JP7494503B2 - インク、インク収容容器、印刷装置、及び印刷方法 - Google Patents

インク、インク収容容器、印刷装置、及び印刷方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7494503B2
JP7494503B2 JP2020046020A JP2020046020A JP7494503B2 JP 7494503 B2 JP7494503 B2 JP 7494503B2 JP 2020046020 A JP2020046020 A JP 2020046020A JP 2020046020 A JP2020046020 A JP 2020046020A JP 7494503 B2 JP7494503 B2 JP 7494503B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
mass
substrate
less
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020046020A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021147430A (ja
Inventor
智裕 中川
弘規 萩原
佑太郎 野中
勇祐 藤田
和彦 梅村
誓 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2020046020A priority Critical patent/JP7494503B2/ja
Priority to US17/198,357 priority patent/US11578220B2/en
Publication of JP2021147430A publication Critical patent/JP2021147430A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7494503B2 publication Critical patent/JP7494503B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/02Printing inks
    • C09D11/03Printing inks characterised by features other than the chemical nature of the binder
    • C09D11/037Printing inks characterised by features other than the chemical nature of the binder characterised by the pigment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/38Inkjet printing inks characterised by non-macromolecular additives other than solvents, pigments or dyes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/21Ink jet for multi-colour printing
    • B41J2/2107Ink jet for multi-colour printing characterised by the ink properties
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/0023Digital printing methods characterised by the inks used
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/32Inkjet printing inks characterised by colouring agents
    • C09D11/322Pigment inks

