JP5085973B2 - インクジェットインク - Google Patents

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本発明は、水性のインクジェットインクに関するものである。
従来、水性のインクジェットインクを用いたインクジェット印刷方法においては、上質紙等の通常の紙類や、あるいは、典型的に高いインク吸収性を有するように設計された専用紙等の、高い吸水性を有する媒体に印刷するのが一般的であった。これに対して、オフセット印刷用として適したオフセットコート媒体は、基材の表面を、疎水性で、かつ非多孔質のコーティングによって被覆しているため、水性のインクジェットインクを用いた印刷には適していなかった。
すなわち、オフセットコート媒体の、疎水性のコーティングは、水性のインクジェットインクを吸収しないため、印刷したインクジェットインクが、前記コーティングの表面ではじかれたり滲んだりして、エッジがシャープで鮮明な、画質の良好な画像や文字を印刷することができなかった。また、印刷したインクジェットインクが、はじかれて、コーティングの表面に拡がらずに、球状等の、表面積の小さい形状にまとまろうとするため、乾燥しにくい上、乾燥しても、前記コーティングの表面に、顔料が十分に定着されないため、例えばこすることで、印刷が簡単に滲んでしまうという問題もあった。
水性のインクジェットインクを用いて、インクジェット印刷方法によって、疎水性のコーティングの表面に、良好な印刷をするためには、水と良好な相溶性を有すると共に、前記コーティングに対して良好な浸透性を有する有機溶媒を、水と併用することが有効であると考えられる。そこで、特許文献1において、オフセットコート媒体において汎用されている、アクリル系樹脂等からなる疎水性のコーティングに対する浸透性に優れた有機溶媒として、非プロトン性極性有機溶媒を用いることが提案されている。
なお、同様の効果を有する有機溶媒としては、例えば、アルコール等のプロトン性極性有機溶媒が一般的であるが、前記プロトン性極性有機溶媒は、顔料の、水性のインクジェットインクに対する分散性を向上させるために配合される界面活性剤の機能を阻害して、前記分散性を低下させるという問題がある。そして、分散性が低下した顔料が凝集等を生じて、均一に分散されなくなる結果、インクジェットヘッドのノズルでの目詰まり等を生じるおそれがある。
これに対し、特許文献1に記載された非プロトン性極性有機溶媒は、いずれも、前記アクリル系樹脂等からなる疎水性のコーティングに対する浸透性に優れている上、界面活性剤の機能を阻害しにくい特性をも有している。そのため、顔料を、凝集等を生じさせることなく、均一に分散させて、ノズルでの目詰まり等を防止しながら、水性のインクジェットインクの、前記疎水性のコーティングに対する浸透性を向上させて、顔料を、前記コーティングに対して強固に定着できるものと期待される。
しかし、特許文献1では、非プロトン性極性有機溶媒の含有量を、インクジェットインクの総量に対して40質量%以下に制限しており、かかる少量の添加では、非プロトン性極性有機溶媒による、先に説明した、水性のインクジェットインクの、疎水性のコーティングに対する浸透性を向上させる効果が十分に得られないため、依然として、前記コーティングの表面に、良好な印刷をすることはできない。
そこで、特許文献2において、非プロトン性極性有機溶媒として、分子量が40〜130であるものを選択的に用いると共に、前記非プロトン性極性有機溶媒の含有割合を、インクジェットインクの総量中の40〜75質量%に増加させることが提案されている。前記構成によれば、水性のインクジェットインクの、疎水性のコーティングに対する浸透性を向上させて、前記コーティングの表面に、現状よりも、シャープかつ鮮明で、しかも乾燥性や定着性に優れた良好な印刷をすることができる。
特開2003−268279号公報 WO2006/004006A1
ところが、発明者の検討によると、オフセットコート媒体の中でも特に疎水性が高く、水をはじきやすい、UVコート紙等のUVコート媒体の、UVコーティングの表面には、たとえ特許文献2のインクジェットインクを用いたとしても、前記インクジェットインクの、前記UVコーティングに対する浸透性が、未だ十分でないため、定着性に優れた良好な印刷をできないことが明らかとなった。
UVコート媒体とは、基材の表面を、紫外線(UV)硬化型樹脂の硬化物からなるUVコーティングで被覆したオフセットコート媒体を指す。前記UVコーティングは、先に説明したアクリル系樹脂等からなる、汎用のコーティングの、表面の表面張力(測定温度25℃)が32〜42mN/m程度、60°光沢度が15〜86程度であるのに対し、その表面張力(測定温度25℃)が30mN/m以下、60°光沢度が88以上という、疎水性が高く、かつ光沢性に優れた表面を有している。
なお、本発明では、前記UVコート媒体や通常のオフセットコート媒体の、コーティングの表面の表面張力を、以下に説明する方法で求めた表面張力値でもって表すこととする。すなわち、表面張力を求める表面の、水およびn−ヘキサデカンの静的接触角を、それぞれ、協和界面科学(株)製のCA X−150を用いて測定し、その測定値を、式(a):
γL(1+cosθ)=2(γS d・γL d1/2+2(γS h・γL h1/2 (a)
で表されるOWENS(オーエンス)の式に代入して、前記表面の表面張力γS(=γS d+γS h)を求めることとする。
式中の符号は、下記のとおりである。また、水およびn−ヘキサデカンの、表面自由エネルギーのパラメータは、表1のとおりとする。
γL:液体の表面張力
γL d:液体の表面自由エネルギーの分散力成分
γL h:液体の表面自由エネルギーの水素結合力成分
γS d:固体の表面自由エネルギーの分散力成分
γS h:固体の表面自由エネルギーの水素結合力成分
θ:液体の接触角
Figure 0005085973
また、特許文献2のインクジェットインクは、例えば、ピエゾ素子の振動によってノズルから吐出させて印刷をする、いわゆるピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用した際には、特に問題を生じないものの、サーマルヘッドを用いて加熱することで気泡を発生させて、発生した気泡分のインクジェットインクをノズルから吐出させて印刷する、いわゆるサーマル方式のインクジェットプリンタに使用した際に、前記サーマルヘッドが異常に加熱して印刷が中断される、サーマルシャットダウンという現象を生じやすいという問題もある。
この原因は、非プロトン性極性有機溶媒を多量に含有させると、インクジェットインクの粘度が上昇することにある。すなわち、サーマル方式のインクジェットプリンタを使用して、例えば、ベタパターンを連続印刷する等、短時間で多量のインクを吐出させる印刷をする際に、使用するインクジェットインクの粘度が高いと、その吐出量に対して補給量が追いつかない補給不良が発生することがある。
