JPWO2011158593A1 - 光硬化性のインクジェットインク、画像形成方法、マレイミド誘導体、及び光硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
2.前記一般式(1)における、A1、およびA3はメチレン基、A2はCHR4、R3は炭素数4〜12のアルキル基、又はアルキレン基であり、R4は炭素数1〜4のアルキル基を表すことを特徴とする前記1記載の光硬化性インクジェットインク。
4.前記1〜3のいずれか1項記載の光硬化性インクジェットインクを用いることを特徴とする画像形成方法。
6.前記一般式(1)における、A1、およびA3はメチレン基、A2はCHR4、R3は炭素数4〜12のアルキル基、又はアルキレン基であり、R4は炭素数1〜4のアルキル基を表すことを特徴とする前記5記載のマレイミド誘導体。
8.前記5〜7のいずれか1項記載のマレイミド誘導体を含有することを特徴とする光硬化性組成物。
本発明のマレイミドは、不斉中心を有する3価の炭化水素基によってD体L体の混合物になるとともに、マレイミド基の傍に導入することによって、マレイミドの結晶化が立体障害により妨げられることにより、比較的低い分子量でも、インク中で析出が起きず、良好な出射性が得られたと推察している。
更に、本発明の一般式(1)において、R3の分子量を14〜600にすることで、同じ液体でR3が高分子のものよりも粘度を下げ、インクジェットヘッドから吐出するのに、適する粘度にすることができる。
キラル基を有するマレイミド化合物を用いると、キラル基を有しないマレイミド化合物を用いる場合に比べて、光硬化感度は高くなることは見いだされた。その理由としては、複数の光学異性体が系中に存在することで、結晶化しにくくなり、分子が自由に動けるようになるために、反応性が高まったものと考えている。
一般式(1)において、R1及びR2で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等を挙げることができる。またR1及びR2が結合して、シクロプロペン環、シクロブチレン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環等を形成しても良い。
式中、好ましくは、R4は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜18のアルケニル基、炭素数1〜18のアルキルオキシ基、炭素数1〜18のアルキルカルボニルオキシ基または水酸基を表す。更に好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基等)が上げられる。
本発明で得られたマレイミド誘導体は、光硬化性組成物として、好適に用いることが出来る。光硬化性組成物は、マレイミド誘導体単独でも用いることは出来るが、多くの場合、ビニルエーテル化合物、(メタ)アクリロイル化合物、N−ビニル化合物などのエチレン性二重結合を有する他の重合性化合物とともに用いることが好ましい。
本発明において、光硬化性組成物に加えてもよいビニルエーテル化合物として以下のものが挙げられる。
単官能モノビニルエーテル化合物としては、例えば、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、エチルエトキシビニルエーテル、アセチルエトキシエトキシビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、アダマンチルビニルエーテル、等を挙げることができる。
二官能のビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールビニルエーテル、ブチレンジビニルエーテル、ジブチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ノルボルニルジメタノールジビニルエーテル、イソバイニルジビニルエーテル、ジビニルレゾルシン、ジビニルハイドロキノン等を挙げることができる。
三官能のビニルエーテル化合物としては、例えば、グリセリントリビニルエーテル、グリセリンエチレンオキシド付加物トリビニルエーテル(エチレンオキシドの付加モル数6)、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリビニルエーテルエチレンオキシド付加物トリビニルエーテル(エチレンオキシドの付加モル数3)等を挙げることができる。
四官能以上のビニルエーテル化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンヘキサビニルエーテル、それらのオキシエチレン付加物が挙げられる。
本発明において、光硬化性組成物に加えても良いアクリルロイル化合物として以下のものが挙げられる。
また、本発明係る光硬化性組成物は、本発明のマレイミド誘導体自身も光開始剤として働くが、より光硬化感度を高めるには、光開始剤を併用することが好ましい。併用してもよい他の光開始剤としては下記が挙げられる。
