JP6891747B2 - 粒子分散液、水性インク、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法 - Google Patents

粒子分散液、水性インク、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6891747B2
JP6891747B2 JP2017181076A JP2017181076A JP6891747B2 JP 6891747 B2 JP6891747 B2 JP 6891747B2 JP 2017181076 A JP2017181076 A JP 2017181076A JP 2017181076 A JP2017181076 A JP 2017181076A JP 6891747 B2 JP6891747 B2 JP 6891747B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
group
based ink
general formula
organic solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017181076A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019056053A (ja
Inventor
竜輝 佐野
竜輝 佐野
聡一郎 北川
聡一郎 北川
山下 嘉郎
嘉郎 山下
里美 柏木
里美 柏木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2017181076A priority Critical patent/JP6891747B2/ja
Publication of JP2019056053A publication Critical patent/JP2019056053A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6891747B2 publication Critical patent/JP6891747B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Heterocyclic Compounds Containing Sulfur Atoms (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Description

本発明は、粒子分散液、水性インク、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法に関する。
光照射によって記録媒体に定着する水性インクとして、赤外線吸収剤を含有する水性インクが知られている。
例えば特許文献1には、水と、有機顔料と、近赤外線吸収色素を分散させる高分子分散剤と、700nm以上1500nm以下に吸収極大波長を有する水不溶性の近赤外線吸収色素とを含有するインク組成物が開示されている。
例えば特許文献2には、赤外線吸収化合物を含浸したラテックスと、水性ポリエステルとを含有する水性塗布組成物が開示されている。
例えば特許文献3には、水と、Fedors法により算出されたSP値差が3以上ある2種の水溶性有機溶剤と、顔料と、樹脂粒子とを含有するインクジェット用インクが開示されている。
特開2014−047302号公報 特開2003−107624号公報 特開2016−053129号公報
従来、赤外線吸収剤を水性媒体に含有させるために、赤外線吸収剤とポリマーとを双方を含有する粒子に粒子化して水性媒体に分散させた粒子分散液が知られている。粒子分散液を例えばインクジェット方式(液滴吐出方式)用の水性インクに用いる場合には、吐出口(インクジェットヘッド)での目詰まりを抑制する観点から、濃縮再分散性に優れることが求められる。粒子分散液がインクジェット方式用の水性インク以外に用いられる場合であっても、周囲の温度環境の変化に伴う分散安定性の観点から、濃縮再分散性が求められる。濃縮再分散性とは、分散液の溶媒の少なくとも一部が蒸発して分散液が濃縮した後、溶媒により希釈された際の固形分の分散性を意味する。
粒子分散液の濃縮再分散性を向上させるために、粒子を構成するポリマーに対して親和性のある水溶性有機溶剤を粒子分散液に添加することが考えられる。しかし、水溶性有機溶剤の種類によっては、粒子分散液の赤外線吸収性能が低下することがあった。
本開示は、上記状況のもとになされた。
本開示は、濃縮再分散性と赤外線吸収性能とに優れる粒子分散液を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
請求項1に係る発明は、
水と、
下記一般式(I)で表される化合物及び下記一般式(II)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種並びにポリマーを含有する粒子と、
沖津法によって算出されたSP値が24以上28以下である第一の水溶性有機溶剤と、
アミド構造を有しオクタノール/水分配係数logPが−0.7以上1.5以下である第二の水溶性有機溶剤と、
を含む粒子分散液。
Figure 0006891747

一般式(I)中、R1a、R1b、R1c及びR1dはそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基を表す。
一般式(II)中、R2a、R2b、R2c及びR2dはそれぞれ独立にアルキル基を表し、R2aとR2b及びR2cとR2dはそれぞれ独立に連結して環を形成していてもよい。
請求項2に係る発明は、
前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(I−a)で表される化合物である、請求項1に記載の粒子分散液。
Figure 0006891747

一般式(I−a)中、Rは一般式(I−b)で表される基を表し、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基を表す。一般式(I−b)中、Rは水素又はメチル基を表し、nは0以上3以下の整数を表す。
請求項3に係る発明は、
前記第二の水溶性有機溶剤が3−メチル−2−オキサゾリドン、N,N'−ジメチルエチレン尿素、N,N'−ジメチルプロピレン尿素及び3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1又は請求項2に記載の粒子分散液。
請求項4に係る発明は、
前記ポリマーが、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア及びポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の粒子分散液。
請求項5に係る発明は、
水と、
下記一般式(I)で表される化合物及び下記一般式(II)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種並びにポリマーを含有する粒子と、
沖津法によって算出されたSP値が24以上28以下である第一の水溶性有機溶剤と、
アミド構造を有しオクタノール/水分配係数logPが−0.7以上1.5以下である第二の水溶性有機溶剤と、
を含む水性インク。
Figure 0006891747

一般式(I)中、R1a、R1b、R1c及びR1dはそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基を表す。
一般式(II)中、R2a、R2b、R2c及びR2dはそれぞれ独立にアルキル基を表し、R2aとR2b及びR2cとR2dはそれぞれ独立に連結して環を形成していてもよい。
請求項6に係る発明は、
前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(I−a)で表される化合物である、請求項5に記載の水性インク。
Figure 0006891747

