JP5853431B2 - 赤外遮蔽フィルムの製造方法 - Google Patents
赤外遮蔽フィルムの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5853431B2 JP5853431B2 JP2011134787A JP2011134787A JP5853431B2 JP 5853431 B2 JP5853431 B2 JP 5853431B2 JP 2011134787 A JP2011134787 A JP 2011134787A JP 2011134787 A JP2011134787 A JP 2011134787A JP 5853431 B2 JP5853431 B2 JP 5853431B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coating
- coating liquid
- liquid
- infrared shielding
- shielding film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
本発明においては、2種以上の塗布液を同時重層塗布する。同時重層塗布とは、異なる層を構成する複数の塗布液を、塗布工程の段階から同時に塗布装置に供給することで形成させる方法を意味する。したがって、複数回にわけて逐次に湿式塗布する方法、すなわちウェットオンウェット法で重層塗布し、しかる後に乾燥を同時に行う逐次重層塗布方法とは異なる。赤外遮蔽フィルムでは、所望の屈折率差を出すために、ある程度層数が必要となるが、生産効率性などの観点から塗布回数が少ない同時重層塗布がよい。
増粘工程において、増粘塗布液が他の液と液−液界面を形成してから、2種以上の塗布液のいずれかの塗布液を基材に接触させるまで、当該増粘塗布液の粘度は10〜1,000mPa・sである。一般的に、膜厚が均一に形成されるように塗布液を流すためには、塗布液の粘度が低い必要があるが、1,000mPa・s以下であれば、塗布を容易に行うことができる。また、液−液界面が形成されてからの層間混合を極力抑制する観点から当該増粘塗布液の粘度は10mPa・s以上であることが必要であり、10mPa・sより低粘度であると層間混合をおこす虞が非常に高い。液−液界面を形成してから基材に接触させるまでの増粘塗布液の粘度は、好ましくは10〜500mPa・sである。かような範囲であれば、塗布をより均一に行えるため好ましい。
同時重層塗布される塗布液としては、近赤外線フィルムを構成する高屈折率層および低屈折率層に対する塗布液(以下、単に高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液とも称する)が好ましく挙げられる。塗布液としてはその他、高屈折率層と低屈折率層との中間の屈折率を有する中屈折率層用の塗布液;塗布を容易にする為の低粘度のスリップ層用の塗布液;スライド面での塗布液の縮流を抑制するために最上層に用いる事ができる低表面張力の塗布液、などが挙げられる。
金属酸化物粒子は、異なる屈折率を有する層を構成するときに用いられ、これらの目的で使用される金属酸化物としては、例えば、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、チタン酸鉛、鉛丹、黄鉛、亜鉛黄、酸化クロム、酸化第二鉄、鉄黒、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、酸化ユーロピウム、酸化ランタン、ジルコン、酸化スズ、等を挙げることができる。金属酸化物微粒子としては、二酸化チタン、二酸化ケイ素、及びアルミナから選ばれた固体微粒子を用いることが好ましい。
一般的に、酸化チタン粒子は、粒子表面の光触媒活性の抑制や、溶媒等への分散性を向上する目的で、表面処理が施された状態で使用されることが多く、例えば、酸化チタン粒子表面をシリカからなる被覆層で覆われ、粒子表面が負電荷を帯びたものや、アルミニウム酸化物からなる被覆層が形成されたpH8〜10で表面が正電荷を帯びたものが知られている。
赤外遮蔽フィルムを製造する方法として、水系高屈折率層塗布液を調製する際に、ルチル型酸化チタンとして、pHが1.0以上、3.0以下で、かつチタン粒子のゼータ電位が正である水系の酸化チタンゾルを用いることが好ましい。
同時重層塗布を行うためのバインダーとしては、特に限定されるものではなく従来公知の塗布液のバインダーを用いることができ、例えば、熱硬化型バインダー、紫外線硬化型バインダー、水溶性高分子などが挙げられる。本発明においては、環境上の問題や、赤外遮蔽フィルムの柔軟性が良好なことから、水溶性高分子を用いることが好ましい。
バインタ−である水溶性高分子を硬化させるため、硬化剤を使用することもできる。
塗布液を調製するための溶媒は、特に制限されないが、水、有機溶媒、またはその混合溶媒が好ましい。前述のように、本発明においてはバインダーとして好ましくは水溶性高分子を用いることから、水系溶媒が好ましく、具体的には水、または水とメタノール、エタノール、もしくは酢酸エチルとの混合溶媒が好ましく、水であることがより好ましい。
塗布液には、必要に応じて各種添加剤を用いることができる。
