JP5170500B2 - インクジェットヘッド用ノズル板、ヘッド、インクジェット記録用インクおよびこれを用いたインクジェット記録装置、記録方法 - Google Patents

インクジェットヘッド用ノズル板、ヘッド、インクジェット記録用インクおよびこれを用いたインクジェット記録装置、記録方法 Download PDF

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Description

本発明はインクジェットヘッドのノズル板、ヘッドおよびそれらを用いたインクジェット記録装置/方法、インクジェットパターニング装置/方法、インクジェット記録用インクに関する。
近年、OA用プリンタの高画質化技術の向上に伴い印字品質、色相、彩度、光沢などの要求がさらに厳しくなっている。
そこで、発明者らはインクの表面張力を下げて紙への濡れ性を上げて発色性を向上させ高画質化の検討を進めてきた(特許文献1:特開2003−335987号公報、特許文献2:特開2005−298806号公報)。
この場合、インクの表面張力を下げたため、ノズルプレートの撥インク性が従来公知のものでは不十分となり、われわれはノズルの撥インク層に液状シリコーン樹脂組成物を塗布後、硬化してシリコーン皮膜を形成して用いることを提案した(特許文献3:特開2005−138383号公報)。
シリコーン樹脂をノズル撥インク層として用いることは特許文献4(特開2003−72085号公報)、特許文献5(特開2003−72086号公報)でも開示されているが、これらの場合は、液状シリコーン樹脂材料の真空蒸着、シリコーンオイルのプラズマ重合によりシリコーン皮膜を作製する等の乾式法であり、真空処理が必要となりコストや時間がかかったり、低表面張力インクに対しては撥インク性が十分ではなかった。
特許文献3によりノズルプレートの撥インク性が向上し発色性の向上が可能になったが、シリコーンで形成された撥インク層が、紙との接触、クリーニング機構等でワイパーブレードとの接触により傷がついたり磨耗したりして撥インク性が低下して、ノズル面としての機能(吐出安定性、クリーニング性等)を十分満足できない等の問題があることが体験され、特に、ヘッドの長寿命化が必要なハイエンドモデル、オフィス用モデルにはノズルプレートの機械的強度向上は必須であるとの認識を持つに至った。
特開2003−335987号公報 特開2005−298806号公報 特開2005−138383号公報 特開2003−72085号公報 特開2003−72086号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、シリコーンを用いた撥インク層を具備するノズル板において、撥インク層の機械的強度を改善し、吐出安定性、クリーニング性等のノズル面としての機能を確保し、信頼性の高いインクジェット記録装置、方法を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明により解決される。
(1)「ノズル部材のインク吐出面側にシリコーンを硬化させて形成した撥インク層を具備するノズル板において、硬化前シリコーンの重量平均分子量Mw(Pr)と、硬化後シリコーンのトルエン抽出物の重量平均分子量Mw(Ex)が、下記(1)式の関係にあることを特徴とするインクジェットヘッドのノズル板;
Figure 0005170500
」、
(2)「前記シリコーンを不活性雰囲気化200〜300℃で加熱硬化したものであることを特徴とする前記第(1)項に記載のインクジェットヘッドのノズル板」、
(3)「前記シリコーン皮膜を形成したノズル板が、不活性雰囲気化200〜300℃で加熱硬化する工程および大気中200℃以下で加熱酸化する工程にて作製されたものであることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載のインクジェットヘッドのノズル板」、
(4)「前記シリコーンを酸化防止剤存在化、200〜300℃で加熱硬化したものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載のインクジェットヘッドのノズル板」、
(5)「前記シリコーンの硬化反応がシラノール基と加水分解性シリル基間の縮合反応であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載のインクジェットヘッドのノズル板」、
(6)「前記加水分解性シリル基がアルコキシシリル基であることを特徴とする前記第(5)項に記載のインクジェットヘッドのノズル板」、
(7)「前記加水分解性シリル基がオキシムシリル基であることを特徴とする前記第(5)項に記載のインクジェットヘッドのノズル板」、
(8)「前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載のノズル板を使用していることを特徴とするインクジェットヘッド」、
(9)「前記第(8)項に記載のヘッドを使用していることを特徴とするインクジェット記録装置」、
(10)「前記第(8)項に記載のヘッドを使用して、振動板を変形させることでインクを吐出させることを特徴とするインクジェット記録方法」、
(11)「前記第(8)項に記載のヘッドを使用して、熱エネルギーでインクを吐出させることを特徴とするインクジェット記録方法」、
(12)「インクが色材として顔料を含有したインク組成物を用いることを特徴とする前記第(9)項に記載のインクジェット記録装置」、
(13)「インク中にフッ素系界面活性剤を含有するインク組成物を用いることを特徴とする前記第(9)項に記載のインクジェット記録装置」、
(14)「インク中のフッ素系界面活性剤が下記一般式(2)で示した構造であることを特徴とする前記第(13)項に記載のインクジェット記録装置;
Figure 0005170500
(式中、mは0〜10の整数、nは0〜40の整数を表わす。)」、
(15)「インク中のフッ素系界面活性剤が下記一般式(3)で示した構造であることを特徴とする前記第(13)項に記載のインクジェット記録装置;
Figure 0005170500
(式中、Rfはフッ素含有基を表わす。m,n及びpは整数を表わす。)」、
(16)「インク中に樹脂エマルジョンを含有するインク組成物を用いることを特徴とする前記第(9)項に記載のインクジェット記録装置」、
(17)「色材として顔料を含有したインク組成物を用いたインクジェット記録用インクであって、ノズル部材を有するインクジェットヘッドで吐出され、該ノズル部材は、インク吐出面側にシリコーンを硬化させて形成した撥インク層を具備し、硬化前シリコーンの重量平均分子量Mw(Pr)と、硬化後シリコーンのトルエン抽出物の重量平均分子量Mw(Ex)が、下記(1)式の関係にあることを特徴とするインクジェット記録用インク」、
Figure 0005170500
」;
(18)「前記インク組成物が、フッ素系界面活性剤を含有するものであることを特徴とする前記第(17)項に記載のインクジェット記録用インク」、
(19)「インク中の前記フッ素系界面活性剤が下記一般式(2)で示した構造のものであることを特徴とする前記第(18)項に記載のインクジェット記録用インク;
Figure 0005170500
(式中、mは0〜10の整数、nは0〜40の整数を表わす。)」、
(20)「インク中の前記フッ素系界面活性剤が下記一般式(3)で示した構造のものであることを特徴とする前記第(18)項に記載のインクジェット記録用インク;
Figure 0005170500