一般式(I−a)中、Rは一般式(I−b)で表される基を表し、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基を表す。一般式(I−b)中、Rは水素又はメチル基を表し、nは0以上3以下の整数を表す。
請求項7に係る発明は、
前記第二の水溶性有機溶剤が3−メチル−2−オキサゾリドン、N,N'−ジメチルエチレン尿素、N,N'−ジメチルプロピレン尿素及び3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項5又は請求項6に記載の水性インク。
請求項8に係る発明は、
前記ポリマーが、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア及びポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の水性インク。
請求項9に係る発明は、
前記第一の水溶性有機溶剤と前記第二の水溶性有機溶剤との合計が前記水性インク全体の18質量%以上36質量%以下である、請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載の水性インク。
請求項10に係る発明は、
前記第一の水溶性有機溶剤と前記第二の水溶性有機溶剤との合計が前記水性インク全体の20質量%以上35質量%以下である、請求項5〜請求項9のいずれか1項に記載の水性インク。
請求項11に係る発明は、
前記第二の水溶性有機溶剤が前記水性インク全体の1質量%以上16質量%以下である、請求項5〜請求項10のいずれか1項に記載の水性インク。
請求項12に係る発明は、
前記第二の水溶性有機溶剤が前記水性インク全体の3質量%以上11質量%以下である、請求項5〜請求項11のいずれか1項に記載の水性インク。
請求項13に係る発明は、
請求項5〜請求項12のいずれか1項に記載の水性インクを収容したインクカートリッジ。
請求項14に係る発明は、
請求項5〜請求項12のいずれか1項に記載の水性インクを収容し、前記水性インクを記録媒体に付与するインク付与手段と、
前記記録媒体に付与された前記水性インクに赤外線を照射する赤外線照射手段と、
を備える記録装置。
請求項15に係る発明は、
前記インク付与手段が、前記水性インクを吐出するインクジェットヘッドを備え、該インクジェットヘッドから前記水性インクを吐出して記録媒体に付与する手段である、請求項14に記載の記録装置。
請求項16に係る発明は、
請求項5〜請求項12のいずれか1項に記載の水性インクを記録媒体に付与するインク付与工程と、
前記記録媒体に付与された前記水性インクに赤外線を照射する赤外線照射工程と、
を有する記録方法。
請求項17に係る発明は、
前記インク付与工程が、インクジェットヘッドから前記水性インクを吐出して記録媒体に付与する工程である、請求項16に記載の記録方法。
請求項1、2、3又は4に係る発明によれば、水と前記粒子と前記第一の水溶性有機溶剤とを含み、さらに、アミド構造を有しない水溶性有機溶剤又はアミド構造を有しオクタノール/水分配係数logPが−0.7未満乃至1.5超である水溶性有機溶剤を含む粒子分散液に比べて、濃縮再分散性と赤外線吸収性能とに優れる粒子分散液が提供される。
請求項5、6、7又は8に係る発明によれば、水と前記粒子と前記第一の水溶性有機溶剤とを含み、さらに、アミド構造を有しない水溶性有機溶剤又はアミド構造を有しオクタノール/水分配係数logPが−0.7未満乃至1.5超である水溶性有機溶剤を含む水性インクに比べて、濃縮再分散性と赤外線吸収性能とに優れる水性インクが提供される。
請求項9又は10に係る発明によれば、前記第一の水溶性有機溶剤と前記第二の水溶性有機溶剤との合計が水性インク全体の18質量%未満である水性インクに比べて、濃縮再分散性に優れる水性インクが提供される。
請求項11又は12に係る発明によれば、前記第二の水溶性有機溶剤が水性インク全体の1質量%未満である水性インクに比べて、濃縮再分散性に優れる水性インクが提供される。
請求項13に係る発明によれば、水と前記粒子と前記第一の水溶性有機溶剤とを含み、さらに、アミド構造を有しない水溶性有機溶剤又はアミド構造を有しオクタノール/水分配係数logPが−0.7未満乃至1.5超である水溶性有機溶剤を含む水性インクに比べて、濃縮再分散性と赤外線吸収性能とに優れる水性インクを収容したインクカートリッジが提供される。
請求項14又は15に係る発明によれば、水と前記粒子と前記第一の水溶性有機溶剤とを含み、さらに、アミド構造を有しない水溶性有機溶剤又はアミド構造を有しオクタノール/水分配係数logPが−0.7未満乃至1.5超である水溶性有機溶剤を含む水性インクに比べて、濃縮再分散性と赤外線吸収性能とに優れる水性インクを用いる記録装置が提供される。
請求項16又は17に係る発明によれば、水と前記粒子と前記第一の水溶性有機溶剤とを含み、さらに、アミド構造を有しない水溶性有機溶剤又はアミド構造を有しオクタノール/水分配係数logPが−0.7未満乃至1.5超である水溶性有機溶剤を含む水性インクに比べて、濃縮再分散性と赤外線吸収性能とに優れる水性インクを用いる記録方法が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
以下に、発明の実施形態を説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
本開示において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
<粒子分散液、水性インク>
本実施形態に係る粒子分散液は、水と、一般式(I)で表される化合物及び一般式(II)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種並びにポリマーを含有する粒子と、沖津法によって算出されたSP値が24〜28である第一の水溶性有機溶剤と、アミド構造を有しオクタノール/水分配係数logPが−0.7〜1.5である第二の水溶性有機溶剤と、を含む。本実施形態に係る粒子分散液は、第一の水溶性有機溶剤とは別に第二の水溶性有機溶剤を含む。
本実施形態に係る水性インクは、水と、一般式(I)で表される化合物及び一般式(II)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種並びにポリマーを含有する粒子と、沖津法によって算出されたSP値が24〜28である第一の水溶性有機溶剤と、アミド構造を有しオクタノール/水分配係数logPが−0.7〜1.5である第二の水溶性有機溶剤と、を含む。本実施形態に係る水性インクは、第一の水溶性有機溶剤とは別に第二の水溶性有機溶剤を含む。
一般式(I)で表される化合物及び一般式(II)で表される化合物は、赤外線吸収能を有する化合物である。以下、一般式(I)で表される化合物及び一般式(II)で表される化合物を併せて「特定赤外線吸収剤」ということがある。一般式(I)で表される化合物及び一般式(II)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種並びにポリマーを含有する粒子を「特定粒子」ということがある。
従来、水性インク及びその基になる粒子分散液は、水を主溶媒とし、液の粘度や親疎水性を調整する目的で水溶性有機溶剤(一般的にSP値24〜28程度の水溶性有機溶剤)を含む。
本実施形態に係る粒子分散液及び水性インクも、水を含み、液の粘度や親疎水性を調整する目的で、SP値24〜28の水溶性有機溶剤(第一の水溶性有機溶剤)を含む。
そして、本実施形態に係る粒子分散液及び水性インクは、さらに、アミド構造を有しオクタノール/水分配係数logPが−0.7〜1.5である水溶性有機溶剤(第二の水溶性有機溶剤)を含むことにより、濃縮再分散性と赤外線吸収性能とに優れる。その機序として、下記が推定される。
オクタノール/水分配係数logPは、溶剤の親疎水性の指標となる数値であり、オクタノール/水分配係数logPが大きいほど溶剤は疎水性であり、オクタノール/水分配係数logPが小さいほど溶剤は親水性である。
第二の水溶性有機溶剤は、オクタノール/水分配係数logPが1.5以下であり水によく混合する性質を有する一方で、オクタノール/水分配係数logPが−0.7以上であることにより、特定粒子に含まれるポリマーに親和性を呈する。その結果、第二の水溶性有機溶剤は、特定粒子の分散性を良化させ、粒子分散液の濃縮再分散性を向上させると推測される。
オクタノール/水分配係数logPが1.5超である水溶性有機溶剤は、特定粒子に含まれるポリマーを溶解させやすく、特定粒子を安定して分散させることが困難な場合がある。この観点から、第二の水溶性有機溶剤のオクタノール/水分配係数logPは、1.5以下であり、1.0以下がより好ましく、0.5以下が更に好ましく、0.3以下が更に好ましい。
オクタノール/水分配係数logPが−0.7未満である水溶性有機溶剤は、特定粒子に含まれるポリマーに対する親和性が低く、特定粒子を安定して分散させることが困難な場合がある。この観点から、第二の水溶性有機溶剤のオクタノール/水分配係数logPは、−0.7以上であり、−0.68以上がより好ましく、−0.66以上が更に好ましい。
さらに、第二の水溶性有機溶剤は、特定粒子に含まれるポリマーに親和性を呈しつつ、特定粒子に含まれる特定赤外線吸収剤が粒子から溶出すること、及び、特定赤外線吸収剤が粒子表面において結晶化することを誘発しにくい。これは、第二の水溶性有機溶剤がアミド構造を有するために、特定赤外線吸収剤との親和性が低いことによるものと推測される。その結果、本実施形態に係る粒子分散液及び水性インクは、特定赤外線吸収剤が粒子中に安定して存在し、赤外線吸収性能に優れると推測される。
本実施形態に係る水性インクは、例えば、インクジェット方式の記録装置に適用した場合において、インクジェットヘッドにおいて濃縮されてもインクが再度吐出された際に再分散が可能であり、したがって、吐出安定性が確保される。
以下、本実施形態に係る粒子分散液及び水性インクの成分、組成、製造方法などについて詳細に説明する。
[水]
本実施形態に係る粒子分散液及び水性インクは、水を主たる溶媒とする。本開示において「主たる溶媒」とは、混合溶媒を構成する全溶媒のうち最も質量の多い溶媒を指す。
水としては、不純物の混入又は微生物の発生を抑制する観点から、蒸留水、イオン交換水、限外濾過水などの精製水が好ましい。
水の含有量は、粒子分散液又は水性インクの全質量に対して、40〜75質量%が好ましく、45〜70質量%がより好ましく、50〜65質量%が更に好ましい。
[特定粒子]
本実施形態において特定粒子は、少なくとも特定赤外線吸収剤及びポリマーを含有する。
−一般式(I)で表される化合物−
Figure 0006891747
一般式(I)中、R1a、R1b、R1c及びR1dはそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基を表す。
1a、R1b、R1c及びR1dで表されるアルキル基としては、炭素数1以上12以下のアルキル基が好ましく、炭素数1以上10以下のアルキル基がより好ましく、炭素数3以上6以下のアルキル基が更に好ましく、炭素数4以上6以下のアルキル基が更に好ましい。
1a、R1b、R1c及びR1dで表されるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれのアルキル基であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基(2−メチルプロピル基)、sec−ブチル基(1−メチルプロピル基)、tert−ブチル基(1,1−ジメチルエチル基)、n−ペンチル基、イソペンチル基(3−メチルブチル基)、ネオペンチル基(2,2−ジメチルプロピル基)、tert−ペンチル基(1,1−ジメチルプロピル基)、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、n−デシル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、n−ウンデシル基、イソウンデシル基、n−ドデシル基、イソドデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びビシクロ[2,2,2]オクチル基等が挙げられる。
1a、R1b、R1c及びR1dで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、及びアルキル置換フェニル基が挙げられる。アルキル置換フェニル基においては、フェニル基に1個のアルキル基が置換していても、複数個のアルキル基が置換していてもよいが、アルキル基が1個置換したアルキル置換フェニル基がより好ましい。置換基としてのアルキル基としては、炭素数1以上10以下のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、n−デシル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
アリール基の具体例としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基(好ましくは、4−tert−ブチルフェニル基)、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基等が挙げられ、中でもフェニル基が好ましい。
1a、R1b、R1c及びR1dで表されるアルキル基及びアリール基は、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素)で置換されていてもよい。
一般式(I)で表される化合物の具体例として、例えば下記の化合物(I−1)〜化合物(I−5)が挙げられる。
Figure 0006891747
−一般式(I−a)で表される化合物−
一般式(I)で表される化合物としては、下記一般式(I−a)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006891747
一般式(I−a)中、Rは一般式(I−b)で表される基を表し、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基を表す。一般式(I−b)中、Rは水素又はメチル基を表し、nは0〜3の整数を表す。
一般式(I−a)で表される化合物は、長期間又は高温下で保管しても赤外線吸収性能が低下しにくい。この機序として、下記が推測される。
スクアリリウム骨格を有する化合物は、赤外線吸収性能が高い等の理由によって光定着性インク等の水性組成物に含有されるが、スクアリリウム骨格が溶媒及びその他の材料(分散剤、界面活性剤等)によって分解することがある。
これに対して、一般式(I−a)で表される化合物は、4つのアルキル基のうち少なくとも1つが炭素数3以上の分岐アルキル基であり、該分岐アルキル基がスクアリリウム骨格を保護すると考えられる。それ故、一般式(I−a)で表される化合物は、水性組成物中で分解されにくく、長期間又は高温下で保管しても赤外線吸収性能が低下しにくいと推測される。
一般式(I−b)中、Rは、水素又はメチル基を表す。Rは、メチル基であることが好ましい。Rがメチル基である場合、一般式(I−b)で表される基は末端が三つに分岐した構造であり、Rが水素である場合に比べて、より赤外線吸収性能の低下が抑制される。これは、Rがメチル基である構造の方が、Rが水素である構造に比べ、溶媒及びその他の材料(分散剤、界面活性剤等)がスクアリリウム骨格に近づきにくく、一般式(I−a)で表される化合物の分解が抑えられることによると考えられる。
一般式(I−b)中、nは、0〜3の整数を表す。nは、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0が更に好ましい。nは、小さいほど赤外線吸収性能の低下が抑制される。これは、nの値が小さいほど、一般式(I−b)で表される基における分岐構造部分とスクアリリウム骨格との距離が近くなるが故に、溶媒及びその他の材料(分散剤、界面活性剤等)がスクアリリウム骨格に近づきにくく、一般式(I−a)で表される化合物の分解が抑えられることによると考えられる。
