JP5817523B2 - 液体吐出装置用フィルターの洗浄・機能回復液、カートリッジ、洗浄・機能回復方法 - Google Patents

液体吐出装置用フィルターの洗浄・機能回復液、カートリッジ、洗浄・機能回復方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体吐出装置用フィルターの洗浄・機能回復液、該洗浄・機能回復液を容器中に収容したカートリッジ、該洗浄・機能回復液を用いた液体吐出装置用フィルターの洗浄・機能回復方法に関する。
従来、インクジェット記録装置などの液体吐出装置においては、異物などによるヘッド詰まりを防ぐため液体流路中にフィルターを設置し、異物を捕捉してノズル詰まりを防いでいる。しかし、捕捉できなかった異物が詰まったフィルターは流体抵抗が上昇し、最悪の場合には印字中にヘッドへのインク供給が追いつかず、不吐出になるという不具合が発生する。さらに、異物だけでなく、インク成分がフィルター繊維表面に付着して、繊維が見かけ上太くなり且つ表面積を増加させるため、異物の場合と同様に、フィルターの流体抵抗が上昇し、印字中のヘッドへのインク供給が追いつかず、不吐出になるという不具合も発生する。
そこで、これらの不具合に対する対策として、フィルターを多数設置したり、ある程度使用したらフィルターを交換するなどの方法が採用されている。
一方、インクジェット記録装置などの液体吐出装置の液体流路の洗浄液は種々提案されており、例えば特許文献1には、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルを含有するインクジェット記録装置用洗浄液が開示されている。しかし、フィルターに付着したインク成分の除去や、フィルターの流体抵抗上昇による不吐出の問題については検討されていない。
上記の他に、特許文献2には、N,N−ジメチル−β−メトキシプロピオンアミドと水を含み、更には界面活性剤を含む洗浄剤組成物が開示されている。しかし、この組成物は精密機械部品又は電気・電子部品の洗浄剤であって、液体吐出装置用フィルターの洗浄・機能回復とは無関係である。
上記従来の対策では、フィルターの交換にコストがかかるし、フィルターを多数設置したとしても、インク成分の付着には対応できず、フィルターの流体抵抗が上昇し、最終的に不吐出を起こしてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、フィルターを多数設置したり交換したりせずに、フィルターを洗浄して通液性を回復させることができる液体吐出装置用フィルターの洗浄・機能回復液の提供を目的とする。
上記課題は、次の発明1)によって解決される。
1) 少なくとも水、下記一般式(1)で示されるアミド化合物及びウレタン樹脂を含有し、前記アミド化合物の配合量が、全体の10.0〜60.0質量%であることを特徴とする液体吐出装置用フィルターの洗浄・機能回復液。
Figure 0005817523
本発明によれば、フィルターを多数設置したり交換したりせずに、フィルターを洗浄して通液性を回復させることができる液体吐出装置用フィルターの洗浄・機能回復液を提供できる。
また、本発明の洗浄・機能回復液は、インク又は充填液が充填された液体吐出装置やフィルター機能が低下した液体吐出装置の洗浄・機能回復、保管用として、あるいはフィルターを製造する際のフィルターの洗浄、保管用として好適である。
インクジェット記録装置のインクカートリッジ装填部のカバーを開いた状態の斜視説明図である。 インクジェット記録装置の全体構成を説明する概略構成図である。 インクジェットヘッドの一例の概略拡大図である。 インクジェットヘッドの一例の要部拡大図である。 インクジェットヘッドの一例の要部拡大断面図である。 ケース(外装)も含めたカートリッジの一例を示す図である。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明の液体吐出装置用フィルターの洗浄・機能回復液(以下、洗浄・機能回復液ということもある)は、前記一般式(1)で示されるアミド化合物(以下、アミド化合物という)及びウレタン樹脂を含有することを特徴とする。
また、次の2)〜5)に記載する発明も本発明の範囲に含まれる。
2) 前記ウレタン樹脂の添加量が洗浄・機能回復液全体の0.5〜1.5質量%であることを特徴とする1)記載の洗浄・機能回復液。
3) 更に界面活性剤を含有することを特徴とする1)又は2)記載の洗浄・機能回復液。
4) 1)〜3)のいずれかに記載の洗浄・機能回復液を容器中に収容したことを特徴とするカートリッジ。
5) 液体流路にフィルターを有する液体吐出装置に対し、1)〜3)のいずれかに記載の洗浄・機能回復液を通液することを特徴とする液体吐出装置用フィルターの洗浄・機能回復方法。
上記アミド化合物は、インク成分中の平衡水分量の高い水溶性有機溶剤と比較的疎水性の有機溶剤を均一に混合させる機能を有するので、フィルター繊維表面に付着したインク成分を洗浄・機能回復液中に溶解乃至分散させることができ、その結果、フィルター繊維表面を元の状態に回復させることができる。即ち、フィルターに付着したインク成分を除去して、インク成分の付着により上昇したフィルターの流体抵抗を下げることができる。