(式中、Rfはフッ素含有基を表わす。m,n及びpは整数を表わす。)」、
(21)「前記インク組成物が、樹脂エマルジョンを含有するものであることを特徴とする前記第(17)項乃至第(19)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク」。
ノズル部材のインク吐出面側にシリコーンを硬化させて形成した撥インク層を具備するノズル板において、硬化前シリコーンの重量平均分子量Mw(Pr)と硬化後シリコーンのトルエン抽出物の重量平均分子量Mw(Ex)が前記(1)式の関係を満たすことにより、ノズル板の機械的強度を改善し信頼性の高いインクジェット記録装置、方法を提供することが可能となった。
さらに、シリコーンを不活性雰囲気化で200〜300℃で加熱硬化することにより、シリコーンの酸化劣化を防いだ上で架橋反応を促進できるため、シリコーン皮膜の撥インク性と機械強度が高いレベルで両立することを見い出した。
また、シリコーン皮膜を形成したノズル板が、不活性雰囲気化200〜300℃で加熱硬化する工程および大気中200℃以下で加熱酸化する工程にて作製されたものであることにより、シリコーン皮膜は撥インク性と機械的強度を両立し、ノズル板のシリコーン皮膜以外の部分は酸化皮膜が生成し、インク接液性を維持することが可能となる。
また、シリコーンを酸化防止剤存在化、200〜300℃で加熱硬化した場合には、シリコーンの酸化劣化を防いだ上で架橋反応を促進できるため、シリコーン皮膜の撥インク性と機械的強度が高いレベルで両立し、さらにノズル板のシリコーン皮膜以外の部分は酸化皮膜が生成し、インク接液性を維持することが可能となる。
シリコーンの硬化反応がシラノール基と加水分解性シリル基間の縮合反応で、特に加水分解性シリル基がアルコキシシリル基またはオキシムシリル基である場合に効果的である。
また、インクが色材として顔料を含有したインク組成物である場合、ノズル板が磨耗しやすくなるため機械的耐久性がより必要となり、本発明は効果的である。さらにインク中にフッ素系界面活性剤を含有するインク組成物である場合に低表面張力となり本発明は効果的である。特にフッ素系界面活性剤が前記一般式(2)または(3)で示した構造である場合には非常に有効である。さらに、インク中に樹脂エマルジョンを含有する場合は、ノズル板へのインク付着性、残留性が上がったり、逆に磨耗しやすくなったりするため、本発明は効果的である。
また、クリーニング性能、吐出安定性などに優れた信頼性の高いインクジェットヘッドが提供できた。
本発明で用いるノズル板は、インク吐出面側にシリコーンを硬化させて形成した撥インク層を具備する。
シリコーンはSiとOからできたシロキサン結合を基本骨格とし、側鎖に有機基を有するオルガノポリシロキサン類であり、シリコーン層をノズル面上に形成する方法としては、液状のシリコーン溶液または分散液をスピンコート、ディッピング、スプレーコート等の塗布により形成する方法、電着法等が挙げられる。シリコーン層を形成する際、電着法以外ではノズル孔及びノズル板裏面をフォトレジスト、水溶性樹脂等でマスキングし、シリコーン層形成後、レジストを剥離除去すればノズル板表面のみに、シリコーンの撥インク層を形成することができる。ただし、本発明においては、これらシリコーン樹脂層の形成方法は限定されるものではない。一般的に膜厚は厚い方が機械的耐久性は高いが、しかし、本発明の場合、ノズル板の撥インク層であり、単純に基板上に上塗りするだけではなく、ノズル孔を作製しなければならない等の制限がある。シリコーン層の厚みは、0.1〜5.0μm程度が好ましく、特にノズル径精度等を考慮すると0.5〜2.0μmが好ましい。
本発明では撥インク層はシリコーン層を硬化させて用いる。シリコーンの硬化反応は、シラノール基間の脱水縮合反応、シラノール基と加水分解性シリル基との縮合反応、メチルシリル基、ビニルシリル基の有機過酸化物による反応、ビニルシリル基とヒドロキシシリル基との付加反応等があり、常温、または加熱によって反応が進行する。また、アクリル基、エポキシ基光(紫外線)反応を利用した硬化反応もあり、本発明ではこれら硬化反応は使用条件に適したものを選択できるが、シラノール基と加水分解性シリル基との縮合反応が特に効果的である。加水分解性シリル基としては、アルコキシシリル基、オキシムシリル基、アセトキシシリル基、アミノキシシリル基、プロペノキシシリル基等が挙げられ、特にアルコキシシリル基、オキシムシリル基が効果的である。
シリコーン皮膜の硬化度を上げるには、硬化温度を上げるのが最も効果的である。ただし、硬化温度を上げすぎると表面が酸化し、本来の機能である撥インク性が低下する問題があることから、撥インク性を低下させずに硬化度を上げることが必要となる。この対策として、不活性雰囲気下での加熱硬化、酸化防止剤存在下での加熱硬化等が挙げられる。シリコーンとしては、実施例中に記載の東レダウコーニング社製シリコーンレジンSR2411、SR2410等が挙げられ、これらは機械的耐久性もさることながら、ノズル板としての撥インク性を確保できるものとして選択されたものであり、その耐久性をいかに上げるかという点でも工夫すべきである。
本発明ではこれら硬化反応前のシリコーンの重量平均分子量Mw(Pr)と、硬化後シリコーンのトルエン抽出物の重量平均分子量Mw(Ex)が下記(1)式の関係を満たすことが必要である。
Figure 0005170500
ここで、重量平均分子量Mwは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)により標準ポリスチレン換算で求めたものである。さらに硬化後シリコーンのトルエン抽出物とは、シリコーン層をトルエンに浸漬して、38kHz、1W/cmの超音波を30時間以上照射したものであり、抽出された未硬化成分を含むものである。抽出に使用するトルエンの量は、1cmの撥インク層に対して、2mlのトルエンが目安である。
Mw(Ex)/Mw(Pr)は架橋度を表わす指標であり、Mw(Ex)/Mw(Pr)が小さければ架橋度が高いことを表わし、0.08未満の場合には硬化反応が進みシリコーン層の硬度等の機械的強度が十分得られる。ただし、100%硬化反応が完結するというのは考え難く、実質的にはMw(Ex)/Mw(Pr)が0になることはないと考えられるが、Mw(Ex)が検出限界以下の場合には、Mw(Ex)/Mw(Pr)は0になる。
一方、Mw(Ex)/Mw(Pr)が大きければ架橋度が低いことを表わし、撥インク性が得られても機械的強度が十分得られない。
上記(1)式の関係を満たすには、加熱条件等の硬化条件を調整することによって達成できるが、加熱等の架橋条件を強めて架橋度を上げる場合、架橋反応とともに酸化分解反応が起こらないようにすると撥インク性をより高い状態を維持した上で機械的強度を上げることが可能となる。このため、前述のようにシリコーンを不活性雰囲気化で200〜300℃で加熱硬化することにより、シリコーンの酸化分解を防いだ上で架橋反応を促進できるため、シリコーン皮膜の撥インク性と機械的強度が高いレベルで両立することできる。ここで不活性雰囲気化とは、Nガス、不活性ガスによる置換、または真空状態でも良い。加熱温度が200〜300℃がより好ましいのは、200℃未満では架橋度が十分でないため、上記(1)式の関係を満たすのが難しくなり、300℃を超えると不活性雰囲気化と言えども、完全に酸素を遮断することは難しいので、残留酸素により酸化分解反応が起こってしまったり、その他の副反応が起こる可能性があるためである。
