JP2009062519A - インクジェットインク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物 - Google Patents

インクジェットインク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物 Download PDF

Info

Publication number
JP2009062519A
JP2009062519A JP2008196734A JP2008196734A JP2009062519A JP 2009062519 A JP2009062519 A JP 2009062519A JP 2008196734 A JP2008196734 A JP 2008196734A JP 2008196734 A JP2008196734 A JP 2008196734A JP 2009062519 A JP2009062519 A JP 2009062519A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
inkjet
repellent layer
inkjet ink
pigment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008196734A
Other languages
English (en)
Inventor
Ichiro Fujii
一郎 藤井
Akihiko Matsuyama
彰彦 松山
Yuki Yokohama
佑樹 横濱
Shigeo Hatada
茂雄 旗田
Keiji Taniguchi
圭司 谷口
Shigeru Higeta
茂 日下田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2008196734A priority Critical patent/JP2009062519A/ja
Priority to EP08252661.7A priority patent/EP2028242B1/en
Priority to US12/190,946 priority patent/US8317913B2/en
Priority to CN200810129862.9A priority patent/CN101368016B/zh
Publication of JP2009062519A publication Critical patent/JP2009062519A/ja
Priority to US13/616,058 priority patent/US8680175B2/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

【課題】ノズルプレートへの固着を防止でき、吐出安定性に優れたインクジェットインク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物の提供。
【解決手段】少なくとも着色剤、水、水不溶性樹脂、フッ素系界面活性剤、及びポリエーテル変性シリコーンオイルを含有してなり、ポリエーテル変性シリコーンオイルの下記数式1で表される疎水値が0.40以上1.5以下であるインクジェットインクである。
〔数式1〕:疎水値=A/B(ただし、前記数式1中、Aは、テトラメチルシラン(TMS)を基準物質としたH−NMRスペクトルでのポリエーテル変性シリコーンオイルの0ppm〜0.3ppmにおける積分値を表す。Bは、テトラメチルシラン(TMS)を基準物質としたH−NMRスペクトルでのポリエーテル変性シリコーンオイルの3.5ppm〜4.0ppmにおける積分値を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット方式による画像記録に好適に用いられるインクジェットインク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物に関する。
インクジェット記録方式は、他の各種記録方式に比べてプロセスが簡単であるためフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られるという利点がある。
近年、OA用プリンタの高速化、高画質化技術の向上に伴って画像品質、色相、彩度、光沢、耐久性(耐擦過性、耐マーカー性等)などへの要求が更に厳しくなってきている。
また、普通紙での高画質化のためにはインクの表面張力を下げ、普通紙への濡れ性を上げて発色性を向上させることが有効である。また画像の耐久性を向上させるためには水不溶性樹脂の添加が有効である。
例えば、特許文献1では、ポリマー微粒子、水不溶性又は難溶性の色材、水溶性有機溶剤、及びフッ素系界面活性剤を含有したインクが提案されている。しかし、この提案のようなフッ素系界面活性剤を含有した低表面張力インクは、ノズルプレートが濡れやすく、吐出安定性の確保が困難であるという問題がある。
また、特許文献2では、水溶性溶媒、色材、水、及び少なくとも同一分子内中にアルキレンオキサイド部、芳香環部、及びカルボキシル部を含む重合体を含有したインクについて提案されており、その明細書中には、「吐出口周辺部の撥液処理」、「シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の含有」についても開示されている。しかし、この提案には、シリコーン系界面活性剤の種類については何ら記載されておらず、この提案の構成では、フッ素系界面活性剤を含有した低表面張力インクでは撥インク性の確保が困難である。
また、特許文献3には、自己分散型顔料、ポリマー粒子、及びポリシロキサン骨格を有する化合物を含有するインクジェット記録用水分散体及び該水分散体を含有する水系インクが提案されている。しかし、この提案のインクの表面張力は25mN/m〜50mN/mであり、低表面張力インクを意図したものではない。
そこで、本願出願人は、先に、インクジェットインクの表面張力を下げ、記録媒体への濡れ性を上げて発色性を向上させるため、インクジェットノズルにおけるノズルプレートの撥インク層にシリコーン樹脂を含有させることを提案している(特許文献4参照)。この提案によれば、インクの発色性を向上させることができるが、撥インク層の別の要求事項としてプリンタの高速化、使用頻度の増加により初期の撥インク性だけでなく、ワイピング等による機械的耐久性にも優れていることが求められる。従来のインクでは、初期の撥インク性は確保できるものの連続印字を行うと撥インク層に乾燥したインクが固着し、撥インク性の低下を引き起こしていた。
また、特許文献5では、水、水溶性有機溶剤、水分散性樹脂、顔料、界面活性剤としてフッ素系界面活性剤及び/又はシリコーン系界面活性剤を1種類以上含有するインクが提案されているが、撥インク層への固着は言及されていない。実際提案された処方では撥インク層への固着は解決されない。
特開2003−226827号公報 特開2004−10733号公報 特開2007−154021号公報 特開2005−138383号公報 特開2008−95089号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、撥インク層への固着を防止でき、吐出安定性に優れたインクジェットインク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも着色剤、水、水不溶性樹脂、フッ素系界面活性剤、及びポリエーテル変性シリコーンオイルを含有してなり、
前記ポリエーテル変性シリコーンオイルの下記数式1で表される疎水値が0.40以上1.5以下であることを特徴とするインクジェットインクである。
〔数式1〕
疎水値=A/B
ただし、前記数式1中、Aは、テトラメチルシラン(TMS)を基準物質としたH−NMRスペクトルでのポリエーテル変性シリコーンオイルの0ppm〜0.3ppmにおける積分値を表す。Bは、テトラメチルシラン(TMS)を基準物質としたH−NMRスペクトルでのポリエーテル変性シリコーンオイルの3.5ppm〜4.0ppmにおける積分値を表す。
<2> 着色剤が、顔料をノニオン系界面活性剤及びアニオン系界面活性剤のいずれかで分散した顔料分散体である前記<1>に記載のインクジェットインクである。
<3> ノニオン系界面活性剤が、下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種である前記<2>に記載のインクジェットインクである。
ただし、前記一般式(1)中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアラルキル基、又はアリル基を表し、lは0〜7の整数を表し、nは20〜200の整数を表す。
<4> 着色剤が、自己分散性顔料である前記<1>に記載のインクジェットインクである。
<5> 着色剤が、染料である前記<1>に記載のインクジェットインクである。
<6> フッ素系界面活性剤が、下記一般式(2)で表される化合物を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
ただし、前記一般式(2)中、mは0〜10の整数、nは0〜40の整数を表す。
<7> フッ素系界面活性剤が、下記一般式(3)で表される化合物を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
ただし、前記一般式(3)中、Rfはフッ素含有基を表す。m、n及びpは、それぞれ整数を表す。
<8> フッ素系界面活性剤が、下記一般式(4)で表される化合物を含有する請求項1から5のいずれかに記載のインクジェットインク。
ただし、前記一般式(4)中、Rfはフッ素含有基を表す。qは整数を表す。
<9> 水不溶性樹脂が、樹脂エマルジョンである前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクジェットインクである。
<10> 樹脂エマルジョンが、ポリウレタン系樹脂エマルジョン、スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、アクリルシリコーン系樹脂エマルジョン、及びフッ素樹脂エマルジョンから選択される少なくとも1種を含む前記<9>に記載のインクジェットインクである。
<11> ポリウレタン系樹脂エマルジョンが、アニオン性自己乳化型のエーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンである前記<10>に記載のインクジェットインクである。
<12> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクジェットインクを用いて記録を行うインクジェット記録方法であって、記録ヘッドのインク吐出用開口部が形成されている面に撥インク層が形成されていることを特徴とするインクジェット記録方法である。
<13> 撥インク層が、フッ素系材料、及びシリコーン系材料のいずれかで構成される前記<12>に記載のインクジェット記録方法である。
<14> 撥インク層の表面粗さRaが、0.2μm以下である前記<12>から<13>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
<15> 撥インク層の開口部近傍における当該開口部の中心線に垂直な平面での断面積が、該基材表面から離れるにつれて順次大きくなっていくように形成された前記<12>から<14>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
<16> 撥インク層の臨界表面張力が、5mN/m〜40mN/mである前記<12>から<15>のいずれかに記載のインクジェット記録方法である。
<17> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクジェットインクに刺激を印加し、該インクジェットインクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有し、該刺激が、温度、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種であることを特徴とするインクジェット記録装置である。
<18> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクジェットインクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジである。
<19> 記録媒体上に、前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクジェットインクを用いて記録された画像を有してなることを特徴とするインク記録物である。
本発明のインクジェットインクは、少なくとも着色剤、水、水不溶性樹脂、フッ素系界面活性剤、及びポリエーテル変性シリコーンオイルを含有してなり、
前記ポリエーテル変性シリコーンオイルが、テトラメチルシラン(TMS)を基準物質としたH−NMRスペクトルにおいて、上記数式1で表される疎水値が0.40以上1.5以下である。
本発明のインクジェットインクにおいては、フッ素系界面活性剤のパーフルオロアルキル基は撥油性を有するため、フッ素系界面活性剤を含有するインクは、表面に親油基が配向している撥インク層に対する離型性は良好である。そのため、インク中の着色剤及び水不溶性樹脂が乾燥することによってシリコーン樹脂を含有する撥インク層に固着してしまうと考えられる。
そこで、インクに添加するポリエーテル変性シリコーンオイルの親水親油バランスに着目し、特に疎水値が撥インク層へのインク固着と相関があることを見出し、その疎水値を0.40以上1.5以下とすることにより、撥インク層へのインク固着を防止できることを見出した。一般に親水親油バランスはHLB値で議論されることが多いが、撥インク層へのインク固着については単純にHLB値だけでは相関がなく説明できない(表4参照)。疎水値が0.40以上1.5以下の範囲では、シリコーンオイル中の疎水部位の割合が増加し、該シリコーンオイルが水不溶性樹脂に吸着しやすくなり、水不溶性樹脂の表面を親水化することで疎水表面である撥インク層への固着を防止でき、吐出安定性を向上させることができる。前記疎水値が0.40未満では、該シリコーンオイルの水不溶性樹脂への吸着が十分でなく、固着を引き起こしてしまう。また、前記疎水値が1.5を超えると親水部の割合が相対的に小さくなるため水不溶性樹脂表面の親水化効果が小さく、やはり固着防止作用を発現しない。
本発明のインクジェット記録装置は、本発明の前記インクジェットインクにエネルギーを印加し、該インクジェットインクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有し、該刺激が、温度、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である。該インクジェット記録装置においては、前記インク飛翔手段が、本発明の前記インクジェットインクにエネルギーを印加し、該インクジェットインクを飛翔させて画像を記録する。その結果、吐出安定性を備え、高品位画像が得られる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の前記インクジェットインクを用いて記録を行うインクジェット記録方法であって、記録ヘッドのインク吐出用開口部が形成されている面に撥インク層が形成されている。その結果、吐出安定性を備え、高品位画像が得られる。
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記インクジェットインクを容器中に収容してなる。該インクカートリッジは、インクジェット記録方式によるプリンタ等に好適に使用される。該インクカートリッジに収容されたインクジェットインクを用いて記録を行うと、吐出安定性を備え、高品位画像が得られる。
本発明のインク記録物は、記録媒体上に本発明の前記インクジェットインクを用いて形成された画像を有してなる。本発明のインク記録物においては、各種記録媒体に良好な色調の高品位画像を保持することができる。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、撥インク層への固着を防止でき、吐出安定性に優れたインクジェットインク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物を提供することができる。
