JP2008044981A - インキ組成物 - Google Patents

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健 山崎
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Abstract

【課題】低臭気で安全衛生性に優れ、樹脂溶解性に優れ、印刷安定性に優れ、乾燥性に優れ、プリンターへの腐食がなく、非吸収性基材への密着性が優れ、且つ印刷適性が良好なインキ組成物を提供することが目的。
【解決手段】分子量90〜100の不純物を含まないDMSO、および顔料を含むことを特徴とするインキ組成物。更に有機溶剤として一般式(1)ないし一般式(4)で表される溶剤のいずれか1つ以上含むことを特徴とする上記インキ組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機溶剤および顔料からなる低臭気で安全衛生性に優れ、樹脂溶解性に優れ、印刷安定性に優れ、乾燥性に優れ、プリンターへの腐食がなく、非吸収性基材への密着性が優れ、且つ印刷適性が良好なインキ組成物を提供することを目的とする。
従来、非吸収性基材を対象とした印刷方式として、軟包材用グラビア印刷、サニタリー用フレキソ印刷、金属版用シルクスクリーン印刷、屋内外広告用インクジェット印刷などが一般的に知られている。しかし、これらの印刷方式に用いられるインキ組成物は第二種有機溶剤に該当するトルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の溶剤を用いることが一般的であり、環境濃度設定、臭気等から局所排気装置の設置、又は定期健康診断等の義務が発生するなど取り扱いが難しく、より安全衛生性の高いインキが求められてきた。特にインキジェットは専用工場で印刷されるグラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷と異なり、一般オフィスなどの事務所で使用されるため、より安全性、有害性、臭気を配慮しなければならない。
安全性向上のため、軟包材グラビア印刷、サニタリー用フレキソ印刷では、環境濃度設定値が低いトルエンを使用しないノントルエンインキやアルコールを主成分とする水性インキが開発された。
一方、インキジェット印刷でも、第二種有機溶剤に非該当であるポリアルキレングリコール系溶剤、又は炭化水素系溶剤を用いたインキが開発された。(特許文献1)しかし、ポリアルキレングリコール系溶剤、又は炭化水素系溶剤からなるインキでは印刷基材表面を溶解させることができないため定着性、耐候性等が劣るなどの問題があった。
そこで、最近ではポリアルキレングリコール系溶剤と同じく第二種有機溶剤に非該当である2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンなどの含窒素複素環化合物、DMSOなどの含硫黄化合物、又はラクトン系化合物を副溶剤として併用することで、定着性、耐候性等を改善した溶剤系インクジェットインキが開発されてきた。(特許文献1、特許文献2)。しかし、これらのインキは溶解性の強さから顔料の溶解やプリンターヘッド材料の腐食がみられたり、臭気が強いなどの問題点があった。
特表2005−330298号公報 特表2000−515920号公報
本発明は、低臭気で安全衛生性に優れ、樹脂溶解性に優れ、印刷安定性に優れ、乾燥性に優れ、プリンターへの腐食がなく、非吸収性基材への密着性が優れ、且つ印刷適性が良好なインキ組成物を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、分子量90〜100の不純物を含まないDMSO、および顔料を含むことを特徴とするインキ組成物に関する。
また本発明は、不純物の分子量が94であることを特徴とする上記インキ組成物に関する。
また本発明は、有機溶剤として一般式(1)ないし一般式(4)で表される溶剤のいずれか1つ以上含むことを特徴とする上記インキ組成物に関する。
1CO(OR2ZOR3 (1) R4CO(OR5ZOCOR6 (2)
7(OR8ZOR9 (3) R10COOR11 (4)
(式中、R2、5、8、それぞれ独立してエチレン基又はプロピレン基、R1、R3、R4、R6はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、R7、R9はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R10は2−ヒドロキシエチル基、R11は炭素数1〜8のアルキル基、Zは1〜4の整数を表す。)
また本発明は、少なくとも分子量90〜100の不純物を含まないDMSOと一般式(1)ないし一般式(4)で表される溶剤との混合比率が1:0.1〜84であることを特徴とする上記インキ組成物に関する。
更に本発明は、分散剤を含有することを特徴とする上記インキ組成物に関する。
更に本発明は、樹脂を含有することを特徴とする上記インキ組成物に関する。
更に本発明は、非吸収性基材印刷用インキであることを特徴とする上記インキ組成物に関する。
更に本発明は、インキがインクジェットインキであることを特徴とする上記インキ組成物に関する。
分子量90〜100の不純物を含まないDMSOをインキ中に添加する本発明により、低臭気で安全衛生性に優れ、更にプリンターへの腐食性がないにも関わらず、被印刷物である非吸収性基材の表面を僅かに溶解し、インキの密着性を著しく高めたり、インキ組成物中の樹脂溶解性が向上することにより、長期保存時の粘度安定性や連続印刷安定性、低温時のインキ安定性が優れ、印刷適性が著しく高められたインキ組成物を提供できる。
本発明の非吸収性基材印刷用インキでは、分子量90〜100の不純物を含まないDMSOが良いが、好ましくは分子量94の不純物を含まないDMSOが良い。
本発明中の「分子量94」は、小数点第一位を四捨五入した値を表す。
