JP5910497B2 - 近赤外反射フィルムの製造方法及びそれを設けた近赤外反射体 - Google Patents

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Description

本発明は、低コストで大面積化が可能で、かつ塗膜均一性に優れた近赤外反射フィルムを製造する近赤外反射フィルムの製造方法及びそれを設けた近赤外反射体に関するものである。
近年、省エネへの関心の高まりから、冷房設備にかかる負荷を低減する観点から、建物や車両の窓ガラスに装着することにより、太陽光の熱線の透過を遮断する近赤外反射フィルムへの要望が高まってきている。
従来、近赤外反射フィルムとしては、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層させた積層膜を蒸着法、スパッタ法などのドライ製膜法で作製する方法の提案がなされている。しかしながら、ドライ製膜法は、大型の真空装置を必要とする点から、製造コストが高く、大面積化が困難であり、また高温で処理する場合が多く、支持体として耐熱性素材に限定される等の課題がある。
上記課題に対し、湿式塗布法を用いて作製する方法として、紫外線硬化型樹脂を用いる方法(例えば、特許文献1参照。)や、TiOゾル/SiOゾルを用いて、交互に積層する方法(例えば、特許文献2参照。)が開示されている。
しかしながら、紫外線硬化型樹脂を用いた成膜方法では、低屈折率層および高屈折率層を交互に塗布乾燥硬化を繰り返して積層するため、生産性が悪く、さらに乾燥時の塗膜の対流により、各屈折率層内での面内均一性が崩れ、屈折率ムラとなり、またゾルを用いる方法でも、粒子同士の凝集で結着させる過程で同じく屈折率層内での屈折率の面内均一性が崩れ、最終的に赤外反射面ムラが発生してしまう課題があった。
特開2009−86659号公報 特開2003−266577号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、製造コストパフォーマンスに優れ、大面積化が可能で、塗布安定性優れ、面内での屈折率ムラ耐性に優れ、高い塗膜均一性を有する近赤外反射フィルムを製造する近赤外反射フィルムの製造方法及びそれを設けた近赤外反射体を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.支持体上に高屈折率層と低屈折率層を交互に積層した近赤外反射フィルムの製造方法において、隣接する該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差を0.3以上とし、かつ該高屈折率層と低屈折率層が、15℃における粘度をη15とし、45℃における粘度をη45としたときの粘度比(η15/η45)を、いずれも2.0以上として高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液とを用いて形成することを特徴とする近赤外反射フィルムの製造方法。
2.前記高屈折率層塗布液及び低屈折率層塗布液の前記粘度比(η15/η45)を、100以上とすることを特徴とする前記1に記載の近赤外反射フィルムの製造方法。
3.前記高屈折率層が、金属酸化物としてルチル型のチタニアゾルを含有することを特徴とする前記1または2に記載の近赤外反射フィルムの製造方法。
4.前記高屈折率層が、等電点が6.5以下のアミノ酸を含有することを特徴とする前記1から3のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムの製造方法。
5.前記高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液が、いずれも増粘多糖類またはゼラチンを含有することを特徴とする前記1から4のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムの製造方法。
6.前記1から5のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムの製造方法により製造した近赤外反射フィルムが、基体の少なくとも一方の面に設けられたことを特徴とする近赤外反射体。
本発明により、製造コストパフォーマンスに優れ、大面積化が可能で、塗布安定性優れ、面内での屈折率ムラ耐性に優れ、高い塗膜均一性を有する近赤外反射フィルムを製造する近赤外反射フィルムの製造方法及びそれを設けた近赤外反射体を提供することができた。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、支持体上に高屈折率層と低屈折率層を交互に積層した近赤外反射フィルムの製造方法において、隣接する該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差を0.3以上とし、かつ該高屈折率層と低屈折率層が、15℃における粘度をη15とし、45℃における粘度をη45としたときの粘度比(η15/η45)を、いずれも2.0以上として高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液とを用いて形成することを特徴とする近赤外反射フィルムの製造方法により、製造コストパフォーマンスに優れ、大面積化が可能で、塗布安定性優れ、面内での屈折率ムラ耐性に優れ、高い塗膜均一性を有する近赤外反射フィルムを製造することができる近赤外反射フィルムの製造方法を実現することができることを見出し、本発明に至った次第である。
すなわち、屈折層の形成に用いる塗布液、特に、金属酸化物微粒子を含む塗布液を用いた塗膜形成においては、形成した膜中に存在する金属酸化物微粒子は凝集性が強いため、微視的な空間では相分離を生じている。屈折層を形成する際、金属酸化物微粒子を含む屈折率形成用塗布液の段階では、調製工程における攪拌時、配管による送液時、コーターから押し出されビードを形成し支持体上への塗布時までは、常に屈折率形成用塗布液に対しては剪断力が与えられた状態にある。そのため、金属酸化物微粒子は安定に分散された状態を維持している。しかし、塗布された後の支持体上での湿潤塗膜では、剪断力が付与されないため、そのままの状態で乾燥すると乾燥過程で金属酸化物微粒子の凝集とそれに伴うバインダーとの相分離を生じる。その結果、形成した屈折率層内では、金属酸化物微粒子の存在状態、含有量に依存する屈折率のばらつきが生じることになる。
上記の様な支持体上に形成された湿潤状態の塗膜内における金属酸化物微粒子の凝集による相分離と、それに起因する層内での屈折率ムラを抑制する方法としては、屈折率形成用塗布液の粘度を高く設定し、湿潤状態の塗膜内における金属酸化物微粒子の流動を抑制することが有効ではある。しかし、単に屈折率形成用塗布液の粘度を高めただけでは、コーターから支持体上へ塗布する際に、ビードが不安定になり、塗膜ムラが発生し、均一な屈折率層を形成することが難しい。従って、屈折率形成用塗布液のレオロジー特性としては、塗布液の調液、送液及びコーターから支持体へ塗布するまでの過程では相対的に低粘度特性を備え、支持体に付与された後の湿潤状態の塗膜では高粘度特性を発現させることが好ましい。言い換えると、調液から塗布過程では、一定の温度で加温されており、その様な温度条件では低粘度となり、支持体に塗布された後の湿潤塗膜は冷却セットされるため、この様な低温状態では高粘度を発現することが、安定して均一の屈折率層を形成する上では重要な条件となる。本発明者は、この様な見地に基づき、屈折率形成用塗布液に、15℃における粘度をη15とし、45℃における粘度をη45としたとき、粘度比(η15/η45)が2.0以上となる塗布液物性を付与させることにより、本発明の目的効果を達成できることを見出したものである。
上記の様な感温性の粘度特性を屈折率形成用塗布液に付与させる方法に関し鋭意検討を進めた結果、水素結合を利用する方法が重要であることが判明し、例えば、ポリビニルアルコールと、ホウ酸もしくはホウ砂と表面にOH基を有する無機微粒子による水素結合、増粘多糖類に起因する水素結合、ゼラチンによる水素結合(ゾルゲル変化)等が有効であることを見出した。
以下、本発明の近赤外反射フィルムの構成要素、及び本発明を実施するための形態等について詳細な説明をする。
《近赤外反射フィルム》