(インクジェットインク)
本発明のインクジェットインクは、少なくとも着色剤、水、水不溶性樹脂、フッ素系界面活性剤、及びポリエーテル変性シリコーンオイルを含有してなり、水溶性有機溶剤、浸透剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記インクジェットインクは、後述するように、撥インク層を有するインクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置に用いられ、該撥インク層を設けたノズルプレートへの固着を防止でき、吐出安定性に優れた特性を有するものである。
−ポリエーテル変性シリコーンオイル−
前記ポリエーテル変性シリコーンオイルは、下記数式1で表される疎水値が0.40以上1.5以下である。
〔数式1〕
疎水値=A/B
ただし、前記数式1中、Aは、テトラメチルシラン(TMS)を基準物質としたH−NMRスペクトルでのポリエーテル変性シリコーンオイルの0ppm〜0.3ppmにおける積分値を表す。Bは、テトラメチルシラン(TMS)を基準物質としたH−NMRスペクトルでのポリエーテル変性シリコーンオイルの3.5ppm〜4.0ppmにおける積分値を表す。
ここで、H−NMRスペクトルにおける3.5ppm〜4.0ppmの積分値はポリエーテル変性シリコーンオイル中のポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレン等の親水部位の水素原子数に対応し、0ppm〜0.3ppmの積分値はポリエーテル変性シリコーンオイル中のSi元素に結合したアルキル基(疎水部位)の水素原子数に対応する。3.5ppm〜4.0ppmの積分値に対する0ppm〜0.3ppmの積分値の比である疎水値を0.40以上とすることで、シリコーンオイル中の疎水部位の割合が増加する。その結果、シリコーンオイルが水不溶性樹脂に吸着しやすくなり、水不溶性樹脂の表面を親水化することで疎水表面である撥インク層への固着を防止できる。
なお、積分値には基準物質であるテトラメチルシラン(TMS)、あるいはTMSのスピニングサイドバンドのピークの積分値は含まないこととする。
前記数式1で表される疎水値は、0.40以上1.5以下であり、0.40以上1.2以下がより好ましい。前記疎水値が0.40未満では、該シリコーンオイルの水不溶性樹脂への吸着が十分でなく、固着を引き起こしてしまう。一方、前記疎水値が1.5を超えると、親水部の割合が相対的に小さくなるため水不溶性樹脂表面の親水化効果が小さく、やはり固着防止作用を発現しない。
ここで、H−NMRの測定は日本電子株式会社製の「JEOL JNM−A400FT NMR SYSTEM」を用い、試料濃度1質量%、溶媒として重クロロホルム(CDCl)、積算回数128回、室温で測定したデータとするが、試料の溶解性が不十分な場合には、DMSO、DMF−d7、THF−d8、アセトン−d6、メタノール−d4、重水、ヘキサン−d14の順で溶解性を確保できる溶媒を使用することとする。
前記疎水値は小数点第3位を四捨五入した値である。
このようなポリエーテル変性シリコーンオイルは、ジメチルポリシロキサンの側鎖にエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの付加物であるポリオキシアルキレン基を有するものであり、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えばDOW CORNING TORAY L−7604(東レ・ダウコーニング株式会社製)、KF−353(信越化学工業株式会社製)などが挙げられる。
前記ポリエーテル変性シリコーンオイルの前記インクジェットインクにおける含有量は、0.05質量%〜3質量%が好ましく、0.1質量%〜2質量%がより好ましい。
−着色剤−
前記着色剤としては、(1)顔料をノニオン系界面活性剤で分散した顔料分散体、(2)自己分散性顔料、及び(3)染料のいずれかを好適に使用できる。
これら(1)〜(3)の着色剤と水不溶性樹脂を含むインクは、通常撥インク層に固着してしまうが、上述したように特定のポリエーテル変性シリコーンオイルをインクに含有することにより固着を防止できる。
(1)顔料をノニオン系界面活性剤で分散した顔料分散体
前記顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。
前記有機顔料としては、例えばアゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料等が挙げられる。
前記無機顔料としては、例えばカーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉などが挙げられる。
前記顔料の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用のもの、カラー用のもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用のものとしては、例えばファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、又は銅酸化物、鉄酸化物(C.I.ピグメントブラック11)、若しくは酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料を挙げることができる。
前記カラー用のものとしては、黄色インク用では、例えばC.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、2、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、16、17、20、23、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、73、74、75、81、83(ジスアゾイエローHR)、86、93、95、97、98、100、101、104、108、109、110、114、117、120、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185、などが挙げられる。
マゼンタ用では、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、5、7、9、12、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:1(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、92、97、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(ジメチルキナクリドン)、123、146、149、166、168、170、172、175、176、178、179、180、184、185、190、192、193、202、209、215、216、217、219、220、223、226、227、228、238、240、254、255、272、などが挙げられる。
シアン用では、例えばC.I.ピグメントブルー1、2、3、15(銅フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、22、56、60、63、64、バットブルー4、バットブルー60、などが挙げられる。
中間色では、レッド、グリーン、ブルー用としてはC.I.ピグメントレッド177、194、224、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、71、C.I.ピグメントバイオレット3、19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントグリーン7、36、などが挙げられる。
これらの顔料のうち、ブラック顔料としては、カーボンブラックが好ましく、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒子が15nm〜40nm、BET吸着法による比表面積が50m/g〜300m/g、DBP吸油量が4ml/100g0〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH2〜9を有するものが使用され、pH6以下の酸性カーボンブラックが高濃度で特に好ましい。
カラー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー13、17、55、74、93、97、98、110、128、139、147、150、151、154、155、180、185;C.I.ピグメントレッド122、202、209;C.I.ピグメントブルー15:3、15:4が特に好ましい。
前記顔料の平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10nm〜150nmが好ましく、20nm〜100nmがより好ましく、30nm〜80nmが更に好ましい。前記平均粒径が150nmを超えると、印写画像の彩度が低下するのみならずインク保存時の増粘凝集や印写時のノズルの詰まりが生じやすくなることがある。一方、顔料の平均粒径が10nm未満であると、耐光性が低下するのみならず保存安定性も悪化する傾向がある。
前記顔料の平均粒径は、例えば日機装株式会社製のマイクロトラックUPA−150を用い、測定サンプル中の顔料濃度(質量濃度)が0.01質量%になるように純水で希釈したサンプルを用い、粒子屈折率1.51、粒子密度1.4g/cm、溶媒パラメーターは純水のパラメーターを用い、23℃で測定した平均粒径(D50)を意味する。
前記顔料をノニオン系界面活性剤で分散することで顔料の粒径及び粒度分布の幅を小さくし、ノズルプレートに付着したインク中の顔料の粗大粒子量を減らすことにより、ワイピング時にインク中の粗大粒子の摩擦により撥インク層を損傷することを低減でき、固着しにくくすることができる。
前記ノニオン系分散剤としては、特に制限はなく、顔料種別に応じて適宜選択できるが、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンαナフチルエーテル、ポリオキシエチレンβナフチルエーテル、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンモノスチリルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、などが挙げられる。また、前記分散剤のポリオキシエチレンの一部をポリオキシプロピレンに置き換えた界面活性剤やポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の芳香環を有する化合物をホルマリン等で縮合させた分散剤も使用できる。
前記ノニオン系分散剤のHLBは12以上19.5以下のものが好ましく、13以上19以下のものがより好ましい。HLBが12未満だと界面活性剤の分散媒へのなじみが悪いため分散安定性が悪化する傾向があり、HLBが19.5を超えると分散剤が顔料に吸着しにくくなるためやはり分散安定性が悪化する傾向がある。
また、ノニオン系分散剤としては、下記一般式(1)で示される化合物を用いることが特に好ましい。この化合物を用いて分散することにより顔料の平均粒径が小さくなり、また粒度分布の幅を狭くすることができる。エチレンオキサイドの重合度nは20〜200が好ましく、25〜60がより好ましい。前記重合度nが、20未満であると、分散安定性が低下して顔料の平均粒径が大きくなり、画像の彩度が低下する傾向にあり、200を超えるとインクの粘度が高くなり、インクジェット方式での印字が困難になる傾向がある。
ただし、式中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、又は炭素数1〜20のアラルキル基を表し、lは0〜7の整数を表し、nは20〜200の整数を表す。
前記Rのうち、炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、ブチル(n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、sec−ブチル)、ペンチル(n−ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル等)、ヘキシル(n−ヘキシル、i−ヘキシル、シクロヘキシル等)、ヘプチル(n−ヘプチル、i−ヘプチル等)、オクチル(n−オクチル、i−オクチル、t−オクチル等)、ノニル(n−ノニル、i−ノニル等)、デシル(n−デシル、i−デシル等)、ウンデシル(n−ウンデシル、i−ウンデシル等)、ドデシル(n−ドデシル、i−ドデシル等)、又はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられる。
炭素数1〜20のアラルキル基としては、例えばベンジル、フェネチル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−メチルベンジルなどが挙げられる。
前記一般式(1)中、nは、20〜200の整数が好ましく、20〜100がより好ましく、30〜50が更に好ましい。前記nが20未満であると、分散安定性が低下する傾向があり、平均粒径が大きく、また粒度分布における標準偏差の大きい顔料を含むインクとなるため満足な彩度が得られない。一方、nが200を超えると、インクの粘度が高くなり、インクジェット方式での印字が困難になる傾向がある。
前記ノニオン系界面活性剤の親水基は、ポリオキシエチレン基であることが好ましい。その理由は明確に分かっているわけではないが、顔料表面の電荷を好適に維持し得る点、インクの発泡性を低減し得る点でポリオキシエチレン基であることが好ましい。
前記ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(n=7)オクチルエーテル、ポリオキシエチレン(n=20)β−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレン(n=40)β−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレン(n=60)β−ナフチルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、ポリオキシエチレン(n=40)β−ナフチルエーテルが特に好ましい。
前記分散剤としてアニオン系界面活性剤も好適である。該アニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテルカルボン酸酸塩、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルカルボン酸酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、メラニンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アシル化ペプチド、石鹸等が挙げられるが、これらのうち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルの硫酸塩もしくはリン酸塩が特に好ましい。
前記顔料分散体は、水、顔料、及び分散剤としてのアニオン系界面活性剤又はノニオン系界面活性剤を混合し、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機等により分散を行う。
(2)自己分散性顔料
前記自己分散性顔料とは、顔料表面に少なくとも一種の親水性基が直接若しくは他の原子団を介して結合しており、分散剤を使用することなく安定に分散させることができる顔料を意味する。
前記親水性基としては、イオン性を有するものが好ましく、アニオン性に帯電したものやカチオン性に帯電したものが好適である。