一般式(I−b)で表される基の総炭素数は6以下が好ましく、5以下がより好ましく、4以下が更に好ましく、4が特に好ましい。総炭素数の下限は3である。
一般式(I−b)で表される基の具体例としては、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、3−メチルブチル基(3−メチルブタン−1−イル基)、2,2−ジメチルプロピル基(2,2−ジメチルプロパン−1−イル基)、4−メチルペンチル基(4−メチルペンタン−1−イル基)、3,3−ジメチルブチル基(3,3−ジメチルブタン−1−イル基)、4,4−ジメチルペンチル基(4,4−ジメチルペンタン−1−イル基)が挙げられる。これらの中でも、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基がより好ましく、tert−ブチル基が更に好ましい。
一般式(I−a)中、R、R及びRは、それぞれ独立にアルキル基を表す。R、R及びRは少なくとも1つが一般式(I−b)で表される基であることが好ましく、R、R及びRの全てが一般式(I−b)で表される基であることがより好ましい。一般式(I−a)中における一般式(I−b)で表される基の数が多いほど、赤外線吸収性能の低下がより抑制される。これは、一般式(I−b)で表される基が多いほど、溶媒及びその他の材料(分散剤、界面活性剤等)がスクアリリウム骨格に近づきにくく、一般式(I−a)で表される化合物の分解が抑えられることによると考えられる。
、R及びRのうち1つが一般式(I−b)で表される基である場合、R、R及びRのいずれが一般式(I−b)で表される基であってもよい。R、R及びRのうち2つが一般式(I−b)で表される基である場合、R、R及びRのいずれが一般式(I−b)で表される基であってもよい。
乃至Rのうち2つ以上が一般式(I−b)で表される基である場合、複数ある一般式(I−b)で表される基の構造は同じであっても異なっていてもよい。
、R及びRの少なくとも1つが一般式(I−b)で表される基である場合における好ましい構造は、Rについて前述したとおりである。
、R及びRの少なくとも1つが一般式(I−b)で表される基以外である場合におけるアルキル基は、直鎖状、分岐状、及び環状の何れの構造であってもよい。この場合のアルキル基は分岐数が多い方が好ましく、炭素鎖は短い方が好ましい。炭素数としては、1以上10以下が好ましく、2以上8以下がより好ましく、3以上6以下が更に好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、sec−ブチル基、2−メチルブタン−2−イル基、3−メチルブタン−2−イル基、3,3−ジメチルブタン−2−イル基、3−ペンチル基、2−メチルペンタン−3−イル基、3−メチルペンタン−3−イル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、2−メチルブタン−2−イル基、3−メチルペンタン−3−イル基が好ましい。
以下に、一般式(I−a)で表される化合物の具体例を示す。化合物(I−a−1)〜(I−a−7)、化合物(I−b−1)〜(I−b−21)、化合物(I−c−1)〜(I−c−21)は、一般式(I−b)で表される基を4つ有する化合物である。化合物(I−d−1)〜(I−d−4)は、一般式(I−b)で表される基を2つ有する化合物である。
Figure 0006891747
Figure 0006891747
Figure 0006891747
Figure 0006891747
Figure 0006891747
Figure 0006891747
Figure 0006891747
Figure 0006891747
Figure 0006891747
Figure 0006891747
上記の具体例の中でも、化合物(I−a−1)〜(I−a−7)、化合物(I−b−1)〜(I−b−6)、化合物(I−c−1)〜(I−c−6)が好ましく、化合物(I−a−1)、化合物(I−b−3)、化合物(I−c−3)がより好ましく、化合物(I−a−1)が最も好ましい。
一般式(I−a)で表される化合物は、例えば下記の反応スキームに従って合成される。
(1)R、R、R及びRが全て同じ基の化合物
Figure 0006891747
まず、不活性雰囲気下且つ冷却下、有機マグネシウムハロゲン化物(グリニャール試薬、例えば塩化エチルマグネシウム等)の有機溶剤(例えばテトラヒドロフラン等)溶液に出発物質1を滴下して作用させる。その後、反応を完結させるため室温(例えば20℃乃至25℃。本説明において以下同じ)又はそれ以上の温度に戻してもよい。次いで冷却下、ギ酸誘導体(例えばギ酸エチル等)を滴下して作用させる。その後、反応を完結させるため室温又はそれ以上の温度に戻してもよい。反応の終わった混合物から有機物を抽出し、分離した有機層から中間体Aを得る。
次いで、溶媒(例えばシクロヘキサン等)に中間体Aと酸化試薬(例えば酸化マンガン等)とを加え、加熱還流して反応させる。反応中に生じる水を除去してもよい。反応混合物の有機層から中間体Bを得る。中間体Bを得る際に精製を行ってもよい。
次いで、中間体Bに対し付加環化反応を行う。例えば、溶媒(例えばエタノール等)に一硫化水素ナトリウムn水和物を加え、冷却下、中間体Bを滴下する。その後、室温で反応させ、反応液から溶媒を除去した後、飽和するまで食塩を加え、分液して有機相を回収し、有機相から中間体Cを得る。中間体Cを得る際に精製を行ってもよい。
次いで、不活性雰囲気下、溶媒(例えば無水テトラヒドロフラン等)と中間体Cとを混合し、グリニャール試薬(例えば臭化メチルマグネシウム等)を滴下する。滴下終了後、反応液を加熱して還流させ、次いで冷却下、臭化アンモニウムを滴下する。分離した有機層を乾燥し濃縮して、中間体Dを得る。
次いで、不活性雰囲気下、中間体D及びスクアリン酸を溶媒(例えばシクロヘキサンとイソブタノールとの混合溶媒等)に分散し、塩基性化合物(例えばピリジン等)を加えて加熱還流させ、化合物(I)−Aが得られる。反応中に生じる水を除去してもよい。また、精製や単離、濃縮等を実施してもよい。
(2)RとRが同じ基且つRとRが同じ基の化合物(RとRは異なる基)
上記(1)の反応スキームにおける中間体Aを得る過程を、下記の過程に変更する。
Figure 0006891747
不活性雰囲気下且つ冷却下、グリニャール試薬(例えば臭化エチルマグネシウム等)の有機溶剤(例えばテトラヒドロフラン等)溶液に、出発物質1を滴下し、さらに添加物質2を滴下し反応させる。反応後の溶液に、冷却下で強酸(例えば塩酸等)を加え、次いで室温下でエーテルを加え、有機層から中間体A’を得る。中間体A’を得る際に精製を行ってもよい。
(3)RとRが同じ基且つRとRが同じ基の化合物(RとRは異なる基)
上記(1)の反応スキームにおける中間体Dとして、Rの構造が異なる化合物を2種類準備し、この2種の化合物とスクアリン酸とを反応させて、一般式(I−a)で表される化合物を得る。
〜Rのうち3つが同じ基の化合物、2つが同じ基で残りの2つがそれぞれ異なる基の化合物、4つとも異なる基の化合物も、上記反応スキームに準じて合成し得る。
一般式(I−a)で表される化合物(テトラヒドロフラン溶液)の最大吸収波長(λmax)は、波長760〜1200nmが好ましく、波長780〜1100nmがより好ましく、波長800〜1000nmが更に好ましい。
一般式(I−a)で表される化合物(テトラヒドロフラン溶液)の最大吸収波長(λmax)におけるモル吸光係数(εmax)は、1×10〜6×10Lmol−1cm−1が好ましく、2×10〜6×10Lmol−1cm−1がより好ましく、2.5×10〜6×10Lmol−1cm−1が更に好ましい。
−一般式(II)で表される化合物−
Figure 0006891747
一般式(II)中、R2a、R2b、R2c及びR2dはそれぞれ独立にアルキル基を表し、R2aとR2b及びR2cとR2dはそれぞれ独立に連結して環を形成していてもよい。
2a、R2b、R2c及びR2dで表されるアルキル基としては、炭素数1以上12以下のアルキル基が好ましく、炭素数2以上8以下のアルキル基がより好ましい。
2a、R2b、R2c及びR2dで表されるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれのアルキル基であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、n−デシル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、n−ウンデシル基、イソウンデシル基、n−ドデシル基、イソドデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びビシクロ[2,2,2]オクチル基等が挙げられる。
2aとR2bとが連結して環を形成する場合、又は、R2cとR2dとが連結して環を形成する場合には、形成される環は5員環、6員環又は7員環であることが好ましく、6員環がより好ましい。形成される環は置換基を有していてもよく、置換基の例としてはアルキル基が挙げられる。環構造としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、3,5−ジメチルシクロヘキサン、3,5−ジエチルシクロヘキサン、3,5−ジイソプロピルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、及び3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
2a、R2b、R2c及びR2dで表されるアルキル基(R2aとR2b及びR2cとR2dが連結して形成される環を含む)は、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素)で置換されていてもよい。
一般式(II)で表される化合物の具体例として、例えば下記の化合物(II−a−1)〜(II−a−7)が挙げられる。
Figure 0006891747
一般式(II)においてR2aとR2b及びR2cとR2dが連結して環を形成した化合物の具体例として、例えば下記の化合物(II−b−1)〜(II−b−7)が挙げられる。
Figure 0006891747
Figure 0006891747
特定粒子は、特定赤外線吸収剤以外の赤外線吸収能を有する化合物(例えば、スクアリリウム系色素、クロコニウム系色素、ナフタロシアニン系色素、シアニン系色素、アミニウム系色素等)、紫外線吸収能を有する化合物(例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物等)を含んでいてもよい。
−ポリマー−
特定粒子に含まれるポリマーとしては、例えば、解離性基を有し解離性基の作用によって水性媒体に分散するポリマー;非解離性の分散性基(例えばポリエチレンオキシ基)を有し該基の作用によって水性媒体に分散するポリマー;が挙げられる。ポリマーは、水性媒体に液体状態で分散するポリマーでもよく、水性媒体に固体状態で分散するポリマーでもよく、分散安定性の観点からは、水性媒体に固体状態で分散するポリマーが好ましい。
ポリマーは、水性媒体への分散性の観点から、解離性基を有することが好ましい。解離性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、スルフィン酸基、硫酸モノエステル基、リン酸基、又はこれらの塩(例えば、Na、K等のアルカリ金属塩、アンモニア、ジメチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン等のアンモニウム塩)等のアニオン性基;一級、二級、三級アミン、四級アンモニウム塩等のカチオン性基;が挙げられる。これらの中でも、アニオン性基が好ましく、カルボキシ基及びスルホン酸基が特に好ましい。
ポリマー中の解離性基は、原料モノマーが有する基がポリマーの側鎖として導入された基でもよく、主鎖の未反応末端として残存した基でもよく、ポリマーの重合後に残存する反応性基(例えば、水酸基、アミノ基)に化合物(例えば、無水マレイン酸)を反応させて導入した基でもよい。
ポリマーとしては、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア及びポリカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの中でも、解離性基を導入することが容易である観点と、特定赤外線吸収剤との相溶性が良好である観点から、ポリウレタン及びポリエステルが好ましい。ポリマーは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
−ポリウレタン−
ポリウレタンは、一般的に、ジオールとジイソシアネートとの重付加反応により合成される。
ポリウレタンは、水性媒体への分散性の観点から、解離性基を有することが好ましい。解離性基としては、アニオン性基が好ましく、カルボキシ基及びスルホン酸基が特に好ましい。ポリウレタンへの解離性基の導入は、例えば、解離性基を有するジオールを重付加反応の原料とすることにより行う。
解離性基を有するジオールとしては、例えば、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、2,5,6−トリメトキシ−3,4−ジヒドロキシヘキサン酸、2,3−ジヒドロキシ−4,5−ジメトキシペンタン酸、2,4−ジ(2−ヒドロキシ)エチルオキシカルボニルベンゼンスルホン酸、及びこれらの塩等が挙げられる。解離性基を有するジオールは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
解離性基を有しないジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリエステルポリオール、4,4'−ジヒドロキシージフェニル−2,2−プロパン、4,4'−ジヒドロキシフェニルスルホン等が挙げられる。解離性基を有しないジオールは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ジイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート,1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート,m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチルビフェニレンジイソシアネート、4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)等が挙げられる。ジイソシアネートは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
−ポリエステル−
ポリエステルは、一般的に、ジカルボン酸とジオールとの脱水縮合により合成される。
ポリエステルは、水性媒体への分散性の観点から、解離性基を有することが好ましい。解離性基としては、アニオン性基が好ましく、カルボキシ基及びスルホン酸基が特に好ましい。ポリエステルへの解離性基の導入は、例えば、スルホン酸基を有するジカルボン酸又はジオールを脱水縮合の原料とすることにより行う。
スルホン酸基を有するジカルボン酸としては、例えば、3−スルホフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホイソフタル酸、5−スルホイソフタル酸、2−スルホテレフタル酸、スルホコハク酸、4−スルホ−1,8−ナフタレンジカルボン酸、7−スルホ−1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,4−ジ(2−ヒドロキシ)エチルオキシカルボニルベンゼンスルホン酸、及びこれらの塩等が挙げられる。これらジカルボン酸は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