本発明の近赤外反射フィルムは、支持体上に互いに屈折率が異なる高屈折率層と低屈折率層とを積層させた多層積層体を有することを特徴とし、JIS R3106−1998で示される可視光領域の透過率が50%以上で、かつ、波長900nm〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有することが好ましい。
高屈折率層と低屈折率層の屈折率の差は大きいほど、少ない層数で赤外反射率を高くすることができる観点で好ましいが、本発明では、隣接する該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が0.3以上であることを特徴とし、好ましくは0.4以上であり、更に好ましくは0.45以上である。
特定波長領域の反射率は、隣接する2層の屈折率差と積層数で決まり、屈折率の差が大きいほど、少ない層数で同じ反射率を得られる。この屈折率差と必要な層数については、市販の光学設計ソフトを用いて計算することができる。例えば、赤外反射率90%以上を得るためには、屈折率差が0.3より小さいと、20層以上の積層が必要になり、生産性が低下するだけでなく、積層界面での散乱が大きくなり、透明性が低下し、また故障なく製造することも非常に困難になる。反射率の向上と層数を少なくする観点からは、屈折率差に上限はないが、実質的には1.40程度が限界である。
次いで、本発明の近赤外反射フィルムにおける高屈折率層と低屈折率層の基本的な構成概要について説明する。
本発明の近赤外反射フィルムにおいては、高屈折率層と低屈折率層の層数に関しては、特に制限はないが、上記の観点から、好ましい層数の範囲は、100層以下、より好ましくは40層以下、さらに好ましくは20層以下である。
また、本発明の近赤外反射フィルムにおいては、隣接する該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が0.3以上であることを特徴するが、高屈折率層と低屈折率層を上記のようにそれぞれ複数層有する場合には、全ての屈折率層が本発明で規定する要件を満たすことが好ましい。ただし、最表層に関しては、本発明で規定する要件外の構成であっても良い。
また、本発明の近赤外反射フィルムにおいては、高屈折率層の好ましい屈折率としては1.80〜2.50であり、より好ましくは1.90〜2.20である。また、低屈折率層の好ましい屈折率としては1.10〜1.60であり、より好ましくは1.30〜1.50である。
また、本発明の近赤外反射フィルムにおいては、金属酸化物を少なくとも高屈折率層に添加することが好ましく、より好ましくは高屈折率層と低屈折率層の両層に添加することである。また、増粘多糖類は高屈折率層、低屈折率層の少なくとも一方に添加することが好ましく、より好ましくは高屈折率層と低屈折率層の両層に添加することである。
本発明において、高屈折率層、低屈折率層の屈折率は、下記の方法に従って求めることができる。
基材上に屈折率を測定する各屈折率層を単層で塗設したサンプルを作製し、このサンプルを10cm×10cmに断裁した後、下記の方法に従って屈折率を求める。分光光度計として、U−4000型(日立製作所社製)を用いて、各サンプルの測定側の裏面を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)の反射率を25点測定して平均値を求め、その測定結果より平均屈折率を求める。
〔支持体〕
本発明の近赤外反射フィルムに適用する支持体としてはフィルム支持体であることが好ましく、フィルム支持体は、透明であっても不透明であってもよく、種々の樹脂フィルムを用いることができ、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム(以降ポリエステルと称す)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
本発明に係るフィルム支持体の厚みは、50〜300μm、特に80〜250μmであることが好ましい。また、本発明のフィルム支持体は、2枚以上を重ねた積層体であっても良く、この場合、その種類が同じでも異なってもよい。
〔金属酸化物〕
本発明の近赤外反射フィルムにおいては、高屈折率層及び低屈折率層の少なくとも1層が、金属酸化物を含有することが好ましい。
本発明に係る金属酸化物としては、例えば、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、チタン酸鉛、鉛丹、黄鉛、亜鉛黄、酸化クロム、酸化第二鉄、鉄黒、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化ユーロピウム、酸化ランタン、ジルコン、酸化スズを挙げることができる。
金属酸化物の含有量は、含有層毎に50質量%以上、95質量%以下が好ましく、60質量%以上90質量%以下がより好ましい。金属酸化物の含有量を50質量%以上とすることにより、高屈折率層と低屈折率層の屈折率差を大きくすることが容易となり、金属酸化物の含有量を95質量%以下とすることにより、膜の柔軟性が得られ、近赤外反射フィルムを形成することの容易となる。
本発明に係る金属酸化物の平均粒径は、粒子そのものあるいは屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
本発明の高屈折率層で用いる金属酸化物としては、TiO、ZnO、ZrOが好ましく、高屈折率層を形成するための後述の金属酸化物粒子含有組成物の安定性の観点ではTiO(二酸化チタンゾル)がより好ましい。また、TiOの中でも特にルチル型が、触媒活性が低いために高屈折率層や隣接した層の耐候性が高くなり、さらに屈折率が高いことから好ましい。
本発明で用いることのできる二酸化チタンゾルの調製方法としては、例えば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等参照にすることができる。
また、その他の二酸化チタンゾルの調製方法としては、例えば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等参照にすることができる。
二酸化チタン微粒子の好ましい一次粒子径は、5nm〜15nmであり、より好ましくは6nm〜10nmである。
本発明に係る低屈折率層においては、金属酸化物として二酸化ケイ素を用いることが好ましく、酸性のコロイダルシリカゾルを用いることが特に好ましい。
本発明に係る金属酸化物は、その平均粒径が100nm以下であることが好ましい。一次粒子の状態で分散された金属酸化物の一次粒子の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、20nm以下のものが好ましく、より好ましくは10nm以下である。また二次粒子の平均粒径としては、30nm以下であることが、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。
〔水溶性高分子〕
本発明に係る屈折率層においては、バインダーとしてポリビニルアルコール等の水溶性高分子を用いることができる。
本発明でいう水溶性高分子とは、水溶性高分子が最も溶解する温度で、0.5質量%の水溶液として調製したのち、G2グラスフィルタ(最大細孔40〜80μm)で濾過した際に濾別される不溶物の質量が、添加した水溶性高分子の50質量%以内であるものと定義する。
また、水溶性高分子の重量平均分子量としては、1,000以上200,000以下が好ましい。更には、3,000以上40,000以下がより好ましい。
本発明に適用可能な水溶性高分子としては合成高分子が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に好ましい例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン類及びそれを含有する共重合体が挙げられる。
本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1,000以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1,500〜5,000のものが好ましく用いられる。また、ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載されているような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号および同63−307979号に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど二種類以上を併用することもできる。