本発明においては、高屈折率層または低屈折率層が、さらに等電点が6.5以下のアミノ酸を含有していてもよい。アミノ酸を含むことにより、高屈折率層または低屈折率層中の金属酸化物粒子の分散性が向上し得る。
本発明においては、高屈折率層または前記低屈折率層が、更にエマルジョン樹脂を含有してもよい。エマルジョン樹脂を含むことにより、膜の柔軟性が高くなりガラスへの貼りつけ等の加工性がよくなる。
塗布液に適用可能な各種の添加剤を以下に列挙する。例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報および同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報および同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、滑剤、赤外線吸収剤、色素、顔料等の公知の各種添加剤などが挙げられる。
赤外遮蔽フィルムにおける各層の乾燥膜厚は0.03〜0.5μmであることが好ましく、0.05〜0.3μmであることがより好ましい。赤外遮蔽フィルムの各層の厚さは超薄層であるため、塗布液同士が重なった場合の層間混合の度合いが激しく、液−液の積層が始まった瞬間から混合が始まるが、特に影響が大きいのは層の厚みが薄くなる、塗布液を基材に接触させてからである。このため、本発明の方法によれば、各層が薄い赤外遮蔽フィルムであっても層間混合が抑制され、所望の層間屈折率を得ることができる。また、膜厚が薄いため、上記冷却手段や加熱乾燥手段によって増粘させた場合にも、塗布液を効率よく増粘させることができる。
高屈折率層は上記高屈折率層用塗布液を用いて形成される。
低屈折率層は上記低屈折率用塗布液を用いて形成される。
赤外遮蔽フィルムに適用する基材としては、フィルム支持体であることが好ましく、フィルム支持体は、透明であっても不透明であってもよく、種々の樹脂フィルムを用いることができる。例えば、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム(以降ポリエステルと称す)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
本発明の赤外遮蔽フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等長期間太陽光に晒らされる設備に貼り合せ、熱線反射効果を付与する熱線反射フィルム等の窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる。
20質量%酸化チタンゾル(体積平均粒径35nm、ルチル型酸化チタン粒子、石原産業株式会社製、55N)60gに、8.0質量%の酸処理ゼラチン水溶液(新田ゼラチン株式会社製、製品名G−1221K)(水溶性高分子)240gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2−DB−500E(日油株式会社製)0.78gを添加し、純水で1000mlに仕上げることで塗布液A−1を調製した。
20質量%酸化チタンゾル(体積平均粒径35nm、ルチル型酸化チタン粒子、石原産業株式会社製、55N)60gに、10質量%の酸処理ゼラチン水溶液(新田ゼラチン株式会社製、製品名G−1221K)(水溶性高分子)240gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2−DB−500E(日油株式会社製)0.78gを添加し、純水で1000mlに仕上げることで塗布液A−2を調製した。
20質量%酸化チタンゾル(体積平均粒径35nm、ルチル型酸化チタン粒子、石原産業株式会社製、55N)60gに、8質量%の重合度4,500のポリビニルアルコール水溶液(水溶性高分子)360gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2−DB−500E(日油株式会社製)0.78gを添加し、純水で1000mlに仕上げることで塗布液A−3を調製した。
塗布液A−1と同じ作製方法で、塗布液A−4を調製した。
塗布液A−2と同じ作製方法で、塗布液A−5を調製した。
塗布液A−1と同じ作製方法で、塗布液A−6を調製した。
20質量%酸化チタンゾル(体積平均粒径35nm、ルチル型酸化チタン粒子、石原産業社製、55N)60gに、10質量%の酸処理ゼラチン水溶液(新田ゼラチン株式会社製、製品名G−1221K)(水溶性高分子)360gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2−DB−500E(日油株式会社製)0.78gを添加し、純水で1000mlに仕上げることで塗布液A−7を調製した。
塗布液A−3と同じ作製方法で、塗布液A−8を調製した。
塗布液A−1と同じ作製方法で、塗布液A−9を調製した。
塗布液A−1と同じ作製方法で、塗布液A−10を調製した。
塗布液A−1と同じ作製方法で、塗布液A−11を調製した。
21.4質量%コロイダルシリカ(平均粒径:40−50nm、日産化学工業株式会社製、製品名スノーテックスOS)水分散液 24gに、8質量%の酸処理ゼラチン水溶液(水溶性高分子)(新田ゼラチン株式会社製、製品名G−1221K)240gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2−DB−500E(日油株式会社製)0.68gを添加し、純水で1000mlに仕上げることで塗布液B−1を調製した。
