JP2006103285A - 画像記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 樹脂など記録液を増粘させる成分を含有した記録液を使用してもワイピング性を損なわず、しかも高画質の画像が得られるインクジェット記録方式の画像記録装置を提供すること。
【解決手段】 記録ヘッドのノズルからノズル面方向の3mm以内の範囲に存する段差(図中、αとβ)が、記録液を吐出する方向をプラスとしたときにノズル面から−1.0mm以上+0.5mm以下の範囲で、かつ、搭載される記録液が、乾燥時に記録液を増粘させる水溶性または水分散性のポリマー、モノマー、オリゴマーのいずれかの成分を含有すること。あるいはまた、搭載される記録液が、色材とは別に微粒子を含有しても良い。
【選択図】 図2
【解決手段】 記録ヘッドのノズルからノズル面方向の3mm以内の範囲に存する段差(図中、αとβ)が、記録液を吐出する方向をプラスとしたときにノズル面から−1.0mm以上+0.5mm以下の範囲で、かつ、搭載される記録液が、乾燥時に記録液を増粘させる水溶性または水分散性のポリマー、モノマー、オリゴマーのいずれかの成分を含有すること。あるいはまた、搭載される記録液が、色材とは別に微粒子を含有しても良い。
【選択図】 図2
Description
本発明は、インクジェット記録方式の画像記録装置に関し、特に記録液中に、乾燥時に記録液を増粘させる成分を含有する場合でもノズルプレートに対するワイピング性を損なわない液体噴射記録ヘッドを備えた画像記録装置に関する。
インクジェット記録方式の画像記録装置は、一般に、図1に示すような、何らかの規則性を持って整列するノズル10から記録液を吐出する複数の記録素子11を具備する記録素子基板1と、該記録素子基板1に対して前記記録液を吐出するための電気エネルギーを印加するために前記記録素子基板1に電気的に接続されるフレキシブルフィルム配線基板2とを有し、前記フレキシブルフィルム配線基板2の開口部9の縁に設けられた複数の電極リードが前記記録素子基板1の縁に設けられた複数の電極パッド12にそれぞれ電気的に接続されている液体噴射記録ヘッドを備え、記録液として、例えば顔料を水中に分散させた水系顔料インクを用い、電気熱変換素子に記録信号となる電気パルスを印加することにより記録液に熱エネルギーを与え、ノズルから記録液の液滴を吐出させ、記録媒体に対して記録が行われる。
上述のように記録素子基板1に設けられた複数の電極とフレキシブルフィルム配線基板2に設けられた複数の電極リードとが電気的に接続されている。図2はその接続状態を示すもので、図2(a)はノズル列方向の断面、図2(b)はノズル列に垂直な断面を示す。記録素子基板1は記録素子ヒータ基板部4と流路ノズル部5からなっている。図2(a)に示すように記録素子基板1への電気実装は記録素子ヒータ基板部4とフレキシブルフィルム配線基板2をワイヤ7で接続することによってなされる。この接続部分は封止剤6で封止されている。この部分には段差(ノズル面からαの段差)ができている。また、図2(b)で示すように記録素子基板1とフレキシブルフィルム基板2との隙間は封止剤8で封止されている。この部分にも段差(ノズル面からβの段差)ができている。
一方、記録液に樹脂を含有すると記録媒体への定着性が向上することが知られている。また、定着性が向上するだけではなく、乾燥時に高粘度化することでにじみやカラーブリードを抑えたり、表面にコーティング層を形成して表面の荒れを少なくしたりすることで画像に光沢感を付与するといった優れた効果ももつことが知られている。
上述のような試みとしては、特許文献1には顔料がポリマーによって被覆されたマイクロカプセル化顔料と固体湿潤剤を含有するインクジェット記録用インクにより目詰まり信頼性と吐出安定性とに優れ、高い印字濃度の記録物を白点を発生させることなく得られること、特許文献2には記録液に糖類を含有させることで保湿性を保ち噴射安定性を改善できること、特許文献3には尿素樹脂になる成分を記録液に含有させることで保湿性を保ち噴射安定性を改善できること、特許文献4には複数のヘッドのうち、少なくとも1つはインクの定着を促進させるプリント性向上液を吐出するヘッドとし、その向上液にカチオン性化合物の低分子成分とカチオン性化合物の高分子成分を含有させ、これをインク液と混合することによりインクの乾燥とともに混合液を反応により増粘させて定着性を向上できることが記載されている。
特開2003−327872公報
WO01/94482
特開2004−1469公報
特開平09−201959号公報
上述のように記録素子基板1に設けられた複数の電極とフレキシブルフィルム配線基板2に設けられた複数の電極リードとが電気的に接続されている。図2はその接続状態を示すもので、図2(a)はノズル列方向の断面、図2(b)はノズル列に垂直な断面を示す。記録素子基板1は記録素子ヒータ基板部4と流路ノズル部5からなっている。図2(a)に示すように記録素子基板1への電気実装は記録素子ヒータ基板部4とフレキシブルフィルム配線基板2をワイヤ7で接続することによってなされる。この接続部分は封止剤6で封止されている。この部分には段差(ノズル面からαの段差)ができている。また、図2(b)で示すように記録素子基板1とフレキシブルフィルム基板2との隙間は封止剤8で封止されている。この部分にも段差(ノズル面からβの段差)ができている。
一方、記録液に樹脂を含有すると記録媒体への定着性が向上することが知られている。また、定着性が向上するだけではなく、乾燥時に高粘度化することでにじみやカラーブリードを抑えたり、表面にコーティング層を形成して表面の荒れを少なくしたりすることで画像に光沢感を付与するといった優れた効果ももつことが知られている。
上述のような試みとしては、特許文献1には顔料がポリマーによって被覆されたマイクロカプセル化顔料と固体湿潤剤を含有するインクジェット記録用インクにより目詰まり信頼性と吐出安定性とに優れ、高い印字濃度の記録物を白点を発生させることなく得られること、特許文献2には記録液に糖類を含有させることで保湿性を保ち噴射安定性を改善できること、特許文献3には尿素樹脂になる成分を記録液に含有させることで保湿性を保ち噴射安定性を改善できること、特許文献4には複数のヘッドのうち、少なくとも1つはインクの定着を促進させるプリント性向上液を吐出するヘッドとし、その向上液にカチオン性化合物の低分子成分とカチオン性化合物の高分子成分を含有させ、これをインク液と混合することによりインクの乾燥とともに混合液を反応により増粘させて定着性を向上できることが記載されている。
しかしながら、上述のような増粘させる成分を含有した記録液は記録媒体に対してだけではなく、ノズルプレートに対しても定着性が高いため、十分なワイピング性を得ることは、このような成分を含有しない記録液に比べてより困難である。すなわち、安定した吐出安定性の確保がより困難である。また糖類や尿素樹脂のような高分子の保湿剤を含有した記録液は吐出安定性が優れるが粘度が高くなるため、同じくワイピングが困難である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、上述したような記録液を増粘させる成分を含有した記録液を使用してもワイピング性を損なわず、なおかつ高画質の画像が得られる画像記録装置を提供することを目的とする。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、上述したような記録液を増粘させる成分を含有した記録液を使用してもワイピング性を損なわず、なおかつ高画質の画像が得られる画像記録装置を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題について検討した結果、乾燥時に記録液を増粘させる成分を含有する記録液を用いて、十分なワイピング性を得るにはワイパーブレード等のノズル面に接触してノズル面を払拭する部材の接触面の凹凸は−1.0mm〜+0.5mmの範囲内に収めなければならないとの結論に達し、本発明に至った。すなわち、請求項1に記載の発明は、何らかの規則性を持って整列するノズルから記録液を吐出する複数の記録素子を具備する記録素子基板と、前記記録素子基板に対して前記記録液を吐出するための電気エネルギーを印加するために前記記録素子基板に電気的に接続されるフレキシブルフィルム配線基板とを有し、該フレキシブルフィルム配線基板の開口部が該記録素子基板の縁に設けられた複数の電極パッドにそれぞれ電気的に接続されている液体噴射記録ヘッドを備え、かつ、前記ノズル面に接触してノズル面を払拭する部材を有する画像記録装置において、前記記録ヘッドのノズルからノズル面方向の3mm以内の範囲にある段差が、記録液を吐出する方向をプラスとしたときにノズル面から−1.0mm以上+0.5mm以下の範囲であり、かつ、搭載される記録液が、乾燥時に記録液を増粘させる水溶性または水分散性のポリマー、モノマー、オリゴマーのいずれかの成分を含有していることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像記録装置において、前記水溶性または水分散性の成分を含有する記録液は記録媒体上で凝集反応または重合反応をして記録液を増粘させることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の画像記録装置において、前記水溶性または水分散性の成分が熱硬化性樹脂であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像記録装置において、前記熱硬化性樹脂がシリコーン樹脂またはシリコーン変性樹脂であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像記録装置において、前記シリコーン樹脂またはシリコーン変性樹脂はエマルジョンであることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像記録装置において、前記水溶性または水分散性の成分を含有する記録液は記録媒体上で凝集反応または重合反応をして記録液を増粘させることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の画像記録装置において、前記水溶性または水分散性の成分が熱硬化性樹脂であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像記録装置において、前記熱硬化性樹脂がシリコーン樹脂またはシリコーン変性樹脂であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像記録装置において、前記シリコーン樹脂またはシリコーン変性樹脂はエマルジョンであることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載の画像記録装置において、前記シリコーン樹脂またはシリコーン変性樹脂が記録液の成分中、固形分濃度で0.1%〜5%含有されていることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項7に記載の発明は、第三に記載の画像記録装置において、前記熱硬化性樹脂がフッ素樹脂またはフッ素変性樹脂であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像記録装置において、前記フッ素樹脂またはフッ素変性樹脂はエマルジョンであることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項9に記載の発明は、請求項7または請求項8に記載の画像記録装置において、前記フッ素樹脂またはフッ素変性樹脂は記録液の成分中、固形分濃度で0.1%〜5%含有されていることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項10に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の画像記録装置において、前記水溶性または水分散性の成分が糖類であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項11に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の画像記録装置において、前記水溶性または水分散性の成分が尿素樹脂であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の画像記録装置において、前記水溶性または水分散性の成分は保湿された記録液中でアニオン性またはノニオン性であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項13に記載の発明は、何らかの規則性を持って整列するノズルから記録液を吐出する複数の記録素子を具備する記録素子基板と、前記記録素子基板に対して前記記録液を吐出するための電気エネルギーを印加するために前記記録素子基板に電気的に接続されるフレキシブルフィルム配線基板とを有し、該フレキシブルフィルム配線基板の開口部が該記録素子基板の縁に設けられた複数の電極パッドにそれぞれ電気的に接続されている液体噴射記録ヘッドを備え、かつ、前記ノズル面に接触してノズル面を払拭する部材を有する画像記録装置において、前記記録ヘッドのノズルからノズル面方向の3mm以内の範囲にある段差が、記録液を吐出する方向をプラスとしたときにノズル面から−1.0mm以上+0.5mm以下の範囲であり、かつ、搭載される記録液が、色材とは別に微粒子を含有していることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の画像記録装置において、前記微粒子は無機物であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項7に記載の発明は、第三に記載の画像記録装置において、前記熱硬化性樹脂がフッ素樹脂またはフッ素変性樹脂であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像記録装置において、前記フッ素樹脂またはフッ素変性樹脂はエマルジョンであることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項9に記載の発明は、請求項7または請求項8に記載の画像記録装置において、前記フッ素樹脂またはフッ素変性樹脂は記録液の成分中、固形分濃度で0.1%〜5%含有されていることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項10に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の画像記録装置において、前記水溶性または水分散性の成分が糖類であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項11に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の画像記録装置において、前記水溶性または水分散性の成分が尿素樹脂であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の画像記録装置において、前記水溶性または水分散性の成分は保湿された記録液中でアニオン性またはノニオン性であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項13に記載の発明は、何らかの規則性を持って整列するノズルから記録液を吐出する複数の記録素子を具備する記録素子基板と、前記記録素子基板に対して前記記録液を吐出するための電気エネルギーを印加するために前記記録素子基板に電気的に接続されるフレキシブルフィルム配線基板とを有し、該フレキシブルフィルム配線基板の開口部が該記録素子基板の縁に設けられた複数の電極パッドにそれぞれ電気的に接続されている液体噴射記録ヘッドを備え、かつ、前記ノズル面に接触してノズル面を払拭する部材を有する画像記録装置において、前記記録ヘッドのノズルからノズル面方向の3mm以内の範囲にある段差が、記録液を吐出する方向をプラスとしたときにノズル面から−1.0mm以上+0.5mm以下の範囲であり、かつ、搭載される記録液が、色材とは別に微粒子を含有していることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の画像記録装置において、前記微粒子は無機物であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項15に記載の発明は、請求項13または請求項14に記載の画像記録装置において、前記微粒子は保湿された記録液中でアニオン性またはノニオン性であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項16に記載の発明は、請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の画像記録装置において、前記吐出される記録液がフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の画像記録装置において、前記フッ素系界面活性剤がノニオン性またはアニオン性であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項18に記載の発明は、請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載の画像記録装置において、前記記録液の表面張力が30N/mm以下であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項19に記載の発明は、請求項1乃至請求項18のいずれか1項に記載の画像記録装置において、前記記録液に含有される色材がマイクロカプセル化された樹脂被覆顔料であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
上述のように、本発明の画像記録装置の記録液に含有される記録液を増粘させる成分は水溶性のモノマーであってもポリマーであってもオリゴマーであっても良く、水分散性のモノマーであってもポリマーであってもオリゴマーであっても良い。また、記録液は微粒子を含有しても良く、該微粒子は無機物であっても有機物であっても良いが、特に無機微粒子は大きな凝集物を生じるため、記録液に含有するとより画質向上に対して有益である。
請求項16に記載の発明は、請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の画像記録装置において、前記吐出される記録液がフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の画像記録装置において、前記フッ素系界面活性剤がノニオン性またはアニオン性であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項18に記載の発明は、請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載の画像記録装置において、前記記録液の表面張力が30N/mm以下であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