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Description

本発明は、インク、インク収容容器、印刷装置、及び印刷方法に関する。
インクジェット印刷装置は、低騒音、低ランニングコスト、カラー印刷が容易であるなどの利点を有しており、デジタル信号の出力機器として一般家庭に広く普及している。また、近年では、家庭用のみならず商業用途や産業用途にもインクジェット技術が利用されてきている。
商業用途や産業用途では、軟包装基材、プラスチックフィルム、布帛など、様々な種類の基材が用いられることがあり、これら基材を用いた場合であっても、インクジェット印刷方法により、高い画像品質の印刷物を作製できることが求められている。
また、インクジェット印刷方法で一般に用いられるマゼンタインクは、マゼンタ顔料としてPigment Red 122等のキナクリドン顔料が使用されることが多い。しかし、キナクリドン系顔料は、優れた耐久性を持つ一方、発色性が低いという欠点も併せ持つ。そのため、高い画像品質の印刷物を作製するために、発色性に優れるPigment Red 269等のナフトールレッド顔料が注目されるようになっている。
特許文献1には、粒子形状が制御されたナフトールレッドによって着色された水系分散体が開示されている。
しかしながら、Pigment Red 269を含有するインクは、吐出信頼性が不十分である課題がある。
請求項1に係る発明は、水と、Pigment Red 269と、下記構造式(1)で表される化合物と、シリコーン化合物及びアセチレングリコール化合物から選ばれる少なくとも1つと、樹脂粒子と、を含有し、前記構造式(1)で表される化合物の含有量は、前記Pigment Red 269の含有量に対して2.0質量%以下であり、インクの質量に対して0.05質量%以上0.1質量%以下であり、前記樹脂粒子の体積平均粒径が10nm以上1000nm以下であるインクである。
Figure 0007494503000001
本発明のインクは、吐出信頼性の高い優れた効果を奏する。
図1は、印刷装置の一例を示す斜視説明図である。 図2は、メインタンクの一例を示す斜視説明図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
<<インク>>
本実施形態のインクは、水と、Pigment Red 269と、構造式(1)で表される化合物と、シリコーン化合物及びアセチレングリコール化合物から選ばれる少なくとも1つと、を含有し、必要に応じて、有機溶剤、樹脂、及びその他添加剤等を含有してもよい。
また、本実施形態のインクは、マゼンタインクであることが好ましい。なお、マゼンタとは、社会通念上マゼンタと認識される色のことを表すが、例えば、光沢紙上でのL表色系における明度(L)が40以上70以下、彩度(C)が60以上100以下、且つ色相角(h)が320°以上360°以下又は0°以上10°以下の範囲の色であることが好ましい。また、マゼンタインクとは単独で当該マゼンタ色を表現できるインクのことを表す。
<Pigment Red 269>
本実施形態のインクは、色材としてPR269を含む。色材としてPR269を用いることで、インクを用いて形成される画像における発色性を向上させることができる。なお、PR269は、下記構造式(2)で表される化合物である。
インク中のPR269の含有量は、保存安定性の観点から、インクの質量に対して3.0質量%以上7.0質量%以下が好ましく、より好ましくは3.5質量%以上6.0質量%以下である。
なお、インクに用いられる色材の種類としては、PR269が含有されていれば特に制限されず、例えば、PR269以外のマゼンタの色材、マゼンタ以外の色を呈する色材などが挙げられる。また、PR269以外の色材としては、顔料に限定されず、染料等であってもよい。
-合成・精製方法-
PR269は、市販の顔料を使用してもよいし、合成した顔料を使用してもよい。合成した顔料を用いる場合、公知の合成方法を用いることができるが、例えば、以下の方法が挙げられる。
まず、3-アミノー4-メトキシベンズアニリドを、亜硝酸ナトリウムを使ってジアゾ化し、ジアゾ化液を調製する。次に、当該ジアゾ化液と、別途調整したナフトールAS-CA(構造式(1)で表される化合物)をカップリング成分として含む反応液と、を混合し、カップリング反応させることにより、PR269を合成することができる。
そして、合成したPR269を含む混合物をろ過した後、残渣を水洗し、脱水してプレスケーキとし、乾燥して乾燥ブロックとした後、乾燥ブロックを粉砕することで、粉末状のPR269が得られる。
得られたPR269の精製方法についても公知の精製方法を適用することができる。例えば、純水とともに攪拌し濾過をする工程を複数回繰り返して不純物を除去する方法、限外ろ過膜を用いたダイアフィルトレーション方式により膜精製する方法、ソックスレー抽出機を用いた精製方法などが挙げられる。これら方法により、ナフトールAS-CA等の合成時の材料の残存成分を除去又は低減させることができる。
-分散方法-
PR269等の顔料を分散させてインクを得る方法としては、例えば、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法などが挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、マイクロカプセル状に樹脂で顔料を包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、部分的に被覆された顔料であってもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<構造式(1)で表される化合物>
本実施形態のインクは、下記構造式(1)で表される化合物を含む。なお、構造式(1)で表される化合物は、N-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-ヒドロキシ-2-ナフタレンカルボキシアミドであり、ナフトールAS-CAとも称される。
インク中の構造式(1)で表される化合物の含有量は、PR269の質量に対して2.0質量%以下であり、1.7質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以下であることが更に好ましく、0.6質量%以下であることが特に好ましい。また、0.1質量%以上であることが好ましい。構造式(1)で表される化合物がインク中に含まれ、且つ構造式(1)で表される化合物の含有量がPR269の質量に対して2.0質量%以下であることで、PR269のインク中における分散性が向上し、結果として、インクジェット方式等でインクを吐出する際の不吐出及び吐出乱れ等が抑制され、高い吐出信頼性が得られる。
