JPS61242871A - 被記録材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、インクジェット記録方法に好適に用いられる
被記録材に関し、特に、高いコントラストおよび優れた
鮮明性を有し、且つ優れた耐光性を有する記録画像を与
えるインクジェット記録用被記録材に関する。

（従来の技術） インクジェット記録方法は、種々のインク（記録液）吐
出方式、例えば、静電吸引方式、圧電素子を用いてイン
クに機械的振動また変位を与える方式、インクを加熱し
て発泡させその圧力を利用する方式等により、インクの
小滴を発生、飛翔させ、それらの一部若しくは全部を紙
などの被記録材に付着させて記録を行うものであるが、
騒音の発生が少なく、高速印字、多色印字の行なえる記
録方法として注目されている。

インクジェット記録用のインクとしては、安全性、記録
特性の面から主に水を主成分とするものが使用され、ノ
ズルの目詰り防止および吐出安定性の向上のために多価
アルコール等が添加されている場合が多い。

このインクジェット記録方法に使用される被記録材とし
ては、従来、通常の紙やインクジｚ　−／　Ｆ記録用紙
と称される基材上に多孔質のインク受容層を設けてなる
被記録材が使用されてきた。

しかし、記録の高速化あるいは多色化等インクジェット
記録装置の性能の向上と普及に伴ない、被記録材に対し
てもより高度で広範な特性が要求されつつある。

すなわち、高解像度、高品質の記録画像を得るためのイ
ンクジェット記録用の被記録材としては、 （１）インクの被記録材への受容が可及的速やかである
こと、 （２）インクドツトが重複した場合でも、後で付着した
インクが前に付着したドツト中に流れ出さないこと、 （３）インク液滴が被記録材上で拡散し、インクドツト
の径が必要以上に大きくならないこと、（４）インクド
ツトの形状が真円に近く、またその円周が滑めらかであ
ること、 （５）インクドツトのＯＤ（光学濃度）が高く、ドツト
周辺がぼけないこと、 等の基本的諸要求を満足させる必要がある。

更に、多色インクジェット記録方法によりカラー写真に
匹敵する程度の高解像度の記録画質を得るには、上記要
求性能に加え。

（６）インクの着色成分の発色性に優れたものであるこ
と、 （７）インクの色の数と同数の液滴が同一箇所に重ねて
付着することがあるので、インク定着性が特に優れてい
ること、 （８）表面に光沢があること、 （９）白色度の高いこと、 （１０）記録画像が優れた耐光性を有すること、等の性
能が加重して要求される。

また、インクジェット記録方法による記録画像は、従来
は専ら表面画像観察用に使用されてきたが、インクジェ
ット記録装置の性能の向上や普及に伴ない、表面画像観
察用以外の用途に適した被記録材が要求されつつある。

表面画像観察用以外の被記録材の用途としては、スライ
ドや０ＨＰ（オーバーヘッドプロジェクタ−）等の光学
機器により、記録画像をスクリーン等へ投影してそれら
の画像を観察するのに用いるもの、カラー印刷のポジ版
を作成する際の色分解版、液晶等のカラーディスプレイ
に用いるＣＭＦ（カラーモザイクフィルター）等が挙げ
られる。

被記録材が表面画像観察用に使用される場合には、主に
記録画像の拡散光が観察されるのに対し、これらの用途
における被記録材においては主に記録画像の透過光が問
題となる。従って、透光性、特に直線透過率に優れたも
のであることが前述の一般的なインクジェット記録用の
被記録材の要求性能に加重されて要求される。

更に、このような用途においては、記録画像は光源から
の強い光にさらされるため、記録画像がより一層優れた
耐光性を有することが要求されている。

（発明が解決しようとしている問題点）上記諸要求のう
ち、（９）の白変の高い被記録材を得るために、被記録
材に蛍光増白剤を含有させることが行われており、また
（ｌＯ）の耐光性向上のためには、染料として耐光性の
優れた染料を使用することは当然であるが、水溶性の染
料は一般に耐光性が不十分であるために、被記録材に紫
外線吸収剤を含有させることも行われている。

上記（９）と（ｌＧ）の要求を同時、に達成するために
は、蛍光増白剤と紫外線吸収剤とを同時に被記録材に含
有させることが考えられるが、これらの蛍光増白剤と紫
外線吸収剤とを同時に被記録材に含有させるときは、蛍
光増白剤が紫外線により発光して基材の黄色味を消すも
のであるため、併用した紫外線吸収剤の紫外線の吸収に
よって、蛍光増白剤の作用が低下してしまい、十分な白
変を呈することができないという問題がある。

