JP2019011389A - 筆記具用油性インキ組成物及びそれを収容したマーキングペン - Google Patents

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Abstract

【課題】着色剤として光輝性顔料を用いた場合にも、インキ中で顔料の安定状態を長期に亘って維持して良好な筆跡が形成できるとともに、汎用の有機溶剤を広く適用可能で使用用途が多様な筆記具用油性インキ組成物とそれを用いたマーキングペンを提供する。【解決手段】光輝性顔料と、有機溶剤と、下記一般式(1)で示すポリカルボン酸誘導体を少なくとも含有してなる筆記具用油性インキ組成物。前記筆記具用油性インキ組成物を収容したマーキングペン。〔式中R1は炭素数7〜25の直鎖又は分岐したアルキル基であり、Mは水素、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、ポリアミン塩、アルカリ金属塩のうちのいずれかを表し、aは2〜10の整数である。〕【選択図】なし

Description

本発明は筆記具用油性インキ組成物に関する。更には、金属光沢色の筆跡を形成できる筆記具用油性インキ組成物とそれを収容したマーキングペンに関する。
従来、マーキングペンに使用される油性インキは、ガラス、フィルム、金属、合成樹脂等、種々の非浸透性材質からなる筆記面に対して筆記される用途で使用されており、装飾効果の高い筆跡が得られる金属光沢色のインキが広く普及している。
前記金属光沢色のインキには、アルミニウムや真鍮等の金属粉や、雲母やガラスフレーク等を芯材として金属酸化物等で被覆したパール顔料等のいわゆる光輝性顔料が着色剤として用いられるが、これらは汎用の着色剤よりも比重が大きいため、沈降や凝集を生じ易く、経時によってハードケーキ化することがある。そのため、筆記具に適用した際には筆跡にカスレや濃淡を生じたり、書けなくなる等の筆記不良が発生し易いものである。
前記不具合を解消するべく、グリコールエーテル系溶剤に対して、ポリエーテルリン酸エステルとシクロヘキサノンホルムアルデヒド樹脂を適用する技術や、ポリエーテルリン酸エステルとともにワックスディスパージョン等を添加する技術が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2009−209249号公報 特開2012−102310号公報
前記ポリエーテルリン酸エステルとシクロヘキサノンホルムアルデヒド樹脂を添加したインキでは、グリコールエーテル系溶剤を用いた際には金属粉のハードケーキ化を初期的に抑制できるものの、長期経時においては沈降等が生じるものであった。これに対して、ポリエーテルリン酸エステルとともにワックスディスパージョン等を添加したインキでは、長期経時においても金属粉のハードケーキ化を抑制することができる。しかしながら、金属粉よりも厚みがあるワックス粒子が筆跡中に存在するため、ガラスやフィルム等の透過性を有する支持体に形成した筆跡では、粒々が視認され表面均一な筆跡が得られないため、用途が限定されるものであった。
また、前記いずれの技術においても、グリコールエーテル系溶剤以外を主溶剤とした際には効果が発現され難いものであった。
本発明は、着色剤として光輝性顔料を用いた場合にも、インキ中で顔料の安定状態を長期に亘って維持して良好な筆跡が形成できるとともに、汎用の有機溶剤を広く適用可能で使用用途が多様な筆記具用油性インキ組成物とそれを用いたマーキングペンを提供するものである。
本発明の筆記具用油性インキ組成物は、光輝性顔料と、有機溶剤と、下記一般式(1)で示すポリカルボン酸誘導体を少なくとも含有してなることを要件とする。
Figure 2019011389
〔式中Rは炭素数7〜25の直鎖又は分岐したアルキル基であり、Mは水素、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、ポリアミン塩、アルカリ金属塩のうちのいずれかを表し、aは2〜10の整数である。〕
