JP5630289B2 - 近赤外反射フィルム、その製造方法及び近赤外反射体 - Google Patents
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2.前記高屈折率層が、前記金属酸化物粒子として、体積平均粒径が5nm以上、100nm以下のルチル型酸化チタン粒子を含有する前記1に記載の近赤外反射フィルム。
i)アミド基同士の水素結合形成により、塗布液の粘度が高くなり、塗布時の膜厚安定性が向上する。
本発明の近赤外反射フィルムは、基材上に、高屈折率層と低屈折率層から構成されるユニットを少なくとも1つ積層し、隣接する該高屈折率層と該低屈折率層との屈折率差が0.10以上であることを一つの特徴とする。更には、本発明の近赤外反射フィルムの光学特性として、JIS R3106−1998で示される可視光領域の透過率が50%以上であり、かつ、波長900nm〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有することが好ましい。
本発明では、前記一般式(1)で表される化合物を水溶性高分子と、金属酸化物粒子と、同時に含有する。前記一般式(1)で表される化合物は、1種の化合物として含有されてよく、少なくとも2種以上の混合物として含有されてもよい。本発明では、少なくとも一般式(1)に該当する2種以上の化合物が含有されていることが望ましい。
本発明に係る高屈折率層に用いられる金属酸化物粒子としては、屈折率が2.0以上で、体積平均粒径が100nm以下の金属酸化物粒子を用いることが好ましく、例えば、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン等を挙げることができるが、特に、ルチル型酸化チタン粒子を用いることが好ましい。
一般的に、酸化チタン粒子は、粒子表面の光触媒活性の抑制や、溶媒等への分散性を向上する目的で、表面処理が施された状態で使用されることが多く、例えば、酸化チタン粒子表面をシリカからなる被覆層で覆われ、粒子表面が負電荷を帯びたものや、アルミニウム酸化物からなる被覆層が形成されたpH8〜10で表面が正電荷を帯びたものが知られている。
〈ルチル型酸化チタンゾルの製造方法〉
本発明においては、近赤外反射フィルムを製造する方法として、水系高屈折率層塗布液を調製する際に、ルチル型酸化チタンとして、pHが1.0以上、3.0以下で、かつチタン粒子のゼータ電位が正である水系の酸化チタンゾルを用いることが好ましい。
本発明に係る水溶性高分子は、ゼラチン、コラーゲンペプチド、セルロース類、増粘多糖類及び反応性官能基を有するポリマー類等を挙げることができる。好ましくは、ゼラチン、コラーゲンペプチドである。以下にこれらの水溶性高分子について説明する。
本発明に適用可能なゼラチンとしては、従来、ハロゲン化銀写真感光材料分野で広く用いられてきた各種ゼラチンを適用することができ、例えば、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンの他に、ゼラチンの製造過程で酵素処理をする酵素処理ゼラチン及びゼラチン誘導体、すなわち分子中に官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基を持ち、それと反応して得る基を持った試薬で処理し改質したものでもよい。ゼラチンの一般的製造法に関しては良く知られており、例えばT.H.James:The Theory of Photographic Process 4th. ed. 1977(Macmillan)55項、科学写真便覧(上)72〜75項(丸善)、写真工学の基礎−銀塩写真編119〜124(コロナ社)等の記載を参考にすることができる。また、リサーチ・ディスクロージャー誌第176巻、No.17643(1978年12月)のIX項に記載されているゼラチンを挙げることができる。
本発明のゼラチンを金属酸化物粒子と共に用いる場合は、金属酸化物の塗布液中での分散破壊による塗布ムラや、塗膜形成後の塗膜の白濁を防止する観点から、低分子量ゼラチンの適用が好ましく、金属酸化物粒子を含む層と同じ層への適用がさらに好ましい。
本発明においては、少なくとも高屈率層が、重量平均分子量が10万以上の高分子量ゼラチンを含有することが望ましい。高分子量ゼラチンの重量平均分子量は、特に、10万以上、20万以下の範囲にあることが好ましい。
2本直列接続 カラム温度50℃
b)溶離液:0.1モル/L KH2PO4と0.1モル/L Na2HPO4との等量混合溶液
pH6.8 流速1.0ml/min
c)試料:ゼラチンの0.2%溶離液溶液
注入量 100μl
d)検出:紫外線吸収分光光度計(UV波長230nm)
リテンションタイム(Retention Time)による230nmの吸収の変化をみると、先ず排除限界のピークが現れ、次にゼラチンのγ成分、β成分、α成分によるピークが順次現れ、更にリテンションタイムが長くなるにつれて、徐々に減衰するような形となる。標準サンプルにて校正した流出曲線のリテンションタイム(Retention Time)から分子量を求めることができる。
