JP3436349B2 - 記録材及びバックプリント用記録物 - Google Patents

記録材及びバックプリント用記録物

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JP3436349B2
JP3436349B2 JP12274399A JP12274399A JP3436349B2 JP 3436349 B2 JP3436349 B2 JP 3436349B2 JP 12274399 A JP12274399 A JP 12274399A JP 12274399 A JP12274399 A JP 12274399A JP 3436349 B2 JP3436349 B2 JP 3436349B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】近年、コンピューターの性能向上および
コンピューターの普及とともに、ハードコピー技術が急
速に発達した。ハードコピーの記録方式としては、昇華
転写記録方式、電子写真方式、インクジェット方式等の
方式が知られている。
【0002】インクジェット方式によるプリンターは、
ノズルから被記録紙に向けてインク液滴を高速で噴射す
る方式である。カラー化、小型化がしやすいこと、印字
騒音が低いことから、オフィス、ホーム、パーソナルコ
ンピューター等の端末として、近年急速に普及しつつあ
る。更に、銀塩写真に迫る印画品質の向上、大型化の容
易さから、大型看板等の産業分野への応用が期待されて
いる。その中でも後方から光を当てて鑑賞する電飾にお
いての使用が注目されている。
【0003】インクジェット方式による印刷は、ハード
の性能だけではなく記録材の性質により大きく作用さ
れ、様々な記録材が開発されている。その中で、透光性
基材上にインク受容層とインク通過層を積層し、インク
通過層側から印刷して基材側から鑑賞するいわゆるバッ
クプリント方式の記録材が提案されている(特公平5-50
396号公報、特公平5-73586号公報、特公平5-76435号公
報)。この方式は鑑賞面が基材側からである為に均一な
光沢が得られ、写真調の画像が記録できる。これまでの
バックプリントフィルムはインク吸収層の表面強度が低
いので記録物の貼りつけなどの作業性が悪かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は記録材、好ま
しくは後方から光を照射して観察する電飾としての機能
を有するインクジェット記録に具する記録材において、
作業性を改善することに関する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、光透過性の基
材Aの片面にインク吸収層Bを設け、インク吸収層面側
からインクを吸収、定着させ、基材面側から鑑賞する記
録材において、インク吸収層Bが多孔質または非多孔質
のインク受容層B1およびインク透過層B2からなり、
A/B1/B2の順に構成され、前記インク透過層にイ
ソシアネート、メラミン、エポキシ樹脂のうち少なくと
も1種類以上から選ばれる架橋剤を含有し、かつインク
透過層の表面強度が100g重/cm以上であり、前記
記録材を外径5cm以上10cm以下の筒に5m以上1
00m以下巻きつけて用いることを特徴とする記録材で
ある。
【0006】吸収、定着させるインクは、水性顔料イン
クであることが好ましく、吸収、定着させるインク量
は、10g/m2以上70g/m2以下であることが好ま
しい。
【0007】未印字部の記録材の光線透過率は、25%
以上40%以下であることが好ましい。
【0008】定着したインクは、透過濃度が2.0以上
であることが好ましく、反射濃度が1.3以上であるこ
とが好ましい。
【0009】
【0010】記録材に基材と粘着剤からなるラミネート
フィルムを貼りつけることができ、ラミネートフィルム
がポリエステル、ポリオレフィン、塩化ビニル樹脂のう
ちから選ばれる基材フィルムと粘着剤からなることが好
ましい。
【0011】また、本発明は前記記録材のインク吸収層
にインクジェットプリンタにて印刷をし、基材面側から
鑑賞することを特徴とするバックプリント用記録物であ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明においては、インク透過層
の表面強度は、100g重/cm以上であることが必要