従って、従来技術では、被記録材の白変と耐光性を、蛍
光増白剤と紫外線吸収剤とを併用することによっては向
上させることができなかった。

木発明者は上記の如き従来技術の欠点を解決し、前述の
一般的要求、特にそのなかでも白変および耐光性の向上
の要求を同時に満足させるべく鋭意研究の結果、蛍光増
白剤と紫外線吸収剤とを特定の状態で被記録材に含有さ
せることによって、上記の要求を満たすことができるイ
ンクジェット記録用被記録材が得られることを知見して
本発明を完成した。

（発明の開示） すなわち、本発明は、蛍光増白剤と紫外線吸収剤とを含
有する被記録材において、蛍光増白剤を含有する相と紫
外線吸収剤を含有する相とが相分離していることを特徴
とするインクジェット記録用被記録材である。

本発明の詳細な説明すると、本発明の主たる特徴は、互
いに相分離した状態で蛍光増白剤と紫外線吸収剤とを被
記録材中に含有させることにあり、主としてそれにより
本発明の目的が達成されたものである。

すなわち、本発明者の詳細な研究によれば、蛍光増白剤
と紫外線吸収剤とを被記録材中に単に同時に含有させる
時は、紫外線吸収剤の作用によって蛍光増白剤の作用が
打ち消されてしまい、被記録材に十分な白変を付与し得
なかったのに対し、これらの蛍光増白剤と紫外線吸収剤
とが均一に混合しない状態、すなわち両者が相分離した
状態で一両者を被記録材に含有させるときには、上記の
如き紫外線吸収剤による蛍光増白剤の作用の低下が実質
上起こらず、蛍光増白剤と紫外線吸収剤との両者の本来
の作用がそれぞれ十分に発揮され、白変に優れ、且つ優
れた耐光性を有する記録画像を与える被記録材が得られ
ることを知見したものである。

本発明において使用する蛍光増白剤としては、従来各種
繊維やプラスチック成形品の白変向上に使用されている
蛍光増白剤はいずれも使用できる。

例えば、蛍光増白剤を含有する相が、水溶性〜親水性の
相であるときには、直接染料あるいは酸性染料タイプの
ジアミノスチルベンスルホン酸誘導体、ジスチリルベン
ゼンスルホン酸誘導体、ベンジジンスルホン酸誘導体、
ジアミノフルオレンスルホン酸誘導体、イミダゾールス
ルホン酸誘導体、イミダシロンスルホン酸誘導体、トリ
アゾールスルホン酸誘導体等が有用であり、また蛍光増
白剤を含有する相が疎水性の相である場合には、上記の
蛍光増白剤であってスルホン酸等の水溶性基を有しない
各誘導体、チアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ク
マリン誘導体、カルボスチリル誘導体、ナフタールイミ
ド誘導体、ピラゾリン誘導体等が有用である。

更に具体的には、本発明で使用する蛍光増白剤としては
、以下のものを例示することができる。

即ち、Ｃ，１，フルオレツセント・ブライトニングｅｘ
イジェント（Ｃ、Ｉ　、　Ｆｌｕｏｒｅｇｃｅｎｔ　Ｂ
ｒｉｇｈｔｅｎｉｎｇ　Ａｇｅｎｔ　）　ｌ　４、同２
２、同２４、同３０、同３２、同３７、同４５、同５２
、同５４、同５５、同５６、同８４、同８５、同８６、
同８７、同９０．同９１、同９２、同１０４、同１１２
、同１２１、同１３４、同１３５、同１５３．同１６２
、同１６３、同１６４、同１６６、同１６７、同１６８
、同１６９、同１７０、同１７１、同１７２、同１７３
、同１７４、同１７５、同１７６、同１７７、同１７８
等が例示できる。

また、本発明で使用する紫外線吸収剤として好適なもの
としては、 フェニルサリシレート、 ｐ−ｔ−プチルフェニルサリシレート、ｐ−オクチルフ
ェニルサリシレート、 ２．４−ジヒドロキシベンゾフェノン、２−ヒドロキシ
−４−メトキシベンゾフェノン、２−ヒドロキシ−４−
メトキシ−２′−力ルポキシベンゾフェノン、 ２−ヒドロキシ−４−メトキシ−５−スルホベンゾフェ
ノン・トリヒトレート、 ２−ヒドロキシ−４−オクトキシベンゾフェノン、 ２−ヒドロキシ−４−オクタデシルオキシベンゾフェノ
ン、 ２−ヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノン−５−ス
ルホン酸、 ２−ヒドロキシ−３，６−ジクロル−４−フルキルオキ
シベンゾフェノン、 ２−ヒドロキシ−４−ドデシルオキシベンゾフェノン。

