JP2013159619A - 水性インク組成物及び画像形成方法 - Google Patents

水性インク組成物及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット法により画像を記録する際の吐出性に優れ、着弾干渉もなく、記録した画像の記録媒体への密着性に優れ、且つ、耐水性が良好で、高画質な記録画像を得ることができる水性インク組成物を提供する。
【解決手段】(A)SP値が18.6〜20であり、親水性基を有する繰り返し単位(a1)を質量換算で、5%〜45%含有するポリマー、(B)顔料、(C)水、および(D)下記一般式(I)で表される有機溶剤を含む水性インク組成物。

【選択図】なし

Description

本発明は、水性インク組成物及び画像形成方法に関する。
画像データ信号に基づき、紙などの記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。電子写真方式は、感光体ドラム上に帯電及び露光により静電潜像を形成するプロセスを必要とし、システムが複雑となり、結果的に製造コストが高価になるなどの問題がある。また熱転写方式は、装置は安価であるが、インクリボンを用いるため、ランニングコストが高く、かつ廃材が出るなどの問題がある。
一方、インクジェット方式は、安価な装置で、且つ必要とされる画像部のみにインクを吐出し記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安いという利点を有し、さらに、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
インクジェット方式による画像の記録に用いられるインク組成物のなかでも、活性エネルギー線硬化型水性インクは、画像の印刷、記録媒体に印刷適性を付与するための前処理、印刷された画像の保護・装飾の後処理などに好適に使用でき、また、水を主成分とすることから安全性に優れ、多くの優れた特徴、可能性を有する技術である。
活性エネルギー線硬化型水性インクの基本構成材料の一例として、水、重合性物質、活性エネルギー線によってラジカルなどを発生して重合を開始させる重合開始剤及び色材(顔料あるいは染料)を挙げることができる。このうち重合性物質や重合開始剤は、エマルジョン状態にして調製される場合と、適当な置換基により水溶性を付与されて溶液状態として存在する場合とがある。
重合性物質および重合開始剤が水溶性である例としては、例えば特許文献1に記載されているものが挙げられ、光照射により密着性などに優れた膜が得られるインクジェット記録用インク組成物が記載されている。
また、特許文献2には、特定のマレイミド構造を有する活性エネルギー線重合性物質を含むインク組成物が記載されている。
さらに、親水性のポリマーとして、(メタ)アクリル酸等を共重合したアクリル樹脂を用いたインクジェット記録用水性インク(例えば、特許文献3参照。)、熱可塑性高分子ラテックスを用いた水系のインクジェット用インク(例えば、特許文献4参照。)、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体等の水溶性樹脂を顔料の分散樹脂として用いたインクジェット記録液(例えば、特許文献5参照。)などが提案されている。
さらに、β−アルコキシプロピオンアミド類を溶剤とし、バインダー樹脂として水性樹脂エマルジョンまたは水溶性高分子化合物を用いた水性インキ組成物(例えば、特許文献6参照。)も提案されている。
特開2005−307199号公報 特開2007−119449号公報 特開2006−342294号公報 特開2000−85238号公報 特開2000−144028号公報 特開2010−168433号公報
しかしながら、上記した特許文献に開示された技術では、インクジェット法で画像を記録しようとすると吐出性が不良であったり、記録媒体への水性インク組成物の浸透が小さく、インク組成物をインクジェット法で打滴して得られた画像間で滲みが生じ、いわゆる着弾干渉が生じ易いものであった。
また、記録媒体とインク組成物によって得られる画像との密着性が弱く、得られた画像の耐水性が劣るものであり、結果として、得られた画像の解像度が低いものであり、甚だしい場合には画像が欠けたり、混色を起こして色純度の良好な画像が得られないものであった。
本発明が解決しようとする課題は、上記の事情に照らし、インクジェット法により画像を記録する際の吐出性に優れ、着弾干渉もなく、記録した画像の記録媒体への密着性に優れ、且つ、耐水性が良好で、高画質な記録画像を得ることができる水性インク組成物を提供することである。
また、前記水性インク組成物を用いた画像形成方法を提供することである。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> (A)SP値が18.6〜20であり、親水性基を有する繰り返し単位(a1)を質量換算で、5%〜45%含有するポリマー、(B)顔料、(C)水、および(D)下記一般式(I)で表される有機溶剤を含む水性インク組成物。
(一般式(I)中、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表し、R及びRは、各々独立に、水素原子、または炭素鎖中にエーテル結合を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。R及びRは互いに結合して環を形成してもよい。)
<2> 前記繰り返し単位(a1)における親水性基が、カルボキシル基、アミド基、カルバモイル基、アルキル置換カルバモイル基、アルコール性水酸基、及びポリアルキレンオキシ構造を有する基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基である<1>に記載の水性インク組成物。
<3> 前記(A)ポリマーが、さらに、下記一般式(1)で表される基を有する繰り返し単位(a2)を含有するポリマーである<1>または<2>に記載の水性インク組成物。
(一般式(1)中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表し、R及びRは互いに結合して4〜6員環を形成してもよい。波線は、ポリマー側鎖との結合位置を表す。)
<4> 前記(A)ポリマーの一分子中に前記一般式(1)で表される基を8個〜1000個有する、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の水性インク組成物。
<5> 前記繰り返し単位(a2)が、下記一般式(1−2)で表される構造である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の水性インク組成物。
(一般式(1−2)中、R及びRは各々独立に炭素数1〜4のアルキル基を表し、R及びRは互いに結合して4〜6員環を形成していてもよい。Zは単結合、−COO−*又は−CONR−*を表し、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。なお、*はXに結合する位置を表す。Xは炭素数1〜16のアルキレン基を表す。Rは水素原子又はメチル基を表す。)
<6> 前記繰り返し単位(a1)が、下記一般式(2)で表される繰り返し単位である、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の水性インク組成物。
(一般式(2)中、Rcyは水素原子またはメチル基を表す。Zは−COO−*、−CONRdy−*または単結合を表し、Rdyは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。なお、*はRと結合する位置を表す。Rは単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、または炭素数7〜20のアラルキレン基を表す。Aは親水性基を表す。)
<7> 前記(A)ポリマーを水性インク組成物全量に対して、1質量%〜30質量%含有する、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の水性インク組成物。
<8> 前記(C)水を水性インク組成物全量に対して、10質量%〜97質量%含有する、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の水性インク組成物。
<9> さらに、界面活性剤を含む、<1>〜<8>のいずれか1項に記載の水性インク組成物。
<10> インク粘度が5mPa・sec以上30mPa・sec以下である<1>〜<9>のいずれか1項に記載の水性インク組成物。
<11> <1>〜<10>のいずれか1項に記載の水性インク組成物を記録媒体上に付与するインク付与工程と、前記付与された水性インク組成物中の(C)水および(D)有機溶剤を乾燥する工程と、を含む画像形成方法。
本発明では、ポリマーは親水性基を有する繰り返し単位を5質量%〜45質量%有し、且つ、特定のSP値を有しており、これによって水性インクとしたときにポリマーの溶解性が良好で均一なインク組成物を得ることができる。これにより、インクジェット法で吐出したときの吐出が安定に行え、着弾干渉も防止できる。また、記録された画像は鮮明で、高解像度であり、耐水性の優れた画像を得ることができる。
さらに、本発明のインク組成物は一般式(I)で表される特定の有機溶剤を含んでいるので、記録媒体に本発明のインク組成物を浸透させることができ、これによって着弾干渉が発生することもなく、記録媒体と記録された画像との密着性が格段に向上させることができたものと考えられる。
これらの相乗効果によって、記録された画像は、カケや混色が生じるようなことがなく、高画質でしかも耐水性の優れた記録画像を提供することができたものと考えられる。
また、顔料を分散させる顔料分散剤は、荷電反発を利用することにより分散性を向上させているものと推察されるが、本発明の特定ポリマー中の親水性基は、顔料及び顔料分散剤のイオン性基の解離に影響しにくいため、顔料の荷電反発を低下させにくいと考えられる。この結果、インク組成物調製時および、インク保存時の顔料分散性を良好に保つことができると考えられる。更に、特定ポリマー中にマレイミド基を有することにより、効率的に架橋反応が進行し、本発明の効果が得られていると考察される。
本発明によれば、インクジェット法により画像を記録する際の吐出性に優れ、着弾干渉もなく、記録した画像の記録媒体への密着性に優れ、且つ、耐水性が良好で、高画質な記録画像を得ることができる水性インク組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、前記水性インク組成物を用いた画像形成方法を提供することができる。
本発明の水性インク組成物は、(A)SP値が18.6〜20であり、親水性基を有する繰り返し単位(a1)を質量換算で、5%〜45%含有するポリマー(以下、適宜「特定ポリマー」と称する。)、(B)顔料、(C)水、および(D)下記一般式(I)で表される有機溶剤を含むことを特徴とする。
