JP2012046671A - インクジェットインク - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂媒体やオフセットコート媒体等の疎水性の媒体の表面に印刷するのに適した各種の特性を有する上、これまでよりもさらに乾燥性に優れたインクジェットインクを提供する。
【解決手段】少なくとも顔料を含む非水性あるいは水性のインクジェットインクに、式(1):
【化1】
Figure 2012046671

〔式中、R1、R2、およびR3は同一または異なるアルキル基を示す。〕
で表されるアミド系溶剤を添加した。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えばターポリン等の樹脂媒体の表面や、あるいはオフセットコート媒体の表面等の、いずれも疎水性の表面に画像や文字等を印刷するのに適したインクジェットインクに関するものである。
従来、インクジェット印刷は主に紙等の親水性、吸水性を有する表面への印刷に用いられており、インクジェットインクとしては、水に水溶性染料を加えた水性のインクジェットインクが使用されてきた。しかし近年、様々な分野において様々な表面への印刷にインクジェット印刷を利用することが広まりつつある。
特に、屋外の広告等の媒体として多用されているいわゆるターポリン(繊維布の表面がポリ塩化ビニル系樹脂によってコートされたシート)等の樹脂媒体の表面や、あるいはオフセット印刷用として適したオフセットコート媒体の表面等の、いずれも疎水性の表面に、前記インクジェット印刷によって良好な印刷をすることが求められるようになってきている。
このうち前者の、樹脂媒体の表面への印刷には、着色剤として耐光性、耐候性に優れた顔料を用いるとともに、前記顔料を樹脂媒体の表面に定着させるためのバインダ樹脂、および有機溶剤を含み、かつ基本的に水を含まない非水性のインクジェットインクが使用される。
前記のうち有機溶剤は、単にバインダ樹脂を溶解したり顔料を分散したりする溶媒、分散媒として機能するだけでなく、樹脂媒体中に浸透することで、前記樹脂媒体の表面へ印刷後のインクジェットインクの乾燥性や、あるいは前記表面への印刷の定着性等を向上させるためにも機能する。
前記有機溶剤としては、例えば前記定着性や定着後の耐候性等を向上したり、バインダ樹脂の溶解性を高めたり、インクジェットインクの特性(例えば表面張力や粘度等)をインクジェット印刷に適した範囲に調整したりするために、2種以上を併用するのが一般的である。
例えば特許文献1、2では、有機溶剤として
(a) アルキレングリコール誘導体、および
(b) N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン等の含窒素複素環化合物、またはγ−ブチロラクトン、δ−ラクトン等の含酸素複素環化合物、
を併用して非水性のインクジェットインクを調製している。
しかし、かかる(a)(b)の有機溶剤の組み合わせでは臭気が強いという問題がある。しかも発明者の検討によると、前記(a)(b)の有機溶剤の組み合わせではインクジェットインクの乾燥性も不十分である。
特許文献3には、前記(b)の含窒素複素環化合物等に代えて、特定の分子構造を有する5種の溶剤のうちの少なくとも1種を、前記(a)のアルキレングリコール誘導体と併用することが提案されている。かかる併用により、できるだけ臭気が弱く安全衛生性に優れたインクジェットインクを提供できる。
しかし発明者の検討によると、前記併用系ではインクジェットインクの乾燥性を改善する効果は得られず、前記乾燥性が未だ十分でないという問題がある。
一方、先に説明したオフセットコート媒体の表面への印刷には、着色剤としての顔料、水、バインダ樹脂、界面活性剤、および水溶性有機溶剤を含む水性のインクジェットインクが用いられる。
かかる水性のインクジェットインクにおいては、前記水溶性有機溶剤として、オフセットコート媒体の表面を構成する疎水性のコーティング膜中への浸透性を有するものを用いることにより、インクジェットインクの乾燥性や、あるいは前記表面への印刷の定着性等を大幅に向上できると考えられている。
界面活性剤は、顔料の水中への分散性を向上したり、水性のインクジェットインクの、疎水性のコーティング膜の表面への濡れ性を向上したりするために機能するが、例えばアルコール等のプロトン性極性溶剤を水溶性有機溶剤として用いると、前記機能が阻害されるおそれがある。
そのため特許文献4において、前記界面活性剤の機能を阻害しない水溶性有機溶剤として、例えば1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン等の、分子量が40〜130である非プロトン性極性溶剤を選択して用いることが提案されている。
しかし発明者の検討によると、前記の分子量範囲を満足する非プロトン性極性溶剤を含む水性のインクジェットインクであっても、その乾燥性は未だ十分ではない。
また前記インクジェットインクは、オフセットコート媒体の表面を構成する疎水性のコーティング膜の種類によっては、前記コーティング膜中に十分に浸透できない場合がある。
特にオフセットコート媒体の中でも疎水性が高く水をはじきやすいUVコート紙等のUVコート媒体のUVコーティング膜中にインクジェットインクを浸透させることは困難である。
そのため前記インクジェットインクでは、前記UVコート媒体や通常のオフセットコート媒体等の、コーティング膜の違いによる各種のオフセットコート媒体の表面に、いずれも印刷の定着性に優れた良好な印刷をすることができないという問題がある。
特許文献5には、バインダ樹脂としてスチレン−マレイン酸共重合樹脂を選択的に用いることにより、オフセットコート媒体の種類による印刷の定着性のばらつきを少なくして、様々な種類のオフセットコート媒体の表面にいずれも定着性に優れた良好な印刷をすることが記載されている。
しかし前記バインダ樹脂を使用してもインクジェットインクの乾燥性を改善する効果は得られないため、前記乾燥性が十分でないという問題は解消されない。
特開2005−023298号公報 特開2008−260944号公報 特開2007−161867号公報 WO2006/004006号 特開2008−274037号公報
前記樹脂媒体やオフセットコート媒体等の疎水性の媒体は、紙等に比べてインクジェットインクの吸収性が低いため、その表面に印刷した際に、インクジェットインクをいかに速やかに乾燥させるかが肝要である。
インクジェットインクの乾燥性を高めることにより、例えば複数枚の媒体に連続して印刷をする際に、インクジェットプリンタから先に排出された媒体の表面のインクジェットインクが完全に乾燥する前に、その上に後から排出された媒体が重ねられて印刷が裏写りしたりする不良が発生すること等を確実に防止できる。
本発明の目的は、樹脂媒体やオフセットコート媒体等の疎水性の媒体の表面に印刷するのに適した各種の特性を有する上、これまでよりもさらに乾燥性に優れたインクジェットインクを提供することにある。
本発明は、顔料、および式(1):
Figure 2012046671
〔式中、R1、R2、およびR3は同一または異なるアルキル基を示す。〕
で表されるアミド系溶剤を少なくとも含むことを特徴とするインクジェットインクである。
前記式(1)で表されるアミド系溶剤〔以下「アミド系溶剤(1)」と略記する場合がある。〕は、特許文献1、2に記載の含窒素複素環化合物、含酸素複素環化合物等に比べて、樹脂媒体の表面を構成するポリ塩化ビニル系樹脂等に対する浸透性に優れている。また前記アミド系溶剤(1)は、特許文献4に記載の特定の分子量範囲を有する非プロトン性極性溶剤等に比べて、オフセットコート媒体の表面を構成する疎水性のコーティング膜に対する浸透性にも優れている。
そのためアミド系溶剤(1)を含有させることにより、水性あるいは非水性のインクジェットインクを、前記アミド系溶剤(1)の媒体中への浸透によって速やかに乾燥(浸透乾燥)させることができ、その乾燥性を飛躍的に向上させることができる。
特にアミド系溶剤(1)は、前記のように特定の分子量範囲を有する非プロトン性極性溶剤に比べて、オフセットコート媒体の表面を構成する種々の疎水性のコーティング膜中への浸透性に優れており、例えばUVコート媒体のUVコーティング膜中へも良好に浸透することができる。
そのためアミド系溶剤(1)を水、および界面活性剤を含む水性のインクジェットインクに含有させて、前記オフセットコート媒体の表面に印刷した際には、前記オフセットコート媒体の種類による印刷の定着性のばらつきを少なくして、UVコート媒体を含む様々な種類のオフセットコート媒体の表面にいずれも定着性に優れた良好な印刷をすることが可能である。
またアミド系溶剤(1)は、前記のように含窒素複素環化合物、含酸素複素環化合物等に比べて、樹脂媒体の表面を構成するポリ塩化ビニル系樹脂等に対する浸透性にも優れている。そのため前記水性のインクジェットインクを用いれば、従来の水性のインクジェットインクでは印刷することが困難であったターポリン等の樹脂媒体の表面にも、定着性に優れた良好な印刷をすることが可能である。
その上アミド系溶剤(1)は基本的に非プロトン性極性溶剤に属するため、界面活性剤の機能を妨げるおそれもない。また前記アミド系溶剤(1)は、特許文献3に記載の5種の溶剤と同様に臭気が弱く安全衛生性にも優れている。
またアミド系溶剤(1)は、ターポリン等の樹脂媒体の、ポリ塩化ビニル系樹脂からなる表面に対する定着性に優れるため特に非水性のインクジェットインクにおいてバインダ樹脂として好適に使用されるポリ塩化ビニル系樹脂に対する溶解性にも優れている。
前記ポリ塩化ビニル系樹脂として、従来は溶液重合法によって合成されたものが一般的に用いられてきた。しかし溶液重合法では、ポリ塩化ビニル系樹脂を合成する際に多量の有機溶剤を使用しなければならずその処理が問題となっている。
すなわち合成したポリ塩化ビニル系樹脂を反応系中から取り出すためには乾燥処理、つまり有機溶剤を大気中に揮散させて除去するのが最も簡単であるが、近年、環境に対する負荷を軽減すること等を考慮して、前記有機溶剤を極力大気中に揮散させずに排気処理、廃液処理等によって回収することが必要となりつつある。
そして、これらの処理に要する設備やその稼動のために要するエネルギー等がポリ塩化ビニル系樹脂の生産性を低下させるとともに生産コストを押し上げる原因となってきている。
そのためポリ塩化ビニル系樹脂としては、溶液重合法のように多量の有機溶剤を使用する必要のない、懸濁重合法や乳化重合法によって合成されたポリ塩化ビニル系樹脂を使用するのが好ましい。
しかし前記懸濁重合法や乳化重合法によって合成されたポリ塩化ビニル系樹脂をバインダ樹脂として使用する場合、前記バインダ樹脂を含む非水性のインクジェットインクを、例えばアルミニウムラミネート材からなる袋体内に真空充てんして保存した際に短期間でゲル化が発生するおそれがある。
この原因の一つとして、前記懸濁重合法や乳化重合法によって合成されたポリ塩化ビニル系樹脂は、溶液重合法によって合成されたものに比べて未反応のモノマーの残留量が多いことが考えられる。