本発明中のDMSOはジメチルスルホキシドを表す。
本発明の分子量90〜100の不純物の含有量は600ppm以下が良く、好ましくは100ppm以下、更に好ましくは10ppm以下が好ましい。
本発明に使用する分子量90〜100の不純物を含まないDMSOは、市販のDMSOを蒸気圧15mmHg/蒸留温度53℃にて減圧蒸留精製したり、または合成等によって容易に入手することが可能である。
本発明の非吸収性基材印刷用インキでは、分子量90〜100の不純物を含まないDMSOを含有すれば良いが、好ましくは1〜50重量%含有するのが良く、更に好ましくは1〜20重量%含有するのが良い。含有量が少なすぎると目的の密着性、インキ安定性、印刷適性が得られず、多すぎると非吸収性基材の表面を溶かしすぎてしまい、印刷物の表面に凹凸が生じたり、光沢の低下を招く。
分子量90〜100の不純物を含まないDMSOと併用して用いる有機溶剤には特に制限を受けるものは無いが、非吸収性基材印刷用インキとしては1気圧における沸点が140℃以上のものを使用するのが好ましく、更には引火点60℃以上であることが好ましい。分子量90〜100の不純物を含まないDMSOと併用して用いる有機溶剤との混合比率は1:0.1〜84が良いが、好ましくは1:1〜50、更には1:2〜30であることが好ましい。
併用して用いる有機溶剤としては、下記一般式(1)〜(4)で示される溶剤がある。
1CO(OR2ZOR3 (1) R4CO(OR5ZOCOR6 (2)
7(OR8ZOR9 (3) R10COOR11 (4)
(式中、R2、5、8、それぞれ独立してエチレン基又はプロピレン基、R1、R3、R4、R6はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、R7、R9はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R10は2−ヒドロキシエチル基、R11は炭素数1〜8のアルキル基、Zは1〜4の整数を表す。)
一般式(1)に該当する溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、プロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート等のグリコールモノアセテート類がある。
一般式(2)に該当する溶剤としては、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールアセテートプロピオネート、エチレングリコールアセテートブチレート、エチレングリコールプロピオネートブチレート、エチレングリコールジプロピオネート、エチレングリコールアセテートジブチレート、ジエチレングリコールアセテートプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートブチレート、ジエチレングリコールプロピオネートブチレート、ジエチレングリコールジプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートジブチレート、プロピレングリコールアセテートプロピオネート、プロピレングリコールアセテートブチレート、プロピレングリコールプロピオネートブチレート、プロピレングリコールジプロピオネート、プロピレングリコールアセテートジブチレート、ジプロピレングリコールアセテートプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートブチレート、ジプロピレングリコールプロピオネートブチレート、ジプロピレングリコールジプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートジブチレート等のグリコールジアセテート類がある。
一般式(3)に該当する溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類がある。低臭気、樹脂溶解性の観点より、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルは特に優れている。
一般式(4)に該当する溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル等のエステル類があげられる。
本発明に使用される顔料は、印刷インキ、塗料等に使用される種々の顔料が使用できる。このような顔料をカラーインデックスで示すと、ピグメントブラック7、ピグメントブルー15,15:1,15:3,15:4,15:6,60、ピグメントグリーン7,36、ピグメントレッド9,48,49,52,53,57,97,122,149,168,177,178,179,206,207,209,242,254,255、ピグメントバイオレット19,23,29,30,37,40,50、ピグメントイエロー12,13,14,17,20,24,74,83,86,93,94,95,109,110,117,120,125,128,137,138,139,147,148,150,151,154,155,166,168,180,185、ピグメントオレンジ36,43,51,55,59,61,71,74等があげられる。また、カーボンブラックについては中性、酸性、塩基性等のあらゆるカーボンブラックを使用することができる。顔料はインキ中に0.1〜10重量%含まれることが望ましい。
本発明では、顔料の分散性およびインキの保存安定性を向上させるために分散剤を添加するのが好ましい。分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート等を用いることができる。
分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110、111(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」が挙げられる。