その他のジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ジメチルマロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、α,α−ジメチルコハク酸、アセトンジカルボン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2−ブチルテレフタル酸、テトラクロロテレフタル酸、アセチレンジカルボン酸、ポリ(エチレンテレフタレート)ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ω−ポリ(エチレンオキシド)ジカルボン酸、p−キシリレンジカルボン酸等が挙げられる。これらジカルボン酸は、アルキルエステル、酸塩化物又は酸無水物の形態で脱水縮合に供してもよい。これらジカルボン酸は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
スルホン酸基を有するジオール、その他のジオールとしては、ポリウレタンの原料として前述した化合物が挙げられる。ジオールは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
−ポリアミド−
ポリアミドは、一般的に、ジアミンとジカルボン酸との重縮合、アミノカルボン酸の重縮合、ラクタム類の開環重合、又はこれらの組合せにより合成される。
ポリアミドは、水性媒体への分散性の観点から、解離性基を有することが好ましい。解離性基としては、アニオン性基が好ましく、カルボキシ基及びスルホン酸基が特に好ましい。ポリアミドへの解離性基の導入は、例えば、スルホン酸基を有するジカルボン酸を重縮合の原料とすることにより行う。
ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,2−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,3‘−ジアミノジフェニルスルホン、キシリレンジアミン等が挙げられる。ジアミンは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
スルホン酸基を有するジカルボン酸、その他のジカルボン酸としては、例えば、ポリエステルの原料として前述した化合物が挙げられる。ジカルボン酸は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アミノカルボン酸としては、例えば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、ω−アミノヘキサン酸、ω−アミノデカン酸、ω−アミノウンデカン酸、アントラニル酸等が挙げられる。アミノカルボン酸は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ラクタム類としては、例えば、ε−カプロラクタム、アゼチジノン、ピロリドン等が挙げられる。ラクタム類は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
−ポリウレア−
ポリウレアは、一般的に、ジアミンとジイソシアネートとの重付加反応、ジアミンと尿素との脱アンモニア反応、又はこれら反応の組合せにより合成される。
ポリウレアは、水性媒体への分散性の観点から、解離性基を有することが好ましい。解離性基としては、アニオン性基が好ましく、カルボキシ基及びスルホン酸基が特に好ましい。ポリウレアへの解離性基の導入は、例えば、ポリマー末端のイソシアネートに解離性基を有するアルコール又はアミン等を付加することにより行う。
ジアミンとしては、ポリアミドの原料として前述した化合物が挙げられる。ジアミンは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ジイソシアネートとしては、ポリウレタンの原料として前述した化合物が挙げられる。ジイソシアネートは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリウレアに解離性基を導入するための化合物としては、例えば、1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、12−アミノドデカン酸、6−アミノヘキサン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−1−プロパンスルホン酸等が挙げられる。これら化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
−ポリカーボネート−
ポリカーボネートは、一般的に、ジオールとホスゲン又は炭酸エステル誘導体との反応により合成される。
ポリカーボネートは、水性媒体への分散性の観点から、解離性基を有することが好ましい。解離性基としては、アニオン性基が好ましく、カルボキシ基及びスルホン酸基が特に好ましい。ポリカーボネートへの解離性基の導入は、例えば、解離性基を有するジオールを重縮合の原料とすることにより行う。
解離性基を有するジオール、解離性基を有しないジオールとしては、ポリウレタンの原料として前述した化合物が挙げられる。ジオールは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
炭酸エステル誘導体としては、例えば、ジフェニルカーボネート等の芳香族エステルが挙げられる。炭酸エステル誘導体は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリマーは、例えば、ポリマーの酸価、ガラス転移温度、有機溶剤への溶解性、又は特定赤外線吸収剤に対する親和性等を制御する観点から、モノマー種を選択して合成される。
以下に、ポリマーの具体例を、重合成分を記載して例示する。ただし、ポリエステル、ポリアミド等の縮合反応により生成するポリマーについては、重合成分にかかわらず、ポリマーの構成単位となるジカルボン酸、ジオール、ジアミン、ヒドロキシカルボン酸、アミノカルボン酸等を記載する。括弧内は重合成分のモル比である。本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
−ポリウレタン−
・トルエンジイソシアネート/エチレングリコール/1,4−ブタンジオール(50/15/35)
・4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート/1,3−プロパンジオール/ポリプロピレングリコール(Mw1000)(50/45/5)
・トルエンジイソシアネート/ヘキサメチレンジイソシアネート/エチレングリコール/ポリエチレングリコール(Mw600)/1,4−ブタンジオール(40/10/20/10/20)
・1,5−ナフチレンジイソシアネート/ヘキサメチレンジイソシアネート/ジエチレングリコール/1,6−ヘキサンジオール(25/25/35/15)
・4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート/ヘキサメチレンジイソシアネート/テトラエチレングリコール/エチレングリコール/2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(40/10/20/20/10)
・4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート/ヘキサメチレンジイソシアネート/ブタンジオール/エチレングリコール/2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(40/10/20/20/10)
・1,5−ナフチレンジイソシアネート/ブタンジオール/2,2'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/ポリプロピレングリコール(Mw400)/2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(50/20/5/10/15)
・1,5−ナフチレンジイソシアネート/ヘキサメチレンジイソシアネート/2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸/ポリブチレンオキシド(Mw500)(35/15/25/25)
・イソホロンジイソシアネート/ジエチレングリコール/ネオペンチルグリコール/2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(50/20/20/10)
・トルエンジイソシアネート/2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸/ポリエチレングリコール(Mw1000)/シクロヘキサンジメタノール(50/10/10/30)
・ジフェニルメタンジイソシアネート/ヘキサメチレンジイソシアネート/テトラエチレングリコール/ブタンジオール/2,4−ジ(2−ヒドロキシ)エチルオキシカルボニルベンゼンスルホン酸(40/10/10/33/7)
・ジフェニルメタンジイソシアネート/ヘキサメチレンジイソシアネート/ブタンジオール/エチレングリコール/2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸/2,4−ジ(2−ヒドロキシ)エチルオキシカルボニルベンゼンスルホン酸(40/10/20/15/10/5)
・イソホロンジイソシアネート/ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(Mn2000)/ネオペンチルグリコール/2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(50/9.5/6.2/34.3)
・イソホロンジイソシアネート/ポリプロピレングリコール(Mn1000)/ネオペンチルグリコール/2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(50/20/15/15)
・イソホロンジイソシアネート/ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(Mn2000)/トリエチレングリコール/2,4−ジ(2−ヒドロキシ)エチルオキシカルボニルベンゼンスルホン酸(50/20/18/12)
−ポリエステル−
・テレフタル酸/イソフタル酸/シクロヘキサンジメタノール/1,4−ブタンジオール/エチレングリコール(25/25/25/15/10)
・テレフタル酸/イソフタル酸/2,2'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン/テトラエチレングリコール/エチレングリコール(30/20/20/15/15)
・テレフタル酸/イソフタル酸/シクロヘキサンジメタノール/ネオペンチルグリコール/ジエチレングリコール(20/30/25/15/10)
・テレフタル酸/イソフタル酸/4,4'−ベンゼンジメタノール/ジエチレングリコール/ネオペンチルグリコール(25/25/25/15/10)
・テレフタル酸/イソフタル酸/5−スルホイソフタル酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリコール(24/24/2/25/25)
・テレフタル酸/イソフタル酸/5−スルホイソフタル酸/シクロヘキサンジメタノール/1,4−ブタンジオール/エチレングリコール(22/22/6/25/15/10)
・イソフタル酸/5−スルホイソフタル酸/シクロヘキサンジメタノール/エチレングリコール(40/10/40/10)
・シクロヘキサンジカルボン酸/イソフタル酸/2,4−ジ(2−ヒドロキシ)エチルオキシカルボニルベンゼンスルホン酸/シクロヘキサンジメタノール/エチレングリコール(30/20/5/25/20)
−ポリアミド−
・11−アミノウンデカン酸(100)
・12−アミノドデカン酸(100)
・ポリ(12−アミノドデカン酸)と無水マレイン酸との反応の生成物
・11−アミノウンデカン酸/7−アミノヘプタン酸(50/50)
・ヘキサメチレンジアミン/アジピン酸(50/50)
・テトラメチレンジアミン/アジピン酸(50/50)
・ヘキサメチレンジアミン/セバシン酸(50/50)
・N,N−ジメチルエチレンジアミン/アジピン酸/シクロヘキサンジカルボン酸(50/20/30)
−ポリウレア−
・トルエンジイソシアネート/ヘキサメチレンジアミン/2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(50/40/10)
・11−アミノウンデカン酸/ヘキサメチレンジアミン/尿素(33/33/33)
−ポリカーボネート−
・1,6−ヘキサンジオールポリカーボネートジオール(Mw2000)の片末端無水フタル酸付加物
・1,6−ヘキサンジオール/1,4−ブタンジオール(モル比1:1)ポリカーボネートジオール(Mw2000)の片末端無水フタル酸付加物
・1,6−ヘキサンジオール/1,5−ヘプタンジオール(モル比1:1)ポリカーボネートジオール(Mw2000)の片末端無水フタル酸付加物
ポリマーの分子量範囲は、重量平均分子量として1000〜20万が好ましい。重量平均分子量が1000以上であることにより、水溶性成分の含有割合が低減され、特定赤外線吸収剤の分散に適する。一方、重量平均分子量が20万以下であることにより、有機溶剤に対する溶解性に優れ且つ有機溶剤に溶解したポリマー溶液の粘度が抑えられるので、粒子分散液又は水性インクを製造する際において水性媒体への分散が容易になり、よって、特定粒子の分散安定性に優れる。上記の観点から、ポリマーの分子量範囲は、5000〜10万がより好ましく、1万〜5万が更に好ましい。
ポリマーの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)によって測定し、ポリスチレン換算で算出する。
ポリマーのガラス転移温度は、40〜150℃が好ましい。ガラス転移温度が40℃以上であることにより、ポリマーを含むインクを用いて形成した画像の引っかき耐性やブロッキング耐性に優れ、ガラス転移温度が150℃以下であることにより、ポリマーを含むインクを用いて形成した画像の耐擦性に優れる。この観点から、ポリマーのガラス転移温度は、60〜140℃がより好ましく、70〜130℃が更に好ましい。
[第一の水溶性有機溶剤]
第一の水溶性有機溶剤は、SP値が24〜28である。本実施形態において水溶性有機溶剤のSP値(溶解度パラメーター)は、沖津法によって算出されるSP値であり、単位が(J/cm1/2である。
第一の水溶性有機溶剤としては、アルコール、多価アルコール、多価アルコール誘導体、含窒素溶剤、含硫黄溶剤などが挙げられる。第一の水溶性有機溶剤は、分子中にアミド構造(即ち、R−C(=O)−NR)を有しない化学物質であることが好ましい。
第一の水溶性有機溶剤としては、具体的には、例えば、プロピレングリコール(SP値26.7)、1,3−プロパンジオール(SP値26.7)、ジエチレングリコール(SP値26.1)等が挙げられる。
第一の水溶性有機溶剤としては、SP値24.5〜27.5の水溶性有機溶剤がより好ましく、SP値25〜27の水溶性有機溶剤が更に好ましい。
第一の水溶性有機溶剤としては、1価〜4価のアルコールが好ましく、2価〜3価のアルコールがより好ましい。
本実施形態に係る粒子分散液及び水性インクは、SP値が24未満である水溶性有機溶剤、及び、SP値が28超である水溶性有機溶剤を含有していてもよいが、これら水溶性有機溶剤の合計は、粒子分散液全体又は水性インク全体の1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましく、実質的に0質量%であることが更に好ましい。
[第二の水溶性有機溶剤]
第二の水溶性有機溶剤には、分子中にアミド構造(即ち、R−C(=O)−NR)を有し、オクタノール/水分配係数logPが−0.7〜1.5である限り、公知のあらゆる水溶性有機溶剤が含まれる。
本実施形態において水溶性有機溶剤のオクタノール/水分配係数logPは、OECDテストガイドラインNo.107(又は、該ガイドラインの日本語翻訳であるJIS Z7260−107)に規定されているフラスコ振盪法によって求められる値である。
