定性が良好であるためには、インクジェット用水性顔料インク組成物の保存安定性が良好であることが前提で、そこに更に、プリンターヘッドのノズル部でのエマルジョン樹脂粒子の乾燥皮膜化を防ぐため、インクの再分散・再溶解性が良好であることが必要である。インク中の水分が大部分蒸発しても、インクの再分散・再溶解性を維持するために、3−メトキシ−3−メチルブタノール及び/又はピロリドン系溶剤は、各々が及び両者が相乗的に極めて有効である。
更には、「保湿性を確保するため等に配合する(例えば沸点200℃以上の高沸点の)他の水性有機溶剤」(以下、単に「他の溶剤」と略記する)の含有による画像形成後のインクの乾燥速度の低下を防ぐことができる。
一般に、1,2−へキサンジオール等の「他の溶剤」が保湿性を確保するあまり水を抱え込むかのように水の蒸発速度を低下させるところ、3−メトキシ−3−メチルブタノールは水と共沸し易く、水が蒸発すると共に3−メトキシ−3−メチルブタノールも蒸発して、(1,2−ヘキサンジオール等の高沸点の「他の溶剤」が含有されていても)画像形成後のインクの基材上での乾燥速度(例えば溶剤の全ての成分が実質的に蒸発するまでの時間)が良好なまま維持できる。
上記効果を奏する結果から、及び、1,2−ヘキサンジオール等の高沸点の「他の溶剤」の含有量を減らせることもあり、非インク吸収性基材や低インク吸収性基材上に吐出して画像形成した場合でも、乾燥性・耐擦性等に優れ、高品質の画像を実現できる。
また、エマルジョン樹脂の平均粒子径が、顔料の平均粒子径より小さく、かつ70nm以下であるため、顔料の周囲に存在する分散剤の周りに、更に平均粒子径の小さいエマルジョン樹脂が均一に取り囲み、全体として1個の粒子のように振る舞うため、インクの保存安定性が良好となる。
例えば、「分散剤が表面に存在する顔料」の表面が「+」側になっている場合、平均粒子径の小さい「−」表面のエマルジョン樹脂が、それをびっしりと均一に取り囲み、全体として表面が「−」の粒子となるので、「−」荷電による反発と立体障害により、インクの経時での保存安定性や、容器内及びノズル内での分散安定性等が良好となる。
言い換えれば、本発明のインクジェット用水性顔料インク組成物は、エマルジョン樹脂粒子と顔料粒子という2種類の粒子を含む。この2種類の粒子を別々の分散状態にするのではなく、「顔料の表面を被覆する分散剤の電荷」を、「エマルジョン樹脂粒子の電荷」とは、逆の電荷とし、結果として顔料の周囲を平均粒子径が70nm以下の細かいエマルジョン樹脂粒子が取り囲む配置で、溶剤中に安定分散させることで、本発明のインクの長期保存安定性を得ることができる。
3−メトキシ−3−メチルブタノール及びピロリドン系溶剤を特定量含有する水性有機溶剤(特に、3−メトキシ−3−メチルブタノール)は、インクの保存中やノズル近傍において、上記「粒子」の構造を壊さないために、インクの保存安定性と吐出安定性とを良好に維持する。すなわち、本発明の特定のエマルジョン樹脂の要件と、本発明の特定の水性有機溶剤の要件とは、上記のような相乗効果を奏する。
本発明のインクジェット用水性顔料インク組成物を吐出するインクジェットプリンターを示すブロック図である。
以下、本発明について説明するが、本発明は、以下の具体的形態に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内で任意に変形することができる。
本発明のインクジェット用水性顔料インク組成物は、顔料、分散剤、エマルジョン樹脂、水及び水性有機溶剤を含むインクジェット用水性顔料インク組成物であって、
該エマルジョン樹脂の平均粒子径が、該顔料の平均粒子径より小さく、かつ70nm以下であり、
該エマルジョン樹脂の含有量が、該顔料の含有量以上であり、かつインクジェット用水性顔料インク組成物全体に対して、2質量%以上10質量%以下であり、
該水性有機溶剤は、3−メトキシ−3−メチルブタノール及びピロリドン系溶剤を、インクジェット用水性顔料インク組成物全体に対して、それぞれ2質量%以上18質量%以下の範囲で含有することを特徴とする。
本発明においては、「インクジェット用水性顔料インク組成物」を単に「インク」と略記することがある。
また、本発明のインクジェット用水性顔料インク組成物に含有される「水及び水性有機溶剤」を単に「溶剤」と略記することがある。なお、顔料、エマルジョン樹脂等、溶解しておらず分散しているものも存在するが、インクに含有される「水及び水性有機溶剤」を単に「溶剤」と略記する。
本発明のインクは、少なくとも、顔料、分散剤、エマルジョン樹脂、水及び水性有機溶剤を含む。
(顔料)
本発明において使用される顔料の種類は、特に限定はなく公知の無機顔料や有機顔料を使用できる。また、色も限定はなく、色の三原色であるシアン、マゼンタ又はイエロー;ブラック;等の他、その他の色の顔料も使用可能である。顔料は、同系統色の間で及び/又は異系統色の間で、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機顔料としては、限定はないが、例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化ケイ素等の酸化物;硫化鉄、硫化コバルト等の硫化物;炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の金属塩;水酸化アルミニウム等の水酸化物;金属;コバルトブルー、群青、マイカ、コバルトグリーン、マンガンバイオレット、紺青、クレー等が挙げられる。
前記有機顔料としては、限定はないが、例えば、アゾ顔料、アゾメチン顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、アニリンブラック等が挙げられる。これらの中で、プロセス色用又は中間色用としては、アゾ顔料、多環式顔料等が好ましい。
このうち、前記アゾ顔料としては、限定はないが、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等が挙げられる。
前記多環式顔料としては、限定はないが、例えば、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、ジオキサジン顔料、イソインドリン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、ベンツイミダゾロン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料等が挙げられる。
このような顔料をカラーインデックス番号で示すと、
ピグメントイエロー12,13,14,17,20,24,74,83,86,93,94,95,98,109,110,117,120,125,128,137,138,139,147,148,150,151,154,155,168,180,181,185,213;
ピグメントレッド48,53,57,97,112,122,123,168,176,177,184,188,202,206,209,242,254,255;
ピグメントバイオレット19,23,29,30,37、ピグメントブルー15:1,15:3,15:4,15:6,60、ピグメントオレンジ36,43,51,55,59,61,71,74;
ピグメントグリーン7,36、ピグメントブラック7;
等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。
ブラック色顔料としては、限定はないが、カーボンブラックが用いられる。カーボンブラックとしては、中性、酸性、塩基性等の各種タイプを使用することができる。
具体的には、例えば、キャボット社製の「リーガル」、「モナーク」等;コロンビア社製の「ラーベン」等;デグッサ・ヒュルス社製の「ブリンテックス」、「スペシャルブラック」等;三菱化学株式会社製の「HCF」、「MCF」、「RCF」、「RFF」、「SCF」等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。