ただし、ノズル板にはインク接液性等の別の性能も必要であり、これをノズル板構成部材(たとえばNi等)の酸化膜を形成することで達成している場合には、ノズル板を不活性雰囲気化200〜300℃で加熱硬化してシリコーンの架橋度を上げる工程と200℃以下で加熱酸化し、シリコーン以外の部分を酸化する工程にて作製することも可能である。さらに、シリコーンを酸化防止剤存在化、200〜300℃で加熱硬化した場合には、シリコーンの酸化劣化を防いだ上で架橋反応を促進できるため、シリコーン皮膜の撥インク性と機械的強度が高いレベルで両立し、さらにノズル板のシリコーン皮膜以外の部分は酸化皮膜が生成し、インク接液性を維持することが可能となる。用いる酸化防止剤については、酸化防止の機能を発現できれば特に限定されるものではなく、一般に公知のものが使用可能である。たとえば、プラスチック、ゴム、熱可塑性エラストマー、潤滑油等に添加するものとして、アミン系、フェノール系、硫黄系の酸化防止剤、フェノール系、りん系の熱加工安定剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、有機ニッケル系、ヒンダードピペリジン系の光安定剤などが挙げられる。これらの酸化防止剤をシリコーン組成物内に含有させておくことにより酸化防止機能が発現し、シリコーンの酸化分解が抑制できる。
本発明のインクジェット記録装置は、インクジェットヘッドとして、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内で熱エネルギーでインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで,インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などいずれの場合も含まれる。
特に、振動板を変形させるピエゾ型のもの、熱エネルギーで吐出させるサーマル型のものが効果的である。
本発明において使用されるインクジェット記録装置について、一例を挙げて説明する。
図1に示すインクジェット記録装置は、装置本体(101)と、装置本体(101)に装着した用紙を装填するための給紙トレイ(102)と装置本体(101)に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ(103)とを備えている。そして装置本体(101)の上カバー(111)の上面は略平坦な面であり、装置本体(101)の前カバーの前面(112)が上面に対して斜め後方に傾斜し、この傾斜した前面(112)の下方側に、前方(手前側)に突き出した排紙トレイ(103)および給紙トレイ(102)を備えている。さらに、前面(112)の端部側には、前面(112)から前方側に突き出し、上カバー(111)よりも低くなった箇所にインクカートリッジ装填部(104)を有し、このインクカートリッジ装填部(104)の上面に操作キーや表示器などの操作部(105)を配置している。このインクカートリッジ装填部(104)にはインクカートリッジの脱着を行なうための開閉可能な前カバー(115)を有している。
装置本体(101)内には図2、図3に示すように、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド(131)とステー(132)とでキャリッジ(133)を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モーターによって、図3のキャリッジ走査方向に移動走査する。
キャリッジ(133)にはイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のインク滴を吐出する4個のインクジェットヘッドからなる記録ヘッド(134)を複数のインク吐出口を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド(134)を構成するヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエーター、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエーター、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエーター、静電力を用いる静電アクチュエーターなどをインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ(133)には、記録ヘッド(134)に各色のインクを供給するための各色のサブタンク(135)を搭載している。このサブタンク(135)に、図示しないインク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部(104)に装填されたインクカートリッジからインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ(102)の用紙積載部(圧板)(141)上に積載した用紙(142)を給紙するための給紙部として、用紙積載部(圧板)(141)から用紙(142)を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)(143)および給紙コロ(143)に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド(144)を備え、この分離パッド(144)は給紙コロ(143)側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙(142)を記録ヘッド(134)の下方側で搬送するための搬送部として、用紙(142)を静電吸着して搬送するための搬送ベルト(151)と、給紙部からガイド(145)を介して送られる用紙(142)を搬送ベルト(151)との間で挟んで搬送するためのカウンターローラ(152)と、略鉛直上方に送られる用紙(142)を略90°方向転換させて搬送ベルト(151)上に倣わせるための搬送ガイド(153)と、押さえ部材(154)で搬送ベルト(151)側に付勢された先端加圧コロ(155)とを備えている。また搬送ベルト(151)表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ(156)を備えている。
ここで、搬送ベルト(151)は、無端状ベルトであり、搬送ローラ(157)とテンションローラ(158)との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向に周回するように構成されている。この搬送ベルト(151)は、例えば,抵抗制御を行なっていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、ETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行なった裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。また、搬送ベルト(151)の裏側には、記録ヘッド(134)による印写領域に対応してガイド部材(161)を配置している。さらに、記録ヘッド(134)で記録された用紙(142)を排紙するための排紙部として、搬送ベルト(151)から用紙(142)を分離するための分離爪(171)と、排紙ローラ(172)および排紙コロ(173)とを備え、排紙ローラ(172)の下方に排紙トレイ(103)を備えている。
また、装置本体(101)の背面部には両面給紙ユニット(181)が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット(181)は搬送ベルト(151)の逆方向回転で戻される用紙(142)を取りこんで反転させて再度カウンターローラ(152)と搬送ベルト(151)との間に給紙する。また、この両面給紙ユニット(181)の上面には手差し給紙部(182)を設けている。
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙(142)が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙(142)はガイド(145)で案内され、搬送ベルト(151)とカウンターローラ(152)との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド(153)で案内されて先端加圧コロ(155)で搬送ベルト(151)に押しつけられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ(156)によって搬送ベルト(151)が帯電されており、用紙(142)は搬送ベルト(151)に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ(133)を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド(134)を駆動することにより,停止している用紙(142)にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙(142)を所定量搬送後、次の行の記録を行なう。記録終了信号または用紙(142)の後端が記録領域に到達した信号を受け取ることにより、記録動作を終了して、用紙(142)を排紙トレイ(103)に排紙する。
そしてサブタンク(135)内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジから所要量のインクがサブタンク(135)に補給される。
本発明に関わるインクジェット記録装置は、上記例に限定されるものではなく、さらにインクジェットプリンター以外にもファクシミリ装置、複写装置、プリンター/ファックス/コピア複合機などにも適用することができる。
次にインクジェットヘッドについて説明する。
図4は本発明を適用したインクジェットヘッドの要素拡大図、図5は同ヘッドのチャンネル間方向の要部拡大断面図である。
このインクジェットヘッドは、図示してないインク供給口(図4の表面方向から奥方向(紙の裏面方向)に向かってインクを供給する)と共通液室(12)となる彫り込みを形成したフレーム(10)と、流体抵抗部(21)、加圧液室(22)となる彫り込みとノズル(31)に連通する連通口(23)を形成した流路板(20)と、ノズル(31)を形成するノズル板(30)と、凸部(61)、ダイヤフラム部(62)およびインク流入口(63)を有する振動板(60)と、振動板(60)に接着層(70)を介して接合された積層圧電素子(50)と、積層圧電素子(50)を固定しているベース(40)を備えている。ベース(40)はチタン酸バリウム系セラミックからなり、積層圧電素子(50)を2列配置して接合している。
積層圧電素子(50)は、厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層(51)と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極層(52)とを交互に積層している。内部電極層(52)は両端で外部電極(53)に接続する。
積層圧電素子(50)はハーフカットのダイシング加工により櫛歯上に分割され、1つ毎に駆動部(56)と支持部(57)(非駆動部)として使用(図5)する。
2つの外部電極(53)のうち一方(図の表面方向又は奥方向(紙の裏面方向)で内部電極層(52)の一端に連なる)の外側端はハーフカットのダイシング加工で分割されるように、切り欠き等の加工により長さを制限しており、これらは複数の個別電極(54)となる。他方はダイシングでは分割されずに導通しており、共通電極(55)となる。
駆動部の個別電極(54)にはFPC(80)が半田接合されている。また、共通電極(55)は積層圧電素子の端部に電極層を設けて回し込んでFPC(80)のGnd電極に接合している。FPC(80)には図示しないドライバICが実装されており、これにより駆動部(56)への駆動電圧印加を制御している。
振動板(60)は、薄膜のダイヤフラム部(62)と、このダイヤフラム部(62)の中央部に形成した駆動部(56)となる積層圧電素子(50)と接合する島状凸部(アイランド部)(61)と、図示してない支持部に接合する梁を含む厚膜部と、インク流入口(63)となる開口を電鋳工法によるNiメッキ膜を2層重ねて形成している。ダイヤフラム部の厚さは3μm、幅は35μm(片側)である。
この振動板(60)の島状凸部(61)と積層圧電素子(50)の可動部(56)、振動板(60)とフレーム(10)の結合は、ギャップ材を含んだ接着層(70)をパターニングして接着している。
流路板(20)はシリコン単結晶基板を用いて、流体抵抗部(21)、加圧液室(22)となる彫り込み、およびノズル(31)に対する位置に連通口(23)となる貫通口をエッチング工法でパターニングした。
エッチングで残された部分が加圧液室(22)の隔壁(24)となる。また、このヘッドではエッチング幅を狭くする部分を設けて、これを流体抵抗部(21)とした。
ノズル板(30)は金属材料、例えば電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成したもの(無論、Niメッキ膜に限らず、SUS303等のステンレス鋼等であってもよい)で、インク滴を飛翔させるための微細な吐出口であるノズル(31)を多数形成している。このノズル(31)の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい)に形成している。また、このノズル(31)の径はインク滴出口側の直径で約20〜35μmである。また各列のノズルピッチは150dpiとした。
このノズル板(30)のインク吐出面(ノズル表面側)は、撥インク層(90)を設けている。本発明ではシリコーンを硬化させて形成した撥インク層が形成されており、詳細は前述のとおりである。この撥インク層はシリコーン単独のみならず、他の樹脂、金属等の構成成分との混合体でも良い
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、記録信号に応じて駆動部(56)に駆動波形(10〜50Vのパルス電圧)を印加することによって、駆動部(56)に積層方向の変位が生起し、振動板(60)を介して加圧液室(22)が加圧されて圧力が上昇し、ノズル(31)からインク滴が吐出される。
その後、インク滴吐出の終了に伴い、加圧液室(22)内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧液室(22)内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、インクタンクから供給されたインクは共通液室(12)に流入し、共通液室(12)からインク流入口(63)を経て流体抵抗部(21)を通り、加圧液室(22)内に充填される。
流体抵抗部(21)は、吐出後の残留圧力振動の減衰に効果がある反面、表面張力による最充填(リフィル)に対して抵抗になる。流体抵抗部を適宜に選択することで、残留圧力の減衰とリフィル時間のバランスが取れ、次のインク滴吐出動作に移行するまでの時間(駆動周期)を短くできる。
本発明のインクジェットノズル板、インクジェットヘッドは、これらインクジェット記録装置(画像形成装置)への応用が効果的であるが、これに限らず、カラーフィルター、有機EL等の製造装置、その他各種パターニング装置にも応用可能である。
次に本発明で用いるインク組成物について説明する。
まず、フッ素系界面活性剤についてだが、これをインクに含有させることによって、インク中で色材を安定に分散させ、インクの紙への濡れ性を向上させることにより、発色性が高く、にじみの少ない画像が得られる。インク中への添加量としては、0.05〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%であるが、本発明では特に限定されるものではない。フッ素系界面活性剤の例としては、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物等が挙げられ、前記一般式(1)で示した構造のものが特に信頼性の観点からも特に好ましい。さらにフッ素系化合物として市販されているものを挙げると、サーフロンS−111,S−112,S−113,S121,S131,S132,S−141,S−145(旭硝子社製)、フルラードFC−93,FC−95,FC−98,FC−129,FC−135,FC−170C,FC−430,FC−431,FC−4430(住友スリーエム社製)、メガファックF−470,F−1405,F474(大日本インク化学工業社製)、ゾニールFS−300,FSN,FSN−100,FSO(デュポン社製)、エフトップEF−351,352,801,802(ジェムコ社製)等が簡単に入手でき本発明に用いることができる。この中でも,特に信頼性と発色向上に関して良好なゾニールFS−300,FSN,FSN−100,FSO(デュポン社製)が好適に使用できる。これら市販のものは、数種類の分子量のものの混合物(前記一般式(2)ではm、nが分布を有している)であることが多いが、本発明の効果においては問題なく認められる。
これらは、単独または二種以上を混合して用いることも可能で、また、後述するアニオン系、カチオン系、ノニオン系等の各種界面活性剤と混合して用いることも可能である。
本発明のインク構成成分としては、たとえば、色材、湿潤剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、その他添加剤(防腐防黴剤、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤、pH調整剤等)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
まず色材としては、従来公知のものを使用することができるが、本発明では特に顔料インクの場合に効果的である。
水溶性染料としてはカラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で、好ましくは耐水、耐光性が優れたものが用いられる。
これら染料を具体的に挙げれば、酸性染料および食用染料として、
C.I.アシッドイエロー;17,23,42,44,79,142、
C.I.アシッドレッド;1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289、
C.I.アシッドブルー;9,29,45,92,249、
C.I.アシッドブラック;1,2,7,24,26,94、
C.I.フードイエロー;3,4、
C.I.フードレッド;7,9,14、
C.I.フードブラック;1,2、
直接性染料として、
C.I.ダイレクトイエロー;1,12,24,26,33,44,50,86,120,132,142,144、
C.I.ダイレクトレッド;1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227、
C.I.ダイレクトオレンジ;26,29,62,102、
C.I.ダイレクトブルー;1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,199,202、
C.I.ダイレクトブラック;19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171、
塩基性染料として、
C.I.べーシックイエロー;1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91、
C.I.ベーシックレッド;2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112、
C.I.べーシックブルー;1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,147,155、
C.I.ベーシックブラック;2,8、
反応性染料として、
C.I.リアクティブブラック;3,4,7,11,12,17、
C.I.リアクティブイエロー;1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67、
C.I.リアクティブレッド;1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97、
C.I.リアクティブブルー;1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95、
等が使用できる。
顔料としては、無機顔料として、酸化チタン及び酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。インク組成物中の色材としての顔料の添加量は、0.5〜25重量%程度が好ましく、より好ましくは2〜15重量%程度である。一般に顔料濃度が高くなると画像濃度が上がり画質が向上するが、定着性や吐出安定性、目詰まり等の信頼性に対しては悪影響が出易くなる。
本発明において好ましく用いられる顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、81、83、95、97、98、100、101、104、408、109、110、117、120、138、150、153、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36等がある。
その他、顔料(例えばカーボン)の表面にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散顔料等が使用できる。また、顔料をマイクロカプセルに包含させ、該顔料を水中に分散可能なものとしたものであっても良い。これは、顔料粒子を含有させたポリマー微粒子と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべてポリマー微粒子に封入または吸着されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、該顔料がインク中に分散していてもよい。
顔料の粒径については特に制限はないが、最大個数換算で最大頻度が20〜150nmの粒径の顔料インクを用いることが本発明では好ましい。粒径が150nmを超えると、インク組成物としての顔料分散安定性が悪くなるばかりでなく、吐出安定性も劣化し、画像濃度などの画像品質も低くなり好ましくない。粒径が20nm未満では、インク組成物の保存安定性、プリンタでの噴射特性は安定するが、そのように細かな粒径にまで分散せしめるのは、分散操作や、分級操作が複雑となり、経済的に記録液を製造することが困難となる。分散剤を用いて顔料を分散する場合には、従来公知のものであればいずれも使用することができる。たとえば、高分子分散剤、水溶性界面活性剤などが挙げられる。
次に湿潤剤、水溶性有機溶剤についてだが、これらはインクを所望の物性にするため、インクの乾燥を防止するため、またインクの溶解安定性を向上させるため等の目的で必要に応じて使用することができる。水溶性有機溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコーノレ、ポリプロピレングリコール、1,5ペンタンジオール、1,6へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプローラクタム等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチローラクトン等を用いることができる。
次に界面活性剤であるが、これは色材の分散安定化を行なったり、インクの表面張力を調整して被記録材に対する浸透性を改良し、またインクジェットプリンタのヘッド部材に対するインクの濡れ性を向上させることによりインクの吐出安定性を改良する等の目的で必要に応じて添加することができる。
特に、フッ素系界面活性剤を用いるとインクの表面張力を下げて紙への濡れ性が上がり発色性を向上させる効果が大きいが、ノズル板の撥インク性が落ちるため、吐出安定性、クリーニング性能が劣るという問題があった。しかし本発明のノズル板を使用すれば、撥インク性が確保でき、フッ素系界面活性剤の効果が有効に発揮できることとなった。ただし、本発明はフッ素系界面活性剤に限定されたものではなく、通常の炭化水素系界面活性剤等にも適応されるものである、これら界面活性剤を界面活性機能部位から分類すると、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性界面活性剤に分類できる。
例えばアニオン界面活性剤としてはアルキルアリル又はアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルアリールエーテルリン酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルアリールエーテルエステル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンオレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、エーテルカルボキシレート、スルホコハク酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル、脂肪酸塩、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ナフテン酸塩等がある。
カチオン界面活性剤としてはアルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、脂肪族アミン塩、ベンザルコニウム塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩等がある。
ノニオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリコールエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、アルキル(ポリ)グリコキシド等がある。
両性界面活性剤としてはイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン誘導体、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン等がある。
インク組成物中でのこれら界面活性剤の添加量は0.01重量%〜5.0重量%であり、好ましくは0.5重量%〜3重量%である。0.01重量%未満では添加した効果は無く、5.0重量%より多い添加では記録媒体への浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けの発生といった問題がある。前記界面活性剤は、単独または二種以上を混合して用いることができる。
その他の添加剤で防腐防黴剤としては、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、ぺンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム等が挙げられ、防錆剤としては、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニイウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が挙げられる。pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響をおよぼさずにpHを所望の値に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができる。その例として、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、第4級アンモニウム水酸化物やジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化アンモニウム、第4級ホスホニウム水酸化物等が挙げられる。
さらに上記インク構成成分以外にも、画像定着性の向上等の目的で樹脂エマルジョンを含有させることもあり、このような場合もノズル板へのインク付着性、残留性が上がったり、逆に磨耗性が上がったりするので本発明のノズル板は有効である。
ここで、樹脂エマルジョンとは、樹脂微粒子を連続相としての水中に分散したものであり、必要に応じて界面活性剤のような分散剤を含有しても良い。分散相成分としての樹脂微粒子の含有量(樹脂エマルジョン中の樹脂微粒子の含有量)は一般的には10〜70重量%程度であり、樹脂微粒子の粒径は特にインクジェット記録装置に使用することを考慮すると、平均粒径で10〜1000nmが好ましく、さらに20〜300nmが好ましいが、本発明では特に限定されるものではない。分散相の樹脂微粒子成分としてはアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコン系樹脂などが挙げられ、特にアクリルシリコン系樹脂が効果的であるが、本発明においてはこれら樹脂エマルジョンの種類に限定されるものではなく、公知のものを用いた場合に信頼性を確保するためのものであり、市販の樹脂エマルジョンを用いることも可能である。市販の樹脂エマルジョンとしては、マイクロジェルE−100、E−2002、E−5002(スチレン‐アクリル系樹脂エマルジョン 日本ペイント製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン 大日本インキ化学製)、ジョンクリル775(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン ジョンソンポリマー製)、SAE1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン 日本ゼオン製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン サイデン化学製)、プライマルAC−22、AC−61(アクリル系樹脂エマルジョン ローム・アンド・ハース製)、ナノクリルSBCX−2821、3689(アクリル−シリコン系樹脂エマルジョン 東洋インキ製)、#3070(メタクリル酸メチル重合体樹脂エマルジョン 御国色素製)などが挙げられる。
インク組成物中の前記樹脂微粒子の含有量としては、一般的には0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%、さらに好ましくは1〜10重量%であるが、本発明では特に限定されるものではない。
また、本発明ではインク組成物中で樹脂微粒子と色材が別々に分散している状態のほかに、樹脂微粒子中に水不溶性または難溶性の色材を含有した状態で用いることも可能である。樹脂微粒子中に色材を含有した状態とは、色材を封入した状態、あるいは樹脂微粒子表面に色材が吸着した状態のいずれかまたは双方を表わす。水不溶性または難溶性とは、20℃で水100重量部に対して色材が10重量部以上溶解しないことをいい、溶解するとは目視にて水溶液表層または下層に色材の分離や沈殿が認められないことをいう。たとえば、油溶性染料、分散染料、顔料等が上げられる。樹脂微粒子中に色材を封入している場合には、インク組成物中の樹脂微粒子の含有量としては色材成分も含まれるため、2〜30重量%程度が好ましいが、本発明はこれらの含有量に左右されるものではない。
本発明のインク組成物は、前述の構成成分を媒体中に分散または溶解し、さらに必要に応じて攪拌混合して作製する。分散はサンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行なうことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行なうことができるが、本発明は製造方法に左右されるものではない。
(実施例1)
Ni電鋳ノズル表面上に、シリコーンレジン(東レダウコーニングシリコーン社製SR2411 加水分解性シリル基がオキシムシリル基)をスプレー法にて塗布して約1.0μmシリコーン層を形成した。この際、ノズル孔及びノズル板裏面を水溶性樹脂でマスキングし、シリコーン層塗布形成後、剥離除去して形成した。これを大気中で260℃30分間加熱硬化させて撥インク層とした。
このようにして作製したノズル板(撥インク層表面積:4cm)をトルエン8ml中に浸漬して、38kHz、1W/cmの超音波を30時間照射した後のトルエン抽出液をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)装置に注入して重量平均分子量Mw(Ex)を測定した。一方、シリコーンレジンSR2411の重量平均分子量Mw(Pr)もGPCにて測定し、Mw(Ex)/Mw(Pr)を求めた。
作製したノズル板の評価として、以下のインクに対する後退接触角を測定した。さらに、プリンタでの実使用上の機械的強度の指標として硬度等ではなく、ワイパーブレード(EPDMゴム硬度70°)にて3000回ワイピング後の後退接触角を測定し、結果をそれぞれ表1に示した。
<インク>
キャボット製カーボンブラック分散体(スルホン基付加型自己分散タイプ)を用いて、以下の処方で混合攪拌後、0.8μmポリプロピレンフィルターにて濾過しインクを作製した。
ブラック分散体 40重量部
CAB−O−JET 200(スルホン基付加型 キャボット製)
アクリルシリコン系樹脂エマルジョン 8重量部
ナノクリルSBCX−2821 東洋インキ製
1,3−ブタンジオール 18重量部
グリセリン 9重量部
2−ピロリドン 2重量部
フッ素系界面活性剤FS−300(Du Pont社製) 2重量部
前記一般式(2)中、m=6〜8、n=26以上のもの
プロキセルLV(アビシア社製) 0.2重量部
イオン交換水 20.8重量部
(実施例2)
実施例1において、シリコーン層の硬化条件をN雰囲気化で200℃1.5時間とした。
(実施例3)
実施例1において、シリコーン層の硬化条件をN雰囲気化で250℃1時間とした。
(実施例4)
実施例1において、シリコーン層の硬化条件をN雰囲気化で300℃30分とした。
(実施例5)
実施例1において、シリコーン層の硬化条件をN雰囲気化で320℃30分とした。
(実施例6)
実施例1において、シリコーン層の硬化条件をN雰囲気化で280℃30分とし、さらにノズル板を大気中で180℃1時間加熱した。
(実施例7)
Ni電鋳ノズル表面上に、シリコーンレジン(東レダウコーニングシリコーン社製SR2410 加水分解性シリル基がアルコキシシリル基)にヒンダードフェノール系酸化防止剤IRGANOX1010(チバ・スペシャルティーケミカルズ製)を0.5%添加した後、スプレー法にて塗布して約1.0μmシリコーン層を形成した。この際、ノズル孔及びノズル板裏面を水溶性樹脂でマスキングし、シリコーン層塗布形成後、剥離除去して形成した。これを大気中で270℃30分加熱硬化させて撥インク層とした。
作製したノズル板は実施例1と同様にMw(Ex)/Mw(Pr)を求め、また、以下のインクに対する後退接触角を測定した。
<インク>
マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントマゼンタ122を低温プラズマ処理しカルボン酸基を導入した顔料を作製した。これをイオン交換水に分散したものを、限外濾過膜にて脱塩濃縮し顔料濃度15%のマゼンタ顔料分散液とした。これを用いて以下の処方で混合攪拌後、0.8μmポリプロピレンフィルターにて濾過しインクを作製した。
マゼンタ分散液 40重量部
ジエチレングリコール 20重量部
グリセリン 10重量部
フッ素系界面活性剤 1重量部
前記一般式(3)中、n=4、m=21、p=4、Rf=CFCFのもの
プロキセルLV(アビシア社製) 0.5重量部
イオン交換水 28.5重量部
(実施例8)
Ni電鋳ノズル表面上に、シリコーンレジン(東レダウコーニングシリコーン社製SR2410 加水分解性シリル基がアルコキシシリル基)にヒンダードフェノール系酸化防止剤IRGANOX1076(チバ・スペシャルティーケミカルズ製)を0.7%添加した後、スプレー法にて塗布して約1.0μmシリコーン層を形成した。この際、ノズル孔及びノズル板裏面を水溶性樹脂でマスキングし、シリコーン層塗布形成後、剥離除去して形成した。これを大気中で250℃1時間加熱硬化させて撥インク層とした。
作製したノズル板は実施例1と同様にMw(Ex)/Mw(Pr)を求め、また、以下のインクに対する後退接触角を測定した。
<インク>
特開2001−139849号公報に記載の調製例3を参考に、銅フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散液を追試調製した。
まず始めに、ポリマー溶液の調製として、機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1Lフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成(株)製、商品名:AS−6)4.0g及びメルカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。次にスチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー(東亜合成(株)製、商品名:AS−6)36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50%のポリマー溶液800gを得た。