アミド構造を有しオクタノール/水分配係数logPが−0.7〜1.5である第二の水溶性有機溶剤としては、例えば、3−メチル−2−オキサゾリドン(logP=−0.66)、N,N'−ジメチルエチレン尿素(logP=−0.23)、N,N'−ジメチルプロピレン尿素(logP=0.22)、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(logP=0.30)、1−メチル−2−ピロリドン(logP=−0.40)等が挙げられる。
第二の水溶性有機溶剤は、水性インク全体の1〜16質量%であることが好ましい。第二の水溶性有機溶剤が1質量%以上であると、濃縮した特定粒子の再分散性により優れ、一方、第二の水溶性有機溶剤が16質量%以下であると、特定赤外線吸収剤の分散性がより安定し、赤外線吸収性能に優れる。上記の観点から、第二の水溶性有機溶剤は2〜15質量%以下がより好ましく、3〜11質量%以下が更に好ましい。
第一の水溶性有機溶剤と第二の水溶性有機溶剤との合計は、水性インク全体の18〜36質量%であることが好ましい。両者の合計が18質量%以上であると、濃縮した特定粒子の再分散性により優れ、一方、両者の合計が36質量%以下であると、特定赤外線吸収剤の分散性がより安定し、赤外線吸収性能に優れる。上記の観点から、両者の合計は20〜35質量%がより好ましく、22〜32質量%がより好ましく、25〜30質量%が更に好ましい。
[着色剤]
本実施形態に係る水性インクは、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、顔料又は染料が挙げられ、画像の耐光性等の観点からは顔料が好ましい。
着色剤として顔料を使用する場合は、併せて顔料分散剤を用いることが好ましい。顔料分散剤としては、公知のあらゆる、高分子分散剤、界面活性剤等が挙げられる。顔料分散剤は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。顔料分散剤の含有量は、顔料の種類及び顔料分散剤の種類により異なるため一概には言えないが、顔料の含有量に対して0.1〜100質量%がよい。
顔料としては、水に自己分散する顔料(以下「自己分散型顔料」という。)も挙げられる。自己分散型顔料とは、顔料表面に親水性基を有し、顔料分散剤が存在しなくとも水に分散する顔料のことを指す。自己分散型顔料としては、例えば、顔料に対して、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化処理、還元処理等の表面改質処理を施すことにより得られる、公知のあらゆる自己分散型顔料が挙げられる。
顔料としては、樹脂により被覆された所謂マイクロカプセル顔料も挙げられる。市販のマイクロカプセル顔料としては、DIC社製、東洋インキ社製がある。
顔料としては、高分子化合物を顔料に物理的に吸着又は化学的に結合させた、樹脂分散型顔料も挙げられる。
顔料としては、赤色、緑色、茶色、白色等の特定色顔料;金色、銀色等の金属光沢顔料;無色又は淡色の体質顔料;プラスチックピグメント;シリカ、アルミナ、又はポリマービード等の表面に染料又は顔料を固着させた粒子;染料の不溶レーキ化物;着色エマルジョン;着色ラテックス;なども挙げられる。
着色剤として染料を使用する場合は、染料を高分子分散剤(例えば、本開示のポリマー)と共に粒子化し、該粒子を水性インクに含ませることが好ましい。
着色剤が粒状物である場合、その体積平均粒径は、例えば、10〜200nmである。
着色剤の含有量は、水性インクの全質量に対して、1〜25質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましい。
[添加剤]
本実施形態に係る粒子分散液及び水性インクは、必要に応じて、各種の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、ポリマー、界面活性剤、分散安定剤、浸透剤、粘度調整剤、中和剤、pH調整剤、pH緩衝剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防カビ剤等が挙げられる。本実施形態に係る粒子分散液及び水性インクは、特定赤外線吸収剤以外の赤外線吸収能を有する化合物を含んでいてもよい。
[粒子分散液及び水性インクの物性]
粒子分散液及び水性インクに含まれる特定粒子の体積平均粒径は、10〜150nmが好ましい。特定粒子の体積平均粒径が10nm以上であることで、耐光性に優れ、150nm以下であることで、インクジェット方式の打滴特性に優れる。上記の観点から、特定粒子の体積平均粒径は、10〜120nmがより好ましく、10〜100nmが更に好ましい。特定粒子の平均粒径及び粒径分布は、例えば、光散乱法を用いて測定する。
本実施形態に係る粒子分散液及び水性インクのpHは、6.5〜11.0が好ましく、7.0〜10.5がより好ましく、8.0〜10.0が更に好ましい。本実施形態において粒子分散液及び水性インクのpHは、温度23±0.5℃、相対湿度55±5%の環境下で測定する。
本実施形態に係る粒子分散液及び水性インクの表面張力は、20〜40mN/mが好ましく、25〜35mN/mがより好ましい。本実施形態において粒子分散液及び水性インクの表面張力は、ウィルヘルミー型表面張力計を用いて、温度23±0.5℃、相対湿度55±5%の環境下で測定する。
本実施形態に係る粒子分散液及び水性インクの粘度は、1〜30mPa・sが好ましく、2〜20mPa・sがより好ましい。本実施形態において粒子分散液及び水性インクの粘度は、TV−20形粘度計(東機産業)を測定装置として用い、温度23±0.5℃、せん断速度1400s−1の条件で測定する。
[粒子分散液及び水性インクの製造方法]
本実施形態に係る粒子分散液は、例えば、特定粒子が分散した分散液を調製し、該分散液と、第一の水溶性有機溶剤と、第二の水溶性有機溶剤とを混合することにより製造される。
本実施形態に係る水性インクは、例えば、本実施形態に係る粒子分散液に着色剤を添加することにより製造される。本実施形態に係る水性インクは、本実施形態に係る粒子分散液そのものであってもよい。
特定粒子が分散した分散液の調製方法としては、例えば、転相乳化法、含浸法が挙げられ、転相乳化法が好ましい。
転相乳化法は、有機溶剤に特定赤外線吸収剤及びポリマーが溶解した溶液を調製し、該溶液に中和剤を加えてポリマーを中和した後、水を徐々に混合して特定赤外線吸収剤とポリマーの双方を含有する粒子に粒子化して分散状態にする方法である。ここでの分散状態は、液体粒子が分散した乳化でもよく、固体粒子が分散した懸濁でもよく、分散安定性の観点からは、固体粒子が分散した懸濁が好ましい。転相乳化法に使用した有機溶剤は、該有機溶剤のSP値が24未満若しくは32超である場合、該有機溶剤の水に対する溶解度が10質量%以下である場合、又は、該有機溶剤の蒸気圧が水より大きい場合には、特定粒子の分散安定性の観点から除去されることが好ましい。中和は、必須の工程ではないが、ポリマーが未中和の解離性基を有する場合、分散液のpH調製等の観点から、行うことが好ましい。
含浸法は、ポリマー粒子分散液を調製し、ポリマー粒子分散液と、有機溶剤に特定赤外線吸収剤が溶解した溶液とを混合した後、有機溶剤を徐々に除去して特定赤外線吸収剤をポリマー粒子に含浸させ特定粒子とする方法である。ポリマー粒子は、液体粒子でもよく固体粒子でもよく、分散安定性の観点からは、固体粒子が好ましい。ポリマー粒子分散液は、例えば、ポリマーが溶解した溶液を調製し、該溶液に中和剤を加えて中和した後、水を徐々に混合しながら有機溶剤を除去することにより調製する。
転相乳化法及び含浸法に用いる有機溶剤は、特定赤外線吸収剤の溶解性及びポリマーの溶解性に基づいて選択する。具体的には、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤;クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤;ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;などが挙げられる。これらの有機溶剤は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
転相乳化法及び含浸法に用いる有機溶剤の使用量としては、ポリマー100質量部に対し、10〜2000質量部が好ましく、100〜1000質量部がより好ましい。有機溶剤の使用量がポリマー100質量部に対し10質量部以上であると、粒子の分散が安定し、有機溶剤の使用量がポリマー100質量部に対し2000質量部以下であると、有機溶剤を除去する工程が不要又は短時間で済む。
転相乳化法及び含浸法に用いる中和剤としては、ポリマーがアニオン性基を有する場合、有機塩基、無機アルカリが好ましい。有機塩基としては、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。無機アルカリとしては、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等)、炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等)、アンモニアなどが挙げられる。中和剤の添加量は、特定粒子の分散安定性の観点から、粒子分散液のpHが前述の範囲となる添加量が好ましい。
転相乳化法及び含浸法におけるポリマーの使用量、及び粒子分散液に含まれるポリマーの含有量としては、赤外線吸収能を有する化合物100質量部に対し、100〜9900質量部が好ましく、300〜4900質量部がより好ましい。ポリマーの使用量(ポリマーの含有量)が赤外線吸収能を有する化合物100質量部に対し100質量部以上であると、赤外線吸収能を有する化合物の分散が安定し、ポリマーの使用量(ポリマーの含有量)が赤外線吸収能を有する化合物100質量部に対し9900質量部以下であると、粒子分散液の赤外線吸収効率がよい。
転相乳化法及び含浸法において、特定赤外線吸収剤以外の有機化合物も用いて、該化合物を特定赤外線吸収剤及びポリマーと共に粒子化し、三者を含有する粒子を形成してもよい。共に粒子化する有機化合物としては、例えば、染料、特定赤外線吸収剤以外の赤外線吸収能を有する化合物(例えば、スクアリリウム系色素、クロコニウム系色素、ナフタロシアニン系色素、シアニン系色素、アミニウム系色素等)、紫外線吸収能を有する化合物(例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物等)などが挙げられる。
<インクカートリッジ>
本実施形態に係るインクカートリッジは、本実施形態に係る水性インクを収容したカートリッジである。本実施形態に係るインクカートリッジは、例えば、インクジェット方式の記録装置に着脱可能な形態で提供される。
<記録装置、記録方法>
本実施形態に係る記録装置は、本実施形態に係る水性インクを収容し、該水性インクを記録媒体に付与するインク付与手段と、記録媒体に付与された水性インクに赤外線を照射する赤外線照射手段とを備える。本実施形態に係る記録装置により、本実施形態に係る水性インクを記録媒体に付与するインク付与工程と、記録媒体に付与された水性インクに赤外線を照射する赤外線照射工程とを有する記録方法が実現される。
本実施形態におけるインク付与手段としては、例えば、インクジェット方式によりインクを吐出する吐出手段;ロール、スプレー、スポンジ等による塗布手段;オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、凸版印刷等による印刷手段;が挙げられる。
本実施形態におけるインク付与手段は、インクジェット方式によりインクを吐出する吐出手段が好適である。インクジェット方式を適用した記録装置及び記録方法は、本実施形態に係る水性インクを用いることにより、吐出安定性に優れる。
本実施形態に係る記録装置は、記録媒体に付与された水性インクを乾燥させる乾燥手段として、赤外線照射手段を備える。本実施形態に係る記録装置は、前記乾燥手段として、赤外線照射手段のほかに、加熱ロール、加熱ドラム、加熱ベルト等の接触式加熱手段;発熱体及び送風機からなる温風送風手段;これらの組合せ;を備えていてもよい。
記録媒体としては、例えば、紙;樹脂でコートされた紙;樹脂、金属、ガラス、セラミックス、シリコン、ゴム等を材料とするフィルム及び板;が挙げられる。
本実施形態に係る記録装置は、本実施形態に係る水性インクを収容し、記録装置に着脱されるようカートリッジ化されたインクカートリッジを備えていてもよい。
以下、本実施形態に係る記録装置及び記録方法の一例について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る記録装置の一例を示す概略構成図である。図1に示す記録装置12は、インクジェット方式の記録装置である。
図1に示す記録装置12は、筐体14の内部に、画像記録前の記録媒体Pを収容する容器16と、駆動ロール24及び従動ロール26に張架された無端状の搬送ベルト28と、インク付与手段の一例であるインク吐出ヘッド(インク吐出ヘッド30Y、30M、30C、30K。総称するときは、インク吐出ヘッド30という。)と、赤外線照射装置(赤外線照射装置60Y、60M、60C、60K。総称するときは、赤外線照射装置60という。)と、画像記録後の記録媒体Pを収容する容器40とを備える。
容器16と搬送ベルト28との間は、画像記録前の記録媒体Pが搬送される搬送経路22であり、搬送経路22には、記録媒体Pを容器16から1枚ずつ取り出すロール18と、記録媒体Pを搬送する複数のロール対20とが配置されている。搬送ベルト28の上流側には、帯電ロール32が配置されている。帯電ロール32は、従動ロール26との間で搬送ベルト28及び記録媒体Pを挟みつつ従動し、接地された従動ロール26との間に電位差を生じさせ、記録媒体Pに電荷を与えて搬送ベルト28に静電吸着させる。
インク吐出ヘッド30は、搬送ベルト28の平坦部分に対向して、搬送ベルト28の上方に配置されている。インク吐出ヘッド30と搬送ベルト28とが対向した領域が、インク吐出ヘッド30からインク滴が吐出される領域である。
インク吐出ヘッド30Y、30M、30C、30Kはそれぞれ、Y(イエロー)色の画像を記録するヘッド、M(マゼンタ)色の画像を記録するヘッド、C(シアン)色の画像を記録するヘッド、K(ブラック)色の画像を記録するヘッドである。インク吐出ヘッド30Y、30M、30C、30Kは、例えばこの順に、搬送ベルト28の上流側から下流側に並べられている。インク吐出ヘッド30Y、30M、30C、30Kはそれぞれ、記録装置12に着脱される各色のインクカートリッジ31Y、31M、31C、31Kと供給管(不図示)を通じて連結され、インクカートリッジから各色のインクがインク吐出ヘッドへ供給される。
インク吐出ヘッド30としては、例えば、有効な記録領域(インクを吐出するノズルの配置領域)が記録媒体Pの幅(記録媒体Pの搬送方向と直交する方向の長さ)以上とされた長尺状のヘッド;記録媒体Pの幅よりも短尺状のヘッドであって、記録媒体Pの幅方向に移動してインクを吐出するキャリッジ方式のヘッド;が挙げられる。
インク吐出ヘッド30が採用するインクジェット方式としては、ピエゾ素子の振動圧力を利用するピエゾ方式;静電誘引力を利用してインクを吐出する電荷制御方式;電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出する音響インクジェット方式;インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式;などが挙げられる。
インク吐出ヘッド30は、例えば、インク滴量10〜15pLの範囲でインク滴を吐出する低解像度用の記録ヘッド(例えば600dpiの記録ヘッド)、インク滴量10pL未満の範囲でインク滴を吐出する高解像度用の記録ヘッド(例えば1200dpiの記録ヘッド)である。dpiは「dots per inch」を意味する。
記録装置12は、4つのインク吐出ヘッドを備える形態に限られない。記録装置12は、YMCKに中間色を加えた4つ以上のインク吐出ヘッドを備える形態;1つのインク吐出ヘッドを備え1色のみの画像を記録する形態;であってもよい。
インク吐出ヘッド30の下流側には、搬送ベルト28の上方に、各色のインク吐出ヘッドごとに赤外線照射手段装置60Y、60M、60C、60Kが配置されている。赤外線照射装置60(赤外線照射手段の一例)は、記録媒体P上のインクに赤外線を照射してインクの乾燥を行う。