アミド化合物の配合量は10.0〜60.0質量%、好ましくは15.0〜50.0質量%とする。10.0質量%未満では、均一に混合させる効果が十分に確保できず、60.0質量%を超えると液体流路部材などを侵食する可能性が高くなり吐出等に悪影響を与える。
ウレタン樹脂は分散剤としての機能を有するので、これを加えることにより、アミド化合物の作用により除去したインク成分の再凝集・再付着を防止することができる。
ウレタン樹脂の添加量は、好ましくは0.5〜1.5質量%である。0.5質量%未満では、添加効果が現れずインク成分が再凝集・再付着を起こすことがある。また、1.5質量%を超えると、ウレタン樹脂自体がフィルターに詰まって不吐出を起こす可能性がある。
上記アミド化合物は、高沸点(216℃)でかつ平衡水分量も高い(23℃湿度80%環境中の平衡水分量が39.2質量%)ため保湿力が高い。従って、本発明の洗浄・機能回復液は耐乾燥性がよく、フィルターの洗浄・機能回復後に、フィルター保管用の充填液、又は該フィルターを備えた液体吐出装置の液体流路の充填液としても使用できる。
また、本発明の洗浄・機能回復液はインクとの相性が非常によいので、洗浄乃至充填後のインクの充填も問題なく行うことができる。
本発明の洗浄・機能回復液には、前記アミド化合物、ウレタン樹脂、水の他に、水溶性有機溶剤、界面活性剤、その他の添加剤等を含有させることができる。
溶媒としては水を用いるが、水溶性有機溶剤を併用してもよい。
水溶性有機溶剤の添加量は洗浄・機能回復液全体の5.0〜20.0質量%程度が好ましい。
水溶性有機溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−へキサントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類;プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
また、平衡水分量の高い水溶性有機溶剤を含有させると、充填液として用いたときに水分が蒸発して平衡状態に達した場合でも、該水溶性有機溶剤が多量の水分を保持しているため、充填液の極端な粘度上昇を抑えることができ、流動性を保持できるので好ましい。
ここで、平衡水分量の高い水溶性有機溶剤とは、23℃、湿度80%の環境中の平衡水分量が30質量%以上、好ましくは40質量%以上のものを言う。なお平衡水分量とは、水溶性有機溶剤と水の混合液を一定温度、湿度の空気中に開放し、混合液からの水の蒸発量と混合液による空気中の水の吸収量が平衡状態になったときの水分量を言う。
具体的には、塩化カリウム飽和水溶液を用いて、デシケーター内を、温度23±1℃、湿度80±3%に保ち、該デシケーター内で、各水溶性有機溶剤を1gずつ秤量したシャーレを質量変化がなくなるまでの期間保管し、有機溶剤に吸収された水分量を測定して、次の式により求めることができる。
Figure 0005817523
好ましい平衡水分量の高い水溶性有機溶剤としては、温度23℃、湿度80%環境中の平衡水分量が30質量%以上の多価アルコール類が挙げられる。
その具体例としては、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、グリセリン、ジグリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。これらの中でも、グリセリンは、水分を含んだ場合に低粘度化することから特に好適である。
界面活性剤は、液の表面張力を下げて洗浄性を上げたり、洗浄禍福液の混合安定性を上げたり、洗浄後のインクの充填性を上げたりするために必要に応じて加える。
界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
界面活性剤の添加量は0.01〜5.0質量%の範囲が好ましい。この範囲であれば、十分な添加効果が得られる。
フッ素系界面活性剤の例としては、下記構造式(2)で示されるものが挙げられるが、これに限られるわけではない。
Figure 0005817523
(式中、R1、R3は水素、アルコキシ基、又はフッ素含有基を表し、R2、R4はフッ素含有基を表す。m、nは0又は正の整数、p、q及びrは正の整数を表す。)
上記構造式(2)におけるR1、R3のアルコキシ基としては、炭素数が1〜6の低級アルコキシ基が好ましい。また、R1〜R4のフッ素含有基としては、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基が好ましい。
アニオン界面活性剤としては、アルキルアリル又はアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルアリールエーテルリン酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルアリールエーテルエステル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンオレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、エーテルカルボキシレート、スルホコハク酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル、脂肪酸塩、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ナフテン酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