JP2007119449A - 活性エネルギー線重合性物質、活性エネルギー線硬化型液体組成物、活性エネルギー線硬化型インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置 - Google Patents

活性エネルギー線重合性物質、活性エネルギー線硬化型液体組成物、活性エネルギー線硬化型インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】活性エネルギー線で速やかに重合され、形成した硬化物の架橋度が高く、水性の液体組成物やインクに利用した場合でも実質的に加水分解を起こさない活性エネルギー線重合性物質の提供。
【解決手段】下記一般式(I)で表される活性エネルギー線重合性物質。
Figure 2007119449

【選択図】なし

Description

本発明は、新規な活性エネルギー線重合性物質、活性エネルギー線硬化型液体組成物、活性エネルギー線硬化型インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置に関する。
従来、活性エネルギー線を含む光照射によってインク中の樹脂組成物を硬化させることで樹脂硬化膜を形成し、画像を形成する方法で、水性の塗料やインクを用いる技術が知られている。この際に用いられる水性の塗料やインクの材料構成における活性エネルギー線重合性物質に関しては、次に挙げるような技術がある。例えば、非水性の活性エネルギー線重合性物質を用い、これを水性媒体中にエマルジョン状態にして調製したもの、又、紫外線硬化型の樹脂や重合開始剤を水性化する技術が知られている。
その一方で、活性エネルギー線重合性物質を含有する液体組成物やインクをインクジェット記録方法に応用する技術も知られている。活性エネルギー線硬化型液体組成物や活性エネルギー線硬化型インクは、近年では、グラフィックアート、サイン、ディスプレイ、ラベル記録、パッケージ記録、電子回路基板、ディスプレイパネルの作製等に応用されている。
このようなインクジェット記録方法に活性エネルギー線硬化型のインクを用いる場合には、非水性又は水性の樹脂組成物を適用することが考えられる。非水性の樹脂組成物の代表的なものは、大別すると2つのタイプに分けられる。そのうちのひとつのタイプは、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤中に顔料を分散した、所謂油性のインクが知られている。又、もうひとつのタイプは、有機溶剤を用いず、モノマー、オリゴマー、顔料分散体を含有する所謂100%硬化型のインク(ノンソルベントインク)が知られている。しかし、前記したような油性のインクを用いる場合には、有機溶剤が大気中に揮散することから、環境への十分な配慮が必要である。前記100%硬化型インクは、記録媒体で記録部分と非記録部分の凹凸が発生するために画像の光沢感を得ることが難しく、高い画質が要求される用途への展開は難しいのが現状である。
しかし、活性エネルギー線硬化技術は、省エネルギー、環境汚染、環境負荷が少ない硬化技術として期待されているのも事実である。更に、活性エネルギー線硬化技術の利用は、インクジェット記録において、画像の記録に留まらず、記録基材に記録適性を付与するための前処理、画像を形成した記録媒体の保護や施工のための材料を塗布する後処理等においても有用であるとされている。加えて、インクジェット記録において一般的な水性インクの技術を活性エネルギー線硬化技術に応用することで、前記した100%硬化型のインクの課題である画像の凹凸を緩和することができ、高画質化の観点からも有利である。このような事情から、水性のインクジェット用の活性エネルギー線硬化型インクにも応用することが可能な、親水性の樹脂、多官能モノマー、単官能モノマー等の材料の開発が求められている。
インクジェット記録方法に応用できる材料とするためには、高密度のノズルに対応できる、低粘度で流動特性がよい材料であることを要する。このため、例えば、インク中の重合性物質の含有量をある程度大きくすることができる材料であることが求められる。又、別の要求として、インクを記録媒体に付与した後の乾燥時間を短縮することが可能な材料が求められる。更に、硬化したインク皮膜(インク層、即ち、印字部)の物性に優れ、インクの色材との共溶性のよい親水性の樹脂、多官能モノマー、単官能モノマー等の材料が求められる。これらの材料の中でもモノマーに関しては、重合速度、重合後の膜物性等の観点から、特に多官能モノマーについて、高性能な材料の開発が求められている。
活性エネルギー線硬化モノマーのひとつの例には、1分子中に1つの重合性官能基を有する化合物として、酸性基、及び、(メタ)アクリロイル基又はビニル基を共に有する親水性の重合性物質が知られている。このようなものとしては、例えば、無水琥珀酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとのエステル、オルソ無水フタル酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとのエステル、ビニルナフタレンスルホン酸等が挙げられる。
又、別の例として、水に可溶であり、1分子中に2つ以上の重合性官能基を有し、工業的に生産されている化合物として、ポリエチレンオキシド鎖によって親水性を付与した重合性物質が知られている。このようなものとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
又、特許文献1には、多官能の親水性重合性物質が開示されている。ここに開示されている化合物は、分子中における水酸基の数を増やすことを、親水性を付与するための手法として用いたものである。
又、特許文献2及び3には、ポリアルコールから誘導される親水性ポリエポキシドの(メタ)アクリル酸エステル等が開示されている。これらに開示されている化合物は、活性エネルギー線による重合性や硬化物の物性が、ある程度は得られ、化合物を水溶液としたときの粘度もインクジェット用インクに要求される水準を満たすものである。
更に、特許文献4には、スピロ環含有(メタ)アクリレート化合物に加えて、エチレン性不飽和基含有化合物を有するエネルギー線硬化型粉体塗料用組成物が開示されている。
特開平8−165441号公報 特開2000−117960号公報 特開2002−187918号公報 特開2003−165927号公報
しかし、前記した1分子中に1つの重合性官能基を有する化合物は、1分子中に1つしか重合性官能基を有さないため、重合速度が遅く、硬化物の架橋度が著しく低い。このため、親水性の活性エネルギー線硬化性材料の主要材料とはなりにくい。
又、前記した水に可溶であり、1分子中に2つ以上の重合性官能基を有し、工業的に生産されている化合物は、本発明者らの検討によれば、以下のような課題があることがわかった。即ち、これらの化合物は、エチレンオキシド鎖が短いと親水性が低くなる場合がある。一方、エチレンオキシド鎖が長いと親水性は得られるものの、重合又は硬化した時の硬化物の固体物性が、塗料やインクに求められる硬度や接着性等の性能において十分でない場合がある。
又、前記した特許文献1に記載された化合物は、本発明者らの検討によれば、以下のような課題がある。即ち、これらの化合物は、確かに活性エネルギー線による重合性に優れ、硬化物の物性にも優れるが、水溶液の粘度がインクジェット用インクに要求される水準に対して、やや高いという問題を生じる場合がある。
又、特許文献2及び3に記載された化合物は、本発明者らの検討によれば、以下のような課題がある。即ち、(メタ)アクリル酸エステル基を有する親水性重合性物質を含有するインクの色材として、アニオン性基によって水性媒体中に溶解する染料やアニオン性基によって水性媒体中に顔料が分散された顔料分散体を用いた場合、以下のような課題を生じる。(メタ)アクリル酸エステル基の加水分解によるアクリル酸の生成に伴って、インクのpHが酸性領域まで低下すると、インクのpHがアルカリ〜中性領域である場合には、インク中に安定に存在していた染料の析出や顔料分散体の凝集を生じる。このため、インクの保存安定性の観点において問題を生じる場合がある。
又、特許文献4に記載された化合物の用途は粉体塗料用組成物であり、その化合物が親水性であることや水溶性であるかも不明である。更に、1官能性マレイミド化合物等が好ましいと記載されていることから、十分な硬化性が得られるかも不明である。
又、熱エネルギーの作用によりインクを吐出するインクジェット記録方法においては、インク中の重合性物質が熱エネルギーによって熱重合を起こし、ノズル内に水に不溶な重合物が生成する。このため、インクの吐出安定性の観点において問題を生じる場合がある。
従って、本発明の第1の目的は、活性エネルギー線によって速やかに重合され、しかも形成された硬化物の架橋度が高く、且つ、水性の液体組成物やインクとした場合でも、実質的に加水分解を起こさない活性エネルギー線重合性物質を提供することにある。
本発明の第2の目的は、活性エネルギー線によって速やかに重合され、しかも形成された硬化物の架橋度が高く、記録媒体に対する接着性に優れた活性エネルギー線硬化型液体組成物を提供することにある。
本発明の第3の目的は、第2の目的を達成し、且つ、インクの粘度がインクジェット記録方法に要求される粘度の水準を満たし、保存安定性にも優れた活性エネルギー線硬化型インクを提供することにある。
本発明の第4の目的は、第2及び第3の目的を達成し、且つ、熱エネルギーにより熱重合を起こさず、インクの吐出に与える影響が低減された、吐出安定性に優れた活性エネルギー線硬化型インクを用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明の第5の目的は、前記活性エネルギー線硬化型インクを用いたインクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置を提供することにある。
前記した目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明の第1の目的にかかる第1の実施態様として、下記一般式(I)で表されることを特徴とする活性エネルギー線重合性物質を提供する。
Figure 2007119449
{上記一般式(I)中、
[Z]は、2価乃至6価のポリオールの残基であり、
jは1乃至6であり、kは0乃至2であり、mは0乃至2であり、
[A]は、下記一般式(II)で表される基であり、
Figure 2007119449
(上記一般式(II)中、nは0乃至5であり、pは0乃至1であり、rは0乃至1であり、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は水酸基であり、Xは少なくとも一方のカルボニル炭素に隣接した炭素原子が炭素−炭素二重結合を有する炭素数2乃至5で構成される2価の基である。)
[B]は、下記一般式(III)で表される基であり、
Figure 2007119449
(上記一般式(III)中、nは0乃至5であり、pは0乃至1であり、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は水酸基である。)
[D]は、下記一般式(IV)で表される基である。
Figure 2007119449
(上記一般式(IV)中、nは0乃至5であり、R1は水素原子、メチル基、又は水酸基である。)}
上記構成を有する本発明においては、−X−が、下記化学式(1)又は化学式(2)で表される基であることが好ましい。
Figure 2007119449
又、本発明は、第2の実施態様として、少なくとも、活性エネルギー線重合性物質を含有してなり、該活性エネルギー線重合性物質が、上記の活性エネルギー線重合性物質であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型液体組成物を提供する。
又、本発明は、第3の実施態様として、少なくとも、活性エネルギー線重合性物質、及び色材を含有してなり、上記活性エネルギー線重合性物質が、上記の活性エネルギー線重合性物質であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクを提供する。該インクは、インクジェット用インク(以下単に「インク」という場合がある)として好適である。