２．２′−ジヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノン
、 ２．２′−ジヒドロキシ−４，４′−ジメトキシベンゾ
フェノン、 ２．２′、４．４”−テトラヒドロキシベンゾフェノン
、 ラジウム２，２′−ジヒドロキシ−４，４′−ジメトキ
シ−５−スルホベンゾフェノン、４−ドデシルオキシ−
２−ヒドロキシベンゾフェノン、 ５−クロル−２−ヒドロキシベンゾフェノン、２−　（
２’−ヒドロキシー４′−オクトキシフェニル）ベンゾ
トリアゾール、 ２−（２”−ヒドロキシ−３′−ｔ−ブチル−５′−メ
チルフェニル）−５−クロルベンゾトリアゾール、 ２−（２′−ヒドロキシ−３′−七−ブチル−５′−プ
ロピオン酸オクチルフェニル）−５−クロルベンゾトリ
アゾール、 ２−（２’−ヒドロキシ−５′−メチルフェニル）ベン
ゾトリアゾール ２−　（２’−ヒドロキシー５′−ｔ−ブチルフェニル
）ベンゾトリアゾール ２−（２’−ヒドロキシ−３’、５′−ジ−ｔ−ブチル
フェニル）ベンゾトリアゾール ２−（２’−ヒドロキシ−３′、５’−ジーを一ブチル
フェニル）−５−クロルベンゾトリアゾール ２−（２’−ヒドロキシ−３′、５′−ジー七−７ミル
フェニル）ベンゾトリアゾール ２−エチルへキシル−２−シアノ−３，３′−ジフェニ
ルアクリレート。

エチル−２−シアノ−３，３′−ジフェニルアクリレー
ト。

ニッケルビス（オクチルフェニル）サルファイド、 ［２、２′−チオビス（４−ｔ−才クチルフェノ９−）
）］−］ｎ−ブチルアミンニッケルニッケルコンプレッ
クス−３，５−ジ−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシベンジ
ル−リン酸モノエチレート、 ニッケルージブチルジチオカーバメート、レゾルシノー
ルモノベンゾエート、 ヘキサメチルホスホリルトリアミド、 ２．４．５−）リヒドロキシブチルフェノン、ジ−ｐ−
オクチルフェニルテレフタレート、ジ−ｐ−ｎ−ノニル
フェニルイソフタレート、ヒンダードアミン、 および他の七ツマ−と共重合することによりポリマー中
に導入されるものとして、 ２−オキシ−４−（２−オキシ−３−メタクリルオキシ
）フロボキシベンゾフェノン、 ジフェニルメチレンシアン酢酸エチル 等が挙げられる。

このような紫外線吸収剤は、本発明においていずれも単
独あるいは混合物として使用できるが、包含されるべき
材料との相溶性をまず第一に考慮して選択すべきである
。

本発明の被記録材は、上記の如き蛍光増白剤および紫外
線吸収剤をそれらが互いに相分離した状態で同時に含有
するものであるが、蛍光増白剤および紫外線吸収剤を含
有させる被記録材としては、従来公知のいずれの被記録
材であってもよい。

特に好ましいものは、任意のシート状基材上に水溶性〜
親水性ポリマーからなるインク受容層を設けたものであ
り、このような被記録材中に前記の蛍光増白剤と紫外線
吸収剤とを含有させるのが好ましい。

インク受容層を形成するのに好ましい水溶性〜親水性ポ
リマーとしては、例えば、アルブミン。

ゼラチン、カゼイン、でんぷん、カチオンでんぷん、ア
ラビアゴム、アルギン酸ソーダ等の天然樹脂、ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリ
ドン、四級化ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミ
ン、ポリビニルピリシリウムハライド、メラミン樹脂、
ポリ酢酸ビニルの部分加水分解物、酢酸ビニルと他の七
ツマ−とのコポリマーの部分または完全ケン化物、ポリ
ビニルエーテル、メチルビニルエーテルの如きビニルエ
ーテルと他のモノマーとのコポリマー、アクリル酸の如
きビニルカルボン酸のポリマーまたはビニルカルボン酸
と他のモノマーとのコポリマー、ヒドロキシエチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース等の水溶性セルロ
ース、水溶性ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル
等の合成樹脂である。