そして、サーマル方式のインクジェットプリンタにおいては、インクジェットインクが、サーマルヘッドを冷却する、冷媒としての役割をも担っているため、前記補給不良が発生すると、サーマルヘッドが異常加熱して破損する危険性が高くなる。そこで、サーマル方式のインクジェットプリンタには、通常、サーマルヘッドの温度をモニタリングして、前記温度が異常に上昇した際に印刷を中断する、サーマルシャットダウンの機能が付加されており、粘度の高いインクジェットインクを使用して、前記ベタパターンの連続印刷等を行った際には、サーマルシャットダウンを生じやすくなるのである。
本発明の目的は、UVコート媒体等を含む各種のオフセットコート媒体の表面に、いずれも定着性等に優れた良好な印刷をすることができる、水性のインクジェットインクを提供することにある。また、本発明の目的は、UVコート媒体等を含む各種のオフセットコート媒体の表面に、いずれも定着性等に優れた良好な印刷をすることができる上、特に、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用した際に、サーマルシャットダウンを生じにくい、水性のインクジェットインクを提供することにある。
前記課題を解決するため、発明者は、水と非プロトン性極性有機溶媒とを併用した水性のインクジェットインクに含有させるバインダ樹脂、および前記非プロトン性極性有機溶媒について、検討した結果、前記バインダ樹脂として、スチレンと、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸エステル等のマレイン酸系単量体との共重合体であるスチレン−マレイン酸共重合樹脂を用い、かつ非プロトン性極性有機溶媒としてN−エチル−2−ピロリドンを用いればよいことを見出した。
すなわち、前記スチレン−マレイン酸共重合樹脂は、アクリル系樹脂等からなる汎用の疎水性のコーティングだけでなく、UVコーティングに対する定着性にも優れているため、水と非プロトン性極性有機溶媒としてのN−エチル−2−ピロリドンとを併用した水性のインクジェットインクのバインダ樹脂として、前記スチレン−マレイン酸共重合樹脂を使用することによって、UVコート媒体等を含む各種のオフセットコート媒体の表面に、いずれも定着性等に優れた良好な印刷をすることができる。
またN−エチル−2−ピロリドンは、水性のインクジェットインクを、乾燥しやすくなり過ぎて、インクジェットヘッドのノズルでの目詰まりを生じない範囲で、できるだけ乾燥させやすくして、印刷後の乾燥性を向上することができる。しかもN−エチル−2−ピロリドンは、バインダ樹脂としての前記スチレン−マレイン酸共重合樹脂の溶解性に優れており、前記溶解性が低下して、インクジェットインクの吐出安定性が低下したり、インクジェットインクの粘度が高くなって、特に、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用した場合に、サーマルシャットダウンが生じやすくなったりするのを防止することもできる。
したがって、本発明のインクジェットインクは、水、N−エチル−2−ピロリドン、バインダ樹脂としてのスチレン−マレイン酸共重合樹脂、および界面活性剤が含まれていることを特徴とするものである。
スチレン−マレイン酸共重合樹脂としては、先に説明したように、スチレンと、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸エステル等のマレイン酸系単量体とを少なくとも含む、任意の共重合体が使用可能であるが、特に、式(1)〜(3):
Figure 0005085973
Figure 0005085973
Figure 0005085973
〔式(3)中、R1は炭素数1以上のアルキル基を示す。〕
で表される3種の繰り返し単位を含み、酸価が100〜600mgKOH/g、重量平均分子Mw=3000〜15000の共重合体が、先に説明した汎用の疎水性のコーティングやUVコーティングに対する定着性に、特に優れているため、好適に使用される。前記共重合体において、酸価および重量平均分子量が、前記範囲内であるのが好ましいのは、下記の理由による。
すなわち、共重合体の酸価が前記範囲未満であるか、もしくは前記範囲を超える場合には、このいずれの場合においても、前記汎用の疎水性のコーティングやUVコーティングに対する定着性が低下して、UVコート媒体等を含む各種のオフセットコート媒体の表面に、定着性等に優れた良好な印刷をすることができなくなったりするおそれがある。
また、水性のインクジェットインクに用いるバインダ樹脂には、印刷の耐水性を向上するため、本質的に水には不溶であるものの、塩基性物質を溶解させたアルカリ水溶液には選択的に可溶であることが求められ、前記共重合体を含むスチレン−マレイン酸共重合樹脂についても、同様の特性を有することが必要とされるが、共重合体の酸価が前記範囲未満であるか、もしくは前記範囲を超える場合には、このいずれの場合においても、アルカリ水溶液に対する溶解性が不十分になって、インクジェットインクの良好な吐出安定性を維持できなくなるおそれもある。
また、共重合体の重量平均分子量が、前記範囲未満では、前記汎用の疎水性のコーティングやUVコーティングに対する定着性が低下して、UVコート媒体等を含む各種のオフセットコート媒体の表面に、定着性等に優れた良好な印刷をすることができなくなるおそれがあり、前記範囲を超える場合には、アルカリ水溶液に対する溶解性が不十分になって、インクジェットインクの良好な吐出安定性を維持できなくなるおそれがある。また、インクジェットインクの粘度が高くなって、特に、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用した場合に、サーマルシャットダウンが生じやすくなるおそれもある。
水と、非プロトン性極性有機溶媒とは、任意の割合で含有させることができるが、特に、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用した際に、サーマルシャットダウンが生じるのを防止することを考慮すると、前記水Hと非プロトン性極性有機溶媒Pの質量比H/P=1.5〜5.5であるのが好ましい。
界面活性剤としては、特に、UVコーティングに対する親和性を向上することを考慮すると、式(4):
Figure 0005085973
〔式中、R〜Rのうちの1つまたは2つは炭素数6〜16のパーフルオロアルキル基、他はアンモニウム基を示す。〕
で表されるフッ素系界面活性剤が好ましい
本発明によれば、UVコート媒体等を含む各種のオフセットコート媒体の表面に、いずれも定着性等に優れた良好な印刷をすることができる、水性のインクジェットインクを提供することができる。また、本発明によれば、UVコート媒体等を含む各種のオフセットコート媒体の表面に、いずれも定着性等に優れた良好な印刷をすることができる上、特に、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用した際に、サーマルシャットダウンを生じにくい、水性のインクジェットインクを提供することができる。
《インクジェットインク》
本発明のインクジェットインクは、水、N−エチル−2−ピロリドン、バインダ樹脂としてのスチレン−マレイン酸共重合樹脂、および界面活性剤を含有することを特徴とするものである。
N−エチル−2−ピロリドン