又、本発明は、第4の実施態様として、インクを吐出して記録媒体に付与する工程、及び、前記インクが付与された記録媒体に活性エネルギー線を照射して前記インクを硬化する工程を有するインクジェット記録方法において、上記インクが、前記本発明の活性エネルギー線硬化型インク(以下、本発明のインクともいう)であることを特徴とするインクジェット記録方法を提供する。
又、本発明は、第5の実施態様として、下記のインクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置を提供する。即ち、前記本発明のインクを収容するインク収容部を具備することを特徴とするインクカートリッジを提供する。又、前記本発明のインクを収容するインク収容部と前記インクを吐出するための記録ヘッドを具備することを特徴とする記録ユニットを提供する。又、前記本発明のインクを記録媒体に付与する手段、及び前記インクが付与された記録媒体に活性エネルギー線を照射して前記インクを硬化する手段を具備することを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
本発明の第1の実施態様によれば、活性エネルギー線によって速やかに重合され、形成された硬化物の架橋度が高く、実質的に加水分解を起こさない活性エネルギー線重合性物質を提供することができる。
本発明の第2の実施態様によれば、活性エネルギー線によって速やかに重合され、形成された硬化物の架橋度が高く、記録媒体に対する接着性に優れた活性エネルギー線硬化型液体組成物を提供することができる。
本発明の第3の実施態様によれば、インクの粘度がインクジェット記録方法に要求される粘度の水準を満たし、保存安定性に優れた活性エネルギー線硬化型インクを提供することができる。
本発明の第4の実施態様によれば、熱エネルギーにより熱重合を起こさず、インクの吐出に与える影響が低減された、吐出安定性に優れた活性エネルギー線硬化型インクを用いたインクジェット記録方法を提供することができる。
更に、本発明の第5の実施態様によれば、前記活性エネルギー線硬化型インクを用いたインクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置を提供することができる。
以下好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明者らは、前記した目的に鑑み、様々な検討を重ねた結果、前記一般式(I)で表される活性エネルギー線によってラジカル重合する活性エネルギー線重合性物質(以下、単に重合性物質と呼ぶことがある)を見出した。そして、水及び前記一般式(I)で表される重合性物質を含有する活性エネルギー線硬化型インク(以下、単にインクと呼ぶことがある)を調製して、この活性エネルギー線硬化型インクの評価を行った。その結果、このような構成を有する活性エネルギー線硬化型インクは、下記のようにインク特性に優れるものであることを見出し、本発明を為すに至った。即ち、この活性エネルギー線硬化型インクは、得られる硬化物の架橋度や接着性等の硬化性能に優れ、更にはインクジェット用インクに要求される低粘度の水準を満たし、且つインクの保存安定性、吐出安定性に優れることを見出した。
このように硬化性能のみならず、インクの保存安定性や吐出安定性に優れた結果が得られる理由は明確ではないが、本発明者らは以下のように推測している。
インクの保存安定性に関しては、以下の通りである。本発明の前記一般式(I)で表される活性エネルギー線重合性物質は、アクリルエステル構造を有する従来の重合性物質に比べて、水溶液中で加水分解の影響を受けにくく、生成するマレイン酸等の量が極めて少ない。このため、インクのpHが酸性領域にまで低下することが抑制される。従って、アニオン性基によって水性媒体中に溶解する染料又はアニオン性基によって水性媒体中に顔料が分散された顔料分散体が、安定して溶解又は分散する状態を保つことができる。この結果、インクの保存安定性に優れるものと推測される。
又、インクの吐出安定性に関しては、以下の通りである。本発明の前記一般式(I)で表される活性エネルギー線重合性物質は、アクリルエステル構造を有する従来の重合性物質に比べて、熱重合に対する耐性が高く、又は、加水分解により生じる酸の生成量が極めて少ない。これらの何れかの理由により、活性エネルギー線親水性重合性物質自身の熱重合が抑えられる。この結果、インクの吐出安定性に優れるものと推測される。
以下に、本発明の活性エネルギー線重合性物質の主たる応用例である、活性エネルギー線硬化型インクを用いた水性インクによるインクジェット記録における作用・効果について説明する。尚、本発明においては、活性エネルギー線として紫外線や電子線等を用いることができる。以下の説明においては、本発明で特に好適に用いることができる、紫外線によってラジカル重合して硬化する紫外線硬化型インクを例に挙げて説明を進める。勿論、本発明において硬化に用いる活性エネルギー線は、紫外線に限られるものではない。
インクジェット記録方法に適用するインクとして、本発明の活性エネルギー線硬化型インクを用いる主な目的は、例えば、下記に挙げる点にある。(1)インクの乾燥性を高めて、記録速度の向上に対応すること。(2)重合性物質に色材の分散剤としての機能を持たせて、多様な記録媒体に対して耐擦過性に優れた画像を形成すること。(3)顔料粒子の光散乱を低減し、透明なインク層を形成すること。(4)プロセスカラーの色再現範囲を拡大し、光学濃度が高く、彩度、明度に優れたインクとすること。(5)活性な光、空気中のガス成分、水分等から、色材を保護すること。
本発明のインクによれば、とりわけ、普通紙のようにインク吸収性がある一方で、顔料の色彩や耐擦過性を向上することが難しい記録媒体において、これらの課題を改善するという顕著な効果を得ることができる。勿論、このような効果は普通紙だけに限定されず、例えば、オフセット紙、フォーム紙、段ボール紙等のインクの吸収性のより小さい記録媒体に対しても、本発明のインクによれば、普通紙におけると同様な効果を得ることができる。更に、本発明のインクは、非吸収性の記録媒体に対する記録をも可能とする。
活性エネルギー線による硬化法は、強制乾燥法のひとつであり、紙等の記録媒体に付与したインクが、記録媒体中に完全に浸透しきる前、即ち、インクが自由表面を形成している時間内に、その状態を凍結する方法であるといえる。本発明のインクにおいて、水等の水性媒体の浸透、蒸発は、固体化したインク層から徐々に進行することになる。しかし、上記したように、見かけの乾燥は素早く起こるので、記録媒体の搬送、積載等が可能という意味での定着時間は短くなったものとして扱うことができる。しかし、水性媒体を用いている以上、有機溶剤を用いたインクよりも、真の乾燥が遅くなるのはやむをえない。そこで、本発明のインクを用いる場合に、用途によっては、最終の強制熱乾燥機を備えることもできる。
本発明のインクのように、水分が存在している中で、活性エネルギー線によってラジカル重合する重合性物質の硬化がいかにして進行するかは、純粋にラジカル反応速度の問題として重要である。本発明者らの検討によれば、色材を含有しない無色のインクでは、水中での重合性物質の重合が無溶剤系の場合と比べて特別に反応が遅いということは観察されていない。勿論、重合物が水を含んでいるので、硬化物の固体物性は無溶剤系の場合のものとは異なる。
次に、前記したような優れた作用・効果を有する本発明の活性エネルギー線重合性物質、活性エネルギー線硬化型液体組成物、活性エネルギー線硬化型インクについて詳述する。
〔活性エネルギー線重合性物質〕
本発明の活性エネルギー線重合性物質は親水性であることが好ましい。本発明において、化合物が親水性であるということは、その化合物が、以下の何れかの状態であることを意味する。(1)化合物が水と混和し得る有機溶剤に可溶であり、前記有機溶剤が水溶性である。(2)化合物が非水溶性であっても、水に乳化可能となるように処理が施されている。(3)化合物が水溶性である。
本発明の活性エネルギー線重合性物質は、下記一般式(I)で表される。
Figure 2007119449
上記一般式(I)中、[Z]は2価乃至6価のポリオールの残基であり、jは1乃至6であり、kは0乃至2であり、mは0乃至2である。
前記一般式(I)中、[A]は下記一般式(II)で表される基である。
Figure 2007119449
上記一般式(II)中、nは0乃至5であり、pは0乃至1であり、rは0乃至1であり、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は水酸基であり、Xは少なくとも一方のカルボニル炭素に隣接した炭素原子が炭素−炭素二重結合を有する炭素数2乃至5で構成される2価の基である。
前記一般式(II)において、−X−が下記化学式(1)又は化学式(2)で表される基であることが好ましい。
Figure 2007119449
前記一般式(II)で表される基の一例として、下記一般式(II')で表される基を挙げることができる。
Figure 2007119449
上記一般式(II')中、nは0乃至5であり、R1は水素原子、又はメチル基である。
前記一般式(II)で表される基の他の一例として、下記一般式(II'')で表される基を挙げることができる。
Figure 2007119449
上記一般式(II'')中、nは0乃至5であり、R1は水素原子、又はメチル基である。
又、前記一般式(I)における[B]は、下記一般式(III)で表される基である。
Figure 2007119449
上記一般式(III)中、nは0乃至5であり、pは0乃至1であり、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は水酸基である。
前記一般式(III)で表される基の一例として、下記一般式(III')で表される基を挙げることができる。
Figure 2007119449
上記一般式(III')中、nは0乃至5であり、R1は水素原子、又はメチル基である。
又、前記一般式(I)における[D]は、下記一般式(IV)で表される基である。
Figure 2007119449
上記一般式(IV)中、nは0乃至5であり、R1は水素原子、メチル基、又は水酸基である。
活性エネルギー線重合性物質の重合性官能基の数は、2以上6以下、更には3以上6以下、特には3以上4以下であることが好ましい。重合性物質中の重合性官能基の数が多いほど硬化性能は向上するが、重合性官能基の数が多くなるとインクの粘度が高くなり、記録ヘッドの高密度ノズルに対応可能な、流動特性がよい活性エネルギー線硬化型インクが得られなくなる場合がある。又、重合性物質中の重合性官能基の数が小さいと、重合速度が小さく、硬化物の架橋度が著しく低くなる場合がある。又、一般式(I)で表される活性エネルギー線重合性物質が、その分子構造内にエチレンオキシド基及びプロピレンオキシド基を共に有することが特に好ましい。これは、エチレンオキシド基及びプロピレンオキシド基を共に有することで、プロピレンオキシド基の立体障害のために水溶液とした場合の粘度が顕著に低くなり、吐出安定性や保存安定性を特に優れたものとすることができるためである。
活性エネルギー線重合性物質の親水性は、前記一般式(II)、(III)及び(IV)に含まれるエチレンオキシド鎖/プロピレンオキシド鎖や水酸基によって付与される。前記一般式(II)、(III)及び(IV)に含まれるエチレンオキシド鎖又はプロピレンオキシド鎖の数(n)は0乃至5の範囲であることが好ましく、より好ましくは1乃至3の範囲である。尚、エチレンオキシド鎖又はプロピレンオキシド鎖の数は分布を有するものであってもよい。活性エネルギー線重合性物質中のエチレンオキシド鎖又はプロピレンオキシド鎖が短いと親水性が低くなる。一方、エチレンオキシド鎖又はプロピレンオキシド鎖が長いと、親水性は得られるものの、硬化物の固体物性が、硬度や接着性等の性能において十分でない場合がある。