請求項19に記載の発明は、請求項1乃至請求項18のいずれか1項に記載の画像記録装置において、前記記録液に含有される色材がマイクロカプセル化された樹脂被覆顔料であることを特徴とする画像記録装置を提供する。
上述のように、本発明の画像記録装置の記録液に含有される記録液を増粘させる成分は水溶性のモノマーであってもポリマーであってもオリゴマーであっても良く、水分散性のモノマーであってもポリマーであってもオリゴマーであっても良い。また、記録液は微粒子を含有しても良く、該微粒子は無機物であっても有機物であっても良いが、特に無機微粒子は大きな凝集物を生じるため、記録液に含有するとより画質向上に対して有益である。
請求項1または2の画像記録装置によれば、記録ヘッドのノズルからノズル面方向の3mm以内の範囲に存する段差が、記録液を吐出する方向をプラスとしたとき、ノズル面から−1.0mm以上+0.5mm以下の範囲にあることから、記録液を増粘させる成分を含有する記録液を使用してもワイピング性が損なわれず、高画質の画像を形成することができる。
請求項3の画像記録装置によれば、乾燥時に記録液を増粘させる成分が熱硬化性樹脂であることから、架橋反応により三次元立体構造が形成されるため耐溶剤性の優れた画像を形成することができる。
請求項4の画像記録装置によれば、上記熱硬化性樹脂がシリコーン樹脂またはシリコーン変性樹脂であることから、特に耐水、耐溶剤性の優れた画像を形成することができる。
請求項5の画像記録装置によれば、上記シリコーン樹脂またはシリコーン変性樹脂はエマルジョンで含有されることから、粒径が大きく、記録媒体上で短時間で大きな増粘を起こし画質を向上させることができる。
請求項6の画像記録装置によれば、上記シリコーン樹脂またはシリコーン変性樹脂が、記録液の成分中、固形分濃度で0.1%〜5%含有されることから、画質向上効果と記録液の保存安定性を確実に保持することができる。
請求項7の画像記録装置によれば、上記熱硬化性樹脂がフッ素樹脂またはフッ素変性樹脂であることから、特に耐水、耐溶剤性の優れた画像を形成することができる。
請求項8の画像記録装置によれば、上記フッ素樹脂またはフッ素変性樹脂はエマルジョンで含有されることから、粒径が大きく、記録媒体上で短時間で比較的強い増粘を起こし画質を向上させる効果が高い。
請求項9の画像記録装置によれば、上記フッ素樹脂またはフッ素変性樹脂が、記録液の成分中、固形分濃度で0.1%〜5%含有されることから、画質向上効果と記録液の保存安定性を確実に保持することができる。
請求項10の画像記録装置によれば、上記水溶性または水分散性の成分が糖類であることから、記録液に高い増粘効果をもたらし、高画質の印刷物が得られると同時に記録液の保湿性を高め、記録液の吐出安定性を向上させることができる。
請求項11の画像記録装置によれば、上記水溶性または水分散性の成分が尿素樹脂であることから、糖類と同様、記録液に保湿性を持たせることができる。
請求項3の画像記録装置によれば、乾燥時に記録液を増粘させる成分が熱硬化性樹脂であることから、架橋反応により三次元立体構造が形成されるため耐溶剤性の優れた画像を形成することができる。
請求項4の画像記録装置によれば、上記熱硬化性樹脂がシリコーン樹脂またはシリコーン変性樹脂であることから、特に耐水、耐溶剤性の優れた画像を形成することができる。
請求項5の画像記録装置によれば、上記シリコーン樹脂またはシリコーン変性樹脂はエマルジョンで含有されることから、粒径が大きく、記録媒体上で短時間で大きな増粘を起こし画質を向上させることができる。
請求項6の画像記録装置によれば、上記シリコーン樹脂またはシリコーン変性樹脂が、記録液の成分中、固形分濃度で0.1%〜5%含有されることから、画質向上効果と記録液の保存安定性を確実に保持することができる。
請求項7の画像記録装置によれば、上記熱硬化性樹脂がフッ素樹脂またはフッ素変性樹脂であることから、特に耐水、耐溶剤性の優れた画像を形成することができる。
請求項8の画像記録装置によれば、上記フッ素樹脂またはフッ素変性樹脂はエマルジョンで含有されることから、粒径が大きく、記録媒体上で短時間で比較的強い増粘を起こし画質を向上させる効果が高い。
請求項9の画像記録装置によれば、上記フッ素樹脂またはフッ素変性樹脂が、記録液の成分中、固形分濃度で0.1%〜5%含有されることから、画質向上効果と記録液の保存安定性を確実に保持することができる。
請求項10の画像記録装置によれば、上記水溶性または水分散性の成分が糖類であることから、記録液に高い増粘効果をもたらし、高画質の印刷物が得られると同時に記録液の保湿性を高め、記録液の吐出安定性を向上させることができる。
請求項11の画像記録装置によれば、上記水溶性または水分散性の成分が尿素樹脂であることから、糖類と同様、記録液に保湿性を持たせることができる。
請求項12の画像記録装置によれば、上記水溶性または水分散性の成分は保湿された記録液中でアニオン性またはノニオン性であることから、色材など記録液中の他の成分との整合性が良好であり、安定した記録液が得られる。
請求項13の画像記録装置によれば、上記吐出される記録液が色材とは別に微粒子を含有していることから、記録液の乾燥時に増粘効果を高くさせ画質の向上を助けることができる。
請求項14の画像記録装置によれば、上記微粒子は無機物であることから、有機微粒子よりも乾燥時の増粘効果を高くすることができる。
請求項15の画像記録装置によれば、上記微粒子は保湿された記録液中でアニオン性またはノニオン性であることから、記録液中の他の成分との整合性がよく、安定した記録液が得られる。
請求項16の画像記録装置によれば、上記吐出される記録液がフッ素系界面活性剤を含有することから、記録液の浸透速度が速くなり、裏移りして背面をよごさない印刷物をより高速な印刷で得られる。
請求項17の画像記録装置によれば、上記フッ素系界面活性剤がノニオン性またはアニオン性であることから、発色性の良いアニオン性またはノニオン性の色材を分散性や溶解性を損なわずに共に含有した保存安定性も高い記録液を搭載できる。
請求項18の画像記録装置によれば、上記記録液の表面張力が30N/mm以下であることから、記録媒体との濡れ性と液滴の粒子化の両立性の観点から好ましく、裏移りと裏移りに伴う画像乱れを防止することができる。
請求項19の画像記録装置によれば、上記記録液に含有される色材がマイクロカプセル化された樹脂被覆顔料であることから、顔料が記録媒体にしっかり付着し、印刷物の擦過性を向上させることができる。
請求項13の画像記録装置によれば、上記吐出される記録液が色材とは別に微粒子を含有していることから、記録液の乾燥時に増粘効果を高くさせ画質の向上を助けることができる。
請求項14の画像記録装置によれば、上記微粒子は無機物であることから、有機微粒子よりも乾燥時の増粘効果を高くすることができる。
請求項15の画像記録装置によれば、上記微粒子は保湿された記録液中でアニオン性またはノニオン性であることから、記録液中の他の成分との整合性がよく、安定した記録液が得られる。
請求項16の画像記録装置によれば、上記吐出される記録液がフッ素系界面活性剤を含有することから、記録液の浸透速度が速くなり、裏移りして背面をよごさない印刷物をより高速な印刷で得られる。
請求項17の画像記録装置によれば、上記フッ素系界面活性剤がノニオン性またはアニオン性であることから、発色性の良いアニオン性またはノニオン性の色材を分散性や溶解性を損なわずに共に含有した保存安定性も高い記録液を搭載できる。
請求項18の画像記録装置によれば、上記記録液の表面張力が30N/mm以下であることから、記録媒体との濡れ性と液滴の粒子化の両立性の観点から好ましく、裏移りと裏移りに伴う画像乱れを防止することができる。
請求項19の画像記録装置によれば、上記記録液に含有される色材がマイクロカプセル化された樹脂被覆顔料であることから、顔料が記録媒体にしっかり付着し、印刷物の擦過性を向上させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1については、既に説明したが、本発明による画像記録装置もこれと同様のヘッド部を有する。図のように、記録素子基板1にはノズル10が1色あたり2列構成で8列設けられている。また記録素子基板1の周囲には電気実装のためフレキシブル基板2が配置されており、電極9よりプリンタ本体へ接続される。
図2はこの記録素子基板1とフレキシブル基板2の断面を示すもので、図2(a)はノズル列方向の断面、図2(b)はノズル列に垂直な断面を示す。
記録素子基板1は記録素子ヒータ基板部4と流路ノズル部5からなっており、図2(a)に示すように記録素子基板1への電気実装は記録素子ヒータ基板部4とフレキシブル基板2をワイヤ7で接続することによってなされる。この接続部分は封止剤6で封止されている。このときの封止剤部分のノズル面から見た段差をαとする。また、図2(b)に示すように記録素子基板1とフレキシブル基板2との隙間は封止剤8によって封止されている。この部分のノズル面から見た段差をβとすると、αを0.5mm以下、βを1.0mm以下とすることによって良好なワイピング性が確保される。そしてこれによれば記録液中に乾燥時に記録液を増粘させる成分を含有していても安定した吐出安定性が得られる。なお、図示されていないが、ノズル面に接触してノズル面を払拭する部材が備えられており、該部材はワイパーブレードであってもよいし、ローラであってもよく、形状によらない。
図1については、既に説明したが、本発明による画像記録装置もこれと同様のヘッド部を有する。図のように、記録素子基板1にはノズル10が1色あたり2列構成で8列設けられている。また記録素子基板1の周囲には電気実装のためフレキシブル基板2が配置されており、電極9よりプリンタ本体へ接続される。
図2はこの記録素子基板1とフレキシブル基板2の断面を示すもので、図2(a)はノズル列方向の断面、図2(b)はノズル列に垂直な断面を示す。
記録素子基板1は記録素子ヒータ基板部4と流路ノズル部5からなっており、図2(a)に示すように記録素子基板1への電気実装は記録素子ヒータ基板部4とフレキシブル基板2をワイヤ7で接続することによってなされる。この接続部分は封止剤6で封止されている。このときの封止剤部分のノズル面から見た段差をαとする。また、図2(b)に示すように記録素子基板1とフレキシブル基板2との隙間は封止剤8によって封止されている。この部分のノズル面から見た段差をβとすると、αを0.5mm以下、βを1.0mm以下とすることによって良好なワイピング性が確保される。そしてこれによれば記録液中に乾燥時に記録液を増粘させる成分を含有していても安定した吐出安定性が得られる。なお、図示されていないが、ノズル面に接触してノズル面を払拭する部材が備えられており、該部材はワイパーブレードであってもよいし、ローラであってもよく、形状によらない。
以下に記録液に含有すると乾燥時に増粘して画質を向上させる効果を持つが記録液の粘度を高め、ワイピング性を損ねてしまう水溶性モノマー、水溶性ポリマー、糖類、水分散性微粒子、熱硬化性樹脂等の具体例を記す。
<水溶性モノマー>
記録液に含有されるモノマーとしては親水基を有するモノマーが好ましく用いられ、カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、クロトン酸、イソプロピルアクリル酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸等が挙げられる。これらの中でもアクリル酸やメタクリル酸が画質向上効果が高い。
また、スルホン酸基を有するモノマーとして、4−スチレンスルホン酸及びその塩、ビニルスルホン酸及びその塩、スルホエチルメタクリレート及びその塩、スルホエチルアクリレート及びその塩、スルホアルキルアクリレート及びその塩、スルホアルキルメタクリレート及びその塩、スルホプロピルアクリレート及びその塩、スルホプロピルメタクリレート及びその塩、スルホアリールアクリレート及びその塩、スルホアリールメタクリレート及びその塩、ブチルアクリルアミドスルホン酸及びその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩。
また、水酸基を有するモノマーとして、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ポリエチレングリコール400メタクリレート、ポリエチレングリコール400メタクリレート、N−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ヒドロキシエチルメタクリレート。
また、アミドを有するモノマーとしてアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸アミノプロピルアミド、メタクリル酸アミノプロピルアミド、アクリル酸アミノエチルアミド、メタクリル酸アミノエチルアミド等。
ただし、本発明においては、上記の具体例に拠らず、水溶性で、かつ、記録液に含有したとき、記録液の乾燥時に増粘を助長するモノマー成分であれば良い。
<水溶性モノマー>
記録液に含有されるモノマーとしては親水基を有するモノマーが好ましく用いられ、カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、クロトン酸、イソプロピルアクリル酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸等が挙げられる。これらの中でもアクリル酸やメタクリル酸が画質向上効果が高い。
また、スルホン酸基を有するモノマーとして、4−スチレンスルホン酸及びその塩、ビニルスルホン酸及びその塩、スルホエチルメタクリレート及びその塩、スルホエチルアクリレート及びその塩、スルホアルキルアクリレート及びその塩、スルホアルキルメタクリレート及びその塩、スルホプロピルアクリレート及びその塩、スルホプロピルメタクリレート及びその塩、スルホアリールアクリレート及びその塩、スルホアリールメタクリレート及びその塩、ブチルアクリルアミドスルホン酸及びその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩。
また、水酸基を有するモノマーとして、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ポリエチレングリコール400メタクリレート、ポリエチレングリコール400メタクリレート、N−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ヒドロキシエチルメタクリレート。
また、アミドを有するモノマーとしてアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸アミノプロピルアミド、メタクリル酸アミノプロピルアミド、アクリル酸アミノエチルアミド、メタクリル酸アミノエチルアミド等。
ただし、本発明においては、上記の具体例に拠らず、水溶性で、かつ、記録液に含有したとき、記録液の乾燥時に増粘を助長するモノマー成分であれば良い。
<水溶性ポリマー>
記録液に含有される水溶性のポリマーの具体例としては、ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、水系ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン−ジメチルアミノエチル・メタクリル酸共重合体、4級ビニルピロリドンとジメチルアミノエチル・メタクリル酸の共重合体等。
その他、本発明における記録液に含有できるポリマーの具体例としては、セルロース変性物、ポリエステル−ポリウレタン共重合体、ポリアクリル酸、メラニン樹脂、アルブミン、アラビアゴム等が挙げられる。
ただし、本発明においては上記のポリマーの具体例に拠らず、水溶性で、かつ、記録液に含有したとき、記録液の乾燥時に増粘を助長するポリマー成分であれば良い。
記録液に含有される水溶性のポリマーの具体例としては、ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、水系ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン−ジメチルアミノエチル・メタクリル酸共重合体、4級ビニルピロリドンとジメチルアミノエチル・メタクリル酸の共重合体等。
その他、本発明における記録液に含有できるポリマーの具体例としては、セルロース変性物、ポリエステル−ポリウレタン共重合体、ポリアクリル酸、メラニン樹脂、アルブミン、アラビアゴム等が挙げられる。
ただし、本発明においては上記のポリマーの具体例に拠らず、水溶性で、かつ、記録液に含有したとき、記録液の乾燥時に増粘を助長するポリマー成分であれば良い。
<糖類>
糖類は記録液に含有することで記録液の乾燥時に高い増粘効果をもたらし、より高い画質の印刷物を得ることができる。また糖類には保湿性を高め、記録液の吐出安定性を高める効果もある。糖類とは一分子内にカルボニル基と二個以上の水酸基を持つ分子、もしくは加水分解でその様な化合物を生じる化合物を指し、単糖類、二糖類、多糖類がある。具体例としてはグルコース(ブドウ糖)、ガラクトース、フルクトース(果糖)、マルトース(麦芽糖)、スクロース(ショ糖)、ラクトース(乳糖)、オリゴ糖、キシリトール、サッカリン、デキストラン、でんぷん、リボース、キシロース、アラビノース、アルドン酸、グルシトース、セロビオース、トレハロース、マルトトリオースなどの他にアルギン酸およびその塩、シクロデキストリン類、セルロース類を用いることができる。
一般的な糖類である単糖類および多糖類のグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ラクトース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビオース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等のより好ましい添加量は3〜20%である。
またアルギン酸およびその塩、シクロデキストリン類、セルロース類等は、記録液に添加する量としては、0.05%以上で30%以下が好ましい。0.05%未満では、インクがヘッドの先端で乾燥して詰まる目詰まり現象を回復させる効果は少なく、30%を超えると、インクの粘度が上昇しすぎて、適切な印字ができなくなる。さらにまた、これらは、インクにしたときの粘度が高くなり過ぎない程度の添加量にする必要がある。