、脂肪族アミン塩、ベンザルコニウム塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリコールエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、アルキル(ポリ)グリコキシド等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、イミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン誘導体、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン等が挙げられる。
その他の添加剤としては、pH調整剤、防腐防黴剤などが挙げられる。
pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;第4級アンモニウム水酸化物やジエタノールアミン、トリエタノ−ルアミン等のアミン;水酸化アンモニウム、第4級ホスホニウム水酸化物等が挙げられる。
防腐防黴剤としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、ぺンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム等が挙げられる。
次に、本発明の洗浄・機能回復液が適用可能な液体吐装置であるインクジェット記録装置の一例について説明する。
図1に示すインクジェット記録装置は、装置本体(101)と、装置本体(101)に装着した用紙を装填するための給紙トレイ(102)と、装置本体(101)に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ(103)と、インクカートリッジ装填部(104)とを有する。インクカートリッジ装填部(104)の上面には、操作キーや表示器などの操作部(105)が配置されている。インクカートリッジ装填部(104)は、インクカートリッジ(201)の脱着を行うための開閉可能な前カバー(115)を有している。(111)は上カバー、(112)は装置の前面である。
装置本体(101)内には、図2及び図3に示すように、左右の側板(不図示)に横架したガイド部材であるガイドロッド(131)とステー(132)とでキャリッジ(133)を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ(不図示)によって図3に示す矢示方向に移動走査する。
キャリッジ(133)には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド(134)を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド(134)を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどをインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ(133)には、記録ヘッド(134)に各色のインクを供給するための各色のサブタンク(135)を搭載している。サブタンク(135)には、インク供給チューブ(不図示)を介して、インクカートリッジ装填部(104)に装填された本発明のインクカートリッジ(201)からインクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ(103)の用紙載置部(圧板)(141)上に積載した用紙(142)を給紙するための給紙部として、用紙載置部(141)から用紙(142)を1枚づつ分離給送する給紙コロ(半月コロ)(143)、及び給紙コロ(143)に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド(144)を備え、この分離パッド(144)は給紙コロ(143)側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙(142)を記録ヘッド(134)の下方側で搬送するための搬送部として、用紙(142)を静電吸着して搬送するための搬送ベルト(151)と、給紙部からガイド(145)を介して送られる用紙(142)を搬送ベルト(151)との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ(152)と、略鉛直上方に送られる用紙(142)を略90°方向転換させて搬送ベルト(151)上に倣わせるための搬送ガイド(153)と、押さえ部材(154)で搬送ベルト(151)側に付勢された先端加圧コロ(155)とが備えられ、また、搬送ベルト(151)表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ(156)が備えられている。