前記一般式(I)の[Z]においていうポリオールの残基とは、ポリオールから1以上の水酸基を除いたものである。好ましいポリオールは、具体的には、例えば、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等。ポリエチレングリコール(PEG)200、PEG300、PEG400、PEG600、PEG1,000、PEG2,000等の平均分子量が200以上5,000以下のポリエチレングリコール等。プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の平均分子量が230以上5,000以下のポリプロピレングリコール等。1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール等。1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール等。3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等。1,5−へキサンジオール、1,6−へキサンジオール、2,5−へキサンジオール、グリセリン等。1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−へキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール等。チオジグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールやその縮合体等。本発明においては、上記したようなポリオールの残基数が2乃至6であることを要す(即ち、[Z]は、2価乃至6価のポリオールの残基である)。
上記したポリエチレングリコール類やポリプロピレングリコール類等を構成するユニットであるエチレンオキシド鎖又はプロピレンオキシド鎖は、重合反応によって得られる。このため、エチレンオキシド鎖又はプロピレンオキシド鎖の数は分布を有するものであり、分子中におけるこれらのユニットの数や分子量は、平均値として表されるものである。
その他のポリオールは、具体的には、例えば、以下のものが挙げられる。ポリビニルアルコール等。トリオース、テトロース(エリトリトール、トレイトール)、ペントース(リビトール、アラビニトール、キシリトール)等の単糖類やそのデオキシ糖等。ヘキソース(アリトール、アルトリトール、グルシトール、マンニトール、イジトール、ガラクチトール、イノシトール)、ヘプトース、オクトース、ノノース、デコース等の単糖類やそのデオキシ糖等。アルドン酸、アルダル酸誘導体等。中でも特に、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−へキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトールを用いることが好ましい。勿論、本発明はこれらに限られるものではない。本発明においては、前記一般式(I)において、j+k+mが、ポリオールの残基数と等しい、即ち、j+k+m=2乃至6であることが特に好ましい。
前記一般式(I)で表される活性エネルギー線重合性物質の特に好ましい具体例としては、例えば、以下に列挙した構造の例示化合物が挙げられる。勿論、本発明で用いることができる活性エネルギー線重合性物質は、これらに限られるものではない。これらの化合物は、親水性が高く、重合性を有し、且つ重合速度が速く、しかも、それ自身低粘度であると共に、水溶液とした場合の粘度は、従来から知られている化合物と比較して格段に低くなる。
又、本発明においては、2種類以上の活性エネルギー線重合性物質を組み合わせて用いることができる。例えば、後述の例示化合物2と3に関連して説明すると、これらの化合物についてはラジカル重合性を有する末端基としてマレイミド基が例示されている。ここで、活性エネルギー線硬化型インクを設計する際には、種々の観点を考慮した設計とすることが求められる場合がある。例えば、インクの粘度と硬化した膜強度の問題がある。このような問題に対しては、例えば、例示化合物2と3を混合して用いることで、バランスを取ることが可能である。又、場合によっては、例示化合物3においてマレイミド基が1つ導入されている単官能モノマーを併用してもよい。又は、全く別の末端基を有する化合物、例えば、反応性末端基をイタコン酸から誘導されるイミドとしたモノマーを併用してもよい。このように、本発明で組み合わせて用いることができる多官能モノマー又は単官能モノマーは、本発明の規定を満たすものであれば特に制限はない。又、本発明の活性エネルギー線重合性物質は、従来公知の親水性モノマーや水分散性のモノマーと組み合わせて用いてもよい。
Figure 2007119449
上記例示化合物1において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、プロピレングリコール残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物2において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、グリセリン残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物3において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、グリセリン残基(下記)である。
Figure 2007119449
末端にマレイミド基が入る位置は、グリセリン残基の炭素を上から1、2、3とした場合、例示化合物3では1と3の炭素の末端が示されているが、1と2(又は2と3)の炭素であってもよい。このような置換基異性体が例示化合物の範疇に入ることに関しては、置換基の数に関わりなく、以下の全ての例示化合物についてあてはまる。
Figure 2007119449
上記例示化合物4において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、グリセリン残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物5において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、トリメチロールプロパン残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物6において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、ペンタエリスリトール残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物7において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、ペンタエリスリトール残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物8において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、ペンタエリスリトール残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物9において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、ジペンタエリスリトール残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物10において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、ジペンタエリスリトール残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物36において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、−(O−CH2−CH2)b−で表される平均分子量約400のポリエチレングリコール残基である。平均ユニット数bは約9である。又、上記例示化合物36において、前記一般式(II)のR1及びR2に該当するのはメチル基のプロピレンオキシド鎖であり、上記例示化合物36におけるユニット数の平均値a+cは約3.6である。
Figure 2007119449
上記例示化合物37において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、−(O−CH2−CH2)b−で表される平均分子量約1,700のポリエチレングリコール残基である。平均ユニット数bは約38.7である。又、上記例示化合物37において、前記一般式(II)のR1及びR2に該当するのはメチル基のプロピレンオキシド鎖であり、上記例示化合物37におけるユニット数の平均値a+cは約6である。
上記に列挙した中では、特に、例示化合物2、5、6及び10が好ましい。又、他の例示化合物として、前記例示化合物のマレイミド基をイタコンイミド基に代えた下記の例示化合物11〜24、38及び39を挙げることができる。
Figure 2007119449
上記例示化合物11において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、プロピレングリコール残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物12において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、グリセリン残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物13において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、グリセリン残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物14において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、グリセリン残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物15において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、トリメチロールプロパン残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物16において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、ペンタエリスリトール残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物17において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、ペンタエリスリトール残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物18において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、ペンタエリスリトール残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物19において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、ジペンタエリスリトール残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物20において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、ジペンタエリスリトール残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物21において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、グリセリン残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物22において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、グリセリン残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物23において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、グリセリン残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物24において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、グリセリン残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物38において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、−(O−CH2−CH2)b−で表される平均分子量約400のポリエチレングリコール残基である。平均ユニット数bは約9である。又、上記例示化合物38において、前記一般式(II)のR1及びR2に該当するのはメチル基のプロピレンオキシド鎖であり、上記例示化合物38におけるユニット数の平均値a+cは約3.6である。