糖類は記録液に含有することで記録液の乾燥時に高い増粘効果をもたらし、より高い画質の印刷物を得ることができる。また糖類には保湿性を高め、記録液の吐出安定性を高める効果もある。糖類とは一分子内にカルボニル基と二個以上の水酸基を持つ分子、もしくは加水分解でその様な化合物を生じる化合物を指し、単糖類、二糖類、多糖類がある。具体例としてはグルコース(ブドウ糖)、ガラクトース、フルクトース(果糖)、マルトース(麦芽糖)、スクロース(ショ糖)、ラクトース(乳糖)、オリゴ糖、キシリトール、サッカリン、デキストラン、でんぷん、リボース、キシロース、アラビノース、アルドン酸、グルシトース、セロビオース、トレハロース、マルトトリオースなどの他にアルギン酸およびその塩、シクロデキストリン類、セルロース類を用いることができる。
一般的な糖類である単糖類および多糖類のグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ラクトース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビオース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等のより好ましい添加量は3〜20%である。
またアルギン酸およびその塩、シクロデキストリン類、セルロース類等は、記録液に添加する量としては、0.05%以上で30%以下が好ましい。0.05%未満では、インクがヘッドの先端で乾燥して詰まる目詰まり現象を回復させる効果は少なく、30%を超えると、インクの粘度が上昇しすぎて、適切な印字ができなくなる。さらにまた、これらは、インクにしたときの粘度が高くなり過ぎない程度の添加量にする必要がある。
<水分散性微粒子>
本発明における記録液に含むことが出来る記録液中の凝集成分と反応性を有する成分として微粒子が挙げられる。該微粒子は無機物でも有機物でも、有機無機複合物質でも良い。特に記録液の乾燥時に増粘効果が高いポリマー微粒子は好適に含むことができる。本発明におけるポリマー微粒子とはポリマー成分の微粒子を指し、好ましくは皮膜形成性能を有するポリマーからなるものをいう。また、微粒子を核にグラフト重合されたもの、及びカプセル化されたものも含まれる。ポリマーエマルジョン、樹脂エマルジョン、ラテックスなどとも呼ばれる。
有機微粒子としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、ポリメチルメタクリレート、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリアミド樹脂、弗素系樹脂、α,β−不飽和エチレン性単量体をエマルジョン重合等により得られる重合体等が挙げられる。
ポリマー微粒子を構成するポリマー成分の具体例としては、アクリル系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、スチレン−ブタジエン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、アクリル−スチレン系ポリマー、ブタジエンポリマー、スチレン系ポリマー、シリコーン樹脂、アクリル変性ウレタン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、またはこれらの混合物が考えられる。また、これらのポリマーは、重合、共重合の特に形態に左右されないが、この膜はアクリルエステル及び/またはアクリル酸エステル、あるいはメタクリル酸を主成分とするポリマーが望ましい。
さらに、これらは重合、共重合の形態に左右されず、これらのモノマー成分を含むブロックポリマーであってもランダムコポリマーであっても良い。また、立体構造の形態についても水分散性を有していれば良く、シンジオタクチックであってもアタクチックであってもアイソタクチックであっても良い。
特にアクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステルを主成分とするポリマーは好ましく、さらには、アクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステルを主成分とするポリマーとスチレンを主成分とするポリマーを含んでいるものが望ましい。
また微粒子の粒径は0.5μ以下であることが望ましい。
無機微粒子としては、炭酸カルシウムなどの無機塩と、シリカ(SiO2)などの無機酸化物に大別される。
無機塩の具体例としては、炭酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。水系処理液として用いる場合には、炭酸カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸鉄などの水に溶解度が低いものを用いるほうが分散体を得られやすい点で好ましい。
アニオン性シリカの具体例としては、ST−ZL、ST−20、ST−30、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−S、ST−50、ST−20L、ST−OL、ST−XS、ST−YL、ST−XL、ST−UP、ST−OUP(以上、日産化学製)、Cataloid SI−350、SI−500(以上、デュポン製)、Nipgel AY−220、AY−420、AY−460(以上、日本シリカ製)等が挙げられる。
本発明における記録液に含むことが出来る記録液中の凝集成分と反応性を有する成分として微粒子が挙げられる。該微粒子は無機物でも有機物でも、有機無機複合物質でも良い。特に記録液の乾燥時に増粘効果が高いポリマー微粒子は好適に含むことができる。本発明におけるポリマー微粒子とはポリマー成分の微粒子を指し、好ましくは皮膜形成性能を有するポリマーからなるものをいう。また、微粒子を核にグラフト重合されたもの、及びカプセル化されたものも含まれる。ポリマーエマルジョン、樹脂エマルジョン、ラテックスなどとも呼ばれる。
有機微粒子としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、ポリメチルメタクリレート、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリアミド樹脂、弗素系樹脂、α,β−不飽和エチレン性単量体をエマルジョン重合等により得られる重合体等が挙げられる。
ポリマー微粒子を構成するポリマー成分の具体例としては、アクリル系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、スチレン−ブタジエン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、アクリル−スチレン系ポリマー、ブタジエンポリマー、スチレン系ポリマー、シリコーン樹脂、アクリル変性ウレタン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、またはこれらの混合物が考えられる。また、これらのポリマーは、重合、共重合の特に形態に左右されないが、この膜はアクリルエステル及び/またはアクリル酸エステル、あるいはメタクリル酸を主成分とするポリマーが望ましい。
さらに、これらは重合、共重合の形態に左右されず、これらのモノマー成分を含むブロックポリマーであってもランダムコポリマーであっても良い。また、立体構造の形態についても水分散性を有していれば良く、シンジオタクチックであってもアタクチックであってもアイソタクチックであっても良い。
特にアクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステルを主成分とするポリマーは好ましく、さらには、アクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステルを主成分とするポリマーとスチレンを主成分とするポリマーを含んでいるものが望ましい。
また微粒子の粒径は0.5μ以下であることが望ましい。
無機微粒子としては、炭酸カルシウムなどの無機塩と、シリカ(SiO2)などの無機酸化物に大別される。
無機塩の具体例としては、炭酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。水系処理液として用いる場合には、炭酸カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸鉄などの水に溶解度が低いものを用いるほうが分散体を得られやすい点で好ましい。
アニオン性シリカの具体例としては、ST−ZL、ST−20、ST−30、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−S、ST−50、ST−20L、ST−OL、ST−XS、ST−YL、ST−XL、ST−UP、ST−OUP(以上、日産化学製)、Cataloid SI−350、SI−500(以上、デュポン製)、Nipgel AY−220、AY−420、AY−460(以上、日本シリカ製)等が挙げられる。
<熱硬化性樹脂>
定着性を上げつつ、焦げも防ぐために耐熱性熱硬化樹脂を用いる。
また一方で、記録液に樹脂を含有することはヒータと組み合わせた膜沸騰により吐出を行う形態のノズルにおいては焦げの原因物質となりやすい。焦げは目詰まりの原因になったり、あるいはヒータを包み込んで機能を低下させる原因に成る。このような形態の画像記録装置において焦げを防止するには、含有する樹脂が耐熱性の高い樹脂、中でもシリコーン樹脂やフッ素系樹脂、フェノール系樹脂のような重合反応時に熱硬化性の性質を示すようなモノマー、あるいはオリゴマー、ポリマーである場合、万一焦げが生じてもヒータに吸着しにくいため、より望ましい。
また熱硬化性樹脂は架橋反応後、三次元的な網目状構造を形成し、三次元状のポリマー(架橋ポリマー)となって硬化する。硬化物は三次元立体構造ができているため耐溶剤性にすぐれ、添加剤をさらに記録液に含むことで強靱な成形品に成る。この性質は記録物の耐水性、耐有機溶剤性を高め、さらには耐擦過性、定着性を高める効果につながる。
熱硬化性樹脂の具体例としてはシリコーン樹脂やフッ素系樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などがある。
本発明における記録液に含まれる樹脂は、重合反応により熱硬化性樹脂になるモノマーまたはオリゴマーが好ましく、異なる樹脂のブロック重合体であってもランダム重合体であっても良い。
凝集あるいは反応によって記録液を増粘させる成分は、始めから粒径の大きいエマルジョンの形態で含有すると、記録媒体上で特に短時間で大きな増粘を起こすことが可能になるため画質向上効果が高くなる。
含有するエマルジョンは重量比で0.1%〜5%であることが望ましい。0.1%より含有量が小さいと画質向上の効果が乏しくなり、5%以上ではエマルジョンが過多であるため記録液の保存安定性に支障を生じてしまう。
凝集あるいは反応によって記録液を増粘させる成分は、記録液中に分散あるいは溶解している色材及び樹脂成分と同性であることが望ましく、アニオン性が特に望ましい。また該成分はノニオン性であっても良い。
定着性を上げつつ、焦げも防ぐために耐熱性熱硬化樹脂を用いる。
また一方で、記録液に樹脂を含有することはヒータと組み合わせた膜沸騰により吐出を行う形態のノズルにおいては焦げの原因物質となりやすい。焦げは目詰まりの原因になったり、あるいはヒータを包み込んで機能を低下させる原因に成る。このような形態の画像記録装置において焦げを防止するには、含有する樹脂が耐熱性の高い樹脂、中でもシリコーン樹脂やフッ素系樹脂、フェノール系樹脂のような重合反応時に熱硬化性の性質を示すようなモノマー、あるいはオリゴマー、ポリマーである場合、万一焦げが生じてもヒータに吸着しにくいため、より望ましい。
また熱硬化性樹脂は架橋反応後、三次元的な網目状構造を形成し、三次元状のポリマー(架橋ポリマー)となって硬化する。硬化物は三次元立体構造ができているため耐溶剤性にすぐれ、添加剤をさらに記録液に含むことで強靱な成形品に成る。この性質は記録物の耐水性、耐有機溶剤性を高め、さらには耐擦過性、定着性を高める効果につながる。
熱硬化性樹脂の具体例としてはシリコーン樹脂やフッ素系樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などがある。
本発明における記録液に含まれる樹脂は、重合反応により熱硬化性樹脂になるモノマーまたはオリゴマーが好ましく、異なる樹脂のブロック重合体であってもランダム重合体であっても良い。
凝集あるいは反応によって記録液を増粘させる成分は、始めから粒径の大きいエマルジョンの形態で含有すると、記録媒体上で特に短時間で大きな増粘を起こすことが可能になるため画質向上効果が高くなる。
含有するエマルジョンは重量比で0.1%〜5%であることが望ましい。0.1%より含有量が小さいと画質向上の効果が乏しくなり、5%以上ではエマルジョンが過多であるため記録液の保存安定性に支障を生じてしまう。
凝集あるいは反応によって記録液を増粘させる成分は、記録液中に分散あるいは溶解している色材及び樹脂成分と同性であることが望ましく、アニオン性が特に望ましい。また該成分はノニオン性であっても良い。
具体例として、シリコーン樹脂エマルジョンとして、ジメチル系シリコーンエマルジョン、アミノ系シリコーンエマルジョン、レジン系シリコーンエマルジョン、皮膜形成シリコーンエマルジョン等がある。エマルジョンは色材の記録媒体への定着性を補助すると共に、耐水性向上剤、艶出し剤、ブロッキング防止剤、繊維処理剤、消泡剤としての側面も併せ持っている。粒径は小さくなるほど「白色→青白色→半透明→透明」と変化するため、色材の彩度を損ねないためにはより透明に近いものほど良好である。したがって0.5μ以下のエマルジョンが好適であり、中でも特に0.1μ以下のマイクロエマルジョンと呼ばれる物が特に好適である。市販品としてPolon MF14,Polon MF14E,x-51-1321,Polon MF14D,Polon MF40がある。
また、定着性を向上させるためにアクリル変性シリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、アクリル変性フッ素樹脂、エポキシ変性フッ素樹脂の様な変性シリコーン樹脂あるいは変性フッ素樹脂も用いることもできる。
また、シリコーン変性アクリル樹脂、フッ素樹脂をグラフト重合した変性アクリル樹脂、シリコーン変性ウレタン樹脂、フッ素樹脂をグラフト重合した変性ウレタン樹脂なども用いることができる。具体例としてはAsi-91, Asi-91Z3, TT-105、TT-135、TT-86[ダイセル化学工業(株)製]などが有るが、本発明はこれらに限定されない。
その他、反応によりユリア樹脂になる尿素ポリマー類は、記録液に含有すると糖類と同様に記録液に保湿性を持たせる効果もあるため好適に用いることができる。
また、定着性を向上させるためにアクリル変性シリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、アクリル変性フッ素樹脂、エポキシ変性フッ素樹脂の様な変性シリコーン樹脂あるいは変性フッ素樹脂も用いることもできる。
また、シリコーン変性アクリル樹脂、フッ素樹脂をグラフト重合した変性アクリル樹脂、シリコーン変性ウレタン樹脂、フッ素樹脂をグラフト重合した変性ウレタン樹脂なども用いることができる。具体例としてはAsi-91, Asi-91Z3, TT-105、TT-135、TT-86[ダイセル化学工業(株)製]などが有るが、本発明はこれらに限定されない。
その他、反応によりユリア樹脂になる尿素ポリマー類は、記録液に含有すると糖類と同様に記録液に保湿性を持たせる効果もあるため好適に用いることができる。
次に記録液に含有するその他の成分について述べる。
本発明に用いられる記録液は色材として、顔料、染料のいずれでも用いることができ、混合して用いることもできる。
<顔料>
本発明における記録液に用いる顔料として特に限定はないが、例えば以下に挙げる顔料が好適に用いられる。また、これら顔料は複数種類を混合して用いても良い。
有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられる。
無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉が挙げられる。
これらの顔料の粒子径は0.01〜0.30μmで用いることが好ましく、0.01μm以下では粒子径が染料に近づくため、耐光性、フェザリングが悪化してしまう。また、0.30μm以上では、吐出口の目詰まりやプリンタ内のフィルターでの目詰まりが発生し、吐出安定性を得ることができない。
ブラック顔料インクに使用されるカーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が、15〜40ミリミクロン、BET法による比表面積が、50〜300平方メートル/g、DBP吸油量が、40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9を有するものが好ましい。このようなものとしては、例えば、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(以上、三菱化学製)、Raven700、同5750、同5250、同5000、同3500、同1255(以上、コロンビア製)、Regal400R、同330R、同660R、MogulL、Monarch700、同800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、Monarch1400(以上、キャボット製)、カラーブラックFW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、プリンテックス35、同U、同V、同140U、同140V、スペシャルブラック6、同5、同4A、同4(以上、デグッサ製)等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる記録液は色材として、顔料、染料のいずれでも用いることができ、混合して用いることもできる。
<顔料>
本発明における記録液に用いる顔料として特に限定はないが、例えば以下に挙げる顔料が好適に用いられる。また、これら顔料は複数種類を混合して用いても良い。
有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられる。
無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉が挙げられる。
これらの顔料の粒子径は0.01〜0.30μmで用いることが好ましく、0.01μm以下では粒子径が染料に近づくため、耐光性、フェザリングが悪化してしまう。また、0.30μm以上では、吐出口の目詰まりやプリンタ内のフィルターでの目詰まりが発生し、吐出安定性を得ることができない。
