WO2012128109A1 - 熱線反射フィルム、その製造方法、及び熱線反射体 - Google Patents

熱線反射フィルム、その製造方法、及び熱線反射体 Download PDF

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Abstract

【課題】熱線反射率が高く、膜付き(剥離耐性)が良く大面積化が可能であり、かつ可視光域の特定の反射光が目立たない熱線反射フィルムとその製造方法を提供する。また、当該熱線反射フィルムが具備された熱線反射体を提供する。 【解決手段】支持体上の一方の面に、屈折率が隣接する層とは異なる屈折率層が少なくとも6層以上積層されて構成される熱線反射ユニットを少なくとも一つ有する熱線反射フィルムであって、前記熱線反射ユニットのうちのいずれか一つのユニットの、前記支持体に一番近い層の層厚が、当該支持体より一番離れた層の層厚の3倍以上であることを特徴とする熱線反射フィルム。

Description

熱線反射フィルム、その製造方法、及び熱線反射体
 本発明は、熱線反射フィルム、その製造方法、及び当該熱線反射フィルムが具備された熱線反射体に関する。
 近年、省エネルギー対策への関心の高まりから、冷房設備にかかる負荷を減らすために、建物や車両の窓ガラスから太陽光の熱線の透過を遮断する熱線反射フィルムの要望が高まってきている。
 太陽から放射される光は、紫外領域から赤外光領域まで幅広いスペクトルを持っている。可視光は、紫色から黄色を経て赤色光に至る波長380~780nmまでの範囲であり、太陽光の約45%を占めている。赤外光については、可視光に近いものは近赤外線(波長780~2500nm)と呼ばれ、それ以上を中赤外線と称し、太陽光の約50%を占めている。この領域の光エネルギーは、紫外線と比較するとその強さは約10分の1以下と小さいが、熱的作用は大きく、物質に吸収されると熱として放出され温度上昇をもたらす。このことから熱線とも呼ばれ、これらの光線を遮蔽することにより、室内の温度上昇を抑制することができる。また、寒冷地の冬季の暖房熱が室外に逸散することを抑制することもできる。
 従来、熱線反射フィルムとして、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層させた積層膜を蒸着法、スパッタなどのドライ製膜法で作製する提案がされている(例えば特許文献1参照)。しかし、ドライ製膜法は製造コストが高く、大面積化が困難であり、しかも、耐熱性素材に限定される等の問題がある。
 そこで、上記問題を有しない塗布法で作製する方法として、複素環系窒素化合物で表面処理したルチル型酸化チタン粒子とUV硬化樹脂を用いて高屈折率層を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
 しかし、これらの方法では、低屈折率層及び高屈折率層を交互に塗布乾燥硬化を繰り返して積層するため、層間の界面が明確であり、層間での結合力が弱いため、強い剥離力がかかった場合、層間での膜の剥離が生じてしまうという問題がある。
特許第4564016号公報 特開2004-123766号公報 特開2004-125822号公報
 本発明は、上記問題・状況にかんがみてなされたものであり、その解決課題は、熱線反射率が高く、膜付き(剥離耐性)が良く大面積化が可能であり、かつ可視光域の特定の反射光が目立たない熱線反射フィルムとその製造方法を提供することである。また、当該熱線反射フィルムが具備された熱線反射体を提供することである。
 本発明者らは、従来の塗布法で屈折率層と低屈折率層とを交互に積層させた熱線反射フィルム(従来の熱線反射フィルム)では、積層された殆どの層間の界面が明確であり、層間での結合力が弱く、強い剥離力がかかった場合には、層間での剥離が生じてしまうという問題について種々の観点から検討したところ、この問題の原因は、層間に、力が集中してしまうためで、層間でなく層内に力が集中するようにすることで剥離に対する耐性が向上することが分かった。また、層内に力を集中させるためには、層厚(膜厚)を厚くする必要があるが、この層厚(膜厚)が厚い層は、低屈折と高屈折の交互の層を有する熱線反射ユニットのどこにあってもよいわけではなく、当該熱線反射ユニットの支持体に近い一層又は二層を厚くするとよいことが分かった。
 さらに、層を重ねると、層間剥離が著しくなるため、隣接層間に更に混合領域があることが好ましいことが分かった。
 また、低屈折と高屈折の交互の層を有する熱線反射ユニットを重ねると、可視光領域に反射が見られるようになるが、熱線反射ユニットの間を、混合の少ない領域とすることで、複雑な反射となり、特定の可視光波長域でなく可視光領域全体に反射光が放出されるようになり、特定の反射光が目立たず、かつ剥離に対する耐性が向上した熱線反射フィルムが得られることが分かった。したがって、このような知見に基づき本発明に至った。
 すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
 1.支持体上の一方の面に、屈折率が隣接する層とは異なる屈折率層が少なくとも6層以上積層されて構成される熱線反射ユニットを少なくとも一つ有する熱線反射フィルムであって、前記熱線反射ユニットのうちのいずれか一つの第1のユニットの、前記支持体に一番近い層の層厚が、前記支持体より一番離れた層の層厚の3倍以上である、熱線反射フィルム。
 2.前記第1のユニットの、前記支持体に一番近い層の隣接層の層厚が、前記支持体より一番離れた層の層厚の3倍以上である、前記1.に記載の熱線反射フィルム。
 3.前記第1のユニットを構成する層の隣接層間に、前記支持体より一番離れた層の層厚の0.4~0.8倍の範囲内の厚さの混合領域を有する、前記1.又は2.に記載の熱線反射フィルム。
 4.前記第1のユニットに隣接する二つの熱線反射ユニット間に、前記支持体より一番離れた層の層厚の0.1~0.4倍の範囲内の厚さの混合領域を有する、前記1.~3.のいずれか1つに記載の熱線反射フィルム。
 5.前記熱線反射フィルムを構成する層を、水系塗布液を用いて形成する工程を有する、前記第1.~4.のいずれか1つに記載の熱線反射フィルムの製造方法。
 6.前記第1.~4.のいずれか1つに記載の熱線反射フィルム又は5.に記載の製造方法により得られた熱反射フィルムが具備されていることを特徴とする熱線反射体。
 本発明の上記手段により、熱線反射率が高く、膜付き(剥離耐性)が良く大面積化が可能であり、かつ可視光域の特定の反射光が目立たない熱線反射フィルムとその製造方法を提供することができる。また、当該熱線反射フィルムが具備された熱線反射体を提供することができる。
従来の熱線反射ユニットの模式断面図である。 本発明に係る熱線反射ユニットの一例を示す模式断面図である。図2では、ユニット内の混合領域が支持体より一番離れた層の層厚の0.4~0.8倍の層構成の一例を示す。 本発明に係る熱線反射ユニットが二つの場合の一例を示す模式断面図である。図3では、ユニット内の混合領域が支持体より一番離れた層の層厚の0.4~0.8倍である。 本発明に係る熱線反射ユニットが二つの場合の一例を示す模式断面図である。図4では、ユニット内の混合領域が支持体より一番離れた層の層厚の0.4~0.8倍であり、ユニット間の混合領域が支持体より一番離れた層の層厚の0.1~0.4倍である。
 本発明の熱線反射フィルムは、支持体上の一方の面に、屈折率が隣接する層とは異なる屈折率層が少なくとも6層以上積層されて構成される熱線反射ユニットを少なくとも一つ有する熱線反射フィルムであって、前記熱線反射ユニットのうちのいずれか一つの第1のユニットの、前記支持体に一番近い層の層厚が、前記支持体より一番離れた層の層厚の3倍以上である。この特徴は、請求項1から請求項6までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
 本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記第1のユニットの、前記支持体に一番近い層の隣接層の層厚が、前記支持体より一番離れた層の層厚の3倍以上であることが好ましい。さらに、前記第1のユニットを構成する層の隣接層間に、前記熱線反射ユニットにおいて前記支持体より一番離れた層の層厚の0.4~0.8倍の範囲内の厚さの混合領域を有することが好ましい。
 本発明においては、前記第1のユニットに隣接する二つの熱線反射ユニット間に、前記熱線反射ユニットにおいて前記支持体より一番離れた層の層厚の0.1~0.4倍の範囲内の厚さの混合領域を有することも好ましい。
 本発明の熱線反射フィルムの製造方法としては、当該熱線反射フィルムを構成する層を、水系塗布液を用いて形成する工程を有する態様の製造方法であることが好ましい。
 本発明の熱線反射フィルムは、各種熱線反射体に好適に用いることができる。
 以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「~」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
 《支持体》
 本発明に係る支持体(「基材」ともいう。)としては、透明な有機材料で形成されたものであれば特に限定されるものではない。
 例えば、メタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリスチレン(PS)、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等の各樹脂フィルム、更には前記樹脂を2層以上積層して成る樹脂フィルム等を挙げることができる。コストや入手の容易性の点では、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)などが好ましく用いられる。
 支持体の厚さは、5~200μm程度が好ましく、更に好ましくは15~150μmである。