すなわち空気中に含まれる酸素は、周知のようにラジカル重合反応の禁止剤として機能するが、インクジェットインクを袋体内に真空充てんして空気から遮断すると、その中に含まれる未反応のモノマーがラジカル重合反応しやすい状態となり、充てん後の保管時の熱履歴等が引き金となって前記ラジカル重合反応が開始される。
そしてラジカル重合反応が進行すると、袋体内のインクジェットインク中で、ゲル化の原因となる、溶剤に不溶性ないし難溶性の高分子量の成分が生成される。特に未反応のモノマーの残留量が多いほど、前記高分子量の成分が多量に生成されやすく、結果としてゲル化を生じやすくなる。
これに対しアミド系溶剤(1)は、前記のようにポリ塩化ビニル系樹脂に対する溶解性に優れているため、前記高分子量の成分が多量に生成されても、かかる高分子量の成分を良好に溶解することができる。
そのため前記アミド系溶剤(1)を加えることにより、バインダ樹脂として懸濁重合法や乳化重合法によって合成されたポリ塩化ビニル系樹脂を含む非水性のインクジェットインクを例えば袋体内に真空充てんして保管した際に、未反応のモノマーのラジカル重合反応によって短期間でゲル化が生じるのを抑制することができる。
また、前記非水性のインクジェットインクにさらにラジカル重合禁止剤を加えることにより、未反応のモノマーのラジカル重合反応とそれによる高分子量の成分の生成を防止して、前記ゲル化の発生をより一層有効に抑制することもできる。
本発明によれば、樹脂媒体やオフセットコート媒体等の疎水性の媒体の表面に印刷するのに適した各種の特性を有する上、これまでよりもさらに乾燥性に優れたインクジェットインクを提供することができる。
本発明のインクジェットインクは、顔料、および式(1):
Figure 2012046671
〔式中、R1、R2、およびR3は同一または異なるアルキル基を示す。〕
で表されるアミド系溶剤を少なくとも含むことを特徴とする。
前記アミド系溶剤(1)において、R1〜R3に相当するアルキル基としては、それぞれ個別に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の、炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。
中でも、R1〜R3の炭素数の合計が3〜6の範囲内であるのが好ましく、特に式(1)中のR1、R2がともにメチル基で、かつR3が炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせが好ましい。
前記アミド系溶剤(1)の具体的化合物としては、例えば式(2):
Figure 2012046671
で表される化合物〔分子量:131.2、沸点:216℃〕、および式(3):
Figure 2012046671
で表される化合物〔分子量:173.3、沸点:252℃〕からなる群より選ばれた少なくとも1種が挙げられ、特に式(2)で表される化合物が好ましい。
媒体の表面に印刷したインクジェットインクは、前記インクジェットインク中に含まれる溶剤の、媒体中への浸透による浸透乾燥と、前記溶剤の、大気中への揮散による揮発乾燥とがほぼ同時に進行して乾燥される。
このうち後者の揮発乾燥には溶剤の沸点が関与する。すなわち沸点が低い溶剤ほど乾燥しやすく、インクジェットインクの揮発乾燥を促進する作用に優れているといえる。
ところが前記式(2)(3)で表される化合物は、従来の含窒素複素環化合物、非プロトン性極性溶剤の代表的化合物であるN−メチル−2−ピロリドンや、あるいは非プロトン性極性溶剤の代表的化合物である1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンとほぼ類似した沸点を有している。
すなわち、低い方から順にN−メチル−2−ピロリドン(沸点:202℃)<式(2)で表される化合物(沸点:216℃)<1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(沸点:220℃)<式(3)で表される化合物(沸点:252℃)となる。なお沸点は、いずれも1気圧(1013hPa)での値である。
そのためこれらの溶剤は、揮発乾燥を促進する作用の点ではほぼ同等といえるが、式(2)(3)で表される化合物は、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の従来の溶剤に比べて、先に説明したように媒体中への浸透性に優れるため、前記従来の溶剤と比べてインクジェットインクの浸透乾燥を促進して、前記インクジェットインクの乾燥性を高める効果に優れている。
ただし揮発乾燥も、インクジェットインクの乾燥性を左右する大きな要因であることには違いない。そのため同じアミド系溶剤(1)の中では、より沸点の低い式(2)で表される化合物の方が、式(3)で表される化合物よりも、インクジェットインクの乾燥性を高める効果に優れているといえる。このことは、後述する実施例、比較例の結果からも明らかである。
顔料と、前記式(1)で表されるアミド系溶剤とを含む本発明のインクジェットインクとしては、例えば
(i) 顔料、アミド系溶剤(1)、水、バインダ樹脂、および界面活性剤を含む水性のインクジェットインク、
(ii) 顔料、アミド系溶剤(1)、およびバインダ樹脂としての、懸濁重合法または乳化重合法によって合成されたポリ塩化ビニル系樹脂を含む非水性のインクジェットインク、
が挙げられる。
《水性のインクジェットインク(オフセットコート媒体用)》
〈アミド系溶剤(1)〉
前記(i)の水性のインクジェットインクのうち、オフセットコート媒体への印刷用のインクジェットインクにおいて、アミド系溶剤(1)の含有割合は、前記インクジェットインクの総量の20質量%以上、特に30質量%以上であるのが好ましく、75質量%以下、中でも60質量%以下、特に55質量%以下であるのが好ましい。
含有割合が前記範囲未満では、アミド系溶剤(1)を含有させることによる、前記インクジェットインクの乾燥性を向上したり、コーティング膜の違いによる各種のオフセットコート媒体の表面に対していずれも印刷の定着性に優れた良好な印刷をしたりする効果が十分に得られないおそれがある。
また前記範囲を超えてもそれ以上の効果が得られないだけでなく、前記アミド系溶剤(1)は溶解力が非常に強いため、インクジェットプリンタのヘッドを損傷させたり腐食させたりするおそれがある。またカーボンブラック等の無機顔料であれば問題ないが、有機顔料の場合は、その強い溶解力によって前記有機顔料を侵食してしまうおそれもある。
〈界面活性剤〉
界面活性剤としては、顔料の水中への分散性を向上したり、水性のインクジェットインクの、疎水性のコーティング膜の表面への濡れ性を向上したりするために機能する種々の界面活性剤がいずれも使用可能である。中でも特に式(4):
Figure 2012046671
〔式中、nは2〜16、mは0〜15の数を示す。〕
で表されるフッ素系界面活性剤が好ましい。
前記フッ素系界面活性剤を含有させると、前記機能に加えて、さらに水性のインクジェットインクの流動性を向上させて、高速印刷時にかすれやサーマルシャットダウン等を生じにくくすることができる。
サーマルシャットダウンとは、発熱素子を用いてインクジェットインクを加熱することで気泡を発生させて、前記気泡の発生による体積増加分のインクジェットインクをノズルから吐出させて印刷をする、いわゆるサーマル方式のインクジェットプリンタを用いて高速で印刷をした際に、前記発熱素子が異常に高温となってプリンタの安全装置が作動して印刷が中断される現象を指す。
前記かすれやサーマルシャットダウンの原因は、特にベタパターンを連続印刷する等、比較的短時間で多量のインクジェットインクを消費する印刷をする際に、ノズルからの吐出量に対してインクジェットインクの補給量が追いつかない補給不足が発生することにある。
前記式(4)で表されるフッ素系界面活性剤の具体例としては、式(4)中のnが4〜16、mが2〜3の化合物の混合物の溶液である、デュポン(株)製のゾニール(ZONYL)FS−300(有効成分:40質量%)や、前記式(4)中のnが2〜14、mが0〜15の化合物の混合物の溶液である、デュポン(株)製のゾニール(ZONYL)FSO等の少なくとも1種が挙げられる。
特に水性のインクジェットインクの、疎水性のコーティング膜の表面への濡れ性を向上することではじきやにじみ等を抑制して、オフセットコート媒体の疎水性のコーティング膜の表面に、シャープかつ鮮明で、しかも乾燥性や定着性に優れた良好な印刷をすることを考慮すると、フッ素系界面活性剤としては、前者のゾニールFS−300が好ましい。
前記フッ素系界面活性剤の含有割合は、前記溶液中に含まれる有効成分、すなわち式(4)で表される化合物の、水性のインクジェットインクの総量に対する質量%で表して0.1質量%以上、特に0.3質量%以上であるのが好ましく、1.0質量%以下、特に0.6質量%以下であるのが好ましい。
含有割合が前記範囲未満では、前記フッ素系界面活性剤を含有させることによる、前記インクジェットインクの流動性を向上させて、高速印刷時にかすれやサーマルシャットタウンを生じにくくする効果が十分に得られないおそれがある。
また前記インクジェットインクのはじきやにじみ等を抑制する効果が低下して、オフセットコート媒体の疎水性のコーティング膜の表面に、シャープかつ鮮明で、しかも乾燥性や定着性に優れた良好な印刷をすることができないおそれもある。
一方、含有割合が前記範囲を超える場合には泡噛みを生じて、前記インクジェットインクのノズルからの吐出の安定性が低下したり、それに伴って印刷の鮮明性が低下したりするおそれがある。
〈バインダ樹脂〉
水性のインクジェットインクにバインダ樹脂を含有させると、前記バインダ樹脂が、オフセットコート媒体のコーティング膜等の表面と、顔料とのバインダとして機能するため、印刷の耐水性や耐擦過性を向上できる。また印刷の鮮明性も向上できる。
特にバインダ樹脂として、本質的に水には不溶で、かつ塩基性物質を溶解させたアルカリ水溶液に選択的に可溶であるバインダ樹脂を使用すると、印刷の耐水性をさらに向上できる。
すなわち、水性のインクジェットインクに塩基性物質を溶解させてアルカリ性とした状態で前記バインダ樹脂を加えると、前記バインダ樹脂は溶解してインクジェットインクは液状を維持するが、印刷後に乾燥させてオフセットコート媒体のコーティング膜等の表面に析出されたバインダ樹脂は水に不溶であるため、印刷の耐水性が向上する。
前記アルカリ可溶のバインダ樹脂としては、例えばその分子中にカルボキシル基を有しており、そのままでは水に不溶であるが、アンモニア、有機アミン、苛性アルカリ等の塩基性物質を溶解させたアルカリ水溶液に加えるとカルボキシル基の部分が塩基性物質と反応して水溶性の塩を生成して溶解する樹脂が好ましい。