また、以上の如くインク受容層を形成するための水溶性
〜親水性ポリマーは、なるべく強い被膜を形成するよう
に、５００以上、好ましくは１．０００以上の分子量を
有するものを使用するのが好ましい。

本発明の被記録材のインク受容層は、以上の如き親木性
ポリマーを用いて形成されるが、更に、インク受容層の
強度補強および／または基材との密着性を改善するため
に、必要に応じて、本発明の目的を妨げない範囲におい
て、ＳＢＲラテックス、ＮＢＲラテックス、ポリビニル
ホルマール、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブ
チラール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポ
リ酢酸ビニル、フェノール樹脂、アルキド樹脂等の疎水
性樹脂を併用してもよい。

また、インク受容層のインク吸収性を高めるために、イ
ンク受容層中に各種の充填剤、例えばシリカ、クレー、
タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム
、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、合成ゼオライト
、アルミナ、酸化亜鉛、リトポン、サチンホワイト等の
充填剤をインク受容層中に分散させることもできる。

本発明でインク受容層の支持体として用いる基材として
は、透明性、不透明性等従来公知の基材はいずれも使用
でき、透明性基材として好適な例としては、例えばポリ
エステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート
系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セ
ルロイド等のフィルムもしくは板およびガラス板等があ
げられる。また不透明性基材として好ましいものとして
は、例えば一般の紙、布、木材、金属板、合成紙等の外
、上記の透明性基材を公知の手段により不透明性化処理
したものがあげられる。

このようなインク受容層を形成する方法としては、上記
の親水性ポリマー単独あるいは他の適当なポリマーとの
混合物を適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調
製し、該塗工液を、例えばロールコーチインク法、ロッ
ドバーコーティング法、スプレーコーティング法、エア
ナイフコーティング法等の公知の方法により基材上に塗
工し、その後速やかに乾燥させる方法、また、上記の親
木性ポリマー単独あるいは他のポリマーとの混合物をホ
ットメルトコーティングする方法あるいは上記の如き材
料から一旦単独のインク受容層用フィルムを形成してお
き、該フィルムを上記基材にラミネートする如き他の方
法でもよい。

以上の如き本発明においては、基材上に形成するインク
受容層の厚さは、通常、いずれの場合においても１〜２
００　ＩＬｍ程度、好ましくは２〜１１００ＩＬ程度、
より好ましくは３〜３０ＩＬｍ程度である。

以上の如きイン、り受容層を有する被記録材は、本発明
者等がすでに提案した被記録材と同様であるが、本発明
の主たる特徴は、上記の如き被記録材中に前記の如き蛍
光増白剤と紫外線吸収剤とを互いに相分離した状態で同
時に含有させることを主たる特徴としている。

このように両者を相分離して含有させる方法としては。

（１）基材に、いずれか一方を含有させ、インク受容層
に他のものを含有させる方法、この方法では、基材とし
ては前記の如き透明性のプラスチックシートまたはフィ
ルム等を用いるのが好ましく、この場合には透明性のプ
ラスチックシート等の作成時に前記の如き蛍光増白剤と
紫外線吸収剤のいずれか一方を含有させてもよいし、ま
た被記録材の調製時に、それらシート等の少なくとも一
方の面に、蛍光増白剤または紫外線吸収剤を含む塗工液
を調製し、これを塗布および乾燥させて形成してもよい
。

次いで、前記の如くインク受容層を形成するにあたり、
インク受容層形成用塗工液中に他の成分を含有させてイ
ンク受容層を形成することによって本発明の被記録材が
得られる。

このような方法においては、いずれを基材に含有させて
も有効であり、インク受容層に蛍光増白剤を、そして基
材に紫外線吸収剤を含有させる場合には、記録面からの
紫外線によって蛍光増白剤が十分に作用し、またインク
受容層に紫外線吸収剤を含有させたときは、裏面からの
紫外線によって、基材中の蛍光増白剤が十分な作用を示
すので、いずれにしても、十分な白変を有する被記録材
が得られる。

（２）インク受容層を形成するに際して、インク受容層
を二層構成として、それぞれの層に別々に蛍光増白剤と
紫外線吸収剤とを含有させる方法。

この方法では、基材が透明性シートである場合には、上
記（１）の如く、いずれの層が記録面を構成しても、上
記（１）と同様な理由で有効であるが、基材が紙の如く
不透明性である場合には、記録面となる層に蛍光増白剤
を含有させるべきである。