Figure 2007119449
上記例示化合物39において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、−(O−CH2−CH2)b−で表される平均分子量約1,700のポリエチレングリコール残基である。平均ユニット数bは約38.7である。又、上記例示化合物39において、前記一般式(II)のR1及びR2に該当するのはメチル基のプロピレンオキシド鎖であり、上記例示化合物39におけるユニット数の平均値a+cは約6である。
本発明の前記一般式(I)で表される活性エネルギー線重合性物質は、例えば、以下に示すような方法により製造される。先ず、末端にエポキシ基を有する化合物をアミノ基により開環し、アミノ化合物を調製する。次に、得られたアミノ化合物を無水マレイン酸や無水イタコン酸と反応させ、末端のアミノ基をアミド酸に変換する。更に、このアミド酸を無水酢酸等と反応させる。上記のような反応により目的のイミド化合物を得ることができる。勿論、活性エネルギー線重合性物質の製法はこれらに限定されるわけではない。
〔活性エネルギー線硬化型液体組成物及びインク〕
<重合開始剤>
本発明の活性エネルギー線硬化型液体組成物やインクは、上記に列挙したような本発明の活性エネルギー線重合性物質を含有してなるが、重合開始剤を含有することが好ましい。この際に使用する重合開始剤は親水性であることが好ましい。本発明において、化合物が親水性であるということは、その化合物が、以下の何れかの状態であることを意味する。(1)化合物が水と混和し得る有機溶剤に可溶であり、前記有機溶剤が水溶性である。(2)化合物が非水溶性であっても、水に乳化可能となるように処理が施されている。(3)化合物が水溶性である。
本発明に用いられる親水性重合開始剤は、活性エネルギー線によってラジカルを生成する化合物であれば何れのものでもよい。本発明においては、下記一般式(VI)、(VIII)〜(XI)で表される化合物からなる群より選択される少なくともひとつの化合物を用いることが好ましい。
Figure 2007119449
上記一般式(VI)中、R2はアルキル基、又はアリール基であり、R3は、アルキルオキシ基、フェニル基、又はOMであり、Mは、水素原子、又はアルカリ金属であり、R4は下記一般式(VII)で表される基である。
Figure 2007119449
上記一般式(VII)中、R5は、−[CH2]x2−(x2は0乃至1)、又はフェニレン基であり、m2は0乃至10であり、n2は0乃至1であり、R6は、水素原子、スルホン酸基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、又はこれらの塩である。
Figure 2007119449
上記一般式(VIII)中、m3は1以上であり、n3は0以上であり、m3+n3は1乃至8である。
Figure 2007119449
上記一般式(IX)中、R10及びR11はそれぞれ独立に、水素原子、又はアルキル基であり、m4は5乃至10である。
Figure 2007119449
上記一般式(X)中、R10及びR11はそれぞれ独立に、水素原子、又はアルキル基であり、R12は、−(CH2)x−(xは0乃至1)、−O−(CH2)y−(yは1乃至2)、又はフェニレン基であり、Mは水素原子、又はアルカリ金属である。
Figure 2007119449
前記一般式(XI)中、R10及びR11はそれぞれ独立に、水素原子、又はアルキル基であり、Mは水素原子、又はアルカリ金属である。
これらの中では、一般式(VI)、(VIII)及び(IX)で表される化合物を用いることが好ましく、更には、一般式(VI)及び(VIII)で表される化合物を用いることが特に好ましい。
又、前記一般式(VI)におけるR2のアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。かかる置換基としては、以下のものが挙げられる。ハロゲン、炭素数1乃至5のアルキル基、炭素数1乃至5のアルキルオキシ基、前記一般式(VII)で表される基、スルホン酸基又はその塩、カルボキシル基又はその塩、ヒドロキシル基又はその塩等が挙げられる。本発明に用いるものとしては、R2が炭素数1乃至5のアルキル基を置換基として有するアリール基であることが特に好ましい。又、上記に挙げたスルホン酸基、カルボキシル基、ヒドロキシル基の塩を形成する対イオンは、以下に挙げるものであることが好ましい。例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はHNR789で表されるアンモニウムである。上記において、R7、R8、及びR9はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1乃至5のアルキル基、炭素数1乃至5のモノヒドロキシル置換アルキル基、又はフェニル基である。
又、前記一般式(VII)におけるR5がフェニレン基の場合、該フェニレン基は置換基を有していてもよい。かかる置換基としては、以下のものが挙げられる。ハロゲン、炭素数1乃至5のアルキル基、炭素数1乃至5のアルキルオキシ基、スルホン酸基又はその塩、カルボキシル基又はその塩、ヒドロキシル基又はその塩等が挙げられる。又、前記したスルホン酸基、カルボキシル基、ヒドロキシル基の塩を形成する対イオンは、以下に挙げるものであることが好ましい。例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はHNR789で表されるアンモニウムである。上記において、R7、R8、及びR9はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1乃至5のアルキル基、炭素数1乃至5のモノヒドロキシル置換アルキル基、又はフェニル基である。
前記一般式(VII)におけるR6は、水素原子、スルホン酸基又はその塩、カルボキシル基又はその塩、ヒドロキシル基又はその塩等である。又、上記スルホン酸基、カルボキシル基、ヒドロキシル基の塩を形成する対イオンは、以下に挙げるものであることが好ましい。例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はHNR789で表されるアンモニウムである。上記において、R7、R8、及びR9はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1乃至5のアルキル基、炭素数1乃至5のモノヒドロキシル置換アルキル基、又はフェニル基である。
前記一般式(VI)におけるR3のアルキルオキシ基及びフェニル基は置換基を有していてもよく、かかる置換基は、以下のものが挙げられる。例えば、ハロゲン、炭素数1乃至5のアルキル基、炭素数1乃至5のアルキルオキシ基が挙げられる。特に好ましいR3は、アルキルオキシ基であり、中でも−OC25及び−OC(CH3)3である。
前記一般式(X)におけるR10及びR11のアルキル基は置換基を有していてもよい。かかる置換基としては、以下のものが挙げられる。例えば、ハロゲン、スルホン酸基又はその塩、カルボキシル基又はその塩、ヒドロキシル基又はその塩等が挙げられる。又、前記したスルホン酸基、カルボキシル基、ヒドロキシル基の塩を形成する対イオンは以下に挙げるものであることが好ましい。例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はHNR789で表されるアンモニウムである。上記において、R7、R8、及びR9はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1乃至5のアルキル基、炭素数1乃至5のモノヒドロキシル置換アルキル基、又はフェニル基である。
尚、一般式(VI)乃至(XI)中、アルキル基は、直鎖又は分枝の炭素数1乃至5のアルキル基であることが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。アルキルオキシ基は、直鎖又は分枝の炭素数1乃至5のアルキルオキシ基であることが好ましく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等のアルキルオキシ基が挙げられる。アルカリ金属の具体例は、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。アルカリ土類金属の具体例は、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられる。HNR789で表されるアンモニウムの具体例は、アンモニウム、ジメチルエタノールアンモニウム、メチルジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム、アニリニウム等が挙げられる。勿論、本発明はこれらに限られるものではない。
本発明において用いることができる重合開始剤の特に好ましい具体例は、例えば、以下に示す構造のものが挙げられる。勿論、本発明はこれらに限られるものではない。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
Figure 2007119449
Figure 2007119449
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本発明の活性エネルギー線重合性物質を液体組成物やインクに用いる場合には、以下のような構成とすることが好ましい。更に、重合開始剤のラジカル発生効率を向上するために、トリエタノールアミンやモノエタノールアミンのような水素供与剤を重合性物質と併用することが好ましい。特に、重合開始剤としてチオキサントン系重合開始剤等を用いる場合は、トリエタノールアミンやモノエタノールアミンのような水素供与剤を組み合わせて用いることが好ましい。液体組成物中又はインク中の水素供与剤の含有量は、活性エネルギー線重合性物質の含有量に対して、質量比で、0.5質量%以上30質量%以下とすることが好ましい。勿論、本発明において用いることができる水素供与性化合物や電子供与性化合物はこれらに限られるものではない。
又、本発明においては、2種類以上の重合開始剤を組み合わせて用いることができる。2種類以上の重合開始剤を組み合わせて用いることで、1種類の重合開始剤では有効に利用できない波長の光を利用して、更なるラジカルの発生を期待することができる。又、前記したような重合開始剤は、活性エネルギー線として電子線を用いて液体組成物又はインクを硬化する電子線硬化法を採用する場合には必ずしも用いる必要はない。
<色材>
本発明の活性エネルギー線重合性物質は、色材を含有するインクに用いることで、活性エネルギー線等の照射によって硬化する、着色された活性エネルギー線硬化型インクとして利用することができる。本発明の活性エネルギー線硬化型インクは、少なくとも活性エネルギー線重合性物質、及び色材を含有してなるが、色材として顔料を水性媒体に均一に分散した顔料分散体を用いることが好ましい。顔料分散体としては、特にアニオン性基により水性媒体中に顔料が安定に分散した顔料分散体を用いることが好ましい。又、ノニオン性やアニオン性で安定である、水性グラビアインク、水性の筆記具用の顔料分散液や、従来から知られているインクジェット用インクに用いられる顔料分散体等を用いることもできる。