本発明に係る高屈折率層塗布液及び低屈折率層塗布液には、高屈折率層又は低屈折率層を形成した後に、ゼラチン塗膜を硬化するため、必要に応じて硬化剤を添加することもできる。
本発明で用いることのできるセルロース類としては、水溶性のセルロース誘導体が好ましく用いることができ、例えば、カルボキシメチルセルロース(セルロースカルボキシメチルエーテル)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性セルロース誘導体や、カルボン酸基含有セルロース類であるカルボキシメチルセルロース(セルロースカルボキシメチルエーテル)、カルボキシエチルセルロース等を挙げることができる。
本発明で用いることのできる増粘多糖類としては、特に制限はなく、例えば、一般に知られている天然単純多糖類、天然複合多糖類、合成単純多糖類及び合成複合多糖類に挙げることができ、これら多糖類の詳細については、「生化学事典(第2版),東京化学同人出版」、「食品工業」第31巻(1988)21頁等を参照することができる。
本発明に適用可能な水溶性高分子としては、反応性官能基を有するポリマー類が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に好ましい例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン類及びそれを含有する共重合体が挙げられる。
本発明に係る高屈折率層においては、1)重量平均分子量が3万以下である低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチドと、2)重量平均分子量が10万以上の高分子量ゼラチンとを含有することが好ましい。本発明において、高屈折率層中における低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチドの含有量としては、高屈折率層全質量の10質量%以上、50質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは、15質量%以上、30質量%以下である。また、高屈折率層中における高分子量ゼラチンの含有量としては、高屈折率層全質量の10質量%以上、50質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは、20質量%以上、40質量%以下である。
本発明では、前述の高屈折率層よりも屈折率が少なくとも0.10以上低い低屈折率層を有する。低屈折率層は、屈折率が1.6以下であることが好ましい。さらには、1.30〜1.50である。
本発明に係る高屈折率層、低屈折率層には、必要に応じて各種添加剤を用いることができる。
本発明でいうアミノ酸とは、同一分子内にアミノ基とカルボキシル基を有する化合物であり、α−、β−、γ−などいずれのタイプのアミノ酸でもよいが、等電点が6.5以下のアミノ酸であることを特徴とする。アミノ酸には光学異性体が存在するものもあるが、本発明においては光学異性体による効果の差はなく、いずれの異性体も単独であるいはラセミ体でも使用することができる。
本発明においては、本発明に係る高屈折率層または前記低屈折率層が、更にエマルジョン樹脂を含有することが好ましい。
本発明に係る高屈折率層と低屈折率層に適用可能な各種の添加剤を以下に列挙する。例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
本発明の近赤外反射フィルムに適用する基材としては、フィルム支持体であることが好ましく、フィルム支持体は、透明であっても不透明であってもよく、種々の樹脂フィルムを用いることができ、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム(以降ポリエステルと称す)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
本発明の近赤外反射フィルムの製造方法においては、基材上に、高屈折率層と低屈折率層とから構成されるユニットを少なくとも1つ形成し、隣接する該高屈折率層と該低屈折率層との屈折率差が0.10以上とし、該高屈折率層が、1)重量平均分子量が3万以下である低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチドと、2)重量平均分子量が10万以上の高分子量ゼラチンと、3)金属酸化物粒子とを含有する高屈折率層形成用の塗布液を用いて形成することを特徴とし、更には、高屈折率層形成用の塗布液が、3)金属酸化物粒子の表面を、1)重量平均分子量が3万以下である低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチドで被覆した後に、2)重量平均分子量が10万以上の高分子量ゼラチンを添加する調製方法で調製することが好ましい。
本発明の近赤外反射フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等長期間太陽光に晒らされる設備に貼り合せ、熱線反射効果を付与する熱線反射フィルム等の窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる。
《近赤外反射フィルムの作製》
〔試料1の作製〕
下記組成物をボールミルにて48時間分散させ、ルチル型酸化チタン粒子の分散液を作製した。
界面活性剤(ジオクチルスルホサクネート) 2質量部
トルエン 58質量部
得られた分散液に熱硬化型シリコーン樹脂60体積%と酸化チタニウム分散液40体積%になるように配合した、酸化チタン含有高屈折率層塗布液1を得た。該塗布液を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥膜厚が135nmとなる条件で、ワイヤーバーを用いて塗布し、次いで、80℃の温風を吹き付けて乾燥させ、次いで、90℃×20分で熱硬化させて、酸化チタン含有高屈折率層1を形成した。
下記組成物をボールミルにて4時間分散させ、分散粒子径がD50で20nmの酸化チタンの分散液を作製した。
ピリジン 3質量部
エチルシリケート(コルコート製、有効成分30質量%) 5質量部
ルチル型酸化チタン粒子(平均一次粒子径15nm) 10質量部
得られた分散液に、紫外線硬化バインダー(信越化学工業製 X−12−2400、有効成分30質量%)1.5質量部、触媒(信越化学工業製DX−2400)0.15質量部配合し、ボールミルにて1時間分散させ、分散粒子径がD50で16nmの酸化チタン含有高屈折率層塗布液2を得た。該塗布液を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥膜厚が135nmとなる条件で、ワイヤーバーを用いて塗布し、100℃乾燥後、紫外線を照射し、硬化させ、酸化チタン含有高屈折率層2を形成した。
(高屈折率層塗布液1の調製)
下記の添加物1)〜5)をこの順序で添加、混合して、高屈折率層塗布液1を調製した。
2)5.0質量%低分子量ゼラチン(GelL1)水溶液 125g
3)5.0質量%高分子量ゼラチン(GelH1)水溶液 100g
4)純水 150g
5)5.0質量%界面活性剤水溶液(コータミン24P、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤、花王社製) 0.45g
GelL1はアルカリ処理により加水分解を施した重量平均分子量が2万の低分子量ゼラチンであり、GelH1は重量平均分子量が13万の酸処理ゼラチン(高分子量ゼラチン)である。
下記の添加物1)〜5)をこの順序で添加、混合して、低屈折率層塗布液1を調製した。
2)5.0質量%低分子量ゼラチン(GelL1)水溶液 180g
3)5.0質量%高分子量ゼラチン(GelH1)水溶液 100g
4)純水 240g
5)5.0質量%界面活性剤水溶液(コータミン24P、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤、花王社製) 0.64g
GelL1はアルカリ処理により加水分解を施した重量平均分子量が2万の低分子量ゼラチンであり、GelH1は重量平均分子量が13万の酸処理ゼラチン(高分子量ゼラチン)である。
上記調製した高屈折率層塗布液1、低屈折率層塗布液1をそれぞれ45℃に保温しながら、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥膜厚がそれぞれ150nm、高屈折率層塗布液1と低屈折率層塗布液1が交互に並ぶ様、スライドホッパーを用いて塗布し、次いで、膜面が15℃以下となる条件で冷風を1分間吹き付けてセットさせた後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させてそれぞれ12層の高屈折率層及び低屈折率層(合計24層)から構成された近赤外反射フィルムである試料3を作製した。
上記試料3の作製において、高屈折率層塗布液1及び低屈折率層塗布液1の高分子ゼラチンを除き、低分子ゼラチンの代わりにPVAを用いた以外は同様にして、試料4を作製した。
上記試料4の作製において、PVAの代わりに多糖類を用いた以外は同様にして試料5を作製した。
上記試料3の作製において、高屈折率層塗布液1の酸化チタンを酸化ジルコニウム(一次粒子径15nm)に変更した以外は同様にして、試料6を作製した。
上記試料3の作製において、高屈折率層塗布液1の調液パターンAの4)純水の代わりに一般式(1)(n=3〜30、X=Cl)の化合物を、2.3質量%含む水溶液に変更した以外は同様にして、試料7を作製した。
上記試料3の作製において、低屈折率層塗布液1の調液パターンAの4)純水の代わりに一般式(1)(n=3〜30、X=Cl)の化合物を、2.3質量%含む水溶液に変更した以外は同様にして、試料8を作製した。
上記試料3の作製において、高屈折率層塗布液1の調液パターンAの4)純水、及び、低屈折率層塗布液1の調液パターンAの4)純水の代わりに、それぞれ一般式(1)(n=3〜30、X=Cl)の化合物を、2.3質量%含む水溶液に変更した以外は同様にして、試料9を作製した。
上記試料9の作製において、高屈折率層塗布液1の酸化チタンを酸化ジルコニウム(一次粒子径15nm)に変更した以外は同様にして、試料10を作製した。