ブラック顔料インクに使用されるカーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が、15〜40ミリミクロン、BET法による比表面積が、50〜300平方メートル/g、DBP吸油量が、40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9を有するものが好ましい。このようなものとしては、例えば、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(以上、三菱化学製)、Raven700、同5750、同5250、同5000、同3500、同1255(以上、コロンビア製)、Regal400R、同330R、同660R、MogulL、Monarch700、同800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、Monarch1400(以上、キャボット製)、カラーブラックFW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、プリンテックス35、同U、同V、同140U、同140V、スペシャルブラック6、同5、同4A、同4(以上、デグッサ製)等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
カラー顔料の具体例を以下に挙げる。
有機顔料としてアゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられ、無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉等が挙げられる。
色別により具体的には以下のものが挙げられる。
イエローインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、同2、同3、同12、同13、同14、同16、同17、同73、同74、同75、同83、同93、同95、同97、同98、同114、同128、同129、同151、同154等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
マゼンタインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5、同7、同12、同48(Ca)、同48(Mn)、同57(Ca)、同57:1、同112、同123、同168、同184、同202等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
シアンインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同15:3、同15:34、同16、同22、同60、C.I.バットブルー4、同60等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
また、本発明で使用する各インクに含有される顔料は、本発明のために新たに製造されたものでも使用可能である。
以上に挙げた顔料は高分子分散剤や界面活性剤を用いて水性媒体に分散させることでインクジェット用記録液とすることができる。このような有機顔料粉体を分散させるための分散剤としては、通常の水溶性樹脂や水溶性界面活性剤を用いることができる。
有機顔料としてアゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられ、無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉等が挙げられる。
色別により具体的には以下のものが挙げられる。
イエローインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、同2、同3、同12、同13、同14、同16、同17、同73、同74、同75、同83、同93、同95、同97、同98、同114、同128、同129、同151、同154等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
マゼンタインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5、同7、同12、同48(Ca)、同48(Mn)、同57(Ca)、同57:1、同112、同123、同168、同184、同202等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
シアンインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同15:3、同15:34、同16、同22、同60、C.I.バットブルー4、同60等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
また、本発明で使用する各インクに含有される顔料は、本発明のために新たに製造されたものでも使用可能である。
以上に挙げた顔料は高分子分散剤や界面活性剤を用いて水性媒体に分散させることでインクジェット用記録液とすることができる。このような有機顔料粉体を分散させるための分散剤としては、通常の水溶性樹脂や水溶性界面活性剤を用いることができる。
水溶性樹脂の具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、あるいはランダム共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。これらの水溶性樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂であり、これらの中でも重量平均分子量3000〜20000のものが、インクジェット用記録液に用いた場合に、分散液の低粘度化が可能であり、かつ分散も容易であるという利点があるので特に好ましい。
高分子分散剤と自己分散型顔料を同時に使うことは、適度なドット径を得られるため好ましい組み合わせである。その理由は明かでないが、以下のように考えられる。
高分子分散剤を含有することで記録紙への浸透が抑制される。その一方で、高分子分散剤を含有することで自己分散型顔料の凝集が抑えられるため、自己分散型顔料が横方向にスムーズに拡がることができる。そのため、広く薄くドットが拡がり、理想的なドットが形成できると考えられる。
高分子分散剤と自己分散型顔料を同時に使うことは、適度なドット径を得られるため好ましい組み合わせである。その理由は明かでないが、以下のように考えられる。
高分子分散剤を含有することで記録紙への浸透が抑制される。その一方で、高分子分散剤を含有することで自己分散型顔料の凝集が抑えられるため、自己分散型顔料が横方向にスムーズに拡がることができる。そのため、広く薄くドットが拡がり、理想的なドットが形成できると考えられる。
また、本発明で分散剤として使用できる水溶性界面活性剤の具体例としては、下記のものが挙げられる。
例えば、アニオン性界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルアリル及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩等が挙げられる。また、カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。更に両性界面活性剤としては、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
例えば、アニオン性界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルアリル及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩等が挙げられる。また、カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。更に両性界面活性剤としては、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
また、顔料は親水性基を有する樹脂によって被覆し、マイクロカプセル化することで、分散性を与えることもできる。
水不溶性の顔料を有機高分子類で被覆してマイクロカプセル化する方法としては、従来公知のすべての方法を用いることが可能である。従来公知の方法として、化学的製法、物理的製法、物理化学的方法、機械的製法などが挙げられる。具体的には、
・界面重合法(2種のモノマーもしくは2種の反応物を、分散相と連続相に別々に溶解しておき、両者の界面において両物質を反応させて壁膜を形成させる方法);
・in−situ重合法(液体または気体のモノマーと触媒、もしくは反応性の物質2種を連続相核粒子側のどちらか一方から供給して反応を起こさせ壁膜を形成させる方法);
・液中硬化被膜法(芯物質粒子を含む高分子溶液の滴を硬化剤などにより、液中で不溶化して壁膜を形成する方法);
・コアセルベーション(相分離)法(芯物質粒子を分散している高分子分散液を、高分子濃度の高いコアセルベート(濃厚相)と希薄相に分離させ、壁膜を形成させる方法);
・液中乾燥法(芯物質を壁膜物質の溶液に分散した液を調製し、この分散液の連続相が混和しない液中に分散液を入れて、複合エマルションとし、壁膜物質を溶解している媒質を徐々に除くことで壁膜を形成させる方法);
・融解分散冷却法(加熱すると液状に溶融し常温では固化する壁膜物質を利用し、この物質を加熱液化し、その中に芯物質粒子を分散し、それを微細な粒子にして冷却し壁膜を形成させる方法);
・気中懸濁被覆法(粉体の芯物質粒子を流動床によって気中に懸濁し、気流中に浮遊させながら、壁膜物質のコーティング液を噴霧混合させて、壁膜を形成させる方法);
・スプレードライング法(カプセル化原液を噴霧してこれを熱風と接触させ、揮発分を蒸発乾燥させ壁膜を形成させる方法);
・酸析法(アニオン性基を含有する有機高分子化合物類のアニオン性基の少なくとも一部を塩基性化合物で中和することで水に対する溶解性を付与し色材と共に水性媒体中で混練した後、酸性化合物で中性または酸性にし有機化合物類を析出させ色材に固着せしめた後に中和し分散させる方法);
・転相乳化法(水に対して分散能を有するアニオン性有機高分子類と色材とを含有する混合体を有機溶媒相とし、前記有機溶媒相に水を投入するかもしくは、水に前記有機溶媒相を投入する方法)、などが挙げられる。
水不溶性の顔料を有機高分子類で被覆してマイクロカプセル化する方法としては、従来公知のすべての方法を用いることが可能である。従来公知の方法として、化学的製法、物理的製法、物理化学的方法、機械的製法などが挙げられる。具体的には、
・界面重合法(2種のモノマーもしくは2種の反応物を、分散相と連続相に別々に溶解しておき、両者の界面において両物質を反応させて壁膜を形成させる方法);
・in−situ重合法(液体または気体のモノマーと触媒、もしくは反応性の物質2種を連続相核粒子側のどちらか一方から供給して反応を起こさせ壁膜を形成させる方法);
・液中硬化被膜法(芯物質粒子を含む高分子溶液の滴を硬化剤などにより、液中で不溶化して壁膜を形成する方法);
・コアセルベーション(相分離)法(芯物質粒子を分散している高分子分散液を、高分子濃度の高いコアセルベート(濃厚相)と希薄相に分離させ、壁膜を形成させる方法);
・液中乾燥法(芯物質を壁膜物質の溶液に分散した液を調製し、この分散液の連続相が混和しない液中に分散液を入れて、複合エマルションとし、壁膜物質を溶解している媒質を徐々に除くことで壁膜を形成させる方法);
・融解分散冷却法(加熱すると液状に溶融し常温では固化する壁膜物質を利用し、この物質を加熱液化し、その中に芯物質粒子を分散し、それを微細な粒子にして冷却し壁膜を形成させる方法);
・気中懸濁被覆法(粉体の芯物質粒子を流動床によって気中に懸濁し、気流中に浮遊させながら、壁膜物質のコーティング液を噴霧混合させて、壁膜を形成させる方法);
・スプレードライング法(カプセル化原液を噴霧してこれを熱風と接触させ、揮発分を蒸発乾燥させ壁膜を形成させる方法);
・酸析法(アニオン性基を含有する有機高分子化合物類のアニオン性基の少なくとも一部を塩基性化合物で中和することで水に対する溶解性を付与し色材と共に水性媒体中で混練した後、酸性化合物で中性または酸性にし有機化合物類を析出させ色材に固着せしめた後に中和し分散させる方法);
・転相乳化法(水に対して分散能を有するアニオン性有機高分子類と色材とを含有する混合体を有機溶媒相とし、前記有機溶媒相に水を投入するかもしくは、水に前記有機溶媒相を投入する方法)、などが挙げられる。
マイクロカプセルの壁膜物質を構成する材料として使用される有機高分子類(樹脂)としては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリウレア、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、多糖類、ゼラチン、アラビアゴム、デキストラン、カゼイン、タンパク質、天然ゴム、カルボキシポリメチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸の重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アルギン酸ソーダ、脂肪酸、パラフィン、ミツロウ、水ロウ、硬化牛脂、カルナバロウ、アルブミンなどが挙げられる。
これらの中ではカルボン酸基またはスルホン酸基などのアニオン性基を有する有機高分子類を使用することが可能である。また、ノニオン性有機高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートまたはそれらの(共)重合体)、2−オキサゾリンのカチオン開環重合体などが挙げられる。特に、ポリビニルアルコールの完全ケン物は、水溶性が低く、熱水には解け易いが冷水には解けにくいという性質を有しており特に好ましい。
また、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類の量は、有機顔料またはカーボンブラックなどの水不溶性の色材に対して1重量%以上20重量%以下である。有機高分子類の量を上記の範囲にすることによって、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低いために、有機高分子類が顔料表面を被覆することに起因する顔料の発色性の低下を抑制することが可能となる。有機高分子類の量が1重量%未満ではカプセル化の効果を発揮しづらくなり、逆に20重量%を越えると、顔料の発色性の低下が著しくなる。さらに他の特性などを考慮すると有機高分子類の量は水不溶性の色材に対し5〜10重量%の範囲が好ましい。
すなわち、色材の一部が実質的に被覆されずに露出しているために発色性の低下を抑制することが可能となり、また、逆に色材の一部が露出せずに実質的に被覆されているために顔料が被覆されている効果を同時に発揮することが可能となるのである。また、本発明に用いる有機高分子類の数平均分子量としては、カプセル製造面などから、2000以上であることが好ましい。ここで「実質的に露出」とは、例えば、ピンホール、亀裂などの欠陥などに伴う一部の露出ではなく、意図的に露出している状態を意味するものである。
さらに、色材として自己分散性の顔料である有機顔料または自己分散性のカーボンブラックを用いれば、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低くても、顔料の分散性が向上するために、十分なインクの保存安定性を確保することが可能となるので本発明にはより好ましい。
これらの中ではカルボン酸基またはスルホン酸基などのアニオン性基を有する有機高分子類を使用することが可能である。また、ノニオン性有機高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートまたはそれらの(共)重合体)、2−オキサゾリンのカチオン開環重合体などが挙げられる。特に、ポリビニルアルコールの完全ケン物は、水溶性が低く、熱水には解け易いが冷水には解けにくいという性質を有しており特に好ましい。
また、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類の量は、有機顔料またはカーボンブラックなどの水不溶性の色材に対して1重量%以上20重量%以下である。有機高分子類の量を上記の範囲にすることによって、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低いために、有機高分子類が顔料表面を被覆することに起因する顔料の発色性の低下を抑制することが可能となる。有機高分子類の量が1重量%未満ではカプセル化の効果を発揮しづらくなり、逆に20重量%を越えると、顔料の発色性の低下が著しくなる。さらに他の特性などを考慮すると有機高分子類の量は水不溶性の色材に対し5〜10重量%の範囲が好ましい。
すなわち、色材の一部が実質的に被覆されずに露出しているために発色性の低下を抑制することが可能となり、また、逆に色材の一部が露出せずに実質的に被覆されているために顔料が被覆されている効果を同時に発揮することが可能となるのである。また、本発明に用いる有機高分子類の数平均分子量としては、カプセル製造面などから、2000以上であることが好ましい。ここで「実質的に露出」とは、例えば、ピンホール、亀裂などの欠陥などに伴う一部の露出ではなく、意図的に露出している状態を意味するものである。
さらに、色材として自己分散性の顔料である有機顔料または自己分散性のカーボンブラックを用いれば、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低くても、顔料の分散性が向上するために、十分なインクの保存安定性を確保することが可能となるので本発明にはより好ましい。
なお、マイクロカプセル化の方法によって、それに適した有機高分子類を選択することが好ましい。例えば、界面重合法による場合は、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、エポキシ樹脂などが適している。in−situ重合法による場合は、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどが適している。液中硬化法による場合は、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ゼラチン、アルブミン、エポキシ樹脂などが適している。コアセルベーション法による場合は、ゼラチン、セルロース類、カゼインなどが適している。また、微細で、且つ均一なマイクロカプセル化顔料を得るためには、勿論前記以外にも従来公知のカプセル化法すべてを利用することが可能である。
マイクロカプセル化の方法として転相法または酸析法を選択する場合は、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類としては、アニオン性有機高分子類を使用する。転相法は、水に対して自己分散能または溶解能を有するアニオン性有機高分子類と、自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材との複合物または複合体、あるいは自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材、硬化剤およびアニオン性有機高分子類との混合体を有機溶媒相とし、該有機溶媒相に水を投入するか、あるいは水中に該有機溶媒相を投入して、自己分散(転相乳化)化しながらマイクロカプセル化する方法である。上記転相法において、有機溶媒相中に、記録液用のビヒクルや添加剤を混入させて製造しても何等問題はない。特に、直接記録液用の分散液を製造できることからいえば、記録液の液媒体を混入させる方がより好ましい。