赤外線照射装置60の光源としては、例えば、発光ダイオード、半導体レーザ、面発光型半導体レーザ、ハロゲンランプ、キセノンランプが挙げられる。
赤外線照射装置60としては、例えば、有効な赤外線照射領域(赤外線を照射する光源の配置領域)がインク吐出ヘッド30による記録領域の幅以上とされた長尺状の赤外線照射装置;インク吐出ヘッド30による記録領域の幅よりも短尺状の赤外線照射装置であって、記録媒体Pの幅方向に移動して赤外線を照射するキャリッジ方式の赤外線照射装置;が挙げられる。
赤外線照射装置60の照射条件は、インクの赤外線吸収性能、インク中の水分量などに応じて設定する。照射条件としては、記録媒体P上に付与されたインク中の水分量を10質量%以下に乾燥させる照射条件が好ましい。具体的には、例えば、中心波長が700〜1200nm(好ましくは780〜980nm)、照射強度が0.1〜10J/cm(好ましくは1〜3J/cm)、照射時間が0.1ミリ秒〜10秒(好ましくは10ミリ秒〜100ミリ秒)である。
記録装置12は、各色のインク吐出ヘッドごとに赤外線照射装置を備える形態に限られず、最下流のインク吐出ヘッドの下流側に1つのみ赤外線照射装置を備える形態であってもよい。
記録装置12は、赤外線照射装置60と共に、インクの乾燥手段として接触式加熱手段及び温風送風手段の少なくとも一方を備えていてもよい。接触式加熱手段又は温風送風手段は、例えば、記録媒体の表面温度を50〜120℃の範囲に上昇させる条件で乾燥を行う。
赤外線照射装置60の下流側には、駆動ロール24と対向して剥離板34が配置されている。剥離板34は、記録媒体Pを搬送ベルト28から剥離させる。
搬送ベルト28と容器40との間は、画像記録後の記録媒体Pが搬送される搬送経路36であり、搬送経路36には、記録媒体Pを搬送する複数のロール対38が配置されている。
記録装置12の動作について説明する。
画像記録前の記録媒体Pは、容器16からロール18で1枚ずつ取り出され、複数のロール対20によって搬送ベルト28へ搬送される。
次いで、記録媒体Pは、帯電ロール32によって搬送ベルト28に静電吸着され、搬送ベルト28の回転によってインク吐出ヘッド30の下方へ搬送される。
次いで、記録媒体P上に、インク吐出ヘッド30からインクが吐出され、画像が記録される。
次いで、記録媒体P上のインクに赤外線照射装置60から赤外線が照射され、インクが赤外線吸収によって発熱し、インク温度が上昇し、インクが乾燥する。
次いで、インクが乾燥し画像が固定化された記録媒体Pは、剥離板34によって搬送ベルト28から剥離され、複数のロール対38によって容器40に搬送される。
本実施形態に係る記録装置は、インク付与手段から記録媒体にインクを直接付与する形態に限られず、インク付与手段から中間転写体にインクを付与した後、中間転写体上のインクを記録媒体に転写する形態であってもよい。
本実施形態に係る記録装置は、図1に示す記録装置12を一例とする枚葉機に限られず、輪転機でもよい。
以下、実施例により発明の実施形態を詳細に説明するが、発明の実施形態は、これら実施例に限定されるものではない。以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて質量基準である。
[化合物(I−a−1)の合成]
一般式(I−a)で表される化合物として、下記の反応スキームに従って化合物(I−a−1)を合成した。
Figure 0006891747
三口フラスコにDean−Starkトラップ、還流冷却管、撹拌シール及び撹拌棒を設置し、反応容器とした。反応容器に2,2,8,8−テトラメチル−3,6−ノナジイン−5−オールとシクロヘキサンを入れた。酸化マンガン(IV)の粉末を加え、スリーワンモータで撹拌し、加熱還流させた。反応中にできた水を共沸蒸留により除去した。薄層クロマトグラフィーで2,2,8,8−テトラメチル−3,6−ノナジイン−5−オールの残存がないことを確認した。反応混合物を放冷後、減圧濾過し、黄色の濾液(F1)を得た。濾別した固体を別の容器に移して酢酸エチルを添加し、超音波分散して濾過する作業を4回繰り返し、酢酸エチル抽出液(F2)を得た。酢酸エチル抽出液(F2)と濾液(F1)とを混合し、ロータリーエバポレータ次いで真空ポンプで濃縮し、オレンジ色の液体を得た。オレンジ色の液体を減圧蒸留し、淡黄色液体(中間体1)を得た。
三口フラスコに温度計及び滴下ロートを設置し、反応容器とした。エタノールに一硫化水素ナトリウムn水和物を加え、室温(20℃)下で溶解するまで撹拌した後、氷水で冷却した。内温が5℃になったところで、中間体1とエタノールの混合液を少しずつ滴下した。滴下により液が黄色からオレンジ色に変化した。発熱により内温が上昇するため、滴下量を調整しながら、内温5〜7℃の範囲で滴下した。その後、氷水バスを外し、室温(20℃)下で自然昇温させながら撹拌した。反応液に水を投入し、ロータリーエバポレータでエタノールを除去した。その後、飽和するまで食塩を加え、酢酸エチルで分液して有機相を回収した。有機相を飽和塩化アンモニウムで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥後、減圧濃縮し、茶色の液体を回収した。茶色の液体を減圧蒸留した。200℃から留分が出始めるが、初留は目的とする成分の純度が低いので、蒸気量が増えたところで本留とした。黄色液体(中間体2)が蒸留された。
三口フラスコに撹拌棒と中間体2とを入れ、窒素導入管及び還流冷却器を付け、窒素置換した。窒素雰囲気下、無水テトラヒドロフランを注射器で加え、室温(20℃)下で撹拌しながら臭化メチルマグネシウムの1Mテトラヒドロフラン溶液を注射器で滴下した。滴下終了後、この反応液を加熱撹拌し、還流させた。窒素雰囲気下、反応液を放冷後、氷水浴にて冷却しながら、臭化アンモニウムを水に溶かした溶液を滴下した。反応混合物をさらに室温(20℃)にて撹拌した後、n−ヘキサンを加え、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、n−ヘキサン/テトラヒドロフラン溶液を注射筒で取出し、無機層を酢酸エチルで洗浄し抽出液を得た。n−ヘキサン/テトラヒドロフラン溶液と無機層からの抽出液とを混合し、減圧濃縮後真空乾燥し、中間体3を得た。
窒素雰囲気下、中間体3及びスクアリン酸を、シクロヘキサンとイソブタノールとの混合溶媒に分散し、ピリジンを加えて加熱還流させた。その後、イソブタノールを追加し、反応混合物をさらに加熱還流させた。反応中に生じた水を共沸蒸留により除去した。反応混合物を放冷後、減圧濾過し、難溶物を除去した。濾液をロータリーエバポレータで濃縮した。残渣にメタノールを添加し、40℃に加熱後、−10℃に冷却した。濾過にて結晶を得て、これを真空乾燥し、化合物(I−a−1)を得た。
[化合物(I−d−2)の合成]
化合物(I−a−1)の合成における出発物質を変更した(t−ブチル基を2個有する化合物を、t−ブチル基1個とn−C11基1個を有する化合物に変更した)以外は同様の手順で、化合物(I−d−2)を合成した。
[化合物(II−b−1)の合成]
特開2010−186014号公報に記載の合成方法に準じて、化合物(II−b−1)を合成した。
[ポリマー(1)の合成]
・テレフタル酸ジメチル 90.1部
・イソフタル酸ジメチル 90.1部
・フマル酸メチル 21.0部
・ビスフェノールAエチレンオキシド2モル付加物 146.2部
・ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物 162.2部
・エチレングリコール 22.0部
撹拌機及び蒸留管を装着した三口フラスコに、上記の原料モノマーと、縮合触媒として酢酸カルシウム0.1部及び酸化アンチモン(III)0.1部とを入れ、窒素気流下、生成するメタノール及びエチレングリコールを留去しつつ昇温し、150℃に保ちながら30分間撹拌し、さらに200℃に保ちながら1時間撹拌した。次いで、温度を150℃に下げ、撹拌下、ポンプにより反応系内を徐々に減圧し、反応系内の圧力を10〜40Paの範囲に保ちながら、エチレングリコールを留去しつつ反応系内を昇温し、240℃でさらに3時間反応させた。生成物を取り出して冷却し、ポリエステルであるポリマー(1)を得た。ポリマー(1)は、重量平均分子量(Mw)16,000、酸価16mgKOH/gであった。
[ポリマー(2)の合成]
・トルエンジイソシアネート 75部
・エチレングリコール 22.5部
・1,4−ブタンジオール 52.5部
上記の原料モノマーから定法によりポリウレタンであるポリマー(2)を合成した。ポリマー(2)は、重量平均分子量(Mw)22,000、酸価20mgKOH/gであった。
[ポリマー(3)の合成]
・ヘキサメチレンジアミン 80部
・アジピン酸 80部
上記の原料モノマーから定法によりポリアミドであるポリマー(3)を合成した。ポリマー(3)は、重量平均分子量(Mw)14,000、酸価8mgKOH/gであった。
[ポリマー(4)の合成]
・トルエンジイソシアネート 100部
・ヘキサメチレンジアミン 80部
・2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸 20部
上記の原料モノマーから定法によりポリウレアであるポリマー(4)を合成した。ポリマー(4)は、重量平均分子量(Mw)9,000、酸価8mgKOH/gであった。
[ポリマー(5)の合成]
・1,6−ヘキサンジオール 118部
・1,4−ブタンジオールポリカーボネートジオール(Mw2000)の片末端無水フタル酸付加物 100部
上記の原料モノマーから定法によりポリカーボネートであるポリマー(5)を合成した。ポリマー(5)は、重量平均分子量(Mw)8,000、酸価16mgKOH/gであった。
<実施例1>
[粒子(1)の製造]
化合物(I−a−1)0.3部をフラスコに入れた。そこに、テトラヒドロフラン14部を加え、撹拌子を入れて撹拌した。次いで、10部のポリマー(1)を加え、さらにメチルエチルケトン30部を加えて撹拌し、混合した。次いで、水酸化ナトリウムの8%水溶液を、ポリマー(1)に含まれる全カルボキシ基の0.9当量(中和度90%)、撹拌しながら加えた。次いで、撹拌を続けながら水120部を徐々に添加し、水と混合した。その後、フラスコに蒸留管と減圧ポンプを付け、42〜52℃となるように混合液を加熱して撹拌しながら減圧し、有機溶剤を留去した。固形分濃度が11質量%を超えないように水の添加量を調節しながら、有機溶剤臭が無くなるまで繰り返した。濃縮液を230メッシュのナイロンメッシュで濾過し、粒子分散液を得た。この粒子分散液について固形分量を測定し、測定した固形分量に基づいて水を添加して固形分濃度を10質量%に調製し、粒子(1)の分散液とした。化合物(I−a−1)の量及びポリマー(1)の量から換算すると、粒子(1)の分散液における化合物(I−a−1)の濃度は0.32質量%であった。
[ポリマー被覆シアン顔料(1)の製造]
反応容器に、スチレン6部、ステアリルメタクリレート11部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成製)4部、ブレンマーPP−500(日油製)5部、メタクリル酸5部、2−メルカプトエタノール0.05部及びメチルエチルケトン24部からなる混合溶液を調液した。別途、スチレン14部、ステアリルメタクリレート24部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成)9部、ブレンマーPP−500(日油)9部、メタクリル酸10部、2−メルカプトエタノール0.13部、メチルエチルケトン56部及び2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部からなる混合溶液を調液し、滴下ロートに入れた。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を撹拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了から2時間経過後、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部をメチルエチルケトン12部に溶解した溶液を3時間かけて滴下し、75℃で2時間反応させ、さらに80℃で2時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液5部(固形分換算)、ピグメントブルー15:3(大日精化工業)10部、メチルエチルケトン40部、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液8部及びイオン交換水82部を、0.1mmジルコニアビーズ300部と共にビーズミル分散機に仕込み、6時間分散した。得られた分散液を、エバポレーターを用いて減圧濃縮し、メチルエチルケトンの除去と、顔料濃度10質量%までの濃縮とを行った。こうして、ポリマー被覆シアン顔料(1)が分散した分散液を得た。該分散液に含まれるポリマー被覆シアン顔料(1)の体積平均粒径は77nmであった。
[シアンインク(1)の製造]
下記の材料を混合した後、5μmフィルターで粗大粒子を除去し、シアンインク(1)を得た。シアンインク(1)のpHは6であった。
・粒子(1)の分散液 3部
・ポリマー被覆シアン顔料(1)の分散液 9部
・プロピレングリコール 20部
・3−メチル−2−オキサゾリドン 10部
・オルフィンE1010(日信化学工業) 0.5部
・イオン交換水 57.5部
<実施例2〜88及び比較例1〜6>
特定赤外線吸収剤の種類、ポリマーの種類、水溶性有機溶剤の種類及び含有量を表3〜表6に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例のシアンインク(2)〜(88)及び比較例のシアンインク(C1)〜(C6)を製造した。
<水性インクの性能評価>
各実施例及び比較例のシアンインクについて、下記のとおり性能評価を行った。表3〜表6に結果を示す。
[濃縮再分散性]
各例のシアンインクをそれぞれガラス製のシャーレに入れ、40℃で加熱し、40質量%まで濃縮した。その後、温度23℃の環境下で、元のインク量になるようにイオン交換水(温度23℃)を添加して希釈し、この希釈液の様子を目視で観察して、下記のとおり分類した。許容できるのはG1〜G4である。
G1:シャーレ上に固形物は確認できない。希釈液中の凝集物も確認できない。
G2:シャーレ上に固形物が僅かに確認できるが、希釈液中の凝集物は確認できない。
G3:シャーレ上に固形物が確認でき、希釈液中に凝集物が僅かに確認できる。
G4:シャーレ上に固形物が確認でき、希釈液中に凝集物が確認できるが許容範囲である。
G5:シャーレ上に固形物が確認でき、希釈液中に凝集物が許容できない範囲で存在する。
[赤外線吸収性能]
各例のシアンインクをそれぞれ600倍に希釈し、波長818nmにおける赤外線吸収量を分光光度計(日立製作所製U−4100、セル:光路長1.00cm)を用いて測定した。得られた吸収強度から、希釈倍率及び元の固形分濃度に基づき、固形分濃度5.0質量%換算に補正した吸収強度を算出した。上記測定を、インク作製直後と、60℃環境下で2週間保管した後に実施し、前者の吸収強度に対する後者の吸収強度の比率を下記のとおり分類した。許容できるのはG1〜G5である。
G1:95%以上
G2:90%以上、95%未満
G3:85%以上、90%未満
G4:80%以上、85%未満
G5:75%以上、80%未満
G6:75%未満
Figure 0006891747
Figure 0006891747
Figure 0006891747
Figure 0006891747
12 記録装置
14 筐体
16 容器
18 ロール
20 ロール対
22 搬送経路
24 駆動ロール
26 従動ロール
28 搬送ベルト
30Y,30M,30C,30K インク吐出ヘッド(インク付与手段の一例)
31Y,31M,31C,31K インクカートリッジ
32 帯電ロール
34 剥離板
36 搬送経路
38 ロール対
40 容器
60Y,60M,60C,60K 赤外線照射装置(赤外線照射手段の一例)
P 記録媒体