非プロトン性極性有機溶媒として、N−エチル−2−ピロリドン〔分子量:113.2、沸点:212℃〕を用いることにより、水性のインクジェットインクを、乾燥しやすくなり過ぎて、インクジェットヘッドのノズルでの目詰まりを生じない範囲で、できるだけ乾燥させやすくして、印刷後の乾燥性を向上することができる。また、前記N−エチル−2−ピロリドンは、バインダ樹脂としてのスチレン−マレイン酸共重合樹脂の溶解性に優れており、前記溶解性が低下して、インクジェットインクの吐出安定性が低下したり、インクジェットインクの粘度が高くなって、特に、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用した場合に、サーマルシャットダウンが生じやすくなったりするのを防止することもできる。
本発明のインクジェットインクには、水と、前記N−エチル−2−ピロリドンとを、任意の割合で含有させることができるが、特に、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用するインクジェットインクにおいては、サーマルシャットダウンが生じるのを防止することを考慮すると、前記水HとN−エチル−2−ピロリドンPの質量比H/P=1.5〜5.5であるのが好ましい。
前記範囲より水が少ない場合には、インクジェットインクの粘度が高くなりすぎて、サーマルシャットダウンが生じやすくなるおそれがあり、前記範囲よりN−エチル−2−ピロリドンが少ない場合には、インクジェットインクの、汎用の疎水性のコーティングやUVコーティングに対する浸透性が低下して、UVコート媒体等を含む各種のオフセットコート媒体の表面に、いずれも定着性等に優れた良好な印刷をすることができないおそれがある。なお、前記質量比H/Pは、前記範囲内でもH/P=1.8〜5、特に2.3〜4であるのが、さらに好ましい。
なお、本発明のインクジェットインクを、例えば、ピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用する場合や、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用するものの、ベタパターンを連続印刷する等、短時間で多量のインクを吐出させる印刷をしない状態で使用する場合には、このいずれの場合においても、サーマルシャットダウンの問題を生じるおそれがないので、N−エチル−2−ピロリドンの割合を、前記範囲より増加させることができる。
そして、N−エチル−2−ピロリドンの割合を増加させることで、インクジェットインクの、汎用の疎水性のコーティングやUVコーティングに対する浸透性を向上させて、UVコート媒体等を含む各種のオフセットコート媒体の表面に、いずれも、さらに定着性等に優れた良好な印刷をすることができる。したがって、前記ピエゾ方式のインクジェットプリンタ等に使用するインクジェットインクにおいては、前記水HとN−エチル−2−ピロリドンPとの質量比H/Pが1.5未満、特に0.2〜1.3であるのが好ましい。
前記範囲より水が少ない場合には、スチレン−マレイン酸共重合体等のバインダ樹脂の溶解性が不十分になって、インクジェットインクの良好な吐出安定性を維持できなくなるおそれがある。また、インクジェットインクの粘度が高くなりすぎて、特にサーマル方式のインクジェットプリンタに使用した際に、短時間で多量のインクを吐出させる印刷をしなくても、サーマルシャットダウンを生じやすくなるおそれがある。
〈バインダ樹脂〉
バインダ樹脂としては、先に説明したように、スチレン−マレイン酸共重合樹脂が使用される。また、前記スチレン−マレイン酸共重合樹脂としては、スチレンと、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸エステル等のマレイン酸系単量体とを少なくとも含む、任意の共重合体が使用可能であり、中でも、特に、式(1)〜(3):
Figure 0005085973
Figure 0005085973
Figure 0005085973
〔式(3)中、R1は炭素数1以上のアルキル基を示す。〕
で表される3種の繰り返し単位を含み、酸価が100〜600mgKOH/g、重量平均分子Mw=3000〜15000の共重合体が、先に説明した汎用の疎水性のコーティングやUVコーティングに対する定着性に、特に優れている上、先に説明した、アルカリ水溶液に対する溶解性にも優れているため、好適に使用される。
前記共重合体において、酸価が、前記範囲内であるのが好ましいのは、下記の理由による。すなわち、共重合体の酸価が前記範囲未満であるか、もしくは前記範囲を超える場合には、このいずれの場合においても、前記汎用の疎水性のコーティングやUVコーティングに対する定着性が低下して、UVコート媒体等を含む各種のオフセットコート媒体の表面に、定着性等に優れた良好な印刷をすることができなくなったりするおそれがある。
また、共重合体の酸価が前記範囲未満であるか、もしくは前記範囲を超える場合には、このいずれの場合においても、前記アルカリ水溶液に対する溶解性が不十分になって、インクジェットインクの良好な吐出安定性を維持できなくなるおそれもある。なお酸価は、前記範囲内でも120〜250mgKOH/gであるのが、さらに好ましい。
また重量平均分子量が、前記範囲内であるのが好ましいのは、下記の理由による。すなわち、共重合体の重量平均分子量が、前記範囲未満では、前記汎用の疎水性のコーティングやUVコーティングに対する定着性が低下して、UVコート媒体等を含む各種のオフセットコート媒体の表面に、定着性等に優れた良好な印刷をすることができなくなるおそれがある。
すなわち、先に説明した、水HとN−エチル−2−ピロリドンPとの質量比H/Pが1.5以上であるインクジェットインクにおいては、UVコート媒体等を含む各種のオフセットコート媒体の表面において、共重合体による定着力不足によって、定着性に優れた良好な印刷をすることができなくなるおそれがある。また、前記質量比H/Pが1.5未満であるインクジェットインクは、汎用の疎水性のコーティングの表面を溶かしながら定着するので問題ないが、UVコート媒体の表面は溶かしにくいので、共重合体による定着力不足によって、定着性に優れた良好な印刷をすることができなくなるおそれがある。一方、共重合体の重量平均分子量が、前記範囲を超える場合には、アルカリ水溶液に対する溶解性が不十分になって、インクジェットインクの良好な吐出安定性を維持できなくなるおそれがある。
また、インクジェットインクの粘度が高くなって、特に、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用した場合に、サーマルシャットダウンが生じやすくなるおそれもある。なお、重量平均分子量は、前記範囲内でもMw=4000〜10000であるのが、さらに好ましい。前記共重合体の具体例としては、例えば、前記式(1)〜(3)の3種の繰り返し単位からなる、つまりスチレンと、無水マレイン酸と、マレイン酸の部分エステルとの三元共重合体である、サートマー社(Sartomer Company, Inc.)製のSMA 1440F〔酸価:185mgKOH/g、重量平均分子量Mw=7000、数平均分子量Mn=2800、ガラス転移温度Tg=60℃〕が挙げられる。
