JPWO2011158593A1 - 光硬化性のインクジェットインク、画像形成方法、マレイミド誘導体、及び光硬化性組成物 - Google Patents

光硬化性のインクジェットインク、画像形成方法、マレイミド誘導体、及び光硬化性組成物 Download PDF

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Abstract

下記一般式(1)で表されるマレイミド誘導体を含有することを特徴とする光硬化性インクジェットインク。【化1】

Description

本発明は、光硬化性のインクジェットインク、画像形成方法、マレイミド誘導体、及び光硬化性組成物に関し、更に詳しくは、光照射装置を具備したインクジェットプリンターに用いる光硬化性のインクジェットインク及び該インクジェットインクに用いるマレイミド誘導体に関する。
インクジェット記録方法は、比較的簡単な装置で高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。また、使用される用途も多岐に亘り、それぞれの目的にあった記録媒体、あるいはインクジェットインク(以下単にインクとも言う)が使用される。特に、近年では記録速度の大幅な向上がみられ、軽印刷用途にも耐え得る性能を持つプリンターの開発も行われている。
このインクジェット記録方式は、インクジェットヘッドよりインクを吐出し、記録媒体に着弾して、画像を形成する。インクジェットヘッドより吐出させるためには、インクは低粘度であることが必要になる。一方、色の異なった複数のインクが記録媒体上で着弾するため、ブリードと呼ばれる色混ざりを防止するためには、高粘度のインクが必要である。
このジレンマを解決するためのひとつの方法として、光硬化性インクを用いる紫外線硬化型インクジェットが実用化されている。これは、インク中に光硬化性モノマーと光重合開始剤を加えておき、記録媒体に着弾後に光を照射し、インクを硬化させることで、出射性の確保とブリードの防止を両立させている。しかし、別の本質的な問題を抱えている。
ラジカル重合系は酸素阻害により、カチオン重合系では空気中の水により阻害を受けるために、インクジェットのように基材の上に非接触で小液滴のドットを形成する方式では、これらの阻害要因が大きく働き、ラジカル重合系では高照度高光量の大型な紫外線照射装置を用いる必要がある、カチオン重合系では湿度をコントロールする必要があるなどの対策が必要になる欠点がある。
ラジカル重合系で酸素阻害を低減する一般的な方法としては、酸素ラジカルを捕捉するためにインク中にトリエタノールアミンのようなアミンを加えることがあげられる。また、最近、アミノ基を有するモノマーを用いる方法も提案されているが、(例えば、特許文献1、2参照)効果は限定的である。
酸素阻害を減らす方法としては、酸素阻害を受けにくいモノマー系を採用することがあげられる。ひとつには、エン−チオール反応を用いることで、酸素阻害を減らすことが出来るが、(例えば、特許文献3参照)チオール特有の悪臭があり、インクジェットインクで用いるには耐え難いものがあった。
他に、ビニルエーテルをはじめとする電子過多なドナーモノマーと、無水マレイン酸、マレイミドなど電子不足モノマーとの組み合わせで行う電荷移動錯体重合(CT重合)を用いることである。この反応は、酸素阻害が少ないことが知られていたが、インクジェットインクとして用いる場合、液体状態で長く保存する必要があるために、無水マレイン酸では保存性が悪く、マレイミドでは溶解性が乏しいために、インクジェットノズルが詰まり、出射出来なかった。
溶解性の高いマレイミド化合物としては、中央部にアルキレンオキシドを配するマレイミド(例えば、特許文献4参照)、オレイン酸の二量体から誘導されるマレイミド(例えば、特許文献5参照)が提案されており、ビニルエーテルとの組み合わせも記載されていた。しかし、これらの化合物では、分子量が大きすぎて高粘度なインクしか出来ず、良好な出射が出来なかった。
また、インクジェットインクを溶剤で希釈し粘度を下げてインクジェットインク吐出させる試みもあるが(例えば、特許文献6参照)、乾燥機がなければ定着しないなど、本来の紫外線硬化型インクジェットにふさわしいものではなく、ヘッド面でのインク乾燥による目詰まりが起こるなど、インクジェットインクの吐出も不十分であった。
コーティング剤などの光硬化性組成物の臭気の改善と光感度の改良のために、液体のマレイミド化合物(例えば、特許文献4参照)を用いる試みもなされた。また、ビスアリルナジマレイミドとビスマレイミドを含有するインクジェットインク用光硬化性組成物を溶剤で希釈して粘度を下げる(例えば、特許文献6参照)ことも提案されている。更に、液体にするために十分な長さと分岐を有する液状マレイミド(例えば、特許文献5参照)も開示されているが、何れもインクジェットインクに適用した場合、光硬化感度と吐出性の両立が不十分であり改良がのぞまれていた。
特開2009−35650号公報 特開2008−208216号公報 特開2009−249572号公報 特開平11−124403号公報 特開2008−13772号公報 国際公開第06/075654号パンフレット
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、光硬化感度が高く、インクジェットプリンターで出射可能である光硬化性組成物、光硬化性のインクジェットインクおよび画像形成方法を提供することにある。また、他の目的は、当該用途に適した液体のマレイミド誘導体を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.下記一般式(1)で表されるマレイミド誘導体を含有することを特徴とする光硬化性インクジェットインク。
(式中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R、Rはそれぞれ結合して環を形成してもよい。A、Aは、それぞれ独立にアルキレン基を表し、Aは不斉中心を有する炭化水素基を表す。Yは、カルボニルオキシ(−C=O−O−)またはオキシカルボニル(−O−C=O−)を表す。pは1または2を表す。Rはpが1の場合は分子量15〜600のアルキル基、アルキレンオキシ基、pが2の場合は、分子量14〜600のアルキレン基、アルキレンオキシ基を表す。mは0または1、nは0または1を表す。)
2.前記一般式(1)における、A、およびAはメチレン基、AはCHR、Rは炭素数4〜12のアルキル基、又はアルキレン基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表すことを特徴とする前記1記載の光硬化性インクジェットインク。
3.前記一般式(1)が、下記一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)で表されることを特徴とする前記1又は2項記載の光硬化性インクジェットインク。
(式中、Rは、前記2記載のRと同義の基を表し、pは一般式(1)のpと同義である。Rは直鎖の炭素数4〜12のアルキル基、又はアルキレン基を表す。)
4.前記1〜3のいずれか1項記載の光硬化性インクジェットインクを用いることを特徴とする画像形成方法。
5.下記一般式(1)で表されるマレイミド誘導体。