以下に、これらの必須成分を詳細に説明し、さらに本発明の水性インク組成物が含有してもよいその他の成分についても説明する。
本明細書において「〜」とは、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
また、本明細書において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
<(A)SP値が18.6〜20であり、親水性基を有する繰り返し単位(a1)を質量換算で、5%〜45%含有するポリマー=特定ポリマー>
本発明における特定ポリマーは、SP値が18.6〜20であることを必須要件とする。本発明におけるSP値とは、溶解性パラメータのことであるが、沖津法で測定した溶解性パラメータのことを示す。
沖津法については、日本接着学会誌、Vol.29、No.5(1993)に詳細に記載されている。
本発明における特定ポリマーのSP値としては、18.6〜20であるが、18.9〜19.8であることが好ましい。
この範囲とすることで、水性インク組成物におけるポリマーの溶解性、又は水分散性が高く、均一なインク組成物が得られ、また記録した画像の耐水性を向上させることができる。
本発明における特定ポリマーは、水溶性、又は、水分散性であり、特定ポリマーの1gを25℃において、30ml未満の水で溶解、又は、分散できることが好ましく、20ml未満の水で溶解、又は、分散できることがより好ましく、10ml未満の水で溶解、又は、分散できることが特に好ましい。インクジェット描画での吐出安定性、及び、水性インク組成物の保存安定性の観点から、特定ポリマーは水溶性であることが好ましい。
次に、特定ポリマーの構造について説明する。
〔親水性基を有する繰り返し単位(a1)〕
特定ポリマーは、親水性基を有する繰り返し単位(a1)を質量換算で、5%以上45%以下含有する。
前記親水性基を有する繰り返し単位(a1)における親水性基とは、特定ポリマーの親水性を高める基であり、かつ非解離性の基であれば限定的ではない。
なお、親水性基を有する繰り返し単位(a1)における前記親水性基の個数としては、限定的ではないが、例えば、1個でも複数でもよく、その数は、親水性基の種類、分子量等に応じて、適宜選択される。また、複数存在する場合の親水性の種類は、同じでも異なっていてもよい。
親水性基としては、限定的ではないが、例えば、ヘテロ原子として窒素原子又は酸素原子を含む複素環から水素原子を1個除いた残基、カルボキシル基、アミド基、カルバモイル基、アルキル置換カルバモイル基、アルコール性水酸基及びポリアルキレンオキシ構造を有する基等が挙げられる。この中でも、カルボキシル基、アミド基、カルバモイル基、アルキル置換カルバモイル基、アルコール性水酸基及びポリアルキレンオキシ構造を有する基が好ましく、カルボキシル基が特に好ましい。
前記へテロ原子として窒素原子又は酸素原子を含む複素環から水素原子を1個除いた残基における複素環としては、例えば、
γ−ブチロラクトン等のラクトン類、
2−ピロリドン、エチレンウレア等の環状ウレア類、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート類、
テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル類、
12−クラウン−4等のクラウンエーテル類
が挙げられる。
前記アミド基としては、限定的ではないが、例えば、下記式(11)で表される基が好ましく挙げられる。
(式(11)中、R1a及びR1bは、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。R1a及びR1bは互いに結合して4〜6員環を形成していてもよい。*はポリマー側鎖との結合位置を示す。)
前記式(11)におけるR1a及びR1bは、各々独立に水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表す。前記R1a及びR1bにおけるアルキル基としては、直鎖または分岐のアルキル基を表し、−COO−結合、−O−結合、−NH−結合を含んでいてもよい。前記アルキル基は、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜3が最も好ましい。R1a及びR1bは、互いに結合して4〜6員環を形成していてもよい。これらの基は置換基を有していても有していなくてもよいが、置換基を有していないことが好ましい。前記R1a及びR1bで表されるアルキル基の具体例としては、メチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
式(11)において、R1a及びR1bが有していてもよい置換基としては、水酸基、炭素数1〜2のアルコキシ基等が好ましい。
前記アルキル置換カルバモイル基としては、カルバモイル基のNに結合する水素原子がアルキル基で置換されたモノアルキルカルバモイル基、又は、カルバモイル基のNに結合する2つの水素原子がアルキル基で置換されたジアルキルカルバモイル基が挙げられる。具体的には、下記式(12)で表される基が好ましく挙げられる。
((式12)中、R2a及びR2bは、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。R2a及びR2bは互いに結合して4〜6員環を形成していてもよい。*はポリマー側鎖との結合位置を示す。)
前記式(12)におけるR2a及びR2bは、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。前記R2a及びR2bにおけるアルキル基としては、直鎖または分岐のアルキル基を表し、−O−結合、−COO−結合、−C(=O)―結合を含んでいてもよい。前記アルキル基は、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜3が最も好ましい。R2a及びR2bは互いに結合して4〜6員環を形成していてもよい。前記R2a及びR2bで表されるアルキル基の具体例としては、限定的ではないが、メチレン基、エチレン基等が挙げられる。これらの基は置換基を有していても有していなくてもよいが、置換基を有していないことが好ましい。
式(12)において、R2a及びR2bが有していてもよい置換基としては、水酸基、炭素数1〜2のアルコキシ基等が好ましい。
前記ポリアルキレンオキシ構造を有する基としては、限定的ではないが、例えば、下記式(13)で表される基が好ましく挙げられる。
(式(13)中、R3aは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R3bは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。n3は、4〜50の整数を表す。複数存在するR3aは各々同一であっても異なっていてもよい。*はポリマー側鎖との結合位置を示す。)
前記式(13)におけるR3aは炭素数1〜20のアルキレン基を表す。前記R3aで表されるアルキレン基としては、直鎖、分岐または環状のアルキレン基を表し、−O−結合又は−COO−結合を含んでいてもよい。前記アルキレン基は、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜6が好ましく、炭素数1〜3が最も好ましい。式(13)の基において複数存在するR3aは、各々同一であっても異なっていてもよく、同一であることが好ましい。これらの基は置換基を有していても有していなくてもよいが、置換基を有していないことが好ましい。R3aで表されるアルキレン基の具体例としては、エチレン基等が挙げられる。
前記式(13)におけるR3aが有していてもよい置換基としては、水酸基、炭素数1〜2のアルコキシ基等が好ましい。
前記式(13)におけるR3bは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。前記R3bで表されるアルキル基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基を表し、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜3が最も好ましい。R3bで表されるアルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基等が挙げられる。
前記式(13)におけるn3は、4〜50の整数を表し、4〜40がより好ましく、5〜30が更に好ましい。
特定ポリマーにおける繰り返し単位(a1)は、更に下記一般式(2)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
(一般式(2)中、Rcyは水素原子またはメチル基を表す。Zは−COO−*、−CONRdy−*または単結合を表し、Rdyは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。なお、*はRに結合する位置を表す。Rは単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、または炭素数7〜20のアラルキレン基を表す。Aは親水性基を表す。)
一般式(2)において、Rcyは水素原子またはメチル基を表し、メチル基が好ましい。
一般式(2)において、Zは−COO−*、−CONRdy−*または単結合を表し、−COO−*であることが好ましい。なお、*はRに結合する位置である。Rdyは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。炭素数1〜4のアルキル基は、直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基を表す。Rdyは水素原子または炭素数1〜2のアルキル基、即ち、メチル基、又は、エチル基であることが好ましく、水素原子であることが特に好ましい。なお、Rdyは置換基を有していても、置換基を有していなくてもよいが、置換基を有していないことが好ましい。
前記Rdyが有していてもよい置換基としては、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
一般式(2)において、Rは単結合または炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、または炭素数7〜20のアラルキレン基を表し、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基又は炭素数7〜20のアラルキレン基であることが好ましい。これらの基は置換基を有していてもよい。また、これらの基の中には、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合が存在していてもよい。一般式(2)において、Rは単結合であることが好ましい。
前記Rが有していてもよい置換基としては、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