Claims (17)

  1. 水と、
    下記一般式(I)で表される化合物及び下記一般式(II)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種並びにポリマーを含有する粒子と、
    沖津法によって算出されたSP値が24以上28以下である第一の水溶性有機溶剤と、
    アミド構造を有しオクタノール/水分配係数logPが−0.7以上1.5以下である第二の水溶性有機溶剤と、
    を含む粒子分散液。
    Figure 0006891747

    一般式(I)中、R1a、R1b、R1c及びR1dはそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基を表す。
    一般式(II)中、R2a、R2b、R2c及びR2dはそれぞれ独立にアルキル基を表し、R2aとR2b及びR2cとR2dはそれぞれ独立に連結して環を形成していてもよい。
  2. 前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(I−a)で表される化合物である、請求項1に記載の粒子分散液。
    Figure 0006891747

    一般式(I−a)中、Rは一般式(I−b)で表される基を表し、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基を表す。一般式(I−b)中、Rは水素又はメチル基を表し、nは0以上3以下の整数を表す。
  3. 前記第二の水溶性有機溶剤が3−メチル−2−オキサゾリドン、N,N'−ジメチルエチレン尿素、N,N'−ジメチルプロピレン尿素及び3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1又は請求項2に記載の粒子分散液。
  4. 前記ポリマーが、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア及びポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の粒子分散液。
  5. 水と、
    下記一般式(I)で表される化合物及び下記一般式(II)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種並びにポリマーを含有する粒子と、
    沖津法によって算出されたSP値が24以上28以下である第一の水溶性有機溶剤と、
    アミド構造を有しオクタノール/水分配係数logPが−0.7以上1.5以下である第二の水溶性有機溶剤と、
    を含む水性インク。
    Figure 0006891747