〔無機ポリマー〕
本発明に係る各屈折率層では、ジルコニウム原子含有化合物あるいはアルミニウム原子含有化合物等の無機ポリマーを用いることができる。
本発明に適用可能なジルコニウム原子を含む化合物は、酸化ジルコニウムを除くものであるが、その具体例としては、二フッ化ジルコニウム、三フッ化ジルコニウム、四フッ化ジルコニウム、ヘキサフルオロジルコニウム酸塩(例えば、カリウム塩)、ヘプタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩やアンモニウム塩)、オクタフルオロジルコニウム酸塩(例えば、リチウム塩)、フッ化酸化ジルコニウム、二塩化ジルコニウム、三塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、ヘキサクロロジルコニウム酸塩(例えば、ナトリウム塩やカリウム塩)、酸塩化ジルコニウム(塩化ジルコニル)、二臭化ジルコニウム、三臭化ジルコニウム、四臭化ジルコニウム、臭化酸化ジルコニウム、三ヨウ化ジルコニウム、四ヨウ化ジルコニウム、過酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、硫化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、p−トルエンスルホン酸ジルコニウム、硫酸ジルコニル、硫酸ジルコニルナトリウム、酸性硫酸ジルコニル三水和物、硫酸ジルコニウムカリウム、セレン酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニル、リン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニル、酢酸ジルコニルアンモニウム、乳酸ジルコニル、クエン酸ジルコニル、ステアリン酸ジルコニル、リン酸ジルコニル、シュウ酸ジルコニウム、ジルコニウムイソプロピレート、ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセチルアセトネート、アセチルアセトンジルコニウムブチレート、ステアリン酸ジルコニウムブチレート、ジルコニウムアセテート、ビス(アセチルアセトナト)ジクロロジルコニウム、トリス(アセチルアセトナト)クロロジルコニウム等が挙げられる。
これらの化合物の中でも、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、酸塩化ジルコニル、乳酸ジルコニル、クエン酸ジルコニルが好ましく、特に、炭酸ジルコニルアンモニウム、酸塩化ジルコニル、酢酸ジルコニルが好ましい。上記化合物の具体的商品名としては、第一希土類元素化学工業株式会社製の酢酸ジルコニルZA(商品名)や、第一希土類元素化学株式会社製の酸塩化ジルコニル(商品名)等が挙げられる。
ジルコニウム原子を含む化合物は、単独で用いても良いし、異なる2種類以上の化合物を併用してもよい。
また、本発明で用いることのできる分子内にアルミニウム原子を含む化合物には、酸化アルミニウムは含まず、その具体例としては、フッ化アルミニウム、ヘキサフルオロアルミン酸(例えば、カリウム塩)、塩化アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム(例えば、ポリ塩化アルミニウム)、テトラクロロアルミン酸塩(例えば、ナトリウム塩)、臭化アルミニウム、テトラブロモアルミン酸塩(例えば、カリウム塩)、ヨウ化アルミニウム、アルミン酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩)、塩素酸アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、チオシアン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)、硫酸アンモニウムアルミニウム(アンモニウムミョウバン)、硫酸ナトリウムアルミニウム、燐酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、燐酸水素アルミニウム、炭酸アルミニウム、ポリ硫酸珪酸アルミニウム、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムブチレート、エチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセトネート)等を挙げることができる。
これらの中でも、塩化アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性硫酸珪酸アルミニウムが好ましく、塩基性塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウムが最も好ましい。
〔硬化剤〕
本発明においては、バインダーである水溶性高分子を硬化させるため、硬化剤を使用することが好ましい。
本発明に適用可能なる硬化剤としては、水溶性高分子と硬化反応を起こすものであれば特に制限はないが、ホウ酸及びその塩が好ましいが、その他にも公知のものが使用でき、一般的には水溶性高分子と反応し得る基を有する化合物あるいは水溶性高分子が有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、水溶性高分子の種類に応じて適宜選択して用いられる。硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5,−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
ホウ酸またはその塩とは、硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩のことをいい、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸および八ホウ酸およびそれらの塩が挙げられる。
硬化剤としてのホウ素原子を有するホウ酸およびその塩は、単独の水溶液でも、また、2種以上を混合して使用しても良い。特に好ましいのはホウ酸とホウ砂の混合水溶液である。
ホウ酸とホウ砂の水溶液は、それぞれ比較的希薄水溶液でしか添加することが出来ないが両者を混合することで濃厚な水溶液にすることが出来、塗布液を濃縮化する事が出来る。また、添加する水溶液のpHを比較的自由にコントロールすることが出来る利点がある。
上記硬化剤の総使用量は、上記水溶性高分子1g当たり1〜600mgが好ましく、更には、上記水溶性高分子1g当たり100〜600mgが好ましい。
〔ゼラチン〕
本発明に係る各屈折率層においては、ゼラチンを含有することが好ましい。
ゼラチンとしては、石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンを併用してもよく、さらにゼラチンの加水分解物、ゼラチンの酵素分解物を用いることもできる。これらの水膨潤性高分子は、単独で用いても複数の種類を用いても良い。
〔アミノ酸〕
本発明においては、更に、金属酸化物の分散性を向上させる目的で、アミノ酸を添加することが好ましい。
本発明でいうアミノ酸とは、同一分子内にアミノ基とカルボキシル基を有する化合物であり、α−、β−、γ−などいずれのタイプのアミノ酸でもよいが、等電点が6.5以下のアミノ酸であることが好ましい。アミノ酸には光学異性体が存在するものもあるが、本発明においては光学異性体による効果の差はなく、等電点が6.5以下のいずれの異性体も単独であるいはラセミ体で使用することができる。
本発明に適用可能なアミノ酸に関する詳しい解説は、化学大辞典1 縮刷版(共立出版;昭和35年発行)268頁〜270頁の記載を参照することができる。
本発明において、好ましいアミノ酸として、グリシン、アラニン、バリン、α−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸、β−アラニン、セリン、ε−アミノ−n−カプロン酸、ロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン、トレオニン、アスパラギン、アスパラギン酸、ヒスチジン、リジン、グルタミン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン等を挙げることができ、水溶液として使用するためには、等電点における溶解度が、水100に対し、3g以上が好ましく、たとえば、グリシン、アラニン、セリン、ヒスチジン、リジン、グルタミン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリンなどが好ましく用いられ、金属酸化物粒子が、バインダーと緩やかな水素結合を有する観点から、水酸基を有する、セリン、ヒドロキシプロリンを用いることがさらに好ましい。