顔料の平均粒子径は、後述するエマルジョン樹脂の平均粒子径より大きければ特に限定はないが、20nm以上500nm以下が好ましく、40nm以上300nm以下がより好ましく、70nm以上150nm以下が特に好ましい。
平均粒子径の下限が上記以上であると、顔料の凝集が抑制される;顔料の安定分散のために、エマルジョン樹脂の平均粒子径を顔料の平均粒径より小さくさせ易い等の効果がある。また、インクジェット用水性顔料インク組成物として使用したときに、インク皮膜の光学濃度値を増加し易くできる。
一方、平均粒子径の上限が上記以下であると、顔料の分散安定性が良くなる、色調や明度が良くなる等の効果がある。また、インクジェット用水性顔料インク組成物として使用したときに、吐出安定性が良くなる。
本願において、上記「顔料の平均粒子径」は、後述する「エマルジョン樹脂の平均粒子径」との大小関係を直接比較できるような方法で測定される。
本発明において、顔料の平均粒子径は、顔料分散体(ミルベース)を、1μmのフィルターでろ過した後、得られたろ液中の顔料粒子の平均粒子径(D50)の数値を意味する。具体的には、常法に従い動的光散乱法で測定したものであり、例えばスペクトリス株式会社の「ゼーターサイザー ナノS」で測定される平均粒子径である。
顔料のインク全体に対する含有量は、特に限定はないが、0.5〜8質量%が好ましく、2〜5質量%がより好ましく、3〜4質量%が特に好ましい。
顔料の含有量が少な過ぎると、印刷物の濃度がうすくなる場合があり、一方、顔料の含有量が多過ぎると、粘度の調整が難しくなる、インク皮膜の光学濃度値が飽和し顔料が無駄になる等の場合がある。
(分散剤)
本発明において、「分散剤」は顔料を分散させるために用いられる。水性有機溶剤中で顔料を分散させる際には、顔料自身に官能基を付与した自己分散性顔料を分散させる、顔料を樹脂で覆ったカプセル化顔料にして分散させる、高分子分散剤を使用して顔料を分散させる等の方法が用いられており、本発明においては、何れも使用可能である。
このうち、自己分散性顔料は、分散の不安定化は起こり難いが、コストが高く、また、使用時にバインダー等を用いないと基材への定着性が劣る場合がある。
また、カプセル化顔料は、顔料種によらず表面構造を等しくできるが、使用する樹脂量が非常に多く、また、カプセル化顔料自身を水性有機溶剤に分散させる技術が必要となる。
それに対し、高分子分散剤を使用した系では、基材への定着性等の「分散性能以外の要求」を満たすための新規セグメントの導入も可能、樹脂量も必要最小限に調節することが可能、入手できる種類も多く汎用性がある等の点から、高分子分散剤を使用する方法(系)が好ましい。
かかる高分子分散剤としては、限定はなく、公知のものが用いられ、また、公知の材料・方法で得られるものを用いることができる。
また、市販品を用いることもでき、市販品としては、例えば、
DISPERBYK−180,184,185,187,190,191,193,194N,198,199,2010,2012,2015,2091,2096,BYKJET−9151,BYKJET−9170(以上商品名、ビック・ケミー株式会社製、BYKJETは登録商標);
Efka PX−4550,4560,4585,4701(以上商品名、ウイルバー・エリス株式会社製);
DA−703−50(商品名、楠本化成株式会社製);
アロンA−6330(商品名、東亞合成株式会社製);
TEGO Dispers 750W,755W(以上商品名、エボニック・テゴ・ケミー株式会社製、TEGOは登録商標);
SOLSPERSE−41000,43000,44000,46000,47000(以上商品名、ルーブリゾール株式会社製、SOLSPERSEは登録商標);
等が挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし2種以上を併用しでもよい。
分散剤のインク全体に対する含有量は、特に限定はないが、0.2〜8質量%が好ましく、0.5〜4質量%がより好ましく、0.8〜2.5質量%が特に好ましい。分散剤の含有量が少な過ぎると、顔料の分散性や、インクの保存安定性、再溶解性、吐出安定性等が悪化する場合があり、一方、分散剤の含有量が多過ぎると、インク皮膜の耐水性、耐擦性、乾燥性が劣る場合や、分散剤が無駄になる等の場合がある。
(分散助剤)
水性有機溶剤中で表面が疎水性の顔料を分散させ、十分な分散安定性を得るために、上記したように高分子分散剤が好ましい。しかし、高分子分散剤だけでは、十分な分散安定性が得られ難い場合もあり、顔料に親水基を導入した顔料誘導体(シナジスト)と上記高分子分散剤との併用で、より良い分散安定性が得られる場合があるので、その場合はシナジストの併用が好ましい。
このようなシナジストの併用としては、
Solseperse−5000,12000,22000(以上商品名、ルーブリゾール株式会社製);
Synergist Yellow−8020,8404,9043,4827(以上商品名、株式会社分散材料研究所製);
Synergist Red−3953,4327,4474,4858,4966,5507,5525,5909,6006,6547(以上商品名、株式会社分散材料研究所製);
Synergist Blue−6831,7215,7438,7854,0785,0785A(以上商品名、株式会社分散材料研究所製);
Synergist Violet−6965,7349,7572,7988(以上商品名、株式会社分散材料研究所製);
等が挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし2種以上を併用しでもよい。
(エマルジョン樹脂)
本発明のインクジェット用水性顔料インク組成物には、必須成分として、エマルジョン樹脂を含有する。本発明で「エマルジョン樹脂」とは、「分散液であるエマルジョン」中の固形成分である樹脂のことを言う。「エマルジョン樹脂の含有量」も、エマルジョン中の「樹脂(固形分)」(換算)の含有量を意味する。
該エマルジョン樹脂の種類は、特に限定はないが、具体的には、例えば、(メタ)アクリル系、スチレン・(メタ)アクリル系、酢酸ビニル系、塩化ビニル系、オレフィン系、ポリアミド系、ウレタン系等のエマルジョン樹脂が挙げられる。
このうち、本発明のインクに、より好ましいエマルジョン樹脂は、印刷皮膜の柔軟性・延伸性に優れる等の点から、ウレタン系、(メタ)アクリル系又は塩化ビニル系のエマルジョン樹脂であり、特に好ましいエマルジョン樹脂は、印刷皮膜の柔軟性・延伸性に特に優れている点から、塩化ビニル系エマルジョン樹脂である。
エマルジョン樹脂は、「エマルジョン」状態で市販されているものも、本発明において好適に使用できるものがある。
良好な保存安定性を示し、優れた延伸性を示す市販の「エマルジョン樹脂を含有するエマルジョン」としては、具体的には、例えば、ビニブラン700,701,711,985(以上商品名、日信化学工業株式会社製、ビニブランは登録商標);アクリットWAN−6000(商品名、大成ファインケミカル株式会社製、アクリットは登録商標)等が挙げられる。
本発明のインクに用いられるエマルジョン樹脂の平均粒子径は、70nm以下であり、かつ前記した顔料の平均粒子径より小さければ、特に限定はないが、60nm以下が好ましく、10nm以上50nm以下がより好ましく、20nm以上40nm以下が特に好ましい。
本発明において、「エマルジョン樹脂の平均粒子径」は、大塚電子株式会社製の濃厚系粒子アナライザーFPAR−1000(FPARは登録商標)を用いて、動的光散乱法により測定され、キュムラント平均粒子径として定義される。
