JP2015021037A - インクジェットインク - Google Patents
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Abstract
【課題】特に疎水性の媒体に、定着性に優れる上、耐摩耗性、耐スクラッチ性にも優れた文字や図柄等を印刷でき、しかも吐出安定性にも優れたインクジェットインクを提供する。
【解決手段】着色剤、バインダ樹脂、水溶性有機溶剤、および水に、さらに、ワックスのナノ粒子に金属酸化物のナノ粒子を付着させたハイブリッド粒子を配合したインクジェットインクである。
【選択図】なし
【解決手段】着色剤、バインダ樹脂、水溶性有機溶剤、および水に、さらに、ワックスのナノ粒子に金属酸化物のナノ粒子を付着させたハイブリッド粒子を配合したインクジェットインクである。
【選択図】なし
Description
本発明は、特にニスコート紙やターポリン、カレンダーフィルム等の疎水性の媒体に印刷するのに適した、水性のインクジェットインクに関するものである。
例えばニスコート紙(オフセットコート紙)やターポリン、カレンダーフィルム等の疎水性の媒体に、水性のインクジェットインクを用いて定着性に優れた文字や図柄等を印刷するために、その組成について種々の検討がされている。
具体的には、例えば水性のインクジェットインクに、これら疎水性の媒体に対する親和性、相溶性に優れたバインダ樹脂を配合したり、疎水性の媒体に対する溶解性や浸透性を有し、かつ水溶性である有機溶剤を加えたりすることが検討されている。
具体的には、例えば水性のインクジェットインクに、これら疎水性の媒体に対する親和性、相溶性に優れたバインダ樹脂を配合したり、疎水性の媒体に対する溶解性や浸透性を有し、かつ水溶性である有機溶剤を加えたりすることが検討されている。
このうちバインダ樹脂は、顔料等の着色剤を疎水性の媒体に定着させる働きをする。かかるバインダ樹脂としては、疎水性の媒体に対する親和性や相溶性に優れたものが用いられる。
また有機溶剤は、疎水性の媒体の少なくとも表面を構成する樹脂を若干溶かしながら当該樹脂中に浸透したり、上記樹脂をバインダ樹脂と相溶させたりする働きをする。
また有機溶剤は、疎水性の媒体の少なくとも表面を構成する樹脂を若干溶かしながら当該樹脂中に浸透したり、上記樹脂をバインダ樹脂と相溶させたりする働きをする。
これらの構成を採用することにより、水性インクジェットインクを用いて印刷した文字や図柄等の、疎水性の媒体に対する定着性を向上できる。
ところが印刷した文字や図柄等の耐摩耗性は未だ十分ではなく、例えばニスコート紙上に印刷した文字や図柄等に、900gf(≒8.8N)の荷重をかけて紙ナプキンを圧接させた状態で100回往復させる擦過試験を実施すると著しくかすれ、文字や図柄等の色濃度が大きく低下して読めなくなってしまうという問題がある。
ところが印刷した文字や図柄等の耐摩耗性は未だ十分ではなく、例えばニスコート紙上に印刷した文字や図柄等に、900gf(≒8.8N)の荷重をかけて紙ナプキンを圧接させた状態で100回往復させる擦過試験を実施すると著しくかすれ、文字や図柄等の色濃度が大きく低下して読めなくなってしまうという問題がある。
また印刷した文字や図柄等の耐スクラッチ性も十分ではなく、例えばターポリンやカレンダーフィルムのモデルとしての塩ビシート上に形成した、文字や図柄等のモデルとしてのインクジェットインクの膜に、900gf(≒8.8N)の荷重をかけて直径4mmの鉄球を圧接させた状態で5回往復させるスクラッチ試験を実施すると、膜が、鉄球の軌跡に沿って局部的に剥離してしまうという問題がある。
そこで文字や図柄等の耐摩耗性を向上するため、特許文献1においては、インクジェットインクにナノレベルの微小なポリオレフィンワックス粒子を配合することが提案されている。
また耐スクラッチ性を向上するため、特許文献2では、インクジェットインクにナノレベルの微小なシリカ粒子を配合することが提案されている。
また耐スクラッチ性を向上するため、特許文献2では、インクジェットインクにナノレベルの微小なシリカ粒子を配合することが提案されている。
さらに特許文献3、4などには、ポリオレフィンワックス粒子とシリカ粒子の両方を、インクジェットインクに配合してもよいことが記載されている。
ところが発明者の検討によると、印刷した文字や図柄等の耐摩耗性と耐スクラッチ性を共に向上するべく、ポリオレフィンワックス粒子とシリカ粒子の両方を、同時にインクジェットインクに配合しても、所期の効果が得られないという問題がある。すなわち、ポリオレフィンワックス粒子のみを配合した場合に比べて文字や図柄等の耐摩耗性が低下するとともに、シリカ粒子のみを配合した場合に比べて文字や図柄等の耐スクラッチ性が低下してしまう。
これは、ポリオレフィンワックス粒子とシリカ粒子の親和性が低いため、両者が印刷した文字や図柄等の中で互いに均等に混在せず、別々に偏在してしまい、ポリオレフィンワックス粒子による耐摩耗性を向上する効果、およびシリカ粒子による耐スクラッチ性を向上する効果が、それぞれ文字や図柄等の全面に亘って均一に発現されないことが、主な原因と考えられる。
また、インクジェットインクの、インクジェットプリンタのノズルからの吐出安定性の維持等を考慮して、ポリオレフィンワックス粒子とシリカ粒子の配合割合が制限されることも、原因の一つと考えられる。
本発明の目的は、特に疎水性の媒体に、定着性に優れる上、耐摩耗性、耐スクラッチ性にも優れた文字や図柄等を印刷でき、しかも吐出安定性にも優れたインクジェットインクを提供することにある。
本発明の目的は、特に疎水性の媒体に、定着性に優れる上、耐摩耗性、耐スクラッチ性にも優れた文字や図柄等を印刷でき、しかも吐出安定性にも優れたインクジェットインクを提供することにある。
本発明は、着色剤、バインダ樹脂、水溶性有機溶剤、および水を少なくとも含むインクジェットインクであって、さらに、ワックスのナノ粒子に金属酸化物のナノ粒子を付着させたハイブリッド粒子を含むことを特徴とするものである。
本発明においては、インクジェットインクにそれぞれのナノ粒子を別個に配合する場合と違って、ハイブリッド粒子を、印刷した文字や図柄等の中で遍在させることなく、その全面に亘って均等に分布させることができる。
本発明においては、インクジェットインクにそれぞれのナノ粒子を別個に配合する場合と違って、ハイブリッド粒子を、印刷した文字や図柄等の中で遍在させることなく、その全面に亘って均等に分布させることができる。
そのため、ポリオレフィンワックス等のワックスからなるナノ粒子による耐摩耗性を向上する効果、およびシリカナノ粒子等の金属酸化物のナノ粒子による耐スクラッチ性を向上する効果を、いずれも文字や図柄等の全面に亘って均一かつ良好に発現させることができる。
したがって本発明によれば、特に疎水性の媒体に、定着性に優れる上、耐摩耗性、耐スクラッチ性にも優れた文字や図柄等を印刷することが可能となる。
したがって本発明によれば、特に疎水性の媒体に、定着性に優れる上、耐摩耗性、耐スクラッチ性にも優れた文字や図柄等を印刷することが可能となる。
かかるハイブリッド粒子の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.15質量%以上であるのが好ましく、1.0質量%以下であるのが好ましい。
配合割合がこの範囲未満では、ハイブリッド粒子を配合することによる、耐摩耗性、および耐スクラッチ性の両方をともに向上する効果が十分に得られないおそれがある。
一方、範囲を超えてもそれ以上の効果が得られないだけでなく、インクジェットインクの吐出安定性が低下して、例えば印刷をして一旦休止後に印刷を再開した際などに、ノズルの目詰まりによるかすれを生じるおそれがある。
配合割合がこの範囲未満では、ハイブリッド粒子を配合することによる、耐摩耗性、および耐スクラッチ性の両方をともに向上する効果が十分に得られないおそれがある。