前述で得られたポリマー溶液28g、銅フタロシアニン顔料26g、1mol/L水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g及びイオン交換水30gを十分に攪拌した。その後、3本ロールミル((株)ノリタケカンパニー製、商品名:NR−84A)を用いて20回混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に攪拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、固形分量が20.0wt%のシアン色のポリマー微粒子分散液160gを得た。
この分散液を用いて以下の処方で混合攪拌後、0.8μmポリプロピレンフィルターにて濾過しインクを作製した。
シアンポリマー微粒子分散液 55重量部
1,3−ブタンジオール 22重量部
グリセリン 8重量部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2重量部
プロキセルLV(アビシア社製) 0.5重量部
イオン交換水 12.5重量部
(実施例9)
実施例3で作製し、3000回ワイピングした後のノズル板を用いてヘッドを作製し、前述した図1,2,3にて示したプリンター(リコー製IPSiO G707)に装着して、実施例1で作製したインクを用いて以下の方法で吐出安定性を評価した。
画像領域中、印字面積が、紙面全面積中、各色印字面積が5%であるチャートにおいて、各インクを100%duty、記録密度は360dpi、ワンパス印字で連続500枚の印写を行なった後も、5%チャートベタ部のスジ,白抜け,噴射乱れは認められなかった。すなわち、本発明のノズル面は初期だけでなく3000回のワイピング、500枚の通紙においても十分な撥インク性を維持しており、撥インク性、機械的強度の両面が優れていることがわかった。
(比較例1)
実施例1において、シリコーン層の硬化条件を大気中で常温12時間とした。
(比較例2)
実施例1において、シリコーン層の硬化条件をN雰囲気化180℃1.5時間とした。
(比較例3)
実施例6において、シリコーン層の硬化条件を大気中で150℃2時間とした。
Figure 0005170500
本発明のインクジェット記録装置の斜視説明図である。 本発明のインクジェット記録装置の全体構成を説明する概略構成図である。 本発明のインクジェットヘッドの一例を示す概略拡大図である。 本発明のインクジェットヘッドの一例を示す要素拡大図である。 本発明のインクジェットヘッドの一例のチャンネル間方向の要部拡大断面図である。
符号の説明
10 フレーム
12 共通液室
20 流路板
21 流体抵抗部
22 加圧液室
23 連通口
24 隔壁
30 ノズル板
31 ノズル
40 ベース
50 積層圧電素子
51 圧電層
52 内部電極層
53 外部電極
54 個別電極
55 共通電極
56 駆動部(可動部)
57 支持部
60 振動板
61 島状凸部
62 ダイヤフラム部
63 インク流入口
70 接着層
80 FPC
90 撥インク層
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 テンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部

Claims (16)

  1. ノズル部材のインク吐出面側にシリコーンを硬化させて形成した撥インク層を具備するノズル板において、硬化前シリコーンの重量平均分子量Mw(Pr)と、硬化後シリコーンのトルエン抽出物の重量平均分子量Mw(Ex)が、下記(1)式の関係にあることを特徴とするインクジェットヘッドのノズル板。
    Figure 0005170500
  2. 前記シリコーンを不活性雰囲気化200〜300℃で加熱硬化したものであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドのノズル板。
  3. 前記シリコーン皮膜を形成したノズル板が、不活性雰囲気化200〜300℃で加熱硬化する工程および大気中200℃以下で加熱酸化する工程にて作製されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットヘッドのノズル板。
  4. 前記シリコーンを酸化防止剤存在化、200〜300℃で加熱硬化したものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェットヘッドのノズル板。
  5. 前記シリコーンの硬化反応がシラノール基と加水分解性シリル基間の縮合反応であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェットヘッドのノズル板。
  6. 前記加水分解性シリル基がアルコキシシリル基であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッドのノズル板。
  7. 前記加水分解性シリル基がオキシムシリル基であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッドのノズル板。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のノズル板を使用していることを特徴とするインクジェットヘッド。
  9. 請求項8に記載のヘッドを使用していることを特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 請求項8に記載のヘッドを使用して、振動板を変形させることでインクを吐出させることを特徴とするインクジェット記録方法。
  11. 請求項8に記載のヘッドを使用して、熱エネルギーでインクを吐出させることを特徴とするインクジェット記録方法。
  12. インクが色材として顔料を含有したインク組成物を用いることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
  13. インク中にフッ素系界面活性剤を含有するインク組成物を用いることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
  14. インク中のフッ素系界面活性剤が下記一般式(2)で示した構造であることを特徴とする請求項13に記載のインクジェット記録装置。
    Figure 0005170500
    (式中、mは0〜10の整数、nは0〜40の整数を表わす。)
  15. インク中のフッ素系界面活性剤が下記一般式(3)で示した構造であることを特徴とする請求項13に記載のインクジェット記録装置。
    Figure 0005170500
    (式中、Rfはフッ素含有基を表わす。m,n及びpは整数を表わす。)
  16. インク中に樹脂エマルジョンを含有するインク組成物を用いることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
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