 また、本発明に係る支持体は、JIS R3106-1998で示される可視光領域の透過率としては85%以上で、特に90%以上であることが好ましい。支持体が上記透過率以上であることにより、熱線反射フィルムとしたときのJIS R3106-1998で示される可視光領域の透過率を50%以上にするために有利となり、好ましい。
 また、上記樹脂等を用いた支持体は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。強度向上、熱膨張抑制の点から延伸フィルムが好ましい。
 本発明に用いられる支持体は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の支持体を製造することができる。また、未延伸の支持体を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの公知の方法により、支持体の流れ(縦軸)方向、又は支持体の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸支持体を製造することができる。この場合の延伸倍率は、支持体の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向及び横軸方向にそれぞれ2~10倍が好ましい。
 また、本発明に用いられる支持体は、寸法安定性の点で弛緩処理、オフライン熱処理を行ってもよい。弛緩処理は前記ポリエステルフィルムの延伸製膜工程中の熱固定した後、横延伸のテンター内、又はテンターを出た後の巻き取りまでの工程で行われるのが好ましい。弛緩処理は処理温度が80~200℃で行われることが好ましく、より好ましくは処理温度が100~180℃である。また長手方向、幅手方向ともに、弛緩率が0.1~10%の範囲で行われることが好ましく、より好ましくは弛緩率が2~6%で処理されることである。弛緩処理された支持体は、下記のオフライン熱処理を施すことにより耐熱性が向上し、さらに、寸法安定性が良好になる。
 本発明に係る支持体は、製膜過程で片面又は両面にインラインで下引層塗布液を塗布することが好ましい。本発明において、製膜工程中での下引塗布をインライン下引という。本発明に有用な下引層塗布液に使用する樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンイミンビニリデン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂及びゼラチン等を挙げることができ、何れも好ましく用いることができる。これらの下引層には、従来公知の添加剤を加えることもできる。そして、上記の下引層は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の方法によりコーティングすることができる。上記の下引層の塗布量としては、0.01~2g/m(乾燥状態)程度が好ましい。
 《熱線反射ユニットの構成概要》
 本発明の熱線反射フィルムは、支持体上の一方の面に、屈折率が隣接する層とは異なる屈折率層が少なくとも6層以上積層されて構成される熱線反射ユニットを少なくとも一つ有することを特徴とする。また、当該熱線反射ユニットのうちのいずれか一つのユニットの、前記支持体に一番近い層の層厚が、当該支持体より一番離れた層の層厚の3倍以上であることを特徴とする。また、支持体に一番近い層の層厚が、前記支持体より一番離れた層の層厚の好ましくは3.5倍以上、より好ましくは3.8倍以上、さらに好ましくは4倍以上、特に好ましくは4.5倍以上、もっとも好ましくは5倍以上である。
 なお、本明細書中、熱線反射ユニットのうちのいずれか一つのユニットで、支持体に一番近い層の層厚が、当該支持体より一番離れた層の層厚の3倍以上であることを満たすユニットを、「第1のユニット」とも称する。また、上記範囲となる層を有するユニット(第1のユニット)は、熱線反射フィルムを構成するユニット中にいずれかひとつ含まれていればよく、また複数含まれていてもよい。また、第1のユニットが、支持体上に形成されていても、第1のユニットの両側(又は片側)に、他の熱線反射ユニットが形成され、支持体から離れて形成されていてもよい。
 支持体に一番近い層の層厚は、好ましくは350~1000nm、より好ましくは400~800nmである。また、支持体より一番離れた層の層厚は、好ましくは60~200nm、より好ましくは80~180nmである。
 本発明においては、前記熱線反射ユニットのうちのいずれか一つのユニット(第1のユニット)の、前記支持体に一番近い層の隣接層の層厚が、当該支持体より一番離れた層の層厚の2倍以上である態様が好ましく、3倍以上である態様がより好ましく、3.3倍以上である態様がさらに好ましい。支持体に一番近い層の隣接層の層厚は、好ましくは60~500nm、より好ましくは100~450nm、である。また、ユニットを構成する他の層(支持体に一番近い層、支持体に一番近い層の隣接層及び支持体より一番離れた層以外の層)の層厚は、好ましくは60~500nm、より好ましくは100~450nm、である。
 また、前記熱線反射ユニット(第1のユニット)を構成する層の隣接層間に、当該熱線反射ユニットにおいて前記支持体より一番離れた層の層厚の0.4~0.8倍の範囲内の厚さの混合領域があることが好ましい。また、当該混合領域は、支持体より一番離れた層の層厚の0.4~0.7倍の範囲内であることがより好ましい。ユニット内の隣接層の混合領域を上記範囲内とすることで、層間の接触面積が増え、接着性向上の観点から好ましい。
 さらに、前記第1のユニットに隣接する二つの熱線反射ユニット間に、当該熱線反射ユニット(第1のユニット)の前記支持体より一番離れた層の層厚の好ましくは0.1倍以上1倍未満、より好ましくは0.1~0.9倍、さらに好ましくは0.1~0.4倍の範囲内の厚さの混合領域がある態様であることが好ましい。ユニット間の混合領域を上記範囲内とすることで、熱線積分反射率が高くなり、膜厚変動した場合でも可視光波長領域に出るサイドバンドのピークがブロードとなるため好ましい。上記範囲となるユニット間の混合領域は、熱線反射フィルムを構成する第1のユニットの隣接層間の一方のみに存在してもよいし、両側に存在してもよい。
 本発明の熱線反射ユニットは、屈折率が隣接する層とは異なる屈折率層が少なくとも6層以上積層されて構成される。「屈折率が隣接する層とは異なる屈折率層」とは、屈折率層の屈折率が、それに隣接する層(隣接層)の屈折率とは相違していることを意味し、本発明の熱線反射ユニットは、その関係を満たす屈折率層が、交互に積層されていればよい。なお、以下においては、屈折率が異なる少なくとも6層以上の層のうち、相対的に屈折率が高い層を「高屈折率層」と呼び、相対的に屈折率が低い層を「低屈折率層」と呼ぶことにする。すなわち、交互に積層される屈折率層が、隣接する層に対して屈折率の高い場合、その層を高屈折率層と、隣接する層に対して屈折率の低い場合、その層を低屈折率層と称する。本発明の熱線反射ユニットは、好ましくは、高屈折率層と、低屈折率層とが交互に積層される。
 図1には、従来の熱線反射ユニットにおいて、熱線反射ユニット(第1のユニット)4内に、低屈折率層1と高屈折率層2と、が交互に積層された熱線反射フィルムが示されている
 図2には、本発明の一実施形態である、熱線反射ユニット(第1のユニット)4内に、低屈折率層1と高屈折率層2と、が交互に積層され、低屈折率層と高屈折率層との間に、混合領域3を有する熱線反射フィルムが示されている。
 図3には、熱線反射ユニット(第1のユニット)4上に、熱線反射ユニット(第1ユニットに隣接するユニット)5が形成された、熱線反射ユニットを二つ有する場合の熱線反射フィルムが示されている。
 図4には、熱線反射ユニット(第1のユニット)4上に、熱線反射ユニット(第1ユニットに隣接するユニット)5が形成された、熱線反射ユニットを二つ有する場合の熱線反射フィルムにおいて、ユニット間の混合領域6を有する熱線反射フィルムが示されている。
 本発明に係る「混合領域」とは、高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液を、同時重層塗布する際に、各塗布液構成成分(高屈折率材料と低屈折率材料)が混じり合い、結果として界面に高屈折率材料と低屈折率材料が混じり合った状態となり、この屈折率が連続的に変化する領域、もしくは、高屈折率層と低屈折率層の界面に凹凸が生じ、幅方向でみると屈折率が連続的に変化する領域をいう。この領域は、冷却(チル)セット時間を短縮したり、冷却温度を高くすることで幅広くすることができる。このように連続的な屈折率の変化を持たせることで、前記の交互積層構造をしっかりと接合させるとともに可視光領域にでてくるサイドバンド領域の反射光を抑えることができる。
 例えば、高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液とをコーターで逐次塗布または同時重層塗布して多層重層を形成させた後、一旦塗膜の膜面温度を、好ましくは0~20℃、より好ましくは0~15℃で、好ましくは10秒~10分間、より好ましくは30秒~5分間で、冷却(チル)セットを行い、その後、好ましくは40~90℃、より好ましくは45~80℃で、好ましくは30秒~30分間、より好ましくは45秒~5分間乾燥することで、所望の厚みの混合領域を調整することができる。
 また、ひとつのユニットを形成させた後、当該ユニット上に、さらに他のユニットを形成させる場合、ユニット間の混合領域を所望の範囲になるよう、例えば、ひとつの塗布乾燥することで得られたユニット上に、さらに高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液とをコーターで塗布して多層重層を形成させた後、一旦塗膜の膜面温度を、好ましくは0~20℃、より好ましくは0~15℃で、好ましくは10秒~10分間、より好ましくは30秒~3分間で、冷却(チル)セットを行い、その後、好ましくは40~90℃、より好ましくは45~80℃で、好ましくは30秒~30分間、より好ましくは45秒~5分間乾燥することで、所望の厚みの混合領域を調整することができる。