21.4質量%コロイダルシリカ(平均粒径:40−50nm、日産化学工業株式会社製、製品名スノーテックスOS)水分散液 24gに、10質量%の酸処理ゼラチン水溶液(水溶性高分子)(新田ゼラチン株式会社製、製品名G−1221K)240gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2−DB−500E(日油株式会社製)0.68gを添加し、純水で1000mlに仕上げることで塗布液B−2を調製した。
21.4質量%コロイダルシリカ(平均粒径:40−50nm、日産化学工業株式会社製、製品名スノーテックスOS)水分散液 24gに、8質量%の重合度4500のポリビニルアルコール水溶液(水溶性高分子)240gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2−DB−500E(日油株式会社製)0.68gを添加し、純水で1000mlに仕上げることで塗布液B−3を調製した。
21.4質量%コロイダルシリカ(平均粒径:40−50nm、日産化学工業株式会社製、製品名スノーテックスOS)水分散液 24gに、8質量%の酸処理ゼラチン水溶液(水溶性高分子)(新田ゼラチン株式会社製、製品名G−1221K)260gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2−DB−500E(日油株式会社製)0.68gを添加し、純水で1000mlに仕上げることで塗布液B−4を調製した。
21.4質量%コロイダルシリカ(平均粒径:40−50nm、日産化学工業株式会社製、製品名スノーテックスOS)水分散液 24gに、8質量%の酸処理ゼラチン水溶液(水溶性高分子)(新田ゼラチン株式会社製、製品名G−1221K)200gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2−DB−500E(日油株式会社製)0.68gを添加し、純水で1000mlに仕上げることで塗布液B−5を調製した。
塗布液B−1と同じ作製方法で、塗布液B−6を調製した。
21.4質量%コロイダルシリカ(平均粒径:40−50nm、日産化学工業株式会社製、製品名スノーテックスOS)水分散液 24gに、10質量%の酸処理ゼラチン水溶液(水溶性高分子)(新田ゼラチン株式会社製、製品名G−1221K)360gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2−DB−500E(日油株式会社製)0.68gを添加し、純水で1000mlに仕上げることで塗布液B−7を調製した。
21.4質量%コロイダルシリカ(平均粒径:40−50nm、日産化学工業株式会社製、製品名スノーテックスOS)水分散液 24gに、5質量%の重合度4500のポリビニルアルコール水溶液(水溶性高分子)240gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2−DB−500E(日油株式会社製)0.68gを添加し、純水で1000mlに仕上げることで塗布液B−8を調製した。
21.4質量%コロイダルシリカ(平均粒径:40−50nm、日産化学工業株式会社製、製品名スノーテックスOS)水分散液 24gに、8質量%の酸処理ゼラチン水溶液(水溶性高分子)(新田ゼラチン株式会社製、製品名G−1221K)180gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2−DB−500E(日油株式会社製)0.68gを添加し、純水で1000mlに仕上げることで塗布液B−9を調製した。
塗布液B−5と同じ作製方法で、塗布液B−10を調製した。
21.4質量%コロイダルシリカ(平均粒径:40−50nm、日産化学工業株式会社製、製品名スノーテックスOS)水分散液 24gに、10質量%の酸処理ゼラチン水溶液(水溶性高分子)(新田ゼラチン株式会社製、製品名G−1221K)400gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2−DB−500E(日油社製)0.68gを添加し、純水で1000mlに仕上げることで塗布液B−11を調製した。
図1の同時重層用スライド式コータを用いて、塗布液A−1および塗布液B−1を塗布液温度40℃、塗布速度5m/分、乾燥時の膜厚が塗布液A−1により形成される層は1層当たり150nmに、塗布液B−1により形成される層は1層当たり180nmになるように、基材表面温度5℃に冷却した厚さ100μmの易接着付きPET(支持体、テイジン社製、製品名テトロン)の基材上に同時重層塗布を行った(2層)。順序は基材、A−1、B−1の順である。
塗布液A−1の代わりに塗布液A−2を、塗布液B−1の代わりに塗布液B−2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の赤外遮蔽フィルムを作製した。
塗布液A−1の代わりに塗布液A−3を、塗布液B−1の代わりに塗布液B−3を用い、基材の冷却温度を10℃にしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の赤外遮蔽フィルムを作製した。