(式中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R、Rはそれぞれ結合して環を形成してもよい。A、Aは、それぞれ独立にアルキレン基を表し、Aは不斉中心を有する炭化水素基を表す。Yは、カルボニルオキシ(−C=O−O−)またはオキシカルボニル(−O−C=O−)を表す。pは1または2を表す。Rはpが1の場合は分子量15〜600のアルキル基、アルキレンオキシ基、pが2の場合は、分子量14〜600のアルキレン基、アルキレンオキシ基を表す。mは0または1、nは0または1を表す。)
6.前記一般式(1)における、A、およびAはメチレン基、AはCHR、Rは炭素数4〜12のアルキル基、又はアルキレン基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表すことを特徴とする前記5記載のマレイミド誘導体。
7.前記一般式(1)が、下記一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)で表されることを特徴とする前記5又は6記載のマレイミド誘導体。
(式中、Rは、前記6記載のRと同義の基を表し、pは一般式(1)のpと同義である。Rは直鎖の炭素数4〜12のアルキル基、又はアルキレン基を表す。)
8.前記5〜7のいずれか1項記載のマレイミド誘導体を含有することを特徴とする光硬化性組成物。
本発明によれば、マレイミド誘導体に特定の構造を導入することにより、光硬化感度を落とすことなく、液体のマレイミド誘導体を与え、溶媒希釈せずともインクジェットヘッドで出射できるインクジェットインクを提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、マレイミド誘導体に不斉中心を有する3価の炭化水素基を導入することにより、光硬化感度を落とすことなく、液体で低粘度のマレイミド誘導体を与え、溶媒希釈せずともインクジェットヘッドで出射でき、優れた高画質の画像が得られるインクジェットインクを見出し、本発明に至った次第である。
<液体になる理由>
本発明のマレイミドは、不斉中心を有する3価の炭化水素基によってD体L体の混合物になるとともに、マレイミド基の傍に導入することによって、マレイミドの結晶化が立体障害により妨げられることにより、比較的低い分子量でも、インク中で析出が起きず、良好な出射性が得られたと推察している。
本発明で液体のマレイミド誘導体とは室温で液体(油状を含む)となっていることを意図する。
本発明のマレイミド誘導体は、好ましくはマレイミド環に対してαまたはβ位の位置に不斉中心の基を設ける。
<インクジェット吐出に適する理由>
更に、本発明の一般式(1)において、Rの分子量を14〜600にすることで、同じ液体でRが高分子のものよりも粘度を下げ、インクジェットヘッドから吐出するのに、適する粘度にすることができる。
更に好ましくは、Rの分子量は56〜168である。
更に好ましくは、Rが炭素数4〜12のアルキル基またはアルキレン基を表す。
<光硬化感度が向上する理由>
キラル基を有するマレイミド化合物を用いると、キラル基を有しないマレイミド化合物を用いる場合に比べて、光硬化感度は高くなることは見いだされた。その理由としては、複数の光学異性体が系中に存在することで、結晶化しにくくなり、分子が自由に動けるようになるために、反応性が高まったものと考えている。
<一般式(1)で表されるマレイミド誘導体>
一般式(1)において、R及びRで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等を挙げることができる。またR及びRが結合して、シクロプロペン環、シクロブチレン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環等を形成しても良い。
、Aで表される2価の有機連結基としては、メチレン基、エチレン基、ブチレン基、ヘキシレン基エチレンオキシ基、ポリエチレンオキシ基、ブチレンオキシ基、ポリブチレンオキシ基、エチレンオキシカルボニル基、ヘキシレンオキシカルボニル基、メチレンエステル基、ヘキシレンエステル基、フェニレン基、メチルフェニレン基、オキシカルボニルフェニレンカルボニルオキシ基、カルボニルオキシフェニレンオキシカルボニル基が挙げられる。
は不斉炭素(キラル炭素)を有する基を表す。
具体的には、下記式が挙げられる。
−CHR
式中、好ましくは、Rは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜18のアルケニル基、炭素数1〜18のアルキルオキシ基、炭素数1〜18のアルキルカルボニルオキシ基または水酸基を表す。更に好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基等)が上げられる。
pが1の場合のRで表される分子量15〜600のアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜18の分岐しても良いアルキル基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ネオペンチル基、ドデシレル基、2,2,4−オクチル基等を挙げることができる。
pが2の場合のRで表される分子量14〜600のアルキレン基としては、好ましくは炭素数1〜18の分岐しても良いアルキレン基を表し、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、ネオペンチレン基、ドデシレン基、2,2,4−オクチレン基等を挙げることができる。
pが1の場合のRで表されるアルキレンオキシ基としては、ヒドロキシまたはアルコキシポリエチレンオキシ基、ヒドロキシまたはアルコキシポリプロレンオキシ基、ヒドロキシまたはアルコキシポリブチレンオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
好ましいRは、炭素数1〜18の分岐しても良いアルキレン基、炭素数1〜18の分岐しても良いアルキル基であり、さらに好ましくは、炭素数4〜12の分岐しても良いアルキレン基である。これらの基を用いることにより、さらにインクでの結晶化が発生せず、良好な光硬化性インクジェットインクを得ることが出来る。
さらに好ましいマレイミド誘導体としては、A、およびAはメチレン、Aは上述した、式 −CHR− であり、Rは炭素数4〜12のアルキル基、又はアルキレン基である。
特に好ましくは、前記一般式(2)〜(4)で表されるマレイミド誘導体を挙げることができる。
一般式(1)〜(4)でp=2の場合、一般式(1)〜(4)はRに二つの同じ基が結合した対称型のマレイミド誘導体を表すが、本発明の光硬化性インクジェットインクおよび光硬化性組成物は、対称型のマレイミド誘導体と共に、Rに二つの異なる基が結合した非対称型のマレイミド誘導体を含んでも良い。
以下に本発明の一般式(1)で表されるマレイミド誘導体の具体例を示すが、本発明はこの限りではない。
(本発明の光硬化性組成物の好ましい形態)
本発明で得られたマレイミド誘導体は、光硬化性組成物として、好適に用いることが出来る。光硬化性組成物は、マレイミド誘導体単独でも用いることは出来るが、多くの場合、ビニルエーテル化合物、(メタ)アクリロイル化合物、N−ビニル化合物などのエチレン性二重結合を有する他の重合性化合物とともに用いることが好ましい。
《ビニルエーテル化合物》
本発明において、光硬化性組成物に加えてもよいビニルエーテル化合物として以下のものが挙げられる。
(単官能のモノビニルエーテル化合物)