前記アルカリ可溶のバインダ樹脂としては、例えばポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのアクリル樹脂;スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのスチレン−アクリル酸樹脂;マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合樹脂等のうち、前記特性を有するように分子量、酸価等を調整した樹脂、特に、高酸価樹脂の1種または2種以上が挙げられる。
前記バインダ樹脂は、水性のインクジェットインクの粘度の上昇とそれに伴う流動性の低下とを抑制して高速印刷時にかすれやサーマルシャットタウンを生じにくくすること、並びに印刷時に、保護されずにノズル外の空気に曝され続ける時間が長くなった際にノズル内でインクジェットインクが乾燥して、再吐出時にノズルが詰まって印刷がかすれるのを防止することを考慮すると、重量平均分子量Mwが1000以上であるのが好ましく、3000以下、特に2000以下であるのが好ましい。
かかる分子量の小さいバインダ樹脂を水性のインクジェットインクに使用して、一般の紙等に印刷しても印刷の耐水性、耐擦過性を向上する効果は得られない。
しかしアミド系溶剤(1)を含み、前記アミド系溶剤(1)の作用によってオフセットコート媒体のコーティングを若干溶かしながらコーティング中に浸透して印刷される水性のインクジェットインクにおいては、前記バインダ樹脂を使用しても印刷の耐水性、耐擦過性等を実用上問題のない程度まで十分に向上できる。
前記バインダ樹脂としては、例えばBASFジャパン(株)製のジョンクリル(JONCRYL、登録商標)682(重量平均分子量Mw=1700)等が挙げられる。
バインダ樹脂の含有割合は、水性のインクジェットインクの総量の0.1質量%以上、特に0.5質量%以上であるのが好ましく、3質量%以下、特に2質量%以下であるのが好ましい。
含有割合が前記範囲未満では、印刷に実用上問題のないレベルの耐水性、耐擦過性を付与できなかったり、鮮明に印刷できなかったりするおそれがある。また前記範囲を超える場合には印刷がかすれたり、ノズルの目詰まりを生じたりするおそれがある。
〈塩基性物質〉
塩基性物質は、先に説明したように水性のインクジェットインクをアルカリ性にしてアルカリ可溶のバインダ樹脂を溶解させるとともに、インクジェットプリンタのヘッドの金属部分等の腐食を防止し、なおかつ顔料の分散安定性を維持するために含有される。前記塩基性物質としてはアンモニア、有機アミン、苛性アルカリ等の1種または2種以上が挙げられ、特に有機アミンが好ましい。
また有機アミンとしては、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチルモノエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノ−1−プロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールおよびこれらの誘導体等の1種または2種以上が挙げられる。
塩基性物質の含有割合は、バインダ樹脂の遊離脂肪酸含有量を示す酸価や、あるいは水性のインクジェットインクの、塩基性物質を添加しない状態でのpHなどに応じて適宜、調整できる。
〈顔料〉
顔料としては、特にオフセットコート媒体等の疎水性の表面に耐久性に優れた印刷をすることができる任意の無機顔料、および/または有機顔料が使用可能である。
このうち無機顔料としては、例えば酸化チタン、酸化鉄等の金属化合物や、あるいはコンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造された中性、酸性、塩基性等の種々のカーボンブラックの1種または2種以上が挙げられる。
また有機顔料としては、例えばアゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、またはキレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えばフタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、またはキノフタロン顔料等)、染料キレート(例えば塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等の1種または2種以上が挙げられる。
顔料は、非水性のインクジェットインクの色目に応じて1種または2種以上を用いることができる。また顔料は、後述する顔料分散液中、ひいては前記インクジェットインク中での分散安定性を向上するために表面を処理してもよい。
顔料の具体例としては、下記の各種顔料が挙げられる。
(イエロー顔料)
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、14C、16、17、20、24、73、74、75、83、86、93、94、95、97、98、109、110、114、117、120、125、128、129、130、137、138、139、147、148、150、151、154、155、166、168、180、185、213、214
(マゼンタ顔料)
C.I.ピグメントレッド5、7、9、12、48(Ca)、48(Mn)、49、52、53、57(Ca)、57:1、97、112、122、123、149、168、177、178、179、184、202、206、207、209、242、254、255
(シアン顔料)
C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:3、15:4、15:6、15:34、16、22、60
(ブラック顔料)
C.I.ピグメントブラック7
(オレンジ顔料)
C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71、74
(グリーン顔料)
C.I.ピグメントグリーン7、36
(バイオレット顔料)
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50
顔料は、親水性を付与して水性のインクジェットインク中での分散安定性を向上するために、表面を改質して親水性基を導入しておくのが好ましい。改質により顔料の表面に導入する親水性基としてはカルボキシル基、スルホン基等が挙げられる。顔料は、水に分散させた顔料分散液の状態でインクジェットインクの製造に用いるのが好ましい。
顔料の含有割合は、水性のインクジェットインクの総量の0.5質量%以上、特に2質量%以上であるのが好ましく、10質量%以下、特に6質量%以下であるのが好ましい。なお含有割合は、顔料分散液を使用する場合、前記顔料分散液中に含まれる有効成分としての顔料自体の含有割合である。
〈有機酸のエチレンオキシド付加物〉
水性のインクジェットインクに有機酸塩のエチレンオキシド付加物を含有させると、特にサーマル方式のインクジェットプリンタにおいて、前記インクジェットインクのノズルからの吐出の安定性を向上できる。
その理由は明らかではないが、サーマル方式のインクジェットプリンタにおいて前記インクジェットインクが瞬時に高温(およそ400℃程度)に加熱された際に、有機酸塩のエチレンオキシド付加物が顔料の表面に吸着しようと働きかけて、顔料の分散の安定性が破壊されるのを防止し、分散の安定に寄与するためと考えられる。
有機酸塩のエチレンオキシド付加物としては、例えばクエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、D−リンゴ酸、L−リンゴ酸等の種々のモノ〜トリカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、もしくはアンモニウム塩に、さらにエチレンオキシドを付加させた化合物が挙げられる。
特に水性のインクジェットインクの吐出の安定性を向上する効果の点では、式(5):
Figure 2012046671
〔式中M1、M2、およびM3は同一または異なってナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、アンモニウム基、または水素を示す。ただしM1、M2、およびM3は同時に水素でない。rは1〜28の数を示す。〕
で表されるクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム等のクエン酸のアルカリ金属塩のエチレンオキシド付加物、およびクエン酸アンモニウムのエチレンオキシド付加物からなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましい。
なお式中のrが28を超える化合物は水性のインクジェットインクの粘度を上昇させるとともに流動性を低下させたり、水溶性が低下してインクジェットインク中に析出したりして、前記インクジェットインクの吐出の安定性を低下させるおそれがある。
前記化合物の含有割合は、水性のインクジェットインクの総量の0.01質量%以上、特に0.05質量%以上であるのが好ましく、5質量%以下、特に3質量%以下であるのが好ましい。
含有割合が前記範囲未満では、前記化合物を含有させることによる、先に説明した水性のインクジェットインクの吐出の安定性を向上する効果が不十分になるおそれがある。また前記範囲を超える場合にはノズル等で目詰まりを生じるおそれがある。
〈ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル〉
水性のインクジェットインクに式(6):
Figure 2012046671
〔式中、sは3〜28の数を示す。〕
で表されるポリオキシエチレンフェニルエーテル、および式(7):
Figure 2012046671
〔式中、R4は炭素数8〜10のアルキル基、tは3〜28の数を示す。〕
で表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種を含有させると、先に説明した有機酸塩のエチレンオキシド付加物の機能を補助する働きをして、前記インクジェットインクの吐出の安定性をさらに向上できる。
前記のうち式(6)で表されるポリオキシエチレンフェニルエーテルにおいて、式中のsが3〜28であるのが好ましいのは、sが前記範囲を外れる化合物は有機酸塩のエチレンオキシド付加物の機能を補助する効果が不十分になるおそれがあるためである。
また、特にsが28を超える化合物は水性のインクジェットインクの粘度を上昇させるとともに流動性を低下させたり、水溶性が低下して前記水性のインクジェットインク中に析出したりして、前記インクジェットインクの吐出の安定性を低下させるおそれもある。
前記式(6)のポリオキシエチレンフェニルエーテルの具体例としては、sが6である式(8):
Figure 2012046671
で表される化合物が挙げられる。