なお、一般的に市販されているPR269を含む顔料や一般的な合成方法により作製されるPR269を含む顔料にも構造式(1)で表される化合物は含まれる。しかし、これら顔料において、構造式(1)で表される化合物の含有量は、PR269の質量に対して2.0質量%以下となっておらず、通常、10%前後である。これは、PR269の製造時において、構造式(1)で表される化合物と反応させる材料が発がん性を有するため、当該材料を、PR269を含む顔料中に残さないことを目的として、構造式(1)で表される化合物が過剰に添加されることに起因する。従って、一般的に市販されているPR269を含む顔料又は一般的な合成方法により作製されるPR269を含む顔料を用いて作製されたインクは、本願のインク構成を満たさない。
また、構造式(1)で表される化合物は、皮膚感作性を示す化合物である。しかし、含有量がPR269の質量に対して2.0質量%以下である場合、インクにより形成される画像において、皮膚感作性が低減するため好ましい。これにより、本インクは、シャツ等に用いられる布帛や食品包装等に用いられる軟包装基材などのような、直接皮膚に触れ得る用途に用いられる基材に対して好適に使用することができる。なお、皮膚感作性をより低減させる観点から、構造式(1)で表される化合物の含有量は、PR269の質量に対して1.7質量%以下であることがより好ましい。
インク中の構造式(1)で表される化合物の含有量を、PR269の質量に対して2.0質量%以下に調整する方法としては特に制限されない。例えば、インク調整時に構造式(1)で表される化合物を添加する方法、上記のPR269の合成時に使用される構造式(1)で表される化合物の量を調整する方法、PR269の合成後の精製工程における精製方法及び精製回数等を調整する方法等が挙げられる。
なお、インク中の構造式(1)で表される化合物の含有量は、インクの質量に対して0.1質量%以下であり、0.07質量%以下であることが好ましく、0.06質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以下であることが更に好ましく、0.04質量%以下であることが特に好ましく、0.03質量%以下であることがより特に好ましい。また、0.001質量%以上であることが好ましい。構造式(1)で表される化合物がインク中に含まれ、且つ構造式(1)で表される化合物の含有量がインクの質量に対して0.1質量%以下であることで、PR269のインク中における分散性が向上し、結果として、インクジェット方式等でインクを吐出する際の不吐出及び吐出乱れ等が抑制され、高い吐出信頼性が得られる。
<シリコーン化合物及びアセチレングリコール化合物>
本実施形態のインクは、シリコーン化合物及びアセチレングリコール化合物から選ばれる少なくとも1つを含む。シリコーン化合物及びアセチレングリコール化合物から選ばれる少なくとも1つを用いることで、PR269のインク中における分散性が向上し、結果として、インクジェット方式等でインクを吐出する際の不吐出及び吐出乱れ等が抑制され、高い吐出信頼性が得られる。この理由は定かではないが、構造式(1)で表される化合物の含有量がPR269の質量に対して2.0質量%以下である状態において、シリコーン化合物及びアセチレングリコール化合物から選ばれる少なくとも1つがインクに含有される場合、シリコーン化合物及びアセチレングリコール化合物から選ばれる少なくとも1つが適度にPR269の表面に配向可能になるためであると推察される。
また、シリコーン化合物及びアセチレングリコール化合物から選ばれる少なくとも1つを用いることで、インクの基材に対する濡れ性が向上し、例えば、ベタ画像におけるインクドットの埋まり度合いが向上し、ビーディング(画像ムラ)の発生も抑制される。従って、本インクは、インクが濡れ広がりにくい基材に対して用いることが効果的であり、例えば、インク低吸収性又は非吸収性の基材に対して付与されることが好ましく、軟包装基材やプラスチックフィルム等に対して付与されることがより好ましい。また、本インクは、インクの濡れ広がりを要求される用途に用いられる基材に対して用いることも効果的であり、例えば、表面凹凸が大きく且つインク高吸収性の基材に対して付与されることが好ましく、布帛やダンボール等に対して付与されることがより好ましい。
なお、シリコーン化合物及びアセチレングリコール化合物は、それぞれ、シリコーン系界面活性剤及びアセチレングリコール系界面活性剤として用いられることが好ましい。
シリコーン化合物とは、分子構造中にオルガノシロキサン構造を有する化合物を表す。また、シリコーン化合物は、ポリエーテル変性シリコーン化合物であることが好ましい。ポリエーテル変性シリコーン化合物は、ポリシロキサンの側鎖にポリエーテル基を導入した側鎖型(ペンダント型)、ポリシロキサンの片末端にポリエーテル基を導入した片末端型、ポリシロキサンの両末端にポリエーテル基を導入した両末端型(ABA型)、ポリシロキサンの側鎖と両末端の両方にポリエーテル基を導入した側鎖両末端型、ポリエーテル基を導入したポリシロキサン(A)と未導入のポリシロキサン(B)を繰返し結合したABn型、枝分かれしたポリシロキサンの末端にポリエーテル基を導入した枝分かれ型等に分類することができる。これらの中でも、ポリシロキサンの側鎖にポリエーテル基を導入した構造を有する側鎖型(ペンダント型)であることが好ましい。
一般に市販されているシリコーン化合物としては、例えば、KF-351A、KF-352A、KF-353、KF-354L、KF-355A、KF-615A、KF-945、KF-618,KF-6011、KF-6015、KF-6004(信越化学工業社製)、SF-3771、SF-8427、SF-8428、SH-3749、SH-8400、FZ-2101、FZ-2104、FZ-2118、FZ-2203、FZ-2207、L-7604(東レ・ダウコーニング社製)、BYK-345、BYK-346、BYK-348(ビッグケミー・ジャパン社製)等を挙げることができる。
アセチレングリコール化合物とは、アセチレン基を中央に有し、左右にアルコール系水酸基もしくはその誘導体を有する左右対称の構造を有する化合物であることが好ましい。
アセチレングリコール化合物の具体例としては、例えば、2,5,8,11-テトラメチル-6-ドデシン-5,8-ジオール、5,8-ジメチル-6-ドデシン-5,8-ジオール、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、4,7-ジメチル-5-デシン-4,7-ジオール、2,3,6,7-テトラメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、3,6-ジエチル-4-オクチン-3,6-ジオール、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール等が挙げられる。