であり、好ましくは160g重/cm以上、さらに好ま
しくは200g重/cm以上でなくてはならない。80
g重/cm未満では、印字後にラミネートした場合に運
搬中のわずかな衝撃でラミネートフィルムが剥げたり、
両面テープで貼りつけた場合に後から剥げやすくなるた
め、作業性が悪い。
【0013】この表面強度を80g重/cm以上にする
方法は、インク吸収層、好ましくはインク透過層の樹
脂、粒子、界面活性剤などの種類、これらの添加比率、
層の厚み、粒子径などの要因が複雑に入り組んでいるた
め単純に範囲を設定することは出来ないが、以下の[0
026]、[0028]〜[0031]、[003
4]、[0035]に記載の方法にて達成される。
【0014】本発明において、基材は光通過性であれば
特に限定されるものではないが、光線透過率が80%以
上であることが好ましい。例えばポリエステルフィル
ム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、
アクリル等のプラスティックフィルム、ガラスおよびこ
れらの任意の2種類以上のものを貼り合わせたものが挙
げられる。
【0015】本発明においては、このような基材上にイ
ンク受容層とインク通過層の少なくとも2層を設けるこ
とにより、記録材が得られる。
【0016】インク受容層としては、インク吸収能力を
有するものであれば特に限定されるものでは無く、イン
ク受容性を有する樹脂を用いるインク吸収、毛管現象を
用いたインク吸収のどちらでも構わない。
【0017】インク受容性を有する樹脂を主成分とする
場合には、インク吸収性を有する樹脂ならば公知のもの
を使用でき、例えば、ポリビニルアルコール、アクリル
樹脂、スチレン−アクリル重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル重合体、デンプン、ポリビニルブチラール、ゼラチ
ン、カゼイン、アイオノマー、アラビアゴム、カルボキ
シメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアク
リルアミド、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン
ゴム等の樹脂及びそれらの変性樹脂のうち1種以上が所
望により使用できる。好ましくは、ポリビニルアルコー
ルである。この場合には公知の耐水性向上の処理が必要
に応じて使用できる。
【0018】また、顔料インクを使用した場合にも優れ
た発色性と定着性を確保するために、多孔質にして毛管
現象によるインク吸収性を持たせることが有効で、この
場合にはインク吸収層は粒子と結合材から構成させる。
粒子と結合材の体積比率はインク吸収能力と膜強度の関
係から、1/1〜1/10であることが好ましい。
【0019】粒子としては、シリカ、カオリナイト、タ
ルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バ
リウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタン、有
機白色顔料、ベンゾグアナミン粒子、架橋ポリスチレ
ン、架橋アクリル粒子、水酸化アルミニウム等が挙げら
れる。そのなかでも水酸基等の親水性基の多いのシリ
カ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等が好ましく
用いられるが、シリカが特に好ましい。
【0020】結合材としては、特に限定されないが、ポ
リビニルアルコール、アクリル樹脂、スチレン−アクリ
ル重合体、エチレン−酢酸ビニル重合体、デンプン、ポ
リビニルブチラール、ゼラチン、カゼイン、アイオノマ
ー、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリ
ビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエステル
樹脂、スチレン−ブタジエンゴム等の樹脂及びそれらの
変性樹脂のうち1種以上が所望により使用できる。
【0021】更に、湿気等の水分による染料の滲み、移
動を防止する為にインク吸収性の樹脂はカチオン基、ア
ニオン基を有するものが好ましい。有さない場合には、
イオン性を有する樹脂、化合物を混合することが好まし
い。これによりインク吸収能力の向上を図れ、更にイン