一方、範囲を超えてもそれ以上の効果が得られないだけでなく、インクジェットインクの吐出安定性が低下して、例えば印刷をして一旦休止後に印刷を再開した際などに、ノズルの目詰まりによるかすれを生じるおそれがある。
特に、発熱素子を用いてインクジェットインクを加熱することで気泡を発生させて、当該気泡の発生による体積増加分のインクジェットインクをノズルから吐出させて印刷をする、いわゆるサーマル方式のインクジェットプリンタにおいては、ハイブリッド粒子を構成するワックスからなるナノ粒子がブロッキング等を生じるためか、吐出安定性の低下によるノズルの目詰まり、およびかすれを生じやすい。
これに対し、ハイブリッド粒子の配合割合を、インクジェットインクの総量の0.15質量%以上、1.0質量%以下の範囲内とすることにより、吐出安定性の低下を抑制しながら、印刷した文字や図柄等の耐摩耗性、および耐スクラッチ性をより一層向上できる。
本発明によれば、特に疎水性の媒体に、定着性に優れる上、耐摩耗性、耐スクラッチ性にも優れた文字や図柄等を印刷でき、しかも吐出安定性にも優れたインクジェットインクを提供できる。
本発明は、着色剤、バインダ樹脂、水溶性有機溶剤、および水を少なくとも含むインクジェットインクであって、さらに、ワックスのナノ粒子に金属酸化物のナノ粒子を付着させたハイブリッド粒子を含むことを特徴とするものである。
〈ハイブリッド粒子〉
(ワックスのナノ粒子)
ハイブリッド粒子を構成するワックスのナノ粒子としては、印刷した文字や図柄等の耐摩耗性を向上する効果を有するとともに、金属酸化物のナノ粒子を付着させてハイブリッド粒子を形成しうる種々のワックスからなり、粒径がナノレベルである粒子が使用可能である。
〈ハイブリッド粒子〉
(ワックスのナノ粒子)
ハイブリッド粒子を構成するワックスのナノ粒子としては、印刷した文字や図柄等の耐摩耗性を向上する効果を有するとともに、金属酸化物のナノ粒子を付着させてハイブリッド粒子を形成しうる種々のワックスからなり、粒径がナノレベルである粒子が使用可能である。
かかるナノ粒子としては、例えばポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックス、ポリブチレン系ワックス、パラフィン系ワックス等のポリオレフィンワックスのナノ粒子や、あるいはカルナバワックス等の天然由来のワックスのナノ粒子などの1種または2種以上が挙げられる。
なお、ワックスのナノ粒子が耐摩耗性を向上する効果を発現しうるか否かは、バインダ樹脂との組み合わせによって異なる。すなわちバインダ樹脂との親和性、相溶性に優れる上、バインダ樹脂よりも軟質で、当該バインダ樹脂の脆性を低下させるために機能するワックスからなるナノ粒子を選択して用いることにより、印刷した文字や図柄等の耐摩耗性を向上できる。
なお、ワックスのナノ粒子が耐摩耗性を向上する効果を発現しうるか否かは、バインダ樹脂との組み合わせによって異なる。すなわちバインダ樹脂との親和性、相溶性に優れる上、バインダ樹脂よりも軟質で、当該バインダ樹脂の脆性を低下させるために機能するワックスからなるナノ粒子を選択して用いることにより、印刷した文字や図柄等の耐摩耗性を向上できる。
例えばバインダ樹脂が、後述するスチレン−アクリル系樹脂等である場合には、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックス、ポリブチレン系ワックス、パラフィン系ワックス等のポリオレフィンワックスのナノ粒子が好ましく、特にポリエチレンワックスのナノ粒子が好ましい。
またポリエチレンワックスのナノ粒子としては、上記効果の点で、高密度ポリエチレンワックスのナノ粒子が好ましい。また水性のインクジェットインク中への分散性を向上することを考慮すると、ポリエチレンワックス等のポリオレフィンワックスには、例えば酸化処理等を施しておくのが好ましい。
またポリエチレンワックスのナノ粒子としては、上記効果の点で、高密度ポリエチレンワックスのナノ粒子が好ましい。また水性のインクジェットインク中への分散性を向上することを考慮すると、ポリエチレンワックス等のポリオレフィンワックスには、例えば酸化処理等を施しておくのが好ましい。
ワックスのナノ粒子の、具体的な粒径については特に限定されないが、後述するように、当該ワックスのナノ粒子に金属酸化物のナノ粒子を付着させたハイブリッド粒子の粒径が、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定した粒度分布の50%粒子径で表して100nm以下となるように、ワックスのナノ粒子の粒径を設定するのが好ましい。
(金属酸化物のナノ粒子)
金属酸化物のナノ粒子としては、印刷した文字や図柄等の耐スクラッチ性を向上する効果を発現しうる種々の金属酸化物からなり、粒径がナノレベルである粒子が使用可能である。
(金属酸化物のナノ粒子)
金属酸化物のナノ粒子としては、印刷した文字や図柄等の耐スクラッチ性を向上する効果を発現しうる種々の金属酸化物からなり、粒径がナノレベルである粒子が使用可能である。
かかるナノ粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア等の、比較的硬質の金属酸化物のナノ粒子の1種または2種以上が挙げられる。
中でも特に耐スクラッチ性を向上する効果の点で、シリカのナノ粒子が好ましい。
金属酸化物のナノ粒子の、具体的な粒径については特に限定されないが、先に説明した50%粒子径で表して10nm以上であるのが好ましく、20nm以下であるのが好ましい。
中でも特に耐スクラッチ性を向上する効果の点で、シリカのナノ粒子が好ましい。
金属酸化物のナノ粒子の、具体的な粒径については特に限定されないが、先に説明した50%粒子径で表して10nm以上であるのが好ましく、20nm以下であるのが好ましい。
粒径がこの範囲未満では、文字や図柄等の耐スクラッチ性を向上する効果が十分に得られないおそれがある。
一方、範囲を超える粒径の大きい金属酸化物のナノ粒子は、ワックスのナノ粒子から外力等によって脱落しやすく、脱落すると2種のナノ粒子が偏在して、耐摩耗性および耐スクラッチ性がともに低下してしまうおそれがある。
一方、範囲を超える粒径の大きい金属酸化物のナノ粒子は、ワックスのナノ粒子から外力等によって脱落しやすく、脱落すると2種のナノ粒子が偏在して、耐摩耗性および耐スクラッチ性がともに低下してしまうおそれがある。
(ハイブリッド粒子)
ハイブリッド粒子は、以上で説明したワックスのナノ粒子に金属酸化物のナノ粒子を付着させた形状を有するものである。
両ナノ粒子の配合割合は、ワックスのナノ粒子100質量部に対する金属酸化物のナノ粒子の質量部で表して100質量部以上、特に130質量部以上であるのが好ましく、200質量部以下、特に170質量部以下であるのが好ましい。
ハイブリッド粒子は、以上で説明したワックスのナノ粒子に金属酸化物のナノ粒子を付着させた形状を有するものである。
両ナノ粒子の配合割合は、ワックスのナノ粒子100質量部に対する金属酸化物のナノ粒子の質量部で表して100質量部以上、特に130質量部以上であるのが好ましく、200質量部以下、特に170質量部以下であるのが好ましい。
金属酸化物のナノ粒子の配合割合がこの範囲未満では、当該金属酸化物のナノ粒子による、耐スクラッチ性を向上する効果が不十分になるおそれがある。
一方、範囲を超える場合には相対的にワックスのナノ粒子の配合割合が少なくなって、当該ワックスのナノ粒子による、耐摩耗性を向上する効果が不十分になるおそれがある。また、過剰の金属酸化物のナノ粒子が、ワックスのナノ粒子から外力等によって脱落しやすくなり、脱落すると2種のナノ粒子が偏在して、耐摩耗性および耐スクラッチ性がともに低下してしまうおそれもある。
一方、範囲を超える場合には相対的にワックスのナノ粒子の配合割合が少なくなって、当該ワックスのナノ粒子による、耐摩耗性を向上する効果が不十分になるおそれがある。また、過剰の金属酸化物のナノ粒子が、ワックスのナノ粒子から外力等によって脱落しやすくなり、脱落すると2種のナノ粒子が偏在して、耐摩耗性および耐スクラッチ性がともに低下してしまうおそれもある。
