JP5672141B2 - 近赤外反射フィルム、および近赤外反射体 - Google Patents

近赤外反射フィルム、および近赤外反射体 Download PDF

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本発明は、塗布液を長期貯蔵しても塗布故障の発生が少なく、低ヘイズで、近赤外反射性、可視光透過性、および柔軟性に優れた近赤外反射フィルム、および近赤外反射フィルムを設けた近赤外反射体に関するものである。
近年、省エネルギー対策に対する関心の高まりにより、冷房設備にかかる負荷を減らす観点から、建物や車両の窓ガラスに装着させて、太陽光の熱線の透過を遮断する近赤外反射フィルムの要望が高まってきている。
近赤外反射フィルムの形成方法としては、主には、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層させた構成からなる積層膜を、蒸着法、スパッタ法などのドライ製膜法を用いて形成する方法が提案されている。しかし、ドライ製膜法は、形成に用いる真空装置等が大型になり、製造コストが高く、大面積化が困難であり、しかも、基材として耐熱性素材に限定される等の課題を抱えている。
上記のような課題を有しているドライ製膜法に代えて、湿式塗布法を用いて近赤外反射フィルムを形成する方法が知られている。
例えば、金属酸化物や金属化合物微粒子を含む熱硬化型シリコーン樹脂や紫外線硬化型アクリル樹脂を有機溶媒中に分散させた高屈折率層塗布液を、バーコーターを用いた湿式塗布方式により基材上に塗布して透明積層体を形成する方法(例えば、特許文献1参照)や、ルチル型の酸化チタン、複素環系窒素化合物(例えば、ピリジン)、紫外線硬化型バインダーおよび有機溶剤から構成される高屈折率塗膜形成用組成物を、バーコーターを用いた湿式塗布方式により基材上に塗布して透明積層体を形成する方法(例えば、特許文献2参照)が開示されている。
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示されている方法では、高屈折率層形成用塗布液の媒体が、主には、有機溶剤により形成されているため、高屈折率層形成および乾燥時に、多量の有機溶剤を飛散させることになり、環境上の課題がある。更に、上記開示されている方法では、バインダーとして紫外線硬化型バインダーや熱硬化型バインダーを用いて、高屈折率層を形成した後、紫外線あるいは熱により硬化するため、柔軟性に乏しい塗膜物性となっている。
有機溶剤系ではなく、水系の屈折率形成用塗布液を用いた重層塗布により、製造コストが安く、大面積化が可能であり、柔軟性があり、近赤外反射性に優れ、可視光透過率が高い近赤外反射フィルムおよびその近赤外反射フィルムを設けた近赤外反射体も考えられる。しかしながら、液の長期保存性とヘイズ、光学特性の両立が十分でなく、実用化には至っていない。
水性の塗布液の長期保存性を向上させるため、防黴剤を用いる例が知られている(例えば、特許文献3を参照)。特許文献3にはアルコキシシラン化合物、防黴剤を含む水性有機珪素組成物が開示されている。
特開平8−110401号公報 特開2004−123766号公報 特開平6−128055号公報
しかしながら、上記特許文献3の構成では、塗膜の柔軟性および塗膜のヘイズが十分ではないことが判明した。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、製造コストが安く、大面積化が可能であり、塗布液を長期貯蔵しても塗布故障の発生が少なく、低ヘイズで、近赤外反射性、可視光透過性、および柔軟性に優れた近赤外反射フィルムならびにその近赤外反射フィルムを設けた近赤外反射体を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.基材上に高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層したユニットを少なくとも1つ含む近赤外反射フィルムにおいて、前記ユニット中の少なくとも1層が、金属酸化物粒子と、ゼラチン類またはポリビニルアルコールと、防菌または防黴剤と、を含む近赤外反射フィルム。
2. 前記防菌または防黴剤が、下記一般式(1)〜(4);
〔式中、Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、−CONR(R10)、またはCSNR(R10)を表し、R、Rは独立して水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、複素環基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホキシ基、アルキルスルホニル基、またはハロゲン原子を表す。R、R10は独立して水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す。〕
〔式中、Rは水素原子またはアルキル基を表し、Xはハロゲン原子、アルキル基、またはアルコキシ基を表し、nは0〜4の整数を表す。〕
〔式中、Rは水素原子、アルキル基、またはヒドロキシメチル基を表し、Rは水素原子、またはアルキル基を表す。〕
〔式中、R,Rは独立して水素原子、またはアルキル基を表し、Zは飽和5員環または飽和6員環を形成するための原子群を表し、かつ環の中に少なくとも1種のY−C−NOを含む。Yはハロゲン原子を表す。〕;
で表される化合物およびポリリジンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、1.に記載の近赤反射フィルム。
3.前記防菌または防黴剤が、前記一般式(1)で表される化合物である、2.に記載の近赤外反射フィルム。
4.前記防菌または防黴剤を含有する層が低屈折率層である、1.〜3.のいずれか1に記載の近赤外反射フィルム。
5.前記高屈折率層および前記低屈折率層の少なくとも1層が増粘多糖類を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
6.前記ユニットを積層させた全塗膜の膜面pHが0.5以上、6.0以下である、1.〜5.のいずれか1に記載の近赤外反射フィルム。
7.上記1.〜6.のいずれか1に記載の近赤外反射フィルムが基体の少なくとも一方の面に設けられた近赤外反射体。
本発明により、製造コストが安く、大面積化が可能であり、塗布液を長期貯蔵しても塗布故障の発生が少なく、低ヘイズで、近赤外反射性、可視光透過性および柔軟性に優れた近赤外反射フィルムならびにその近赤外反射フィルムを設けた近赤外反射体を提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明は、近赤外反射フィルムの高屈折率層および低屈折率層の少なくとも1層を、金属酸化物粒子と、ゼラチン類またはポリビニルアルコール類と、防菌または防黴剤と、を含有する水系の屈折率形成用塗布液を用いて形成することにより、上記効果を有する近赤外反射フィルムを得ることができることを見出したものである。
上記構成とすることにより、上記効果が得られるメカニズムは以下と推定される。
一般に防菌または防黴剤を水性用液に含有させるとその防菌または防黴作用により塗布液中の異物の生成が減少して、塗布の際の異物による故障が低減される。水系溶液で用いられる防菌または防黴剤の多くは化学構造中に、水溶性を付与するための極性基を有している化合物が多い。一方、金属酸化物の表面帯電が金属酸化物の分散安定性に寄与していることが知られている。しかしながら、防菌または防黴剤の極性基は金属酸化物の表面と相互作用して、帯電バランスを変化させるため、金属酸化物の凝集を生じやすく、結果、塗膜形成時にヘイズの劣化を招く。金属酸化物を防菌または防黴剤と別層で添加しても、防菌または防黴剤が該金属酸化物を含む層に拡散して同じく塗膜のヘイズの劣化を招く。本発明の構成のゼラチン類またはポリビニルアルコール類が、防菌または防黴剤と金属酸化物表面との間に介在することにより、帯電バランスを不安定化させる相互作用が軽減され、金属酸化物の凝集に伴うヘイズの上昇を抑制できたものと推定される。また、金属酸化物の凝集を抑制することにより、近赤外反射性や可視光透過性も向上すると考えられる。一方、ゼラチン類またはポリビニルアルコール類が存在することにより、防菌または防黴剤も安定に存在することができ、塗布故障が低減し、柔軟性も向上すると考えられる。
以上から、本発明の構成を用いることで、塗布故障の発生、低ヘイズ、近赤外反射性、可視光透過性および柔軟性を両立できたものと推定している。
以下、本発明の近赤外反射フィルムの構成要素、および本発明を実施するための形態等について詳細な説明をする。
[近赤外反射フィルム]
本発明の近赤外反射フィルムは、基材と、高屈折率層と低屈折率層とから構成されるユニットの少なくとも1つと、を含む。
一般に、近赤外反射フィルムにおいては、高屈折率層と低屈折率層との屈折率の差を大きく設計することが、少ない層数で赤外反射率を高くすることができる観点で好ましい。本発明では、高屈折率層および低屈折率層から構成されるユニットの少なくとも1つにおいて、隣接する高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が0.1以上であることが好ましく、より好ましくは0.3以上であり、更に好ましくは0.35以上であり、特に好ましくは0.4以上である。近赤外反射フィルムが高屈折率層および低屈折率層のユニットを複数有する場合には、全てのユニットにおける高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が上記好適な範囲内にあることが好ましい。ただし、最表層や最下層に関しては、上記好適な範囲外の構成であっても良い。
特定波長領域の反射率は、隣接する2層の屈折率差と積層数で決まり、屈折率の差が大きいほど、少ない層数で同じ反射率を得られる。この屈折率差と必要な層数については、市販の光学設計ソフトを用いて計算することができる。例えば、赤外反射率90%以上を得るためには、屈折率差が0.1より小さいと、200層以上の積層が必要になり、生産性が低下するだけでなく、積層界面での散乱が大きくなり、透明性が低下し、また故障なく製造することも非常に困難になる。反射率の向上と層数を少なくする観点からは、屈折率差に上限はないが、実質的には1.4程度が限界である。
更には、本発明の近赤外反射フィルムの光学特性として、JIS R3106−1998で示される可視光領域の透過率が50%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは85%以上であることが好ましく、また、波長900nm〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有することが好ましい。
次いで、本発明の近赤外反射フィルムにおける高屈折率層および低屈折率層の基本的な構成概要について説明する。
本発明の近赤外反射フィルムにおいては、基材上に、高屈折率層と低屈折率層とから構成されるユニットを少なくとも1つ含む構成であればよい。好ましい高屈折率層および低屈折率層の層数としては、上記の観点から、総層数の範囲としては、100層以下、すなわち50ユニット以下であり、より好ましくは40層(20ユニット)以下であり、さらに好ましくは20層(10ユニット)以下である。
本発明の近赤外反射フィルムの全体の厚みは、好ましくは12μm〜315μm、より好ましくは15μm〜200μm、さらに好ましくは20μm〜100μmである。
近赤外フィルムにおいて、好ましい膜面pHは、0.5以上6.0以下である。
金属酸化物のゼータ電位は低pH側でプラスチャージで安定であること、および防菌または防黴剤が有する解離性プロトンの解離平衡定数(pKa)は高pH側にあり、低pH側でこれらのpKaを跨ぐことがなく安定であることの2つの理由から、金属酸化物および防菌または防黴剤のいずれも低pH側で安定であり、金属酸化物と、防菌または防黴剤との相互作用が緩和されるものと推定される。このため、膜面pHが上記範囲内にあると、金属酸化物表面の帯電バランスがよく、金属酸化物の凝集物の生成が少ないため、塗膜のヘイズの劣化を抑制することができると考えられる。
可視光透過率がより向上するため、膜面pHが0.5以上5.0以下であることがより好ましい。膜の酸性度が適当で、耐久試験を行った場合にも強固な膜が得られることから、さらに好ましい膜面pHは、1.0以上、5.0以下であり、特に好ましくは3.5以上、5.0以下である。
なお、膜面pHは、例えば、以下の方法で測定できる。東亜電波工業社のデジタルpHメーターHM−18Bを使用し、pHメーターを標準化したのち、マイクロピペットで蒸留水を50μl測り取り、測定すべき近赤外反射フィルムの屈折率層ユニットの形成面に滴下し、該水滴に対し垂直にpHメーターの測定電極を下ろして膜面に設置し、30秒後の測定値を読み取り、これを膜面pHと規定できる。
本発明の膜面pHは、塗布液に、塩酸、硝酸、弗酸、炭酸、および酢酸など、炭素数が10以下の低級脂肪酸等の酸、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリを適宜添加することにより調整することができる。
本発明においては、ユニット中の少なくとも1層が、金属酸化物粒子、ゼラチン類またはポリビニルアルコール類、および防菌または防黴剤を含む。以下、各成分について詳述する。
[防菌または防黴剤]
本発明においては、ユニットを構成する高屈折率層または低屈折率層の少なくとも1層が、水性塗布液の防菌または防黴を目的として、防菌または防黴剤(以下、防菌剤類とも称する)を含む。