搬送ベルト(151)は、無端状ベルトであり、搬送ローラ(157)とテンションローラ(158)との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト(151)は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト(151)の裏側には、記録ヘッド(134)による印写領域に対応してガイド部材(161)が配置されている。なお、記録ヘッド(134)で記録された用紙(142)を排紙するための排紙部として、搬送ベルト(151)から用紙(142)を分離するための分離爪(171)と、排紙ローラ(172)及び排紙コロ(173)とが備えられており、排紙ローラ(172)の下方に排紙トレイ(103)が配されている。
装置本体(101)の背面部には、両面給紙ユニット(181)が着脱自在に装着されている。両面給紙ユニット(181)は、搬送ベルト(151)の逆方向回転で戻される用紙(142)を取り込んで反転させて、再度、カウンタローラ(152)と搬送ベルト(151)との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット(181)の上面には手差し給紙部(182)が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙(142)が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙(142)は、ガイド(145)で案内され、搬送ベルト(151)とカウンタローラ(152)との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド(153)で案内されて先端加圧コロ(155)で搬送ベルト(151)に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ(156)によって搬送ベルト(157)が帯電されており、用紙(142)は、搬送ベルト(151)に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ(133)を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド(134)を駆動することにより、停止している用紙(142)にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙(142)を所定量搬送後、次行の記録を行う。記録終了信号又は用紙(142)の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙(142)を排紙トレイ(103)に排紙する。
そして、サブタンク(135)内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ(201)から所要量のインクがサブタンク(135)に補給される。
このインクジェット記録装置においては、インクカートリッジ(不図示)中のインクを使い切ったときには、インクカートリッジにおける筐体を分解して内部のインク袋だけを交換することができる。また、インクカートリッジは、縦置きで前面装填構成としても、安定したインクの供給を行うことができる。したがって、装置本体(101)の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納したり、あるいは装置本体(101)の上面に物が置かれているような場合でも、インクカートリッジの交換を容易に行うことができる。
なお、ここでは、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
また、上記インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
次に、インクジェットヘッドについて説明する。
図4は、インクジェットヘッドの一例の要素拡大図、図5は、同ヘッドのチャンネル間方向の要部拡大断面図である。
このインクジェットヘッドは、インク供給口(不図示)と共通液室(1b)となる彫り込みを形成したフレーム(10)と、流体抵抗部(2a)、加圧液室(2b)となる彫り込みと、ノズル(3a)に連通する連通口(2c)を形成した流路板(20)と、ノズル(3a)を形成するノズルプレート(30)と、凸部(6a)、ダイヤフラム部(6b)及びインク流入口(6c)を有する振動板(60)と、該振動板(60)に接着層(70)を介して接合された積層圧電素子(50)と、該積層圧電素子(50)を固定しているベース(40)を備えている。
ベース(40)はチタン酸バリウム系セラミックからなり、積層圧電素子(50)を2列配置して接合している。
積層圧電素子(50)は、厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層と、厚さ数μm/1層の銀・パラジウム(AgPd)からなる内部電極層とを交互に積層している。内部電極層は両端で外部電極に接続する。
積層圧電素子(50)はハーフカットのダイシング加工により櫛歯上に分割され、1つ毎に駆動部(5f)と支持部(5g)(非駆動部)として使用する。外部電極の外側はハーフカットのダイシング加工で分割されるように、切り欠き等の加工により長さを制限しており、これらは複数の個別電極となる。他方はダイシングでは分割されずに導通しており共通電極となる。
駆動部の個別電極にはFPC8が半田接合されている。また、共通電極は積層圧電素子の(50)の端部に電極層を設けて回し込んでFPC8のGnd電極に接合させている。FPC8にはドライバIC(不図示)が実装されており、これにより駆動部(5f)への駆動電圧印加を制御している。