 なお、混合領域を有する場合の「低屈折率層」とは、当該低屈折率層の一方の端の混合領域における支持体に対して平行方向の中心(50%を超える部分)から他方の端の混合領域における支持体に対して平行方向の中心(50%未満の部分)までをいう。
 また、混合領域を有する場合の「高屈折率層」とは、当該高屈折率層の一方の端の混合領域における支持体に対して平行方向の中心(50%を超える部分)から他方の端の混合領域における支持体に対して平行方向の中心(50%未満の部分)までをいう。
 また、支持体に一番近い層及び支持体より一番離れた層が、混合領域を有する場合の「支持体に一番近い層厚」及び「支持体より一番離れた層厚」としては、当該層の一方の端の混合領域における支持体に対して平行方向の中心(50%を超える部分)から他方の端の混合領域における支持体に対して平行方向の中心(50%未満の部分)までをいう。なお、各層の厚さとしても、同様にして、屈折率層の一方の端の混合領域における支持体に対して平行方向の中心(50%を超える部分)から他方の端の混合領域における支持体に対して平行方向の中心(50%未満の部分)までをいう。
 前記同時重層塗布による前記高屈折率層と低屈折率層の混合領域を形成した交互積層体において、屈折率プロファイルは、高屈折率層には、高屈折率材料として、例えば酸化チタンを含有させ、また、低屈折率層には、低屈折率材料として、例えば酸化ケイ素を含有させた場合、これらの積層膜における層厚方向での金属酸化物濃度プロファイルを測定することで知ることができる。
 積層の層厚方向での金属酸化物濃度プロファイルから組成によって屈折率に換算することができる。積層の金属酸化物濃度プロファイルは、スパッタ法を用いて表面から深さ方向へエッチングを行い、XPS表面分析装置を用いて、最表面を0nmとして、0.5nm/minの速度でスパッタし、原子組成比を測定することで観測することができる。また、積層を切断して切断面をXPS表面分析装置で原子組成比を測定することで見ることも可能である。混合領域において金属酸化物の濃度が不連続に変化している場合には電子顕微鏡(TEM)による断層写真により境界は判る。
 XPS表面分析装置としては、特に限定なく、いかなる機種も使用することができるが、本発明においては、VGサイエンティフィックス社製ESCALAB-200Rを用いた。X線アノードにはMgを用い、出力600W(加速電圧15kV、エミッション電流40mA)で測定した。
 熱線反射フィルムの反射タイプにおいては、高屈折率層と低屈折率層の屈折率の差は大きいほど、少ない層数で熱線(赤外)反射率を高くすることができる観点で好ましい。本発明では、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された6層以上から構成されるユニットである。この際、隣接する該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が0.1以上であることが好ましい。特に好ましくは0.3以上であり、更に好ましくは0.4以上である。
 ユニット数(6層以上/ユニット)としては、高屈折率層と低屈折率層との屈折率差によるが、好ましくは40ユニット以下、より好ましくは20ユニット以下であり、さらに好ましくは10ユニット以下である。
 ちなみに、本発明において、高屈折率層、低屈折率層の屈折率は、下記の方法に従って求めることができる。
 基材上に、屈折率を測定する各屈折率層を単層で塗設したサンプルを作製し、このサンプルを10cm×10cmに断裁した後、下記の方法に従って屈折率を求める。分光光度計として、U-4000型(日立製作所社製)を用いて、各サンプルの測定側の裏面を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400~700nm)の反射率を25点測定して平均値を求め、その測定結果より平均屈折率を求める。
 本発明における高屈折率層の好ましい屈折率としては1.80~2.50であり、より好ましくは1.90~2.20である。また、低屈折率層の好ましい屈折率としては1.10~1.60であり、より好ましくは1.30~1.50である。
 本発明の熱線反射フィルムにおいては、基材に隣接する層が、酸化珪素を含む低屈折率層で、最表層も酸化珪素を含む低屈折率層である層構成が好ましい。
 本発明における高屈折率層及び低屈折率層は、いずれも金属酸化物粒子と水溶性樹脂を含有することが好ましい態様である。
 本発明においては、熱線反射機能を支持体上の一方のみだけでなく両面に設けてもよい。支持体の一方の面のみに設ける場合は、上述した熱線反射ユニットを設け、両面に熱線反射機能を設ける場合は、一方の面に上述した熱線反射ユニットを設け、他方の面には上述した熱線反射ユニットであっても、異なる形態を設けてもよい。
 〔金属酸化物粒子〕
 本発明に係る金属酸化物粒子としては、例えば、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、合成非晶質シリカ、二酸化ケイ素(好ましくはコロイダルシリカ)、アルミナ、コロイダルアルミナ、チタン酸鉛、鉛丹、黄鉛、亜鉛黄、酸化クロム、酸化第二鉄、鉄黒、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化ユーロピウム、酸化ランタン、ジルコン、酸化スズを挙げることができる。
 高屈折率層及び低屈折率層中の金属酸化物粒子の含有量は、各屈折率層の全固形分100質%に対して、50質量%以上、95質量%以下が好ましく、60質量%以上90質量%以下がより好ましい。金属酸化物粒子の含有量を50質量%以上とすることにより、高屈折率層と低屈折率層の屈折率差を大きくすることが容易となり、金属酸化物粒子の含有量を95質量%以下とすることにより、膜の柔軟性が得られ、熱線反射フィルムを形成することの容易となる。
 また、各屈折率層において、金属酸化物粒子(F)と各層を構成するバインダーである水溶性高分子(B)との質量比(F/B)としては、0.5~20の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.0~10である。
 本発明に係る高屈折率層で用いる金属酸化物粒子としては、TiO、ZnO、ZrOが好ましく、高屈折率層を形成するための後述の金属酸化物粒子含有組成物の安定性の観点ではTiO(二酸化チタンゾル)がより好ましい。また、TiOの中でもルチル型が、触媒活性が低いために高屈折率層や隣接した層の耐候性が高くなり、さらに屈折率が高いことから好ましい。
 本発明で用いることのできる二酸化チタンゾルの調製方法としては、例えば、特開昭63-17221号公報、特開平7-819号公報、特開平9-165218号公報、特開平11-43327号公報等参照にすることができる。
 また、その他の二酸化チタンゾルの調製方法としては、例えば、特開昭63-17221号公報、特開平7-819号公報、特開平9-165218号公報、特開平11-43327号公報等参照にすることができる。
 二酸化チタン微粒子の好ましい一次粒子径(体積平均粒径)は、4~50nmであり、より好ましくは4~30nmである。
 本発明に係る低屈折率層においては、金属酸化物粒子としては、二酸化ケイ素粒子を用いることが好ましく、酸性のコロイダルシリカゾルを用いることが特に好ましい。
 本発明に係る二酸化ケイ素粒子は、その平均粒径(体積平均粒径)が100nm以下であることが好ましい。一次粒子の状態で分散された二酸化ケイ素の一次粒子の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、50nm以下のものがより好ましく、30nm以下のものがさらに好ましく、20nm以下のものが特に好ましい。また、二次粒子の平均粒径としては、30nm以下であることが、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。
 本発明に係る酸化チタン粒子の体積平均粒径とは、粒子そのものをレーザー回折散乱法、動的光散乱法、あるいは電子顕微鏡を用いて観察する方法や、屈折率層の断面や表面に現れた粒子像を電子顕微鏡で観察する方法により、1,000個の任意の粒子の粒径(一次粒子径)を測定し、それぞれd、d・・・d・・・dの粒径を持つ粒子がそれぞれn、n・・・n・・・n個存在する酸化チタン粒子の集団において、粒子1個当りの体積をvとした場合に、体積平均粒径m={Σ(v・d)}/{Σ(v)}で表される体積で重み付けされた平均粒径である。
 〔水溶性高分子〕
 本発明においては、屈折率が相互に異なる二層以上の層のうちの少なくとも一層が、金属酸化物粒子及び水溶性高分子を含有することが好ましい。
 本発明において用いることができる水溶性高分子としては、特に反応性官能基を有するポリマー、無機ポリマー、増粘多糖類、コラーゲンペプチド及びゼラチンから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。これらのうち、反応性官能基を有するポリマー、増粘多糖類、コラーゲンペプチド及びゼラチンが好ましい。また、本発明の好ましい実施形態では、屈折率層と、その屈折率層に隣接する層とは、異なる水溶性高分子を用いるのが隣接する層が、塗布乾燥中に混ざり均一の屈折率層にならない観点から、好ましい。また、これらの水溶性高分子は1種単独でも2種以上併用してもよい。
 本発明に係る「水溶性高分子」の「水溶性」とは、25℃の水媒体に対し1質量%以上溶解する溶解性をいう。
 本発明に係る高屈折率層塗布液及び低屈折率層塗布液における水溶性高分子の濃度としては、0.3~3.0質量%であることが好ましく、0.35~2.0質量%の範囲であることがより好ましい。
 以下、各水溶性高分子の詳細について説明する。
 〈反応性官能基を有するポリマー〉
 本発明において用いることができる水溶性高分子の一つとしては、反応性官能基を有するポリマーを用いることが好ましい。