単官能モノビニルエーテル化合物としては、例えば、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、エチルエトキシビニルエーテル、アセチルエトキシエトキシビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、アダマンチルビニルエーテル、等を挙げることができる。
(二官能のビニルエーテル化合物)
二官能のビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールビニルエーテル、ブチレンジビニルエーテル、ジブチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ノルボルニルジメタノールジビニルエーテル、イソバイニルジビニルエーテル、ジビニルレゾルシン、ジビニルハイドロキノン等を挙げることができる。
(三官能のビニルエーテル化合物)
三官能のビニルエーテル化合物としては、例えば、グリセリントリビニルエーテル、グリセリンエチレンオキシド付加物トリビニルエーテル(エチレンオキシドの付加モル数6)、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリビニルエーテルエチレンオキシド付加物トリビニルエーテル(エチレンオキシドの付加モル数3)等を挙げることができる。
(四官能以上のビニルエーテル化合物)
四官能以上のビニルエーテル化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンヘキサビニルエーテル、それらのオキシエチレン付加物が挙げられる。
上記各ビニルエーテル化合物のうち、より好ましくは二官能以上のビニルエーテル化合物である。二官能以上のビニルエーテル化合物を用いると、酸による重合反応が速やかに起こり、光硬化感度の点でより好ましい。
また、脂環式骨格を有するビニルエーテル化合物としては、単官能の場合、例えばシクロヘキシルビニルエーテル、アダマンチルビニルエーテル等を挙げることができる。二官能の場合はシクロヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ノルボルニルジメタノールジビニルエーテル、イソバイニルジビニルエーテルが例として挙げられる。
《(メタ)アクリロイル化合物》
本発明において、光硬化性組成物に加えても良いアクリルロイル化合物として以下のものが挙げられる。
イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、デシルアクリレート)、イソミルスチルアクリレート)、イソステアリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、t−ブチルシクロヘキシルアクリレート等の単官能モノマー、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等の二官能モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の三以上の多官能モノマーが挙げられる。
その他、本発明において、光硬化性組成物に加えても良い化合物として、N−ビニル化合物、例えば、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタムを挙げることができ、エチレン性二重結合を有する重合性化合物として、例えば、マレイン酸、マレイン酸エステル類、フマル酸、フマル酸エステル類を挙げることができる。
《光開始剤》
また、本発明係る光硬化性組成物は、本発明のマレイミド誘導体自身も光開始剤として働くが、より光硬化感度を高めるには、光開始剤を併用することが好ましい。併用してもよい他の光開始剤としては下記が挙げられる。
1)ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、及びそれらの塩
2)チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類、及びそれらの塩
3)エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類
4)アセトフェノン類
5)ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類
6)2,4,6−トリハロメチルトリアジン類
7)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体等のイミダゾール類
8)ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン類
9)9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体
10)ビスアシルフォスフィンオキサイド、ビスフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド
11)4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、及びこれらのエチレンオキシド付加物。
また、インクに加える形態は必要に応じて溶解物、または分散物として加えることができる。
《光増感剤》
本発明のインクジェットインクには、吸収波長を長波にする目的で、増感剤を用いることができる。光増感剤の例としては、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、スチリルケトン類、クマリン類、ローダミン類、シアニン類、メロシアニン類などをあげることができる。また、特開2010−018728公報などに記載されているジヒドロベンゾチアイン−4−オン増感剤も用いても良い。光増感剤を加える場合の光増感剤の添加量は、光開始剤の添加量の0.1質量倍から2質量倍の範囲が好ましい。
また、表面硬化性を高める目的で、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミル、トリエタノールアミンなどを加えても良い。
《色材》
本発明の光硬化性組成物では、色材を用いて、有色の光硬化性組成物、或いは、光硬化性のインクジェットインクとして用いても良い。
この場合、着色剤としては、染料、顔料いずれも用いることが出来るが、光硬化の特性上、光劣化しにくい顔料を色材として用いることが好ましい。用いられる顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無色無機顔料又は有色有機顔料を使用することができる。有機顔料としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料;アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系有機顔料;キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系有機顔料;ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系有機顔料;イソインドリノンイエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系有機顔料;ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系有機顔料;チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロンイエロー等のキノフタロン系有機顔料;イソインドリンイエローなどのイソインドリン系有機顔料;その他の顔料として、フラバンスロンイエロー、アシルアミドイエロー、ニッケルアゾイエロー、銅アゾメチンイエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。