前記アニオン性親水性基としては、例えば、−COOM、−SOM、−POHM、−PO、−SONH、−SONHCOR(ただし、式中のMは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表し、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表す。)等が挙げられる。本発明においては、これらの中で特に−COOM、−SOMが顔料表面に結合されたものを用いることが好ましい。アニオン性に帯電した顔料を得る方法としては、例えば顔料を次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法、スルホン化処理する方法、ジアゾニウム塩を反応させる方法が挙げられる。
また、前記親水基中における「M」は、アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、等が挙げられる。前記有機アンモニウムとしては、例えば、モノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げられる。前記アニオン性に帯電したカラー顔料を得る方法としては、カラー顔料表面に−COONaを導入する方法として、例えば、カラー顔料を次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法、スルホン化による方法、ジアゾニウム塩を反応させる方法が挙げられる。
前記カチオンに帯電したカラー顔料表面に結合されている親水基としては、例えば第4級アンモニウム基を用いることができる。より好ましくは下記に挙げる第4級アンモニウム基の少なくとも1つが、顔料表面に結合された顔料が用いられる。
前記親水基は、他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合されていてもよい。他の原子団としては、例えば、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基が挙げられる。上記した親水基が他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合する場合の具体例としては、例えば、−CCOOM(ただし、Mは、アルカリ金属、又は第4級アンモニウムを表す)、−PhSOM(ただし、Phはフェニル基を表す。Mは、アルカリ金属、又は第4級アンモニウムを表す)、−C10NH 等が挙げられる。
前記親水性基を導入する前のベースの顔料としては、特に制限はなく、上記(1)の顔料分散体と同様のものの中から目的に応じて適宜選択することができる。これらの自己分散性顔料としては、自己分散カーボンブラックが特に好ましい。
(3)染料
前記着色剤として染料を用いると、色調に優れたインクを得ることができる。前記染料としては、例えば、水溶性染料、油溶性染料、分散染料等が挙げられる。
前記水溶性染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料であり、好ましくは耐水、耐光性が優れたものが用いられる。
前記酸性染料及び食用染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142;C.I.アシッドレッド 1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289;C.I.アシッドブルー 9,29,45,92,249;C.I.アシッドブラック 1,2,7,24,26,94;C.I.フードイエロー 3,4;C.I.フードレッド 7,9,14;C.I.フードブラック 1,2などが挙げられる。
前記直接性染料としては、例えば、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,26,33,44,50,86,120,132,142,144;C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227;C.I.ダイレクトオレンジ 26,29,62,102;C.I.ダイレクトブルー 1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,199,202;C.I.ダイレクトブラック 19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171などが挙げられる。
前記塩基性染料としては、例えば、C.I.べーシックイエロー 1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91;C.I.ベーシックレッド 2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112;C.I.べーシックブルー 1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,147,155;C.I.ベーシックブラック 2,8などが挙げられる。
前記反応性染料としては、例えば、C.I.リアクティブブラック 3,4,7,11,12,17;C.I.リアクティブイエロー 1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67;C.I.リアクティブレッド 1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97;C.I.リアクティブブルー 1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95などが挙げられる。
前記着色剤の前記インクジェットインクにおける含有量は、1質量%〜15質量%が好ましく、2質量%〜12質量%がより好ましく、3質量%〜10質量%が更に好ましい。前記着色剤の含有量が、1質量%未満であると、着色力が不十分であるため画像の鮮やかさに劣る傾向があり、15質量%を超えると、インクの保存安定性が低下するのみならず画像がくすむ傾向がある。
−フッ素系界面活性剤−
前記フッ素系界面活性剤をインクに含有させることによって、顔料微粒子、あるいは染料の安定性を阻害することなく、インクの紙への濡れ性を向上させることにより、発色性が高く、にじみの少ない画像が得られる。
前記フッ素系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばパーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物などが挙げられる。これらの中でも、下記一般式(2)、(3)、及び(4)で表される化合物が信頼性の観点からも特に好ましい。
ただし、前記一般式(2)中、mは0〜10の整数、nは0〜40の整数を表す。
ただし、前記一般式(3)中、Rfはフッ素含有基を表し、CF、CFCFなどが挙げられる。m,n及びpは、それぞれ整数を表し、mは6〜25の整数を表し、nは1〜4の整数を表し、pは1〜4を表す。
ただし、前記一般式(4)中、Rfはフッ素含有基を表す。qは整数を表す。
前記フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販品としては、例えばS−144、S−145(旭硝子株式会社製);FC−170C、FC−430、フロラード−FC4430(住友スリーエム株式会社製);FSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300(Dupont社製);FT−250、251(株式会社ネオス製);PF−151N,PF−136A、PF−156A(OMNOVA社製)などが挙げられる。これらの中でも、Dupont社製のFSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300が良好な印字品質、保存性を提供でき好ましい。これらノニオン系のフッ素系界面活性剤である前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フッ素系界面活性剤のインク中への添加量としては、0.1質量%〜10質量%が好ましく、0.1質量%〜5質量%がより好ましい。前記添加量が0.1質量%未満であると、浸透性の向上に顕著な効果がなく、前記添加量が10質量%を超えると、高温下で保存した時に粘度上昇、凝集等が起こり、信頼性が悪化することがある。
−水不溶性樹脂−
前記水不溶性樹脂としてはインクの吐出安定性及び印刷物の画質、耐久性の観点より樹脂エマルジョンが好ましい。樹脂エマルジョンは、インクが紙のような記録媒体に着弾した際、増粘乃至凝集する性質を持ち、着色成分の浸透を抑制し、更に紙への定着を促進する効果を有する。また、樹脂エマルジョンの種類によっては紙上で皮膜を形成し、印刷物の耐擦性をも向上させる効果を有する。更に、樹脂エマルジョンを添加することで顔料の分散安定性が向上する。ただし、撥インク層へインクが固着しやすくなり、撥インク層の耐久性が低下する。
前記樹脂エマルジョンとしては、例えばスチレン−アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ウレタン樹脂、及びフッ素樹脂などが挙げられ、これらの中でも、ウレタン樹脂が特に好ましい。
前記エマルジョン樹脂は、顔料インク作製原料として使用する際、又はインク作製後において、O/W型のエマルジョンとして存在するものである。ポリウレタン系樹脂のエマルジョンには、比較的親水性の通常のポリウレタン系樹脂を外部に乳化剤を使用してエマルジョン化したものと、樹脂自体に乳化剤の働きをする官能基を共重合等の手段で導入した自己乳化型のエマルジョンがある。いずれも実施可能であるが、顔料インク組成物の組み合わせによって、顔料及びエマルジョン粒子の分散安定性に若干の差異があるので注意を要する。顔料や分散剤との各種組み合わせにおいて、常に分散安定性に優れているのはアニオン型自己乳化型ポリウレタンのエマルジョン樹脂である。その際、顔料の固着性及び分散安定性の面でポリウレタン系樹脂はポリエステル型、ポリカーボネート型よりもエーテル型である方が好ましい。その理由は定かではないが、非エーテル型は耐溶剤性に弱いものが多く、インクの高温保存時に粘度が凝集しやすい。
前記樹脂エマルジョンとしては、市販品を使用することができ、該市販品としては、例えば、J−450、J−734、J−7600、J−352、J−390、J−7100、J−741、J74J、J−511、J−840、J−775、HRC−1645、HPD−71(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、いずれも、ジョンソンポリマー社製);UVA383MA(アクリル−シリコーン系樹脂エマルジョン、BASF社製);AP4710(アクリル−シリコーン系樹脂エマルジョン、昭和高分子株式会社製);SF460、SF460S、SF420、SF110、SF300、SF361(ポリウレタン系樹脂エマルジョン、いずれも日本ユニカー株式会社製);FE4300、FE4500、FE4400(フッ素樹脂エマルジョン、いずれも旭硝子株式会社製)などが挙げられる。
前記樹脂エマルジョンは2種以上を併用してもよく、樹脂エマルジョンの組み合わせを適切なものとすることで、インクの保存性を確保しつつ画質、画像耐久性も上げることができる。
前記樹脂エマルジョンの含有量は、前記インクジェットインク中、樹脂固形分として0.1質量%〜20質量%が好ましく、0.2質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が0.1質量%未満であると、記録媒体へ着弾した後、樹脂が顔料を覆う量が不十分で、耐擦過効果が小さく、20質量%より多いと、インクの粘度が高すぎてインクジェット方式での印字が困難になる傾向がある。
−水溶性有機溶剤−
前記インクジェットインクには、インクを所望の物性にするため、インクの乾燥を防止するため、また、本発明のインクの各成分の溶解安定性を向上するため、等の目的で下記の水溶性有機溶剤を使用することができる。
前記水溶性有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブチルグリコール、3−メチル−1,3−ブチルグリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物;プロピレンカーボネイト、炭酸エチレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、インクの乾燥による目詰まり、即ち水分蒸発による噴射特性不良の防止、及び形成画像の彩度の向上が図れる点から、1,3−ブチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリンが特に好ましい。
前記水溶性有機溶剤の前記インクジェットインクにおける含有量は、10質量%〜50質量%が好ましく、5質量%〜40質量%がより好ましい。前記含有量が、10質量%未満であると、乾燥後の粘度が高くなりすぎ、50質量%を超えると、インクの粘度が高くなるばかりでなく、印字した際に文字品質が低下する傾向がある。
−浸透剤−
前記浸透剤は、インクの表面張力を調整し、インクジェットヘッド部材や記録器具への濡れ性も改善され、充填性が向上し気泡による記録不良が発生しにくくなる。
前記浸透剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類;2−エチル−1,3ヘキサンジオール、2,2、4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール等のジオール類;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類などが挙げられる。これらの中でも、多価アルコールアルキルエーテルとしてジエチレングリコールモノブチルエーテル、炭素数6以上のジオールとして2−エチル−1,3ヘキサンジオール及び2,2,4−トリメチル1,3ペンタンジオールである。なお、ジオール類は水不溶性色材の凝集が発生しにくいということで好適である。
前記浸透剤の前記インクジェットインクにおける含有量は、その種類や所望の物性にもよるが0.1質量%〜20質量%が好ましく、0.5質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、浸透性が不充分であり、20質量%を超えると、粒子化特性に悪影響を及ぼすことがある。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
前記消泡剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばシリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点でシリコーン系消泡剤が好ましい。
前記防腐防黴剤としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて任意の物質を使用することができる。該pH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物;水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、などが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、などが挙げられる。
本発明のインクジェットインクは、少なくとも着色剤、水、水不溶性樹脂、フッ素系界面活性剤、及びポリエーテル変性シリコーンオイル、更に必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
本発明のインクジェットインクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
前記粘度は、25℃で、5mPa・s〜20mPa・sが好ましく、6mPa・s〜15mPa・sがより好ましい。前記粘度が20mPa・sを超えると、吐出安定性の確保が困難になることがある。
前記表面張力としては、25℃で、20mN/m〜40mN/mが好ましい。前記表面張力が、20mN/m未満であると、記録媒体上での滲みが顕著になり、安定した噴射が得られないことがあり、40mN/mを超えると、記録媒体へのインク浸透が十分に起らず、乾燥時間の長時間化を招くことがある。
前記pHとしては、例えば、7〜10が好ましい。