 本発明に適用可能な水溶性高分子としては反応性官能基を有するポリマーが挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸-アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム-アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸-アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-α-メチルスチレン-アクリル酸共重合体、若しくはスチレン-α-メチルスチレン-アクリル酸-アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン-スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン-2-ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン-2-ヒドロキシエチルアクリレート-スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン-アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン-マレイン酸共重合体、酢酸ビニル-マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル-クロトン酸共重合体、酢酸ビニル-アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に好ましい例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン類及びそれを含有する共重合体が挙げられる。
 水溶性高分子の重量平均分子量は、1,000以上200,000以下が好ましい。更には、3,000以上40,000以下がより好ましい。
 本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニル単独重合体を加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、ポリピバリン酸ビニルの共重合体を加水分解した立体規則性のポリビニルアルコール、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等やポリ酢酸ビニルの共重合体を加水分解した、変性ポリビニルアルコールも含まれる。変性ポリビニルアルコールの中では、クラレ社からエクセバールの商標で販売されている酢酸ビニルとエチレンの共重合体の加水分解した変性ポリビニルアルコールが好ましく用いることができる。
 酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1,000以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1,500~5,000のものが好ましく用いられる。また、ケン化度は、70~100%のものが好ましく、80~99.5%のものが特に好ましい。
 カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61-10483号公報に記載されているような、第一~三級アミノ基や第四級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
 カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル-(2-アクリルアミド-2,2-ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル-(3-アクリルアミド-3,3-ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N-ビニルイミダゾール、N-ビニル-2-メチルイミダゾール、N-(3-ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル-(2-メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N-(1,1-ジメチル-3-ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1~10モル%、好ましくは0.2~5モル%である。
 アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1-206088号公報に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61-237681号公報及び同63-307979号公報に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7-285265号公報に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
 また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7-9758号公報に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8-25795号公報に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど二種類以上を併用することもできる。
 本発明においては、反応性官能基を有するポリマーを使用する場合には、硬化剤を使用してもよい。反応性官能基を有するポリマーがポリビニルアルコールの場合には、後述するホウ酸及びその塩やエポキシ系硬化剤が好ましい。
 〈無機ポリマー〉
 本発明において用いることができる水溶性高分子の一つとしては、ジルコニウム原子含有化合物あるいはアルミニウム原子含有化合物等の無機ポリマーを用いることが好ましい。
 本発明に適用可能なジルコニウム原子を含む化合物は、酸化ジルコニウムを除くものであるが、その具体例としては、二フッ化ジルコニウム、三フッ化ジルコニウム、四フッ化ジルコニウム、ヘキサフルオロジルコニウム酸塩(例えば、カリウム塩)、ヘプタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩やアンモニウム塩)、オクタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、リチウム塩)、フッ化酸化ジルコニウム、二塩化ジルコニウム、三塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、ヘキサクロロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩やカリウム塩)、酸塩化ジルコニウム(塩化ジルコニル)、二臭化ジルコニウム、三臭化ジルコニウム、四臭化ジルコニウム、臭化酸化ジルコニウム、三ヨウ化ジルコニウム、四ヨウ化ジルコニウム、過酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、硫化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、p-トルエンスルホン酸ジルコニウム、硫酸ジルコニル、硫酸ジルコニルナトリウム、酸性硫酸ジルコニル三水和物、硫酸ジルコニウムカリウム、セレン酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニル、リン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、酢酸ジルコニルアンモニウム、乳酸ジルコニル、クエン酸ジルコニル、ステアリン酸ジルコニル、リン酸ジルコニル、シュウ酸ジルコニウム、ジルコニウムイソプロピレート、ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセチルアセトネート、アセチルアセトンジルコニウムブチレート、ステアリン酸ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセテート、ビス(アセチルアセトナト)ジクロロジルコニウム、トリス(アセチルアセトナト)クロロジルコニウム等が挙げられる。
 これらの化合物の中でも、塩化ジルコニル、硫酸ジルコニル、硫酸ジルコニルナトリウム、酸性硫酸ジルコニル三水和物、硝酸ジルコニル、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニル、酢酸ジルコニルアンモニウム、ステアリン酸ジルコニルが好ましく、更に好ましくは、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、塩化ジルコニルであり、特に好ましくは、炭酸ジルコニルアンモニウム、塩化ジルコニル、酢酸ジルコニルである。上記化合物の具体的商品名としては、第一稀元素化学工業製のジルコゾールZA-20(酢酸ジルコニル)、第一稀元素化学工業製のジルコゾールZC-2(塩化ジルコニル)、第一稀元素化学工業製のジルコゾールZN(硝酸ジルコニル)等が挙げられる。
 上記ジルコニウム原子を含む無機ポリマーの内の代表的な化合物の構造式を下記に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
 ただし、s、tは1以上の整数を表す。
 ジルコニウム原子を含む無機ポリマーは、単独で用いても良いし、異なる二種類以上の化合物を併用してもよい。
 ジルコニウム原子を含む化合物は、単独で用いても良いし、異なる二種類以上の化合物を併用してもよい。