有機顔料をカラーインデックス(C.I.)No.で以下に例示する。
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、109、110、117、120、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185、
C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、
C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、177、180、192、202、206、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、
C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、
C.I.ピグメントグリーン7、36、
C.I.ピグメントブラウン23、25、26、
上記顔料の中でも、キナクリドン系、フタロシアニン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、縮合アゾ系、キノフタロン系、イソインドリン系有機顔料等は耐光性が優れているため好ましい。
有機顔料は、レーザ散乱による測定値でインクジェットインク中の平均粒径が15〜250nmの微細粒子であることが好ましい。顔料の平均粒径が15nm未満の場合は、粒径が小さくなることによる耐光性の低下が生じ、250nmを超える場合は、粗大粒子が多く含まれるようになるために、インクジェットヘッドの目詰まりの原因になり、吐出安定性の低下や、サテライトと言われる微小のミストが発生する問題が起こる。ただし、酸化チタンの場合は白色度と隠蔽性を持たせるために平均粒径は150〜300nm、好ましくは180〜250nmとする。
またインクジェットインク中の顔料の最大粒径は、1μmを越えないよう、十分に分散あるいは、ろ過により粗大粒子を除くことが好ましい。粗大粒子が存在すると、やはり吐出安定性が低下する。有機顔料の微細化は公知の分散方法を用いて行うことが出来る。
また顔料はその表面に顔料分散剤との吸着を促進するために、酸性処理または塩基性処理、シナージスト、各種カップリング剤など、公知の技術により表面処理を行うことが分散安定性を確保するために好ましい。
顔料は、十分な濃度及び十分な耐光性を得るため、インクジェットインク中に白色を除く色の場合1.5〜8質量%、酸化チタンを用いた白色インクの場合、10〜30質量%の範囲で含まれることが好ましい。
《顔料分散剤》
用いる顔料を分散する顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体等を挙げることができる。
具体例としては、BYK Chemie社製の「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」、が挙げられる。
又、Efka CHEMICALS社製の「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」;共栄化学社製の「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300((メタ)アクリル系共重合物)」;楠本化成社製の「ディスパロンKS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」等が挙げられる。
更には、花王社製の「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)」、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」;ゼネカ社製の「ソルスパーズ5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13240、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、24000、32000、7000」;日光ケミカル社製の「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」、味の素ファインテクノ製のアジスパー821、822、824、ソルスパース24000GR(ルーブリゾール社製)等が挙げられる。
これらの顔料分散剤は、顔料100に対し5〜70質量%、好ましくは10〜50質量%の範囲で含有させることが好ましい。5質量%より少ないと分散安定性が得られないし、70質量%より多いと吐出安定性が劣化する。
更に、これらの顔料分散剤は、0℃における重合性化合物全体へ5質量%以上の溶解性があることが好ましい。溶解性が5質量%未満であると、インクジェットインクを低温保存したときに、好ましくないポリマーゲルまたは顔料の軟凝集体が発生し、インクジェットインクの保存安定性と吐出安定性とが劣化する。
《重合禁止剤》
本発明の光硬化性組成物においては、保存安定性を得るために、ラジカル重合禁止剤を添加することが好ましい。
ラジカル重合禁止剤としては、メトキノン(ヒドロキノンモノメチルエーテル)、ハイドロキノン、4−メトキシ−1−ナフトール、ヒンダードアミン系酸化防止剤、含窒素複素環メルカプト系化合物、チオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、チオシアン酸塩類、チオ尿素誘導体、各種糖類、リン酸系酸化防止剤、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体、ニトロシルラジカル類、ジシアンジアミドとポリアルキレンポリアミンの重縮合物などが挙げられる。特に、ニトロシルラジカル類が好ましい。
ラジカル重合禁止剤の添加量は10〜5000ppmであることが好ましい。10ppm未満では保存安定性が得られず、インクの増粘やインクジェットノズルに対する撥液性が得られなくなるなど吐出安定性を損なう。5000ppmより多いと光硬化感度が低下してしまう。
《その他の添加剤》
本発明の光硬化性組成物には、必要に応じて界面活性剤、滑剤、充填剤、防錆剤、消泡剤、増粘剤、ゲル化剤、ポリマー類など各種の添加剤を含有させることが出来る。
また、必要に応じてエステル系溶剤、エーテル系溶剤、エーテルエステル系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、含窒素系有機溶剤など少量の溶剤を添加することも出来る。
(光硬化させる方法)
本発明の光硬化性組成物は、基材に塗布後、紫外線を照射して硬化させるのが好ましい。光照射の方法の照射装置は、例えば紫外線LED、紫外線レーザ、水銀アークランプ、キセノンアークランプ、低圧水銀灯、螢光ランプ、炭素アークランプ、タングステン−ハロゲン複写ランプ及び太陽光を使用することができる。
(インクジェットインクとしての使用方法及びその物性)