平均粒子径の下限が上記以上であると、エマルジョン樹脂粒子同士の凝集が抑制される、粘度の安定性が得られ易い等の効果がある。また、インクジェット用水性顔料インク組成物を調製するときに各成分の配合順の影響をあまり受けない性質となる。
一方、平均粒子径の上限が上記以下であると、顔料の平均粒子径より小さく設定し易くなり、前記した理由により顔料をより安定的に分散させることができる;顔料の分散性安定性が良くなる;インク皮膜の均一性が得られ易く高光沢になる等の優れた効果を奏する。
インク中の顔料の保存安定性を向上させるため、顔料粒子の周囲を、表面電荷を有するエマルジョン樹脂の粒子が取り囲む配置を形成し易くするため、エマルジョン樹脂の平均粒子径は、上記上限以下であることが、配置の立体障害がなく、また同極性の電荷同士による斥力が働くため有利である。なお、インク中の顔料粒子間のゼータ電位(ζ電位)測定結果もエマルジョン樹脂粒子が顔料粒子を囲む態様の存在を支持している。
平均粒子径の上限が上記以下であると、上記理由等により、顔料の周囲に存在する分散剤の周りに更に平均粒子径の小さいエマルジョン樹脂が均一に取り囲み、全体として1個の粒子のように振る舞い、インクの保存安定性が良好となる。
限定されるわけではないが、顔料の周囲に、それより平均粒子径の小さいエマルジョン樹脂が均一に取り囲むと、顔料粒子とエマルジョン樹脂粒子とが単独で存在すると2個のゼータ電位(ζ電位)が生じるところ、一体化して1個のゼータ電位(ζ電位)を示すようになるため、1個のゼータ電位(ζ電位)を示す形態が本発明において好ましい。
また、「分散剤が表面に存在する顔料」が例えば「+」表面になっている場合、「−」表面のエマルジョン樹脂で均一に取り囲み、全体として「−」表面の粒子とし易くなるので、荷電による反発と立体障害により、インクの保存安定性や、ノズル内での分散安定性等が良好となる。
前記効果を発揮させるため、エマルジョン樹脂の平均粒子径は、70nm以下が必須であり、エマルジョン樹脂の平均粒子径の上限は上記以下であることが望ましい。
また、エマルジョン樹脂の平均粒子径は、顔料の平均粒子径より小さいことが必須である。
平均粒子径比=エマルジョン樹脂の平均粒子径[nm]/顔料の平均粒子径[nm]で定義される平均粒子径比は、前記効果を発揮させるために、0.05〜0.8が好ましく、0.1〜0.6がより好ましく、0.15〜0.4が特に好ましい。
上記平均粒子径比が大き過ぎると、顔料粒子の周囲をエマルジョン樹脂の粒子が取り囲む配置を形成し難くなり、インクの保存安定性や、ノズル内での分散安定性等が不良になる場合がある。一方、上記平均粒子径比が小さ過ぎると、エマルジョン樹脂粒子が小さくなり過ぎてエマルジョン樹脂粒子同士が凝集する場合があり、エマルジョン樹脂粒子の合成が難しかったり経済的でなかったりする場合等がある。
エマルジョン樹脂の含有量は、インクジェット用水性顔料インク組成物全体に対して、2質量%以上10質量%以下が必須であり、3質量%以上9質量%以下の範囲が好ましく、4質量%以上8質量%以下の範囲がより好ましく、5質量%以上7質量%以下の範囲が特に好ましい。
エマルジョン樹脂の含有量が上記下限以上であると、本発明の前記効果を発揮し、インクの保存安定性、基材上のインク皮膜の耐擦性、耐水性、光沢等が良好となる。
一方、エマルジョン樹脂の含有量が上記上限以下であると、着弾したインクの乾燥性が大きくなり過ぎず、吐出安定性に優れる。
本発明においては、インク全体に対するエマルジョン樹脂の含有量が顔料の含有量以上であることが必須である。
[含有比]=[エマルジョン樹脂の含有量(質量%)]/[顔料の含有量(質量%)]で定義される含有比は、前記効果を発揮させるために、1以上が必須であるが、1.0〜2.6が好ましく、1.2〜2.3がより好ましく、1.4〜2が特に好ましい。
上記含有比が小さ過ぎると、エマルジョン樹脂が少な過ぎて、該粒子が顔料の周囲を完全に覆い難くなる場合があり、顔料粒子の分散性が悪くなり、インクの保存安定性、吐出安定性、インク皮膜の耐水性、耐擦性、延伸性等が劣化する場合がある。
一方、上記含有比が大き過ぎると、インク皮膜の光学濃度値の低下、乾燥性の速過ぎ、吐出安定性が劣化する等の場合がある。
エマルジョン樹脂粒子が顔料の周囲を完全に覆う配置をとった状態で、そこに更に、水性有機溶剤として、3−メトキシ−3−メチルブタノールやピロリドン系溶剤を組み合わせると、前記本発明の効果が相乗的に奏される。これは、3−メトキシ−3−メチルブタノールが、エマルジョン樹脂粒子の水和配置の安定性を壊さないような分子構造の水性有機溶剤であるからだと考えられる。
(水性有機溶剤)
本発明において、インクは溶剤として水及び水性有機溶剤を含有する。水性有機溶剤を含有することによって、インクの粘度、インクの着弾後の乾燥性、MFT(最低造膜温度)の制御、再溶解性の向上等が得られる。
水性有機溶剤として、3−メトキシ−3−メチルブタノール及びピロリドン系溶剤を必須成分として含有する。
〈3−メトキシ−3−メチルブタノール〉
水性有機溶剤として、3−メトキシ−3−メチルブタノールを含有することによって、エマルジョン樹脂の再溶解性が向上してクリーニング特性が向上し、インクの吐出時には吐出安定性が向上する。
また、インク着弾後の乾燥速度が著しく向上し、低温乾燥性が向上して耐擦性に優れるようになり、非インク吸収性基林や低インク吸収性基材上に吐出して画像形成しても乾燥が速く、低温乾燥性が良好であり高品質の画像を実現できる。
低吸収性基材上や非インク吸収性基材上で高品質の画像を得るには、インク液滴の迅速な揮発を実現させ、時間差で着弾する液滴とのドット融着を防ぐ必要がある。これらの性質は、吐出安定性とは裏腹の関係にあるが、3−メトキシ−3−メチルブタノールは、水と完全に相溶し、比較的低温で水と一定比率で蒸発する特性を有しているため、3−メトキシ−3−メチルブタノールと水とがほぼ同時に基材上からなくなり易く(なくなる溶剤組成にし易く)、そのため、再溶解性と吐出安定性を維持しながら、上記基材上であっても乾燥性や耐擦性が向上する。
3−メトキシ−3−メチルブタノールの含有量は、インク全体に対して、2質量%以上
18質量%以下の範囲で含有することが必須である。
好ましくは、3質量%以上15質量%以下、より好ましくは、4質量%以上12質量%以下、特に好ましくは、5質量%以上9質量%以下である。
3−メトキシ−3−メチルブタノールが上記範囲の含有量であると、前記した3−メトキシ−3−メチルブタノール含有の効果を奏し易く、裏腹の物性の両立が達成され易い。特に、下限が上記以上であると、ノズルから吐出して基材上に着弾したインクの乾燥性に優れ、耐擦性、耐水性等が優れる。上限が上記以下であると、乾燥が速過ぎず、ノズルで目詰まりが発生し難い。
〈ピロリドン系溶剤〉
本発明のインクは、水性有機溶剤として、3−メトキシ−3−メチルブタノール及びピロリドン系溶剤を必須成分として含有するが、そのうち、ピロリドン系溶剤を含有することによって、前記した本発明の効果を発揮する。ピロリドン系溶剤は、特に強極性有機溶剤特有の基材への密着増加効果、MFT低下効果等を有しており、非インク吸収性基材や低インク吸収性基材上に吐出しても高品質の画像を得ることができる。
そのため、特に、3−メトキシ−3−メチルブタノールと併用することによって、インクの再溶解性、吐出安定性、乾燥性、基材への密着性に関しバランスの良い配合処方を見出し得る点等で相乗効果を発揮する。
ピロリドン系溶剤としては、具体的には、例えば、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−エチル−ピロリドン等が好ましく、中でも、2−ピロリドンが、安全性の点、環境負荷が少ない点等から特に好ましい。
ピロリドン系溶剤の含有量は、インク全体に対して、2質量%以上18質量%以下の範囲で含有することが必須である。
