JP2012052042A - インクジェットインク - Google Patents

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Abstract

【課題】画像耐久性に優れ、高光沢で液より等の生じない高品位な画像が得られ、更にインクジェットにおける射出安定性にも優れたインクジェットインクを提供すること。
【解決手段】少なくとも水、色材、水溶性有機溶剤、ポリマー粒子を含有するインクジェットインクにおいて、前記水溶性有機溶剤が一般式(1)で表わされるβ−アルコキシプロピオンアミド類を含むことを特徴とするインクジェットインク。
【化1】
Figure 2012052042

(式中、Rは炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基を表わし、RおよびRは水素原子、または炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を表わし、RとRは同一であっても異なっていてもよい。)
【選択図】なし

Description

本発明は、本発明は、ポリマー粒子を含有する水性インクジェットインクに関するものである。
近年、インクジェット記録方式は簡便、且つ安価に画像を作製できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。
このようなインクジェット記録方式で用いられるインクジェットインクとしては、水と少量の有機溶剤からなる水性インク、有機溶剤を用いて実質的に水を含まない非水系インク、室温では固体のインクを加熱溶融して印字するホットメルトインク、印字後、光等の活性光線により硬化する活性光線硬化性インク等、複数のインクがあり、用途に応じて使い分けられている。
産業用途のインクジェットインクでは、普通紙だけでなく、紙の表面に樹脂やクレーなどをコートした印刷用のコート紙など水の吸収性に乏しい記録媒体や、その表面が樹脂製の記録媒体、あるいは樹脂フィルムそのものといった、吸水性がほとんどない記録媒体に直接印字できるインクが開発されている。これらのインクとしては、有機溶剤をベヒクルとした溶剤インクや、重合性モノマーを主成分とするUVインクが挙げられる。溶剤インクはその溶剤を乾燥させて大気中に蒸発させるため、近年社会問題となっているVOCが多いという課題がある。また作業者に対しても、臭気や安全上の影響が懸念され十分な換気等の設備対応が必要である。UVインクは印字後すぐに硬化させるのでVOCはゼロに近いが、使用するモノマーによっては皮膚感作性を有するものが多く問題であり、また、高価なUV光源をプリンターに組み込むという制約から使用する分野に制限がある。さらに、光沢系のシート等に印字した場合、インクの付着した部分で著しく光沢感が損なわれてしまい、高画質の画像が得られなかった。
このような背景の中で、環境負荷の少ない、従来からホーム等でも広く使用されている水を主成分とする水系インクで直接、様々な記録メディアにも印字できるインクの開発が行われている。しかしながら、コート紙や樹脂フィルムといった吸水性が乏しい記録媒体は、普通紙等の吸収性の高い記録媒体に比べ、記録媒体への画像の密着性や堅牢性が低いものであった。また、通常の水系のインクの吸収が乏しいため、記録媒体上でインクのハジキが生じ、画像の白ぬけが起こって画質が低下したり、乾燥性も悪くブロッキングが起きやすい等の問題があった。
例えば特許文献1には、グリコールおよび低表面張力の水溶性有機溶剤としてグリコールエーテルよりなる群から選択される溶媒を含有する水系インクが提案されており、さらに疎水性の主鎖と、非イオン性で親水性の側鎖とを有し、水と水溶性有機溶剤を含有する水性ビヒクルには溶解するが、水には不溶性であるグラフトコポリマーバインダーを含有するインクが提案されている。しかしながら、本発明者らが検討した結果、特許文献1の方法では、非吸水性記録媒体上で隣接して着弾したインクドットが合一する、いわゆる液よりがおこり、均一な中間濃度のベタ画像部分でドットが寄り集まってまだら状の模様が発生したり、多色印刷時にカラーブリード(色境界部分でインクが混ざり合って不鮮明になる現象)が発生するなど、画質が不十分であった。また、得られた画像の耐久性も不十分であり、インクの乾燥性も低いといった問題があった。
インクの記録媒体への定着性を向上させるために、バインダー樹脂を含有した水性インクが開示されており、バインダー樹脂として、ポリマー粒子が添加してある水系インクが多数提案されている(例えば、特許文献2〜5参照)。これらは印字中または印字後に記録媒体を加熱して、インク中の熱可塑性のポリマー粒子をフイルム形成させることで記録媒体への密着性や耐擦性等の画像耐久性を向上させている。しかしながら、これらの特許文献に記載されたインクや記録方法は画像耐久性や光沢性を十分に発揮させるには、印字中または印字後に加熱条件を調整してポリマー粒子を成膜させる必要があり、十分な性能の膜を形成させることが難しかった。