前記共重合体以外の、他のスチレン−マレイン酸共重合樹脂としては、例えば、スチレンと無水マレイン酸との二元共重合体である、前記サートマー社製のSMA 1000〔酸価:480mgKOH/g、重量平均分子量Mw=5500、数平均分子量Mn=2000、ガラス転移温度Tg=155℃〕等が挙げられる。バインダ樹脂としてのスチレン−マレイン酸共重合樹脂としては、前記例示のものを、それぞれ1種単独で使用することができる他、2種以上を併用することもできる。また、先に説明したスチレン−マレイン酸共重合樹脂による効果を阻害しない範囲で、他の、アルカリ可溶性のバインダ樹脂を併用することもできる。
前記他のアルカリ可溶性のバインダ樹脂としては、例えばポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体等のアクリル樹脂;スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体等のスチレン−アクリル酸樹脂;マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂等のうち、本質的に水に不要で、かつアルカリに可溶となるように、分子量、酸価等を調整した樹脂、特に、高酸価樹脂の1種または2種以上が挙げられる。
バインダ樹脂の含有割合は、インクジェットインクの総量の0.2〜5質量%、特に0.5〜3質量%であるのが好ましい。前記含有割合は、バインダ樹脂として、スチレン−マレイン酸共重合樹脂を1種単独で使用する場合は、前記1種のスチレン−マレイン酸共重合樹脂の含有割合を示し、2種以上のスチレン−マレイン酸共重合樹脂を併用する場合や、スチレン−マレイン酸共重合樹脂と、他の樹脂とを併用する場合は、その合計の含有割合を示す。
〈界面活性剤〉
界面活性剤としては、顔料の分散性を向上させると共に、インクジェットインクの、汎用の疎水性のコーティングやUVコーティングに対する親和性を向上させることができる、種々の界面活性剤が使用可能であるが、特に、先に説明した、水HとN−エチル−2−ピロリドンPとの質量比H/Pが1.5以上であるインクジェットインクにおいては、UVコーティングに対する親和性を向上する効果に優れた、式(4):
Figure 0005085973
〔式中、R2〜R4のうちの1つまたは2つは炭素数6〜16のパーフルオロアルキル基、他はアンモニウム基を示す。〕
で表されるフッ素系界面活性剤が好適に使用される。
前記フッ素系界面活性剤の具体例としては、前記式(4)中のR2〜R4のうちの2つがパーフルオロアルキル基で、かつ残りの1つがアンモニウム基であるもの〔イー アイ デュポン ドゥ ヌムール アンド カンパニー(E. I. Du Pont de Nemours and Co.)製のZONYL FSP、有効成分:35質量%〕や、式(4)中のR2〜R4のうちの1つがパーフルオロアルキル基で、かつ残りの2つがアンモニウム基であるもの〔前記イー アイ デュポン ドゥ ヌムール アンド カンパニー製のZONYL FSE、有効成分:25質量%〕等が挙げられ、特にZONYL FSPが最も好ましい。
また、前記以外の他の界面活性剤としては、例えば、同じイー アイ デュポン ドゥ ヌムール アンド カンパニー製の、式(5):
Figure 0005085973
〔式中、R5は炭素数6〜16のパーフルオロアルキル基を示す。〕
で表されるZONYL FSA〔フッ素系界面活性剤、有効成分:25質量%〕や、式(6):
Figure 0005085973
〔式中、Xは水素原子またはアンモニウム基を示す。〕
で表されるZONYL FS−62〔フッ素系界面活性剤、有効成分:25質量%〕等が挙げられる。
一方、水HとN−エチル−2−ピロリドンPとの質量比H/Pが1.5未満であるインクジェットインクにおいては、式(7):
Figure 0005085973
〔式中、R6は炭素数14、16または18のアルキル基、R7はエチレンオキシド基とプロピレンオキシド基とを、それぞれ1つ以上含むポリアルキレンオキシド鎖を示す。〕
で表される繰り返し単位と、式(8):
Figure 0005085973
〔式中、Rは炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基である。〕
で表される繰り返し単位との共重合体が好適に使用される。
前記共重合体の具体例としては、例えば、セイミケミカル(株)製のサーフロン(登録商標)S−381が挙げられる。サーフロンS−381は、前記共重合体を、有効成分として、70重量%の割合で、酢酸エチルに溶解した、淡黄色粘調液体〔比重(20℃):1.11〕の状態で提供される。サーフロンS−381の有効成分である共重合体の、重量平均分子量Mwは500〜20,000、フッ素の含有割合は5〜30重量%である。また、前記共重合体を、純水に溶解した、0.2重量%濃度の水溶液の表面張力(測定温度25℃)は、15.2mN/mである。なおこの場合、表面張力は、KRUSS(クラス)社製の自動表面張力計K10STを用いて、プレート法の原理に基づいて測定した値でもって表すこととする。
界面活性剤の含有割合は、インクジェットインクの総量の0.01〜5質量%、特に0.05〜3質量%であるのが好ましい。前記含有割合は、界面活性剤を1種単独で使用する場合は、前記1種の界面活性剤の含有割合を示し、2種以上の界面活性剤を併用する場合は、その合計の含有割合を示す。なお、本発明のインクジェットインクには、次に述べる顔料その他の成分を含有させることもできる。
〈顔料〉
顔料としては、水性のインクジェットインクに通常に使用される任意の無機顔料および/または有機顔料を用いることができる。顔料は、インクジェットインクの色目に応じて、1種または2種以上を用いることができる。顔料の含有割合は、インクジェットインクの総量の0.5〜10質量%、特に1〜5質量%であるのが好ましい。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄等の金属化合物や、あるいはコンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラック等の1種または2種以上が挙げられる。
また有機顔料としては、例えば、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、またはキレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、またはキノフタロン顔料等)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等の1種または2種以上が挙げられる。
顔料の具体例としては、イエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー74、109、110、138、マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントレッド122、202、209、シアン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3、60、ブラック顔料としてC.I.ピグメントブラック7、オレンジ顔料としてC.I.ピグメントオレンジ36、43、グリーン顔料としてC.I.ピグメントグリーン7、36等が挙げられる。