また式(7)で表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルにおいて、式中のtが3〜28で、かつR4のアルキル基の炭素数が8〜10であるのが好ましいのは、tが前記範囲を外れる化合物や、R4のアルキル基の炭素数が前記範囲を外れる化合物はいずれも、有機酸塩のエチレンオキシド付加物の機能を補助する効果が不十分になるおそれがあるためである。
また、特にtが28を超える化合物や、R4のアルキル基の炭素数が10を超える化合物は水性のインクジェットインクの粘度を上昇させるとともに流動性を低下させたり、水溶性が低下してインクジェットインク中に析出したりして、前記インクジェットインクの吐出の安定性を低下させるおそれもある。
前記式(7)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの具体例としては、tが25でR4のアルキル基の炭素数が8である式(9):
Figure 2012046671
で表される化合物が挙げられる。
なお式(7)の化合物には、R4のアルキル基が、フェニル基上の、ポリオキシエチレン基からみてo位、m位およびp位に結合した3種の化合物があるが、本発明ではいずれの化合物を用いることもできる。また前記3種の化合物のうち2種以上の混合物を用いることもできる。
式(6)のポリオキシエチレンフェニルエーテルおよび/または式(7)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの含有割合は、水性のインクジェットインクの総量の0.02質量%以上、特に0.1質量%以上であるのが好ましく、7質量%以下、特に5質量%以下であるのが好ましい。
含有割合が前記範囲未満では、これらの化合物を含有させたことによる、先に説明したインクジェットインクの吐出を安定させる効果を補助する補助効果が不十分になるおそれがある。
また前記範囲を超える場合には、ヘッド内で目詰まりを生じるおそれがある。
なお含有割合は、式(6)(7)の化合物をいずれか単独で使用する場合は前記化合物単独での含有割合であり、2種以上を併用する場合は、併用する化合物の合計の含有割合である。
式(6)(7)の化合物は、それぞれ補助効果のメカニズムが異なっていると考えられるため、両者を併用するのが好ましい。
特に式(8)の化合物と式(9)の化合物との併用系が、補助効果の点で好ましい。
〈アセチレングリコール類、グリコールエーテル類〉
水性のインクジェットインクにアセチレングリコール類および/またはグリコールエーテル類を含有させると、これらの化合物は式(6)のポリオキシエチレンフェニルエーテルおよび/または式(7)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの補助効果をさらに補完する補完効果を有するため、前記インクジェットインクの吐出の安定性をさらに向上できる。
前記アセチレングリコール類としては、日信化学工業(株)製のサーフィノール(登録商標)104およびそのシリーズ品、同サーフィノール61、420、440、465、485、同ダイノール604、同オルフィン(登録商標)E4001、4036、4051などの1種または2種以上が挙げられる。
アセチレングリコール類の含有割合は、水性のインクジェットインクの総量の0.01質量%以上、特に0.05質量%以上であるのが好ましく、5質量%以下、特に3質量%以下であるのが好ましい。
含有割合が前記範囲未満では、前記化合物を含有させることによる、先に説明した補完効果が不十分になるおそれがある。また前記範囲を超える場合には、印刷の耐水性が低下するおそれがある。
また水性のインクジェットインクに、式(10):
Figure 2012046671
〔式中、uおよびvは、それぞれ別個に0〜40の数を示す。ただしu、vは同時に0でなく、u+vは1〜40の数を示す。〕
で表されるアセチレングリコール類を含有させると、先に説明した補完効果に加えて、前記水性のインクジェットインクの、特にオフセットコート媒体の中でも疎水性の高いグロス調のUV媒体に対する濡れ性を改善する効果を得ることもできる。
UVコート媒体とは、基材の表面を紫外線(UV)硬化型樹脂の硬化物からなるコーティング膜(UVコーティング膜)でコートしたオフセットコート媒体を指す。
前記式(10)で表されるアセチレングリコール類としては、前記例示の各種化合物のうちサーフィノール420〔式(10)中のu、vの数が異なる複数成分の混合物からなり、u+vの平均値が1.3〕、440〔式(10)中のu、vの数が異なる複数成分の混合物からなり、u+vの平均値が3.5〕、465〔式(10)中のu、vの数が異なる複数成分の混合物からなり、u+vの平均値が10〕、485〔式(10)中のu、vの数が異なる複数成分の混合物からなり、u+vの平均値が30〕等が挙げられる。
一方、グリコールエーテル類としては、例えばエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル等の1種または2種以上が挙げられる。
グリコールエーテル類の含有割合は、水性のインクジェットインクの総量の0.5質量%以上、特に1質量%以上であるのが好ましく、10質量%以下、特に7質量%以下であるのが好ましい。
含有割合が前記範囲未満では、前記化合物を含有させたことによる、先に説明した補完効果が不十分になるおそれがある。また前記範囲を超える場合には、前記化合物が不揮発性の液体であるため前記水性のインクジェットインクが乾燥しにくくなるおそれがある。また前記インクジェットインクの保存安定性が低下するおそれもある。
〈その他の添加剤等〉
水性のインクジェットインクには、従来公知の種々の添加剤を含有させてもよい。前記添加剤としては、例えば防かび剤、殺生剤等が挙げられる。
前記各成分に水を加えることで水性のインクジェットインクが調製される。またインクジェットインクの特性(例えば表面張力や粘度等)をインクジェット印刷に適した範囲に調整したりするため、前記インクジェットインクには、さらにエタノール、イソプロパノール等の1価のアルコールや、1,2−ヘキサンジオール、プロピレングリコール等、種々の水溶性の有機溶剤を添加してもよい。
《水性のインクジェットインク(樹脂媒体用)》
〈アミド系溶剤(1)〉
前記(i)の水性のインクジェットインクのうち、ターポリン等の樹脂媒体への印刷用のインクジェットインクにおいて、アミド系溶剤(1)の含有割合は、前記インクジェットインクの総量の1質量%以上、特に5質量%以上であるのが好ましく、20質量%以下、特に15質量%以下であるのが好ましい。
含有割合が前記範囲未満では、アミド系溶剤(1)を含有させることによる、前記インクジェットインクの乾燥性を向上したり、樹脂媒体の表面に対して印刷の定着性に優れた良好な印刷をしたりする効果が十分に得られないおそれがある。
また前記範囲を超えてもそれ以上の効果が得られないだけでなく、前記アミド系溶剤(1)は溶解力が非常に強いため、インクジェットプリンタのヘッドを損傷させたり腐食させたりするおそれがある。またカーボンブラック等の無機顔料であれば問題ないが、有機顔料の場合は、その強い溶解力によって前記有機顔料を侵食してしまうおそれもある。
〈界面活性剤〉
界面活性剤としては、顔料の水中への分散性を向上したり、水性のインクジェットインクの、疎水性のコーティング膜の表面への濡れ性を向上したりするために機能する種々の界面活性剤がいずれも使用可能である。
前記界面活性剤としては、例えばポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤や、アセチレングリコール系界面活性剤等が挙げられる。
このうちポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、例えば日信化学工業(株)製のシルフェイス(登録商標)SAG002、SAG503A等が挙げられる。
またアセチレングリコール系界面活性剤としては、先にオフセットコート媒体用の水性のインクジェットインクにおいて説明したアセチレングリコール類が挙げられる。すなわちアセチレングリコール系界面活性剤としては、日信化学工業(株)製のサーフィノール(登録商標)104およびそのシリーズ品、同サーフィノール61、420、440、465、485、同ダイノール604、同オルフィン(登録商標)E4001、4036、4051などの1種または2種以上が挙げられる。
特に水性のインクジェットインクの、疎水性のコーティング膜の表面への濡れ性を向上する効果を考慮すると、前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤と、アセチレングリコール系界面活性剤とを併用するのが好ましい。
前記界面活性剤の含有割合は、水性のインクジェットインクの総量の0.1質量%以上、特に0.5質量%以上であるのが好ましく、5質量%以下、特に2質量%以下であるのが好ましい。なお前記含有割合は、前記2種の界面活性剤を併用する場合は、両者の合計の含有割合である。
〈バインダ樹脂〉
水性のインクジェットインクにバインダ樹脂を含有させると、前記バインダ樹脂が、樹脂媒体の表面と顔料とのバインダとして機能するため、印刷の耐水性や耐擦過性を向上できる。
前記バインダ樹脂としては、ターポリン等の樹脂媒体の、ポリ塩化ビニル系樹脂からなる表面に対する定着性に優れた、例えばアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂等の各種の樹脂がいずれも使用可能である。
中でも、バインダ樹脂を水性のインクジェットインク中にできるだけ均一に含有させることを考慮すると、前記バインダ樹脂としては、それ自体が水溶性であるのものを水溶液の状態で使用したり、あるいは非水溶性ないし難水溶性のバインダ樹脂を水性媒体中に均一に分散させたエマルション(乳濁液)や懸濁液等の状態で使用したりするのが好ましい。
このうち前者の水溶性のバインダ樹脂の水溶液としては、水溶性のスチレン−アクリル系樹脂の水溶液であるBASFジャパン(株)製のジョンクリル(JONCRYL、登録商標)52J、57J、60J、61J、62J、63J、70J、354J、501J、6610、HPD−96J、PDX−6102B等の1種または2種以上が挙げられる。
また後者の、非水溶性ないし難水溶性のバインダ樹脂のエマルションとしては、非水溶性ないし難水溶性のスチレン−アクリル系樹脂のエマルションであるBASFジャパン(株)製のジョンクリル(JONCRYL、登録商標)352D、352J、537J、538J、734、775、852、1535、7600、PDX−7145、PDX−7630A等の1種または2種以上が挙げられる。
前記非水溶性ないし難水溶性のバインダ樹脂は相対的に分子量が大きいため、樹脂媒体の表面に印刷される画像や文字の強度を高めるために機能する。また前記水溶性のバインダ樹脂は相対的に分子量が小さいため、前記画像や文字の可撓性を高めて印刷の定着性や耐擦過性を向上したりできる。
そのためバインダ樹脂としては、前記2種のバインダ樹脂を併用するのが好ましい。
バインダ樹脂の含有割合は、水性のインクジェットインクの総量の0.5質量%以上、特に1質量%以上であるのが好ましく、8質量%以下、特に4質量%以下であるのが好ましい。
なお含有割合は、前記のように2種のバインダ樹脂を併用する場合は、両者の合計の含有割合である。また含有割合は、バインダ樹脂の水溶液やエマルションを使用する場合、これらに含まれる有効成分としてのバインダ樹脂自体の含有割合である。
〈顔料〉
顔料としては、先に説明したように屋外の広告等に使用することを考慮して耐光性、耐候性等に優れた任意の無機顔料、および/または有機顔料が使用可能である。
前記無機顔料、および/または有機顔料としては、先にオフセットコート媒体用の水性のインクジェットインクにおいて説明したものが挙げられる。
顔料は、水性のインクジェットインク中での分散安定性を向上するべく、先に説明したように親水性を付与したり、あるいは樹脂で分散処理をしたりしておくのが好ましく、中でも樹脂で分散処理をした顔料が特に好ましい。また顔料は、水に分散させた顔料分散液の状態でインクジェットインクの製造に用いるのが好ましい。
顔料の含有割合は、水性のインクジェットインクの総量の0.5質量%以上、特に2質量%以上であるのが好ましく、10質量%以下、特に6質量%以下であるのが好ましい。なお含有割合は、顔料分散液を使用する場合、前記顔料分散液中に含まれる有効成分としての顔料自体の含有割合である。
〈その他の添加剤等〉
水性のインクジェットインクには、先に説明したように防かび剤、殺生剤等の、従来公知の種々の添加剤を含有させてもよい。
前記各成分に水を加えることで水性のインクジェットインクが調製される。またインクジェットインクの特性(例えば表面張力や粘度等)をインクジェット印刷に適した範囲に調整したりするため、前記インクジェットインクには、さらにエタノール、イソプロパノール等の1価のアルコールや、1,2−ヘキサンジオール、プロピレングリコール等、種々の水溶性の有機溶剤を添加してもよい。
《非水性のインクジェットインク》
〈アミド系溶剤(1)〉
前記(ii)の非水性のインクジェットインクにおいて、アミド系溶剤(1)の含有割合は、前記インクジェットインクの総量の1質量%以上、特に3質量%以上であるのが好ましく、30質量%以下、特に20質量%以下であるのが好ましい。
含有割合が前記範囲未満では、アミド系溶剤(1)を含有させることによる、前記インクジェットインクの乾燥性を向上する効果が十分に得られないおそれがある。
また、例えば前記インクジェットインクを袋体内に真空充てんして保管した際に、未反応のモノマーのラジカル重合反応によって生成した高分子量の成分を前記アミド系溶剤(1)の高い溶解性を利用して良好に溶解してゲル化が生じるのを抑制する効果が十分に得られないおそれもある。
また前記範囲を超えてもそれ以上の効果が得られないだけでなく、前記アミド系溶剤(1)は溶解力が非常に強いため、インクジェットプリンタのヘッドを損傷させたり腐食させたりするおそれがある。またカーボンブラック等の無機顔料であれば問題ないが、有機顔料の場合は、その強い溶解力によって前記有機顔料を侵食してしまうおそれもある。
〈他の溶剤〉
アミド系溶剤(1)の含有割合を前記範囲内としてインクジェットインクの溶解性を調整したり、前記インクジェットインクの特性(例えば表面張力や粘度等)をインクジェット印刷に適した範囲に調整したりするため、非水性のインクジェットインクには他の溶剤を含有させるのが好ましい。かかる他の溶剤としては、先に説明したアルキレングリコール誘導体等が挙げられる。
また前記アルキレングリコール誘導体としては、例えばエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、およびジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、およびプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、イソプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、およびトリプロピレングリコールジメチルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
〈バインダ樹脂〉
バインダ樹脂としては、先に説明したように懸濁重合法または乳化重合法によって合成されたポリ塩化ビニル系樹脂が用いられる。
また塩化ビニルに酢酸ビニルを共重合させると、非水性のインクジェットインク中への溶解性を向上させたり、前記樹脂媒体の表面に印刷される画像や文字の可撓性を高めて印刷の耐擦過性を向上したりできる。
そのためポリ塩化ビニル系樹脂としては、前記懸濁重合法や乳化重合法によって合成された塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体がより一層好ましい。
前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の分子量や酢酸ビニル含量は任意に設定できるが、懸濁重合法によって合成される塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は、数平均分子量Mnが5000以上、特に10000以上であるのが好ましく、100000以下、特に30000以下であるのが好ましい。
数平均分子量Mnが前記範囲未満では、樹脂媒体に対する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の定着性が低下して、印刷の耐擦過性等が低下するおそれがある。
また前記範囲を超える場合にはインクジェットインクの粘度が高くなりすぎて、インクジェットプリンタのヘッドのノズルから液滴として良好に吐出できないおそれがある。
また懸濁重合法によって合成される塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含量は1質量%以上、中でも10質量%以上、特に13質量%以上であるのが好ましく、36質量%以下、中でも22質量%以下、特に15質量%以下であるのが好ましい。
酢酸ビニル含量が前記範囲未満では、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の溶解性が低下して、前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が非水性のインクジェットインク中に析出しやすくなり、前記インクジェットインクの安定性が低下するおそれがある。
また前記範囲を超える場合には、樹脂媒体に対する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の定着性が低下して、印刷の耐擦過性等が低下するおそれがある。
前記懸濁重合法によって合成される塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては、例えば日信化学工業(株)製のSOLBIN(登録商標)シリーズの塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のうち品番CL(数平均分子量Mn:25000、酢酸ビニル含量:14質量%)、CNL(数平均分子量Mn:12000、酢酸ビニル含量:10質量%)、C5R(数平均分子量Mn:27000、酢酸ビニル含量:21質量%)、AL(数平均分子量Mn:22000、酢酸ビニル含量:2質量%)、TA5R(数平均分子量Mn:28000、酢酸ビニル含量:1質量%)、TA0(数平均分子量Mn:15000、酢酸ビニル含量:2質量%)、TA3(数平均分子量Mn:24000、酢酸ビニル含量:4質量%)等の1種または2種以上が挙げられる。
また乳化重合法によって合成される塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体は、重量平均分子量Mwが5000以上、中でも30000以上、特に45000以上であるのが好ましく、100000以下、中でも60000以下、特に55000以下であるのが好ましい。
重量平均分子量Mwが前記範囲未満では、樹脂媒体に対する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の定着性が低下して、印刷の耐擦過性等が低下するおそれがある。
また前記範囲を超える場合には非水性のインクジェットインクの粘度が高くなりすぎて、インクジェットプリンタのヘッドのノズルから液滴として良好に吐出できないおそれがある。
また乳化重合法によって合成される塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含量は1質量%以上、中でも10質量%以上、特に14質量%以上であるのが好ましく、36質量%以下、中でも20質量%以下、特に16質量%以下であるのが好ましい。
酢酸ビニル含量が前記範囲未満では、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の溶解性が低下して、前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が非水性のインクジェットインク中に析出しやすくなり、前記インクジェットインクの保存安定性が低下するおそれがある。
また前記範囲を超える場合には、樹脂媒体に対する塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の定着性が低下して、印刷の耐擦過性等が低下するおそれがある。
前記乳化重合法によって合成される塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては、例えばワッカーケミー社製のVINNOL(登録商標)シリーズの塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のうち品番E15/45(重量平均分子量Mw:45000〜55000、酢酸ビニル含量:15.0±1.0質量%)、H14/36(重量平均分子量Mw:30000〜40000、酢酸ビニル含量:14.4±1.0質量%)、H15/42(重量平均分子量Mw:35000〜50000、酢酸ビニル含量:14.0±1.0質量%)、H40/43(重量平均分子量Mw:40000〜50000、酢酸ビニル含量:34.3±1.0質量%)、E15/45M(重量平均分子量Mw:50000〜60000、酢酸ビニル含量:15.0±1.0質量%)、E15/40M(重量平均分子量Mw:40000〜50000、酢酸ビニル含量:15.0±1.0質量%)等の1種または2種以上が挙げられる。
前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のバインダ樹脂の含有割合は、非水性のインクジェットインクの総量の1質量%以上、特に3質量%以上であるのが好ましく、10質量%以下、特に7質量%以下であるのが好ましい。
含有割合が前記範囲未満では、バインダ樹脂を含有させることによる、顔料を樹脂媒体の表面に強固に定着させる効果が十分に得られず、印刷の耐擦過性が低下するおそれがある。
また含有割合が前記範囲を超える場合には前記インクジェットインクの粘度が高くなりすぎて、インクジェットプリンタのヘッドのノズルから液滴として良好に吐出できないおそれがある。
〈ラジカル重合禁止剤〉
非水性のインクジェットインクにラジカル重合禁止剤を加えると、先に説明したように、例えば袋体内に真空充てんして保管した際に、未反応のモノマーのラジカル重合反応とそれによる高分子量の成分の生成を防止して、ゲル化の発生をより一層有効に抑制することができる。
ラジカル重合禁止剤としては、前記機能を有する種々の化合物が、いずれも使用可能である。前記ラジカル重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン類、カテコール類、ヒンダードアミン化合物、フェノール類、フェノチアジン類、縮合芳香族環のキノン類等の1種または2種以上が挙げられる。
このうちハイドロキノン類としては、例えばハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、1−o−2,3,5−トリメチロールハイドロキノン、2−tert−ブチルハイドロキノン等の1種または2種以上が挙げられる。
またカテコール類としては、例えばカテコール、4−メチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール等の1種または2種以上が挙げられる。
ヒンダードアミン化合物としては、重合禁止効果を有する任意のヒンダードアミン化合物が挙げられ、中でも分子中にテトラメチルピペリジニル基を有するヒンダードアミン化合物の1種または2種以上が好ましい。
フェノール類としては、例えばフェノール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ピロガロール、没食子酸アルキルエステル、ヒンダードフェノール化合物等の1種または2種以上が挙げられる。
フェノチアジン類としては、例えばフェノチアジン等が挙げられる。
さらに縮合芳香族環のキノン類としては、例えばナフトキノン等が挙げられる。
中でもラジカル重合禁止剤としては、前記重合禁止効果の効率に優れ、モノマーのラジカル重合反応を効率よく禁止してゲル化を防止できるヒンダードアミン化合物、およびヒンダードフェノール化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種、特にヒンダードアミン化合物が好ましい。
また前記ヒンダードアミン化合物の中でも分子中にテトラメチルピペリジニル基を有するヒンダードアミン化合物、特に4,4′−[(1,10−ジオキソ-1,10−デカンジイル)ビス(オキシ)]ビス[2,2,6,6−テトラメチル]−1−ピペリジジニルオキシ〔チバ社製のイルガスタブ(IRGASTAB、登録商標)UV10〕等が、前記重合禁止効果の効率に特に優れるため、ラジカル重合禁止剤としてより一層好適に使用される。
ヒンダードアミン化合物等のラジカル重合禁止剤の含有割合は、非水性のインクジェットインクの総量の0.2質量%以上、特に0.5質量%以上であるのが好ましく、2質量%以下、特に1.5質量%以下であるのが好ましい。
含有割合が前記範囲未満では、ヒンダードアミン化合物を含有させることによる、ポリ塩化ビニル系樹脂中に含まれる未反応のモノマーのラジカル重合反応を禁止してゲル化を防止する効果が十分に得られないおそれがある。
また前記範囲を超えてもそれ以上の効果が得られないだけでなく、過剰のヒンダードアミン化合物が顔料の発色を阻害して、樹脂媒体の表面に印刷される画像や文字の色相を変化させるおそれがある。
また、例えば前記イルガスタブUV10は常温で褐色のパウダー状を呈し、他のヒンダードアミン化合物も同様であることから、その含有割合が前記範囲を超える場合には前記インクジェットインクの粘度が上昇して、ノズルから吐出させる際の吐出安定性が低下したり、過剰のヒンダードアミン化合物が析出して印刷の定着性を低下させたり画質を低下させたりするおそれもある。
またヒンダードフェノール化合物としては、例えば76〜90質量%のグリセリンプロポキシレートとアクリル酸のエステルと、24〜10質量%のメチルキノンとの混合物〔チバ社製のイルガスタブ(IRGASTAB)UV22〕等が挙げられる。
前記ヒンダードフェノール化合物の含有割合は、非水性のインクジェットインクの総量の1質量%以上、2質量%以下であるのが好ましい。
含有割合が前記範囲未満では、ヒンダードフェノール化合物を含有させることによる、ポリ塩化ビニル系樹脂中に含まれる未反応のモノマーのラジカル重合反応を禁止してゲル化を防止する効果が十分に得られないおそれがある。
また前記範囲を超えてもそれ以上の効果が得られないだけでなく、過剰のヒンダードフェノール化合物が顔料の発色を阻害して、樹脂媒体の表面に印刷される画像や文字の色相を変化させるおそれがある。
また、例えば前記イルガスタブUV22は常温で黄色の粘稠な液状を呈し、他のヒンダードフェノール化合物も同様であることから、その含有割合が前記範囲を超える場合には前記インクジェットインクの粘度が上昇して、ノズルから吐出させる際の吐出安定性が低下したり、過剰のヒンダードフェノール化合物が析出して印刷の定着性を低下させたり画質を低下させたりするおそれもある。
〈顔料〉
顔料としては、先に説明したように屋外の広告等に使用することを考慮して耐光性、耐候性等に優れた任意の無機顔料、および/または有機顔料が使用可能である。
前記無機顔料、および/または有機顔料としては、先にオフセットコート媒体用の水性のインクジェットインクにおいて説明したものが挙げられる。
顔料の含有割合は、非水性のインクジェットインクの総量の0.1質量%以上、特に0.4質量%以上であるのが好ましく、10質量%以下、特に8質量%以下であるのが好ましい。
顔料は、非水性のインクジェットインクを構成する溶剤との相溶性に優れ、しかも顔料を良好に分散させることができる任意の溶剤に分散させて調製した顔料分散液の状態でインクジェットインクの製造に用いるのが好ましい。また顔料分散液には、顔料を良好に分散させるために分散剤等を添加してもよい。
顔料分散液を使用する場合、前記顔料の含有割合は、前記顔料分散液中に含まれる有効成分としての顔料自体の含有割合である。
〈金属配位化合物〉
非水性のインクジェットインクは、金属配位化合物を含んでいてもよい。
前記金属配位化合物は、インクジェットプリンタのヘッドのノズルを構成するノズルプレート等の、前記非水性のインクジェットインクに対する濡れ性を調整して、前記インクジェットインクをノズルから良好に吐出できるようにするため前記ノズルプレート等の表面に形成される、フッ素樹脂とニッケルとの共析被膜等の、非水性のインクジェットインクをはじく性質を有する被膜(撥インク性被膜)中のニッケルと配位することで、前記撥インク性被膜の、前記インクジェットインク中に含まれるアミド系溶剤(1)等に対する耐性を向上するために機能する。
前記金属配位化合物としては、例えばイミダゾール類、ベンゾトリアゾール類等の含窒素化合物の1種または2種以上が挙げられる。
特にニッケルと良好に配位させて前記撥インク性被膜の耐性をより一層良好に向上させる効果に優れるとともに、先に説明したように塩基性を呈しないためラジカル重合反応を促進するおそれがない上、それ自体もラジカル重合禁止剤として機能しうるベンゾトリアゾール類が、前記金属配位化合物としては好ましい。
前記ベンゾトリアゾール類の具体例としては、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
前記金属配位化合物の含有割合は、非水性のインクジェットインクの総量の0.1質量%以上、特に0.3質量%以上であるのが好ましく、5質量%以下、特に3質量%以下であるのが好ましい。
含有割合が前記範囲未満では、前記金属配位化合物を含有させることによる、撥インク性被膜の、有機溶媒に対する耐性を向上する効果が十分に得られないおそれがある。
また含有割合が前記範囲を超える場合には前記インクジェットインクの粘度が上昇して、ノズルから吐出させる際の吐出安定性が低下したり、過剰の金属配位化合物が析出して印刷の定着性を低下させたりするおそれがある。
〈その他〉
非水性のインクジェットインクには、前記各成分に加えてさらに、ポリ塩化ビニル系樹脂の脱塩酸反応によって生じる塩素を捕捉するためのエポキシ化物や、あるいは高分子分散剤、界面活性剤、可塑剤、帯電防止剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、防かび剤、殺生剤当の種々の添加剤を、必要に応じて任意の割合で含有させてもよい。
(エポキシ化物)
前記のうちエポキシ化物は、バインダ樹脂としてのポリ塩化ビニル系樹脂が脱塩酸反応を生じて、非水性のインクジェットインクのpHが酸性側に移行するのを抑制し、それによってインクジェットプリンタのヘッドの損傷や腐食、顔料の凝集や沈降等を生じにくくするために添加される。
前記エポキシ化物としては、分子中にエポキシ基を有し、かつ、前記インクジェットインク中に良好に溶解することができる種々の化合物が使用可能である。
かかるエポキシ化物としては、例えばエポキシグリセリド、エポキシ脂肪酸モノエステル、エポキシヘキサヒドロフタレート、エポキシ樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。中でもエポキシグリセリド、エポキシ脂肪酸モノエステル、エポキシヘキサヒドロフタレート等が好ましい。
前記各種のエポキシ化物は、バインダ樹脂としてのポリ塩化ビニル系樹脂や、あるいはエポキシ化物の一方の代表例であるエポキシ樹脂に比べて分子量が小さいにも拘らず、多数のエポキシ基を含有している。
そのため、樹脂媒体の表面へのポリ塩化ビニル系樹脂の定着を妨げて印刷の定着性を低下させたり、非水性のインクジェットインクの粘度を上昇させて良好な吐出安定性を阻害したりすることなしに、前記ポリ塩化ビニル系樹脂から発生した塩酸をより確実に、分子中に取り込むことができる。
前記のうちエポキシ脂肪酸モノエステルとしては、例えばエポキシ化オレイン酸ブチル、エポキシ化オレイン酸オクチル、エポキシ化大豆脂肪酸ブチル、エポキシ化大豆脂肪酸オクチル、エポキシ化亜麻仁油脂肪酸ブチル、エポキシ化亜麻仁油脂肪酸オクチル等の1種または2種以上が挙げられる。
またエポキシグリセリドとしては、例えば大豆油、亜麻仁油、綿実油、紅花油、サフラワー油、ひまわり油、桐油、ひまし油、とうもろこし油、なたね油、ごま油、オリーブ油、パーム油、グレープシード油、魚油等の油類のエポキシ化物の1種または2種以上が挙げられる。
中でもエポキシグリセリドとしてのエポキシ化大豆油、および/またはエポキシ化亜麻仁油は、前記各種エポキシ化物の中でも、より多数のエポキシ基を分子中に含有しており、先に説明した効果に特に優れることから、エポキシ化物として特に好適に使用される。