アセチレングリコール化合物の市販品の具体例としては、例えば、サーフィノール82、104、DF-110(以上全て商品名、日信化学工業社製)等が挙げられる。
また、アセチレングリコール化合物としては、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物であることが好ましい。アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物であることにより、PR269のインク中における分散性がより向上し、結果として、インクジェット方式等でインクを吐出する際の不吐出及び吐出乱れ等がより抑制され、より高い吐出信頼性が得られる。また、インクの保存安定性が向上する。これらは、エチレンオキサイド付加物とすることによりアセチレングリコール化合物の親水性が高まり、結果として、PR269が水性媒体中に安定して存在することができるようになるためと考えられる。
アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物の具体例としては、例えば、上記のアセチレングリコールの具体例で挙げた化合物のエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。また、市販品の具体例としては、例えば、オルフィンE1004、E1010、E4300、サーフィノール485(以上全て商品名、日信工業社製)等が挙げられる。
インク中におけるシリコーン化合物及びアセチレングリコール化合物から選ばれる少なくとも1つの含有量は、インクの質量に対して0.1質量%以上2.1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上1.5質量%以下であることがより好ましい。含有量が0.1質量%以上2.1質量%以下であることで、インクの基材に対する濡れ性が向上し、例えば、ベタ画像におけるインクドットの埋まり度合いが向上し、ビーディング(画像ムラ)の発生も抑制される。従って、本インクは、インクが濡れ広がりにくい基材に対して用いることが効果的であり、例えば、インク低吸収性又は非吸収性の基材に対して付与されることが好ましく、軟包装基材やプラスチックフィルム等に対して付与されることがより好ましい。また、本インクは、インクの濡れ広がりを要求される用途に用いられる基材に対して用いることも効果的であり、例えば、表面凹凸が大きく且つインク高吸収性の基材に対して付与されることが好ましく、布帛やダンボール等に対して付与されることがより好ましい。また、含有量が0.1質量%以上2.1質量%以下であることで、PR269のインク中における分散性がより向上し、結果として、インクジェット方式等でインクを吐出する際の不吐出及び吐出乱れ等がより抑制され、より高い吐出信頼性が得られる。
なお、インク中にシリコーン化合物及びアセチレングリコール化合物の両方が含まれる場合、「シリコーン化合物及びアセチレングリコール化合物から選ばれる少なくとも1つの含有量」とは、シリコーン化合物及びアセチレングリコール化合物の合計含有量を表す。
なお、インクに用いられる界面活性剤の種類としては、シリコーン化合物及びアセチレングリコール化合物から選ばれる少なくとも1つが含有されていれば特に制限されず、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤が含まれていてもよい。
<水>
本実施形態のインクは、水を含む。インク中における水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、インクの質量に対して10.0質量%以上90.0質量%以下が好ましく、20.0質量%以上60.0質量%以下がより好ましい。
<有機溶剤>
本実施形態のインクは、有機溶剤を含んでもよい。有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、トリエチレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
上記有機溶剤の中でも、多価アルコール類を含むことが好ましく、具体的には、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、及び2,3-ブタンジオールから選ばれる少なくとも1つを含むことがより好ましい。これら有機溶剤を含有することで、本インクがインクジェット方式で吐出される場合において、インクジェットヘッドからの吐出安定性を向上させることができる。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、インク全量に対して、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<樹脂>
本実施形態のインクは、樹脂を含んでもよい。本実施形態のインクにおいて、樹脂が含有されるとPR269及び樹脂の親和性が向上する。これにより、布帛やダンボール等の表面凹凸が大きく且つインク高吸収性の基材に対してインクを付与する場合であっても、PR269が基材内部に過度に浸透せず、基材表面に留まらせることができるため、画像濃度及び彩度を向上させることができる。
樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられるが、これらの中でもアクリル系樹脂であることが好ましい。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いてもよい。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。樹脂粒子を含むことで、インクにより形成される画像の堅牢性を向上させることができる。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、インクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
<その他添加剤>
インクには、必要に応じて、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えてもよい。
<インクの物性>
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE-80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、基材上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7~12が好ましく、8~11がより好ましい。