本発明の光硬化性組成物は、インクジェットインクとして用いることが、より好ましい。インクジェットインクは、細いミクロンオーダーのインクジェットヘッドノズルから吐出されるために、粘度は25℃において5〜100mPa・sで、シェアレート依存性が出来るだけ小さく、表面張力は25℃において22〜35mN/mの範囲にあること、顔料以外に1μmを超えるようなゲル状物質が無いこと、電導度は10μS/cm以下の電導度とし、ヘッド内部での電気的な腐食のないインクジェットインクとすることが好ましい。コンティニュアスタイプにおいては、電解質による電導度の調整が必要であり、この場合には0.5mS/cm以上の電導度に調整する必要がある。
(インクジェットでの光照射方法)
インクジェットでの光照射の方法は、上記、紫外線を付与する照射装置を具備したインクジェットプリンターで、インクジェットインクを重ねて硬化する多数回パス方式のシリアル記録方法、または、1回のパスで記録するライン記録方法いずれでも使用可能である。具体的には、インクジェットインクを基材上に付与し、基材上のインクジェットインクに紫外線を照射してインクジェットインクを硬化または半硬化状態とし、この上にフレッシュなインクジェットインクを付与し、活性エネルギー線によりインクジェットインクを硬化させる工程を含むものである。
本発明の記録方法に用いる基材としては、従来、各種の用途で使用されている広汎な合成樹脂が全て対象となり、具体的には、例えばポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブタジエンテレフタレート等が挙げられ、これらの合成樹脂基材の厚みや形状は何ら限定されない。この他にも金属類、ガラス、印刷用紙なども使用できる。
以下実施例により本発明を説明するが本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
合成例1(本発明のマレイミド誘導体1−1の合成)
攪拌機、減圧装置およびトラップを備えた300mlナス型フラスコに、文献「有機合成化学協会誌第23巻第2号(1965)」に記載の方法で合成したN−β−オキシイソプロピルマレイミド5.0g、アゼライン酸2.82g、p−トルエンスルホン酸一水和物0.7g、2,6−tert−ブチル−p−クレゾール0.05gおよびトルエン20mlを順次仕込み、減圧下、生成する水とトルエンを共沸留去しながら、反応温度80℃の条件で12時間攪拌し反応終了とした。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル300mlに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mlで3回、飽和食塩水100mlで1回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、濃縮して本発明のマレイミド誘導体1−1を3.2g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
H NMR(400MHz、CDCl):
6.74(s,4H,−CH=CH−),
5.11−5.15(m,2H,−(C=O)−O−CH−),
3.64−3.68(m,4H,N−CH−),
2.23(t,4H,−O−(C=O)−CH−),
1.55(brs,4H,−CH−),1.24−1.27(m,6H,−CH−),
1.24(d,6H,−CH).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl):
173.1[−(C=O)−O−],170.4[N−(C=O)],
134.0(−CH=CH−),67.9[−(C=O)−O−CH−],
41.8(−N−CH−),34.1[−O−(C=O)−CH−],
28.7(2C)(−CH−),24.5(−CH−),
17.5(−CH).で確認した。
合成例2(本発明のマレイミド誘導体1−2の合成)
合成例1で用いたアゼライン酸2.82gの代わりに、セバシン酸3.03gを用いた以外は、合成例1の条件と同様に合成を行うことで、本発明のマレイミド誘導体1−2を3.3g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
H NMR(400MHz、CDCl):
6.72(s,4H,−CH=CH−),
5.12−5.14(m,2H,−(C=O)−O−CH−),
3.58−3.71(m,4H,N−CH−),
2.22(t,4H,−O−(C=O)−CH−),
1.54(brs,4H,−CH−),
1.22−1.42(m,8H,−CH−),
1.24(d,6H,−CH).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl):
173.3[−(C=O)−O−],170.5[N−(C=O)],
134.1(−CH=CH−),68.0[−(C=O)−O−CH−],
41.9(−N−CH−),34.2[−O−(C=O)−CH−],
29.0(−CH−),28.9(−CH−),24.6(−CH−),17.6(−CH).で確認した。
合成例3(比較例のマレイミド誘導体2−1の合成)
合成例1で用いたN−β−オキシイソプロピルマレイミド5.0gの代わりに、文献「有機合成化学協会誌第23巻第2号(1965)」に記載の方法で合成したN−β−オキシエチルマレイミド4.55gを用いた以外は、合成例1の条件と同様に合成を行うことで、比較例のマレイミド誘導体2−1を3.3g得た。得られた合成物は室温で固体であった。
H NMR(400MHz、CDCl):
6.73(s,4H,−CH=CH−),
4.23(t,4H,−(C=O)−O−CH−),
3.79(t,4H,N−CH−),
2.26(t,4H,−O−(C=O)−CH−),
1.57(t,4H,−CH−),1.27(s,8H,−CH−),及び、
13C NMR(100MHz、CDCl):
173.5[−(C=O)−O−],170.4[N−(C=O)],
134.2(−CH=CH−),61.1[−(C=O)−O−CH−],36.9(−N−CH−),33.9[−O−(C=O)−CH−],28.9(2C)(−CH−),24.6(−CH−).で確認した。
合成例4(本発明のマレイミド誘導体1−3の合成)
攪拌機、減圧装置およびトラップを備えた300mlナス型フラスコに、特許文献「第3599160号」に記載の方法で合成した2−マレイミド−2−メチル酢酸33.8g、ジエチレングリコール10.2g、p−トルエンスルホン酸一水和物4.47g、2,6−tert−ブチル−p−クレゾール0.35gおよびトルエン20mlを順次仕込み、減圧下、生成する水とトルエンを共沸留去しながら、反応温度80℃の条件で5時間攪拌し反応終了とした。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル300mlに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mlで3回、飽和食塩水100mlで1回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、濃縮して本発明のマレイミド誘導体1−3を24.7g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
H NMR(400MHz、CDCl):
6.75(s,4H,−CH=CH−),4.82(q,2H,N−CH−),4.20−4.32(m,4H,−(C=O)−O−CH−),
3.58−3.67(m,4H,−CH−O−),