マイクロカプセル化の方法として転相法または酸析法を選択する場合は、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類としては、アニオン性有機高分子類を使用する。転相法は、水に対して自己分散能または溶解能を有するアニオン性有機高分子類と、自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材との複合物または複合体、あるいは自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材、硬化剤およびアニオン性有機高分子類との混合体を有機溶媒相とし、該有機溶媒相に水を投入するか、あるいは水中に該有機溶媒相を投入して、自己分散(転相乳化)化しながらマイクロカプセル化する方法である。上記転相法において、有機溶媒相中に、記録液用のビヒクルや添加剤を混入させて製造しても何等問題はない。特に、直接記録液用の分散液を製造できることからいえば、記録液の液媒体を混入させる方がより好ましい。
一方、酸析法は、アニオン性基含有有機高分子類のアニオン性基の一部または全部を塩基性化合物で中和し、自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材と、水性媒体中で混練する工程および酸性化合物でpHを中性または酸性にしてアニオン性基含有有機高分子類を析出させて、顔料に固着する工程とからなる製法によって得られる含水ケーキを、塩基性化合物を用いてアニオン性基の一部または全部を中和することによりマイクロカプセル化する方法である。このようにすることによって、微細で顔料を多く含むアニオン性マイクロカプセル化顔料を含有する水性分散液を製造することができる。
また、上記に挙げたようなマイクロカプセル化の際に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルキルアルコール類;ベンゾール、トルオール、キシロールなどの芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;クロロホルム、二塩化エチレンなどの塩素化炭化水素類;アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類などが挙げられる。なお、上記の方法により調製したマイクロカプセルを遠心分離または濾過などによりこれらの溶剤中から一度分離して、これを水および必要な溶剤とともに撹拌、再分散を行い、目的とする本発明の画像記録装置に用いることができる記録液を得る。
以上の如き方法で得られるカプセル化顔料の平均粒径は50nm〜180nmであることが好ましい。
このように樹脂被覆することによって顔料が印刷物にしっかりと付着することにより、印刷物の擦過性を向上させることができる。
また、上記に挙げたようなマイクロカプセル化の際に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルキルアルコール類;ベンゾール、トルオール、キシロールなどの芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;クロロホルム、二塩化エチレンなどの塩素化炭化水素類;アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類などが挙げられる。なお、上記の方法により調製したマイクロカプセルを遠心分離または濾過などによりこれらの溶剤中から一度分離して、これを水および必要な溶剤とともに撹拌、再分散を行い、目的とする本発明の画像記録装置に用いることができる記録液を得る。
以上の如き方法で得られるカプセル化顔料の平均粒径は50nm〜180nmであることが好ましい。
このように樹脂被覆することによって顔料が印刷物にしっかりと付着することにより、印刷物の擦過性を向上させることができる。
<染料>
本発明の記録液に用いられる染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で耐水、耐光性が優れたものが用いられる。これら染料は複数種類を混合して用いても良いし、あるいは必要に応じて顔料等の他の色材と混合して用いても良い。これら着色剤は、本発明の効果が阻害されない範囲で添加される。
(a)酸性染料及び食用染料として
C.I.アシッド・イエロー 17,23,42,44,79,142
C.I.アシッド・レッド 1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289
C.I.アシッド・ブルー 9,29,45,92,249
C.I.アシッド・ブラック 1,2,7,24,26,94
C.I.フード・イエロー 3,4
C.I.フード・レッド 7,9,14
C.I.フード・ブラック 1,2
(b)直接染料として
C.I.ダイレクト・イエロー 1,12,24,26,33,44,50,86,120,132,142,144
C.I.ダイレクト・レッド 1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227
C.I.ダイレクト・オレンジ 26,29,62,102
C.I.ダイレクト・ブルー 1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,199,202
C.I.ダイレクト・ブラック 19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171
本発明の記録液に用いられる染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で耐水、耐光性が優れたものが用いられる。これら染料は複数種類を混合して用いても良いし、あるいは必要に応じて顔料等の他の色材と混合して用いても良い。これら着色剤は、本発明の効果が阻害されない範囲で添加される。
(a)酸性染料及び食用染料として
C.I.アシッド・イエロー 17,23,42,44,79,142
C.I.アシッド・レッド 1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289
C.I.アシッド・ブルー 9,29,45,92,249
C.I.アシッド・ブラック 1,2,7,24,26,94
C.I.フード・イエロー 3,4
C.I.フード・レッド 7,9,14
C.I.フード・ブラック 1,2
(b)直接染料として
C.I.ダイレクト・イエロー 1,12,24,26,33,44,50,86,120,132,142,144
C.I.ダイレクト・レッド 1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227
C.I.ダイレクト・オレンジ 26,29,62,102
C.I.ダイレクト・ブルー 1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,199,202
C.I.ダイレクト・ブラック 19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171
(c)塩基性染料として
C.I.ベーシック・イエロー 1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91
C.I.ベーシック・レッド 2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112
C.I.ベーシック・ブルー 1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,147,155
C.I.ベーシック・ブラック 2,8
(d)反応性染料として
C.I.リアクティブ・ブラック 3,4,7,11,12,17
C.I.リアクティブ・イエロー 1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67
C.I.リアクティブ・レッド 1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97
C.I.リアクティブ・ブルー 1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95等が使用できる。
C.I.ベーシック・イエロー 1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91
C.I.ベーシック・レッド 2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112
C.I.ベーシック・ブルー 1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,147,155
C.I.ベーシック・ブラック 2,8
(d)反応性染料として
C.I.リアクティブ・ブラック 3,4,7,11,12,17
C.I.リアクティブ・イエロー 1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67
C.I.リアクティブ・レッド 1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97
C.I.リアクティブ・ブルー 1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95等が使用できる。
<染料・顔料共通の添加剤と物性>
本発明の記録液を所望の物性にするため、あるいは乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止するためなどの目的で、色材の他に、水溶性有機溶媒を使用することが好ましい。水溶性有機溶媒には湿潤剤、浸透剤が含まれる。湿潤剤は乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止することを目的に添加される。
湿潤剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエ−テル額;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノ−ル等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等である。これらの溶媒は、水とともに単独もしくは複数混合して用いられる。
本発明の記録液を所望の物性にするため、あるいは乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止するためなどの目的で、色材の他に、水溶性有機溶媒を使用することが好ましい。水溶性有機溶媒には湿潤剤、浸透剤が含まれる。湿潤剤は乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止することを目的に添加される。
湿潤剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエ−テル額;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノ−ル等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等である。これらの溶媒は、水とともに単独もしくは複数混合して用いられる。
また、浸透剤は記録液と被記録材の濡れ性を向上させ、浸透速度を調整する目的で添加される。浸透剤としては、下記式(I)〜(IV)で表されるものが好ましい。すなわち、下記式(I)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤、式(II)のアセチレングリコール系界面活性剤、下記式(III)のポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤ならびに式(IV)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系界面活性剤は、液の表面張力を低下させることができるので、濡れ性を向上させ、浸透速度を高めることができる。
(Rは分岐していても良い炭素数6〜14の炭化水素鎖、k:5〜20)
(m,nは0〜40)
(Rは分岐してもよい炭素数6〜14の炭化水素鎖)n=5〜20
(Rは炭素数6〜14の炭化水素鎖、m、nは20以下の数)
前記式(I)〜(IV)の化合物以外では、例えばジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等のノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類を用いることができるが、特にジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
なお、本発明に用いる記録液の表面張力は、裏移り及び裏移りに伴う画像乱れを防止するために、γ≦30mN/mであることが好ましく、被記録材(記録媒体)との濡れ性と、液滴を粒子化させるための両立性の観点から、15≦γ≦30mN/mであることが更に好ましい。
前記式(I)〜(IV)の化合物以外では、例えばジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等のノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類を用いることができるが、特にジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
なお、本発明に用いる記録液の表面張力は、裏移り及び裏移りに伴う画像乱れを防止するために、γ≦30mN/mであることが好ましく、被記録材(記録媒体)との濡れ性と、液滴を粒子化させるための両立性の観点から、15≦γ≦30mN/mであることが更に好ましい。
本発明における記録液の表面張力は、20〜60dyne/cmであることが好ましく、被記録材との濡れ性と液滴の粒子化の両立の観点からは30〜50dyne/cmであることがさらに好ましい。
本発明の記録液の粘度は、1.0〜20.0cPであることが好ましく、吐出安定性の観点からは3.0〜10.0cPであることがさらに好ましい。
本発明の記録液のpHは3〜11であることが好ましく、接液する金属部材の腐食防止の観点からは6〜10であることがさらに好ましい。
本発明における記録液は防腐防黴剤を含有することができる。防腐防黴剤を含有することによって、菌の繁殖を押さえることができ、保存安定性、画質安定性を高めることができる。防腐防黴剤としてはベンゾトリアゾール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、イソチアゾリン系化合物、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が使用できる。
本発明の記録液は防錆剤を含有することができる。防錆剤を含有することによって、ヘッド等の接液する金属面に被膜を形成し、腐食を防ぐことができる。防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が使用できる。
本発明の記録液の粘度は、1.0〜20.0cPであることが好ましく、吐出安定性の観点からは3.0〜10.0cPであることがさらに好ましい。
本発明の記録液のpHは3〜11であることが好ましく、接液する金属部材の腐食防止の観点からは6〜10であることがさらに好ましい。
本発明における記録液は防腐防黴剤を含有することができる。防腐防黴剤を含有することによって、菌の繁殖を押さえることができ、保存安定性、画質安定性を高めることができる。防腐防黴剤としてはベンゾトリアゾール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、イソチアゾリン系化合物、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が使用できる。
本発明の記録液は防錆剤を含有することができる。防錆剤を含有することによって、ヘッド等の接液する金属面に被膜を形成し、腐食を防ぐことができる。防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が使用できる。
本発明の記録液は酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を含有することによって、腐食の原因となるラジカル種が生じた場合にも酸化防止剤がラジカル種を消滅させることで腐食を防止することができる。
酸化防止剤としては、フェノール系化合物類、アミン系化合物類が代表的であるがフェノール系化合物類としては、ハイドロキノン、ガレート等の化合物、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のヒンダードフェノール系化合物が例示される。
また、アミン系化合物類としては、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N’−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−テトラメチル−ジアミノジフェニルメタン等が例示される。
また、後者としては、硫黄系化合物類、リン系化合物類が代表的であるが、硫黄系化合物としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が例示され、リン系化合物類としては、トリフェニルフォスファイト、トリオクタデシルフォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールフォスファイト等が例示される。
酸化防止剤としては、フェノール系化合物類、アミン系化合物類が代表的であるがフェノール系化合物類としては、ハイドロキノン、ガレート等の化合物、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のヒンダードフェノール系化合物が例示される。
また、アミン系化合物類としては、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N’−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−テトラメチル−ジアミノジフェニルメタン等が例示される。
また、後者としては、硫黄系化合物類、リン系化合物類が代表的であるが、硫黄系化合物としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が例示され、リン系化合物類としては、トリフェニルフォスファイト、トリオクタデシルフォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールフォスファイト等が例示される。