更に、前記ポリカルボン酸誘導体の酸価が30〜70mgKOH/gであること、リン酸エステル系界面活性剤を含有すること、前記リン酸エステル系界面活性剤の酸価が10〜20mgKOH/gであること、前記有機溶剤の20℃における蒸気圧が10〜50mmHgであることを要件とする。
更には、前記いずれかの筆記具用油性インキ組成物を収容したマーキングペンを要件とし、軸筒に内蔵するインキ吸蔵体でインキを保持してなることを要件とする。
本発明により、インキ中で光輝性顔料の安定状態が長期に亘って維持できるとともに、汎用の有機溶剤が広く適用できる油性インキを構成できるため、種々の材質からなる筆記面に対して良好な筆跡が形成できる実用性に富んだ筆記具用油性インキ組成物とそれを収容したマーキングペンを提供できる。
前記一般式(1)で与えられるポリカルボン酸誘導体は、脂肪族カルボン酸の重合体であるポリカルボン酸のカルボニル基が酸又は塩となる構造を有するものであり、該複数のカルボニル基が光輝性顔料間や光輝性顔料とペン先やインキ吸蔵体との間で橋掛けすることで、比重が大きい光輝性顔料であっても沈降、凝集することなく安定保持でき、更にインキ収容部内に直接収容された場合においてもハードケーキ化することなく分散状態が保持できる。その為、光輝性顔料がペン先やインキ吸蔵体内で固化して筆跡カスレを生じることや、インキ収容体内で固結して筆跡濃度低下を生じることがなく、均一鮮明で良好な筆跡が得られるものとなる。
尚、前記式中のRは炭素数7〜25の直鎖又は分岐したアルキル基からなり、それらがランダムに重合することで一般式(1)のポリマーが得られる。特に、前記炭素数としては7〜25のもので効果を発現するが、好ましくは9〜25、より好ましくは15〜19のものがより高い効果を発現する。
前記ポリカルボン酸誘導体の市販品としては、Anti−Terra 203(ポリカルボン酸のアルキルアンモニウム塩溶液)、同204、同205(ポリアミンアミドのポリカルボン酸塩溶液)〔以上、BYKケミーGmbH製〕、Dispers 630(ポリカルボン酸のアミン塩溶液)〔以上、TEGO製〕等が挙げられる。
特に、前記ポリカルボン酸誘導体において、酸価が30〜70mgKOH/gにあるものが少量で高い効果を発現するため、特に好ましい。
前記ポリカルボン酸誘導体は、インキ組成物全量中0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%の範囲で用いられる。
0.1質量%を超えると極めて高い光輝性顔料に対する分散効果が発現され、10質量%を超えて添加しても効果の向上は認められないので、これ以上の添加を要しない。
尚、前記ポリカルボン酸誘導体とともにリン酸エステル系界面活性剤を含有することで、インキ吐出性が向上するため、均一濃度で一定幅の筆跡が得られ易くなり、より美しい筆跡形成が可能となる。
光輝性顔料を用いたインキでは、高比重顔料がビヒクルより先に吐出されたり、インキ吸蔵体内に付着して吐出され難い傾向にあるが、ポリカルボン酸誘導体とリン酸エステル系界面活性剤を併用することで、光輝性顔料が緩い橋掛け状に安定分散された状態で滑らかに移動することができるために安定吐出されると推測される。特に、前記リン酸エステル系界面活性剤の酸価が10〜20mgKOH/gであるものは、前記範囲にあるものは少量で高い効果を発現するため、特に好ましい。
具体的には、DISPARON AQ320、同AQ330、DA−234、同325、同375〔以上、楠本化成(株)製〕等がある。
前記着色剤として用いられる光輝性顔料は、筆跡状態で反射光による光沢を発現するものであればよく、例えば、アルミニウム粉、真鍮、アルミニウム粉表面を着色樹脂で処理した金属顔料、天然雲母、合成雲母、ガラスフレーク、アルミナ、透明性フィルム片等を芯物質としてその表面を酸化チタン、酸化アルミ、酸化ケイ素等の金属酸化物で被覆したパール顔料、透明や又は着色透明フィルムに金属蒸着膜を形成した金属光沢顔料等が挙げられる。
具体的に、前記アルミニウム粉顔料は、アルミニウム片を高級脂肪酸やミネラルスピリットなどの石油系溶剤とともにボールミルで粉砕、研磨することで、非常に薄い鱗片上のアルミニウム微粒子のペーストとして得られるものを使用するのが一般的である。市販されているアルミニウム粉顔料としては、フレンドカラーシリーズ、アルペーストWXM0630、EMRD5660、WJCU75C、Moonlight Silver〔以上、東洋アルミニウム(株)製〕、旭化成アルミペースト デザイングレード、同スタンダードグレード、同ファインリーフィング〔以上、旭化成(株)製〕等が例示できる。
