JP2017088843A - インク、記録物、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法 - Google Patents

インク、記録物、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた定着性と高い光沢を有するインクを提供する。【解決手段】水、有機溶剤及び色材を含有するインクであって、該インクは、ウレタン系樹脂粒子及びアクリル系樹脂粒子を含有し、前記有機溶剤の中で最も沸点が高い有機溶剤のトータルHSP値と、前記ウレタン系樹脂粒子のトータルHSP値との差分が6.0[(J/cm3)0.5]以下であり、且つ、前記有機溶剤の中で最も沸点が高い有機溶剤の極性HSP値と、前記ウレタン系樹脂粒子の極性HSP値との差分が5.0[(J/cm3)0.5]以下であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、インク、記録物、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法に関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて文字や画像を得る記録方式である。この方式によれば、使用する装置の騒音が小さく、操作性が良いという利点を有するのみならず、カラー化が容易であり、かつ記録部材として普通紙を使用することができるという利点があるためオフィスや家庭での出力機として広く用いられている。
一方、産業用途においても、インクジェット技術の向上によりデジタル印刷の出力機としての利用が期待され、溶剤インキやUVインキによる非吸収性の機材に対しても印刷が可能な印刷機が実際に市販されてきた。しかし、近年、環境面への対応といった点から水性インキの需要が高まっている。
インクジェット用の水性インキとしては印刷対象を普通紙や写真光沢紙のような専用紙としたインキの開発が古くからなされている。一方では近年インクジェット記録方式の用途拡大が期待されており、コート紙のような塗工紙への印刷のニーズが高まっているが、コート紙のような浸透性が低いメディアに顔料を強固に定着させることは難しい。特許文献1のように後処理液をコートしてインク層を保護し定着性を確保する手段もあるが、印刷装置が大きくなり、コストも高くなるため、後処理工程なく定着性の良い画像を得ることが求められている。
また、定着性の向上は特許文献2のように、樹脂を添加することでも可能である。用いる樹脂の種類としては、印刷物の耐性の点からアクリル系樹脂が好ましいとされているが、アクリル系樹脂だけでは十分な定着性が得られていなかった。これは、硬化した際に硬く脆い性質になるアクリルの特性によるものだと考えられる。
そこで、アクリルの脆さを補う形で高い弾性を持つウレタン系樹脂を添加し定着性を向上させる手法がとられている(特許文献3)。アクリル系樹脂とウレタン系樹脂を添加することで優れた耐擦過性、耐光性、貯蔵安定性が得られ、また条件によってはアクリル樹脂のみよりウレタン樹脂を加えた方が、光沢が向上するという記述がある。
しかしながら、アクリル系樹脂は膜化したときにウレタン系樹脂に比べて硬くなる性質から高い光沢を発現しやすく、ウレタン系樹脂を加えると光沢は低下しやすいことが知られている。そのため特許文献4のように、ウレタン系樹脂を用いる場合にはワックスを併用し、光沢を確保している。しかしながら、ワックスを用いると印刷物表面にワックスが析出しやすく、外観が劣化しやすいという問題がある。
そこで、本発明は、優れた定着性と高い光沢を有するインクを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、水、有機溶剤及び色材を含有するインクであって、該インクは、ウレタン系樹脂粒子及びアクリル系樹脂粒子を含有し、前記有機溶剤の中で最も沸点が高い有機溶剤のトータルHSP値と、前記ウレタン系樹脂粒子のトータルHSP値との差分が6.0[(J/cm0.5]以下であり、且つ、前記有機溶剤の中で最も沸点が高い有機溶剤の極性HSP値と、前記ウレタン系樹脂粒子の極性HSP値との差分が5.0[(J/cm0.5]以下であることを特徴とする。
本発明によれば、優れた定着性と高い光沢を有するインクを提供することができる。