記録面となる層に紫外線吸収剤を含有させる時には、蛍
光増白剤を有する層に十分な紫外線が与えられず、その
ため蛍光増白剤の作用が十分でなくなるからである。

（３）インク受容層の形成にあたり、互いに相溶しない
２種のポリマーを使用して、いずれか一方が不連続であ
るインク受容層を形成する方法、この方法では、例えば
前述の如き水溶性〜親水性ポリマーに蛍光増白剤と紫外
線吸収剤とのいずれか一方を添加した塗工液と、前述の
如き疎水性のポリマー中に残りのものを添加した溶液ま
たは微粒状物を混合して、Ｏ／Ｗ型またはＷ２Ｏ型の分
散液あるいは乳化液を調製し、これを基材表面に塗布し
てインク受容層を形成すればよい。

このような場合には、いずれか一方の相が他の相中に不
連続な相として相分離しているので、蛍光増白剤の作用
が紫外線吸収剤によって殆ど阻害されず、十分な白変を
被記録材に与えることができる。

以上の如き相分離によって本発明の被記録材が容易に得
られるが、いずれの方法においても、蛍光増白剤は一定
濃度以上になると消光作用を示し、増白効果を示さなく
なるため、蛍光増白剤の使用量はあまり多量とするべき
でない。好ましい使用量は、蛍光増白剤が存在している
相において、約０．０１〜３重量％となる濃度であり、
濃度がこの範囲に満たないと十分な白変が得られず、ま
た上記の範囲を越えると同様に十分な白変が得られない
。

また、紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤が存在す
る相において、約０．１〜８重量％となる量で使用する
のが好ましい、この範囲に満たない使用量では十分な耐
光性を達成できず、また上記の範囲を越えると、被記録
材自体を黄色化し、且つ経済的でもない。

以上の如き本発明の被記録材において、基材として透明
性の基材を使用し、またインク受容層をも透明性に形成
すれば、透過光観察用の充分な透光性を有する被記録材
が得られ、一方、不透明な基材を使用すれば表面画像観
察用の被記録材が得られる。

本発明で言う充分な透光性とは、被記録材の直線透過率
が、少なくとも２％、好ましくはｌＯ％以上呈すること
が望ましい。

直線透過率が２％以上であれば、例えばＯＨＰにより記
録画像をスクリーンへ投影して観察することが可能であ
り、更に記録画像の細部が鮮明に観察されるためには、
直線透過率が１０％以上であることが望ましい。

ここで言う直線透過率Ｔ（％）とは、サンプルに垂直に
入射し、サンプルを透過し、サンプルから少なくとも８
０層以上はなれた入射光路の延長線上にある受光側スリ
ットを通過し、検出器に受光される直線光の分光透過率
を、例えば３２３型日立自記分光光度計（日立製作新製
）等を使用して測定し、更に測定された分光透過率より
、色の三刺激値のＹ値を求め、次式より求められる値で
ある。

Ｔ＝Ｙ／Ｙ、Ｘ１００　　　　　　（１）Ｔ　；直線透
過率 Ｙ　；サンプルのＹ値 Ｙ、；ブランクのＹ値 従って、本発明で言う直線透過率は、直線光に対するも
のであり、拡散透過率（サンプルの後方に積分球を設け
て拡散光をも含めて透過率を求める。）や、不透明度（
サンプルの裏に、白および黒の裏当てを当ててそれらの
比から求める。）等の拡散光により透光性を評価する方
法とは異なる。

光学技術を利用した機器などで問題となるのは直線光の
挙動であるから、それらの機器で使用しようとする被記
録材の透光性を評価する上で、被記録材の直線透過率を
求めることは、特に重要である。

例えばＯＨＰで投影画像を観察する場合、記録部と非記
録部とのコントラストが高く、鮮明で見やすい画像を得
るためには、投影画像における非記録部が明るいこと、
すなわち被記録材の直線透過率がある一定以上の水準に
あることが要求される。ＯＨＰでのテストチャートによ
る試験では、上記目的に適した画像を得るためには、被
記録材の直線透過率が２％以上、より鮮明な画像を得る
ためには、好ましくは、１０％以上であることが必要と
される。したがって、この目的に適した被記録材は、そ
の直線透過率が２％以上であるこ□とが必要である。