この際、防菌剤類は、高屈折率層および低屈折率層のいずれに含まれていてもよいが、ヘイズ値が低減し、膜の透明性が向上するので、少なくとも低屈折率層に防菌剤類が含まれることが好ましい。低屈折率層に防菌剤類を含ませても、金属粒子との相互作用が少なく、金属酸化物粒子の分散が阻害されにくいためであると考えられる。
防菌または防黴剤の好ましい添加量の総量は、特に制限はないが、用いる塗布液容量に対して、各々1〜10000ppm(質量/質量)の範囲が好ましい。さらに、10〜2000ppmが好ましく、特に好ましくは30〜500ppmの範囲で用いることである。最終的な屈折率層中での防菌または防黴剤の含有量は、100〜2000ppm(質量/質量)であることが好ましく、600〜1000ppm(質量/質量)であることがより好ましい。
本発明の防菌または防黴剤としては、防菌または防黴作用を示す化合物であれば特に制限はなく用いることができる。例えば、チアゾリルベンゾイミダゾール系化合物、イソチアゾリン系化合物(例えば、イソチアゾリン−3−オンであるイソチアゾロン系化合物)、クロロフェノール系化合物、ブロモフェノール系化合物、チオシアン酸やイソチオシアン酸系化合物、酸アジド系化合物、ダイアジンやトリアジン系化合物、チオ尿素系化合物、アルキルグアニジン化合物、4級アンモニウム塩、有機錫や有機亜鉛化合物、シクロヘキシルフェノール系化合物、イミダゾールおよびベンゾイミダゾール系化合物、スルファミド系化合物、塩素化イソシアヌル酸ナトリウム等の活性ハロゲン系化合物、キレート剤、亜硫酸化合物、ペニシリンに代表される抗生物質等、種々の防菌剤や防黴剤がある。又、その他L.E.West,“Water Quality Criteria”Phot.Sci.and Eng.,Vol.9,No.6(1965)に記載の殺菌剤;特開昭57−8542号、同58−105145号、同59−126533号、同55−111942号および同57−157244号に記載の各種防黴剤;「防菌防黴の化学」堀口博著・三共出版(昭57)、「防菌防黴技術ハンドブック」日本防菌防黴学会・技報堂(昭61)に記載されている様な化合物等を用いることができる。
さらには、例えば、フェノール、チモール、トリクロルフェノール、テトラクロルフェノール、ペンタクロルフェノール、クレゾール、p−クロロ−m−クレゾール、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール(4−クロロメタキシレノール)、o−フェニル−フェノール、ベンジルフェノール、2−ベンジル−4−クロロフェノール、クロロフェン、ジクロロフェン、ブロモクロロフェン、2,2−ジヒドロキシ−5,5−ジクロロジフェニルモノスルフィド、2,4,4−トリクロロ−2−ヒドロキシジブエニルエーテル、3,4,5−トリブロモサリチルアニリドのような芳香族ヒドロキシ化合物またはその塩;ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、クロルアセトアルデヒド、グルタールアルデヒド、クロルアセトアミド、メチロールクロルアセトアミドのようなカルボニル基を有する化合物;安息香酸、モノブロム酢酸エステル、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、ソルビン酸のようなカルボン酸またはそのエステル;ヘキサメチレンテトラミン、アルキルグアニジン、ニトロメチルベンジルエチレンジアミンのようなアミン類;テトラメチルチウラムジスルフィドのようなジスルフィド類;2−メルカプトベンズチアゾール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−メトキシカルボニルアミノベンズイミダゾールのような含窒素複素環化合物;フェニル酢酸水銀、フェニルプロピオン酸水銀、フェニルオレイン酸水銀のような有機水銀化合物;ネオマイシン、カナマイシン、ポリマイシン、ストレプトマイシン、フラマイシンなどの抗生物質が知られている。
本発明の防菌または防黴剤としては、次の一般式(1)〜(4)の化合物またはポリリジン化合物を好ましく用いることができる。これらの化合物を屈折率層に含有させると、金属酸化物粒子との相互作用による分散破壊が生じにくく、塗膜の透明性が良好となる点で好適である。
〔式中、Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、−CONR(R10)、またはCSNR(R10)を表し、R、Rは独立して水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、複素環基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホキシ基、アルキルスルホニル基、またはハロゲン原子を表す。R、R10は独立して水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す。〕
〔式中、Rは水素原子またはアルキル基を表し、Xはハロゲン原子、アルキル基、またはアルコキシ基を表し、nは0〜4の整数を表す。〕
〔式中、Rは水素原子、アルキル基、またはヒドロキシメチル基を表し、Rは水素原子、またはアルキル基を表す。〕
〔式中、R,Rは独立して水素原子、またはアルキル基を表し、Zは飽和5員環または飽和6員環を形成するための原子群を表し、かつ環の中に少なくとも1つのY−C−NOを含む。Yはハロゲン原子を表す。〕
一般式(1)で表される化合物について説明する。一般式(1)において、Rは水素原子;直鎖または分岐鎖の、置換または未置換の、好ましくは炭素数1〜20の、より好ましくは炭素数1〜18のアルキル基;置換または未置換の、好ましくは炭素数3〜20、より好ましくは炭素数3〜8の環状アルキル基;置換または未置換の、好ましくは炭素数1〜20の、より好ましくは炭素数1〜18のアルケニル基(例えばアリル、メチルアリル);置換または未置換の、好ましくは炭素数7〜30のアラルキル基(例えばベンジル、p−メトキシベンジル、o−クロロベンジル、p−iso−プロピルベンジル、1−メチルベンジル、m−アセトアミドベンジル);置換または未置換の、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜12のアリール基;好ましくは炭素数2〜30の複素環基;―CONR(R10)、またはCSNR(R10)を表す。
上記未置換のアルキル基としてより具体的な例は、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、iso−アミル、tert−ペンチル、ネオペンチル、n−へキシル、3−メチルペンタン−2−イル、3−メチルペンタン−3−イル、4−メチルペンチル、4−メチルペンタン−2−イル、1,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブタン−2−イル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、1−エチルペンチル、1−(n−プロピル)ブチル、1,1−ジメチルペンチル、1,4−ジメチルペンチル、1,1−ジエチルプロピル、1,3,3−トリメチルブチル、1−エチル−2,2−ジメチルプロピル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、2−メチルヘキサン−2−イル、2,4−ジメチルペンタン−3−イル、1,1−ジメチルペンタン−1−イル、2,2−ジメチルヘキサン−3−イル、2,3−ジメチルヘキサン−2−イル、2,5−ジメチルヘキサン−2−イル、2,5−ジメチルヘキサン−3−イル、3,4−ジメチルヘキサン−3−イル、3,5−ジメチルヘキサン−3−イル、1−メチルヘプチル、2−メチルヘプチル、5−メチルヘプチル、2−メチルヘプタン−2−イル、3−メチルヘプタン−3−イル、4−メチルヘプタン−3−イル、4−メチルヘプタン−4−イル、1−エチルヘキシル、2−エチルヘキシル、1−プロピルペンチル、2−プロピルペンチル、1,1−ジメチルヘキシル、1,4−ジメチルヘキシル、1,5−ジメチルヘキシル、1−エチル−1−メチルペンチル、1−エチル−4−メチルペンチル、1,1,4−トリメチルペンチル、2,4,4−トリメチルペンチル、1−イソプロピル−1,2−ジメチルプロピル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、n−ノニル、1−メチルオクチル、6−メチルオクチル、1−エチルヘプチル、1−(n−ブチル)ペンチル、4−メチル−1−(n−プロピル)ペンチル、1,5,5−トリメチルヘキシル、1,1,5−トリメチルヘキシル、2−メチルオクタン−3−イル、n−デシル、1−メチルノニル、1−エチルオクチル、1−(n−ブチル)ヘキシル、1,1−ジメチルオクチル、3,7−ジメチルオクチル、n−ウンデシル、1−メチルデシル、1−エチルノニル、n−ドデシル基、1−メチルウンデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、1−メチルトリデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、またはn−エイコシル等が挙げられる。置換基を有するアルキル基としてより具体的な例は、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−カルボキシエチル、2−シアノエチル、スルホブチル、N,N−ジメチルアミノエチル等が挙げられる。アルキル基の中でも、炭素数1〜18の直鎖または分岐の未置換のアルキル基、N,N−ジメチルアミノで置換された炭素数1〜18、より好ましくは1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜18、より好ましくは1〜6の直鎖または分岐のアルキル基が好ましい。
上記未置換の環状アルキル基としてより具体的な例は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル、シクロトリデシル、シクロテトラデシル、シクロペンタデシル、シクロヘキサデシル、シクロヘプタデシル、シクロオクタデシル、シクロノナデシル、シクロエイコシル等が挙げられる。置換基を有する環状アルキル基としてより具体的な例は、3−メチルシクロヘキシル、2−オキソシクロペンチル等が挙げられる。中でも、シクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、2−オキソシクロペンチルが好ましく、シクロヘキシルがより好ましい。
上記未置換のアリール基としてより具体的な例は、例えば、フェニル、ペンタレニル、インデニル、1−ナフチル、2−ナフチル、テトラヒドロナフチル、アズレニル、ヘプタレニル、オクタレニル、as−インダセニル、s−インダセニル、ビフェニレニル、アセナフチレニル、アセナフテニル、フルオレニル、フェナレニル、アントラセニル、メチルアントラセニル、9,10−[1,2]ベンゼノアントラセニル、フェナントリル、1H−トリンデニル、フルオランテニル、ピレニル、アセフェナントリレニル、アセアントリレニル、トリフェニレニル、クリセニル、テトラフェニル、ナフタセニル、プレイアデニル、ピセニル、ペリレニル、ペンタフェニル、ペンタセニル、テトラフェニレニル、ヘキサヘリセニル、ヘキサフェニル、ヘキサセニル、ルビセニル、コロネニル、トリナフチレニル、ヘプタフェニル、ヘプタセニル、ピラントレニル等が挙げられる。置換基を有するアリール基としてより具体的な例は、例えば、o−メチルフェニル、o−,m−,p−ニトロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2−カルボキシ−p−エトキシフェニル等が挙げられる。中でも、フェニル、ナフチル、o−メチルフェニル、p−ニトロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2−カルボキシ−p−エトキシフェニルが好ましく、p−ニトロフェニル、2−カルボキシ−p−エトキシフェニルがより好ましい。
上記複素環基としてより具体的な例は、例えば、ピロリル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、ベンゾイミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、フラザニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フラニル、ピラニル、チエニル、ベンゾチオフェニル、チオピラニル、イソチオクロメニル、チオクロメニル、チオキサントレニル、チアントレニル、フェノキサチイニル、ピロリジニル、1H−1−ピリンジニル、インドニジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、イソキノリニル、キノリニル、ナフチリジニル、フタラジニル、キノキサニリル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、アンチジニル、イソベンゾフラニル、ベンゾフラニル、イソクロメニル、クロメニル、キサンテニル、パラチアジニル、トリアゾリル、またはテトラゾリル等が挙げられる。中でも、2−イミダゾリル、2−フリル、2−チアゾリル、2−ピリジルが好ましい。