1.59(d,2H,−CH).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl):
169.7[N−(C=O)],169.5[−(C=O)−O−],
134.3(−CH=CH−),68.7[−(C=O)−O−CH−],64.6(−CH−O−),47.4(−CH−),15.1(−CH).で確認した。
合成例5(本発明のマレイミド誘導体1−4の合成)
合成例4で用いた、2−マレイミド−2−メチル酢酸33.8gの代わりに、特許文献「第3599160号」に記載の方法で合成した2−マレイミド−2−イソブチリル酢酸を39.4g用いた以外は合成例4と同様の条件で合成することにより、本発明のマレイミド誘導体1−4を28.1g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
H NMR(400MHz、CDCl):
6.75(s,4H,−CH=CH−),4.41(d,2H,N−CH−),4.23(q,4H,−(C=O)−O−CH−),
3.58(t,4H,−CH−O−),
2.62−2.70[m,2H,CH−CH(CH)−],
1.08(d,6H,−CH),0.88(d,6H,−CH).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl):
170.1[N−(C=O)],168.6[−(C=O)−O−],
134.1(−CH=CH−),68.6[−(C=O)−O−CH−],64.2(−CH−O−),57.6(N−CH−),
28.5[CH−CH(CH)−],20.6(−CH),
19.3(−CH).で確認した。
合成例6(本発明のマレイミド誘導体1−5の合成)
合成例4で用いた、2−マレイミド−2−メチル酢酸33.8gの代わりに、特許文献「第3599160号」に記載の方法で合成した2−マレイミド−2−イソバレリル酢酸を42.2g用いた以外は合成例4と同様の条件で合成することにより、本発明のマレイミド誘導体1−5を28.8g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
H NMR(400MHz、CDCl):
6.74(s,4H,−CH=CH−),4.48(dd,2H,N−CH−),4.18−4.30(m,4H,−(C=O)−O−CH−),
3.60−3.64(m,4H,−CH−O−),
2.22(ddd,2H,N−CH−CH−),
1.88(ddd,2H,N−CH−CH−),
1.40−1.50[m,2H,CH−CH(CH)−],
0.93(d,6H,−CH),0.91(d,6H,−CH).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl):
170.1[N−(C=O)],169.6[−(C=O)−O−],
134.2(−CH=CH−),68.7[−(C=O)−O−CH−],64.6(−CH−O−),50.6(N−CH−),37.0(−CH−),
25.0[CH−CH(CH)−],23.0(−CH),
20.9(−CH).で確認した。
合成例7(比較例のマレイミド誘導体2−2の合成)
合成例4で用いた、2−マレイミド−2−メチル酢酸33.8gの代わりに、特許文献「第3599160号」に記載の方法で合成したマレイミド酢酸を31.2g用いた以外は合成例4と同様の条件で合成することにより、比較例のマレイミド誘導体2−2を30.2g得た。得られた合成物は室温で固体であった。
H NMR(400MHz、CDCl):
6.80(s,4H,−CH=CH−),4.34(s,4H,N−CH−),4.27(t,4H,−(C=O)−O−CH−),
3.69(t,4H,−CH−O−).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl):
169.7[N−(C=O)],167.2[−(C=O)−O−],
134.5(−CH=CH−),68.7[−(C=O)−O−CH−],64.6(−CH−O−),38.6(N−CH−).で確認した。
合成例8(本発明のマレイミド誘導体1−6の合成)
合成例4で用いた、ジエチレングリコール10.2gの代わりに、1,6−ヘキサンジオールを11.4g用いた以外は合成例4と同様の条件で合成することにより、本発明のマレイミド誘導体1−6を25.4g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
H NMR(400MHz、CDCl):
6.75(s,4H,−CH=CH−),4.77(q,2H,N−CH−),4.07−4.17(m,4H,−(C=O)−O−CH−),
1.63(d,6H,−CH),1.58−1.63(m,4H,−CH−),1.24−1.33(m,4H,−CH−).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl):
169.8[N−(C=O)],169.5[−(C=O)−O−],
134.2(−CH=CH−),65.5[−(C=O)−O−CH−],47.4(N−CH−),28.1(−CH−),25.1(−CH−),15.0(−CH).で確認した。
合成例9(本発明のマレイミド誘導体1−7の合成)
合成例4で用いた、ジエチレングリコール10.2gの代わりに、1,9−ノナンジオールを15.4g用いた以外は合成例4と同様の条件で合成することにより、本発明のマレイミド誘導体1−7を22.3g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
H NMR(400MHz、CDCl):
6.74(s,4H,−CH=CH−),4.78(q,2H,N−CH−),4.08−4.18(m,4H,−(C=O)−O−CH−),
1.58−1.65(m,10H,−CH−,−CH),
1.24−1.28(m,10H,−CH−).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl):
169.8[N−(C=O)],169.6[−(C=O)−O−],
134.3(−CH=CH−),65.8[−(C=O)−O−CH−],47.5(N−CH−),29.2(−CH−),28.9(−CH−),28.3(−CH−),25.6(−CH−),15.1(−CH).で確認した。
合成例10(本発明のマレイミド誘導体1−8の合成)
合成例4で用いた、ジエチレングリコール10.2gの代わりに、1,16−ヘキサデカンジオールを24.8g用いた以外は合成例4と同様の条件で合成することにより、本発明のマレイミド誘導体1−8を32.5g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
H NMR(400MHz、CDCl):
6.75(s,4H,−CH=CH−),4.72(q,2H,N−CH−),4.07−4.17(m,4H,−(C=O)−O−CH−),
1.52−1.70(m,10H,−CH−,−CH),
1.15−1.39(m,24H,−CH−).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl):
169.7[N−(C=O)],169.4[−(C=O)−O−],
134.3(−CH=CH−),66.0[−(C=O)−O−CH−],47.2(N−CH−),29.2(−CH−),28.9(−CH−),28.3(−CH−),27.8(−CH−),27.4(−CH−),26.7(−CH−),25.6(−CH−),14.9(−CH).で確認した。