〔増粘多糖類〕
本発明に係る各屈折率層においては、増粘多糖類を含有することが好ましい。
本発明で用いることのできる増粘多糖類としては、例えば、一般に知られている天然単純多糖類、天然複合多糖類、合成単純多糖類及び合成複合多糖類に挙げることができ、これら多糖類の詳細については、「生化学事典(第2版),東京化学同人出版」、「食品工業」第31巻(1988)21頁等を参照することができる。
本発明でいう増粘多糖類とは、糖類の重合体であり分子内に水素結合基を多数有するもので、温度により分子間の水素結合力の違いにより、低温時の粘度と高温時の粘度差が大きな特性を備えた多糖類であり、さらに金属酸化物微粒子を添加すると、低温時にその金属酸化物微粒子との水素結合によると思われる粘度上昇を起こすものであり、その粘度上昇幅は、添加することにより40℃における粘度が1.0mPa・s以上の上昇を生じる多糖類であり、好ましくは5.0mPa・s以上であり、更に好ましくは10.0mPa・s以上の粘度上昇能を備えた多糖類である。
本発明に適用可能な増粘多糖類としては、例えば、β1−4グルカン(例えば、カルボキシメチルセルローズ、カルボキシエチルセルローズ等)、ガラクタン(例えば、アガロース、アガロペクチン等)、ガラクトマンノグリカン(例えば、ローカストビーンガム、グアラン等)、キシログルカン(例えば、タマリンドガム等)、グルコマンノグリカン(例えば、蒟蒻マンナン、木材由来グルコマンナン、キサンタンガム等)、ガラクトグルコマンノグリカン(例えば、針葉樹材由来グリカン)、アラビノガラクトグリカン(例えば、大豆由来グリカン、微生物由来グリカン等)、グルコラムノグリカン(例えば、ジェランガム等)、グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸等)、アルギン酸及びアルギン酸塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ファーセレラン等の紅藻類に由来する天然高分子多糖類等が挙げられ、塗布液中に共存する金属酸化微粒子の分散安定性を低下させない観点から、好ましくは、その構成単位がカルボン酸基やスルホン酸基を有しないものが好ましい。その様な多糖類としては、例えば、L−アラビトース、D−リボース、2−デオキシリボース、D−キシロースなどのペントース、D−グルコース、D−フルクトース、D−マンノース、D−ガラクトースなどのヘキソースのみからなる多糖類であることが好ましい。具体的には、主鎖がグルコースであり、側鎖もグルコースであるキシログルカンとして知られるタマリンドシードガムや、主鎖がマンノースで側鎖がグルコースであるガラクトマンナンとして知られるグアーガム、ローカストビーンガム、タラガムや、主鎖がガラクトースで側鎖がアラビノースであるアラビノガラクタンを好ましく使用することができる。
本発明においては、更には、二種類以上の増粘多糖類を併用することが好ましい。
増粘多糖類を含有する各屈折率層中における含有量としては、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。但し、水溶性高分子やエマルジョン樹脂等と併用する場合には、3質量%以上含有すればよい。増粘多糖類が少ないと塗膜乾燥時に膜面が乱れて透明性が劣化する傾向が大きくなる。一方、含有量が50質量%以下であれば、相対的な金属酸化物の含有量が適切となり、高屈折率層と低屈折率層の屈折率差を大きくすることが容易になる。
〔屈折率層のその他の添加剤〕
本発明に係る高屈折率層と低屈折率層には、必要に応じて各種の添加剤を含有させることが出来る。
例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
〔近赤外反射フィルムの製造方法〕
本発明の近赤外反射フィルムは、支持体上に高屈折率層と低屈折率層を交互に塗布、乾燥して積層体を形成する。
塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
本発明においては、本発明に係る高屈折率層と低屈折率層は、15℃における粘度をη15とし、45℃における粘度をη45としたときの粘度比(η15/η45)が、いずれも2.0以上である高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液とを用いて形成されることを特徴とし、好ましくは2.0以上、5000以下であり、より好ましくは50以上、5000以下であり、更に好ましくは100以上、5000以下である。本発明においては、高屈折率層塗布液、低屈折率層塗布液共に、粘度比(η15/η45)がより高い方が好ましい。
例えば、同時重層塗布を行う際の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液の粘度としては、スライドビード塗布方式を用いる場合には、塗布液の45℃における粘度としては、5〜100mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sの範囲である。
また、塗布液の15℃における粘度としては、5mPa・s以上、5000mPa・s以下が好ましく、50mPa・s以上、2000mPa・s以下がより好ましく、さらに好ましくは100mPa・s以上、500mPa・s以下である。
本発明において、高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液の粘度及び粘度比(η15/η45)を所望の範囲に制御する方法としては、適用する水溶性高分子の種類(分子量)や添加量、固形分率等を変化させる方法が好ましい。
また、高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液の粘度を測定する方法としては、回転式、振動式や細管式の粘度計が挙げられ、例えば、トキメック製、円錐平板型E型粘度計、東機産業製のE Type Viscometer(回転粘度計)、東京計器製のB型粘度計BL、山一電機製のFVM−80A、Nametore工業製のViscoliner、山一電気製のVISCO MATE MODEL VM−1A、同DD−1等の装置が市販されている。本発明における高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液の粘度は、東京計器社製のB型粘度計BLにより測定した値を用いた。
塗布および乾燥方法としては、高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液を30℃以上に加温して、塗布を行った後、形成した塗膜の温度を1〜15℃に一旦冷却し、10℃以上で乾燥することが好ましく、より好ましくは、乾燥条件として、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件で行うことである。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜均一性の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
〔近赤外反射フィルムの応用〕
本発明の近赤外反射フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等長期間太陽光に晒らされる設備に貼り合せ、熱線反射効果を付与する熱線反射フィルム等の窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる。
特に、本発明に係る近赤外反射フィルムが直接もしくは接着剤を介してガラスもしくはガラス代替樹脂基材に貼合されている部材には好適である。
接着剤は、窓ガラスなどに貼り合わせたとき、近赤外反射フィルムが日光(熱線)入射面側にあるように設置する。また近赤外反射フィルムを窓ガラスと基材との間に挟持すると、水分等周囲ガスから封止でき耐久性に好ましい。本発明の近赤外反射フィルムを屋外や車の外側(外貼り用)に設置しても環境耐久性があって好ましい。