ク中の染料をインク吸収層中に定着することができる。
【0022】インク吸収層にはコート時のレベリング向
上、コート液の脱泡、滲み低減等を目的に界面活性剤を
添加することもできる。界面活性剤はカチオン系、アニ
オン系、ノニオン系および非イオン性などいずれのもの
でも構わない。しかし、好ましくはシリコーン系または
フッソ系界面活性剤が好ましい。
【0023】シリコン系界面活性剤としてはジメチルシ
リコン、アミノシラン、アクリルシラン、ビニルベンジ
ルシラン、ビニルベンジシルアミノシラン、グリシドシ
ラン、メルカプトシラン、ジメチルシラン、ポリジメチ
ルシロキサン、ポリアルコキシシロキサン、ハイドロジ
エン変性シロキサン、ビニル変性シロキサン、ビトロキ
シ変性シロキサン、アミノ変性シロキサン、カルボキシ
ル変性シロキサン、ハロゲン化変性シロキサン、エポキ
シ変性シロキサン、メタクリロキシ変性シロキサン、メ
ルカプト変性シロキサン、フッ素変性シロキサン、アル
キル基変性シロキサン、フェニル変性シロキサン、アル
キレンオキシド変性シロキサンなどが挙げられる。
【0024】フッ素系界面活性剤としては、4フッ化エ
チレン、パーフルオロアルキルアンモニウム塩、パーフ
ルオロアルキルスルホン酸アミド、パーフルオロアルキ
ルスルホン酸ナトリウム、パーフルオロアルキルカリウ
ム塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオ
ロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルエチレ
ンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルア
ンモニウム塩、パーフルオロアルキルアミノスルホン酸
塩、パーフルオロアルキルりん酸エステル、パーフルオ
ロアルキルアルキル化合物、パーフルオロアルキルアル
キルベタイン、パーフルオロアルキルハロゲン化物など
が挙げられる。これらの界面活性剤はインク吸収層のイ
ンク吸収性能が極度の低下しない程度に添加するのが好
ましい。
【0025】インク吸収層には各種の添加剤をインク吸
収能力及び他の物性を損なわない程度に加えても構わな
い。例えば、蛍光染料、可塑剤、紫外線吸収剤等が挙げ
られる。
【0026】インク吸収層を設ける方法は特に限定され
る物ではないが、グラビアコート方式、キスコート方
式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコー
ト方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、
リバースロールコート方式、バーコート方式など通常用
いられている方法が適用できる。コート量は特に限定さ
れないが5g/m2から50g/m2以下であることが好
ましい。またインク透過層とインク受容層を設ける場合
は、それぞれ好ましくは5g/m2以上、より好ましく
は7g/m2以上25g/m2以下である。これ以下で
は、印字の濃度を達成することが困難になり、また50
g/m2以上では表面強度の低下が起こる。
【0027】基材とインク吸収層の密着性が不足する場
合には、アンカーコート層を設けることが必要である。
アンカーコート層としては、ポリエステル系樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系
樹脂、メラミン樹種などの化合物及びそれらの混合等が
適用可能である。また塗布層を設ける方法としては、グ
ラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、ス
プレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコ
ート方式、ブレードコート方式、リバースロールコート
方式など通常用いられている方法が適用できる。
【0028】インク通過層は、インクを速やかにインク
吸収層に導く性質を有する必要がある。その為には、粒
子と結合材から主に構成させ、多孔質にする必要があ
る。
【0029】粒子としては、シリカ、カオリナイト、タ
ルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バ
リウム、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタン、有