<<インクセット>>
本実施形態のインクは、処理液と組み合わせたインクセットとして用いてもよい。処理液は、インクに含有された成分を凝集させる凝集剤を含有する。インクに含有された成分とは、例えば、インク中の色材であり、これによりインクにより形成される画像の画像濃度を向上させる。
なお、基材として、布帛やダンボール等の表面凹凸が大きく且つインク高吸収性の基材に対してインクを付与する場合、インクを付与する前に基材に対して処理液を付与することが好ましい。これにより、画像濃度及び彩度を向上させることができる。また、処理液の付与後に乾燥工程を設けてからインクを付与する場合、より画像濃度及び彩度を向上させることができる。
<<基材>>
基材としては、特に制限なく用いることができ、普通紙、光沢紙、特殊紙、ダンボール、布帛、軟包装基材、プラスチックフィルム等を用いることもできる。これらの中でも、上記の通り、ダンボール、布帛、軟包装基材、プラスチックフィルム等を用いることが好ましい。
布帛とは、繊維を、織物、編物、不織布などの形態にしたものである。ここで、繊維とは、例えば、綿、麻などの植物性繊維、絹、羊毛などの動物性繊維、ポリエステル、アセテート、トリアセテート、ポリアミド、ポリウレタンなどの合成繊維、ポリ乳酸などの生分解性繊維、およびこれらの混紡繊維で形成されたものが挙げられる。
軟包装基材とは、ロール等で巻き取り可能な可とう性を有する基材であることが好ましい。軟包装基材を構成する材料としては、例えば、紙、プラスチックフィルム、金属蒸着フィルム、及び銅箔、アルミニウム箔等の金属箔などを挙げることができる。軟包装基材に含まれるプラスチックフィルムとは、有機高分子樹脂からなり、溶融押出し後、長手方向及び/又は幅方向に延伸され、さらに熱固定、冷却を施された二軸延伸フィルム、又は溶融押出し後、延伸無しで熱固定、冷却を施された無延伸フィルム等である。なお、プラスチックフィルムであれば、全て軟包装基材を構成する材料となるわけではなく、プラスチックフィルムのうち、可とう性を有するものが該当する。
ダンボール(「コルゲート基材」とも称する)とは、波状に加工した紙の表裏を紙で挟んで接着し、強度を向上させた構造体であることが好ましい。また、さらに多層状に加工したものや、波状の紙が表面にでている片面ダンボールも含まれる。
<<印刷装置、印刷方法>>
本実施形態のインクは、インクジェット方式による各種印刷装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
印刷装置、印刷方法とは、基材に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて印刷を行う方法である。基材とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この印刷装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、基材の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
印刷装置、印刷方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、基材の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風加熱、輻射加熱、伝導加熱、高周波乾燥、マイクロ波乾燥等の装置が挙げられる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。乾燥の強度は、基材の厚さ、材質、熱収縮特性などに応じて設定されることが好ましい。また、加熱手段、乾燥手段としては、温風乾燥及びIR乾燥から選ばれる少なくとも1つを有することが好ましい。
また、印刷装置、印刷方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、印刷装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この印刷装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの基材への印刷も可能とする広幅の印刷装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を基材として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
印刷装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。印刷装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から基材へインクを吐出(付与)可能となる。
なお、インクの使用方法としては、インクジェット印刷方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット印刷方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、例中の「部」は「質量部」であり、「%」は、評価基準中のものを除き、「質量%」である。
<PR269の作製>
35%HCl水溶液12.5質量部を氷水187.5質量部中に加えて攪拌し、温度が5℃以下になるように調節した。これに、3-アミノ-4-メトキシベンズアニライド8.0質量部を加えて攪拌し、3-アミノ-4-メトキシベンズアニライドの溶解と、3-アミノ-4-メトキシベンズアニライドの塩酸塩の析出を確認し、5℃以下で30分間攪拌した。その後、30.0%亜硝酸ナトリウム水溶液を7.8質量部加えて5℃以下で60分間攪拌し、スルファミン酸を0.3質量部加えて亜硝酸を除去した。さらに、酢酸ナトリウムを8.0質量部、90%酢酸を12.0質量部添加し、ジアゾニウム塩冷却溶液とした。
また、上記ジアゾニウム塩冷却溶液の調整とは別に、N-(5-クロロ-2-メトキシフェニル)-3-ヒドロキシ-2-ナフタレンカルボキシアミド(構造式(1)で表される化合物)12.0質量部を秤量し、純水150.0質量部、水酸化ナトリウム4.0質量部を加え、攪拌しながら90℃まで加熱して、溶解させた。更に、これを攪拌しながら5℃まで冷却し、ナフトール冷却溶液とした。
次に、ジアゾニウム塩冷却溶液を、0.5mmのシリンジを搭載したシリンジポンプに入れ、10℃以下で攪拌されているナフトール冷却溶液中に15質量部/分の割合でインジェクションし、5℃以下で1200rpmにて1時間高速攪拌させた。その後、90℃まで加熱し、90℃のまま1200rpmにて1時間高速攪拌させた。更に、1N塩酸又は1N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを6.0に調整し、濾過し、水洗し、80℃にて10時間乾燥させ、乾燥物を粉砕し、PR269を得た。
-PR269-A~Gの作製例-
上記の通り得られたPR269に対し水洗浄を実行し、乾燥させることで、下記表1で表すPR269-A~Gの顔料を得た。なお、PR269-A~Gにおける、PR269の含有量に対する構造式(1)で表される化合物の含有量の割合(質量%)は、洗浄回数を変えることにより調整した。
PR269-A~Gにおける構造式(1)で表される化合物の含有量は次のように測定した。
まず、サンプル0.5gを乾燥させ、10mLのN-メチルピロリドンを添加して混合し、超音波処理により15分間粉砕した後、20mLのメタノールを添加し、再度15分間粉砕を続け、懸濁液を濾別した。次に、20μLの濾液を、HPLCシステムのオートサンプラー中に導入し、あらかじめ構造式(1)で表される化合物の標準物質を使用して引いた検量線とサンプルのピーク面積を比較することで、構造式(1)で表される化合物の含有量を定量化した。
なお、HPLCシステムの測定条件は以下の通りであった。
・使用機器:LC-20000Plus(日本分光社製)
・カラム:Triart-C18、4.6×100mm
・溶離液:酢酸アンモニウム水溶液/メタノール
・流量:1.0ml/分
・カラム温度:50℃
・検出器:PDA(フォトダイオードアレイ)
<PR269分散液の調整>
-PR269分散液Aの調整例-
下記の処方混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製、KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散してPR269分散液A(顔料固形分濃度:15.0質量%)を得た。
・PR269-A:15.0質量部
・アニオン性界面活性剤(パイオニンA-51-B、竹本油脂株式会社製):2.0質量部
・イオン交換水・・・83.0質量部
-PR269分散液B~Gの調整例-
上記PR269分散液Aの調整例において、PR269-Aの代わりにPR269-B~Gを用いた以外はPR269分散液Aの調整例と同様の方法により、PR269分散液B~G(いずれも顔料固形分濃度:15.0質量%)を得た。
<インクの調整>
(実施例1~10、比較例1~6)
下記表2~3に表す配合量(単位は「質量部」)で各成分を混合、撹拌し、0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過することにより実施例1~10、比較例1~6のインクを調製した。なお、下記表2~3において、PR269分散液A~Gの含有量を示す数値は顔料固形分量を表し、樹脂エマルジョンの含有量を示す数値は樹脂固形分量を表す。また、下記表2~3の各インクにおける各成分の総量は100.0質量部である。
なお、表2~3中における各成分は以下の材料を使用した。
・樹脂エマルジョン:アクリル樹脂粒子(商品名:ES-85、ジャパンコーティングレジン社製)
・オルフィンE1004:アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物であるアセチレングリコール化合物(日信化学社製)
・サーフィノール82:アセチレングリコール化合物(日信化学社製)
・BYK-345:シリコーン化合物(ビックケミー社製)
・KF-353:シリコーン化合物(信越化学社製)
・ゾニールFS-3100:フッ素系界面活性剤(DuPont社製)
・PF-136A:フッ素系界面活性剤(OMNOVA社製)
・ソフタノールEP-7025:炭化水素系界面活性剤(日本触媒社製)
・プロキセルLV:防腐防カビ剤(アベシア社製)
得られたインクを用いて、以下のようにして、「吐出信頼性」、「ベタ埋まり性」、及び「皮膚感作性」を評価した。結果を表4に示す。
[吐出信頼性]
作製したインクをインクジェットプリンター(IPSiO GXe5500、リコー製)に充填し、ヘッドのキャッピングを外した状態で、温度25℃、湿度15%RHの環境下に1時間放置した後、ノズルチェックパターンを印刷し、不吐出及び噴射乱れの有無を目視で観察し、下記評価基準に基づいて吐出信頼性を評価した。評価はB以上である場合が好ましい。
(評価基準)
AAA:印刷開始直後から不吐出及び噴射乱れが観察されない
AA:印刷開始直後から不吐出が観察されないが、印刷開始直後のみわずかな噴射乱れが観察される
A:印刷開始直後から不吐出が観察されないが、噴射乱れが観察される
B:不吐出のノズルが観察されるが、実使用上は問題ない数である
C:少数の不吐出のノズルが観察され、実使用上の問題が生じている
D:多数の不吐出のノズルが観察され、実使用上の問題が生じている
[ベタ埋まり性]
作製したインクをインクジェットプリンター(IPSiO GXe5500、リコー製)に充填し、軟包装基材(二軸延伸ポリプロピレンフィルム、厚さ30μm、商品名:パイレンP-2161、東洋紡製)に対しベタパッチを印刷し、80℃のオーブンで2分間乾燥させた後、印刷部を目視で観察し、下記評価基準に基づいてベタ埋まり性を評価した。評価はB以上である場合が好ましい。
(評価基準)
A:均一に埋められたベタが形成されている
B:99%以上のベタ埋まりであり、ごくわずかな白抜け、ビーディングが発生している
C:99%未満のベタ埋まりであり、はっきりと分かる白抜け、ひび割れが発生している
[皮膚感作性]
OECDテストガイドライン429に示された皮膚感作性評価であるLLNA法にて作製したインクのSI値を算出し、下記評価基準に基づいて評価した。評価はB以上である場合が好ましい。
(評価基準)
A:SI値が1.8倍未満
B:SI値が1.8倍以上2.5倍未満
C:SI値が2.5倍以上
なお、上記ベタ埋まり性の評価後に、印刷部を有する軟包装基材(二軸延伸ポリプロピレンフィルム、厚さ30μm、商品名:パイレンP-2161、東洋紡製)の折り曲げを繰り返した。実施例のインクをもちいた場合、いずれの印刷部においても印刷部に画像欠陥は生じなかった。
また、上記ベタ埋まり性の評価において、軟包装基材(二軸延伸ポリプロピレンフィルム、厚さ30μm、商品名:パイレンP-2161、東洋紡製)の代わりに以下の基材に対して印刷を行った以外は同様にして、ベタ埋まり性を評価した。実施例のインクをもちいた場合、いずれの基材に印刷した場合であってもB以上の評価が得られた。
・透明なプラスチックフィルム(PET、厚さ215μm、商品名:WPM-42、ラミーコーポレーション社製)
・Tシャツ
・ダンボール
なお、上記「透明なプラスチックフィルム」は、軟包装基材には該当しない基材である。
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
特開2016-108452号公報