本発明に係る記録装置の一例を模式的に示す斜視図である。 本発明に係るインクカートリッジの一例を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明に係るインク、記録物、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明は、水、有機溶剤及び色材を含有するインクであって、該インクは、ウレタン系樹脂粒子及びアクリル系樹脂粒子を含有し、前記有機溶剤の中で最も沸点が高い有機溶剤のトータルHSP値と、前記ウレタン系樹脂粒子のトータルHSP値との差分が6.0[(J/cm0.5]以下であり、且つ、前記有機溶剤の中で最も沸点が高い有機溶剤の極性HSP値と、前記ウレタン系樹脂粒子の極性HSP値との差分が5.0[(J/cm0.5]以下であることを特徴とする。
また本発明は、水、有機溶剤及び色材を含有するインクであって、該インクは、ウレタン系樹脂粒子及びアクリル系樹脂粒子を含有し、該インクは、セルロースパルプを含む支持体上に塗工層が形成され、表面粗さが7.0[μm]以上10.0[μm]以下である記録媒体に対し、付着量500〜700mg/A4でベタ画像を形成したときに、表面粗さRaが6.0[μm]以上7.5[μm]以下であることを特徴とする。
本発明者らの検討により、アクリル系樹脂粒子を用いた場合と、ウレタン系樹脂粒子を用いた場合の表面粗さRaに対する光沢度を測定したところ、同じ表面粗さのときでもアクリル系樹脂粒子の方が高光沢となることが確認され、ウレタン系樹脂粒子をアクリル系樹脂粒子と同時に用いる場合には、よりレベリング性を向上させ、記録媒体に画像を形成したときの表面粗さを小さくする必要があることがわかった。
具体的には、表面粗さRaが6.0[μm]以上7.5[μm]以下が好ましく、6.3[μm]以上がより好ましく、6.5[μm]以上が特に好ましい。その理由としては、Raが7.5[μm]より大きいとコート紙以上の光沢が得られず十分ではなく、Raが6.0[μm]未満であると、印字物を重ね合わせたときに印字物の間に空隙が少なくなり密着性が増すため、ブロッキング性が悪化してしまう。
しかし、アクリル系樹脂粒子にウレタン系樹脂粒子を混合しただけではこの表面粗さRaを達成することはできなかった。その理由としては定かではないが、アクリル系樹脂粒子とウレタン系樹脂粒子は異なる溶解性を持つため、レベリング性に違いがあるためと考えられる。そこで、以下の事項を鋭意検討することで本発明を成し、光沢と定着性を両立することが可能となった。
なお、本発明で表面粗さRaはJISB−0601に規定される方法で測定し、測定にはLEXT OLS4100(オリンパス社製)を用いて行う。測定長さは2.5mm、カットオフ値は0.8mmとして測定する。
<インク>
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
<有機溶剤>
上記の物性を満たすためには、本発明者らの検討の結果、有機溶剤、ウレタン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子のHSP値を規定することが肝要であることがわかった。
本発明で用いる有機溶剤は、用いる樹脂種によっても異なるが、有機溶剤のトータルHSP値と、ウレタン系樹脂粒子のトータルHSP値との差分が6.0[(J/cm0.5]以下であり、且つ、有機溶剤の極性HSP値と、ウレタン系樹脂粒子の極性HSP値との差分が5.0[(J/cm0.5]以下であることが重要である。
また、有機溶剤を複数種用いる場合には、沸点が最も高く最後に蒸発する溶剤のHSP値とウレタン系樹脂粒子のHSP値の差をとる。すなわち、有機溶剤の中で最も沸点が高い有機溶剤のトータルHSP値と、ウレタン系樹脂粒子のトータルHSP値との差分が6.0[(J/cm1/2]以下であり、且つ、有機溶剤の中で最も沸点が高い有機溶剤の極性HSP値と、ウレタン系樹脂粒子の極性HSP値との差分が5.0[(J/cm1/2]以下とする。なお、差分は差をとったときの絶対値を表す。
有機溶剤とウレタン系樹脂粒子のHSP値の差が上記範囲外である場合、十分なレベリング性が得られず、上述した所定の記録媒体に所定の付着量でベタ画像を形成したとき、表面粗さRaが7.5[μm]以上となり、十分な光沢を得ることができない。有機溶剤とウレタン系樹脂粒子のHSP値の差が上記範囲内である場合、上述した所定の記録媒体に対し、所定の付着量で画像を形成したときに、表面粗さRaを6.0[μm]以上7.5[μm]以下とすることができる。
さらに、有機溶剤の中で最も沸点が高い有機溶剤のトータルHSP値と、アクリル系樹脂粒子のトータルHSP値との差分が5.0[(J/cm0.5]以下であることが好ましい。上記範囲内であるとレベリング性の向上により、表面粗さが小さくなるため良好な光沢を得ることができる。