アニオン性基を持ち、アルカリ可溶性の水溶性高分子を用いて顔料を分散した顔料分散体は、例えば、特開平5−247392号公報、特開平8−143802号公報に開示されている。又、アニオン性基を持つ界面活性剤によって顔料を分散した顔料分散体は、特開平8−209048号公報に開示されている。又、高分子によってカプセル化され、その表面にアニオン性基を付与することによって顔料を分散した顔料分散体は、以下の公報に開示がある。例えば、特開平10−140065号公報、特開平9−316353号公報、特開平9−151342号公報、特開平9−104834号公報、特開平9−031360号公報に開示されている。更に、顔料粒子の表面に化学反応によってアニオン性基を結合することで顔料を分散した顔料分散体は、米国特許第5,837,045号明細書及び米国特許第5,851,280号明細書に開示されている。本発明のインクにおいては、上記したような種々の顔料分散体をインクの色材として用いることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクは、上記したような顔料に限らず、色材として染料を用い、水溶性染料を溶解状態で含有する態様のインクであっても、活性エネルギー線照射による退色が実用上問題にならない範囲であれば可能である。又、分散染料、油溶性染料等を分散状態で含有した色材分散体も、前記した顔料分散体と同様に適用可能である。これらは、用途に従って適宜に選択することができる。
本発明のインクの色材として顔料を用いる場合には、顔料が微粒子状態で分散する顔料分散体を用いることが好ましい。特に、インクに好適に用いることのできる顔料分散体は、以下の基本的な要素を備えていることが好ましい。具体的には、顔料が水性媒体に分散され、顔料分散体としての粒度分布が平均粒子径で25nm以上350nm以下の範囲にあり、かかる顔料分散体を含有するインクの粘度が、インクジェット方式による吐出に影響を与えない範囲に調節可能であることが好ましい。更に、インクを活性エネルギー線により硬化可能とするために必須となる、前述した本発明の活性エネルギー線重合性物質との相溶性を満足することが必要となる。
[顔料]
本発明のインクに用いることができる顔料は、カーボンブラックや有機顔料等が挙げられる。インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として0.3質量%以上10.0質量%以下とすることが好ましい。
カーボンブラックは、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられ、以下の特性を有するものが好ましい。一次粒子径が15nm以上40nm以下、BET法による比表面積が50m2/g以上300m2/g以下、DBP吸油量が40ml/100g以上150ml/100g以下、揮発分が0.5%以上10%以下、pH値が2から9のものが好ましい。本発明においては、上記したような特性を有する市販品として、以下のカーボンブラックを用いることができる。
レイヴァン:7000、5750、5250、5000、3500、2000、1500、1250、1200、1190ULTRA−II、1170、1255(以上コロンビア製)。ブラックパールズL、リーガル:400R、330R、660R、モウグルL、モナク:700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、ヴァルカンXC−72R(以上キャボット製)。カラーブラック:FW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリンテックス:35、U、V、140U、140V、スペシャルブラック:6、5、4A、4(以上デグッサ製)。No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三菱化学製)。
勿論、これら以外にも、従来公知のカーボンブラックを用いることができる。又、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子やチタンブラック等を顔料として用いてもよい。
有機顔料は、具体的には、以下のものを用いることができる。
トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ピラゾロンレッド等の水不溶性アゾ顔料。リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の水溶性アゾ顔料。アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体。フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料。キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系顔料。イソインドリノンイエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系顔料。ベンズイミダゾロンイエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンレッド等のイミダゾロン系顔料。ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系顔料。インジゴ系顔料。チオインジゴ系顔料。縮合アゾ系顔料。フラバンスロンイエロー、アシルアミドイエロー、キノフタロンイエロー、ニッケルアゾイエロー、銅アゾメチンイエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等。
又、有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで示すと、以下のものを用いることができる。
C.I.ピグメントイエロー:12、13、14、17、20、24、55、74、83、86、93、97、98、109、110、117、120、125、128、137、138、139等。
又、C.I.ピグメントイエロー:147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185等。
C.I.ピグメントオレンジ:16、36、43、51、55、59、61、71等。
C.I.ピグメントレッド:9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、175、176、177、180、192、202、209、215、216、217等。
又、C.I.ピグメントレッド:220、223、224、226、227、228、238、240、254、255、272等。
C.I.ピグメントバイオレット:19、23、29、30、37、40、50等。
C.I.ピグメントブルー:15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64等。
C.I.ピグメントグリーン:7、36等。
C.I.ピグメントブラウン:23、25、26等。
(樹脂分散型顔料)
上記したカーボンブラックや有機顔料を用いる場合には、分散剤を併用することが好ましい。分散剤は、アニオン性基の作用によりカーボンブラックや顔料を水性媒体に安定に分散することができるものを用いることが好ましい。
(自己分散型顔料)
上記したカーボンブラックや有機顔料を用いる場合には、顔料粒子の表面にイオン性基(例えば、アニオン性基)を結合させることにより、分散剤を用いることなく水性媒体に分散することができる、所謂自己分散型顔料を用いることができる。
(分散剤)
分散剤を用いる場合には、イオン性基の作用によって上記したカーボンブラックや有機顔料を水性媒体に安定に分散することができるものを用いることが好ましい。分散剤はブロックポリマー、ランダムポリマー、グラフトポリマー等を用いることができ、具体的には、下記のものが挙げられる。例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、又はこれらの塩等。スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、又はこれらの塩等。スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体、又はこれらの塩等。ベンジルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、又はこれらの塩等。
(顔料の粒子径)
顔料の平均粒子径は、25nm以上350nm以下、更には70nm以上200nm以下とすることが好ましい。顔料の平均粒子径が上記した範囲内であれば、記録物の用途にも依存するが、可視光線の波長よりも十分に小さいので、光散乱が少なければ十分に透明と言える記録物を得ることができる。
[染料]
本発明のインクは、インクを記録媒体に付与した後に、活性エネルギー線を照射してインク中の活性エネルギー線重合性物質を重合して硬化することが好ましい。前記したように、色材として染料を用いる場合は、上記の顔料を用いる場合と異なり、活性エネルギー線照射による退色が全くない状態で用いることは困難であり、多少の退色が起きる。この理由から、インクの色材として染料を用いる場合には、金属イオンで錯体を形成している、所謂、アゾ含金染料を用いることが、光による退色が少ないので好ましい。しかし、退色の水準を問題にしなければ、一般の水溶性染料であっても、少なくともインクとしては成り立つ。
これを前提に、染料カラーインデックス(C.I.)ナンバーで示すと、以下のものを用いることができる。
C.I.アシッドイエロー11、17、23、25、29、42、49、61、71等。
C.I.ダイレクトイエロー12、24、26、44、86、87、98、100、130、132、142等。
C.I.アシッドレッド1、6、8、32、35、37、51、52、80、85、87、92、94、115、180、254、256、289、315、317等。
C.I.ダイレクトレッド1、4、13、17、23、28、31、62、79、81、83、89、227、240、242、243等。
C.I.アシッドブルー9、22、40、59、93、102、104、113、117、120、167、229、234、254等。
C.I.ダイレクトブルー6、22、25、71、78、86、90、106、199等。
C.I.ダイレクトブラック:7、19、51、154、174、195等。
染料インク中の染料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10質量%以下とすることが好ましい。染料の含有量が小さい場合には、例えば、所謂淡インクに好適に適用される。
<液体組成物とする場合の構成>
本発明のインクは、前記したような色材を含有することなく、透明なインクの形態とすることで、活性エネルギー線硬化型液体組成物(以下、単に液体組成物と呼ぶことがある)とすることができる。この液体組成物を用いれば、色材を含有しないので、実質的に無色透明の皮膜を得ることができる。液体組成物の用途は、以下のものが挙げられる。例えば、画像記録への適性を記録媒体に付与するためのアンダーコート、又は通常のインクで形成した画像の表面保護、更には装飾や光沢付与等を目的としたオーバーコート等の用途に用いることができる。液体組成物は、酸化防止や退色防止等の用途に応じて、着色を目的としない無色の顔料や微粒子等を分散して含有することもできる。これらを添加することによって、アンダーコート、オーバーコートの何れにおいても、記録物の画質、堅牢性、施工性(ハンドリング性)等の諸特性を向上することができる。
