JP2009191204A - インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
顔料、塩化ビニル系樹脂及び有機溶剤からなり、保存安定性に優れたインキ組成物を提供すること。
【解決手段】
顔料と、塩化ビニル系樹脂及び有機溶剤とを少なくとも含むインキ組成物において、多価カルボン酸またはその無水物を含有することを特徴とするインキ組成物。
更に有機溶剤として一般式(1)ないし一般式(4)で表される溶剤のいずれか1つ以上を含むことを特徴とする請求項1記載のインキ組成物。
CO(ORZOR (1) RCO(ORZOCOR (2)
(ORZOR (3) R10COOR11 (4)
(式中、R2、5、8、それぞれ独立してエチレン基又はプロピレン基、R、R
、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、R、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R10は2−ヒドロキシエチル基、R11は炭素数1〜8のアルキル基、Zは1〜3の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、顔料、塩化ビニル系樹脂及び有機溶剤からなり、保存安定性に優れたインキ組成物を提供することに関する。
従来、非吸収性基材を対象とした印刷方式として、軟包材用グラビア印刷、サニタリー用フレキソ印刷、金属版用シルクスクリーン印刷、屋内外広告用インクジェット印刷などが一般的に知られている。
なかでも、インクジェットヘッドのノズルから吐出された微小なインク滴によって、画像や文字を印刷するインクジェット印刷では、近年A−0サイズにも対応できるインクジェトプリンターが開発され、屋外用ポスターなどの屋外用途での使用環境が増えた背景より、耐水性、耐候性、耐摩擦性に優れたインクジェット印刷用インクの開発が盛んに行われている。
特に、サイン業界向けに使用されているインクジェット印刷用インクでは、一般的な水に水溶性染料等の着色剤を加えた水性インクジェットインクに代わり、溶媒として有機溶剤を使用した溶剤インクジェットインキが主に使用されている。例えば、屋外広告等の媒体として用いられている、ポリ塩化ビニルシート等の表面に印刷をする為、耐候性に優れた顔料と、前記顔料を前記シート表面に強固に密着させるバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂を溶解する事のできる有機溶剤を含むような顔料インク組成物が好適であると考えられている。
ところが、バインダー樹脂として塩化ビニル系樹脂を用いると、熱や光に対して不安定な樹脂であり分解しやすい為、脱塩酸反応が進行する事が一般的に知られている(文献1参照)。その為、インキpHが酸性側に移行することから、インキ粘度の増粘、印刷適性の悪化、インクジェットヘッドやプリンター部材の腐食や劣化、インキ塗膜の黄変等を起こすことが問題となっている。
よって従来は、熱または光劣化等による前記塩化ビニル系樹脂の脱塩酸反応を主体とする分解劣化要因の除去または低減させる為に、安定化剤の添加が必須とされている(文献1〜2,特許文献1参照)。
プラスチック添加剤活用ノート(2001年5月20日、初版第5版、 発行 株式会社工業調査会) 実用プラスチック事典−材料編(1996年4月20日、初版第3版、発行 株式会社産業調査会 特開2000−26687号公報 また、バインダー樹脂として塩化ビニル系樹脂をもちいたインクジェット用インキ組成物に、前記安定化剤を添加することも知られているが(特許文献2参照)、本発明者らの検討の結果、脱塩酸を抑制するには不十分であり、上記課題の解決に至らなかった。 特開2008−13714号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、インキ組成物中のバインダー樹脂として塩化ビニル系樹脂を用いた際に、脱塩酸反応を抑制させ、優れた保存安定性と印刷適性を実現できる顔料インク組成物を提供する事にある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
顔料,塩化ビニル系樹脂及び有機溶剤を少なくとも含むインキ組成物において、多価カルボン酸またはその無水物を含有することを特徴とするインキ組成物。
更に有機溶剤として一般式(1)ないし一般式(4)で表される溶剤のいずれか1つ以上を含むことを特徴とするインキ組成物。
CO(ORZOR (1) RCO(ORZOCOR (2)
(ORZOR (3) R10COOR11 (4)
(式中、R2、5、8、それぞれ独立してエチレン基又はプロピレン基、R、R
、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、R、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R10は2−ヒドロキシエチル基、R11は炭素数1〜8のアルキル基、Zは1〜3の整数を表す。)
更に有機溶剤の一部に、含窒素系または含硫黄系またはラクトン系溶剤を含有することを特徴とするインキ組成物。
更にインキ組成物中に含まれる多価カルボン酸またはその無水物の含有量が、インキ中で5重量%未満であることを特徴とするインキ組成物。
更にインキ組成物中に分散剤を含有することを特徴とするインキ組成物。
更にインキ組成物がインクジェットインキであることを特徴とするインキ組成物。
本発明によれば、インキ組成物中のバインダー樹脂として塩化ビニル系樹脂を用いていたとしても、多価カルボン酸またはその無水物を含有させることで、優れた保存安定性と印刷適性を実現できるインクジェット用インキ組成物が提供される。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明のインキ組成物は、耐候性に優れた顔料と、前記顔料を印刷媒体表面に強固に密着させるバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂を溶解する事のできる有機溶剤を含むような顔料インク組成物である。前記印刷媒体表面に対する密着性に優れたバインダー樹脂としては例えば、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、エチレン−酢ビ系樹脂、石油樹脂、クマロンインデン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、塩化ビニル系樹脂等が使用できる。中でも塩化ビニル系樹脂は、溶剤インクジェット用インキの印刷媒体として広く用いられている、ポリ塩化ビニルシート等の表面への密着性が良好であり、且つ塗膜時の耐薬品性・耐油性が良好であることから、より好ましい。また、塩化ビニルに酢酸ビニルを共重合させると、バインダー樹脂の溶媒に対する溶解性を向上させたり、前記ポリ塩化ビニルシート等に印刷されたインキ塗膜の耐擦性を向上させることができるため、溶剤インクジェット用インキ組成物のバインダー樹脂として用いることが、特に好ましい。
本発明で用いる塩化ビニル系樹脂の具体例としては、ダウケミカルズ社製のユーカーソリューションビニル樹脂VYHD、VYHH、VMCA、VROH、VYLF−X、日信化学工業製のソルバイン樹脂CL、CNL、C5R、TA3、TA5R、ワッカー社製のビニル樹脂E15/45、H14/36、H40/43、E15/45M、E15/40Mを例示することができる。樹脂はインキ中0.1〜10重量%含まれることが好ましい。添加量がインキ中0.1重量%以下であると、印刷媒体表面への密着が悪く、塗膜の耐性が低下してしまい、10重量%以上になるとインキ粘度が高すぎるため、印刷適性が低下してしまうために好ましくない。
また、上記塩化ビニル系樹脂と他の樹脂を併用しても良い。使用できる樹脂としては、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、エチレン−酢ビ系樹脂、石油樹脂、クマロンインデン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂等が挙げられる。樹脂の具体例としては、荒川化学社製のスーパーエステル75、エステルガムHP、マルキッド 33、安原社製のYS ポリスター T80、三井化学社製のHiretts HRT200X、ジョンソンポリマー社製のジョンクリル586を例示することができる。
ところが、バインダー樹脂として用いられる前記塩化ビニル系樹脂は、熱や光に対して不安定な樹脂であり分解しやすい為、脱塩酸反応が進行する。その為、塩化ビニル系樹脂を含有する溶剤インクジェット用インキ組成物は、長期の保存をしている間に、前記塩化ビニル系樹脂の脱塩酸反応が起こり、インキpHが酸性側に移行する傾向がある。よって、顔料の分散安定性が壊れ、顔料が凝集し、インキ粘度の上昇や、顔料の沈降等が生じる。また、インキpHが酸性側に移行した溶剤インクジェット用インキ組成物を印刷に使用した場合、インクジェットヘッドやプリンター部材に使用されている、金属部材・樹脂部材・ゴム部材・接着剤等の腐食や劣化を引き起こす。加えて、前記塩化ビニル系樹脂の脱塩酸反応が進行する事により、インキ塗膜の黄変等を起こすなど、様々な課題がある。
そこで本発明者らは、様々な検討を行った結果、インキ組成物中に前記塩化ビニル系樹脂を使用する際、多価カルボン酸またはその無水物を含有させることにより、経時保存による前記塩化ビニル系樹脂の脱塩酸反応を抑制することができ、優れた保存安定性と印字安定性を実現できるインクジェット記録用の顔料インク組成物が作製できることを知り、本発明を完成するに至った。
本発明では塩化ビニル系樹脂の経時保存による脱塩酸反応を抑制させる為に、安定化剤として多価カルボン酸またはその無水物を添加する。また、多価カルボン酸またはその無水物の分子量としては、溶媒への溶解性などを考慮すると、200以下が優良である。例えば、クエン酸,フマル酸,無水マレイン酸,フタル酸,コハク酸,無水コハク酸等が上げられる。なかでも、溶媒への溶解性や安全性などを考慮すると、クエン酸が特に好ましい。また、添加量としてはインキ中に、5重量%未満が好ましく、より好ましくは3重量%未満、さらに1重量%未満が特に好ましい。これらの多価カルボン酸またはその無水物が未添加の場合、インキの経時保存により塩化ビニル系樹脂の脱塩酸反応が促進され、インキ粘度の増粘や印字不安定などの不具合が生じる。また、5重量%以上添加すると、インキ塗膜の耐薬品性・耐油性・耐擦性が低下するために好ましくない。
また、前記塩化ビニル系樹脂の熱または光劣化等による脱塩酸反応を主体とする分解劣化要因の除去または低減させる為に、安定剤の添加が必須とされている。例えば、Ba,Zn,Ca等の複合金属石鹸系,有機錫系安定剤,鉛系安定化剤、エポキシ化合物、有機リン酸エステル化合物、β−ジケトン化合物、多価アルコール化合物、無機化合物等が用いられている。
これらの情報を基に、本発明者らは、インクジェットインキ組成物中に安定化剤として金属化合物や有機リン酸化合物を添加したものの、優れた保存安定性を実現するに至らなかった。
また、安定化剤として金属化合物や有機リン酸化合物を添加するとインクジェットヘッドノズル部にて析出物として出現する可能性が有り、偏向や不吐出など吐出不良の原因となることや、安全性の面からも、金属化合物を安易に使用する事はできないなど多くの課題がある。そのため、優れた保存安定性と印字安定性を両立する溶剤インクジェットインキ組成物が未だ得られていないのが現状であった。
本発明に使用する有機溶剤としては1気圧における沸点が140℃以上のものを使用するのが好ましく、更に好ましくは引火点60℃以上であることが好ましい。
このような溶剤としては、下記一般式(1)〜(4)で示される溶剤がある。
CO(ORZOR (1) RCO(ORZOCOR (2)
(ORZOR (3) R10COOR11 (4)
(式中、R2、5、8、それぞれ独立してエチレン基又はプロピレン基、R、R
、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、R、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R10は2−ヒドロキシエチル基、R11は炭素数1〜8のアルキル基、Zは1〜4の整数を表す。)
一般式(1)に該当する溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、プロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート等のグリコールモノアセテート類がある。
一般式(2)に該当する溶剤としては、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールアセテートプロピオネート、エチレングリコールアセテートブチレート、エチレングリコールプロピオネートブチレート、エチレングリコールジプロピオネート、エチレングリコールジブチレート、ジエチレングリコールアセテートプロピオネート、ジエチレングリコールブチレート、ジエチレングリコールプロピオネートブチレート、ジエチレングリコールジプロピオネート、ジエチレングリコールジブチレート、プロピレングリコールアセテートプロピオネート、プロピレングリコールアセテートブチレート、プロピレングリコールプロピオネートブチレート、プロピレングリコールジプロピオネート、プロピレングリコールジブチレート、ジプロピレングリコールアセテートプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートブチレート、ジプロピレングリコールプロピオネートブチレート、ジプロピレングリコールジプロピオネート、ジプロピレングリコールジブチレート等のグリコールジアセテート類がある。
一般式(3)に該当する溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類がある。
一般式(4)に該当する溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル等のエステル類があげられる。
なかでも低臭気、樹脂溶解性の観点より、一般式(3)で現される(ポリ)エチレングリコールジエーテル系溶剤が好ましい。
また安全衛生性を考慮した場合、ジエチレングリコールジエチルエーテルを用いることが、急性毒性、変異原性、発癌性、生殖毒性といった有害性の観点でも特に好ましい。
また、本発明における有機溶剤である一般式(1)から(4)に追加して、含窒素系または含硫黄系またはラクトン系溶剤を添加すると、印刷媒体表面を溶解させることができるため定着性、耐候性等を向上させることができる。例としては、3−メチルオキサゾリジノン、3−エチルオキサゾリジノン、ジメチルスルホキシド、1−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。添加量としては1〜20%が良いが、好ましくは1〜10%、さらに好ましくは3〜9%が良い。
本発明に使用される顔料は、印刷インキ、塗料等に使用される種々の顔料が使用できる。このような顔料をカラーインデックスで示すと、ピグメントブラック7、ピグメントブルー15,15:1,15:3,15:4,15:6,60、ピグメントグリーン7,36、ピグメントレッド9,48,49,52,53,57,97,122,149,168,177,178,179,206,207,209,242,254,255、ピグメントバイオレット19,23,29,30,37,40,50、ピグメントイエロー12,13,14,17,20,24,74,83,86,93,94,95,109,110,117,120,125,128,137,138,139,147,148,150,151,154,155,166,168,180,185、213、ピグメントオレンジ36,43,51,55,59,61,71,74等があげられる。また、カーボンブラックについては中性、酸性、塩基性等のあらゆるカーボンブラックを使用することができる。顔料はインキ中に0.1〜10重量%含まれることが望ましい。
本発明では、顔料の分散性およびインキの保存安定性を向上させるために分散剤を添加するのが好ましい。分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート等を用いることができる。
分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110、111(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」が挙げられる。
また、Efka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」、共栄社化学社製「フローレン TG−710(ウレタンオリゴマー)、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」、楠本化成社製「ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」が挙げられる。
さらに、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパーズ5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、24000」、日光ケミカル社製「ニッコール T106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline 4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、PB822(塩基性分散剤)」等が挙げられる。分散剤はインキ中に0.1〜10重量%含まれることが好ましい。
本発明のインキ組成物は可塑剤、表面調整剤、紫外線防止剤、光安定化剤、酸化防止剤、加水分解防止剤等の種々の添加剤を使用することができる。
本発明の印刷媒体としては、ポリ塩化ビニル樹脂シート、ポリオレフィン系シート、ガラス、金属等が挙げられ、特に好ましくはポリ塩化ビニル樹脂シートである。
本発明のインキ組成物の印刷方式としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インキジェット印刷等が挙げられ、特に好ましくはインキジェット印刷方式である。
本発明のインキ組成物は、まず始めにペイントシェーカー、サンドミル、ロールミル、メディアレス分散機等によって、単一もしくは混合溶媒中に顔料を樹脂または分散剤によって分散し、得られた顔料分散体を本発明の溶剤で希釈して製造されるものである。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は、「重量部」を表す。
[製造例1]
まず、下記のような配合で顔料分散体Aを作成した。この分散体は有機溶剤中に顔料および分散剤を投入し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散して作成した。
・ELFTEX 415(キャボット社製 カーボンブラック)35.00部
・アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製 顔料分散剤)12.50部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 52.50部
[製造例2]
更に、下記のような配合で製造例1と同様に、顔料分散体Bを作成した。
・YELLOW PIGMENT E4GN(ランクセス社製 ニッケル錯体アゾ顔料) 30.00部
・ソルスパーズ17000(ルーブリゾール社製 顔料分散剤)16.50部
・ジエチレングリコールエチルメチルエーテル 53.50部
[製造例3]
更に、下記のような配合で製造例1と同様に、顔料分散体Cを作成した。
・Cromophtal Pink PT(チバスペシャルティーケミカルズ社製
キナクリドン顔料)32.0部
・ソルスパーズ24000(ルーブリゾール社製 顔料分散剤) 12.8部
・エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート 55.2部
[製造例4]
更に、下記のような配合で製造例1と同様に、顔料分散体Dを作成した。
・LIONOL BLUE FG−7400G(東洋インキ製造社製 フタロシアニン
顔料)35.00部
・アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製 顔料分散剤)12.50部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 52.50部
[実施例1]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体A 11.40部
・ビニル樹脂H40/43(ワッカー社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・クエン酸 0.50部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 83.60部
[実施例2]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体A 11.40部
・ビニル樹脂H40/43(ワッカー社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・プロピレングリコールジアセテート 5.00部
・クエン酸 0.50部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 78.60部
[実施例3]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体A 11.40部
・ビニル樹脂H40/43(ワッカー社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・乳酸ブチル 5.00部
・クエン酸 0.50部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 78.60部
[実施例4]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体C 12.50部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・ジエチレングリコールエチルメチルエーテル 5.00部
・クエン酸 0.50部
・エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート 77.50部
[実施例5]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体A 11.40部
・ビニル樹脂ソルバインCL(日信化学工業社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・3−メチルオキサゾリジノン 5.00部
・クエン酸 0.50部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 78.60部
[実施例6]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体B 16.00部
・ビニル樹脂ソルバインCNL(日信化学工業社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・3−エチルオキサゾリジノン 5.00部
・フマル酸 0.50部
・ジエチレングリコールエチルメチルエーテル 74.00部
[実施例7]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体C 12.50部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・ジメチルスルホキシド 5.00部
・無水マレイン酸 0.50部
・エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート 77.50部
[実施例8]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体D 11.40部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・1−メチル−2−ピロリドン 5.00部
・フタル酸 0.50部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 78.60部
[実施例9]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体D 11.40部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・γ−ブチロラクトン 5.00部
・コハク酸 0.50部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 78.60部
[実施例10]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体D 11.40部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・ε−カプロラクトン 5.00部
・無水コハク酸 0.50部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 78.60部
[実施例11]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体D 11.40部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・3−メチルオキサゾリジノン 5.00部
・テトラエチレングリコールジメチルエーテル 10.00部
・クエン酸 0.10部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 68.60部
[実施例12]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体D 11.40部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・3−メチルオキサゾリジノン 5.00部
・テトラエチレングリコールジメチルエーテル 10.00部
・クエン酸 0.01部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 69.09部
[実施例13]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体D 11.40部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・3−メチルオキサゾリジノン 5.00部
・テトラエチレングリコールジメチルエーテル 10.00部
・クエン酸 2.50部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 66.60部
[実施例14]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体D 11.40部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・3−メチルオキサゾリジノン 5.00部
・テトラエチレングリコールジメチルエーテル 10.00部
・クエン酸 4.50部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 64.60部
[実施例15]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体D 11.40部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・3−メチルオキサゾリジノン 5.00部
・テトラエチレングリコールジメチルエーテル 10.00部
・クエン酸 6.00部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 63.10部
[比較例1]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体A 11.40部
・ビニル樹脂ソルバインCL(日信化学工業社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・3−メチルオキサゾリジノン 5.00部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 79.10部
[比較例2]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体B 16.00部
・ビニル樹脂ソルバインCNL(日信化学工業社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・3−エチルオキサゾリジノン 5.00部
・ジエチレングリコールエチルメチルエーテル 74.50部