また、Efka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」、共栄社化学社製「フローレン TG−710(ウレタンオリゴマー)、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」、楠本化成社製「ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」が挙げられる。
さらに、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパーズ5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、24000」、日光ケミカル社製「ニッコール T106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline 4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、PB822(塩基性分散剤)」等が挙げられる。分散剤はインキ中に0.1〜10重量%含まれることが好ましい。
本発明では非吸収性基材への密着性をさらに向上させるために樹脂を添加する。使用できる樹脂としては、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、エチレン−酢ビ系樹脂、石油樹脂、クマロンインデン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、塩酢ビ系樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂等が挙げられる。樹脂の具体例としては、荒川化学社製のスーパーエステル75、エステルガムHP、マルキッド 33、安原社製のYS ポリスター T80、三井化学社製のHiretts HRT200X、ジョンソンポリマー社製のジョンクリル586、ダウケミカルズ社製のユーカーソリューションビニル樹脂VYHD、VYHH、VMCA、VROH、VYLF−X、日信科学工業製のソルバイン樹脂CL、CNL、C5R、TA5Rを例示することができる。樹脂はインキ中0.1〜10重量%含まれることが好ましい。
本発明のインキ組成物は可塑剤、表面調整剤、紫外線防止剤、光安定化剤、酸化防止剤、加水分解防止剤等の種々の添加剤を使用することができる。
本発明の非吸収性基材としては、ポリ塩化ビニル樹脂シート、ポリオレフィン系シート、ガラス、金属等が挙げられ、特に好ましくはポリ塩化ビニル樹脂シートである。
本発明のインキ組成物の印刷方式としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インキジェット印刷等が挙げられ、特に好ましくはインキジェット印刷方式である。
本発明のインキ組成物は、まず始めにペイントシェーカー、サンドミル、ロールミル、メディアレス分散機等によって、単一もしくは混合溶媒中に顔料を樹脂または分散剤によって分散し、得られた顔料分散体を本発明の溶剤で希釈して製造されるものである。
以下、本発明で使用する分子量90〜100の不純物を含まないDMSOを精製する方法を具体的に説明する。
[精製例]
市販されている工業品DMSO(東レ社製) 100gを蒸気圧15mmHg/蒸留温度53℃の条件にて攪拌しながら減圧蒸留精製を2回繰り返すことで、分子量90〜100の不純物を含まないDMSOを得た。
[実施例]
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるものではない。なお、実施例中、「部」は「重量部」を表す。
まず、下記のような配合で顔料分散体Aを作成した。この分散体は有機溶剤中に顔料および分散剤を投入し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散して作成した。
・LIONOL BLUE FG−7400G(東洋インキ製造社製 フタロシアニン顔料)35.0部
・アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製 顔料分散剤)12.5部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 52.5部
更に、下記のような配合で顔料分散体Bを作成した。この分散体は有機溶剤中に顔料および分散剤を投入し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1.5時間分散して作成した。
・ YELLOW PIGMENT E4GN(ランクセス社製 ニッケル錯体アゾ顔料) 30.0部
・ソルスパーズ17000(ルーブリゾール社製 顔料分散剤)16.5部
・ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 53.5部
更に、下記のような配合で顔料分散体Cを作成した。この分散体は有機溶剤中に顔料および分散剤を投入し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約2時間分散して作成した。
・ Cromophtal Pink PT(チバスペシャルティーケミカルズ社製
・ キナクリドン顔料)32.0部
・ソルスパーズ24000(ルーブリゾール社製 顔料分散剤)12.8部
・ エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート 55.2部
更に、下記のような配合で顔料分散体Dを作成した。この分散体は有機溶剤中に顔料および分散剤を投入し、ハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散して作成した。