ハイブリッド粒子の粒径は、インクジェットプリンタのノズルからの吐出安定性や、あるいは当該ハイブリッド粒子を配合することによる、耐摩耗性と耐スクラッチ性をともに向上する効果を、印刷した文字や図柄等の全面に亘ってできるだけ均等に発現させることなどを考慮すると、ナノレベルである必要がある。
その具体的な粒径は、先に説明したように50%粒子径で表して100nm以下であるのが好ましい。
その具体的な粒径は、先に説明したように50%粒子径で表して100nm以下であるのが好ましい。
かかるハイブリッド粒子の具体例としては、例えばポリエチレンワックスのナノ粒子とシリカのナノ粒子を質量比100:150で含むハイブリッド粒子の水分散液(水系ディスパージョン)として供給されている、ビックケミー・ジャパン(株)製の商品名NANOBYK−3620〔粘度(20℃):11mPa・s、比重(20℃):1.09、ハイブリッド粒子含有量:30%、50%粒子径:100nm以下〕等が挙げられる。
ハイブリッド粒子の配合割合は特に限定されないが、インクジェットインクの総量の0.15質量%以上であるのが好ましく、1.0質量%以下であるのが好ましい。
配合割合がこの範囲未満では、ハイブリッド粒子を配合することによる、耐摩耗性、および耐スクラッチ性の両方をともに向上する効果が十分に得られないおそれがある。
一方、範囲を超えてもそれ以上の効果が得られないだけでなく、インクジェットインクの吐出安定性が低下して、例えば印刷をして一旦休止後に印刷を再開した際などに、ノズルの目詰まりによるかすれを生じるおそれがある。
配合割合がこの範囲未満では、ハイブリッド粒子を配合することによる、耐摩耗性、および耐スクラッチ性の両方をともに向上する効果が十分に得られないおそれがある。
一方、範囲を超えてもそれ以上の効果が得られないだけでなく、インクジェットインクの吐出安定性が低下して、例えば印刷をして一旦休止後に印刷を再開した際などに、ノズルの目詰まりによるかすれを生じるおそれがある。
特に、発熱素子を用いてインクジェットインクを加熱することで気泡を発生させて、当該気泡の発生による体積増加分のインクジェットインクをノズルから吐出させて印刷をする、いわゆるサーマル方式のインクジェットプリンタにおいては、ハイブリッド粒子を構成するワックスからなるナノ粒子がブロッキング等を生じるためか、吐出安定性の低下によるノズルの目詰まり、およびかすれを生じやすい。
これに対し、ハイブリッド粒子の配合割合を、インクジェットインクの総量の0.15質量%以上、1.0質量%以下の範囲内とすることにより、吐出安定性の低下を抑制しながら、印刷した文字や図柄等の耐摩耗性、および耐スクラッチ性をより一層向上できる。
〈着色剤〉
着色剤としては顔料、染料等が使用可能であり、特に耐光性、耐候性等に優れた印刷をするために、顔料が好適に使用される。顔料としては、任意の無機顔料、および/または有機顔料が使用可能である。
〈着色剤〉
着色剤としては顔料、染料等が使用可能であり、特に耐光性、耐候性等に優れた印刷をするために、顔料が好適に使用される。顔料としては、任意の無機顔料、および/または有機顔料が使用可能である。
このうち無機顔料としては、例えば酸化チタン、酸化鉄等の金属化合物や、あるいはコンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造された中性、酸性、塩基性等の種々のカーボンブラックの1種または2種以上が挙げられる。
また有機顔料としては、例えばアゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、またはキレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えばフタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、またはキノフタロン顔料等)、染料キレート(例えば塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等の1種または2種以上が挙げられる。
また有機顔料としては、例えばアゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、またはキレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えばフタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、またはキノフタロン顔料等)、染料キレート(例えば塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等の1種または2種以上が挙げられる。
顔料は、インクジェットインクの色目に応じて1種または2種以上を用いることができる。また顔料は、後述する顔料分散液中、ひいてはインクジェットインク中での分散安定性を向上するために表面を処理してもよい。
顔料の具体例としては、下記の各種顔料が挙げられる。
(イエロー顔料)
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、14C、16、17、20、24、73、74、75、83、86、93、94、95、97、98、109、110、114、117、120、125、128、129、130、137、138、139、147、148、150、151、154、155、166、168、180、185、213、214
(マゼンタ顔料)
C.I.ピグメントレッド5、7、9、12、48(Ca)、48(Mn)、49、52、53、57(Ca)、57:1、97、112、122、123、149、168、177、178、179、184、202、206、207、209、242、254、255
(シアン顔料)
C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:3、15:4、15:6、15:34、16、22、60
(ブラック顔料)
C.I.ピグメントブラック7
(オレンジ顔料)
C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71、74
(グリーン顔料)
C.I.ピグメントグリーン7、36
(バイオレット顔料)
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50
顔料は、親水性を付与して水性のインクジェットインク中での分散安定性を向上するために、表面を改質して親水性基を導入しておくのが好ましい。改質により顔料の表面に導入する親水性基としてはカルボキシル基、スルホン基等が挙げられる。顔料は、水に分散させた顔料分散液の状態でインクジェットインクの製造に用いるのが好ましい。
顔料の具体例としては、下記の各種顔料が挙げられる。
(イエロー顔料)
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、14C、16、17、20、24、73、74、75、83、86、93、94、95、97、98、109、110、114、117、120、125、128、129、130、137、138、139、147、148、150、151、154、155、166、168、180、185、213、214
(マゼンタ顔料)
C.I.ピグメントレッド5、7、9、12、48(Ca)、48(Mn)、49、52、53、57(Ca)、57:1、97、112、122、123、149、168、177、178、179、184、202、206、207、209、242、254、255
(シアン顔料)
C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:3、15:4、15:6、15:34、16、22、60
(ブラック顔料)
C.I.ピグメントブラック7