振動板(60)は、薄膜のダイヤフラム部(6b)と、このダイヤフラム部(6b)の中央部に形成した駆動部(5f)となる積層圧電素子(50)と接合する島状凸部(アイランド部)(6a)と、支持部に接合する梁を含む厚膜部と、インク流入口(6c)となる開口を電鋳工法によるNiメッキ膜を2層重ねて形成している。ダイヤフラム部の厚さは3μm、幅は35μm(片側)である。この振動板(60)の島状凸部(6a)と積層圧電素子(50)の可動部(5f)、振動板(50)とフレーム(10)の結合は、ギャップ材を含んだ接着層(70)をパターニングして接着している。
流路板(20)はシリコン単結晶基板からなり、流体抵抗部(2a)、加圧液室(2b)となる彫り込み、及びノズル(3a)に対する位置に連通口(2c)となる貫通口がエッチング工法によりターニングされている。
エッチングで残された部分が加圧液室(2b)の隔壁(2d)となる。また、このヘッドではエッチング幅を狭くする部分を設けて、これを流体抵抗部(2a)としている。
ノズルプレート(30)は、金属材料、例えば、電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成したもので、インク滴を飛翔させるための微細な吐出口であるノズル(3a)を多数形成している。このノズル(3a)の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい。)に形成している。また、このノズル(3a)の径はインク滴出口側の直径で約20〜35μmである。また、各列のノズルピッチは150dpiである。このノズルプレート(30)のインク吐出面(ノズル表面側)又はノズル内壁に、撥インク性の表面処理を施した撥インク層(不図示)を設けている。
撥インク層としては、フッ素樹脂シリコーン樹脂などの樹脂層、フッ素系シランカップリング剤、Ni/PTFE共析膜などの金属/樹脂複合膜などが用いられるが、特にシリコーン樹脂、フッ素系シランカップリング剤の場合、本発明の効果が非常に顕著になる。
インク供給口と共通液室(1b)となる彫り込みを形成するフレーム(10)は樹脂成形で作製している。
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、記録信号に応じて駆動部(5f)に駆動波形(10〜50Vのパルス電圧)を印加することによって、駆動部(5f)に積層方向の変位が生起し、振動板(60)を介して加圧液室(2b)が加圧されて圧力が上昇し、ノズル(3a)からインク滴が吐出される。
その後、インク滴吐出の終了に伴い、加圧液室(2b)内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧液室(2b)内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、インクタンクから供給されたインクは共通液室(1b)に流入し、共通液室(1b)からインク流入口(6c)を経て流体抵抗部(2a)を通り、加圧液室(2b)内に充填される。
流体抵抗部(2a)は、吐出後の残留圧力振動の減衰に効果が有る反面、表面張力による最充填(リフィル)に対して抵抗になる。流体抵抗部を適宜に選択することで、残留圧力の減衰とリフィル時間のバランスが取れ、次のインク滴吐出動作に移行するまでの時間(駆動周期)を短くできる。
本発明の洗浄・機能回復液を用いて洗浄する際には、前記圧電素子のように圧電アクチュエータにより、吐出が起こらない程度の微駆動による振動を利用して洗浄効果をより高めることも可能であり、非常に洗浄効率が向上し有効な手段である。
上記インクジェットノズル板、インクジェットヘッドは、これらインクジェット記録装置(画像形成装置)への応用が効果的であるが、これに限らず、カラーフィルター、有機EL等の製造装置、その他各種パターニング装置にも応用可能である。
本発明の洗浄・機能回復液は、容器に収容してカートリッジとし、インクジェット記録装置のメンテナンスの時などに用いることができる。その構成はインクカートリッジと同じでよく、インクの代りに洗浄・機能回復液を充填すればよい。
インクカートリッジは、インクを容器中に収容したものであり、必要に応じて適宜選択したその他の部材を有する。容器は、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができるが、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを有するものが好適である。
図6にケース(外装)も含めたインクカートリッジの一例を示す。
インクカートリッジ240は、インク注入口242からインク袋241内にインクを充填し排気した後、該インク注入口242を融着により閉じる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給される。インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、通常、プラスチックス製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
次に、インクジェット用インクについて説明する。