顔料は、親水性を付与して、水性のインクジェットインク中での分散安定性を向上するために、表面を改質して親水性基を導入しておくのが好ましい。改質により、顔料の表面に導入する親水性基としてはカルボキシル基、スルホン基等が挙げられる。また、顔料は、水に分散させた顔料分散液の状態で、インクジェットインクの製造に用いるのが好ましい。本発明のインクジェットインクには、前記各成分に加えて、さらに、バインダ樹脂その他の成分を含有させることもできる。
〈有機酸のエチレンオキシド付加物〉
インクジェットインクに、有機酸塩のエチレンオキシド付加物を含有させると、特に、サーマル方式のインクジェットプリンタにおいて、インクジェットインクの吐出安定性を向上することができる。その理由は明らかではないが、サーマル方式のインクジェットプリンタにおいて、インクジェットインクが瞬時に高温(およそ400℃程度)に加熱された際に、有機酸塩のエチレンオキシド付加物が、顔料の表面に吸着しようと働きかけて、顔料の分散の安定性が破壊されるのを防止し、分散の安定に寄与するためと考えられる。
有機酸塩のエチレンオキシド付加物としては、例えば、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、D−リンゴ酸、L−リンゴ酸等の、種々のモノ〜トリカルボン酸の、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、もしくはアンモニウム塩に、エチレンオキシドを付加させた化合物が挙げられる。
特に、インクジェットインクの吐出安定性を向上する効果の点では、式(9):
Figure 0005085973
〔式中、M1、M2、およびM3は同一または異なってナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、アンモニウム基、または水素を示す。ただしM1、M2、およびM3は同時に水素でない。rは1〜28の数を示す。〕
で表される、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム等のクエン酸のアルカリ金属塩のエチレンオキシド付加物、およびクエン酸アンモニウムのエチレンオキシド付加物からなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましい。
式中のrが28を超える化合物は、インクジェットインクの粘度を上昇させたり、水溶性が低下してインクジェットインク中に析出したりして、前記インクジェットインクの吐出安定性を低下させるおそれがある。前記化合物の含有割合は、インクジェットインクの総量の0.01〜5質量%、特に0.05〜3質量%であるのが好ましい。含有割合が、前記範囲未満では、前記化合物を含有させたことによる、先に説明した、インクジェットインクの吐出安定性を向上する効果が不十分になるおそれがある。また前記範囲を超える場合には、ノズル等で目詰まりを生じるおそれがある。
〈ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル〉
インクジェットインクに、式(10):
Figure 0005085973
〔式中、sは3〜28の数を示す。〕
で表されるポリオキシエチレンフェニルエーテル、および式(11):
Figure 0005085973
〔式中、R9は炭素数8〜10のアルキル基、tは3〜28の数を示す。〕
で表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種を含有させると、先に説明した有機酸塩のエチレンオキシド付加物の機能を補助する働きをして、インクジェットインクの吐出安定性を、さらに向上することができる。
このうち、式(10)で表されるポリオキシエチレンフェニルエーテルにおいて、式中のsが3〜28であるのが好ましいのは、sが前記範囲を外れる化合物は、有機酸塩のエチレンオキシド付加物の機能を補助する効果が不十分になるおそれがあるためである。また、特にsが28を超える化合物は、インクジェットインクの粘度を上昇させたり、水溶性が低下してインクジェットインク中に析出したりして、前記インクジェットインクの吐出安定性を低下させるおそれもある。式(10)のポリオキシエチレンフェニルエーテルの具体例としては、sが6である、式(12):
Figure 0005085973
で表される化合物が挙げられる。
また、式(11)で表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルにおいて、式中のtが3〜28で、かつR9のアルキル基の炭素数が8〜10であるのが好ましいのは、tが前記範囲を外れる化合物や、R9のアルキル基の炭素数が前記範囲を外れる化合物はいずれも、有機酸塩のエチレンオキシド付加物の機能を補助する効果が不十分になるおそれがあるためである。
また、特にtが28を超える化合物や、R9のアルキル基の炭素数が10を超える化合物は、インクジェットインクの粘度を上昇させたり、水溶性が低下してインクジェットインク中に析出したりして、前記インクジェットインクの吐出安定性を低下させるおそれもある。式(11)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの具体例としては、tが25でR9のアルキル基の炭素数が8である、式(13):
Figure 0005085973
で表される化合物が挙げられる。なお、式(11)の化合物には、R9のアルキル基が、フェニル基上の、ポリオキシエチレン基からみてo位、m位およびp位に結合した3種の化合物があるが、本発明では、いずれの化合物を用いることもできる。また、前記3種の化合物のうち、2種以上の混合物を用いることもできる。
式(10)のポリオキシエチレンフェニルエーテルおよび/または式(11)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの含有割合は、インクジェットインクの総量の0.02〜7質量%、特に0.1〜5質量%であるのが好ましい。含有割合が、前記範囲未満では、これらの化合物を含有させたことによる、先に説明した、インクジェットインクの吐出を安定させる効果を補助する補助効果が、不十分になるおそれがある。
また前記範囲を超える場合には、ヘッド内で目詰まりを生じるおそれがある。なお含有割合は、式(10)(11)の化合物をいずれか単独で使用する場合は、前記化合物単独での含有割合であり、2種以上を併用する場合は、併用する化合物の合計の含有割合である。式(10)(11)の化合物は、それぞれ、補助効果のメカニズムが異なっていると考えられるため、両者を併用するのが好ましい。特に、式(12)の化合物と、式(13)の化合物との併用系が、補助効果の点で好ましい。
〈アセチレングリコール類、グリコールエーテル類〉