本発明の記録液はpH調整剤を含有することができる。pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、ジエタノールアミン、トリエタノ−ルアミン等のアミン類、硼酸、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等を用いることができる。
また、複数の異なる色調の記録液を用いてカラー印刷を行う場合、色間での記録液の滲み、所謂カラーブリードが問題となる。この問題を解決する手段として、記録液同士が接触したときに反応を起こす成分を記録液に含有させておくことが効果的である。(参考資料:特開2001−172536、特開2001−152059)
本発明に用いることができる記録液にはこの反応成分を添加することができる。
いくつかのパターンがあり、(1)複数の記録液に別々に含有される色材同士が互いに反応する場合、(2)複数の記録液に別々に含有される分散剤同士が互いに反応する場合、(3)一方の記録液に含有される色材あるいは分散剤と反応性を有する第三の化合物を他方の記録液に添加する場合、である。
(1)の例としては、第1の記録液に含有されるアニオン性色材と、第2の記録液に含有されるカチオン性色材との組み合わせ、あるいは、第1の記録液に含有されるカチオン性色材と、第2の記録液に含有されるアニオン性色材との組み合わせ、が挙げられる。記録液同士が接触して混合すると、逆極性を有する色材同士が反応してビヒクルへの溶解性、あるいは、分散性がなくなり、色材の移動が抑制されるためにカラーブリードを抑制することができる。
(2)の例としては、第1の記録液に含有されるアニオン性分散剤と、第2の記録液に含有されるカチオン性分散剤との組み合わせ、あるいは、第1の記録液に含有されるカチオン性分散剤と、第2の記録液に含有されるアニオン性分散剤との組み合わせ、が挙げられる。記録液同士が接触して混合すると、逆極性を有する分散剤同士が反応して色材のビヒクルへの分散性がなくなり、色材の移動が抑制されるためにカラーブリードを抑制することができる。
(3)の例としては、第1の記録液に含有される色材と、第2の記録液に含有される前記色材とは逆極性を有する多価金属塩との組み合わせ、あるいは、第1の記録液に含有される色材と、第2の記録液に含有される前記色材とは逆極性を有するイオン性ポリマーとの組み合わせ、などが挙げられる。
また、複数の異なる色調の記録液を用いてカラー印刷を行う場合、色間での記録液の滲み、所謂カラーブリードが問題となる。この問題を解決する手段として、記録液同士が接触したときに反応を起こす成分を記録液に含有させておくことが効果的である。(参考資料:特開2001−172536、特開2001−152059)
本発明に用いることができる記録液にはこの反応成分を添加することができる。
いくつかのパターンがあり、(1)複数の記録液に別々に含有される色材同士が互いに反応する場合、(2)複数の記録液に別々に含有される分散剤同士が互いに反応する場合、(3)一方の記録液に含有される色材あるいは分散剤と反応性を有する第三の化合物を他方の記録液に添加する場合、である。
(1)の例としては、第1の記録液に含有されるアニオン性色材と、第2の記録液に含有されるカチオン性色材との組み合わせ、あるいは、第1の記録液に含有されるカチオン性色材と、第2の記録液に含有されるアニオン性色材との組み合わせ、が挙げられる。記録液同士が接触して混合すると、逆極性を有する色材同士が反応してビヒクルへの溶解性、あるいは、分散性がなくなり、色材の移動が抑制されるためにカラーブリードを抑制することができる。
(2)の例としては、第1の記録液に含有されるアニオン性分散剤と、第2の記録液に含有されるカチオン性分散剤との組み合わせ、あるいは、第1の記録液に含有されるカチオン性分散剤と、第2の記録液に含有されるアニオン性分散剤との組み合わせ、が挙げられる。記録液同士が接触して混合すると、逆極性を有する分散剤同士が反応して色材のビヒクルへの分散性がなくなり、色材の移動が抑制されるためにカラーブリードを抑制することができる。
(3)の例としては、第1の記録液に含有される色材と、第2の記録液に含有される前記色材とは逆極性を有する多価金属塩との組み合わせ、あるいは、第1の記録液に含有される色材と、第2の記録液に含有される前記色材とは逆極性を有するイオン性ポリマーとの組み合わせ、などが挙げられる。
記録液同士が接触して混合すると、逆極性を有する化合物が色材と反応してビヒクルへの溶解性、あるいは、分散性がなくなり、色材の移動が抑制されるためにカラーブリードを抑制することができる。
ここでは多価金属塩、イオン性ポリマーを例として挙げたが、第1の記録液に含有される色材と反応性を有する化合物であれば、いずれも好適に用いることができる。
具体的な化合物例を以下に挙げる。
アニオン性分散剤の高分子タイプの例としては、アルカリ可溶型の水溶性樹脂であり、重量平均分子量は1,000〜30,000であり、好ましくは3,000〜15,000の範囲である。具体的には、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸のアルキルエステル、メタクリル酸のアルキルエステル等の疎水性モノマーと、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸及びその脂肪族アルコールエステル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸及びそれらの誘導体等の親水性モノマーからなる共重合体及びそれらの塩等である。共重合体はランダム、ブロック、グラフト等の何れの構造を有していてもよく、酸価は100〜430、好ましくは130〜360の範囲である。
ここでは多価金属塩、イオン性ポリマーを例として挙げたが、第1の記録液に含有される色材と反応性を有する化合物であれば、いずれも好適に用いることができる。
具体的な化合物例を以下に挙げる。
アニオン性分散剤の高分子タイプの例としては、アルカリ可溶型の水溶性樹脂であり、重量平均分子量は1,000〜30,000であり、好ましくは3,000〜15,000の範囲である。具体的には、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸のアルキルエステル、メタクリル酸のアルキルエステル等の疎水性モノマーと、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸及びその脂肪族アルコールエステル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸及びそれらの誘導体等の親水性モノマーからなる共重合体及びそれらの塩等である。共重合体はランダム、ブロック、グラフト等の何れの構造を有していてもよく、酸価は100〜430、好ましくは130〜360の範囲である。
本発明に使用される分散剤としては、更にポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の水溶性ポリマー、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ポリスチレンスルホン酸等の水溶性樹脂も使用することが可能である。しかし、アルカリ可溶性の水溶性樹脂の方が分散液の低粘度化が可能で、分散も容易であるという利点がある。これらの分散剤の使用量は、顔料の重量:分散剤の重量=10:3〜10:0.5の範囲である。適正な比率は選択した顔料と分散剤とを用いて実験的に決定されるが、顔料に吸着せず溶解している樹脂の量は、インク中で2重量%以下であることが好ましい。
カチオン性分散剤の高分子タイプの例としては、カチオン性モノマーとビニルモノマーの重合によって得られるものが挙げられる。得られる重合体の少なくとも一部を構成するカチオン性モノマーとしては、下記の如き第3級アミンモノマーの塩及びこれらの4級化された化合物が挙げられる。
N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート[CH2=C(CH3)-COO-C2H4N(CH3)2]、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート[CH2=CH-COO-C2H4N(CH3)2]、N,N-ジメチルアミノプロピルメタクリレート[CH2=C(CH3)-COO-C3H6N(CH3)2]、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリレート[CH2=CH-COO-C3H6N(CH3)2]、N,N-ジメチルアクリルアミド[CH2=CH-CON(CH3)2]、N,N-ジメチルメタクリルアミド[CH2=C(CH3)-CON(CH3)2]、N,N-ジメチルアミノエチルアクリルアミド[CH2=CH-CONHC2H4N(CH3)2]、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリルアミド[CH2=C(CH3)-CONHC2H4N(CH3)2]、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド[CH2=CH-CONH-C3H6N(CH3)2]、N,N-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド[CH2=C(CH3)-CONH-C3H6N(CH3)2]などが挙げられる。
カチオン性分散剤の高分子タイプの例としては、カチオン性モノマーとビニルモノマーの重合によって得られるものが挙げられる。得られる重合体の少なくとも一部を構成するカチオン性モノマーとしては、下記の如き第3級アミンモノマーの塩及びこれらの4級化された化合物が挙げられる。
N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート[CH2=C(CH3)-COO-C2H4N(CH3)2]、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート[CH2=CH-COO-C2H4N(CH3)2]、N,N-ジメチルアミノプロピルメタクリレート[CH2=C(CH3)-COO-C3H6N(CH3)2]、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリレート[CH2=CH-COO-C3H6N(CH3)2]、N,N-ジメチルアクリルアミド[CH2=CH-CON(CH3)2]、N,N-ジメチルメタクリルアミド[CH2=C(CH3)-CON(CH3)2]、N,N-ジメチルアミノエチルアクリルアミド[CH2=CH-CONHC2H4N(CH3)2]、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリルアミド[CH2=C(CH3)-CONHC2H4N(CH3)2]、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド[CH2=CH-CONH-C3H6N(CH3)2]、N,N-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド[CH2=C(CH3)-CONH-C3H6N(CH3)2]などが挙げられる。
第3級アミンの場合において、塩を形成する為の化合物としては、塩酸、硫酸、酢酸等が挙げられ、4級化に用いられる化合物としては、塩化メチル、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、エピクロロヒドリン等が挙げられる。この中で塩化メチル、ジメチル硫酸等が本発明で使用する分散剤を調製する上で好ましい。以上の様な第3級アミンの塩、或いは第4級アンモニウム化合物は水中ではカチオンとして振る舞い、中和された条件では酸性が安定溶解領域である。これらモノマーの共重合体中での含有率は20〜60重量%の範囲が好ましい。
上記高分子分散剤の構成に用いられるその他モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、長鎖のエチレンオキシド鎖を側鎖に有するアクリル酸エステル等のヒドロキシ基を有するアクリル酸エステル、スチレン系モノマー等の疎水性モノマー類、及びpH7近傍の水に溶解可能な水溶性モノマーとして、アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルピロリドン類、ビニルピリジン類、ビニルオキサゾリン類が挙げられる。疎水性モノマーとしては、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、アクリロニトリル等の疎水性モノマーが用いられる。共重合によって得られる高分子分散剤中において水溶性モノマーは、共重合体を水溶液中で安定に存在させる為に15〜35重量%の範囲で用い、且つ疎水性モノマーは、共重合体の顔料に対する分散効果を高める為に20〜40重量%の範囲で用いることが好ましい。
色材あるいは分散剤と反応性を有する第三の化合物の例としては、多価金属塩、前記分散剤などが挙げられる。
多価金属塩としては、例えば、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸アルミニウム、塩化マグネシウム。塩化カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸鉄(II)、酢酸銅(II)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。多価金属イオンとしては、Mg2+、Ca2+、Cu2+、Co2+、Ni2+、Fe2+、La3+、Nd3+、Y3+およびAl3+など挙げられ、これとカウンターイオンとを組み合わせた多種の多価金属塩を用いることができる。
また、上記多価金属塩は、1種に限定されるものではなく、2種以上を混合して使用して色調を調整してもよい。また、インク中における多価金属塩の添加量としては、インク全質量に対して、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%の範囲とする。
上記高分子分散剤の構成に用いられるその他モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、長鎖のエチレンオキシド鎖を側鎖に有するアクリル酸エステル等のヒドロキシ基を有するアクリル酸エステル、スチレン系モノマー等の疎水性モノマー類、及びpH7近傍の水に溶解可能な水溶性モノマーとして、アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルピロリドン類、ビニルピリジン類、ビニルオキサゾリン類が挙げられる。疎水性モノマーとしては、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、アクリロニトリル等の疎水性モノマーが用いられる。共重合によって得られる高分子分散剤中において水溶性モノマーは、共重合体を水溶液中で安定に存在させる為に15〜35重量%の範囲で用い、且つ疎水性モノマーは、共重合体の顔料に対する分散効果を高める為に20〜40重量%の範囲で用いることが好ましい。
色材あるいは分散剤と反応性を有する第三の化合物の例としては、多価金属塩、前記分散剤などが挙げられる。
多価金属塩としては、例えば、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸アルミニウム、塩化マグネシウム。塩化カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸鉄(II)、酢酸銅(II)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。多価金属イオンとしては、Mg2+、Ca2+、Cu2+、Co2+、Ni2+、Fe2+、La3+、Nd3+、Y3+およびAl3+など挙げられ、これとカウンターイオンとを組み合わせた多種の多価金属塩を用いることができる。
また、上記多価金属塩は、1種に限定されるものではなく、2種以上を混合して使用して色調を調整してもよい。また、インク中における多価金属塩の添加量としては、インク全質量に対して、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%の範囲とする。
本発明で用いることができる記録液にはコゲーション防止剤を添加することができる。
コゲーションとは、ヒータに電流を流して記録液を瞬間的に加熱し、記録液が発泡する力を利用して記録液を吐出するサーマル式ヘッドにおける不具合であり、記録液が熱せられる際に記録液成分に変質が起こり、ヒータに変質物が付着する現象を言う。コゲーションが生じるとヒータによる加熱が正常に行われなくなり、吐出力が弱くなったり、最悪の場合記録液が吐出しないことが生じてしまう。そのため、コゲーションを防止すべく本発明で用いることができる記録液にはコゲーション防止剤を添加することができる。特に本発明のように樹脂を含有している記録液は樹脂が熱で変質してコゲーションが生じやすい傾向にあり、コゲーション防止剤は安定した吐出安定性を得るために有効である。
コゲーション防止剤としては、ポリリン酸、ポリアミノカルボン酸、アルドン酸、ヒドロキシカルボン酸、ポリオールリン酸エステル、及びこれらの塩、あるいは、アミノ基を有する酸及び/又はその塩、あるいは、メチル基又はメチレン基とカルボキシル基とを有する酸のアンモニウム塩、などが挙げられる。
ポリリン酸類としては、例えば、ピロリン酸、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸等が挙げられる。
ポリアミノカルボン酸類としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸等のジカルボン酸類、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、ニトリロトリ酢酸等が挙げられる。
アルドン酸としては、例えば、グリコール酸、グリセリン酸、グルコン酸、ガラクトン酸、グルコヘプトン酸が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸類(別名、オキシカルボン酸類)としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、グリセリン酸、マンデル酸、酒石酸等が挙げられる。
ポリオールリン酸エステル類としては、例えば、α−グリセロリン酸、β−グリセロリン酸等が挙げられる。