[比較例3]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体C 12.50部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・ジメチルスルホキシド 5.00部
・エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート 78.00部
[比較例4]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体D 11.40部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・3−メチルオキサゾリジノン 5.00部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 79.10部
[比較例5]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体D 11.40部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・3−メチルオキサゾリジノン 5.00部
・酢酸 1.00部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 78.10部
[比較例6]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体D 11.40部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・3−メチルオキサゾリジノン 5.00部
・アデカスタブAC−285(ADEKA社製 Ba−Zn液状ワンパック型安定剤)
0.50部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 78.60部
[比較例7]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体D 11.40部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・3−メチルオキサゾリジノン 5.00部
・アデカスタブSC−320(ADEKA社製 Ca−Zn液状安定剤)
0.50部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 78.60部
[比較例8]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体D 11.40部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・3−メチルオキサゾリジノン 5.00部
・アデカスタブ466(ADEKA社製 ジアルキル錫メルカプタイド系安定剤)
0.50部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 78.60部
[比較例9]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体D 11.40部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・3−メチルオキサゾリジノン 5.00部
・アデカイザー O−130P(ADEKA社製 エポキシ化大豆油)0.50部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 78.60部
[比較例10]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体D 11.40部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・3−メチルオキサゾリジノン 5.00部
・アデカスタブ PFR(ADEKA社製 有機リン酸エステル化合物)0.50部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 78.60部
[比較例11]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体D 11.40部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.50部
・3−メチルオキサゾリジノン 5.00部
・アデカイザー O−130P(ADEKA社製 エポキシ化大豆油)0.50部
・アデカスタブAC−285(ADEKA社製 Ba−Zn液状ワンパック型安定剤)
0.50部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 78.10部
上記の実施例1〜15及び比較例1〜11の各溶剤顔料インキ組成物について、粘度安定性、経時によるインキ組成物中塩素量変化、インキ組成物中のイオンを水に転相した時の水相のpH値変化、インキ塗膜の耐薬品性、樹脂ワニスの黄変具合、印字安定性の試験を行った。
各試験方法と評価方法を、以下に詳しく示す。
<粘度安定性>
実施例1〜15及び比較例1〜11で得られたインキ組成物の粘度について、E型粘度計(日機装製)を用いて、70℃8週間の経時促進前後にて評価を実施し、粘度の変化率が2%未満であるものを○、変化率が2%以上5%未満であるものを△、変化率が5%以上 であるものを×と評価した。
<経時によるインキ組成物中塩素量変化>
インキ組成物中の塩素量を測定するため、サンプル瓶中に溶剤顔料インキ組成物10部と5mmφガラスビース10個を仕込む。それに超音波をかけながら精製水を90部加えた後、ハンドシェイク60回行い、20分以上静置した後、下相の水相をメンブランフィルターを用いてろ過し、塩素量測定用試料を得た。この試料中の塩素量を、ダイオネクス製イオンクロマトグラフ DX−500を用いて測定した。