好ましくは、3質量%以上15質量%以下、より好ましくは、4質量%以上12質量%以下、特に好ましくは、5質量%以上9質量%以下である。
ピロリドン系溶剤が上記範囲の含有量であると、前記したピロリドン系溶剤含有の効果を奏し易く、特に下限が上記以上であると、ノズルから吐出し基材上に着弾したインクの密着が優れ、耐擦性、耐水性等が向上する。また、インクの再溶解性が優れ、その結果、ノズルで目詰まりが発生し難くなる。一方、上限が上記以下であると、インクの保存安定性が優れる。
〈3−メトキシ−3−メチルブタノールとピロリドン系溶剤との合計〉
本発明のインクは、3−メトキシ−3−メチルブタノール及びピロリドン系溶剤を、インクに対して、合計で4質量%以上25質量%以下の範囲で含有することが好ましい。合計量は、より好ましくは、5質量%以上22質量%以下の範囲であり、特に好ましくは、7質量%以上18質量%以下の範囲である。合計量の上記範囲であると、3−メトキシ−3−メチルブタノールとピロリドン系溶剤のそれぞれの項で記載した効果を発揮する。
〈1,2−アルカンジオール〉
本発明のインクは、水性有機溶剤として、更に、前記以外の他の溶剤も含有させることができる。
中でも、1,2−アルカンジオールを含有することが好ましく、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール又は1,2−ヘキサンジオールを含有することがより好ましく、1,2−へキサンジオールを含有することが特に好ましい。
1,2−アルカンジオールを含有すると、保湿性、ヘッド目詰まり性、基材への浸透性等が向上し、ベタ部濃淡ムラ低減に効果を奏する。
1,2−アルカンジオール等の高沸点の「他の溶剤」は、一般に水の蒸発速度を低下させるが、3−メトキシ−3−メチルブタノールが水と共沸し易いため、かかる問題点を解消できる。すなわち、1,2−アルカンジオール等の高沸点の「他の溶剤」が含有されていても、3−メトキシ−3−メチルブタノールが含有されていると、インク着弾後の溶剤が蒸発するまでの時間を短縮できる。その結果、相乗効果を発揮し、非インク吸収性基材や低インク吸収性基材上に吐出して画像形成した場合でも、乾燥性・耐擦性等に優れ、高品質の画像を実現できる。
1,2−アルカンジオールの含有量は、特に限定はないが、インク全体に対して、3〜12質量%が好ましく、5〜10質量%が特に好ましい。
(水)
本発明のインクは水を含有する。
インク全体に対する水の含有量は、限定はないが、60〜80質量%が好ましく、65〜75質量%が特に好ましい。
(その他の成分)
本発明のインクジェット用水性顔料インク組成物には、必要に応じて、消泡剤、表面張力調整剤、増粘剤、pH調整剤、防腐剤等のインクに含有することが知られている公知の成分を更に含有させてもよい。
(インクの製造方法)
本発明のインクジェット用水性顔料インク組成物の製造方法は、特に限定されないが、プレミックス後、ペイントシェーカー、サンドミル分散機等によって、水、水性有機溶剤及び分散剤の混合液中に顔料を分散し、得られた顔料分散液を、水、本発明における水性有機溶剤、エマルジョン樹脂等と混合して製造することが好ましい。その後、フィルター等を用いて、粗大粒子を除去し、必要に応じて脱気することにより製造することが好ましい。
(画像形成方法)
本発明のインクジェット用水性顔料インク組成物は、ノズルから吐出させて基材に着弾させて画像を形成するために用いられる。該画像形成方法(基材の種類、着弾したインクの乾燥方法等)は特に限定はないが以下に示す方法が好ましい。
基材の種類は特に限定されないが、前記した3−メトキシ−3−メチルブタノールとピロリドン系溶剤との(相乗)効果を得るために、該基材は、金属、ガラス、ポリエチレンテレフタレート等の非インク吸収性基材や、塩化ビニル等の低インク吸収性基材であることが好ましい。
本発明のインクを使用した画像形成方法については、前記のインクジェット用水性顔料インク組成物をインクジェットヘッドから吐出し、吐出された液滴を基材に着弾させる吐出工程と、該基材に着弾したインクジェット用水性顔料インク組成物を40℃以上80℃以下で加熱する加熱工程とを含むことを特徴とする画像形成方法が好ましい。
吐出は公知のインクジェットプリンター等が好適に使用できる。インクジェットプリンターの構成については、後述する。
上記加熱工程の加熱温度は、50℃以上70℃以下がより好ましく、55℃以上60℃以下が特に好ましい。
上記温度範囲で加熱することによって、耐擦性、耐水性等が向上し、ベタ部濃淡ムラの発生を抑えた高品質の印刷画像を形成できる。
また、基材として、前記非インク吸収性基材や前記低インク吸収性基材を用いたときに、更に上記画像形成方法は、上記効果を発揮するために好ましい。
(画像形成物)
本発明は、前記インクを用いて基材上に形成されたものであることを特徴とする画像形成物である。
ここで、基材は前記したもの等が挙げられる。該画像形成物は、耐擦性、耐水性、延伸性、柔軟性、ベタ部濃淡ムラ等に優れている。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
また、以下の記載において、「部」とは質量部を、「%」とは質量%を示す。
また、「エマルジョン樹脂分散体」とは、エマルジョン樹脂を含有する水溶液(分散液)のことを意味する。
また、印刷される対象(メディア)である「基材」を、「被記録媒体」と表現することがある。
実施例1
〈顔料分散体の調製〉
先ず、下記の材料を下記の割合で秤量し、ビーズミルテスト分散機を用いて、直径0.3mmのジルコニアビーズを分散メディアとして、80分間分散して、顔料分散体Aを得た。
顔料分散体A中の顔料の平均粒子径は、140nmであった。
(1)顔料(BASFジャパン株式会社製、商品名「Heliogen Blue D7088」、Heliogenは登録商標、平均粒子径140nm)
:20.0部
(2)分散剤(ビック・ケミージャパン株式会社製、商品名「BYKJET−9170」、BYKJETは登録商標)
:10.0部
(3)水性有機溶剤3−メトキシ−3−メチルブタノール
:10.0部
(4)消泡剤(日信化学工業株式会社製、商品名「サーフィノール104E」、サーフィノールは登録商標)
:0.3部
(5)イオン交換水
:59.7部
〈インクジェット用水性顔料インク組成物の調製〉
次に、上記で得た顔料分散体Aと下記の材料とを下記の割合で混合・攪拌し、実施例1のインクジェット用水性顔料インク組成物を得た。
(1)顔料分散体A(顔料濃度:20.0%)
:18.0部
(2)エマルジョン樹脂分散体:塩化ビニル系エマルジョン樹脂(日信化学工業株式会社製、製品名「ビニブラン701」、ビニブランは登録商標、固形分30%、平均粒子径30nm)
:20.0部
(3)水性有機溶剤1:3−メトキシ−3−メチルブタノール
:4.0部
(4)水性有機溶剤2:2−ピロリドン
:5.0部
(5)水性有機溶剤3:EVONIK社製、1,2−へキサンジオール等
:7.0部
(6)各種添加剤(消泡剤、表面張力調整剤等)
:0.5部
(7)イオン交換水
:45.5部
実施例2
エマルジョン樹脂分散体を、商品名「ビニブラン711」(日信化学工業株式会社製)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のインクジェット用水性顔料インク組成物を作製した。
「ビニブラン711」は、塩化ビニル系エマルジョン樹脂であり、固形分は30%、平均粒子径は70nmである。
実施例3
エマルジョン樹脂分散体を、「ビニブラン701」20.0部から、「アクリットWAN−6000」(大成ファインケミカル株式会社製、アクリットは登録商標)15.7部に変更して、イオン交換水の配合量を49.8部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3のインクジェット用水性顔料インク組成物を作製した。