 また、本発明で用いることのできる分子内にアルミニウム原子を含む化合物には、酸化アルミニウムは含まず、その具体例としては、フッ化アルミニウム、ヘキサフルオロアルミン酸(例えば、カリウム塩)、塩化アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム(例えば、ポリ塩化アルミニウム)、テトラクロロアルミン酸塩(例えば、ナトリウム塩)、臭化アルミニウム、テトラブロモアルミン酸塩(例えば、カリウム塩)、ヨウ化アルミニウム、アルミン酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩)、塩素酸アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、チオシアン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)、硫酸アンモニウムアルミニウム(アンモニウムミョウバン)、硫酸ナトリウムアルミニウム、燐酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、燐酸水素アルミニウム、炭酸アルミニウム、ポリ硫酸珪酸アルミニウム、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムブチレート、エチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセトネート)等を挙げることができる。
 これらの中でも、塩化アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性硫酸珪酸アルミニウムが好ましく、塩基性塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウムが最も好ましい。上記化合物の具体的商品名としては、多木化学製のポリ塩化アルミニウム(PAC)であるタキバイン#1500、浅田化学(株)製のポリ水酸化アルミニウム(Paho)、(株)理研グリーン製のピュラケムWTが挙げられ、各種グレードのものが入手することができる。
 下記に、タキバイン#1500の構造式を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
 ただし、s、t、及びuは、1以上の整数を表す。
 前記無機ポリマーの添加量は、無機酸化物粒子100質量部に対して1~100質量部が好ましく、2~50質量部が更に好ましい。
 〈増粘多糖類〉
 本発明においては、水溶性高分子として、増粘多糖類を用いることが好ましい。
 本発明で用いることのできる増粘多糖類としては、特に制限はなく、例えば、一般に知られている天然単純多糖類、天然複合多糖類、合成単純多糖類及び合成複合多糖類に挙げることができ、これら多糖類の詳細については、「生化学事典(第2版),東京化学同人出版」、「食品工業」第31巻(1988)21頁等を参照することができる。
 本発明でいう増粘多糖類とは、糖類の重合体であり、低温時の粘度と高温時との粘度差を助長する特性を備えている。さらに、本発明に係る増粘多糖類を、金属酸化物微粒子を含む塗布液に添加することにより、粘度上昇を起こすものであり、その粘度上昇幅は、添加により15℃における粘度が1.0mPa・s以上の上昇を生じる多糖類であり、好ましくは5.0mPa・s以上であり、更に好ましくは10.0mPa・s以上の粘度上昇能を備えた多糖類である。
 本発明に適用可能な増粘多糖類としては、例えば、β1-4グルカン(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等)、ガラクタン(例えば、アガロース、アガロペクチン等)、ガラクトマンノグリカン(例えば、ローカストビーンガム、グアラン等)、キシログルカン(例えば、タマリンドガム等)、グルコマンノグリカン(例えば、蒟蒻マンナン、木材由来グルコマンナン、キサンタンガム等)、ガラクトグルコマンノグリカン(例えば、針葉樹材由来グリカン)、アラビノガラクトグリカン(例えば、大豆由来グリカン、微生物由来グリカン等)、グルコラムノグリカン(例えば、ジェランガム等)、グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸等)、アルギン酸及びアルギン酸塩、寒天、κ-カラギーナン、λ-カラギーナン、ι-カラギーナン、ファーセレラン等の紅藻類に由来する天然高分子多糖類等が挙げられ、塗布液中に共存する金属酸化微粒子の分散安定性を低下させない観点から、好ましくは、その構成単位がカルボン酸基やスルホン酸基を有しないものが好ましい。その様な多糖類としては、例えば、L-アラビトース、D-リボース、2-デオキシリボース、D-キシロースなどのペントース、D-グルコース、D-フルクトース、D-マンノース、D-ガラクトースなどのヘキソースのみからなる多糖類であることが好ましい。具体的には、主鎖がグルコースであり、側鎖もグルコースであるキシログルカンとして知られるタマリンドシードガムや、主鎖がマンノースで側鎖がグルコースであるガラクトマンナンとして知られるグアーガム、カチオン化グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、ローカストビーンガム、タラガムや、主鎖がガラクトースで側鎖がアラビノースであるアラビノガラクタンを好ましく使用することができる。本発明においては、特には、タマリンド、グアーガム、カチオン化グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガムが好ましい。
 本発明においては、更には、二種類以上の増粘多糖類を併用することが好ましい。
 増粘多糖類の含有量としては、5質量%以上、50質量%以下が好ましく、10質量%以上、40質量%以下がより好ましい。但し、その他の水溶性高分子やエマルジョン樹脂等と併用する場合には、3質量%以上含有すればよい。含有量が50質量%以下であれば、相対的な金属酸化物の含有量が適切となり、高屈折率層と低屈折率層の屈折率差を大きくすることが容易になる。
 〈コラーゲンペプチド〉
 本発明に係る熱線反射ユニットを構成する屈折率が相互に異なる二層以上の層においては、コラーゲンペプチドを含有することもできる。
 コラーゲンペプチドとしては、特に制限されず、市販品のものを好ましく使用できる。
 〈ゼラチン〉
 本発明に係る熱線反射ユニットを構成する屈折率が相互に異なる二層以上の層においては、ゼラチンを含有することもできる。
 本発明に係るゼラチンとしては、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンの他に、ゼラチンの製造過程で酵素処理をする酵素処理ゼラチン及びゼラチン誘導体、すなわち分子中に官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基を持ち、それと反応して得る基を持った試薬で処理し改質したものでもよい。ゼラチンの一般的製造法に関しては良く知られており、例えばT.H.James:The Theory of Photographic Process 4th.ed.1977(Macmillan)55項、科学写真便覧(上)72~75項(丸善)、写真工学の基礎-銀塩写真編119~124(コロナ社)等の記載を参考にすることができる。
 (硬化剤)
 本発明においては、バインダーである水溶性高分子を硬化させるため、硬化剤を使用することが好ましい。
 本発明に適用可能なる硬化剤としては、水溶性高分子と硬化反応を起こすものであれば特に制限はないが、水溶性高分子がポリビニルアルコールである場合には、ホウ酸及びその塩が好ましい。その他にも公知のものが使用でき、一般的には水溶性高分子と反応し得る基を有する化合物あるいは水溶性高分子が有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、水溶性高分子の種類に応じて適宜選択して用いられる。硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ジグリシジルシクロヘキサン、N,N-ジグリシジル-4-グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4-ジクロロ-4-ヒドロキシ-1,3,5-s-トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5-トリスアクリロイル-ヘキサヒドロ-s-トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
 ホウ酸又はその塩とは、硼素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことをいい、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸及び八ホウ酸及びそれらの塩が挙げられる。
 硬化剤としてのホウ素原子を有するホウ酸及びその塩は、単独の水溶液でも、また、二種以上を混合して使用しても良い。特に好ましいのはホウ酸とホウ砂の混合水溶液である。
 ホウ酸とホウ砂の水溶液は、それぞれ比較的希薄水溶液でしか添加することができないが両者を混合することで濃厚な水溶液にすることができ、塗布液を濃縮化することができる。また、添加する水溶液のpHを比較的自由にコントロールすることができる利点がある。
 上記硬化剤の総使用量は、上記水溶性高分子1g当たり1~600mgが好ましい。
 〔界面活性剤〕
 本発明に係る熱線反射ユニットを構成する屈折率が相互に異なる6層以上の層のうちの少なくとも一層に、界面活性剤を添加しても良い。活性剤種としてはアニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれの種類を使用することができる。特にアセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤及びフッ素系カチオン性界面活性剤が好ましい。
 また本発明に係る界面活性剤の添加量としては、それぞれの塗布液を100質量%としたとき、固形分として0.005~0.30質量%の範囲であることが好ましく、更には0.01~0.10質量%であることが好ましい。
 〔その他の添加剤〕
 次いで、本発明に係る熱線反射ユニットを構成する屈折率が相互に異なる各層に適用可能なその他の添加剤について説明する。
 (アミノ酸)
 本発明においては、更に、アミノ酸を添加することができる。