本発明のインクジェットインクの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどが挙げられる。これらの着色を2種以上併用したインクセットを使用して記録を行うと、多色画像を記録することができ、全色併用したインクセットを使用して記録を行うと、フルカラー画像を記録することができる。
本発明のインクジェットインクは、インクジェットヘッドとして、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで,インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などいずれのインクジェットヘッドを搭載するプリンタにも良好に使用できる。
本発明のインクジェットインクは、各種分野において好適に使用することができ、インクジェット記録方式による画像記録装置(プリンタ等)において好適に使用することができ、例えば、印字又は印字前後に被記録用紙及び前記インクジェットインクを50〜200℃で加熱し、印字定着を促進する機能を有するもののプリンタ等に使用することもでき、以下の本発明のインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法に特に好適に使用することができる。
(インクカートリッジ)
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記インクジェットインクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で
形成されたインク袋などを少なくとも有するもの、などが好適に挙げられる。
次に、インクカートリッジについて、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1は、本発明のインクカートリッジの一例を示す図であり、図2は図1のインクカートリッジ200のケース(外装)も含めた図である。
インクカートリッジ200は、図1に示すように、インク注入口242からインク袋241内に充填され、排気した後、該インク注入口242は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給される。
インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図2に示すように、通常、プラスチック製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記インクジェットインクを収容し、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることができ、また、後述する本発明のインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いるのが特に好ましい。
(インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段などを有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含んでなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、刺激発生工程、制御工程などを含んでなる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
−インク飛翔工程及びインク飛翔手段−
前記インク飛翔工程は、本発明の前記インクジェットインクに、刺激を印加し、該インクを飛翔させて画像を形成する工程である。
前記インク飛翔手段は、本発明の前記インクジェットインクに、刺激を印加し、該インクを飛翔させて画像を形成する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インクジェットヘッド、などが挙げられる。
前記インクジェットヘッドとして、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などいずれの場合も含まれる。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト、などが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエーター、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエーター、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエーター、静電力を用いる静電アクチュエーター、などが挙げられる。
前記インクジェットインクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等に応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記インクジェットインクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記インクジェットインクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該インクジェットインクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該インクジェットインクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
前記飛翔させる前記インクジェットインクの液滴は、その大きさとしては、例えば、31pl〜40plとするのが好ましく、その吐出噴射の速さとしては5m/s〜20m/sとするのが好ましく、その駆動周波数としては1kHz以上とするのが好ましく、その解像度としては300dpi以上とするのが好ましい。なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
前記撥インク層の材料はインクジェットインクをはじく材料であればいずれも用いることができるが、具体的にはシリコーン系撥水材料、フッ素系撥水材料を挙げることができる。
前記シリコーン系撥水材料としては、室温硬化型の液状シリコーンレジンもしくはエラストマーがあり、基材表面に塗布され、室温で大気中に放置することにより重合硬化して撥インク性の皮膜が形成されることが好ましい。
上記したシリコーン系撥水材料は加熱硬化型の液状シリコーンレジンもしくはエラストマーであり、基材表面に塗布され、加熱処理することにより硬化し撥インク性の皮膜を形成することであってもよい。
前記シリコーン系撥水材料は紫外線硬化型の液状シリコーンレジンもしくはエラストマーであり、基材表面に塗布され、紫外線を照射することにより硬化し撥インク性の皮膜を形成することであってもよい。
前記シリコーン系撥水材料の粘度が1,000cp(センチポイズ)以下であることが好ましい。
フッ素系撥水材料については、いろいろな材料が知られているが、ここでは、パーフルオロポリオキセタン及び変性パーフルオロポリオキセタンの混合物(ダイキン工業社製、商品名:オプツールDSX)を1Å〜30Å(0.1nm〜3nm)の厚さに蒸着することで必要な撥水性を得ている。実験結果では、オプツールDSXの厚さは、10Å(1nm)でも20Å(2nm)、30Å(3nm)でも撥水性、ワイピング耐久性能に差は見られなかった。よって、コストなどを考慮するとより好適には、1Å〜20Å(0.1nm〜2nm)が好ましい。また、フッ素系撥水層の表面には樹脂製のフィルムに粘着材を塗布した粘着テープが貼り付けられていて、エキシマレーザ加工時の補助機能をはたしている。
前記シリコーン樹脂は、SiとOからできたシロキサン結合を基本骨格とした樹脂であり、オイル、レジン、エラストマー等の種々の形態で市販されており、本発明で重要な撥インク性以外にも耐熱性、離型性、消泡性、粘着性等種々の特性を備えている。シリコーン樹脂は常温硬化、加熱硬化、紫外線硬化型等があり、作製方法、使用用途に応じて選択できる。
前記シリコーン樹脂を含有する撥インク層をノズル面上に形成する方法としては、液状のシリコーン樹脂材料を真空蒸着する方法、シリコーンオイルをプラズマ重合することにより形成する方法、スピンコート、ディッピング、スプレーコート等の塗布により形成する方法、電着法等が挙げられる。前記撥インク層を形成する際には、電着法以外ではノズル孔及びノズル板裏面をフォトレジスト、水溶性樹脂等でマスキングし、撥インク層形成後、レジストを剥離除去すればノズル板表面のみに、シリコーン樹脂を含有する撥インク層を形成することができる。この場合、アルカリ性の強い剥離液を使用すると撥インク層へダメージを与えるので、注意が必要である。
前記シリコーン樹脂を含む撥インク層の厚みは、0.1μm〜5.0μmが好ましく、0.1μm〜1.0μmがより好ましい。前記厚みが、0.1μm未満であると、ワイピングに対する耐久性が悪化し、長期間使用時に撥インク性が低下してしまうことがあり、5.0μmを超えると、必要以上の厚みの撥インク層であるため製造コストが高くなることがある。
前記撥インク層の表面粗さ(Ra)は、0.2μm以下が好ましい。前記表面粗さRaを0.2μm以下にすることで、ワイピング時の拭き残しを低減することができる。
ここで、図8、及び図9A〜図9Cは、本発明に用いられるインクジェットヘッドのノズル板の断面図である。
本実施形態では、インクジェットヘッドの基材であるノズル板32がNiの電鋳により作製され、その表面にシリコーン樹脂皮膜である撥インク層31が形成されており、その表面粗さはRa=0.2μm以下にすることが好ましい。
インク3の充填時には、図9Cに示すように、シリコーン樹脂皮膜による撥インク層31とノズル板32の境界部分にメニスカス(液面)Pが形成される。
インクジェットヘッドのインク吐出用の開口部(ノズル)が開設された面に形成された撥インク層は、該開口部近傍における該開口部の中心線に垂直な平面での撥インク層の断面積が、基材表面から離れるにつれて順次大きくなっていくように形成されている。
前記撥インク層の開口部近傍における形状は、曲面形状であることが好ましい。また、前記開口部の中心線を含む平面での断面における撥インク層の当該開口部近傍の曲線の曲率半径が、該撥インク層の厚み以上であることが好ましい。また、前記開口部の中心線を含む平面での断面における撥インク層の当該開口部縁端から当該開口部近傍の曲線が略円弧曲線をなし、該円弧の曲率半径が、該撥インク層の厚み以上であることが好ましい。また、前記開口部の中心線を含む平面での断面における撥インク層の当該開口部縁端を通る接線が、当該端部を含むノズル部材表面からの角度が90度未満であることが好ましい。
ノズル板32の開口部は、図9A〜図9C中に一点鎖線で示す中心線に垂直な平面による断面が、この中心線を中心とした略円形となるよう開設されている。また、ノズル板32におけるインク吐出面に形成された撥インク層31は、この中心線に垂直な平面による開口部分の断面積がノズル板32から離れるにつれて漸次大きくなっていくよう形成されている。
より詳細には、撥インク層31の開口部分は、図9Aに示すように、ノズル板32の開口部縁端から開口部近傍の曲線が曲率半径rのラウンド形状となっている。この曲率半径rは、撥インク層31の開口部分近傍以外における厚みd以上であることが好ましい。
この厚みdは、撥インク層31の開口部分であるラウンド部分以外の部分における厚みであり、好ましくは撥インク層の最大厚みであってよい。
このように、ノズル板32の開口部と連接される撥インク層31の開口部分が、略尖鋭端のない形状(尖形部分のないなめらかな曲線)で、引っ掛かり部分のない曲線になっていることにより、ゴムなどの材料で形成されたワイパーでワイピングした場合であっても、尖形部分がワイパーに引っ掛かって撥インク層31がノズル板32から剥離するといった不具合のないようすることができる。
また、図9Bに示すように、ノズル板32の開口部の中心線を含む平面での断面における、撥インク層31の開口部分縁端を通る接線は、この開口部分縁端に連接されるノズル板32の開口部縁端を含むノズル板32表面からの角度θが90度未満となっていることが好ましい。
このように、撥インク層31の開口部分縁端での接線とノズル板表面32との角度θが90度未満であることにより、図9Cに示すように、撥インク層31とノズル板32との境界部分にメニスカス(液面)Pが安定的に形成され、他の部分にメニスカスPが形成される可能性を大きく減らすことができる。その結果、メニスカスの形成面を安定させることができるため、ノズル板32を含むインクジェットヘッドを用いた画像形成装置で画像形成を行う際のインクの噴射安定性を良好なものとすることができる。
本実施形態で用いるシリコーン樹脂としては、室温硬化型の液状シリコーンレジンが好ましく、加水分解反応を伴うものがより好ましい。後述する実施例では東レ・ダウコーニング株式会社製のSR2411を用いた。
下記の表Aは、本実施形態でのインクジェットヘッドでの撥インク層31における、ノズル板32の開口部縁端から開口部縁端近傍の形状と、ノズル周囲のインク溜まり、エッジ剥離、噴射安定性に関して評価した結果である。
表Aの結果から、撥インク層31のエッジ部(開口部分縁端近傍)に略尖鋭端が含まれる形状のものでは、ノズル周囲にインク溜まりが見られ、ワイピングによるエッジの剥離が発生した。
ラウンド形状のものでは、いずれもインク溜まりは発生しなかったが、比較として、図10Aに例示するようなr<dのものでは一部エッジの剥離が発生し、図10Bに例示するようなθ>90度のものでは液滴の噴射が不安定な結果であった。
また、図10Cに示すように、r<dのものや、θ>90度のものでは、インクの充填時に、撥インク層31とノズル板32の境界部分にメニスカス(液面)Pが形成される場合と、撥インク層31’における開口部分中心に向けての凸部(開口部分における中心線に垂直な断面積が最も小さくなる部分)にメニスカスQが形成される場合がある。このため、ノズル板32を含むインクジェットヘッドを用いたインクジェット記録装置で画像記録を行う際のインクの噴射安定性にばらつきが発生してしまうことがある。
次に、上述した本実施形態に係るインクジェットヘッドのノズル部材の製造方法について説明する。
図11は、本実施形態に係るディスペンサ34を用いた塗布により、シリコーン樹脂を塗布して撥インク層31を形成する構成を示す図である。
Ni電鋳によるノズル32のインク吐出面側にシリコーン溶液を塗布するためのディスペンサ34が配置され、ノズル板32とニードル35先端とが予め定められた一定の距離間隔を保ったままとなるように、ニードル35先端からシリコーンを吐出しながらディスペンサ34を走査することにより、上述した図8、及び図9A〜図9Cに示したようにノズル板32のインク吐出面に選択的にシリコーン樹脂皮膜を形成することができた。
本実施形態で使用したシリコーン樹脂は、常温硬化型シリコーンレジンSR2411(東レ・ダウコーニング株式会社製、粘度=10mPa・s)を用いた。ただし、ノズル孔及びノズル板裏面に若干のシリコーンの周り込みが見られた。このようにして選択的に形成したシリコーン樹脂皮膜の厚みは1.2μmであり、表面粗さ(Ra)は0.18μmであった。
本実施形態に係るニードル35先端の塗布口は、図12Aに示すように、塗布対象であるノズル板32への塗布幅だけの幅が確保されている。このことにより、ディスペンサ34を塗布方向に1回走査するだけで、塗布対象全体への塗布を完了させることができる。 即ち、塗布動作のための走査方向を1方向のみとすることができ、図12Bのように方向を変えたり、反対方向に走査したりといった必要を無くすることができる。ここで、一般のニードル35の先端は、図12Bに示すように、塗布対象であるノズル板32への塗布幅よりはるかに狭いため、塗布対象全体への塗布を完了させるためには、塗布動作のための走査方向を90度変えて移動させたり、反対方向に走査したりして複数方向に走査する必要があり、塗布対象全体への均一な厚みでの塗布が困難であった。
本実施形態によれば、ニードル35先端の塗布口の幅が塗布対象であるノズル板32への塗布幅だけ確保されることにより、塗布対象全体に渡って塗布する厚みを均一とすることができ、精度のよい表面仕上がりとすることができる。
図13は、本実施形態に係るディスペンサ34を用いた塗布動作を示す図である。基本構成は図11と同様であるが、ノズル板32のノズル孔(開口部)から気体36を噴射しながらシリコーンを塗布する。この気体36としては、塗布するシリコーンと化学反応を起こしにくい気体であれば各種のものを用いることができ、例えば空気であってもよい。このように気体36をノズル孔から噴射しながら塗布を行うことにより、ノズル板32のノズル孔を除くノズル表面だけにシリコーン樹脂皮膜を形成することができる。