機白色顔料、ベンゾグアナミン粒子、架橋ポリスチレ
ン、架橋アクリル粒子、水酸化アルミニウムなどの粒子
等が挙げられるが、インクの通過性、隠蔽性、光分散性
等の機能を良好にする為に最適な粒子を選択する必要が
ある。インク通過性の機能に関しては、粒子の表面にイ
ンク中の水分、染料を吸着しないものが良く、表面に水
酸基等の親水性基の少ない有機系の粒子が好ましい。更
に、隠蔽性と光分散性を持たせ、光線透過率を所望の範
囲に入れる為には屈折率が1.47から1.60が好ま
しい。
【0030】粒子を結合する樹脂としては、水に難溶性
の樹脂であることが好ましい。例えば、ポリエステル系
樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、各種
共重合体などが挙げられるが、水分を吸着量が少ないア
クリル系樹脂、アクリル・スチレン共重合体が好まし
い。またイソシアネート、メラミン、エポキシ樹脂のう
ち少なくとも1種類以上から選ばれる樹脂を添加すると
架橋剤として働き、表面強度を改善する一つの方策とな
り得る。
【0031】構成としては粒子と粒子を結合するバイン
ダーから主に構成することが好ましい。粒子とバインダ
ーの比率は1/1〜12/1の間であることが好まし
い。更に好ましくは4/1〜10/1である。粒子量が
少ないと粒子間の隙間が埋まり、インクが通過しにくく
なる。逆に粒子量が多すぎると層の強度が低下してしま
う。粒子径もインクの通過性に寄与する為、大きすぎる
とインクの滲みの原因になり、小さすぎると膜がもろく
なるという問題がある為、1.0〜5.0μmの粒径の
ものが好ましい。
【0032】本発明では、インク通過層にカチオン性の
樹脂を含有することが好ましい。上記の結合材がカチオ
ン性の樹脂であることが望ましいが、結合材がカチオン
性ではない場合にはカチオン性樹脂を混合する必要があ
る。
【0033】カチオン性樹脂としては特に限定しない
が、たとえば、4級化されたアミンを含有する樹脂が挙
げられる。カチオン性樹脂の量としては、多量の場合に
はインク通過層中にインク中の染料が定着されてしまい
発色濃度が低下し、逆に少なすぎると効果が得られな
い。具体的には樹脂のイオン性の強弱で異なる為、その
樹脂の特性に併せて調節する必要がある。
【0034】インク通過層にはインク通過性を調節する
為に、界面活性剤、ワックス等を添加することが好まし
い。特に水分の表面張力を低下させうるシリコン系界面
活性剤、フッ素系界面活性剤が好ましい。界面活性剤
は、通過層中に存在してインクの付着量を低下させるの
みならず、インク中に溶けて、インクの表面張力を低下
することができる。この作用によりインクの表面張力に
よるインク吸収性の影響を低下できる。また、このイン
ク通過性の向上によりインクの滲みの低下としても作用
する。
【0035】シリコン系界面活性剤としてはジメチルシ
リコン、アミノシラン、アクリルシラン、ビニルベンジ
ルシラン、ビニルベンジシルアミノシラン、グリシドシ
ラン、メルカプトシラン、ジメチルシラン、ポリジメチ
ルシロキサン、ポリアルコキシシロキサン、ハイドロジ
エン変性シロキサン、ビニル変性シロキサン、ビトロキ
シ変性シロキサン、アミノ変性シロキサン、カルボキシ
ル変性シロキサン、ハロゲン化変性シロキサン、エポキ
シ変性シロキサン、メタクリロキシ変性シロキサン、メ
ルカプト変性シロキサン、フッ素変性シロキサン、アル
キル基変性シロキサン、フェニル変性シロキサン、アル
キレンオキシド変性シロキサンなどが挙げられる。フッ
素系界面活性剤としては、4フッ化エチレン、パーフル
オロアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルス
ルホン酸アミド、パーフルオロアルキルスルホン酸ナト
リウム、パーフルオロアルキルカリウム塩、パーフルオ
ロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホ
ン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加
物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、
パーフルオロアルキルアミノスルホン酸塩、パーフルオ
ロアルキルりん酸エステル、パーフルオロアルキルアル