真鍮としては、Offset Super3000、Rotoflex A−209、Rotosafe 700、同421、Rotovario 580、同442(以上、エカルトベルケ社製)、No.700、No.7000、MH−670、MH−770(以上、福田金属箔粉工業(株)製)等がある。
前記パール顔料には魚鱗箔のような天然品と、天然マイカ、合成マイカ、シリカ等の表面を金属酸化物で被膜した合成品とがあり、一般的には後者が多く用いられる。パール顔料は、マイカ表面に被覆させた金属酸化物の種類やコーティング膜厚によって様々な色調を示すものである。市販されているパール顔料としては、例えば、イリオジン100(銀色)、イリオジン111(銀色)、イリオジン151(銀色)、イリオジン153(銀色)、イリオジン201(金色)、イリオジン217(赤銅色)、イリオジン289(青色)、イリオジン302(金色)、イリオジン504(ワインレッド色)、イリオジン530(銅色)〔以上、メルクジャパン(株)製〕、アルティミカSB−100(銀色)〔以上、トピー工業(株)製〕等がある。更に、コレステリック液晶型光輝性顔料と称されるHELICONE HCS、HELICONE HCXS〔以上、ワッカーケミー社製〕等がある。
更に、ガラスフレークを芯材とするものは、ガラスフレークに無電解メッキ法によりガラス表面に銀、ニッケルを皮膜、金属酸化物コーティングガラスフレークは、ガラスフレークの表面に液相法により二酸化チタンを皮膜することで得られる。この酸化チタン膜の厚みを変えることで、銀、黄、赤、青、緑等の色が得られるものである。市販されている金属又は金属酸化物コーティングガラスフレークとしては、メタシャイン2040PS、2020PS、5090NS、5090RC〔以上、日本板硝子(株)製〕等がある。
前記金属光沢顔料としては、ポリエステルフィルムの片面にアルミニウムを真空蒸着したのち、所望の色とする際に、両面に着色コーティングをしたのち細かく切断することで得られるアルミコーティングポリエステルフイルム等を用いることができ、市販品としては、クリスタルカラーX−20〔ダイヤ工業(株)製〕、エルジーneoシリーズ〔以上、尾池工業(株)製〕等がある。
前記光輝性顔料とともに、汎用の染料や顔料を併用することもできる。
染料としては、例えば、カラーインデックスにおいてソルベント染料として分類される有機溶剤可溶性染料が挙げられる。
前記ソルベント染料の具体例としては、バリファーストブラック3806(C.I.ソルベントブラック29)、バリファーストブラック3807(C.I.ソルベントブラック29のトリメチルベンジルアンモニウム塩)、スピリットブラックSB(C.I.ソルベントブラック5)、スピロンブラックGMH(C.I.ソルベントブラック43)、ニグロシンベースEX(C.I.ソルベントブラック7)、スピロンピンクBH(C.I.ソルベントレッド82)、ネオザポンブルー808(C.I.ソルベントブルー70)、スピロンバイオレットCRH(C.I.ソルベントバイオレット8−1)、バリファーストレッド1308(C.I.ベーシックレッド1とC.I.アシッドイエロー23の造塩体)、スピリットレッド102(C.I.ベーシックレッド1とC.I.アシッドイエロー42の造塩体)、バリファーストバイオレット1701(C.I.ベーシックバイオレット1とC.I.アシッドイエロー42の造塩体)、バリファーストバイオレット1702(C.I.ベーシックバイオレット3とC.I.アシッドイエロー36の造塩体)、スピロンレッドCGH(C.I.ベーシックレッド1とドデシル(スルホフェノキシ)−ベンゼンスルホン酸の造塩体)、オイルブルー613(C.I.ソルベントブルー5と樹脂の混合物)等が挙げられる。