特開2000−44858号公報 特開2004−114692号公報 特開2005−220352号公報 特開2006−22328号公報 特開2006−282822号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、画像耐久性に優れ、高光沢で液より等の生じない高品位な画像が得られ、更にインクジェットにおける射出安定性にも優れたインクジェットインクを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.少なくとも水、色材、水溶性有機溶剤、ポリマー粒子を含有するインクジェットインクにおいて、前記水溶性有機溶剤が一般式(1)で表わされるβ―アルコキシプロピオンアミド類を含むことを特徴とするインクジェットインク。
Figure 2012052042
(式中、Rは炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基を表わし、RおよびRは水素原子、または炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を表わし、RとRは同一であっても異なっていてもよい。)
2.前記一般式(1)で表わされるβ−アルコキシプロピオンアミド類を0.1〜30質量%含有することを特徴とする前記1に記載のインクジェットインク。
3.前記ポリマー粒子がアクリル系、ウレタン系、スチレン系、ポリビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系のポリマー粒子から選ばれる1種類以上のポリマー粒子であることを特徴とする前記1または2に記載のインクジェットインク。
4.前記ポリマー粒子がアクリル系またはウレタン系のポリマー粒子を含むことを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
5.前記アクリル系のポリマー粒子のガラス転移温度Tgが−30〜120℃であることを特徴とする前記3または4に記載のインクジェットインク。
本発明により、画像耐久性に優れ、高光沢で液より等の生じない高品位な画像が得られ、更にインクジェットにおける射出安定性にも優れたインクジェットインクを提供することができた。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、本発明者らは、水系顔料インクについて、様々な記録媒体、特に表面が樹脂製の記録媒体や、印刷本紙などの吸水性に乏しいコート紙に対しても画像耐久性に優れ、高光沢で液より等の生じない高品位な画像が得られ、更にインクジェットにおける射出安定性にも優れたインクジェットインクの検討を重ねた。ここで表面が樹脂製の記録媒体とは、具体的にはポリスチレンやABSなどの樹脂版や塩ビ、PETなどのプラスチックフィルム、あるいはこれらプラスチックフィルムを紙などの基材表面に張り付けたものなどを指し、記録する表面に水が浸透しにくい媒体である。
これら表面が樹脂製の記録媒体やコート紙は、水系のインクで印字してもインクの吸収が起こらず、インクがはじいて画像が乱れたり、インクの密着性が低いため画像耐久性に乏しいものである。
このような記録媒体に対して、水系のインクがポリマー粒子と水溶性有機溶剤として一般式(1)で表わされるβ−アルコキシプロピオンアミド類を含むことにより、画像の記録媒体への密着性や耐擦性等の画像耐久性が改善され、さらに光沢性も良好で、液よりのない高画質な画像を得られることを見出したものである。
本発明のインクに使用する一般式(1)で表わされるβ−アルコキシプロピオンアミド類は、表面張力が低いため濡れ性が高く、且つ種々のポリマーの溶解性が高い溶剤である。インクの乾燥過程で本溶剤がポリマー粒子の間に入りこみ、ポリマー粒子同士の膜の形成を促進させる働きがあり、画像の堅牢性や光沢性を向上させることができると推測している。さらには、メディアとしてインク吸収性の乏しい記録媒体を使用する場合においても、本溶剤の濡れ性によりハジキの少ない良好な画像を得ることができると考えている。
(一般式(1)で表わされるβ−アルコキシプロピオンアミド類)
はじめに、下記一般式(1)で表わされるβ−アルコキシプロピオンアミド類について説明する。
Figure 2012052042
一般式(1)において、Rは炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基を表わし、RおよびRは水素原子、または炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を表わす。また、RとRは同一であっても異なっていてもよい。好ましいRとしてはメチル基、エチル基、n−ブチル基であり、好ましいRおよびRとしては、メチル基、エチル基である。