上記試料4の作製において、高屈折率層塗布液1の調液パターンAの4)純水、及び、低屈折率層塗布液1の調液パターンAの4)純水の代わりに、それぞれ一般式(1)(n=3〜30、X=Cl)の化合物を、2.3質量%含む水溶液に変更した以外は同様にして、試料11を作製した。
上記試料5の作製において、高屈折率層塗布液1の調液パターンAの4)純水、及び、低屈折率層塗布液1の調液パターンAの4)純水の代わりに、それぞれ一般式(1)(n=3〜30、X=Cl)の化合物を、2.3質量%含む水溶液に変更した以外は同様にして、試料12を作製した。
上記試料9の作製において、一般式(1)(n=3〜30、X=Cl)の化合物を、一般式(1)(n=3〜20、X=Cl)に変更した以外は同様にして、試料13を作製した。
上記試料13の作製において、一般式(1)(n=3〜20、X=Cl)の化合物の含有量を0.1質量%に変更した以外は同様にして、試料14を作製した。
上記試料14の作製において、低屈折率層塗布液の低分子ゼラチン、高分子ゼラチンをそれぞれPVAに変更した以外は同様にして、試料15を作製した。
上記試料14の作製において、一般式(1)(n=3〜20、X=Cl)を一般式(1)(n=3〜20、X=BF4)に変更した以外は同様にして、試料16を作製した。
上記試料14の作製において、一般式(1)(n=3〜20、X=Cl)を一般式(1)(n=3〜20、X=CF3SO3)に変更した以外は同様にして、試料17を作製した。
PVA:ポリビニルアルコール235(クラレ社製)
《近赤外反射フィルムの評価》
上記作製した各近赤外反射フィルムについて、下記の特性値の測定及び性能評価を行った。
基材上に屈折率を測定する対象層(高屈折率層、低屈折率層)をそれぞれ単層で塗設したサンプルを作製し、下記の方法に従って、各高屈折率層及び低屈折率層の屈折率を求めた。
上記分光光度計(積分球使用、日立製作所社製、U−4000型)を用い、各近赤外反射フィルムの300nm〜2000nmの領域における透過率を測定した。可視光透過率は550nmにおける透過率の値を、近赤外透過率は1200nmにおける透過率の値を用いた。
分光光度計(積分球使用、日立製作所社製、U−4000型)を用い、各近赤外反射フィルムの300nm〜2500nmの領域における5nmおきの透過率・反射率を測定した。次にJIS R3106に記載の方法に従い、該測定値と日射反射重価係数との演算処理を行って日射反射率、日射透過率を求め、さらに日射熱取得率(Tts)を求めた。
上記作製した各近赤外反射フィルムについて、JIS K5600−5−1に準拠した屈曲試験法に基づき、屈曲試験機タイプ1(井元製作所社製、型式IMC−AOF2、マンドレル径φ20mm)を用いて、1000回の屈曲試験を行った後、近赤外反射フィルム表面を目視観察し、下記の基準に従って柔軟性を評価した。
○:近赤外反射フィルム表面に、僅かに折り曲げ跡が観察される
△:近赤外反射フィルム表面に、微小なひび割れが僅かに観察される
×:近赤外反射フィルム表面に、明らかなひび割れが多数発生している
以上により得られた測定結果、評価結果を、表1に示す。
〔近赤外反射体1〜17の作製〕
実施例1で作製した試料1〜17の近赤外反射フィルムを用いて近赤外反射体1〜17を作製した。厚さ5mm、20cm×20cmの透明アクリル樹脂板上に、試料1〜17の近赤外反射フィルムをそれぞれアクリル接着剤で接着して、近赤外反射体1〜17を作製した。
上記作製した本発明の近赤外反射体7〜17は、近赤外反射体のサイズが大きいにもかかわらず、容易に利用可能であり、また、本発明の近赤外反射フィルムを利用することで、優れた近赤外反射性を確認することができた。
Claims (5)
- 基材上に、高屈折率層と低屈折率層とから構成されるユニットを少なくとも1つ有し、かつ、隣接する該高屈折率層と該低屈折率層との屈折率差が0.10以上、1.40以下である近赤外反射フィルムであって、
少なくとも該高屈折率層の1層が、
水溶性高分子と、金属酸化物粒子と、下記一般式(1)で表される化合物とを含み、
前記金属酸化物粒子の体積平均粒径が100nm以下であることを特徴とする近赤外反射フィルム。
- 前記高屈折率層が、前記金属酸化物粒子として、体積平均粒径が5nm以上、100nm以下のルチル型酸化チタン粒子を含有する請求項1に記載の近赤外反射フィルム。
- 前記水溶性高分子がゼラチン、ポリビニルアルコール、増粘多糖類の少なくとも1種である請求項1または2に記載の近赤外反射フィルム。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムの少なくとも高屈折率層の1層を、水溶性高分子と、体積平均粒径が100nm以下の金属酸化物粒子と、上記一般式(1)で表される化合物とを含有する塗布液を用いて形成する近赤外反射フィルムの製造方法。
- 基体の少なくとも一方の面側に、請求項1から3のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムを有する近赤外反射体。
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