また、上述のように気体36を噴射しないで同様のシリコーン樹脂を用いて塗布し、予め定められた深さまでシリコーン樹脂が進入した後、ノズル32から気体36を噴射させると、図14に示すように、ノズル内壁の所望の深さ(例えば数μm程度)までシリコーン樹脂の撥インク層を形成することができる。即ち、上述したインク吐出面の撥インク層31に加えて、ノズル板32の開口部縁端から予め定められた深さまでごく薄い撥インク層31a(開口部内壁の撥インク層)を形成することができる。
このようにして作製したノズル板の撥インク層31に対して、EPDMゴム(ゴム硬度50度)を用いてワイピングを実施した。その結果、1,000回のワイピングに対してもノズル板の撥インク層31は、良好な撥インク性を維持することができた。また撥インク層が形成されたノズル部材を、70℃のインクに14日間浸漬処理した。その結果、その後も初期と変わらない撥インク性を維持することができた。
図15は、本発明のインクジェットヘッドの一実施例を示した図で、エキシマレーザ加工でノズル孔が形成された状態を示している。ノズル板43は樹脂部材121と高剛性部材125とを熱可塑性接着剤126で接合したもので、樹脂部材121の表面はSiO薄膜層122とフッ素系撥水層123を順次積層形成したものであり、樹脂部材121に所要径のノズル孔44を形成し、高剛性部材125にはノズル孔44に連通するノズル連通口127を形成している。SiO薄膜層122の形成には、比較的熱のかからない、即ち、樹脂部材に熱的影響の発生しない範囲の温度で成膜可能な方法で形成する。具体的には、スパッタリング、イオンビーム蒸着、イオンプレーティング、CVD(化学蒸着法)、P−CVD(プラズマ蒸着法)などが適しているといえる。
SiO薄膜層122の膜厚は、密着力が確保できる範囲で必要最小限の厚さとするのが工程時間,材料費から見て有利である。この膜厚があまり厚くなると、エキシマレーザでのノズル孔加工に支障がでてくる場合があるからである。即ち、樹脂部材121はきれいにノズル孔形状に加工されていても、SiO薄膜層122の一部が十分に加工されず、加工残りになることがある。したがって、具体的には密着力が確保でき、エキシマレーザ加工時にSiO薄膜層122が残らない範囲として、膜厚1Å〜300Å(0.1nm〜30nm)の範囲が適しているといえる。より好適には、10Å〜100Å(1nm〜10nm)の範囲が適している。実験結果では、SiO膜厚が30Å(3nm)でも密着性は十分であり、エキシマレーザによる加工性についてはまったく問題がなかった。また、300Å(30nm)では僅かな加工残りが観察されたが使用可能範囲であり、300Å(30nm)を超えるとかなり大きな加工残りが発生し、使用不可能なほどのノズル異形が見られた。
図16は、ノズル孔を加工する際に使用するエキシマレーザ加工機の構成を示した図であり、レーザ発振器81から射出されたエキシマレーザビーム82はミラー83,85,88によって反射され、加工テーブル90に導かれている。レーザビーム82が加工テーブル90に至るまでの光路には、加工物に対して最適なビームが届くように、ビームエキスパンダ84,マスク86,フィールドレンズ87,結像光学系89が所定の位置に設けられている。加工物(ノズルプレート)91は加工テーブル90の上に載置され、レーザビームを受けることになる。加工テーブル90は、周知のXYZテーブル等で構成されていて、必要に応じて加工物91を移動し所望の位置にレーザビームを照射することができるようになっている。ここでレーザは、エキシマレーザを利用して説明したが、アブレーション加工が可能である短波長な紫外光レーザであれば、種々なレーザが利用可能である。
図17は、本発明のインクジェットヘッドの製造方法におけるノズル板製造工程を模式的に示した図で、図17Aは、ノズル形成部材の基材となる材料を示しており、ここでは、樹脂フィルム121として、例えば、Dupont社製ポリイミドフィルムであるカプトン(商品名)の粒子無しのフィルムを使用している。一般的なポリイミドフィルムはロールフィルム取り扱い装置での取り扱い性(滑り)からフィルム材料の中にSiO(シリカ)などの粒子が添加されている。ところが、エキシマレーザでノズル孔加工を行う場合には、SiO(シリカ)の粒子がエキシマレーザによる加工性が悪いためノズル異形が発生する。よって、本発明の材料は、SiO(シリカ)の粒子が添加されていないフィルムを使用しているのである。
図17Bは、樹脂フィルム121の表面にSiO薄膜層122を形成する工程を示しており、このSiO薄膜層122の形成は真空チャンバ内で行われるスパッタリング工法が適しており、膜厚は数Å〜200Å程度が適しており、ここでは10Å〜50Å(1nm〜5nm)の厚さに形成している。ここで、スパッタリングの方法としては、Siをスパッタした後、Si表面にOイオンを当てることでSiO膜を形成する方法を用いることが、SiO膜の樹脂フィルム121への密着力が向上すると共に、均質で緻密な膜が得られ、撥水膜のワイピング耐久性向上により効果的であることがわかった。
図17Cは、フッ素系撥水剤123aを塗布する工程であり、塗布方法としては、スピンコータ,ロールコータ,スクリーン印刷,スプレーコータなどの方法が使用可能であるが、真空蒸着で成膜する方法が撥水膜の密着性を向上させることにつながるので、より効果的であることが確認された。また、その真空蒸着は、図17BでのSiO薄膜層122を形成した後、そのまま真空チャンバ内で実施することで更によい効果が得られることもわかった。即ち、従来は、SiO薄膜層122を形成後、一旦真空チャンバからワークを取り出すので、不純物などが表面に付着することにより密着性が損なわれるものと考えられる。なお、フッ素系撥水材料については、いろいろな材料が知られているが、ここでは、フッ素非晶質化合物としてパーフルオロポリオキセタン又は変形パーフルオロポリオキセタン又は双方の混合物を使用することで、インクに対する必要な撥水性を得ることができた。前述のダイキン工業社製「オプツールDSX」は「アルコキシシラン末端変性パーフルオロポリエーテル」と称されることもある。
図17Dは、撥水膜蒸着後の空中放置工程であり、これによりフッ素系撥水剤(123a)とSiO薄膜層122とが、空気中の水分を仲介として化学的結合をし、フッ素系撥水層123になる。
図17Eは、粘着テープ124を貼り付ける工程であり、フッ素系撥水層123の塗布された面に粘着テープ124を貼り付ける。この粘着テープ124を貼るときには気泡が生じないように貼り付けることが必要である。気泡があると、気泡のある位置に開けたノズル孔は、加工時の付着物などで品質のよくないものになってしまうことがあるからである。
図17Fは、ノズル孔44の加工工程で、ポリイミドフィルム121側からエキシマレーザを照射してノズル孔44を形成する。ノズル孔44の加工後は、粘着テープ124を剥がして使用することになる。なお、ここでは、図15で説明したノズル板43の剛性を上げるために用いられる高剛性部材125は説明を省略したが、この工程に適用すれば、図17D工程と図17E工程の間に実施するのが適当である。
図18は、本発明におけるインクジェットヘッド製造方法によりインクジェットヘッドを製造する際に使用する装置について概要を示す図で、この装置は、米国(USA)のOCLI(OPTICAL COATING LABORATORY INC.)が開発した、「メタモードプロセス」と呼ばれる工法を装置化したものであり、ディスプレイなどの反射防止・防汚膜の作製に使用されている。図にあるように、ドラム201の周囲4個所にステーションであるSiスパッタ202,Oイオンガン203,Nbスパッタ204,オプツール蒸着205が配置されて、全体が真空引きできるチャンバの中にある。まずSiスパッタ202によりSiをスパッタし、その後、Oイオンガン203によりOイオンをSiに当ててSiOとする。そのあとNbスパッタ204,オプツール蒸着205でNb,オプツールDSXを適宜蒸着する。反射防止膜の場合は、NbとSiOを所定の厚さで必要層数重ねた後蒸着することになる。本発明の場合は、反射防止膜の機能は必要ないので、Nbは不要でSiO,オプツールDSXを1層ずつつければよい。この装置を使用することで、上述したように、SiO薄層122を形成した後、そのまま真空チャンバ内でオプツールDSXの真空蒸着を実施するのが可能となる。
前記撥インク層の臨界表面張力は5mN/m〜40mN/mが好ましく、5mN/m〜30mN/mがより好ましい。前記臨界表面張力が30mN/mを超えると、長期の使用においてノズルプレートがインクで濡れすぎる現象が生じるため、繰り返し印刷をしているとインクの吐出曲がりや粒子化異常が生じてしまうことがあり、40mN/mを超えると、初期からノズルプレートに対してインクが濡れすぎる現象が生じるため、初期からインクの吐出曲がりや粒子化異常が生じてしまうことがある。
実際に、表Bに示す撥インク材料をアルミニウム基板上に塗布し、加熱乾燥することで撥インク層付きノズルプレートを作製した。撥インク層の臨界表面張力を測定したところ表Bのようになった。
ここで、前記臨界表面張力はZisman法により求めることができる。つまり、表面張力が既知の液体を撥インク層の上にたらし、接触角θを測定し、液体の表面張力をx軸にcosθをy軸にプロットすると右肩下がりの直線が得られる(Zisman Plot)。この直線がY=1(θ=0)となるときの表面張力を臨界表面張力γcとして算出することができる。その他の方法としては、Fowkes法、Owens and Wendt法、Van Oss法を用いて臨界表面張力を求めることもできる。
また、前記ヘッド作製方法と同様に撥インク層付きノズルプレートを用いてインクジェットヘッドを作製した。これに下記のシアンインクを用いてインクを噴射させた。インクの飛翔過程をビデオ撮影して観察したところ、いずれのノズルプレートを用いた場合にも正常に粒子化しており、吐出安定性が良好であることが確認できた。結果を表Bに示す。
<シアンインク>
銅フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体20.0質量%、3−メチル−1,3−ブタンジオール23.0質量%、グリセリン8.0質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2.0質量%、フッ素系界面活性剤としてのFS−300(DuPont社製)2.5質量%、防腐防カビ剤としてのプロキセルLV(アベシア社製)0.2質量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.5質量%、及びイオン交換水を適量加えて100質量%とし、その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行った。以上により、シアンインクを調製した。
次に、本発明において使用されるインクジェット記録装置について、一例を挙げて説明する。
図3に示すインクジェット記録装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103とを備えている。そして装置本体101の上カバー111の上面は略平坦な面であり、装置本体101の前カバーの前面112が上面に対して斜め後方に傾斜し、この傾斜した前面112の下方側に、前方(手前側)に突き出した排紙トレイ103及び給紙トレイ102を備えている。更に、前面112の端部側には、前面112から前方側に突き出し、上カバー111よりも低くなった箇所にインクカートリッジ装填部104を有し、このインクカートリッジ装填部104の上面に操作キーや表示器などの操作部105を配置している。このインクカートリッジ装填部104にはインクカートリッジの脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内には図4、図5に示すように、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とでキャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モーターによって、図5のキャリッジ走査方向に移動走査する。
キャリッジ133にはイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のインク滴を吐出する4個のインクジェットヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。 記録ヘッド134を構成するヘッドとしては、圧電素子等の圧電アクチュエーター、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエーター、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエーター、静電力を用いる静電アクチュエーターなどをインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。このサブタンク135に、インク供給チューブ(不図示)を介して、インクカートリッジ装填部104に装填されたインクカートリッジからインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ102の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部(圧板)141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)143及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンターローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とを備えている。また搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156を備えている。
ここで、搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向に周回するように構成されている。この搬送ベルト151は、例えば,抵抗制御を行っていない純粋な厚み40μm程度の樹脂材、例えば、ETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。また、搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161を配置している。更に、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とを備え、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103を備えている。
本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
次に、インクジェットヘッドについて説明する。
図6は本発明を適用したインクジェットヘッドの要素拡大図、図7はインクジェットヘッドのチャンネル間方向の要部拡大断面図である。
このインクジェットヘッドは、図示を省略しているインク供給口(図6の表面方向から奥方向(紙の裏面方向)に向かってインクを供給する)と共通液室12となる彫り込みを形成したフレーム10と、流体抵抗部21、加圧液室22となる彫り込みとノズル41に連通する連通口23を形成した流路板20と、ノズル41を形成するノズル板30と、凸部61、ダイヤフラム部62及びインク流入口63を有する振動板60と、振動板60に接着層70を介して接合された積層圧電素子50と、該積層圧電素子50を固定しているベース40を備えている。ベース40はチタン酸バリウム系セラミックからなり、積層圧電素子50を2列配置して接合している。
積層圧電素子50は、厚み10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層51と、厚み数μm/1層の銀・パラジウム(AgPd)からなる内部電極層52とを交互に積層している。内部電極層52は両端で外部電極53に接続する。積層圧電素子50はハーフカットのダイシング加工により櫛歯上に分割され、1つ毎に駆動部56と支持部57(非駆動部)として使用する(図7参照)。