(環状)アルキル基、アラルキル基、アリール基が置換される場合の置換基の例としては、例えば、次のような置換基が挙げられる。フッ素原子;塩素原子;臭素原子;シアノ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルボキシル基;スルホ基;アセトアミド基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、もしくはヒドロキシ基で置換されているかまたは非置換である炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基もしくはカルボキシル基で置換されているかまたは非置換である炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基;炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、もしくはヒドロキシ基で置換されているかまたは非置換である炭素数6〜30のアリール基;炭素数1〜20のアルキル基、カルボキシル基で置換されているかもしくは非置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、もしくはヒドロキシ基で置換されているかまたは非置換である炭素数2〜30であるヘテロアリール基;炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、もしくはヒドロキシ基で置換されているかまたは非置換である炭素数5〜20のシクロアルキル基;炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、もしくはヒドロキシ基で置換されているかまたは非置換である炭素数5〜30のヘテロシクロアルキル基;−N(G)(G)で表される基であり、この際、前記のGおよびGは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素数1〜10のアルキル基で置換されている炭素数6〜30のアリール基である。
、R10は、独立して、水素原子;直鎖または分岐鎖の、置換または未置換の、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜8のアルキル基;置換または未置換の、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜12のアリール基;置換または未置換の、好ましくは炭素数7〜30のアラルキル基(例えばベンジル、フェネチル、p−iso−プロピルベンジル、m−クロロベンジル、m−メトキシベンジル)を表す。
上記未置換のアルキル基としてより具体的な例は、上記Rにおいて列挙した未置換のアルキル基が挙げられる。置換基を有するアルキル基としては、具体的には、2−シアノエチル、2−n−ブトキシカルボニルエチル、2−カルボキシ−1−エトキシメチルが挙げられる。アルキル基の中でも、炭素数1〜8の直鎖または分岐の未置換のアルキル基;カルボキシル基で置換されている炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基で置換されている、炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基が好ましい。
上記未置換のアリール基としてより具体的な例は、上記Rにおいて列挙した未置換のアリール基が挙げられる。置換基を有するアリール基としてより具体的な例は、例えば、o−メトキシフェニル、m−メトキシフェニル、p−メトキシフェニル、p−ニトロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、3−アセトアミドフェニル、o−クロロフェニル、m−クロロフェニル、p−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル等が挙げられる。中でも、フェニル、1または2の塩素原子で置換されたフェニル、炭素原子数1〜8のアルコキシ基で置換されたフェニルが好ましく、m−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、o−メトキシフェニルがより好ましい。
(環状)アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基が置換される場合の置換基の例としては、上記Rにおいて列挙した置換基が挙げられる。
またはR10は、水素原子、アルキル基またはアリール基であることが好ましく、また、RまたはR10の少なくとも一方が水素原子であることが好ましい。
は水素原子、アルキル基、環状アルキル基、アラルキル基、アリール基、―CONR(R10)、またはCSNR(R10)であることが好ましい。
、Rは独立して、水素原子;直鎖または分岐鎖の、置換または未置換の、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜8のアルキル基;好ましくは炭素数3〜20、より好ましくは炭素数3〜8の置換または未置換の環状アルキル基;置換または未置換の、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜12のアリール基;シアノ基;好ましくは炭素数2〜30の複素環基;置換または未置換の、好ましくは炭素数が1〜8のアルキルチオ基(例えばメチルチオ、2−シアノエチルチオ、2−エトキシカルボニルチオ);置換または未置換のアリールチオ基(例えばフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ、p−メトキシフェニルチオ);置換または未置換の、好ましくは炭素数が1〜8のアルキルスルホキシ基(例えばメチルスルホキシ、2−ヒドロキシエチルスルホキシ);置換または未置換の、好ましくは炭素数が1〜8のアルキルスルホニル基(例えばメチルスルホニル、2−ブロモエチルスルホニル);またはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、好ましくは塩素または臭素原子)を表す。
上記未置換のアルキル基としてより具体的な例は、上記Rにおいて列挙した未置換のアルキル基が挙げられる。置換基を有するアルキル基としては、具体的には、クロロメチル、ブロモメチル、2−ヒドロキシエチルが挙げられる。アルキル基の中でも、炭素数1〜8の直鎖または分岐の、ハロゲン原子(好ましくは臭素原子)で置換された(以下、ハロゲン化アルキル基とも称する)あるいは未置換のアルキル基が好ましい。
上記未置換の環状アルキル基としてより具体的な例は、上記Rにおいて列挙した未置換の環状アルキル基が挙げられる。置換基を有する環状アルキル基としては、具体的には、2−オキソシクロペンチルが挙げられる。
上記未置換のアリール基としてより具体的な例は、上記Rにおいて列挙した未置換のアリール基が挙げられる。置換基を有するアリール基としてより具体的な例は、2−メチルフェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−ニトロフェニル、4−アミノフェニル、3−アセトアミドフェニルが挙げられる。アリール基の中でも、フェニル、2−メチルフェニル、3,4−ジクロロフェニル、ナフチル、4−ニトロフェニル、4−アミノフェニル、3−アセトアミドフェニルが好ましい。
上記複素環基としてより具体的な例は、上記Rにおいて列挙した複素環基が挙げられる。中でも、2−イミダゾリル、2−チアゾリル、2−ピリジルが好ましい。
(環状)アルキル基、アリール基、アルキルチオ、アリールチオ基、アルキルスルホキシ基またはアルキルスルホニル基が置換される場合の置換基の例としては、上記Rにおいて列挙した置換基およびアルコキシ基で置換されたカルボニル基が挙げられる。
およびRは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルキルチオ基、アルキルスルホキシ基、アルキルスルホニル基またはシアノ基であることが好ましい。
以下に、一般式(1)で表される化合物(以下、化合物1と称す)の代表的具体例を示すが、本発明の化合物1はこれらに限定されるものではない。
以上の化合物の一部は市販されており容易に入手することが可能であり、またフランス国特許第1,555,416号に記載の合成法に準じて合成することができる。
次いで、一般式(2)で表される化合物について説明する。一般式(2)において、Rは、水素原子;あるいは、好ましくは炭素数1〜20の、直鎖または分岐の、置換または未置換のアルキル基を表す。未置換のアルキル基としてより具体的な例は、上記Rにおいて列挙した未置換のアルキル基が挙げられる。アルキル基が置換される場合の置換基としては、スルホ基、カルボキシル基、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子など)が挙げられる。中でも、Rは、好ましくは、水素原子あるいは炭素数1〜18の直鎖または分岐の非置換のアルキル基である。
Xは、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子など);炭素数1〜6の直鎖または分岐アルキル基(例えばメチル、エチル、iso−プロピル、n−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−アミル、n−ヘキシルなど);あるいは炭素数1〜6のアルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、iso−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、iso−ペンチルオキシなど)を表す。nは0〜4の整数を表し、好ましくは0〜2の整数を示す。中でも、Xは、好ましくは、塩素原子、または炭素数1〜3のアルコキシ基である。
以下に一般式(2)で表される化合物(以下化合物2と称す)の代表的具体例を示すが、本発明の化合物2はこれらに限定されるものではない。
次いで、一般式(3)で表される化合物について説明する。一般式(3)において、Rは水素原子;好ましくは炭素数1〜5の、直鎖または分岐のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−アミル、n−ペンチル);またはヒドロキシメチル基を表し、Rは水素原子、または好ましくは炭素原子数1〜5、より好ましくは1〜3、特に好ましくは1の、直鎖または分岐のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−ブチル、iso−アミル)を表す。
以下に一般式(3)で表される化合物(以下化合物3と称す)の代表的具体例を示すが、本発明の化合物3はこれらに限定されるものではない。
次いで一般式(4)の化合物について説明する。一般式(4)において、R、Rは独立して水素原子;あるいは炭素数1〜20、好ましくは1〜8の、直鎖または分岐鎖の、置換または未置換のアルキル基を表す。
上記未置換のアルキル基としてより具体的な例は、上記Rにおいて列挙した未置換のアルキル基が挙げられる。アルキル基が置換される場合の置換基としては、上記Rにおいて列挙した置換基が挙げられる。アルキル基が置換される場合の置換基としては、好ましくは、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、スルホ基、N,N−ジメチルアミノ基である。より好適なアルキル基は、メチル、エチル、tert−ブチル、n−オクタデシル、2−ヒドロキシエチル、2−カルボキシエチル、2−シアノエチル、スルホブチル、N,N−ジメチルアミノエチルである。
Zは飽和5員環または飽和6員環を形成するための原子群を表し、かつ環の中に少なくとも1つのY−C−NO(環中の炭素原子がYおよびニトロ基で置換されていることを示す)を含む。Yはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)を表す。Zを形成する炭素原子のうち、Yおよびニトロ基で置換されている炭素原子以外の炭素原子は、炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜3の、直鎖または分岐鎖のアルキル基(例えばメチル、エチル、iso−プロピル、n−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−アミル、n−ヘキシルなど)で置換されていてもよい。
以下に、一般式(4)で表される化合物(以下化合物4と称す)の代表的具体例を示すが、本発明の化合物4はこれらに限定されるものではない。
本発明の化合物1〜4の一部は、三愛石油(株)から市販されている。また、以下の文献を参考にして合成することができる。
(1)Henry Recueil des travauxchiniques des Rays−Bas16 251
(2)Mass.chemisches Zentralblatt1899 I 179
(3)E.Schmidt.Berichte der DeutchenChemischen Gesellschaft.52 397
(4)E.Schmidt.ibid 55 317
(5)Henry Chemiches Zentralblatt.1897 II 338
上記文献において、例示化合物3−1の合成は文献(1)、(2)または(3)、例示化合物3−2の合成は文献(2)、例示化合物1−3の合成は文献(5)、例示化合物3−4の合成は文献(2)に従うのがよい。
本発明の化合物1〜4でさらに好ましく用いられる化合物は、塗布故障が少なく、ヘイズが低いことから、一般式(1)で表される化合物、2−1、3−1、4−1である。