これらの中でも、クエン酸、グルコン酸(固体ではδ−グルコノラクトン及びγ−グルコノラクトンの型で存在する)、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、酒石酸等のヒドロキシカルボン酸類(別名、オキシカルボン酸類)やα−グリセロリン酸、β−グリセロリン酸等が水に対する溶解性が高いので好ましく、更には、クエン酸、グルコン酸が特に好ましい。更に、これら化合物は酸型で使用してもよいが、塩型で使用してもよい。具体的には、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、或いは、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機アミン塩等の型で使用してもよい。
塩を使用する場合には、塩型で市販されている化合物をそのまま使用してもよいが、アルカリ剤を添加して有機酸の塩型を作成して使用してもよい。この際に用いるアルカリ剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水(水酸化アンモニウム)、有機アミン(例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド等)が挙げられる。有機酸の塩としては、上記した中でもアンモニウム塩を用いることが好ましい。
コゲーションとは、ヒータに電流を流して記録液を瞬間的に加熱し、記録液が発泡する力を利用して記録液を吐出するサーマル式ヘッドにおける不具合であり、記録液が熱せられる際に記録液成分に変質が起こり、ヒータに変質物が付着する現象を言う。コゲーションが生じるとヒータによる加熱が正常に行われなくなり、吐出力が弱くなったり、最悪の場合記録液が吐出しないことが生じてしまう。そのため、コゲーションを防止すべく本発明で用いることができる記録液にはコゲーション防止剤を添加することができる。特に本発明のように樹脂を含有している記録液は樹脂が熱で変質してコゲーションが生じやすい傾向にあり、コゲーション防止剤は安定した吐出安定性を得るために有効である。
コゲーション防止剤としては、ポリリン酸、ポリアミノカルボン酸、アルドン酸、ヒドロキシカルボン酸、ポリオールリン酸エステル、及びこれらの塩、あるいは、アミノ基を有する酸及び/又はその塩、あるいは、メチル基又はメチレン基とカルボキシル基とを有する酸のアンモニウム塩、などが挙げられる。
ポリリン酸類としては、例えば、ピロリン酸、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸等が挙げられる。
ポリアミノカルボン酸類としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸等のジカルボン酸類、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、ニトリロトリ酢酸等が挙げられる。
アルドン酸としては、例えば、グリコール酸、グリセリン酸、グルコン酸、ガラクトン酸、グルコヘプトン酸が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸類(別名、オキシカルボン酸類)としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、グリセリン酸、マンデル酸、酒石酸等が挙げられる。
ポリオールリン酸エステル類としては、例えば、α−グリセロリン酸、β−グリセロリン酸等が挙げられる。
これらの中でも、クエン酸、グルコン酸(固体ではδ−グルコノラクトン及びγ−グルコノラクトンの型で存在する)、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、酒石酸等のヒドロキシカルボン酸類(別名、オキシカルボン酸類)やα−グリセロリン酸、β−グリセロリン酸等が水に対する溶解性が高いので好ましく、更には、クエン酸、グルコン酸が特に好ましい。更に、これら化合物は酸型で使用してもよいが、塩型で使用してもよい。具体的には、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、或いは、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機アミン塩等の型で使用してもよい。
塩を使用する場合には、塩型で市販されている化合物をそのまま使用してもよいが、アルカリ剤を添加して有機酸の塩型を作成して使用してもよい。この際に用いるアルカリ剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水(水酸化アンモニウム)、有機アミン(例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド等)が挙げられる。有機酸の塩としては、上記した中でもアンモニウム塩を用いることが好ましい。
本発明にかかるインクを作製する場合に、上記に挙げたようなコゲーション防止剤は、単独で使用することは勿論、上記に挙げたような化合物の中から2種類以上を選択して併用してもよい。上記のコゲーション防止剤の総含有量は、記録液全量に対して0.005〜20重量%の範囲で使用することが好ましく、更には、記録液全量に対して0.05〜12重量%の範囲で含有させることがより好ましい。この範囲とすることで、後述するアミノ基を有する酸及び/又はその塩と共存する場合において、優れたコゲの低減効果を有し、又、記録ヘッドのノズル詰まり等の生じにくいインクを得ることができる。
アミノ基を有する酸及び/又はその塩としては、例えば、アミド硫酸(別名:スルファミン酸)、アミノメタンスルホン酸、タウリン(別名:2−アミノエタンスルホン酸)、カルバミン酸、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、トリプトファン、バリンメチオニン及びリシン等のアミノ基を有する酸が挙げられる。これらの中でも、スルホン基を有する化合物が水への溶解性が高く、前記したようにヘッド寿命を向上させる効果が高いので好ましい。具体的には、アミド硫酸(別名:スルファミン酸)、アミノメタンスルホン酸、タウリン(別名:2−アミノエタンスルホン酸)が挙げられる。これらの中でも特に、タウリン(別名:2−アミノエタンスルホン酸)が入手容易であるので好ましい。
アミノ基を有する酸及び/又はその塩としては、例えば、アミド硫酸(別名:スルファミン酸)、アミノメタンスルホン酸、タウリン(別名:2−アミノエタンスルホン酸)、カルバミン酸、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、トリプトファン、バリンメチオニン及びリシン等のアミノ基を有する酸が挙げられる。これらの中でも、スルホン基を有する化合物が水への溶解性が高く、前記したようにヘッド寿命を向上させる効果が高いので好ましい。具体的には、アミド硫酸(別名:スルファミン酸)、アミノメタンスルホン酸、タウリン(別名:2−アミノエタンスルホン酸)が挙げられる。これらの中でも特に、タウリン(別名:2−アミノエタンスルホン酸)が入手容易であるので好ましい。
また、上記アミノ基を有する酸及び/又はその塩を使用する場合には、塩型で市販されている化合物を使用してもよいし、下記に挙げるようなアルカリ剤を添加して有機酸の塩型を作成して使用してもよい。アルカリ剤としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水(水酸化アンモニウム)、有機アミン(例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド等)が挙げられる。中でも、アミノ基を有する有機酸のアンモニウム塩を使用することが好ましい。
また、これらの化合物は単独で使用することは勿論、2種類以上を併用することもできる。上記アミノ基を有する酸及び/又はその塩の総含有量は、記録液全量に対して0.005〜20重量%とすることが好ましく、更には、記録液全量に対して0.05〜12重量%の範囲で含有させることが好ましい。即ち、このような範囲とすることで、前記ポリリン酸、ポリアミノカルボン酸、アルドン酸、ヒドロキシカルボン酸、ポリオールリン酸エステル、及びこれらの塩と共存している状況において、優れたコゲの低減効果を有し、且つノズル詰まり等の生じにくいインクを得ることができる。
また、これらの化合物は単独で使用することは勿論、2種類以上を併用することもできる。上記アミノ基を有する酸及び/又はその塩の総含有量は、記録液全量に対して0.005〜20重量%とすることが好ましく、更には、記録液全量に対して0.05〜12重量%の範囲で含有させることが好ましい。即ち、このような範囲とすることで、前記ポリリン酸、ポリアミノカルボン酸、アルドン酸、ヒドロキシカルボン酸、ポリオールリン酸エステル、及びこれらの塩と共存している状況において、優れたコゲの低減効果を有し、且つノズル詰まり等の生じにくいインクを得ることができる。
また、本発明にかかるインクにおいては、インク中における前記したポリリン酸、ポリアミノカルボン酸、アルドン酸、ヒドロキシカルボン酸、ポリオールリン酸エステル、及びこれらの塩の含有量と、上記したアミノ基を有する酸及び/又はその塩の総含有量の重量比が、20:1〜1:20とすることが好ましい。重量比がこの範囲内であると、ヒータへのコゲ付着低減効果が十分発揮され、又、ヒータの最表面保護層の損傷も極めて有効に抑制することができる。
メチル基またはメチレン基とカルボキシル基とを有する酸のアンモニウム塩としては、インクの色調に視覚的に殆ど影響を与えないものであることが好ましい。即ち、この酸は、それ自身の水溶液が少なくとも視覚的には着色していないものであることが好ましい。そして、上記の酸としては、1分子中の炭素数が10以下で、1分子中の酸素数が3〜6のものが好ましい。このような酸としては、具体的には、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、乳酸、リンゴ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等が挙げられる。
上記に挙げたようなメチル基又はメチレン基とカルボキシル基とを有する酸のアンモニウム塩は、単独で使用することは勿論、2種類以上を併用することもできる。又、メチル基又はメチレン基とカルボキシル基とを有する酸のアンモニウム塩から選択される少なくとも1種の化合物の総含有量は、コゲの十分な低減効果やインクジェット適性(インクジェット記録ヘッドの目詰まりのし難さなど)を考慮すると、インク全量に対して0.005〜20重量%であり、好ましくは、インク全量に対して0.05〜15重量%である。
また、コゲーションを防止するために記録液中のリン濃度を調整することも効果的である。リン濃度を500ppm以下にすることで、インクを長期保存した後においてもコゲの発生を効果的に抑制することができ、又、インクが安定した吐出特性を示す結果、高品位な画像を安定して得ることが可能となる。
リン濃度が高い場合にヒータ上のコゲ形成を促進し、急速に吐出量を低下させるメカニズムは、以下のように考察できる。インク中の無機のリン化合物は、ノズルの中でヒータにより加熱され、インク中若しくはノズルやタンク等のインク接液材料より溶出されるカルシウムと化合物をつくり、ヒータ上に付着する。リンとカルシウムの化合物(リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト等)は非常に硬く、難溶性であり、再分解や剥離されることはなく、ヒータ上に一旦付着すると、これまでキャビテーションにより剥離又は再分散されていた顔料インクの焦げがヒータ上に付着し易くなる。これにより、リンによるコゲが存在しない場合には起こらなかったカーボン焦げの堆積が加速度的に生じ、発泡が阻害され、吐出量の急速な減少が生じると考えられる。少量のリンとカルシウムの焦げによりカーボン焦げの付着が促進される理由については明らかではないが、リンとカルシウムの焦げの付着によりヒータ上に微細な凹凸が生じ、そこにカーボン焦げが入り込むからと推定される。
メチル基またはメチレン基とカルボキシル基とを有する酸のアンモニウム塩としては、インクの色調に視覚的に殆ど影響を与えないものであることが好ましい。即ち、この酸は、それ自身の水溶液が少なくとも視覚的には着色していないものであることが好ましい。そして、上記の酸としては、1分子中の炭素数が10以下で、1分子中の酸素数が3〜6のものが好ましい。このような酸としては、具体的には、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、乳酸、リンゴ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等が挙げられる。
上記に挙げたようなメチル基又はメチレン基とカルボキシル基とを有する酸のアンモニウム塩は、単独で使用することは勿論、2種類以上を併用することもできる。又、メチル基又はメチレン基とカルボキシル基とを有する酸のアンモニウム塩から選択される少なくとも1種の化合物の総含有量は、コゲの十分な低減効果やインクジェット適性(インクジェット記録ヘッドの目詰まりのし難さなど)を考慮すると、インク全量に対して0.005〜20重量%であり、好ましくは、インク全量に対して0.05〜15重量%である。
また、コゲーションを防止するために記録液中のリン濃度を調整することも効果的である。リン濃度を500ppm以下にすることで、インクを長期保存した後においてもコゲの発生を効果的に抑制することができ、又、インクが安定した吐出特性を示す結果、高品位な画像を安定して得ることが可能となる。
リン濃度が高い場合にヒータ上のコゲ形成を促進し、急速に吐出量を低下させるメカニズムは、以下のように考察できる。インク中の無機のリン化合物は、ノズルの中でヒータにより加熱され、インク中若しくはノズルやタンク等のインク接液材料より溶出されるカルシウムと化合物をつくり、ヒータ上に付着する。リンとカルシウムの化合物(リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト等)は非常に硬く、難溶性であり、再分解や剥離されることはなく、ヒータ上に一旦付着すると、これまでキャビテーションにより剥離又は再分散されていた顔料インクの焦げがヒータ上に付着し易くなる。これにより、リンによるコゲが存在しない場合には起こらなかったカーボン焦げの堆積が加速度的に生じ、発泡が阻害され、吐出量の急速な減少が生じると考えられる。少量のリンとカルシウムの焦げによりカーボン焦げの付着が促進される理由については明らかではないが、リンとカルシウムの焦げの付着によりヒータ上に微細な凹凸が生じ、そこにカーボン焦げが入り込むからと推定される。
[実施例]
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
(1)樹脂被覆型ブラック分散体の作製
a. ポリマー溶液の調製
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下漏斗を備えたフラスコ(容積1L)内を窒素ガスで十分置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成(株)製、商品名:AS−6)4.0g及びメルカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。
次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー(東亜合成(株)製、商品名:AS−6)36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50%のポリマー溶液800gを得た。
ポリマー溶液の一部を乾燥し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(標準:ポリスチレン、溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したところ、ポリマーの重量平均分子量は15000であった。
b.樹脂被覆型ブラック分散体の調製
上記aで得られたポリマー溶液22.2g、カーボンブラック26.0g、1mol/Lの水酸化リチウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g及びイオン交換水30gを十分に攪拌した後、3本ロールミル〔(株)ノリタケカンパニー製、商品名:NR−84A〕を用いて20回混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に攪拌した後、エパポレーターを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、固形分量が20.0重量%の樹脂被覆型ブラック顔料分散体160gを得た。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
(1)樹脂被覆型ブラック分散体の作製
a. ポリマー溶液の調製
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下漏斗を備えたフラスコ(容積1L)内を窒素ガスで十分置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成(株)製、商品名:AS−6)4.0g及びメルカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。
次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー(東亜合成(株)製、商品名:AS−6)36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50%のポリマー溶液800gを得た。
ポリマー溶液の一部を乾燥し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(標準:ポリスチレン、溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したところ、ポリマーの重量平均分子量は15000であった。
b.樹脂被覆型ブラック分散体の調製
上記aで得られたポリマー溶液22.2g、カーボンブラック26.0g、1mol/Lの水酸化リチウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g及びイオン交換水30gを十分に攪拌した後、3本ロールミル〔(株)ノリタケカンパニー製、商品名:NR−84A〕を用いて20回混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に攪拌した後、エパポレーターを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、固形分量が20.0重量%の樹脂被覆型ブラック顔料分散体160gを得た。
(2)記録液の作製
以下に示す成分を混合、攪拌後、テフロンフィルター(0.8μm)にてろ過して記録液Aを作製した。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
界面活性剤(日本油脂社製、ディスパノールTOC) 1部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