2つの外部電極53のうち一方(図の表面方向又は奥方向(紙の裏面方向)で内部電極層52の一端に連なる)の外側端はハーフカットのダイシング加工で分割されるように、切り欠き等の加工により長さを制限しており、これらは複数の個別電極54となる。他方はダイシングでは分割されずに導通しており、共通電極55となる。
駆動部の個別電極54にはFPC 80が半田接合されている。また、共通電極55は積層圧電素子50の端部に電極層を設けて回し込んでFPC 80のGnd電極に接合している。FPC 80には図示しないドライバICが実装されており、これにより駆動部56への駆動電圧印加を制御している。
振動板60は、薄膜のダイヤフラム部62と、このダイヤフラム部62の中央部に形成した駆動部56となる積層圧電素子50と接合する島状凸部(アイランド部)61と、図示を省略している支持部に接合する梁を含む厚膜部と、インク流入口63となる開口を電鋳工法によるNiメッキ膜を2層重ねて形成している。ダイヤフラム部の厚みは3μm、幅は35μm(片側)である。
この振動板60の島状凸部61と積層圧電素子50の可動部56、振動板60とフレーム10の結合は、ギャップ材を含んだ接着層70をパターニングして接着している。
流路板20はシリコン単結晶基板を用いて、流体抵抗部21、加圧液室22となる彫り込み、及びノズル41に対する位置に連通口23となる貫通口をエッチング工法でパターニングした。エッチングで残された部分が加圧液室22の隔壁24となる。また、このヘッドではエッチング幅を狭くする部分を設けて、これを流体抵抗部21とした。
ノズル板30は金属材料、例えば電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成したもので、インク滴を飛翔させるための微細な吐出口であるノズル41を多数形成している。このノズル41の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい)に形成している。また、このノズル41の径はインク滴出口側の直径で20μm〜35μmである。また各列のノズルピッチは150dpiとした。
このノズル板30のインク吐出面(ノズル表面側)は、撥インク層71を設けている。PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えば、フッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコーン系樹脂及びフッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、インク物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、インクの滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。
本発明ではフッ素系界面活性剤を含有したインクに対しても十分な撥インク性を保持するために、この撥インク層はシリコーン樹脂及び/又はフッ素樹脂を含む構造体で構成されている。シリコーン樹脂及び/又はフッ素樹脂を含む構造体とは、シリコーン樹脂単独、フッ素樹脂単独、又は他の樹脂、金属等の構成成分との混合により構成されたものであり、例えば、シリコーン樹脂微粒子がフッ素樹脂中に分散されたもの、シリコーン樹脂とポリプロピレンの混錬物、シリコーン樹脂とNiの共析めっき等が挙げられる。シリコーン樹脂の溶出を抑えるには、シリコーン樹脂と他の構成成分との混合体がより効果的である。
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、記録信号に応じて駆動部56に駆動波形(10V〜50Vのパルス電圧)を印加することによって、駆動部56に積層方向の変位が生起し、振動板60を介して加圧液室22が加圧されて圧力が上昇し、ノズル41からインク滴が吐出される。
その後、インク滴吐出の終了に伴い、加圧液室22内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧液室22内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、インクタンクから供給されたインクは共通液室12に流入し、共通液室12からインク流入口63を経て流体抵抗部21を通り、加圧液室22内に充填される。
流体抵抗部21は、吐出後の残留圧力振動の減衰に効果がある反面、表面張力による再充填(リフィル)に対して抵抗になる。流体抵抗部を適宜に選択することで、残留圧力の減衰とリフィル時間のバランスが取れ、次のインク滴吐出動作に移行するまでの時間(駆動周期)を短くできる。
(インク記録物)
本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録された記録物は、本発明のインク記録物である。本発明のインク記録物は、記録媒体上に本発明の前記インクジェットインクを用いて形成された画像を有してなる。
前記記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記インク記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<顔料分散体の作製>
下記表1に示す顔料及び分散剤を、水をプレミックス後、ダイノーミルで直径0.3μmのジルコニアビーズ(シンマル・エンタープライゼス社製)を用いて2時間分散後、ビーズと液体を分離し、顔料分散体A〜C(顔料濃度15質量%、分散剤濃度3.75質量%)を作製した。
<自己分散性顔料及び染料>
*Dの自己分散性顔料(キャボット社製、CAB−O−JET300)は、カーボンブラックの表面を−COONa基を有するジアゾニウム塩で修飾したものである。
<樹脂エマルジョン>
<フッ素系界面活性剤>
α:下記一般式(2)で表されるフッ素系界面活性剤(DuPont社製、FS−300)
ただし、前記一般式(2)中、m=6〜8、n=26以上である。
β:下記一般式(3)で表されるフッ素系界面活性剤(OMNOVA社製、PF−151N)
ただし、前記一般式(3)中、n=4、m=21、p=4、Rf=CFCFである。
γ:下記一般式(2)で表されるフッ素系界面活性剤(DuPont社製、FSN−100)
ただし、前記一般式(2)中、m=1〜9、n=0〜25である。
δ:下記一般式(4)で表されるフッ素系界面活性剤(OMNOVA社製、PF−156A)
ただし、前記一般式(4)中、q=6、Rf=CFCFである。
<シリコーンオイル>
下記の表4に示すシリコーンオイルを用いた。これらのシリコーンオイルの疎水値は、下記数式1から求めた。
〔数式1〕
疎水値=A/B
ただし、前記数式1中、Aは、テトラメチルシラン(TMS)を基準物質としたH−NMRスペクトルでのポリエーテル変性シリコーンオイルの0ppm〜0.3ppmにおける積分値を表す。Bは、テトラメチルシラン(TMS)を基準物質としたH−NMRスペクトルでのポリエーテル変性シリコーンオイルの3.5ppm〜4.0ppmにおける積分値を表す。
H−NMRの測定は、日本電子株式会社製の「JEOL JNM−A400FT NMR SYSTEM」を用い、試料濃度1質量%、溶媒重クロロホルム(CDCl)、積算回数128回、室温で測定したデータとするが、試料の溶解性が不十分な場合には、DMSO、DMF−d7、THF−d8、アセトン−d6、メタノール−d4、重水、ヘキサン−d14の順で溶解性を確保できる溶媒を使用した。
*表中、疎水値は小数点第3位を四捨五入した値である。
<インクジェットインクの作製>
下記表5に示すインク処方(合計100質量部)を調合した後、孔径0.8μmのフィルターで濾過して各インクジェットインクを作製した。真空脱気後、株式会社リコー製IPSiO GX 3000用インクパックに充填してインクカートリッジを作製した。
表5中の(部)は質量部を表す。
作製した各インクジェットインクについて、以下のようにして表面張力を測定した。結果を表6に示す。
<表面張力の測定>
表面張力は、表面張力計(協和界面科学社製、CBVP−Z)を用いて25℃で測定した。
(製造例1)
−ノズルプレート1の作製−
Ni電鋳ノズル表面上に、シリコーンレジン(東レダウコーニングシリコーン株式会社製、SR2411)をディスペンサで塗布しシリコーン層を形成した。この際、ノズル孔及びノズル板裏面を水溶性樹脂でマスキングし、シリコーン層を形成した後、剥離除去して形成した。これをそのまま常温で2日間放置し、硬化させて厚み1.2μmの撥インク層を形成した。得られた撥インク層の表面粗さ(Ra)は0.18μm、臨界表面張力は21.6mN/mであった。
ここで、撥インク層の厚みは、光学式膜厚計(ラムダエースVM−8000J、大日本スクリーン製造株式会社製)により測定した。
また、撥インク層の表面粗さは、触針式表面粗さ計(Dektak3−ST、Veec
o社製)により測定した。
また、撥インク層の臨界表面張力は、Zisman法により測定した。
(製造例2)
−ノズルプレート2の作製−
製造例1において、シリコーンレジン(東レダウコーニングシリコーン株式会社製、SR2411)を、シリコーンレジン(信越化学工業株式会社製、KBM7803)に変えた以外は、製造例1と同様にして、厚み1.0μmの撥インク層を形成した。そして、製造例1と同様にして測定した撥インク層の表面粗さ(Ra)は0.17μm、臨界表面張力は16.9mN/mであった。
(製造例3)
−ノズルプレート3の作製−
ポリイミドフィルム(DuPont社製カプトン 粒子添加なし)上に、スパッタリング法にて10Å(1nm)のSiO層を形成後、真空蒸着法にて30Å(3nm)の変性パーフルオロポリオキセタンの混合物(ダイキン工業社製、オプツールDSX)の撥インク層を形成し、撥インク層側からエキシマレーザーでノズル孔加工を行って用いた。
撥インク層の厚みは、原子間力顕微鏡(NaNO−I、株式会社東陽テクニカ製)により測定した。そして、製造例1と同様にして測定した撥インク層の表面粗さ(Ra)は0.01μm、臨界表面張力は11.8mN/mであった。
(比較製造例1)
−ノズルプレート4の作製−
製造例1において、Ni電鋳ノズル表面上にシリコーンレジンからなる撥インク層を形成しなかった以外は、製造例1と同様にして、ノズルプレートを作製した。
(実施例1)
前記ノズルプレート1を用いてインクヘッドを作製し、インクジェットプリンター(株式会社リコー製、IPSiO GX3000)に装着した。そして、インク1を充填したインクカートリッジをインクジェットプリンターに装着し、以下のようにして、吐出安定性を評価した。結果を表7に示す。
<吐出安定性の評価>
プリンタを恒温恒湿槽に入れ、槽内の環境を温度32℃、湿度30%RHに設定、以下の印刷パターンチャートを20枚連続で印字後、20分間印字を実施しない休止状態にし、これを50回繰り返し、累計で1,000枚印写後、ノズルプレートを顕微鏡で観察し、固着の有無を判断した。
−印刷パターンチャート−
印刷パターンは、画像領域中、印字面積が、紙面全面積中、各色印字面積が5%であるチャートにおいて、各インクを100%dutyで印字した。印字条件は、記録密度は300dpi、ワンパス印字とした。
〔評価基準〕
A:ノズル近傍に固着なし
B:ノズル近傍に固着あり
(実施例2〜11及び比較例1〜10)
実施例1において、表7に示すようにインク及びノズルプレートの組み合わせに代えたインクジェットプリンターを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜11及び比較例1〜10の画像記録を行った。そして、実施例1と同様にして、吐出安定性を評価した。結果を表7に示す。
本発明のインクジェットインクは、撥インク層への固着を防止でき、吐出安定性に優れているので、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置などに好適に用いられる。
本発明のインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェットプリンター、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
図1は、本発明のインクカートリッジの一例を示す概略図である。 図2は、図1のインクカートリッジのケースも含めた概略図である。 図3は、本発明のインクジェット記録装置の斜視説明図である。 図4は、本発明のインクジェット記録装置の全体構成を説明する概略構成図である。 図5は、本発明のインクジェットヘッドの一例を示す概略拡大図である。 図6は、本発明のインクジェットヘッドの一例を示す要素拡大図である。 図7は、本発明のインクジェットヘッドの一例のチャンネル間方向の要部拡大断面図である。 図8は、本発明のインクジェットヘッドのノズル板の一例を示す概略断面図である。 図9Aは、本発明のインクジェットヘッドのノズル板を示す概略説明図である。 図9Bは、本発明のインクジェットヘッドのノズル板を示す概略説明図である。 図9Cは、本発明のインクジェットヘッドのノズル板を示す概略説明図である。 図10Aは、比較のインクジェットヘッドのノズル板を示す概略説明図である。 図10Bは、比較のインクジェットヘッドのノズル板を示す概略説明図である。 図10Cは、比較のインクジェットヘッドのノズル板を示す概略説明図である。 図11は、ディスペンサを用いた塗布により、シリコーン樹脂を塗布して撥インク膜を形成する状態を示す図である。 図12Aは、本発明のニードル先端の塗布口と塗布対象であるノズル板への塗布幅との関係を示す図である。 図12Bは、一般のニードルの先端と塗布対象であるノズル板への塗布幅との関係を示す図である。 図13は、ディスペンサを用いた塗布動作を示す図である。 図14は、ノズル内壁の所望の深さまでシリコーン樹脂の撥インク層を形成した状態を示す図である。 図15は、本発明のインクジェットヘッドの一例を示し、エキシマレーザ加工でノズル孔が形成された状態を示す図である。 図16は、ノズル孔を加工する際に使用するエキシマレーザ加工機の構成を示した図である。 図17Aは、インクジェットヘッドの製造方法におけるノズル板製造工程におけるノズル形成部材の基材を示す図である。 図17Bは、樹脂フィルムの表面にSiO薄膜層を形成する工程を示す図である。 図17Cは、フッ素系撥水剤を塗布する工程を示す図である。 図17Dは、撥水膜蒸着後の空中放置工程を示す図である。 図17Eは、粘着テープを貼り付ける工程を示す図である。 図17Fは、ノズル孔の加工工程を示す図である。 図18は、インクジェットヘッド製造方法によりインクジェットヘッドを製造する際に使用する装置の概要を示す図である。
符号の説明
10 フレーム
12 共通液室
20 流路板
21 流体抵抗部
22 加圧液室
23 連通口
24 隔壁
30 ノズル板
31 撥インク膜
31’ 撥インク膜
31a 撥インク膜
32 ノズル板
33 インク
34 ディスペンサ
35 ニードル
36 気体
40 ベース
41 ノズル
43 ノズル板
44 ノズル孔
50 積層圧電素子
51 圧電層
52 内部電極層
53 外部電極
54 個別電極
55 共通電極
56 駆動部(可動部)
57 支持部
60 振動板
61 島状凸部
62 ダイヤフラム部
63 インク流入口
70 接着層
71 撥インク層
80 FPC
81 レーザ発振器
82 エキシマレーザビーム
83 ミラー
84 ビームエキスパンダ
85 ミラー
86 マスク
87 フィールドレンズ
88 ミラー
89 結像光学系
90 加工テーブル
91 加工物(ノズルプレート)
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
121 樹脂部材
122 SiO薄膜層
123 フッ素系撥水層
123a フッ素系撥水剤
124 粘着テープ
125 高剛性部材
126 熱可塑性接着剤
127 ノズル連通口
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 インクカートリッジ
201 ドラム
202 Siスパッタ
203 Oイオンガン
204 Nbスパッタ
205 オプツール蒸着
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジ外装