キル化合物、パーフルオロアルキルアルキルベタイン、
パーフルオロアルキルハロゲン化物などが挙げられる。
含有量は界面活性剤の種類により異なるがインク通過層
の固形分に対して1以上20重量%以下含有することが
好ましい。1%以下であるとその効果がでない。20%
以上の場合にはインク通過層の強度が低下する問題があ
る。
【0036】インク通過層を設ける方法は特に限定され
る物ではないが、グラビアコート方式、キスコート方
式、ディップ方式、スプレイコート方式、カーテンコー
ト方式、エアナイフコート方式、ブレードコート方式、
リバースロールコート方式、バーコート方式など通常用
いられている方法が適用できる。
【0037】本発明においては、記録材の光線透過率は
好ましくは25%以上40%以下、より好ましくは30
%以上39%以下である。この範囲内であれば電飾用記
録材として用いた場合に印字物が非常に鮮やかに見え
る。
【0038】本発明においては、好ましくはインク透過
層の塗布量は0.5g/m2以上、0.95g/m2
下、より好ましくは0.7g/m2以上、0.9g/m2
以下である。0.5g/m2未満では表面強度が下が
る。0.95g/m2を超えるとインクの透過が不良
で、印字物としての品位が下がることがある。
【0039】本発明における印字物は好ましくはインク
量が10g/m2以上70g/m2以下、より好ましくは
30g/m2以上65g/m2以下である。このインク量
以下では印字物が不鮮明であり、またこの量以上ではに
じみが大きいことがある。
【0040】好ましくは本発明における黒インクの透過
濃度が2.0以上、より好ましくは2.4以上、反射濃
度が1.3以上である。これ以下では印字物として不鮮
明である。本発明においては、記録材を外径5cm以上
10cm以下の筒に5m以上100m以下巻きつけるこ
とにより、プリンタへのセッティングが容易になる。
【0041】基材のインク受像層を設けていない面は、
光線透過率を極度に低下させなければ各種の加工をする
ことができる。紫外線吸収剤、帯電防止剤を含有する
層、傷防止の為のハードコート、光沢低下等が挙げられ
る。
【0042】本発明の記録材の使用方法としては、噴射
されたインクをインク受像層で吸収して発色させ、基材
側から鑑賞することにより使用される。
【0043】本発明の記録材に対して使用されるインク
はアニオン性のものであれば如何なるものでよく、イン
クの表面張力、粘度の影響なしに発色が良好である。イ
ンク中の溶媒としては、水を主成分であることが好まし
い。
【0044】更に使用するインクは、直接染料、酸性染
料あるいは食品用色素等の水溶性染料を溶解したインク
(染料インク)、及び顔料を分散せしめたインク(顔料
インク)を使用できる。屋外看板、電飾用記録材とした
場合は耐候性に優れる顔料インクが好ましい。
【0045】かくして得られた記録材は、銀塩写真のよ
うな光沢度の高い、高品質、高品位の記録ができ、か
つ、電飾で使用可能なものとなった。
【0046】
【実施例】次に本発明の実施例および比較例を示す。ま
ず、本発明に用いる測定・評価方法を以下に示す。
【0047】1)表面強度 塩化ビニル樹脂ラミネートフィルム(リンテック製 P
307−RC)を25mm幅×150mm長にカットし
インク透過層面に貼りつけ、フィルム引張試験機(テン
シロン)にて200mm/分の速度で引っ張ることによ
りラミネートフィルムをはがし、そのときの応力の最大
値を表面強度とした。なおこのときはく離は、180度
はく離とした。
【0048】2)透過濃度、反射濃度 顔料タイプのインクジェットプリンター(ミマキエンジ
ニアリング製JV2−130)と純正インクを使用し、
720dpiにて黒インクを100%噴射させて作成し
た黒ベタの濃度をマクベス濃度計(TR−927)で測
定した。この時のインク量は32g/m2であった。透
過はフィルタは無し、反射はオルソクロマティックフィ
ルタ(可視光のみを通す)を使用した。
【0049】3)作業性 2)のプリンタでA1全面にPhotoCD(コダック製)の
画像を印刷し、印字終了後2時間放置した後、1)のラ
ミネートフィルムをラミネータを用いて全面に貼りつけ
て、直径5cmに巻きつける。そのとき記録材とラミネ
ートフィルムがはがれなければ○、一部だけで実用性が
あれば△、なければ×とした。
【0050】4)全光線透過率 JIS―K6714に準じ、ポイック積分球式H.T.