さらに好ましくは、高い塗膜の透明性を有するので、1−1、1−25、1−26、1−27である。1−1、1−25、1−26、1−27の化合物は、CO=N−の部分構造を有し、分子量が小さく水溶性が高いことから、金属酸化物粒子に対して良好な分散剤として機能すると推定される。
次いで、ポリリジン化合物について説明する。ポリリジン化合物は、1分子中に2つのアミノ基を有するアミノ酸であり、これから得られるポリリジンは、一般にα位のアミノ基とカルボキシル基とが縮合したα−ポリリジンと、ε位のアミノ基とカルボキシル基とが縮合したε−ポリリジンとの2種類が存在する。本発明で用いることのできるポリリジン化合物は、構造上α、ε型のいずれでも良いが、ε型はα型に比較しカチオン性(pKa7.6)であることから、ε型ポリリジン化合物が好ましい。また、ポリリジン化合物は、ストレプトマイセス属細菌により生産された微生物由来のものであっても、化学合成によって得られたものでも良く、特に制限はない。ストレプトマイセス属細菌により生産された微生物由来のものは、ε型であり、エンドトキシンの選択吸着に優れ、また、生分解性があることから生体適合性が高く、更に、安価で大量入手が可能であり、特に好ましい。
本発明に係るポリリジン化合物は、下記一般式で表される化合物であることが好ましい。
上記一般式において、nは3〜8000の整数であり、より好ましくは5〜2000の整数であり、さらに好ましくは8〜80の整数である。
ポリリジン化合物の分子量は、500〜1,000,000の範囲のものが使用でき、その分子量に特に限定はないが、微粒子化する場合の容易さや塗布故障が少ないことから分子量として1,000〜600,000の範囲であることが好ましく、1,000〜10,000であることがより好ましい。ポリリジンの分子量は、公知のMALDI−TOF−MS(例えば島津製作所AXIMAシリーズ)によって測定した値を採用する。
ε−ポリリジン化合物は、一般的に、特開平2−20271号公報に開示されているようなε−ポリリジン化合物とエタノールとの液状組成物、特開平4−53475号公報に開示されているようなε−ポリリジン化合物と酢酸との液状組成物、特開平5−68520号公報に開示されているようなε−ポリリジン化合物とグリシン等のアミノ酸との粉末状組成物および市販されているようなε−ポリリジン化合物とデキストリンとの粉末状組成物として使用されている。また、特開平10−306160号公報には、ε−ポリリジン化合物もしくはその塩を含む水溶液を共沸剤の存在下で共沸、脱水、乾燥して、含水率が15質量%以下のε−ポリリジン化合物もしくはその塩を得る方法が開示されている。
ポリリジン化合物は、例えば、特公昭59−20359号公報に記載のε−ポリリジン化合物の製造法により得ることができる。すなわち、ストレプトマイセス属に属するポリリジン生産菌であるストレプトマイセス・アルブラス・サブスピーシーズ・リジノポリメラスを培地で培養し、得られた培養物からε−ポリリジンを分離、採取することによって得ることができる。
ポリリジン化合物は遊離の形態で用いることもできるが、例えば、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸もしくは酢酸、プロピオン酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸との塩の形で用いることもできる。
具体的に市販されているポリリジン化合物としては、ε−ポリリジン(チッソ社製)0.25%、ポリリジン酢酸製剤(ガードエース30、ポリリジン含有量1.7質量%)、ポリリジン−グリシン製剤(ガードロング110G、ポリリジン含有量8.3質量%)などがある。
ポリリジンは、必須アミノ酸の一種であるL−リジンのホモポリマーであり、急性毒性は、5g/kg以上(ラット)と極めて低く、また変異原性の陰性である。また、ポリリジンは、食品添加物としても使用が可能であり、安全性は極めて高い化合物である。
[金属酸化物粒子]
本発明においては、高屈折率層または低屈折率層のいずれかに金属酸化物粒子を含む。好適には、高屈折率層または低屈折率層のいずれにも金属酸化物粒子を含む。
高屈折率層に用いられる金属酸化物粒子としては、屈折率が2.0以上であることが好ましい。例えば、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン等を挙げることができる。これらの中でも、高屈折率層を形成するための塗布液の安定性の観点から、酸化チタン(TiO)がより好ましい。また、TiOの中でも、特にアナターゼ型よりルチル型の方が、触媒活性が低いために高屈折率層や隣接した層の耐候性が高くなり、さらに屈折率が高くなることから好ましい。
高屈折率層に用いられる金属酸化物粒子としては、その平均粒径が100nm以下であることが好ましいが、4nm以上、50nm以下であることがより好ましく、更に好ましくは4nm以上、30nm以下である。平均粒径は、粒子そのものあるいは屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
以下、高屈折率層に用いられる金属酸化物粒子として特に好ましいルチル型酸化チタンについて、詳細に説明する。
(ルチル型酸化チタン)
一般的に、酸化チタン粒子は、粒子表面の光触媒活性の抑制や、溶媒等への分散性を向上する目的で、表面処理が施された状態で使用されることが多く、例えば、酸化チタン粒子表面をシリカからなる被覆層で覆われ、粒子表面が負電荷を帯びたものや、アルミニウム酸化物からなる被覆層が形成されたpH8〜10で表面が正電荷を帯びたものが知られている。
金属酸化物粒子は、体積平均粒径が100nm以下のルチル型(正方晶形)の酸化チタン粒子であることが好ましい。体積平均粒径が4nm以上、50nm以下であることがより好ましく、更に好ましくは4nm以上、40nm以下である。体積平均粒径が100nm以下であれば、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。
ルチル型酸化チタン粒子の体積平均粒径とは、粒子そのものあるいは屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、それぞれd、d・・・d・・・dの粒径を持つ粒子がそれぞれn、n・・・n・・・n個存在する金属酸化物粒子の集団において、粒子1個当りの表面積をa、体積をvとした場合に、下記数式1で表される体積で重み付けされた平均粒径である。
さらに、ルチル型酸化チタン粒子は、単分散であることが好ましい。ここでいう単分散とは、下記数式2で求められる単分散度が40%以下をいう。より好ましくは30%以下であり、さらに好ましくは0.1〜20%となる粒子である。
(ルチル型酸化チタンゾルの製造方法)
近赤外反射フィルムを製造する方法として、水系高屈折率層塗布液を調製する際に、ルチル型酸化チタンとして、pHが1.0以上、3.0以下で、かつチタン粒子のゼータ電位が正である水系の酸化チタンゾルを用いることが好ましい。
一般的に酸化チタン粒子は、粒子表面の光触媒活性の抑制や、溶媒等への分散性を向上する目的で表面処理を施された状態で使用されることが多く、例えば、酸化チタン粒子表面をシリカからなる被覆層で覆われ、粒子表面が負電荷を帯びたものや、アルミニウム酸化物からなる被覆層が形成されたpH8〜10で表面が正電荷を帯びたものが知られているが、このような表面処理が施されていないpHが1.0〜3.0で、かつゼータ電位が正である酸化チタンの水系ゾルが用いることが高屈折率粒子を高濃度で膜に充填できる(屈折率を低下させる成分が少ない)点で好ましい。
ルチル型酸化チタンゾルの調製方法としては、例えば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等に記載された事項を参照にすることができる。
また、ルチル型酸化チタンのその他の製造方法については、例えば、「酸化チタン−物性と応用技術」、清野学著、p255〜258(2000年)技報堂出版株式会社、または国際公開第2007/039953号パンフレットの段落番号「0011」〜「0023」に記載の工程(2)の方法を参考にすることができる。
上記工程(2)による製造方法とは、二酸化チタン水和物をアルカリ金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選択される、少なくとも1種の塩基性化合物で処理する工程(1)の後に、得られた二酸化チタン分散物を、カルボン酸基含有化合物および無機酸で処理する工程(2)からなる。本発明では、工程(2)により得られた無機酸によりpHを1.0〜3.0に調整されたルチル型酸化チタンの水系ゾルを用いることができる。
高屈折率層中における金属酸化物の含有量としては、高屈折率層全体積の15体積%以上、50体積%以下であることが好ましく、更に好ましくは、20体積%以上、40体積%以下である。また、高屈折率層中における金属酸化物の含有量としては、高屈折率層全質量の10〜80質量%であることが好ましい。
低屈折率層に用いられる金属酸化物粒子としては、二酸化ケイ素を用いることが好ましく、酸性のコロイダルシリカゾルを用いることが特に好ましい。
好ましく用いられるコロイダルシリカは、珪酸ナトリウムの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通過させて得られるシリカゾルを加熱熟成して得られるものであり、例えば、特開昭57−14091号公報、特開昭60−219083号公報、特開昭60−219084号公報、特開昭61−20792号公報、特開昭61−188183号公報、特開昭63−17807号公報、特開平4−93284号公報、特開平5−278324号公報、特開平6−92011号公報、特開平6−183134号公報、特開平6−297830号公報、特開平7−81214号公報、特開平7−101142号公報、特開平7−179029号公報、特開平7−137431号公報、および国際公開第94/26530号パンフレットなどに記載されているものである。かようなコロイダルシリカは合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。コロイダルシリカは、その表面をカチオン変性されたものであってもよく、また、Al、Ca、MgまたはBa等で処理された物であってもよい。
二酸化ケイ素は、その平均粒径が100nm以下であることが好ましい。二酸化ケイ素の平均粒径の下限は特に限定されないが、通常2nm以上である。一次粒子の状態で分散された二酸化ケイ素の一次粒子の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、20nm以下のものが好ましく、より好ましくは10nm以下である。また二次粒子の平均粒径としては、30nm以下であることが、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。なお、平均粒径は、粒子そのものあるいは屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
低屈折率層中の金属酸化物粒子の含有量は、低屈折率層の全質量に対して40〜97質量%であることが好ましく、60〜90質量%であることがより好ましい。
[ゼラチン]
本発明に適用可能なゼラチンとしては、従来、ハロゲン化銀写真感光材料分野で広く用いられてきた各種ゼラチンを適用することができ、例えば、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンの他に、ゼラチンの製造過程で酵素処理をする酵素処理ゼラチンおよびゼラチン誘導体、すなわち分子中に官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基を持ち、それと反応して得る基を持った試薬で処理し改質したものでもよい。ゼラチンの一般的製造法に関しては良く知られており、例えばT.H.James:The Theory of Photographic Process 4th. ed. 1977(Macmillan)55項、科学写真便覧(上)72〜75項(丸善)、写真工学の基礎−銀塩写真編119〜124(コロナ社)等の記載を参考にすることができる。また、リサーチ・ディスクロージャー誌第176巻、No.17643(1978年12月)のIX項に記載されているゼラチンを挙げることができる。
各屈折率層においては、1)重量平均分子量が3万以下である低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチド(以下、単に低分子量ゼラチンとも称する)と、2)重量平均分子量が10万以上の高分子量ゼラチンとを含有することが好ましい。低分子量ゼラチンと高分子量ゼラチンとを併用すると、調液時の増粘を抑えつつ、塗布乾燥時の膜冷却の際に高い粘度が得られ、優れた塗膜の均一性が得られる点で好ましい。さらには、金属酸化物粒子を低分子量ゼラチンで被覆したものと、高分子量ゼラチンとを組み合わせて用いることで、さらに前述の塗膜の均一性が向上するため好ましい。
屈折率層中における低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチドの含有量としては、屈折率層全質量の10質量%以上、50質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは、15質量%以上、35質量%以下である。また、屈折率層中における高分子量ゼラチンの含有量としては、屈折率層全質量の10質量%以上、50質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは、15質量%以上、40質量%以下である。また、低分子量ゼラチンと、高分子量ゼラチンとの配合質量比は、各屈折率層中で、好ましくは、低分子量ゼラチン:高分子量ゼラチン=1:0.25〜8であり、より好ましくは1:0.5〜3である。かような範囲に配合することで、塗膜の均一性が向上するため好ましい。