「アクリットWAN−6000」は、アクリル系エマルジョン樹脂であり、固形分は38.3%であり、平均粒子径は30nmである。
実施例4
インクジェット用水性顔料インク調製の際の「水性有機溶剤1」である3−メトキシ−3−メチルブグノールの配合量を4.0部から2.0部に変更し、「水性有機溶剤2」である2−ピロリドンの配合量を5.0部から2.0部に変更し、イオン交換水の配合量45.5部から50.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4のインクジェット用水性顔料インク組成物を作製した。
実施例5
「水性有機溶剤2」である2−ピロリドンの配合量を5.0部から15.0部に変更し、イオン交換水の配合量を35.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5のインクジェット用水性顔料インク組成物を作製した。
実施例6
インクジェット用水性顔料インク調製の際の「水性有機溶剤1」である3−メトキシ−3−メチルブタノールの配合量を4.0部から15.0部に変更し、イオン交換水の配合量を34.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6のインクジェット用水性顔料インク組成物を作製した。
実施例7
インクジェット用水性顔料インク調製の際の「水性有機溶剤1」である3−メトキシ−3−メチルブタノールの配合量を4.0部から10.0部に変更し、「水性有機溶剤2」である2−ピロリドンの配合量を5.0部から10.0部に変更し、イオン交換水の配合量を34.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7のインクジェット用水性顔料インク組成物を作製した。
実施例8
エマルジョン樹脂分散体である「ビニブラン701」の配合量を20.0部から13.3部に変更し、イオン交換水の配合を52.2部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8のインクジェッ卜用水性顔料インク組成物を作製した。
実施例9
エマルジョン樹脂分散体である「ビニブラン701」の配合量を20.0部から30.0部に変更し、イオン交換水の配合を35.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例9のインクジェット用水性顔料インク組成物を作製した。本実施例9では、エマルジョン樹脂の含有量は、9.0部であった。
実施例10
インクジェット用水性顔料インク調製の際の「水性有機溶剤1」である3−メトキシ−3−メチルブタノールの配合量を4.0部から0.7部に変更し、イオン交換水の配合量を48.8部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例10のインクジェット用水性顔料インク組成物を作製した。
比較例1
エマルジョン樹脂分散体を、「ビニブラン701」20.0部から、商品名「ビニブラン603」(日信化学工業株式会社製)12.0部に変更し、イオン交換水の配合量を53.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1のインクジェット用水性顔料インク組成物を作製した。「ビニブラン603」は、塩化ビニル/酢酸ビニル系エマルジョン樹脂であり、固形分は50%であり、平均粒子径は150nmである。
比較例2
エマルジョン樹脂分散体を、「ビニブラン701」20.0部から、商品名「ポリゾールAP6730」(昭和電工株式会社製、ポリゾールは登録商標)20.0部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2のインクジェット用水性顔料インク組成物を作製した。
「ポリゾールAP6730」は、スチレン/アクリル系エマルジョン樹脂であり、固形分は30%であり、平均粒子径は100nmである。
比較例3
上記、実施例1の〈インクジェット用水性顔料インク組成物の調製〉で示した処方の中で、
(3)水性有機溶剤1:3−メトキシ−3−メチルブタノール
:配合せず
(4)水性有機溶剤2:2−ピロリドン
:配合せず
(5)水性有機溶剤3:EVONIK社製、1,2−へキサンジオール等
:16.0部
と変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例3のインクジェット用水性顔料インク
組成物を作製した。
比較例4
上記、実施例1の〈インクジェット用水性顔料インク組成物の調製〉で示した処方の中で、
(3)水性有機溶剤1:3−メトキシ−3−メチルブタノール
:配合せず
(4)水性有機溶剤2:2−ピロリドン
:5.0部(実施例1と変更なし)
(5)水性有機溶剤3:EVONIK社製、1,2−へキサンジオール等
:11.0部
と変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例4のインクジェット用水性顔料インク組成物を作製した。
比較例5
上記、実施例1の〈インクジェット用水性顔料インク組成物の調製〉で示した処方の中で、
(3)水性有機溶剤1:3−メトキシ−3−メチルブタノール
:4.0部(実施例1と変更なし)
(4)水性有機溶剤2:2−ピロリドン
:配合せず
(5)水性有機溶剤3:EVONIK社製、1,2−ヘキサンジオール等
:12.0部
と変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例5のインクジェット用水性顔料インク組成物を作製した。
比較例6
上記、実施例1の〈インクジェット用水性顔料インク組成物の調製〉で示した処方の中で、
(3)水性有機溶剤1:3−メトキシ−3−メチルブタノール
:4.0部(実施例1と変更なし)
(4)水性有機溶剤2:2−ピロリドン
:20.0部
(5)水性有機溶剤3:EVONIK社製、1,2−ヘキサンジオール等
:7.0部(実施例1と変更なし)
と変更し、イオン交換水の配合量を30.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例6のインクジェット用水性顔料インク組成物を作製した。
比較例7
上記、実施例1の〈インクジェット用水性顔料インク組成物の調製〉で示した処方の中で、
(3)水性有機溶剤1:3−メトキシ−3−メチルブタノール
:20.0部
(4)水性有機溶剤2:2−ピロリドン
:5.0部(実施例1と変更なし)
(5)水性有機溶剤3:EVONIK社製、1,2−へキサンジオール等
:7.0部(実施例1と変更なし)
と変更し、イオン交換水の配合量を29.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例7のインクジェット用水性顔料インク組成物を作製した。
比較例8
エマルジョン樹脂分散体であるビニブラン701の配合量を20.0部から35.0部に変更し、イオン交換水の配合量を30.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例8のインクジェット用水性顔料インク組成物を作製した。
本比較例8では、エマルジョン樹脂の含有量は、10.5部であった。
比較例9
エマルジョン樹脂分散体であるビニブラン701の配合量を20.0部から6.0部に変更し、イオン交換水の配合量を74.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例9のインクジェット用水性顔料インク組成物を作製した。
本比較例9では、エマルジョン樹脂の含有量は、1.8部であった。
上記実施例1乃至10の成分組成を以下の表1、比較例1乃至9の成分組成を以下の表2に示す。表中の数値は、インク組成物調製に使用した顔料分散体中の各成分の含有量も加えた、インク組成物全体に対する各成分の最終的な含有量(質量%)である。