インクジェットインクに、アセチレングリコール類および/またはグリコールエーテル類を含有させると、これらの化合物は、式(10)のポリオキシエチレンフェニルエーテルおよび/または式(11)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの補助効果を、さらに補完する補完効果を有するため、インクジェットインクの吐出安定性を、さらに向上することができる。
アセチレングリコール類としては、エアープロダクツ アンド ケミカルズ社(Air Products and Chemicals Inc.)製のサーフィノール(登録商標)104およびそのシリーズ品、同サーフィノール61、420、440、465、485、同ダイノール604、日信化学工業(株)製のオルフィン(登録商標)E4001、4036、4051などの1種または2種以上が挙げられる。
アセチレングリコール類の含有割合は、インクジェットインクの総量の0.01〜5質量%、特に0.05〜3質量%であるのが好ましい。含有割合が、前記範囲未満では、前記化合物を含有させたことによる、先に説明した補完効果が不十分になるおそれがある。また、前記範囲を超える場合には、印刷の耐水性が低下するおそれがある。
また、インクジェットインクに、式(14):
Figure 0005085973
〔式中、uおよびvは、それぞれ別個に、0〜40の数を示す。ただし、u、vは同時に0でなく、u+vは1〜40の数を示す。〕
で表されるアセチレングリコール類を含有させると、先に説明した補完効果に加えて、インクジェットインクの、特に、グロス調のUV媒体に対する濡れ性を改善する効果を得ることもできる。
式(14)で表されるアセチレングリコール類としては、前記例示の各種化合物のうち、エアープロダクツ アンド ケミカルズ社製のサーフィノール420〔式(14)中のu、vの数が異なる複数成分の混合物からなり、u+vの平均値が1.3〕、440〔式(14)中のu、vの数が異なる複数成分の混合物からなり、u+vの平均値が3.5〕、465〔式(14)中のu、vの数が異なる複数成分の混合物からなり、u+vの平均値が10〕、485〔式(14)中のu、vの数が異なる複数成分の混合物からなり、u+vの平均値が30〕が挙げられる。
一方、グリコールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル等の1種または2種以上が挙げられる。
グリコールエーテル類の含有割合は、インクジェットインクの総量の0.5〜10質量%、特に1〜7質量%であるのが好ましい。含有割合が、前記範囲未満では、前記化合物を含有させたことによる、先に説明した補完効果が不十分になるおそれがある。また、前記範囲を超える場合には、前記化合物が不揮発性の液体であるため、インクジェットインクが乾燥しにくくなるおそれがある。またインクジェットインクの保存安定性が低下するおそれもある。
〈塩基性物質〉
塩基性物質は、インクジェットインクをアルカリ性にして、先に説明したように、アルカリ可溶性のバインダ樹脂を溶解させるとともに、インクジェットヘッドの金属部分等の腐食を防止し、なおかつ、顔料の分散安定性を維持するために含有される。塩基性物質としては、アンモニア、有機アミン、苛性アルカリ等挙げられ、特に有機アミンが好ましい。
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチルモノエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノ−1−プロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールおよびこれらの誘導体等の1種または2種以上が挙げられる。塩基性物質の含有割合は、バインダ樹脂の遊離脂肪酸含有量を示す酸価や、あるいはインクジェットインクの、塩基性物質を添加しない状態でのpHなどに応じて適宜、調整できる。
〈その他の添加剤等〉
本発明のインクジェットインクには、従来公知の種々の添加剤を含有させてもよい。前記添加剤としては、例えば、防かび剤、殺生剤等が挙げられる。また、本発明のインクジェットインクには、先に説明したN−エチル−2−ピロリドンの機能を阻害しない範囲で、他の水溶性の有機溶媒を含有させることもできる。前記他の有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコールや、N−エチル−2−ピロリドン以外の非プロトン性極性有機溶媒が挙げられる。
前記各成分を含む、本発明のインクジェットインクは、例えば、サーマル方式〔サーマルジェット(登録商標)方式、バブルジェット(登録商標)方式〕、ピエゾ方式等の、いわゆるオンデマンド型のインクジェットプリンタに使用できる他、インクを循環させながらインクの液滴を形成して印刷を行う、いわゆるコンティニュアス型のインクジェットプリンタにも使用することができるが、特に、先に説明したようにサーマル方式のインクジェットプリンタに、好適に使用することができる。
〈実施例1〉
顔料としては、表面改質されたカーボンブラックの水分散液〔キャボット社(Cabot Corporation)製のCAB−O−JET(登録商標)300、固形分:15質量%〕を用い、非プロトン性極性有機溶媒としては、N−エチル−2−ピロリドン〔分子量:113.2、沸点:212℃〕を用いた。界面活性剤としては、式(4)中のR2〜R4のうちの2つがパーフルオロアルキル基で、かつ残りの1つがアンモニウム基であるフッ素系界面活性剤〔イー アイ デュポン ドゥ ヌムール アンド カンパニー製のZONYL FSP、有効成分:35質量%〕を用いた。
バインダ樹脂としては、式(1)〜(3)の3種の繰り返し単位からなる、つまりスチレンと、無水マレイン酸と、マレイン酸の部分エステルとの三元共重合体である、サートマー社製のSMA 1440F〔酸価:185mgKOH/g、重量平均分子量Mw=7000、数平均分子量Mn=2800、ガラス転移温度Tg=60℃〕を用い、これを、インクジェットインク中に溶解させるための塩基性物質としては、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを用いた。
有機酸のエチレンオキシド付加物としては、式(9)中のM〜Mがいずれもナトリウム、rが6である、クエン酸ナトリウムのエチレンオキシド付加物を用い、ポリオキシエチレンフェニルエーテルとしては、式(12)で表される化合物を用い、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとしては、式(13)で表される化合物を用いた。アセチレングリコール類としては、エアープロダクツ アンド ケミカルズ社製のサーフィノール61を用い、殺生剤としては、ゼネカ社製のプロキセル(登録商標)XL−2を用いた。そして、前記各成分を、イオン交換水およびイソプロパノールと共に、下記表2に示す割合で配合し、かく拌して混合した後、5μmのメンブランフィルタを用いてろ過してインクジェットインクを製造した。前記イオン交換水、および各成分中に含まれる水の総量Hと、N−エチル−2−ピロリドンPとの質量比H/P=3.4であった。
Figure 0005085973
〈実施例2〉