Claims (11)

  1. 水と、Pigment Red 269と、下記構造式(1)で表される化合物と、シリコーン化合物及びアセチレングリコール化合物から選ばれる少なくとも1つと、樹脂粒子と、を含有し、
    前記構造式(1)で表される化合物の含有量は、前記Pigment Red 269の含有量に対して2.0質量%以下であり、インクの質量に対して0.05質量%以上0.1質量%以下であり、
    前記樹脂粒子の体積平均粒径が10nm以上1000nm以下であるインク。
  2. 前記樹脂粒子の含有量は、前記インクの質量に対して3.5質量%以上30質量%以下である請求項1に記載のインク。
  3. 前記シリコーン化合物及び前記アセチレングリコール化合物から選ばれる少なくとも1つの含有量は、前記インクの質量に対して0.1質量%以上2.1質量%以下である請求項1又は2に記載のインク。
  4. 前記インクは、前記アセチレングリコール化合物を含み、
    前記アセチレングリコール化合物は、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物である請求項1から3のいずれか一項に記載のインク。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のインクが収容されたインク収容容器。
  6. 請求項5に記載のインク収容容器と、収容された前記インクを基材に対して付与するインク付与手段と、を有する印刷装置。
  7. 請求項1から4のいずれか一項に記載のインクを基材に対して付与するインク付与工程を有する印刷方法。
  8. 前記基材は、軟包装基材である請求項7に記載の印刷方法。
  9. 前記基材は、プラスチックフィルムである請求項7に記載の印刷方法。
  10. 前記基材は、布帛である請求項7に記載の印刷方法。
  11. 前記基材は、ダンボールである請求項7に記載の印刷方法。
JP2020046020A 2020-03-17 2020-03-17 インク、インク収容容器、印刷装置、及び印刷方法 Active JP7494503B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020046020A JP7494503B2 (ja) 2020-03-17 2020-03-17 インク、インク収容容器、印刷装置、及び印刷方法
US17/198,357 US11578220B2 (en) 2020-03-17 2021-03-11 Ink, ink accommodating unit, printing device and printing method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020046020A JP7494503B2 (ja) 2020-03-17 2020-03-17 インク、インク収容容器、印刷装置、及び印刷方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021147430A JP2021147430A (ja) 2021-09-27
JP7494503B2 true JP7494503B2 (ja) 2024-06-04