合成例11(本発明のマレイミド誘導体1−9の合成)
合成例4で用いた、ジエチレングリコール10.2gの代わりに、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールを15.4g用いた以外は合成例4と同様の条件で合成することにより、本発明のマレイミド誘導体1−9を26.2g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
H NMR(400MHz、CDCl):
6.74(s,4H,−CH=CH−),4.80(q,2H,N−CH−),3.80−3.94(m,4H,−(C=O)−O−CH−),
1.15−1.28(m,8H,−CH−),0.84(d,6H,−CH).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl):
169.8[N−(C=O)],169.3[−(C=O)−O−],
134.3(−CH=CH−),66.9[−(C=O)−O−CH−],47.4(−CH−),39.4(−CH−),30.4(−CH−),24.6(−CH−),23.7(−CH−),23.3(−CH−),15.1(−CH),13.9(−CH),7.0(−CH).で確認した。
合成例12(本発明のマレイミド誘導体1−10の合成)
合成例4で用いた、ジエチレングリコール10.2gの代わりに、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールを15.4g用いた以外は合成例4と同様の条件で合成することにより、本発明のマレイミド誘導体1−10を27.8g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
H NMR(400MHz、CDCl):
6.75(s,4H,−CH=CH−),4.79(q,2H,N−CH−),3.95−4.12(m,4H,−(C=O)−O−CH−),
1.63(d,6H,−CH),1.59−1.68(m,2H,−CH−),1.21−1.37(m,4H,−CH−),
1.12−1.20(m,2H,−CH−),
0.83−0.91(m,6H,−CH).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl):
169.8[N−(C=O)],169.6[−(C=O)−O−],
134.3(−CH=CH−),67.9[−(C=O)−O−CH−],47.5(N−CH−),36.0(−CH−),32.3(−CH−),24.0(−CH−),15.1(−CH),10.8(−CH).で確認した。
合成例13(本発明のマレイミド誘導体1−11の合成)
合成例4で用いた、2−マレイミド−2−メチル酢酸33.8gの代わりに、特許文献「第3599160号」に記載の方法で合成した2−(3−マレイミド)−2−メチル酢酸を36.6g用いた以外は合成例20と同様の条件で合成することにより、本発明のマレイミド誘導体1−11を31.2g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
H NMR(400MHz、CDCl):
6.75(s,2H,−CH=C−),4.67(q,2H,N−CH−),4.05−4.16(m,4H,−(C=O)−O−CH−),
1.93(s,6H,−CH),1.63(d,6H,−CH),
1.58−1.63(m,4H,−CH−),
1.24−1.33(m,2H,−CH−).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl):
169.6[N−(C=O)],169.2[−(C=O)−O−],
138.2(−CH=C−),134.2(−CH=C−),
64.5[−(C=O)−O−CH−],46.8(N−CH−),
26.9(−CH−),22.1(−CH−),
15.0(−CH),11.8(−CH).で確認した。
合成例14(本発明のマレイミド誘導体1−12の合成)
合成例4用いた、2−マレイミド−2−メチル酢酸33.8gの代わりに、特許文献「第3599160号」に記載の方法で合成した2−(3,4,5,6−テトラヒドロ−フタロイミド)−2−メチル酢酸を44.6g用いた以外は合成例4と同様の条件で合成することにより、本発明のマレイミド誘導体1−12を35.4g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
H NMR(400MHz、CDCl):
4.60(q,2H,N−CH−),
4.08−4.17(m,4H,−(C=O)−O−CH−),
1.96−2.12(m,8H,−CH−),1.89(s,6H,−CH),1.63−1.78(m,8H,−CH),
1.58−1.62(m,4H,−CH−),
1.20−1.31(m,2H,−CH−).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl):
169.8[N−(C=O)],169.3[−(C=O)−O−],
145.0(−C=C−),65.8[−(C=O)−O−CH−],
47.2(N−CH−),29.0(−CH−),28.6(−CH−),24.6(−CH−),22.1(−CH−),15.9(−CH).で確認した。
合成例15(本発明のマレイミド誘導体1−13の合成)
合成例4で用いた、ジエチレングリコール10.2gの代わりに、1−ブタノールを14.2g用いた以外は合成例4と同様の条件で合成することにより、本発明のマレイミド誘導体1−13を36.5g得た。得られた合成物は室温で油状であった。
H NMR(400MHz、CDCl):
6.72(s,2H,−CH=CH−),4.79(q,1H,N−CH−),
4.12(q,2H,−(C=O)−O−CH−),1.63(d,6H,−CH),1.23−1.39(m,4H,−CH−),0.90(m,3H,−CH).及び、
13C NMR(100MHz、CDCl):
169.7[N−(C=O)],169.4[−(C=O)−O−],
134.3(−CH=CH−),66.2[−(C=O)−O−CH−],46.5(N−CH−),25.9(−CH−),24.0(−CH−),15.3(−CH),9.8(−CH).で確認した。
実施例1(マレイミド誘導体単独での実施対応)
(光硬化性組成物1の作製)
以下の組成の光硬化性組成物1を作製し、出射性と光硬化感度の測定に用いた。
光硬化性組成物組成
本発明のマレイミド誘導体1−1 97.9質量%
光開始剤(BASF社製Darocure1173) 2.0質量%
TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−N−オキシル) 0.1質量%
(光硬化性組成物2〜17の作製)
光硬化性組成物1の作製において、本発明のマレイミド誘導体1−1を、表1〜4記載のマレイミド誘導体に変更した以外は光硬化性組成物1と同様にして光硬化性組成物2〜17を作製した。
《光硬化性組成物の評価》
作製した光硬化性組成物1〜17について、以下の方法で評価した。評価結果を表1〜4に示す。
(出射性)
コニカミノルタIJ社製のピエゾヘッド512Lを用いて、ヘッド温度を90℃以下でインク粘度10mPa・sになる温度、または90℃でも10mPa・sより大きい場合はヘッド温度を90℃に設定した、42plの液滴サイズを8kHzの周波数で1L相当の各インクを10分間連続吐出し、欠ノズルの数を調べ、下記基準で評価した。