(オレンジ顔料)
C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71、74
(グリーン顔料)
C.I.ピグメントグリーン7、36
(バイオレット顔料)
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50
顔料は、親水性を付与して水性のインクジェットインク中での分散安定性を向上するために、表面を改質して親水性基を導入しておくのが好ましい。改質により顔料の表面に導入する親水性基としてはカルボキシル基、スルホン基等が挙げられる。顔料は、水に分散させた顔料分散液の状態でインクジェットインクの製造に用いるのが好ましい。
顔料の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.5質量%以上、特に2質量%以上であるのが好ましく、10質量%以下、特に6質量%以下であるのが好ましい。なお配合割合は、顔料分散液を使用する場合、当該顔料分散液中に含まれる有効成分としての顔料自体の配合割合である。
〈バインダ樹脂I〉
バインダ樹脂としては、本質的に水に不溶で、かつアルカリ水溶液に可溶であるバインダ樹脂を使用するのが好ましい。これにより、印刷した文字や図柄等の耐水性を向上できる。
〈バインダ樹脂I〉
バインダ樹脂としては、本質的に水に不溶で、かつアルカリ水溶液に可溶であるバインダ樹脂を使用するのが好ましい。これにより、印刷した文字や図柄等の耐水性を向上できる。
すなわちインクジェットインクに塩基性物質を溶解させる等してアルカリ性とした状態で上記のバインダ樹脂を加えると、当該バインダ樹脂が溶解してインクジェットインクは液状を呈するが、印刷後に乾燥させて疎水性の媒体上に析出させたバインダ樹脂は水に不溶であるため、文字や図柄等の耐水性が向上する。
かかるアルカリ可溶のバインダ樹脂としては、例えばその分子中にカルボキシル基を有し、そのままでは水に不溶であるが、アンモニア、有機アミン、苛性アルカリ等の塩基性物質を溶解させたアルカリ水溶液に加えると、カルボキシル基の部分が塩基性物質と反応して水溶性の塩を生成して溶解する樹脂が好ましい。
かかるアルカリ可溶のバインダ樹脂としては、例えばその分子中にカルボキシル基を有し、そのままでは水に不溶であるが、アンモニア、有機アミン、苛性アルカリ等の塩基性物質を溶解させたアルカリ水溶液に加えると、カルボキシル基の部分が塩基性物質と反応して水溶性の塩を生成して溶解する樹脂が好ましい。
アルカリ可溶のバインダ樹脂の具体例としては、例えばポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのアクリル系樹脂;スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのスチレン−アクリル系樹脂;マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合樹脂等のうち、上記の特性を有するように分子量、酸価等を調整した樹脂、特に、高酸価樹脂の1種または2種以上が挙げられる。
中でも、アルカリ可溶性のアクリル樹脂が好ましく、その具体例としては、例えばアビシア(株)製のネオクリル(登録商標)B−817(重量平均分子量Mw:23,000)、ネオクリルB−890(重量平均分子量Mw:12,500)、ジョンソンポリマー(株)製のジョンクリル(登録商標)67(重量平均分子量Mw:12,500)等の1種または2種以上が挙げられる。
アルカリ可溶性のバインダ樹脂は、印刷の耐水性、耐擦過性を向上することを考慮すると、重量平均分子量Mwが10,000以上であるのが好ましい。ただし分子量が大きすぎるとバインダ樹脂が沈殿や析出などを生じやすくなって、インクジェットインクの吐出が不安定になるおそれがある。また、インクジェットインクを貯蔵した際にも、沈殿や析出などを生じやすくなるおそれがある。したがってバインダ樹脂の重量平均分子量Mwは、上記の範囲内でも、特に、50,000以下であるのが好ましく、これらの特性を併せ考慮すると20,000〜40,000程度であるのがさらに好ましい。
バインダ樹脂の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.1質量%以上、特に0.5質量%以上であるのが好ましく、3質量%以下、特に2質量%以下であるのが好ましい。
〈バインダ樹脂II〉
印刷時に、インク滴が吐出されないノズル内のインクジェットインクは、次にインク滴が再吐出されるまでの間、ノズル外の空気に曝され続けることになり、この空気に曝され続ける時間が長いほど吐出安定性が低下して、再吐出時にノズルの目詰まりによるかすれを生じやすくなる傾向がある。
〈バインダ樹脂II〉
印刷時に、インク滴が吐出されないノズル内のインクジェットインクは、次にインク滴が再吐出されるまでの間、ノズル外の空気に曝され続けることになり、この空気に曝され続ける時間が長いほど吐出安定性が低下して、再吐出時にノズルの目詰まりによるかすれを生じやすくなる傾向がある。
かかる問題が生じるのを防止すること等を考慮すると、バインダ樹脂は、重量平均分子量Mwが1000以上であるのが好ましく、3000以下、特に2000以下であるのが好ましい。
このように分子量の小さいバインダ樹脂を通常の水性のインクジェットインクに使用して、通常の紙等に印刷しても、印刷した文字や図柄等の耐水性等を向上する効果は得られない。
このように分子量の小さいバインダ樹脂を通常の水性のインクジェットインクに使用して、通常の紙等に印刷しても、印刷した文字や図柄等の耐水性等を向上する効果は得られない。
しかし水溶性有機溶剤を含み、当該水溶性有機溶剤の作用によって疎水性の媒体に対する定着性に優れた文字や図柄等を印刷できる本発明のインクジェットインクにおいては、分子量の小さいバインダ樹脂を使用しても、印刷した文字や図柄等の耐水性等を実用上問題のない程度まで十分に向上できる。
また分子量の小さいバインダ樹脂は、耐水性をさらに向上することを考慮すると、やはり本質的に水に不溶で、かつアルカリ水溶液に可溶であることが好ましい。
また分子量の小さいバインダ樹脂は、耐水性をさらに向上することを考慮すると、やはり本質的に水に不溶で、かつアルカリ水溶液に可溶であることが好ましい。
分子量の小さいアルカリ可溶性のバインダ樹脂としては、例えばBASFジャパン(株)製のジョンクリル(JONCRYL、登録商標)682(重量平均分子量Mw=1700)等が挙げられる。
バインダ樹脂の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.1質量%以上、特に0.5質量%以上であるのが好ましく、3質量%以下、特に2質量%以下であるのが好ましい。
バインダ樹脂の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.1質量%以上、特に0.5質量%以上であるのが好ましく、3質量%以下、特に2質量%以下であるのが好ましい。
〈バインダ樹脂III〉
バインダ樹脂としては、疎水性の媒体に対する密着性に優れた、非水溶性の樹脂のエマルションを使用することもできる。
上記エマルションは、水に良好に溶解するため、インクジェットインクは液状を呈するが、印刷後に乾燥させて疎水性の媒体上に析出させたバインダ樹脂は水に不溶であるため、印刷した文字や図柄等の耐水性が向上する。
バインダ樹脂としては、疎水性の媒体に対する密着性に優れた、非水溶性の樹脂のエマルションを使用することもできる。
上記エマルションは、水に良好に溶解するため、インクジェットインクは液状を呈するが、印刷後に乾燥させて疎水性の媒体上に析出させたバインダ樹脂は水に不溶であるため、印刷した文字や図柄等の耐水性が向上する。
かかる樹脂のエマルションとしては、特にターポリン等の塩化ビニル系樹脂に対する密着性に優れた塩化ビニル系樹脂のエマルション、中でも乳化重合法によって形成された塩化ビニル系樹脂のエマルションが好ましい。乳化重合法を採用することにより、高分子量でかつ低酸価の塩化ビニル系樹脂を高固形分濃度で乳化でき、文字や図柄等の耐水性や耐摩耗性等を向上できる。