一般式(1)で表わされるβ−アルコキシプロピオンアミド類は低表面張力の有機溶剤としての効果があり、インクの表面張力を低くして、プリント時のハジキによる白ぬけ防止に効果がある。さらに一般式(1)で表わされるβ−アルコキシプロピオンアミド類は記録媒体の樹脂成分の溶解能力が高く、インクが樹脂成分を含む記録媒体に浸透するようになるため、プリント後の乾燥が速まり、また記録媒体の樹脂成分が溶解・膨潤しているところに色材や他のインク溶剤が記録媒体中に入り込んで記録媒体と一体化するため、密着性が高まり、耐擦性等が良化し画像耐久性が向上する。
さらにインクの浸透による乾燥性が高まるため、インクが記録媒体表面で留まる事によって生じる液よりやカラーブリードといったインクジェット方式による記録時に生じる画質低下も改善されることが分かった。
液よりは、着弾したインクドットが吸収、乾燥や定着が行われる前に隣接するドットと接触を起こす現象で、液滴同士がつながることによるドット形状の変化と、つながった液滴内部や高濃度部の印字率の高い部分において液が表面張力により寄ってくることによる濃度ムラの発生の二つの段階を踏んで画像の状態を悪化させ、著しい画像の劣化を発生させる場合があった。
このような現象は、特にインクのハジキが起こりやすい記録媒体、吸水性の乏しい、すなわち表面エネルギーが低い記録媒体や表面が樹脂製の記録媒体に印字するときに顕著に表れる。
一般式(1)で表わされるβ−アルコキシプロピオンアミド類のインクへの添加量としては、画像の擦過性と画質のバランスの観点から0.1質量%以上、30質量%以下であることが好ましく、1質量%以上、10質量%以下であることがより好ましい。
これら一般式(1)で表わされるβ−アルコキシプロピオンアミド類の具体的な製造方法は特開2009−185079号や国際公開第2008/102615号などに記載されており、またエクアミドという商品名で出光興産株式会社から販売されている。
(ポリマー粒子)
次に本発明に用いられるポリマー粒子について説明する。
本発明のインクはポリマー粒子を含有する。本発明において、ポリマー粒子はバインダー樹脂として、記録媒体へのインクの耐擦性、密着性等の画像耐久性や光沢性を向上させるのに効果的である。
本発明のインクに使用するポリマー粒子の種類は、特に限定されることなく従来公知のものを使用できる。水性のインクジェットインクへの適用の観点から、アクリル系、ウレタン系、スチレン系、ポリビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系のポリマー粒子であることが好ましい。ここで言う、アクリル系とはポリマー粒子を構成しているモノマーにアクリルモノマーが1種類以上含まれているものを指している。
アクリル系では、オールアクリルエマルジョン、スチレンーアクリルエマルジョン、アクリルーシリコンエマルジョン等、ウレタン系では、ウレタンエマルジョン、ウレタンーアクリルエマルジョン等、スチレン系では、スチレンエマルジョン、スチレン−ブタジエンエマルジョン、ポリビニル系では、酢酸ビニル系エマルジョン、塩化ビニル系エマルジョン等、ポリアミド系ではスチレンーアクリルアミドエマルジョン等、ポリエステル系では、ポリエステルエマルジョン、アクリルーポリエステルエマルジョン等、ポリオレフィン系ではポリエチレンエマルジョン、ポリプロピレンエマルジョンなどのポリマー粒子が挙げられる。
特にアクリル系とウレタン系のポリマー粒子が、画像の堅牢性や光沢性の点で好ましい。さらに、ガラス転移温度Tgが−30〜120℃であるアクリル粒子が印字面のブロッキングの特性の点でより好ましい。また、これらのポリマー粒子の粒子径は500nm程度以下が好ましく、より好ましくは10〜300μm程度である。ポリマー粒子のインクへの添加量としては、0.5質量%以上、10質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上、7質量%以下の範囲であると画像の擦過性と射出の安定性とのバランスの点でより好ましい。なおTgは一般的な方法で測定できる。
本発明のインクに添加するポリマー粒子は、1種類でも複数種併用することもできる。さらに、目的に応じて水溶性の樹脂を添加しても構わない。
これらのポリマー粒子は、公知の重合方法により作製しても、市販されているものを使用しても構わない。ポリマーエマルジョンの形態として市販されているものとしては、例えばアクリル系では、ジョンクリルシリーズ(BASF社製)、ボンコートシリーズ(DIC株式会社製)、ニューコートSFKシリーズ(新中村化学工業株式会社製)、ウレタン系では、スーパーフレックスシリーズ(第一工業製薬社製)、パーマリンシリーズ(三洋化成工業株式会社製)等があげられる。
(β−アルコキシプロピオンアミド類以外の水溶性有機溶剤)
次に本発明に係るβ−アルコキシプロピオンアミド類以外の水溶性有機溶剤について説明する。