図1の同時重層用スライド式コータを用いて、塗布液A−4および塗布液B−4を塗布液温度40℃、塗布速度5m/分、乾燥時の膜厚が塗布液A−4により形成される層は1層当たり150nmに、塗布液B−4により形成される層は1層当たり180nmになるように、5℃に冷却された厚さ100μmの易接着付きPET(支持体、テイジン社製、製品名テトロン)の基材上に同時重層塗布を行った(2層)。順序は基材、A−4、B−4の順である。
塗布液A−5および塗布液B−5を用い、実施例1の基材冷却および実施例4のバックロール冷却を両方用い、基材温度が5℃となるようにすること以外は、実施例1と同様にして、実施例5の赤外遮蔽フィルムを作製した。
塗布液A−1、塗布液B−1、さらに塗布液A−1を用いて3層形成の同時重層塗布を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6の赤外遮蔽フィルムを作製した。順序は基材、A−1、B−1、A-1の順である。
(実施例7)
図1の同時重層用スライド式コータを用いて、塗布液A−1および塗布液B−1を塗布液温度40℃、塗布速度5m/分、乾燥時の膜厚が塗布液A−1により形成される層は1層当たり150nmに、塗布液B−1により形成される層は1層当たり180nmになるように、基材表面温度25℃の厚さ100μmの易接着付きPET(支持体、テイジン社製、製品名テトロン)の基材上に同時重層塗布を行った(2層)。この後、塗膜を速やかに乾燥させる為、バックロール直後に設けた70℃の乾燥ボックスを通過させて加熱乾燥を行い、実施例7の赤外遮蔽フィルムを作製した。
塗布液A−3の代わりに塗布液A−8を、塗布液B−3の代わりに塗布液B−8を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、比較例1の赤外遮蔽フィルムを作製した。
塗布液A−1の代わりに塗布液A−9を、塗布液B−1の代わりに塗布液B−9を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2の赤外遮蔽フィルムを作製した。
塗布液A−5の代わりに塗布液A−10を、塗布液B−5の代わりに塗布液B−10を用いたこと以外は、実施例5と同様にして、比較例3の赤外遮蔽フィルムを作製した。
塗布液A−1の代わりに塗布液A−11を、塗布液B−1の代わりに塗布液B−11を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の赤外遮蔽フィルムを作製した。
(比較例5)
塗布液A−1および塗布液B−1を用い、基材冷却を行わず、基材表面温度が25℃であり厚さ100μmの易接着付きPET(支持体、テイジン社製、製品名テトロン)の基材上に同時重層塗布を行った(2層)こと以外は実施例1と同様にして、比較例5の赤外遮蔽フィルムを作製した。
塗布液A−1および塗布液B−1を用い、基材表面温度が20℃となるよう冷却した厚さ100μmの易接着付きPET(支持体、テイジン社製、製品名テトロン)の基材上に同時重層塗布を行った(2層)こと以外は実施例1と同様にして、比較例6の赤外遮蔽フィルムを作製した。
JIS Z8803(1991)液体の粘度−測定方法に準じ、以下の条件で「粘度(Pa・s)」を測定した。1仕様につき3回の評価を行い、平均値を粘度とした。
上記作製した各赤外遮蔽フィルムについて、下記の性能評価を行った。
得られた近赤外線フィルムの実測の反射率スペクトルと、単層膜の屈折率差から計算した反射率スペクトルとを比較し、波長1100nmにおける反射率の低減率を算出した。反射率スペクトルは、日立製作所社製の分光光度計U−4000を用いて、入射角5°、波長範囲300〜3000nm、測定温度25℃で測定した。
各実施例及び比較例において、反射率スペクトルで所望の性能が得られるまで層数を実施例1:24層、実施例2:20層、実施例3:32層、実施例4:22層、実施例5:20層、実施例6:24層、実施例7:32層、比較例1:48層、比較例2:42層、比較例3:42層、比較例4:38層まで積層させた。ただし、比較例5及び6については、100層積層しても所望の性能を得ることが出来なかった。所望の性能とは、反射率スペクトルで波長1200nmでの反射率が80%以上を示す。
膜厚ムラに起因した反射スペクトルの分布で下記の基準に従って均一性を評価した。塗布サンプルの塗布方向に対して直角する幅手方向5点で反射スペクトルを計測し、幅手5点の平均値からズレ量が一番大きいスペクトルの反射率ズレ量の百分率(%)を計算し、下記の基準に従って均一性の評価とした。この際、幅手5点は塗布端部の影響がない範囲で5点を選んだ。
実施例1〜7の赤外遮蔽フィルムは、層間混合が少なく、所望の反射率を出すために必要な積層数を確保した場合でもひび割れが少なく、形成された膜が均一であった。
2 バックロール、
3 帯状支持体、
4 塗布液供給系、
5a 塗布層、
6 減圧室、
101 ダイス、
102 スリット、
103 リップ部、
104 ポケット、
105 スライド面、
106 ビード、
107 エッジガイド、
401 調整釜、
402 送液ポンプ、
403 供給管、
601 吸引管。
Claims (5)
- 基材上に2種以上の塗布液をスライド式コータにより同時重層塗布して赤外遮蔽フィルムを製造する方法において、