が炭素数1〜20のアルキレン基である場合、前記アルキレン基は直鎖構造であっても分岐構造であっても環状構造であってもよい。Rがアルキレン基である場合の炭素数は2〜12であることがより好ましく、炭素数2〜8であることがさらに好ましい。Rが表すアルキレン基の具体例としては、−CH−、−C−、−C(CH−CH−、−CHC(CHCH−、−C12−、−C(C)C−、C1836、1,4−trans−シクロヘキシレン基、−C−OCO−C−、−C−OCO−、−C−O−C10−、−CH−O−C(C11)−、−C−CONH−C−、−C−CONH−、−C−OCONH−C12−、−CH−OCONHC1020−、−CHC(OH)CH−等を挙げることができる。
が炭素数6〜20のアリーレン基である場合、前記アリーレン基の炭素数は6〜18であることが好ましく、6〜14であることがさらに好ましく、6〜10であることが最も好ましい。Rのアリーレン基の具体例としては、フェニレン基、−C−CO−C−等を挙げることができる。
が炭素数7〜20のアラルキレン基である場合、前記アラルキレン基の炭素数は7〜18であることが好ましく、7〜14であることがさらに好ましく、7〜10であることが最も好ましい。アラルキレン基の具体例としては、−C−C−、−C−C−C−、−CH−C−C−C−、−C−OCO−C−等を挙げることができる。
Aで表される親水性基としては、限定的ではないが、ヘテロ原子として窒素原子又は酸素原子を含む複素環から水素原子を1個除いた残基、カルボキシル基、アミド基、カルバモイル基、アルキル置換カルバモイル基、アルコール性水酸基及びポリアルキレンオキシ構造を有する基等が挙げられる。この中でも、カルボキシル基、アミド基、カルバモイル基、アルキル置換カルバモイル基、アルコール性水酸基、及びポリアルキレンオキシ構造を有する基が好ましい。
また、−Z−R−Aが表す基としては、カルボキシル基が特に好ましい。
Aで表される親水性基は、好ましい範囲も含めて前述の親水性基を有する繰り返し単位(a1)における親水性基と同様である。
上記一般式(2)で表される繰り返し単位は、下記一般式(2−1)で表される単量体を重合して得ることができる。
一般式(2−1)中、Rcy、Z、R、Aは、前記一般式(2)におけるRcy、Z、R、Aと、それぞれ、同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(2−1)で表される単量体の好ましい例としては、限定的ではないが、例えば、以下の例示化合物(2−1−1)〜(2−1−12)を挙げることができる。例示化合物(2−1−1)〜(2−1−2)は、アミド基を有する繰り返し単位を形成することができる単量体である。(2−1−3)はカルバモイル基を有する繰り返し単位を形成することができる単量体である。(2−1−4)〜(2−1−6)は、アルキル置換カルバモイル基を有する繰り返し単位を形成することができる単量体である。(2−1−7)〜(2−1−9)は、ポリアルキレンオキシ構造を有する基を有する繰り返し単位を形成することができる単量体である。(2−1−10)は、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環から水素原子を1個除いた残基を有する繰り返し単位を形成することができる単量体である。(2−1−11)〜(2−1−12)は、アルコール性水酸基を有する繰り返し単位を形成することができる単量体である。尚、本発明はこれらの例示化合物に限定されない。
前記式(2−1)で表される単量体は、市販の化合物もしくは一般的に知られている公知慣用の方法により製造することができる。
更に、式(2−1)で表される単量体は、親水性基を保護基で保護した繰り返し単位を与える単量体を用いて重合反応を行ってもよい。前記単量体を、重合反応し高分子化合物を形成した後に、保護基を脱離することにより、本発明の特定ポリマーを合成してもよい。例えば、親水性基として、ポリビニルアルコールの繰り返し単位を導入するには、酢酸ビニル及び安息香酸ビニルを単量体として重合し、重合して高分子とした後にアルカリや酸で加水分解する方法を用いることができる。
特定ポリマーにおける親水性基を有する繰り返し単位(a1)の含有量は、特定ポリマーに対して質量基準で、5〜45%であり、10〜40%が好ましく、12〜30%が特に好ましい。
この範囲であることによって、特定ポリマーの溶解性が良好であり、均一な水性インク組成物を得ることができる。
〔一般式(1)で表される基を有する繰り返し単位(a2)〕
特定ポリマーは、さらに下記一般式(1)で表される基を有する繰り返し単位(a2)を含有することが好ましい。
本発明の特定ポリマーは、一般式(1)で表される基を有する繰り返し単位を含有することにより、水性インク組成物の架橋反応を進めることができるので好ましい。
(一般式(1)中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表し、R及びRは互いに結合して4〜6員環を形成してもよい。波線は、ポリマー側鎖との結合位置を表す。)
一般式(1)において、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表し、炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、炭素数1であるアルキル基が最も好ましい。
これらの基は、直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を表す。R及びRは互いに結合して4〜6員環を形成してもよい。また、4〜6員環を形成する場合は、脂環構造を有することが好ましい。
また、R及びRは置換基を有していても、有していなくてもよいが、置換基を有していないことが好ましい。
本発明の特定ポリマーにおける好ましい基である一般式(1)で表される基の具体例を、下記(1−A)〜(1−C)に示す。
また、一般式(1)で表される基を有する繰り返し単位(a2)は、下記一般式(1−2)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
(一般式(1−2)中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表し、R及びRは互いに結合して4〜6員環を形成していてもよい。Zは単結合、−COO−*又は−CONR−*を表し、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。なお、*はXに結合する位置を表す。Xは炭素数1〜16のアルキレン基を表す。Rは水素原子又はメチル基を表す。)
一般式(1−2)におけるR及びRは、既述の一般式(1)におけるR及びRとして例示したものと同様であり、好ましい態様も同様である。
一般式(1−2)において、Rは水素原子又はメチル基を表す。Rはメチル基であることが好ましい。
一般式(1−2)において、Zは−COO−*、−CONR−*を表す。Zは−COO−*であることが好ましい。なお、*はXに結合する位置を表す。
また、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。炭素数1〜4のアルキル基は、直鎖構造であっても分岐構造であってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基を表す。Rは水素原子または炭素数1〜2のアルキル基、即ち、メチル基、又は、エチル基であることが好ましく、水素原子であることが特に好ましい。なお、Rは置換基を有していても、置換基を有していなくてもよいが、置換基を有していないことが好ましい。
一般式(1−2)において、Xは炭素数1〜16のアルキレン基を表し、炭素数2〜8のアルキレン基であることが好ましい。前記アルキレン基は直鎖構造であっても分岐構造であっても環状構造であってもよい。また、アルキレン基中には、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、アリーレン基が存在していてもよい。
一般式(1−2)において、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜2のアルキル基であり、Rはメチル基であり、Zは−COO−であり、Xは炭素数2〜12のアルキレン基であることが好ましい。
特定ポリマーが、上記一般式(1−2)で表される繰り返し単位を含む場合、特定ポリマーは下記一般式(1−3)で表される単量体を用いて得られる重合体であることが好ましい。
前記特定ポリマーにおける一般式(1−2)の繰り返し単位の含有量は、特定ポリマーに対し、質量基準で、5〜60%であり、10〜50%がより好ましく、10〜40%が更に好ましい。
一般式(1−3)におけるR、R、R、Z及びXは、既述の一般式(1−2)におけるR、R、R、Z及びXと同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(1−3)で表される単量体の好ましい例としては、以下の化合物(1−1−1)〜(1−1−11)を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されない。
本発明における上記一般式(1−2)で表される繰り返し単位を与えるモノマー(1−1−1)〜(1−1−11)は、例えば特開昭52−988号公報、特開平4−251258号公報等に記載の方法を参考に製造できる。
特定ポリマーは、親水性基を有する繰り返し単位(a1)を含み、さらに一般式(1)で表される基を有する繰り返し単位(a2)を含むことが好ましいが、これら以外の繰り返し単位については限定がなく、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリエチレンイミン、ポリスチレン等の高分子構造を使用することができる。インク組成物の吐出性や製造適性の観点から特定ポリマーは、ビニル重合体であることが好ましい。
本発明の特定ポリマーは、さらに他の単量体成分を重合体として用いることができる。
一般式(1−3)で表される単量体、および一般式(2−1)に代表される構造を有する単量体と共重合し得るその他の単量体としては、スチレン、p−メトキシスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトシキメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペルフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、p−スルファモイルフェニル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
これらのうち、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜8のアルキル(メタ)アクリレートがより好ましい。
なお、上記以外の公知のモノマーを、必要に応じて使用することもできる。
特定ポリマーは、下記一般式(A)で表される構造を有することが好ましい。