本発明のインクには必要に応じて低表面張力の水溶性有機溶剤をさらに添加することもできる。低表面張力の水溶性有機溶剤を添加することで、β−アルコキシプロピオンアミド類の効果を補助し、種々の疎水性樹脂からなる記録媒体や、印刷本紙などの吸収が遅い紙支持体に対しても、インク混じりをいっそう抑え、高画質な印字画像を得ることができる。
特に、グリコールエーテル類もしくは1,2−アルカンジオール類を添加することは好ましく、具体的には下記の低表面張力の水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
グリコールエーテル類としてはエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
また、1,2−アルカンジオール類としては、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール等が挙げられる。
また、記録媒体として塩ビ等の樹脂性のメディアを使用する場合、樹脂を溶解もしくは軟化あるいは膨潤しうる溶剤を添加することも画像の接着性、耐擦性がより向上するため好ましい。
このような溶剤としては、窒素、もしくはイオウ原子を含む環状溶剤、環状エステル溶剤、乳酸エステル、アルキレングリコールジエーテル、アルキレングリコールモノエーテルモノエステル及びジメチルスルフォキシドが挙げられる。
好ましい環状溶剤の具体例としては、環状アミド化合物、たとえば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、メチルカプロラクタム、2−アザシクロオクタノン等があげられ、イオウ原子を含有する環状溶剤の好ましい具体例としては、環状の5〜7員環が好ましく、たとえば、スルフォラン等が挙げられる。
環状エステル溶剤の好ましい具体例としては、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンが、乳酸エステルとしては乳酸ブチル、乳酸エチルなどが挙げられる。
アルキレングリコールジエーテルの好ましい具体例としては、ジエチレングリコールジエチルエーテル等があり、アルキレングリコールモノエーテルモノエステルの好ましい具体例としては、ジエチレングリコールモノエチルモノアセテートが挙げられる。
その他に、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロパンジオール、1,2−以外のブチレングリコール、1,2−以外のヘキサンジオール、1,2−以外のペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、等が挙げられる。
(色材)
次に本発明で使用する色材について説明する。
本発明で使用する色材としては、酸性染料、直接染料、塩基性染料等の水溶性染料や各種顔料、着色ポリマー/ワックスを含む分散染料、油溶性染料等が挙げられるが、特に顔料を使用することが画像耐久性の点で好ましい。
本発明に使用できる顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できる。例えばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラックや酸化チタン等の無機顔料が挙げられる。
好ましい具体的な有機顔料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッドおよびバイオレット用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド148、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド258、C.I.ピグメントレッド282、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23等が挙げられる。
オレンジまたはイエローおよびブラウン用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー43、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー194、C.I.ピグメントイエロー199、C.I.ピグメントイエロー213、C.I.ピグメントブラウン22等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:5、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー29、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
ブラック用の顔料としてはカーボンブラックの他に、C.I.ピグメントブラック5、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
ホワイト用の顔料としては酸化チタンの他に、C.I.ピグメントホワイト6等が挙げられる。