塩化ビニル系樹脂としては、造膜のしやすさを向上したり、文字や図柄等の光沢性を向上したりすることを考慮すると、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂等が好ましい。
塩化ビニル系樹脂の分子量は、膜の強度や、疎水性の媒体の変形に伴う延伸性等を向上することを考慮すると、大きいほど好ましい。また酸価は、印刷した文字や図柄等の耐水性や耐摩耗性等を向上することを考慮すると、1mgKOH/g以上であるのが好ましく、100mgKOH/g以下、中でも50mgKOH/g以下、特に10mgKOH/g以下であるのが好ましい。
塩化ビニル系樹脂の分子量は、膜の強度や、疎水性の媒体の変形に伴う延伸性等を向上することを考慮すると、大きいほど好ましい。また酸価は、印刷した文字や図柄等の耐水性や耐摩耗性等を向上することを考慮すると、1mgKOH/g以上であるのが好ましく、100mgKOH/g以下、中でも50mgKOH/g以下、特に10mgKOH/g以下であるのが好ましい。
かかる塩化ビニル系樹脂のエマルションの具体例としては、例えば日信化学工業(株)製のビニブラン(登録商標)271、278、603、690、900、902、985、ダウ・ケミカル社製のUCAR AW−875等の1種または2種以上が挙げられる。
上記エマルションをバインダ樹脂として配合する場合、その配合割合は、エマルション中の樹脂分の質量%で表して、インクジェットインクの総量の0.1質量%以上、特に0.5質量%以上であるのが好ましく、3質量%以下、特に2質量%以下であるのが好ましい。
上記エマルションをバインダ樹脂として配合する場合、その配合割合は、エマルション中の樹脂分の質量%で表して、インクジェットインクの総量の0.1質量%以上、特に0.5質量%以上であるのが好ましく、3質量%以下、特に2質量%以下であるのが好ましい。
〈水溶性有機溶剤〉
水溶性有機溶剤としては、当該水溶性有機溶剤を配合することによる、先に説明した効果に優れた非プロトン性極性溶剤が好ましい。
ただし非プロトン性極性溶剤は、分子量が小さいほど乾燥しやすい傾向があり、印刷時に、インクジェットインクがノズル外の空気に曝され続ける時間が長くなった際に乾燥しやすくなって、再吐出時に、ノズルの詰まりによるかすれを生じやすくなるおそれがある。
水溶性有機溶剤としては、当該水溶性有機溶剤を配合することによる、先に説明した効果に優れた非プロトン性極性溶剤が好ましい。
ただし非プロトン性極性溶剤は、分子量が小さいほど乾燥しやすい傾向があり、印刷時に、インクジェットインクがノズル外の空気に曝され続ける時間が長くなった際に乾燥しやすくなって、再吐出時に、ノズルの詰まりによるかすれを生じやすくなるおそれがある。
また非プロトン性極性溶剤は、分子量が大きいほどインクジェットインクの粘度を上昇させ、流動性を低下させる傾向があるため、特に高速印刷時にかすれ等を生じやすくなるおそれがある。
そのため非プロトン性極性溶剤としては、分子量が40以上、130以下、特に115以下であるものを用いるのが好ましい。
そのため非プロトン性極性溶剤としては、分子量が40以上、130以下、特に115以下であるものを用いるのが好ましい。
また非プロトン性極性溶剤は、沸点が低いほど、当然ながら乾燥しやすい傾向があり、印刷時に、インクジェットインクがノズル外の空気に曝され続ける時間が長くなった際に乾燥しやすくなって、再吐出時に、ノズルの詰まりによるかすれを生じやすくなるおそれがある。
一方、非プロトン性極性溶剤は、沸点が高いほど、これも当然ながら乾燥しにくい傾向があるため、印刷後のインクジェットインクが乾燥しにくくなって、例えば印刷直後にこすった際などに、文字や図柄等が簡単に滲んでしまったりするおそれがある。
一方、非プロトン性極性溶剤は、沸点が高いほど、これも当然ながら乾燥しにくい傾向があるため、印刷後のインクジェットインクが乾燥しにくくなって、例えば印刷直後にこすった際などに、文字や図柄等が簡単に滲んでしまったりするおそれがある。
そのため非プロトン性極性溶剤としては、標準大気圧での沸点が150℃以上、250℃以下であるものを用いるのが好ましい。
これらの条件を満足する非プロトン性極性溶剤としては、例えばホルムアミド〔分子量:45.0、沸点:210℃〕、N−メチルホルムアミド〔分子量:59.1、沸点:197℃〕、N,N−ジメチルホルムアミド〔分子量:73.1、沸点:153℃〕、2−ピロリドン〔分子量:85.1、沸点:245℃〕、γ−ブチロラクトン〔分子量:86.1、沸点:204℃〕、N−メチル−2−ピロリドン〔分子量:99.1、沸点:202℃〕、N−エチル−2−ピロリドン〔分子量:113.2、沸点:212℃〕、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン〔分子量:114.2、沸点:225.5℃〕、およびN,N−ジエチルプロピオンアミド〔分子量:129.2、沸点:195℃〕等の1種または2種以上が挙げられる。
これらの条件を満足する非プロトン性極性溶剤としては、例えばホルムアミド〔分子量:45.0、沸点:210℃〕、N−メチルホルムアミド〔分子量:59.1、沸点:197℃〕、N,N−ジメチルホルムアミド〔分子量:73.1、沸点:153℃〕、2−ピロリドン〔分子量:85.1、沸点:245℃〕、γ−ブチロラクトン〔分子量:86.1、沸点:204℃〕、N−メチル−2−ピロリドン〔分子量:99.1、沸点:202℃〕、N−エチル−2−ピロリドン〔分子量:113.2、沸点:212℃〕、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン〔分子量:114.2、沸点:225.5℃〕、およびN,N−ジエチルプロピオンアミド〔分子量:129.2、沸点:195℃〕等の1種または2種以上が挙げられる。
また水溶性有機溶剤としては、例えばブチルアルコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン等のアルコール系溶剤、3−メチルオキサゾリジノン、3−エチルオキサゾリジノン、γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクトン、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクトン、δ−バレロラクタム、ジメチルスルホキシド等の含窒素系または含硫黄系またはラクトン系溶剤等も使用可能である。
さらに、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類も、水溶性有機溶剤として使用できる。
水溶性有機溶剤の配合割合は、インクジェットインクの総量の20質量%以上、75質量%以下であるのが好ましい。
〈pH調整剤〉
先に説明したように水性のインクジェットインクをアルカリ性にして顔料の分散安定性を向上し、なおかつインクジェットプリンタのヘッドの金属部分等の腐食を防止するため、インクジェットインクにはpH調整剤を配合してもよい。
〈pH調整剤〉
先に説明したように水性のインクジェットインクをアルカリ性にして顔料の分散安定性を向上し、なおかつインクジェットプリンタのヘッドの金属部分等の腐食を防止するため、インクジェットインクにはpH調整剤を配合してもよい。
pH調整剤としてはアンモニア、有機アミン、苛性アルカリ等の1種または2種以上が挙げられ、特に有機アミンが好ましい。
また有機アミンとしては、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチルモノエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノ−1−プロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールおよびこれらの誘導体等の1種または2種以上が挙げられる。