一般式(A)におけるR、R、R、Z及びXは、一般式(1−2)におけるR、R、R、Z及びXと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(A)におけるRcy、Z、R及びAは、一般式(2)におけるRcy、Z、R及びAと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(A)において、a及びbは特定ポリマーにおける共重合比を表し、a及びbの総和は100となる(尚、前記共重合比は質量基準である)。前記共重合比におけるaは、前記一般式(1)で表される基を有する繰り返し単位(a2)の共重合比を表し、bは、親水性基を有する繰り返し単位(a1)の共重合比を表す。15≦a≦95、かつ、5≦b≦75であることが好ましく、20≦a≦90、かつ、10≦b≦45であることがさらに好ましい。
特定ポリマーとしては、限定的ではないが、例えば以下の例示化合物(A−1)〜(A−9)を挙げることができ、これらのうち(A−1)〜(A−4)が好ましい。
特定ポリマーは、重量平均分子量2,000〜200,000であることが好ましく、重量平均分子量2,000〜150,000が更に好ましく、2,000〜100,000が最も好ましい。
特定ポリマーは、一般式(1)で表される基を、特定ポリマー一分子中に8個以上有することが好ましく、8個〜1000個有していることがより好ましく、10個〜700個以上有していることが更に好ましく、10〜500個有していることが最も好ましい。特定ポリマーは、一般式(1)で表される基を、8個以上有していることが、定着性の観点から好ましい。
一般式(1)で表される基の特定ポリマー中の個数は、特定ポリマーの重量平均分子量と共重合比とから求めることができる。例えば、二元系の共重合体であって、分子量Mの繰り返し単位と、分子量Mの繰り返し単位の共重合比が質量比で、X:Xであり、特定ポリマーの重量平均分子量がMである場合、特定ポリマー中に含まれる一般式(1)で表される基の個数は、{Mx[X/(X+X)]}/M(個)と算出することができる。
なお、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)で測定される。GPCは、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。
本発明における例示化合物(A−1)〜(A−8)のような特定ポリマーは、前記の一般式(1−3)又は(2−1)で表される前駆体等を公知の重合方法により重合でき、例えば、特開昭52−988号公報、特開昭55−154970号公報、Langmuir 18巻14号5414〜5421頁(2002年)等に記載の重合方法準じた方法で製造することができる。
特定ポリマーの水性インク組成物中における含有量としては、1〜40質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましく、3〜20質量%がさらに好ましい。
<(D)一般式(I)で表される有機溶剤>
本発明の水性インク組成物は、下記一般式(I)で表される有機溶剤を含有する。
(一般式(I)中、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表し、R及びRは、各々独立に、水素原子、または炭素中にエーテル結合を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。R及びRは互いに結合して環を形成してもよい。)
本発明の水性インク組成物は、一般式(I)で表される有機溶剤を含有することにより、記録媒体上に本発明の水性インク組成物を付与した場合に、水性インク組成物の浸透性が高く、得られた画像の記録媒体との密着性を高くすることができる。
また、前記した特定ポリマーの水性インク組成物への溶解性も良好となり、均一なインク組成物を得ることができる。
一般式(I)中、Rは炭素数1〜8のアルキル基であるが、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
が表すアルキル基の好ましい例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基が挙げられるが、これらのうち、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましい。
及びRが表す炭素数1〜6のアルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、R及びRが表すアルキル基の好ましい例としては、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられるが、これらのうち、メチル基、エチル基が好ましい。
一般式(I)で表される有機溶剤の具体例を、下記に示す。本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の水性インク組成物は、一般式(I)で表される有機溶剤を質量基準で、5〜45%含むことが好ましく、10〜40%含むことがより好ましい。
この範囲とすることで記録媒体へのインク組成物の浸透性が向上し、記録媒体と得られた画像との密着性が向上する。
(水溶性有機溶剤)
本発明のインク組成物は、前記した一般式(I)で表される有機溶剤以外の有機溶剤を含んでもよい。
本発明のインク組成物は、主たる溶剤として水を含有するが、目的に応じて、前記した一般式(I)で表される有機溶剤以外の有機溶剤を併用することも好ましい。
一般式(I)で表される有機溶剤以外の有機溶剤としては、水溶性有機溶剤であることが好ましい。ここで水溶性有機溶剤とは、25℃の水に対する溶解度が10質量%以上である有機溶剤をいう。
本発明で用いることのできる水溶性有機溶剤としては、例えば、下記のものが挙げられる。
・アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、
・多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−メチルプロパンジオール等)、
・多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、
・アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、
・アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、
・複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン等)、
・スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、
・スルホン類(例えば、スルホラン等)、
・その他(尿素、アセトニトリル、アセトン等)
好ましい水溶性有機溶剤としては、多価アルコールエーテル類、複素環類が挙げられ、これらを併用して使用することが好ましい。多価アルコールエーテル類では、いわゆるグリコールエーテル類が好ましく、具体的には、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルが好ましく、2−ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが更に好ましい。複素環類としては、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン等が好ましく、2−ピロリドンが特に好ましい。特に沸点の高い有機溶剤は好ましく用いることができ、常圧での沸点が120℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがさらに好ましい。
水溶性有機溶剤は、単独もしくは複数を併用してもよい。水性インク組成物全量に対する水溶性有機溶剤の添加量としては、限定的ではないが、1〜60質量%が好ましく、2〜35質量%がより好ましい。
<(B)顔料>
本発明の水性インク組成物は、(B)顔料を含有する。
顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の有機顔料及び無機顔料などが挙げられ、また、染料で染色した樹脂粒子、市販の顔料分散体や表面処理された顔料(例えば、顔料を分散媒として水、液状有機化合物や不溶性の樹脂等に分散させたもの、及び、樹脂や顔料誘導体等で顔料表面を処理したもの等)も挙げられる。なお、前記顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年、朝倉書店発行)、橋本勲著「有機顔料ハンドブック」(2006年、カラーオフィス発行)、W.Herbst、K.Hunger編「Industrial Organic Pigments」(1992年、Wiley−VHC発行)、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報、特開2009−235370号公報に記載のものが挙げられる。
前記有機顔料及び無機顔料としては、例えば、黄色顔料、赤色顔料、マゼンタ顔料、青色顔料、シアン顔料、緑色顔料、橙色顔料、紫色顔料、褐色顔料、黒色顔料、白色顔料等が挙げられる。
前記黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、10、65、73、74、75、97、98、111、116、130、167、205等のモノアゾ顔料、61、62、100、168、169、183、191、206、209、212等のモノアゾレーキ顔料、12、13、14、16、17、55、63、77、81、83、106、124、126、127、152、155、170、172、174、176、214、219等のジスアゾ顔料、24、99、108、193、199等のアントラキノン顔料、60等のモノアゾピラゾロン顔料、93、95、128、166等の縮合アゾ顔料、109、110、139、173、185等のイソインドリン顔料、120、151、154、175、180、181、194等のベンズイミダゾロン顔料、117、129、150、153等のアゾメチン金属錯体顔料、138等のキノフタロン顔料、213等のキノキサリン顔料が好ましい。
前記赤色又はマゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド193等のモノアゾレーキ顔料、38等のジスアゾ顔料、2、5、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、22、23、31、32、112、114、146、147、150、170、184、187、188、210、213、238、245、253、256、258、266、268、269等のナフトールAS顔料、3、4、6等のβ−ナフトール顔料、49、53、68等のβ−ナフトールレーキ顔料、237、239、247等のナフトールASレーキ顔料、41等のピラゾロン顔料、48、52、57、58、63、64:1、200等のBONAレーキ顔料、81:1、169、172等のキサンテンレーキ顔料、88、181、279等のチオインジゴ顔料、123、149、178、179、190、224等のペリレン顔料、144、166、214、220、221、242、262等の縮合アゾ顔料、168、177、182、226、263等のアントラキノン顔料、83等のアントラキノンレーキ顔料、171、175、176、185、208等のベンズイミダゾロン顔料、122、202(C.I.ピグメントバイオレット19との混合物を含む)、207、209等のキナクリドン顔料、254、255、264、270、272等のジケトピロロピロール顔料、257、271等のアゾメチン金属錯体顔料が好ましい。