なお、HSP値とはハンセンの溶解度パラメーターを示し、物質の溶解性を表す指標である。このHSP値は、溶剤ハンドブック(発行:株式会社講談社サイエンティフィック)などにおいて採用されているヒルデブランドのSP値とはその思想が異なり、溶解性を多次元(典型的には、3次元)のベクトルであらわす。このベクトルは、代表的には、分散項、極性項、水素結合項で表すことができ、この分散項はファンデルワールス力、極性項はダイポール・モーメント、水素結合項は水、アルコールなどによる作用を反映している。トータルHSP値は、上記三つのベクトル和である。HSP値は、HSPiPなどの、ソフトウエアにより算出することが可能である。そしてHSPによるベクトルが似ているもの同士は溶解性が高いと判断できる。そのため、含まれる有機溶剤の中で沸点が高く、インクの乾燥定着中に最後まで残る有機溶剤と樹脂粒子とのHSP値が近いと相溶性が良く馴染みが良いため、成膜時の画像表面のレベリング性が良好になると考えられる。なお、インク中にウレタン樹脂粒子のHSP値と値が近いHSP値を有する有機溶剤が含まれていたとしても、該有機溶剤が有機溶剤中で最も沸点が高くない場合は本発明の効果が得られなかった。
また、有機溶剤の中で最も沸点が高い有機溶剤のHSP値と、ウレタン系樹脂粒子のHSP値との差分が上記の範囲内であれば、有機溶剤は特に制限されず、適宜変更が可能であり、水溶性有機溶剤も用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類等が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
上記の中でも特に、沸点の最も高い溶剤としては、アミド化合物もしくはオキセタン化合物が好ましい。これらの化合物を用いることで皮膜強度の向上を図ることができ、さらに樹脂粒子のHSP値と近い値をとるため分散安定性、レベリング性に優れている。アミド化合物もしくはオキセタン化合物としては、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド(HSP値:20.2)、N,N−ジメチル−β−メトキシプロピオンアミド(HSP値:22.5)、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(HSP値:22.6)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(1−メトキシ−2−プロパノール)(HSP値:20.4)などが好ましい。なお、トータルHSP値は20以上23以下の有機溶剤であることが好ましい。
有機溶剤の沸点は180℃以上、250℃以下が好ましい。沸点が180℃未満であると、乾燥時の蒸発速度が速くなり、レベリングが十分に行われずに表面凹凸が大きくなり、光沢が低下することがある。逆に、250℃より大きいと乾燥性が低く、長時間の乾燥が必要になることがある。近年の印刷技術の高速化に伴って、インクの乾燥にかかる時間が律速になっており、乾燥時間を短縮する必要があるため、長時間の乾燥は好ましくない。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
また、前記有機溶剤が2種類以上の有機溶剤を含む場合、前記有機溶剤のうち、最もトータルHSP値の低い有機溶剤を溶剤Aとし、該溶剤Aの次にトータルHSP値の低い有機溶剤を溶剤Bとしたとき、以下の式で求められるHSP値距離が所定の値を満たすことが好ましい。すなわち、前記溶剤Aと前記溶剤BとのHSP値距離が9以下であり、インクに含まれる水と前記溶剤BとのHSP値距離が32以下であることが好ましい。
Figure 2017088843
式中の表記は以下の通りである。
Ra:HSP値距離
δD2:溶剤Bの非極性HSP値(分散HSP値)
δD1:溶剤A(又は水)の非極性HSP値(分散HSP値)
δP2:溶剤Bの極性HSP値
δP1:溶剤A(又は水)の極性HSP値
δH2:溶剤Bの水素結合HSP値
δH1:溶剤A(又は水)の水素結合HSP値
インク溶剤において疎水性溶剤の分離がおきると、樹脂が疎水性溶剤にさらされ、凝集し、ノズル詰まりの原因となることがある。上記の範囲の溶剤を使用することで、ノズル孔部で疎水性溶剤が分離しにくく、ノズル詰まりのおきないインクを得ることができる。
なお、上記のトータルHSP値を式で表す場合、以下のように表すことができる。