2)チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類、及びそれらの塩
3)エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類
4)アセトフェノン類
5)ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類
6)2,4,6−トリハロメチルトリアジン類
7)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体等のイミダゾール類
8)ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン類
9)9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体
10)ビスアシルフォスフィンオキサイド、ビスフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド
11)4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、及びこれらのエチレンオキシド付加物。
本発明のインクジェットインクには、吸収波長を長波にする目的で、増感剤を用いることができる。光増感剤の例としては、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、スチリルケトン類、クマリン類、ローダミン類、シアニン類、メロシアニン類などをあげることができる。また、特開2010−018728公報などに記載されているジヒドロベンゾチアイン−4−オン増感剤も用いても良い。光増感剤を加える場合の光増感剤の添加量は、光開始剤の添加量の0.1質量倍から2質量倍の範囲が好ましい。
本発明の光硬化性組成物では、色材を用いて、有色の光硬化性組成物、或いは、光硬化性のインクジェットインクとして用いても良い。
C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、
C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、177、180、192、202、206、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、
C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、
C.I.ピグメントグリーン7、36、
C.I.ピグメントブラウン23、25、26、
上記顔料の中でも、キナクリドン系、フタロシアニン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、縮合アゾ系、キノフタロン系、イソインドリン系有機顔料等は耐光性が優れているため好ましい。
用いる顔料を分散する顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体等を挙げることができる。
本発明の光硬化性組成物においては、保存安定性を得るために、ラジカル重合禁止剤を添加することが好ましい。
本発明の光硬化性組成物には、必要に応じて界面活性剤、滑剤、充填剤、防錆剤、消泡剤、増粘剤、ゲル化剤、ポリマー類など各種の添加剤を含有させることが出来る。
本発明の光硬化性組成物は、基材に塗布後、紫外線を照射して硬化させるのが好ましい。光照射の方法の照射装置は、例えば紫外線LED、紫外線レーザ、水銀アークランプ、キセノンアークランプ、低圧水銀灯、螢光ランプ、炭素アークランプ、タングステン−ハロゲン複写ランプ及び太陽光を使用することができる。
本発明の光硬化性組成物は、インクジェットインクとして用いることが、より好ましい。インクジェットインクは、細いミクロンオーダーのインクジェットヘッドノズルから吐出されるために、粘度は25℃において5〜100mPa・sで、シェアレート依存性が出来るだけ小さく、表面張力は25℃において22〜35mN/mの範囲にあること、顔料以外に1μmを超えるようなゲル状物質が無いこと、電導度は10μS/cm以下の電導度とし、ヘッド内部での電気的な腐食のないインクジェットインクとすることが好ましい。コンティニュアスタイプにおいては、電解質による電導度の調整が必要であり、この場合には0.5mS/cm以上の電導度に調整する必要がある。
インクジェットでの光照射の方法は、上記、紫外線を付与する照射装置を具備したインクジェットプリンターで、インクジェットインクを重ねて硬化する多数回パス方式のシリアル記録方法、または、1回のパスで記録するライン記録方法いずれでも使用可能である。具体的には、インクジェットインクを基材上に付与し、基材上のインクジェットインクに紫外線を照射してインクジェットインクを硬化または半硬化状態とし、この上にフレッシュなインクジェットインクを付与し、活性エネルギー線によりインクジェットインクを硬化させる工程を含むものである。