バインダ樹脂として、SMA 1440Fに代えて、スチレンと無水マレイン酸との二元共重合体である、サートマー社製のSMA1000〔酸価:480mgKOH/g、重量平均分子量Mw=5500、数平均分子量Mn=2000、ガラス転移温度Tg=155℃〕を同量、配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。イオン交換水、および各成分中に含まれる水の総量Hと、N−エチル−2−ピロリドンPとの質量比H/P=3.4であった。
〈実施例3〉
界面活性剤として、ZONYL FSPに代えて、式(5)で表されるフッ素系界面活性剤〔イー アイ デュポン ドゥ ヌムール アンド カンパニー製のZONYL FSA、有効成分:25質量%〕を0.4質量部、配合すると共に、水の配合量を51.6質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。イオン交換水、および各成分中に含まれる水の総量Hと、N−エチル−2−ピロリドンPとの質量比H/P=3.4であった。
〈実施例4〉
界面活性剤として、ZONYL FSPに代えて、式(6)で表されるフッ素系界面活性剤〔イー アイ デュポン ドゥ ヌムール アンドカンパニー製のZONYL FS−62、有効成分:25質量%〕を0.4質量部、配合すると共に、水の配合量を51.6質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。イオン交換水、および各成分中に含まれる水の総量Hと、N−エチル−2−ピロリドンPとの質量比H/P=3.4であった。
比較例1〜5
非プロトン性極性有機溶媒として、N−エチル−2−ピロリドンに代えて、同量の、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン〔分子量:114.2、沸点:225.5℃〕(比較例1)、ホルムアミド〔分子量:45.0、沸点:210℃〕(比較例2)、N−メチルホルムアミド〔分子量:59.1、沸点:197℃〕(比較例3)、N,N−ジエチルプロピオンアミド〔分子量:129.2、沸点:195℃〕(比較例4)、および2−ピロリドン〔分子量:85.1、沸点:245℃〕(比較例5)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。イオン交換水、および各成分中に含まれる水の総量Hと、非プロトン性極性有機溶媒Pとの質量比H/P=3.4であった。
〈比較例
バインダ樹脂として、SMA1440Fに代えて、アルカリ可溶性のアクリル樹脂〔ジョンソンポリマー(株)製のジョンクリル678、重量平均分子量Mw=8500〕を同量、配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。イオン交換水、および各成分中に含まれる水の総量Hと、N−エチル−2−ピロリドンPとの質量比H/P=3.4であった。
〈比較例
バインダ樹脂として、SMA1440Fに代えて、アルカリ可溶性のアクリル樹脂〔ジョンソンポリマー(株)製のジョンクリル678、重量平均分子量Mw=8500〕を同量、配合し、かつ、界面活性剤として、ZONYL FSPに代えて、AGCセイミケミカル(株)製のサーフロン(登録商標)S−381〔フッ素系界面活性剤、有効成分:70質量%〕を0.15質量部、配合すると共に、N−エチル−2−ピロリドンの配合量を49質量部、イオン交換水の配合量を22.85質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。イオン交換水、および各成分中に含まれる水の総量Hと、N−エチル−2−ピロリドンPとの質量比H/P=0.8であった。
〈定着性試験(その1)〉
実施例、比較例のインクジェットインクを、サーマル方式のインクジェットプリンタ〔ビデオジェット(株)製のプリント メール ワイド アレイ(Print Mail Wide Array)〕に使用して、BYK−ガードナー社(BYK-Gardner)製の光沢度測定器マイクロトリグロス〔micro-TRI-gloss(登録商標)〕を用いて測定した60°光沢度が88.4、表面張力(測定温度25℃)が29.21mN/mであるUVコート紙〔UV Coated on 120# Centura Gloss Cover〕の表面に、バーコード(CODE 39)を印刷し、次いで、出力3200Wのヒータで約5秒間、加熱した後、綿棒を用いて、40gの荷重をかけながらこすった。そして印刷を観察して、下記の基準で、インクジェットインクの定着性を評価した。
◎:全く変化なし。定着性はきわめて良好と評価した。
○:若干の変化が見られたが、定着性は実用レベルに達していると評価した。
×:インクがとれてしまった。定着性は不良と評価した。
〈定着性試験(その2)〉
前記光沢度測定器を用いて測定した60°光沢度が85.0、表面張力(測定温度25℃)が34.00mN/mであるグロス調オフセットコート紙〔Aqueous Ni coat Hi Gloss on 120# Centura Gloss Cover〕の表面に印刷したこと以外は、定着性試験(その1)と同様にして、同じ基準で、インクジェットインクの定着性を評価した。
〈印刷鮮明性試験〉
実施例、比較例のインクジェットインクを、定着性試験(その1)で使用したのと同じサーマル方式のインクジェットプリンタに使用して、同じUVコート紙の表面に、10ポイントのアルファベットを印刷し、次いで、出力3200Wのヒータで約5秒間、加熱した後、印刷を観察して、下記の基準で、インクジェットインクの印刷鮮明性を評価した。
◎:エッジがシャープに出ている。印刷鮮明性はきわめて良好と評価した。
○:鮮明性が若干劣るものの、印刷鮮明性は実用レベルに達していると評価した。
×:印刷は鮮明でなく、印刷鮮明性は不良と評価した。
〈乾燥性試験〉
実施例、比較例のインクジェットインクを、定着性試験(その1)で使用したのと同じサーマル方式のインクジェットプリンタに使用して、定着性試験(その2)で使用したのと同じグロス調オフセットコート紙の表面に、バーコード(CODE 39)を印刷し、次いで、温度25℃、相対湿度40%の環境下で15分間、自然乾燥させた後、綿棒を用いて、20gの荷重をかけながらこすった。そして印刷を観察して、下記の基準で、インクジェットインクの乾燥性を評価した。
◎:全く変化なし。乾燥性は良好と評価した。
×:若干でもにじみが見られたものを、乾燥性不良と評価した。
〈サーマルシャットダウン試験〉
実施例、比較例のインクジェットインクを、サーマルシャットダウンの機能が付加された、サーマル方式のインクジェットプリンタに使用して、カートリッジ10個分に亘ってベタパターンを連続印刷した。そして、インクジェットプリンタの動作を観察して、下記の基準でサーマルシャットダウンを評価した。
○:最初から最後まで、サーマルシャットダウンを生じることなく、連続的に印刷できた。
×:サーマルシャットダウンを生じて、1回以上、非常停止した。
以上の結果を表3に示す。
Figure 0005085973