(低分子量ゼラチン)
本発明のゼラチンを金属酸化物粒子と共に用いる場合は、金属酸化物の塗布液中での分散破壊による塗布ムラや、塗膜形成後の塗膜の白濁を防止する観点からは、低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチドの適用が好ましく、金属酸化物粒子を含む層と同じ層への適用がさらに好ましい。
低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチドは、重量平均分子量が3万以下であるものを言い、更には重量分子量が10万以上の高分子ゼラチン成分の含有量が1.0質量%以下であることが好ましい。ここで、コラーゲンペプチドとは、ゼラチンに低分子化処理を施して、ゾルゲル変化を発現させなくしたタンパク質であると定義する。
低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチドは、重量平均分子量が好ましくは2,000〜30,000であり、特に好ましくは5,000〜25,000である。この範囲であれば、塗布液の粘度が適当でありハンドリングに優れ、また必要なゼラチン量も適当であるため、金属酸化物微粒子の体積比率が保たれ、適切な屈折率差を得ることができ、必要層数を低減することができる。
低分子量ゼラチンやコラーゲンペプチドにおいては、上記低分子ゼラチンやコラーゲンペプチドの調製工程において、原料として用いる重量平均分子量が10万以上の高分子ゼラチンの分解を十分に行い、その含有量を1.0質量%以下となる様に、高分子ゼラチン分子の酵素分解を最適に行う様に、ゼラチン分解酵素の種類、添加量や、酵素分解時の温度や時間等の条件を適宜設定することが好ましい。
低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチドの含有量としては、屈折率層全質量の10質量%以上、50質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは、15質量%以上、35質量%以下である。
(高分子量ゼラチン)
本発明においては、少なくとも高屈率層が、重量平均分子量が10万以上の高分子量ゼラチンを含有することで、塗布乾燥時に十分な膜強度が得られ、塗膜の均一性が向上するので望ましい。高分子量ゼラチンの重量平均分子量は、特に、10万以上、20万以下の範囲にあることが好ましい。
本発明において、用いられる高分子量ゼラチンの重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法によって測定することができる。ゼラチンの分子量分布および重量平均分子量についても、一般的な公知の方法であるゲルパーミエーションクロマトグラ法(GPC法)によって測定することができる。
ゼラチンの分子量については、D.Lorry and M.Vedrines,Proceedings of the 4th IAG Conference,Sept.1983,P.35、大野隆司、小林裕幸、水澤伸也、日本写真学会誌、47,237(1984)等に記載されているように、コラーゲンの構成単位であるα成分(分子量約10万)および、その二量体、三量体であるβ成分、γ成分、単量体である高分子両性分、更にはこれらの成分が不規則に切断された低分子量成分からなるのが一般的である。
重量平均分子量が10万以上の高分子量ゼラチンとしては、上記各成分の中でも、コラーゲンの構成単位であるα成分(分子量約10万)および、その二量体、三量体であるβ成分、γ成分が主体のゼラチンであることが好ましい。
ゼラチン分子量分布の測定は、上記文献や特開昭60−80838号、同62−87952号、同62−265645号、同62−279329号、同64−46742号の各公報に記載されているように、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法によって行われる。本発明においては、ゼラチンの各分子量成分の割合は、以下の条件でGPC法によって求める。
リテンションタイム(Retention Time)による230nmの吸収の変化をみると、先ず排除限界のピークが現れ、次にゼラチンのγ成分、β成分、α成分によるピークが順次現れ、更にリテンションタイムが長くなるにつれて、徐々に減衰するような形となる。標準サンプルにて校正した流出曲線のリテンションタイム(Retention Time)から分子量を求めることができる。
α成分は、分子量約10万のポリペプチド鎖で構成され、α鎖の二量体(β成分)、三量体(γ成分)等ゼラチンは種々の分子量を持つゼラチン分子の集合体となっており、またゼラチンメーカーから所定の平均分子量を有するゼラチンを入手することもできる。
また、重量平均分子量が10万以上の高分子量ゼラチンの製法としては、例えば、下記の方法などが挙げられる。
1)ゼラチン製造中の抽出操作で、抽出後期の抽出物を使用して抽出初期のもの(低分子量成分)は排除する。
2)前記製法において、抽出以後乾燥までの工程において、処理温度を40℃未満とする。
3)ゼラチンを冷水(15℃)透析する。
上記の方法を単独または併用して用いることにより、重量平均分子量が10万以上の高分子量ゼラチンを得ることができる。
高分子量ゼラチンの含有量は、屈折率層全質量の10質量%以上、50質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは、15質量%以上、40質量%以下である。
高屈折率層および低屈折率層がこのような分子量のゼラチンまたはコラーゲンペプチドを含有しているか否かは、下記の方法で確認することができる。
近赤外反射フィルムを構成する高屈折率層および低屈折率層を単離した後、上記ゲルパーミエーションクロマトグラ法(GPC法)によってゼラチンの分子量分布を測定した後、横軸にゼラチンの分子量を、縦軸に含有量をプロットして、分子量分布曲線を作製した後、分子量が3万以下と、分子量が10万以上に2つの含有量の極大ピークが出現することで判定する。
高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液には、高屈折率層または低屈折率層を形成した後に、ゼラチン塗膜を硬化するため、必要に応じて硬膜剤を添加することもできる。
用いることのできる硬膜剤としては、通常の写真乳剤層の硬膜剤として使用されている公知の化合物を使用でき、例えば、ビニルスルホン化合物、尿素−ホルマリン縮合物、メラニン−ホルマリン縮合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物、活性オレフィン類、イソシアネート系化合物などの有機硬膜剤、クロム、アルミニウム、ジルコニウムなどの無機多価金属塩類などを挙げることができる。
[ポリビニルアルコール]
本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1,000以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1,500〜5,000のものが好ましく用いられる。また、ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載されているような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号および同63−307979号に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体および特開平7−285265号に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど二種類以上を併用することもできる。
ポリビニルアルコールを硬化させるため、硬化剤を用いることができる。具体的には、ホウ酸およびその塩やエポキシ系硬化剤が好ましい。
ポリビニルアルコールの含有量は、塗膜の熱安定性の観点から、屈折率層全体積の10〜80体積%であることが好ましく、30〜60体積%であることがより好ましい。屈折率層全質量に対しては10〜80質量%であることが好ましい。
[水溶性バインダー]
高屈折率層および低屈折率層は、水溶性のバインダーとして、上記ゼラチンまたはポリビニルアルコールの他に他の水溶性高分子を含むことができる。水溶性高分子としては、例えば、反応性官能基を含有するポリマー、または増粘多糖類などが挙げられる。
反応性官能基を含有するポリマー類としては、例えば、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体およびそれらの塩が挙げられる。これらの中で、好ましい例としては、ポリビニルピロリドン類およびそれを含有する共重合体が挙げられる。
これらの水溶性高分子は、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、これらの水溶性高分子は合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。ゼラチンまたはポリビニルアルコール以外の水溶性バインダーの含有量は特に限定されるものではないが、屈折率層全体積の0〜40体積%であることが好ましく、5〜20体積%であることがより好ましい。
水溶性高分子の重量平均分子量は、1,000以上200,000以下が好ましい。更には、3,000以上40,000以下がより好ましい。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)によって測定した値を採用する。
水溶性バインダーの中でも、近赤外反射性が向上することから、高屈折率層および低屈折率層のいずれか1層が増粘多糖類を含有することが好ましい。増粘多糖類の添加により、各層の界面の均一性が向上して、塗膜面内の反射率ムラが低減されるため、近赤外反射性が向上すると考えられる。なお、増粘多糖類は金属酸化物が存在する層に含まれることが好ましいが、必ずしも防菌剤類が存在する層に含まれなくともよい。
(増粘多糖類)
本発明で用いることのできる増粘多糖類としては、特に制限はなく、例えば、一般に知られている天然単純多糖類、天然複合多糖類、合成単純多糖類および合成複合多糖類に挙げることができ、これら多糖類の詳細については、「生化学事典(第2版),東京化学同人出版」、「食品工業」第31巻(1988)21頁等を参照することができる。
本発明でいう増粘多糖類とは、糖類の重合体であり分子内に水素結合基を多数有するもので、温度により分子間の水素結合力の違いにより、低温時の粘度と高温時の粘度差が大きな特性を備えた多糖類であり、さらに金属酸化物微粒子を添加すると、低温時にその金属酸化物微粒子との水素結合によると思われる粘度上昇を起こすものである。粘度上昇幅は、添加することにより15℃における粘度が1.0mPa・s以上の上昇を生じる多糖類であり、好ましくは5.0mPa・s以上であり、更に好ましくは10.0mPa・s以上の粘度上昇能を備えた多糖類である。なお、本明細書において、粘度は、ブルックフィールド粘度計により測定した値を採用するものとする。
増粘多糖類としては、例えば、ペクチン、ガラクタン(例えば、アガロース、アガロペクチン等)、ガラクトマンノグリカン(例えば、ローカストビーンガム、グアラン等)、キシログルカン(例えば、タマリンドガム、タマリンドシードガム等)、グルコマンノグリカン(例えば、蒟蒻マンナン、木材由来グルコマンナン、キサンタンガム等)、ガラクトグルコマンノグリカン(例えば、針葉樹材由来グリカン)、アラビノガラクトグリカン(例えば、大豆由来グリカン、微生物由来グリカン等)、グルコラムノグリカン(例えば、ジェランガム等)、グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸等)、アルギン酸およびアルギン酸塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ファーセレラン等の紅藻類に由来する天然高分子多糖類、カルボキシメチルセルロース(セルロースカルボキシメチルエーテル)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル、カチオン化セルロース等の水溶性セルロース誘導体や、カルボン酸基含有セルロース類であるカルボキシメチルセルロース(セルロースカルボキシメチルエーテル)、カルボキシエチルセルロース等のセルロース類が挙げられる。
塗布液中に共存する金属酸化微粒子の分散安定性を低下させない観点からは、好ましくは、その構成単位がカルボン酸基やスルホン酸基を有しないものが好ましい。その様な多糖類としては、例えば、L−アラビトース、D−リボース、2−デオキシリボース、D−キシロースなどのペントース、D−グルコース、D−フルクトース、D−マンノース、D−ガラクトースなどのヘキソースのみからなる多糖類が挙げられる。具体的には、主鎖がグルコースであり、側鎖もグルコースであるキシログルカンとして知られるタマリンドシードガムや、主鎖がマンノースで側鎖がグルコースであるガラクトマンナンとして知られるグアーガム、カチオン化グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、ローカストビーンガム、タラガムや、主鎖がガラクトースで側鎖がアラビノースであるアラビノガラクタンを好ましく使用することができ、特には、タマリンド、グアーガム、カチオン化グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガムが好ましい。