攪拌機、減圧装置およびトラップを備えた300mlナス型フラスコに、文献「有機合成化学協会誌第23巻第2号(1965)」に記載の方法で合成したN−β−オキシイソプロピルマレイミド5.0g、アゼライン酸2.82g、p−トルエンスルホン酸一水和物0.7g、2,6−tert−ブチル−p−クレゾール0.05gおよびトルエン20mlを順次仕込み、減圧下、生成する水とトルエンを共沸留去しながら、反応温度80℃の条件で12時間攪拌し反応終了とした。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル300mlに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mlで3回、飽和食塩水100mlで1回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、濃縮して本発明のマレイミド誘導体1−1を3.2g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
1H NMR(400MHz、CDCl3):
6.74(s,4H,−CH=CH−),
5.11−5.15(m,2H,−(C=O)−O−CH−),
3.64−3.68(m,4H,N−CH2−),
2.23(t,4H,−O−(C=O)−CH2−),
1.55(brs,4H,−CH2−),1.24−1.27(m,6H,−CH2−),
1.24(d,6H,−CH3).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl3):
173.1[−(C=O)−O−],170.4[N−(C=O)],
134.0(−CH=CH−),67.9[−(C=O)−O−CH−],
41.8(−N−CH2−),34.1[−O−(C=O)−CH2−],
28.7(2C)(−CH2−),24.5(−CH2−),
17.5(−CH3).で確認した。
合成例1で用いたアゼライン酸2.82gの代わりに、セバシン酸3.03gを用いた以外は、合成例1の条件と同様に合成を行うことで、本発明のマレイミド誘導体1−2を3.3g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
1H NMR(400MHz、CDCl3):
6.72(s,4H,−CH=CH−),
5.12−5.14(m,2H,−(C=O)−O−CH−),
3.58−3.71(m,4H,N−CH2−),
2.22(t,4H,−O−(C=O)−CH2−),
1.54(brs,4H,−CH2−),
1.22−1.42(m,8H,−CH2−),
1.24(d,6H,−CH3).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl3):
173.3[−(C=O)−O−],170.5[N−(C=O)],
134.1(−CH=CH−),68.0[−(C=O)−O−CH−],
41.9(−N−CH2−),34.2[−O−(C=O)−CH2−],
29.0(−CH2−),28.9(−CH2−),24.6(−CH2−),17.6(−CH3).で確認した。
合成例1で用いたN−β−オキシイソプロピルマレイミド5.0gの代わりに、文献「有機合成化学協会誌第23巻第2号(1965)」に記載の方法で合成したN−β−オキシエチルマレイミド4.55gを用いた以外は、合成例1の条件と同様に合成を行うことで、比較例のマレイミド誘導体2−1を3.3g得た。得られた合成物は室温で固体であった。
1H NMR(400MHz、CDCl3):
6.73(s,4H,−CH=CH−),
4.23(t,4H,−(C=O)−O−CH2−),
3.79(t,4H,N−CH2−),
2.26(t,4H,−O−(C=O)−CH2−),
1.57(t,4H,−CH2−),1.27(s,8H,−CH2−),及び、
13C NMR(100MHz、CDCl3):
173.5[−(C=O)−O−],170.4[N−(C=O)],
134.2(−CH=CH−),61.1[−(C=O)−O−CH2−],36.9(−N−CH2−),33.9[−O−(C=O)−CH2−],28.9(2C)(−CH2−),24.6(−CH2−).で確認した。
攪拌機、減圧装置およびトラップを備えた300mlナス型フラスコに、特許文献「第3599160号」に記載の方法で合成した2−マレイミド−2−メチル酢酸33.8g、ジエチレングリコール10.2g、p−トルエンスルホン酸一水和物4.47g、2,6−tert−ブチル−p−クレゾール0.35gおよびトルエン20mlを順次仕込み、減圧下、生成する水とトルエンを共沸留去しながら、反応温度80℃の条件で5時間攪拌し反応終了とした。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル300mlに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mlで3回、飽和食塩水100mlで1回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、濃縮して本発明のマレイミド誘導体1−3を24.7g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