本発明に適用可能な接着剤としては、光硬化性もしくは熱硬化性の樹脂を主成分とする接着剤を用いることができる。
接着剤は紫外線に対して耐久性を有するものが好ましく、アクリル系粘着剤またはシリコーン系粘着剤が好ましい。更に粘着特性やコストの観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。特に剥離強さの制御が容易なことから、アクリル系粘着剤において、溶剤系及びエマルジョン系の中で溶剤系が好ましい。アクリル溶剤系粘着剤として溶液重合ポリマーを使用する場合、そのモノマーとしては公知のものを使用できる。
また、合わせガラスの中間層として用いられるポリビニルブチラール系樹脂、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂を用いてもよい。具体的には可塑性ポリビニルブチラール(積水化学工業社製、三菱モンサント社製等)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(デュポン社製、武田薬品工業社製、デュラミン)、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー社製、メルセンG)等である。なお、接着層には紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を適宜添加配合してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《近赤外反射フィルムの作製》
〔ルチル型酸化チタン粒子ゾルの調製〕
二酸化チタン水和物を水に懸濁させた水性懸濁液(TiO濃度100g/L)10L(リットル)に、水酸化ナトリウム水溶液(濃度10モル/L)を撹拌下で30L添加し、90℃に昇温し、5時間熟成した後、塩酸で中和、濾過、水洗した。なお、上記反応(処理)において、二酸化チタン水和物は、公知の手法に従い、硫酸チタン水溶液を熱加水分解して得られたものを用いた。
塩基処理チタン化合物をTiO濃度として20g/Lになるよう純水中に懸濁させ、撹拌下でクエン酸をTiO量に対し0.4モル%加え昇温した。液温が95℃になったところで、濃塩酸を塩酸濃度が30g/Lになるように徐々に加え、液温を維持しつつ3時間撹拌した。
得られた酸化チタンゾル液のpHおよびゼータ電位を測定したところ、pHは1.4、ゼータ電位は+40mVであった。さらに、マルバーン社製ゼータサイザーナノにより粒径測定を行ったところ、平均粒径は5nm、単分散度は16%であった。また、酸化チタンゾル液を105℃で3時間乾燥させて粒子紛体を得て、日本電子データム社製JDX−3530型)を用いてX線回折の測定を行い、ルチル型の酸化チタン粒子であることを確認した。
〔試料1の作製:比較例〕
(高屈折率層1)
〈分散液Aの調製〉
金属酸化物粒子としてルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製、TTO−55A、粒径30〜50nm、水酸化アルミニウム表面処理品、屈折率2.6)を109質量部、分散剤としてポリエチレンイミン系ブロックポリマーを11質量部、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと略記、和光純薬株式会社製)を180質量部、平均直径が0.5mmのジルコニアビーズの141質量部を用いて、ビーズミル分散機で24分間分散させた後、平均直径が0.1mmのジルコニアビーズに切り替えて、更にビーズミル分散機で147分間分散させることにより、分散液Aを得た。
〈溶液Aの調製〉
バインダー樹脂として4,4′−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルホン(硬化後の屈折率1.65)を50質量%と、重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドを0.25質量%含有するPGMEA溶液を調製し、これを溶液Aとした。
〈溶液Bの調製〉
上記分散液Aと溶液Aの混合比1:7(質量比)の混合液を調製し、これを溶液Bとした。
〈高屈折率層用塗布液1の調製〉
上記溶液BとPGMEAの混合比1:1(質量比)の混合液を調製し、これを高屈折率層用塗布液1とした。
〈高屈折率層1の形成〉
上記調製した高屈折率層用塗布液1を、スライドガラス(松浪ガラス工業製、76mm×52mm、厚さ1.3mm、ヘイズ0.4%)に2ml滴下し、1000rpm、30秒の条件でスピンコーター(ミカサ株式会社製1H−D7)により塗布した後、120℃で10分間加熱した。その後、出力184W/cmの無電極水銀ランプ(フュージョンUVシステムズ社製)を用いて積算光量2.8J/cmの紫外線を照射することにより高屈折率層1を得た。高屈折率層1の平均屈折率は、2.10であった。
上記調製した高屈折率層用塗布液1の45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定した結果、η15/η45は、1.80であった。
(低屈折率層A)
上記形成した高屈折率層1にコロナ放電処理(信光電気計装株式会社製コロナ放電表面改質装置)を施して表面改質した後、低屈折率層用塗布液Aとして1質量%のポリビニルアルコール(PVA117、株式会社クラレ社製)の水溶液を2ml滴下し、1分間室温で放置した後、500rpm、30秒のスピンコート条件で塗布した。塗布直後、80℃のホットプレート(アズワン株式会社製HPD−3000)上に試料を置いて10分間加熱することにより高屈折率層1上に低屈折率層Aを積層させた。低屈折率層Aの平均屈折率は、1.52であった。
上記調製した低屈折率層用塗布液Aの45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定した結果、η15/η45は、1.80であった。
(積層体の形成)
更に、低屈折率層A上に、高屈折率層1/低屈折率層A/高屈折率層1/低屈折率層A/高屈折率層1/低屈折率層A/高屈折率層1/低屈折率層Aを積層して、高屈折率層と低屈折率層とが、乾燥後の各膜厚が表1、表2に記載の膜厚となるように積層して、計10層からなる近赤外反射フィルムである試料1を作製した。
なお、各層の形成に際しては、各層をそれぞれ単層で塗布し、それぞれ乾燥させた後、次層を積層した。
〔試料2の作製:比較例〕
上記試料1の作製において、高屈折率層1の形成に用いた高屈折率層用塗布液1を、下記の高屈折率層用塗布液2に変更して高屈折率層2を形成した以外は同様にして、24層から構成される試料2を作製した。
(高屈折率層用塗布液2の調製)
ポリビニルアルコール(PVA203クラレ社製)の4.0部を水50部に溶解したのち、硝酸でpHを3.0に調整したホウ酸の1.0質量%水溶液の5.0部と、ジルコニアゾル(日産化学社製、ナノユースZR30−AR)の100部とを添加したのち、純水で250部に仕上げて、高屈折率層用塗布液2を調製した。
上記調製した高屈折率層用塗布液2の45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定した結果、η15/η45は、2.30であった。
(高屈折率層2の形成)
上記調製した高屈折率層用塗布液2を45℃に保温しながら、45℃に加温した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥膜厚が143nmとなる条件で、ワイヤーバーを用いて塗布し、次いで、膜面が15℃以下となる条件で冷風を1分間吹き付けてセットさせた後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、高屈折率層2を形成した。
(低屈折率層Aの形成)
次いで、試料1の作製に用いた低屈折率層用塗布液Aを45℃に保温しながら、45℃に加温した上記高屈折率層2を形成したポリエチレンテレフタレートフィルムの高屈折率層2上に、乾燥膜厚が163nmとなる条件で、ワイヤーバーを用いて塗布し、次いで、膜面が15℃以下となる条件で冷風を1分間吹き付けてセットさせた後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、低屈折率層Aを形成した。
(積層体の形成)
