JP2014132050A - インク組成物およびインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、インク組成物およびインクジェット記録方法に関する。
記録ヘッドのノズル孔からインク組成物の微小な液滴を吐出させ記録媒体に付着させて、画像や文字を記録するインクジェット記録装置が知られている。また、係る記録に用いるインク組成物として、例えば、色材、界面活性剤、水、有機溶剤等の種々の成分を含むインクジェット用インク組成物が知られている。また、インクジェット用インク組成物においては実質的に水を含まない油性(非水系)のインク組成物の開発も行われている。
インクジェット記録においては、インクセット、インク組成物、記録装置、記録媒体などの複数の構成それぞれに対して多くの性能が要求され、その上、各構成間の高度なバランスが要求される。そのような要求の一例として、インク組成物においては、記録媒体に付着した際の乾燥のし易さ、画質の高さ、画像の耐擦過性の高さなどの幅広い性能に対する要求がある。
例えば、特許文献1ないし特許文献3には、記録媒体に記録した後のインク組成物の乾燥性を改良する技術が提案されている。特許文献1には炭化水素系溶剤、エステル基とエーテル基とを持つ溶剤、その双方に溶解する溶剤を含むインク組成物が開示され、特許文献2には、アミド系溶剤(エーテルアミド類)が配合されたインク組成物が開示され、特許文献3には沸点の異なる3種のアルコールが配合されたインク組成物がそれぞれ開示されている。そして特許文献1ないし特許文献3には、これらの油性のインク組成物によれば、記録媒体に印刷した後の乾燥性を向上できる旨が記載されている。
しかしながら、上記特許文献1のインク組成物では炭化水素系溶剤を用いており、また、特許文献3のインク組成物ではアルコール類を用いているので、例えば定着剤として配合される樹脂の溶解度が不十分となる場合がある。そうすると、乾燥性の向上を図ることはできたとしても、樹脂の析出等によってインク組成物の物性が損なわれること、記録物の耐擦過性を確保しにくいこと、定着用の樹脂の選定に制限が生じること、などが懸念される。また、特許文献2に開示された技術では、水系のインク組成物に対してエーテルアミド類を添加する場合には、乾燥性の向上が期待できる可能性があるが、非水系インク組成物(油性のインク組成物)に対してエーテルアミド類を添加する場合では、エーテルアミド類自体が吸湿性を有するため、かえって乾燥性を低下させる懸念が生じる。
本発明の幾つかの態様に係る目的の1つは、記録媒体に付着された後の乾燥性に優れ、かつ、画質(特に光沢や印刷ムラなど)に優れるインク組成物を提供することにある。また、本発明の幾つかの態様に係る目的の1つは、さらに、濡れ拡がり性や耐擦過性が高い画像を記録することのできるインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するために為されたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]本発明に係るインク組成物の一態様は、色材と、下記式Iで表される化合物と、を含む。
[適用例1]本発明に係るインク組成物の一態様は、色材と、下記式Iで表される化合物と、を含む。
[適用例2]適用例1において、前記式Iで表される化合物の前記インク組成物全量に対する含有量は、1質量%以上30質量%以下であってもよい。
[適用例3]適用例1または適用例2において、さらに、環状エステルを含んでもよい。
[請求項4]適用例3において、前記環状エステルの前記インク組成物全量に対する含有量は、1質量%以上50質量%以下であってもよい。
[適用例5]適用例3または適用例4において、前記環状エステルおよび前記式Iで表される化合物の前記インク組成物全量に対する合計の含有量は、10質量%以上50質量%以下であり、かつ、前記式Iで表される化合物の前記環状エステルに対する含有量の比は、1以上2以下であってもよい。
[適用例6]適用例3ないし適用例5のいずれか1例において、前記環状エステルは、5員環または6員環であってもよい。
[適用例7]適用例1ないし適用例6のいずれか1例において、前記インク組成物は、非水系インク組成物であってもよい。
[適用例8]適用例1ないし適用例7のいずれか1例において、前記色材は、顔料であってもよい。
[適用例9]本発明に係るインクジェット記録方法の一態様は、適用例1ないし適用例8のいずれか1例に記載のインク組成物を、インクジェット記録装置を用いて、記録媒体に付着させて記録を行う。
[適用例10]適用例9において、前記記録媒体は、前記インク組成物が付着される際に、30℃以上60℃以下の温度となるように加熱されてもよい。
[適用例11]適用例9または適用例10において、前記記録媒体に前記インク組成物が付着される際の環境の相対湿度が60%以上であってもよい。
[適用例12]適用例9ないし適用例11のいずれか1例において、前記記録媒体がポリ塩化ビニルを含む記録媒体であってもよい。
以下に本発明のいくつかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
1.インク組成物
本実施形態に係るインク組成物は、色材と、下記式Iで表される化合物と、を含む。
本実施形態に係るインク組成物は、色材と、下記式Iで表される化合物と、を含む。
本実施形態のインク組成物は、記録媒体に付着された後の乾燥性に優れ、かつ画質に優れる記録を行うことができる。本適用例のインク組成物は、記録後の乾燥性に優れるため、例えば、ラミネートやハトメ等の後加工を行う場合に、その工程を行うまでの待ち時間を短縮することができる。また、本適用例のインク組成物は、ムラが少なく、画質(光沢、印刷ムラ)が良好な記録画像を形成できる優れた記録を行うことができる。
1.1.色材
本実施形態のインク組成物は、色材を含有する。係る色材としては、従来公知の染料、有機あるいは無機顔料を用いることができる。このうち顔料を用いることが耐光性の点から好ましい。本実施形態のインク組成物に使用可能な顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、並びにカーボンブラック等の無機顔料からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
本実施形態のインク組成物は、色材を含有する。係る色材としては、従来公知の染料、有機あるいは無機顔料を用いることができる。このうち顔料を用いることが耐光性の点から好ましい。本実施形態のインク組成物に使用可能な顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、並びにカーボンブラック等の無機顔料からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
本実施形態のインク組成物は、ブラック、ホワイト、シアン、ブルー、グリーン、マゼンダ、レッド、イエロー、オレンジ、若しくはこれらの淡色若しくは濃色、若しくはこれらの混色、または光輝色のインクとすることができる。