 本発明でいうアミノ酸とは、同一分子内にアミノ基とカルボキシル基を有する化合物であり、α-、β-、γ-などいずれのタイプのアミノ酸でもよいが、等電点が6.5以下のアミノ酸であることが好ましい。アミノ酸には光学異性体が存在するものもあるが、本発明においては光学異性体による効果の差はなく、等電点が6.5以下のいずれの異性体も単独であるいはラセミ体で使用することができる。
 本発明に適用可能なアミノ酸に関する詳しい解説は、化学大辞典1 縮刷版(共立出版;昭和35年発行)268頁~270頁の記載を参照することができる。
 本発明において、好ましいアミノ酸として、グリシン、アラニン、バリン、α-アミノ酪酸、γ-アミノ酪酸、β-アラニン、セリン、ε-アミノ-n-カプロン酸、ロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン、トレオニン、アスパラギン、アスパラギン酸、ヒスチジン、リジン、グルタミン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン等を挙げることができ、水溶液として使用するためには、等電点における溶解度が、水100に対し、3g以上が好ましく、例えば、グリシン、アラニン、セリン、ヒスチジン、リジン、グルタミン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリンなどが好ましく用いられ、金属酸化物粒子が、バインダーと緩やかな水素結合を有する観点から、水酸基を有する、セリン、ヒドロキシプロリンを用いることがさらに好ましい。
 〔リチウム化合物〕
 本発明においては、高屈折率層及び低屈折率層の少なくとも一層が、金属酸化物粒子及び水溶性高分子と共に、リチウム化合物を含有することができる。
 本発明に適用可能なリチウム化合物としては、特に制限はなく、例えば、炭酸リチウム、硫酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、オロト酸リチウム、クエン酸リチウム、モリブデン酸リチウム、塩化リチウム、水素化リチウム、水酸化リチウム、臭化リチウム、フッ化リチウム、ヨウ化リチウム、ステアリン酸リチウム、リン酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化トリエチルホウ酸リチウム、水素化トリエトキシアルミニウムリチウム、タンタル酸リチウム、次亜塩素酸リチウム、酸化リチウム、炭化リチウム、窒化リチウム、ニオブ酸リチウム、硫化リチウム、ホウ酸リチウム、LiBF、LiClO、LiPF、LiCFSO等が挙げられ、その中でも水酸化リチウムが、本願発明の効果を十分に発揮できる観点から好ましい。
 本発明において、リチウム化合物の添加量としては、屈折率層に存在する金属酸化物粒子1g当たり、0.005~0.05gの範囲が好ましく、より好ましくは0.01~0.03gである。
 (エマルジョン樹脂)
 本発明に係る熱線反射ユニットを構成する屈折率が相互に異なる各層には、エマルジョン樹脂を含有することができる。
 本発明でいうエマルジョン樹脂とは、油溶性のモノマーを、分散剤を含む水溶液中でエマルジョン状態に保ち、重合開始剤を用いて乳化重合させた樹脂微粒子である。
 エマルジョンの重合時に使用される分散剤としては、一般的には、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジエチルアミン、エチレンジアミン、4級アンモニウム塩のような低分子の分散剤の他に、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエキシエチレンラウリル酸エーテル、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドンのような高分子分散剤が挙げられる。
 本発明に係るエマルジョン樹脂とは、水系媒体中に微細な(平均粒径0.01~2μm)樹脂粒子がエマルジョン状態で分散されている樹脂で、油溶性のモノマーを、水酸基を有する高分子分散剤を用いてエマルジョン重合して得られる。用いる分散剤の種類によって、得られるエマルジョン樹脂のポリマー成分に基本的な違いは見られないが、水酸基を有する高分子分散剤を用いてエマルジョン重合すると、微細な微粒子の少なくとも表面に水酸基の存在が推定され、他の分散剤を用いて重合したエマルジョン樹脂とはエマルジョンの化学的、物理的性質が異なる。
 水酸基を含む高分子分散剤とは、重量平均分子量が10000以上の高分子の分散剤で、側鎖又は末端に水酸基が置換されたものであり、例えばポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミドのようなアクリル系の高分子で2-エチルヘキシルアクリレートが共重合されたもの、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールのようなポリエーテル、ポリビニルアルコールなどが挙げられ、特にポリビニルアルコールが好ましい。
 高分子分散剤として使用されるポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、カチオン変性したポリビニルアルコールやカルボキシル基のようなアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール、シリル基を有するシリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。ポリビニルアルコールは、平均重合度は高い方がインク吸収層を形成する際のクラックの発生を抑制する効果が大きいが、平均重合度が5000以内であると、エマルジョン樹脂の粘度が高くなく、製造時に取り扱いやすい。したがって、平均重合度は300~5000のものが好ましく、1500~5000のものがより好ましく、3000~4500のものが特に好ましい。ポリビニルアルコールのケン化度は70~100モル%のものが好ましく、80~99.5モル%のものがより好ましい。
 上記の高分子分散剤で乳化重合される樹脂としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル系化合物、スチレン系化合物といったエチレン系単量体、ブタジエン、イソプレンといったジエン系化合物の単独重合体又は共重合体が挙げられ、例えばアクリル系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。
 (屈折率層のその他の添加剤)
 本発明に係る熱線反射ユニットを構成する屈折率が相互に異なる各層に適用可能な各種の添加剤を以下に列挙する。例えば、特開昭57-74193号公報、同57-87988号公報及び同62-261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57-74192号公報、同57-87989号公報、同60-72785号公報、同61-146591号公報、特開平1-95091号公報及び同3-13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオン又はノニオンの各種界面活性剤、特開昭59-42993号公報、同59-52689号公報、同62-280069号公報、同61-242871号公報及び特開平4-219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
 〔熱線反射フィルムの製造方法〕
 本発明の熱線反射フィルムの製造方法としては、種々の方法を採用し得る。本発明においては、特に、当該熱線反射フィルムを構成する層を、水系塗布液を用いて形成する工程を有する態様の製造方法であることが好ましい。すなわち、本発明の熱線反射フィルムは、基材上に高屈折率層と低屈折率層から構成されユニットを積層して構成されるが、具体的には水系の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液とを交互に湿式塗布、乾燥して積層体を形成することが好ましい。
 水系塗布液とは、溶媒として、水を主成分とする溶媒を用いることを意味する。溶媒としては、水を、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上含む。水以外に用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのエーテル類、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドンなどのアミド類、アセトン、メチルエチルケトン、などのケトン類などが挙げられる。これら溶媒は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。
 塗布方式としては、例えば、ディップ塗布法、ブレード塗布法、エアーナイフ塗布法、ワイヤーバー塗布法、グラビア塗布法、リバース塗布法、リバースロール塗布法、エクストルージョン塗布法、スライド塗布法、カーテン塗布法、エクストルージョン塗布法等が挙げられる。これらのうち、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法(スピンコーター)、スライド塗布法(スライドコーター)、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
 同時重層塗布を行う際の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液の粘度としては、スライドビード塗布方式を用いる場合には、5~100mPa・sの範囲が好ましく、更に好ましくは10~50mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、5~1200mPa・sの範囲が好ましく、更に好ましくは25~500mPa・sの範囲である。