前記青色又はシアン顔料としては、C.I.ピグメントブルー25、26等のナフトールAS顔料、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17:1、75、79等のフタロシアニン顔料、1、24:1、56、61、62等の染付けレーキ顔料、60等のアントラキノン系顔料、63等のインジゴ顔料、80等のジオキサジン顔料が好ましい。
前記緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン1、4、58等の染付けレーキ顔料、7、36等のフタロシアニン顔料、8等のアゾメチン金属錯体顔料が好ましい。
前記橙色顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ1等のモノアゾ顔料、2、3、5等のβ−ナフトール顔料、4、24、38、74等のナフトールAS顔料、13、34等のピラゾロン顔料、36、60、62、64、72等のベンズイミダゾロン顔料、15、16等のジスアゾ顔料、17、46等のβ−ナフトールレーキ顔料、19等のナフタレンスルホン酸レーキ顔料、43等のペリノン顔料、48、49等のキナクリドン顔料、51等のアントラキノン系顔料、61等のイソインドリノン顔料、66等のイソインドリン系顔料、68等のアゾメチン金属錯体顔料、71、73、81等のジケトピロロピロール顔料が好ましい。
前記褐色顔料としては、C.I.ピグメントブラウン5等のBONAレーキ顔料、23、41、42等の縮合アゾ顔料、25、32等のベンズイミダゾロン顔料が好ましい。
前記紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、2、3、27等の染付けレーキ顔料、13、17、25、50等のナフトールAS顔料、5:1等のアントラキノンレーキ顔料、19等のキナクリドン顔料、23、37等のジオキサジン顔料、29等のペリレン顔料、32等のベンズイミダゾロン顔料、38等のチオインジゴ顔料が好ましい。
前記黒色顔料としては、C.I.ピグメントブラック1等のインダジン顔料、7であるカーボンブラック、10であるグラファイト、11であるマグネタイト、20等のアントラキノン顔料、31、32等のペリレン顔料が好ましい。
前記白色顔料としては、C.I.ピグメントホワイト4である酸化亜鉛、6である酸化チタン、7である硫化亜鉛、12である酸化ジルコニウム(ジルコニウムホワイト)、18である炭酸カルシウム、19である酸化アルミニウム・酸化ケイ素(カオリンクレー)、21又は22である硫酸バリウム、23である水酸化アルミニウム(アルミナホワイト)、27である酸化ケイ素、28であるケイ酸カルシウムが好ましい。
白色顔料に使用される無機粒子は単体でもよいし、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタン等の酸化物や有機金属化合物、有機化合物との複合粒子であってもよい。
中でも前記酸化チタンが好適に使用される。なお、前記酸化チタンに加えて他の白色顔料(上述した白色顔料以外のものであってもよい。)を併用してもよい。
顔料粒子の体積平均粒径は、好ましくは0.005〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.45μm、更に好ましくは0.015〜0.4μmとなるよう、顔料、分散剤、媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。
なお、本発明においては、粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)等の市販の粒径測定装置を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
(水溶性染料)
また、本発明のインク組成物は、着色剤として、前記した(B)顔料とともに、染料を併用することもできる。染料としては水溶性染料が使用でき、以下に染料を説明する。
水溶性染料としては、例えば酸性染料や直接染料が挙げられる。酸性染料、直接染料は、可溶化基として、酸性基をもつ構造となっている。酸性基としては、スルホン酸基およびその塩、カルボン酸基およびその塩、リン酸基およびその塩が挙げられる。酸性基の数はひとつでも複数でもよく、組み合わせでもよい。水溶性染料が含有する発色団の化学構造としては、アゾ系、フタロシアニン系、トリフェニルメタン系、キサンテン系、ピラゾロン系、ニトロ系、スチルベン系、キノリン系、メチン系、チアゾール系、キノンイミン系、インジゴイド系、ローダミン系、アントラキノン系、アンスラキノン系のものなどが挙げられる。
(分散染料)
また、本発明においては、分散染料を用いることもできる。
分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー5、42、54、64、79、82、83、93、99、100、119、122、124、126、160、184:1、186、198、199、201、204、224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ13、29、31:1、33、49、54、55、66、73、118、119及び163;C.I.ディスパーズレッド54、60、72、73、86、88、91、92、93、111、126、127、134、135、143、145、152、153、154、159、164、167:1、177、181、204、206、207、221、239、240、258、277、278、283、311、323、343、348、356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット33;C.I.ディスパーズブルー56、60、73、87、113、128、143、148、154、158、165、165:1、165:2、176、183、185、197、198、201、214、224、225、257、266、267、287、354、358、365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9等が挙げられる。
本発明に用いることができる染料は、前記(B)顔料とともに1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
(分散剤)
顔料を用いる場合には、顔料粒子を調製する際に、必要に応じて顔料分散剤を用いてもよく、用いることのできる顔料分散剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、あるいはスチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩を挙げることができる。
また、本発明のインク組成物には、自己分散顔料を用いることもできる。本発明でいう自己分散顔料とは、分散剤なしで分散が可能な顔料を指し、特に好ましくは、表面に極性基を有している顔料粒子である。
本発明でいう表面に極性基を有する顔料粒子とは、顔料粒子表面に直接極性基で修飾させた顔料、あるいは有機顔料母核を有する有機物で直接に又はジョイントを介して極性基が結合しているもの(以下、顔料誘導体という)をいう。
極性基としては、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、燐酸基、硼酸基、水酸基が挙げられるが、好ましくはスルホン酸基、カルボン酸基であり、更に好ましくは、スルホン酸基である。
このような表面に極性基を有する顔料粒子を得る方法としては、例えば、WO97/48769号公報、特開平10−110129号公報、特開平11−246807号公報、特開平11−57458号公報、同11−189739号公報、特開平11−323232号公報、特開2000−265094公報等に記載の顔料粒子表面を適当な酸化剤で酸化させることにより、顔料表面の少なくとも一部に、スルホン酸基もしくはその塩といった極性基を導入する方法が挙げられる。具体的には、カーボンブラックを濃硝酸で酸化したり、カラー顔料の場合は、スルフォランやN−メチル−2−ピロリドン中で、スルファミン酸、スルフォン化ピリジン塩、アミド硫酸などで酸化することにより調製することができる。これらの反応で、酸化が進みすぎ、水溶性となってしまった物は除去、精製することにより、顔料分散体を得ることができる。また、酸化によりスルフォン酸基を表面に導入した場合は、酸性基を必要に応じて、塩基性化合物を用いて中和してもよい。
そのほかの表面に極性基を有する顔料粒子を得る方法としては、特開平11−49974号公報、特開2000−273383公報、同2000−303014公報等に記載の顔料誘導体をミリングなどの処理で顔料粒子表面に吸着させる方法、特願2000−377068、同2001−1495、同2001−234966に記載の顔料を顔料誘導体と共に溶媒で溶解した後、貧溶媒中で晶析させる方法等を挙げることができ、いずれの方法でも容易に、表面に極性基を有する顔料粒子を得ることができる。
顔料表面における極性基は、フリーでも塩の状態でも良いし、あるいはカウンター塩を有していても良い。カウンター塩としては、例えば、無機塩(リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ニッケル、アンモニウム)、有機塩(トリエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ピリジニウム、トリエタノールアンモニウム等)が挙げられ、好ましくは1価の価数を有するカウンター塩である。
顔料の分散方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーター、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散機を用いることができる。また、顔料分散体の粗粒分を除去する目的で、遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましい。
インク組成物中の分散剤の好ましい添加量は、インク組成物中における顔料の質量をP、インク組成物中における分散剤の質量をDとした場合、その質量比(D/P)が、0.01≦D/P≦2.0であることが好ましく、0.03≦D/P≦1.5であることがより好ましく、0.05≦D/P≦0.6であることが更に好ましい。