このような液体組成物に適用する場合の組成は、活性エネルギー線重合性物質の含有量(質量%)は、液体組成物全質量を基準として、10質量%以上70質量%以下とすることが好ましい。又、重合開始剤の含有量は、前記重合性物質の含有量100質量部に対して1質量部以上10質量部以下とすることが好ましい。又、同時に、重合開始剤の含有量(質量%)は、液体組成物全質量を基準として、0.5質量%以上とすることが好ましい。水性媒体(水若しくは有機溶剤、又は水及び有機溶剤)の含有量(質量%)は、液体組成物全質量を基準として、10質量%以上90質量%以下とすることが好ましい。
(反応性の希釈剤)
本発明の液体組成物には、重合性の低粘度モノマーを反応性の希釈剤として含有することができる。通常の有機溶剤ではなく、こうした物質を用いる利点は以下の通りである。即ち、これらの物質は、活性エネルギー線で硬化した反応後の固体中に可塑剤として残留することがない。このため、固体物性への可塑剤としての影響が低減する。このような目的で選択する反応性の希釈剤は、具体的には、例えば、以下のものが挙げられる。アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、単糖類のモノアクリレート、オリゴエチレンオキシドのモノアクリル酸エステル、及び2塩基酸のモノアクリル酸エステル等。
(有機溶剤)
更に、本発明の液体組成物には、従来から水性のインクジェット用インクに用いられるような、保湿性を与える有機溶剤を用いないことが特に好ましい。これは、液体組成物は顔料等の固体の成分を含有しないので、液体組成物の増粘が少なく、仮に、若干の増粘があっても容易に回復することができるためである。勿論、後述するような、より保湿性の高い有機溶剤を必要最低限に添加することはできる。これらは、従来から水性のインクジェット用インクに汎用の多数の化合物から適宜選ぶことができる。
<インクとする場合の構成>
本発明の液体組成物を、色材を含有するインクとして利用する場合には、インク中に有機溶剤を添加することもできる。有機溶剤はインクに不揮発性を与えること、粘度を低下すること、又、記録媒体への濡れ性を与えること等の目的で添加される。非吸収性の記録媒体に記録する場合には、インクは有機溶剤を含有せずに、水だけを含有して、重合性物質の全てが硬化して固体化するように構成することが好ましい。
有機溶剤をインク中に10質量%以上添加するような場合には、最終的に得られるインク層の強度という観点から、記録媒体に一定の吸収性があることが好ましい。例えば、水性グラビアインクによる記録の場合には、一定の濡れと浸透性を付与した記録媒体を用い、且つ強制乾燥が行われている。これと同様に、本発明のインクにおいても、有機溶剤をインク中に10質量%以上添加する場合には、記録媒体にインクの受容性を付与する前処理を施し、且つインクを活性エネルギー線で硬化した後に、自然又は強制の乾燥処置を施すことが好ましい。本発明の重合性物質は、それ自身で一定の保湿性(水の蒸発抑制、水の吸湿)を有するため、有機溶剤を完全に排除したインクの構成とすることも可能である。この場合には、実用レベルでの、インクジェット記録装置の信頼性を確保するために、キャッピング、記録開始時のインクの吸引、予備吐出等の対策を行ってもよい。
以下に、本発明のインクに用いることのできる比較的容易に蒸発乾燥する有機溶剤を列挙する。本発明のインクにおいては、これらの有機溶剤の中から、任意に選択したものを添加することができる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル等のグリコールエーテル類等。ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類等。トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類等。メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール等の1価のアルコール類等。
本発明の液体組成物を、色材を含有するインクとして利用する場合には、色材の吸収特性に合わせて、インク中における重合開始剤と活性エネルギー線重合性物質の含有量を調節することが好ましい。水性媒体(水若しくは有機溶剤、又は水及び有機溶剤)の含有量の合計(質量%)は、インク全質量を基準として、30質量%以上90質量%以下とすることが好ましい。活性エネルギー線重合性物質の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1質量%以上35質量%以下、更には10質量%以上25質量%以下とすることが好ましい。重合開始剤の含有量(質量%)は、活性エネルギー線重合性物質の含有量にも依存するが、概ね、インク全質量を基準として、0.1質量%以上7質量%以下、更には0.3質量%以上5質量%以下とすることが好ましい。
インクの色材として顔料を用いる場合には、インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.3質量%以上10質量%以下とすることが好ましい。顔料の着色力は顔料粒子の分散状態も依存するが、顔料の含有量が0.3質量%以上1質量%未満であると、所謂淡インクとして利用する範囲となる。又、それ以上であると、一般のカラー着色用の濃インクとして利用する範囲となる。顔料分散体の含有量は、インクジェット記録装置に適したインクの粘度や流動特性にも依存する。
本発明のインクは、オンデマンド型のインクジェット方法に適用する場合には、25℃における粘度の上限は15mPa・sであることが好ましい。又、本発明のインクを高密度で高駆動周波数のノズルを有するインクジェット記録装置に適用する場合には、25℃における粘度の上限は10mPa・sであることが好ましい。
又、表面張力は、本発明のインクを用いて普通紙等の記録媒体に記録することを鑑み、25℃において35mN/m(dyne/cm)以上であることが好ましい。普通紙への記録においては、カラー間のブリーディングを十分に抑制することが好ましい。そのために、通常のインクジェット用インクにおいては、表面張力を30mN/m程度の低い値に調整して、インクを短時間の内に記録媒体中に浸透させる必要がある。しかしながら、この場合には画像濃度の低下を伴う。
これに対し本発明のインクでは、活性エネルギー線の照射時にできるだけインクが記録媒体の表面に滞留するように、表面張力を高く設定することが好ましい。このようにすることで、インクは記録媒体の表面近傍において効果的に硬化され、ブリーディングを十分に抑制可能であり、又、同時に高い画像濃度が得られる。この画像濃度の確保のためには、一方で、活性エネルギー線の照射時にある程度インクが記録媒体に対して濡れていることが好ましいので、表面張力の上限は25℃において50mN/m程度であることがより好ましい。
〔インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置〕
本発明の液体組成物やインクは、インクジェット方式の記録ヘッドに用いられることが好ましい。又、本発明のインクは、インクを収容するインク収容部を有するインクカートリッジや記録ユニットに収容されるインクとしても、又は前記インクカートリッジの充填用のインクとしても有効である。特に、本発明のインクは、インクジェット記録方式の中でも熱エネルギーの作用によりインクを吐出する方式の記録ヘッド及びインクジェット記録装置において、優れた効果をもたらすものである。
その代表的な構成や原理は、例えば、米国特許第4,723,129号明細書、同第4,740,796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型の何れにも適用可能である。特に、オンデマンド型の場合には、インクを保持するシートや液路に対応して配置した電気熱変換体に、記録情報に対応して核沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくともひとつの駆動信号を印加する。これにより、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの発熱面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一対応し、インク内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長及び収縮により吐出口を介してインクを吐出して、少なくともひとつの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れたインクの吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号は、米国特許第4,463,359号明細書、同第4,345,262号明細書に記載されているようなものが適している。尚、前記発熱面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4,313,124号明細書に記載されている条件を採用すると、更に優れた記録を行うことができる。
記録ヘッドの構成は、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を有することが好ましい。これらの構成は米国特許第4,558,333号明細書、米国特許第4,459,600号明細書に記載されている。又は特許第2962880号公報、特許第3246949号公報、更には特開平11−188870号公報に記載されている大気連通方式の吐出方式にも本発明は有効である。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通する吐出口を電気熱変換体の吐出部とする構成(特開昭59−123670号公報等)に対しても、本発明は有効である。
更に、インクジェット記録装置が記録できる最大の記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドは、以下のものを用いることができる。例えば、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満たす構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとしての構成でもよい。本発明は、前記したような構成の何れでも、上述した効果を一層有効に発揮することができる。
又、インクジェット記録装置に装着することで記録装置との電気的な接続や記録装置からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、又は記録ヘッドに一体的に設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドに対しても、本発明は有効である。
又、インクジェット記録装置の構成として設けられる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるので好ましい。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対するキャッピング手段、クリーニング手段、加圧若しくは吸引手段、電気熱変換体若しくはこれとは別の加熱素子、又はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードである。
ここで、インクジェット記録装置の正面の概略図である図1を用いて具体的に説明する。インクジェット記録装置は、インクを収容するインクカートリッジ部1、記録を行う記録ヘッド部2、硬化のための活性エネルギー線の照射を行うランプ部3、記録ヘッド部及びランプ部を駆動する駆動部4、記録媒体を搬送する排紙部5を備えている。前記記録ヘッド部2は、記録ヘッドを多数並べたマルチヘッドを用いている。尚、これら以外に不図示のワイピング部、キャッピング部、給紙部、駆動モーター部を備えている。
図1において、記録ヘッド部2はインクの吐出のためのノズル部が各色につき左右対称に配置されている。そして、記録ヘッド部2とランプ部3は一体となって左右に走査し、インクを記録媒体に付与した後、即座に活性エネルギー線が照射される。このため、普通紙に記録を行う際のインクの滲みやカラー間のブリーディングの抑制等が可能で、高品位、高精彩な画像を得ることができる。尚、活性エネルギー線として好ましく用いることができる紫外線照射ランプの詳細は後述する。