Family

ID=77747595

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020046020A Active JP7494503B2 (ja) 2020-03-17 2020-03-17 インク、インク収容容器、印刷装置、及び印刷方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US11578220B2 (ja)
JP (1) JP7494503B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11548294B2 (en) 2020-10-20 2023-01-10 Ricoh Company, Ltd. Method of printing including applying a processing fluid and white ink to a substrate and device for such printing

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012124643A1 (ja) 2011-03-11 2012-09-20 東洋インキScホールディングス株式会社 インクジェット用顔料インキ
JP2012184334A (ja) 2011-03-07 2012-09-27 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 水性インクジェットインキ
JP2015013971A (ja) 2013-07-08 2015-01-22 花王株式会社 インクジェット記録用水系インクの製造方法
JP2020001216A (ja) 2018-06-26 2020-01-09 株式会社リコー 画像形成方法および画像形成装置

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006249203A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Brother Ind Ltd インクジェット記録用インク
JP5680353B2 (ja) * 2010-08-24 2015-03-04 富士フイルム株式会社 水性インク組成物、インクジェット記録方法及びインクジェット印画物
JP5295284B2 (ja) * 2011-02-07 2013-09-18 富士フイルム株式会社 インク組成物及び画像形成方法。
JP5398760B2 (ja) * 2011-02-23 2014-01-29 富士フイルム株式会社 インク組成物、画像形成方法及び印画物
US8544990B2 (en) * 2011-07-29 2013-10-01 Videojet Technologies Inc. Pigmented ink jet ink composition
JP5808684B2 (ja) * 2012-02-01 2015-11-10 富士フイルム株式会社 水性インク組成物及び画像形成方法
JP2013163794A (ja) * 2012-02-13 2013-08-22 Fujifilm Corp インク組成物、及び画像形成方法
JP2014040529A (ja) * 2012-08-22 2014-03-06 Fujifilm Corp インク組成物、画像形成方法、及び印画物
JP6295825B2 (ja) 2014-01-09 2018-03-20 株式会社リコー インクジェット用水性インク、インクジェット記録方法、インクジェット記録物の製造方法及びインクジェット記録装置
JP2016108452A (ja) 2014-12-05 2016-06-20 戸田工業株式会社 ナフトールレッド及びその製造方法、該ナフトールレッドを用いた樹脂組成物、水系分散体及び溶剤系分散体
EP3211048B1 (en) 2016-02-25 2020-07-08 Ricoh Company, Ltd. Surface treatment liquid composition, ink set, recording method, and recording device
EP3495154A1 (en) 2017-12-06 2019-06-12 Ricoh Company, Ltd. Image forming method, image forming device, and method of manufacturing printed matter
JP2020050705A (ja) 2018-09-25 2020-04-02 株式会社リコー インク、インクジェット印刷方法および印刷物
JP7251198B2 (ja) 2019-02-19 2023-04-04 株式会社リコー 画像形成方法、画像形成セット、画像形成装置、及び印刷物の製造方法
CN112048215A (zh) 2019-06-05 2020-12-08 株式会社理光 墨水以及印刷方法
JP2021000790A (ja) 2019-06-24 2021-01-07 株式会社リコー 表面処理用液体組成物、印刷方法および印刷装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012184334A (ja) 2011-03-07 2012-09-27 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 水性インクジェットインキ
WO2012124643A1 (ja) 2011-03-11 2012-09-20 東洋インキScホールディングス株式会社 インクジェット用顔料インキ
JP2015013971A (ja) 2013-07-08 2015-01-22 花王株式会社 インクジェット記録用水系インクの製造方法
JP2020001216A (ja) 2018-06-26 2020-01-09 株式会社リコー 画像形成方法および画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20210292578A1 (en) 2021-09-23
JP2021147430A (ja) 2021-09-27
US11578220B2 (en) 2023-02-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11649364B2 (en) Ink, inkjet printing method, and printed matter
JP2018069730A (ja) 洗浄液、インクと洗浄液のセット、洗浄方法、洗浄装置、記録方法、及び記録装置
US10414932B2 (en) Ink, ink container, and inkjet recording device
JP6722401B2 (ja) インク、インク収容容器、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置
JP2019183063A (ja) 水性インクジェットインキ、および、印刷物の製造方法
JP7494503B2 (ja) インク、インク収容容器、印刷装置、及び印刷方法
JP6741228B2 (ja) インク、インクセット及び画像形成セット
CN112048215A (zh) 墨水以及印刷方法
JP6868208B2 (ja) インク、インク収容容器及びインクジェット記録装置
JP7413731B2 (ja) インクおよび印刷方法
JP2017088843A (ja) インク、記録物、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法
JP2020105476A (ja) インクセット、画像形成装置、及び画像形成方法
JP6658133B2 (ja) インク洗浄用洗浄液、インクとインク洗浄用洗浄液のセット、洗浄方法、インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法
JP6845957B1 (ja) 水性インクジェットインキセット、及び、印刷物の製造方法
JP7077710B2 (ja) 水性インクジェット用組成物
JP2018069723A (ja) 洗浄液、インクと洗浄液のセット、洗浄方法、洗浄装置、印刷方法、及び印刷装置
JP7139759B2 (ja) 画像形成用セット、画像形成装置および画像形成方法
JP7077709B2 (ja) 水性インクジェット用組成物
JP7513958B2 (ja) 先塗り液、記録方法、及び記録装置
JP7415816B2 (ja) インク、インクセット、印刷用セット、印刷装置、及び印刷方法
JP2017165869A (ja) インク、インク収容容器、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置
JP7115220B2 (ja) インク、インク収容容器、インクジェット記録装置、及び記録方法
US20230012907A1 (en) Image forming method, set of processing fluid and ink, and image forming apparatus
JP6870441B2 (ja) インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジおよび画像記録装置
WO2022118549A1 (ja) 有彩色プロセスカラーインクジェットインキ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230829

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231010

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240423

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240506

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7494503

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150