また有機アミンとしては、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチルモノエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノ−1−プロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールおよびこれらの誘導体等の1種または2種以上が挙げられる。
pH調整剤の配合割合は、インクジェットインクの、pH調整剤を配合しない状態でのpH、および配合後の目標とするpHなどに応じて、好ましくはインクジェットインクの総量の0.05質量%以上、3質量%以下の範囲内で適宜、調整できる。
〈界面活性剤〉
インクジェットインクに界面活性剤を配合すると、顔料やハイブリッド粒子の分散性を向上したり、インクジェットインクの、疎水性の媒体に対する濡れ性を向上したりできる。
〈界面活性剤〉
インクジェットインクに界面活性剤を配合すると、顔料やハイブリッド粒子の分散性を向上したり、インクジェットインクの、疎水性の媒体に対する濡れ性を向上したりできる。
界面活性剤としては、かかる効果を有する種々の界面活性剤がいずれも使用可能であり、特に変性シリコーン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
このうち変性シリコーン系界面活性剤としては、例えば日信化学工業(株)製のシルフェイス(登録商標)SAG002、SAG503A、東レ・ダウコーニング(株)製のL−7604、FZ−2105等が挙げられる。
このうち変性シリコーン系界面活性剤としては、例えば日信化学工業(株)製のシルフェイス(登録商標)SAG002、SAG503A、東レ・ダウコーニング(株)製のL−7604、FZ−2105等が挙げられる。
またアセチレングリコール系界面活性剤としては、例えばエアープロダクツアンドケミカルズ社製のサーフィノール(登録商標)104およびそのシリーズ品、同サーフィノール61、420、440、465、485、同ダイノール604、日信化学工業(株)製のオルフィン(登録商標)E4001、4036、4051などの1種または2種以上が挙げられる。
さらにフッ素系界面活性剤としては、デュポン(株)製のCAPSTONE(キャップストーン、登録商標)FS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35、FS−60、FS−61、FS−63、FS−64、FS−65などの1種または2種以上が挙げられる。
特に水性のインクジェットインクの、疎水性の媒体に対する濡れ性を向上する効果等を考慮すると、アセチレングリコール系界面活性剤と、フッ素系界面活性剤とを併用するのが好ましい。
特に水性のインクジェットインクの、疎水性の媒体に対する濡れ性を向上する効果等を考慮すると、アセチレングリコール系界面活性剤と、フッ素系界面活性剤とを併用するのが好ましい。
界面活性剤の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.1質量%以上、特に0.5質量%以上であるのが好ましく、5質量%以下、特に2質量%以下であるのが好ましい。なお配合割合は、上記のように2種の界面活性剤を併用する場合は、両者の合計の配合割合である。
〈その他の成分〉
インクジェットインクには、従来公知の種々の添加剤を配合してもよい。かかる添加剤としては、例えば防かび剤、殺生剤等が挙げられる。防かび剤、殺生剤を配合する場合、その配合割合は、それぞれインクジェットインクの総量の0.1質量%以上であるのが好ましく、1質量%以下であるのが好ましい。
〈その他の成分〉
インクジェットインクには、従来公知の種々の添加剤を配合してもよい。かかる添加剤としては、例えば防かび剤、殺生剤等が挙げられる。防かび剤、殺生剤を配合する場合、その配合割合は、それぞれインクジェットインクの総量の0.1質量%以上であるのが好ましく、1質量%以下であるのが好ましい。
また、例えば表面張力や粘度等の特性をインクジェット印刷に適した範囲に調整したりするため、インクジェットインクには、さらにエタノール、イソプロパノール等の1価のアルコールや1,2−ヘキサンジオール等の、先に説明した水溶性有機溶剤としての機能を有しない種々の、水溶性の有機溶剤を添加してもよい。
これら水溶性有機溶剤の配合割合は、インクジェットインクの総量の1質量%以上、特に2質量%以上であるのが好ましく、10質量%以下、特に5質量%以下であるのが好ましい。
これら水溶性有機溶剤の配合割合は、インクジェットインクの総量の1質量%以上、特に2質量%以上であるのが好ましく、10質量%以下、特に5質量%以下であるのが好ましい。
水の配合割合は、以上で説明した各成分の残量である。すなわち上記各成分に水を加えた総量が100質量%となるように、水の配合割合を設定すればよい。
本発明のインクジェットインクは、例えばサーマル方式、ピエゾ方式等の、いわゆるオンデマンド型のインクジェットプリンタに好適に使用できる他、インクを循環させながらインク滴を形成して印刷をする、いわゆるコンティニュアス型のインクジェットプリンタにも使用可能である。
本発明のインクジェットインクは、例えばサーマル方式、ピエゾ方式等の、いわゆるオンデマンド型のインクジェットプリンタに好適に使用できる他、インクを循環させながらインク滴を形成して印刷をする、いわゆるコンティニュアス型のインクジェットプリンタにも使用可能である。
特に、上記各種方式のインクジェットプリンタを用いたインクジェット印刷により、先に説明したニスコート紙やターポリン、カレンダーフィルム等の疎水性の媒体に印刷するために好適に用いることができる。
そしてこれら疎水性の媒体に対して、定着性に優れる上、耐摩耗性、耐スクラッチ性にも優れた文字や図柄等を印刷することができる。
そしてこれら疎水性の媒体に対して、定着性に優れる上、耐摩耗性、耐スクラッチ性にも優れた文字や図柄等を印刷することができる。
〈実施例1〉
ハイブリッド粒子としては、ポリエチレンワックスのナノ粒子とシリカのナノ粒子を質量比100:150で含むハイブリッド粒子の水分散液として供給されている、前出の、ビックケミー・ジャパン(株)製の商品名NANOBYK−3620〔粘度(20℃):11mPa・s、比重(20℃):1.09、ハイブリッド粒子含有量:30%、50%粒子径:100nm以下〕を用いた。
ハイブリッド粒子としては、ポリエチレンワックスのナノ粒子とシリカのナノ粒子を質量比100:150で含むハイブリッド粒子の水分散液として供給されている、前出の、ビックケミー・ジャパン(株)製の商品名NANOBYK−3620〔粘度(20℃):11mPa・s、比重(20℃):1.09、ハイブリッド粒子含有量:30%、50%粒子径:100nm以下〕を用いた。
また着色剤としては、表面改質されたカーボンブラックの水分散液〔キャボット(Cabot)社製のCAB−O−JET(登録商標)300、固形分15質量%〕を用い、バインダ樹脂としては、本質的に水に不溶で、かつアルカリ水溶液に可溶であるスチレン−アクリル系樹脂〔前出の、BASFジャパン(株)製のジョンクリル(JONCRYL、登録商標)682(重量平均分子量Mw=1700)〕を用いた。
水溶性有機溶剤としては、非プロトン性極性溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンを用い、pH調整剤としては、アンガス・ケミカル社製のAMP−90〔2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールと10%の水の混合液〕を用いた。