前記赤外遮蔽フィルムは、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層させた積層膜を有し、
前記2種以上の塗布液のうち少なくとも一の塗布液を増粘させる増粘工程を含み、
前記少なくとも一の塗布液の液−液界面形成から、前記2種以上の塗布液のいずれかの塗布液を前記基材に接触させるまで、前記少なくとも一の塗布液の粘度が10〜1,000mPa・sであり、
前記増粘工程は、基材冷却、バックロール冷却、ダイス冷却、およびスライド面冷却からなる群から選択される少なくとも一の方法により、前記2種以上の塗布液のいずれかの塗布液を前記基材に接触させた後5秒以内に、前記少なくとも一の塗布液の粘度を10,000mPa・s以上にする工程であり、
この際、前記少なくとも一の塗布液が、隣接する層を形成するために用いられる塗布液の少なくとも一方である、赤外遮蔽フィルムの製造方法。 - 前記増粘工程において粘度10,000mPa・s以上となる塗布液が、ゼラチン、ポリビニルアルコール類および増粘多糖類からなる群から選択される少なくとも1種の水溶性高分子を含む、請求項1に記載の赤外遮蔽フィルムの製造方法。
- 前記増粘工程において粘度10,000mPa・s以上となる塗布液が、ポリビニルアルコール類を含む、請求項2に記載の赤外遮蔽フィルムの製造方法。
- 前記赤外遮蔽フィルムの各層の乾燥膜厚が0.05〜0.3μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の赤外遮蔽フィルムの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法で赤外遮蔽フィルムを製造し、該赤外遮蔽フィルムを基体の少なくとも一方の面に設ける、赤外反射体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011134787A JP5853431B2 (ja) | 2011-06-17 | 2011-06-17 | 赤外遮蔽フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011134787A JP5853431B2 (ja) | 2011-06-17 | 2011-06-17 | 赤外遮蔽フィルムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013000667A JP2013000667A (ja) | 2013-01-07 |
JP5853431B2 true JP5853431B2 (ja) | 2016-02-09 |
Family
ID=47669819
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011134787A Expired - Fee Related JP5853431B2 (ja) | 2011-06-17 | 2011-06-17 | 赤外遮蔽フィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5853431B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6406248B2 (ja) * | 2013-05-16 | 2018-10-17 | コニカミノルタ株式会社 | 赤外遮蔽フィルムの製造方法 |
WO2014185385A1 (ja) * | 2013-05-16 | 2014-11-20 | コニカミノルタ株式会社 | 赤外遮蔽フィルムの製造方法 |
CN105340375A (zh) * | 2013-06-28 | 2016-02-17 | 柯尼卡美能达株式会社 | 电磁波屏蔽膜的制造方法 |
WO2016076332A1 (ja) * | 2014-11-11 | 2016-05-19 | コニカミノルタ株式会社 | 光学反射フィルムの製造方法 |
WO2016076333A1 (ja) * | 2014-11-11 | 2016-05-19 | コニカミノルタ株式会社 | 光学反射フィルムの製造方法 |
JP2016224334A (ja) * | 2015-06-02 | 2016-12-28 | コニカミノルタ株式会社 | 光学フィルムの製造方法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58199074A (ja) * | 1982-05-17 | 1983-11-19 | Konishiroku Photo Ind Co Ltd | 多層同時塗布方法 |
JPS59189969A (ja) * | 1983-04-12 | 1984-10-27 | Fuji Photo Film Co Ltd | 多層塗膜の形成方法 |
US5340613A (en) * | 1993-03-12 | 1994-08-23 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Process for simultaneously coating multiple layers of thermoreversible organogels and coated articles produced thereby |