顔料としては、カーボンブラック、群青、二酸化チタン顔料等の無機顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、スレン顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、スロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリノン系顔料等の有機顔料、蛍光顔料、蓄光性顔料等が挙げられる。
前記光輝性顔料を含む着色剤は一種又は二種以上を混合して用いてもよく、インキ組成中1〜40質量%の範囲で用いられる。
前記インキに用いられる有機溶剤としては、従来汎用の溶剤を使用でき、インキ組成中40乃至80質量%の範囲で用いられる。
前記有機溶剤としては、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ベンジルグリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノフェニルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等を例示できる。
また、特にマーキングペンに用いる場合には、有機溶剤として揮発し易い20℃における蒸気圧が5.0〜50mmHg、より好ましくは10〜50mmHgの溶剤を主溶剤として用いると筆跡の乾燥性に優れるため、筆跡を手触した際、未乾燥のインキが手に付着したり、筆記面上の筆跡を形成していない空白部分を汚染する等の不具合を生じることなく、良好な筆跡を形成できる。
蒸気圧が5.0〜50mmHg(20℃)の有機溶剤としては、エチルアルコール(45)、n−プロピルアルコール(14.5)、イソプロピルアルコール(32.4)、n−ブチルアルコール(5.5)、イソブチルアルコール(8.9)、sec−ブチルアルコール(12.7)、tert−ブチルアルコール(30.6)、tert−アミルアルコール(13.0)等のアルコール系有機溶剤、
エチレングリコールモノメチルエーテル(8.5)、エチレングリコールジエチルエーテル(9.7)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(6.0)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(7.6)等のグリコールエーテル系有機溶剤、
n−ヘプタン(35.0)、n−オクタン(11.0)、イソオクタン(41.0)、メチルシクロヘキサン(37.0)、エチルシクロヘキサン(10.0)、トルエン(24.0)、キシレン(5.0〜6.0)、エチルベンゼン(7.1)等の炭化水素系有機溶剤、
メチルイソブチルケトン(16.0)、メチルn−プロピルケトン(12.0)、メチルn−ブチルケトン(12.0)、ジ−n−プロピルケトン(5.2)等のケトン系有機溶剤、
蟻酸n−ブチル(22.0)、蟻酸イソブチル(33.0)、酢酸n−プロピル(25.0)、酢酸イソプロピル(48.0)、酢酸n−ブチル(8.4)、酢酸イソブチル(13.0)、プロピオン酸エチル(28.0)、プロピオン酸n−ブチル(45.0)、酪酸メチル(25.0)、酪酸エチル(11.0)等のエステル系有機溶剤を例示できる。
尚、括弧内の数字は20℃におけるそれぞれの有機溶剤の蒸気圧を示す。
前記有機溶剤のうち、好ましくは炭素数4以下のアルコール及び/又は炭素数4以下のグリコールエーテル類、より好ましくはエチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルが用いられ、筆跡の速乾性に優れると共に、併用する種々の樹脂や添加剤の溶解性に優れるため好適である。
前記20℃における蒸気圧が5.0〜50mmHgの有機溶剤は溶剤中50質量%以上添加される。
また、二種以上の溶剤を併用して用いてもよい。
更に、主溶剤として炭素数3以下のアルコール及び/又は炭素数4以下のグリコールエーテル類を用いる系においては、沸点が160℃〜250℃の有機溶剤を併用して筆跡乾燥速度を調整することが好ましい。沸点範囲が160℃未満の有機溶剤では、多湿下では筆跡の白化現象を生じ易くなり、沸点が250℃を超える有機溶剤では乾燥速度が遅くなるため速乾性を損ない易くなる。