界面活性剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤〔エアープロダクツアンドケミカルズ社製のサーフィノール(登録商標)420〕、およびフッ素系界面活性剤〔デュポン(株)製のCAPSTONE(キャップストーン、登録商標)FS−65〕を用いた。
界面活性剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤〔エアープロダクツアンドケミカルズ社製のサーフィノール(登録商標)420〕、およびフッ素系界面活性剤〔デュポン(株)製のCAPSTONE(キャップストーン、登録商標)FS−65〕を用いた。
上記の各成分を、イソプロパノール、および超純水とともに、下記表1に示す割合で配合し、混合したのち5μmのメンブランフィルタを用いてろ過して、インクジェットインクを製造した。
ハイブリッド粒子の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.5質量%であった。
〈実施例2〉
ハイブリッド粒子の水分散液の量を0.3質量部、超純水の量を23.7質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを製造した。ハイブリッド粒子の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.1質量%であった。
〈実施例2〉
ハイブリッド粒子の水分散液の量を0.3質量部、超純水の量を23.7質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを製造した。ハイブリッド粒子の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.1質量%であった。
〈実施例3〉
ハイブリッド粒子の水分散液の量を0.5質量部、超純水の量を23.5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを製造した。ハイブリッド粒子の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.15質量%であった。
〈実施例4〉
ハイブリッド粒子の水分散液の量を3.3質量部、超純水の量を20.7質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを製造した。ハイブリッド粒子の配合割合は、インクジェットインクの総量の1質量%であった。
ハイブリッド粒子の水分散液の量を0.5質量部、超純水の量を23.5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを製造した。ハイブリッド粒子の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.15質量%であった。
〈実施例4〉
ハイブリッド粒子の水分散液の量を3.3質量部、超純水の量を20.7質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを製造した。ハイブリッド粒子の配合割合は、インクジェットインクの総量の1質量%であった。
〈実施例5〉
ハイブリッド粒子の水分散液の量を4.3質量部、超純水の量を19.7質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを製造した。ハイブリッド粒子の配合割合は、インクジェットインクの総量の1.3質量%であった。
〈比較例1〉
ハイブリッド粒子の水分散液に代えて、酸化高密度ポリエチレンワックスのナノ粒子の非イオン性エマルション〔ビックケミー・ジャパン(株)製のAQUACER(アクサー、登録商標)552、分散媒:水、不揮発分:35%、融点:130℃、粘度(23℃):25mPa・s、pH:9.0〕1.4質量部を配合し、かつ超純水の量を22.6質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを製造した。酸化高密度ポリエチレンワックスのナノ粒子の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.5質量%であった。
ハイブリッド粒子の水分散液の量を4.3質量部、超純水の量を19.7質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを製造した。ハイブリッド粒子の配合割合は、インクジェットインクの総量の1.3質量%であった。
〈比較例1〉
ハイブリッド粒子の水分散液に代えて、酸化高密度ポリエチレンワックスのナノ粒子の非イオン性エマルション〔ビックケミー・ジャパン(株)製のAQUACER(アクサー、登録商標)552、分散媒:水、不揮発分:35%、融点:130℃、粘度(23℃):25mPa・s、pH:9.0〕1.4質量部を配合し、かつ超純水の量を22.6質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを製造した。酸化高密度ポリエチレンワックスのナノ粒子の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.5質量%であった。
〈比較例2〉
ハイブリッド粒子の水分散液に代えて、シリカゾル〔シリカのナノ粒子の水分散液、日産化学工業(株)製のスノーテックス(登録商標)C、シリカ含量:20%、シリカの粒子径:10〜20nm、pH:8.5〜9.0、粘度1.0〜10.0mPa・s〕2.5質量部を配合し、かつ超純水の量を21.5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを製造した。シリカのナノ粒子の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.5質量%であった。
ハイブリッド粒子の水分散液に代えて、シリカゾル〔シリカのナノ粒子の水分散液、日産化学工業(株)製のスノーテックス(登録商標)C、シリカ含量:20%、シリカの粒子径:10〜20nm、pH:8.5〜9.0、粘度1.0〜10.0mPa・s〕2.5質量部を配合し、かつ超純水の量を21.5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを製造した。シリカのナノ粒子の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.5質量%であった。
〈比較例3〉
ハイブリッド粒子の水分散液に代えて、比較例1で使用したのと同じ酸化高密度ポリエチレンワックスのナノ粒子の非イオン性エマルション0.7質量部、および比較例2で使用したのと同じシリカゾル1.3質量部を配合し、かつ超純水の量を22質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを製造した。酸化高密度ポリエチレンワックスのナノ粒子、およびシリカのナノ粒子の配合割合は、それぞれインクジェットインクの総量の0.25質量%、両ナノ粒子の合計の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.5質量%であった。
ハイブリッド粒子の水分散液に代えて、比較例1で使用したのと同じ酸化高密度ポリエチレンワックスのナノ粒子の非イオン性エマルション0.7質量部、および比較例2で使用したのと同じシリカゾル1.3質量部を配合し、かつ超純水の量を22質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、インクジェットインクを製造した。酸化高密度ポリエチレンワックスのナノ粒子、およびシリカのナノ粒子の配合割合は、それぞれインクジェットインクの総量の0.25質量%、両ナノ粒子の合計の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.5質量%であった。
〈耐摩耗性評価〉