更に、本発明においては、以上の如き各種の態様の被記
録材において、その記録面に、有機または無機の微細な
粉体を、約０．０１〜約１．０ｇ／ゴの割合で付与する
ことによって、得られる被記録材のプリンター内におけ
る搬送性や積重ね時の耐ブロッキング性、耐指紋性等を
更に向上させることができる。

以上、本発明の被記録材の代表的な態様を例示して本発
明を説明したが、勿論本発明の被記録材はこれらの態様
に限定されるものではない、なお、いずれの態様の場合
においても、インク受容層には１分散剤、ｐＨ調節剤、
消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界面活性剤等の公知の各種添
加剤を包含させることができる。

なお、本発明の被記録材は必ずしも無色である必要はな
く、着色された被記録材であってもよい。

以上の如き本発明によれば、本発明の被記録材は、その
インク受容層が水溶性〜親水性ポリマーから形成されて
いるので、水性インクに対し優れたインク受容性を示す
等、前述の如き（１）〜（８）の種々の要求を満足して
いるとともに、基材またはインク受容層、好ましくはイ
ンク受容層に蛍光増白剤が包含されているので優れた白
炭を有し、インクジェット記録用により画像を形成した
場合に優れたコントラストを有する記録画像が得られる
。

また、基材若しくはインク受容層には、上記の蛍光増白
剤の作用を妨害しない状態で紫外線吸収剤が包含されて
いるために、記録された画像は、耐光性が必ずしも十分
でない水溶性の染料から形成されているにも関わらず、
太陽光中の紫外線によって変褪色することがなく、優れ
た長期保存安定性を有するものである。

特に本発明の被記録材が透光性の被記録材である場合に
おいて、スライドやＯＨＰ等で透過光を観察する場合に
、光源の強い光にさらされても、その中の紫外線の大部
分が被記録材中の紫外線吸収剤によって吸収されるため
、このような光源光による記録画像の変褪色も十分に抑
制されている。

更に、蛍光増白剤を含有する透光性の被記録材において
は、ＯＨＰ等により投影するときには透明であっても、
通常のハンドリングに際しては。

増白剤の発光作用により、透明フィルムであっても、識
別しやすいという効果も得られる。

従って、本発明の被記録材は、表面画像観察用の被記録
材としても、また透過光観察用の被記録材としてもいず
れも有用であり、いずれの場合においても、優れたコン
トラストを有する鮮明な記録画像を与え、しかもこの記
録画像は、自然光および人工的光源からの光に対して優
れた耐光性を有するため、一般のモノカラーおよびフル
カラーの表面画像観察用被記録材としては勿論、スライ
ドやＯＨＰ等の光学機器により記録画像をスクリーン等
へ投影して観察する用途、カラー印刷のポジ版を作成す
る際の色分解版、あるいは液晶等のカラーディスプレー
に用いるＣＭＦ等用の透光性被記録材としても有用であ
る。

以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説明する。な
お、文中、部とあるのは重量基準である。

実施例１ 基材として、一般上質紙を用い、この表面に下記の組成
の組成物Ａを含む下記の塗工液Ｂを、乾燥時に厚さが１
２１Ｌｍになるようにバーコーター法により塗工し、８
０℃で２０分間乾燥し、蛍光増白剤を含むインク受容層
に、紫外線吸収剤を含む粒子が、混合分散された状態の
本発明の被記録材を得た。

組成物Ａ： ２−オキシ−４−（２−オキシ−３−メタクリロキシ）
ヒドロキシエチルメタクリレート（反応性紫外線吸収剤
）　　　　　　　５部メチルメタクリレート　　　　　
　　１０部スチレン　　　　　　　　　　　　　１０部
エチルアクリレート　　　　　　　　１０部ヒドロキシ
エチルメタクリレート　　１５部アゾイソブチロニトリ
ル　　　　　　　１部トルエン／酢酸ブチル １：ｌ混合溶剤　　　　　　　　　　５０部からなる組
成物を９０℃で３時間重合せしめた溶液。

塗工液Ｂ： 蛍光増白剤（ｗｈｉｔｅｘ　　３３　Ｎ、住人化学製）
　　　　　　　　　　　　　１部ポリビニルアルコール
（ＰＶＡ−４２０゜クラレ製）　　　　　　　　　　　
　　３部シリカ（平均粒径１０ＩＬｍ）　　　　　１０
部水／ジメチルホルムアミド ３：１混合溶剤　　　　　　　　　　５０部組成物Ａ　
　　　　　　　　　　　　　３部実施例２ 透光性基材として厚さｉｏｏ、層のポリエチレンテレフ
タレートフィルム（東し製）を使用し、このフィルム上
に下記の組成の塗工液Ａを、乾燥後の膜厚が３７℃ｍと
なるようにバーコーター法により塗工し、１１０℃で５
分間の条件で乾燥し、次いで、その表面に下記の組成の
塗工液Ｂを、乾燥時の厚さが６＃Ｌｍになるように同様
に塗工して、８０℃で１０分間乾燥して本発明の透光性
被記録材を得た。