Figure 2017088843
式中の表記は以下の通りである。
δ:非極性HSP値(分散HSP値)
δ:極性HSP値
δ:水素結合HSP値
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
<色材>
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック1,2、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック3,4,35が挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
顔料をインク中に分散させるには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散顔料等が使用できる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものを用いることができる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
色材に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
<樹脂粒子>
本発明で用いる樹脂はウレタン系樹脂粒子とアクリル系樹脂粒子である。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、ウレタン系樹脂では、第一工業製薬社製:ユーコート、三井化学社製:タケラックなどを用いることができる。アクリル系樹脂では、例えば、東亜合成社製:サイマック、DIC社製:ボンコート、ダイセル化学工業社製:アクアブリッド、昭和高分子社製:ポリゾールなどを用いることができる。またウレタン樹脂においては、ポリカーボネート系のウレタン樹脂が保存安定性や定着性の点から好ましい。ポリカーボネート系のウレタン樹脂には、例えば三井化学社製タケラックWS−4000、W−6010、W−6110などが市販されている。
インクに対するアクリル系樹脂粒子の含有量が、インクに対するウレタン系樹脂粒子の含有量よりも多いことが好ましい。ウレタン系樹脂の比率が多くなると、画像表面のタック性が大きくなり、ブロッキング性が悪化してしまうことがある。また、より具体的には、アクリル系樹脂粒子に対するウレタン系樹脂粒子の比率は、固形分の質量比で0.1〜0.7が好ましい。この範囲内であると耐擦過性と、吐出安定性やインクの保存安定性を両立させることができる。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、インクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
また、ウレタン系樹脂微粒子の含有量としては、インク全量に対して0.5質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、アクリル系樹脂微粒子の含有量としては、インク全量に対して0.5質量%以上2.0質量%以下であることが好ましい。
さらに、ウレタン系樹脂微粒子のガラス転移温度Tgは−20[℃]以上70[℃]以下であることが好ましい。この範囲内であると、成膜性が良く、短い乾燥時間でも良好なブロッキング性を示す。また、より好ましい範囲としては、−20[℃]以上25[℃]以下である。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S-1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
Figure 2017088843
(但し、一般式(S-1)式中、m、n、a、及びbは整数を表わす。R及びR’はアルキル基、アルキレン基を表わす。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F-1)及び一般式(F-2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
Figure 2017088843
上記一般式(F-1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
2n+1−CH2CH(OH)CH2−O−(CH2CH2O)−Y・・・一般式(F-2)