Claims (19)

  1. 少なくとも着色剤、水、水不溶性樹脂、フッ素系界面活性剤、及びポリエーテル変性シリコーンオイルを含有してなり、
    前記ポリエーテル変性シリコーンオイルの下記数式1で表される疎水値が0.40以上1.5以下であることを特徴とするインクジェットインク。
    〔数式1〕
    疎水値=A/B
    ただし、前記数式1中、Aは、テトラメチルシラン(TMS)を基準物質としたH−NMRスペクトルでのポリエーテル変性シリコーンオイルの0ppm〜0.3ppmにおける積分値を表す。Bは、テトラメチルシラン(TMS)を基準物質としたH−NMRスペクトルでのポリエーテル変性シリコーンオイルの3.5ppm〜4.0ppmにおける積分値を表す。
  2. 着色剤が、顔料をノニオン系界面活性剤及びアニオン系界面活性剤のいずれかで分散した顔料分散体である請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. ノニオン系界面活性剤が、下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種である請求項2に記載のインクジェットインク。
    ただし、前記一般式(1)中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアラルキル基、又はアリル基を表し、lは0〜7の整数を表し、nは20〜200の整数を表す。
  4. 着色剤が、自己分散性顔料である請求項1に記載のインクジェットインク。
  5. 着色剤が、染料である請求項1に記載のインクジェットインク。
  6. フッ素系界面活性剤が、下記一般式(2)で表される化合物を含有する請求項1から5のいずれかに記載のインクジェットインク。
    ただし、前記一般式(2)中、mは0〜10の整数、nは0〜40の整数を表す。
  7. フッ素系界面活性剤が、下記一般式(3)で表される化合物を含有する請求項1から5のいずれかに記載のインクジェットインク。
    ただし、前記一般式(3)中、Rfはフッ素含有基を表す。m、n及びpは、それぞれ整数を表す。
  8. フッ素系界面活性剤が、下記一般式(4)で表される化合物を含有する請求項1から5のいずれかに記載のインクジェットインク。
    ただし、前記一般式(4)中、Rfはフッ素含有基を表す。qは整数を表す。
  9. 水不溶性樹脂が、樹脂エマルジョンである請求項1から8のいずれかに記載のインクジェットインク。
  10. 樹脂エマルジョンが、ポリウレタン系樹脂エマルジョン、スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、アクリルシリコーン系樹脂エマルジョン、及びフッ素樹脂エマルジョンから選択される少なくとも1種を含む請求項9に記載のインクジェットインク。
  11. ポリウレタン系樹脂エマルジョンが、アニオン性自己乳化型のエーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンである請求項10に記載のインクジェットインク。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載のインクジェットインクを用いて記録を行うインクジェット記録方法であって、
    記録ヘッドのインク吐出用開口部が形成されている面に撥インク層が形成されていることを特徴とするインクジェット記録方法。
  13. 撥インク層が、フッ素系材料、及びシリコーン系材料のいずれかで構成される請求項12に記載のインクジェット記録方法。
  14. 撥インク層の表面粗さRaが、0.2μm以下である請求項12から13のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  15. 撥インク層の開口部近傍における当該開口部の中心線に垂直な平面での断面積が、該基材表面から離れるにつれて順次大きくなっていくように形成された請求項12から14のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  16. 撥インク層の臨界表面張力が、5mN/m〜40mN/mである請求項12から15のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  17. 請求項1から11のいずれかに記載のインクジェットインクに刺激を印加し、該インクジェットインクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有し、該刺激が、温度、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  18. 請求項1から11のいずれかに記載のインクジェットインクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
  19. 記録媒体上に、請求項1から11のいずれかに記載のインクジェットインクを用いて記録された画像を有してなることを特徴とするインク記録物。
JP2008196734A 2007-08-14 2008-07-30 インクジェットインク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物 Pending JP2009062519A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008196734A JP2009062519A (ja) 2007-08-14 2008-07-30 インクジェットインク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物
EP08252661.7A EP2028242B1 (en) 2007-08-14 2008-08-11 Inkjet ink, and ink cartridge, inkjet recording method, inkjet recording apparatus and ink record using the same
US12/190,946 US8317913B2 (en) 2007-08-14 2008-08-13 Inkjet ink, and ink cartridge, inkjet recording method, inkjet recording apparatus and ink record using the same
CN200810129862.9A CN101368016B (zh) 2007-08-14 2008-08-14 喷墨油墨,以及使用它的墨盒、喷墨记录方法、喷墨记录装置和油墨记录
US13/616,058 US8680175B2 (en) 2007-08-14 2012-09-14 Inkjet ink, and ink cartridge, inkjet recording method, inkjet recording apparatus and ink record using the same