インクの構成成分としては、色材、湿潤剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、その他の添加剤(pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤等)、樹脂等が挙げられる。インクが乾燥した際に、特に色材、樹脂などの固形分がノズル内に固着残留物として残り、それらが曲がりなどの吐出不良の原因となる。色材として顔料を用いた場合や樹脂として樹脂エマルジョンを用いた場合は、これらが溶媒に溶解せずに分散しているため固着残留物となり易く、本発明は有効である。顔料の場合は再分散性のあるものもあるが、樹脂エマルジョンは一度固着してしまうと、新たに吐出液体に接触しても再分散しないこと、また定着性付与のための添加であることが多く、接着機能があることから、ノズル内壁などに固着してしまうと完全に除去するのは非常に困難であったが、本発明ではそれが可能となった。
色材としては、公知の顔料や染料を適宜使用することができる。
無機顔料としては、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、及びコンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの中でも、溶媒と親和性の良いものが好ましい。
上記の他に、顔料(例えばカーボン)の表面にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散顔料等も使用できる。また、顔料をマイクロカプセルに包含させ、該顔料を水中に分散可能なものとしたものであっても良い。
インク中の色材としての顔料の添加量は0.5〜25質量%程度が好ましく、より好ましくは2〜15質量%程度である。一般に顔料濃度が高くなると画像濃度が上がり画質が向上するが、定着性や吐出安定性、目詰まり等の信頼性に対しては悪影響が出易くなる。
顔料の粒径については特に制限は無いが、最大個数換算で最大頻度が20〜150nmの粒径の顔料インクが好ましい。粒径が150nmを超えると、インクとしての顔料分散安定性が悪くなるばかりでなく、吐出安定性も劣化し、画像濃度などの画像品質も低くなり好ましくない。粒径が20nm未満では、インクの保存安定性、プリンタでの噴射特性は安定するが、そのように細かな粒径にまで分散させるには、分散操作や、分級操作が複雑となり、経済的に記録液を製造することが困難となる。
分散剤を用いて顔料を分散する場合には、公知の分散剤を適宜使用することができる。たとえば、高分子分散剤、水溶性界面活性剤などが挙げられる。
樹脂は、画像定着性の向上、画質の向上、顔料分散性の向上等の目的で必要に応じて添加する。
その例としては、親水性高分子として、天然系ではアラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子;アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子;ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子;キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子、半合成系ではメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子;デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸ブロピレングリコールエステル等の海藻系高分子、純合成系ではポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等、及びこれらの塩が挙げられる。
これらの樹脂の添加量は、信頼性を考慮した上で適宜選択される。
また、最近は溶媒に溶けるタイプの樹脂ではなく、溶媒中で微粒子として分散したいわゆる樹脂エマルジョンが用いられることが多い。樹脂エマルジョンとは、樹脂微粒子を連続相としての溶媒中に分散したものであり、必要に応じて界面活性剤のような分散剤を含有させても良い。分散相成分としての樹脂微粒子の含有量(樹脂エマルジョン中の樹脂微粒子の含有量)は一般的には10〜70質量%程度であり、樹脂微粒子の粒径は特にインクジェット記録装置に使用することを考慮すると、平均粒径で10〜1000nmが好ましく、さらに20〜300nmが好ましいが、特に限定されるものではない。
分散相の樹脂微粒子成分としてはアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコン系樹脂などが挙げられ、特にアクリルシリコン系樹脂が効果的であるが、特に限定されるものではなく、公知のものを用いた場合に信頼性を確保するためのものであり、市販の樹脂エマルジョンを用いることも可能である。
その具体例としては、マイクロジェルE−100、E−2002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン 日本ペイント製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン 大日本インキ化学製)、ジョンクリル775(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン ジョンソンポリマー製)、SAE1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン 日本ゼオン製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン サイデン化学製)、プライマルAC−22、AC−61(アクリル系樹脂エマルジョン ローム・アンド・ハース製)、ナノクリルSBCX−2821、3689(アクリル−シリコン系樹脂エマルジョン 東洋インキ製)、#3070(メタクリル酸メチル重合体樹脂エマルジョン 御国色素製)などが挙げられる。