更に、前記インキ組成物には、通常油性インキ組成物に用いられる有機溶剤に対して可溶な樹脂を限定されることなく適用でき、筆跡の滲み抑制、定着性向上、堅牢性等を付与することが可能となる。
具体的には、ケトン樹脂、アミド樹脂、アルキッド樹脂、ロジン変性樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン系樹脂、クマロン−インデン樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリメタクリル酸エステル、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、α−及びβ−ピネン・フェノール重縮合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物等が挙げられる。
これらの樹脂は一種又は二種以上を併用してもよく、インキ組成中0.5〜40質量%、好ましくは1〜35質量%の範囲で用いられる。0.5重量%未満では筆跡の紙への滲み抑制、定着性向上、堅牢性付与等の充分な効果を発揮し難く、40質量%を越えて添加しても更なる効果の向上はみられないため、それ以上は要さない。
また、前記油性インキ組成物中には、必要に応じて上記成分以外に、酸化防止剤、耐ドライアップ性付与剤、紫外線吸収剤、防錆剤、潤滑剤、粘度調整剤、剥離剤、顔料分散剤、消泡剤、剪断減粘性付与剤、界面活性剤等の各種添加剤を使用できる。
例えば、防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等が使用できる。
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシルトルエン、ノルジヒドロキシトルエン、フラボノイド、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸誘導体、α−トコフェロール、カテキン類等が使用できる。
紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル5′−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、p−安息香酸−2−ヒドロキシベンゾフェノン等が使用できる。
消泡剤としては、ジメチルポリシロキサン等が使用できる。
前記剪断減粘性付与剤としては、架橋型アクリル樹脂、架橋型N−ビニルカルボン酸アミド重合体又は共重合体、非架橋型N−ビニルカルボン酸アミド重合体又は共重合体、水添ヒマシ油、脂肪酸アマイドワックス等が使用できる。
前記添加剤はいわゆる慣用的添加剤と呼ばれるもので、公知の化合物から適宜必要に応じて使用することができる。
前記油性インキ組成物は、チップを筆記先端部に装着したマーキングペンやボールペンに充填して実用に供されるが、筆記感がよいことから、マーキングペンでの使用が特に好ましい。
マーキングペンに充填する場合、マーキングペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップを筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させる構造のマーキングペンが挙げられる。尚、前記軸筒としては、樹脂成形物やアルミ缶等の金属加工体が用いられる。
特に、インキ吸蔵体にインキを含浸させる構造のマーキングペンでは、比重が大きい光輝性顔料が繊維束間やペン先内部で安定保持され難く、保管状態によって沈降や凝集を生じ易いため、本発明の構成が特に有用である。また、前記インキ吸蔵体とペン先との接続部分におけるインキ流動性が悪いため、比重が大きい光輝性顔料は吐出され難い傾向にあるが、ポリカルボン酸誘導体とリン酸エステル系界面活性剤を併用した場合には、均一濃度のインキを安定して吐出できるものとなるため、特に有用である。