JPH11327084A (ja) * | 1998-05-14 | 1999-11-26 | Konica Corp | ハロゲン化銀写真感光材料 |
JP4120913B2 (ja) * | 2000-01-14 | 2008-07-16 | 富士フイルム株式会社 | 塗布方法 |
JPWO2007102393A1 (ja) * | 2006-03-06 | 2009-07-23 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 電磁波遮蔽フィルムの製造方法、及び電磁波遮蔽フィルム |
JP2009086659A (ja) * | 2007-09-13 | 2009-04-23 | Mitsubishi Chemicals Corp | 熱線遮蔽膜及びその積層体 |
JP5593916B2 (ja) * | 2010-07-24 | 2014-09-24 | コニカミノルタ株式会社 | 近赤外反射フィルム及びそれを設けた近赤外反射体 |
-
2011
- 2011-06-17 JP JP2011134787A patent/JP5853431B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013000667A (ja) | 2013-01-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6115675B2 (ja) | 光学反射フィルム及びそれを用いた光学反射体 | |
JP6201756B2 (ja) | 赤外遮蔽フィルム | |
JP5939257B2 (ja) | 近赤外遮蔽フィルムおよび近赤外遮蔽体 | |
JP5853431B2 (ja) | 赤外遮蔽フィルムの製造方法 | |
WO2014069507A1 (ja) | 光学反射フィルム、赤外遮蔽フィルムおよびその製造方法 | |
JP5720685B2 (ja) | 近赤外反射フィルム及びそれを設けた近赤外反射体 | |
WO2013111735A1 (ja) | 光学フィルム | |
JP5910497B2 (ja) | 近赤外反射フィルムの製造方法及びそれを設けた近赤外反射体 | |
WO2013077274A1 (ja) | 赤外遮蔽フィルム | |
WO2013183544A1 (ja) | 赤外遮蔽フィルムおよび赤外遮蔽体 | |
JP6176256B2 (ja) | 光学反射フィルムおよびそれを用いた光学反射体 | |
WO2016152458A1 (ja) | 光学フィルム及び光学フィルムの製造方法 | |
JP5703855B2 (ja) | 近赤外反射フィルム、近赤外反射フィルムの製造方法及び近赤外反射体 | |
JP6787336B2 (ja) | 光学反射フィルムおよび光学反射体 | |
WO2015005199A1 (ja) | 積層反射フィルムおよびその製造方法、並びにこれを含む赤外遮蔽体 | |
JP2013080178A (ja) | 光遮蔽フィルムおよびそれを用いた赤外遮蔽体 | |
JP5724620B2 (ja) | 赤外線遮蔽フィルム及びそれを用いた赤外線遮蔽体 | |
JP2016090878A (ja) | 光学反射フィルム | |
JP2014215513A (ja) | 赤外遮蔽フィルムおよび赤外遮蔽体 | |
JP2012252107A (ja) | 赤外遮蔽フィルム、赤外遮蔽フィルムの製造方法、および赤外遮蔽体 | |
WO2013099877A1 (ja) | 赤外遮蔽フィルム、赤外遮蔽フィルムの製造方法、および赤外遮蔽体 | |
JP2016114806A (ja) | 光学フィルム | |
JP2012230179A (ja) | 赤外遮蔽フィルム、赤外遮蔽フィルムの製造方法、および赤外遮蔽体 | |
JP2016057537A (ja) | 光学反射フィルム、その製造方法およびそれを用いる光学反射体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140116 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150116 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150127 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150311 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150908 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151008 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20151110 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151123 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5853431 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |