JP2008013714A - 油性インクジェットインク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】顔料、有機溶媒、およびバインダ樹脂としての塩化ビニル系樹脂を含む油性インクジェットインクに、前記塩化ビニル系樹脂から脱塩酸反応によって生じる塩酸を吸収して、pHが酸性側に移行するのを抑制する働きをするエポキシ化物を添加した。
【選択図】なし
Description
(A) ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、1,1,2,2−テトラメトキシエタン、および1,1,3,3−テトラメトキシプロパンからなる群より選ばれた少なくとも1種の有機溶媒と、
(B) 非プロトン性極性有機溶媒と、
の混合溶媒であるのが好ましい。
(A) ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、1,1,2,2−テトラメトキシエタン、および1,1,3,3−テトラメトキシプロパンからなる群より選ばれた少なくとも1種の有機溶媒と、
(B) 非プロトン性極性有機溶媒と、
の混合溶媒であるのが好ましい。
顔料としては、油性インクジェットインク中に、良好に、分散させることができる、任意の、無機顔料および/または有機顔料が挙げられる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄等の金属化合物や、あるいはコンタクト法、ファーネスト法、サーマル法等の公知の方法によって製造された、中性、酸性、塩基性等の、種々のカーボンブラックの1種または2種以上が挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、14C、16、17、20、24、73、74、75、83、86、93、94、95、97、98、109、110、114、117、120、125、128、129、130、137、138、139、147、148、150、151、154、155、166、168、180、185、213、214
C.I.ピグメントレッド5、7、9、12、48(Ca)、48(Mn)、49、52、53、57(Ca)、57:1、97、112、122、123、149、168、177、178、179、184、202、206、207、209、242、254、255
C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:3、15:4、15:6、15:34、16、22、60
(ブラック顔料)
C.I.ピグメントブラック7
C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71、74
(グリーン顔料)
C.I.ピグメントグリーン7、36
(バイオレット顔料)
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50
バインダ樹脂としては、先に説明したように、屋外の広告等の媒体として多用されているポリ塩化ビニルシート等の樹脂の表面に対して最も定着性のよい、塩化ビニル系樹脂が使用される。また、塩化ビニルに酢酸ビニルを共重合させると、バインダ樹脂の、溶媒に対する溶解性を向上したり、前記ポリ塩化ビニルシート等の樹脂の表面に印刷された画像や文字の可撓性を高めて、印刷の耐擦過性を向上したりすることができる。そのため、バインダ樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂が好ましい。
(A)の有機溶媒としてのジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(DEGMEEA)56重量部に、塩化ビニル系樹脂としての塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体〔米国ダウ・ケミカル社製のVYHH〕3.2重量部を溶解させた後、(B)の非プロトン性極性溶媒としてのN−エチル−2−ピロリドン20重量部、およびエポキシ化物としてのエポキシ化大豆油〔花王(株)製のカポックス(登録商標)S−6〕0.8重量部を加えた。
エポキシ化物として、エポキシ化大豆油に代えて、同量のエポキシ化亜麻仁油〔(株)ADEKA製のアデカサイザー(登録商標)O−180A〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして油性のインクジェットインクを製造した。エポキシ化物の添加量は、塩化ビニル系樹脂の添加量の25重量%であった。
エポキシ化物として、エポキシ化大豆油に代えて、同量のエポキシ化ひまし油を用いたこと以外は実施例1と同様にして油性のインクジェットインクを製造した。エポキシ化物の添加量は、塩化ビニル系樹脂の添加量の25重量%であった。
エポキシ化物として、エポキシ化大豆油に代えて、同量のエポキシ化大豆脂肪酸オクチルエステルを用いたこと以外は実施例1と同様にして油性のインクジェットインクを製造した。エポキシ化物の添加量は、塩化ビニル系樹脂の添加量の25重量%であった。
エポキシ化物として、エポキシ化大豆油に代えて、同量のエポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製のエピコート(登録商標)1004〕を用いたこと以外は実施例1と同様にして油性のインクジェットインクを製造した。エポキシ化物の添加量は、塩化ビニル系樹脂の添加量の25重量%であった。
(B)の非プロトン性極性溶媒として、N−エチル−2−ピロリドンに代えて、同量の1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを用いたこと以外は実施例1と同様にして油性のインクジェットインクを製造した。エポキシ化物の添加量は、塩化ビニル系樹脂の添加量の25重量%であった。
(B)の非プロトン性極性溶媒として、N−エチル−2−ピロリドンに代えて、同量のγ−ブチロラクトンを用いたこと以外は実施例1と同様にして油性のインクジェットインクを製造した。エポキシ化物の添加量は、塩化ビニル系樹脂の添加量の25重量%であった。
(A)の有機溶媒として、DEGMEEAに代えて、同量の1,1,2,2−テトラメトキシエタンを用いたこと以外は実施例1と同様にして油性のインクジェットインクを製造した。エポキシ化物の添加量は、塩化ビニル系樹脂の添加量の25重量%であった。
(A)の有機溶媒として、DEGMEEAに代えて、同量の1,1,3,3−テトラメトキシプロパンを用いたこと以外は実施例1と同様にして油性のインクジェットインクを製造した。エポキシ化物の添加量は、塩化ビニル系樹脂の添加量の25重量%であった。
エポキシ化物としてのエポキシ化大豆油の量を3重量部、(A)の有機溶媒としてのDEGMEEAの量を53.8重量部としたこと以外は実施例1と同様にして油性のインクジェットインクを製造した。エポキシ化物の添加量は、塩化ビニル系樹脂の添加量の94重量%であった。
エポキシ化物としてのエポキシ化大豆油の量を0.1重量部、(A)の有機溶媒としてのDEGMEEAの量を56.7重量部としたこと以外は実施例1と同様にして油性のインクジェットインクを製造した。エポキシ化物の添加量は、塩化ビニル系樹脂の添加量の3重量%であった。
エポキシ化物としてのエポキシ化大豆油の量を4重量部、(A)の有機溶媒としてのDEGMEEAの量を52.8重量部としたこと以外は実施例1と同様にして油性のインクジェットインクを製造した。エポキシ化物の添加量は、塩化ビニル系樹脂の添加量の125重量%であった。
エポキシ化物としてのエポキシ化大豆油の量を0.06重量部、(A)の有機溶媒としてのDEGMEEAの量を56.74重量部としたこと以外は実施例1と同様にして油性のインクジェットインクを製造した。エポキシ化物の添加量は、塩化ビニル系樹脂の添加量の2重量%であった。
エポキシ化物としてのエポキシ化大豆油を添加せず、(A)の有機溶媒としてのDEGMEEAの量を56.8重量部としたこと以外は実施例1と同様にして油性のインクジェットインクを製造した。エポキシ化物の添加量は、塩化ビニル系樹脂の添加量の0重量%であった。
塩化ビニル系樹脂としての塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体に代えて、同量のアクリル系樹脂〔ジョンソンポリマー(株)製のジョンクリル(登録商標)611〕を用いたこと以外は比較例1と同様にして油性のインクジェットインクを製造した。エポキシ化物の添加量は、アクリル系樹脂の添加量の0重量%であった。
塩化ビニル系樹脂としての塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体に代えて、同量のポリエステル系樹脂〔東洋紡績(株)製のバイロン(登録商標)296〕を用いたこと以外は比較例1と同様にして油性のインクジェットインクを製造した。エポキシ化物の添加量は、ポリエステル系樹脂の添加量の0重量%であった。
エポキシ化物としてのエポキシ化大豆油、(A)の有機溶媒としてのDEGMEEA、および(B)の非プロトン性極性溶媒としてのN−エチル−2−ピロリドンを、いずれも添加せず、有機溶媒として、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート76.8重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして油性のインクジェットインクを製造した。
実施例、比較例の油性のインクジェットインクを、ポリ塩化ビニル製ターポリンの表面に、ワイヤーバー(ドクター0.25、直径0.25mmのピアノ線を、金属の棒に巻きつけたもの)を用いて塗布し、1.2kWのドライヤーを用いて1分間、熱風乾燥させた後、前記コーティングを、綿棒を用いて、50gの荷重で擦って、下記の基準で、油性インクジェットインクの乾燥性を評価した。
○:変化なし。定着性良好。
△:コーティングに擦過痕が残ったが、実用可能なレベル。
×:コーティングが擦り取られてしまった。定着性不良。
実施例、比較例の油性インクジェットインクを、ポリ塩化ビニル製ターポリンの表面に、ワイヤーバー(ドクター0.25、直径0.25mmのピアノ線を、金属の棒に巻きつけたもの)を用いて塗布し、25℃で10分間、静置して乾燥させた後、指で触れた際の状態を観察して、下記の基準で、油性インクジェットインクの乾燥性を評価した。
○:指にインクがつかなかった。乾燥性良好。
×:指にインクがついてしまった。乾燥性不良。
実施例、比較例の油性インクジェットインクを60℃で2週間、保存する前と、保存した後の、それぞれの点でのpHを、pH測定器〔東亜ディーケーケー(株)製のHM−40V〕を用いて測定して、下記の基準で保存安定性を評価した。
○:保存前後でpHの低下が1未満であった。保存安定性良好。
△:pHの低下が1以上、2未満であった。実用可能なレベル。
×:pHの低下が2以上であった。保存安定性不良。
ピエゾ方式のインクジェットプリンタを使用して、実施例、比較例の油性インクジェットインクにより、5m×5mのベタ印字を行った際の、ドットの抜けを観察して、下記の基準で、吐出安定性を評価した。
○:ドット抜けなし。吐出安定性良好。
△:若干のドット抜けが見られたが、実用可能なレベル。
×:ドット抜けが多数発生した。吐出安定性不良。
以上の結果を表1〜表3に示す。
Claims (5)
- 顔料と、有機溶媒と、バインダ樹脂としての塩化ビニル系樹脂と、エポキシ化物とを含むことを特徴とする油性インクジェットインク。
- エポキシ化物が、エポキシグリセリド、エポキシ脂肪酸モノエステル、およびエポキシヘキサヒドロフタレートからなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の油性インクジェットインク。
- エポキシ化物が、エポキシグリセリドとしてのエポキシ化大豆油、およびエポキシ化亜麻仁油からなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項2記載の油性インクジェットインク。
- エポキシ化物の添加量が、塩化ビニル系樹脂の添加量の3〜100重量%であることを特徴とする請求項1記載の油性インクジェットインク。
- 有機溶媒が、
(A) ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、1,1,2,2−テトラメトキシエタン、および1,1,3,3−テトラメトキシプロパンからなる群より選ばれた少なくとも1種の有機溶媒と、
(B) 非プロトン性極性有機溶媒と、
の混合溶媒であることを特徴とする請求項1記載の油性インクジェットインク。
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