エポキシ化物の添加量は、ポリ塩化ビニル系樹脂の添加量の3〜100重量%、特に10〜40重量%であるのが好ましい。
添加量が前記範囲未満では、エポキシ化物を含有させることによる、ポリ塩化ビニル系樹脂の脱塩酸反応によって発生した塩酸を分子中に取り込んで、非水性のインクジェットインクのpHが酸性側に移行するのを抑制する効果が十分に得られないおそれがある。
また前記範囲を超える場合には、過剰のエポキシ化物が、ポリ塩化ビニル系樹脂の、樹脂媒体の表面への定着を妨げて印刷の定着性を低下させたり、前記インクジェットインクの粘度を上昇させて良好な吐出安定性を阻害したりするおそれがある。
前記(i)の水性のインクジェットインクや(ii)の非水性のインクジェットインク等の、本発明のインクジェットインクは、例えばサーマル方式〔サーマルジェット(登録商標)方式、バブルジェット(登録商標)方式〕、ピエゾ方式等の、いわゆるオンデマンド型のインクジェットプリンタに使用できる他、インクを循環させながらインクの液滴を形成して印刷を行う、いわゆるコンティニュアス型のインクジェットプリンタにも使用可能である。
以下の実施例、比較例におけるインクジェットインクの調製、並びに評価試験を、特記した以外は温度25℃、相対湿度55%の環境下で実施した。
《水性のインクジェットインク(オフセットコート媒体用)》
〈実施例1−1〉
界面活性剤としては式(4)中のnが4〜16、mが2〜3の化合物の混合物の溶液であるフッ素系界面活性剤〔デュポン(株)製のゾニール(ZONYL)FS−300、有効成分:40質量%〕を用いた。
顔料としては表面改質されたカーボンブラックの水分散液〔キャボット社(Cabot Corp.)製のCAB−O−JET(登録商標)300、固形分:15質量%〕を用い、アミド系溶剤(1)としては前記式(2)で表される化合物〔分子量:131.2、沸点:216℃、出光興産(株)製のエクアミド(登録商標)M100〕を用いた。
バインダ樹脂としてはアルカリ可溶性のアクリル樹脂〔BASFジャパン(株)製のジョンクリル(JONCRYL、登録商標)682、重量平均分子量Mw=1700〕を用い、前記アクリル樹脂をインクジェットインク中に溶解させるための塩基性物質としては2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを用いた。
有機酸のエチレンオキシド付加物としては式(5)中のM1〜M3がいずれもナトリウム、rが6であるクエン酸ナトリウムのエチレンオキシド付加物を用い、ポリオキシエチレンフェニルエーテルとしては式(8)で表される化合物を用い、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとしては式(9)で表される化合物を用いた。
アセチレングリコール類としては日信化学工業(株)製のサーフィノール(登録商標)420を用い、殺生剤としてはアーチ・ケミカルズ・ジャパン(株)製のプロキセル(PROXEL)XL2を用いた。
前記各成分を、イソプロパノールおよび超純水とともに、後述する表2に示す割合で配合して混合した後、5μmのメンブランフィルタを用いてろ過してインクジェットインクを調製した。
〈実施例1−2〉
アミド系溶剤(1)として、式(2)で表される化合物に代えて、前記式(3)で表される化合物〔分子量:173.3、沸点:252℃、出光興産(株)製のエクアミドB100〕を同量加えたこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例1−1〉
式(2)で表される化合物に代えて、1,3−ジメチルイミダゾリジノンを同量加えたこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例1−2〉
式(2)で表される化合物に代えて、N−メチル−2−ピロリドンを同量加えたこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例1−3〉
式(2)で表される化合物に代えて、N−メチル−2−ピロリドンを同量加えるとともに、バインダ樹脂として、前記アルカリ可溶性のアクリル樹脂に代えて、スチレンと無水マレイン酸とマレイン酸の部分エステルとの三元共重合樹脂〔サートマー社製のSMA 1440F、酸価:185mgKOH/g、重量平均分子量Mw=7000、数平均分子量Mn=2800、ガラス転移温度Tg=60℃〕を同量加えたこと以外は実施例1−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈乾燥性試験〉
実施例、比較例で調製したインクジェットインクを、サーマル方式のインクジェットプリンタ〔ビデオジェット(株)製のプリントメールワイドアレイ(Print Mail Wide Array)〕に使用して、それぞれ下記表1に示す16種のオフセットコート媒体の表面にバーコード(CODE 39)を印刷し、温度25℃、相対湿度40%の環境下で15分間、自然乾燥させた。
次いで、綿棒を用いて20gの荷重をかけながらこすった後の印刷を観察して、下記の基準で乾燥性を評価した。
◎:16種のいずれのオフセット媒体においても、印刷のにじみは観察されなかった。乾燥性極めて良好。
○:いくつかのオフセット媒体において僅かに印刷のにじみが観察されたが、全体的には問題なかった。乾燥性良好。
×:少なくともいずれかのオフセット媒体において顕著な印刷のにじみが観察された。乾燥性不良。
Figure 2012046671
〈定着性試験〉
実施例、比較例で調製したインクジェットインクを、前記と同じサーマル方式のインクジェットプリンタに使用して、それぞれ上記表1に示す16種のオフセットコート媒体の表面にバーコード(CODE 39)を印刷し、出力3200Wのヒータを用いて5秒間、加熱乾燥させた。
次いで、綿棒を用いて40gの荷重をかけながらこすった後の印刷を観察して、下記の基準で定着性を評価した。
○:16種のいずれのオフセット媒体においても、印刷のにじみは観察されなかった。定着性極めて良好。
×:少なくともいずれかのオフセット媒体において顕著な印刷のにじみが観察された。定着性不良。
以上の結果を表2に示す。
Figure 2012046671
表2より、アミド系溶剤(1)を含む実施例1−1、1−2のインクジェットインクは、前記アミド系溶剤(1)に代えて従来の他の溶剤を含む比較例1−1〜1−3のインクジェットインクに比べて乾燥性に優れる上、種類のオフセットコート媒体の表面にいずれも定着性に優れた良好な印刷をできることが判った。
また実施例1−1、1−2を比較すると、アミド系溶剤(1)としては、式(3)で表される化合物よりも式(2)で表される化合物の方が、インクジェットインクの乾燥性を向上する効果に優れていることが判った。
《水性のインクジェットインク(樹脂媒体用)》
〈実施例2−1〉
界面活性剤としては、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤〔日信化学工業(株)製のシルフェイス(登録商標)SAG002〕と、アセチレングリコール系界面活性剤〔日信化学工業(株)製のサーフィノール(登録商標)104PA〕を用いた。
顔料としては、樹脂で分散処理したカーボンブラックの水分散液〔大日本インキ化学(株)製のDEXCEL BLACK JPD−905FX、固形分:15質量%〕を用い、アミド系溶剤(1)としては前記式(2)で表される化合物〔分子量:131.2、沸点:216℃、出光興産(株)製のエクアミド(登録商標)M100〕を用いた。
バインダ樹脂としてはスチレン−アクリル系樹脂の水溶液〔重量平均分子量Mw=8500、固形分:34質量%〕と、スチレン−アクリル系樹脂のエマルション〔重量平均分子量Mw:20万以上、固形分:45質量%〕とを用いた。
殺生剤としてはアーチ・ケミカルズ・ジャパン(株)製のプロキセル(PROXEL)XL2を用いた。
前記各成分を、1,2−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、および超純水とともに、表3に示す割合で配合して混合した後、5μmのメンブランフィルタを用いてろ過してインクジェットインクを調製した。
〈実施例2−2〉
アミド系溶剤(1)として、式(2)で表される化合物に代えて、前記式(3)で表される化合物〔分子量:173.3、沸点:252℃、出光興産(株)製のエクアミドB100〕を同量加えたこと以外は実施例2−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例2−1〉
式(2)で表される化合物に代えて、N−メチル−2−ピロリドンを同量加えたこと以外は実施例2−2と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈乾燥性試験〉
実施例、比較例で調製したインクジェットインクを、ピエゾ方式のインクジェットプリンタ〔セイコーエプソン(株)製のワークフォースプリンタ〕に使用して、表面がポリ塩化ビニル樹脂によってコートされたターポリンの前記表面に100%のベタパターンを印刷し、温度25℃、相対湿度40%の環境下で10分間、自然乾燥させた。
次いで、綿棒を用いて20gの荷重をかけながらこすった後の印刷を観察して、下記の基準で乾燥性を評価した。
◎:印刷のにじみは観察されなかった。乾燥性極めて良好。
○:印刷のにじみが僅かに観察されたが、問題のないレベルであった。乾燥性良好。
×:印刷のにじみが観察された。乾燥性不良。
〈定着性試験〉
実施例、比較例で調製したインクジェットインクを、前記と同じピエゾ方式のインクジェットプリンタに使用して、表面がポリ塩化ビニル樹脂によってコートされたターポリンの前記表面に100%のベタパターンを印刷し、温度25℃、相対湿度40%の環境下で24時間、自然乾燥させた。
次いで、爪で引っ掻いた後の印刷を観察して、下記の基準で定着性を評価した。
○:印刷に剥がれは見られなかった。定着性良好。
×:印刷に剥がれが見られた。定着性不良。
以上の結果を表3に示す。
Figure 2012046671
表3より、アミド系溶剤(1)を含む実施例2−1、2−2のインクジェットインクは、前記アミド系溶剤(1)に代えて従来の他の溶剤を含む比較例2−1のインクジェットインクに比べて乾燥性に優れる上、樹脂媒体の表面に定着性に優れた良好な印刷をできることが判った。
また実施例2−1、2−2を比較すると、アミド系溶剤(1)としては、式(3)で表される化合物よりも式(2)で表される化合物の方が、インクジェットインクの乾燥性を向上する効果に優れていることが判った。
《非水性のインクジェットインク》
〈実施例3−1〉
(樹脂溶液の調製)
ジエチレングリコールモノエチルエーテル(2EG−1E)13質量部をかく拌しながら、バインダ樹脂としての、懸濁重合法によって合成された塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体〔日信化学工業(株)製のSOLBIN(登録商標)CL、数平均分子量Mn:25000、酢酸ビニル含量:14質量%〕4質量部を加えて分散させた後、ジエチレングリコールジエチルエーテル(2EG−2E)26.5質量部を加えて前記共重合体を膨潤させた。