Figure 0006280670
Figure 0006280670
評価方法及び判定基準を以下に示す。
〈エマルジョン樹脂の粒子径〉
大塚電子株式会社製の濃厚系粒子アナライザーFPAR−1000を用いて、動的光散乱法により、キュムラント平均粒子径を測定した。
〈エマルジョン樹脂の固形分〉
エマルジョン樹脂分散体を150℃で2時間乾燥させて重量測定し「固形分」とした。
〈保存安定性の評価方法〉
各インクを、各々サンプルビン内に密封して45℃環境下に3ヶ月放置した。
放置後のインクの粘度変化、及び、インク成分の分離・沈降・凝集状態を観察することにより、インクの保存安定性を評価した。
〈〈保存安定性の中の「粘度変化」の判定基準〉〉
A:調製直後の粘度と比較して、変化率が±5%未満
B:調製直後の粘度と比較して、変化率が±5%以上、±10%未満
C:調製直後の粘度と比較して、変化率が±10%以上、±20%未満
D:調製直後の粘度と比較して、変化率が±20%以上
〈〈保存安定性の中の「インク成分の分離・沈降・凝集」の判定基準〉〉
A:インク成分の分離、沈降、凝集の、何れもが見られない
B:インク成分の分離、沈降、凝集のうち、何れかが僅かに見られる
C:インク成分の分離、沈降、凝集のうち、何れかが明確に見られる
D:インク成分の分離、沈降、凝集の、何れもが著しく見られる
〈再溶解性の評価方法〉
アルミ板上に、バーコーター#3にて、各色インクを塗布し、室温にて1ヶ月放置した。
放置後の塗布板上に同色インクを1滴落とし(円形に広がる)、3分後に紙製ウェス(キムワイプ(登録商標)使用)を1/8に折りたたんだ面で、インク滴の真上から軽く指で押さえた。この操作を紙製ウェスの新しい面で3回行い、インクを吸い取った塗布面を観察した。
〈〈再溶解性の判定基準〉〉
A:塗布面のインク成分が円形に溶解して、紙製ウェスに吸い取られ、アルミ板表面が円形状に露出する
B:塗布面のインク成分が円形に一部溶解して、紙製ウェスに吸い取られるが、アルミ板表面に残渣が残る
C:塗布面のインク成分が円形に膨潤するが殆ど溶解せず、紙製ウェスに殆ど吸い取られない
D:塗布面のインク成分が円形に膨潤も溶解もせず(変化せず)、紙製ウェスに吸い取られずインク滴の跡が残らない
〈吐出安定性の評価〉
〈〈連続吐出性の評価方法〉〉
インクジェット記録方式のプリンターとしてインクジェットプリンターVJ−1304(商品名、武藤工業株式会社製)にインクを充填して、被記録媒体VJ−MF−3G(商品名、武藤工業株式会社純正被記録媒体)に塗り潰しパターンを印刷した前後のノズルチェックパターンを比較し、塗り潰しパターン印刷後のノズルチェックパターンに、新たな欠損があれば不良、なければ良好とした。
印刷パターンは、Bk、Cy、Ma、Ye各色100%のdutyであり、横720dpi、縦720dpiの2passで印刷する場合は、プラテンヒーターを設定せず、横1440dpi、縦1440dpiの16passで印刷する場合は、プラテンヒーターを50℃に設定した。
〈〈連続吐出性の判定基準〉〉
A:塗潰しパターン印刷後に、各色のノズルチェックパターンの欠損が発生しない
B:塗潰しパターン印刷後に、各色のノズルチェックパターンに1〜4ヶ所の欠損が発生する
C:塗潰しパターン印刷後に、各色のノズルチェックパターンに5〜9ヶ所の欠損が発生する
D:塗潰しパターン印刷後に、各色のノズルチェックパターンに10ヶ所以上の欠損が発生する
〈〈ヘッド目詰まり性の評価方法〉〉
インクジェット記録方式のプリンターとしてインクジェットプリンターVJ−1304(商品名、武藤工業株式会社製)にインクを充填して、ノズル目詰まりのない状態にした後、ノズルチェックパターンを印刷し、プリントヘッドのキャップを装着した状態で電源を落とし、そのまま1週間室温で放置した。
1週間経過後に再度ノズルチェックパターンを印刷し、1週間室温放置前後のノズルチェックパターンを比較し、1週間経過後のパターンに欠損がないか、又は、クリーニング動作後に正常に吐出するか否かを観察した。
〈〈ヘッド目詰まり性の判定基準〉〉
A:1週間室温放置後に、ノズルチェックパターンの欠損がないか又はノズルチェックパターンの欠損が発生するが、3回以内のクリーニング動作で全ノズルからインクが正常吐出される
B:1週間室温放置後に、ノズルチェックパターンの欠損が発生するが、4回〜6回のクリーニング動作で全ノズルからインクが正常吐出される
C:1週間室温放置後に、ノズルチェックパターンの欠損が発生し、7回以上のクリーニング動作で全ノズルからインクが正常吐出される
D:1週間室温放置後に、ノズルチェックパターンの欠損が発生し、いくらクリーニング動作を行っても全ノズルからインクが正常吐出されない
〈印刷物の評価〉
〈〈乾燥性の評価方法〉〉
インクジェット記録方式のプリンターとしてインクジェットプリンターVJ−1304(商品名、武藤工業株式会社製)にインクを充填して、被記録媒体VJ−MF−3G(商品名、武藤工業株式会社純正被記録媒体)に、横720dpi、縦720dpiの8pass、プラテンヒーターを50℃に設定の条件で塗り潰しパターンを印刷した。
その印刷物を、60℃の恒温槽内に所定の時間放置した後に取り出し、JIS L 0849 I型の摩擦試験機に綿布カナキン3号を装着し、900gの荷重で100往復摩擦した。この操作を数回繰り返し、十分な強度が得られる時間を記録した。
印刷パターンは、100%dutyで、各Bk、Cy、Ma、Ye、R(Ye100%+Ma100%)、G(Ye100%+Cy100%)、B(Cy100%+Ma100%)、3K(cy100%+Ma100%+Ye100%)の塗り潰しパターンを用いた。
〈〈乾燥性の判定基準〉〉
A:100%dutyの各色塗潰しパターンにおいて、60℃に設定した恒温槽による6分未満の加熱で十分な摩擦強度が得られる
B:100%dutyの各色塗潰しパターンにおいて、60℃に設定した恒温槽による6分〜8分の範囲の加熱で十分な摩擦強度が得られる
C:100%dutyの各色塗潰しパターンにおいて、60℃に設定した恒温槽による8分〜10分の範囲の加熱で十分な摩擦強度が得られる
D:100%dutyの各色塗潰しパタ−ンにおいて、60℃に設定した恒温槽による10分までの加熱で十分な摩擦強度が得られない
〈〈耐擦性の評価方法〉〉
インクジェット記録方式のプリンターとしてインクジェットプリンターVJ−1304(商品名、武藤工業株式会社製)にインクを充填して、被記録媒体VJ−MF−3G(商品名、武藤工業株式会社純正被記録媒体)に、横720dpi、縦720dpiの8pass、プラテンヒーターを50℃に設定の条件で塗り潰しパターンを印刷した。
その印刷物を60℃の恒温槽内に10分間放置した後に取り出し、JIS L 0849 I型の摩擦試験機に綿布カ7キン3号を装着し、900gの荷重で100往復摩擦した。
印刷パターンは、100%dutyで各Bk、Cy、Ma、Yeの塗り潰しパターンを用いた。
〈〈耐擦性の判定基準〉〉
A:試験後の印刷面に傷がなく、試験布への色移りが殆どない
B:試験後の印刷面に小さな傷があり、試験布への色移りがある
C:試験後の印刷面に傷があり、その部分で被記録媒体が露出している
D:試験後の印刷面が剥がれ、被記録媒体が大きく露出している
〈〈耐水性の評価方法〉〉
インクジェット記録方式のプリンターとしてインクジェットプリンターVJ−1304(商品名、武藤工業株式会社製)にインクを充填して、被記録媒体VJ−MF−3G(商品名、武藤工業株式会社純正被記録媒体)に、横720dpi、縦720dpiの8pass、プラテンヒーターを50℃に設定の条件で塗り潰しパターンを印刷した。
その印刷物を60℃の恒温槽内に10分間放置した後に取り出し、JIS L 0849 I型の摩擦試験機に水で湿らせた綿布カナキン3号を装着し、900gの加重で10往復摩擦した。