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はCnF2n+1でnは1〜6の整数、又はCHCH(OH)CH−CnF2n+1でnは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれも、DuPont社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Du Pont社製のFS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
<記録媒体>
記録に用いる記録媒体としては、特に限定されないが、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙等が挙げられる。
本発明のインクを用いると、セルロースパルプを含む支持体上に塗工層が形成された光沢が高い紙に対しても、それ以上の光沢が得られ、効果的である。具体的には、印刷用紙Lumi Art Gloss 130gsm (Stora Enso社製、60°光沢:26.5)が好ましい。該印刷用紙の表面粗さは7.0[μm]以上10[μm]以下であり、この記録媒体に付着量500〜700mg/A4でベタ画像を形成したときに、表面粗さRaが6.0[μm]以上7.5[μm]以下であることで良好な光沢と定着性を有する画像を得ることができる。
この際、印字方法としては、記録用インクをインクジェットプリンタ IPSIO GX5500:リコー社製)に充填し、そこにLumi Art Gloss 130gsm 紙 (Stora Enso社製)をセットし、1200dpiの解像度でベタ印字する方法で行った後、100℃で1分乾燥後、室温で24時間放置した。また、記録媒体と画像の表面粗さ測定はLEXT OLS4100(オリンパス社製)を用い、測定長さは2.5mm、カットオフ値は0.8mmとした。
<記録物>
本発明のインク記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
<記録装置、記録方法>
本発明の記録装置は、本発明のインクを記録ヘッド(吐出ヘッド)から飛翔(吐出)させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔手段を有する。また、本発明の記録方法は、本発明のインクにインク飛翔手段を介して刺激を印加し、記録ヘッドから該インクを飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔工程を有する。
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
なお、インクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<顔料分散体PD−C>
特開2012−207202号公報の〔顔料表面改質処理〕の−方法A−に記載の方法と同様にして、自己分散型顔料分散体を作製した。ピグメントブルー15:3(大日精化社製、クロモファインブルー)20g、下記構造式(1)の化合物20ミリモル、及びイオン交換高純水200mLを、室温環境下、Silversonミキサー(6,000rpm)で混合する。得られるスラリーのpHが4より高い場合は、硝酸20ミリモルを添加する。30分後に、少量のイオン交換高純水に溶解された亜硝酸ナトリウム(20ミリモル)を上記混合物にゆっくりと添加する。更に、撹拌しながら60℃に加温し、1時間反応させる。ピグメントブルーに下記構造式(1)の化合物を付加した改質顔料が生成できる。次いで、pHをNaOH水溶液により10に調整することにより、30分後に改質顔料分散体が得られる。少なくとも1つのジェミナルビスホスホン酸基又はジェミナルビスホスホン酸ナトリウム塩と結合した顔料を含んだ分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行い、更に超音波分散を行って顔料濃度15%のシアンの顔料分散体[PD−C]を得た。
Figure 2017088843
<顔料分散体PD−M>
顔料分散体[PD−C]の作製方法において、ピグメントブルー20gをピグメントレッド122(クラリアント社製、トナーマゼンタEO02)20gに変更した点以外は、[PD−C]の作製方法と同様にして、顔料濃度15%のマゼンタの顔料分散体[PD−M]を得た。
<顔料分散体PD−Y>
顔料分散体[PD−M]の作製方法において、ピグメントブルー20gをピグメントイエロー74(大日精化社製、ファーストイエロー531)20gに変更した点以外は、[PD−M]の作製方法と同様にして、顔料濃度15%のイエローの顔料分散体[PD−Y]を得た。
<その他の材料>
以下、実施例、比較例で用いたアクリル樹脂Ac−1〜2、ウレタン樹脂Ur−1〜5を示す。
<樹脂Ac−1>
・アクリルシリコン樹脂 サイマックUS480(東亜合成社製)
<樹脂Ac−2>
・スチレンアクリル樹脂 ポリゾールAP−1120(昭和高分子社製)
<樹脂Ur−1>
・ポリカーボネート系樹脂 タケラックW6110(三井化学社製)
<樹脂Ur−2>
・ポリカーボネート系樹脂 タケラックW6061(三井化学社製)
<樹脂Ur−3>
・ポリエーテル系樹脂 タケラックW5661(三井化学社製)
<樹脂Ur−4>
・ポリカーボネート系樹脂 タケラックW6010(三井化学社製)
<樹脂Ur−5>
・エステル・エーテル系ウレタン樹脂 スーパーフレックス300(第一工業製薬製)
以下、実施例、比較例で用いた有機溶剤Os−1〜8を示す。
<有機溶剤Os−1>
・下記構造式(2)で表されるN,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド(B100;出光興産社製) トータルHSP値:20.2、極性HSP値:8.9、沸点252℃
Figure 2017088843
<有機溶剤Os−2>
・下記構造式(3)で表される3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(EHO;宇部興産社製) トータルHSP値:22.6、極性HSP値:7.9、沸点227℃
Figure 2017088843
<有機溶剤Os−3>
・1,2−ブタンジオール(神港有機化学工業社製) トータルHSP値:26.9、極性HSP値:8.2、沸点195℃
<有機溶剤Os−4>
・下記構造式(4)で表されるN,N−ジメチル−β−メトキシプロピオンアミド(M100;出光興産社製) トータルHSP値:22.5、極性HSP値:11.0、沸点216℃
Figure 2017088843
<有機溶剤Os−5>
・1,3−ブタンジオール(東京化成工業社製) トータルHSP値:27.8、極性HSP値:8.1、沸点204℃
<有機溶剤Os−6>
・1,3−プロパンジオール(東京化成工業社製) トータルHSP値:31.7、極性HSP値:13.5、沸点214℃
<有機溶剤Os−7>
・1,2−プロパンジオール(ADEKA社製) トータルHSP値:29.1、極性HSP値:10.4、沸点188℃
<有機溶剤Os−8>
・1−メトキシ−2−プロパノール(東京化成工業社製) トータルHSP値:20.4、極性HSP値:6.3、沸点121℃
以下、実施例、比較例で用いた界面活性剤S−1〜3を示す。
<界面活性剤S−1>
・ポリエーテル変性シロキサンポリマー TEGO Wet270(Evonik Industries社製)
<界面活性剤S−2>
・ノニオン系界面活性剤 サーフィノール465(Air Product and Chemicals,Inc.製)
<界面活性剤S−3>
・フッ素系界面活性剤 DSN403N(ダイキン社製)
上記の各材料の一覧を以下の表1に示す。
Figure 2017088843
<シアン、マゼンタ、イエローの各インクの調製>
下記表2に示す処方の材料を混合攪拌した後、0.2μmポリプロピレンフィルターで濾過して、実施例1〜11及び比較例1〜8の各インクを作製した。なお、各インクに用いた顔料分散体、有機溶剤、樹脂粒子の種類、及び、有機溶剤の配合割合は、表2の実施例及び比較例の各欄に示した通りである。表2中の数値は、「質量%」である。
なお、比較例8にはレベリング剤(DSN403N)を添加した。
Figure 2017088843
上記のように調合したインクを以下に示す評価項目について評価を行った。その結果を表3及び表4に示す。
<表面粗さ>
実施例及び比較例の各記録用インクをインクジェットプリンタ IPSIO GX5500:リコー社製)に充填した。次にLumi Art Gloss 130gsm (Stora Enso社製、60°光沢:26.5)をセットし、付着量500〜700mg/A4となるよう1200dpiの解像度でベタ印字を行った。100℃で1分乾燥後、室温で24時間放置した。
印字前の記録媒体の表面粗さRaは7.3[μm]であった。この表面粗さRaはJISB−0601に規定される方法で測定し、測定にはLEXT OLS4100(オリンパス社製)を用い、測定長さは2.5mm、カットオフ値は0.8mmとした。
得られた画像について、記録媒体の表面粗さの測定と同様の手法で表面粗さRaの測定を行った。
<光沢>
得られた画像について、光沢計(BYK Gardner社製:Micro−TRI−Gloss 4520)を用いて60°光沢を測定した。評価基準は下記の通りである。
〔評価基準〕
○:30以上
×:30未満
<耐擦過性>
得られた画像について、1.2mm四方に切ったLumi Art Gloss 130gsm 紙で印字部を20回擦り、紙へのインク付着汚れを、反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)を用いて測定し、擦った紙の地肌色を差し引いた濃度を下記基準で評価した。
〔評価基準〕
○:転写濃度が0.10未満
×:転写濃度が0.10以上
<ブロッキング性>
上記記録方法にて、計2枚の印刷物を作成し、得られた画像を重ね合わせ、5kg/cmの圧力をかけて24時間放置した後、印刷物同士の張り付き具合と画像の転写の様子を確認した。また、上記記録方法にて、乾燥条件を100℃で5秒に変えたものでも同様に評価した。
評価△以上が許容範囲である。
〔評価基準〕
○:印刷物同士の張り付きがなく、画像の転写もない
△:印刷物同士の張り付きはあるが、画像の転写はない
×:印刷物同士の張り付きがあり、画像の転写もある
<吐出信頼性>
実施例5、7、8及び比較例6で得られたインクを、インクジェットプリンタ(IPSiO GX−e5500(リコー製))に充填してセットし、10分間連続印字を行い、ヘッド面にインクが付着した状態で保湿キャップをしてプリンタを50℃60%RH環境下で1ヶ月間放置した後、クリーニングを実施して放置前と同等に復帰させた。この後、以下の条件で間欠印写試験を行い、吐出信頼性(吐出安定性)を評価した。
即ち、印刷パターンチャートを20枚連続で印字した後、20分間印字を実施しない休止状態にし、これを50回繰り返し、累計で1000枚印写した後、もう1枚同じチャートを印写したときの5%チャートベタ部の筋、白抜け、噴射乱れの有無を目視により下記の基準で評価した。なお、印刷パターンは、紙面全面積中、各色の印字面積が5%であるチャートにおいて、各インクを100%dutyで印字した。印字条件は、記録密度600×300dpi、ワンパス印字とした。
評価結果を表4に示す。ランクA、Bが許容範囲である。
[評価基準]
A:ベタ部にスジ、白抜け、噴射乱れがない
B:ベタ部にスジ、白抜け、噴射乱れが若干認められる
C:ベタ部にスジ、白抜け、噴射乱れが認められる
D:ベタ部全域にわたってスジ、白抜け、噴射乱れが認められる
結果を表3及び表4に示す。なお、表中のHSP値の単位は[(J/cm0.5]である。
Figure 2017088843
Figure 2017088843
表3に示すように、実施例1〜7では表面粗さRaが規定の範囲内にあり、アクリル単独(比較例1)よりも良好な光沢を示している。樹脂と有機溶剤のHSP値の差分も規定の範囲内である。
また、実施例8では表面粗さRaが規定の範囲内にあり、アクリル単独(比較例1)同等レベルの光沢を示している。樹脂と有機溶剤のHSP値の差分も規定の範囲内である。
また、実施例9では表面粗さRaが規定の範囲内にあり、アクリル樹脂単独(比較例1)よりも良好な光沢を示している。樹脂と有機溶剤のHSP値の差分も規定の範囲内である。しかし、アクリル樹脂よりもウレタン樹脂の割合を多くすると、タック性向上によりブロッキング性が若干劣る。
また、実施例10、11ではウレタン系樹脂微粒子のガラス転移温度Tgが好ましい範囲から外れており、ブロッキング性が若干劣っている。
比較例1のアクリル樹脂単独の場合は、光沢は良いが耐擦性が悪くなり、比較例2のウレタン樹脂単独の場合は、光沢が悪くブロッキング性も悪化する。比較例3〜7では表面粗さRaが規定の範囲外にあり、光沢がウレタン樹脂単独(比較例2)と同等かもしくは悪化する。また、比較例8ではレベリング性に優れた界面活性剤を添加すると光沢は少し改善されるが、ウレタン樹脂単独(比較例2)と同等レベルであり、アクリル樹脂単独(比較例1)に劣ることがわかる。
また、表4より、比較例6では溶剤1と溶剤2のHSP値距離が規定の範囲を満たしておらず、吐出信頼性ランクが劣っていた。
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
特開2013−248883号公報 特開2010−024352号公報 特開2004−131586号公報 特開2012−207202号公報

Claims (13)

  1. 水、有機溶剤及び色材を含有するインクであって、