 また、塗布液の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100~30,000mPa・sがより好ましく、更に好ましくは3,000~30,000mPa・sであり、最も好ましいのは10,000~30,000mPa・sである。
 塗布及び乾燥方法としては、水系の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液を30℃以上に加温して、塗布を行った後、形成した塗膜の温度を1~15℃に一旦冷却し、10℃以上で乾燥することが好ましく、より好ましくは、乾燥条件として、湿球温度5~50℃、膜面温度10~50℃の範囲の条件で行うことである。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜均一性の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
 本発明の熱線反射フィルムは、支持体の下または支持体と反対側の最表面層の上に、さらなる機能の付加を目的として、導電性層、帯電防止層、ガスバリア層、易接着層(接着層)、防汚層、消臭層、流滴層、易滑層、ハードコート層、耐摩耗性層、反射防止層、電磁波シールド層、熱線吸収層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、UVカット性層、印刷層、蛍光発光層、ホログラム層、剥離層、粘着層、接着層、本発明の高屈折率層及び低屈折率層以外の熱線カット層(金属層、液晶層)、着色層(可視光線吸収層)、合わせガラスに利用される中間膜層などの機能層の1つ以上を有していてもよい。
 これらの機能層の形成方法は特に制限はないが、スピンコーティング法、スプレー法、ブレードコーティング法、ディップ法等のウェットコーティング法、あるいは、蒸着法等のドライコーティング法により形成することが好ましい。
 〔熱線反射フィルムの応用〕
 本発明の熱線反射フィルムは、幅広い分野において、種々の態様の熱線反射体に好適に応用することができる。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等長期間太陽光に晒らされる設備に貼り合せ、熱線反射効果を付与する熱線反射フィルム等の窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる。
 特に、本発明に係る熱線反射フィルムが直接もしくは接着剤を介してガラスもしくはガラス代替樹脂基材に貼合されている部材には好適である。
 接着剤は、窓ガラスなどに貼り合わせたとき、熱線反射フィルムが日光(熱線)入射面側にあるように設置する。また熱線反射フィルムを窓ガラスと基材との間に挟持すると、水分等周囲ガスから封止でき耐久性に好ましい。本発明の熱線反射フィルムを屋外や車の外側(外貼り用)に設置しても環境耐久性があって好ましい。
 本発明に適用可能な接着剤としては、光硬化性もしくは熱硬化性の樹脂を主成分とする接着剤を用いることができる。
 接着剤は紫外線に対して耐久性を有するものが好ましく、アクリル系粘着剤又はシリコーン系粘着剤が好ましい。更に粘着特性やコストの観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。特に剥離強さの制御が容易なことから、アクリル系粘着剤において、溶剤系及びエマルジョン系の中で溶剤系が好ましい。アクリル溶剤系粘着剤として溶液重合ポリマーを使用する場合、そのモノマーとしては公知のものを使用できる。
 また、合わせガラスの中間層として用いられるポリビニルブチラール系樹脂、あるいはエチレン-酢酸ビニル共重合体系樹脂を用いてもよい。具体的には可塑性ポリビニルブチラール(積水化学工業社製、三菱モンサント社製等)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(デュポン社製、武田薬品工業社製、デュラミン)、変性エチレン-酢酸ビニル共重合体(東ソー社製、メルセンG)等である。なお、接着層には紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を適宜添加配合してもよい。
 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
 〔実施例I〕
 (塗布液1の調製)
 30.0質量%酸化シリカゾル(体積平均粒径20nm、二酸化ケイ素粒子(日本化学社製:商品名シリカドール 20P))20.2gに、5.0質量%の酸処理ゼラチン水溶液22.5gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2-DB-500E(日油株式会社製)を0.043g添加し、純水で75mLに仕上げることで塗布液1を調製した。
 (塗布液2の調製)
 15.0質量%酸化チタンゾル(体積平均粒径5nm、ルチル型酸化チタン粒子(堺化学社製:商品名SRD-W))20.2gに、5.0質量%の酸処理ゼラチン水溶液22.5gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2-DB-500E(日油株式会社製)を0.043g添加し、純水で75mLに仕上げることで塗布液2を調製した。
 (比較試料1~5と本発明に係る試料(本発明試料)1~6の作製)
 易接着処理したPETフィルムを7cm×7cmの大きさに断裁し、8cm×8cmの大きさに切断したガラス基板上に、食器洗浄用洗剤(ジョイ、P&G社製)を0.1%程度含んだ水を介して水貼りした。このフィルム上に、塗布液1を垂らして、スピンコーターの回転数を調整して、乾燥層厚が170nmとなるようにコーティングしたのち、ガラス面から剥がして80℃のホットプレート上で3分間乾燥させた。再びガラス基板上に水貼りしたのち、塗布液2を垂らして乾燥層厚が130nmとなるようにコーティングし、再びガラス面からはがして80℃のホットプレート上で3分間乾燥させた。これを繰り返すことで、比較試料1~5及び、本発明に係る試料(以下、単に「本発明試料」ともいう。)1~6を作製した。
 (評価)
 〈屈折率の測定〉
 基材上に屈折率を測定する各屈折率層を単層で塗布したサンプルを作製し、このサンプルを10cm×10cmに断裁した後、下記の方法に従って屈折率を求めた。分光光度計として、U-4000型(日立製作所社製)を用いて、各サンプルの測定面とは反対側の面(裏面)を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm~700nm)の反射率を25点測定して平均値を求め、その測定結果より平均屈折率を求めた。
 〈膜つき性の評価〉
 塗布されたフィルムを23℃・相対湿度80%RHで1日調湿したのち、フィルムの表面から20~30°の角度で、かみそり刃にて3cmの長さで傷をつけた。
 傷の長さ方向と垂直方向に傷の前方2cmの位置から、傷の後方2cmにかけ、セロテープ(ニチバン社製)(登録商標)を、傷の長さ方向中心とセロテープの幅方向中心とを圧着して、それを急激に、傷に向かってななめ45°前方に向かって剥がして、塗膜の膜つき性(付着性)を下記基準に基づき評価した。以下、傷をつけた箇所を「傷の位置」とし、評価の基準位置とした。
 
<評価>
0:傷の位置から-0.1cm~-2.0cmの位置からフィルムが剥がれる(傷のない所(起点のないところ、傷の位置より前方)から剥がれ始める)
1:傷の位置から2cm以上の位置までフィルムがはがれる(傷の位置からテープの貼っていないところまでもはがれる)
2:傷の位置から2cmの位置までフィルムがはがれる(傷の位置から、テープを貼ったところまではがれる)
3:傷の位置から1cm以上2cm未満の位置までフィルムがはがれる
4:傷の位置から0.2cm以上1cm未満の位置までフィルムがはがれる
5:傷の位置から0cm以上0.2cm未満の位置までフィルムがはがれる
6:膜はがれなし。
 〈可視光反射光の評価〉
 塗布されたフィルムに蛍光灯に光をあて、斜め45度からの目視でみて、反射光の色を下記基準に基づき評価した。
5:ほとんど色が見えない
4:ごくわずかに色が見える
3:わずかに色が見える
2:少し色が見える
1:はっきりと色が見える。
 〈平均熱線反射率(熱線積分反射率)の測定〉
 上記分光光度計(日立製作所社製 U-4000型)に5°反射ユニットを付け、付属の鏡でベースライン補正したのち、熱線反射ユニット面側を測定面にして、800~1400nmの領域で、2nm間隔で301点の反射率を測定し、得られた反射率を全て足し合わせた値を、301で除することで、平均熱線反射率を以下の基準に基づき評価した。
1:平均熱線反射率が1%未満
2:平均熱線反射率が1%以上4%未満
3:平均熱線反射率が4%以上19%未満
4:平均熱線反射率が19%以上34%未満
5:平均熱線反射率が34%以上。
 以上の評価の結果を表1にまとめて示す。なお、表中、比較試料を比較例、本発明試料を実施例として示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 表1に示した結果から明らかなように、各評価において、本発明に係る試料は、比較例に対して優れていることが分かる。
 すなわち、本発明の手段により、熱線反射率が高く、膜付き(剥離耐性)が良く大面積化が可能であり、かつ可視光域の特定の反射光が目立たない熱線反射フィルムとその製造方法を提供することができることが分かる。
 〔実施例II〕
 (塗布液3の調製)
 15.0質量%酸化チタンゾル(体積平均粒径5nm、ルチル型酸化チタン粒子(堺化学社製:商品名SRD-W))20.2gに、5.0質量%のコラーゲンペプチド(新田ゼラチン社製 SCP-5200)水溶液11.5gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。その後、2.5質量%タマリンドシードガムを15g加え、次いで界面活性剤として、5.0質量%の2-DB-500E(日油株式会社製)を0.043g添加し、純水で50mLに仕上げることで塗布液3を調製した。
 (塗布液4の調製)