さらに、分散時には、分散剤に加えて、一般にシナジストと呼ばれる分散助剤(例えば、ルーブリゾール社より市販されているSOLSPERSEシリーズの5000、12000、22000、BASF・ジャパン社より市販されているEFKA6745等)や、各種界面活性剤、消泡剤を添加して、顔料の分散性、濡れ性を向上させることも好ましい。
本発明において、顔料の分散を行う場合には、顔料と分散剤とを混合した後、極性有機溶媒に添加して分散する、又は、極性有機溶媒と分散剤とを混合した後、顔料を添加して分散することが好ましい。分散には、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ソルトミル、アトライター、ロールミル、アジテーター、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。中でもビーズミル分散装置は、分散性に優れるので好ましい。
ビーズミル分散を行う際に使用するビーズは、好ましくは0.01〜3.0mm、より好ましくは0.05〜1.5mm、更に好ましくは0.1〜1.0mmの体積平均径を有するものを用いることにより、安定性に優れた顔料分散物を得ることができる。
(B)顔料のインク組成物中における含有量は、顔料の物性(比重、着色力や色味等)、インク組成物を何色組み合わせて印画物を作製するかといった条件により適宜選択することができるが、インク組成物全体の質量に対して、0.1〜30質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましい。
<(C)水>
本発明の水性インク組成物は、主たる溶媒として水を含有する。
水としては、不純物を含まないイオン交換水、蒸留水などを用いることが好ましい。
本発明のインク組成物における水の含有量は、10〜97質量%であることが好ましく、また、本発明のインク組成物の場合には、30〜95質量%であることが好ましく、35〜93質量%であることがより好ましい。
<その他の添加剤>
本発明の水性インク組成物には、必須成分である(A)特定ポリマー、(B)顔料、(C)水、及び(D)一般式(I)で表される有機溶剤に加えて、本発明の効果を損なわない限りにおいて、前記した染料、一般式(I)で表される有機溶剤以外の有機溶剤、および公知の添加剤を併用することができる。以下に、本発明の水性インク組成物に使用しうる添加剤について説明する。
(界面活性剤)
本発明の水性インク組成物には、界面活性剤を添加することができる。好ましく使用される界面活性剤としては、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
また、本発明においては、高分子界面活性剤も用いることができ、以下の水溶性樹脂が、好ましい高分子界面活性剤として挙げられる。水溶性樹脂として好ましく用いられるのは、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等を挙げることができる。
(ラテックス)
本発明の水性インク組成物には、ラテックスを添加することができる。本発明に用いうるラテックスとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、シリコン−アクリル共重合体およびアクリル変性フッ素授脂等のラテックスが挙げられる。ラテックスは、乳化剤を用いてポリマー粒子を分散させたものであっても、また乳化剤を用いないで分散させた所謂ソープフリーラテックスであってもよい。乳化剤としては界面活性剤が多く用いられるが、スルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有するポリマー(例えば、可溶化基がグラフト結合しているポリマー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持つ単量体とから得られるポリマー)を用いることも好ましい。
本発明の水性インク組成物に用いられるラテックスにおけるポリマー粒子の体積平均粒径は10nm以上、300nm以下であることが好ましく、10nm以上、100nm以下であることがより好ましい。ラテックス中のポリマー粒子の平均粒子径は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法を用いた市販の粒径測定機器により求めることができる。
本発明の水性インク組成物において、ラテックスを用いる場合、その添加量は、インク組成物全量に対して、固形分添加量で0.1質量%〜20質量%とすることが好ましく、0.5質量%〜10質量%とすることが更に好ましい。
(水性ポリマー)
本発明の水性インク組成物には、特定ポリマーと異なる水性ポリマーを添加することができる。水性ポリマーの好ましい例としては、天然高分子が挙げられ、その具体例としては、にかわ、ゼラチン、ガゼイン、もしくはアルブミンなどのたんぱく質類、アラビアゴム、若しくはトラガントゴムなどの天然ゴム類、サボニンなどのグルコシド類、アルギン酸及びアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、若しくはアルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、若しくはエチルヒドロキシルセルロースなどのセルロース誘導体が挙げられる。
水性ポリマーの他の好ましい例としては、合成高分子が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、もしくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。これらの中で、ノニオン性の水性ポリマーが好ましく、特に好ましい例としては、ポリビニルピロリドン類が挙げられる。
本発明に用いうる水性ポリマーの分子量は、1,000以上200,000以下が好ましい。更には、3,000以上20,000以下がより好ましい。
水性ポリマーの添加量は、顔料に対して10質量%以上1,000質量%以下が好ましい。更には、50質量%以上200質量%以下がより好ましい。
(重合開始剤)
本発明の水性インク組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で重合開始剤を含有してもよい。重合開始剤は水溶性であることが好ましく、水溶性の程度としては、25℃において蒸留水に0.5質量%以上溶解することが好ましく、1質量%以上溶解することが好ましく、3質量%以上溶解することが特に好ましい。また、非水性の重合開始剤を分散した状態でも用いることができる。
本発明では、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類及びアシルフォスフィンオキシド類からなる群より選択される重合開始剤を用いることが好ましい。具体的には、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル]−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等の水溶性の重合開始剤や、[ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド]の非水性の重合開始剤も用いることができる。
(増感色素)
本発明においては、公知の増感色素を併用することができ、増感色素を併用することが好ましい。溶解性としては蒸留水に対して室温において、0.5質量%以上溶解するものが好ましく、1質量%以上溶解するものがより好ましく、3質量%以上溶解するものが特に好ましい。また、増感度色素としては、非水溶性の重合開始剤を分散した重合開始剤も用いることができる。
併用しうる公知の増感色素の例としては、N−[2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアルミウムクロリド、ベンゾフェノン、チオキサントン、アントラキノン誘導体及び3−アシルクマリン誘導体、ターフェニル、スチリルケトン及び3−(アロイルメチレン)チアゾリン、ショウノウキノン、エオシン、ローダミン及びエリスロシンや、これらを水溶化した変性体及び分散体などが挙げられる。また、特開2010−24276号広報に記載の増感色素や、特開平6−107718号広報に記載の増感色素も、好適に使用できる。
(重合性化合物)
本発明の水性インク組成物は、重合性化合物を含有してもよい。重合性化合物は、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する水溶性の化合物であれば、どのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。特定重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。好ましくは2種以上併用して用いることが好ましい。
本発明で用いられる重合性化合物は、室温において蒸留水に少なくとも2質量%以上溶解するものであるが、15質量%以上溶解することが好ましく、任意の割合で水と均一に混合するものがとくに好ましい。
重合性化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらのエステル類、およびそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン、ビニルエーテル、アリルエーテル等が挙げられ、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステル、塩が好ましい。これらの重合性化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
本発明で用いることができる重合性化合物は水溶性を付与するために、ポリ(エチレンオキシ)鎖、ポリ(プロピレンオキシ)鎖、あるいはイオン性基(例えばカルボキシル基、スルホ基など)を有することが好ましい。ポリ(エチレンオキシ)鎖、ポリ(プロピレンオキシ)鎖、を有する場合はエチレンオキシ、プロピレンオキシのユニットの数は1〜10の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜5の範囲である。
本発明の水性インク組成物には、上述した各構成要素に加えて、必要に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤、固体湿潤剤、シリカ微粒子等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号および特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤等を挙げることができる。
<水性インク組成物の調製方法>
本発明の水性インク組成物の調製方法としては、特に制限はなく、各成分を、ボールミル、遠心ミル、遊星ボールミルなどの容器駆動媒体ミル、サンドミルなどの高速回転ミル、撹拌槽型ミルなどの媒体撹拌ミル、ディスパーなどの簡単な分散機により撹拌、混合し、分散させることにより調製することができる。