更に、低屈折率層A上に、高屈折率層2/低屈折率層A/高屈折率層2/低屈折率層A/高屈折率層2/低屈折率層A/高屈折率層2/低屈折率層Aと順次積層し、高屈折率層と低屈折率層とが、乾燥後の各膜厚が表1、表2に記載の膜厚となるように計24層積層して、24層からなる近赤外反射フィルムである試料2を作製した。
〔試料3の作製:比較例〕
上記試料1の作製において、高屈折率層1の形成に用いた高屈折率層用塗布液1に代えて、下記の高屈折率層用塗布液3を用いて高屈折率層3を形成した以外は同様にして、10層から構成される試料3を作製した。
(高屈折率層用塗布液3の調製)
ポリビニルアルコール(PVA203クラレ社製)の4.0部を水25部に溶解したポリビニルアルコール溶液に、硝酸でpHを3.0に調整したホウ酸の1.0質量%水溶液とホウ砂の4.0質量%水溶液の1:1の混合液を5部添加したのち、ジルコニアゾル(日産化学社製、ナノユースZR30−AR)の100部と、ポリビニルアルコール(PVA235クラレ社製)の4.0部を水25部に溶解したポリビニルアルコール溶液とを添加したのち、純水で250部に仕上げて、高屈折率層用塗布液3を調製した。
上記調製した高屈折率層用塗布液3の45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定した結果、η15/η45は、114.3であった。
〔試料4の作製:本発明〕
上記試料2の作製において、低屈折率層Aの形成に用いた低屈折率層用塗布液Aに代えて、下記の低屈折率層用塗布液Bを用いて低屈折率層Bを形成し、層数を10層に変更した以外は同様にして、試料4を作製した。
(低屈折率層用塗布液Bの調製)
ポリビニルアルコール(PVA203クラレ社製)の4.0部を水50部に溶解したのち、硝酸でpHを3.0に調整したホウ酸の1.0質量%水溶液の5.0部と、シリカゾル(日本化学社製 シリカドール 20P)の100部とを添加したのち、純水で250部に仕上げて、低屈折率層用塗布液Bを調製した。
上記調製した低屈折率層用塗布液Bの45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定して求めたη15/η45は、6.00であった。
(積層体の形成)
積層体は、支持体上に、高屈折率層2/低屈折率層B/高屈折率層2/低屈折率層B/高屈折率層2/低屈折率層B/高屈折率層2/低屈折率層B/高屈折率層2/低屈折率層Bと順次積層し、高屈折率層と低屈折率層とが、乾燥後の各膜厚が表1、表2に記載の膜厚となるように計10層積層して、10層からなる近赤外反射フィルムである試料4を作製した。なお、各層の形成に際しては、各層をそれぞれ単層で塗布したのち、膜面が15℃以下となる条件で冷風を1分間吹き付けてセットさせた後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させた後、次層を積層した。
〔試料5の作製:本発明〕
上記試料4の作製において、低屈折率層Bの形成に用いた低屈折率層用塗布液Bに代えて、下記の低屈折率層用塗布液Cを用いて低屈折率層Cを形成した以外は同様にして、10層から構成される試料5を作製した。
(低屈折率層用塗布液Cの調製)
ポリビニルアルコール(PVA203クラレ社製)の4.0部を水25部に溶解したポリビニルアルコール溶液に、硝酸でpHを3.0に調整したホウ酸の1.0質量%水溶液とホウ砂の4.0質量%水溶液との1:1の混合液を5部添加したのち、シリカゾル(日本化学社製、シリカドール 20P)の100部と、ポリビニルアルコール(PVA235クラレ社製)の4.0部を水25部に溶解したポリビニルアルコール溶液を添加したのち、純水で250部に仕上げて、低屈折率層用塗布液Cを調製した。
上記調製した低屈折率層用塗布液Cの45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定して求めたη15/η45は、177.8であった。
〔試料6の作製:本発明〕
上記試料5の作製において、高屈折率層2の形成に用いた高屈折率層用塗布液2に代えて、試料3の作製で用いた高屈折率層用塗布液3を用い、かつ下記の塗布方式に変更した以外は同様にして、10層同時塗布により試料6を作製した。
(塗布方式)
10層の同時重層塗布が可能なスライドホッパー方式のコーターを用い、第1層目として高屈折率層用塗布液3を、第2層目として低屈折率層用塗布液Cを、次いで第3層目〜第10層目までは、高屈折率層用塗布液3と低屈折率層用塗布液Cを交互に吐出して、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、塗布液温度を45℃で同時重層塗布を行った。次いで、膜面が15℃以下となる条件で冷風を1分間吹き付けてセットさせた後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、試料6を作製した。
〔試料7の作製:本発明〕
上記試料6の作製において、高屈折率層3の形成に用いた高屈折率層用塗布液3に代えて、下記の高屈折率層用塗布液4を用いて高屈折率層4を形成した以外は同様にして、10層同時塗布により試料7を作製した。
(高屈折率層用塗布液4の調製)
ポリビニルアルコール(PVA203クラレ社製)の4.0部を水25部に溶解したポリビニルアルコール溶液に、硝酸でpHを3.0に調整したホウ酸の1.0質量%水溶液とホウ砂の4.0質量%水溶液の1:1の混合液を5部添加したのち、前記調製したルチル型酸化チタン粒子ゾルの100部と、ポリビニルアルコール(PVA235クラレ社製)の4.0部を水25部に溶解したポリビニルアルコール溶液とを添加したのち、純水で250部に仕上げて、高屈折率層用塗布液4を調製した。
上記調製した高屈折率層用塗布液4の45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定した結果、η15/η45は、105.0であった。
〔試料8の作製:本発明〕
上記試料7の作製において、高屈折率層4の形成に用いた高屈折率層用塗布液4に代えて、下記の高屈折率層用塗布液5を用いて高屈折率層5を形成した以外は同様にして、10層同時塗布により試料8を作製した。
(高屈折率層用塗布液5の調製)
ポリビニルアルコール(PVA203クラレ社製)の3.5部を水25部に溶解したポリビニルアルコール溶液に、硝酸でpHを3.0に調整したホウ酸の1.0質量%水溶液とホウ砂の4.0質量%水溶液の1:1の混合液を5部添加したのち、前記調製したルチル型酸化チタン粒子ゾルの100部と、ポリビニルアルコール(PVA235クラレ社製)の4.5部を水25部に溶解したポリビニルアルコール溶液とを添加したのち、純水で250部に仕上げて、高屈折率層用塗布液5を調製した。
上記調製した高屈折率層用塗布液5の45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定した結果、η15/η45は、120.0であった。
〔試料9の作製:本発明〕
上記試料7の作製において、高屈折率層4の形成に用いた高屈折率層用塗布液4に代えて、下記の高屈折率層用塗布液6を用いて高屈折率層6を形成した以外は同様にして、10層同時塗布により試料9を作製した。
(高屈折率層用塗布液6の調製)
上記高屈折率層用塗布液4の調製において、更にアミノ酸としてヒスチジン(等電点:7.6)を1.0部添加した以外は同様にして、高屈折率層用塗布液6を調製した。
上記調製した高屈折率層用塗布液6の45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定した結果、η15/η45は、144.4であった。
〔試料10の作製:本発明〕
上記試料7の作製において、高屈折率層4の形成に用いた高屈折率層用塗布液4に代えて、下記の高屈折率層用塗布液7を用いて高屈折率層7を形成した以外は同様にして、10層同時塗布により試料10を作製した。
(高屈折率層用塗布液7の調製)
上記高屈折率層用塗布液4の調製において、更にアミノ酸としてリジン(等電点:9.8)を1.0部添加した以外は同様にして、高屈折率層用塗布液7を調製した。
上記調製した高屈折率層用塗布液7の45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定した結果、η15/η45は、177.8であった。
〔試料11の作製:本発明〕