    該インクは、ウレタン系樹脂粒子及びアクリル系樹脂粒子を含有し、
    前記有機溶剤の中で最も沸点が高い有機溶剤のトータルHSP値と、前記ウレタン系樹脂粒子のトータルHSP値との差分が6.0[(J/cm0.5]以下であり、
    且つ、前記有機溶剤の中で最も沸点が高い有機溶剤の極性HSP値と、前記ウレタン系樹脂粒子の極性HSP値との差分が5.0[(J/cm0.5]以下であることを特徴とするインク。
  2. 前記有機溶剤の中で最も沸点が高い有機溶剤のトータルHSP値と、前記アクリル系樹脂粒子のトータルHSP値との差分が5.0[(J/cm0.5]以下であることを特徴とする請求項1に記載のインク。
  3. 水、有機溶剤及び色材を含有するインクであって、
    該インクは、ウレタン系樹脂粒子及びアクリル系樹脂粒子を含有し、
    該インクは、セルロースパルプを含む支持体上に塗工層が形成され、表面粗さが7.0[μm]以上10.0[μm]以下である記録媒体に対し、付着量500〜700mg/A4でベタ画像を形成したときに、表面粗さRaが6.0[μm]以上7.5[μm]以下であることを特徴とするインク。
  4. 前記インクに対する前記アクリル系樹脂粒子の含有量が、前記インクに対する前記ウレタン系樹脂粒子の含有量よりも多いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインク。
  5. 前記アクリル系樹脂粒子の含有量に対する前記ウレタン系樹脂粒子の含有量の比率(ウレタン系樹脂粒子の含有量/アクリル系樹脂粒子の含有量)は、固形分の質量比で0.1〜0.7であることを特徴とする請求項4に記載のインク。
  6. 前記ウレタン系樹脂微粒子のガラス転移温度Tgが、−20[℃]以上70[℃]以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインク。
  7. 前記ウレタン系樹脂微粒子のガラス転移温度Tgが、−20[℃]以上25[℃]以下であることを特徴とする請求項6に記載のインク。
  8. 前記有機溶剤は2種類以上の有機溶剤を含み、前記有機溶剤のうち、最もトータルHSP値の低い有機溶剤を溶剤Aとし、該溶剤Aの次にトータルHSP値の低い有機溶剤を溶剤Bとしたとき、
    以下の式で求められる前記溶剤Aと前記溶剤BとのHSP値距離が9以下であり、
    以下の式で求められる前記水と前記溶剤BとのHSP値距離が32以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインク。
    Figure 2017088843
    式中の表記は以下の通りである。
    Ra:HSP値距離
    δD2:溶剤Bの非極性HSP値
    δD1:溶剤A(又は水)の非極性HSP値
    δP2:溶剤Bの極性HSP値
    δP1:溶剤A(又は水)の極性HSP値
    δH2:溶剤Bの水素結合HSP値
    δH1:溶剤A(又は水)の水素結合HSP値
  9. 前記有機溶剤が、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−メトキシプロピオンアミド、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルから選ばれる1種以上を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインク。
  10. 記録媒体上に請求項1〜9のいずれかに記載のインクを用いて形成された画像を有することを特徴とする記録物。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載のインクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
  12. 請求項1〜9のいずれかに記載のインクを記録ヘッドから飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔手段を有することを特徴とする記録装置。
  13. 請求項1〜9のいずれかに記載のインクにインク飛翔手段を介して刺激を印加し、記録ヘッドから該インクを飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔工程を有することを特徴とする記録方法。
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