本発明はこれらに限定されるものではない。
上記の顔料は、水系インク中で安定な分散状態を保つために、各種の加工がされ、顔料分散体が作製される。
該分散体は水系で安定に分散できるものであればよく、高分子の分散樹脂により分散した顔料分散体、水不溶性樹脂で被覆されたカプセル顔料、顔料表面を修飾し分散樹脂を用いなくても分散可能な自己分散顔料等から選択することができる。
高分子の分散樹脂により分散した顔料分散体を用いる場合、樹脂としては水溶性のものを用いることができる。水溶性樹脂として好ましく用いられるのは、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等のような水溶性樹脂である。
また顔料の分散樹脂として、前記共重合樹脂を用いて分散しても良い。
顔料の分散方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等各種を用いることができる。
前記顔料分散体の粗粒分を除去する目的で遠心分離装置を使用すること又はフィルターを使用することも好ましく用いられる。
また、顔料として水不溶性樹脂で被覆されたカプセル顔料を用いても良い。水不溶性樹脂とは、弱酸性ないし弱塩基性の範囲の水に対して不溶な樹脂であり、好ましくは、pH4〜10の水溶液に対する溶解度が2%以下の樹脂である。該水不溶性樹脂として好ましくは、アクリル系、スチレン−アクリル系、アクリロニトリル−アクリル系、酢酸ビニル系、酢酸ビニル−アクリル系、酢酸ビニル−塩化ビニル系、ポリウレタン系、シリコン−アクリル系、アクリルシリコン系、ポリエステル系、エポキシ系の各樹脂を挙げることができる。
前記分散樹脂または前記水不溶性樹脂の分子量として好ましくは、平均分子量で、3000から500000のものを用いることができ、更に好ましくは、7000〜200000のものを用いることができる。
該分散樹脂または該水不溶性樹脂のTgは、好ましくは−30℃〜100℃程度のものを用いることができ、更に好ましくは−10℃〜80℃程度のものを用いることができる。
顔料と顔料を分散する樹脂の質量比率は、好ましくは顔料/樹脂比で100/150以上、100/30以下の範囲で選択することができる。特に画像耐久性と射出安定性やインク保存性が良好なのは100/100以上、100/40以下の範囲である。
水不溶性樹脂で被服された顔料粒子の平均粒子径は、80ないし200nm程度がインク保存安定性、発色性の観点から好ましい。
顔料を水不溶性樹脂で被覆する方法としては公知の種々の方法を用いることができるが、好ましくは、水不溶性樹脂をメチルエチルケトンなどの有機溶剤に溶解し、さらに塩基にて樹脂中の酸性基を部分的、もしくは完全に中和後、顔料およびイオン交換水を添加し、分散したのち、有機溶剤を除去、必要に応じて加水し調整する製造方法が好ましい。または、顔料を重合性界面活性剤を用いて分散し、そこへモノマーを供給し、重合しながら被覆する方法も好ましい。
また、自己分散顔料としては表面処理済みの市販品を用いることもでき、好ましい自己分散顔料として、例えば、CABO−JET200、CABO−JET300(キャボット社製)、ボンジェットCW1(オリエント化学工業(株)社製)等を挙げることができる。
(界面活性剤)
次に、本発明に適用することができる界面活性剤について説明する。
本発明に用いることができる界面活性剤は、本発明の目的効果を損なうことのないものであれば、特に制限なく用いることができるが、静的な表面張力の低下能が高いフッ素系またはシリコン系界面活性剤を含有することが画質と保存安定性の両立の観点で特に好ましい。
また、動的な表面張力の低下能が高い、ジオクチルスルホサクシネートなどのアニオン性活性剤、比較的低分子量のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アセチレングリコール類、プルロニック型界面活性剤、ソルビタン誘導体などのノニオン性界面活性剤が好ましく用いられる。フッ素系および/またはシリコン系活性剤と、前記動的な表面張力の低下能が高い界面活性剤を併用して用いることも好ましい。
シリコン系界面活性剤としては、ジメチルポリシロキサンの側鎖または末端をポリエーテル変性したものが好ましく、例えば、信越化学工業株式会社製のKF−351A、KF−642やビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK347、BYK348などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤は、通常の界面活性剤の疎水性基の炭素に結合した水素原子の代わりに、その一部または全部をフッ素原子で置換したものである。この中でも、分子内にパーフルオロアルキル基もしくはパーフルオロアルケニル基を有するフッ素系界面活性剤が好ましい。