◎:欠のノズルは認められなかった
○:欠ノズルが1個以上全体の3%未満発生した
△:欠ノズルが全体の全体の3%以上、10%未満発生した
×:欠ノズルが全体の10%以上発生した。
(光硬化感度)
ピエゾヘッドKM512Lを搭載したシリアル方式のUV硬化型プリンターを用いて、画像解像度720×720dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)で、PET上にベタ画像を作製後、高圧水銀灯の出力を調整し、10、30、及び100mJ/cmの光量になるように調整し、UV照射した。UV照射されたベタ画像から、触診により硬化の有無を調べ、下記基準で評価した。
◎:光量10mJ/cmで硬化していた
○:光量10mJ/cmで硬化しなかったが、光量30mJ/cmでは硬化した
△:光量30mJ/cmで硬化しなかったが、光量100mJ/cmで硬化した
×:光量100mJ/cmで硬化しなかった。
表1〜4から、本発明のマレイミド誘導体を用いた光硬化性組成物は、インクジェット出射性が良好であり、光硬化感度が高いことがわかる。
実施例2(インクジェットインクにした時の実施対応)
《インクジェットインクの作製》
(インクジェットインク1の作製)
TEGDVE(トリエチレングリコールジビニルエーテル) 33.4g
マレイミド誘導体1−1 55.5g
カーボンブラック 2.0g
スルスパース24000GR(ルーブリゾール社製) 1.0g
TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−N−オキシル) 0.1gを混合し、粒径0.5mmのジルコニアビーズとともにペイントシェーカーで6時間分散混合した液に
DAROCURE TPO(ホスフィンオキシド系光開始剤 BASF製) 5.0g
Quantacure ITX(チオキサントン系光増感剤 Aceto Chemical製) 3.0gを混合溶解させて、インクジェットインク1を作製した。このインクのビニルエーテルとマレイミド誘導体1−1の当量比は50/50である。
(インクジェットインク2〜17の作製)
インクジェットインク1の作製の際、マレイミド誘導体1−1の代わりに表5に示すマレイミド誘導体を用いて当量比50/50になるように調製した他は、インクジェットインク1と同様にして、インクジェットインク2〜17を作製した。
《インクジェットインクの評価》
作製したインクジェットインク1〜17について、以下の方法で評価した。評価結果を表5に示す。
(出射性)
コニカミノルタIJ社製のピエゾヘッド512Lを用いて、ヘッド温度を75℃以下でインク粘度10mPa・sになる温度、または75℃でも10mPa・sより大きい場合はヘッド温度を75℃に設定した、42plの液滴サイズを8kHzの周波数で1L相当の各インクを10分間連続吐出し、欠ノズルの数を調べ、下記基準で評価した。
◎:欠のノズルは認められなかった。
○:欠ノズルが1個以上全体の3%未満発生した。
△:欠ノズルが全体の全体の3%以上、10%未満発生した。
×:欠ノズルが全体の10%以上発生した。
(光硬化感度)
ピエゾヘッドKM512Lを搭載したシリアル方式のUV硬化型プリンターを用いて、画像解像度720×720dpiで、PET上にベタ画像を作製後、高圧水銀灯の出力を調整し、10、30、及び100mJ/cmの光量になるように調整し、UV照射した。UV照射されたベタ画像から、触診により硬化の有無を調べ、下記基準で評価した。
◎:光量10mJ/cmで硬化していた。
○:光量10mJ/cmで硬化しなかったが、光量30mJ/cmでは硬化した。
△:光量30mJ/cmで硬化しなかったが、光量100mJ/cmで硬化した。
×:光量100mJ/cmで硬化しなかった。
表5から、本発明のマレイミド誘導体を用いたインクジェットインクは、インクジェット出射性が良好であり、光硬化感度が高いことがわかる。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表されるマレイミド誘導体を含有することを特徴とする光硬化性インクジェットインク。

    (式中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R、Rはそれぞれ結合して環を形成してもよい。A、Aは、それぞれ独立にアルキレン基を表し、Aは不斉中心を有する炭化水素基を表す。Yは、カルボニルオキシ(−C=O−O−)またはオキシカルボニル(−O−C=O−)を表す。pは1または2を表す。Rはpが1の場合は分子量15〜600のアルキル基、アルキレンオキシ基、pが2の場合は、分子量14〜600のアルキレン基、アルキレンオキシ基を表す。mは0または1、nは0または1を表す。)
  2. 前記一般式(1)における、A、およびAはメチレン基、AはCHR、Rは炭素数4〜12のアルキル基、又はアルキレン基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表すことを特徴とする請求項1記載の光硬化性インクジェットインク。
  3. 前記一般式(1)が、下記一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)で表されることを特徴とする請求項1又は2記載の光硬化性インクジェットインク。

    (式中、Rは、請求項2記載のRと同義の基を表し、pは一般式(1)のpと同義である。Rは直鎖の炭素数4〜12のアルキル基、又はアルキレン基を表す。)
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の光硬化性インクジェットインクを用いることを特徴とする画像形成方法。
  5. 下記一般式(1)で表されるマレイミド誘導体。
    (式中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R、Rはそれぞれ結合して環を形成してもよい。A、Aは、それぞれ独立にアルキレン基を表し、Aは不斉中心を有する炭化水素基を表す。Yは、カルボニルオキシ(−C=O−O−)またはオキシカルボニル(−O−C=O−)を表す。pは1または2を表す。Rはpが1の場合は分子量15〜600のアルキル基、アルキレンオキシ基、pが2の場合は、分子量14〜600のアルキレン基、アルキレンオキシ基を表す。mは0または1、nは0または1を表す。)
  6. 前記一般式(1)における、A、およびAはメチレン基、AはCHR、Rは炭素数4〜12のアルキル基、又はアルキレン基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表すことを特徴とする請求項5記載のマレイミド誘導体。
  7. 前記一般式(1)が、下記一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)で表されることを特徴とする請求項5又は6記載のマレイミド誘導体。
    (式中、Rは、請求項6記載のRと同義の基を表し、pは一般式(1)のpと同義である。Rは直鎖の炭素数4〜12のアルキル基、又はアルキレン基を表す。)
  8. 請求項5〜7のいずれか1項記載のマレイミド誘導体を含有することを特徴とする光硬化性組成物。
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