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007211470 2007-08-14
JP2008196734A JP2009062519A (ja) 2007-08-14 2008-07-30 インクジェットインク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009062519A true JP2009062519A (ja) 2009-03-26

Family

ID=40412020

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008196734A Pending JP2009062519A (ja) 2007-08-14 2008-07-30 インクジェットインク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2009062519A (ja)
CN (1) CN101368016B (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013155322A (ja) * 2012-01-31 2013-08-15 Ricoh Co Ltd インク
US8646891B2 (en) 2012-03-28 2014-02-11 Ricoh Company, Ltd. Inkjet recording ink, inkjet recording ink set, and ink cartridge
JP2014058617A (ja) * 2012-09-18 2014-04-03 Ricoh Co Ltd インクジェット用記録インク及びこれを用いた記録装置
JP2014177562A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置
JP2017088843A (ja) * 2015-11-06 2017-05-25 株式会社リコー インク、記録物、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法
JP2017115127A (ja) * 2015-12-18 2017-06-29 株式会社リコー インク、インクジェット印刷装置、インクジェット印刷方法、及び印刷物
JP2017160300A (ja) * 2016-03-08 2017-09-14 株式会社リコー インク、インク収容容器、画像記録方法及び画像記録装置
JP2020019843A (ja) * 2018-07-30 2020-02-06 株式会社リコー インク、インク収容容器、およびインクジェット記録装置
JP2021021022A (ja) * 2019-07-29 2021-02-18 株式会社リコー インク、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
CN113059912A (zh) * 2021-03-25 2021-07-02 苏州印科杰特半导体科技有限公司 一种防止墨水溢出的多层聚合物喷墨腔室及其制作工艺

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5776141B2 (ja) * 2009-06-23 2015-09-09 株式会社リコー インクジェット記録用インク、並びに、該インクを用いたインクジェット記録方法、該インクを収容したカートリッジ、及び記録物
CN102453380A (zh) * 2010-10-28 2012-05-16 比亚迪股份有限公司 一种镜面银油墨及其制备方法、一种印刷品
JP6123296B2 (ja) * 2013-01-07 2017-05-10 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録用インクおよび記録物
JP6281691B2 (ja) * 2014-03-10 2018-02-21 セイコーエプソン株式会社 インク組成物及び記録装置
EP2937390B1 (en) * 2014-04-22 2019-01-02 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink cartridge, and image-recording method
EP3354697B1 (en) * 2017-01-25 2019-07-03 Ricoh Company, Ltd. Inkjet recording device, cleaning method, and set of ink and cleaning liquid
JP7030466B2 (ja) * 2017-09-29 2022-03-07 理想科学工業株式会社 インクカートリッジ
JP2019137777A (ja) * 2018-02-09 2019-08-22 セイコーエプソン株式会社 顔料捺染インクジェットインク組成物、顔料捺染インクジェットインク組成物セット及びインクジェット顔料捺染方法
JP7326091B2 (ja) * 2019-09-24 2023-08-15 東芝テック株式会社 インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006045436A (ja) * 2004-08-06 2006-02-16 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク
JP2006051808A (ja) * 2004-07-15 2006-02-23 Ricoh Co Ltd インクジェットヘッドのノズル部材、撥インク膜形成方法、インクジェットヘッド、カートリッジ、およびインクジェット記録装置
JP2006103285A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Ricoh Co Ltd 画像記録装置
JP2006282986A (ja) * 2004-09-17 2006-10-19 Ricoh Co Ltd 記録用インク、並びに、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP2006335858A (ja) * 2005-06-01 2006-12-14 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法および画像形成物
JP2007098730A (ja) * 2005-10-03 2007-04-19 Ricoh Co Ltd 液体吐出装置の維持装置及び画像形成装置
JP2007118591A (ja) * 2005-09-27 2007-05-17 Ricoh Co Ltd インクジェットヘッド用ノズル板、ヘッドおよびこれを用いたインクジェット記録装置、方法、インクジェット記録用インク
JP2007154021A (ja) * 2005-12-05 2007-06-21 Kao Corp インクジェット記録用水系インク

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6652634B1 (en) * 2001-08-03 2003-11-25 Lexmark International, Inc. Polymeric dispersants used for aqueous pigmented inks for ink-jet printing
KR100980746B1 (ko) * 2005-12-22 2010-09-07 가부시키가이샤 리코 안료 분산체, 기록용 잉크, 잉크 카트리지, 잉크젯 기록방법 및 잉크젯 기록 장치

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006051808A (ja) * 2004-07-15 2006-02-23 Ricoh Co Ltd インクジェットヘッドのノズル部材、撥インク膜形成方法、インクジェットヘッド、カートリッジ、およびインクジェット記録装置
JP2006045436A (ja) * 2004-08-06 2006-02-16 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク
JP2006282986A (ja) * 2004-09-17 2006-10-19 Ricoh Co Ltd 記録用インク、並びに、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP2006103285A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Ricoh Co Ltd 画像記録装置
JP2006335858A (ja) * 2005-06-01 2006-12-14 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法および画像形成物
JP2007118591A (ja) * 2005-09-27 2007-05-17 Ricoh Co Ltd インクジェットヘッド用ノズル板、ヘッドおよびこれを用いたインクジェット記録装置、方法、インクジェット記録用インク
JP2007098730A (ja) * 2005-10-03 2007-04-19 Ricoh Co Ltd 液体吐出装置の維持装置及び画像形成装置
JP2007154021A (ja) * 2005-12-05 2007-06-21 Kao Corp インクジェット記録用水系インク

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013155322A (ja) * 2012-01-31 2013-08-15 Ricoh Co Ltd インク
US8646891B2 (en) 2012-03-28 2014-02-11 Ricoh Company, Ltd. Inkjet recording ink, inkjet recording ink set, and ink cartridge
JP2014058617A (ja) * 2012-09-18 2014-04-03 Ricoh Co Ltd インクジェット用記録インク及びこれを用いた記録装置
JP2014177562A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録装置
JP2017088843A (ja) * 2015-11-06 2017-05-25 株式会社リコー インク、記録物、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法
JP2017115127A (ja) * 2015-12-18 2017-06-29 株式会社リコー インク、インクジェット印刷装置、インクジェット印刷方法、及び印刷物
JP2017160300A (ja) * 2016-03-08 2017-09-14 株式会社リコー インク、インク収容容器、画像記録方法及び画像記録装置
JP2020019843A (ja) * 2018-07-30 2020-02-06 株式会社リコー インク、インク収容容器、およびインクジェット記録装置
JP7061287B2 (ja) 2018-07-30 2022-04-28 株式会社リコー インク、インク収容容器、およびインクジェット記録装置
JP2021021022A (ja) * 2019-07-29 2021-02-18 株式会社リコー インク、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
CN113059912A (zh) * 2021-03-25 2021-07-02 苏州印科杰特半导体科技有限公司 一种防止墨水溢出的多层聚合物喷墨腔室及其制作工艺

Also Published As

Publication number Publication date
CN101368016B (zh) 2014-06-18
CN101368016A (zh) 2009-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8680175B2 (en) Inkjet ink, and ink cartridge, inkjet recording method, inkjet recording apparatus and ink record using the same
JP2009062519A (ja) インクジェットインク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物
JP5112714B2 (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP4809650B2 (ja) 記録用インク、並びに、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP4921753B2 (ja) 記録用インク、並びに、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP5016282B2 (ja) 記録用インク、並びにインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP2008184567A (ja) 記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP5664893B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録用インクメディアセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置。
JP4880974B2 (ja) 記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法
JP4999056B2 (ja) インクジェットヘッド用ノズル板、ヘッドおよびこれを用いたインクジェット記録装置、方法、インクジェット記録用インク
JP2008074887A (ja) 記録用インク及びインクジェット記録装置
JP5958878B2 (ja) インクジェット用インク組成物、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、及びインク記録物
JP4768977B2 (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP4627422B2 (ja) 液滴吐出ヘッドの製造方法
JP5304023B2 (ja) 記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
WO2017126611A1 (ja) インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法
JP5151469B2 (ja) 記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物
JP2006070105A (ja) 記録用インク、並びに、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP5286874B2 (ja) 記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物
JP2009066945A (ja) 液体吐出装置用ノズル板、ヘッドおよびそれを用いた液体吐出装置、方法
JP5170500B2 (ja) インクジェットヘッド用ノズル板、ヘッド、インクジェット記録用インクおよびこれを用いたインクジェット記録装置、記録方法
JP2023127117A (ja) インクジェット記録用インク、インクジェット印刷方法、及インクジェット印刷装置
JP6107257B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110408

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130104

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130806