例えば、DIC株式会社製のメガファック(Megafac)F、旭硝子株式会社製のサーフロン(Surflon)、イー・アイ・デュポン・ネメラス・アンド・カンパニー社製のゾニール(Zonyl)、株式会社ネオス製のフタージェントシリーズなどが挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤はアニオン性、ノニオン性、両性などがあるがいずれも好ましく用いることができる。アニオン型のフッ素系界面活性剤としては、ネオス製のフタージェント100、同150を挙げることができ、ノニオン性のフッ素系界面活性剤としては、例えば、DIC株式会社製のメガファックスF470、旭硝子株式会社製のサーフロンS−141、同145等を挙げることができる。また、両性フッ素系界面活性剤としては、例えば、旭硝子株式会社製のサーフロンS−131、同132等を挙げることができる。
界面活性剤の添加量としては、インクに対して0.1質量%以上、2質量%未満が好ましい。
(その他のインク添加剤)
本発明のインクには、上記以外にも、必要に応じて出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防黴剤、防錆剤、pH調整剤等、を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号の各公報等に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号の各公報等に記載の退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号の各公報等に記載される蛍光増白剤等を挙げることができる。
インクの防腐剤・防黴剤としては、芳香族ハロゲン化合物(たとえばPreventol CMK)、メチレンジチオシアナート、含ハロゲン窒素硫黄化合物、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(たとえばPROXEL GXL)などが挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではない。
(インクジェット記録方法)
本発明のインクジェットインクは、よりいっそう高画質で画像耐久性が高い画像を形成するため、及びより高速の印字条件にも対応できるようにするために、記録媒体の記録面側を加熱して記録することが好ましい。記録媒体を加熱しておくことにより、記録媒体へのインク付与後、インクの乾燥性及び増粘速度が向上し、高画質が得られ、加えて、インク中のポリマー粒子が一般式(1)で表わされるβ−アルコキシプロピオンアミド類により成膜性が改善されるのをより促進し、画像の耐久性が得られやすくなる。
加熱温度としては、記録面側の表面温度を35℃以上、90℃以下になるように温調、加熱することが好ましい。記録媒体の記録面を35℃以上、90℃以下に温調することで、高画質と、十分な画像耐久性が得やすいことに加え、乾燥に時間の短縮、インク射出に大きな影響を与えずに、安定にプリントすることができる。より好ましくは、記録媒体の記録面温度を40℃以上、60℃以下である。
加熱方法としては、記録媒体搬送系またはプラテン部材に発熱ヒーターを組み込み、記録媒体下方より接触式で加熱する方法や、ランプ等により下方、または上方から非接触で加熱方法を選択することができる。
更に本発明のインクジェットインクでは、記録後に不要な有機溶媒等を除去する目的で乾燥手段を用いることが好ましい。インクの乾燥手段としては特に制限はないが、例えば、記録媒体の裏面を加熱ローラあるいはフラットヒータ等に接触させて乾燥させる方法や印字面にドライヤー等で温風を吹き付ける手段、あるいは減圧処理により揮発成分を除去する方法等を適宜選択あるいは組み合わせて用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
(シアン顔料分散体の作製)
顔料分散剤としてフローレンTG−750W(固形分40%、エボニックデグサ社製)20部をイオン交換水65部に加えた。この溶液にC.I.ピグメントブルー15:3を15部添加し、プレミックスした後、0.5mmジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料固形分15%のシアン顔料分散体を得た。
(インクの作製)
インクC−1の作製
β−ヒドロキシプロピオンアミドである3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(A−1)35部をイオン交換水30部に加え、ここへポリマー粒子としてジョンクリル538J(固形分45%、BASF社製を)12部加えて攪拌し、さらにフッ素系界面活性剤メガファックF−410(DIC株式会社製)0.5部、アルコールアルコキシレート界面活性剤BYK−DYNWET800(ビックケミー・ジャパン株式会社製)1部を加え、イオン交換水で全量が80部となるように調整した。ついでここへ前記シアン顔料分散体を20部加えて攪拌した後、0.8μmのフィルターによりろ過してシアンインクC−1を得た。