又、インクカートリッジ部1はここではブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色が配置されているが、より高精細な画像を記録するためにライトシアン(LC)やライトマゼンタ(LM)の6色を配置してもよい。又、ブラックインクの反応性は他のインクに比べて劣るので、シアン、マゼンタ、イエローを組み合わせてプロセスブラックを形成する3色の配置でもよい。尚、本発明においては、インクカートリッジは光を遮光できるものを用いることが好ましい。
尚、本発明においては、前記したインクジェット記録装置の他にも、ランプを排紙部前面に配したものや、給紙・排紙が回転ドラムに巻きつけられて行われるもの、乾燥部を別途設けたもの等適宜選ぶことができる。
<紫外線照射ランプ>
以下、本発明で特に好適なインクの硬化に用いる紫外線照射ランプについて説明する。紫外線照射ランプは、水銀の蒸気圧が点灯中で1Pa以上10Pa以下であるような、所謂、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、蛍光体を塗布した水銀灯等が好ましい。これらの水銀ランプの紫外線領域における発光スペクトルは、184nm以上450nm以下の範囲であり、黒色又は着色したインク中の重合性物質を効率的に反応させるのに適している。又、電源をインクジェット記録装置に搭載する上でも、小型の電源を用いることができるので、その意味でも適している。水銀ランプには、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンフラッシュランプ、ディープ紫外線ランプ、マイクロ波を用いて外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、紫外線レーザー等が実用されている。これらのランプの発光スペクトルは上記した範囲を含むので、電源サイズ、入力強度、ランプ形状等が許されれば、基本的には適用可能である。光源は、用いる重合開始剤の感度にも合わせて選択する。
本発明のインクの硬化に使用し得る紫外線強度は、硬化に有効な波長領域において、500mW/cm2以上5,000mW/cm2以下であることが好ましい。照射強度が弱いと本発明の効果が十分に得られない場合がある。又、照射強度が強すぎると、記録媒体がダメージを受ける場合や、色材の退色を生じる場合がある。
以下、活性エネルギー線重合性物質の合成例、液体組成物又はインクの実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記実施例により限られるものではない。尚、特に指定のない限り各液体組成物又はインク中の成分の量は「質量部」を意味する。
[合成例1]
〈例示化合物30の合成〉
Figure 2007119449
上記例示化合物30において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、エチレングリコール残基(下記)である。
Figure 2007119449
(a)ジアミノ化合物の合成
エチレングリコールジグリシジルエーテル(東京化成工業製)200g(1.15モル)がエタノール1kg中に溶解した溶液中に、室温下でアンモニアガス(250g)を2.5時間かけて導入した。溶液は発熱し、反応は徐々に進行した。その後、室温にて5.5時間撹拌し、更にそのまま3日間放置した。反応終了後、エタノールを留去して、黄色の液体213gを得た(粗収率89%)。1H−NMR、IRにより構造同定を行い、目的のジアミノ化合物が得られたことを確認した。
(b)マレインアミド酸の合成
上記で得られたジアミノ化合物104g(0.5モル)、及び無水マレイン酸98g(1モル)をそれぞれ800mlのジメチルホルムアミドに溶解して得られた2種類の溶液を、氷冷した400mlのジメチルホルムアミド中に等量ずつ8時間かけて滴下、氷冷下撹拌した。更に滴下が終了した後に、2時間撹拌した。その後1晩放置した後、ジメチルホルムアミドの濃縮、濾過を行い、化合物180gを得た(粗収率89%)。1H−NMR、IRにより構造同定を行い目的のマレインアミド酸が得られたことを確認した。
(c)例示化合物30の合成
上記で得られたマレインアミド酸101g(0.25モル)、無水酢酸255g(2.5モル)、及び酢酸ナトリウム12.5gを混合し、60℃で5時間撹拌した。反応終了後、減圧下、酢酸及び無水酢酸の大部分を留去し、残液をクロロホルムで抽出した。その後、抽出液を濃縮し、析出物をろ過して、化合物55g(粗収率60%)を得た。1H−NMR、IRにより構造同定を行い目的の例示化合物30が得られたことを確認した。
[合成例2]
〈例示化合物31、例示化合物32の合成〉
合成例1で用いたエチレングリコールジグリシジルエーテルをトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス製 EX−321)に代えた。そして、それ以外は全く合成例1と同様に(a)、(b)、及び(c)の経路で合成を行い、化合物を得た。
この化合物を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、数成分の混合物であることが確認された。次に、液体クロマトグラフ/質量分析装置により分析を行ったところ、下記の例示化合物31及び例示化合物32の混合物が得られたことを確認した。
Figure 2007119449
上記例示化合物31において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、トリメチロールプロパン残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物32において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、トリメチロールプロパン残基(下記)である。
Figure 2007119449
[合成例3]
〈例示化合物33の合成〉
合成例1で用いた無水マレイン酸を無水イタコン酸に代えた。そして、それ以外は全く合成例1と同様に(a)、(b)及び(c)の経路で合成を行い、化合物を得た。この化合物を高速液体クロマトグラフィー及び液体クロマトグラフ/質量分析装置により分析を行ったところ、下記の例示化合物33が得られたことを確認した。
Figure 2007119449
上記例示化合物33において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、エチレングリコール残基(下記)である。
Figure 2007119449
[合成例4]
〈例示化合物34、例示化合物35の合成〉
合成例2で用いた無水マレイン酸を無水イタコン酸、又、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルをグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス製 EX−313)に代えた。それ以外は全く合成例2と同様に(a)、(b)及び(c)の経路で合成を行い、化合物を得た。この化合物を高速液体クロマトグラフィー及び液体クロマトグラフ/質量分析装置により分析を行ったところ、下記の例示化合物34及び例示化合物35の混合物が得られたことを確認した。
Figure 2007119449
上記例示化合物34において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、グリセリン残基(下記)である。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物35において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、グリセリン残基(下記)である。
Figure 2007119449
[合成例5]
〈例示化合物36の合成〉
ジアミノ化合物として、下記化学式のポリオキシアルキレンジアミノ化合物150g(0.25モル)(ジェファーミンED600;ハンツマン製)を用いた。そして、それ以外は全く合成例1(b)と同様に合成を行い、ビスマレアミド酸誘導体を201g得た。次に、上記で得られたビスマレアミド酸誘導体177g(0.22モル)を用いた以外は全く合成例1(c)と同様に合成を行った。その後、アルミナクロマトグラフ精製、セライト処理を行い、液体50gを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)、1H−NMR、IRにより構造同定を行ったところ、下記の例示化合物36が得られたことを確認した。尚、1H−NMRによる同定結果は、次の通りである。−CH3−に由来する1ppm付近のピーク(A)、−CH−、−CH2−に由来する3〜4ppm付近のピーク(B)、−HC=CH−に由来する6〜7ppm付近のピーク(C)、における積分強度比はA:B:C=13.8:48:4であった。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
上記例示化合物36において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、−(O−CH2−CH2)b−で表される平均分子量約400のポリエチレングリコール残基である。平均ユニット数bは9である。又、上記例示化合物36において、一般式(II)のR1及びR2に該当するのは、メチル基のプロピレンオキシド鎖であり、上記例示化合物36におけるユニット数の平均値a+cは3.6である。
[合成例6]
〈例示化合物38の合成〉
無水マレイン酸を無水イタコン酸に代えた。そして、それ以外は全く合成例5と同様に合成を行い、透明液体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)、1H−NMR、IRにより構造同定を行ったところ、下記の例示化合物38が得られたことを確認した。
Figure 2007119449
上記例示化合物38において、前記一般式(I)の[Z]に該当するのは、−(O−CH2−CH2)b−で表される平均分子量約400のポリエチレングリコール残基である。平均ユニット数bは9である。又、上記例示化合物38において、一般式(II)のR1及びR2に該当するのは、メチル基のプロピレンオキシド鎖であり、上記例示化合物38におけるユニット数の平均値a+cは3.6である。
<実施例1〜20及び比較例1〜8>
表1及び表2に示す成分を混合して十分撹拌した後、ポアサイズ1.2ミクロンのフィルタにて加圧濾過を行い、実施例1〜20及び比較例1〜8の液体組成物を調製した。比較例1〜8に用いる重合性物質は、下記に示す比較化合物1及び2を用いた。又、本発明においては、600×600dpiで形成する画像の1画素に約5plのドットで全てを埋め尽くす記録を100%ベタという。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
Figure 2007119449
Figure 2007119449
<液体組成物の成膜性評価>
表1及び表2に示した液体組成物を用いて、下記のように成膜性を評価した。バーコーターを用いて、市販のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに、実施例1〜20及び比較例1〜8の液体組成物を20g/m2となるように付与した。このようにして得られたPETフィルムに、UV照射装置を用いて紫外線を照射した。ここで用いたUVランプは、UV硬化性評価装置 モデルLH6B(FUSION UV Systems Inc.製)であり、照射位置での強度は1,500mW/cm2である。又、PETフィルムの搬送速度は0.2m/秒であった。このように形成した膜の鉛筆硬度を市販の鉛筆硬度試験機(HEIDON−14D;新東化学製)を用いて測定した。測定結果を表3及び表4に示す。鉛筆硬度試験はJISに準拠している。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