各成分の添加順序については任意である。好ましくは、顔料、分散剤、水、及び一般式(I)で表される有機溶剤をプレミックスした後に分散処理し、得られた分散物を特定ポリマーとともに混合する。この場合、添加時や添加後、スリーワンモーター、マグネチックスターラー、ディスパー、ホモジナイザーなどの簡単な撹拌機にて均一に混合する。ラインミキサーなどの混合機を用いて混合してもよい。また、顔料をより微細化するために、ビーズミルや高圧噴射ミルなどの分散機を用いて混合してもよい。また、顔料や分散剤の種類によっては、顔料分散前のプレミックス時に特定ポリマーを添加するようにしてもよい。
本発明の水性インク組成物は、25℃における表面張力が20〜40mN/mであることが好ましい。表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用い、25℃の条件下で測定されるものである。また、粘度は、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、6mPa・s以上20mPa・s以下がより好ましい。インク組成物の粘度は、VISCOMETER TV−22(東機産業(株)製)を用い、25℃の条件下で測定されるものである。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、本発明の水性インク組成物を記録媒体上に付与するインク付与工程と、前記付与された水性インク組成物中の水および有機溶剤を乾燥する工程とを含むことを特徴とする。さらに、前記乾燥した水性インク組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程を含んでもよい。これらの工程を行うことで、記録媒体上に定着した水性インク組成物による画像が形成される。
(インク付与工程)
以下、本発明の画像形成方法における、インク付与工程について説明する。本発明におけるインク付与工程は、本発明の水性インク組成物を記録媒体上に付与する工程であれば限定されない。
本発明の画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成し得る公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明の画像形成方法における記録媒体への水性インク組成物の吐出を実施することができる。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、加熱手段を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明の水性インク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルタ、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは8〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi(dot per inch)、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpi、さらに好ましくは720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
本発明の水性インク組成物は、吐出されるインク組成物を一定温度にすることが望ましいことから、インクジェット記録装置には、インク組成物温度の安定化手段を備えることが好ましい。一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。すなわち、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク組成物の流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンタ立上げ時間を短縮するため、あるいは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
上記のインクジェット記録装置を用いて、水性インク組成物の吐出はインク組成物を好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃に加熱して、インク組成物の粘度を、好ましくは3〜15mPa・s、より好ましくは3〜13mPa・sに下げた後に行うことが好ましい。特に、本発明の水性インク組成物として、25℃における水性インク組成物の粘度が50mPa・s以下であるものを用いると、良好に吐出が行えるので好ましい。この方法を用いることにより、高い吐出安定性を実現することができる。
吐出時の水性インク組成物の温度は一定であることが好ましく、水性インク組成物の温度の制御幅は、より好ましくは設定温度の±5℃、更に好ましくは設定温度の±2℃、最も好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
本発明において、記録媒体としては、特に限定されず、支持体や記録材料として公知の記録媒体を使用することができる。記録媒体としては、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。中でも、本発明のインク組成物は密着性に優れるため、記録媒体として非吸収性記録媒体に対して好適に使用することができ、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン等のプラスチック基材が好ましく、ポリ塩化ビニル樹脂基材がより好ましく、ポリ塩化ビニル樹脂シート又はフィルムがさらに好ましい。
(乾燥工程)
記録媒体上に吐出された水性インク組成物は、乾燥工程により(C)水および(D)一般式(I)で表される有機溶剤、及び必要に応じて併用される水溶性有機溶剤(これらを総称して、適宜「水及び有機溶剤」と称する。)が蒸発されることにより定着される。吐出された本発明の水性インク組成物を乾燥し、定着する工程について説明する。
乾燥工程においては、加熱することが好ましく、上記した水および有機溶剤を乾燥させることができればよく、加熱手段は限定されないが、ヒートドラム、温風、赤外線ランプ、熱オーブン、ヒート板加熱などを使用することができる。
加熱温度は、水性インク組成物中に存在する上記した水および有機溶剤が蒸発し、かつ特定ポリマーおよび、必要に応じて添加される水性ポリマー等のその他のポリマーの皮膜を形成することができれば特に制限はないが、40℃以上であればその効果が得られ、40℃〜150℃程度が好ましく、より好ましくは、40℃〜80℃程度である。
なお、乾燥/加熱時間は、水性インク組成物中に存在する水および有機溶剤が蒸発し、かつ、ポリマーの皮膜を形成することができれば特に制限はなく、用いる水性インク組成物の組成・印刷速度を加味して適宜設定することができる。
加熱により定着された前記水性インク組成物は、必要に応じ、活性エネルギー線を照射して、さらに光定着することができる。
(照射工程)
本発明の画像形成方法が含んでもよい照射工程は、前記記録媒体上に付与された水性インク組成物に活性エネルギー線を照射する工程であればよい。
本発明の水性インク組成物に活性エネルギー線を照射することで、さらに画像を定着させられるので、印画物の耐溶剤性等をさらに向上させることが可能となる。
前記照射工程で用いることができる活性エネルギー線としては、紫外線(以下、UV光とも称する)、可視光腺、電子線等をあげることができ、UV光を使用することが好ましい。
UV光のピーク波長は、必要に応じて用いられる増感色素の吸収特性にもよるが、例えば、200〜405nmであることが好ましく、250〜405nmであることがより好ましく、250〜390nmであることが更に好ましい。
UV光は、露光面照度が、例えば、10mW/cm〜2,000mW/cm、好ましくは、20mW/cm〜1,000mW/cmで照射されることが適当である。
UV光源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、水銀ランプ、メタルハライドランプやUV蛍光灯が広く知られている。また、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用であり、LED(UV−LED)、LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、UV光源として期待されている。
本発明の水性インク組成物は、このようなUV光に、例えば、0.01秒間〜120秒間、好ましくは、0.1秒間〜90秒間照射されることが適当である。
照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インクの吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査する方式や、駆動を伴わない別光源によって行われ、駆動を伴わない別光源によって行われる方式が好ましい。活性エネルギー線の照射は、インク着弾、熱定着後、一定時間(例えば、0.01秒間〜60秒間、好ましくは、0.01秒間〜30秒間、より好ましくは、0.01秒間〜15秒間)をおいて行われることになる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(特定ポリマーの製造例1)
HMA/BzMA/MAA=40/44/16(質量比)の合成
撹拌羽根を具備した200mLの三ツ口フラスコに、2−ブタノン(和光純薬工業株式会社製)10.0gを添加した後、窒素気流下で80℃で10分間加熱撹拌した。次いで、メタクリル酸ベンジル(和光純薬工業株式会社製)13.2g、メタクリル酸ヘキシル(東京化成工業株式会社製)12.0g、メタクリル酸(和光純薬工業株式会社製)4.8g、3−メルカプトプロピオン酸(東京化成工業株式会社製)0.11g、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(和光純薬工業株式会社製)46mg、2−ブタノン25g、2−プロパノール(和光純薬工業株式会社製)5gの混合溶液を2時間かけて滴下した。さらに2時間撹拌後、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル46mgを加え還流下で3時間加熱撹拌した。得られたポリマー溶液にアセトン200gを加え、3Lのn−ヘキサン中に再沈殿した。生じた沈殿物をろ別後、真空下で乾燥し、28gの白色固体を得た。その後、重曹2.5gで中和しながら、水で希釈して17.5%の濃度のポリマー水溶液を得た。
得られたポリマーのSP値は、沖津法を用いて評価したところ19.9であり、ガラス転移温度は、示差走査熱量計(EXTAR DSC6220(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製))を用いて測定した。また、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(HLC−8020GPC(東ソー(株)製))を用いて下記の条件で測定した。