インクC−2〜C−9の作製
インクC−1と同様にして、一般式(1)で表される水溶性有機溶剤であるβ−アルコキシプロピオンアミド、及び他の水溶性有機溶剤を表1に示すインク含有量となるように、またポリマー粒子と界面活性剤、シアン顔料分散体はインクC−1と同様に調整してインクC−2〜C−9を作製した。なお空欄は添加しなかったことを示す。
表1には一般式(1)で表される水溶性溶剤であるβ−アルコキシプロピオンアミド類と他の水溶性有機溶剤を記載したが、以下に表中の略称について説明する。
(β−アルコキシプロピオンアミド類)
A−1:3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド
A−2:3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド
A−3:3−エトキシ−N,N−ジエチルプロピオンアミド
(他の水溶性有機溶剤)
1,2HDO:1,2−ヘキサンジオール。
DPGPE:ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル
MPD:2−メチル−1,3−プロパンジオール
2PDN:N−メチル−2−ピロリジノン
Figure 2012052042
(画像の形成)
ノズル口径28μm、駆動周波数10kHz、ノズル数512、最小液適量14pl、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを4列搭載したオンデマンド型インクジェットプリンタのヘッドの1つに各シアンインクを装填した。
またプリンターには接触式ヒーターによって記録媒体を裏面(ヘッドと対向する面とは反対の面)より任意に加温できるようにし、ヘッド格納ポジションにインク空打ちポジションとブレードワイプ式のメンテナンスユニットを備え、任意の頻度でヘッドクリーニングができるようにした。
次いで、記録媒体として印刷用コート紙のOKトップコート(王子製紙株式会社製)に印字解像度720dpi×720dpiで、20cm×20cmの100%Dutyおよび50%Dutyのベタ画像を記録して記録画像とした。
また、記録媒体へのプリント中は、記録媒体を裏面から加温して画像記録時の記録媒体の表面温度が40℃になるようにヒーターで制御した。記録媒体の表面温度は非接触温度計(IT−530N形 堀場製作所社製)を用いて測定した。
《記録画像の評価》
(画像耐久性の評価)
記録画像の100%Dutyベタ画像部分について、画像を乾いた木綿(カナキン3号)で200gの加重をかけて擦り、下記基準に従って耐擦性を調べることにより画像耐久性を評価した。
5:50回以上擦っても画像は変化しない
4:30〜50回擦った段階で多少の傷が残るが画像濃度には影響しない
3:10〜30回擦った段階で多少画像濃度が低下する
2:5〜10回擦る間に、画像濃度が低下する
1:4回以下擦る間に、画像濃度が低下する
(液よりの評価)
記録画像の50%Duty画像部分をマイクロスコープで観察し、隣接するドットの形状を評価した。
4:隣接するドットはそれぞれが完全に真円を形成して接している
3:ドットが接する部分が僅かに膨らんでいるが、それぞれが円形を保っている
2:ドットが接する部分が膨らみ、一部が合一して円形を保てない
1:ドットが合一して楕円のようになっている
評価結果を表2に示す。
Figure 2012052042
表2に記載の結果より明らかなように、本発明のインクは比較例に対し、画像耐久性と液よりにおいて共に優れていることが分かる。
実施例2
(ポリマー粒子の作製)
ポリマー粒子1の作製
撹拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロート、および窒素導入管を備えたフラスコに、蒸留水200ml、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6gを仕込み、窒素雰囲気中で、撹拌しながら70℃まで加温し、さらに過硫酸カリウム2gを添加した。一方、メチルメタクリレート12g、ステアリルアクリレート13g、ブチルアクリレート65g、メタクリル酸10gとを混合溶解して、これを前記フラスコ中に滴下ロートより滴下した。さらに、70℃で6時間反応させた後、常温まで冷却し、中和剤としてアンモニア水を添加してpHを調製しフィルターで濾過して、ポリマー粒子1を得た。
得られたポリマー粒子1をマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより粒径を測定したところ、130nmであった。また、ポリマー粒子のTgの測定はDSCにて窒素気流中で行った。DSCの測定条件は−50〜150℃を15℃/minで昇温し、冷却後、再度昇温したときに測定した。再度昇温したときの測定値からTgを求めたところ、−35℃であった。
ポリマー粒子2の作製