塗工液Ａ： 蛍光増白剤（ｗｂｉｔｅｘ　ＢＢ、 住人化学製）　　　　　　　　　　０．２部ポリビニル
アルール（ＰＶＡ−ＨＣ、 クラレ製）　　　　　　　　　　　　　５部水　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　９５部塗
工液Ｂ： 紫外線吸収剤（ＣＹＡＳＯＲＢ　Ｕ　Ｖ　−２４、ＡＣ
Ｃ製）　　　　　　　　　　　０．２部ポリビニルピロ
リドン（ＰＶＰ　　Ｋ−９０、ＧＡＦ製）　　　　　　
　　　　　　　５部ポリビニルアルコール（ＰＶＡ−２
２０、クラレ製）　　　　　　　　　　　　　５部水／
ジメチルホルムアミド ｌ：１混合溶剤　　　　　　　　　　９０部実施例３ 基材としてアート紙を用い、その表面に下記の組成の塗
工液Ａを、乾燥時の厚さが８１部ｍになるようにバーコ
ーター法で塗工し、８０℃で１０分間乾燥し１次いでそ
の表面に下記の組成の塗工液Ｂを乾燥時の厚さが１．０
ｐｍになるように同様に塗工し、６０℃で１分間乾燥し
て本発明の被記録材を得た。

塗工液Ａ： 紫外線吸収剤（ＵＶＩＮＵＬ−Ｎ　−５３９、ＧＡＦ製
）　　　　　　　　　　　０．５部ポリビニル７Ｊｌｚ
ｍ−ＪＬ／　（ＰＶＡ−４２０、クラレ製）　　　　　
　　　　　　　　５部アクリル樹脂（コーガムＨＷ−７
、 昭和高分子製）　　　　　　　　　　　５部水／ジメチ
ルホルムアミド １：１混合溶剤　　　　　　　　　　９０部塗工液Ｂ： 蛍光増白剤（ｗｈｊｔｅｘ　　ＢＢ、 住友化学製）　　　　　　　　　　０．１部カルボキシ
メチルセルロース（セロゲンＢＳ、第１工業製薬製）　
　　　　　　　１部水　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　１００部比」交」Ｌユ 実施例１において、組成物Ａに紫外線吸収剤を用いなか
ったことを除いて、実施例１と同様に行って比較用の被
記録材を得た。

Ｌ笠１」 実施例２において、塗工液Ａを塗布せず、塗工液Ｂの代
わりに下記の塗工液を塗布したことを除いて、実施例２
と同様に行って比較用の被記録材を得た。

蛍光増白剤（ｗｈｉｔｅｎ　　ＢＢ、住友化学製）０．
２部 紫外線吸収剤（Ｃｙａｓｏｒｂ　ＵＶ−２４、Ａ　ＣＣ
製）０．２部 ＰＶＰ　　Ｋ−９０（ＧＡＦ製）　　　　　５部ＰＶＡ
−２１７（クラレ製）　　　　　　５部水／ジメチルホ
ルムアミド（１／１）　　　　９０部り絞貫」 実施例３において、蛍光増白剤を用いなかったことを除
いて、実施例３と同様にして行って比較用の被記録材を
得た。

上記の実施例および比較例の被記録材に対し、下記の４
種のインクを用いて、ピエゾ振動子によってインクを吐
出させるオンデマンド型インクジェット記録ヘッド（吐
出オリフィス径６０ＩＬ曽、ピエゾ振動子駆動電圧７０
Ｖ、周波数２ＫＨｚ）を有する記録装置を使用してイン
クジェット記録を実施した。