インク中の前記樹脂微粒子の含有量としては、一般的には0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%であるが、特に限定されるものではない。
その他の構成成分である、水溶性有機溶剤、界面活性剤、pH調整剤、防腐防黴剤などは前記洗浄・機能回復液の構成成分と同様であり、特に限定されるものではない。
上記インクは、前述の構成成分を媒体中に分散又は溶解し、さらに必要に応じて攪拌混合して作製する。分散はサンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1〜7、比較例1〜4
表1の各実施例及び比較例の欄に示す材料を混合し、各洗浄・機能回復液を作製した。なお、表中の数値は質量%であり、イオン交換水は全体で100質量%となるように加えた。
表1中の製品名などで示した材料の詳細は以下のとおりである。
・W−5661:ウレタン樹脂エマルジョン(三井武田ケミカル社製)
・W−5025:ウレタン樹脂エマルジョン(三井武田ケミカル社製)
・ゾニールFS−300(フッ素系界面活性剤):ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル(DuPont社製、有効成分40質量%)
・ECTD−3NEX(アニオン界面活性剤):ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム(日光ケミカルズ社製)
Figure 0005817523
<顔料インクの調製>
−ポリマー溶液の調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g及びメルカプトエタノール0.4g、メチルエチルケトン40.0gを混合し、65℃に昇温した。
次にスチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g及びメチルエチルケトン342.0gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。
滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18.0gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。
反応終了後、濃度が50質量%のポリマー溶液800gを得た。
−イエロー顔料含有ポリマー微粒子水分散体の調製−
前記ポリマー溶液28gとC.I.ピグメントイエロー74を26g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20.0g及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。
得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、顔料を15質量%含有する、固形分20質量%のイエロー顔料含有ポリマー微粒子の水分散体を得た。
−イエロー顔料インクの調製−
以下の手順でイエロー顔料インクを調製した。
まず、1,3−ブタンジオール15質量%、グリセリン15質量%、OMNOVA社製ポリフォックスPF−151N 1質量%、オクタンジオール2質量%を混合し、1時間攪拌して均一に混合した。この混合液に対して前記イエロー顔料含有ポリマー微粒子水分散体40質量%を添加し、合計100質量%となるように残量の水を添加し、1時間撹拌した。その後、0.8μmセルロースアセテートメンブランフィルターを用いて加圧濾過し、粗大粒子を除去して評価用のイエローインクとした。
−マゼンタ顔料含有ポリマー微粒子水分散体の調製−
前記ポリマー溶液17.5gとC.I.ピグメントレッド122を32.5g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液8.5g、メチルエチルケトン13.0g及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。
得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、顔料を15質量%含有する、固形分20質量%のマゼンタ顔料含有ポリマー微粒子の水分散体を得た。
−マゼンタ顔料インクの調製−
以下の手順でマゼンタ顔料インクを調製した。
まず、3−メチル−1,3−ブタンジオール15質量%、グリセリン15質量%、DuPont社製ゾニールFSO−100を0.5質量%、1,2−ヘキサンジオール1質量%を混合し、1時間攪拌して均一に混合した。この混合液に対して前記マゼンタ顔料含有ポリマー微粒子水分散体40質量%を添加し、合計100質量%となるように残量の水を添加し、1時間撹拌した。その後、0.8μmセルロースアセテートメンブランフィルターを用いて加圧濾過し、粗大粒子を除去して評価用のマゼンタインクとした。