    一般式(I)中、R1a、R1b、R1c及びR1dはそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基を表す。
    一般式(II)中、R2a、R2b、R2c及びR2dはそれぞれ独立にアルキル基を表し、R2aとR2b及びR2cとR2dはそれぞれ独立に連結して環を形成していてもよい。
  6. 前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(I−a)で表される化合物である、請求項5に記載の水性インク。
    Figure 0006891747

    一般式(I−a)中、Rは一般式(I−b)で表される基を表し、R、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基を表す。一般式(I−b)中、Rは水素又はメチル基を表し、nは0以上3以下の整数を表す。
  7. 前記第二の水溶性有機溶剤が3−メチル−2−オキサゾリドン、N,N'−ジメチルエチレン尿素、N,N'−ジメチルプロピレン尿素及び3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項5又は請求項6に記載の水性インク。
  8. 前記ポリマーが、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア及びポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の水性インク。
  9. 前記第一の水溶性有機溶剤と前記第二の水溶性有機溶剤との合計が前記水性インク全体の18質量%以上36質量%以下である、請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載の水性インク。
  10. 前記第一の水溶性有機溶剤と前記第二の水溶性有機溶剤との合計が前記水性インク全体の20質量%以上35質量%以下である、請求項5〜請求項9のいずれか1項に記載の水性インク。
  11. 前記第二の水溶性有機溶剤が前記水性インク全体の1質量%以上16質量%以下である、請求項5〜請求項10のいずれか1項に記載の水性インク。
  12. 前記第二の水溶性有機溶剤が前記水性インク全体の3質量%以上11質量%以下である、請求項5〜請求項11のいずれか1項に記載の水性インク。
  13. 請求項5〜請求項12のいずれか1項に記載の水性インクを収容したインクカートリッジ。
  14. 請求項5〜請求項12のいずれか1項に記載の水性インクを収容し、前記水性インクを記録媒体に付与するインク付与手段と、
    前記記録媒体に付与された前記水性インクに赤外線を照射する赤外線照射手段と、
    を備える記録装置。
  15. 前記インク付与手段が、前記水性インクを吐出するインクジェットヘッドを備え、該インクジェットヘッドから前記水性インクを吐出して記録媒体に付与する手段である、請求項14に記載の記録装置。
  16. 請求項5〜請求項12のいずれか1項に記載の水性インクを記録媒体に付与するインク付与工程と、
    前記記録媒体に付与された前記水性インクに赤外線を照射する赤外線照射工程と、
    を有する記録方法。
  17. 前記インク付与工程が、インクジェットヘッドから前記水性インクを吐出して記録媒体に付与する工程である、請求項16に記載の記録方法。
JP2017181076A 2017-09-21 2017-09-21 粒子分散液、水性インク、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法 Active JP6891747B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017181076A JP6891747B2 (ja) 2017-09-21 2017-09-21 粒子分散液、水性インク、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017181076A JP6891747B2 (ja) 2017-09-21 2017-09-21 粒子分散液、水性インク、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019056053A JP2019056053A (ja) 2019-04-11
JP6891747B2 true JP6891747B2 (ja) 2021-06-18

Family

ID=66107070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017181076A Active JP6891747B2 (ja) 2017-09-21 2017-09-21 粒子分散液、水性インク、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6891747B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020003781A1 (ja) * 2018-06-27 2020-01-02 Dic株式会社 ウレタン樹脂組成物、表面処理剤、及び、物品

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5273422B2 (ja) * 2001-09-20 2013-08-28 株式会社リコー インクジェット記録用インク、インクセット、インクカートリッジ、記録装置、記録方法
JP5676091B2 (ja) * 2009-08-24 2015-02-25 富士フイルム株式会社 インク組成物、インクセット、及び画像形成方法
JP2012041485A (ja) * 2010-08-20 2012-03-01 Fuji Xerox Co Ltd インク組成物、及び画像記録方法
JP5817523B2 (ja) * 2011-12-28 2015-11-18 株式会社リコー 液体吐出装置用フィルターの洗浄・機能回復液、カートリッジ、洗浄・機能回復方法
JP6102067B2 (ja) * 2012-03-13 2017-03-29 富士ゼロックス株式会社 インクジェット記録装置
JP2015091923A (ja) * 2013-10-01 2015-05-14 富士ゼロックス株式会社 樹脂組成物、チオピラン系スクアリリウム化合物、及び画像形成材料
US9550902B1 (en) * 2015-07-16 2017-01-24 Fuji Xerox Co., Ltd. Aqueous ink, ink cartridge, ink drying system, ink drying method, recording apparatus, and recording method
JP6336948B2 (ja) * 2015-08-24 2018-06-06 富士フイルム株式会社 赤外線反射パターン形成用インク組成物、赤外線反射パターン形成方法、及び赤外線反射体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019056053A (ja) 2019-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107922769B (zh) 油墨、喷墨记录方法、喷墨记录装置和记录物
JP6414659B2 (ja) インクジェット記録用インク、インク収容容器、インクジェット記録装置
JP6801179B2 (ja) インク、インク収容容器、画像形成方法、液体を吐出する装置、及び画像
JP6541091B2 (ja) インクジェット記録方法、インクジェット記録物、及びインクジェット記録装置
US8740371B2 (en) Inkjet recording ink set, ink cartridge, and inkjet recording apparatus
JP7258285B2 (ja) 印刷方法及び印刷装置
JP2016030788A (ja) インクジェット用インクセット、インクジェット記録方法
JP6710981B2 (ja) 印刷方法、印刷装置、及び前処理液とインクの印刷セット
JPWO2017126345A1 (ja) インク、インクと基材のセット、インクジェット印刷方法、インクジェット印刷装置、及び印刷物
JP2016166274A (ja) インク、インクジェット記録方法、及び記録物
JP6891747B2 (ja) 粒子分散液、水性インク、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法
JP6841155B2 (ja) 粒子分散液、水性インク、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法
JP2018127521A (ja) インク、インク収容容器、インクセット、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法並びに記録物
JP6398670B2 (ja) インクジェット用水性インクセット、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
US8765839B2 (en) Inkjet ink set, inkjet recording device, and inkjet recording method
JP6794717B2 (ja) 赤外線吸収性粒子分散液、水性インク、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法
JP2019210423A (ja) 赤外線吸収性粒子分散液、水性インク、インクカートリッジ、記録装置、及び記録方法
TW201723105A (zh) 油墨組成物及其製造方法、以及使用該油墨組成物之噴墨用墨水組及噴墨印刷系統
JP2020002309A (ja) 水性インク、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法
JP2017075291A (ja) インク、及びインクジェット記録方法
JP2019218446A (ja) 水性インク、インクカートリッジ、記録装置、及び記録方法
JP6881169B2 (ja) 粒子分散液、水性インク、インクカートリッジ、記録装置、及び記録方法
JP2018162432A (ja) 粒子分散液、水性インク、インクカートリッジ、記録装置、及び記録方法
JP2020002308A (ja) 水性インク、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法
JP2020023168A (ja) 画像形成方法、画像形成装置、及び画像形成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200831

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210415

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210427

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210510

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6891747

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150