印刷パターンは、100%dutyで各Bk、Cy、Ma、Yeの塗り潰しパターンを用いた。
〈〈耐水性の判定基準〉〉
A:試験後の印刷面に傷がなく、試験布への色移りが殆どない
B:試験後の印刷面に小さな傷があり、試験布への色移りがある
C:試験後の印刷面に傷があり、その部分で被記録媒体が露出している
D:試験後の印刷面が剥がれ、被記録媒体が大きく露出している
〈〈延伸性の評価方法〉〉
インクジェット記録方式のプリンターとしてインクジェットプリンターVJ−1304(商品名、武藤工業株式会社製)にインクを充填して、被記録媒体VJ−MF−3G(商品名、武藤工業株式会社純正被記録媒体)に、横720dpi、縦720dpiの8pass、プラテンヒーターを50℃に設定の条件で塗り潰しパターンを印刷後、VJ−MF−3Gの離型紙部分を剥離させ、延伸倍率2倍まで延伸させた。
〈〈延伸性の判定基準〉〉
A:2倍の延伸倍率の印刷皮膜が被記録媒体の延伸に追随し、表面に異常が認められない
B:2倍の延伸倍率の印刷皮膜の表面光沢が低下する
C:2倍の延伸倍率の印刷皮膜に肉眼で見える亀裂が認められる
D:印刷皮膜が殆ど延伸せず、印刷皮膜が部分的に剥離する
〈〈ベタ部濃淡ムラの評価方法〉〉
インクジェット記録方式のプリンターとしてインクジェットプリンターVJ−1304(商品名、武藤工業株式会社製)にインクを充填して、被記録媒体Vj−MF−3G(商品名、武藤工業株式会社純正被記録媒体)に、横720dpi、縦720dpiの8pass、又は縦1440dpi、横1440dpiの16passでカラーチャート及びJISx9204 N7RGBを、プラテンヒーターを50℃に設定して印刷し、濃淡ムラの有無を目視で確認した。
〈〈ベタ部濃淡ムラの判定基準〉〉
A:カラーチャートにおいて少なくともduty160%以上でモットリングがなく、JISx9204 N7RGBにおいて濃淡ムラがない
B:カラーチャートにおいてduty160%以上でモットリングがあり、JISx9204 N7RGBにおいて色の濃い部分に若干の濃淡ムラがある
C: カラーチャートにおいてduty100%〜160%でモットリングがあり、JISx9204 N7RGBにおいて色の濃い部分にはっきりと濃淡ムラがある。
D:カラーチャートにおいてduty100%以下でモットリングがあり、JISx9204 N7RGBにおいて印刷範囲全体に濃淡ムラがある。
〈〈総合評価の評価基準〉〉
上記各評価項目の判定結果を全て合わせて、下記の判定基準で総合的に評価した。
〈〈総合評価の判定基準〉〉
A4:「B」以下がなく「A〜B」が1個以下
A3:「B」以下がなく「A〜B」が2個以上
A2:「C」以下がなく「B」が1個
A1:「C」以下がなく「B」が2個
B:「C」以下がなく「B」が3個
C:「D」がなく「C」が1個以上、又は、「B」が4個以上
D:「D」が1個以上
実施例1乃至10の結果を以下の表3、比較例1乃至9の結果を以下の表4に示す。
Figure 0006280670
Figure 0006280670
上記表3および4の結果から明らかなように、3−メトキシ−3−メチルブタノール及びピロリドン系溶剤を所定量用いた実施例のインクは、インク保存安定性、インク再溶解性、吐出安定性、及び、印刷物の評価の全ての評価項目でバランス良く優れており、上記総合評価も、A1〜A4と優れていた。
一方、本発明の要件を満たしていない比較例のインクは、何れかの評価項目に劣り、上記総合評価が、B〜Dと劣っていた。
以上、本発明について実施例を用いて説明してきたが、ここで評価項目に挙げた「再溶解性」と「延伸性」について、さらに「総合評価」について、若干の補足をしておく。
再溶解性について、上述の実施例ではアルミ板上で各インクを塗布し、1ヶ月放置後に同色のインクを再度滴下して溶解する様子を観察して評価している。この評価の意図は、プリンターのインクジェットヘッドにおけるランニング時の目詰まり具合の、間接的な評価をしようというものである。すなわち、インクジェットヘッドは連続して印刷している限りは常に潤っているが、印刷を停止し長時間放置すると乾燥し、再度印刷する時には乾燥皮膜が印刷時の障害となって印刷ドット再現性が悪くなる。乾燥皮膜が吐出孔を覆った場合、印刷時に供給される新インクによって再溶解しないならば(再溶解性が極めて悪ければ)、その吐出孔は目詰まりとなって、印刷ドットが形成されない。また、一部分が溶解すれば、ドット抜けにはならないものの着弾位置のズレや、正常なドット形状が形成されないため、印刷品位が劣化する。一方、再溶解性が極めて高い場合には、新インクによって直ちに溶解し、高い印刷品位が再現される。このような傾向を顕著な形で観察するために、インクジェットヘッドを用いず、アルミ板上での乾燥・滴下・ふき取りによる評価で代用しているものである。
言い換えれば、先述した再溶解性の評価結果がDの場合には、長期放置後の印刷再開時における印刷再現性が悪いことを意味し、評価結果がAの場合には、印刷再開時における印刷再現性が良いことを意味する。すなわち、評価結果Aは、プリンター(インクジェットヘッド)の大気暴露における乾燥耐久性が優れており、印刷使用−未使用(大気放置)−印刷使用という実サイクルにおける耐久性に優れている証となるものである。
延伸性については、先にインクジェットプリンターを用いて基材に対して印刷を行ったあと、基材を2倍の長さに引き延ばして(延伸倍率2倍)、表面状態を観察している。この評価の意味するところは、印刷塗膜の密着性と塗膜の柔軟性の両方の評価である。すなわち、この評価がAとなることは、印刷塗膜と基材との密着性が高く容易に剥離しない状態にあることに加え、印刷塗膜そのものが柔軟性を有し、2倍程度の延伸ではクラックが生じず、そして塗膜が破断分離しないことを意味している。これは印刷物を裁断等の加工する際、印刷物を巻き取る際、印刷物を屋外に掲示する際の動的な負荷・ストレスにも耐えることを意味し、単に印刷することに留まらず、実用面での耐久性を表すひとつの指標となるものである。
また「総合評価」は先に、A4からDまでの7段階で評価を行っている。総合評価におけるA1〜A4は、インク保存性、インク再溶解性、吐出安定性、印刷物の評価においてバランス良く優れており、言い換えれば印刷時の印刷品位のみならず、印刷以降の巻取りや裁断等の加工、輸送、配布や掲示といった実使用に耐える耐久性、そしてプリンターの実使用耐久性を有しているものである。特に延伸性や耐水性、耐擦性に優れていることから、印刷物は屋外暴露環境における広告掲示といったタフな使用にも耐える性能を有していることを意味する。
一方、総合評価におけるB〜Dは、何れかの評価項目に劣る点があり、言い換えれば印刷直後の画像品質または使用環境にて何らかの欠点を有しているので、上記実使用に耐えることのできないものである。すなわち総合評価A1〜A4とB〜Dとは、全く異なる性能と言ってよく、総合評価A1〜A4を有する実施例1〜10は、本課題に即した格段の効果を有するものと言える。
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記の実施の形態では、実施例における基材(被記録媒体)としてVJ−MF−3G(商品名、武藤工業株式会社製純正被記録媒体)を挙げたが、これに限るものではない。VJ−MF−3Gは、塩化ビニル(PVC、ポリ塩化ビニル樹脂)からなるシートとして販売されているものであるが、同様に塩化ビニルからなるシートであれば、別の銘柄でも同様の効果を得ることができる。
また先に記載したように、本発明に用いる基材の種類は特に限定されるものではなく、塩化ビニル以外に、金属、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の非インク吸収性基材や、低インク吸収性基材を用いることができる。