1H NMR(400MHz、CDCl3):
6.75(s,4H,−CH=CH−),4.82(q,2H,N−CH−),4.20−4.32(m,4H,−(C=O)−O−CH2−),
3.58−3.67(m,4H,−CH2−O−),
1.59(d,2H,−CH3).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl3):
169.7[N−(C=O)],169.5[−(C=O)−O−],
134.3(−CH=CH−),68.7[−(C=O)−O−CH2−],64.6(−CH2−O−),47.4(−CH−),15.1(−CH3).で確認した。
合成例4で用いた、2−マレイミド−2−メチル酢酸33.8gの代わりに、特許文献「第3599160号」に記載の方法で合成した2−マレイミド−2−イソブチリル酢酸を39.4g用いた以外は合成例4と同様の条件で合成することにより、本発明のマレイミド誘導体1−4を28.1g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
1H NMR(400MHz、CDCl3):
6.75(s,4H,−CH=CH−),4.41(d,2H,N−CH−),4.23(q,4H,−(C=O)−O−CH2−),
3.58(t,4H,−CH2−O−),
2.62−2.70[m,2H,CH3−CH(CH3)−],
1.08(d,6H,−CH3),0.88(d,6H,−CH3).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl3):
170.1[N−(C=O)],168.6[−(C=O)−O−],
134.1(−CH=CH−),68.6[−(C=O)−O−CH2−],64.2(−CH2−O−),57.6(N−CH−),
28.5[CH3−CH(CH3)−],20.6(−CH3),
19.3(−CH3).で確認した。
合成例4で用いた、2−マレイミド−2−メチル酢酸33.8gの代わりに、特許文献「第3599160号」に記載の方法で合成した2−マレイミド−2−イソバレリル酢酸を42.2g用いた以外は合成例4と同様の条件で合成することにより、本発明のマレイミド誘導体1−5を28.8g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
1H NMR(400MHz、CDCl3):
6.74(s,4H,−CH=CH−),4.48(dd,2H,N−CH−),4.18−4.30(m,4H,−(C=O)−O−CH2−),
3.60−3.64(m,4H,−CH2−O−),
2.22(ddd,2H,N−CH−CH2−),
1.88(ddd,2H,N−CH−CH2−),
1.40−1.50[m,2H,CH3−CH(CH3)−],
0.93(d,6H,−CH3),0.91(d,6H,−CH3).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl3):
170.1[N−(C=O)],169.6[−(C=O)−O−],
134.2(−CH=CH−),68.7[−(C=O)−O−CH2−],64.6(−CH2−O−),50.6(N−CH−),37.0(−CH2−),
25.0[CH3−CH(CH3)−],23.0(−CH3),
20.9(−CH3).で確認した。
合成例4で用いた、2−マレイミド−2−メチル酢酸33.8gの代わりに、特許文献「第3599160号」に記載の方法で合成したマレイミド酢酸を31.2g用いた以外は合成例4と同様の条件で合成することにより、比較例のマレイミド誘導体2−2を30.2g得た。得られた合成物は室温で固体であった。
1H NMR(400MHz、CDCl3):
6.80(s,4H,−CH=CH−),4.34(s,4H,N−CH2−),4.27(t,4H,−(C=O)−O−CH2−),
3.69(t,4H,−CH2−O−).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl3):
169.7[N−(C=O)],167.2[−(C=O)−O−],
134.5(−CH=CH−),68.7[−(C=O)−O−CH2−],64.6(−CH2−O−),38.6(N−CH2−).で確認した。
合成例4で用いた、ジエチレングリコール10.2gの代わりに、1,6−ヘキサンジオールを11.4g用いた以外は合成例4と同様の条件で合成することにより、本発明のマレイミド誘導体1−6を25.4g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
1H NMR(400MHz、CDCl3):
6.75(s,4H,−CH=CH−),4.77(q,2H,N−CH−),4.07−4.17(m,4H,−(C=O)−O−CH2−),
1.63(d,6H,−CH3),1.58−1.63(m,4H,−CH2−),1.24−1.33(m,4H,−CH2−).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl3):