ポリマー粒子1と同様にして、モノマー組成比をα−メチルスチレン45g、メチルメタクリレート40g、メタクリル酸15gにしてポリマー粒子2を得た。ポリマー粒子2の粒径は165nm、Tgは122℃であった。
(インクの作製)
インクC−10〜21の作製
前記作製したポリマー粒子と市販のポリマー粒子を使用し、シアン顔料分散体と界面活性剤はすべて実施例1と同様にして、表3に記載のβ−アルコキシプロピオンアミド、その他有機溶剤を用いて、実施例1のインクの作製方法に習いC−10〜C−21を作製した。
なお表3に用いた市販のポリマー粒子は以下のとおりである。
ファインテックス ES670:DIC株式会社社製
スミエリート1010:住友化学株式会社製
AQUACER515:ビックケミー・ジャパン株式会社製
スーパーフレックス820:第一工業製薬株式会社製
スーパーフレックス500M:第一工業製薬株式会社製
SFK−8000A:新中村化学工業株式会社製
ジョンクリル538:BASFジャパン株式会社製
ジョンクリル780:BASFジャパン株式会社製
Figure 2012052042
(画像の形成)
各シアンインクを実施例1と同様のプリンタと印字条件にて、記録媒体として印刷用アート紙のサテン金藤N(王子製紙株式会社製)に印字解像度720dpi×720dpiで、20cm×20cmの100%Dutyのベタ画像を記録して記録画像とした。いずれのインクも問題なくベタ画像をプリントすることができ、射出安定性にも問題のないことを確認した。
《記録画像の評価》
(光沢の評価)
作成した各ベタ画像について、印字部分の光沢感を目視観察し、下記の基準に従って評価を行った。
4:印字部と未印字部との光沢差が全くなく、光沢性に優れる
3:印字部と未印字部との光沢差が若干みられるが、画像品質に問題はない
2:印字部と未印字部との光沢差が認識でき、画像品質は許容できない
1:印字部と未印字部との光沢差が大きく、著しい画質低下がみられる。
(ブロッキングの評価)
各ベタ画像の印字面と印刷用紙の裏面を重ね合わせ、上から試料全面に均一の荷重がかかるように200gのおもりを置き、40℃、80%RHの環境下で7日間放置したのち、印字面のベタ画像の状態を目視観察し、下記の基準に従ってブロッキング耐性を評価した。
3:印字部に、剥離による劣化がまったくみられない
2:印字部に、剥離起因の光沢ムラがわずかにみられる
1:印字部と裏面が接着しており、剥離できない
(画像耐久性)
JIS K 5400の碁盤目試験により、各ベタ画像に粘着テープ(スコッチ#250、住友スリーエム製)を張り合わせて2kgのローラーで1往復圧着した後、一気に剥がし、残留している碁盤目状の試料の数を数え、密着性を調べることにより画像耐久性を評価した。
4:付着残留率100%
3:付着残留率80%以上100%未満
2:付着残留率60%以上80%未満
1:付着残留率60%未満
Figure 2012052042
表4に記載の結果より明らかなように、本発明のインクは比較に対し、画像の光沢、密着性、およびブロッキングの特性が共に優れていることが分かる。

Claims (5)

  1. 少なくとも水、色材、水溶性有機溶剤、ポリマー粒子を含有するインクジェットインクにおいて、前記水溶性有機溶剤が一般式(1)で表わされるβ―アルコキシプロピオンアミド類を含むことを特徴とするインクジェットインク。
    Figure 2012052042
    (式中、Rは炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基を表わし、RおよびRは水素原子、または炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を表わし、RとRは同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 前記一般式(1)で表わされるβ−アルコキシプロピオンアミド類を0.1〜30質量%含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 前記ポリマー粒子がアクリル系、ウレタン系、スチレン系、ポリビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系のポリマー粒子から選ばれる1種類以上のポリマー粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットインク。
  4. 前記ポリマー粒子がアクリル系またはウレタン系のポリマー粒子を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  5. 前記アクリル系のポリマー粒子のガラス転移温度Tgが−30〜120℃であることを特徴とする請求項3または4に記載のインクジェットインク。
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