上記試料7の作製において、高屈折率層4の形成に用いた高屈折率層用塗布液4に代えて、下記の高屈折率層用塗布液8を用いて高屈折率層8を形成した以外は同様にして、10層同時塗布により試料11を作製した。
(高屈折率層用塗布液8の調製)
上記高屈折率層用塗布液4の調製において、更にアミノ酸としてプロリン(等電点:6.3)を1.0部添加した以外は同様にして、高屈折率層用塗布液8を調製した。
上記調製した高屈折率層用塗布液8の45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定した結果、η15/η45は、285.7であった。
〔試料12の作製:本発明〕
上記試料7の作製において、高屈折率層4の形成に用いた高屈折率層用塗布液4に代えて、下記の高屈折率層用塗布液9を用いて高屈折率層9を形成した以外は同様にして、10層同時塗布により試料12を作製した。
(高屈折率層用塗布液9の調製)
上記高屈折率層用塗布液4の調製において、アミノ酸としてL−システイン(等電点:5.05)を1.0部添加し、更に前記調製したルチル型酸化チタン粒子ゾルの調製に用いる濃塩酸を濃硝酸に変更して調製したルチル型酸化チタン粒子ゾルを用いた以外は同様にして、高屈折率層用塗布液9を調製した。
上記調製した高屈折率層用塗布液9の45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定した結果、η15/η45は、400.0であった。
〔試料13の作製:本発明〕
上記試料7の作製において、高屈折率層4の形成に用いた高屈折率層用塗布液4に代えて、下記の高屈折率層用塗布液10を用いて高屈折率層10を形成した以外は同様にして、10層同時塗布により試料13を作製した。
(高屈折率層用塗布液10の調製)
上記高屈折率層用塗布液4の調製において、更にアミノ酸としてグリシン(等電点:5.97)を1.0部添加した以外は同様にして、高屈折率層用塗布液10を調製した。
上記調製した高屈折率層用塗布液10の45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定した結果、η15/η45は、1200であった。
〔試料14の作製:本発明〕
上記試料7の作製において、高屈折率層4の形成に用いた高屈折率層用塗布液4に代えて、下記の高屈折率層用塗布液11を用いて高屈折率層11を形成した以外は同様にして、10層同時塗布により試料14を作製した。
(高屈折率層用塗布液11の調製)
上記高屈折率層用塗布液4の調製において、更にアミノ酸としてセリン(等電点:5.68)を1.0部添加した以外は同様にして、高屈折率層用塗布液11を調製した。
上記調製した高屈折率層用塗布液11の45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定した結果、η15/η45は、600であった。
〔試料15の作製:本発明〕
上記試料13の作製において、高屈折率層10の形成に用いた高屈折率層用塗布液10に代えて、下記の高屈折率層用塗布液12を用いて高屈折率層12を形成した以外は同様にして、10層同時塗布により試料15を作製した。
(高屈折率層用塗布液12の調製)
上記高屈折率層用塗布液10の調製において、ポリビニルアルコール(PVA235クラレ社製)の4.0部を、増粘多糖類であるゲランガムの4.0部に変更した以外は同様にして、高屈折率層用塗布液12を調製した。
上記調製した高屈折率層用塗布液12の45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定した結果、η15/η45は、1000であった。
〔試料16の作製:本発明〕
上記試料13の作製において、高屈折率層10の形成に用いた高屈折率層用塗布液10に代えて、下記の高屈折率層用塗布液13を用いて高屈折率層13を形成した以外は同様にして、10層同時塗布により試料16を作製した。
(高屈折率層用塗布液13の調製)
上記高屈折率層用塗布液10の調製において、ポリビニルアルコール(PVA235クラレ社製)の4.0部を、増粘多糖類であるゲランガムの2.0部と、同じく増粘多糖類のローカストビーンガムの2.0部とに変更した以外は同様にして、高屈折率層用塗布液13を調製した。
上記調製した高屈折率層用塗布液13の45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定した結果、η15/η45は、600であった。
〔試料17の作製:本発明〕
上記試料14の作製において、高屈折率層11の形成に用いた高屈折率層用塗布液11に代えて、下記の高屈折率層用塗布液14を用いて高屈折率層14を形成した以外は同様にして、10層同時塗布により試料17を作製した。
(高屈折率層用塗布液14の調製)
上記高屈折率層用塗布液11の調製において、ポリビニルアルコール(PVA235クラレ社製)の4.0部を、増粘多糖類であるキトサンの2.0部と、同じく増粘多糖類のローカストビーンガムの2.0部とに変更した以外は同様にして、高屈折率層用塗布液14を調製した。
上記調製した高屈折率層用塗布液14の45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定した結果、η15/η45は、1000であった。
〔試料18の作製:本発明〕
上記試料14の作製において、高屈折率層11の形成に用いた高屈折率層用塗布液11に代えて、下記の高屈折率層用塗布液15を用いて高屈折率層15を形成した以外は同様にして、10層同時塗布により試料18を作製した。
(高屈折率層用塗布液15の調製)
上記高屈折率層用塗布液11の調製において、ポリビニルアルコール(PVA235クラレ社製)の4.0部を、豚皮酸処理ゼラチンの4.0部に変更した以外は同様にして、高屈折率層用塗布液15を調製した。
上記調製した高屈折率層用塗布液15の45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定した結果、η15/η45は、1000であった。
〔試料19の作製:本発明〕
上記試料7の作製において、高屈折率層4の形成に用いた高屈折率層用塗布液4に代えて、下記の高屈折率層用塗布液16を用いて高屈折率層16を形成した以外は同様にして、試料19を作製した。
(高屈折率層用塗布液16の調製)
上記高屈折率層用塗布液4の調製において、ポリビニルアルコール(PVA203クラレ社製)の添加量を1.0部、ポリビニルアルコール(PVA235クラレ社製)の添加量を7.0部に変更した以外は同様にして、高屈折率層用塗布液16を調製した。
上記調製した高屈折率層用塗布液16の45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定した結果、η15/η45は、2518であった。
〔試料20の作製:本発明〕
上記試料7の作製において、高屈折率層4の形成に用いた高屈折率層用塗布液4に代えて、下記の高屈折率層用塗布液17を用いて高屈折率層17を形成した以外は同様にして、試料20を作製した。
(高屈折率層用塗布液17の調製)
上記高屈折率層用塗布液4の調製において、ポリビニルアルコール(PVA203クラレ社製)の添加量を2.0部に変更し、更にポリビニルアルコール(PVA235クラレ社製)に代えて、ポリビニルアルコール(JP−45、重合度:4500、けん化度:86.5〜89.5% 日本酢ビ・ポバール社製)を6.0部添加した以外は同様にして、高屈折率層用塗布液17を調製した。
上記調製した高屈折率層用塗布液17の45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定した結果、η15/η45は、3522であった。
〔試料21の作製:本発明〕
上記試料7の作製において、高屈折率層4の形成に用いた高屈折率層用塗布液4に代えて、下記の高屈折率層用塗布液18を用いて高屈折率層18を形成した以外は同様にして、試料21を作製した。
(高屈折率層用塗布液18の調製)
上記高屈折率層用塗布液4の調製において、ポリビニルアルコール(PVA203クラレ社製)の添加量を1.0部に変更し、更にポリビニルアルコール(PVA235クラレ社製)に代えて、ポリビニルアルコール(JP−45、重合度:4500、けん化度:86.5〜89.5% 日本酢ビ・ポバール社製)を7.0部添加した以外は同様にして、高屈折率層用塗布液18を調製した。
上記調製した高屈折率層用塗布液18の45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定した結果、η15/η45は、4797であった。