169.8[N−(C=O)],169.5[−(C=O)−O−],
134.2(−CH=CH−),65.5[−(C=O)−O−CH2−],47.4(N−CH−),28.1(−CH2−),25.1(−CH2−),15.0(−CH3).で確認した。
合成例4で用いた、ジエチレングリコール10.2gの代わりに、1,9−ノナンジオールを15.4g用いた以外は合成例4と同様の条件で合成することにより、本発明のマレイミド誘導体1−7を22.3g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
1H NMR(400MHz、CDCl3):
6.74(s,4H,−CH=CH−),4.78(q,2H,N−CH−),4.08−4.18(m,4H,−(C=O)−O−CH2−),
1.58−1.65(m,10H,−CH2−,−CH3),
1.24−1.28(m,10H,−CH2−).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl3):
169.8[N−(C=O)],169.6[−(C=O)−O−],
134.3(−CH=CH−),65.8[−(C=O)−O−CH2−],47.5(N−CH−),29.2(−CH2−),28.9(−CH2−),28.3(−CH2−),25.6(−CH2−),15.1(−CH3).で確認した。
合成例4で用いた、ジエチレングリコール10.2gの代わりに、1,16−ヘキサデカンジオールを24.8g用いた以外は合成例4と同様の条件で合成することにより、本発明のマレイミド誘導体1−8を32.5g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
1H NMR(400MHz、CDCl3):
6.75(s,4H,−CH=CH−),4.72(q,2H,N−CH−),4.07−4.17(m,4H,−(C=O)−O−CH2−),
1.52−1.70(m,10H,−CH2−,−CH3),
1.15−1.39(m,24H,−CH2−).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl3):
169.7[N−(C=O)],169.4[−(C=O)−O−],
134.3(−CH=CH−),66.0[−(C=O)−O−CH2−],47.2(N−CH−),29.2(−CH2−),28.9(−CH2−),28.3(−CH2−),27.8(−CH2−),27.4(−CH2−),26.7(−CH2−),25.6(−CH2−),14.9(−CH3).で確認した。
合成例4で用いた、ジエチレングリコール10.2gの代わりに、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールを15.4g用いた以外は合成例4と同様の条件で合成することにより、本発明のマレイミド誘導体1−9を26.2g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
1H NMR(400MHz、CDCl3):
6.74(s,4H,−CH=CH−),4.80(q,2H,N−CH−),3.80−3.94(m,4H,−(C=O)−O−CH2−),
1.15−1.28(m,8H,−CH2−),0.84(d,6H,−CH3).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl3):
169.8[N−(C=O)],169.3[−(C=O)−O−],
134.3(−CH=CH−),66.9[−(C=O)−O−CH2−],47.4(−CH−),39.4(−CH2−),30.4(−CH2−),24.6(−CH2−),23.7(−CH2−),23.3(−CH2−),15.1(−CH3),13.9(−CH3),7.0(−CH3).で確認した。
合成例4で用いた、ジエチレングリコール10.2gの代わりに、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールを15.4g用いた以外は合成例4と同様の条件で合成することにより、本発明のマレイミド誘導体1−10を27.8g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
1H NMR(400MHz、CDCl3):
6.75(s,4H,−CH=CH−),4.79(q,2H,N−CH−),3.95−4.12(m,4H,−(C=O)−O−CH2−),
1.63(d,6H,−CH3),1.59−1.68(m,2H,−CH2−),1.21−1.37(m,4H,−CH2−),
1.12−1.20(m,2H,−CH−),
0.83−0.91(m,6H,−CH3).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl3):
169.8[N−(C=O)],169.6[−(C=O)−O−],