表3及び表4の実施例の結果に示されているように、実施例1〜10の非水性、実施例11〜20の水性に関わらず、各塗工膜において、実用上問題ない鉛筆硬度が得られた。尚、比較例1〜8の各液体組成物を用いて形成した膜は、いずれも、完全にはPETフィルムに定着せず、鉛筆硬度試験機での鉛筆硬度の測定ができなかった。
<実施例21〜32、並びに、比較例9及び10>
先ず、シアンの顔料分散体を以下のように調製した。顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3を用い、分散剤としてスチレン/アクリル酸/エチルアクリレートのランダムポリマー(平均分子量:3,500、酸価:150)を用いた。これらをビーズミルにて分散し、顔料固形分が10質量%で、顔料とバインダーの比率であるP/B比=3/1であるシアン顔料分散体を得た。レーザー光散乱型の粒子径測定装置(ELS−8000;大塚電子製)を用いて測定した顔料の平均粒子径は120nmであった。次に、表5に示す成分を混合して十分撹拌した後、ポアサイズ0.50μmのフィルタを用いて加圧濾過を行い、実施例21〜32、並びに、比較例9及び10のインクを調製した。尚、インクのpHは最終的に8.5となるように、0.2規定の水酸化ナトリウム水溶液を用いて調整した。又、比較例9及び10に用いる重合性物質は、下記に示す比較化合物1及び2を用いた。
Figure 2007119449
Figure 2007119449
Figure 2007119449
前記のように調製した実施例及び比較例の各インクの評価を下記の要領で行った。
〔評価用のインクジェット記録装置〕
記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与することによりインクを吐出するオンデマンド型インクジェット記録装置Pixus550i(キヤノン製)を、図1に示したものと同様の構成を有するように改造した。具体的には、記録ヘッド部に隣接するマイクロ波を用いて外部から無電極で水銀灯を励起するUVランプを搭載した。このインクジェット記録装置を用いて、下記(1)から(3)に記載する評価方法及び評価基準に従って評価した。又、UVランプはDバルブを用いた。照射位置での強度は1,500mW/cm2であった。
(1)インク硬化性能
(1)−1:定着性
実施例21〜32、並びに、比較例9及び10のそれぞれのシアンインク、及び前記インクジェット記録装置を用いて、オフセット記録用紙OK金藤(三菱製紙製)に100%ベタの画像を形成した。液体組成物を付与した場合と同様の条件で、記録媒体にUV照射装置を用いて紫外線を照射した。記録10秒後に、前記記録媒体にシルボン紙を載せ、記録面に40g/cm2の荷重を載せた状態でシルボン紙を引っ張った。記録媒体の非記録部(白地部)及びシルボン紙に、記録部の擦れによって汚れが生じるか否かを目視で観察して評価を行った。定着性の評価基準は下記の通りである。評価結果を表6に示した。
A:擦れによる部分が見られない。
B:擦れによる汚れ部分が殆ど見られない。
C:擦れによる汚れ部分が目立つ。
(1)−2:耐マーカー性
実施例21〜32、並びに、比較例9及び10のそれぞれのシアンインク、及び前記インクジェット記録装置を用いて、PPC用紙(キヤノン製)に12ポイントの文字を記録した。記録1分後に、蛍光ペンスポットライターイエロー(パイロット製)を用いて、文字部を通常の筆圧で1度マークし、文字の乱れの有無を目視で観察して評価を行った。耐マーカー性の評価基準は下記の通りである。評価結果を表6に示す。
A:マーカーによる文字の乱れが生じない。
B:マーカーによる文字の乱れがわずかに生じる。
C:マーカーによる文字の乱れが著しく生じる。
(2)吐出安定性
実施例21〜32、並びに、比較例9及び10のそれぞれのシアンインク、及び前記インクジェット記録装置を用いて、PPC用紙(キヤノン製)に横罫線を連続して記録した。その後、罫線の太さ、ドットの着弾位置を目視で観察して評価を行った。吐出安定性の評価基準は下記の通りである。評価結果を表6に示す。
A:線の太さに変化がなく、ヨレも全くない。
B:多少の太りがあるが実用上全く問題ないレベルである。
C:線の細りがあり、ヨレも多少見られる。
(3)保存安定性
実施例21〜32、並びに、比較例9及び10のそれぞれのシアンインクを、テフロン(登録商標)容器に入れ、密封した。これを、暗所60℃のオーブン中で1ヶ月保存した。保存前後の顔料の平均粒子径を比較して評価を行った。保存安定性の評価基準は下記の通りである。評価結果を表6に示す。
A:平均粒子径の変化が保存前後で±10%以内である。
B:平均粒子径の変化が保存前後で±10%を超えて±15%以内である。
C:平均粒子径の変化が保存前後で15%を超える。
Figure 2007119449
<実施例33>
次に、実施例21に用いたシアン顔料分散体を調製するのと全く同様にして、イエロー顔料分散体及びマゼンタ顔料分散体を調製した。
(イエロー顔料分散体の調製)
顔料としてC.I.ピグメントイエロー13を用いたこと以外は、シアン顔料分散体を調製するのと全く同様にして顔料固形分10質量%、P/B比=3/1、平均粒子径130nmのイエロー顔料分散体を調製した。
(マゼンタ顔料分散体の調製)
顔料としてC.I.ピグメントレッド122を用いたこと以外は、シアン顔料分散体を調製するのと全く同様にして、顔料固形分10質量%、P/B比=3/1、平均粒子径125nmのマゼンタ顔料分散体を調製した。
次に、実施例21のシアン顔料分散体を、上記で得られたイエロー顔料分散体に代えたこと以外は全く同様にして、実施例33のイエローインクを調製した。又、実施例21のシアン顔料分散体を、上記で得られたマゼンタ顔料分散体に代えたこと以外は全く同様にして、実施例33のマゼンタインクを調製した。
上記で得られたイエローインク及びマゼンタインクに加えて、実施例21のシアンインクを組み合わせて実施例33のインクセットとした。このインクセットを用いて、実施例21で用いたものと同じインクジェット記録装置を用い、オフセット記録用紙OK金藤(三菱製紙製)に画像を記録した。具体的には、イエロー及びマゼンタの100%ベタ記録、並びに、イエロー100%ベタ記録及びマゼンタ100%ベタ記録で形成した2次色レッドの画像を記録した。このように形成した画像のイエロー、マゼンタ、及びレッドの部分について、実施例21と同様の方法及び評価基準で定着性の評価を行った(それぞれ実施例33Y、33M、及び33Rとした)。又、イエローインク及びマゼンタインクについて、実施例21と同様の方法及び評価基準で吐出安定性及び保存安定性の評価を行った。評価結果を表7に示した。
Figure 2007119449
以上、本発明によれば、活性エネルギー線による硬化性が良好であり、且つ色材を含有するインクを調製した場合でも、実用的な硬化性能が得られ、且つ定着性、耐マーカー性に優れ、吐出安定性、保存安定性に優れるインクや液体組成物を提供することができる。尚、上記した実施例は、本発明の基本的構成を説明するために挙げたものであり、例えば、色材として染料を用いても、上記実施例と同様の性能のインクを提供することができることは言うまでもない。
本発明に用いられる好適なインクジェット記録装置の正面の概略図である。
符号の説明
1:本発明の活性エネルギー線硬化型インクを収容するインクカートリッジ部
2:インクカートリッジを搭載して記録を行う記録ヘッド部
3:硬化のための紫外線照射を行うランプ部
4:記録ヘッド部及びランプ部を駆動する駆動部
5:記録媒体を搬送する排紙部

Claims (16)

  1. 下記一般式(I)で表されることを特徴とする活性エネルギー線重合性物質。
    Figure 2007119449
    {上記一般式(I)中、
    [Z]は、2価乃至6価のポリオールの残基であり、
    jは1乃至6であり、kは0乃至2であり、mは0乃至2であり、
    [A]は、下記一般式(II)で表される基であり、
    Figure 2007119449
    (上記一般式(II)中、nは0乃至5であり、pは0乃至1であり、rは0乃至1であり、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は水酸基であり、Xは少なくとも一方のカルボニル炭素に隣接した炭素原子が炭素−炭素二重結合を有する炭素数2乃至5で構成される2価の基である。)
    [B]は、下記一般式(III)で表される基であり、
    Figure 2007119449
    (上記一般式(III)中、nは0乃至5であり、pは0乃至1であり、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は水酸基である。)
    [D]は、下記一般式(IV)で表される基である。
    Figure 2007119449
    (上記一般式(IV)中、nは0乃至5であり、R1は水素原子、メチル基、又は水酸基である。)}
  2. 前記一般式(II)において、−X−が、下記化学式(1)又は化学式(2)で表される基である請求項1に記載の活性エネルギー線重合性物質。
    Figure 2007119449
  3. エチレンオキシド基及びプロピレンオキシド基を共に有する請求項1又は2に記載の活性エネルギー線重合性物質。
  4. 前記一般式(I)において、jが、3乃至6である請求項1〜3の何れか1項に記載の活性エネルギー線重合性物質。
  5. 少なくとも、活性エネルギー線重合性物質を含有してなり、該活性エネルギー線重合性物質が、請求項1〜4の何れか1項に記載の活性エネルギー線重合性物質であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型液体組成物。
  6. 更に、活性エネルギー線によってラジカルを生成する重合開始剤を含有する請求項5に記載の活性エネルギー線硬化型液体組成物。
  7. 更に、水を含有する請求項5又は6に記載の活性エネルギー線硬化型液体組成物。
  8. 少なくとも、活性エネルギー線重合性物質、及び色材を含有してなり、上記活性エネルギー線重合性物質が、請求項1〜4の何れか1項に記載の活性エネルギー線重合性物質であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インク。
  9. 更に、活性エネルギー線によってラジカルを生成する重合開始剤を含有する請求項8に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  10. 更に、水を含有する請求項8又は9に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  11. インクジェット用である請求項8〜10の何れか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  12. インクを吐出して記録媒体に付与する工程、及び、上記インクが付与された記録媒体に活性エネルギー線を照射して上記インクを硬化する工程を有するインクジェット記録方法において、上記インクが、請求項11に記載の活性エネルギー線硬化型インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  13. 前記インクを吐出して記録媒体に付与する工程において、熱エネルギーの作用によりインクを吐出し、吐出したインクを記録媒体に付与する請求項12に記載のインクジェット記録方法。
  14. 請求項11に記載の活性エネルギー線硬化型インクを収容してなるインク収容部を具備することを特徴とするインクカートリッジ。
  15. 請求項11に記載の活性エネルギー線硬化型インクが収容されているインク収容部と、該収容部に収容されているインクを吐出するための記録ヘッドとを具備してなることを特徴とする記録ユニット。
  16. 請求項11に記載の活性エネルギー線硬化型インクを記録媒体に付与する手段と、上記インクが付与された記録媒体に活性エネルギー線を照射して上記インクを硬化する手段とを具備してなることを特徴とするインクジェット記録装置。
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