実施例、比較例で製造したインクジェットインクを、サーマル方式のインクジェットプリンタ〔ビデオジェット(株)製のPrint Mail Wide Array〕に使用して、ニスコート紙上にベタパターンを印刷した。
次いで印刷したベタパターンに、900gf(≒8.8N)の荷重をかけて紙ナプキンを圧接させた状態で100回往復させる擦過試験を実施したのち、擦過前とのベタ部の色濃度の変化を、グレタグマクベス社製のプリントコントラストメータPCM−IIを用いて測定したPCS値の変化量として求めた。そして下記の基準で、耐摩耗性を評価した。
実施例、比較例で製造したインクジェットインクを、サーマル方式のインクジェットプリンタ〔ビデオジェット(株)製のPrint Mail Wide Array〕に使用して、ニスコート紙上にベタパターンを印刷した。
次いで印刷したベタパターンに、900gf(≒8.8N)の荷重をかけて紙ナプキンを圧接させた状態で100回往復させる擦過試験を実施したのち、擦過前とのベタ部の色濃度の変化を、グレタグマクベス社製のプリントコントラストメータPCM−IIを用いて測定したPCS値の変化量として求めた。そして下記の基準で、耐摩耗性を評価した。
○:変化量0.1未満、耐摩耗性良好。
△:変化量0.1以上、0.2未満、耐摩耗性通常レベル。
×:変化量0.2以上、耐摩耗性不良。
〈耐スクラッチ性評価〉
実施例、比較例で製造したインクジェットインクを、ターポリンやカレンダーフィルムのモデルとしての塩ビシート上に、ワイヤーバー〔ドクター:0.1、直径0.1mmのワイヤーを金属の棒に巻きつけたもの。〕を用いて塗布したのち乾燥させて、文字や図柄等のモデルとしてのインクジェットインクの膜を形成した。
△:変化量0.1以上、0.2未満、耐摩耗性通常レベル。
×:変化量0.2以上、耐摩耗性不良。
〈耐スクラッチ性評価〉
実施例、比較例で製造したインクジェットインクを、ターポリンやカレンダーフィルムのモデルとしての塩ビシート上に、ワイヤーバー〔ドクター:0.1、直径0.1mmのワイヤーを金属の棒に巻きつけたもの。〕を用いて塗布したのち乾燥させて、文字や図柄等のモデルとしてのインクジェットインクの膜を形成した。
次いでこの膜に、900gf(≒8.8N)の荷重をかけて直径4mmの鉄球を圧接させた状態で往復させるスクラッチ試験を実施して、下記の基準で耐スクラッチ性を評価した。
○:8回往復させても膜は全く剥離しなかった。耐スクラッチ性良好。
△:5回往復させても膜は剥離しなかったが、8回往復させると、鉄球の軌跡に沿って局部的に剥離した。耐スクラッチ性通常レベル。
○:8回往復させても膜は全く剥離しなかった。耐スクラッチ性良好。
△:5回往復させても膜は剥離しなかったが、8回往復させると、鉄球の軌跡に沿って局部的に剥離した。耐スクラッチ性通常レベル。
×:5回往復させると、鉄球の軌跡に沿って局部的に剥離した。耐スクラッチ性不良。
〈吐出安定性評価〉
実施例、比較例で製造したインクジェットインクを、サーマル方式のインクジェットプリンタ〔ヒューレットパッカード社製のDeskJet(登録商標)6127〕に使用し、インク滴が吐出されない状態でインクジェットインクがノズル外の空気に曝され続ける時間を2分間に設定して、まずベタ印刷をしたのち2分後に線幅0.5ポイントの縦線を等間隔で印刷した。
〈吐出安定性評価〉
実施例、比較例で製造したインクジェットインクを、サーマル方式のインクジェットプリンタ〔ヒューレットパッカード社製のDeskJet(登録商標)6127〕に使用し、インク滴が吐出されない状態でインクジェットインクがノズル外の空気に曝され続ける時間を2分間に設定して、まずベタ印刷をしたのち2分後に線幅0.5ポイントの縦線を等間隔で印刷した。
そして縦線の欠けの有無を観察して、下記の基準で吐出安定性を評価した。
○:1本目の縦線から、かすれを生じることなくきれいに印刷された。吐出安定性良好。
△:1本目の縦線はかすれたが、2本目の縦線からは、かすれを生じることなくきれいに印刷された。吐出安定性通常レベル。
○:1本目の縦線から、かすれを生じることなくきれいに印刷された。吐出安定性良好。
△:1本目の縦線はかすれたが、2本目の縦線からは、かすれを生じることなくきれいに印刷された。吐出安定性通常レベル。
×:少なくとも2本目の縦線にもかすれを生じた。吐出安定性不良。
〈総合評価〉
上記耐摩耗性、耐スクラッチ性、および吐出安定性の評価が3つとも「○」であったものをきわめて良好「◎」、「○」と「△」のみであったものを良好「○」、それ以外を不良「×」として評価した。
〈総合評価〉
上記耐摩耗性、耐スクラッチ性、および吐出安定性の評価が3つとも「○」であったものをきわめて良好「◎」、「○」と「△」のみであったものを良好「○」、それ以外を不良「×」として評価した。
以上の結果を表2、表3に示す。
表3の比較例1の結果より、インクジェットインクにワックスのナノ粒子を配合すると、耐摩耗性は向上するものの、耐スクラッチ性は改善されず、また吐出安定性が不良になることが判った。吐出安定性の悪さは、ワックスのナノ粒子が、発熱素子からの熱によってブロッキングすることが原因と考えられた。
また比較例2の結果より、インクジェットインクにシリカのナノ粒子を配合すると、逆にスクラッチ性は向上するものの、耐摩耗性が改善されないことが判った。
また比較例2の結果より、インクジェットインクにシリカのナノ粒子を配合すると、逆にスクラッチ性は向上するものの、耐摩耗性が改善されないことが判った。
さらに比較例3の結果より、インクジェットインクにワックスのナノ粒子とシリカのナノ粒子を両方ともに配合した場合には、ポリオレフィンワックス粒子のみを配合した場合に比べて文字や図柄等の耐摩耗性が低下するとともに、シリカ粒子のみを配合した場合に比べて文字や図柄等の耐スクラッチ性が低下することが判った。
これに対し実施例1〜5の結果より、ワックスおよびシリカのナノ粒子に代えてハイブリッド粒子を使用すると、吐出安静性が低下するのを防止しながら、文字や図柄等の耐摩耗性、および耐スクラッチ性をともに改善できることが判った。
これに対し実施例1〜5の結果より、ワックスおよびシリカのナノ粒子に代えてハイブリッド粒子を使用すると、吐出安静性が低下するのを防止しながら、文字や図柄等の耐摩耗性、および耐スクラッチ性をともに改善できることが判った。
また実施例1〜5の結果より、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、ハイブリッド粒子の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.15質量%以上であるのが好ましく、1.0質量%以下であるのが好ましいことが判った。
Claims (2)
- 着色剤、バインダ樹脂、水溶性有機溶剤、および水を少なくとも含むインクジェットインクであって、さらに、ワックスのナノ粒子に金属酸化物のナノ粒子を付着させたハイブリッド粒子を含むことを特徴とするインクジェットインク。
- 前記ハイブリッド粒子の配合割合は、インクジェットインクの総量の0.15質量%以上、1.0質量%以下である請求項1に記載のインクジェットインク。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2019116977A1 (ja) * | 2017-12-15 | 2020-12-17 | 日産化学株式会社 | 有機光電変換素子の正孔捕集層用組成物 |
CN115595017A (zh) * | 2021-07-12 | 2023-01-13 | 精工爱普生株式会社(Jp) | 喷墨油墨组合物以及记录方法 |
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2013
- 2013-07-17 JP JP2013148892A patent/JP2015021037A/ja active Pending
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