134.3(−CH=CH−),67.9[−(C=O)−O−CH2−],47.5(N−CH−),36.0(−CH2−),32.3(−CH2−),24.0(−CH2−),15.1(−CH3),10.8(−CH3).で確認した。
合成例4で用いた、2−マレイミド−2−メチル酢酸33.8gの代わりに、特許文献「第3599160号」に記載の方法で合成した2−(3−マレイミド)−2−メチル酢酸を36.6g用いた以外は合成例20と同様の条件で合成することにより、本発明のマレイミド誘導体1−11を31.2g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
1H NMR(400MHz、CDCl3):
6.75(s,2H,−CH=C−),4.67(q,2H,N−CH−),4.05−4.16(m,4H,−(C=O)−O−CH2−),
1.93(s,6H,−CH3),1.63(d,6H,−CH3),
1.58−1.63(m,4H,−CH2−),
1.24−1.33(m,2H,−CH2−).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl3):
169.6[N−(C=O)],169.2[−(C=O)−O−],
138.2(−CH=C−),134.2(−CH=C−),
64.5[−(C=O)−O−CH2−],46.8(N−CH−),
26.9(−CH2−),22.1(−CH2−),
15.0(−CH3),11.8(−CH3).で確認した。
合成例4用いた、2−マレイミド−2−メチル酢酸33.8gの代わりに、特許文献「第3599160号」に記載の方法で合成した2−(3,4,5,6−テトラヒドロ−フタロイミド)−2−メチル酢酸を44.6g用いた以外は合成例4と同様の条件で合成することにより、本発明のマレイミド誘導体1−12を35.4g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
1H NMR(400MHz、CDCl3):
4.60(q,2H,N−CH−),
4.08−4.17(m,4H,−(C=O)−O−CH2−),
1.96−2.12(m,8H,−CH2−),1.89(s,6H,−CH3),1.63−1.78(m,8H,−CH3),
1.58−1.62(m,4H,−CH2−),
1.20−1.31(m,2H,−CH2−).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl3):
169.8[N−(C=O)],169.3[−(C=O)−O−],
145.0(−C=C−),65.8[−(C=O)−O−CH2−],
47.2(N−CH−),29.0(−CH2−),28.6(−CH2−),24.6(−CH2−),22.1(−CH2−),15.9(−CH3).で確認した。
合成例4で用いた、ジエチレングリコール10.2gの代わりに、1−ブタノールを14.2g用いた以外は合成例4と同様の条件で合成することにより、本発明のマレイミド誘導体1−13を36.5g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
1H NMR(400MHz、CDCl3):
6.72(s,2H,−CH=CH−),4.79(q,1H,N−CH−),
4.12(q,2H,−(C=O)−O−CH2−),1.63(d,6H,−CH3),1.23−1.39(m,4H,−CH2−),0.90(m,3H,−CH3).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl3):
169.7[N−(C=O)],169.4[−(C=O)−O−],
134.3(−CH=CH−),66.2[−(C=O)−O−CH2−],46.5(N−CH−),25.9(−CH2−),24.0(−CH2−),15.3(−CH3),9.8(−CH3).で確認した。
(光硬化性組成物1の作製)
以下の組成の光硬化性組成物1を作製し、出射性と光硬化感度の測定に用いた。
本発明のマレイミド誘導体1−1 97.9質量%
光開始剤(BASF社製Darocure1173) 2.0質量%
TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−N−オキシル) 0.1質量%
(光硬化性組成物2〜17の作製)
光硬化性組成物1の作製において、本発明のマレイミド誘導体1−1を、表1〜4記載のマレイミド誘導体に変更した以外は光硬化性組成物1と同様にして光硬化性組成物2〜17を作製した。
作製した光硬化性組成物1〜17について、以下の方法で評価した。評価結果を表1〜4に示す。
コニカミノルタIJ社製のピエゾヘッド512Lを用いて、ヘッド温度を90℃以下でインク粘度10mPa・sになる温度、または90℃でも10mPa・sより大きい場合はヘッド温度を90℃に設定した、42plの液滴サイズを8kHzの周波数で1L相当の各インクを10分間連続吐出し、欠ノズルの数を調べ、下記基準で評価した。
○:欠ノズルが1個以上全体の3%未満発生した
△:欠ノズルが全体の全体の3%以上、10%未満発生した