次にかく拌を続けながらジエチレングリコールエチルメチルエーテル(2EG−EM)15質量部を加えて前記共重合体を溶解させた後、アミド系溶剤(1)としての、前記式(2)で表される化合物〔分子量:131.2、沸点:216℃、出光興産(株)製のエクアミド(登録商標)M100〕10質量部、ラジカル重合禁止剤としてのヒンダードアミン化合物〔チバ社製のイルガスタブ(登録商標)UV10〕0.5質量部、エポキシ化物としてのエポキシ化大豆油〔(株)ADEKA製のアデカサイザー(登録商標)O−130P〕0.5質量部、および金属配位化合物としての1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール0.5質量部を加えて樹脂溶液を調製した。
(顔料分散液の調製)
カーボンブラック4.5質量部をジエチレングリコールジエチルエーテル(2EG−2E)25.5質量部に分散させて、顔料分散液(顔料濃度15質量%)を調製した。
(インクジェットインクの調製)
前記樹脂溶液70質量部に顔料分散液30質量部を加えて、均一相を形成するようにかく拌してインクジェットインクを調製した。
〈実施例3−2〉
アミド系溶剤(1)として、式(2)で表される化合物に代えて、前記式(3)で表される化合物〔分子量:173.3、沸点:252℃、出光興産(株)製のエクアミドB100〕10質量部を加えたこと以外は実施例3−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例3−3〉
ラジカル重合禁止剤としてのヒンダードアミン化合物を加えず、かつジエチレングリコールジエチルエーテル(2EG−2E)の量を52.5質量部としたこと以外は実施例3−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例3−4〉
バインダ樹脂として、懸濁重合法によって合成された塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体に代えて、乳化重合法によって合成された塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体〔ワッカーケミカル社製のVINNOL(登録商標)E15/45、重量平均分子量Mw:45000〜55000、酢酸ビニル含量:15.0±1.0質量%〕4質量部を加えたこと以外は実施例3−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例3−1〉
式(2)で表される化合物、およびラジカル重合禁止剤としてのヒンダードアミン化合物を加えず、かつジエチレングリコールエチルメチルエーテル(2EG−EM)の量を25質量部、ジエチレングリコールジエチルエーテル(2EG−2E)の量を52.5質量部としたこと以外は実施例3−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例3−2〉
式(2)で表される化合物に代えて、N−メチル−2−ピロリドン10質量部を加えるとともに、ラジカル重合禁止剤としてのヒンダードアミン化合物を加えず、かつジエチレングリコールジエチルエーテル(2EG−2E)の量を52.5質量部としたこと以外は実施例3−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例3−3〉
式(2)で表される化合物に代えて、γ−ブチロラクトン10質量部を加えるとともに、ラジカル重合禁止剤としてのヒンダードアミン化合物を加えず、かつジエチレングリコールジエチルエーテル(2EG−2E)の量を52.5質量部としたこと以外は実施例3−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例3−4〉
式(2)で表される化合物に代えて、特許文献3の式(1)で表され、式中のR1〜R4がいずれもエチル基である化合物〔特許文献3の段落[0065]の表1中の化合物番号1の化合物〕10質量部を加えるとともに、ラジカル重合禁止剤としてのヒンダードアミン化合物を加えず、かつジエチレングリコールジエチルエーテル(2EG−2E)の量を52.5質量部としたこと以外は実施例3−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例3−5〉
式(2)で表される化合物に代えて、特許文献3の式(2)で表され、式中のR5、R7がエチル基、R6が水素原子である化合物〔特許文献3の段落[0065]の表1中の化合物番号3の化合物〕10質量部を加えるとともに、ラジカル重合禁止剤としてのヒンダードアミン化合物を加えず、かつジエチレングリコールジエチルエーテル(2EG−2E)の量を52.5質量部としたこと以外は実施例3−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例3−6〉
式(2)で表される化合物に代えて、特許文献3の式(3)で表され、式中のR8、R9がエチル基である化合物〔特許文献3の段落[0065]の表1中の化合物番号4の化合物〕10質量部を加えるとともに、ラジカル重合禁止剤としてのヒンダードアミン化合物を加えず、かつジエチレングリコールジエチルエーテル(2EG−2E)の量を52.5質量部としたこと以外は実施例3−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例3−7〉
式(2)で表される化合物に代えて、特許文献3の式(4)で表され、式中のXが−O−CH2−CH2−O−基、R10、R11がエチル基である化合物〔特許文献3の段落[0065]の表1中の化合物番号5の化合物〕10質量部を加えるとともに、ラジカル重合禁止剤としてのヒンダードアミン化合物を加えず、かつジエチレングリコールジエチルエーテル(2EG−2E)の量を52.5質量部としたこと以外は実施例3−1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈乾燥性試験〉
実施例、比較例で調製したインクジェットインクを、表面がポリ塩化ビニル樹脂によってコートされたターポリンの前記表面に、ワイヤーバー(ドクター0.10、直径0.10mmのピアノ線を金属棒に巻きつけたもの)を用いて塗布した。
そして温度25℃、相対湿度40%の環境下で静置して塗膜を徐々に乾燥させながら、前記塗膜を指でこすった際にインクジェットインクが指に付着しなくなるまでに要した時間を計測して、下記の基準で乾燥性を評価した。
◎:1.5分以内で乾燥した。乾燥性極めて良好。
○:1.5分経過時点では若干乾燥不足気味であったが2分以内で乾燥した。乾燥性良好。
×:2分経過時点で乾燥していなかった。乾燥性不良。
〈臭気試験〉
実施例、比較例のインクジェットインクを、表面がポリ塩化ビニル樹脂によってコートされたターポリンの前記表面に、前記ワイヤーバーを用いて塗布し、温度25℃、相対湿度40%の環境下で10分間静置したのち官能試験を実施して、下記の基準で臭気を評価した。
○:不快な臭気は殆ど感じられなかった。臭気なし。
×:不快な臭気が強く感じられた。臭気あり。
〈保存性試験〉
実施例、比較例のインクジェットインク約50gを、アルミニウムラミネート材からなる袋体(縦約8cm×横約9cm)内に注入して真空充てん、すなわち袋体内を脱気したのちヒートシールした。
次いで前記袋体を、インクジェットインクのゲル化の原因の1つと考えられる保管時の熱履歴を再現するため90℃の環境下に静置し、4日後に開封してゲル化の有無をインクジェットインクの粘度変化から求めた。すなわち袋体に充てんする前と袋体から取り出した後に、それぞれインクジェットインクの粘度を25℃、20rpmの条件で測定してその差を求め、下記の基準でゲル化の有無を評価した。
◎:粘度の差が2.0mPa・s未満であり、ゲル化は全く発生していないと判定した。
○:粘度の差が2.0mPa・s以上、3.0mPa・s未満であり、ゲル化は殆ど発生していないと判定した。
×:粘度の差が3.0mPa・s以上、または袋体から取り出したインクジェットインクがゲル化しているのが観察された。ゲル化が発生したと判定した。
以上の結果を表4に示す。
Figure 2012046671
表4より、アミド系溶剤(1)を含む実施例3−1〜3−4のインクジェットインクは、前記アミド系溶剤(1)を含まない比較例3−1のインクジェットインクや、アミド系溶剤(1)に代えて従来の他の溶剤を含む比較例3−2〜3−7のインクジェットインクに比べて乾燥性に優れるとともに、ゲル化の発生を抑制する効果に優れる上、他の溶剤として含窒素複素環化合物や含酸素複素環化合物を含む比較例3−2、3−3に比べて臭気が弱く安全衛生性にも優れていることが判った。
また実施例3−1、3−2を比較すると、アミド系溶剤(1)としては、式(3)で表される化合物よりも式(2)で表される化合物の方が、インクジェットインクの乾燥性を向上する効果に優れていることが判った。
さらに実施例3−1、3−3を比較すると、ラジカル重合禁止剤を加えることによりゲル化の発生をさらに有効に抑制できることが判った。
そして実施例3−1、3−4を比較すると、懸濁重合法によって合成された塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、および乳化重合法合成された塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のいずれにおいても同等の、ゲル化を抑制する効果が得られることが判った。

Claims (7)

  1. 顔料、および式(1):
    Figure 2012046671
    〔式中、R1、R2、およびR3は同一または異なるアルキル基を示す。〕
    で表されるアミド系溶剤を少なくとも含むことを特徴とするインクジェットインク。
  2. さらに水、および界面活性剤を含む水性のインクジェットインクである請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 樹脂媒体への印刷用である請求項2に記載のインクジェットインク。
  4. オフセットコート媒体への印刷用である請求項2に記載のインクジェットインク。
  5. バインダ樹脂として、懸濁重合法または乳化重合法によって合成されたポリ塩化ビニル系樹脂を含む非水性のインクジェットインクである請求項1に記載のインクジェットインク。
  6. さらにラジカル重合禁止剤を含む請求項5に記載のインクジェットインク。
  7. 樹脂媒体への印刷用である請求項5または6に記載のインクジェットインク。
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