金属酸化微粒子の分散性が高く、近赤外線反射性が向上することから、タマリンドガム、ローカストビーンガムガム、ヒドロキシメチルセルロース、キサンタンガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いることが好ましい。
本発明においては、更には、二種類以上の増粘多糖類を併用してもよい。
増粘多糖類を含有させる場合、屈折率層の全質量に対し、1.0質量%以上、50質量%以下の範囲で含有させることが好ましい。
[高屈折率層]
高屈折率層の屈折率は、好ましくは1.80〜2.50であり、より好ましくは1.80〜2.20である。
なお、本発明において、高屈折率層、低屈折率層の屈折率は、下記の方法に従って求めることができる。
基材上に屈折率を測定する各屈折率層を単層で塗設したサンプルを作製し、このサンプルを10cm×10cmに断裁した後、下記の方法に従って屈折率を求める。分光光度計として、U−4000型(日立製作所社製)を用いて、各サンプルの測定面とは反対側の面(裏面)を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)の反射率を25点測定して平均値を求め、その測定結果より平均屈折率を求める。
高屈折率層の1層あたりの厚み(乾燥後の厚み)は、20〜1000nmであることが好ましく、50〜500nmであることがより好ましい。
高屈折率層は少なくとも金属酸化物および水溶性高分子を含むことが好ましい。ここでいう水溶性高分子には、上記ゼラチン類、ポリビニルアルコールの他、上記水溶性バインダーの欄で記載した水溶性高分子を含む。
本発明に係る高屈折率層において、ゼラチン類を用いる場合には、1)重量平均分子量が3万以下である低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチドと、2)重量平均分子量が10万以上の高分子量ゼラチンとを含有することが好ましい。本発明において、高屈折率層中における低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチドの含有量としては、高屈折率層全質量の10質量%以上、50質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは、15質量%以上、35質量%以下である。また、高屈折率層中における高分子量ゼラチンの含有量としては、高屈折率層全質量の10質量%以上、50質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは、15質量%以上、40質量%以下である。
本発明においては、上記ゼラチン類以外に用いることができる各水溶性高分子は、高屈折率層の全質量に対し、1.0質量%以上、60質量%以下の範囲で含有させることが好ましく、10質量%以上、40質量%以下がより好ましい。なお、この水溶性高分子には、ポリビニルアルコールの他、好適に用いられるセルロースも含む。但し、水溶性高分子と共に、例えば、エマルジョン樹脂を併用する場合には、3.0質量%以上含有すればよい。かような範囲内に水溶性高分子を含有すれば、高屈折率層を塗工した後の乾燥時に、膜面が乱れて透明性が劣化する傾向が少なくなる。また、相対的な金属酸化物の含有量が適切となり、高屈折率層と低屈折率層の屈折率差を大きくすることが容易になる。
〔低屈折率層〕
本発明では、前述の高屈折率層よりも屈折率が少なくとも0.10以上低い低屈折率層を有する。
低屈折率層は、屈折率が1.10〜1.60であることが好ましく、より好ましくは1.30〜1.50である。
低屈折率層の1層あたりの厚み(乾燥後の厚み)は、20〜800nmであることが好ましく、50〜350nmであることがより好ましい。
低屈折率層は少なくとも金属酸化物および水溶性高分子を含むことが好ましい。ここでいう水溶性高分子には、上記ゼラチン類、ポリビニルアルコールの他、上記水溶性バインダーの欄で記載した水溶性高分子を含む。
本発明に係る低屈折率層において、ゼラチン類を用いる場合には、1)重量平均分子量が3万以下である低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチドと、2)重量平均分子量が10万以上の高分子量ゼラチンとを含有することが好ましい。本発明において、低屈折率層中における低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチドの含有量としては、低屈折率層全質量の10質量%以上、50質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは、15質量%以上、35質量%以下である。また、低屈折率層中における高分子量ゼラチンの含有量としては、低屈折率層全質量の10質量%以上、50質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは、15質量%以上、40質量%以下である。
低屈折率層においては、水溶性高分子中に、金属酸化物粒子を分散したものを用いることが好ましい。低屈折率層で用いる水溶性高分子は、ゼラチン類、ポリビニルアルコールの他、上記水溶性バインダーの欄で述べたもの(好適にはセルロース)を用いることができる。水溶性高分子の含有量は、低屈折率層の全質量に対し、5.0質量%以上、60質量%以下の範囲で含有させることが好ましく、10質量%以上、40質量%以下がより好ましい。特に好ましく用いられるのは、塗膜の透明性が高いことからセルロース類である。
なお、高屈折率層と低屈折率層で用いられる水溶性高分子等は、同一であっても異なっていても良いが、同時重層塗布を実施する上では同一であることが好ましい。
〔その他の添加剤〕
高屈折率層、低屈折率層には、必要に応じて各種添加剤を用いることができる。
(等電点が6.5以下のアミノ酸)
本発明においては、高屈折率層または低屈折率層が、さらに等電点が6.5以下のアミノ酸を含有していてもよい。アミノ酸を含むことにより、高屈折率層または低屈折率層中の金属酸化物粒子の分散性が向上し得る。
ここでアミノ酸とは、同一分子内にアミノ基とカルボキシル基とを有する化合物であり、α−、β−、γ−などいずれのタイプのアミノ酸でもよい。アミノ酸には光学異性体が存在するものもあるが、本発明においては光学異性体による効果の差はなく、いずれの異性体も単独であるいはラセミ体でも使用することができる。
本発明に係るアミノ酸の詳しい解説は、化学大辞典1縮刷版(共立出版;昭和35年発行)268頁〜270頁の記載を参照することができる。
具体的に好ましいアミノ酸として、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、セリン、等を挙げることができ、特にグリシン、セリンが好ましい。
アミノ酸の等電点とは、アミノ酸は特定のpHにおいて分子内の正・負電荷が釣り合い、全体としての電荷が0となるので、このpH値をいう。各アミノ酸の等電点については、低イオン強度での等電点電気泳動で求めることが出来る。
(エマルジョン樹脂)
本発明においては、本発明に係る高屈折率層または前記低屈折率層が、更にエマルジョン樹脂を含有してもよい。エマルジョン樹脂を含むことにより、膜の柔軟性が高くなりガラスへの貼りつけ等の加工性がよくなる。
エマルジョン樹脂とは、水系媒体中に微細な、例えば、平均粒径が0.01〜2.0μm程度の樹脂粒子がエマルジョン状態で分散されている樹脂で、油溶性のモノマーを、水酸基を有する高分子分散剤を用いてエマルジョン重合して得られる。用いる分散剤の種類によって、得られるエマルジョン樹脂のポリマー成分に基本的な違いは見られない。エマルジョンの重合時に使用される分散剤としては、例えば、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジエチルアミン、エチレンジアミン、4級アンモニウム塩のような低分子の分散剤の他に、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエキシエチレンラウリル酸エーテル、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドンのような高分子分散剤が挙げられる。水酸基を有する高分子分散剤を用いてエマルジョン重合すると、微細な微粒子の少なくとも表面に水酸基の存在が推定され、他の分散剤を用いて重合したエマルジョン樹脂とはエマルジョンの化学的、物理的性質が異なる。
水酸基を含む高分子分散剤とは、重量平均分子量が10000以上の高分子の分散剤で、側鎖または末端に水酸基が置換されたものであり、例えばポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミドのようなアクリル系の高分子で2−エチルヘキシルアクリレートが共重合されたもの、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールのようなポリエーテル、ポリビニルアルコールなどが挙げられ、特にポリビニルアルコールが好ましい。
高分子分散剤として使用されるポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、カチオン変性したポリビニルアルコールやカルボキシル基のようなアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール、シリル基を有するシリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。ポリビニルアルコールは、平均重合度は高い方がインク吸収層を形成する際のクラックの発生を抑制する効果が大きいが、平均重合度が5000以内であると、エマルジョン樹脂の粘度が高くなく、製造時に取り扱いやすい。したがって、平均重合度は300〜5000のものが好ましく、1500〜5000のものがより好ましく、3000〜4500のものが特に好ましい。ポリビニルアルコールのケン化度は70〜100モル%のものが好ましく、80〜99.5モル%のものがより好ましい。
上記の高分子分散剤で乳化重合される樹脂としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル系化合物、スチレン系化合物といったエチレン系単量体、ブタジエン、イソプレンといったジエン系化合物の単独重合体または共重合体が挙げられ、例えばアクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。
(その他の添加剤)
本発明に係る高屈折率層と低屈折率層に適用可能な各種の添加剤を以下に列挙する。例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報および同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報および同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、滑剤、赤外線吸収剤、色素、顔料等の公知の各種添加剤などが挙げられる。
〔基材〕
本発明の近赤外反射フィルムに適用する基材としては、フィルム支持体であることが好ましく、フィルム支持体は、透明であっても不透明であってもよく、種々の樹脂フィルムを用いることができる。例えば、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム(以降ポリエステルと称す)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
基材の厚みは、10〜300μmであることが好ましく、より好ましくは20〜150μmである。また、本発明のフィルム支持体は、2枚を重ねたものであっても良く、この場合、その種類が同じでも異なってもよい。
近赤外反射フィルムは、基材の下または基材と反対側の最表面層の上に、さらなる機能の付加を目的として、導電性層、帯電防止層、ガスバリア層、易接着層(接着層)、防汚層、消臭層、流滴層、易滑層、ハードコート層、耐摩耗性層、反射防止層、電磁波シールド層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、印刷層、蛍光発光層、ホログラム層、剥離層、粘着層、接着層、本発明の高屈折率層および低屈折率層以外の赤外線カット層(金属層、液晶層)、着色層(可視光線吸収層)、合わせガラスに利用される中間膜層などの機能層の1つ以上を有していてもよい。
〔近赤外反射フィルムの製造方法〕
本発明の近赤外反射フィルムの製造方法においては、基材上に、高屈折率層と低屈折率層とから構成されるユニットを少なくとも1つ形成する。基材上への各屈折率層の形成は特に制限されない。
本発明の近赤外反射フィルムの製造方法では、基材上に高屈折率層と低屈折率層とから構成されるユニットを積層して形成されるが、具体的には高屈折率層と低屈折率層とを交互に塗布、乾燥して積層体を形成することが好ましい。具体的には以下の形態が挙げられる;(1)基材上に、高屈折率層塗布液を塗布し乾燥して高屈折率層を形成した後、低屈折率層塗布液を塗布し乾燥して低屈折率層を形成し、近赤外反射フィルムを形成する方法;(2)基材上に、低屈折率層塗布液を塗布し乾燥して低屈折率層を形成した後、高屈折率層塗布液を塗布し乾燥して高屈折率層を形成し、近赤外反射フィルムを形成する方法;(3)基材上に、高屈折率層塗布液と、低屈折率層塗布液とを交互に逐次重層塗布した後乾燥して、高屈折率層、および低屈折率層を含む近赤外反射フィルムを形成する方法;(4)基材上に、高屈折率層塗布液と、低屈折率層塗布液とを同時重層塗布し、乾燥して、高屈折率層、および低屈折率層を含む近赤外反射フィルムを形成する方法;などが挙げられる。なかでも、より簡便な製造プロセスとなる上記(4)の方法が好ましい。
塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液を調製するための溶媒は、特に制限されないが、水、有機溶媒、またはその混合溶媒が好ましい。
前記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノンなどのケトン類などが挙げられる。これら有機溶媒は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。環境面、操作の簡便性などから、塗布液の溶媒としては、特に水、または水とメタノール、エタノール、もしくは酢酸エチルとの混合溶媒が好ましく、水がより好ましい。
高屈折率層塗布液中の水溶性高分子の濃度は、1〜10質量%であることが好ましい。また、高屈折率層塗布液中の金属酸化物粒子の濃度は、1〜50質量%であることが好ましい。
低屈折率層塗布液中の水溶性高分子の濃度は、1〜10質量%であることが好ましい。また、低屈折率層塗布液中の金属酸化物粒子の濃度は、1〜50質量%であることが好ましい。
本発明においては、高屈折率層または低屈折率層のいずれかに防菌剤類が含まれるが、防菌または防黴剤の好ましい添加量の総量は、用いる塗布液容量に対して、1〜10000ppm(質量/質量)の範囲が好ましい。さらに、10〜2000ppmが好ましく、特に好ましくは30〜500ppmの範囲で用いることである。
高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液の調製方法は、特に制限されず、例えば、ゼラチン類またはポリビニルアルコール、金属酸化物粒子、防菌剤類、および必要に応じて添加されるその他の添加剤を添加し、攪拌混合する方法が挙げられる。この際、各成分の添加順も特に制限されず、攪拌しながら各成分を順次添加し混合してもよいし、攪拌しながら一度に添加し混合してもよい。必要に応じて、さらに溶媒を用いて、適当な粘度に調製される。
屈折率層塗布液にゼラチン類を添加する場合には、まず、金属酸化物粒子の表面を、重量平均分子量が3万以下である低分子量ゼラチンまたはコラーゲンペプチドで被覆し、その後、重量平均分子量が10万以上の高分子量ゼラチンを添加する調製方法で屈折率層塗布液を調製することが好ましい。かような製造方法により得られたフィルムは、塗膜の均一性が向上する。金属酸化物粒子の低分子ゼラチンによる被覆の一実施形態としては、高分子量ゼラチンを添加する前に両者を攪拌混合する方法が挙げられる。
本発明においては、体積平均粒径が100nm以下のルチル型の酸化チタンを添加、分散して調製した水系の高屈折率層塗布液を用いて、高屈折率層を形成することが好ましい。この時、ルチル型の酸化チタンとしては、pHが1.0以上、3.0以下で、かつチタン粒子のゼータ電位が正である水系の酸化チタンゾルとして、高屈折率層塗布液に添加して調製することが好ましい。
同時重層塗布を行う際の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液の粘度としては、スライドビード塗布方式を用いる場合には、5〜100mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sの範囲である。
また、塗布液の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100〜30,000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3,000〜30,000mPa・sであり、最も好ましいのは10,000〜30,000mPa・sである。
塗布および乾燥方法としては、高屈折率層塗布液および低屈折率層塗布液を30℃以上に加温して、塗布を行った後、形成した塗膜の温度を1〜15℃に一旦冷却し、10℃以上で乾燥することが好ましく、より好ましくは、乾燥条件として、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件で行うことである。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜均一性の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
〔近赤外反射体〕
本発明の近赤外反射フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等長期間太陽光に晒らされる設備に貼り合せ、熱線反射効果を付与する熱線反射フィルム等の窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる。
特に、本発明に係る近赤外反射フィルムが直接または接着剤を介してガラスまたはガラス代替の樹脂などの基体に貼合されている部材に好適である。
すなわち、本発明は、本発明の近赤外反射フィルムを、基体の少なくとも一方の面に設けた、近赤外反射体をも提供する。
前記基体の具体的な例としては、例えば、ガラス、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、金属板、セラミック等が挙げられる。樹脂の種類は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂のいずれでも良く、これらを2種以上組み合わせて用いても良い。本発明で使用されうる基体は、押出成形、カレンダー成形、射出成形、中空成形、圧縮成形等、公知の方法で製造することができる。
基体の厚みは特に制限されないが、通常0.1mm〜5cmである。
近赤外反射フィルムと基体とを貼り合わせる接着層または粘着層は、近赤外反射フィルムを日光(熱線)入射面側にあるように設置することが好ましい。また、本発明の近赤外反射フィルムを、窓ガラスと基体との間に挟持すると、水分等の周囲のガスから封止でき耐久性に優れるため好ましい。本発明の近赤外反射フィルムを屋外や車の外側(外貼り用)に設置しても環境耐久性があって好ましい。
本発明に適用可能な接着剤としては、光硬化性もしくは熱硬化性の樹脂を主成分とする接着剤を用いることができる。
接着剤は紫外線に対して耐久性を有するものが好ましく、アクリル系粘着剤またはシリコーン系粘着剤が好ましい。更に粘着特性やコストの観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。特に剥離強さの制御が容易なことから、アクリル系粘着剤において、溶剤系が好ましい。アクリル溶剤系粘着剤として溶液重合ポリマーを使用する場合、そのモノマーとしては公知のものを使用できる。
また、合わせガラスの中間層として用いられるポリビニルブチラール系樹脂、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂を用いてもよい。具体的には可塑性ポリビニルブチラール(積水化学工業社製、三菱モンサント社製等)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(デュポン社製、武田薬品工業社製、デュラミン)、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー社製、メルセンG)等である。なお、接着層には紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を適宜添加配合してもよい。
近赤外反射フィルムまたは近赤外反射体の断熱性能、日射熱遮へい性能は、一般的にJIS R 3209(複層ガラス)、JIS R 3106(板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法)、JIS R 3107(板ガラス類の熱抵抗および建築における熱貫流率の算定方法)に準拠した方法により求めることができる。
日射透過率、日射反射率、放射率、可視光透過率の測定は、(1)波長(300〜2500nm)の分光測光器を用い、各種単板ガラスの分光透過率、分光反射率を測定する。また、波長5.5〜50μmの分光測定器を用いて放射率を測定する。なお、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、熱線吸収板ガラスの放射率は既定値を用いる。(2)日射透過率、日射反射率、日射吸収率、修正放射率の算出は、JIS R 3106に従い、日射透過率、日射反射率、日射吸収率、垂直放射率を算出する。修正放射率に関しては、JIS R 3107に示されている係数を、垂直放射率に乗ずることにより求める。断熱性、日射熱遮へい性の算出は、(1)厚さの測定値、修正放射率を用いJIS R 3209に従って複層ガラスの熱抵抗を算出する。ただし中空層が2mmを超える場合はJIS R 3107に従って中空層の気体熱コンダクタンスを求める。(2)断熱性は、複層ガラスの熱抵抗に熱伝達抵抗を加えて熱貫流抵抗で求める。(3)日射熱遮蔽性はJIS R 3106により日射熱取得率を求め、1から差し引いて算出する。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
〔比較例1〕
下記組成物をボールミルにて48時間分散させ、ルチル型酸化チタン粒子の分散液を作製した。
ルチル型酸化チタン粒子(体積平均粒子径15nm) 40質量部
界面活性剤(ジオクチルスルホサクネート) 2質量部
トルエン 58質量部
得られた酸化チタニウム分散液40体積%に熱硬化型シリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製 KR350)60体積%を添加し、酸化チタン含有高屈折率層塗布液1を得た。
該塗布液を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製、A4300、両面易接着層)上に、乾燥膜厚が135nmとなる条件で、ワイヤーバーを用いて塗布し、次いで、80℃の温風を吹き付けて乾燥させ、次いで、90℃×20分で熱硬化させて基材上に酸化チタン含有高屈折率層1を形成した。
低屈折率層塗布液は、上記ルチル型酸化チタン粒子をシリカのオルガノゾル(平均一次粒子径10〜20nm、日産化学株式会社製、XBA−ST)に変えた以外は上記高屈折率層塗布液1と同様にして、シリカ含有低屈折率層塗布液1を作製した。
得られた、シリカ含有低屈折率層塗布液1を、乾燥膜厚が150nmとなる条件で、上記酸化チタン含有高屈折率層1上にバーコーターを用いた湿式塗布方式により塗布し、以下、酸化チタン含有高屈折率層1と同様に、乾燥、熱硬化してシリカ含有低屈折率層1を形成した。
上記形成したシリカ含有低屈折率層1上に、同様にして酸化チタン含有高屈折率層1/シリカ含有低屈折率層1から構成されるユニットを更に5ユニット積層し、それぞれ6層の高屈折率層および低屈折率層(合計12層)から構成された比較例1の近赤外反射フィルムを作製した。
〔比較例2〕
下記組成物をボールミルにて4時間分散させ、分散粒子径がD50で20nmの酸化チタンの分散液を作製した。
イソプロパノール 100質量部
ピリジン 3質量部
エチルシリケート(コルコート製、有効成分30質量%) 5質量部
ルチル型酸化チタン粒子(体積平均粒子径15nm) 10質量部
得られた分散液に、紫外線硬化バインダー(信越化学工業製 X−12−2400、有効成分30質量%)1.5質量部、触媒(信越化学工業製DX−2400)0.15質量部配合し、ボールミルにて1時間分散させ、分散粒子径がD50で16nmの酸化チタン含有高屈折率層塗布液2を得た。該塗布液を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥膜厚が135nmとなる条件で、ワイヤーバーを用いて塗布し、100℃乾燥後、紫外線を照射し、硬化させ、基材上に酸化チタン含有高屈折率層2を形成した。
低屈折率層塗布液は、上記ルチル型酸化チタン粒子をシリカのオルガノゾルに変えた以外は上記高屈折率層塗布液2と同様にして、シリカ含有低屈折率層塗布液2を作製した。
得られた、シリカ含有低屈折率層塗布液2を、乾燥膜厚が150nmとなる条件で、上記酸化チタン含有高屈折率層2上にバーコーターを用いた湿式塗布方式により塗布し、以下、酸化チタン含有高屈折率層2と同様に、乾燥、熱硬化してシリカ含有低屈折率層2を形成した。
以下、比較例1の近赤外反射フィルムと同様に、酸化チタン含有高屈折率層2/シリカ含有低屈折率層2から構成されるユニットを6つ有する比較例2の近赤外反射フィルムを作製した。
〔比較例3〕
20質量%酸化チタン粒子ゾル(体積平均粒径35nm、ルチル型酸化チタン粒子、pH2.3、ゼータ電位正、堺化学株式会社製、SRD−02W)60gに、20質量%水性ウレタン樹脂(スーパーフレックス210、第1工業製薬社製)80gを混合して、高屈折率層塗布液3を調製した。
n−ヘキシルトリエトキシシラン400g、ポリオキシエチレンステアリルエーテル2.0g、ラウリル硫酸ナトリウム0.02g、水酸化ナトリウムの1%水溶液1.0g、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(上記2−1の化合物)0.5gおよび2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(上記1−28の化合物)2.0gを混合してホモミクサーで高速撹拌し,これに水600gを徐々に加えることで白色水性エマルジョンを作製して、低屈折率層塗布液3を調製した。