ボールペンに充填する場合、ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させる構造、軸筒内にインキ組成物を充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチップに連通しており、さらにインキの端面には逆流防止用の液栓が密接している構造(固体のインキ逆流防止体を併用することもできる)のボールペンが挙げられる。尚、前記軸筒やインキ収容管としては、樹脂成形物や金属加工体が用いられる。
実施例及び比較例のインキ組成を以下の表に示す。尚、表中の組成の数値は質量部を示す。
Figure 2019011389
表中の原料の内容を注番号に沿って説明する。
(1)旭化成(株)製、商品名:FD−5060
(2)東洋アルミニウム(株)製、商品名:MS−750
(3)福田金属箔粉工業(株)製、商品名:No.7000
(4)ヤスハラケミカル(株)製、商品名:YSポリスターS145
(5)EVONIC社製、商品名:TEGO VARIPLUS AP
(6)一般式におけるRが炭素数17のアルキル基、Mが1,3−プロパンジアミン、a=2(酸価40mgKOH/g)
(7)一般式におけるRが炭素数15〜17のアルキル基、Mが水素、a=2(酸価375mgKOH/g)
(8)一般式におけるRが炭素数7〜17のアルキル基、Mがジエタノールアミン、a=2
(9)楠本化成(株)製、商品名:DISPARLON AQ−320(酸価14mgKOH/g)
(10)楠本化成(株)製、商品名:DISPARLON DA−375(酸価14mgKOH/g)
(11)BYK社製、商品名:CERAFAK111
インキの調製
前記実施例及び比較例の配合量で各原料を混合し、20℃で3時間撹拌することにより油性インキ組成物を得た。
マーキングペンの作製
透明樹脂製軸筒内に繊維束からなるインキ吸蔵体を収容した後、得られた各インキ組成物をインキ吸蔵体に充填し、アクリル繊維束を樹脂で結着したチップの後方をインキ吸蔵体に接続した状態で軸筒先端に設けることで、マーキングペンを得た。尚、前記マーキングペンにはキャップが装着されている。
各マーキングペンを用いて以下のテストを行った。
筆記試験
ポリエステルフィルム[フタムラ化学(株)製:FE2000]の表面に連続した丸を筆記し、筆跡の状況を目視により観察した。
インキ安定性試験
前記マーキングペン(ペン先下向き)と、調製した各インキ10gをサンプル瓶に移し取り蓋をした後、20℃及び50℃の環境下に30日間放置した。その後、室温にて軸筒及びサンプル瓶内部のインキの状態を目視により確認した。
前記各試験の結果を以下の表に示す。
Figure 2019011389
尚、表中の評価の記号は以下の通りである。
筆記試験
○:高濃度で均一の筆跡が形成される。
△:筆跡に部分的なカスレや濃淡箇所が見られる。
×:均一な筆跡が形成できない又は筆記不能。
インキ安定性試験
◎:異常なし。
○:若干の沈降が見られる。
×:軸筒内に顔料層ができている、インキ中の沈降物がハードケーキ化している。

Claims (7)

  1. 光輝性顔料と、有機溶剤と、下記一般式(1)で示すポリカルボン酸誘導体を少なくとも含有してなる筆記具用油性インキ組成物。
    Figure 2019011389
    〔式中Rは炭素数7〜25の直鎖又は分岐したアルキル基であり、Mは水素、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、ポリアミン塩、アルカリ金属塩のうちのいずれかを表し、aは2〜10の整数である。〕
  2. 前記ポリカルボン酸誘導体の酸価が30〜70mgKOH/gである請求項1記載の筆記具用油性インキ組成物。
  3. リン酸エステル系界面活性剤を含有する請求項1又は2に記載の筆記具用油性インキ組成物。
  4. 前記リン酸エステル系界面活性剤の酸価が10〜20mgKOH/gである請求項3記載の筆記具用油性インキ組成物。
  5. 前記有機溶剤の20℃における蒸気圧が10〜50mmHgである請求項1記載の筆記具用油性インキ組成物。
  6. 前記請求項1乃至5に記載の筆記具用油性インキ組成物を収容したマーキングペン。
  7. 軸筒に内蔵するインキ吸蔵体でインキを保持してなる請求項6記載のマーキングペン。
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