Rメーター(日本精密光学製)を用い、フィルムの全光
線透過率を測定した。この値が小さい程隠ぺい性が高
い。
【0051】5)記録画像の品質 数種類の写真調の画像を上記のプリンターを用いて記録
し、記録画像の品質を目視により○△×の3段階で評価
した。このときのインク量は最大58g/m2であっ
た。 ○:滲み等が無く細部まで表現されており、鮮明な銀塩
写真に類似した鮮明な画像 ×:滲みにより細部が表現されておらず、鮮明では無い
写真調の画像 △:○と×の中間
【0052】6)電飾としての使用の可否 印刷面側から10cmの所に15Wの蛍光灯を5cmの
間隔を開けて平行に置き、観察者が50cm離れた距離
から透明基材側を見た時に、均一な光源に見えた場合に
は○、2つの光源に見えた場合には×とした。
【0053】実施例1透明ポリエステルフィルム(東洋
紡績(株)製、光線透過率:89%)に以下の インク受容層、インク通過層を形成してインクジェット
用記録媒体を得た。
【0054】インク受容層 下記の固形分比からなるコート液をバーコートし、12
0℃で5分乾燥して受容層を形成した。このときの乾燥
塗布量は10g/m2であった。 ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製 GH−17)100重量部 メラミン樹脂(住友化学工業(株)製 スミマールM3) 15重量部 染料固着材(日本化薬(株)製 カヤフィックスUR、ジアリルアミン・ジ アリルジメチルアンモニウムクロライド共重合体) 10重量部
【0055】インク透過層 インク受容層上に下記の固形分比からなるコート液をバ
ーコートし、160℃で1分間乾燥した。そのときの塗
布量は10g/m2であった。 カチオン性アクリル系樹脂(DIC (株)製 ボンコートVO−8) 10重量部 メラミン樹脂(住友化学工業(株)製 8%AC) 1重量部 ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物粒子(日本触媒(株)製 エポス ターMS) 60重量部 シリコン系界面活性剤(ダウコーニング製ペインタッド57) 3重量部 このようにして得られた記録用媒体は白色不透明であっ
た。この記録用媒体に対してインクジェット記録を実施
した。
【0056】比較例1 実施例1において、インク透過層の有機粒子を120重
量部にした以外は、実施例1と同様の方法において記録
材を得た。表面強度が低かった。
【0057】比較例2 実施例1において、インク透過層のメラミン樹脂を使わ
なかった以外は、実施例1と同様の方法において記録材
を得た。
【0058】実施例2 実施例1において、インク透過層の有機粒子を40重量
部とした以外は実施例1と同様の方法において記録材を
得た。
【0059】比較例3 実施例1において、インク透過層のコート量を30g/
2にした以外は、実施例1と同様の方法において記録
材を得た。
【0060】実施例3 ポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製A410
0、100μ)上にインク受容層及びインク通過層を下
記の方法により形成し記録材を得た。
【0061】インク受容層 下記の組成の固形分比になるようにバーコートにより塗
布し、160℃で3分間乾燥し記録材を得た。塗布量は
乾燥後で15g/m2であった。 アニオン性吸水ポリマー(三井サイテック株式会社製アコジェル−A) 16重量部 カチオン性吸水ポリマー(三井サイテック株式会社製アコジェル−C) 16重量部 アクリル系樹脂(DIC製アクリディックA−1300) 12重量部
【0062】インク透過層 下記のコート液を固形分比が下のようになるようにバー
コートにより塗布し、120℃で2分間乾燥して記録材
を得た。塗布量は乾燥後で9g/m2 であった。 ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物粒子(日本触媒株式会社製エポス ターMS) 30重量部 ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製、バイロンGK78CS、固形分濃度 :40重量%) 5重量部 ブロック型イソシアネート樹脂(日本ポリウレタン製コロネート2507) 1重量部 シリコン系界面活性剤(ダウ・コーニング製ペインタッド57) 3重量部
【0063】比較例4実施例1のポリエステルフィルム
に以下のインク吸収層を設けた下記の固形分比からなる
コート液をバーコートし、120℃で5分乾燥して吸収
層を形成した。このときの乾燥塗布量は10g/m2