本実施形態のインク組成物を、マゼンタまたはレッドのインクとする場合には、配合される色材、特に顔料として、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド222、およびC.I.ピグメントレッド224等を例示することができ、これらは単独または組み合わせて用いることができる。
本実施形態のインク組成物を、オレンジまたはイエローのインクとする場合には、配合される色材、特に顔料として、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグ
メントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、およびC.I.ピグメントイエロー180等を例示することができ、これらは単独または組み合わせて用いることができる。
メントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、およびC.I.ピグメントイエロー180等を例示することができ、これらは単独または組み合わせて用いることができる。
本実施形態のインク組成物を、グリーンまたはシアンのインクとする場合には、配合される色材、特に顔料として、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7、およびC.I.ピグメントグリーン36等を例示することができ、これらは単独または組み合わせて用いることができる。また、本実施形態のインク組成物を、ブラックのインクとする場合には、配合される色材として、例えば、カーボンブラック等を挙げることができ、ホワイトのインクとする場合の色材としては、例えば、Pigment White 6、18、21等を例示することができる。さらに、本実施形態のインク組成物には、色材として、金属粒子、金属薄片、無機塩等の光輝性の顔料を用いてもよい。
本実施形態のインク組成物における色材の含有量については、特に制限はないが、インク組成物全量に対して、好ましくは0.01質量%以上25質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以上15質量%以下、特に好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
本実施形態に係るインク組成物には、色材として顔料を用いる場合、その分散安定性を向上させる観点から、通常のインク組成物において用いられる任意の分散剤を用いることができる。このような分散剤の具体例としては、ヒノアクトKF1−M、T−6000、T−7000、T−8000、T−8350P、T−8000E(いずれも武生ファインケミカル株式会社製)等のポリエステル系高分子化合物、Solsperse20000、24000、32000、32500、33500、34000、35200、37500(いずれもLUBRIZOL社製)、Disperbyk−161、162、163、164、166、180、190、191、192(いずれもビックケミー・ジャパン社製)、フローレンDOPA−17、22、33、G−700(いずれも共栄社化学株式会社製)、アジスパーPB821、PB711(いずれも味の素株式会社製)、LP4010、LP4050、LP4055、POLYMER400、401、402、403、450、451、453(いずれもEFKAケミカルズ社製)等が挙げられる。
本実施形態に係るインク組成物において、前記分散剤を使用する場合の含有量は、含有される顔料に応じて適宜選択することができるが、インク組成物中の顔料の含有量100質量部に対して、好ましくは5質量部以上200質量部以下、より好ましくは30質量部以上120質量部以下である。
1.2.式Iで表される化合物
本実施形態のインク組成物は、下記式Iで表される化合物を含む。
本実施形態のインク組成物は、下記式Iで表される化合物を含む。
上記式Iの化合物は、R1、R2およびR3が、いずれもアルキル基であるため、例えばエーテル基、水酸基、カルボキシル基等の極性基を有さない。そのため、大気等の環境中の水分との親和性が小さく、極性基を有するものと比べて吸湿性を低く抑えることができる。これにより、水等の比較的揮発点または沸点の高い物質をインク組成物中に溶解させにくいため、結果として、インク組成物の乾燥性を向上させることができる。なお、これに対して、例えば、R3がエーテル結合を有する化合物である場合には、その化合物自体の乾燥性が高かったとしても、大気等から水分をインク組成物中に取り込みやすいため、結果としてインク組成物の十分な乾燥性を確保することができない。乾燥性が優れる場合、記録媒体に付着させたインク組成物に含まれる固形分が迅速に移動できなくなることで、印刷ムラのようなインクが不均一な部分が発生する現象が抑制される点で有利である。
また、上記式I中、R1は、炭素数1のメチル基であることが好ましい。上記式Iにおいて、R1がメチル基である化合物の標準沸点は、R1の炭素数が2以上4以下のアルキル基である化合物の標準沸点と比較して低い。そのため、上記式Iにおいて、R1がメチル基である化合物を用いると記録される画像の乾燥性を一層向上できる場合がある。
式Iで表される化合物の具体例としては、N,N−ジメチルオクタンアミド(例えば、商品名:Rhodiasolv ADMA 810、RHODIA社製(N,N−ジメチルデカンアミドとの混合物))、N,N−ジメチルデカンアミド(例えば、商品名:Rhodiasolv ADMA 10、RHODIA社製)等が挙げられる他、市販の試薬も使用できる。
インク組成物における式Iで表される化合物の合計の含有量は、インク組成物の全質量に対して、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。また、式Iで表される化合物の合計の含有量の上限は、70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましく、40質量%以下であることが特に好ましく、30質量%以下であることがさらにより好ましい。上記式Iで表される化合物の含有量が上記範囲にあることで、画像の乾燥性、耐擦過性、画質を一層向上できる。
また、インク組成物が後述の環状エステルを含む場合、式Iで表される化合物の合計の含有量[MA(質量%)]と、環状エステルの合計の含有量[MB(質量%)]との合計の含有量[MA+MB(質量%)]の下限は、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましい。また、その上限は、70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。両化合物の含有量の合計が上記範囲内にあることで、乾燥性および耐擦過性、画質に一層優れた画像が得られる。
また、上記式Iで表される化合物の含有量と、後述の環状エステルの含有量と、の含有