×:欠ノズルが全体の10%以上発生した。
ピエゾヘッドKM512Lを搭載したシリアル方式のUV硬化型プリンターを用いて、画像解像度720×720dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)で、PET上にベタ画像を作製後、高圧水銀灯の出力を調整し、10、30、及び100mJ/cm2の光量になるように調整し、UV照射した。UV照射されたベタ画像から、触診により硬化の有無を調べ、下記基準で評価した。
○:光量10mJ/cm2で硬化しなかったが、光量30mJ/cm2では硬化した
△:光量30mJ/cm2で硬化しなかったが、光量100mJ/cm2で硬化した
×:光量100mJ/cm2で硬化しなかった。
《インクジェットインクの作製》
(インクジェットインク1の作製)
TEGDVE(トリエチレングリコールジビニルエーテル) 33.4g
マレイミド誘導体1−1 55.5g
カーボンブラック 2.0g
スルスパース24000GR(ルーブリゾール社製) 1.0g
TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−N−オキシル) 0.1gを混合し、粒径0.5mmのジルコニアビーズとともにペイントシェーカーで6時間分散混合した液に
DAROCURE TPO(ホスフィンオキシド系光開始剤 BASF製) 5.0g
Quantacure ITX(チオキサントン系光増感剤 Aceto Chemical製) 3.0gを混合溶解させて、インクジェットインク1を作製した。このインクのビニルエーテルとマレイミド誘導体1−1の当量比は50/50である。
インクジェットインク1の作製の際、マレイミド誘導体1−1の代わりに表5に示すマレイミド誘導体を用いて当量比50/50になるように調製した他は、インクジェットインク1と同様にして、インクジェットインク2〜17を作製した。
作製したインクジェットインク1〜17について、以下の方法で評価した。評価結果を表5に示す。
コニカミノルタIJ社製のピエゾヘッド512Lを用いて、ヘッド温度を75℃以下でインク粘度10mPa・sになる温度、または75℃でも10mPa・sより大きい場合はヘッド温度を75℃に設定した、42plの液滴サイズを8kHzの周波数で1L相当の各インクを10分間連続吐出し、欠ノズルの数を調べ、下記基準で評価した。
ピエゾヘッドKM512Lを搭載したシリアル方式のUV硬化型プリンターを用いて、画像解像度720×720dpiで、PET上にベタ画像を作製後、高圧水銀灯の出力を調整し、10、30、及び100mJ/cm2の光量になるように調整し、UV照射した。UV照射されたベタ画像から、触診により硬化の有無を調べ、下記基準で評価した。
Claims (8)
- 下記一般式(1)で表されるマレイミド誘導体を含有することを特徴とする光硬化性インクジェットインク。
(式中、R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R1、R2はそれぞれ結合して環を形成してもよい。A1、A3は、それぞれ独立にアルキレン基を表し、A2は不斉中心を有する炭化水素基を表す。Yは、カルボニルオキシ(−C=O−O−)またはオキシカルボニル(−O−C=O−)を表す。pは1または2を表す。R3はpが1の場合は分子量15〜600のアルキル基、アルキレンオキシ基、pが2の場合は、分子量14〜600のアルキレン基、アルキレンオキシ基を表す。mは0または1、nは0または1を表す。) - 前記一般式(1)における、A1、およびA3はメチレン基、A2はCHR4、R3は炭素数4〜12のアルキル基、又はアルキレン基であり、R4は炭素数1〜4のアルキル基を表すことを特徴とする請求項1記載の光硬化性インクジェットインク。
- 前記一般式(1)が、下記一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)で表されることを特徴とする請求項1又は2記載の光硬化性インクジェットインク。
(式中、R4は、請求項2記載のR4と同義の基を表し、pは一般式(1)のpと同義である。R5は直鎖の炭素数4〜12のアルキル基、又はアルキレン基を表す。) - 請求項1〜3のいずれか1項記載の光硬化性インクジェットインクを用いることを特徴とする画像形成方法。
- 下記一般式(1)で表されるマレイミド誘導体。
- 前記一般式(1)における、A1、およびA3はメチレン基、A2はCHR4、R3は炭素数4〜12のアルキル基、又はアルキレン基であり、R4は炭素数1〜4のアルキル基を表すことを特徴とする請求項5記載のマレイミド誘導体。
- 前記一般式(1)が、下記一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)で表されることを特徴とする請求項5又は6記載のマレイミド誘導体。
- 請求項5〜7のいずれか1項記載のマレイミド誘導体を含有することを特徴とする光硬化性組成物。
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