GPCのカラム:TSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)
GPCの測定条件:温度40℃、溶離液:テトラヒドロフラン
製造例1と同様にして、実施例2〜12、比較例1〜5に用いた特定ポリマーまたは比較ポリマーを製造した。実施例2〜12、比較例1〜5に用いた特定ポリマーまたは比較ポリマーの組成、組成比、重量平均分子量(Mw)、SP値、ガラス転移温度(Tg)は、表1に示すとおりである。
表1における組成において略号で示す成分は、それぞれ下記の通りである。
HMA:ヘキシルメタクリレート
BzMA:ベンジルメタクリレート
MAA:メタクリル酸
EHMA:2−エチルヘキシルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
BMA:ブチルメタクリレート
tBMA:tert−ブチルメタクリレート
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート
DMAAm:ジメチルアクリルアミド
−水溶性樹脂(分散剤)Pの合成−
イソプロパノール 187.5部を窒素雰囲気下、80℃に加温した中に、メタクリル酸メチル 478部、メタクリル酸 172部、2−エチルヘキシルメタクリレート 350部、および2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル) 22.05部を混合した混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に4時間、80℃に保った後に、25℃まで冷却した。溶媒を減圧除去することにより、重量平均分子量:約30,000、酸価:154mgKOH/gの水溶性樹脂(分散剤)Pの水溶液を得た。
なお、本発明における他の水溶性樹脂についても、上記と同様に合成することが可能である。
−未架橋の樹脂被覆顔料の分散物Nの調製−
上記で得られた水溶性樹脂P 150部を水に溶解し、水酸化カリウム水溶液を用いて中和した後のpHが10.1、水溶性樹脂濃度が30.6質量%となるように、水溶性樹脂Pの水溶液を調製した。
得られた水溶性樹脂Pの水溶液 147部に対し、ピグメントブルー15:3(大日精化株式会社製、フタロシアニンブルーA220)90部と水362部とを混合し、ビーズミル(0.1mmφのジルコニアビーズ)を用いて3時間分散し、顔料濃度15質量%の未架橋の樹脂被覆顔料の分散物Nを得た。
〔実施例1〕
純水1.86gに、上記未架橋の樹脂被覆顔料の分散物N 1.43g、一般式(I)で表される有機溶剤である2−メチル−1,3−プロパンジオール 0.9g、Zonyl FSN(Du pont社製、フッ素系界面活性剤)0.1g、及び製造例1に記載の特定ポリマー(17.5%固形分)5.71gを加えて攪拌し、1μmフィルタにてろ過した後、インクジェット用水性インク組成物を調製した。
得られた水性インク組成物の粘度は、VISCOMETER TV−22(東機産業(株)製)を用い、25℃の条件下で測定した。
〔実施例2〜12、比較例1〜5〕
実施例1の水性インク組成物の調製において、特定ポリマー種を表1に記載の特定ポリマーまたは比較ポリマーに変更し、さらに、一般式(I)で表される有機溶剤種を表1に記載の化合物1または化合物2に変更し、それ以外は実施例1と同様にして、各水性インク組成物を調製した。但し、実施例8においては特定ポリマーの量を実施例1の半量にして水性インク組成物を調製した。また、実施例12に用いたA−9は前記例示化合物A−9である。
なお、表1における一般式(I)で表される有機溶剤種である、化合物1、および化合物2は、下記の構造である。
〔比較例6〕
実施例1の特定ポリマーの代わりに、日信化学(株)製 ビニルブラン603(固形分50%)を用いた以外は、実施例1と同様にして、水性インク組成物を調製した。
ビニルブラン603は、塩化ビニル系エマルションであって、親水性基を5質量%〜45質量%の範囲で含有しない化合物である。
このようにして得られた各水性インク組成物を用いて、以下の評価を実施した。評価結果はまとめて表2に示した。
<耐水性>
インクジェット描画装置DMP2831(富士フイルムディマテックス社製)に水性インク組成物を装填し、粘着塩化ビニールシート(リンテック社製、P−280RW)にベタ画像を印画し、印画画像に対して水を浸した綿棒で100回こすり、こすった後のベタ画像を目視で観察した。
(評価基準)
A:変化が観察されない。
B:若干画像が剥がされるが、実用上問題ない。
C:画像が剥がれ、実用上問題である。
<着弾干渉>
DMP2831(富士フイルムディマテックス社製)にインク組成物を装填し、粘着塩化ビニールシート(P−280RW)に30μm間隔の細線(幅:2mm)を印画し、細線の評価を行った。
(評価基準)
A:隣接する液滴同士による干渉がなく、きれいに線が描画できている。
B:隣接する液滴同士による干渉は発生しているが、実用上問題ない。
C:隣接する液滴同士による干渉が発生し、実用上問題である。
(密着性:クロスハッチテスト)
基材との密着性評価方法として、クロスハッチテスト(JIS K 5600−5−6)を行った。上記耐水性の評価と同様にインクジェット画像記録方法に従い、画像部の平均膜厚が12μmのベタ画像を描画した。
その後、各々の印刷物に対して、クロスハッチテストを実施した。なお、評価は、JIS K5600−5−6に従い、0〜5の6段階評価とした。ここで、評価0がカットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にも剥がれがないことを意味する。
表2の結果から、特定ポリマーと一般式(I)で表される有機溶剤とを含む実施例1〜12は、耐水性が良好で、着弾干渉もなく、記録媒体との密着性が良好であることがわかる。これに対し、ポリマーのSP値が本発明の範囲より大きい比較例1は耐水性が不十分であり、記録媒体との密着性が不良で剥がれが生じた。また、ポリマーのSP値が本発明の範囲より小さい比較例3は水性インク組成物の調製において析出が生じ、このためインクジェットによる描画ができなかった。さらに、一般式(I)で表される有機溶剤を含まない比較例2は、耐水性が不十分で、記録媒体との密着性も不良で剥がれが生じていた。
これらのことから、本発明の特定ポリマーと一般式(I)で表される有機溶剤とを含む水性インク組成物は、打滴の着弾干渉もなく、得られた画像は耐水性が良好で、記録媒体との密着性に優れたものであることがわかる。

Claims (11)

  1. (A)SP値が18.6〜20であり、親水性基を有する繰り返し単位(a1)を質量換算で、5%〜45%含有するポリマー、(B)顔料、(C)水、および(D)下記一般式(I)で表される有機溶剤を含む水性インク組成物。

    (一般式(I)中、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表し、R及びRは、各々独立に、水素原子、または炭素鎖中にエーテル結合を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。R及びRは互いに結合して環を形成してもよい。)
  2. 前記繰り返し単位(a1)における親水性基が、カルボキシル基、アミド基、カルバモイル基、アルキル置換カルバモイル基、アルコール性水酸基、及びポリアルキレンオキシ構造を有する基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基である請求項1に記載の水性インク組成物。
  3. 前記(A)ポリマーが、さらに、下記一般式(1)で表される基を有する繰り返し単位(a2)を含有するポリマーである請求項1または請求項2に記載の水性インク組成物。

    (一般式(1)中、R及びRは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表し、R及びRは互いに結合して4〜6員環を形成してもよい。波線は、ポリマー側鎖との結合位置を表す。)
  4. 前記(A)ポリマーの一分子中に前記一般式(1)で表される基を8個〜1000個有する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の水性インク組成物。
  5. 前記繰り返し単位(a2)が、下記一般式(1−2)で表される構造である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の水性インク組成物。

    (一般式(1−2)中、R及びRは各々独立に炭素数1〜4のアルキル基を表し、R及びRは互いに結合して4〜6員環を形成していてもよい。Zは単結合、−COO−*又は−CONR−*を表し、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。なお、*はXに結合する位置を表す。Xは炭素数1〜16のアルキレン基を表す。Rは水素原子又はメチル基を表す。)
  6. 前記繰り返し単位(a1)が、下記一般式(2)で表される繰り返し単位である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の水性インク組成物。

    (一般式(2)中、Rcyは水素原子またはメチル基を表す。Zは−COO−*、−CONRdy−*または単結合を表し、Rdyは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。なお、*はRと結合する位置を表す。Rは単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、または炭素数7〜20のアラルキレン基を表す。Aは親水性基を表す。)
  7. 前記(A)ポリマーを水性インク組成物全量に対して、1質量%〜30質量%含有する、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の水性インク組成物。
  8. 前記(C)水を水性インク組成物全量に対して、10質量%〜97質量%含有する、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の水性インク組成物。
  9. さらに、界面活性剤を含む、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の水性インク組成物。
  10. インク粘度が5mPa・sec〜30mPa・secである請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の水性インク組成物。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の水性インク組成物を記録媒体上に付与するインク付与工程と、
    前記付与された水性インク組成物中の(C)水および(D)有機溶剤を乾燥する工程と、を含む画像形成方法。
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