上記調製した高屈折率層塗布液3、低屈折率層塗布液3をそれぞれ45℃に保温しながら、56時間、塗布液の停滞を行った。その後、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥膜厚がそれぞれ150nmとなるように、高屈折率層塗布液3と低屈折率層塗布液3とが交互に並ぶ様、スライドホッパーを用いて塗布し、次いで、膜面が15℃以下となる条件で冷風を1分間吹き付けてセットさせた後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させてそれぞれ12層の高屈折率層および低屈折率層(合計24層)から構成された比較例3の近赤外反射フィルムを作製した。尚、膜面pHが7.2となるように調整した。pHの調整には、酢酸、アンモニア水を用いた。以降の比較例および実施例においてもpHの調整には、酢酸、アンモニア水を用いている。
(比較例4)
上記比較例3の作製において、高屈折率層塗布液3、低屈折率層塗布液3を以下に示す高屈折率塗布液4、低屈折率層塗布液4に変更した以外は同様にして、比較例4の近赤外反射フィルムを作製した。尚、膜面pHは5.5に調整した。
下記の添加物1)〜5)をこの順序で添加、混合して、高屈折率層塗布液4を調製した。
はじめに1)酸化チタン粒子ゾルを攪拌しながら50℃まで昇温した後、2)低分子量ゼラチンを添加して30分間攪拌して、酸化チタン粒子表面を低分子量ゼラチンで被覆した。次いで、3)高分子量ゼラチンおよび4)純水を添加し、90分間攪拌した後、5)界面活性剤を添加して、高屈折率層塗布液4を調製した。この調製方法を、調製パターンAと称す。
1)20質量%酸化チタン粒子ゾル(体積平均粒径35nm、ルチル型酸化チタン粒子、堺化学株式会社製、SRD−02W) 60g
2)5.0質量%低分子量ゼラチン(GelL1)水溶液 125g
3)5.0質量%高分子量ゼラチン(GelH1)水溶液 100g
4)純水 150g
5)5.0質量%界面活性剤水溶液(コータミン24P、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤、花王社製) 0.45g
GelL1はアルカリ処理により加水分解を施した重量平均分子量が2万の低分子量ゼラチン(新田ゼラチン株式会社製 HBC−P20)であり、GelH1は重量平均分子量が13万の酸処理ゼラチン(高分子量ゼラチン)(株式会社ニッピ製 AP−270)である。
低屈折率層塗布液4の調整は以下のとおりである。
下記の添加物1)〜5)をこの順序で添加、混合して、低屈折率層塗布液4を調製した。
はじめに1)コロイダルシリカ(平均粒子径6nm 日産化学株式会社製 スノーテックスAK)を攪拌しながら40℃まで昇温した後、2)低分子量ゼラチンを添加して10分間攪拌した。次いで、3)高分子量ゼラチンおよび4)純水を添加し、10分間攪拌した後、5)界面活性剤を添加する調製パターンAで、低屈折率層塗布液4を調製した。
1)20質量%コロイダルシリカ 68g
2)5.0質量%低分子量ゼラチン(GelL1)水溶液 180g
3)5.0質量%高分子量ゼラチン(GelH1)水溶液 100g
4)純水 240g
5)5.0質量%界面活性剤水溶液(コータミン24P、4級アンモニウム塩系カチオン性界面活性剤、花王社製) 0.64g
GelL1はアルカリ処理により加水分解を施した重量平均分子量が2万の低分子量ゼラチンであり、GelH1は重量平均分子量が13万の酸処理ゼラチン(高分子量ゼラチン)である。
(比較例5)
上記比較例4の作製において、高屈折率層塗布液、低屈折率層塗布液ともゼラチンを除き、ゼラチン質量(低分子量ゼラチン+高分子量ゼラチン)と同量のポリビニルアルコール(以下、PVAとも称する)(ポリビニルアルコール235、クラレ社製)に変更し、膜面pHを5.0に調整した以外は同様にして、比較例5の近赤外反射フィルムを作製した。
(実施例1〜12)
上記比較例4の作製において、高屈折率層塗布液4に、それぞれ4−クロロ−メタキシレノール、1−1、1−25、2−1、2−5、3−1、3−2、4−1、4−14、1−22、ポリリジン(分子量2000〜60000、奥野製薬工業株式会社製 サラダキープシリーズ)、およびポリリジン(分子量5000〜20万、奥野製薬工業株式会社製 サラダキープシリーズ)を塗布液に対して100ppm添加した以外は同様にして、実施例1〜12の近赤外反射フィルムを作製した。尚、膜面pHはそれぞれ5.5に調整した。
(実施例13の作製)
上記比較例4の作製において、高屈折率層塗布液、低屈折率層塗布液ともゼラチンを除き、代わりにゼラチン質量(低分子量ゼラチン+高分子量ゼラチン)と同量のPVAを加え、さらに高屈折率層塗布液に1−25を20ppm加えた以外は同様にして、実施例13の近赤外反射フィルムを作製した。尚、膜面pHは5.5に調整した。
(実施例14、15)
上記比較例4の作製において、高屈折率層塗布液、低屈折率層塗布液ともゼラチンを除き、代わりにゼラチン質量(低分子量ゼラチン+高分子量ゼラチン)と同量のPVAを加え、さらに低屈折率層塗布液に、1−1を50ppm(実施例14)、1−25/1−26/1−27=1/1/1(重量比)の混合物を50ppm(実施例15)加えた以外は同様にして、実施例14、15の近赤外反射フィルムを作製した。尚、膜面pHはそれぞれ5.5に調整した。
(実施例16)
上記実施例15の高屈折率層塗布液に、タマリンドシードガム(MRCポリサッカライド株式会社製 TG−500)を金属酸化物粒子体積に対して15%(質量に対して4%)添加した以外同様にして、実施例16の近赤外反射フィルムを作製した。尚、膜面pHは5.5に調整した。
(実施例17)
上記実施例15の低屈折率層塗布液に、ヒドロキプロピルメチルセルロース(信越化学株式会社製 メトローズ SM)を金属酸化物粒子体積に対して15%添加した以外同様にして、実施例17の近赤外反射フィルムを作製した。尚、膜面pHは5.5に調整した。
(実施例18)
上記実施例15の膜面pHを5.1に調整した以外は同様にして実施例18の近赤外反射フィルムを作製した。
(実施例19)
上記実施例15の膜面pHを3.8に調整した以外は同様にして実施例19の近赤外反射フィルムを作製した。
(実施例20)
上記実施例16のタマリンドガムを同重量のキサンタンガム(ソマール株式会社製 カログビーンガム)に変更し、1−25/1−26/1−27=1/1/1(重量比)の混合物を、同濃度の1−25/3−1=1/1(重量比)に変更し、膜面pHを4.8に調整した以外は同様にして実施例20の近赤外反射フィルムを作製した。
(実施例21)
上記実施例20の1−25を同重量のポリリジン(分子量5000〜10万、奥野製薬工業株式会社製 サラダキープシリーズ)に変更し、膜面pHを1.2に変更した以外は同様にして実施例21の近赤外反射フィルムを作製した。
(実施例22)
上記実施例20の1−25を同重量の4−1に変更し、膜面pHを0.8に調整した以外は同様にして実施例22の近赤外反射フィルムを作製した。
(実施例23)
上記実施例16の作製において、高屈折率層塗布液にコラーゲンペプチド(重量平均分子量6千、株式会社ゼライス製 CPAM−5)を金属酸化物粒子体積に対して80%(質量に対して20質量%)を添加し、膜面pHを3.8に調整し、塗布液停滞時間を130時間に変更した以外は同様にして実施例23の近赤外反射フィルムを作製した。
[近赤外反射フィルムの評価]
上記作製した各近赤外反射フィルムについて、下記の特性値の測定および性能評価を行った。
(各層の屈折率の測定)
基材上に屈折率を測定する対象層(高屈折率層、低屈折率層)をそれぞれ単層で塗設したサンプルを作製し、下記の方法に従って、各高屈折率層および低屈折率層の屈折率を求めた。
分光光度計として、U−4000型(日立製作所社製)を用いた。各サンプルの測定側の裏面を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)の反射率の測定結果より、屈折率を求めた。
(可視光透過率の測定)
上記分光光度計(積分球使用、日立製作所社製、U−4000型)を用い、各近赤外反射フィルムの300nm〜2000nmの領域における透過率を測定した。可視光透過率は550nmにおける透過率の値とした。
(日射取得率の測定)
分光光度計(積分球使用、日立製作所社製、U−4000型)を用い、各近赤外反射フィルムの300nm〜2500nmの領域における5nmおきの透過率・反射率を測定した。次にJIS R3106に記載の方法に従い、該測定値と日射反射重価係数との演算処理を行って日射反射率、日射透過率を求め、さらに日射熱取得率(Tts)を求めた。
(柔軟性の評価)
上記作製した各近赤外反射フィルムについて、JIS K5600−5−1に準拠した屈曲試験法に基づき、屈曲試験機タイプ1(井元製作所社製、型式IMC−AOF2、マンドレル径φ20mm)を用いて、1000回の屈曲試験を行った後、近赤外反射フィルム表面を目視観察し、下記の基準に従って柔軟性を評価した。
◎:近赤外反射フィルム表面に、折り曲げ跡やひび割れは観察されない
○:近赤外反射フィルム表面に、僅かに折り曲げ跡が観察される
△:近赤外反射フィルム表面に、微小なひび割れが僅かに観察される
×:近赤外反射フィルム表面に、明らかなひび割れが多数発生している
(ヘイズの評価)
ヘイズは、ヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH2000)により、試料と基材を測定し、試料測定値−基材測定値の値で評価した。
(塗布故障の評価)
得られた塗布試料の各々について、スジの発生、ムラの発生を目視で下記のようにランク評価した。
◎:故障なし
○:極わずかにあるが実用上問題なし
○△:若干あるが実用上問題なし
△:多数あり(実用不可)
×:全面故障(実用不可)
以上により得られた測定結果、評価結果を、表1に示す。
表1に記載の結果より明らかなように、本発明の近赤外反射フィルムは、塗布液を長期貯蔵しても塗布故障の発生が少なく、低ヘイズで近赤外反射性と可視光透過性、柔軟性に優れていることが分かる。
〔近赤外反射体1〜28〕
上記で作製した比較例1〜5、実施例1〜23の近赤外反射フィルムを用いて近赤外反射体1〜28を作製した。厚さ5mm、20cm×20cmの透明アクリル樹脂板上に、試料1〜28の近赤外反射フィルムをそれぞれアクリル接着剤で接着して、比較近赤外反射体1〜5および近赤外反射体1〜23を作製した。
〔評価〕
上記作製した本発明の近赤外反射体1〜28は、近赤外反射体のサイズが大きいにもかかわらず、容易に利用可能であり、また、本発明の近赤外反射フィルムを利用することで、優れた近赤外反射性を確認することができた。

Claims (7)

  1. 基材上に高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層したユニットを少なくとも1つ含む近赤外反射フィルムにおいて、
    前記高屈折率層および前記低屈折率層が、金属酸化物粒子および水溶性高分子を含み、
    前記ユニット中の少なくとも1層が、金属酸化物粒子と、ゼラチン類またはポリビニルアルコールと、防菌または防黴剤と、を含む近赤外反射フィルム。
  2. 前記防菌または防黴剤が、下記一般式(1)〜(4);
    〔式中、Rは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、−CONR(R10)、またはCSNR(R10)を表し、R、Rは独立して水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、複素環基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホキシ基、アルキルスルホニル基、またはハロゲン原子を表す。R、R10は独立して水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す。〕
    〔式中、Rは水素原子またはアルキル基を表し、Xはハロゲン原子、アルキル基、またはアルコキシ基を表し、nは0〜4の整数を表す。〕
    〔式中、Rは水素原子、アルキル基、またはヒドロキシメチル基を表し、Rは水素原子、またはアルキル基を表す。〕
    〔式中、R,Rは独立して水素原子、またはアルキル基を表し、Zは飽和5員環または飽和6員環を形成するための原子群を表し、かつ環の中に少なくとも1種のY−C−NOを含む。Yはハロゲン原子を表す。〕;
    で表される化合物およびポリリジンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項1に記載の近赤外反射フィルム。
  3. 前記防菌または防黴剤が、前記一般式(1)で表される化合物である、請求項2に記載の近赤外反射フィルム。
  4. 前記防菌または防黴剤を含有する層が低屈折率層である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
  5. 前記高屈折率層および前記低屈折率層の少なくとも1層が増粘多糖類を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
  6. 前記ユニットを積層させた全塗膜の膜面pHが0.5以上、6.0以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムが基体の少なくとも一方の面に設けられた近赤外反射体。
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