表より、バインダ樹脂としてアクリル系樹脂を用いた比較例のインクジェットインクは、UVコート紙、およびグロス調オフセットコート紙のいずれにおいても、定着性が不良であり、良好な定着性が得られないことが判った。また、特許文献2のインクジェットインクを再現するために、バインダ樹脂としてアクリル系樹脂を用いると共に、界面活性剤としてサーフロンS−381を用い、なおかつ、非プロトン性極性有機溶媒としてのN−エチル−2−ピロリドンの量を増加させて、水の総量Hと、N−エチル−2−ピロリドンPとの質量比H/P=0.8とした比較例のインクジェットインクは、グロス調オフセットコート紙に対する定着性こそ改善されたものの、UVコート紙に対する定着性は、依然として不良であって、良好な定着性が得られないことが判った。また、前記比較例のインクジェットインクは、N−エチル−2−ピロリドンの量が増加した分、乾燥性が若干、低下すると共に、ベタパターンを連続印刷した際に、サーマルシャットダウンを生じることも判った。
また、N−エチル−2−ピロリドン以外の非プロトン性極性有機溶媒を使用した比較例1〜5のインクジェットインクは、乾燥性試験においてにじみがみられ、乾燥性が不良であることが判った。
これに対し、バインダ樹脂としてスチレン−マレイン酸共重合樹脂を使用した実施例1〜のインクジェットインクは、いずれも、評価が◎ないし○であって、UVコート紙、およびグロス調オフセットコート紙のいずれについても良好な定着性が得られる上、サーマルシャットダウンを生じないことが判った。また、各実施例を比較した結果から、前記スチレン−マレイン酸共重合樹脂としては、式(1)〜(3)で表される3種の繰り返し単位を含む共重合体が好ましいこと、界面活性剤としては、式(4)で表されるフッ素系界面活性剤が好ましいことが判った。
〈実施例10〉
顔料としては、表面改質されたカーボンブラックの水分散液〔キャボット社(Cabot Corporation)製のCAB−O−JET(登録商標)300、固形分:15質量%〕を用い、非プロトン性極性有機溶媒としては、N−エチル−2−ピロリドン〔分子量:113.2、沸点:212℃〕を用いた。界面活性剤としては、AGCセイミケミカル(株)製のサーフロン(登録商標)S−381〔フッ素系界面活性剤、有効成分:70質量%〕を用いた。
バインダ樹脂としては、式(1)〜(3)の3種の繰り返し単位からなる、つまりスチレンと、無水マレイン酸と、マレイン酸の部分エステルとの三元共重合体である、サートマー社製のSMA 1440F〔酸価:185mgKOH/g、重量平均分子量Mw=7000、数平均分子量Mn=2800、ガラス転移温度Tg=60℃〕を用い、これを、インクジェットインク中に溶解させるための塩基性物質としては、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを用いた。
有機酸のエチレンオキシド付加物としては、式(9)中のM1〜M3がいずれもナトリウム、rが6である、クエン酸ナトリウムのエチレンオキシド付加物を用い、ポリオキシエチレンフェニルエーテルとしては、式(12)で表される化合物を用い、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとしては、式(13)で表される化合物を用いた。アセチレングリコール類としては、エアープロダクツ社製のサーフィノール61を用い、殺生剤としては、ゼネカ社製のプロキセル(登録商標)XL−2を用いた。そして、前記各成分を、イオン交換水およびイソプロパノールと共に、下記表4に示す割合で配合し、かく拌して混合した後、5μmのメンブランフィルタを用いてろ過してインクジェットインクを製造した。前記イオン交換水、および各成分中に含まれる水の総量Hと、N−エチル−2−ピロリドンPとの質量比H/P=0.8であった。
Figure 0005085973
〈実施例11〉
バインダ樹脂として、SMA 1440Fに代えて、スチレンと無水マレイン酸との二元共重合体である、サートマー社製のSMA1000〔酸価:480mgKOH/g、重量平均分子量Mw=5500、数平均分子量Mn=2000、ガラス転移温度Tg=155℃〕を同量、配合したこと以外は実施例10と同様にしてインクジェットインクを製造した。イオン交換水、および各成分中に含まれる水の総量Hと、N−エチル−2−ピロリドンPとの質量比H/P=0.8であった。
〈比較例3〉
バインダ樹脂として、SMA1440Fに代えて、アルカリ可溶性のアクリル樹脂〔ジョンソンポリマー(株)製のジョンクリル678、重量平均分子量Mw=8500〕を同量、配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。イオン交換水、および各成分中に含まれる水の総量Hと、N−エチル−2−ピロリドンPとの質量比H/P=0.8であった。
前記実施例、比較例について、先に説明した定着性試験(その1)、定着性試験(その2)、および印刷鮮明性試験を行って、その特性を評価した。結果を表5に示す。
Figure 0005085973
表より、サーマルシャットダウンを考慮しない、N−エチル−2−ピロリドンの多い系においても、先の実施例、比較例と同様の結果が得られることが確認された。すなわち、バインダ樹脂としてアクリル系樹脂を用いた比較例3のインクジェットインクは、N−エチル−2−ピロリドンが多いため、グロス調オフセットコート紙に対する定着性こそ改善されたものの、UVコート紙に対する定着性は、依然として不良であって、良好な定着性が得られないことが判った。
これに対し、バインダ樹脂としてスチレン−マレイン酸共重合樹脂を使用した実施例10、11のインクジェットインクは、いずれも、評価が◎ないし○であって、UVコート紙、およびグロス調オフセットコート紙のいずれについても良好な定着性が得られることが判った。また、両実施例を比較した結果から、前記スチレン−マレイン酸共重合樹脂としては、式(1)〜(3)で表される3種の繰り返し単位を含む共重合体が好ましいことが判った。

Claims (4)

  1. 、N−エチル−2−ピロリドン、バインダ樹脂としてのスチレン−マレイン酸共重合樹脂、および界面活性剤が含まれていることを特徴とするインクジェットインク。
  2. スチレン−マレイン酸共重合樹脂が、式(1)〜(3):
    Figure 0005085973
    Figure 0005085973
    Figure 0005085973
    〔式(3)中、Rは炭素数1以上のアルキル基を示す。〕
    で表される3種の繰り返し単位を含み、酸価が100〜600mgKOH/g、重量平均分子Mw=3000〜15000の共重合体である請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 水HとN−エチル−2−ピロリドンPとの質量比H/P=1.5〜5.5である請求項1に記載のインクジェットインク。
  4. 界面活性剤が、式(4):
    Figure 0005085973
    〔式中、R〜Rのうちの1つまたは2つは炭素数6〜16のパーフルオロアルキル基、他はアンモニウム基を示す。〕
    で表されるフッ素系界面活性剤である請求項3に記載のインクジェットインク。
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