判定方法としては、実施例1〜15及び比較例1〜11で得られたインキ組成物の70℃8週間の経時促進前後について、塩素量の増加量が30ppm未満であるものを○、増加量が30ppm以上50ppm未満であるものを△、増加量が50ppm以上であるものを×と評価した。
<pH測定>
インキ組成物中のイオンを水に転相するため、マグネチックスターラーにより攪拌中の精製水85部に溶剤顔料インキ組成物15部を少量ずつ滴下し、30分間攪拌後、20分以上静置し、下層の水相が透明になるまでメンブランフィルターを用いてろ過を繰り返し、ろ液を得た。このろ液のpHを、pH計:HORIBA製F−52S,電極:型式6377−10Dを用いて測定した。
判定方法としては、実施例1〜15及び比較例1〜11で得られたインキ組成物の70℃8週間の経時促進前後について、pHの変化率が10%未満であるものを○、変化率が10%以上20%未満であるものを△、変化率が20%以上であるもの×と評価した。
<インキ塗膜の耐薬品性>
実施例1〜15及び比較例1〜11で得られたインキ組成物をColorpainter 64S(セイコーアイ・インフォテック社製、大判インクジェットプリンタ)にて、表面が無処理のポリ塩化ビニル樹脂シートに印刷し、印刷面をラビングテスター(テスター産業製、型式AB301)にてインキ塗膜の耐薬品性を評価した。評価条件としては試験用布片(金巾3号)をエタノールで濡らし、加重200g,10往復で実施し、塗布面が全く剥ぎ取られなかったものを○、一部色が落ちたものを△、剥ぎ取られ基材が見えたものを×と評価した。
<印刷安定性>
実施例1〜15及び比較例1〜11で得られたインキ組成物の70℃8週間の経時促進後にて、25℃環境下にてColorpainter 64S(セイコーアイ・インフォテック社製、大判インクジェットプリンタ)にて、表面が無処理のポリ塩化ビニル樹脂シートに連続印刷し、ドット抜け、飛行曲がり又はインクの飛び散りの発生頻度を評価し、50時間続試験でドット抜け、飛行曲がり又はインクの飛び散りの発生か10回未満であったものを○、50時間続試験でドット抜け、飛行曲がり又はインクの飛び散りの発生か10回以上、20回未満であったものを△、50時間続試験でドット抜け、飛行曲がり又はインクの飛び散りの発生が20回以上のものを×と評価した。
<樹脂ワニスの黄変具合>
実施例1〜15及び比較例1〜11で得られたインキ組成物処方から、顔料分を抜いた樹脂ワニスを70℃8週間の経時促進前後について、ワニスの黄変具合を評価した。評価方法としては、樹脂ワニスの70℃8週間経時促進前後にて、表面が無処理のポリ塩化ビニル樹脂シートにウエット12μmワイヤーバーにて塗布し、乾燥後、塗膜のL,a,b値をX−Rite500シリーズ(エックスライト社製)を用いて測定し、経時促進前後にてb値がプラス側へ移行していないかを確認し評価を行った。経時前後にてb値変化幅が0.2未満であったものを○、b値変化幅が0.2以上0.5未満であったものを△、b値変化幅が0.5以上であったものを×と評価した。空欄部は現在実験中。
下記表1に記載の結果より明らかなように、バインダー樹脂として塩化ビニル系樹脂を用いたインキ組成物中に、多価カルボン酸またはその無水物を添加することで、前記塩化ビニル系樹脂の脱塩酸反応を抑制することができたことにより、保存安定性に優れたインキ組成物を得ることができた。
添加する多価カルボン酸またはその無水物の種類としてはクエン酸、フマル酸、無水マレイン酸が優れており、溶剤への溶解性・安全性・塗膜の黄色具合等の結果からクエン酸が最も優れていることが分かった。
添加量としては、多すぎるとインキ塗膜の耐薬品性が劣化するため、最適添加量が存在することが分かった。
また、多価カルボン酸またはその無水物の未添加や、1価のカルボン酸または従来用いられている塩化ビニル系樹脂安定化剤などを添加したものの、脱塩酸反応を抑制することはできず、粘度上昇が見られる結果となった。
Figure 2009191204


Claims (6)

  1. 顔料と、塩化ビニル系樹脂及び有機溶剤とを少なくとも含むインキ組成物において、多価カルボン酸またはその無水物を含有することを特徴とするインキ組成物。
  2. 更に有機溶剤として一般式(1)ないし一般式(4)で表される溶剤のいずれか1つ以上を含むことを特徴とする請求項1記載のインキ組成物。
    CO(ORZOR (1) RCO(ORZOCOR (2)
    (ORZOR (3) R10COOR11 (4)
    (式中、R2、5、8、それぞれ独立してエチレン基又はプロピレン基、R、R
    、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、R、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R10は2−ヒドロキシエチル基、R11は炭素数1〜8のアルキル基、Zは1〜3の整数を表す。)
  3. 更に有機溶剤の一部に、含窒素系または含硫黄系またはラクトン系溶剤を含有することを特徴とする請求項1または2記載のインキ組成物。
  4. 更にインキ組成物中に含まれる多価カルボン酸またはその無水物の含有量が、インキ中で5重量%未満であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載のインキ組成物。
  5. 更にインキ組成物中に分散剤を含有することを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載のインキ組成物。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載のインクジェットインキ。

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