次に、VJ−MF−3G以外の基材における本発明の実施例を具体的に紹介する。塩化ビニルとして、VJ−MF−3Gの他に、「ORAJET3620」(ORAFOL社製、ORAJETは登録商標)を用いた。ポリカーボネイトとして、「パンライト」(帝人株式会社製、パンライトは登録商標)、アクリルとして「コモグラス透明」(株式会社クラレ製、コモグラスは登録商標)、ポリエチレンテレフタレートとして「ルミラーT188」(東レ株式会社製、ルミラーは登録商標)、ガラスとして「FL3(フロート)」(日本板硝子株式会社製)、およびアルミニウム合金「A5052」を用いた。特に「耐擦性」及び「耐水性(浸漬)」に代表させて、先の実施例同様に各種基材へ印刷を行い評価した結果を次に示す。表5は実施例1のインク組成物を用い、各非吸収性記録媒体に対してインクジェットプリンターにより印刷し、その塗膜をMFT以上の温度で成膜(60℃の恒温槽内にて10分間乾燥)させた後、24時間室温放置して、それぞれの試験を行った結果である。
この試験における「耐擦性」の評価方法は、摩擦試験機に綿布カナキン3号、900gの荷重にて塗膜を100回往復させた後、塗膜外観を評価したものである。
また、「耐水性(浸漬)」の評価方法については、各非吸収性記録媒体に塗布した試験片を常温の水道水に24時間浸漬後、室温放置した後の塗膜外観・色落ちの評価を実施したものである。
ここで判定基準について、「耐擦性」の評価Aは「試験後の印刷面に傷がなく、試験布への色移りが殆どない」ことを意味しており、また、「耐水性(浸漬)」の評価Aは「試験後の印刷面に変色及び色落ちが殆どない」ことを意味している。
Figure 0006280670
以上、述べたように本発明のインク組成物は、基材(被記録媒体)として塩化ビニルを用いる場合に限らず、各種基材に対して優れた特性を示しており、非インク吸収性基材や、低インク吸収性基材に関して幅広く適用できるインク組成物であるといえるものである。
また、上記の実施の形態では、実施例における顔料として、Heliogen Blue D7088(色:シアン)を挙げたが、これに限定するものではない。先述したように、20〜500nmの平均粒子径を有する顔料であれば同様な効果を得ることができる。また、顔料の色についても、シアンに限定するものではなく、例えばマゼンタ、イエローまたはブラック等を選択することができる。さらに、マゼンタ、イエロー、シアンおよびブラックの4種のインクを組み合わせたり、マゼンタ、イエロー、シアンを色の濃淡で2種ずつ備えた7種のインクを組み合わせたりすることができる。また、これらの構成にオレンジやグリーンを組み合わせることもできる。従って、本発明は特定の色に限定したものではなく、複数の色からなるインクセットについても均等の範囲に含まれるものである。
次に、本発明のインク組成物を吐出するインクジェットプリンターについて説明する。図1は、本発明に係るインクジェットプリンター10を示すブロック図である。
インクジェットプリンター10は、ローラ11、インクジェットヘッド14、ドライバ13,16、制御部15、画像処理部17を備える。制御部15は、ローラ11を駆動させるためのドライバ13を制御し、ローラ11により基材(被記録媒体)12を移動させる。また、制御部は、ネットワーク回線、メモリまたは外部機器等から送られてくる画像データを画像処理部17に供給する。画像処理部は、画像データを、インクジェットヘッド14により基材12にインク組成物20を着弾させて画像を記録するための画像記録データに変換し、これをインクジェットヘッド14に出力する。
インクジェットヘッド14は、インク組成物20の吐出方向が基材を向くように配置されており、インクジェットヘッド14全体がドライバ16により移動可能となっている。また、インクジェットヘッド14は、インク組成物20の保持手段であるインクタンク(図示せず)を備える。ドライバ16は、モータ等の駆動源を有し、制御部15からの駆動信号によって駆動源を駆動させることにより、インクジェットヘッド14を基材12の表面に沿った方向に移動させ、インク組成物20を吐出させて、基材12に着弾させる。着弾したインク組成物20は加熱工程(図示せず)によって加熱され、これにより、本発明に係る画像形成物を得ることができる。なお加熱工程の例としては、実施例にてプラテンヒーターを用いたが、これに限るものではなく、エアーヒーター(ヒートエアーブロー)や赤外線ランプなどを単独または組み合わせて用いることができる。
本発明の、3−メトキシ−3−メチルブタノール及びピロリドン系溶剤を用いたインクジェット用水性顔料インク組成物は、プリンター、コピア、印刷機等に用いられ、保存安定性、インク再溶解性、吐出安定性等に優れ、良好な印刷物を与えるため、かかる分野に広く利用されるものである。
10 インクジェットプリンター
11 ローラ
12 基材(被記録媒体)
13、16 ドライバ
14 インクジェットヘッド
15 制御部
17 画像処理部
20 インク組成物

Claims (9)

  1. 顔料、分散剤、エマルジョン樹脂、水及び水性有機溶剤を含むインクジェット用水性顔料インク組成物であって、
    該エマルジョン樹脂の平均粒子径が、該顔料の平均粒子径より小さく、かつ70nm以下であり、
    該エマルジョン樹脂の含有量が、該顔料の含有量以上であり、かつインクジェット用水性顔料インク組成物全体に対して、2質量%以上10質量%以下であり、
    該水性有機溶剤は、3−メトキシ−3−メチルブタノール及びピロリドン系溶剤を、インクジェット用水性顔料インク組成物全体に対して、それぞれ2質量%以上18質量%以下の範囲で含有することを特徴とするインクジェット用水性顔料インク組成物。
  2. 3−メトキシ−3−メチルブタノール及びピロリドン系溶剤を、インクジェット用水性顔料インク組成物全体に対して、合計で4質量%以上25質量%以下の範囲で含有する請求項1に記載のインクジェット用水性顔料インク組成物。
  3. 上記エマルジョン樹脂が、塩化ビニル系、(メタ)アクリル系又はウレタン系エマルジョン樹脂である請求項1又は請求項2に記載のインクジェット用水性顔料インク組成物。
  4. 上記ピロリドン系溶剤が、2−ピロリドンである請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載のインクジェット用水性顔料インク組成物。
  5. 非インク吸収性基材又は低インク吸収性基材に画像を形成するために用いられる請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載のインクジェット用水性顔料インク組成物。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載のインクジェット用水性顔料インク組成物をインクジェットヘッドから吐出し、吐出された液滴を基材に着弾させる吐出工程と、該基材に着弾したインクジェット用水性顔料インク組成物を40℃以上80℃以下で加熱する加熱工程とを含むことを特徴とする画像形成方法。
  7. 請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載のインクジェット用水性顔料インク組成物を用いて基材上に形成されたものであることを特徴とする画像形成物。
  8. 請求項1乃至5の何れかの請求項に記載のインクジェット用水性顔料インク組成物を含むインクセット。
  9. インクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドを駆動するためのドライバと、
    画像処理部と、
    制御部を備え、
    請求項1乃至5の何れかの請求項に記載のインクジェット用水性顔料インク組成物を前記インクジェットヘッドから吐出することを特徴とするインクジェットプリンター。
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