上記各洗浄・機能回復液及び評価用インクを用いて、以下のようにして各種特性を評価した。結果を纏めて表2に示す。
<洗浄・機能回復液とインクとの混合性評価>
各洗浄・機能回復液97質量%と、インク3質量%からなる混合液を作製し、65℃で50時間放置した後、外観変化を次の基準で目視により評価した。
○:分離の有無が判らない。
△:濃淡が見られる。
×:分離が起こっている。
<フィルターの流体抵抗回復性評価>
・初期状態の設定
インクジェットプリンターに使用されている一般的なSUSフィルターをφ13で切り出し、マゼンタインクを100mL通液して初期状態の流体抵抗(A)を求めた。
次いで、150mmの水頭差でマゼンタインクを10L通液し、インク成分及び異物が付着したフィルターを作製して、10L通液後の流体抵抗(B)を求めた。
上記流体抵抗値(A)、(B)から、流体抵抗上昇値(B−A)を求めた。
・洗浄処理
上記マゼンタインクを10L通液したフィルターに対し、各洗浄・機能回復液を50mL通液させた後、改めて新しいマゼンタインクを100mL通液して、流体抵抗(C)を求めた。
・洗浄性の評価
上記各測定値から、次式により流体抵抗の回復率を算出し、下記の基準で評価した。

回復率(%)=〔(B−C)/(B−A)〕×100

〔評価基準〕
◎:80%以上
○:60%以上80%未満
△:40%以上60%未満
×:40%未満
<洗浄・機能回復性評価>
前述したイエローインク又はマゼンタインクを充填したインクカートリッジを、インクジェットプリンター(IPSiO GX3000、リコー社製)に装着し、マイペーパー上に印字した。印字パターンは、紙面全面積中、各色の印字面積が5%であるチャートとし、100%dutyで印字した。印字条件は、記録密度360dpi、ワンパス印字とし、1000枚印字した。
次いで、インクカートリッジを外し、洗浄・機能回復液を充填したカートリッジを取り付けて、ヘッドリフレッシング動作(ヘッド内に充填された液体を全部抜きとり、カートリッジから新しい洗浄・機能回復液を供給する動作)を6回行った。次いで、プリンターの維持ユニットを動作させ、各ヘッドから洗浄・機能回復液を4.5ccだけ吸引してカートリッジに充填するという動作を3回繰り返して行った。
その後、洗浄・機能回復液を充填したカートリッジを外し、再度、イエローインク又はマゼンタインクを充填したインクカートリッジを取り付けてヘッドにインクを充填し(再充填)、各ヘッドから液体を2cc吸引した後、ノズル面をワイピングして装置内の経路を洗浄した。なお、この液体を2cc吸引する動作は、ヘッド内の充填液を完全にインクに置き換える目的で念のために行ったものである。
次いで、ノズルチェックパターンを印字し、吐出不良(ノズルの不吐出や吐出曲がり=画像に対する白筋や黒筋が目立つ状態)がなくなるまでのヘッドリフレッシング回数により、次の基準で洗浄・機能回復性を評価した(最大8回まで)。
◎:1回以下
○:2回
△:3回〜4回
×:5回以上必要、又は回復不能
Figure 0005817523
上記表2の結果から分かるように、アミド化合物の配合量が多すぎても少なすぎても十分な洗浄・機能回復性が得られなかった。
また、ウレタン樹脂を添加しない場合は、再凝集・再付着が起こり、フィルターの流体抵抗回復性が悪くなった。
1b 共通液室
2a 流体抵抗部
2b 加圧液室
2c 連通口
2d 隔壁
3a ノズル
5f 駆動部
5g 支持部(非駆動部)
6a 凸部
6b ダイヤフラム部
6c インク流入口
10 フレーム
20 流路板
30 ノズルプレート
40 ベース
50 積層圧電素子
60 振動板
70 接着層
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
201 インクカートリッジ
240 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジ外装
特開2005−146224号公報 特許第4290486号公報

Claims (5)

  1. 少なくとも水、下記一般式(1)で示されるアミド化合物及びウレタン樹脂を含有し、前記アミド化合物の配合量が、全体の10.0〜60.0質量%であることを特徴とする液体吐出装置用フィルターの洗浄・機能回復液。
    Figure 0005817523
  2. 前記ウレタン樹脂の添加量が洗浄・機能回復液全体の0.5〜1.5質量%であることを特徴とする請求項1記載の洗浄・機能回復液。
  3. 更に界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の洗浄・機能回復液。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄・機能回復液を容器中に収容したことを特徴とするカートリッジ。
  5. 液体流路にフィルターを有する液体吐出装置に対し、請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄・機能回復液を通液することを特徴とする液体吐出装置用フィルターの洗浄・機能回復方法。
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