九エヱｌ（組成） Ｃ，１，ダイレクトイエロー８６　　　２部グリセリン
　　　　　　　　　２０部 ポリエチレングリコール＃２００　　１０部水　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　７０部しエヱ
ｌ（組成） Ｃ，１，アシッドレッド３５　　　　　２部グリセリン
　　　　　　　　　２０部 ポリエチレングリコール＃２００　　１０部水　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　７０部１ヱヱ
ノ（組成） Ｃ，１，ダイレクトブルー８６　　　２部グリセリン　
　　　　　　　　２０部 ポリエチレングリコール＃２００　　１０部水　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　７０部１エヱ
ノ（組成） Ｃ，１，フードブラック２　　　　　　２部グリセリン
　　　　　　　　　２０部 ポリエチレングリコール＃２００　　１０部水　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　７０部実施例
および比較例の被記録材の評価結果を第１表に示した。

第１表における各評価項目の測定は下記の方法に従った
・ （１）インク定着時間は、記録実施後の被記録材を、室
温下（２０℃６５％ＲＨ）に放置し、記録画像に指触し
たときに、インクが乾燥して指に付着しなくなる時間を
測定した。

（２）ドツト濃度は、ＪＩＳ　Ｋ　７５０５を印字マイ
クロドツトに応用してサクラマイクロデンシドメーター
ＰＤＭ−５（小西六写真工業（株）製）を用いて黒ドツ
トにつき測定した。

（３）ＯＨＰ適性は、光学機器の代表例として測定した
もので、記録画像をＯＨＰによりスクリーンに投影し、
目視により観察して判定したもので、非記録部が明るく
、記録画像のＯＤ　（オプチカルデンシティ）が高く、
コントラストの高い鮮明で見やすい投影画像の得られる
ものを０、非記録部がやや暗く、記録画像のＯＤがやや
低く、ピッチ巾０．５ｍｓ、太さ０．２５ｍｍの線が明
瞭に判別できないものをΔ、非記録部がかなり暗く、記
録画像のＯＤがかなり低く、ピッチ巾ｌａｍ、太さ０．
３層−の線が明瞭に判別できないものあるいは非記録部
と記録画像の見分けがつかないものを×とした。

（４）直線透過率は、３２３型日立自記分光光度計（日
立製作所■製）を使用し、サンプルから受光側のマドま
での距離を約９ｃｍに保ち、分光透過率を測定し、前記
（１）式により求めた。

（５）パネルテストは、蛍光増白剤の効果を確認するた
めに行ったもので、不透明な反射光観察用の被記録材に
対しては、白色度が高くコントラストのある画像が得ら
れるものを０、透光性被記録材に対しては、発光性の識
別しやすい透明性をもつものを０、それら以外のものを
×とした。

（６）耐光性は、シアン印字部に対し、キセノン７ｘ−
ド、（−１−（ＦＡＬ−２５ＡＸ−ＨＣＣ型イガ験機製
）１００時間照射し、未照射のサンプルとの色差により
求めた０色差は、測色色差計（ＮＤ−１００１００型　
日本重色工業製）を用いた。

（以　　下　　余　　白　　） −厳ｌ−１−ｊに Ｌ乙ｊＪ１１　　１分　　　１分　　　１分納Ｌユ」二
’ｆＬＪｆｈ　　　　Ｌ、１　　　　１．Ｑ　　　　　
１．１免１」−１上　　　−〇　　　　− ’　　　　　　　　　　８０％　　　　−ぶ主土上上ユ
　　　０　　　　０　　　　０１−」Ｌ−上　　　１．
０　　　　３．２　　　　　／、４」創Ｌ １　　　　　　　　ヱ　　　　　　　　旦り乙ｊＪ１１
　　１分　　　１分　　　１分納Ｌユ」＝ｕ　　　　　
１．１　　　　１．１　　　　１．１更上」−１上　　
　　　　　　　〇　　　　−’　　−８０％　　　　− 二工亙土１ユ　　　　０　　　　×　　　　×／４　　
　　３．２　　　　２４ 特許出願人　　　キャノン株式会社 代到り、弁理士吉田勝広

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）蛍光増白剤と紫外線吸収剤とを含有する被記録材
   において、蛍光増白剤を含有する相と紫外線吸収剤を含
   有する相とが、相分離していることを特徴とするインク
   ジェット記録用被記録材。
2. （２）蛍光増白剤を含有する相と紫外線吸収剤を含有す
   る相とが、層状に相分離している特許請求の範囲第（１
   ）項に記載のインクジェット記録用被記録材。
3. （３）蛍光増白剤を含有する相が、紫外線吸収剤を含有
   する相よりも外側に配置されている特許請求の範囲第（
   １）項に記載のインクジェット記録用被記録材。
4. （４）全体として透光性である特許請求の範囲第（１）
   項に記載のインクジェット記録用被記録材。