〔試料22の作製:本発明〕
上記試料7の作製において、低屈折率層Cの形成に用いた低屈折率層用塗布液Cに代えて、下記の低屈折率層用塗布液Dを用いて低屈折率層Dを形成した以外は同様にして、試料22を作製した。
(低屈折率層用塗布液Dの調製)
ポリビニルアルコール(PVA203クラレ社製)の1.0部を水5部に溶解したポリビニルアルコール溶液に、硝酸でpHを3.5に調整したホウ酸の1.0質量%水溶液とホウ砂の4.0質量%水溶液との1:2の混合液を5部添加したのち、シリカゾル(日本化学社製、シリカドール 20P)の100部と、ポリビニルアルコール(PVA235クラレ社製)の7.0部を水45部に溶解したポリビニルアルコール溶液を添加したのち、純水で250部に仕上げて、低屈折率層用塗布液Dを調製した。
上記調製した低屈折率層用塗布液Dの45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定して求めたη15/η45は、480であった。
〔試料23の作製:本発明〕
上記試料7の作製において、低屈折率層Cの形成に用いた低屈折率層用塗布液Cに代えて、下記の低屈折率層用塗布液Eを用いて低屈折率層Eを形成した以外は同様にして、試料23を作製した。
(低屈折率層用塗布液Eの調製)
ポリビニルアルコール(PVA203クラレ社製)の1.0部を水5部に溶解したポリビニルアルコール溶液に、硝酸でpHを3.5に調整したホウ酸の1.0質量%水溶液とホウ砂の4.0質量%水溶液との1:2の混合液を5部添加したのち、シリカゾル(日本化学社製、シリカドール 20P)の100部と、ポリビニルアルコール(JP−45、重合度:4500、けん化度:86.5〜89.5% 日本酢ビ・ポバール社製)の7.0部を水45部に溶解したポリビニルアルコール溶液を添加したのち、純水で250部に仕上げて、低屈折率層用塗布液Eを調製した。
上記調製した低屈折率層用塗布液Eの45℃における粘度(η45)及び15℃における粘度(η15)をB型粘度計で測定して求めたη15/η45は1024であった。
上記作製した近赤外反射フィルムである試料1〜23の基本的構成を、表1、表2に示す。
〔近赤外反射フィルムの評価〕
下記の方法に従って、上記作製した近赤外反射フィルムの特性値の測定及び性能評価を行った。
(各層の平均屈折率の測定)
基材上に屈折率を測定する各屈折率層を単層で塗設したサンプルを作製し、このサンプルを10cm×10cmに断裁した後、下記の方法に従って屈折率を求めた。
分光光度計として、U−4000型(日立製作所社製)を用いて、各サンプルの測定側の裏面を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)の反射率を25点測定して平均値を求め、その測定結果より平均屈折率を求めた。
(屈折率層の屈折率ムラ耐性(塗膜均一性)の評価)
上記作製した近赤外反射フィルムを10cm×10cmに断裁した後、縦横に2cm間隔で印を付けて、5×5の計25ブロックを形成し、近赤外反射フィルムの正面観察と、斜め45度から観察して、面内での屈折率ムラに起因する干渉ムラ(虹彩ムラ)の有無を観察し、下記の基準に従って面内での屈折率ムラ耐性を評価した。
5:25ブロック全てで、干渉ムラの発生が認められない
4:25ブロック中、1ブロックで弱い干渉ムラの発生が認められる
3:25ブロック中、2〜5ブロックの範囲で干渉ムラの発生が認められる
2:25ブロック中、6〜10ブロックの範囲で干渉ムラの発生が認められる
1:25ブロック中、11ブロック以上で強い干渉ムラの発生が認められる
以上により得られた測定結果、評価結果を、表3に示す。
表3に記載の結果より明らかなように、本発明の近赤外反射フィルムは、比較例に対し、屈折率層の反射ムラ耐性に優れ、塗膜の均一性が高いことが分かる。
実施例2
〔近赤外反射体1の作製〕
実施例1で作製した試料15の近赤外反射フィルムを用いて近赤外反射体1を作製した。厚さ5mm、20cm×20cmの透明アクリル樹脂板上に、試料8の近赤外反射フィルムをアクリル接着剤で接着して、近赤外反射体1を作製した。
〔近赤外反射体2の作製〕
実施例1に記載の試料15の近赤外反射フィルムを用いて近赤外反射体2を作製した。厚さ2mm、20cm×20cmの板ガラスを2枚用意し、試料8の近赤外反射フィルムの両側に、厚さ0.5mmのポリビニルブチラールを配置した積層体を2枚のガラスの間に挟んで加圧加熱処理を行うことで合わせガラスである近赤外反射体2を作製した。
〔評価〕
上記作製した近赤外反射体1、2共に、近赤外反射フィルムの適用を示したものであり、このようなものを製造する際にも、近赤外反射体の大きさにかかわらず、容易に利用可能であり、また、近赤外反射フィルムを利用したため、優れた近赤外反射性を確認することができた。

Claims (8)

  1. 支持体上に高屈折率層と低屈折率層を交互に積層した近赤外反射フィルムの製造方法において、
    隣接する該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差を0.3以上とし、かつ該高屈折率層と低屈折率層が、15℃における粘度をη15とし、45℃における粘度をη45としたときの粘度比(η15/η45)を、いずれも2.0以上となるよう制御した高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液とを用いて形成し、
    前記高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液とを、前記支持体へ塗布前および塗布時に加温し、
    前記高屈折率層塗布液が、金属酸化物微粒子を含有することを特徴とする近赤外反射フィルムの製造方法。
  2. 前記高屈折率層塗布液及び低屈折率層塗布液の前記粘度比(η15/η45)を、100以上とすることを特徴とする請求項1に記載の近赤外反射フィルムの製造方法。
  3. 前記高屈折率層が、金属酸化物微粒子としてルチル型のチタニアゾルを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の近赤外反射フィルムの製造方法。
  4. 前記高屈折率層が、等電点が6.5以下のアミノ酸を含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムの製造方法。
  5. 前記高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液が、いずれも増粘多糖類またはゼラチンを含有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムの製造方法。
  6. 前記支持体に塗布された後の湿潤塗膜を冷却することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に近赤外反射フィルムの製造方法。
  7. 支持体上に高屈折率層と低屈折率層を交互に積層した近赤外反射フィルムの屈折率ムラを抑制する方法において、
    隣接する該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差を0.3以上とし、かつ該高屈折率層と低屈折率層が、15℃における粘度をη15とし、45℃における粘度をη45としたときの粘度比(η15/η45)を、いずれも2.0以上となるよう制御した高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液とを用いて形成し、
    前記高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液とを、前記支持体へ塗布前および塗布時に加温し、
    前記高屈折率層塗布液が、金属酸化物微粒子を含有することを特徴とする、近赤外反射フィルムの屈折率ムラを抑制する方法。
  8. 請求項1から6のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムの製造方法により製造した近赤外反射フィルムまたは請求項7に記載の方法によって抑制された近赤外反射フィルムを、基体の少なくとも一方の面に設けることを特徴とする近赤外反射体の製造方法。
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