 15.0質量%酸化チタンゾル(体積平均粒径5nm、ルチル型酸化チタン粒子(堺化学社製:商品名SRD-W))20.2gに、5.0質量%のコラーゲンペプチド(新田ゼラチン社製 SCP-5200)水溶液11.5gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。その後、5.0質量%ポリビニルアルコール(クラレ社製 エクセバールRS-2117)を11g加え、次いで界面活性剤として、5.0質量%の2-DB-500E(日油株式会社製)を0.043g添加し、純水で50mLに仕上げることで塗布液4を調製した。
 (比較試料6~8と本発明に係る試料7~14の作製)
 (比較試料6)
 易接着処理したPETフィルムを7cm×7cmの大きさに断裁し、8cm×8cmの大きさに切断したガラス基板上に、食器洗浄用洗剤(ジョイ、P&G社製)を含んだ水を介して水貼りした、このフォルム上に、塗布液1を垂らして、スピンコーターの回転数を調整して、乾燥層厚が170nmとなるようにコーティングしたのちガラス面から剥がして80℃のホットプレート上で乾燥させた。再びガラス基板上に水貼りしたのち、塗布液2を垂らして乾燥層厚が130nmとなるようにコーティングし、再びガラス面から剥がして80℃のホットプレート上で乾燥させた。これを計6層になるよう繰り返した。さらに、6層形成させる工程を合計4回繰り返すことで、比較試料6の試料を作製した。
 (比較試料7)
 易接着処理したPETフィルムを7cm×7cmの大きさに断裁し、8cm×8cmの大きさに切断したガラス基板上に、食器洗浄用洗剤(ジョイ、P&G社製)を含んだ水を介して水貼りした、このフィルム上に、塗布液1を垂らして、スピンコーターの回転数を調整して、乾燥層厚が170nmとなるようにコーティングしたのちガラス面からはがしたのちガラス面からはがして80℃のホットプレート上で乾燥させた。再びガラス基板上に水貼りしたのち、塗布液3を垂らして乾燥層厚が130nmとなるようにコーティングし、再びガラス面から剥がして80℃のホットプレート上で乾燥させた。続いて塗布液1、塗布液3、塗布液1、塗布液3と表記載の乾燥層厚となるように、計6層になるよう繰り返し、さらに、6層形成させる工程を合計4回繰り返し、順次塗布乾燥させ比較試料7の試料を作製した。
 (比較試料8)
 塗布液1と2を交互に24層のスライドコーターで表記載の層厚となるように各層の流量と、塗布速度を調整して、同時重層塗布法にて、比較試料8を作製した。
 同時重層塗布は、高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液と24層のスライドコーターで塗布して多層重層を形成させた後、50℃で5分間乾燥し、6層のユニットを4組有する比較試料8を作製した。
 (本発明試料7)
 塗布液1と2を交互に24層のスライドコーターで表記載の層厚となるように各層の流量と、塗布速度を調整して、同時重層塗布法にて、本発明試料7を作製した。
 同時重層塗布は、高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液とを24層のスライドコーターで塗布して多層重層を形成させた後、一旦塗膜の膜面温度を、0℃の冷風を5分間当てて冷却し、50℃で5分間乾燥し、6層のユニットを4組有する本発明試料7を作製した。
 (本発明試料8)
 塗布液1と3を交互に24層のスライドコーターで表記載の層厚となるように各層の流量と、塗布速度を調整して、同時重層塗布法にて、本発明試料7と同様の方法で本発明試料8を作製した。
 (本発明試料9)
 塗布液1と4を交互に24層のスライドコーターで表記載の層厚となるように各層の流量と、塗布速度を調整して、同時重層塗布法にて、本発明試料7と同様の方法で本発明試料8を作製した。
 (本発明試料10)
 塗布液1と4を交互に12層のスライドコーターで表記載の層厚となるように各層の流量と、塗布速度を調整して、同時重層塗布法にて、本発明試料10を作製した。
 同時重層塗布は、高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液とをコーターで6層塗布して多層重層を形成させた後、一旦塗膜の膜面温度を、0℃の冷風を5分間当てて冷却し、50℃で5分間乾燥し、6層のユニットをひとつ形成した。さらに、当該6層のユニット上に、高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液とをコーターで6層塗布して多層重層を形成させた後、一旦塗膜の膜面温度を、0℃の冷風を当てて冷却し、50℃で5分間乾燥し、6層のユニットをさらに形成した(2ユニット目)。この工程を繰り返し、計4ユニット(6層/ユニット)の本発明試料10を作製した。
 (本発明試料11)
 塗布液1と2を交互に12層のスライドコーターで表記載の層厚となるように各層の流量と、塗布速度を調整して、本発明の試料10と同じように同時重層塗布法にて、本発明試料11を作製した。
 (本発明試料12)
 塗布液1と3を交互に12層のスライドコーターで表記載の層厚となるように各層の流量と、塗布速度を調整して、本発明の試料10と同じように本発明試料12を作製した。
 (本発明試料13)
 塗布液1と4を交互に12層のスライドコーターで表記載の層厚となるように各層の流量と、塗布速度を調整して、本発明の試料10と同じように本発明試料13を作製した。
 (本発明試料14)
 塗布液1と3を交互に12層のスライドコーターで表記載の層厚となるように各層の流量と、塗布速度を調整して、本発明の試料10と同じように本発明試料14を作製した。
 (評価)
 上記で得られた各試料について、実施例Iと同様の方法により評価した。以上の評価の結果を表2にまとめて示す。なお、表中、比較試料を比較例、本発明試料を実施例として示す。
 なお、得られた試料を、XPS表面分析装置を用いて、最表面を0nmとして、0.5nm/minの速度でスパッタし、原子組成比を測定、Si及びTiの厚さ方向のプロファイルを作製、SiとTiの入れ子となっている部分を混合領域、Si又はTi単独の領域を測定、例えばシリカの層であれば、Si単独の層と、その両脇の混合領域の半分の厚さをシリカの層とし、チタニアの層であれば、Ti単独の層と、その両脇の混合領域の半分の厚さをチタニアの層とし、混合領域との比を求め、表2に記載した。なお、混合領域の値は、「ユニット内の混合領域」の場合は、ユニット内のすべての層の混合領域をそれぞれ算出し、それらを相加平均した値とする。また、「ユニット間の混合領域」の場合は、隣接するユニット間の層の混合領域をそれぞれ算出し、それらを相加平均した値とする。
 また、塗布液3を用いた層の屈折率は1.90で、塗布液4を用いた層の屈折率は1.95であった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 表2に示した結果から明らかなように、各評価において、本発明に係る試料は、比較例に対して優れていることが分かる。
 すなわち、本発明の手段により、熱線反射率が高く、膜付き(剥離耐性)が良く大面積化が可能であり、かつ可視光域の特定の反射光が目立たない熱線反射フィルムとその製造方法を提供することができることが分かる。
 〔実施例III〕
 (熱線反射体の作製)
 実施例Iで作製した熱線反射フィルム1~5を用いて熱線反射体1~5を作製した。厚さ5mm、20cm×20cmの透明アクリル樹脂板上に、試料1~5の熱線反射フィルムをそれぞれアクリル接着剤で接着して、熱線反射体1~5を作製した。
 〔評価〕
 上記作製した熱線反射体1~5について、分光光度計(積分球使用、日立製作所社製、U-4000型)を用い、各熱線反射フィルムの800~1400nmの領域における反射率を測定し、その平均値を求め、これを熱線反射率とした。その結果、熱線反射体1~5は、熱線反射体のサイズが大きいにもかかわらず、容易に利用可能であり、また、本発明の熱線反射フィルムを利用することで、優れた熱線反射性を確認することができた。
 なお、本出願は、2011年3月18日に出願された日本国特許出願第2011-060736号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。
 1 低屈折率層、
 2 高屈折率層、
 3 混合領域、
 4 熱線反射ユニット(第1ユニット)、
 5 熱線反射ユニット(第1ユニットに隣接するユニット)、
 6 混合領域。

Claims (6)

  1.  支持体上の一方の面に、屈折率が隣接する層とは異なる屈折率層が少なくとも6層以上積層されて構成される熱線反射ユニットを少なくとも一つ有する熱線反射フィルムであって、
     前記熱線反射ユニットのうちのいずれか一つの第1のユニットの、前記支持体に一番近い層の層厚が、前記支持体より一番離れた層の層厚の3倍以上である、熱線反射フィルム。
  2.  前記第1のユニットの、前記支持体に一番近い層の隣接層の層厚が、前記支持体より一番離れた層の層厚の3倍以上である、請求項1に記載の熱線反射フィルム。
  3.  前記第1のユニットを構成する層の隣接層間に、前記支持体より一番離れた層の層厚の0.4~0.8倍の範囲内の厚さの混合領域を有する、請求項1又は請求項2に記載の熱線反射フィルム。
  4.  前記第1のユニットに隣接する二つの熱線反射ユニット間に、前記支持体より一番離れた層の層厚の0.1~0.4倍の範囲内の厚さの混合領域を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の熱線反射フィルム。
  5.  前記熱線反射フィルムを構成する層を、水系塗布液を用いて形成する工程を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の熱線反射フィルムの製造方法。
  6.  請求項1~4のいずれか1項に記載の熱反射フィルムまたは請求項5に記載の製造方法により得られた熱反射フィルムが具備されてなる、熱線反射体。
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