以下に示す成分を混合、攪拌後、テフロンフィルター(0.8μm)にてろ過して記録液Aを作製した。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
界面活性剤(日本油脂社製、ディスパノールTOC) 1部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
以下に示す成分を混合、攪拌後、テフロンフィルター(0.8μm)にてろ過して記録液Bを作製した。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
界面活性剤(日本油脂社製、ディスパノールTOC) 1部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
シリコーン変性樹脂 サンモール EW-102 [(株)三洋化成工業製] 0.01部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
界面活性剤(日本油脂社製、ディスパノールTOC) 1部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
シリコーン変性樹脂 サンモール EW-102 [(株)三洋化成工業製] 0.01部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
以下に示す成分を混合、攪拌後、テフロンフィルター(0.8μm)にてろ過して記録液Cを作製した。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
界面活性剤(日本油脂社製、ディスパノールTOC) 1部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
シリコーン変性樹脂
サンモールEW-102 [(株)三洋化成工業製] 2.0部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
界面活性剤(日本油脂社製、ディスパノールTOC) 1部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
シリコーン変性樹脂
サンモールEW-102 [(株)三洋化成工業製] 2.0部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
以下に示す成分を混合、攪拌後、テフロンフィルター(0.8μm)にてろ過して記録液Dを作製した。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
界面活性剤(日本油脂社製、ディスパノールTOC) 1部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
シリコーン変性樹脂
サンモール EW-102 [(株)三洋化成工業製] 8.0部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
界面活性剤(日本油脂社製、ディスパノールTOC) 1部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
シリコーン変性樹脂
サンモール EW-102 [(株)三洋化成工業製] 8.0部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
以下に示す成分を混合、攪拌後、テフロンフィルター(0.8μm)にてろ過して記録液Eを作製した。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
界面活性剤 オレフィンSTG(信越化学製) 0.8部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
フッ素樹脂エマルジョン ダイキン工業製 ゼッフルSE 0.01部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
界面活性剤 オレフィンSTG(信越化学製) 0.8部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
フッ素樹脂エマルジョン ダイキン工業製 ゼッフルSE 0.01部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
以下に示す成分を混合、攪拌後、テフロンフィルター(0.8μm)にてろ過して記録液Fを作製した。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
界面活性剤 オレフィンSTG(信越化学製) 0.8部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
フッ素樹脂エマルジョン ダイキン工業製 ゼッフルSE 2.0部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
界面活性剤 オレフィンSTG(信越化学製) 0.8部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
フッ素樹脂エマルジョン ダイキン工業製 ゼッフルSE 2.0部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
以下に示す成分を混合、攪拌後、テフロンフィルター(0.8μm)にてろ過して記録液Gを作製した。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
界面活性剤 オレフィンSTG(信越化学製) 0.8部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
フッ素樹脂エマルジョン ダイキン工業製 ゼッフルSE 8.0部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
界面活性剤 オレフィンSTG(信越化学製) 0.8部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
フッ素樹脂エマルジョン ダイキン工業製 ゼッフルSE 8.0部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
以下に示す成分を混合、攪拌後、テフロンフィルター(0.8μm)にてろ過して記録液Hを作製した。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
界面活性剤 式(I)のポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル系界面活性剤、 1部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
アニオン性コロイダルシリカ ST−S [日産化学(株)製] 1.0部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
界面活性剤 式(I)のポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル系界面活性剤、 1部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
アニオン性コロイダルシリカ ST−S [日産化学(株)製] 1.0部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
以下に示す成分を混合、攪拌後、テフロンフィルター(0.8μm)にてろ過して記録液Iを作製した。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
界面活性剤 式(II)のアセチレングリコール系界面活性剤、 1部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
グルコース 8.0部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
界面活性剤 式(II)のアセチレングリコール系界面活性剤、 1部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
グルコース 8.0部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
以下に示す成分を混合、攪拌後、テフロンフィルター(0.8μm)にてろ過して記録液Jを作製した。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
式(III)のポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤 1部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
ポリビニルアルコール 2.0部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
式(III)のポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤 1部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
ポリビニルアルコール 2.0部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
以下に示す成分を混合、攪拌後、テフロンフィルター(0.8μm)にてろ過して記録液Kを作製した。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
式(IV)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
アルキルエーテル系界面活性剤 1部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
アクリルアミド 2.0部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
式(IV)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
アルキルエーテル系界面活性剤 1部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
アクリルアミド 2.0部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
以下に示す成分を混合、攪拌後、テフロンフィルター(0.8μm)にてろ過して、記録液Lを作製した。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
界面活性剤(FT-110 (株)ネオス製) 1部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
樹脂被覆ブラック顔料分散体 50部(ブラック顔料固形分濃度10部)
グリセリン 25部
界面活性剤(FT-110 (株)ネオス製) 1部
2−ピロリドン 2部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2部
チオ硫酸ナトリウム 0.2部
防腐防黴剤(アビシア社製、PROXEL LV) 0.4部
消泡剤 0.1部
イオン交換水 残量
なお、上記配合液を更にLiOH水溶液でpH10.5に調整して用いた。
[実施例1]
上記記録液A〜Lをそれぞれ充填したカートリッジを搭載した図1と同様の記録ヘッドとワイパーブレードを備えたインクジェット記録装置において、αを0.15mm、βを0.40mmとして画像記録を行ったところ、何れもワイピング性において不良が無く、拭き残しのインクを起因とする吐出不良を生じなかった。
[実施例2]
上記記録液B,Eを充填したカートリッジを用いて図1と同様の記録ヘッドとワイパーブレードを備えたインクジェット記録装置で記録した印刷物は、記録液Aを用いた印刷物と同等程度の定着性しか得られず、十分とはいえなかった。上記のように記録液B,Eは、いずれも樹脂含有量過少のもの(固形分濃度0・01部)である。
[実施例3]
上記記録液D,Gを充填したカートリッジに対し加熱加速試験(50℃3週間)を行ったところ、著しい増粘が確認され保存安定性に問題があることがわかった。上記のように記録液D,Gは、いずれも樹脂含有量過多のもの(固形分濃度8部)である。
上記記録液A〜Lをそれぞれ充填したカートリッジを搭載した図1と同様の記録ヘッドとワイパーブレードを備えたインクジェット記録装置において、αを0.15mm、βを0.40mmとして画像記録を行ったところ、何れもワイピング性において不良が無く、拭き残しのインクを起因とする吐出不良を生じなかった。
[実施例2]
上記記録液B,Eを充填したカートリッジを用いて図1と同様の記録ヘッドとワイパーブレードを備えたインクジェット記録装置で記録した印刷物は、記録液Aを用いた印刷物と同等程度の定着性しか得られず、十分とはいえなかった。上記のように記録液B,Eは、いずれも樹脂含有量過少のもの(固形分濃度0・01部)である。
[実施例3]
上記記録液D,Gを充填したカートリッジに対し加熱加速試験(50℃3週間)を行ったところ、著しい増粘が確認され保存安定性に問題があることがわかった。上記のように記録液D,Gは、いずれも樹脂含有量過多のもの(固形分濃度8部)である。
1 記録素子基板、2 フレキシブル基板、4 記録素子ヒータ基板部、5 流路ノズル部、6 封止剤、7 ワイヤ、8 封止剤、9 配線基板の開口部、10 ノズル、11 複数の記録素子、12 複数の電極パッド
Claims (19)
- 何らかの規則性を持って整列するノズルから記録液を吐出する複数の記録素子を具備する記録素子基板と、前記記録素子基板に対して前記記録液を吐出するための電気エネルギーを印加するために前記記録素子基板に電気的に接続されるフレキシブルフィルム配線基板とを有し、該フレキシブルフィルム配線基板の開口部が該記録素子基板の縁に設けられた複数の電極パッドにそれぞれ電気的に接続されている液体噴射記録ヘッドを備え、かつ、前記ノズル面に接触してノズル面を払拭する部材を有する画像記録装置において、前記記録ヘッドのノズルからノズル面方向の3mm以内の範囲にある段差が、記録液を吐出する方向をプラスとしたときにノズル面から−1.0mm以上+0.5mm以下の範囲であり、かつ、搭載される記録液が、乾燥時に記録液を増粘させる水溶性または水分散性のポリマー、モノマー、オリゴマーのいずれかの成分を含有していることを特徴とする画像記録装置。
- 請求項1記載の画像形成装置において、前記水溶性または水分散性の成分を含有する記録液は記録媒体上で凝集反応または重合反応をして記録液を増粘させることを特徴とする画像記録装置。
- 請求項1または2記載の画像記録装置において、前記水溶性または水分散性の成分が熱硬化性樹脂であることを特徴とする画像記録装置。
- 請求項3記載の画像記録装置において、前記熱硬化性樹脂がシリコーン樹脂またはシリコーン変性樹脂であることを特徴とする画像記録装置。
- 請求項4記載の画像記録装置において、前記シリコーン樹脂またはシリコーン変性樹脂はエマルジョンであることを特徴とする画像記録装置。
- 請求項4または5記載の画像記録装置において、前記シリコーン樹脂またはシリコーン変性樹脂が記録液の成分中、固形分濃度で0.1%〜5%含有されていることを特徴とする画像記録装置。
- 請求項3記載の画像記録装置において、前記熱硬化性樹脂がフッ素樹脂またはフッ素変性樹脂であることを特徴とする画像記録装置。
- 請求項7記載の画像記録装置において、前記フッ素樹脂またはフッ素変性樹脂はエマルジョンであることを特徴とする画像記録装置。
- 請求項7または8記載の画像記録装置において、前記フッ素樹脂またはフッ素変性樹脂は記録液の成分中0.1%〜5%含有されていることを特徴とする画像記録装置。
- 請求項1または2記載の画像記録装置において、前記水溶性または水分散性の成分が糖類であることを特徴とする画像記録装置。
- 請求項1または2記載の画像記録装置において、前記水溶性または水分散性の成分が尿素樹脂であることを特徴とする画像記録装置。
- 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像記録装置において、前記水溶性または水分散性の成分は保湿された記録液中でアニオン性またはノニオン性であることを特徴とする画像記録装置。
- 何らかの規則性を持って整列するノズルから記録液を吐出する複数の記録素子を具備する記録素子基板と、前記記録素子基板に対して前記記録液を吐出するための電気エネルギーを印加するために前記記録素子基板に電気的に接続されるフレキシブルフィルム配線基板とを有し、該フレキシブルフィルム配線基板の開口部が該記録素子基板の縁に設けられた複数の電極パッドにそれぞれ電気的に接続されている液体噴射記録ヘッドを備え、かつ、前記ノズル面に接触してノズル面を払拭する部材を有する画像記録装置において、前記記録ヘッドのノズルからノズル面方向の3mm以内の範囲にある段差が、記録液を吐出する方向をプラスとしたときにノズル面から−1.0mm以上+0.5mm以下の範囲であり、かつ、搭載される記録液が、色材とは別に微粒子を含有していることを特徴とする画像記録装置。
- 請求項13記載の画像記録装置において、前記微粒子は無機物であることを特徴とする画像記録装置。
- 請求項13または14記載の画像記録装置において、前記微粒子は保湿された記録液中でアニオン性またはノニオン性であることを特徴とする画像記録装置。
- 請求項1乃至15のいずれか1項に記載の画像記録装置において、前記吐出される記録液がフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする画像記録装置。
- 請求項16記載の画像記録装置において、前記フッ素系界面活性剤がノニオン性またはアニオン性であることを特徴とする画像記録装置。
- 請求項1乃至17のいずれか1項に記載の画像記録装置において、前記記録液の表面張力が30N/mm以下であることを特徴とする画像記録装置。
- 請求項1乃至18のいずれか1項に記載の画像記録装置において、前記記録液に含有される色材がマイクロカプセル化された樹脂被覆顔料であることを特徴とする画像記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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-
2004
- 2004-10-08 JP JP2004296811A patent/JP2006103285A/ja active Pending
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