・LIONOL BLUE FG−7400G(東洋インキ製造社製 フタロシアニン顔料)35.0部
・アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製 顔料分散剤)12.5部
・分子量90〜100の不純物を含まないDMSO 52.5部
[実施例1]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体A 11.4部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.5部
・BYK−361N(BYK Chemie社製 アクリル樹脂)0.5部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 13.6部
・分子量90〜100の不純物を含まないDMSO 70.0部
[実施例2]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体A 11.4部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.5部
・BYK−361N(BYK Chemie社製 アクリル樹脂)0.5部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 43.6部
・分子量90〜100の不純物を含まないDMSO 40.0部
[実施例3]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体A 11.4部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.5部
・BYK−361N(BYK Chemie社製 アクリル樹脂)0.5部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 63.6部
・分子量90〜100の不純物を含まないDMSO 20.0部
[実施例4]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体A 11.4部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.5部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 74.1部
・分子量90〜100の不純物を含まないDMSO 10.0部
[実施例5]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体A 11.4部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.5部
・BYK−361N(BYK Chemie社製 アクリル樹脂)0.5部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 78.6部
・分子量90〜100の不純物を含まないDMSO 5.0部
[実施例6]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体A 11.4部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.5部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 54.1部
・テトラエチレングリコールジメチルエーテル 20.0部
・分子量90〜100の不純物を含まないDMSO 10.0部
[実施例7]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体A 11.4部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.5部
・ジエチレングリコールジエチルエーテル 59.1部
・テトラエチレングリコールジメチルエーテル 20.0部
・分子量90〜100の不純物を含まないDMSO 5.0部
[実施例8]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体B 16.0部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)3.5部
・ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 55.5部
・テトラエチレングリコールジメチルエーテル 20.0部
・分子量90〜100の不純物を含まないDMSO 5.0部
[実施例9]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体C 12.5部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)3.5部
・エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート 64.0部
・分子量90〜100の不純物を含まないDMSO 20.0部
[実施例10]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体C 12.5部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)3.5部
・BYK−361N(BYK Chemie社製 アクリル樹脂)0.5部
・エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート 78.5部
・分子量90〜100の不純物を含まないDMSO 5.0部
[実施例11]
上記顔料分散体を下記配合処方にてインキ化し、インキ組成物を得た。
・顔料分散体D 11.4部
・ビニル樹脂VYHD(ダウケミカルズ社製 塩酢ビ樹脂)4.5部