あった。 ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製GH−17) 10重量部 メラミン樹脂(住友化学工業(株)製スミマールM3) 1.5重量部 染料固着材(日本化薬(株)製カヤフィックスUR、ジアリルアミン・ジア リルジメチルアンモニウムクロライド共重合体) 1重量部 ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物粒子(日本触媒株式会社製エポ スターMS) 60重量部
【0064】実施例4実施例1の記録材を内径2インチ
(5.08cm)の紙管に30m巻、前述のプリンタJ
V2−130にセッティングし、720dpiでA0サ
イズで印字した。その後前述のラミネータフィルム(P
307−RC)で全面ラミネートし、電飾看板にした。
裏面からの蛍光灯の有無に関係なく美しい看板となっ
た。
【0065】これらの評価結果は表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】本発明の記録材及びバックプリント用記
録物は表面強度が高く、傷つきにくく、作業性に優れ、
さらには鮮やかな印刷記録特性を持つ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 靖 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋 紡績株式会社 総合研究所内 (56)参考文献 特開 平9−66665(JP,A) 特開 平10−329410(JP,A) 特開 平10−181193(JP,A) 特開 平10−151848(JP,A) 特開 平9−71036(JP,A) 特開 平9−300812(JP,A) 特開 平12−313083(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B41M 5/00 - 5/40 C08J 7/04 - 7/06 B05D 5/04

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過性の基材Aの片面にインク吸収層
    Bを設け、インク吸収層面側からインクを吸収、定着さ
    せ、基材面側から鑑賞する記録材において、インク吸収
    層Bが多孔質または非多孔質のインク受容層B1および
    インク透過層B2からなり、A/B1/B2の順に構成
    され、前記インク透過層にイソシアネート、メラミン、
    エポキシ樹脂のうち少なくとも1種類以上から選ばれる
    架橋剤を含有し、かつインク透過層の表面強度が100
    g重/cm以上であり、前記記録材を外径5cm以上1
    0cm以下の筒に5m以上100m以下巻きつけて用い
    ことを特徴とする記録材。
  2. 【請求項2】 吸収、定着させるインクが水性顔料イン
    クであることを特徴とする請求項1記載の記録材。
  3. 【請求項3】 吸収、定着させるインク量が10g/m
    2以上70g/m2以下であることを特徴とする請求項1
    または2記載の記録材。
  4. 【請求項4】 未印字部の記録材の光線透過率が25%
    以上40%以下であることを特徴とする請求項1から3
    のいずれかに記載の記録材。
  5. 【請求項5】 定着したインクの透過濃度が2.0以上
    であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記
    載の記録材。
  6. 【請求項6】 定着したインクの反射濃度が1.3以上
    であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記
    載の記録材。
  7. 【請求項7】 請求項1からのいずれかに記載の記録
    材に基材と粘着剤からなるラミネートフィルムを貼りつ
    けたことを特徴とする記録材。
  8. 【請求項8】 ラミネートフィルムがポリエステル、ポ
    リオレフィン、塩化ビニル樹脂のうちから選ばれる基材
    フィルムと粘着剤からなることを特徴とする請求項1か
    のいずれかに記載の記録材。
  9. 【請求項9】 請求項1からのいずれかに記載の記録
    材のインク吸収層にインクジェットプリンタにて印刷を
    し、基材面側から鑑賞することを特徴とするバックプリ
    ント用記録物。
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