比[MA/MB(−)]の下限は、0.2以上であることが好ましく、0.3以上であることがさらに好ましく、1以上であることがより好ましい。またその上限は、10以下であることが好ましく、2.0以下であることがより好ましい。両化合物の含有比が上記範囲内にあると、乾燥性および耐擦過性、画質に一層優れた画像が得られる。
比[MA/MB(−)]の下限は、0.2以上であることが好ましく、0.3以上であることがさらに好ましく、1以上であることがより好ましい。またその上限は、10以下であることが好ましく、2.0以下であることがより好ましい。両化合物の含有比が上記範囲内にあると、乾燥性および耐擦過性、画質に一層優れた画像が得られる。
また、式Iで表される化合物は、ポリ塩化ビニルに対する親和性も良好である。そのため、本実施形態のインク組成物は、ポリ塩化ビニルを含有する記録媒体に付着された場合に、記録媒体の内部に浸透し易い。これにより、インク組成物の定着が促進され、かつ、上述の通り乾燥性にも優れたものとなる。
1.3.環状エステル
本実施形態のインク組成物は、環状エステルを含むことが、耐擦過性の点で好ましい。環状エステルとは、ヒドロキシル基とカルボキシル基とを有する1つの分子において、当該分子内で、該ヒドロキシル基と該カルボキシル基とが脱水縮合した構造を有する化合物である。環状エステルは、炭素原子を2個以上、酸素原子を1個含む複素環を有し、当該複素環を形成する酸素原子に隣接してカルボニル基が配置された構造を有し、ラクトンと総称される化合物である。
本実施形態のインク組成物は、環状エステルを含むことが、耐擦過性の点で好ましい。環状エステルとは、ヒドロキシル基とカルボキシル基とを有する1つの分子において、当該分子内で、該ヒドロキシル基と該カルボキシル基とが脱水縮合した構造を有する化合物である。環状エステルは、炭素原子を2個以上、酸素原子を1個含む複素環を有し、当該複素環を形成する酸素原子に隣接してカルボニル基が配置された構造を有し、ラクトンと総称される化合物である。
環状エステルのうち、単純な構造を有するものとしては、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、σ−バレロラクトン、およびε−カプロラクトンなどを例示することができる。なお、環状エステルの複素環の環員数には特に制限が無く、さらに、例えば、複素環の環員には任意の側鎖が結合していてもよい。環状エステルは、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
本実施形態のインク組成物によって形成される画像の耐擦過性をより高める観点からは、上記例示した環状エステルのうち、3員環以上7員環以下の環状エステルが好ましく、5員環または6員環の環状エステルを用いることがより好ましく、いずれの場合でも側鎖を有さないことがより好ましい。このような環状エステルの具体例としては、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、およびγ−バレロラクトンが挙げられる。またこのような環状エステルは、特に、ポリ塩化ビニルとの親和性が高いので、ポリ塩化ビニルが含有される記録媒体に付着された場合に、耐擦過性を高める効果を極めて顕著に得ることができる。
本実施形態のインク組成物が環状エステルを含む場合、インク組成物全量に対する環状エステルの合計の含有量の下限は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましく、10質量%以上であることが特に好ましい。また、その上限は、70質量%以下であることが好ましく、65質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましく、50質量%以下であることが特に好ましい。環状エステルの含有量が上記範囲にあることで、少なくとも画像の定着性および耐擦過性の少なくとも一方を良好に確保することができる。
本実施形態のインク組成物は、上記環状エステルと、式Iで表される化合物と、の両者を含む場合には、これらの化合物の相乗的な作用によって、少なくとも記録媒体に付着された際の乾燥性をより良好に確保することができる。また、これにより多様な種類の記録媒体に対して、画像のムラの抑制、光沢の向上、濡れ拡がり性および耐擦過性の確保、並びに乾燥性の向上の2種以上の性能をバランスよく発揮させることができる。
さらに、環状エステルは、ポリ塩化ビニルを溶解する作用が良好であるので、ポリ塩化
ビニルを含有する記録媒体に対するインク組成物の定着性、耐擦過性の少なくとも一方を顕著に向上させることができる。
ビニルを含有する記録媒体に対するインク組成物の定着性、耐擦過性の少なくとも一方を顕著に向上させることができる。
1.4.その他の成分
1.4.1.水
本実施形態のインク組成物は、実質的に水を含有しないことが好ましい。「実質的に含有しない」とは、意図的に含有させないことを指し、例えばインク組成物中の水の含有量が5.0質量%未満であり、好ましくは3.0質量%未満であり、一層好ましくは2.0質量%未満、さらに一層好ましは1.0質量%未満であり、最も好ましくは0.5質量%未満であることをいう。本実施形態のインク組成物は、上記の実質的に水を含有しないインク組成物(非水系インク組成物)とすることが好ましい。
1.4.1.水
本実施形態のインク組成物は、実質的に水を含有しないことが好ましい。「実質的に含有しない」とは、意図的に含有させないことを指し、例えばインク組成物中の水の含有量が5.0質量%未満であり、好ましくは3.0質量%未満であり、一層好ましくは2.0質量%未満、さらに一層好ましは1.0質量%未満であり、最も好ましくは0.5質量%未満であることをいう。本実施形態のインク組成物は、上記の実質的に水を含有しないインク組成物(非水系インク組成物)とすることが好ましい。
1.4.2.定着用樹脂
本実施形態のインク組成物は、定着用樹脂を含有してもよい。インク組成物に含有させうる定着用樹脂としては、例えば、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、フェノキシ樹脂、エチルセルロース樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂、スチレン−(メタ)アクリル共重合樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン系樹脂、石油樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン、ポリオレフィン、エチレンアルキル(メタ)アクリレート樹脂、テルペン系樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、NBR・SBR・MBR等の各種合成ゴム、およびそれらの変性体等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。これらの定着用樹脂は、例えば、インク組成物の記録媒体上における定着性を付与するために配合することができる。
本実施形態のインク組成物は、定着用樹脂を含有してもよい。インク組成物に含有させうる定着用樹脂としては、例えば、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、フェノキシ樹脂、エチルセルロース樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂、スチレン−(メタ)アクリル共重合樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン系樹脂、石油樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン、ポリオレフィン、エチレンアルキル(メタ)アクリレート樹脂、テルペン系樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、NBR・SBR・MBR等の各種合成ゴム、およびそれらの変性体等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。これらの定着用樹脂は、例えば、インク組成物の記録媒体上における定着性を付与するために配合することができる。
定着用樹脂の具体例としては、アクリペットMF(三菱レイヨン社製、アクリル樹脂)、スミペックスLG(住友化学社製、アクリル樹脂)、パラロイドBシリーズ(ローム・アンド・ハース社製、アクリル樹脂)、パラペットG−1000P(クラレ社製、アクリル樹脂)などが適用できる。定着用樹脂のうち、中でも、(メタ)アクリル系樹脂、塩ビ系樹脂が耐擦性の点で好ましい。(メタ)アクリル系樹脂は樹脂の合成時に使用したモノマー成分として少なくとも(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸の何れかを含むものであり、塩ビ系樹脂は樹脂の合成時に使用したモノマー成分として少なくとも塩化ビニルを含むものである。
本実施形態のインク組成物に定着用樹脂を配合する場合の配合量は、特に限定されないが、望ましい定着性を発揮させるために、例えば、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上3質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上2質量%以下とすることができる。
1.4.3.界面活性剤
本実施形態のインク組成物は、表面張力を低下させ記録媒体上での濡れ拡がり性を向上させる観点から、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、例えば、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、または非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン誘導体等が挙げられる。
本実施形態のインク組成物は、表面張力を低下させ記録媒体上での濡れ拡がり性を向上させる観点から、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、例えば、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、または非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン誘導体等が挙げられる。
シリコン系界面活性剤としては、ポリエステル変性シリコンやポリエーテル変性シリコンを用いることが好ましい。具体例としては、BYK−347、348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(いずれもビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素変性ポリマーを用いることが好ましく、具体例としては、BYK−340(ビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。
また、ポリオキシエチレン誘導体としては、アセチレングリコール系界面活性剤を用いることが好ましい。具体例としては、サーフィノール82、104、465、485、TG(いずれもエアープロダクツジャパン社製)、オルフィンSTG、E1010(いずれも日信化学株式会社製)、ニッサンノニオンA−10R、A−13R(いずれも日油株式会社製)、フローレンTG−740W、D−90(共栄社化学株式会社製)、ノイゲンCX−100(第一工業製薬株式会社製)等が挙げられる。
1.4.4.有機溶剤
本実施形態に係るインク組成物は、有機溶剤として、アルキレングリコール化合物や、その他の有機溶剤を含有してもよい。
本実施形態に係るインク組成物は、有機溶剤として、アルキレングリコール化合物や、その他の有機溶剤を含有してもよい。
アルキレングリコール化合物は、記録媒体に対してインク組成物を濡れ拡がらせる作用を期待して配合してもよい。アルキレングリコール化合物としては、国際公開第2002/055619パンフレットに記載されているような、エチレングリコール化合物またはプロピレングリコール化合物であることが好ましい。
本実施形態に係るインク組成物にアルキレングリコール化合物を含有させる場合、その種類は適宜選択することができ、その含有量は、インク組成物の全質量に対して、5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、10質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。
アルキレングリコール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、またはポリエチレングリコールのモノエーテル若しくはジエーテルが挙げられ、好ましくはジエチレングリコールのジエーテルである。また、好ましいプロピレングリコール化合物としては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、またはポリプロピレングリコールのモノエーテル若しくはジエーテルが挙げられ、好ましくはジプロピレングリコールのジエーテルである。
好ましいアルキレングリコール化合物の具体例としては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、ペンタエチレングリコールモノメチルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。本実施形態のインク組成物には、例示の有機溶剤を単独または混合して使用することができる。
また、本実施形態に係るインク組成物は、前記例示したアルキレングリコール化合物以外の他の有機溶剤を含有してもよい。その他の有機溶剤としては、例えば、アルコール類(例えば、エチルアルコール、1−プロパノール、フッ化アルコール等)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル等)等が挙げられる。
1.4.5.その他
本実施形態のインク組成物は、上記の成分の他にも、他の色材、(多価)アルコール類、アミン類、各種の塩類、分散剤、分散助剤、重合性化合物、他の界面活性剤、pH調整剤、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)等のキレート化剤、防腐剤・防かび剤、及び防錆剤など、所定の性能を付与するための物質を含有することができる。
本実施形態のインク組成物は、上記の成分の他にも、他の色材、(多価)アルコール類、アミン類、各種の塩類、分散剤、分散助剤、重合性化合物、他の界面活性剤、pH調整剤、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)等のキレート化剤、防腐剤・防かび剤、及び防錆剤など、所定の性能を付与するための物質を含有することができる。
1.5.作用効果
本実施形態のインク組成物は、記録媒体に付着された後の乾燥性に優れ、かつ画質および耐擦過性の高い記録を行うことができる。本実施形態のインク組成物は、記録後の乾燥性に優れるため、例えば、ラミネートやハトメ等の後加工を行う場合の待ち時間を短縮することができる。また、本実施形態のインク組成物は、記録画像におけるムラが少なく、光沢、濡れ拡がり性が良好で、記録物の耐擦過性にも優れた記録を行うことができる。
本実施形態のインク組成物は、記録媒体に付着された後の乾燥性に優れ、かつ画質および耐擦過性の高い記録を行うことができる。本実施形態のインク組成物は、記録後の乾燥性に優れるため、例えば、ラミネートやハトメ等の後加工を行う場合の待ち時間を短縮することができる。また、本実施形態のインク組成物は、記録画像におけるムラが少なく、光沢、濡れ拡がり性が良好で、記録物の耐擦過性にも優れた記録を行うことができる。
2.インクジェット記録方法
本実施形態のインクジェット記録方法では、上述のインク組成物を、インクジェット記録装置を用いて、ポリ塩化ビニルを含有する記録媒体に付着させて記録を行う。なお、本実施形態のインクジェット記録方法では、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の樹脂を含有する記録媒体を使用してもよい。
本実施形態のインクジェット記録方法では、上述のインク組成物を、インクジェット記録装置を用いて、ポリ塩化ビニルを含有する記録媒体に付着させて記録を行う。なお、本実施形態のインクジェット記録方法では、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の樹脂を含有する記録媒体を使用してもよい。
2.1.インクジェット記録装置
本実施形態のインクジェット記録方法は、インクジェット記録装置を用いて行われる。
本実施形態のインクジェット記録方法は、インクジェット記録装置を用いて行われる。
インクジェット記録装置は、少なくとも記録ヘッドを備え、インク組成物を記録ヘッドから吐出して記録媒体に付着させることができる。インクジェット記録装置は、シリアル型のインクジェット記録装置およびライン型のインクジェット記録装置のいずれでも使用することができる。いずれの型のインクジェット記録装置であっても、記録ヘッドが搭載されており、媒体と記録ヘッドとの相対的な位置関係を変化させながら、記録ヘッドのノズル孔からインク組成物の液滴を所定のタイミングでかつ所定の体積(質量)で吐出させ、記録媒体の記録面にインク組成物を付着させて所定の画像を形成することができる。
インクジェット記録装置の方式としては、インク組成物を記録ヘッドのノズル孔より液滴として吐出して該液滴を媒体に付着させることができれば、特に制限されない。例えば、インクジェット記録の方式としては、静電吸引方式、ポンプ圧力によりインク滴を噴射させる方式、圧電素子を用いる方式、インク液を微小電極で加熱発泡させインク滴を噴射させる方式、などを挙げることができる。
本実施形態のインクジェット記録方法に使用するインクジェット記録装置は、インク組成物の乾燥をより短時間で行う観点から、加熱機構を備えてもよい。加熱機構としては、インク組成物が記録媒体に付着される前に記録媒体を加熱する態様、インク組成物が記録媒体に付着される際に記録媒体および/またはインク組成物を加熱する態様、並びに、インク組成物が記録媒体に付着された後に記録媒体および/またはインク組成物を加熱する態様の少なくとも1種を採用することができる。
このような加熱機構の具体例としては、記録媒体を搬送するローラーや、記録ヘッドに
対向して記録媒体を支持するプラテンを加熱するヒーターを挙げることができる。また、記録媒体上の水性インク組成物に温風を吹きつける方法や、輻射加熱、高周波加熱、マイクロ波加熱等を用いてもよい。
対向して記録媒体を支持するプラテンを加熱するヒーターを挙げることができる。また、記録媒体上の水性インク組成物に温風を吹きつける方法や、輻射加熱、高周波加熱、マイクロ波加熱等を用いてもよい。
さらに、インク組成物が記録媒体に付着される前後において、より精密に加熱することのできる態様としてもよい。例えば、記録媒体が搬送され、インク組成物が記録媒体に付着される前に、加熱されたローラーによって記録媒体を所定の温度に加熱(以下、プレヒートということがある。)し、インク組成物が記録媒体に付着される際に、加熱されたプラテンによって記録媒体およびインク組成物を所定の温度に加熱(以下、プラテンヒートということがある。)し、さらに、インク組成物が記録媒体に付着された後に、記録媒体が搬送する加熱されたローラーによって記録媒体を所定の温度に加熱(以下、アフターヒートということがある。)してもよい。
なお、インクジェット記録装置に加熱機構を採用する場合、インク組成物の乾燥をより短時間で行うことができ、加熱される記録媒体またはインク組成物の温度が、30℃以上となるように加熱されればその効果を得ることができる。しかし、本実施形態のインクジェット記録方法では、記録媒体がポリ塩化ビニルを含むので、記録媒体の変形や変質を抑えることを考慮して、加熱される記録媒体またはインク組成物の温度は、30℃以上60℃以下、より好ましくは35℃以上55℃以下、さらに好ましくは40℃以上50℃以下である。なお、このような温度範囲の制限があっても、本実施形態のインクジェット記録方法は、上述のインク組成物を用いるので、画質および耐擦過性が高い画像を記録することに加えて、インク組成物の乾燥をより短時間で行うことができるという効果を発揮することができる。記録媒体の加熱温度は、加熱の際の記録媒体表面の温度であり、非接触式温度計で測定することができる。
インクジェット記録装置は、記録ヘッド、加熱機構の他に、装置筐体、記録ヘッドのキャリッジ機構、各種のローラー、各種駆動部、各種制御部、センサー類、記録媒体搬送機構、トレイ、操作パネル等の構成を適宜含むことができる。
2.2.記録媒体
記録媒体は、特に制限はなく、例えば、紙、フィルム、布帛、印刷本紙、金属、ガラス、高分子等を材質とするものが使用できる。特に少なくとも記録媒体表面が、高分子、金属、ガラスのいずれかからなる非吸収性の記録媒体が、耐水性、耐候性の点でこのましい。ポリ塩化ビニルを表面や内部に含有するもの、特に、ポリ塩化ビニルを主成分とするフィルムやシートであってもよい。この場合、特に、安価で、耐水性、耐擦性に優れた記録媒体とすることができる。記録媒体は、無色透明、半透明、着色透明、有彩色不透明、無彩色不透明のいずれであってもよい。
記録媒体は、特に制限はなく、例えば、紙、フィルム、布帛、印刷本紙、金属、ガラス、高分子等を材質とするものが使用できる。特に少なくとも記録媒体表面が、高分子、金属、ガラスのいずれかからなる非吸収性の記録媒体が、耐水性、耐候性の点でこのましい。ポリ塩化ビニルを表面や内部に含有するもの、特に、ポリ塩化ビニルを主成分とするフィルムやシートであってもよい。この場合、特に、安価で、耐水性、耐擦性に優れた記録媒体とすることができる。記録媒体は、無色透明、半透明、着色透明、有彩色不透明、無彩色不透明のいずれであってもよい。
このような記録媒体の具体例としては、塩ビバナーシート(3M社製、型番IJ51)、光沢ポリ塩化ビニルシート(ローランドDG社、型番SV−G−1270G)、アップルスターカラーターポリンシリーズ(カンボウプラス社製)などが挙げられる。
2.3.作用効果
本適用例のインクジェット記録方法によれば、ポリ塩化ビニルを含有する記録媒体に対して、乾燥性がよく、かつ、画質および耐擦過性が高い画像を記録することができる。本適用例のインクジェット記録方法によれば、例えば、ラミネートやハトメ等の後加工を行う場合の待ち時間を短縮することができる。また、本適用例のインクジェット記録方法は、記録画像におけるムラが少なく、光沢、濡れ拡がり性が良好で、記録物の耐擦過性にも優れた、品質のバランスの良好な記録を行うことができる。
本適用例のインクジェット記録方法によれば、ポリ塩化ビニルを含有する記録媒体に対して、乾燥性がよく、かつ、画質および耐擦過性が高い画像を記録することができる。本適用例のインクジェット記録方法によれば、例えば、ラミネートやハトメ等の後加工を行う場合の待ち時間を短縮することができる。また、本適用例のインクジェット記録方法は、記録画像におけるムラが少なく、光沢、濡れ拡がり性が良好で、記録物の耐擦過性にも優れた、品質のバランスの良好な記録を行うことができる。
2.4.環境条件等
本実施形態のインクジェット記録方法を行う際の環境条件としては、特に限定されない。しかし、上述の通り、本実施形態のインクジェット記録方法は、上記のインク組成物を用いるため、特に、環境の相対湿度が60%以上(60%RH以上)である場合に、際だって優れた効果を奏することができる。すなわち、インクジェット記録装置が、相対湿度が60%以上(60%RH以上)である環境に設置されると、通常は記録媒体に付着されたインク組成物の乾燥の速度は低下することになるが、本実施形態で使用する上述のインク組成物であれば、そのような環境であっても十分な乾燥性を確保することができる。さらに換言すると、本実施形態のインクジェット記録方法の上述した乾燥性に係る効果は、環境の相対湿度が60%以上(60%RH以上)である場合に、特に顕著に現れる。
本実施形態のインクジェット記録方法を行う際の環境条件としては、特に限定されない。しかし、上述の通り、本実施形態のインクジェット記録方法は、上記のインク組成物を用いるため、特に、環境の相対湿度が60%以上(60%RH以上)である場合に、際だって優れた効果を奏することができる。すなわち、インクジェット記録装置が、相対湿度が60%以上(60%RH以上)である環境に設置されると、通常は記録媒体に付着されたインク組成物の乾燥の速度は低下することになるが、本実施形態で使用する上述のインク組成物であれば、そのような環境であっても十分な乾燥性を確保することができる。さらに換言すると、本実施形態のインクジェット記録方法の上述した乾燥性に係る効果は、環境の相対湿度が60%以上(60%RH以上)である場合に、特に顕著に現れる。
なお、相対湿度が60%以上である環境での使用は、例えば、気候区分における熱帯、亜熱帯、温帯等の、通年または一時的に60%RH以上となる時期を有する気候帯の地域において空調が不十分な場所にインクジェット記録装置を設置して使用する場合や、工場、実験室、温室、浴室等の60%RH以上となる領域内にインクジェット記録装置を設置して使用する場合に相当する。また、インクジェット記録方法を行う際の環境条件としては、特に限定はされないが、環境温度を20〜45℃、好ましくは20〜40℃とすることが、乾燥性、画質、耐擦過性などの点で好ましい。インクジェット記録方法を行う際の環境条件は、記録装置の内部や筐体外側に設置され、記録装置自身の発熱などの影響を受けない温湿度計を用いて測定することができる。
3.実施例および比較例
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに説明するが、本発明は以下の例によってなんら限定されるものではない。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに説明するが、本発明は以下の例によってなんら限定されるものではない。
2.1.インク組成物の調製
各実施例および各比較例のインク組成物を、表1に示す配合で調製した。
各実施例および各比較例のインク組成物を、表1に示す配合で調製した。
表1に記載された成分において、顔料は、ピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン顔料:クラリアント社製)を用いた。
また、表1中、式Iで表される化合物として、化合物a1は、R1およびR2がともにメチル基であり、R3がヘプチル基であるN,N−ジメチルオクタンアミドとR1およびR2がともにメチル基であり、R3がノニル基であるN,N−ジメチルデカンアミドの混合物(商品名:Rhodiasolv ADMA 810、RHODIA社製)を、化合物a2は、N,N−ジメチルデカンアミド(商品名:Rhodiasolv ADMA 10、RHODIA社製)を用いた。
また、表1に記載の化合物b1は、式IにおけるR1およびR2がともにエチル基であり、R3がウンデシル基であるN,N−ジエチルドデカンアミドであり、化合物b2は、R1およびR2がともにメチル基であり、R3が2−メトキシエチル基であるN,N−ジメチル−2−メトキシエチルアミドであり、化合物b3はR1、R2、R3のいずれもメチル基であるN,N−ジメチルアセトアミドであり、いずれもR3が炭素数6以上10以下のアルキル基でない化合物である。
表1に記載の化合物のうち、環状エステルとしては、γ−ブチロラクトン(関東化学株式会社製)を用い、市販品をそのまま使用した。表1中、DEGBMEは、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル(商品名「ハイソルブBDM」、東邦化学工業株式会社製)の略であり、DEGMEEは、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(商品名「ハイソルブEDM」、東邦化学工業株式会社製)の略であり、いずれも市販品をそのまま
使用した。
使用した。
表1中、ソルスパース37500(商品名、LUBRIZOL社製)は、分散剤であり、購入したそのままを用いた。パラペットG−1000Pは、アクリル樹脂(定着樹脂)であり、株式会社クラレから購入して使用した。表1中、BYK340は、フッ素系界面活性剤(湿潤剤)であり、ビックケミー・ジャパン株式会社から購入して用いた。
表1に記載した配合で、DEGBME、DEGMEE、γ−ブチロラクトン、並びに化合物a1、a2、b1、b2およびb3を各例のインク組成物毎に攪拌して混合溶剤を得た。次に、混合溶剤の一部を取り分け、ソルスパース37500を混合し、その後ピグメントブルー15:3(銅フタロシアニン顔料:クラリアント社製)を加えて、ホモジナイザーを用いて予備分散した後に、ビーズミルにて分散をし、顔料の平均粒径130nmの分散体を得た。別途、混合溶剤の一部を取り分け、パラペットG−1000Pを加えて撹拌し、完全に溶解させて樹脂溶液を得た。そして上記分散体に、残っていた混合溶剤と、とBYK340と、上記樹脂溶液とを混ぜいれ各実施例および各比較例のインク組成物とした。
また、表1には、各実施例および各比較例のインク組成物における化合物a1およびa2の合計の含有量(式I表される化合物の合計の含有量)と、γ−ブチロラクトンの含有量(環状エステルの含有量)との合計の含有量(質量%)、並びに、化合物a1およびa2の合計の含有量(式I表される化合物の合計の含有量)と、γ−ブチロラクトンの含有量(環状エステルの含有量)と、の含有比(γ−ブチロラクトンの含有量に対する化合物a1およびa2の合計の含有量の比)を併せて記載した。
2.2.1.印刷ムラ
セイコーエプソン株式会社製プリンター「SC−S30650」を用いて、実施例および比較例の各インク組成物を塩ビバナーシート(3M社製、型番IJ51(ポリ塩化ビニル))上に100%濃度で記録解像度720×720dpiのベタ印刷をして60分間、25℃65%RH(相対湿度)にて乾燥させた。その後、目視および光学顕微鏡を用いて印刷面を観察し、印刷ムラの少ないものを6点として、1点まで6水準で評価し、その結果を表1に記載した。
2.2.2.光沢
セイコーエプソン株式会社製プリンター「SC−S30650」を用いて、実施例および比較例の各インク組成物を光沢ポリ塩化ビニルシート(ローランドDG社、型番SV−G−1270G)上に記録解像度720×720dpiの100%濃度でベタ印刷し、25℃65%RH(相対湿度)にて1日間、乾燥させて各例の記録物を作成した。各例のベタ印刷部の20°光沢をMULTI GLOSS 268(コニカミノルタ株式会社製)にて測定し、光沢度が26未満を1点、26以上、28未満を2点とし、光沢度を2毎に刻んで光沢を点数で評価し、その結果を表1に記載した。光沢が優れる場合、特にフィルムなどの光沢性を有する記録媒体において、記録物に記録媒体自身と同様の光沢感を得ることができる利点がある。
セイコーエプソン株式会社製プリンター「SC−S30650」を用いて、実施例および比較例の各インク組成物を光沢ポリ塩化ビニルシート(ローランドDG社、型番SV−G−1270G)上に記録解像度720×720dpiの100%濃度でベタ印刷し、25℃65%RH(相対湿度)にて1日間、乾燥させて各例の記録物を作成した。各例のベタ印刷部の20°光沢をMULTI GLOSS 268(コニカミノルタ株式会社製)にて測定し、光沢度が26未満を1点、26以上、28未満を2点とし、光沢度を2毎に刻んで光沢を点数で評価し、その結果を表1に記載した。光沢が優れる場合、特にフィルムなどの光沢性を有する記録媒体において、記録物に記録媒体自身と同様の光沢感を得ることができる利点がある。
2.2.3.ドットサイズ
セイコーエプソン株式会社製プリンター「SC−S30650」を用いて実施例および比較例の各インク組成物を、塩ビバナーシート(3M社製、型番IJ51(ポリ塩化ビニル))上に記録解像度720×720dpiの30%濃度で1辺3cmの正方形を印刷し、25℃65%RH(相対湿度)にて60分間乾燥させた。その後、光学顕微鏡を用いて印刷部分のドットサイズを観察してドットの直径を10μm毎に分類した。なお、にじみが大きい場合には、ドット形状が円状になっておらず、測定できなかった。また、にじみが小さくなることで真円に近くなっていたが、ドットサイズ(直径)は小さくなっていた。ドットサイズが20μm以下のものを1点として、20μmを超え30μm以下のものを2点、というように10μm毎にランク分けして、各例の点数を算出し、その結果を表1に記載した。ドットサイズが良好であるということは、インクの記録媒体上での濡れ拡がり性が良いということであり、記録媒体をインクで覆うことができることにより記録物の発色性が良くなるなどの利点がある。
セイコーエプソン株式会社製プリンター「SC−S30650」を用いて実施例および比較例の各インク組成物を、塩ビバナーシート(3M社製、型番IJ51(ポリ塩化ビニル))上に記録解像度720×720dpiの30%濃度で1辺3cmの正方形を印刷し、25℃65%RH(相対湿度)にて60分間乾燥させた。その後、光学顕微鏡を用いて印刷部分のドットサイズを観察してドットの直径を10μm毎に分類した。なお、にじみが大きい場合には、ドット形状が円状になっておらず、測定できなかった。また、にじみが小さくなることで真円に近くなっていたが、ドットサイズ(直径)は小さくなっていた。ドットサイズが20μm以下のものを1点として、20μmを超え30μm以下のものを2点、というように10μm毎にランク分けして、各例の点数を算出し、その結果を表1に記載した。ドットサイズが良好であるということは、インクの記録媒体上での濡れ拡がり性が良いということであり、記録媒体をインクで覆うことができることにより記録物の発色性が良くなるなどの利点がある。
2.2.4.耐擦過性
セイコーエプソン株式会社製プリンター「SC−S30650」を用いて、実施例および比較例の各インク組成物を、光沢ポリ塩化ビニルシート(ローランドDG社、型番SV−G−1270G)上に記録解像度720×720dpiの100%濃度で印刷し、25℃65%RH(相対湿度)にて1日間、乾燥させて各例の記録物を作成した。次に、JIS L 0849に基づいて、I型試験機にて乾式試験を行った。その後、試験綿布のODをスペクトロリーノ(グレタグマクベス社製)にて測定し、0.4以上を1点、0.4より小さく0.35以上のものを2点と、0.05毎に色移りに関して点数を付け、その結果を表1に記載した。
セイコーエプソン株式会社製プリンター「SC−S30650」を用いて、実施例および比較例の各インク組成物を、光沢ポリ塩化ビニルシート(ローランドDG社、型番SV−G−1270G)上に記録解像度720×720dpiの100%濃度で印刷し、25℃65%RH(相対湿度)にて1日間、乾燥させて各例の記録物を作成した。次に、JIS L 0849に基づいて、I型試験機にて乾式試験を行った。その後、試験綿布のODをスペクトロリーノ(グレタグマクベス社製)にて測定し、0.4以上を1点、0.4より小さく0.35以上のものを2点と、0.05毎に色移りに関して点数を付け、その結果を表1に記載した。
2.2.5.乾燥性
セイコーエプソン株式会社製プリンター「SC−S30650」を用いて、実施例および比較例の各インク組成物を、光沢ポリ塩化ビニルシート(ローランドDG社、型番SV−G−1270G)上に記録解像度720×720dpiの100%濃度で印刷し、25℃65%RH(相対湿度)にて5分間乾燥させた。次に、巻き取り装置を用いて巻き取った後の印刷面のスリ痕を観察した。観察はレーザー顕微鏡(キーエンス株式会社製、形式
VK−8700 Generation2)にて表面粗さを測定することで、スリ痕のある面積の割合を算出した。スリ痕面積が印刷領域の10%以下のものを5点として、20%以下10%より多いものを4点、というように10%毎にランク分けした。6点はスリ痕面積がないものとした。その結果を表1に記載した。
セイコーエプソン株式会社製プリンター「SC−S30650」を用いて、実施例および比較例の各インク組成物を、光沢ポリ塩化ビニルシート(ローランドDG社、型番SV−G−1270G)上に記録解像度720×720dpiの100%濃度で印刷し、25℃65%RH(相対湿度)にて5分間乾燥させた。次に、巻き取り装置を用いて巻き取った後の印刷面のスリ痕を観察した。観察はレーザー顕微鏡(キーエンス株式会社製、形式
VK−8700 Generation2)にて表面粗さを測定することで、スリ痕のある面積の割合を算出した。スリ痕面積が印刷領域の10%以下のものを5点として、20%以下10%より多いものを4点、というように10%毎にランク分けした。6点はスリ痕面積がないものとした。その結果を表1に記載した。
なお、上記の各評価は、印刷時の環境温度として、25℃65%RH(相対湿度)にて行った。なお、乾燥性の評価は、印刷時及び乾燥時の条件として、25℃30%RH(相対湿度)にしたこと以外は同様の条件として別途、実施した。また、印刷時の環境温度および相対湿度は、プリンターの発熱等の影響を受けない位置(筐体上部外側の位置)に温湿度計を設置して測定した。
2.3.評価結果
色材と、式Iで表される化合物とを含む実施例1〜10のインク組成物は、いずれも、少なくとも耐擦過性および乾燥性について優れており、評価全体のバランスは非常に良好であった。これに対して、式Iで表される化合物を含有しない比較例1〜5のインク組成物は、少なくとも光沢、乾燥性および印刷ムラのいずれかが不十分であり、評価全体のバランスとして、満足できるものではないことが判明した。
色材と、式Iで表される化合物とを含む実施例1〜10のインク組成物は、いずれも、少なくとも耐擦過性および乾燥性について優れており、評価全体のバランスは非常に良好であった。これに対して、式Iで表される化合物を含有しない比較例1〜5のインク組成物は、少なくとも光沢、乾燥性および印刷ムラのいずれかが不十分であり、評価全体のバランスとして、満足できるものではないことが判明した。
また、実施例8、9のインク組成物は、乾燥性が若干劣っているものの、25℃30%RH(相対湿度)における評価において、他の実施例と遜色のない乾燥性を示した。このことは、実施例1〜7のインク組成物が、25℃30%RH、25℃65%RHの両者において、より優れた乾燥性を有することを示している。
また、実施例のうちさらに環状エステルを含有する実施例1〜9は、さらに、耐擦過性も優れていた。また、環状エステルの含有量が、55質量%である実施例6のインク組成物は、ドットサイズにおいて若干不十分であったが、評価全体のバランスとしては良好なインク組成物であった。
式Iで表される化合物および環状エステルの合計の含有量が50質量%を超えている実施例3、5、6、7のインク組成物のうち、実施例6のインク組成物は、印刷ムラにおいて若干不十分であったが、評価全体のバランスとしては良好なインク組成物であった。
比較例4は、印刷ムラは比較的優れていたが、光沢が劣っており、ドットサイズも比較的劣っていた。このように、インク組成物の乾燥性が優れる場合、印刷ムラに優れる反面、光沢やドットサイズが劣る場合がある。しかしながら、比較例1、2、5は、乾燥性が比較的良好であったにも拘わらず印刷ムラが劣っていた。また、比較例3は、乾燥性が非常に劣っていたにもかかわらず印刷ムラは優れていたが、乾燥性が非常に劣る点が問題であった。このように、比較例では、乾燥性を良くすれば印刷ムラが良くなるとは限らず、乾燥性と印刷ムラ、光沢を全て満足させることができなかった。これに対し、実施例のインク組成物は、乾燥性、印刷ムラ、光沢のいずれも優れており、これらが高いレベルでバランスが取れていた。式Iで表される化合物はこのような驚くべき性能を備えていることを見出したものである。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
Claims (12)
- 請求項1において、
前記式Iで表される化合物の前記インク組成物全量に対する含有量は、1質量%以上30質量%以下である、インク組成物。 - 請求項1または請求項2において、
さらに、環状エステルを含む、インク組成物。 - 請求項3において、
前記環状エステルの前記インク組成物全量に対する含有量は、1質量%以上50質量%以下である、インク組成物。 - 請求項3または請求項4において、
前記環状エステルおよび前記式Iで表される化合物の前記インク組成物全量に対する合計の含有量は、10質量%以上50質量%以下であり、かつ、前記式Iで表される化合物の前記環状エステルに対する含有量の比は、1以上2以下である、インク組成物。 - 請求項3ないし請求項5のいずれか1項において、
前記環状エステルは、5員環または6員環である、インク組成物。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
前記インク組成物は、非水系インク組成物である、インク組成物。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
前記色材は、顔料である、インク組成物。 - 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のインク組成物を、インクジェット記録装置を用いて、記録媒体に付着させて記録を行う、インクジェット記録方法。
- 請求項9において、
前記記録媒体は、前記インク組成物が付着される際に、30℃以上60℃以下の温度となるように加熱される、インクジェット記録方法。 - 請求項9または請求項10において、
前記記録媒体に前記インク組成物が付着される際の環境の相対湿度が60%以上である、インクジェット記録方法。 - 請求項9ないし請求項11のいずれか1項において、
前記記録媒体がポリ塩化ビニルを含む記録媒体である、インクジェット記録方法。
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