・BYK−361N(BYK Chemie社製 アクリル樹脂)0.5部
・ 分子量90〜100の不純物を含まないDMSO 83.6部
[比較例1]
実施例1の配合組成から分子量90〜100の不純物を含まないDMSOを除き、不足分をジエチレングリコールメチルエチルエーテルで補った以外は同様の方法でインキ化した。
[比較例2]
実施例1の配合組成から分子量90〜100の不純物を含まないDMSOを除き、不足分を工業品DMSO(東レ社製)で補った以外は同様の方法でインキ化した。
[比較例3]
実施例2の配合組成から分子量90〜100の不純物を含まないDMSOを除き、不足分をε―カプロラクトンで補った以外は同様の方法でインキ化した。
下記の表1から明らかのように、有機溶媒として本発明にて特定した化合物を使用する実施例1〜11のインク組成物は、臭気、樹脂溶解性、印刷安定性、乾燥性、プリンターへの腐食性、密着性とも全て優れる。これに対し、比較例1は粘度安定性、印刷安定性、乾燥性、密着性が劣り、比較例2は臭気が劣り、比較例3では粘度安定性、腐食性の劣る結果となった。
評価方法について下記に示す。
<臭気>
実施例1〜11、比較例1〜3で得られたインキ組成物について、25℃、湿度30%の恒温室でNo.6ワイヤーバー(東洋精機社製)を用いて、表面が無処理のポリ塩化ビニル樹脂シートに塗布。10分後にパネラー20人にて官能臭気試験を実施。20人のパネラーのち0人から5人が不快臭と感じたものを◎、6人から10人が不快臭と感じたものを○、11人から15人が不快臭と感じたものを△、15人から20人が不快臭と感じたものを×と評価した。
<粘度安定性>
実施例1〜11、比較例1〜3で得られたインキ組成物の粘度について、E型粘度計(日機装製)を用いて、70℃3週間の経時促進前後にて評価を実施し、粘度の変化率が10%以内であるものを○、変化率が10%以上であるものを×と評価した。
<印刷安定性>
実施例1〜11、比較例1〜3で得られたインキ組成物の粘度について、25℃環境下にてIP−6600(セイコーアイ・インフォテック社製、大判インクジェットプリンタ)にて、表面が無処理のポリ塩化ビニル樹脂シートに連続印刷し、ドット抜け、飛行曲がり又はインクの飛び散りの発生頻度を評価し、50時間続試験でドット抜け、飛行曲がり又はインクの飛び散りの発生か10回未満であったものを○、50時間続試験でドット抜け、飛行曲がり又はインクの飛び散りの発生か10回以上、20回未満であったものを△、50時間続試験でドット抜け、飛行曲がり又はインクの飛び散りの発生が20回以上のものを×と評価した。
<乾燥性>
実施例1〜11、比較例1〜3で得られたインキ組成物の粘度について、25℃環境下にてIP−6600(セイコーアイ・インフォテック社製、大判インクジェットプリンタ)にて、表面が無処理のポリ塩化ビニル樹脂シートにベタ印刷し、40℃で乾燥するまでの時間を計測。3分以内にて乾燥するものを○、3分以上6分未満にて乾燥するものを△、6分以上で乾燥するものを×と評価した。
<プリンターへの腐食性>
実施例1〜11、比較例1〜3で得られたインキ組成物にインキに接するプリンター材料を浸漬し、70℃3週間の経時促進前後の材料の長さと重量の変化率を評価。変化率が3%未満を◎、変化率が3%以上6%未満を○、変化率が6%以上9%未満を△、変化率が9%以上を×と評価した。
<密着性>
実施例1〜11、比較例1〜3で得られたインキ組成物をIP−6600(セイコーアイ・インフォテック社製、大判インクジェットプリンタ)にて、表面が無処理のポリ塩化ビニル樹脂シートに印刷し、印刷面をラビングテスター(テスター産業製、型式AB301)にて密着性を評価。評価条件としては試験用布片(金巾3号)にて加重200g、50往復で実施し、塗布面が全く剥ぎ取られなかったものを○、一部色が落ちたものを△、剥ぎ取られ基材が見えたものを×と評価した。
Figure 2008044981

Claims (8)

  1. 分子量90〜100の不純物を含まないDMSO、および顔料を含むことを特徴とするインキ組成物。
  2. 不純物の分子量が94であることを特徴とする請求項1記載のインキ組成物。
  3. 更に有機溶剤として一般式(1)ないし一般式(4)で表される溶剤のいずれか1つ以上含むことを特徴とする請求項1または2記載のインキ組成物。
    1CO(OR2ZOR3 (1) R4CO(OR5ZOCOR6 (2)
    7(OR8ZOR9 (3) R10COOR11 (4)
    (式中、R2、5、8、それぞれ独立してエチレン基又はプロピレン基、R1、R3、R4、R6はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基、R7、R9はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R10は2−ヒドロキシエチル基、R11は炭素数1〜8のアルキル基、Zは1〜4の整数を表す。)
  4. 請求項1記載のDMSOと請求項3記載の一般式(1)ないし一般式(4)で表される溶剤との混合比率が1:0.1〜84であることを特徴とする請求項3記載のインキ組成物。
  5. 更に分散剤を含有することを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載のインキ組成物。
  6. 更に樹脂を含有することを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載のインキ組成物。
  7. インキが非吸収性基材印刷用インキであることを特徴とする請求項1ないし6いずれか記載のインキ組成物。
  8. インキがインクジェットインキであることを特徴とする請求項1ないし7いずれか記載のインキ組成物。
















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